説明

アクティブマトリクス配列装置及びその駆動方法

アクティブマトリクス配列装置(100)は、電荷蓄積デバイス(112a〜i)を各々有する複数のマトリクス素子(110a〜i)と、複数の導体(142,144,146;704)とを有する。夫々の充電導体は、複数のマトリクス素子(110a〜i)のサブセットへ夫々の薄膜トランジスタ(116a〜i)を介して結合される。ドライバ回路(120;702)は、複数の出力電圧を発生させ、複数の電圧変更回路(706,806)は、充電導体(142,144,146;704)へ結合された電荷蓄積デバイス(112a〜i)の1つの充電時間を変更するように出力電圧を変更するようステップ電圧波形を印加するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷蓄積デバイスを各々有する複数のマトリクス配列素子を有するアクティブマトリクス配列装置に関する。
【0002】
本発明は、また、このようなアクティブマトリクス配列装置を有する電子ディスプレイ装置に関する。
【0003】
本発明は、更に、アクティブマトリクス配列装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0004】
アクティブマトリクス配列装置は、センサ様式の用途からディスプレイ様式の用途までに亘る多種多様な範囲で用いられている。より大きなディスプレイ分野で、アクティブマトリクス配列装置は、先進技術として、従来の陰極線管ディスプレイとますます競合しつつある。
【0005】
通常、マトリクス配列装置は、交差するアドレス指定導体及び充電導体から成る組を有し、且つ、その交点で夫々の組からの夫々の導体へ結合されたマトリクス配列素子を有する。マトリクス配列表示装置の場合に、充電導体は、通常、アクティブマトリクス配列装置の列導体として知られ、列ドライバ回路の制御下でマトリクス配列素子の行へ一組の値を駆動するよう配置される。一方、アドレス指定導体は、通常、アクティブマトリクス配列装置の行導体として知られ、アドレス指定されるべきマトリクス配列素子の行を選択するよう行ドライバ回路のような更なるドライバ回路によって順次に作動させられる。この種のディスプレイ装置において、アクティブマトリクス配列素子の様々な行を充電及びアドレス指定する周波数は、専用ハードウェアによってビデオ信号から引き出される、行及びドライバ回路を動作させるタイミング信号とともに、そのフィールド周波数のような、ビデオ信号の特性によって通常は決定される。
【0006】
しかし、このようなアクティブマトリクス配列装置の使用は、特に、薄膜トランジスタ(TFT)が、TFTへ結合された導体を介して、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)画素などのマトリクス配列素子のプログラミングを可能にするために用いられる場合に、問題を伴わないわけではない。TFTは、モノリシックトランジスタに比べて、TFTでのより乏しい電子移動に起因して、比較的導電性が低い。また、例えば画素の輝度レベルを保つために、マトリクス配列素子において、コンデンサ及び/又は画素などの電荷蓄積素子を充電する際に、TFTの導電性は、そのソース−ドレイン電圧が下がるために、電荷蓄積素子に蓄えられる電荷が増大するのに伴って低下する。ソース−ドレイン電圧の低下は、TFTの電子移動に悪影響を及ぼす。結果として、アクティブマトリクス配列素子をその所定の充電値まで充電するために必要とされる時間は、利用可能な充電時間を超えうる。この場合に、マトリクス素子の電荷蓄積素子に蓄えられる電荷量は不十分である。ディスプレイ装置において、このことは、不完全な輝度レベルをもたらす。これは、極めて望まれていない現象である。TFTの電子移動は、チャネル幅の増大などのTFTの寸法変更によって改善されうるが、アパーチャ(aperture)の損失を生ずる。これは、望ましくない副作用である。
【0007】
この問題の解決法は、米国特許出願2001/0040548A1に提供されている。この文献は、アクティブマトリクスLCD装置用のドライバ回路配置を開示する。ドライバ回路配置は、複数のサンプル・アンド・ホールド回路の夫々の入力へ結合されたランプ電圧発生器を有し、このランプ電圧発生器は、対応するLCD画素の充電周期の開始時に最大電圧値で電圧波形を発生させる。最大電圧は、充電周期の一部の間保持され、その後、出力電圧は徐々に下げられる。対応する画素のデジタル輝度情報は、幾つかのラッチ回路によってパルス幅に変換される。パルスの幅は、対応するサンプル・アンド・ホールド回路がランプ電圧発生器からの電圧波形をサンプリングする期間を制御する。結果として、アクティブマトリクス配列のアドレス指定される画素は、それらの充電周期の大部分の間、最大電圧に置かれ、従って、画素を充電するのに要する時間が削減される。
【特許文献1】米国特許出願2001/0040548A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、この配置は、幾つかの欠点を有する。まず第1に、それは、ドライバ回路において相当量のハードウェアを必要とする複雑な構造である。このことは、アクティブマトリクス配列装置の費用を増大させる。更に、それは、駆動信号発生に基づくランプ電圧に制限される。このことは、限定された数の不連続な輝度出力を作る電圧駆動式ドライバ回路のような、他のドライバ回路構造が、この配置から恩恵を受けることができないことを意味する。更に、特に画素が比較的低い輝度レベルへプログラミングされる必要がある場合に、この配置により画素の過充電を回避することが自明ではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に従って、
