説明

アシクロビル製剤

本発明は、より良い有効性を生じる及び/またはより少ない投与回数を必要とする、改善されたバイオアベイラビリティーを有するアシクロビル製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年、5月19日に出願の米国仮特許出願第60/573,003の優先権の利益を享受し、参照によって本願明細書に援用する。
【0002】
本発明は、改善された有効性を生じる及び/またはより少ない投与回数を必要とする、改善されたバイオアベイラビリティーを有するアシクロビル製剤に関する。
【背景技術】
【0003】
アシクロビル (9-((2-ヒドロキシエトキシ)メチル)グアニン)は、単純ヘルペス1型(HSV-1)及び2型(HSV-2)、水痘‐帯状疱疹ウイルス(EBV)、及びサイトメガロウイルス(CMV)を含むヒトヘルペスウイルスを阻害する抗ウイルス剤である。アシクロビルの阻害活性はこれらのウイルスに選択的に高い。O'Brien and Campoli-Richards, Drugs, 37:233-309 (1989)参照。アシクロビルの化学的な組成物は、Shaffer, et al. (J. Med. Chem. 14:367 (1971))、米国特許第4,199,574号、及び英国特許第1,523,865号明細書において報告されており、参照によってそれらを本願明細書に援用する。
【0004】
アシクロビルは、特にヘルペスウイルスに対する強力な抗ウイルス剤である事が明らかにされている。Shaffer, et al. Narure 272:583-585 (1978)参照。アシクロビルは、陰部単純ヘルペス、帯状ヘルペス、及び水痘‐帯状疱疹ウイルス、並びに急性水痘‐帯状疱疹ウイルス感染のような再活性化若しくは新規獲得性ウイルス疾患を効果的に抑制することも明らかにされている。Balfour, J. Med. Virology, S1:74-81 (1993)参照。ウイルス疾患からの死亡率及び罹病率は、長期(>6ヶ月)の経口アシクロビル治療を使用する手術前若しくは手術後の予防によって減少されている。Prentice et al., Lancet 343: 749-753 (1994)参照。アシクロビルとAZT(アジドチミジン)の併用療法は、診断時にアシクロビル治療が始まってから1年までAIDS患者の生存を延長している。Stein, et al., Ann. Intern. Med. 121:100-108 (1994)参照。さらに、急性水痘‐帯状疱疹ウイルス感染のアシクロビル治療は、熱、持続的な痛み、及び発疹の発達を減少させ、皮膚の治癒を促進する。
【0005】
他の使用としては、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者に含まれる皮膚粘膜、眼、及び全身の単純ヘルペス感染(HSV)を含むが、それらに限らない。HSV脳炎、新生児HSV感染、及び陰部ヘルペス(反復感染のための初期症状、反復、対症療法)の治療にも有用である。更に、アシクロビルは、水痘‐帯状疱疹ウイルス感染、帯状ヘルペス(shingles、zoster)、サイトメガロウイルス感染、エプスタイン-バーウイルスに関連する感染及び疾患に有用であり、Center for Disease Controlは妊娠女性においてアシクロビルを経口的に使用して良いと述べている。これら及び他の使用はAHFS Drug Information, American Society of Health System Pharmacists, Bethesda, MD, 2005において見られ、参照によって本願明細書に援用する。
【0006】
アシクロビルは、経口投与のためにカプセル、錠剤、及び懸濁物として現在市販されている。経口的に投与されたアシクロビルはゆっくりと、一定せずに15から30%のバイオアベイラビリティーで吸収される。Barnhart (ed.), Physicians' Desk Reference, Oradell, N.J.: Medical Economics Data (1994)参照。現在市販されている製剤の用量の半分を超える量は便において回収される。Schaeffer et al., Nature, 272:583-585 (1978)参照。、不十分な用量(投与回数または一日の用量全体);患者の服薬不履行;腸の吸収不良;または耐性ウイルス株によってアシクロビル治療に対応できないことが生じる。Mindel, J. Med. Virology, Sl :39-44 (1993)参照。即時に吸収される経口抗ウイルス剤が必要であることは、長期のIV治療が制限され、現在市販されている経口アシクロビル製剤を使用する服薬履行が困難であるため、その双方の患者集団に対するウイルス疾患の治療に不可避のものとして認識されている。Katlama, J. Med. Virology Sl: 128-133 (1993)参照。より低用量及びより少ない投与回数を可能にする経口投与のためのアシクロビル製剤が服薬履行を容易にするであろう。
【0007】
過去の試みはアシクロビルの経口投与を改善するために為された。参照によって本願明細書に援用される米国特許第5,629,016号は、大用量(800mg以下)のアシクロビルの摂取を容易にするアシクロビルを含有する水分散性の錠剤を開示している。しかしながら、前記錠剤はアシクロビルのバイオアベイラビリティーを改善しない。
【0008】
米国特許第5,883,103号は、アシクロビルの経口投与のためのミクロエマルションシステムを開示している。前記システムは、水相の液滴に分散されたアシクロビルの油中水型エマルションを含む。前記液滴は20から40ナノメートルの平均液滴サイズを有し、連続する油相中で均一に分散している。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/573,003
【特許文献2】米国特許第4,199,574号
【特許文献3】英国特許第1,523,865号明細書
【特許文献4】米国特許第5,629,016号
【特許文献5】米国特許第5,883,103号
【非特許文献1】O'Brien and Campoli-Richards, Drugs, 37:233-309 (1989)
【非特許文献2】Shaffer, et al. (J. Med. Chem. 14:367 (1971))
【非特許文献3】Shaffer, et al. Narure 272:583-585 (1978)
【非特許文献4】Balfour, J. Med. Virology, S1:74-81 (1993)
【非特許文献5】Prentice et al., Lancet 343: 749-753 (1994)
【非特許文献6】Stein, et al., Ann. Intern. Med. 121:100-108 (1994)
【非特許文献7】AHFS Drug Information, American Society of Health System Pharmacists, Bethesda, MD, 2005
【非特許文献8】Barnhart (ed.), Physicians' Desk Reference, Oradell, N.J.: Medical Economics Data (1994)
【非特許文献9】Schaeffer et al., Nature, 272:583-585 (1978)
【非特許文献10】Mindel, J. Med. Virology, Sl :39-44 (1993)
【非特許文献11】Katlama, J. Med. Virology Sl: 128-133 (1993)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
過去の試みはアシクロビルの送達及びバイオアベイラビリティーを改善するために為されてきたが、これらの試みの成功は限られたものであった。そのため、増大されたバイオアベイラビリティーを有する経口アシクロビル製剤が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(a)少なくとも1つの送達剤化合物、及び(b)アシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグを含む組成物(例えば、製薬組成物)を提供する。好ましくは、前記組成物は治療上有効量のアシクロビルと送達剤化合物とを含む。本発明の組成物は、前記送達剤化合物を含まない投与と比較して、アシクロビルの投与を容易にし、そのバイオアベイラビリティーを増大させる。前記組成物は経口投与に特に良く適している。好ましくは、前記組成物は、
