アニオン性洗浄性界面活性剤を含み、ゼオライトビルダー類とリン酸塩ビルダー類とを少量含むか又は全く含まない、粒状洗濯洗剤組成物
本発明は、（ｉ）８重量％〜５５重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤と、（ｉｉ）２重量％〜８重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と、（ｉｉｉ）０重量％〜４重量％のゼオライトビルダーと、（ｉｖ）０重量％〜４重量％のリン酸塩ビルダーと、（ｖ）所望により、酵素、好ましくは該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの量のプロテアーゼ、好ましくは少なくとも１５ｍｇの活性プロテアーゼとを含む粒状洗濯洗剤組成物に関するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、アニオン性洗浄性界面活性剤を含む粒状洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
粒状洗濯洗剤組成物は、良好な布地洗浄性能並びに良好な分配性及び溶解性を有する必要がある。粒状洗濯洗剤組成物は、良好な布地洗浄性能をもたらすために、アニオン性洗浄性界面活性剤類を含む。しかし、アニオン性洗浄性界面活性剤は、洗浄溶液中に存在するカルシウム及びマグネシウムカチオンなどの遊離カチオン類と錯体を形成することが可能であり、それにより溶液から該アニオン性洗浄性界面活性剤を析出させ、該アニオン性洗浄性界面活性剤の活性を低下させる。極端な場合は、これらの非水溶性錯体が布地上に沈着し、その結果白色度維持及び布地一体性の利益が損なわれる。このことは、洗濯洗剤組成物が高濃度のカルシウムカチオン類が存在する硬水中での洗浄条件において使用される場合に、特に問題となる。
【０００３】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、遊離カチオン類と錯体を形成し、溶液から析出する傾向があり、これはゼオライトビルダー類及びリン酸塩ビルダー類など、カルシウム及びマグネシウムカチオンなどのカチオン類との高い結合定数を有するビルダー類の存在により緩和される。これらのビルダー類は、遊離カルシウム及びマグネシウムカチオンを隔離し、これらの望ましくない錯体類の形成を低減させる。
【０００４】
しかし、ゼオライトビルダー類は非水溶性であり、それらを洗濯洗剤組成物に組み込むと、該洗濯洗剤組成物の溶解性が低下し、更に好ましくない残留物が布地上に沈着する。加えて、高濃度のゼオライトビルダーを含む洗剤組成物は、水と接触して、望ましくない濁った洗浄溶液を形成する。リン酸塩ビルダー類は、好ましい環境特性を持たないと言われているので、例えば多くの国でのホスフェートの規制の理由から、洗濯洗剤組成物中でのそれらの使用はあまり見られなくなりつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
良好なアニオン性洗浄性界面活性剤の活性、良好な布地洗浄性能、良好な環境特性、並びに良好な分配性及び良好な溶解性を有する、アニオン性洗浄性界面活性剤を含む粒状洗濯洗剤組成物に対する必要性は依然として存在している。
【０００６】
概要
本発明は、（ｉ）８重量％〜５５重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤と、（ｉｉ）２重量％〜８重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と、（ｉｉｉ）０重量％〜４重量％のゼオライトビルダーと、（ｉｖ）０重量％〜４重量％のリン酸塩ビルダーと、（ｖ）所望により、酵素、好ましくは該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの量のプロテアーゼ、好ましくは少なくとも１５ｍｇの活性プロテアーゼとを含む粒状洗濯洗剤組成物を提供することにより、上記問題点を克服するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
粒状洗濯洗剤組成物は、８重量％〜５５重量％、好ましくは８重量％〜２０重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤を含む。該組成物が、８重量％〜１６重量％、又は８重量％〜１２重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤を含むのが好ましい場合がある。このことは、該組成物が４重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む場合に特に好ましい。本発明のこの実施形態では、アニオン性洗浄性界面活性剤対非イオン性洗浄性界面活性剤の重量比が、０．５：１〜２：１の範囲内であることが好ましい場合がある。あるいは、該組成物は、１０重量％〜２０重量％又は１０重量％〜１６重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤といったより高濃度のアニオン性洗浄性界面活性剤を含むのが好ましい場合がある。このことは、該組成物が、２重量％〜４重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む場合に、特に好ましいことがある。本発明のこの実施形態では、アニオン性洗浄性界面活性剤対非イオン性洗浄性界面活性剤の重量比が、４：１〜６：１の範囲内であることが好ましい場合がある。
【０００８】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、アルキルカルボキシレート又はこれらの任意の混合物であり得る。アニオン性界面活性剤は、Ｃ１０〜Ｃ１８アルキルベンゼンスルホネート類（ＬＡＳ）；Ｃ１０〜Ｃ２０一級、分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート類（ＡＳ）、好ましいのは直鎖アルキルサルフェート類で、典型的には次式を有し、
ＣＨ３（ＣＨ２）ｘＣＨ２−ＯＳＯ３−Ｍ＋
式中、Ｍは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオン類はナトリウム及びアンモニウムカチオンであり、ｘは少なくとも７、好ましくは少なくとも９の整数であるもの；Ｃ１０〜Ｃ１８の二級（２，３）アルキルサルフェート類で、通常次式を有し、
【化１】
式中、Ｍは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオン類はナトリウム及びアンモニウムカチオンであり、ｘは少なくとも７、好ましくは少なくとも９の整数であり、ｙは少なくとも８、好ましくは少なくとも９の整数であるもの；Ｃ１０〜Ｃ１８アルキルアルコキシカルボキシレート類；米国特許第６，０２０，３０３号及び同６，０６０，４４３号により詳細に記述されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート類；ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９９／０５２４３、同ＷＯ９９／０５２４２、同ＷＯ９９／０５２４４、同ＷＯ９９／０５０８２、同ＷＯ９９／０５０８４、同ＷＯ９９／０５２４１、同ＷＯ９９／０７６５６、同ＷＯ００／２３５４９及び同ＷＯ００／２３５４８により詳細に記述されているような変性アルキルベンゼンスルホネート（ＭＬＡＳ）；メチルエステルスルホネート（ＭＥＳ）；α−オレフィンスルホネート（ＡＯＳ）並びにこれらの混合物から成る群から選択されることができる。好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤類は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ１２〜１８アルキルサルフェート類；直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ１０〜１３アルキルベンゼンスルホネート類、好ましくは直鎖Ｃ１０〜１３アルキルベンゼンスルホネート類及びこれらの混合物から成る群から選択される。極めて好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン類（ＬＡＢ）をスルホン化することにより得られる直鎖Ｃ１０〜１３アルキルベンゼンスルホネート類であり、好適なＬＡＢには、サソール（Sasol）からイソケム（Isochem）（登録商標）の商標名又はペトレサ（Petresa）からペトレラボ（Petrelab）（登録商標）の商標名で供給されているもののような低級２−フェニルＬＡＢが挙げられ、他の好適なＬＡＢには、サソールからハイブリーン（Hyblene）（登録商標）の商標名で供給されているもののような高級２−フェニルＬＡＢが挙げられる。
【０００９】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、該アニオン性洗浄性界面活性剤がよりカルシウム耐性となり、遊離カルシウムカチオンの存在下で洗浄溶液から析出し難くなるように構造的に修飾されることが好ましいことがある。この構造的修飾は、該アニオン性洗浄性界面活性剤の先端基の付近にメチル部分又はエチル部分を導入することであり得るが、これは、先端基の立体障害により、よりカルシウム耐性の高められたアニオン性洗浄性界面活性剤をもたらすことができ、遊離カルシウムイオンと錯体を形成して溶液から析出するための該アニオン性洗浄性界面活性剤の親和性を低減させることができるからである。他の構造的修飾には、該アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中の、アミン部分などの官能基の導入が挙げられる。これにより、アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中の官能基の存在が、アニオン性洗浄性界面活性剤の望ましくない物理化学的特性を最小化して、洗浄溶液中の遊離カルシウムカチオンの存在下で滑らかな結晶構造を形成することができるので、よりカルシウム耐性のアニオン性洗浄性界面活性剤をもたらすことができる。これは、アニオン性洗浄性界面活性剤が溶液から析出する傾向を低減させることができる。
【００１０】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、好ましくは、粒塊、噴霧乾燥された粉末、押出品、ビード、麺状、針状又はフレークなどの微粒子形態である。アニオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、非イオン性洗浄性界面活性剤との共同微粒子混合体中にあってよく、この共同微粒子混合体は、好ましくは噴霧乾燥形態であってもよい。好ましくは、アニオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は粒塊の形態であり、該粒塊は好ましくは該粒塊の少なくとも２０重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤、より好ましくは該粒塊の２０重量％〜６５重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤を含む。アニオン性洗浄性界面活性剤の一部が、噴霧乾燥された粉末（例えば、吹き飛ばされた粉末）の形態であり、該アニオン性洗浄性界面活性剤の一部が、非噴霧乾燥された粉末（例えば、粒塊、又は押出品、又はフレーク）であることが好ましいことがある。直鎖アルキルベンゼンスルホネートが、石鹸との共同微粒子混合体であることが好ましい場合があり、この共同微粒子混合体が、噴霧乾燥形態であることが好ましいことがある。
【００１１】