電荷蓄積デバイスを各々有する複数のマトリクス素子;
該複数のマトリクス素子のサブセットへ夫々の薄膜トランジスタを介して各々結合される複数の充電導体;及び
出力電圧を変更して、前記充電導体へ結合された前記電荷蓄積デバイスのうちの1つの充電時間を変更するためにステップ電圧波形を印加するよう各々配置された複数の電圧変更回路を有し、該電圧変更回路の1つを介して前記充電導体の1つへ各々結合され、複数の出力電圧を発生させるドライバ回路;
を有するアクティブマトリクス配列装置が提供される。
【0010】
ドライバ回路の夫々の出力へ前記電圧変更回路を結合することによって、前記ドライバ回路は、前記出力電圧の変更が該出力電圧の実際の発生とは無関係であるので、如何なる既知のドライバ回路であっても良い。従って、本発明の配置は、例えば米国特許出願2001/0040548A1で開示される配置よりもずっと柔軟である。段出力は、所定の形状の電圧波形によって変更される。この所定の形状は、前記マトリクス配列素子をそれらの充電導体へ結合するために用いられるTFTの導通動作のシミュレーションに基づいても良い。従って、オーバードライブ電圧、即ち、マトリクス配列素子の電荷蓄積デバイスに蓄えられるべき意図された電圧よりも大きい電圧が、電荷蓄積素子の充電時間を削減するようその電荷蓄積素子の充電周期の第1の部分においてアクティブマトリクス配列素子へ印加されても良い。これは、高精細テレビ用途において特に有利である。この用途では、アクティブマトリクス配列素子のアドレス指定時間、即ち、所要の輝度レベルに対応する、その電荷蓄積素子に電荷を蓄えるための許容時間は、50又は60Hzのリフレッシュ率を用いる標準的な解像度のテレビに関して削減される。それは、また、導体の長さにより充電導体のインピーダンスがマトリクス配列素子の充電時間の重大な影響となりうるサイズのアクティブマトリクス配列において有利である。その充電周期の一部の間にアクティブマトリクス配列素子へオーバードライブ電圧を印加することによって、この影響は相殺され、アクティブマトリクス配列素子の電荷蓄積デバイスを充電するための充電時間はより短くなる。
【0011】
前記駆動電圧を変更するためのステップ電圧の使用は、低コストの変更方式の実施を可能にする。
【0012】
前記ステップ電圧波形は、前記ドライバ回路出力電圧の一定割合であるステップ高さを有しても良い。このようにして、過電圧駆動は、所望の駆動レベル自体に依存する。例えば、起こり得る電圧ステップ高さの離散数などの他の方式は、一定割合の乗算よりもむしろ可能性がある。
【0013】
前記ステップ電圧波形は、駆動される前記マトリクス素子の初期電圧状態に依存する時間の間印加されうる。この初期電圧状態は、必要とされる電圧変化を決定し、従って、適切であり得る過電圧駆動のレベルに影響を与える。この目的のために、フレームストアが、前のアドレス指定相の間に夫々のマトリクス素子へ印加された電圧状態を保つために設けられても良い。
【0014】
望ましくは、フレームストアの使用は、フレームストアが他の目的のために必要とされないならば、更なる費用を導入するので、回避されるべきである。フレームストアが予め用いられる用途がある。この場合には、本発明は、フレームストアの使用から恩恵を受けうる。
【0015】
代替案として、電流検知回路が、充電導体への出力電圧の最初の印加の間の充電電流を測定するために設けられても良い。従って、前記ステップ電圧は最初に印加され、充電特性が決定される。このような充電特性は、駆動されるマトリクス素子の初期電圧に依存し、従って、前記ステップ電圧波形は、前記測定される電流に依存する時間の間印加されうる。
【0016】
他の実施例では、前記ステップ電圧は、前記充電導体へ印加された最新の前の出力電圧に依存する時間の間印加される。この場合に、メモリが、前記充電導体へ印加された最新の前の出力電圧を保つために設けられても良い。
【0017】
マトリクス素子へ印加された前の電圧がより重要であろうとなかろうと、(異なるマトリクス素子を除く)充電導体へ印加された前の電圧は、デバイスの様々な特性及び電圧変動に依存しうる。2つの影響のうちの1つが支配的であっても良く、あるいは、電圧オーバードライブ方式は2つのアプローチを組み合わせることができる。
【0018】
アクティブマトリクス配列装置はディスプレイ装置を有しても良く、その場合に、マトリクス素子は、例えば、液晶表示画素又は有機発光ダイオード表示画素のような表示画素を有する。
【0019】
本発明は、また、電荷蓄積デバイスを各々有する複数のマトリクス素子と、該複数のマトリクス素子のサブセットへ夫々の薄膜トランジスタを介して各々結合される複数の充電導体とを有するアクティブマトリクス配列装置のアドレス指定方法であって:
マトリクス素子駆動信号を供給する段階;及び
前記電荷蓄積デバイスが前記駆動信号へと充電される充電時間を削減するために前記マトリクス素子駆動信号へステップ電圧波形を加えることによって前記駆動信号を変更する段階;
を有する方法を提供する。
【0020】
先と同じく、前記ステップ電圧波形のステップは、駆動される前記マトリクス素子の初期電圧に依存する時間の間印加されうる。これは、充電導体への前記変更された電圧の最初の印加の間の充電電流を測定することによって決定されうる。
【0021】
先と同じく、前記ステップは、前記充電導体へ印加された最新の前の駆動電圧に依存する時間の間印加されうる。
【0022】
