説明

アクセルペダル誤動作解消装置

【課題】アクセルペダルの踏み込みのみで制動でき確実にブレーキ制御ができる。
【解決手段】アクセルペダル誤動作解消装置1はアクセルペダル踏込力伝達部材5とアクセル連係機構及びペダル連係機構を有する。アクセルペダル踏込力伝達部材5はアクセルペダル2及び第一立上り部材8を備える揺動部材6と、アクセルワイヤー4を掛止する第二立上り部材11を有する。アクセル連係機構は第二立上り部材11の連係爪12と第一立上り部材8の係止ピン13を有し、アクセルペダル2の踏込時に連係爪12と係止又は係脱するよう構成されている。ペダル連係機構は固定立上り部15に取付ける連係揺動部材16、係止ピン13に取り付けるリング材18、ブレーキペダル19に接続するブレーキワイヤ17を有し、アクセルペダル2の更なる踏込力をブレーキペダル19の踏込に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車運転時の操作ミスでブレーキとアクセルを踏み間違えても事故にならないようアクセルペダルにブレーキ機能を備えた装置に関し、特にアクセルペダルだけで運転操作ができ誤動作による事故を解消するアクセルペダル誤動作解消装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車運転において、アクセルペダルとブレーキペダルを交互に踏み換えて運転操作を行っているが、これを踏み間違えると重大事故になるので踏み間違えの無いように運転することが肝要である。
【0003】
しかし、誤動作によりアクセルペダルを踏み込むと気が動転して更にアクセルペダルを踏み込み場合があるので、このような誤動作を解消するためのアクセルペダル誤動作解消装置が種々提案されてきた。従来のアクセルペダル誤動作解消装置としては、例えば特許文献1に記載されるような構造があった。
【特許文献1】特開平5−185862号公報
【0004】
特許文献1に記載されるアクセルペダル誤動作解消装置は、アクセルペダルを備えたアクセルロッドの先部に、アクセルワイヤーを係止したワイヤー作動板と連係されるか、又は連係が解除されるアクセル連係機構を備えるアクセルペダル踏込力伝達部材を有すると共に、一端部にブレーキペダルを固着して他端部を枢軸に取り付け回動運動により制動操作を行うブレーキアームを備え、このブレーキアームとアクセルペダル踏込力伝達部材とを接続しながら踏込力伝達の解除時よりアクセルペダルの更なる踏込力をブレーキペダルの踏込に変換するペダル連係機構を備えるものであった。
【0005】
この従来のアクセルペダル誤動作解消装置におけるペダル連係機構は、アクセルロッドのほぼ中央部に設けるアクセルペダルの揺動運動を回転運動に変換する運動変換機構と、この運動変換機構を介してアクセルペダルの一定位置よりの踏み込みで運動する機構と、この機構が枢着されるブレーキアームから構成されていた。
【0006】
従来のアクセルペダル誤動作解消装置では、アクセルペダルが一定位置よりも踏み込まれた状況で、アクセル連係機構が解除されアクセルワイヤーの引張が解除されると共に、運動変換機構を介してブレーキペダルが僅かに踏み込まれる構成となっていた。
【0007】
このように従来のアクセルペダル誤動作解消装置では、アクセルペダルの踏み込みが、一定位置を超えると、アクセルペダル踏み込み状態のままで、何等格別な操作を要することなく、アクセルは低速回転に戻り、かつブレーキが作動するという効果を有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のアクセルペダル誤動作解消装置は、運動変換機構を構成するアクセルロッドのほぼ中央部に固止した連動杆の移動とブレーキアームに取り付ける連動リンクの作用でブレーキペダルを作動させていたため、連動杆の移動距離が短く、その制動効果は極僅かなものに過ぎなかった。
【0009】