該組成物は、２重量％〜８重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。好ましくは、該組成物は、２重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。該組成物が、２重量％〜４重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤といった、低濃度の非イオン性洗浄性界面活性剤を含むことが好ましい場合がある。あるいは、該組成物が、４重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤といった、高濃度の非イオン性洗浄性界面活性剤を含むことが好ましい場合がある。
【００１２】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、シェル（Shell）からのネオドール（NEODOL）（登録商標）非イオン性界面活性剤などの、Ｃ１２〜Ｃ１８アルキルエトキシレート類；Ｃ６〜Ｃ１２アルキルフェノールアルコキシレート類で、該アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位又はプロピレンオキシ単位又はこれらの混合物であるもの；Ｃ１２〜Ｃ１８アルコール及びＣ６〜Ｃ１２のアルキルフェノールとＢＡＳＦからのプルロニック（Pluronic）（登録商標）のようなエチレンオキシド／プロピレンオキシドブロックポリマー類との縮合物；米国特許第６，１５０，３２２号により詳細に記述されているようなＣ１４〜Ｃ２２中鎖分枝状アルコール類（ＢＡ）；米国特許第６，１５３，５７７号、同６，０２０，３０３号及び同６，０９３，８５６号により詳細に記述されているようなＣ１４〜Ｃ２２中鎖分枝状アルキルアルコキシレート類、ＢＡＥｘで、ｘが１〜３０であるもの；米国特許第４，５６５，６４７号により詳細に記述されているようなアルキル多糖類、具体的には米国特許第４，４８３，７８０号及び同４，４８３，７７９号により詳細に記述されているようなアルキルポリグリコシド類；米国特許第５，３３２，５２８号、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９２／０６１６２、同ＷＯ９３／１９１４６、同ＷＯ９３／１９０３８、同ＷＯ９４／０９０９９により詳細に記載されているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド類；米国特許第６，４８２，９９４号及びＰＣＴ国際公開特許ＷＯ０１／４２４０８により詳細に記述されているようなエーテル末端保護されたポリ（オキシアルキレート化）アルコール界面活性剤類；並びにこれらの混合物から成る群から選択され得る。
【００１３】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び／又はアルキルアルコキシル化アルコールであり得る。好ましくは、該非イオン性洗浄性界面活性剤は、１〜１０の平均エトキシル化度を有する、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ８〜１８アルキルエトキシル化アルコールである。
【００１４】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、更なる油性汚れの洗浄性能を付与するだけでなく、アニオン性洗浄性界面活性剤を遊離カルシウムカチオンの存在下の溶液から析出し難くすることにより、その活性を高めることもできる。好ましくは、アニオン性洗浄性界面活性剤対非イオン性洗浄性界面活性剤の重量比は、０．５：１〜２０：１、より好ましくは０．５：１〜１０：１、又は０．５〜６：１の範囲内にある。
【００１５】
非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、液体スプレー式の形態で該組成物中に組み込まれることができ、ここで液状（例えば、ホットメルトの形態）の該非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、該組成物の残余部分上に噴霧される。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、微粒子形態でよく、該非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、該組成物の残余部分に乾燥状態で追加してよい。非イオン性界面活性剤又は少なくともその一部は、炭酸塩、硫酸塩、バーカイト、シリカ又はこれらの任意の混合物などの固体担体物質との共同微粒子混合体の形態であってよい。
【００１６】
非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、アニオン性洗浄性界面活性剤又はカチオン性洗浄性界面活性剤のどちらかとの共同微粒子混合体中にあってもよい。しかし、非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、好ましくはアニオン性洗浄性界面活性剤及びカチオン性洗浄性界面活性剤の両方との共同微粒子混合体中にはない。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、アニオン性洗浄性界面活性剤又はカチオン性洗浄性界面活性剤のいずれか一方との粒塊又は押出品でもよい。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、噴霧乾燥された粉末の形態でよく、所望により該非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、アニオン性洗浄性界面活性剤と共に噴霧乾燥されてもよい。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、石鹸との共同微粒子混合体中にあってもよく、この共同微粒子混合体は押出品又は粒塊といった非噴霧乾燥形態であるのが好ましい場合がある。
【００１７】
該組成物は、０．５重量％〜６重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤を含んでもよい。該組成物は、０．５重量％〜４重量％、又は１重量％〜３重量％、又は更に１重量％〜２重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤を含んでもよい。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤類は、アルキルピリジニウム化合物類、アルキル四級アンモニウム化合物類、アルキル四級ホスホニウム化合物類及びアルキル３元スルホニウム化合物類である。カチオン性洗浄性界面活性剤は、米国特許第６，１３６，７６９号により詳細に記述されているようなアルコキシレート四級アンモニウム（ＡＱＡ）界面活性剤類；米国特許第６，００４，９２２号により詳細に記述されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム化合物；ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９８／３５００２、同ＷＯ９８／３５００３、同ＷＯ９８／３５００４、同ＷＯ９８／３５００５及び同ＷＯ９８／３５００６により詳細に記述されているようなポリアミンカチオン性界面活性剤類；米国特許第４，２２８，０４２号、同４，２３９，６６０号、同４，２６０，５２９号及び同６，０２２，８４４号により詳細に記述されているようなカチオン性エステル界面活性剤類；米国特許第６，２２１，８２５号及びＰＣＴ国際公開特許ＷＯ００／４７７０８により詳細に記述されているようなアミノ界面活性剤類、特にアミドプロピルジメチルアミン、並びにこれらの混合物から成る群から選択され得る。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤類は、次の一般式を有する第四級アンモニウム化合物類である。
【００１８】
（Ｒ）（Ｒ１）（Ｒ２）（Ｒ３）Ｎ＋Ｘ−
式中、Ｒは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ６〜１８アルキル又はアルケニル部分であり、Ｒ１及びＲ２は、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、Ｒ３は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル部分であり、Ｘは電気的中性を付与するアニオンであり、好適なアニオン類には、ハロゲン化物類（塩化物など）、サルフェート及びスルホネートが含まれる。好ましいカチオン性洗浄性界面活性剤類は、モノＣ８〜１０アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、モノＣ１０〜１２アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド及びモノＣ１０アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライドである。
【００１９】
カチオン性洗浄性界面活性剤は、更なる油性汚れ洗浄性能を付与する。しかし、カチオン性洗浄性界面活性剤は、アニオン性洗浄性界面活性剤を溶液から析出し易くさせ得る。好ましくは、カチオン性洗浄性界面活性剤及びアニオン性洗浄性界面活性剤が、別個の粒子形態で組成物中に存在する。これは、カチオン性洗浄性界面活性剤がアニオン性洗浄性界面活性剤の望ましくない析出に対して有するいかなる影響をも最小化し、更に、水と接触してその結果得られる洗浄溶液が濁っていないことを確実にする。好ましくは、アニオン性洗浄性界面活性剤対カチオン性洗浄性界面活性剤の重量比は、５：１〜２５：１、より好ましくは５：１〜２０：１又は６：１〜１５：１又は７：１〜１０：１、又は更に８：１〜９：１の範囲内にある。
【００２０】
該組成物は、双性イオン性洗浄性界面活性剤類及び／又は両性洗浄性界面活性剤類といった更なる補助洗浄性界面活性剤類を含んでもよい。
【００２１】
該組成物は、０重量％〜４重量％のゼオライトビルダーを含む。該組成物は、好ましくは０重量％〜３重量％、又は０重量％〜２重量％、又は０重量％〜１重量％のゼオライトビルダーを含む。該組成物が、ゼオライトビルダーを含まないのが更に好ましい場合がある。該組成物が非常に極めて溶解性であることが望ましい場合には、このことが特に好ましい。更に、該組成物が、水と接触して、透明な洗浄溶液を形成する場合には、これは極めて好ましい。ゼオライトビルダー類には、ゼオライトＡ、ゼオライトＸ、ゼオライトＰ及びゼオライトＭＡＰが含まれる。
【００２２】
該組成物は、０重量％〜４重量％のリン酸塩ビルダーを含む。該組成物は、好ましくは０重量％〜３重量％、又は０重量％〜２重量％、又は０重量％〜１重量％のリン酸塩ビルダーを含む。該組成物が、リン酸塩ビルダーを含まないことが更に好ましい。該組成物が非常に良好な環境特性を持つことが望ましい場合には、このことが特に好ましい。リン酸塩ビルダー類には、トリポリリン酸ナトリウムが含まれる。
【００２３】
該組成物は、ゼオライトビルダー及びリン酸塩ビルダー以外の補助ビルダー類を含んでよい。好ましい補助ビルダー類は、水溶性補助ビルダー類である。補助ビルダー類は、好ましくは炭酸ナトリウム、クエン酸及び／又はクエン酸ナトリウムを含むその水溶性塩類、スルファミン酸及び／又はその水溶性塩類、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー類又はポリアクリレートのような高分子ポリカルボキシレート類から成る群から選択される。該組成物が、非常に低濃度のゼオライトＡ、ゼオライトＸ、ゼオライトＰ及びゼオライトＭＡＰなどの非水溶性ビルダー類しか含まず、同時に比較的高濃度の炭酸ナトリウム、スルファミン酸及びクエン酸のような水溶性補助ビルダー類を含むことが好ましい場合がある。
【００２４】