前記電圧波形発生器は、プログラミング可能であっても良い。このようにして、前記電圧波形発生器で実施される機能は、アクティブマトリクス配列装置が製造された後に決定されても良い。この場合に、前記機能は、ディスプレイ装置として用いられるアクティブマトリクス配列装置の場合に、意図された輝度レベルと実際の輝度レベルとの間の差に基づいても良い。これは、製造工程における変動の補償を可能にする。例えば、TFT又はOLED材などのアクティブマトリクス配列に基づくLCD又はOLEDの様々な構成要素におけるエージング効果の補償のように、このような指標がその耐用年数の間にアクティブマトリクス配列の性能劣化を補償するために用いられることさえ実現可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明について、添付の図面を参照して、更に詳細に且つ限定されない例として説明する。
【0024】
当然のことながら、図は単なる概要に過ぎず、実寸で描かれない。具体的には、例えば層又は部位の厚さなどの特定の寸法は誇張され、一方、他の寸法は小さくされる。また、当然のことながら、同じ参照番号は、同一又は類似する部分を示すために、全ての図面を通して使用される。
【0025】
本願出願人は、配列画素の充電時間を削減するために、アクティブマトリクス配列画素へ印加される駆動電圧波形を変更するためのアクティブマトリクス配列装置及び方法を提案する(しかし、まだ公開はしてない。)。
【0026】
提案されるシステムは、最初に、図1〜4を参照して説明される。本発明は、図1〜4を参照して説明されるシステムへの変形例を提案しており、図5〜8を参照して説明される。
【0027】
図1のアクティブマトリクス配列装置100は、複数のアクティブマトリクス配列素子110a〜iを有する。この複数のアクティブマトリクス配列素子110a〜iは、夫々の電荷蓄積素子112a〜i及び出力素子114a〜iを有する。これらの出力素子も、同様に電荷を蓄える能力を有しうる。電荷蓄積素子112a〜iは、夫々、所定の時間期間に亘って出力素子114a〜iの1つの状態を保持するよう配置される。アクティブマトリクス配列装置100がディスプレイ装置である場合に、出力素子114a〜iは、例えば、LC又はポリLEDセルであっても良い。図1で、電荷蓄積素子112a〜iは、夫々の薄膜トランジスタ(TFT)116a〜iと共通電極118との間に結合されている。しかし、当然のことながら、これは限定されない例の1つに過ぎない。即ち、共通電極118が、例えば、専用の導体又は隣り合うアドレス指定導体が電極として機能するところの配置などのように、当該技術分野において知られる他の電極配置によって置換されるところの他の配置も同じく実現可能である。TFT116a〜iの夫々は、アクティブマトリクス配列装置100の列導体を形成する充電導体142、144及び146の1つへ結合されたソースと、アクティブマトリクス配列装置100の行導体を形成するアドレス指定導体172、174及び176の1つへ結合されたゲートとを有する。充電導体142、144及び146の夫々は、ドライバ回路120の夫々の段122、124及び126へ夫々の電圧変更回路132、134及び136を介して結合されている。
【0028】
ドライバ回路120は、当業者に知られる如何なる行ドライバ回路又は列ドライバ回路であっても良く、且つ、アナログ入力信号又はデジタル入力信号を処理するよう配置されても良い。アドレス指定導体172、174及び176の夫々は、更なるドライバ回路160へ結合されている。この更なるドライバ回路160は、当業者に知られる如何なる行ドライバ回路又は列ドライバ回路であっても良い。更に、アクティブマトリクス配列装置100はディスプレイ装置であっても良いが、本発明は、センサ又はメモリデバイスなどのように、同様に他のアクティブマトリクス配列の用途範囲へ適用可能である。更に、図1及び以降の図に示されるマトリクス配列素子及び導体などの素子の数は、明瞭さのために選択されているに過ぎないことが強調される。即ち、当業者には明らかなように、本発明のアクティブマトリクス配列装置は、通常、図に示されるよりも相当に多いこのような素子を有する。
【0029】
電圧変更回路132、134及び136は、夫々、夫々の段122、124及び126の出力へ結合された第1の入力部と、電圧波形発生器150へ結合された第2の入力部とを有する。電圧波形発生器150は、所定のアナログ波形を発生させるためにデジタル−アナログ変換器(図示せず。)へ結合されたメモリデバイス(図示せず。)を有しても良い。所定のアナログ波形は、メモリデバイスではデジタル形式で保存されている。あるいは、電圧波形発生器150は、他の既知の方法で電圧波形を発生させるよう配置されても良い。メモリデバイスは、ランダムアクセスメモリ又はルックアップテーブルなどのプログラム可能なデバイスであっても良い。このデバイスは、電圧波形発生器を実施するフィールド・プログラマブル・ゲート・アレー(FPGA)の一部であっても良い。プログラム可能なメモリデバイスの使用は、アクティブマトリクス配列装置が製造された後に電圧波形をメモリにプログラミングすることを可能にする。このことは、アクティブマトリクス配列装置のプロセス変動の影響及び/又はエージング効果を補償することを可能にする。これについては、以下で更に詳細に説明する。
【0030】
電圧波形発生器150及び電圧変更回路132、134及び136の配置は、TFT116a〜iの制限された電子移動特性から派生する問題を補償するために用いられうる。通常、電圧変更回路132、134及び136は、オーバードライブ電圧、即ち、対応するアクティブマトリクス配列素子110a〜iの充電周期の間に、結合された電荷蓄積デバイス、即ち、電荷蓄積デバイス112a〜i及び/又は出力素子114a〜iを充電するために要する時間を削減するように、アドレス指定導体172、174及び176の1つによって切り替えられるマトリクス配列素子110a〜iの夫々の結合された電荷蓄積デバイスに蓄えられるべき意図された電圧よりも高い電圧を、夫々の充電導体142、144及び146に供給しうる。