(1)200、400、または800mgのアシクロビルが1日に5回、4時間ごとに投与される、
(2)400mgのアシクロビルが1日に2回投与される、
(3)200mgのアシクロビルが1日に3回投与される、
(4)200mgのアシクロビルが1日に4回投与される、または
(5)200mgのアシクロビルが1日に5回投与される
際に、Zovirax(登録商標)(U.S. FDA NDA No. 18828, 19909, or 20089)として現在市販されているアシクロビル製剤と実質的に同等なバイオアベイラビリティー(すなわち、AUC)を提供する。
【0011】
好ましい送達剤化合物として、N-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸、N-(10-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸、4-[(4-クロロ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)アミノ]ブタン酸(4-[(2-ヒドロキシ-4-クロロベンゾイル)アミノ]ブタノエートとしても知られている)、8-(N-2-ヒドロキシ-5-クロロベンゾイル)アミノカプリル酸、8-(N-2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾイル)-アミノ-カプリル酸、及びそれらの塩(例えば、製薬学的に許容される塩)、並びにそれらの溶媒和物及び水和物が含まれるが、それらに限らない。前記塩は、例えば、ナトリウム塩、例えば1ナトリウム塩若しくは2ナトリウム塩であって良い。
【0012】
1つの実施態様では、前記組成物は、アシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグと、以下の構造を有する少なくとも1つの送達剤またはその塩(例えば、製薬学的に許容される塩)とを含む。
【0013】
【化1】

【0014】
[式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;
Arは1つ以上の-OH、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、またはC1-C4ハロアルコキシで任意に置換されており;
R7はC4-C20アルキル、C4-C20アルケニル、フェニル、ナフチル、(C1-C10アルキル)フェニル、(C1-C10アルケニル)フェニル、(C1-C10アルキル)ナフチル、(C1-C10アルケニル)ナフチル、フェニル(C1-C10アルキル)、フェニル(C1-C10アルケニル)、ナフチル(C1-C10アルキル)、またはナフチル(C1-C10アルケニル)であり;
R8は水素、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、またはC1-C4ハロアルコキシであり;
R7はC1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルコキシ、-OH、-SH、-CO2R9、またはそれらの任意の組み合わせで任意に置換されており;
R9は水素、C1-C4アルキルまたはC2-C4アルケニルであり;並びに
R7は酸素、窒素、硫黄、またはそれらの任意の組み合わせによって任意に割り込まれている。]
1つの実施態様によれば、前記化合物は酸性基に対するα位においてアミノ基で置換されない。
【0015】
他の実施態様では、前記組成物は、アシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグと、以下の構造を有する少なくとも1つの送達剤またはその塩(例えば、製薬学的に許容される塩)とを含む。
【0016】
【化2】

【0017】
[式中、
R1、R2、R3、及びR4は、独立にH、-OH、ハロゲン、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、-C(O)R8、-NO2、-NR9R10、または-N+R9R10R11(R12)-であり;
R5はH、-OH、-NO2、ハロゲン、-CF3、-NR14R15、-N+R14R15R16(R13) -、アミド、C1-C12アルコキシ、C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、カルバメート、カルボネート、ウレア、または-C(O)R18であり;
R5はハロゲン、-OH、-SH、または-COOHで任意に置換されており;
R5はO、N、S、または-C(O)-で任意に割り込まれており;
R6はC1-C12アルキレン、C2-C12アルケニレン、またはアリーレンであり;
R6はC1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、-OH、-SH、ハロゲン、-NH2、または-CO2R8で任意に置換されており;
R6はOまたはNで任意に割り込まれており;
R7は結合またはアリーレンであり;
R7は-OH、ハロゲン、-C(O)CH3、-NR10R11、または-N+R10R11R12(R13) -で任意に置換されており;
R8の存在の各々は独立にH、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、または-NH2であり;
R9、R10、R11、及びR12は独立にHまたはC1-C10アルキルであり;
R13はハライド、ヒドロキシド、スルフェート、テトラフルオロボレート、またはホスフェートであり;
R14、R15、及びR16は独立にH、C1-C10アルキル、-COOHで置換されたC1-C10アルキル、C2-C12アルケニル、-COOHで置換されたC2-C12アルケニル、または-C(O)R17であり;
R17は-OH、C1-C10アルキル、またはC2-C12アルケニルであり;並びに
R18はH、C1-C6アルキル、-OH、-NR14R15、または-N+R14R15R16(R13)-である。]
任意に、R1、R2、R3、R4、及びR5がHであり、R7が結合である際には、R6はC1-C6、C9、またはC10アルキルではない。
任意に、R1、R2、R3、及びR4がHであり、R5が-OHであり、R7が結合である際には、R6はC1-C3アルキルではない。
任意に、R1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つがHでなく、R5が-OHであり、R7が結合である際には、R6はC1-C4アルキルではない。
任意に、R1、R2、及びR3がHであり、R4が-OCH3であり、R5が-C(O)CH3であり、R6が結合である際には、R7はC3アルキルではない。
任意に、R1、R2、R4、及びR5がHであり、R3が-OHであり、R7が結合である際には、R6はメチルではない。
【0018】
更なる他の実施態様では、前記組成物は、アシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグと、以下の構造の少なくとも1つの送達剤及びその塩(例えば、製薬学的に許容される塩)とを含む。
【0019】
【化3】

【0020】
[式中、
R1、R2、R3、R4、及びR5は独立にH、-CN、-OH、-OCH3、またはハロゲンであり、少なくとも1つのR1、R2、R3、R4、及びR5が-CNである;並びに
R6はC1-C12の直鎖若しくは分枝のアルキレン、アルケニレン、アリーレン、アルキル(アリーレン)、またはアリール(アルキレン)である。]
1つの実施態様によれば、R1が-CN、R4がHまたは-CNであり、R2、R3、及びR5がHである際には、R6はメチレン((CH2)1)ではない。
【0021】
本発明の組成物を含む単位投与形態(例えば、経口単位投与形態)も提供される。前記単位投与形態は、液体、または錠剤、カプセル、若しくは粒子(粉末若しくはサッシェを含む) のような固体の形態であって良い。
【0022】
他の実施態様は、本発明の組成物または単位投与形態を動物に投与することによる、アシクロビルを必要とする動物(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)にアシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグを投与する方法である。好ましい投与経路は経口である。
