説明

アセチレン列ジオールエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物および現像剤におけるその使用

【課題】泡生成を最小化して露光されたフォトレジストに使用されるように、現像剤において表面張力を効率的に低下させうる新規な界面活性剤を提供する。
【解決手段】式


(ここでrおよびtは1もしくは2、(n+m)は1〜30そして(p+q)は1〜30である)によって表されるアセチレン列ジオールエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物を界面活性剤として含む水性アルカリフォトレジスト現像剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水にもとづく系(water−based system)において表面張力を低下させるためのアセチレン列ジオールアルキレンオキシド付加物、その製造およびその使用に関する。もう1つの態様において、本発明は水性のフォトレジスト現像剤における湿潤剤としてのこのような付加物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水の表面張力を低下させる能力は水性(waterborne)塗料、インク、接着剤、および農業配合物において重要である。なぜなら、低下された表面張力は、実際の配合物において、高められた基質のぬれに表現しなおす(translate)からである。水にもとづく系において表面張力の低下は、通常、界面活性剤の添加により得られる。界面活性剤の添加から生じる性能の特質は、高められた表面被覆率、比較的少い欠陥、および比較的均一な分布を含む、平衡表面張力性能は、系が静止しているときに重要である。しかし、動的条件下で表面張力を低下させる能力は、高い表面創出速度(surface
creation rates)が利用される使用において非常に重要である。そのような使用は、塗料の吹付け塗り、ローラ塗りおよびはけ塗り、もしくは農業配合物の噴露、または高速グラビア印刷もしくはインクジェット印刷を含む。動的表面張力は基本的な量(quantity)であり、表面張力を低下させる界面活性剤の能力のものさしを与え、そのような高速使用条件下でぬれを与える。
【0003】
アルキルフェノールもしくはアルコールエトキシラート、およびエチレンオキシド(EO)/プロピレンオキシド(PO)共重合体のような従来のノニオン界面活性剤は、優れた平衡表面張力性能を有するが、動的表面張力低下が不十分であると一般に特徴づけられる。対照的に、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムのような、あるアニオン界面活性剤は、良好な動的結果を与えるが、それらは非常に泡立っており、水に仕上げコーティングへの敏感さを与える。
【0004】
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールおよびそのエトキシレートのようなアセチレン列グリコールにもとづく界面活性剤は、平衡および動的な表面張力低下能の良好なバランスで知られており、従来のノニオンおよびアニオン界面活性剤の否定的な特徴をほとんど有さない。
【0005】
多くの用途に関して、代わりの性質を有するアセチレン列ジオール誘導体を製造するのが望ましい。たとえば、優れた動的特性が要求される用途において、比較的高い臨界凝集濃度(溶解限度もしくは臨界ミセル濃度)を有する界面活性剤を有するのが望ましいことが多い。なぜなら、比較的高いバルク界面活性剤濃度は、比較的高い界面活性剤拡散フラックスを与え、新たに創り出される表面、そしてつづいて比較的低い動的表面張力をもたらすからである。
【0006】
従来、比較的高い水溶解度を有するアセチレン列ジオール界面活性剤は、母体をエチレンオキシドと反応させることにより得られている;比較的大きいエトキシ化度は比較的大きい水溶解度を与える。あいにく、エトキシ化の程度を増加させると、泡立つ傾向を招き、配合時の非効率、付着時の欠陥、および他の用途での工程上の問題を持ち込む。発泡の問題は半導体製造で用いられるフォトレジスト現像剤において特に厄介である。
【0007】
半導体製造の需要は、フォトレジス現像剤配合において、高性能の界面活性剤および湿
潤剤の使用を要求する。商品の形態がもっと小さいサイズに縮み、フォトレジストの基質材料が事実上もっと脂肪族になるにつれて(すなわち、比較的低い表面エネルギーを有する)、水性現像剤溶液は、表面張力低化剤とともに配合されている。これらの現像剤に対するもう1つの要求は、それらが泡立つ経口が少ないことである。これは比較的大きなウェハのサイズへの動きにより強調される。低い気泡生成は、スプレーパドル(spray−puddle)法を用いるときに特に重要である。なぜならフォトレジスト表面にわたり溶液を拡げる間に微小気泡(microbubble)の同体は欠陥を引起すからである。フォトレジストのぬれを増加させるために過去に使用された界面活性剤は通常、比較的高い気泡生成を導く。たいてい、産業は、コントラスト、臨界寸法および尖鋭度のようなフォトレジスト性能への界面活性剤の効果に焦点を合わせた。基礎をなす基質の洗浄能力は通常の界面活性剤により高められるが、気泡生成はいまだ問題が残る。
【0008】
低い動的表面張力は、水性塗料の使用において非常に重要である。Schwarty,J.の「水性塗料における低動的表面張力の重要性」(Journal of Coatings Technology)(1992年9月)(非特許文献1)という論文で、水性塗料の表面張力特性が検討され、さらにそのような塗料の動的表面張力が検討されている。平衡および動的表面張力はいくつかの界面活性剤について評価された。低動的表面張力は、水性塗料において優れた膜形成を得るのに重要な因子であることが指摘されている。動的な塗料被覆法は、収縮(retraction)、クレータ(crater)および泡立ちのような欠陥を防止するために低動的表面張力の界面活性剤を要求する。
【0009】
農業用製品の効率的な使用も、配合物の動的表面張力特性に大いに依存する。Wirth,W.;Storp,S.;Jacobsen,W.の「農業用スプレー溶液の葉での保持を制御するメカニズム」(Pestic.Sci.33,411〜420頁)(1991)(非特許文献2)という論文において、農業用配合物の動的表面張力と葉の上に保持されるこれらの配合物の能力との間の関係が検討された。これらの研究者は、配合物の比較的有効な保持は低動的表面張力を示すという、保持値と動的表面張力との間の良好な相関を観察した。
【0010】
さらに、低動的表面張力は、「Using Surfactants to Formulate VOC Compliant Waterbased lnks」(Medina,S.W.;Sutovich,M.N.Am.Ink Maker,72(2),32〜38頁,1994)(非特許文献3)という論文において検討されているように高速印刷においても重要である。この論文では、平衡表面張力(EST)は、静止したインク系(ink systems at rest)のみに関連すると述べられている。しかし、EST値は、インクが使用される動的な高速印刷環境における性能の良好な指標ではない。動的表面張力がもっと適切な特性である。この動的測定は、新たに創出されるインク/基質界面に移行し、高速印刷中に、ぬれを付与する界面活性剤の能力の指標である。
【0011】
水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)は、J.R.SheatsおよびB.M.Smithにより編集された「Microlithography,Science and Technology」(Marcel Dekker,Inc.)1998年、551〜553頁(非特許文献4)によると、フォトレジストを現像するための水性アルカリ溶液において、より抜きの化学薬品である。界面活性剤は、水性TMAH溶液に添加され、現像時間およびスカミング(scumming)を減少させ、表面のぬれを改良する。
【0012】
米国特許第5,098,478号明細書(特許文献1)は、水、顔料、ノニオン界面活性剤およびノニオン活性剤のための可溶化剤を含む水にもとづくインク組成物を開示する
。グラビア印刷出版のためのインク組成物における動的表面張力は印刷性の問題が生じないことを確実にするために約25〜40dynes/cmの水準に減少されなければならない。
【0013】
米国特許第5,562,726号明細書(特許文献2)は、水、溶解された染料および2つのポリエトキシラート置換基を有する3級アミンの水性ジェットインクを開示するが、低動的表面張力はインクジェット印刷に重要である。
良好な動的特性および低発泡を要求する用途において、アセチレン列グリコールにもとづく表面活性剤は工業的に標準となった。下記の特許および論文は界面活性剤として種々のアセチレン列アルコールおよびそれらのエトキシレートを説明する:
【0014】
米国特許第3,268,593号明細書(特許文献3)およびLeedsらのI&EC
Product Research and Development 4,237頁(1965)(非特許文献5)は、構造式
【化1】