【0031】
この原理は、図2で実証される。Vunmodは、段122、124及び126の1つの出力電圧であり、アクティブマトリクス配列装置100のドライバ回路120の段と共通電極118との間の電位差として定義される。従って、Vunmodは、通常、アドレス指定された電荷蓄積素子、即ち、電荷蓄積デバイス112a〜iの1つ及び/又は出力素子114a〜iの1つの両端の意図された電位差に対応する。これらの電荷蓄積素子は、コンデンサ又は等価なデバイスであっても良い。Vpix(unmod)は、時間周期tの後のアドレス指定された電荷蓄積素子の両端での実際の電位差を示す。通常、Vpix(unmod)は、電荷蓄積素子へ充電導体を結合するTFTの制限された電子移動のために、適切な充電導体へ印加された電圧Vunmodよりも遅れる。また、電荷蓄積素子両端の電位が意図された電圧Vunmodに達すると、結合されたTFTのソース−ドレイン電圧は0Vに達する。これは、また、電荷蓄積素子の充電時間を増大させる。これは、点線10によって示される充電周期の終わりに、結合されたTFTがオフに切り替えられる場合に、電荷蓄積素子の両端のVpix(unmod)は、結合された出力素子、即ち出力素子114a〜iの1つの意図された性能からの偏差が生ずるほどにVunmodと異なる。出力素子が表示機能を実行する場合に、このことは、通常、意図された輝度レベルからの出力素子の輝度レベルの差が観測されうることを意味する。これは、極めて望ましくない状況である。
【0032】
これは、電圧Vmodを充電導体に供給することによって回避可能である。電圧Vmodは、Vmodとして類似する形状を有する電圧波形をドライバ回路120の対応する段の出力電圧Vunmodと結合することによって電圧変更回路132、134及び136の1つによって発生する。電圧波形は、例えば、電圧変更回路132、134及び136の夫々において電圧波形発生器150の機能性を有することによって、電圧変更回路132、134及び136の夫々において内部で発生しても良い。あるいは、電圧波形は、電圧波形発生器150のような1又はそれ以上の外部の電圧波形発生器から取得されても良い。充電導体へのVmodの印加は、アドレス指定される電荷蓄積デバイスが最初にドライバ回路120によってオーバードライブされるという効果を有する。この効果により、電荷蓄積デバイスは、対応する充電波形Vpix(mod)から明らかなように、より速く充電される。従って、結合されたTFTの高い移動領域をより有効に用いることができる。
【0033】
unmodを変更するために用いられる所要の電圧波形は、Vpix(unmod)で表される電荷蓄積素子の応答時間を充電電圧Vunmodにモデリングすることによって得られる。
【0034】
如何にこのような所要の電圧波形が得られるかという一例を以下に示す。時間の関数としての、結合された充電導体142、144又は146における低電圧νに対するマトリクス配列素子110a〜iの両端の電圧νの応答は:
【数1】

によって近似されうる。なお、rcは、マトリクス配列素子110a〜iの電荷蓄積デバイス112a〜i及び/又は容量性の出力素子114a〜iの実効時間定数である。式(1)は:
【数2】

の解を有する。
【0035】
電荷蓄積デバイスのより短い充電時間を得るために、式(2)は:
【数3】

のように変形される。なお、m<rcである。これを達成するために、式(1)が:
【数4】

のように書き換えられることが知られる。なお、f(t)は、時間の関数としてのオーバードライブされた列電圧である。所望の電圧波形を得るために、式(3)は、
【数5】

を得るために式(4)に代入されて、所望の電圧波形を決定する。
【0036】
代替的に、電圧変更回路132、134、136及び/又は電圧波形発生器150がプログラム可能である場合に、このような電圧波形は、アクティブマトリクス配列装置の製造後の性能測定に基づいても良い。当業者には明らかなように、オーバードライブの量は、電荷蓄積素子112a〜i及び/又は出力素子114a〜iの充電時間を所定の充電期間に整合させるよう変更可能である。
【0037】
ここで、図1に戻ると、ドライバ回路120の段122、124又は126の出力電圧が幾つかの方法で電圧波形と結合されうることが指摘される。1つの可能な方法は、段の出力電圧を電圧波形と掛け合わせることによる。これは、全ての零ではない出力電圧に関してオーバードライブの相対量が不変な要素であり、一方、段122、124又は126の1つの0Vの出力で、結合された電圧変更回路132、134又は136の出力が同様に0Vのままであるという利点を有する。このような電圧変更回路は、アナログ乗算器を用いて、又はパルス幅変調技術を用いて、実施されうる。簡単な実施は、段122、124及び126の1つの出力をそのゲートへ結合され、且つ、電圧波形発生器150をそのソースへ結合された単なるトランジスタでありうる。代替的に、電圧変更回路132、134又は136は、デジタル−アナログ変換器を介して夫々の充電導体142、144及び146へ結合された夫々の出力を有するマイクロコントローラであっても良い。その場合に、電圧変更回路132、134又は136の入力は、アナログ信号よりもむしろデジタルで供給されうる。このことは、ドライバ回路120の段122、124及び126がデジタル入力データを用いる場合に、デジタル−アナログ変換段階の必要性を取り除く。更に、それは、また、電圧波形発生器150におけるデジタル−アナログ変換段階の必要性をも取り除く。
【0038】