【0023】
更なる他の実施態様は、本発明の組成物または単位投与形態の有効量を動物に投与することによる、治療を必要とする動物(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)におけるウイルスによって引き起こされた異常または疾患を治療する方法である。換言すると、アシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグの送達を容易にする送達剤化合物の有効量と、アシクロビルの有効量(例えば、治療上有効量)とを投与する。
【0024】
更なる他の実施態様は、本発明の組成物または単位投与形態の治療上有効量を動物に投与することによる、動物(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)におけるウイルスによって引き起こされた異常または疾患を治療する方法である。その様な異常及び疾患は、ヘルペス属のウイルス、例えば単純ヘルペス1型及び2型ウイルス(HSV1及びHSV2)、水痘‐帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、及び他のヘルペスウイルス感染(例えば、ネコのヘルペスウイルス感染)によって引き起こされるものを含むが、それらに限らない。
【0025】
他の実施態様は、本発明の組成物または単位投与形態の有効量を投与することによる、ヒトまたは非ヒトの動物におけるウイルス感染、特に単純ヘルペス1型及び2型ウイルス(HSV1及びHSV2)、水痘‐帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、及び他のヘルペスウイルス感染(例えば、ネコのヘルペスウイルス感染)のようなヘルペスウイルス感染の治療方法である。
【0026】
更なる他の実施態様は、本発明の組成物または単位投与形態の有効量を投与することによる、特に腎臓及び骨髄移植患者、並びに後天性免疫不全症候群(AIDS)患者を含む免疫無防備状態の患者における、ヘルペス性角膜炎、ヘルペス性脳炎、単純ヘルペス(cold sore)、及び陰部感染(単純ヘルペスによって引き起こされる)、水痘、及び帯状ヘルペス(水痘‐帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる)、並びにCMV-肺炎及び網膜炎を含む、上に列挙したウイルスによって引き起こされる病態または症状を治療する方法である。エプスタイン-バーウイルス(EVB)は伝染性単核球症を引き起こし、鼻咽頭癌、免疫芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫、及び毛髪状白斑の原因物としても示されている。
【0027】
更なる他の実施態様は、本発明の組成物または単位投与形態の治療上有効量を動物に投与することによる、治療を必要とする動物(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)におけるウイルス感染を治療する方法である。通常、前記ウイルス感染はアシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグで治療することができる。
【0028】
更なる他の実施態様は、本発明の製薬組成物の有効量を投与(好ましくは経口で)することによる、治療を必要とするヒトにおける帯状ヘルペス(shinglesとしても知られている)の急速な治療方法である。好ましくは、前記製薬組成物は5回未満で5時間以上ごとに経口投与される。好ましくは、前記製薬組成物は、1日に5回、4時間ごとに200mgのアシクロビルが投与される際にZovirax(登録商標)(U.S. FDA NDA No. 18828, 19909, または20089)として現在市販されているアシクロビル製剤と実質的に同等のバイオアベイラビリティー(すなわち、AUC)を提供する。前記治療は7から10日間継続してよい。
【0029】
更なる他の実施態様は、本発明の製薬組成物の有効量を投与(好ましくは経口で)することによる、治療を必要とするヒトにおける陰部ヘルペスの最初のエピソードの治療及び/または再発エピソードの管理のための方法である。最初の陰部ヘルペスの治療のために好ましくは、前記製薬組成物(例えば、400mgのアシクロビル、またはその等モル量の塩若しくはプロドラッグ)を1日に5回未満で5時間以上ごとに投与する。前記治療は10日間継続して良い。好ましくは、前記製薬組成物は、800mgのアシクロビルが1日に5回、4時間ごとに投与される際にZovirax(登録商標)( U.S. FDA NDA No. 18828, 19909, または20089)として現在市販されているアシクロビル製剤と実質的に同等のバイオアベイラビリティー(すなわち、AUC)を提供する。
【0030】
再発の陰部ヘルペスの持続的な抑制治療のために好ましくは、前記組成物が1日に1回またはそれよりも少ない頻度で投与される。前記治療は12日まで継続して良く、続いて再評価する。好ましくは、前記組成物は、
(1)400mgのアシクロビルを1日に2回投与する、
(2)200mgのアシクロビルを1日に3回投与する、
(3)200mgのアシクロビルを1日に4回投与する、または
(4)200mgのアシクロビルを1日に5回投与する
際にZovirax(登録商標)( U.S. FDA NDA No. 18828, 19909, または20089)として現在市販されているアシクロビル製剤と実質的に同等のバイオアベイラビリティー(すなわち、AUC)を提供する。
治療は12ヶ月まで継続して良く、続いて再評価される。
【0031】
更なる他の実施態様は、本発明の組成物の有効量を投与(好ましくは経口で)することによる、治療を必要とするヒトにおける水痘の治療方法である。好ましくは、前記組成物(例えば、80mg/kg/日のアシクロビル、または等モル量のその塩若しくはプロドラッグ)は、1日に4回未満で5時間以上ごとに投与される。子供(2歳以上)に関しては、一回分の量の前記組成物が経口投与されて、Zovirax(登録商標)( U.S. FDA NDA No. 18828, 19909, または20089)として現在市販されているアシクロビル製剤の1日に4回の20mg/kg/用量と同等のバイオアベイラビリティーを提供して良い。40kgを超える成人または子供に関しては、大量の前記組成物が経口投与されて、1日に4回投与されるZovirax(登録商標)( U.S. FDA NDA No. 18828, 19909, または20089)として現在市販されているアシクロビル製剤の800mgと同等のバイオアベイラビリティーを提供して良い。
【0032】
さらなる他の実施態様は、少なくとも1つの送達剤化合物と、アシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグとを混合することによって本発明の組成物を調製する方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
定義
本願明細書で使用される用語「水和物」は、(i)分子形態に組み合わせて水を含有する物質、及び(ii)1分子以上の水の結晶を含有する結晶物質、または遊離の水を含有する結晶物質を含むが、それらに限らない。
【0034】
本願明細書で使用される用語「溶媒和物」は、送達剤化合物若しくはその塩の分子またはイオンと、溶媒の分子またはイオンとの分子またはイオン性の複合体、またはその水和物若しくは溶媒和物を意味するが、それらに限らない。
【0035】
用語「送達剤」は、本願明細書に開示される任意の送達剤化合物を意味する。
【0036】
用語「SNAC」は、他に示されない限り、N-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸の1ナトリウム塩を意味する。他に記載されない限り、用語「SNAC」はいかなる形態のSNACも意味し、SNACのいかなるアモルファス及び多様型の形態、例えばSNAC三水和物及び参照によって本願明細書に援用される米国特許出願60/619,418及び60/569,476に記載されているものを含む。本願明細書で使用される用語「SNAC三水和物」は、三分子の水がSNACの各分子と会合しているSNACの結晶形態を意味する。SNACは米国特許第5,650,386号、並びに国際公開WO00/46182及びWO00/59863に記載されている方法で調製されて良い。