(ここでR1およびR4は炭素数3〜10を有するアルキル基であり、R2 およびR3 はメチルもしくはエチルであり、そしてxおよびyは合計で3〜60の範囲を含む)
で示される3級アセチレン列アルコールのエチレンオキシド付加物を開示する。具体的なエチレンオキシド付加物は、3−メチル−1−ノニン−3−オール、7,10−ジメチル−8−ヘキサデシン−7,10−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールおよび4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエチレンオキシド付加物を含む。好適には、エチレン−オキシド付加物は3〜20単位に及ぶ。さらに、トリアルキルアミン触媒を用いてこの種類の物質を製造する方法が開示されている。
【0015】
米国特許4,117,249号明細書(特許文献4)は、構造式
【化2】

(ここでRは水素もしくはアニケニル基である)
で示されるアセチレン列グリコールの3〜30モルエチレンオキシド(EO)付加物を開示する。このアセチレン列グリコールは、界面活性剤、分散剤、ノニオン性消泡剤および粘度安定剤として有用であると認識されている。
【0016】
米国特許第5,650,543号明細書(特許文献5)は、式
【化3】

(ここでxおよびyは整数であり、その合計が2〜50である)
、のエトキシ化アセチレン列グリコールを開示する。これらの界面活性剤は、高速使用が
できる塗料およびインク組成物を配合する能力を付与するので注目に値する。
【0017】
日本特許第2636954号(特許文献6)は、式
【化4】

(ここでRはC1〜8のアルキル、そしてm+nは1〜100の整数である)
、のプロピレンオキシド付加物を開示する。これらの化合物はBF3 のようなルイス酸触媒の存在下にアセチレン列グリココールおよびプロピレンオキシドを反応させることにより製造される。アミン触媒はプロピレンオキシドのアセチレン列ジオールの付加に対して不活性であることが述べられている。そのプロピレンオキシド付加物は、防錆オイル、消泡剤、殺虫剤用展着剤および接着剤用の湿潤化剤のためのぬれ向上剤として有用であるといわれている。それらはオイル類のぬれを向上するために有効であり、改良された消泡能力を有する。
【0018】
日本特許2621662号(特許文献7)は、式
【化5】

(ここでR1およびR2は−CH3、−C25、−C49;R3およびR4は −(OCH34mOH、もしくは−OHであり、mは1〜10の整数である)
、のアセチレン列ジオールのプロピレンオキシド(PO)誘導体を含有する感熱記録紙のための染料もしくは現像剤分散体を示す。
【0019】
特開平4−71894号公報(特許文献8)は、無色の電子供与性染料前駆体の分散体および現像剤の分散体を含有する被覆用溶液を示す。それらの少くとも1つは、少くとも60℃の融点を有する少くとも1つの種類のワックスを含有し、そして式
【化6】

(ここで、R1およびR2はそれぞれメチル、エチル、プロピルもしくはブチルを示し、そしてR2およびR3はそれぞれ−(OCH25nOHもしくは −(OC36nOH(nは1〜10)、またはOHである)
、のアセチレン列ジオールの少くとも1つのEOもしくはPO誘導体が混合および分散される。
【0020】
日本特許第2569377号(特許文献9)は、実質的に無色の電子供与性染料前駆体および現像剤の分散体を含有する記録材料を開示する。これらの分散体の少くとも1つが
製造されるとき、化合物
【化7】

(ここでR3およびR6はメチル、エチル、プロピルもしくはブチル;そしてR4およびR5は−(OCH24mOH、−(OC36mOH(mは1〜10の整数、または−OH)、が添加される。
【0021】
特開平9−150577号公報(特許文献10)は、感熱層に、ロイコ染料および式
【化8】

(ここでR1はメチル、エチル、プロピルもしくはブチル;R2は水素もしくはメチル;
およびnおよびmは1〜10である)
、のアセチレン列グリコールのエトキシ化もしくはプロポキシ化物0.1〜1.0wt%を含有する感熱記録媒体を開示する。
【0022】
特開平4−91168号公報(特許文献11)は、式
【化9】

(ここでR1 は炭素数1〜8のアルキル、Aは炭素数2〜3のアルキレングリコール基、R1 および分子中のAは同一でも異っていてもよく、xおよびyはそれぞれ0〜25の整数である)
、の化合物で表面処理されたシリカを開示する。
【0023】
特開平6−279081号公報(特許文献12)は、セメントモルタル−コンクリート硬化材料の製造方法を開示し、それにはアセチレン列アルコールもしくはジオールアルコキシレート0.5〜10wt%が、フッ素系界面活性剤および/またはケイ素系界面活性剤とともに添加されている。そのアセチレン列物質は式
【化10】