望ましくは、電圧波形発生器150は、異なる電圧波形を発生させる能力を有する。これは、例えば、アクティブマトリクス配列装置100がLC出力素子114a〜iを有する場合に有利である。LC出力素子114a〜iは、通常、LC材の劣化を防止する又は遅らせるよう極性反転の交互周期でアドレス指定される。通常、正の周期における結合されたTFT116a〜iの導電特性は、負の周期におけるそれらの導電特性とは異なる。2周期における異なる電圧波形の印加によって、このような異なる導電特性から生ずる結合された電荷蓄積素子112a〜iの充電時間の異なる遅延は、いずれも効果的に補償され得る。極限の状況で、夫々の周期における充電時間の間で良好な整合を得るよう、これら2つの周期の1つで電荷蓄積素子112a〜iの充電時間を減速することが必要となることがある。電圧波形発生器150は、アクティブマトリクス配列装置100のフィールド又はフレーム期間に応答する。この期間は、同一のアドレス指定導体172、174又は176の2つの連続したアドレスの間の時間である。
【0039】
TFT116a〜iの導電特性は、電荷蓄積素子112a〜iのRC時定数に影響を及ぼす単なる要素ではない。電荷蓄積素子112a〜iの1つとドライバ回路120の対応する段122、124又は126との間の導電経路の長さが増大することにより、その電荷蓄積素子のRC時定数も増大する。言い換えると、アドレス指定導体172へ結合された電荷蓄積素子112a、112d及び112gは、例えば、アドレス指定導体176へ結合された電荷蓄積素子112c、112f及び112iよりも短いRC時定数を有する。これは、後者の3つの電荷蓄積素子が、充電導体142、144及び146を通る電流経路の長さの増大に起因して、夫々の段122、124及び126と夫々のTFT116c、116f及び116iとの間の経路で、より大きなインピーダンスを有するためである。
【0040】
この影響を補償するために、電圧波形発生器150は、複数の電圧波形から適切な電圧波形を選択するよう構成され得る。これらの電圧波形の夫々は、段122、124及び126の1つと電荷蓄積素子112a〜iの1つとの間の電流経路の特定の長さを補償するよう設計される。複数の波形は、充電周期の異なる極性に関して、異なった電圧波形の組を含んでも良い。電圧波形発生器150は、アクティブマトリクス配列装置100がディスプレイ装置である場合に、更なるドライバ回路160又はドライバ回路120のタイミングを制御するようビデオ信号からタイミング信号を発生させるために用いられる前出の専用ハードウェアなどのアドレス指定導体選択手段に応答しても良い。新しい電圧波形は、新しいアドレス指定導体の選択時に選択されても良く、あるいは、多数のアドレス指定導体がアドレス指定された後に選択されても良い。これにより、アクティブマトリクス配列装置100のアドレス指定導体172、174及び176のサブセットを異なったグループに効果的に分類することができる。
【0041】
更なるドライバ回路160とTFT116a〜iの1つのゲートとの間の電流経路の長さは、また、対応する電荷蓄積素子112a〜iへ結合されたTFT116a〜iのゲート遅延に際立った影響を有する。例えば、充電導体146で電荷蓄積素子112gへ結合されたTFT116gは、更なるドライバ回路160とTFT116gのゲートとの間のアドレス指定導体172の有効長が、更なるドライバ回路160とTFT116aのゲートとの間のアドレス指定導体172の有効長よりも長いので、充電導体142で電荷蓄積素子112aへ結合されたTFT116aよりも長いゲート遅延を有しうる。結果として、TFT116gのゲートは、TFT116aのゲートよりもアドレス指定導体172において高いインピーダンスを有する。これは、TFT116gがTFT116aよりもゆっくりとオンにされることを意味する。従って、電荷蓄積素子112gの有効な充電期間は、電荷蓄積素子112aのものよりも短い。
【0042】
このような充電時間において同様の効果をもたらしうる他の有害な影響は、TFTをオンに切り替えるよう更なるドライバ回路160によって供給されるアドレス指定パルスの劣化である。アドレス指定導体172、174又は176に沿ったアドレス指定パルスの列において、パルス形状は変形しうる。このことは、更なるドライバ回路160からより離れたTFTが、更なるドライバ回路160に最も近いもの程には有効にオンに切り替えられないことを生じさせる。
【0043】
これは、図3に示されるように、別個の電圧波形発生器252、254及び256を電圧変更回路132、134及び136のサブセットに供給することによって補償可能である。電圧変更回路のサブセットは、単一の電圧変更回路しか有していなくても良い。その場合に、電圧変更回路の夫々は、それ自体の電圧波形発生器を有する。あるいは、電圧変更回路のサブセットは、少数の電圧変更回路を有しても良い。その場合に、アクティブマトリクス配列装置100の充電導体は、それら自体の別個の電圧波形発生器を各々有するセクションに分けられる。充電導体142、144及び146は、結合されたTFT116a〜iのゲート遅延特性に基づくグループに分けられうる。個々のグループは、別個の電圧波形発生器252、254及び256によって供給され、電圧波形発生器252、254及び256の夫々は、結合されたTFTのセクション特有のゲート遅延を補償する。
【0044】
望ましくは、電圧波形発生器252、254及び256は、アドレス指定導体の位置に対する、結合された電荷蓄積デバイス112a〜i及び/又は出力デバイス114a〜iのRC時間の依存性と、充電導体の位置に対する、結合された充電蓄積デバイス112a〜i及び/又は出力デバイス114a〜iのRC時間の依存性とを、印加の際に異なった極性周期の間に補償するよう、多様な複数の波形を含んでも良い。図1及びその詳細な説明の記載に示される電圧波形発生器150の様々な実施例は、また、本発明の適用範囲を逸脱することなく、別々の電圧波形発生器252、254及び256に適用可能であることが強調される。