【0037】
用語「SNAD」は、他に示されない限り、N-(10-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸の1ナトリウム塩を意味する。用語「SNADの2ナトリウム塩」はN-(10-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸の2ナトリウム塩を意味する。
【0038】
「アシクロビルの有効量」は、一定の時間に亘って投与される生物の異常を治療するまたは予防するために効果的な(例えば所望の投与間隔の間に治療効果を提供する)アシクロビルの量である。
【0039】
「送達剤の有効量」は、任意の投与の経路(経口(例えば、胃腸管における生物学的な膜を越える)、鼻、肺、真皮、頬、膣、及び/または目の経路を含むが、それらに限らない本願において記載されているもの)を介するアシクロビルの所望の量の吸収を可能にする及び/または容易にする送達剤の量である。
【0040】
用語「平均値」は、薬物動態の値(例えば、平均ピーク)を前に付けると、他に規定されない限り、薬物動態の値の数学的な平均値を表す。
【0041】
本願明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈で明らかにそうではないと示されない限り、複数形を含む。かくして、例えば「分子(a molecular)」は1つ以上の分子を含み、「試薬(a reagent)」は1つ以上の異なる試薬(reagent)を含み、「抗体(an antibody)」は1つ以上の異なる抗体(antibody)を含み、並びに「方法(the method)」は、本願明細書に記載されている方法に対して修飾または置換できる当業者に既知の同等な複数の工程及び方法を含む。
【0042】
用語「約(about)」は任意の値または範囲の10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内を一般的に意味する。
【0043】
本願明細書で使用される用語「アルキル」及び「アルケニル」は、直鎖及び分枝のアルキル及びアルケニル置換基をそれぞれ含む。
【0044】
用語「製薬学的に許容される」は、哺乳動物に投与される際に、生理学的に許容され、アレルギーまたは同様の有害反応、例えば異常亢進及びめまい感などを典型的に生じさせない添加物または組成物を意味する。
【0045】
「ウイルスによって引き起こされる異常または疾患」は、ウイルスによって引き起こされる、併発する、悪化する、のいずれかである動物における任意の異常または疾患を意味する。その様な異常または疾患は、ヘルペス属のウイルス、例えば単純ヘルペス1型及び2型ウイルス(HSV1、HSV2)、水痘‐帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、及び他のヘルペスウイルス感染(例えば、ネコのヘルペスウイルス感染)によって引き起こされるものを含むが、それらに限らない。
【0046】
本願明細書で使用される用語「治療」は以下の1つ以上を含む:
(a)発症の停止、発症の遅延(すなわち、疾患の臨床的な発症前の時間)、及び/または疾患の発達または悪化の危険度の減少;
(b)例えば、高カルシウム血症を含む、哺乳動物における疾患の少なくとも1つの症状の緩和及び軽減;
(c)任意の刺激(例えば、圧力、組織損傷、または低温)に応答するものを含むが、それらに限らない哺乳動物が有する疾患の強度の緩和若しくは軽減、及び/または発症の遅延。用語「治療」は、異常(例えば、病気)、異常の症状、または異常に向かう素因を予防的に防止、治療、治癒、緩和、軽減、変化、癒す、改良、改善、または作用することも含む。
【0047】
アシクロビル
用語「アシクロビル」は、9-(2-ヒドロキシエトキシメチル)グアニンを意味する。アシクロビルの適切な塩(例えば、製薬学的に許容される塩)及びエステルは、参照によって本願明細書に援用される米国特許第4,199,574号に記載されており、ナトリウムアシクロビル及びアシクロビルバレレートを含むが、それらに限らない。アシクロビルは、例えば塩酸、硫酸、リン酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、及び酢酸とも酸付加塩を形成する。
【0048】
アシクロビルの合成は、参照によって本願明細書に援用される米国特許第4,199,574号に開示されている。アシクロビルは、Zovirax(登録商標)という商品名でGlaxoSmithKline(Research Triangle Park, NC)より市販されている。
【0049】
9-(2-ヒドロキシエトキシメチル)グアニンにin vivoで変化する任意のプロドラッグが使用されても良い。本願明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、その製薬学的に許容される塩を含む。アシクロビルプロドラッグは、下式のプリン置換体を含む。
【0050】
【化4】

【0051】
アシクロビルプロドラッグは、上式のプリン置換体またはその塩であり、
[式中、
Rは水素、ヒドロキシ、またはアミノであり;
Xは酸素または硫黄であり;
Yは水素またはヒドロキシメチルであり;並びに
Zは-H、C1-16アルキル、または-OCOCH(R1)NH2 [式中、R1は-C[CH3]2]である。]
【0052】
適切なアシクロビルプロドラッグは、参照によって本願明細書に援用される米国特許第4,609,662号、第4,758,572号、及び第4,957,924号に記載されているものを含むが、それらに限らない。その様なプロドラッグの限定されない例としては、2-[(2-アミノ-1,6-ジヒドロ-6-オキソ-9H-プリン-9-イル)メトキシ]エチルエステル(バラシクロビル)、及びその製薬学的に許容される塩である。バラシクロビルは、Valtrex(登録商標)の商品名でGlaxoSmithKline(Research Triangle Park, NC)より、その塩酸塩として市販されている。
【0053】
本願明細書に記載されているいかなる異常及び疾患の治療における使用のためのアシクロビルの治療上有効量も、ウイルス感染に関連する異常を抑制または緩和するのに十分な量である。当業者に解されるように、治療剤の有効量はアシクロビル、またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグの効力、患者の年齢及び体重、並びに治療される異常または疾患の重度を含む多数の因子に伴って変化するであろう。
【0054】
1つの実施態様によれば、アシクロビル(またはその塩、エステル、若しくはプロドラッグ)は、1日に被験者の体重あたり約0.1から約250mg (mg/kg/日)、約1から約100mg/kg/日、または約5から約20mg/kg/日(アシクロビルの重量に基づいて)の用量で投与(例えば、末梢に)される。他の実施態様によれば、前記用量は約10mg/kg/日である。単独の用量または分割した用量のいずれかとして、所望の用量が投与されて良い。
【0055】
アシクロビルと送達剤化合物とは、1つ以上の他の活性剤と別々にまたは一緒に投与されて良い。例えば、アシクロビルと送達剤化合物とは、レトロウイルス感染(特に、HIV感染)を治療するために使用される化合物、例えば、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)のような抗ウイルス活性を示す化合物若しくは組成物及び/またはリボヌクレオチドレダクターゼインヒビターとしての活性を示す化合物若しくは組成物と別々にまたは一緒に投与されて良い。適切なリボヌクレオチドレダクターゼインヒビターは、参照によって本願明細書に援用される米国特許第5,393,883号に開示されているもののような、チオカルボノヒドラゾンリボヌクレオチドリダクターゼインヒビターを含むが、それらに限らない。
【0056】
送達剤化合物