(ここでR1はHもしくは−C(R2)(R3)(O(AO)nH);R2およびR3は炭素数1〜8のアルキル基、Aは炭素数2〜3のアルキレン基およびnは0〜30である)
で表わされうる。
【0024】
特開平3−63187号公報(特許文献13)は、オフセット印刷のための濃縮された水性貯蔵溶液(fountain solution)組成物におけるアセチレン列グリコールエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加生成物を使用することを開示する。1つの例において、3,5−ジメチル−4−オクチン−3,5−ジオールのエチレンオキシド8〜12モル/プロピレンオキシド1〜2モル付加物が貯蔵溶液に使用される。他の例はアセチレン列ジオールのエチレンオキシドのみの誘導体の使用を示す。
【0025】
エチレンオキシド(EO)およびプロピレンオキシド(PO)の両方を含むアセチレン列ジオール誘導体が材料の一般的分類として、通常エチレンオキシド誘導体とともに実施された研究の潜在的な延長として、教示されているが、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールもしくは2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールにもとづくアセチレン列ジオールEO/PO誘導体の実際の実施例は何ら製造、評価されていない。この種の材料を製造するのに使用されうるいかなる方法も開示されていない。
フォトレジスト現像剤組成物における界面活性剤の使用は少くとも20年間知られている。
【0026】
米国特許第4,374,920号明細書(特許文献14)は、ポジ型リソグラフ印刷版およびフォトレジストのための水性アルカリ現像剤組成物における非イオン界面活性剤を使用することを開示する。界面活性剤はテトラメチルデシンジオールもしくはエトキシ化テトラメチルデシンジオールであった。具体的な界面活性剤は、Air Products and Chemicals,Incの界面活性剤SURFYNOL(登録商標)440,465および485であった。
【0027】
米国特許第4,833,067号明細書(特許文献15)は、主要成分として水酸化テトラメチルアンモニウムおよびコリンのような、金属イオンを含まない有機塩基化合物、およびアセチレン列アルコール50〜5000ppmを含有するポジ型フォトレジスト組成物のための水性現像剤溶液を開示する。これらの水性現像剤溶液は表面のぬれを増加させ、泡立ちを減少させると述べられる。
【0028】
米国特許第5,069,996号明細書(特許文献16)は、TMAH、ノボラック樹脂、エトキシ化テトラメチルデシンジオール界面活性剤、消泡剤および水を含有するフォトレジスト現像剤組成物を開示する。
米国特許第5,756,267号明細書(特許文献17)は、液晶ディスプレイの製造において有用な現像剤溶液を開示する。これらの溶液は、水、TMAHのような四級アンモニウム塩基、四級アンモニウム塩界面活性剤、アルカノールアミンおよび067特許に開示されるのと同一であるアセチレン列アルコールにもとづく界面活性剤を含有する。
【0029】
米国特許第5,922,522号明細書(特許文献18)は、エトキシ化界面活性剤およびプロポキシ化界面活性剤の混合物であるスカム防止剤を含有するフォトレジスト用現像剤溶液を開示する。このような化合物の実施例は与えられていないが、エチレンオキシド単位およびプロピレンオキシド単位は同一分子内の鎖に組み入れられうることが述べられている。これらの界面活性剤は、好適にはアニオン性であり、ノリルフェノ−ル、オクチルフェノール、およびトリスチリルフェノールのようなアルコールから形成される分子に疎水性末端を有すると述べられている。
【0030】
特開平10−319606号公報(特許文献19)は水、アルカリ性物質および式HO−A−B−A−Hを有するブロック共重合体を含むフォトレジスト現像剤を開示し、AおよびBはポリエチレンオキシド基もしくはポリプロピレンオキシド基であり、分子は両方
の基を含む。しかし、これらのブロック共重合体はマイクロエレクトロニック用途における表面欠陥を引起しうるミセルを非常に形成しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本発明は式AおよびBの化合物に関し、
【化12】

【0043】
ここで(n+m)および(p+q)はそれぞれ1〜30の範囲でありうる。(n+m)は1.3〜15が好適であり、最も好ましくは1.3〜10である。(p+q)は1〜10が好ましく、もっと好ましくは1〜3、そして最も好ましくは2である。式Aにおいて、rおよびtは1もしくは2、特にr=t、すなわち分子のアセチレン列ジオール部分は2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールもしくは2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールである。
【0044】
(OC24)で表わされるアルキレンオキシド部分は(n+m)の重合エチレンオキシド(EO)単位であり、そして(OC36)で示される部分は(p+q)重合プロピレンオキシド(PO)単位である。
EOおよびPO単位がそれぞれ分かれている生成物はブロックアルコキシ化誘導体といわれる。EOおよびPO単位がランダムに重合体鎖にそって分布している生成物は「ランダム」アルコキシ化誘導体といわれる。ランダム誘導体は式Bで表わされうる。
【0045】
【化13】