即ち、従来のアクセルペダル誤動作解消装置は、アクセルペダルの誤動作が発生した極めて初期の段階で、この誤動作を回避するように構成したものに過ぎず、アクセルペダルの誤動作に気付き、これを回避すると同時に初期のブレーキ操作を行い、続いて本来のブレーキ操作を行うことで自動車を制動するものであった。
【0010】
従って、気が動転してブレーキペダルへの踏み替えができなかった場合には十分な減速及び制動行為が行えなかった。
【0011】
この発明は、従来のアクセルペダル誤動作解消装置が有する上記の問題点を解消すべくなされたものであり、気が動転してブレーキペダルへの踏み替えができなかった場合にも、アクセルペダルの踏み込みのみで自動車を制動することが可能で、確実にブレーキ制御ができるアクセルペダル誤動作解消装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明のアクセルペダル誤動作解消装置は、一端部にアクセルペダルを固着し中間部に揺動支点ピンを遊挿して他端部にアクセルワイヤーを掛止するアクセルペダル踏込力伝達部材と、このアクセルペダル踏込力伝達部材の一部を構成して前記踏込力をアクセルワイヤーに伝達するか、又はその伝達を解除するアクセル連係機構と、一端部にブレーキペダルを固着して他端部を枢軸に取り付け回動運動により制動操作を行うブレーキアームと、このブレーキアームと前記アクセルペダル踏込力伝達部材とを接続すると共に前記踏込力伝達の解除時よりアクセルペダルの更なる踏込力をブレーキペダルの踏込に変換するペダル連係機構を備えるアクセルペダル誤動作解消装置において、前記アクセルペダル踏込力伝達部材は、水平基材の先端に前記揺動支点ピンを介して回動可能に取り付けアクセルペダル解放時に初期位置に戻すための復帰スプリングを付設する第一立上り部材と、前記水平基材の中間部位に基端を回動可能に取り付け上端に前記アクセルワイヤーを掛止する第二立上り部材を有し、前記アクセル連係機構は、この第二立上り部材の上部に固着するアクセル連係部材と、前記第一立上り部材に付設し前記第一立上り部材の回動角度に対応して前記アクセル連係部材と係止又は係脱する可動部材を有し、前記ペダル連係機構は、前記水平基材の固定立上り部上端に揺動可能に取付ける連係揺動部材と、この連係揺動部材の下端と前記ブレーキアームとを連結するブレーキワイヤと、前記第一立上り部材上端と前記連係揺動部材上端とを接続して両者の連動を前記第一立上り部材の回動角度に対応して行う連係接続部材を備えることを特徴とするものである。
【0013】
第一立上り部材は、アクセルペダルを端部に固着する側面への字形状の揺動部材の一部であって、シャーシに固定されている水平基材の先端に設ける揺動支点ピンで揺動部材の曲折部を係止する。
【0014】
第一立上り部材と第二立上り部材は、アクセル連係機構であるアクセル連係部材及び可動部材を介してアクセルペダルの踏込途中までは同期して回動するが、第一立上り部材と第二立上り部材は離隔して立上っているため、回動時にアクセル連係部材と可動部材の距離が広がる。
【0015】
これにより両者の係脱が生じ、第二立上り部材はアクセルワイヤーの引張力で初期位置に戻されると共に燃料供給を停止する。なお、通常のアクセルペダル踏込範囲では両者の係脱は生ぜず最大踏込に近接した領域でのみ係脱を実現する。この時にはアクセルワイヤーが戻るため、急発進・急加速は抑制される。
【0016】
アクセルペダルの踏み込みを停止すると復帰スプリングの作用により第一立上り部材は初期位置に戻され、この時アクセル連係部材と可動部材の距離が接近して当接する。この当接力で可動部材が移動し両者は係止し初期状態に移行する。
【0017】
一方更にアクセルペダルの踏み込みがなされると、今度はペダル連係機構が作用して、ブレーキ操作が行われる。第一立上り部材上端に設ける連係接続部材は、連係揺動部材を同期して移動し得るもので、その始期がアクセル連係部材と可動部材の係脱が生じた時になるよう構成する。
【0018】