【0045】
図4は、本発明に従うアクティブマトリクス配列装置100を有する電子ディスプレイ装置400の好ましい実施例を示す。ドライバ回路120及び更なるドライバ回路160は、アクティブマトリクス配列装置100の一体部分であっても、あるいは別個の構成要素であっても良い回路であって、電源420へ結合されている。電圧波形発生器252、254及び256は、更なる電源440へ結合されている。更なる電源440は、電源420の一体部分であっても良い。前出の理由のために、電子ディスプレイ装置400は、輝度制御に関して従来のディスプレイ装置に比べて改善された画像品質を提供することができる。更に、電圧波形発生器252、254及び256がプログラム可能であるならば、電子ディスプレイ装置400の品質は、その製造の後、又はその耐用年数の間、改善されうる。通常、電子ディスプレイ装置は、アクティブマトリクス配列装置100の基礎的要素として用いられる、TFT116a〜iの劣化及び/又は出力デバイス114a〜iで用いられる化合物の劣化などの、様々な要素のエージング効果のために、ゆっくりと劣化する画像品質に悩まされる。表示品質は、以下の方法によって改善可能である。
【0046】
第1の段階で、電子ディスプレイ装置400は所定の試験画像を供給され、第2の段階で、電子ディスプレイ装置400のアクティブマトリクス配列における試験画像の発現が測定される。この発現は、電子ディスプレイ装置400の表示領域上での実画像であっても良く、あるいは、アクティブマトリクス配列装置100の導体上の電気信号の一群であっても良い。発現が実画像である場合に、その測定は、既知の光学センサを用いて行われうる。この光学センサは、スクリーンに一時的に取り付けられても良い。これは、周囲からの光害が最小限とされるという利点を有する。この理由のために、暗い部屋で測定を実行することが望ましい。
【0047】
次の段階で、試験画像の測定された発現は、所定の試験画像と比較される。試験画像の発現が電気信号の一群である場合に、これらの信号の値は、試験信号に対応する意図された値と比較される。試験画像の発現と所定の試験画像との間の差が観測されるならば、電子ディスプレイ装置400は、観測された差を補償するために、更新された電圧波形を供給される。更新された電圧波形は、プログラム可能な電圧波形発生器150又は、存在する場合に、別個のプログラム可能な電圧波形発生器252、254及び256の1つに保存されている。これらの段階は、電圧波形発生器150又は別個の電圧波形発生器252、254及び256に保存された全ての電圧波形が更新されるまで繰り返される。
【0048】
更新された電圧波形は、プログラム可能な電圧波形発生器150又はプログラム可能な電圧波形発生器252、254及び256の1つに保存された電圧波形に基づいて計算されうる。この目的のために、この方法は、電子ディスプレイ装置400から電圧波形を取り出す更なる段階を有しても良い。
【0049】
先に提案されるアプローチは、上記式(5)で表される列電圧への変形に基づく。
【0050】
しかし、式(5)によって与えられるオーバードライブ波形は、幾つかの実際上望ましくない特徴を有する。第1に、その初期値は極めて大きく、第2に、その正確な形状で発生させることが困難である。最大電圧を制限し、且つ、一連の段階によって指数関数を近似することが望ましく、実施の最も簡単な形としては、1つの段階しか存在しない。
【0051】
更なる複雑な問題は、当該技術を表すべく先に展開された理論は、充電が起こる前に、画素及び列導体が最初に零ボルトであると仮定する点である。画素及び列が(前のフレーム画素電圧及び前の行列電圧に依存する)Vの有効な初期値から充電されるならば、式(5)は:
【数6】

となる。故に、Vに適用される乗算係数は、また、行及び列の初期電圧状態に依存する。
【0052】
この式の中の初期電圧Vは、充電が起こる有効な開始電圧である。先に説明されたように、2つの要素がこの電圧に影響を及ぼす。これらは、前の画素電圧と、前の列(充電導体)電圧とである。配列は行毎にアドレス指定されるので、前の列電圧は、画素へ印加された前の電圧と同じであるわけではない。代わりに、前の電圧は、以前にフルフレーム期間であった。
【0053】
一定比例するオーバードライブ電圧ステップ関数のモデリングは、有用な加速がVに対する依存性を無視することによって得られることを示している。
【0054】
図5は、列ピーク・ツー・ピーク電圧(グレースケール)の関数として−veから+veへと切り替わる場合に、その所望の値の0.01ボルト内に画素を充電するために要する時間(ttc)を示す。
【0055】
プロット500は、加速されない場合を示し、一方、プロット502は、6.3μsの間にピーク・ツー・ピーク電圧の20%だけ列をオーバードライブし、その場合に、(約20μsの)行アドレス指定期間の残りの間に所要の最終的な電圧へと下げる。このようして、図5は、一定の更なる電圧ステップが印加される場合でさえ、充電時間の改善を示す。これは、マトリクス素子の初期状態を無視する。しかし、オーバードライブ電圧は、画素へ印加されるべき駆動レベルを考慮する。電圧ステップ高さは、この電圧駆動レベルに比例するが、前の(反対極性の)駆動レベルとは無関係である。従って、ステップ関数は、(1.2及び1の)乗算として実施可能である。しかし、それは、同様に加算としても実施可能である。
【0056】