炭酸ナトリウム対ゼオライトビルダーの重量比が、少なくとも５：１、好ましくは少なくとも１０：１、又は少なくとも１５：１、又は少なくとも２０：１、又は更に少なくとも２５：１であることが好ましいことがある。
【００２５】
該組成物は、好ましくはプロテアーゼを含み、好ましくは該組成物は、組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼを含む。好ましくは、該組成物は、組成物１００ｇにつき、少なくとも１５ｍｇ、又は少なくとも２０ｍｇ、又は更に少なくとも３０ｍｇの活性プロテアーゼを含む。プロテアーゼは、カルシウム結合部位を含んでもよい。プロテアーゼは、洗浄溶液に存在する高濃度の遊離カルシウムカチオン類の存在下で、改善された安定性及び／又は活性を示し得る。該組成物中にプロテアーゼを組み込むことによって、該組成物の洗浄性能が改善され、ゼオライトビルダー類及びリン酸塩ビルダー類を少量含むか又は全く含まないことによる該組成物の洗浄性能の低下（これは、アニオン性洗浄性界面活性剤の活性の低下をもたらす）が、該プロテアーゼの安定性及び／又は活性の増大によって緩和される。好ましいプロテアーゼ類には、ノボザイムズ（Novozymes）から供給され、エスペラーゼ（Esperase）（登録商標）、アルカラーゼ（Alcalase）（登録商標）、エバラーゼ（Everlase）（登録商標）及びサビナーゼ（Savinase）（登録商標）の商品名で販売されているバチルス属サブチリシン類（例えば、サブチリス、レンタス、リケニフォルミス、アミロリケファシエンス（ＢＰＮ、ＢＰＮ’）、アルカロフィラス）、ジェネンコア（Genencor）から、ＦＮ２（登録商標）、ＦＮ３（登録商標）及びＦＮ４（登録商標）の商品名で供給されているプロテアーゼ類、並びにＢＬＡＰ及び／又はその変異型が挙げられる。好適なプロテアーゼ類は、欧州特許１３０７５６号、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９１／０６６３７、同ＷＯ９５／１０５９１及び同ＷＯ９９／２０７２６により詳細に記述されている。
【００２６】
該組成物は、好ましくはアミラーゼ、好ましくは組成物１００ｇにつき、少なくとも４ｍｇ、好ましくは６ｍｇ、又は少なくとも１０ｍｇ、又は少なくとも１５ｍｇ、又は更に少なくとも２０ｍｇ又は更に３０ｍｇの量の活性アミラーゼを更に含む。アミラーゼは、カルシウム結合部位を含んでもよい。プロテアーゼと同様に、アミラーゼも洗浄溶液に存在する高濃度の遊離カルシウムカチオン類の存在下で、改善された安定性及び／又は活性、特に安定性を示し得る。該組成物へのアミラーゼの組込みは、洗浄性能を向上させる。好ましいアミラーゼ類には、ノボ・インダストリーズＡ／Ａ（Novo Industries A/A）から、ナタラーゼ（Natalase）（登録商標）、デュラミル（Duramyl）（登録商標）、ターマミル（Termamyl）（登録商標）、バン（Ban）（登録商標）、フンガミル（Fungamyl）（登録商標）の商品名で供給されているアミラーゼ類、ジェネンコア（Genencor）から、ピュラフェクトＯｘＡｍ（Purafect Ox Am）（登録商標）の商品名で供給されているアミラーゼ類、及びこれらの混合物が挙げられる。アミラーゼは、α−アミラーゼ又はβ−アミラーゼであることができる。好適なアミラーゼ類は、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９４／０２５９７及び同ＷＯ９６／２３８７３により詳細に記述されている。
【００２７】
該組成物は、更にリパーゼ、好ましくは組成物１００ｇにつき、少なくとも５ｍｇ、好ましくは少なくとも７ｍｇ、又は少なくとも１０ｍｇ、又は少なくとも１５ｍｇ、又は少なくとも２０ｍｇ、又は更に少なくとも３０ｍｇの量の活性リパーゼを含む。リパーゼは、カルシウム結合部位を含んでもよい。プロテアーゼ及びアミラーゼの両方と同様に、リパーゼも洗浄溶液に存在する高濃度の遊離カルシウムカチオン類の存在下で、改善された安定性及び／又は活性、特に活性を示し得る。該組成物へのリパーゼの組込みは、洗浄性能を向上させる。好ましいリパーゼ類には、シュードモナス及びクロモバクター（Chromobacter）群により生成されるものが挙げられる。好ましいリパーゼ類は、以下の商品名にて、ノボザイムズ（Novozymes）より供給されている。リポラーゼ（Lipolase）（登録商標）、リポラーゼ・ウルトラ（Lipolase Ultra）（登録商標）、リポプライム（Lipoprime）（登録商標）及びリペックス（Lipex）（登録商標）。他の好適なリパーゼ類は、クチナーゼ類及びエステラーゼ類である。
【００２８】
該組成物が、フミコーラ・インソレンスによって生成されるセルラーゼ類のような、細菌性又は菌性のセルラーゼ類を含むセルラーゼ類で、特にケアザイム（Carezyme）（登録商標）、エンドＡ（Endo A）（登録商標）の商品名でノボ・インダストリーズＡ／Ａ（Novo Industries A/A）から供給されているセルラーゼ類であり、他の好適なセルラーゼ類はトリコデルマ・ロンギプラチアタムからのＥＧＩＩＩセルラーゼ類；米国特許第６，０６０，２９９号により詳細に記述されているようなマンナナーゼを含むカルボヒドラーゼ類、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９９／２７０８３により詳細に記述されているようなペクチン酸リアーゼ、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９６／３３２６７により詳細に記述されているようなシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９９／０２６６３により詳細に記述されているようなキシログルカナーゼ；ペルオキシダーゼ類、ラッカーゼ類、オキシゲナーゼ類（例えば、カテコール１，２ジオキシゲナーゼ）、ＰＣＴ国際特許９５／２６３９３により詳細に記述されているようなリポキシゲナーゼ、及び非ヘムハロペルオキシダーゼ類のような漂白酵素類といった他の酵素類も含んでよい。
【００２９】
プロテアーゼ対リパーゼの重量比が、少なくとも１．５：１、好ましくは少なくとも２：１、又は更に少なくとも３：１であることが好ましい場合がある。プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、１．５：１〜２．３：１、又は１．７：１〜２：１の範囲内にあることが好ましい場合がある。プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、少なくとも３．１：１、又は少なくとも３．５：１、又は少なくとも４：１、又は更に少なくとも５：１であることが好ましい場合がある。
【００３０】
該組成物は、好ましくは炭酸塩を含む。該組成物は、１重量％〜５０重量％の炭酸塩を含んでよい。該組成物が、５重量％〜５０重量％、又は１０重量％〜４０重量％、又は１０重量％〜２５重量％、又は１２重量％〜２５重量％の炭酸塩を含むことが好ましい場合がある。好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び／又は重炭酸ナトリウムである。極めて好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムである。炭酸塩又は少なくともその一部は、典型的には微粒子形態であり、典型的には２００〜５００マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。しかし、炭酸塩又は少なくともその一部が、微粉化した微粒子形態であり、典型的には４〜４０マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有するのが好ましい場合がある。このことは、炭酸塩又は少なくともその一部が非イオン性洗浄性界面活性剤との共同微粒子混合体の形態である場合に、特に好ましい。
【００３１】
該組成物は、高濃度の炭酸塩を含んでもよい。高濃度のカーボネートは、洗浄溶液のｐＨを高めることにより該組成物の洗浄性能を向上させる。この高められたアルカリ性は、漂白剤が存在する場合はその性能を向上させて、汚れを加水分解し易くし、それによって汚れを布地から取り除き易くし、更に洗浄すべき汚れのイオン化の速度と程度を増大させる。イオン化された汚れはより可溶性であり、洗濯プロセスの洗浄段階で布地から取り除き易い。更に、高濃度のカーボネートは該洗剤組成物が自由流動性微粒子形態である場合に、該洗剤組成物の流動性を向上させる。
【００３２】
しかし、炭酸塩アニオン類は該洗浄溶液中のカルシウムカチオン類と容易に錯体を形成し、炭酸カルシウムを形成する。炭酸カルシウムは非水溶性であり、洗浄溶液において溶液から析出して洗浄溶液中の布地上に沈着し得るために、白色度の維持が悪くなる。従って、該組成物が低濃度の炭酸塩を含むか、又は全く含まないことが好ましい場合がある。該組成物は、該組成物中のカーボネートの存在に伴う問題点を最小化するために０重量％〜１０重量％の炭酸塩を含んでよい。しかし、上記に詳細に述べたように、より高濃度の炭酸塩を該組成物中に組み込むのが望ましい。該組成物が少なくとも１０重量％の炭酸塩といった高濃度の炭酸塩を含む場合、該組成物は好ましくは更に炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる酸供給源を含む。該酸供給源は、スルファミン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸又はこれらの任意の混合物であることができる。特に好ましい酸供給源は、スルファミン酸である。好ましくは、炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる、該組成物中における炭酸塩対酸供給源の総量の重量比は、好ましくは５０：１未満、より好ましくは２５：１未満、又は１５：１未満、又は１０：１未満、又は更に５：１未満である。
【００３３】
洗浄溶液中の炭酸塩アニオン類の濃度が高すぎることによる望ましくない効果を最小化するために、該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量は好ましくは限定される。好ましい炭酸塩アニオン供給源は、炭酸塩類及び／又は過炭酸塩類である。好ましくは、該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量（炭酸塩アニオンを基準にした場合）は、炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる組成物中に存在する酸供給源の総量を完全に中和するために必要な炭酸塩アニオン供給源の理論量より７重量％〜１４重量％大きい。該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量を、該組成物中の酸供給源の量との関係で上述したように調整することにより、該洗浄溶液中の炭酸塩アニオン類の濃度が高すぎることによる全ての望ましくない悪影響を最小化させながら、該組成物中に炭酸塩アニオン供給源を有することによる全ての利益が最大化される。
【００３４】
該組成物は、硫酸塩を含んでもよい。典型的に、該組成物は１重量％〜５０重量％の硫酸塩、又は１重量％〜３０重量％の硫酸塩を含む。好ましい硫酸塩は、硫酸ナトリウムである。硫酸塩又は少なくともその一部は、典型的には微粒子形態であり、典型的には６０〜２００マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。しかし、該硫酸塩又は少なくともその一部は、微粉化した微粒子形態であり、典型的には５〜６０マイクロメートル未満、好ましくは５〜４０マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有するのが好ましい。硫酸塩が粗微粒子形態であり、典型的には２００超〜８００マイクロメートルの重量平均粒径を有することが更に好ましい場合がある。