連係揺動部材が揺動するとブレーキワイヤの引張力でブレーキペダルが踏み込まれる。即ちアクセルペダルを踏込む力に応じてブレーキペダルが踏込まれ確実な制動が行われる。
【0019】
アクセルペダルの踏み込みを停止すると第一立上り部材が初期位置に戻されるため連係接続部材と連係揺動部材との接続が解消し、連係揺動部材とブレーキワイヤ及びブレーキペダルは初期位置に戻る。
【0020】
請求項2記載のアクセルペダル誤動作解消装置におけるアクセル連係部材は、前記第一立上り部材側に張り出す連係爪を有し、前記可動部材は、アクセルペダル踏込時にこの連係爪と係止し又は係脱し、アクセルペダル解放時に前記連係爪に対して出没可能な係止ピンであることを特徴とするものである。
【0021】
可動部材の連係爪係止部は、係止して回動する際にその当接部が移動して所定位置で係脱し得る形状とする。
【0022】
係止ピンは第一立上り部材が初期位置に戻る時、連係爪との当接で没した後突出することで係止状態を呈示する。
【0023】
請求項3記載のアクセルペダルアクセルペダル誤動作解消装置における連係接続部材は、前記回動可能な係止ピンに一端を止ネジで固止し他端側に長孔を形成するリング材であって、この長孔には前記連係揺動部材の上端に設けるブレーキピンを挿通することを特徴とするものである。
【0024】
長孔の一内面は、第一立上り部材が回動してアクセル連係部材と可動部材の係脱が生じた時にブレーキピンと当接するよう構成する。この当接状態が続くとペダル連係機構が作用し、当接状態が解消すると制動力も低減し消滅する。
【発明の効果】
【0025】
この発明のアクセルペダル誤動作解消装置は、ペダル連係機構として連係揺動部材と連係接続部材を設け、アクセルペダル踏込力伝達部材の一部を構成する第一立上り部材の上端と連係揺動部材の上端を接続し、両者の連動を第一立上り部材の回動角度に対応して行うこととするので、一定位置以上の踏込でアクセル機能が無くなり、ブレーキペダルに踏み替えなくともアクセルペダルを踏込む力に応じてブレーキペダルが踏込まれブレーキ制御ができ、確実な制動が行われる。
【0026】
このため気が動転してブレーキペダルへの踏み替えができなかった場合にも、アクセルペダルの踏み込みのみで自動車を制動することが可能で、制動時間が短くなり、確実にブレーキ制御ができ、事故を未然に防ぐことができる。従って運転初心者、又は高齢運転者による事故防止に寄与できる。
【0027】
請求項2記載のアクセルペダル誤動作解消装置は、アクセル連係部材として連係爪と出没可能な係止ピンを設けるので、アクセル連係部材の構成が小型簡略化される。
【0028】
請求項3記載のアクセルペダルアクセルペダル誤動作解消装置は、連係接続部材として回動可能な係止ピンに一端を止ネジで固止し他端側に長孔を形成するリング材を設けるので、連係接続部材の構成が小型簡略化され軽量化に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次にこの発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1はアクセルペダル誤動作解消装置の要部を示す斜視図、図2は図1を背面から矢視した斜視図である。アクセルペダル誤動作解消装置1は、一端部にアクセルペダル2を固着し中間に揺動支点ピン3を遊挿して他端部にアクセルワイヤー4を掛止するアクセルペダル踏込力伝達部材5を有する。
【0030】
このアクセルペダル踏込力伝達部材5は、アクセルペダル2を端部に固着する側面への字形状の揺動部材6を有し、この揺動部材6の曲折部は運転席車内のペダル取付位置の図示しないシャーシにボルトで固定する水平基材7の先端に揺動支点ピン3を介して係止されている。曲折部より上方の部分は第一立上り部材8を構成し、その下部には復帰スプリング9を付設する。
【0031】
この復帰スプリング9はアクセルペダル2の解放時に第一立上り部材8を初期位置に戻す作用を備える。水平基材7の中間部位には基端をアクセル支点ピン10で回動可能に取り付け、上端にアクセルワイヤー4を掛止する第二立上り部材11を有する。この第二立上り部材11もアクセルペダル踏込力伝達部材5の一部を構成する。