送達剤化合物は、米国特許第6,699,467号, 第6,663,898号, 第6,693,208号, 第6,693,073号, 第6,693,898号, 第6,663,887号, 第6,646,162号, 第6,642,411号, 第6,627,228号, 第6,623,731号, 第6,610,329号, 第6,558,706号, 第6,525,020号, 第6,461,643号, 第6,461,545号, 第6,440,929号, 第6,428,780号, 第6,413,550号, 第6,399,798号, 第6,395,774号, 第6,391,303号, 第6,384,278号, 第6,375,983号, 第6,358,504号, 第6,346,242号, 第6,344,213号, 第6,331,318号, 第6,313,088号, 第6,245,359号, 第6,242,495号, 第6,221,367号, 第6,180,140号, 第6,100,298号, 第6,100,285号, 第6,099,856号, 第6,090,958号, 第6,084,112号, 第6,071,510号, 第6,060,513号, 第6,051,561号, 第6,051,258号, 第6,001,347号, 第5,990,166号, 第5,989,539号, 第5,976,569号, 第5,972,387号, 第5,965,121号, 第5,962,710号, 第5,958,451号, 第5,955,503号, 第5,939,381号, 第5,935,601号, 第5,879,681号, 第5,876,710号, 第5,866,536号, 第5,863,944号, 第5,840,340号, 第5,824,345号, 第5,820,881号, 第5,811,127号, 第5,804,688号, 第5,792,451号, 第5,776,888号, 第5,773,647号, 第5,766,633号, 第5,750,147号, 第5,714,167号, 第5,709,861号, 第5,693,338号, 第5,667,806号, 第5,650,386号, 第5,643,957号, 第5,629,020号, 第5,601,846号, 第5,578,323号, 第5,541,155号,
第5,540,939号, 第5,451,410号, 第5,447,728号, 第5,443,841号, 及び 第5,401,516号; 国際公開 WO94/23767, WO95/11690, W095/28920, WO95/28838, W096/10396, W096/09813, WO96/12473, WO97/36480, WO 2004/4104018, WO 2004080401, WO 2004062587, WO 2003/057650, WO 2003/057170, WO 2003/045331, WO 2003/045306, WO 2003/026582, WO 2002/100338, WO 2002/070438, WO 2002/069937, WO 02/20466, WO 02/19969, WO 02/16309, WO 02/15959, WO 02/02509, WO 01/92206, WO 01/70219, WO 01/51454, WO 01/44199, WO 01/34114, WO 01/32596, WO 01/32130, WO 00/07979, WO 00/06534, WO 00/06184, WO 00/59863, WO 00/59480, WO 00/50386, WO 00/48589, WO 00/47188, WO 00/46182, WO 00/40203, WO 99/16427, WO 98/50341, WO 98/49135, WO 98/34632, WO 98/25589, WO 98/21951, WO 97/47288, WO 97/31938, WO 97/10197, WO 96/40076, WO 96/40070, WO 96/39835, WO 96/33699, WO 96/30036, WO 96/21464, WO 96/12475, and WO 96/12474; 及び 米国特許出願公開第 20040110839号, 第20040106825号, 第20040068013号, 第20040062773号, 第20040022856号, 第20030235612号, 第20030232085号, 第20030225300号, 第20030198658号, 第20030133953号, 第20030078302号, 第20030072740号, 第20030045579号, 第20030012817号, 第20030008900号, 第20020155993号, 第20020127202号, 第20020120009号, 第20020119910号, 第20020102286号, 第20020065255号, 第20020052422号, 第20020040061号, 第20020028250号, 第20020013497号, 第20020001591号, 第20010039258号, 及び第20010003001号に記載の任意のものであって良い。上記の米国特許、並びに米国及び国際特許出願公開は参照によって本願明細書に援用される。
【0057】
送達剤化合物の限定されない例としては、N-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル]-アミノ)カプリル酸、N-(10-[2-ヒドロキシベンゾイル]-アミノ)デカン酸、8-(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2,6-ジヒドロキシベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2-ヒドロキシ-5-ブロモベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2-ヒドロキシ-5-クロロベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2-ヒドロキシ-5-ヨードベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2-ヒドロキシ-5-メチルベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2-ヒドロキシ-5-フルオロベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(3-ヒドロキシフェノキシ)オクタン酸、8-(4-ヒドロキシフェノキシ)オクタン酸、6-(2-シアノフェノキシ)カプロン酸、8-(2-ヒドロキシフェノキシ)オクチル-ジエタノールアミン、8-(4-ヒドロキシフェノキシ)オクタノエート、8-(4-ヒドロキシフェノキシ)オクタノエート、8-(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾイルアミノ)オクタン酸、8-(2-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾイルアミノ)-オクタン酸、及びそれらの塩が含まれる。好ましい塩は、1ナトリウム塩及び2ナトリウム塩を含むが、それらに限らない。
【0058】
前記送達剤化合物は、カルボン酸または製薬学的に許容されるその塩、例えば、ナトリウム塩、並びにその水和物及び溶媒和物の形態であって良い。前記塩は、1ナトリウム塩及び2ナトリウム塩のような、1価または多価の塩であって良い。前記送達剤化合物は、例えば、担体の溶解プロフィールの変化に対する作用のために選択される異なる対イオンを含有して良い。
【0059】
前記送達剤化合物は、上述の文献(国際公開WO98/34632、WO00/07979、WO01/44199、WO01/32596、WO02/20466、及びWO03/045306)に記載されているもののような、当業者に既知の方法によって調製されて良い。SNAC、SNAD、並びにその遊離酸及び他の塩は、米国特許出願第5,650,386号及び第5,866,536号に記載のもののような、当業者に既知の方法によって調製されて良い。
【0060】
本発明の送達剤化合物の塩は当業者に既知の方法によって調製されて良い。例えば、ナトリウム塩は、送達剤化合物をエタノール中に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって調製されて良い。前記送達剤化合物は、再結晶または1つ以上の固体クロマトグラフィー支持体に対する単独または直列に連結した分画によって精製されて良い。適切な再結晶溶媒システムは、アセトニトリル、メタノール、及びテトラヒドロフランを含むが、それらに限らない。分画は、移動相としてメタノール/n-プロパノール混合物を使用して、アルミナのような適切なクロマトグラフィーの支持体上で;移動相としてトリフルオロ酢酸/アセトニトリル混合物を使用して逆相クロマトグラフィー上で;並びに移動層として水または適当なバッファーを使用してイオン交換クロマトグラフィー上で実施されて良い。アニオン交換クロマトグラフィーが実施される際に、好ましく0-500mMの塩化ナトリウム勾配が使用される。