具体的には、明らかなように、5μsの改善が、約17μsの最悪の場合の非加速時間と比較して、グレースケール領域において得られる。しかし、最初の画素及び列電圧が許容されるならば、更なる利点は、図5における加速曲線の最小位置が、更なるオーバードライブ電圧が印加される時間によって決定される場合に、利用可能である。
【0057】
この効果は、図6に示される。この図では、充電に要する時間は、5.7μs(プロット600)及び6.3μs(プロット602)の2つのオーバードライブ存続期間及び、20%の比例ステップ関数オーバードライブに関して、先と同じく、−veから+veまでの周期遷移の間のグレースケールに対してプロットされている。明らかなように、オーバードライブ存続期間が所要のグレースケール遷移に合わせられうるならば、更なる利点は、動作が加速曲線の最小値にあることを確実にすることによって取得される点である。示される例では、約9μsの充電時間が到達され得る。
【0058】
先に述べられたように、初期充電状態に寄与する2つの要素が存在する。初期画素電圧(即ち、前のフレーム期間の間に印加される電圧)が有効な初期電圧Vの重要な寄与要因であるならば、フレームストアは、適切なオーバードライブ存続期間を決定するために使用され得る。これは、装置が予めフレームストアを必要としない場合には、問題に対する高価な解決法である。
【0059】
オーバードライブ遷移の間の如何なる所与の時点での充電率も初期電圧状態に関連しうるので、特定の(早期の)時点で充電電流を監視することが可能であり、その場合に、いつまで過充電を続けるかが決定されうる。
【0060】
図7は、この方法で動作するためのシステム概略図を示す。
【0061】
電流検知回路700は、電圧発生器702と充電導体704との間に設けられている。駆動回路は、従来の電圧発生器702と、ステップ関数発生器706とを有し、ステップ関数発生器706は、アドレス指定相の開始時に測定電流に依存して実時間で制御される。画素電圧源702へ適用されるステップ関数は、加算器又は乗算器として実施されうるユニット708によって出力される。測定される充電電流は、ステップ電圧波形が初期充電状態に依存する時間の間印加されるように、駆動されるマトリクス素子の初期電圧状態に依存する。
【0062】
実験的に又はモデリングによって若しくは解析理論によって生成された関数又はルックアップテーブルが使用可能であり、この関数又はルックアップテーブルは、ディスプレイのいずれかの画素に関してほぼ最適な加速を得るために必要な所要の過充電存続期間に充電率を関連付けることができる。
【0063】
しかし、(先行する行のアドレス指定から得られる)前の列電圧がVの主な寄与要因であって、その場合に、電流検知解決法が依然として使用可能であるならば、より簡単且つ低コストの代替案は、オーバードライブステップ時間を決定するために、前の列電圧の行ストアを用いることである。
【0064】
このアプローチを実施するためのシステムが図8に示される。
【0065】
メモリ800は、充電導体へ印加された最新の前の出力電圧を保存するために設けられており、これは、ステップ電圧波形が、充電導体へ印加された最新の前の出力電圧に依存する時間の間印加されることを可能にする。
【0066】
メモリ内のデータは、ステップ関数発生器806の制御に用いられる。ステップ関数発生器806は、先と同じく、ユニット808によって従来の電圧発生器802の出力へ加えられる(又は掛け合わされる)出力を供給する。
【0067】
前出の例では、制御された存続期間(又は、もっと正確に言えば、デューティーサイクル)及び高さを有する単一の電圧ステップに基づいて過電圧駆動を提供するシステムについて記載した。明らかなように、ステップ電圧波形の存続期間への言及は、ステップ波形の高い部分の存続期間に関する。本発明は複数のステップオーバードライブ波形により実施されても良く、このことは当業者には明らかである。
【0068】
留意すべきは、前出の実施例は本発明を限定しているのではなく説明しているのであって、当業者は添付の特許請求の範囲の適用範囲を逸脱しない範囲で多数の代替の実施例を設計することができる点である。特許請求の範囲で、括弧内の如何なる参照符号も請求を限定するように解釈されるべきではない。語「有する」は、特許請求の範囲に挙げられている以外の他の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素の前に付された語「1つの」は、そのような要素の複数個の存在を除外するものではない。本発明は、幾つかの個別素子を有するハードウェアによって実施可能である。幾つかの手段を列挙する装置クレームにおいて、これらの手段の幾つかは、ハードウェアの同一の物品により具現化され得る。ある手段が相互に異なる従属請求項に挙げられているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に用いられ得ないことを示しているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】アクティブマトリクス配列装置の第1の提案される実施例を概略的に表す。
【図2】アクティブマトリクス配列素子の電荷蓄積素子の充電時間におけるアクティブマトリクス配列素子へ電圧波形を印加する効果を示すグラフを概略的に表す。
【図3】アクティブマトリクス配列装置の他の提案される実施例を概略的に表す。
【図4】ディスプレイ装置として実施される提案されるアクティブマトリクス配列装置を概略的に表す。
【図5】本発明の駆動方式及び装置を用いて画素を充電するのに要する時間(ttc)を示す。
【図6】本発明の駆動方式及び装置を用いて画素を充電するのに要する時間(ttc)を示し、且つ、ステップ存続期間を変化させる効果を示す。
【図7】本発明の装置の第1の例を示す。