【0046】
ここでRは、水素もしくはメチルであり、化合物が少くとも1つのエチレンオキシド単位および少くとも1つのプロピレンオキシド単位を含むことを条件に、(n+m)は2〜60であり;そしてrおよびtは1もしくは2、特にr=tである。
構造Aのブロック組成物は、適切な触媒の存在下に2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールもしくは2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールを、エチレンオキシド、ついでプロピレンオキシドの必要量と反応させることにより製造されうる。適切な触媒は、トリアルキルアミンおよびルイス酸、特にBF3 を含む。あるいは、組成物は、適切な触媒の存在下に、予め生成したアセチレン列ジオールエトキシレートをプロピレンオキシドと反応させることによって製造されうる。この予め生成したアセチレン列ジオールエトキシレートの場合には、もし添加されるエチレンオキシドの量が3級アルコール官能基の本質的にすべてにわたるのに十分であれば、プロピレンオキシドとの反応に作用するためにKOHもしくは他のアルカリ触媒を用いることが可能である。
【0047】
アセチレン列ジオールアルコキシレートを製造する好適な方法はBF3もしくはトリアルキルアミン触媒を使用する。BF3の使用は、比較的大量のプロピレンオキシドを含有する誘導体の急速な製造をもたらす。しかし、トリアルキルアミン、特にトリメチルアミンで製造される組成物は、いくつかの理由で好適である。それらは、重要な副生物化学なしにアセチレン列ジオールエトキシレートの製造に用いられるの非常に類似した方法を用いて製造されうる。特に、トリアルキルアミン触媒は、非常に効率的な、ワンポット法を用いて高選択率で2モルのプロピレンオキシドを付加された誘導体の製造をもたらす。
【0048】
アセチレン列ジオールEO/PO付加物の製造法に関して、3級アセチレン列ジオール出発原料は、米国特許第2,250,450号;2,106,180号および2,163,720号明細書に記述されるような種々の公知の方法で製造され得、それらは引用により組入れられる。そのアセチレン列ジオール出発原料は8〜26の炭素を含有しうる。アセチレン列ジオール出発原料は14〜16の炭素を含有するのが好適であり、もっとも好適には2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールもしくは、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールである。
【0049】
種々の塩基性触媒がアルキレンオキシドとアセチレン列3級グリコール間の反応を促進するのに用いられ得、そこでヒドロキシル基は本発明によりアセチレン列結合にα位で炭素原子に付加される。3級脂肪族アミン、すなわちトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン等のようなトリアルキルアミンは、反応に対する特に有利な触媒である。このような3級脂肪族アミンは、アセチレン列グリコールの開裂を引起さないで、急速に、適度な低温および圧力で付加反応を触媒する。トリメチルアミンは、その高触媒活性および反応での長寿命のために好適
である。
【0050】
この分野で知られるように、水酸化ナトリウムのような強塩基触媒の、特に約150℃の高温での使用は、アセチレン列3級グリコールの開裂を引起こし、この理由のために、もし十分なエチレンオキシドが3級アセチレン列アルコール官能基の実質的な分解を防止するために当然に添加されないならば、避けられるべきである。いったんアセチレン列グリコールの3級ヒドロキシ基がエチレンオキシドを反応すると、得られる付加物はエーテルの著しい安定を示す。付加物が安定なので、高温で水酸化ナトリウムのような濃い塩基とともに加熱されうるが、初期のアセチレン列グリコールの同等な処理が広範囲の劣化により達成される。したがって、アルカリ金属水酸化物のような強塩基触媒は、いったん初期付加物が形成され、分解に対して保護されると、ポリアルキレンオキシド鎖長を増加させるのに使用されうる。アルカリ金属水酸化物は、さらに、十分に低い量の残りの3級アセチレン列アルコール官能基とともに、初期のEOもしくはPO付加物へのプロピレンオキシドの付加を促進するために使用されうる。
【0051】
トリアルキルアミン触媒による付加反応は、大気圧(15psig;1bar)もしくは低〜中位の超大気圧(30〜300psig;2〜20bar)で実施されうる。適度に低い超大気圧の使用は、未反応エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを循環する必要性を除去し、大気圧で実施される付加よりも速い速度で進行するのが通常であるので、好適である。速度に対する圧力の影響は、プロピレンオキシドとの反応において特に重要であり、したがって、反応は30psig(2bar)を超える圧力で行われるのが好ましい。反応は60psig(4bar)よりも大きい圧力で行われるのが特に好ましい。圧力下で反応を実施するもう1つの利益は、そのような反応は通常の効効の撹拌で達成されうるが、大気圧で行なわれる反応は分散型撹拌器が用いられるときに最も良く作用することが多いことである。反応は比較的低い圧力で実施されうるが、反応速度、そしてしたがって反応器の生産性は、損害を受ける。約300psig(20bar)をはるかに超える圧力で反応を実施することは、周辺的な利益をうけるにすぎず、製造に必要な設備のコストを増大させる、100psig(6.7bar)で実施するのが好適である。
【0052】
反応がトリアルキルアミンで触媒される反応なわれる温度は、個々の系および触媒濃度に依存する。通常、比較的高い触媒濃度で、反応は比較的低い温度および圧力で実施されうる。反応温度は適切な速度で反応させるに十分に高くなければならないが、試薬および生成物の分解を妨げるに十分に低くなければならない。40〜150℃の範囲の温度が適切であり、好適には50〜120℃、特に好適には70〜90°である。
【0053】
プロピレンオキシドがアセチレン列ジオールEO付加物に添加される、トリアルキルアミンで触媒される方法において、反応は各鎖とのPO末端キャップで停止し、すなわち得られる生成物は2つのPO末端を含有するアセチレン列ジオールEO/PO付加物であり、式Aにおいてpおよびqはそれぞれ1である。EOおよびPOの混合物がアセチレン列ジオールもしくはジオールEO付加物に添加されるとき、トリアルキルアミンで触媒される方法は、ランダムEOおよびPO単位を有する付加物を与え、後者の場合には最初のEOブロックを超えて伸びる。
【0054】
本発明のEO/PO付加物を製造するためにアセチレン列グリコールは溶融により液化され、触媒は撹拌しながら添加される。エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドは撹拌しながら液体として添加され、そして反応は、所望のポリアルキレンオキシド鎖長が、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)、高性能液相クロマトグラフィー(HPLC)、核磁気共鳴(NBR)、曇り点(ASTMD2024−65)もしくはイソプロピルアルコール溶液の水滴定により測定されて、達成されるときに、終了する。反応の間、溶媒は不要であるが、芳香族炭化水素(ベンゼンおよびトルエン)および
エーテル(エチルエーテル)のような不活性溶媒は、取扱いを容易にするために用いられうる。ある場合には、低モルエトキシ化アセチレン列ジオールを使用するのが好都合である。なぜなら、これらの生成物は液体で、したがって取り扱い易いからである。
【0055】
ルイス酸により触媒される反応において、反応条件は、触媒の独自性および濃度により決定される。ルイス酸の例は、BCl3,AlCl3,TiCl4,BF3,SnCl4,ZnCl2等を含む。好適なルイス酸触媒はBF3である。BF3触媒反応において、反応の初期段階の間の温度制御は重要である。なぜなら、あまりに高すぎる温度はアセチレン列ジオールの脱水を引起こすからである。温度は好適には80℃未満、さらに好ましくは60℃未満、そして最も好ましくは50℃未満に維持される。反応圧力は大気圧から適度に低い超大気圧、すなわち15〜300psig(10〜20bar)にわたることができる。BF3の高活性のために、トリアルキルアミン触媒を用いて実施される反応よりも約1bar
穏やかな圧力で良好な結果が得られる。
【0056】
アセチレン列グリコールおよび触媒への液体アルキレンオキシドの添加において、反応混合物において過剰のアルキレンオキシドが存在するのを避けるように留意されるべきである。なぜなら、反応は非常に発熱性であり、そして非常に危険であるからである。制御できない反応の危険は、アルキレンオキシドが反応混合物に導入されるとすぐに本質的に反応するような方法および割合でアルキレンオキシドを添加することにより回避されうる。ヘッドスペースでの可燃性混合物の形成は、アルキレンオキシドが比較的低い爆発限界(LEL)未満にとどまるように、窒素のような不活性ガスで十分な圧力に反応器ヘッドスペースを圧力印加することにより最もよく回避される。
【0057】
ルイス酸触媒およびトリアルキルアミン触媒法の両方において、触媒は、合計最終反応物量にもとづいて0.001〜10wt%、好ましくは0.01〜5wt%、そして最も好ましくは0.1〜1wt%で使用されうる。両方の場合において、不活性化はアルコキシ化の間に生じうるので、特に大量のEOおよびPOが添加されると、反応を完結させるために追加の触媒を添加することが必要となりうる。
【0058】
ランダムに分布されたEO/PO付加物を製造する方法において、EOおよびPOは、別々の装入物もしくは流れとして同時に反応に添加され得、またはEOおよびPO混合物からなる単一装入物もしくは流れとして添加されうる。ブロックEO/PO付加物の製造において、EOおよびPOはつづけて添加される。
アルコキシ化アセチレン列ジオールは、有機化合物を含む水に基づく組成物、特に重合体レジン、マクロ分子、有機塩基、除草剤、殺菌剤、もしくは植物生長調節剤のような有機化合物を含有する水性塗料、インク、貯蔵液溶液、農業用およびエレクトロニクス用処理組成物における平衡および動的表面張力を低下させるのに有用である。アルコキシ化アセチレン列ジオールは、23℃の水中で0.5%以下の濃度で35dynes/cmより小さい動的表面張力、ならびに最大気泡圧力法による1気泡/秒、を示すのが望ましい。表面張力を測定する最大気泡圧力法は、Langmuir2,428〜432頁(1986)に記載されており、引用により組入れられる。
【0059】
本発明の1つの態様において、上記の式のあるアルコキシ化アセチレン列ジオールは、実質的に気泡を発生させないのに、平衡および動的表面張力を低下させる優れた能力を示す。この挙動は、フォトレジスト現像剤の配合に特に有利である。
アルコキシ化アセチレン列ジオールは、水性組成物における使用に適する。組成物は、鉱石もしくは顔料である無機化合物、または顔料、付加、縮合およびビニルモノマーのような重合性モノマー、オリゴマーレジン、重合体レジン、アラビアゴムおよびカルボキシメチルセルロースのようなマクロ分子、洗剤、苛性洗浄剤、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)のような溶解剤、除草剤、殺かび材、殺虫剤もしくは植物生長調節剤を