【0032】
第二立上り部材11の上部にはアクセル連係機構の一部を構成するアクセル連係部材としてL字状の連係爪12を第一立上り部材8側に突設する。一方、第一立上り部材8の上端側方にはアクセル連係機構の一部を構成する可動部材としての係止ピン13を突設する。係止ピン13はスプリング14により突出方向に付勢されておりピン先13aがアクセルペダル2の踏込時に連係爪12と係止、又は係脱するよう構成されている。
【0033】
アクセル連係機構はアクセルペダル2の踏込力をアクセルワイヤー4に伝達するか、又はその伝達を解除するものである。アクセル連係機構の存在によりアクセルペダル2の踏込途中までは第一立上り部材8と第二立上り部材11は同期して回動するが、両者が前後又は上下に離隔して配設されているため、回動時にピン先13aと連係爪12の距離が広がり、当接部が前後又は上下に移動変化する。
【0034】
ピン先13aは、連係爪12が係止しながら回動する際に、その当接部が徐々に移動して自動的に係脱する。このピン先の詳細を図3及び図4に基づき説明する。図3はアクセル連係機構の要部を示す正面図、図4は同平面図である。
【0035】
ピン先13aは係止ピン13を構成する円柱体断面の先端下半分13bを切除し、残された上半部13cを第二立上り部材11側にテーパー加工したものである。これにより連係爪12が移行によりピン先13aの下半分13bの位置まで下がった時に両者の係脱が生ずる。
【0036】
この時、第二立上り部材11はアクセルワイヤー4の引張力で初期位置に戻されると共に燃料供給を停止する。なお、通常のアクセルペダル2の踏込範囲では両者の係脱は生ぜず最大踏込に近接した領域でのみ、この係脱を実現する。
【0037】
係脱後にアクセルペダル2の踏み込みを停止すると復帰スプリング9の作用により第一立上り部材8は初期位置に戻される。この時係止ピン13のテーパー加工したピン先13a上半部13cは、連係爪12との当接で徐々に没し、連係爪12の通過後にスプリング14に付勢され突出することで再度係止状態を呈示する。
【0038】
水平基材7の第一立上り部材8と第二立上り部材11の間には固定立上り部15を突設すると共に、その上端に揺動可能に取付ける連係揺動部材16を設け、この連係揺動部材16の下端にはブレーキワイヤ17を係止する。
【0039】
又回動可能な係止ピン13に一端を止ネジ24で固止し他端側に長孔を形成するリング材18を設け、この長孔18aには連係揺動部材16の上端に設けるブレーキピン25を挿通する。このリング材18は第一立上り部材8の上端と連係揺動部材16の上端を接続して両者の連動を第一立上り部材8の回動角度に対応して行う連係接続部材を構成する。
【0040】
長孔18aの一内面は、第一立上り部材8が回動してアクセル連係部材12と可動部材13の係脱が生じた時にブレーキピン25と当接するよう構成する。
【0041】
これら連係揺動部材16、ブレーキピン25、ブレーキワイヤ17及びリング材18は、アクセルペダル2の更なる踏込力をブレーキペダルの踏込に変換するペダル連係機構を構成する。このペダル連係機構の詳細を図5乃至図8に基づき説明する。
【0042】
図5はアクセルペダルを踏込む前のアクセルペダル誤動作解消装置の構成図、図6はアクセルペダルを通常範囲で踏込んだ際の同構成図、図7はアクセル連係部材と可動部材の係脱が生じた際の同構成図、図8は更なる踏込力をアクセルペダルに作用させた際の同構成図である。
【0043】
ブレーキワイヤ17は、一端部にブレーキペダル19を固着して他端部をシャーシ20に固定する枢軸21に取り付け、回動運動により図示しないブレーキロッドを押動して制動操作を行うブレーキアーム22に係止している。
【0044】
図6に示すように、アクセルペダル2を通常範囲で踏込んだ際には、ピン先13aと連係爪12が係止しながら回動するため、第二立上り部材11はアクセルワイヤー4を引張ることができ、通常の加速及び定速運転ができる。