【００３５】
該組成物が、好ましくは６０重量％未満の、カーボネート及びサルフェート（例えば、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウム）を合わせた総量を含んでもよい。該組成物は、５５重量％未満、又は５０重量％未満、又は４５重量％未満、又は４０重量％未満の、カーボネート及びサルフェート（例えば、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウム）を合わせた総量を含んでもよい。
【００３６】
該洗剤組成物が、低濃度のケイ酸塩を含むことが好ましい場合がある。好ましくは、該洗剤組成物は、１０重量％未満、又は０重量％〜５重量％、又は４重量％未満、又は２重量％未満のケイ酸塩を含む。該洗剤組成物が、ケイ酸塩を含まないことが更に好ましい場合がある。ケイ酸塩類は、非水溶性シリケート類を含む。ケイ酸塩類は、非晶質シリケート類及び結晶性層状シリケート類（例えば、ＳＫＳ−６）を含む。好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【００３７】
該組成物が少なくとも１重量％、又は少なくとも２重量％、又は少なくとも３重量％、又は少なくとも４重量％、又は更に少なくとも５重量％の高分子ポリカルボキシレート類を含むことが好ましい場合がある。好ましい高分子ポリカルボキシレート類には、好ましくは０．００１６ａｇ（１，０００ダルトン）〜０．０３３ａｇ（２０，０００ダルトン）の重量平均分子量を有するポリアクリレート類；好ましくはマレイン酸モノマー類対アクリル酸モノマー類のモル比が１：１〜１：１０であり、０．０１６ａｇ（１０，０００ダルトン）〜０．３３ａｇ（２００，０００ダルトン）の重量平均分子量を有するか、又は好ましくはマレイン酸モノマー類対アクリル酸モノマー類のモル比が０．３：１〜３：１であり、０．００１６ａｇ（１，０００ダルトン）〜０．０８３ａｇ（５０，０００ダルトン）の重量平均分子量を有する、マレイン酸とアクリル酸とのコポリマー類が挙げられる。
【００３８】
該組成物が、次式を有する汚れ分散剤を含むことが好ましいこともある。
【００３９】
ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である。他の好適な汚れ分散剤類は、次式を有するスルホネート又は硫酸化汚れ分散剤類である。
【００４０】
スルホン酸化又は硫酸化されたビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である。好ましくは、該組成物は、少なくとも１重量％又は少なくとも２重量％又は少なくとも３重量％の汚れ分散剤類を含み、典型的には上述の式を有する。
【００４１】
該組成物は典型的には、補助剤成分を含む。これらの補助剤成分には、好ましくはテトラアセチルエチレンジアミンのような漂白活性化剤、ノナノイルオキシベンゼンスルホネートのようなオキシベンゼンスルホネート漂白活性化剤類、カプロラクタム漂白活性化剤類、Ｎ−ノナノイル−Ｎ−メチルアセトアミドのようなイミド漂白活性化剤類、Ｎ，Ｎ−フタロイルアミノ（pthaloylamino）過酸化カプロン酸、ノニルアミド過酸化アジピン酸又は過酸化ジベンゾイルのような予め形成された過酸類と組み合わせた、過炭酸塩及び／又は過ホウ酸塩のような漂白剤；ジエチレントリアミンペンタアセテート、ジエチレントリアミンペンタ（メチルホスホン酸）、エチレンジアミン−Ｎ’Ｎ’−二コハク酸、エチレンジアミンテトラアセテート、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）及びヒドロキシエタンジ（メチレンホスホン酸）のようなキレート剤類；シリコーン系の泡抑制剤類のような泡抑制系類；光沢剤類；光漂白剤；充填剤塩類；粘土、シリコーン及び／又は第四級アンモニウム化合物類のような布地柔軟化剤類；ポリエチレンオキシドのような凝集剤類；ポリビニルピロリドン、ポリ４−ビニルピリジンＮ−オキシド及び／又はビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーのような移染防止剤類；イミダゾールとエピクロルヒドリン（epichlorhydrin）との縮合により生成される疎水変性セルロース及びオリゴマー類のような布地一体性成分（fabric integrity component）類；ポリカルボキシレート類、アルコキシル化ポリアミン類及びエトキシル化エチレンイミンポリマー類のような汚れ分散剤類及び汚れ再付着防止助剤類；並びにカルボキシメチルセルロース及びポリエステル類のような再付着防止成分が挙げられる。好ましくは、該組成物は１重量％未満の塩素漂白剤及び１重量％未満の臭素漂白剤を含む。好ましくは、該組成物は意図的に加えられた臭素漂白剤及び塩素漂白剤を含まない。
【００４２】
該組成物は、粒塊、噴霧乾燥された粉末（power）、押出品、フレーク、針状、麺状、ビード又はこれらの任意の組み合わせなどの粒状の形態であり得る。好ましくは、該洗剤組成物は、自由流動性粒子形態である。自由流動性微粒子形態の該洗剤組成物は、典型的には４５０ｇ／ｌ〜１，０００ｇ／ｌのバルク密度を有し、好ましい低バルク密度の洗剤組成物は、５５０ｇ／ｌ〜６５０ｇ／ｌのバルク密度を有し、好ましい高バルク密度の洗剤組成物は、７５０ｇ／ｌ〜９００ｇ／ｌのバルク密度を有する。洗濯プロセス中、該組成物は典型的には水と接触して、７超〜１１、好ましくは８〜１０．５のｐＨを有する洗浄溶液を提供する。
【００４３】
該組成物は、アグロメレーション、噴霧乾燥、押出、混合、乾式混合、液体スプレー式、ローラー圧縮、球形化又はこれらの任意の組み合わせを含むいかなる好適な方法によって作られてもよい。
【００４４】
本発明の第２の実施形態では、粒状洗濯洗剤組成物が提供され、それは洗浄性界面活性剤及び所望により酵素を含み、その組成物が、水と接触して、９．２ｇ／ｌの濃度及び２０℃の温度で、（ｉ）比濁法濁度単位５００未満の濁度と、（ｉｉ）８〜１２の範囲内にあるｐＨとを有する透明な洗浄溶液を形成する。好ましくは、得られた該洗浄溶液は、比濁法濁度単位４００未満、又は３００未満、又は１０〜３００の濁度を有する。該洗浄溶液の濁度は、典型的にはＨ１９３７０３マイクロプロセッサ濁度計を使用して測定される。該洗浄溶液の濁度の典型的な測定方法を次に示す。組成物９．２ｇをビーカーに入った１リットルの水に加えて、溶液を形成する。該溶液を５分間、６３ｒａｄ／ｓ（６００ｒｐｍ）、２０℃にて攪拌する。次に、メーカーの説明書に従ってＨ１９３７０３マイクロプロセッサ濁度計を使用して、該溶液の濁度を測定する。
【実施例】
【００４５】
実施例１
水性スラリー組成物
【表１】
【００４６】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述したような組成物を有する水性スラリーは、２５．８９％の湿分含量を有して調製される。水性スラリーは、７２℃に加熱され、高圧（５．５×１０６Ｎｍ−２〜６．０×１０６Ｎｍ−２）下で、空気入り口温度２７０℃〜３００℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込まれる。該水性スラリーは噴霧化され、該噴霧化されたスラリーは乾燥されて固体混合物が生成され、次に冷却されて大きすぎる物質（＞１．８ｍｍ）はふるいによって取り除かれ、自由流動性の噴霧乾燥された粉末を形成する。微細物質（＜０．１５ｍｍ）は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸して、塔後（post tower）の収容システム内に集められる。噴霧乾燥された粉末は、１．０重量％の湿分含量、４２７ｇ／ｌのバルク密度、及び９５．２重量％の該噴霧乾燥された粉末が１５０〜７１０マイクロメートルの粒径を有するような粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【００４７】
噴霧乾燥された粉末組成物
【表２】
【００４８】
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子は、２５ｋｇバッチを基準にして、直径１ｍのセメントミキサーを２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）にて使用して作られる。ハム・ケミー（Hamm Chemie）よりロムバック・ライヒトザルファート（Rombach Leichtsulfat）（登録商標）の商標名で供給されるライト・グレードの硫酸ナトリウム１８．９ｋｇを該ミキサーに追加し、次に７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する液体の形態のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール６．１ｋｇを該硫酸ナトリウム上に４０℃にて噴霧する。該混合物を３分間混合して、自由流動性の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００４９】
７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する、２４．４重量％のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール
７５．６重量％の硫酸ナトリウム
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の調製
実施例１の噴霧乾燥された粉末１０．１５ｋｇ、実施例１の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子２．９２ｋｇ及び他の個別に計量され乾燥状態で追加される材料１１．９３ｋｇ（総量）を２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）で作動する直径１ｍのコンクリートバッチミキサーに加える。他の全ての材料を該ミキサー内に計量して加えた後、該混合物を５分間混合し、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を形成する。本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については以下に述べる。
【００５０】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物
【表３】
【００５１】
実施例２
６．００重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤粒子（以下でより詳細に述べる）を乾燥状態で追加すること、及び乾燥状態で追加される炭酸ナトリウムの濃度が１９．２９重量％から１３．２９重量％に減少すること以外は、実施例１を繰り返す。
【００５２】
カチオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
カチオン性界面活性剤粒子は、モートンＦＭ−５０レーディゲ（Morton FM-50 Loedige）で１４．６ｋｇバッチを基準にして作られる。微粉化した硫酸ナトリウム４．５ｋｇと微粉化した炭酸ナトリウム４．５ｋｇとをミキサー内で予備混合する。主駆動源及びチョッパの両方を作動させながら、４０％活性モノＣ１２〜１４アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド（カチオン性界面活性剤）水溶液４．６ｋｇをミキサー内の微粉化した硫酸ナトリウム及び微粉化した炭酸ナトリウムに追加する。約２分間混合させた後、１．０ｋｇの重量比１：１の微粉化した硫酸ナトリウムと微粉化した炭酸ナトリウムとの混合物をダスティング剤としてミキサーに追加する。その結果得られた粒塊を集めて、１００〜１４０℃で２５００ｌ／分の空気を基準にして、３０分間、流体床乾燥機を使って乾燥させる。その結果得られた粉末をふるいにかけて、１４００μｍまでの部分をカチオン性界面活性剤粒子として集める。カチオン性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００５３】