含む。
【0060】
水にもとづく、有機もしくは無機化合物含有組成物の平衡および動的表面張力を低下させるのに有効な量のアルコキシ化アセチレン列ジオール化合物が添加される。このような有効量は、水性組成物100mLにつき0.001〜10g、好ましくは0.01〜1g/100mL、もっとも好ましくは0.05〜0.5g/100mLでありうる。水にもとづくフォトレジスト現像剤/エレクトロニクス洗浄用組成物について、有効量は0.001〜1g/100mL、好ましくは0.002〜0.8/100mL、そして、最も好ましくは0.005〜0.5g/100mLである。当然、最も有効な量は特定のアルコキシ化アセチレン列ジオールの特定の適用および溶解度に依存する。
【0061】
本発明によるアルコキシ化アセチレン列ジオールを含む、次の水にもとづく有機塗料、インク、貯蔵液、農業用組成物において、このような組成物の他の記載された成分は、関連する分野の研究者に周知の材料である。
【0062】
本発明のアルコキシ化アセチレン列ジオール界面活性剤が添加されうる、典型的な水にもとづく保護もしくは装飾用有機塗料組成物は、次の成分の塗料組成物30〜80wt%を水性媒体中に含む:
水にもとづく有機塗料組成物
0〜50wt% 顔料分散剤/粉砕レジン
0〜80wt% 着色顔料/体質顔料/さび止め顔料/他の顔料
5〜99.9wt% 水性/水分散性/水溶性レジン
0〜30wt% すべり添加剤/殺菌剤/処理助剤/泡消し剤
0〜50wt% 集合(coalescing)もしくは他の溶媒
0.01〜10wt% 界面活性剤/湿潤剤/流動および水平化剤
0.01〜5wt% アセチレン列ジオールEO/PO誘導体
【0063】
本発明のアルコキシ化アセチレン列ジオール界面活性剤が添加されうる典型的な、水にもとづくインク組成物は、次の成分20〜60wt%を水性媒体中に含む:
水にもとづくインク組成物
1〜50wt% 顔料
0〜50wt% 顔料分散剤/粉砕レジン
0〜50wt% 適切なレジン溶液ベクヒル中のクレー基剤
5〜99.9wt% 水性/水分散性/水溶性レジン
0〜30wt% 集合溶媒
0.01〜10wt% 界面活性剤/湿潤剤
0.01〜10wt% 処理助剤/脱泡剤/可溶化剤
0.01〜5wt% アセチレン列ジオールEO/PO誘導体
【0064】
本発明のアルコキシ化アセチレン列ジオール界面活性剤が添加されうる典型的な、水にもとづく農業用組成物は、次の成分を0.1〜80wt%水性媒体中に含む。
水にもとづく農業用組成物
0.1〜50wt% 殺虫剤、除草剤もしくは植物生長調節剤
0.01〜10wt% 界面活性剤
0〜5wt% 染料
0〜20wt% 増粘剤/可溶化剤/共界面活性剤/ゲル阻害剤/泡消し剤
0〜25wt% 凍結防止剤
0.01〜50wt% アルコキシ化アセチレン列ジオールEO/PO誘導体
【0065】
本発明のアルコキシ化したアセチレン列ジオールが添加されうる、平版印刷のための典
型的な水にもとづく貯蔵液組成物は、次の成分を30〜70wt%水性媒体中に含む。
平版印刷のための貯蔵液
0.05〜30wt% フィルムを形成しうる、水溶性高分子
1〜25wt% 2〜12の炭素原子を有するアルコール、グリコールもしく
はポリオール(水溶性もしくは水溶性にされうる)
0.01〜20wt% 水溶性有機酸、無機酸、もしくはその塩
0.01〜5wt% アルコキシ化アセチレン列ジオールEO/PO誘導体
【0066】
界面活性剤としてアセチレン列ジオールEO/PO付加物の使用が特に有利である、他の組成物は、半導体産産で使用されるフォトレジスト用現像剤である。このような現像剤およびその使用は、この分野で周知であり、詳細に説明する必要がない。実際に、本発明の開示の背景部分で指摘されるように、そのように配合におけるエトキシ化アセチレン列ジオール付加物の使用は公知であり、よく文献で裏づけられる。本発明により提供される改良は、予見され得なかったが、あるプロポキシ基をも含む、あるアセチレン列ジオール付加物のこれらの現像剤組成物における使用を含む。
【0067】
本発明のアルコキシ化アセチレン列ジオール界面活性剤が添加されうる、典型的な水にもとづくフォトレジスト現像剤もしくはエレクトロニクス洗浄剤の組成物は、次の成分を含有する水性媒体を含む:
水にもとづくフォトレジスト現像剤組成物
0.1〜3wt% テトラメチルアンモニウム水酸化物
0〜4wt% フェノール化合物
10〜10,000ppm アルコキシ化アセチレン列ジオールEO/PO誘導体
【0068】
簡単にいえば、集積回路の製造法は、シリコンウェハのような適切な基板にフォトレジスト組成物の膜の使用をすることを含み、ついで基板は、フォトレジスト膜に形成された設計パターンで、光活性の放射に露光する。フォトレジストがポジ型もしくはネガ型かに依存して、放射は次に適用される現像剤溶液におけるその溶解度を増大もしくは減少させる。したがって、ポジ型のフォトレジストにおいて、放射からマスキングされた領域は現像後に残り、一方露光された領域は溶解除去される。ネガ型のフォトレジストでは、その反対が生じる。本発明の界面活性剤は、どちらの型のフォトレジストのための現像剤にも使用されうる。現像剤の性格は、形成される回路の品質を決定するのに非常に重要であり、現像の精密な制御は必須である。現像剤によりさらに良好な界面ぬれを得ることは、溶液の表面張力を減少させるために、配合物に界面活性剤を添加するのは一般的であった。しかし、この添加は、回路欠陥に導く泡を現像剤に生じさせうる。この泡立ちの問題も、この分野で認識され、産業において、かなりの注意がその溶液にも向けられた。
【0069】
本発明の付加物の使用が好適な、現像剤、もしくはエレクトロニクス洗浄、溶液はテトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)の水性溶液である。これらの現像剤も、この分野で周知である。市販の現像剤は、通常、50〜1000ppm(質量で)オーダーの、界面活性剤の低い水準を含む。界面活性剤の水準は、溶液の所望の表面張力を得るのに要求される水準を超えるべきでない。たとえば、約40〜45dynes/cmの表面張力は、ノボラックにもとづくフォトレジスト樹脂のために適切であろう。脂肪族基を度々配合する先端的な樹脂は現像剤に、ぬれを高めるために低い表面張力を要求する。この発明の界面活性剤の利点の1つは、適切な表面張力が他の湿潤剤で要求されるよりも低い水準で得られうることである。これは、本質的に、ミクロ回路要素(microcircuitry)の製造における泡立ちの問題を解決するほうへの第1歩である。
【実施例】
【0070】
実施例1
この実施例は、トリアルキルアミン触媒を用いるときに、アセチレン列ジオールエトキシレートの2モルのプロポキシレートが高選択率で製造されうることを示す。この実施例において、2,4,7,9−テトラメチル−4−デシン−4,7−ジオールの10モルエトキシレートであるSurfynol(登録商標)465の7モルのプロポキシレートの製造が試みられた。
【0071】
1000mLオートクレーブがSurfynol(登録商標)465界面活性剤(300g、0.45モル)およびジメチルエチルアミン(53.7g、0.73モル)を装入された。反応器は、密封され、3回の窒素圧力−排気サイクルで空気をパージし、ついで窒素で100psig(6.7bar)まで加圧し、120℃に加熱した。プロピレンオキシド(183g、3.15モル)が、シリンジポンプにより70分間以上にわたり添加された。添加が終了時すると、反応混合物は120℃でさらに12時間、加熱された。反応器の内容物は、冷却され、そして排出された。生成物は、揮発分(未反応POおよび触媒)を除去するために真空下に加熱された;68gの物質が除去された。
【0072】
マトリックスアシストレーザー脱着/イオン化質量分析法(MALD/I)は、生成物中のほとんどすべての個々のオリゴマ−が3以上のPO単位を含有する極少量の生成物をもつ1もしくは2のプロピレンオキシド残渣を有することを示した。実質的な量のプロピレンオキシドの結末は、ジメチルアミノ末端ポリプロピレンオキシドの形成であるようにみえる。
【0073】
これらの結果は、プロピレンオキシドとの1級ヒドロキシの比較的容易な反応と一致するが、プロピレンオキシドの非常に不活発な反応が鎖を終結させるにすぎない。EO末端鎖がプロピレンオキシドと反応した後、鎖の成長は本質的に停止するようにみえる。各出発アセチレン列ジオールにはおおよそ2つのEO鎖があるので、2モルのプロポキシレートへの高い選択率が生じる。この環境で、ジメチルアミノ末端ポリプロピレンオキシドを形成する、触媒の分解は顕著な反応である。
【0074】
トリアルキルアミン触媒は、プロピレンオキシドの反応を促進する効力を有するであろうことは日本特許第2636954号の教示に基づいては予測されないであろう。さらに、アセチレン列ジオールの2モルプロポキシレートへの高い選択率が得られうることも予測されないであろう。
【0075】
実施例2〜5
実施例3は、トリメチルアミン触媒および予め形成されたエトキシレートを用いてプロピレンオキシド2モルでおおわれた2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの3.5モルエトキシレートの製造を示す。2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールの3.5モルエトキシレートは、Air Products and Chemicals,Inc.から商業的に入手し得、Surfynol(登録商標)440界面活性剤として上市されている。
【0076】
1000mLオートクレーブが窒素の下で加熱して予め乾燥されたSurfynol(登録商標)440界面活性剤(400g、1.05モル)を装入された。反応器は、密封され、圧力をチェックされ、3回の窒素圧力−排気サイクルで空気がパージされ、そしてトリメチルアミン(2.7g、最終反応物の0.5%)がガス気密シリンジにより添加された。反応器は、窒素で100psig(6.7bar)まで加圧され、100℃に加熱され
そこにプロピレンオキシド(122g、147mL,2.10モル)が、シリンジポンプにより1.0mL/分の速度で添加された。添加が終了すると、反応器の内容物は100℃で14.5時間、攪拌された。反応器は冷却され、そしてその内容物は丸底フラスコに排出され、真空下(0.25torr)に外気温(約23℃)で16時間、加熱されトリ
メチルアミン触媒が除去された。生成物は、核磁気共鳴(NMR)スペクトロメトリーで特徴付けられた。データは表1に要約され、トリメチルアミン触媒を用いて製造されたアセチレン列ジオール組成物を示す。
【0077】
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(実施例2,4および5)の他のエチレンオキシド/プロピレンオキシド誘導体が同様な方法で製造された。その組成物も表1に要約される。
日本特許第2636954号は、アミンはプロピレンオキシドの付加に不活性であると述べているので、トリメチルアミンが2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールEO/PO誘導体の製造のための有効な触媒であることは予測されないであろう。
【0078】
【表1】