【0061】
送達システム
本発明の組成物は、本発明の1つ以上の送達剤化合物とアシクロビルとを含む。前記送達剤化合物とアシクロビルとは投与前に典型的に混合されて、投与組成物を形成する。
【0062】
前記投与組成物は液状であって良い。溶液の媒体は、水、25%水性プロピレングリコール、またはリン酸バッファーであって良い。他の投与媒体はポリエチレングリコールを含む。投与溶液は、投与の直前に送達剤化合物の溶液を活性剤の溶液と混合することによって調製されて良い。代替的に、送達剤化合物(またはアシクロビル)の溶液を固形のアシクロビル(または送達剤化合物)と混合して良い。前記送達剤化合物とアシクロビルとは乾燥粉末として混合されても良い。前記送達剤化合物とアシクロビルとは製造過程の間に混合されても良い。
【0063】
前記投与溶液は、リン酸バッファー塩、クエン酸、グリコール、または他の分散剤のような添加物を任意に含有して良い。安定化添加物が、好ましくは約0.1と20%(w/v)の間の範囲の濃度で前記溶液に含まれて良い。
【0064】
例えば、本発明において有用な組成物は非経口的な組成物(例えば、注射または輸液)として提供されて良い。1つの実施態様によれば、前記組成物は、約3.0から約8.0のpHで等張緩衝溶液のような水性担体中に懸濁される。適切なバッファーは、クエン酸ナトリウム-クエン酸、及びリン酸ナトリウム-リン酸、並びに酢酸ナトリウム/酢酸バッファーを含むが、それらに限らない。
【0065】
持続性または「デポー」の徐放製剤の形態は、前記製剤の治療上有効量が経皮注射または送達後に長い時間または長い日にちに亘って血流中に送達されるように使用されても良い。
【0066】
前記投与組成物は代替的に、錠剤、カプセル、または粒子、例えば粉末若しくはサッシェのような固形であって良い。固体の投与形態は、固形の前記化合物を固形のアシクロビルと混合することによって調製されて良い。代替的に、フリーズドライ(凍結乾燥)、沈殿、結晶化、及び固体分散体のような当業者に既知の方法によって、化合物とアシクロビルの溶液から固体が得られて良い。代替的に、前記投与は、ゲル、ペースト、コロイド、ゼラチン、エマルション、及び懸濁物などの形態における半固体であって良い。
【0067】
本発明の投与組成物は1つ以上の酵素インヒビターを含んでも良い。その様な酵素インヒビターは、アクチノニンまたはエピアクチノニン及びそれらの誘導体のような化合物を含むが、それらに限らない。他の酵素インヒビターは、アプロチニン(トラジロール)及びボーマン‐バークインヒビターを含むが、それらに限らない。
【0068】
本発明の投与組成物において使用されるアシクロビルの量は、標的とする適応症を治療するための有効量である。しかしながら、単位投与形態は複数の送達剤化合物/アシクロビルを含有して良いため、分割した有効量を含む組成物が単位投与形態中で使用される際には、前記本発明の投与組成物において使用されるアシクロビルの量は前記有効量よりも少なくて良い。有効量全体は、アシクロビルの有効量を全体で含有する累積的な単位で投与されて良い。更に、当業者はアシクロビルの有効量は患者の年齢及び体重、患者の健康状態、並びに他の因子を含む多数の因子に伴って変化すると解するであろう。
【0069】
使用されるアシクロビルの全体量は当業者に既知の方法によって決定されて良い。しかしながら、本発明の組成物は、アシクロビルを含有する組成物よりもアシクロビルをより効率的に投与する可能性があるため、以前の単位投与形態または送達システムで使用された量よりも低量のアシクロビルが対象に投与されて良く、その一方で同一の血中レベル及び/または治療効果を達成する。
【0070】
1つの実施態様によれば、アシクロビル(またはその塩、エステル、プロドラッグ)は、1日に被験者の体重のキログラムあたりで約0.1から約250mg(mg/kg/日)、約1から約100mg/kg/日、または約5から約20mg/kg/日(アシクロビルの重量に基づく)の用量で投与(例えば、末梢に)される。他の実施態様によれば、前記用量は約10mg/kg/日である。所望の用量が単一のまたは分割された用量のいずれかで投与されて良い。
【0071】
本発明は、上述の量のアシクロビルと少なくとも1つの送達剤とを含む製薬組成物及び投与形態も含む。
【0072】
一般的に、アシクロビルの送達を容易にする有効量の送達剤がアシクロビルと共に投与される。1つの実施態様によれば、アシクロビルに対する送達剤の量は、モル比において約20:1から約1:1、約10:1から約2:1、または約5:1から約2:1の範囲である。
【0073】
本願で開示される送達剤化合物は、アシクロビルの送達、特に経口、鼻内、舌下、十二指腸内、皮下、頬、結腸内、直腸内、膣、粘膜、肺、経皮、皮内、非経口、腹腔内、静脈内、筋肉内、及び眼のシステムにおける送達、並びに血液-脳障壁を越える送達を容易にする。本発明の組成物及び単位投与形態は、任意の上述の経路によって投与されて良い。
【0074】
単位投与形態は、賦形剤、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、可塑剤、着色剤、香味剤、味を隠す剤、糖、甘味剤、塩、及び水、1,2-プロパンジオール、エタノール、オリーブオイル、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限らない投与媒体の任意の1つまたは組み合わせを含んでも良い。
【0075】
本発明の組成物は、鶏のような鳥類、魚類、爬虫類、げっ歯類、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、霊長類、及び特にヒトのような哺乳類、並びに虫を含むが、それらに限らない任意の動物に対して生物学的または化学的な活性剤を投与するために有用である。
【0076】
治療方法
本発明の組成物は、Physicians' Desk Reference (58th Ed., 2004, Medical Economics Company, Inc., Montvale, NJ)に記載されるものを含む、アシクロビル、またはその塩(例えば、アシクロビルナトリウム)若しくはプロドラッグ(例えば、バラシクロビル)で治療可能である任意の疾患を治療することができる。その様な疾患は、上述のもの、上記の他の特許または他の文献に記載されているものを含むがそれらに限らない。限定されない例は以下のものである:
(1)単純ヘルペス1型ウイルス(HSV1)、
(2)単純ヘルペス2型ウイルス(HSV2)、
(3)水痘‐帯状疱疹ウイルス(VZV)
(4)サイトメガロウイルス(CMV)、
(5)エプスタイン-バーウイルス(EBV)、
(6)他のヘルペスウイルス感染(例えば、ネコのヘルペスウイルス感染)、
(7)ヘルペス性角膜炎、
(8)ヘルペス性脳炎、
(9)単純ヘルペス及び陰部感染(単純ヘルペスによって引き起こされる)
(10)水痘
(11)帯状ヘルペス(水痘‐帯状疱疹ウイルス)
(12) 特に、腎臓及び骨髄移植患者並びに後天性免疫不全症候群(AIDS)患者を含む免疫無防備状態の患者におけるCMV-肺炎及び網膜炎、
(13)エプスタイン-バーウイルス(EVB)に引き起こされる、伝染性単核球症、鼻咽頭癌、免疫芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫、及び毛髪状白斑、
(14)帯状疱疹、並びに
(15)陰部ヘルペスの最初のエピソード及び/または再発エピソードの管理。
【実施例】
【0077】
以下の実施例は限定すること無く本発明を説明する。全ての部は他に示されない限り重量で与えられる。
【0078】
(実施例1)
ラットにおけるアシクロビルの固体経口送達
使用したアシクロビルの用量は25mg/kg(体重)であった。送達剤の用量は50または75mg/kg(体重)のいずれかであった。
【0079】