１５重量％のモノＣ１２〜１４アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド
４０．７６重量％の炭酸ナトリウム
４０．７６重量％の硫酸ナトリウム
３．４８重量％の湿分及びその他
実施例３
２．５０重量％のスルファミン酸（ミックスグレード−ローディア（Rhodia）より供給）を、２．５０重量％のクエン酸の代わりに乾燥状態で追加すること以外は、実施例１を繰り返す。
【００５４】
実施例４
１．２５重量％のスルファミン酸（ミックスグレード−ローディア（Rhodia）より供給）を乾燥状態で追加すること、及び乾燥状態で追加されるクエン酸の濃度が２．５重量％から１．２５重量％に減少すること以外は、実施例１を繰り返す。
【００５５】
実施例５
水性スラリー組成物
【表４】
【００５６】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述したような組成物を有する水性スラリーは、３４．００％の湿分含量を有して調製される。水性スラリーは、７２℃に加熱され、高圧（５．５×１０６Ｎｍ−２〜６．０×１０６Ｎｍ−２）下で、空気入り口温度２７０℃〜３００℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込まれる。該水性スラリーは噴霧化され、該噴霧化されたスラリーは乾燥されて固体混合物が生成され、次に冷却されて大きすぎる物質（＞１．８ｍｍ）はふるいによって取り除かれ、自由流動性の噴霧乾燥された粉末を形成する。微細物質（＜０．１５ｍｍ）は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸して、塔後（post tower）の収容システム内に集められる。噴霧乾燥された粉末は、１．０重量％の湿分含量、４４０ｇ／ｌのバルク密度、及び９５．２重量％の該噴霧乾燥された粉末が１５０〜７１０マイクロメートルの粒径を有するような粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【００５７】
噴霧乾燥された粉末組成物
【表５】
【００５８】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の調製
噴霧乾燥された粉末１０．６１ｋｇ及び他の個別に計量され乾燥状態で追加される材料１３．７４ｋｇ（総量）を２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）で作動する直径１ｍのコンクリートバッチミキサーに加える。これら乾燥材料の追加に引き続いて、７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有するＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール０．５４ｋｇを、噴霧により該混合物に塗布する。これに続いて、０．１１ｋｇの香料を噴霧により塗布する。他の全ての材料を該ミキサー内に計量して加えた後、該混合物を５分間混合し、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を形成する。本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については以下に述べる。
【００５９】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物
【表６】
【００６０】
実施例６
０．９３重量％のスルファミン酸（ミックスグレード−ローディア（Rhodia）より供給）を、０．９３重量％のクエン酸の代わりに乾燥状態で追加すること以外は、実施例５を繰り返す。
【００６１】
実施例７
水性スラリー組成物
【表７】
【００６２】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述の組成物を有する水性スラリーは、２９．８１％の湿分含量を有して調製される。水性スラリーは、温度６５℃〜８０℃に加熱され、高圧（５．５×１０６Ｎｍ−２〜６．０×１０６Ｎｍ−２）下で、空気入り口温度２７０℃〜３００℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込まれる。該水性スラリーは噴霧化され、該噴霧化されたスラリーは乾燥されて固体混合物が生成され、次に冷却されて大きすぎる物質（＞１．８ｍｍ）はふるいによって取り除かれ、自由流動性の噴霧乾燥された粉末を形成する。微細物質（＜０．１５ｍｍ）は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸して、塔後（post tower）の収容システム内に集められる。その結果得られる噴霧乾燥された粉末の組成を以下に述べる。
【００６３】
噴霧乾燥された粉末組成物
【表８】
【００６４】
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子は、２５ｋｇバッチを基準にして、直径１ｍのセメントミキサーを２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）にて使用して作られる。ハム・ケミー（Hamm Chemie）よりロムバック・ライヒトザルファート（Rombach Leichtsulfat）（登録商標）の商標名で供給されるライト・グレードの硫酸ナトリウム１８．９ｋｇを該ミキサーに追加し、次に７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する液体の形態のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール６．１ｋｇを該硫酸ナトリウム上に４０℃にて噴霧する。該混合物を３分間混合して、自由流動性の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００６５】
７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する、２４．４重量％のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール
７５．６重量％の硫酸ナトリウム
アニオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
直鎖アルキルベンゼンスルホネート粒子は、モートンＦＭ−５０レーディゲ（Morton FM-50 Loedige）で１４ｋｇバッチを基準にして作られる。主駆動源及びチョッパを作動させながら、微粉化した硫酸ナトリウム７．８４ｋｇ及び微粉化した炭酸ナトリウム２．７０ｋｇをまずミキサーに追加する。次に、直鎖アルキルベンゼンスルホネートペースト（７８重量％活性）３．４６ｋｇを該ミキサーに追加し、２分間混合して、混合物を生成する。その結果得られた混合物を集めて、１００〜１４０℃で２５００ｌ／分の空気を基準にして、３０分間、流動床乾燥機を使って乾燥させ、アニオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。アニオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００６６】
２０重量％の直鎖アルキルベンゼンスルホネート
２０重量％の炭酸ナトリウム
５８重量％の硫酸ナトリウム
２重量％のその他及び水
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の調製
実施例９の噴霧乾燥された粉末１０．１５ｋｇ、実施例９の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子２．２６ｋｇ、実施例９のアニオン性洗浄性界面活性剤粒子８．５ｋｇ及び他の個別に計量され乾燥状態で追加される材料４．０９ｋｇ（総量）を２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）で作動する直径１ｍのコンクリートバッチミキサーに加える。他の全ての材料を該ミキサー内に計量して加えた後、該混合物を５分間混合し、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を形成する。本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については以下に述べる。
【００６７】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物
【表９】
【００６８】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、どの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【００６９】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、アニオン性洗浄性界面活性剤を含む粒状洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
粒状洗濯洗剤組成物は、良好な布地洗浄性能並びに良好な分配性及び溶解性を有する必要がある。粒状洗濯洗剤組成物は、良好な布地洗浄性能をもたらすために、アニオン性洗浄性界面活性剤類を含む。しかし、アニオン性洗浄性界面活性剤は、洗浄溶液中に存在するカルシウム及びマグネシウムカチオンなどの遊離カチオン類と錯体を形成することが可能であり、それにより溶液から該アニオン性洗浄性界面活性剤を析出させ、該アニオン性洗浄性界面活性剤の活性を低下させる。極端な場合は、これらの非水溶性錯体が布地上に沈着し、その結果白色度維持及び布地一体性の利益が損なわれる。このことは、洗濯洗剤組成物が高濃度のカルシウムカチオン類が存在する硬水中での洗浄条件において使用される場合に、特に問題となる。
【０００３】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、遊離カチオン類と錯体を形成し、溶液から析出する傾向があり、これはゼオライトビルダー類及びリン酸塩ビルダー類など、カルシウム及びマグネシウムカチオンなどのカチオン類との高い結合定数を有するビルダー類の存在により緩和される。これらのビルダー類は、遊離カルシウム及びマグネシウムカチオンを隔離し、これらの望ましくない錯体類の形成を低減させる。
【０００４】
しかし、ゼオライトビルダー類は非水溶性であり、それらを洗濯洗剤組成物に組み込むと、該洗濯洗剤組成物の溶解性が低下し、更に好ましくない残留物が布地上に沈着する。加えて、高濃度のゼオライトビルダーを含む洗剤組成物は、水と接触して、望ましくない濁った洗浄溶液を形成する。リン酸塩ビルダー類は、好ましい環境特性を持たないと言われているので、例えば多くの国でのホスフェートの規制の理由から、洗濯洗剤組成物中でのそれらの使用はあまり見られなくなりつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
良好なアニオン性洗浄性界面活性剤の活性、良好な布地洗浄性能、良好な環境特性、並びに良好な分配性及び良好な溶解性を有する、アニオン性洗浄性界面活性剤を含む粒状洗濯洗剤組成物に対する必要性は依然として存在している。
【０００６】
概要