【0045】
自動車運転時において緊急突発的事態が発生した時、ブレーキペダル19を踏まずにアクセルペダル2を踏込んでしまうことがある。このような場合、最大踏込に近接した領域まで達すると図7に示すようにピン先13aと連係爪12の係脱が生じ、第二立上り部材11はアクセルワイヤー4の引張力で初期位置に戻され燃料供給を停止する。従ってエンジンは低速回転となり急発進、急加速が無くなる。
【0046】
アクセルペダル2を更に踏込むと図8に示すように第一立上り部材8が回動して、係止ピン13に取り付けるリング材18の長孔18a内面が連係揺動部材16の上端に設けるブレーキピン25に当接する。
【0047】
連係揺動部材16は固定立上り部15にブレーキ支点ピン23を介して揺動可能に取付けられているため、この連係揺動部材16の下端に係止するブレーキワイヤ17を引くことでアクセルペダル2の更なる踏込力をブレーキペダル19の踏込に変換する。即ち、アクセルペダル2として踏込まれていたペダルは、今度はブレーキペダル19としての機能に自動的に切り替わる。この時点でブレーキ制御ができる待機状態となる。
【0048】
ブレーキ制御操作が終わり、アクセルペダル2の踏み込みを停止すると第一立上り部材8が初期位置に戻されるためリング材18とブレーキピン25の当接が解消し、連係揺動部材16とブレーキワイヤ17及びブレーキペダル19は初期位置に戻り、制動力が低減し消滅する。これにより通常の運転操作が可能となる。
【0049】
なお、アクセル連係機構は、第二立上り部材の上部にアクセル連係部材を固着し、第一立上り部材に付設する可動部材と係止・係脱を第一立上り部材の回動角度に対応して行うものであれば、上記の構成に限定されるものではない。又ペダル連係機構も第一立上り部材上端と連係揺動部材上端とを接続して両者の連動を第一立上り部材の回動角度に対応して行うものであれば上記の構成に限定されるものではない。
【0050】
その一実施形態を図9に示す。なお、図9において図1と同様な構成及び作用を示す部材は同一の符号を付して詳細な説明は省略する。図9は別の実施形態におけるアクセルペダル誤動作解消装置の要部を示す斜視図である。アクセルペダル誤動作解消装置51の第二立上り部材11の上部にはアクセル連係機構の一部を構成するアクセル連係部材として連係板52を突設する。
【0051】
一方、第一立上り部材8の上方にはアクセル連係機構の一部を構成する可動部材として先部に爪を有する連係金具53を第二立上り部材11に向けて設ける。連係金具53は連係ピン54により回動可能に取り付けられ、連係スプリング55と調整ネジ56でその高さが定められ、連係金具53のテーパー付先端がアクセルペダル2の踏込時に連係板52と係止、又は係脱するよう構成する。
【0052】
係脱した連係金具53は第一立上り部材8のリセット時に先端のテーパー部が連係板52に当たり連係ピン54を軸に回動する。その後爪を通過すると連係スプリング55の引張力で係止するようになる。
【0053】
又第一立上り部材8の上端には揺動ピン57を設け、連係揺動部材16の上端に設けるブレーキピン25に一端を回動可能に取り付けるリング材18の長孔18aに挿通する。このリング材18は連係揺動部材16の上端と第一立上り部材8の上端を接続して両者の連動を第一立上り部材8の回動角度に対応して行う連係接続部材を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】アクセルペダル誤動作解消装置の要部を示す斜視図である。
【図2】図1を背面から矢視した斜視図である。
【図3】アクセル連係機構の要部を示す正面図である。
【図4】アクセル連係機構の要部を示す平面図である。
【図5】アクセルペダルを踏込む前のアクセルペダル誤動作解消装置の構成図である。
【図6】アクセルペダルを通常範囲で踏込んだ際のアクセルペダル誤動作解消装置の構成図である。