【0079】
実施例6〜21
これらの実施例は、BF3触媒を用いる、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(S104という)および2,5,8,11−テトラメチル−6−デシン−5,8−ジオール(S124という)の製造を示す。我々が知る限り、BF3のようなルイス酸を用いるアセチレン列ジオールのエチレンオキシド/プロピレンオキシド誘導体の製造方法は従来開示されていない。その方法は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(S104)の5モルエチレンオキシドおよび2モルプロピレンオキシド付加物の製造を示し、そこではEOおよびPO単位はアルキレンオキシド鎖に沿ってランダムに位置される。
【0080】
1000mLオートクレーブが窒素の下で加熱して予め乾燥された2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(313g、1.1モル、AirProducts and Chemicals,Inc.からのSurfynol S104 界面活性剤)の1.3モルエチレンオキシド付加物を装入された。反応器は、密封され、圧力をチェックされ、3回の窒素圧力−排気サイクルで空気がパージされた。反応器は、窒素で100psig(6.7bar)まで加圧され、内容物は、40℃に加熱された。BF3ジエチルエーテル塩(1.3g)が添加され、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが、シリンジポンプにより、それぞれ91.05mL/時間および68.95mL/時間の速度で同時に添加された。エチレンオキシド(180g、204mL、4.08モル)およびプロピレンオキシド(128g、155mL、2.2モル)の合計量は、ジオール:EO:POが1:5:2であった。添加が終了すると、0.7gの追加のBF3ジエチルエーテル塩が添加され、そこでは45.5℃までの発熱が観察された。この時点で、ガスクロマトグラフ分析は反応が完結していることを示した。生成物(実施例6)はNMRおよびMALD/Iで分析され、所望の構造と一致する構造を有することが見出された。
【0081】
16の類似の物質(実施例7〜22)が、ジオール構造、エチレンオキシドおよびプロ
ピレンオキシドの量、ならびにアルキレンオキシド鎖の構造要素を変動させて製造された。表2は、BF3触媒を用いて製造されたアセチレン列ジオール組成物を示す。表2において、Rは「ランダム」を意味し、一方Bは「ブロック」を意味する。
【0082】
実施例22の組成物は、日本特許第3063187号に開示されており(しかし、日本特許‘187はその製造法も付加物がブロックもしくはランダム重合体かどうかも教示していない)、リソグラフ印刷のための貯蔵液として有効であることが示されている。そのS82は3,6−ジメチル−4−ヘキシン−3,6−ジオールに相当する。
【0083】
【表2】