本発明は、（ｉ）８重量％〜５５重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤と、（ｉｉ）２重量％〜８重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と、（ｉｉｉ）０重量％〜４重量％のゼオライトビルダーと、（ｉｖ）０重量％〜４重量％のリン酸塩ビルダーと、（ｖ）所望により、酵素、好ましくは該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの量のプロテアーゼ、好ましくは少なくとも１５ｍｇの活性プロテアーゼとを含む粒状洗濯洗剤組成物を提供することにより、上記問題点を克服するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
粒状洗濯洗剤組成物は、８重量％〜５５重量％、好ましくは８重量％〜２０重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤を含む。該組成物が、８重量％〜１６重量％、又は８重量％〜１２重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤を含むのが好ましい場合がある。このことは、該組成物が４重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む場合に特に好ましい。本発明のこの実施形態では、アニオン性洗浄性界面活性剤対非イオン性洗浄性界面活性剤の重量比が、０．５：１〜２：１の範囲内であることが好ましい場合がある。あるいは、該組成物は、１０重量％〜２０重量％又は１０重量％〜１６重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤といったより高濃度のアニオン性洗浄性界面活性剤を含むのが好ましい場合がある。このことは、該組成物が、２重量％〜４重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む場合に、特に好ましいことがある。本発明のこの実施形態では、アニオン性洗浄性界面活性剤対非イオン性洗浄性界面活性剤の重量比が、４：１〜６：１の範囲内であることが好ましい場合がある。
【０００８】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、アルキルカルボキシレート又はこれらの任意の混合物であり得る。アニオン性界面活性剤は、Ｃ１０〜Ｃ１８アルキルベンゼンスルホネート類（ＬＡＳ）；Ｃ１０〜Ｃ２０一級、分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート類（ＡＳ）、好ましいのは直鎖アルキルサルフェート類で、典型的には次式を有し、
ＣＨ３（ＣＨ２）ｘＣＨ２−ＯＳＯ３−Ｍ＋
式中、Ｍは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオン類はナトリウム及びアンモニウムカチオンであり、ｘは少なくとも７、好ましくは少なくとも９の整数であるもの；Ｃ１０〜Ｃ１８の二級（２，３）アルキルサルフェート類で、通常次式を有し、
【化１】
式中、Ｍは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオン類はナトリウム及びアンモニウムカチオンであり、ｘは少なくとも７、好ましくは少なくとも９の整数であり、ｙは少なくとも８、好ましくは少なくとも９の整数であるもの；Ｃ１０〜Ｃ１８アルキルアルコキシカルボキシレート類；米国特許第６，０２０，３０３号及び同６，０６０，４４３号により詳細に記述されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート類；ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９９／０５２４３、同ＷＯ９９／０５２４２、同ＷＯ９９／０５２４４、同ＷＯ９９／０５０８２、同ＷＯ９９／０５０８４、同ＷＯ９９／０５２４１、同ＷＯ９９／０７６５６、同ＷＯ００／２３５４９及び同ＷＯ００／２３５４８により詳細に記述されているような変性アルキルベンゼンスルホネート（ＭＬＡＳ）；メチルエステルスルホネート（ＭＥＳ）；α−オレフィンスルホネート（ＡＯＳ）並びにこれらの混合物から成る群から選択されることができる。好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤類は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ１２〜１８アルキルサルフェート類；直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ１０〜１３アルキルベンゼンスルホネート類、好ましくは直鎖Ｃ１０〜１３アルキルベンゼンスルホネート類及びこれらの混合物から成る群から選択される。極めて好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン類（ＬＡＢ）をスルホン化することにより得られる直鎖Ｃ１０〜１３アルキルベンゼンスルホネート類であり、好適なＬＡＢには、サソール（Sasol）からイソケム（Isochem）（登録商標）の商標名又はペトレサ（Petresa）からペトレラボ（Petrelab）（登録商標）の商標名で供給されているもののような低級２−フェニルＬＡＢが挙げられ、他の好適なＬＡＢには、サソールからハイブリーン（Hyblene）（登録商標）の商標名で供給されているもののような高級２−フェニルＬＡＢが挙げられる。
【０００９】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、該アニオン性洗浄性界面活性剤がよりカルシウム耐性となり、遊離カルシウムカチオンの存在下で洗浄溶液から析出し難くなるように構造的に修飾されることが好ましいことがある。この構造的修飾は、該アニオン性洗浄性界面活性剤の先端基の付近にメチル部分又はエチル部分を導入することであり得るが、これは、先端基の立体障害により、よりカルシウム耐性の高められたアニオン性洗浄性界面活性剤をもたらすことができ、遊離カルシウムイオンと錯体を形成して溶液から析出するための該アニオン性洗浄性界面活性剤の親和性を低減させることができるからである。他の構造的修飾には、該アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中の、アミン部分などの官能基の導入が挙げられる。これにより、アニオン性洗浄性界面活性剤のアルキル鎖中の官能基の存在が、アニオン性洗浄性界面活性剤の望ましくない物理化学的特性を最小化して、洗浄溶液中の遊離カルシウムカチオンの存在下で滑らかな結晶構造を形成することができるので、よりカルシウム耐性のアニオン性洗浄性界面活性剤をもたらすことができる。これは、アニオン性洗浄性界面活性剤が溶液から析出する傾向を低減させることができる。
【００１０】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、好ましくは、粒塊、噴霧乾燥された粉末、押出品、ビード、麺状、針状又はフレークなどの微粒子形態である。アニオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、非イオン性洗浄性界面活性剤との共同微粒子混合体中にあってよく、この共同微粒子混合体は、好ましくは噴霧乾燥形態であってもよい。好ましくは、アニオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は粒塊の形態であり、該粒塊は好ましくは該粒塊の少なくとも２０重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤、より好ましくは該粒塊の２０重量％〜６５重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤を含む。アニオン性洗浄性界面活性剤の一部が、噴霧乾燥された粉末（例えば、吹き飛ばされた粉末）の形態であり、該アニオン性洗浄性界面活性剤の一部が、非噴霧乾燥された粉末（例えば、粒塊、又は押出品、又はフレーク）であることが好ましいことがある。直鎖アルキルベンゼンスルホネートが、石鹸との共同微粒子混合体であることが好ましい場合があり、この共同微粒子混合体が、噴霧乾燥形態であることが好ましいことがある。
【００１１】
該組成物は、２重量％〜８重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。好ましくは、該組成物は、２重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。該組成物が、２重量％〜４重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤といった、低濃度の非イオン性洗浄性界面活性剤を含むことが好ましい場合がある。あるいは、該組成物が、４重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤といった、高濃度の非イオン性洗浄性界面活性剤を含むことが好ましい場合がある。
【００１２】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、シェル（Shell）からのネオドール（NEODOL）（登録商標）非イオン性界面活性剤などの、Ｃ１２〜Ｃ１８アルキルエトキシレート類；Ｃ６〜Ｃ１２アルキルフェノールアルコキシレート類で、該アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位又はプロピレンオキシ単位又はこれらの混合物であるもの；Ｃ１２〜Ｃ１８アルコール及びＣ６〜Ｃ１２のアルキルフェノールとＢＡＳＦからのプルロニック（Pluronic）（登録商標）のようなエチレンオキシド／プロピレンオキシドブロックポリマー類との縮合物；米国特許第６，１５０，３２２号により詳細に記述されているようなＣ１４〜Ｃ２２中鎖分枝状アルコール類（ＢＡ）；米国特許第６，１５３，５７７号、同６，０２０，３０３号及び同６，０９３，８５６号により詳細に記述されているようなＣ１４〜Ｃ２２中鎖分枝状アルキルアルコキシレート類、ＢＡＥｘで、ｘが１〜３０であるもの；米国特許第４，５６５，６４７号により詳細に記述されているようなアルキル多糖類、具体的には米国特許第４，４８３，７８０号及び同４，４８３，７７９号により詳細に記述されているようなアルキルポリグリコシド類；米国特許第５，３３２，５２８号、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９２／０６１６２、同ＷＯ９３／１９１４６、同ＷＯ９３／１９０３８、同ＷＯ９４／０９０９９により詳細に記載されているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド類；米国特許第６，４８２，９９４号及びＰＣＴ国際公開特許ＷＯ０１／４２４０８により詳細に記述されているようなエーテル末端保護されたポリ（オキシアルキレート化）アルコール界面活性剤類；並びにこれらの混合物から成る群から選択され得る。
【００１３】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び／又はアルキルアルコキシル化アルコールであり得る。好ましくは、該非イオン性洗浄性界面活性剤は、１〜１０の平均エトキシル化度を有する、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ８〜１８アルキルエトキシル化アルコールである。
【００１４】
非イオン性洗浄性界面活性剤は、更なる油性汚れの洗浄性能を付与するだけでなく、アニオン性洗浄性界面活性剤を遊離カルシウムカチオンの存在下の溶液から析出し難くすることにより、その活性を高めることもできる。好ましくは、アニオン性洗浄性界面活性剤対非イオン性洗浄性界面活性剤の重量比は、０．５：１〜２０：１、より好ましくは０．５：１〜１０：１、又は０．５〜６：１の範囲内にある。
【００１５】