約6.25mg/錠剤のアシクロビルを12.5または18.75mg/錠剤(それぞれ50及び75 mg/kg)の送達剤化合物と混合した。Natoli Engineering Company, Incによって販売されているカプレット状のモデル(Caplet shape model)を備えたCarver 4350手動ペレットプレス機(manual pellet press)の上部のパンチ、下部のパンチ、及びダイスをステアリン酸マグネシウム(0.1%)で処理した。約6.25mg(アシクロビル単独)、18.75mg(アシクロビル+50mg/kg 送達剤化合物)、または25mg(アシクロビル+75mg/kg 送達剤化合物)の混合粉末をダイスにおいて、約1000PSIバールの圧力で小ビーズ型の錠剤を作製した。最終的な固形の投与形態は直径2.65mm、並びに25mgの錠剤に関しては約8.40mmの長さ、18.75mgの錠剤に関しては6.3mmの長さ、及び6.25mgの錠剤に関しては2.1mmの長さであった。
【0080】
オスのSprague Dawleyラット(〜250g)を一晩絶食させ、次いで約10秒間、標準的なCO2吸入技術によって麻酔して、1分未満の間麻酔状態にした。
【0081】
経口投与チューブを使用した。投与チューブをラットの口に挿入し、ラットの体重に依存して約8cmから約15cm(典型的には約11cm)まで咽頭及び食道に注意深く通した。経口投与チューブのプランジャーで押すことによって、固形の投与形態を食道の深部及び/または胃に送達させた。
【0082】
血液サンプルを眼窩後部の空洞より0、15、30、45、及び60分に連続的に回収した。サンプルを氷冷水上でヘパリンを入れた管に回収した。サンプルを遠心分離して血漿を抽出した。血漿サンプルを分析するまで-20℃のフリーザーで保管した。血漿のアシクロビル濃度をLC-MS-MS法を使用して定量した(Quest Pharmaceutical Services, Newark, DEによって分析が実施された)。各郡の動物由来の結果を各時点に関して平均した。これらの平均の最大(すなわち、平均ピーク血漿アシクロビル濃度±標準偏差(SD))を以下の表1に記載する。結果は図1にも示している。
【0083】
【表1】

【0084】
送達剤1はN-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸の1ナトリウム塩(SNAC)である。
【0085】
送達剤2はN-(10-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)デカン酸の1ナトリウム塩(SNAD)である。
【0086】
(実施例2)
イヌにおけるアシクロビルの送達
6つの異なる経口投与形態(錠剤)をイヌに投与した:(1)80mgのアシクロビルと240mgの送達剤であるN-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸の1ナトリウム塩(SNAC)とを含む単位固体経口投与形態、(2)400mgのアシクロビル(Zovirax(登録商標)GlaxoSmithKlineより市販されている)を含む固体経口投与形態、(3)800mgのアシクロビル(Zovirax(登録商標)GlaxoSmithKlineより市販されている)を含む固体経口投与形態、(4)500mgのバラシクロビル(Valtrex(登録商標)GlaxoSmithKlineより市販されている)を含む固体経口投与形態、並びに(6)240mgのアシクロビルと240mgの送達剤であるSNACとを含む単位固体経口投与形態。アシクロビル単独の経口投与及び送達剤と併せた投与を、80mgのアシクロビルを含む静脈内の投与形態と比較した(注射用のZovirax(登録商標)GlaxoSmithKlineより市販されている)。
【0087】
以下のように単位用量のアシクロビルと送達剤を調製した。約240mg/錠剤のSNACを80または240mg/錠剤のいずれかのアシクロビルと混合した。Natoli Engineering Company, Incによって販売されているカプレット状のモデル(Caplet shape model)を備えたCarver 4350手動ペレットプレス機(manual pellet press)の上部のパンチ、下部のパンチ、及びダイスをステアリン酸マグネシウム(0.1%)で処理した。約320mg(80mg アシクロビルと240mg SNAC)または480mg(240mg アシクロビルと240mg SNAC)の混合粉末をダイスにおいて、約1000PSIバールの圧力で小ビーズ型の錠剤を作製した。
【0088】
各々のイヌに表2に記載のように投与した。血漿のアシクロビル濃度をLC-MS-MS法を使用して定量した。最大ピーク血漿アシクロビル濃度と濃度曲線下面積(AUC)を表2に記載している。実験1から9の結果は各々図2から10にも示している。
【0089】
【表2】

【0090】
上述の特許、特許出願、試験方法、及び文献はそれらの全体における参照によって本願明細書に援用される。
【0091】
上述の詳細な記述に鑑みて、本発明の多数の変形例が当業者に示唆されている。その様な明らかな変形例は添付の特許請求の範囲に記載において十分に意図される範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、実施例1に記載の方法による、送達剤SNACまたはSNADの存在下及び非存在下で経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図2】図2は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤1の送達剤SNACの存在下及び非存在下で静脈内投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図3】図3は、実施例2に記載の方法によって、(1) 400mgのアシクロビル(送達剤無し) (表2において示される)の製剤5または(280mgのアシクロビルと240mgの送達剤SNAC(表2において示される))の製剤2の経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図4】図4は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤3の送達剤SNACの存在下及び非存在下で経口内投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図5】図5は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤4のバラシクロビル(送達剤無し)の経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図6】図6は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤5の送達剤SNACの存在下及び非存在下で経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図7】図7は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤6の送達剤SNACの存在下及び非存在下で経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図8】図8は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤7の送達剤SNACの存在下及び非存在下で経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図9】図9は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤8の送達剤SNACの存在下及び非存在下で経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。
【図10】図10は、実施例2に記載の方法による、表2に示される製剤9の送達剤SNACの存在下及び非存在下で経口投与後の時間に対するアシクロビルの血清濃度(ng/ml±標準誤差)の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アシクロビルと(b)式
【化1】

[式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;
Arは1つ以上の-OH、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、またはC1-C4ハロアルコキシで任意に置換されており;