【0084】
次の実施例において,動的表面張力データは0.1気泡/秒(b/s)〜20b/sの気泡速度で最大気泡圧力法を用いて、種々の化合物の水性溶液について得られた。表面張力測定の最大気泡圧力法は、Langmuir,2,428〜432頁(1986)に記載されている。これらのデータは、平衡(0.1b/s)近くから非常に高い表面創出速度までの条件で界面活性剤の性能についての情報を提供する。実際の条件で,高気泡速度はリソグラフ印刷における高印刷速度、塗料の塗布における高いスプレーもしくはローラー速度、ならびに農業生産物に対する急速使用速度に相当する。
【0085】
比較例25
動的表面張力データは最大気泡圧力法を用いて、実施例22(S82/10EO/2PO/B)組成物の水性溶液について得られた。この物質は、日本特許第3063187号に開示されており、水性貯蔵溶液組成物における成分として教示されている。表面張力は0.1気泡/秒(b/s)〜20b/sの気泡速度で測定された。そのデータは表3に示される。
【0086】
【表3】

【0087】
このデータは、この生成物が水の表面張力を低下させるのにかなり有効であることを示すが、比較的高濃度は相応の性能を得ることが望まれる。
【0088】
実施例26
2,4,7,9−テトラメチルー5−デシンー4,7−ジオールの10モルEO/2モルPOブロック誘導体(実施例5)の蒸留水溶液が調製され、そして動的表面張力特性が、上述の方法を用いて測定された。そのデータは表4に示される。
【0089】
【表4】

【0090】
これらのデータは、本発明組成物が、従来技術の組成物に比較して表面張力を低下させる能力において著しく優れていることを示す。実施例5の界面活性剤のデータを、S82誘導体(実施例22)の5.0wt%溶液のそれと比較すると、本発明の化合物は20%の使用レベルで全ての表面創出速度で優れた性能を与えることがわかる。動的表面張力の低下は、水性貯蔵溶液が用いられる動的使用においてそのように重要であるので、従来技術の教示にもとづいて、疎水基(アセチレン列ジオール部分)の変更がそのような有利な効果を有することは予測されないであろう。
【0091】
比較例27〜31
2,4,7,9−テトラメチルー5−デシンー4,7―ジオールの1.3,3.5,5.1および10モルエトキシレートの蒸留水溶液が調製された。1.3,3.5および10モルエトキシレートは、それぞれ、Surfynol(登録商標)420,440および465界面活性剤として、Air Products and Chemicals,Inc.より上市されている。それらの動的表面張力は上述の方法を用いて測定され、これらのデータは表5に示される量を決定するのに用いられた。
【0092】
ρC20値は、測定が0.1b/sで実施されるとき、水性溶液の表面張力を52.1dyne/cm、すなわち純水のそれより20dyne/cm低い、に低下させるのに必要な界面活性剤モ
ル濃度の負の対数として定義される。この値は界面活性剤の能力の尺度である。一般に、ρC20値1.0の増加は、10倍低い界面活性剤が所定の効果を観察するのに要求されることを示す。
【0093】
臨界凝集濃度(溶解度限界もしくは臨界ミセル濃度)は、多くのテキストに説明されているように限界表面張力を有する濃度曲線における表面張力の直線部分の交点により決定される。0.1および20気泡/秒(b/s)での限界表面張力は、水中の最も低い表面張力を示し、使用される界面活性剤の量にもかかわらず、所定の界面活性剤についての所定の表面創出速度で達成されうる。これらの値は、平衡に近い条件(0.1b/s)から非常に動的な条件(20b/s)まで表面欠陥を低下させる表面活性剤の相対的能力についての情報を与える。比較的低い表面張力は比較的低いエネルギー表面上で配合物の付着にもとづく欠陥を除去する。
【0094】
従来技術の0.1wt%溶液の泡立ち特性が、ASTM D1173−53にもとづく方法を用いて試験された。この試験において、界面活性剤の0.1wt%溶液は高架の気泡ピペットから同一溶液を含む気泡受け器に添加される。気泡高さは添加の終了で測定され(「初期気泡高さ」)、そして消散される気泡に必要とされる時間が記録される(「気泡0までの時間」)。この試験は種々の界面活性剤溶液の泡立ち特性の間の比較を提供する。一般に、塗料、インクおよび農業用組成物において、気泡は望ましくない。なぜなら、複雑な取扱いを必要とし、塗料および印刷欠陥をもたらし、農業用材料の不十分な付着をもたらすからである。
【0095】
【表5】

【0096】
実施例33〜36
表面張力および気泡データが、2,4,7,9−テトラメチルー5−デシン−4,7−ジオールにもとづく実施例1〜4の界面活性剤について同様な方法で得られた。データは表6に示される。
【0097】
【表6】

【0098】
表6のデータは、トリメチリアミン存在下で2モルのプロピレンオキシドとのプロポキシ化はそのプロポキシ化していない対応物よりも高い能力を有する界面活性をもたらしたことを示す。この効果は、ρC20値(約0.2単位増加した)および、1b/sでの0.1wt%溶液についての表面張力の結果(約1dyne/cm低下した)の両方に反映される。加えて、界面活性剤の泡立ち特性はプロピレンオキシドの変更の結果として、有意に変化する。この変化は比較的大きい気泡(たとえば10および30モルエトキシレートに関して)の方向にも、比較的小さい気泡(5.1モルエトキシレートに関して)にもなりうる。気泡を制御する能力は、塗料、インク、接着剤、貯蔵溶液、農業用配合物、石けんおよび洗剤を含む多くの用途において有利である。
【0099】
実施例37〜52
実施例37〜52の物質の蒸留水溶液が調製され、これらの表面張力および気泡性能が上述の実施例のように評価された。結果は表7に示される。
【0100】
【表7】

【0101】
【表8】

【0102】
これらのデータは、これらの界面活性剤のアセチレン列ジオール構造、EOおよびPO含量、および構造要素の変動は特定の用途に界面活性剤の仕立てをさせることを示す。非常に低い気泡(実施例39および40)もしくは比較的高い気泡(実施例41および42)を有する界面活性剤が製造されうる。加えて、これらの物質の大部分は、20b/sでの限界表面張力値により示されるように、優れた動的表面張力性能を示す。特性の組み合わせは、塗料、インク、接着剤、貯蔵溶液、農業用配合物、石けんおよび洗剤を含む多くの用途において価値がある。
【0103】
実施例53
2,4,7,9−テトラメチルー5−デシンー4,7−ジオールが、トリメチルアミン触媒および実施例2〜5の方法と同様な方法を用いて5.1モルエトキシレートを製造するためにエトキシ化された。小さな試料が回収され、十分なプロピレンオキシドが0.4モルプロキシレートを製造するために添加された。再び試料が回収された。同様に、比較的多くのプロピレンオキシドが、0.9および1.4モルプロピレンオキシド付加物を製造するために添加された。別の実験で、5.1モルエトキシレートの2.0モルプロポキシレートが調製された。
【0104】
表面張力および気泡データが、上述のように、2,4,7,9−テトラメチルー5−デシンー4,7−ジオールの5.1モルエトキシレートのプロポキシレートについて得られた。そのデータは表8に示される。
【0105】
【表9】