非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、液体スプレー式の形態で該組成物中に組み込まれることができ、ここで液状（例えば、ホットメルトの形態）の該非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、該組成物の残余部分上に噴霧される。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、微粒子形態でよく、該非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、該組成物の残余部分に乾燥状態で追加してよい。非イオン性界面活性剤又は少なくともその一部は、炭酸塩、硫酸塩、バーカイト、シリカ又はこれらの任意の混合物などの固体担体物質との共同微粒子混合体の形態であってよい。
【００１６】
非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、アニオン性洗浄性界面活性剤又はカチオン性洗浄性界面活性剤のどちらかとの共同微粒子混合体中にあってもよい。しかし、非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、好ましくはアニオン性洗浄性界面活性剤及びカチオン性洗浄性界面活性剤の両方との共同微粒子混合体中にはない。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、アニオン性洗浄性界面活性剤又はカチオン性洗浄性界面活性剤のいずれか一方との粒塊又は押出品でもよい。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、噴霧乾燥された粉末の形態でよく、所望により該非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、アニオン性洗浄性界面活性剤と共に噴霧乾燥されてもよい。非イオン性洗浄性界面活性剤又は少なくともその一部は、石鹸との共同微粒子混合体中にあってもよく、この共同微粒子混合体は押出品又は粒塊といった非噴霧乾燥形態であるのが好ましい場合がある。
【００１７】
該組成物は、０．５重量％〜６重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤を含んでもよい。該組成物は、０．５重量％〜４重量％、又は１重量％〜３重量％、又は更に１重量％〜２重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤を含んでもよい。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤類は、アルキルピリジニウム化合物類、アルキル四級アンモニウム化合物類、アルキル四級ホスホニウム化合物類及びアルキル３元スルホニウム化合物類である。カチオン性洗浄性界面活性剤は、米国特許第６，１３６，７６９号により詳細に記述されているようなアルコキシレート四級アンモニウム（ＡＱＡ）界面活性剤類；米国特許第６，００４，９２２号により詳細に記述されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム化合物；ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９８／３５００２、同ＷＯ９８／３５００３、同ＷＯ９８／３５００４、同ＷＯ９８／３５００５及び同ＷＯ９８／３５００６により詳細に記述されているようなポリアミンカチオン性界面活性剤類；米国特許第４，２２８，０４２号、同４，２３９，６６０号、同４，２６０，５２９号及び同６，０２２，８４４号により詳細に記述されているようなカチオン性エステル界面活性剤類；米国特許第６，２２１，８２５号及びＰＣＴ国際公開特許ＷＯ００／４７７０８により詳細に記述されているようなアミノ界面活性剤類、特にアミドプロピルジメチルアミン、並びにこれらの混合物から成る群から選択され得る。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤類は、次の一般式を有する第四級アンモニウム化合物類である。
【００１８】
（Ｒ）（Ｒ１）（Ｒ２）（Ｒ３）Ｎ＋Ｘ−
式中、Ｒは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、Ｃ６〜１８アルキル又はアルケニル部分であり、Ｒ１及びＲ２は、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、Ｒ３は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル部分であり、Ｘは電気的中性を付与するアニオンであり、好適なアニオン類には、ハロゲン化物類（塩化物など）、サルフェート及びスルホネートが含まれる。好ましいカチオン性洗浄性界面活性剤類は、モノＣ８〜１０アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド、モノＣ１０〜１２アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド及びモノＣ１０アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライドである。
【００１９】
カチオン性洗浄性界面活性剤は、更なる油性汚れ洗浄性能を付与する。しかし、カチオン性洗浄性界面活性剤は、アニオン性洗浄性界面活性剤を溶液から析出し易くさせ得る。好ましくは、カチオン性洗浄性界面活性剤及びアニオン性洗浄性界面活性剤が、別個の粒子形態で組成物中に存在する。これは、カチオン性洗浄性界面活性剤がアニオン性洗浄性界面活性剤の望ましくない析出に対して有するいかなる影響をも最小化し、更に、水と接触してその結果得られる洗浄溶液が濁っていないことを確実にする。好ましくは、アニオン性洗浄性界面活性剤対カチオン性洗浄性界面活性剤の重量比は、５：１〜２５：１、より好ましくは５：１〜２０：１又は６：１〜１５：１又は７：１〜１０：１、又は更に８：１〜９：１の範囲内にある。
【００２０】
該組成物は、双性イオン性洗浄性界面活性剤類及び／又は両性洗浄性界面活性剤類といった更なる補助洗浄性界面活性剤類を含んでもよい。
【００２１】
該組成物は、０重量％〜４重量％のゼオライトビルダーを含む。該組成物は、好ましくは０重量％〜３重量％、又は０重量％〜２重量％、又は０重量％〜１重量％のゼオライトビルダーを含む。該組成物が、ゼオライトビルダーを含まないのが更に好ましい場合がある。該組成物が非常に極めて溶解性であることが望ましい場合には、このことが特に好ましい。更に、該組成物が、水と接触して、透明な洗浄溶液を形成する場合には、これは極めて好ましい。ゼオライトビルダー類には、ゼオライトＡ、ゼオライトＸ、ゼオライトＰ及びゼオライトＭＡＰが含まれる。
【００２２】
該組成物は、０重量％〜４重量％のリン酸塩ビルダーを含む。該組成物は、好ましくは０重量％〜３重量％、又は０重量％〜２重量％、又は０重量％〜１重量％のリン酸塩ビルダーを含む。該組成物が、リン酸塩ビルダーを含まないことが更に好ましい。該組成物が非常に良好な環境特性を持つことが望ましい場合には、このことが特に好ましい。リン酸塩ビルダー類には、トリポリリン酸ナトリウムが含まれる。
【００２３】
該組成物は、ゼオライトビルダー及びリン酸塩ビルダー以外の補助ビルダー類を含んでよい。好ましい補助ビルダー類は、水溶性補助ビルダー類である。補助ビルダー類は、好ましくは炭酸ナトリウム、クエン酸及び／又はクエン酸ナトリウムを含むその水溶性塩類、スルファミン酸及び／又はその水溶性塩類、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー類又はポリアクリレートのような高分子ポリカルボキシレート類から成る群から選択される。該組成物が、非常に低濃度のゼオライトＡ、ゼオライトＸ、ゼオライトＰ及びゼオライトＭＡＰなどの非水溶性ビルダー類しか含まず、同時に比較的高濃度の炭酸ナトリウム、スルファミン酸及びクエン酸のような水溶性補助ビルダー類を含むことが好ましい場合がある。
【００２４】
炭酸ナトリウム対ゼオライトビルダーの重量比が、少なくとも５：１、好ましくは少なくとも１０：１、又は少なくとも１５：１、又は少なくとも２０：１、又は更に少なくとも２５：１であることが好ましいことがある。
【００２５】
該組成物は、好ましくはプロテアーゼを含み、好ましくは該組成物は、組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼを含む。好ましくは、該組成物は、組成物１００ｇにつき、少なくとも１５ｍｇ、又は少なくとも２０ｍｇ、又は更に少なくとも３０ｍｇの活性プロテアーゼを含む。プロテアーゼは、カルシウム結合部位を含んでもよい。プロテアーゼは、洗浄溶液に存在する高濃度の遊離カルシウムカチオン類の存在下で、改善された安定性及び／又は活性を示し得る。該組成物中にプロテアーゼを組み込むことによって、該組成物の洗浄性能が改善され、ゼオライトビルダー類及びリン酸塩ビルダー類を少量含むか又は全く含まないことによる該組成物の洗浄性能の低下（これは、アニオン性洗浄性界面活性剤の活性の低下をもたらす）が、該プロテアーゼの安定性及び／又は活性の増大によって緩和される。好ましいプロテアーゼ類には、ノボザイムズ（Novozymes）から供給され、エスペラーゼ（Esperase）（登録商標）、アルカラーゼ（Alcalase）（登録商標）、エバラーゼ（Everlase）（登録商標）及びサビナーゼ（Savinase）（登録商標）の商品名で販売されているバチルス属サブチリシン類（例えば、サブチリス、レンタス、リケニフォルミス、アミロリケファシエンス（ＢＰＮ、ＢＰＮ’）、アルカロフィラス）、ジェネンコア（Genencor）から、ＦＮ２（登録商標）、ＦＮ３（登録商標）及びＦＮ４（登録商標）の商品名で供給されているプロテアーゼ類、並びにＢＬＡＰ及び／又はその変異型が挙げられる。好適なプロテアーゼ類は、欧州特許１３０７５６号、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９１／０６６３７、同ＷＯ９５／１０５９１及び同ＷＯ９９／２０７２６により詳細に記述されている。
【００２６】
該組成物は、好ましくはアミラーゼ、好ましくは組成物１００ｇにつき、少なくとも４ｍｇ、好ましくは６ｍｇ、又は少なくとも１０ｍｇ、又は少なくとも１５ｍｇ、又は更に少なくとも２０ｍｇ又は更に３０ｍｇの量の活性アミラーゼを更に含む。アミラーゼは、カルシウム結合部位を含んでもよい。プロテアーゼと同様に、アミラーゼも洗浄溶液に存在する高濃度の遊離カルシウムカチオン類の存在下で、改善された安定性及び／又は活性、特に安定性を示し得る。該組成物へのアミラーゼの組込みは、洗浄性能を向上させる。好ましいアミラーゼ類には、ノボ・インダストリーズＡ／Ａ（Novo Industries A/A）から、ナタラーゼ（Natalase）（登録商標）、デュラミル（Duramyl）（登録商標）、ターマミル（Termamyl）（登録商標）、バン（Ban）（登録商標）、フンガミル（Fungamyl）（登録商標）の商品名で供給されているアミラーゼ類、ジェネンコア（Genencor）から、ピュラフェクトＯｘＡｍ（Purafect Ox Am）（登録商標）の商品名で供給されているアミラーゼ類、及びこれらの混合物が挙げられる。アミラーゼは、α−アミラーゼ又はβ−アミラーゼであることができる。好適なアミラーゼ類は、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９４／０２５９７及び同ＷＯ９６／２３８７３により詳細に記述されている。
【００２７】