【図8】本発明の装置の第2の例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷蓄積デバイスを各々有する複数のマトリクス素子;
該複数のマトリクス素子のサブセットへ夫々の薄膜トランジスタを介して各々結合される複数の充電導体;及び
出力電圧を変更して、前記充電導体へ結合された前記電荷蓄積デバイスのうちの1つの充電時間を変更するためにステップ電圧波形を印加するよう各々配置された複数の電圧変更回路を有し、該電圧変更回路の1つを介して前記充電導体の1つへ各々結合され、複数の出力電圧を発生させるドライバ回路;
を有するアクティブマトリクス配列装置。
【請求項2】
夫々の電圧変更回路は、ステップ波形を、該ステップ波形をドライバ回路出力電圧と結合する加算器又は乗算器へ印加する、請求項1記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項3】
前記ステップ電圧波形は、前記ドライバ回路の出力電圧の一定割合であるステップ高さを有する、請求項1又は2記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項4】
前記ステップ電圧波形は、駆動される前記マトリクス素子の初期電圧状態に依存する時間の間印加される、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項5】
前のアドレス指定相の間に夫々のマトリクス素子へ印加された電圧状態を保つためのフレームストアを有する、請求項4記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項6】
充電導体への出力電圧の最初の印加の間の充電電流を測定するための電流検知回路を更に有する、請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項7】
前記測定される充電電流は、駆動される前記マトリクス素子の初期電圧に依存し、前記ステップ電圧波形は、前記測定される電流に依存する時間の間印加される、請求項6記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項8】
前記ステップ電圧波形は、前記充電導体へ印加された最新の前の出力電圧に依存する時間の間印加される、請求項1乃至7のうちいずれか一項記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項9】
前記充電導体へ印加された最新の前の出力電圧を保つメモリを更に有する、請求項1乃至8のうちいずれか一項記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項10】
ディスプレイ装置を有し、
前記マトリクス素子は表示画素を有する、
請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項11】
前記表示画素は液晶表示画素を有する、請求項10記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項12】
前記表示画素は有機発光ダイオード表示画素を有する、請求項10記載のアクティブマトリクス配列装置。
【請求項13】
電荷蓄積デバイスを各々有する複数のマトリクス素子と、該複数のマトリクス素子のサブセットへ夫々の薄膜トランジスタを介して各々結合される複数の充電導体とを有するアクティブマトリクス配列装置のアドレス指定方法であって:
マトリクス素子駆動信号を供給する段階;及び
前記電荷蓄積デバイスが前記駆動信号へと充電される充電時間を削減するために前記マトリクス素子駆動信号へステップ電圧波形を加えることによって前記駆動信号を変更する段階;
を有する方法。
【請求項14】
前記ステップ電圧波形は、前記駆動信号の一定割合であるステップ高さを有する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
駆動される前記マトリクス素子の初期電圧状態に依存する時間の間、前記ステップ電圧波形を印加する段階を更に有する、請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
充電導体への前記変更された電圧の最初の印加の間の充電電流を測定する段階を更に有する、請求項13乃至15のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記測定される充電電流に依存する時間の間、前記ステップ電圧波形を印加する段階を更に有する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記充電導体へ印加された最新の前の駆動電圧に依存する時間の間、前記ステップ電圧波形を印加する段階を更に有する、請求項13乃至17のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
前記充電導体へ印加された最新の前の出力電圧をメモリに保つ段階を更に有する、請求項18記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−512716(P2008−512716A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530827(P2007−530827)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052928
【国際公開番号】WO2006/027750
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】