【図7】アクセル連係部材と可動部材の係脱が生じた際のアクセルペダル誤動作解消装置の構成図である。
【図8】更なる踏込力をアクセルペダルに作用させた際のアクセルペダル誤動作解消装置の構成図である。
【図9】別の実施形態におけるアクセルペダル誤動作解消装置の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1 アクセルペダル誤動作解消装置
2 アクセルペダル
3 揺動支点ピン
4 アクセルワイヤー
5 アクセルペダル踏込力伝達部材
6 揺動部材
7 水平基材
8 第一立上り部材
9 復帰スプリング
10 アクセル支点ピン
11 第二立上り部材
12 連係部材の連係爪
13 可動部材の係止ピン
14 スプリング
15 固定立上り部
16 連係揺動部材
17 ブレーキワイヤ
18 リング材
19 ブレーキペダル
20 シャーシ
21 枢軸
22 ブレーキアーム
23 ブレーキ支点ピン
24 止ネジ
25 ブレーキピン
51 アクセルペダル誤動作解消装置
52 連係板
53 連係金具
54 連係ピン
55 連係スプリング
56 調整ネジ
57 搖動ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部にアクセルペダルを固着し中間部に揺動支点ピンを遊挿して他端部にアクセルワイヤーを掛止するアクセルペダル踏込力伝達部材と、このアクセルペダル踏込力伝達部材の一部を構成して前記踏込力をアクセルワイヤーに伝達するか、又はその伝達を解除するアクセル連係機構と、一端部にブレーキペダルを固着して他端部を枢軸に取り付け回動運動により制動操作を行うブレーキアームと、このブレーキアームと前記アクセルペダル踏込力伝達部材とを接続すると共に前記踏込力伝達の解除時よりアクセルペダルの更なる踏込力をブレーキペダルの踏込に変換するペダル連係機構を備えるアクセルペダル誤動作解消装置において、前記アクセルペダル踏込力伝達部材は、水平基材の先端に前記揺動支点ピンを介して回動可能に取り付けアクセルペダル解放時に初期位置に戻すための復帰スプリングを付設する第一立上り部材と、前記水平基材の中間部位に基端を回動可能に取り付け上端に前記アクセルワイヤーを掛止する第二立上り部材を有し、前記アクセル連係機構は、この第二立上り部材の上部に固着するアクセル連係部材と、前記第一立上り部材に付設し前記第一立上り部材の回動角度に対応して前記アクセル連係部材と係止又は係脱する可動部材を有し、前記ペダル連係機構は、前記水平基材の固定立上り部上端に揺動可能に取付ける連係揺動部材と、この連係揺動部材の下端と前記ブレーキアームとを連結するブレーキワイヤと、前記第一立上り部材上端と前記連係揺動部材上端とを接続して両者の連動を前記第一立上り部材の回動角度に対応して行う連係接続部材を備えることを特徴とするアクセルペダル誤動作解消装置。
【請求項2】
前記アクセル連係部材は、前記第一立上り部材側に張り出す連係爪を有し、前記可動部材は、アクセルペダル踏込時にこの連係爪と係止し又は係脱し、係脱後のアクセルペダル解放時に前記連係爪に対して出没可能な係止ピンであることを特徴とする請求項1記載のアクセルペダル誤動作解消装置。
【請求項3】
前記連係接続部材は、前記回動可能な係止ピンに一端を止ネジで固止し他端側に長孔を形成するリング材であって、この長孔には前記連係揺動部材の上端に設けるブレーキピンを挿通することを特徴とする請求項2記載のアクセルペダル誤動作解消装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−166699(P2012−166699A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29603(P2011−29603)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(711001491)
【Fターム(参考)】