R7はC4-C20アルキル、C4-C20アルケニル、フェニル、ナフチル、(C1-C10アルキル)フェニル、(C1-C10アルケニル)フェニル、(C1-C10アルキル)ナフチル、(C1-C10アルケニル)ナフチル、フェニル(C1-C10アルキル)、フェニル(C1-C10アルケニル)、ナフチル(C1-C10アルキル)、またはナフチル(C1-C10アルケニル)であり;
R8は水素、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、またはC1-C4ハロアルコキシであり;
R7はC1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、C1-C4ハロアルコキシ、-OH、-SH、-CO2R9、またはそれらの任意の組み合わせで任意に置換されており;
R9は水素、C1-C4アルキルまたはC2-C4アルケニルであり;並びに
R7は酸素、窒素、硫黄、またはそれらの任意の組み合わせによって任意に割り込まれている]
の送達剤またはその塩とを含む製薬組成物。
【請求項2】
(a)アシクロビルと(b)式
【化2】

[式中、
R1、R2、R3、及びR4は、独立にH、-OH、ハロゲン、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、-C(O)R8、-NO2、-NR9R10、または-N+R9R10R11(R12)-であり;
R5はH、-OH、-NO2、ハロゲン、-CF3、-NR14R15、-N+R14R15R16(R13) -、アミド、C1-C12アルコキシ、C1-C12アルキル、C2-C12アルケニル、カルバメート、カルボネート、ウレア、または-C(O)R18であり;
R5はハロゲン、-OH、-SH、-COOHで任意に置換されており;
R5はO、N、S、または-C(O)-で任意に割り込まれており;
R6はC1-C12アルキレン、C2-C12アルケニレン、またはアリーレンであり;
R6はC1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C1-C4アルコキシ、-OH、-SH、ハロゲン、-NH2、または-CO2R8で任意に置換されており;
R6はOまたはNで任意に割り込まれており;
R7は結合またはアリーレンであり;
R7は-OH、ハロゲン、-C(O)CH3、-NR10R11、または-N+R10R11R12(R13) -で任意に置換されており;
R8の存在の各々は独立にH、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、または-NH2であり;
R9、R10、R11、及びR12は独立にHまたはC1-C10アルキルであり;
R13はハライド、ヒドロキシド、スルフェート、テトラフルオロボレート、またはホスフェートであり;並びに
R14、R15、及びR16は独立にH、C1-C10アルキル、-COOHで置換されたC1-C10アルキル、C2-C12アルケニル、-COOHで置換されたC2-C12アルケニル、または-C(O)R17であり;
R17は-OH、C1-C10アルキル、またはC2-C12アルケニルであり;並びに
R18はH、C1-C6アルキル、-OH、-NR14R15、または-N+R14R15R16(R13)-である]
の送達剤またはその塩とを含む製薬組成物。
【請求項3】
(a)アシクロビルと(b)式
【化3】

[式中、
R1、R2、R3、R4、及びR5は独立にH、-CN、-OH、-OCH3、またはハロゲンであり、少なくとも1つのR1、R2、R3、R4、及びR5が-CNである;並びに
R6はC1-C12の直鎖若しくは分枝のアルキレン、アルケニレン、アリーレン、アルキル(アリーレン)、またはアリール(アルキレン)である]
の送達剤またはその塩とを含む製薬組成物。
【請求項4】
前記送達剤が、SNAC若しくはSNADまたはそれらの製薬学的に許容される塩である送達剤からなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の製薬組成物。
【請求項5】
前記送達剤が、N-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル]-アミノ)カプリル酸またはその製薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の製薬組成物。
【請求項6】
前記送達剤が、N-(10-[2-ヒドロキシベンゾイル]-アミノ)デカン酸またはその製薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の製薬組成物。
【請求項7】
(1)200、400、または800mgのアシクロビル製剤が1日に5回、4時間ごとに投与される、
(2)400mgのアシクロビル製剤が1日に2回投与される、
(3)200mgのアシクロビル製剤が1日に3回投与される、
(4)200mgのアシクロビル製剤が1日に4回投与される、または
(5)200mgのアシクロビル製剤が1日に5回投与される
際にZovirax(登録商標)(U.S. FDA NDA No. 18828, 19909, または20089)として市販されているアシクロビル製剤と実質的に同等なバイオアベイラビリティー(すなわち、AUC)を提供する、請求項1から6のいずれか一項に記載の製薬組成物。
【請求項8】
(A)請求項1から7のいずれか一項に記載の製薬組成物;と
(B)(a)賦形剤、
(b)希釈剤、
(c)崩壊剤、
(d)潤滑剤、
(e)可塑剤、
(f)着色剤、
(g)投与媒体、または
(h)それらの任意の組み合わせ
とを含む単位投与形態。
【請求項9】
錠剤、カプセル、粒子、粉末、サッシェ、または液体の形態である、請求項8に記載の単位投与形態。
【請求項10】
前記投与媒体が、水、水性プロピレングリコール、リン酸バッファー、1,2-プロパンジオール、エタノール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される液体である、請求項8に記載の単位投与形態。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に規定される製薬組成物を経口投与する工程を含む、アシクロビルを必要とする患者にアシクロビルの有効量を投与する方法。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか一項に規定される製薬組成物の有効量を患者に投与する工程を含む、治療を必要とする患者におけるウイルス感染を治療する方法。
【請求項13】
請求項1から8のいずれか一項に規定される製薬組成物の有効量を動物に投与する工程を含む、治療を必要とする患者におけるウイルスによって引き起こされる異常または疾患を治療する方法。
【請求項14】
前記異常または疾患が、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、水痘‐帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、及びエプスタイン-バーウイルスからなる群より選択されるウイルスによって引き起こされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から3のいずれか一項に記載の製剤を投与する工程を含む、アシクロビルを必要とする動物におけるアシクロビルのバイオアベイラビリティーを改善する方法。
【請求項16】
少なくとも1つの送達剤化合物と、アシクロビルまたはその塩若しくはプロドラッグとを混合する工程を含む、製薬組成物を調製する方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【公表番号】特表2007−538100(P2007−538100A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527492(P2007−527492)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017815
【国際公開番号】WO2005/112937
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(500139958)エミスフェアー・テクノロジーズ・インク (28)
【Fターム(参考)】