【0106】
表8のデータは、プロポキシ化は2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4、7−ジオールの5.1モルエトキシレートの表面張力性能にほとんど影響しないが、気泡制御に有意の決定的な影響を有し、プロポキシ化を高度にすると、大きな制御がみられる。このような効果は、アセチレン列ジオールのアルコキシル化誘導体では従来みられなかった。気泡を制御する能力は、多くの水性配合物の用途で重要である。なぜなら、気泡は欠陥を生じさせるのが通常であるからである。
【0107】
実施例54
(a)ノボラック型クレゾール/ホルムアルデヒド樹脂およびジアゾナフトキノン(DNQ)感光剤(SPR510A,Shipley)が製造者の指示に従って膜厚約1μmで4インチシリコンウェハに被覆された。ついで、レジストの異なる領域が、開口の下にウェハを置き、シャッタを操作することにより種々の強度レベルで365nm(水銀i−線)を中心とするUV放射にさらされた。得られる露光ウェハは、現像剤の表面張力を42dynes/cmに低下させるために十分なPO末端アセチレン列アルコール誘導体(実施例4付加物)を含有する0.262M水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)のパドル中で現像された(60秒)。ついで、ウェハの種々の部分は、Filmetrics F20 薄膜測定システム(San Diego,CA)を用いて膜厚を試験され、その結果は露光及び現像前の膜厚と比較された。標準化膜厚は無次元の比であり、露光前の膜厚を現像後の膜厚で割って計算された。その結果は表9、実施例54(a)に示される。
【0108】
(b)同様に、フォトレジストは、透過レベルを変動するくさび形に分かれた石英プレート上の環状領域からなる可変透過フィルター(Wilmington,MAのOpto−Line Associates から得られる)により露光された。その結果は表9、実施例54(b)に示される。これらのデータは、中程度に露光されたレジストに対する高度に露光されたレジストの溶解についての現像剤の著しい選択性を示す。
【0109】
(c)もう1つの商業的に入手しうるフォトレジスト(OCG 825 20 cS, Olin Corporation)が、膜厚約1μmで4インチのシリコンウェハを被覆するのに使用された。このレジストは現像剤溶液にもっと溶解するように意図されており、0.131MのTMAHとともに使用された。表9の実施例54(c)は実施例4の付加物の0.00625wt%(62.5ppm)を含む0.131MのTMAHに、露光されたレジストを溶解するためのデータを示す。再び、60秒の現像時間が用いられた。そのデータは、この非常に鋭敏なフォトレジスト配合でさえも、著しい選択性を示す。
【0110】
【表10】

【0111】
実施例55
0.262MのTMAH溶液における表面張力の減少において、実施例4の付加物の有効性について従来技術のエトキシ化付加物と比較された。表10のデータからわかるように、有意に比較的多量の従来技術エトキシ化付加物が、エトキシ化およびプロポキシ化されており、1分子に5.1モルEOおよび2.0モルPOを含有する実施例4の付加物に匹敵する表面張力を得るのに要求された。従来技術の付加物は、比較例29、30および31について表5に示されたものであり、それぞれ1分子にEO3.5、5.1および10モルを含有していた。
【0112】
【表11】

【0113】
実施例56
気泡試験は、界面活性剤として実施例4のEO/PO付加物および実施例31のEO付加物、ならびに界面活性剤を含有する6つの市販現像剤溶液を配合されたTMAH現像剤溶液においてなされた。データは気泡発生装置を用いて集められ、それにより窒素ガスは
フリットを通過し、50mL/分で100mLの溶液を泡立たせた。受領したまま使用された市販現像液を除いて、すべての溶液は、表面張力を41〜43dyne/cmに低下させるのに十分な界面活性剤とともに水中に2.4wt%TMAHを含んでいた。結果は表11に示される。
【0114】
【表12】

【0115】
上述のデータは、実施例4のEO/PO付加物界面活性剤を含有するTMAHは現像剤溶液が、他の種類の界面活性剤を含有する市販現像剤溶液よりもかなり少ない気泡をつくりだしたことを示す。実施例31のEO付加物を含有する現像剤溶液についての気泡容積は実施例4のEO/PO付加物を含有する現像剤のそれに近いが、表10のデータは比較的にかなり少ないEO/PO付加物界面活性剤が表面張力において匹敵する低下を達成するのに必要とすることを示す。
【0116】
実施例57
さらなる実験が、実施例4、29、および30の界面活性剤を含有するフォトレジスト現像剤の泡立ち傾向を試験するために行われた。これらの測定はRoss−Miles 法を用いてなされ、0.262NのTMAH溶液中で試験された。結果は表12に示される。
【0117】
【表13】

【0118】
表12の上述のデータは、低い気泡がエトキシ化−プロポキシ化付加物で達成されることを示す。エトキシ化もされているアセチレン列アルコールの部分プロポキシ化はTMAH現像剤溶液において表面張力および泡立ち特性の両方を減少させるこれらの付加物の能力を増大させるのに、フォトレジスト現像剤用途のための良好なコントラストは維持するということは非常に驚くべきことである。所望の表面張力を低下させるのに要するアセチレン列アルコール誘導体の含量を低下させるのに、これらの目的は達成される。
【0119】
要するに、平衡および動的条件の両方の下で表面張力を低下させる界面活性剤の能力は、水性の塗料、インク、接着剤、貯蔵溶液、農業用配合物およびフォトレジスト現像剤の実施に、きわめて重要である。低い動的表面張力は動的条件下での使用で、向上したぬれおよび拡がりをもたらし、そしてもっと効率的な組成物使用およびもっと少ない欠陥をもたらす。気泡制御も多くの用途において重要な属性であるが、特に、フォトレジスト現像剤、もしくはエレクトロニクス洗浄用組成物においてそうである。
【0120】
本発明に開示される界面活性剤族は優れた動的表面張力低下を与えるのに、気泡を制御する能力を提供する。したがって、それらは、塗料、インク、接着剤、貯蔵溶液、農業用組成物、石けんおよび洗剤のような用途に利用される。フォトレジスト現像剤/エレクトロニクス洗浄組成物における使用は特に有利である。 本発明は、水性の塗料、インク、貯蔵溶液、農業用およびフォトレジスト現像剤/エレクトロニクス洗浄剤用の組成物において、平衡および動的表面張力を低下させるのに好適な組成物を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[ここで、rおよびtは1または2、(n+m)は1〜30、および(p+q)は1〜30であり、そしてエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位は、ブロック状態にアルキレンオキシド鎖とともに分布されており、その付加物はプロピレンオキシド単位でキャップされている]によって表されるアセチレン列ジオールエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物を界面活性剤として含む水性アルカリフォトレジスト現像剤組成物。
【請求項2】
(n+m)が1.3〜10、および(p+q)が1〜3である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
(p+q)が2である請求項1記載の組成物。
【請求項4】
アセチレン列ジオールエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物のアセチレン列ジオール部分が、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールから誘導される請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
アセチレン列ジオールエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物のアセチレン列ジオール部分が、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールから誘導される請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
組成物が四級アンモニウム塩基を含む請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
四級アンモニウム塩基が、コリンおよびテトラメチルアンモニウム水酸化物からなる群より選択される請求項6記載の組成物。
【請求項8】
組成物が、テトラメチルアンモニウム水酸化物0.1〜3wt%、およびアセチレン列ジオールエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物10〜10000ppmを含む、請求項6記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のアセチレン列ジオールエチレンオキシド/プロピレンオキシド付加物である界面活性剤を、表面張力を低下させる量で含む水性現像剤溶液を、フォトレジスト表面に付着させることを特徴とする放射に露光後のフォトレジストを現像する方法。

【公開番号】特開2009−282526(P2009−282526A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135633(P2009−135633)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【分割の表示】特願2004−185355(P2004−185355)の分割
【原出願日】平成12年12月28日(2000.12.28)
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【氏名又は名称原語表記】FujiFilm Electronic Materials USA, Inc.
【住所又は居所原語表記】80 Circuit Drive, North Kingstown, Rhode Island 02852, USA
【Fターム(参考)】