該組成物は、更にリパーゼ、好ましくは組成物１００ｇにつき、少なくとも５ｍｇ、好ましくは少なくとも７ｍｇ、又は少なくとも１０ｍｇ、又は少なくとも１５ｍｇ、又は少なくとも２０ｍｇ、又は更に少なくとも３０ｍｇの量の活性リパーゼを含む。リパーゼは、カルシウム結合部位を含んでもよい。プロテアーゼ及びアミラーゼの両方と同様に、リパーゼも洗浄溶液に存在する高濃度の遊離カルシウムカチオン類の存在下で、改善された安定性及び／又は活性、特に活性を示し得る。該組成物へのリパーゼの組込みは、洗浄性能を向上させる。好ましいリパーゼ類には、シュードモナス及びクロモバクター（Chromobacter）群により生成されるものが挙げられる。好ましいリパーゼ類は、以下の商品名にて、ノボザイムズ（Novozymes）より供給されている。リポラーゼ（Lipolase）（登録商標）、リポラーゼ・ウルトラ（Lipolase Ultra）（登録商標）、リポプライム（Lipoprime）（登録商標）及びリペックス（Lipex）（登録商標）。他の好適なリパーゼ類は、クチナーゼ類及びエステラーゼ類である。
【００２８】
該組成物が、フミコーラ・インソレンスによって生成されるセルラーゼ類のような、細菌性又は菌性のセルラーゼ類を含むセルラーゼ類で、特にケアザイム（Carezyme）（登録商標）、エンドＡ（Endo A）（登録商標）の商品名でノボ・インダストリーズＡ／Ａ（Novo Industries A/A）から供給されているセルラーゼ類であり、他の好適なセルラーゼ類はトリコデルマ・ロンギプラチアタムからのＥＧＩＩＩセルラーゼ類；米国特許第６，０６０，２９９号により詳細に記述されているようなマンナナーゼを含むカルボヒドラーゼ類、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９９／２７０８３により詳細に記述されているようなペクチン酸リアーゼ、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９６／３３２６７により詳細に記述されているようなシクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ、ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ９９／０２６６３により詳細に記述されているようなキシログルカナーゼ；ペルオキシダーゼ類、ラッカーゼ類、オキシゲナーゼ類（例えば、カテコール１，２ジオキシゲナーゼ）、ＰＣＴ国際特許９５／２６３９３により詳細に記述されているようなリポキシゲナーゼ、及び非ヘムハロペルオキシダーゼ類のような漂白酵素類といった他の酵素類も含んでよい。
【００２９】
プロテアーゼ対リパーゼの重量比が、少なくとも１．５：１、好ましくは少なくとも２：１、又は更に少なくとも３：１であることが好ましい場合がある。プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、１．５：１〜２．３：１、又は１．７：１〜２：１の範囲内にあることが好ましい場合がある。プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、少なくとも３．１：１、又は少なくとも３．５：１、又は少なくとも４：１、又は更に少なくとも５：１であることが好ましい場合がある。
【００３０】
該組成物は、好ましくは炭酸塩を含む。該組成物は、１重量％〜５０重量％の炭酸塩を含んでよい。該組成物が、５重量％〜５０重量％、又は１０重量％〜４０重量％、又は１０重量％〜２５重量％、又は１２重量％〜２５重量％の炭酸塩を含むことが好ましい場合がある。好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び／又は重炭酸ナトリウムである。極めて好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムである。炭酸塩又は少なくともその一部は、典型的には微粒子形態であり、典型的には２００〜５００マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。しかし、炭酸塩又は少なくともその一部が、微粉化した微粒子形態であり、典型的には４〜４０マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有するのが好ましい場合がある。このことは、炭酸塩又は少なくともその一部が非イオン性洗浄性界面活性剤との共同微粒子混合体の形態である場合に、特に好ましい。
【００３１】
該組成物は、高濃度の炭酸塩を含んでもよい。高濃度のカーボネートは、洗浄溶液のｐＨを高めることにより該組成物の洗浄性能を向上させる。この高められたアルカリ性は、漂白剤が存在する場合はその性能を向上させて、汚れを加水分解し易くし、それによって汚れを布地から取り除き易くし、更に洗浄すべき汚れのイオン化の速度と程度を増大させる。イオン化された汚れはより可溶性であり、洗濯プロセスの洗浄段階で布地から取り除き易い。更に、高濃度のカーボネートは該洗剤組成物が自由流動性微粒子形態である場合に、該洗剤組成物の流動性を向上させる。
【００３２】
しかし、炭酸塩アニオン類は該洗浄溶液中のカルシウムカチオン類と容易に錯体を形成し、炭酸カルシウムを形成する。炭酸カルシウムは非水溶性であり、洗浄溶液において溶液から析出して洗浄溶液中の布地上に沈着し得るために、白色度の維持が悪くなる。従って、該組成物が低濃度の炭酸塩を含むか、又は全く含まないことが好ましい場合がある。該組成物は、該組成物中のカーボネートの存在に伴う問題点を最小化するために０重量％〜１０重量％の炭酸塩を含んでよい。しかし、上記に詳細に述べたように、より高濃度の炭酸塩を該組成物中に組み込むのが望ましい。該組成物が少なくとも１０重量％の炭酸塩といった高濃度の炭酸塩を含む場合、該組成物は好ましくは更に炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる酸供給源を含む。該酸供給源は、スルファミン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸又はこれらの任意の混合物であることができる。特に好ましい酸供給源は、スルファミン酸である。好ましくは、炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる、該組成物中における炭酸塩対酸供給源の総量の重量比は、好ましくは５０：１未満、より好ましくは２５：１未満、又は１５：１未満、又は１０：１未満、又は更に５：１未満である。
【００３３】
洗浄溶液中の炭酸塩アニオン類の濃度が高すぎることによる望ましくない効果を最小化するために、該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量は好ましくは限定される。好ましい炭酸塩アニオン供給源は、炭酸塩類及び／又は過炭酸塩類である。好ましくは、該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量（炭酸塩アニオンを基準にした場合）は、炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる組成物中に存在する酸供給源の総量を完全に中和するために必要な炭酸塩アニオン供給源の理論量より７重量％〜１４重量％大きい。該組成物中の炭酸塩アニオン供給源の総量を、該組成物中の酸供給源の量との関係で上述したように調整することにより、該洗浄溶液中の炭酸塩アニオン類の濃度が高すぎることによる全ての望ましくない悪影響を最小化させながら、該組成物中に炭酸塩アニオン供給源を有することによる全ての利益が最大化される。
【００３４】
該組成物は、硫酸塩を含んでもよい。典型的に、該組成物は１重量％〜５０重量％の硫酸塩、又は１重量％〜３０重量％の硫酸塩を含む。好ましい硫酸塩は、硫酸ナトリウムである。硫酸塩又は少なくともその一部は、典型的には微粒子形態であり、典型的には６０〜２００マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。しかし、該硫酸塩又は少なくともその一部は、微粉化した微粒子形態であり、典型的には５〜６０マイクロメートル未満、好ましくは５〜４０マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有するのが好ましい。硫酸塩が粗微粒子形態であり、典型的には２００超〜８００マイクロメートルの重量平均粒径を有することが更に好ましい場合がある。
【００３５】
該組成物が、好ましくは６０重量％未満の、カーボネート及びサルフェート（例えば、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウム）を合わせた総量を含んでもよい。該組成物は、５５重量％未満、又は５０重量％未満、又は４５重量％未満、又は４０重量％未満の、カーボネート及びサルフェート（例えば、炭酸ナトリウム及び硫酸ナトリウム）を合わせた総量を含んでもよい。
【００３６】
該洗剤組成物が、低濃度のケイ酸塩を含むことが好ましい場合がある。好ましくは、該洗剤組成物は、１０重量％未満、又は０重量％〜５重量％、又は４重量％未満、又は２重量％未満のケイ酸塩を含む。該洗剤組成物が、ケイ酸塩を含まないことが更に好ましい場合がある。ケイ酸塩類は、非水溶性シリケート類を含む。ケイ酸塩類は、非晶質シリケート類及び結晶性層状シリケート類（例えば、ＳＫＳ−６）を含む。好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【００３７】
該組成物が少なくとも１重量％、又は少なくとも２重量％、又は少なくとも３重量％、又は少なくとも４重量％、又は更に少なくとも５重量％の高分子ポリカルボキシレート類を含むことが好ましい場合がある。好ましい高分子ポリカルボキシレート類には、好ましくは０．００１６ａｇ（１，０００ダルトン）〜０．０３３ａｇ（２０，０００ダルトン）の重量平均分子量を有するポリアクリレート類；好ましくはマレイン酸モノマー類対アクリル酸モノマー類のモル比が１：１〜１：１０であり、０．０１６ａｇ（１０，０００ダルトン）〜０．３３ａｇ（２００，０００ダルトン）の重量平均分子量を有するか、又は好ましくはマレイン酸モノマー類対アクリル酸モノマー類のモル比が０．３：１〜３：１であり、０．００１６ａｇ（１，０００ダルトン）〜０．０８３ａｇ（５０，０００ダルトン）の重量平均分子量を有する、マレイン酸とアクリル酸とのコポリマー類が挙げられる。
【００３８】
該組成物が、次式を有する汚れ分散剤を含むことが好ましいこともある。
【００３９】
ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である。他の好適な汚れ分散剤類は、次式を有するスルホネート又は硫酸化汚れ分散剤類である。
【００４０】
スルホン酸化又は硫酸化されたビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である。好ましくは、該組成物は、少なくとも１重量％又は少なくとも２重量％又は少なくとも３重量％の汚れ分散剤類を含み、典型的には上述の式を有する。
【００４１】
該組成物は典型的には、補助剤成分を含む。これらの補助剤成分には、好ましくはテトラアセチルエチレンジアミンのような漂白活性化剤、ノナノイルオキシベンゼンスルホネートのようなオキシベンゼンスルホネート漂白活性化剤類、カプロラクタム漂白活性化剤類、Ｎ−ノナノイル−Ｎ−メチルアセトアミドのようなイミド漂白活性化剤類、Ｎ，Ｎ−フタロイルアミノ（pthaloylamino）過酸化カプロン酸、ノニルアミド過酸化アジピン酸又は過酸化ジベンゾイルのような予め形成された過酸類と組み合わせた、過炭酸塩及び／又は過ホウ酸塩のような漂白剤；ジエチレントリアミンペンタアセテート、ジエチレントリアミンペンタ（メチルホスホン酸）、エチレンジアミン−Ｎ’Ｎ’−二コハク酸、エチレンジアミンテトラアセテート、エチレンジアミンテトラ（メチレンホスホン酸）及びヒドロキシエタンジ（メチレンホスホン酸）のようなキレート剤類；シリコーン系の泡抑制剤類のような泡抑制系類；光沢剤類；光漂白剤；充填剤塩類；粘土、シリコーン及び／又は第四級アンモニウム化合物類のような布地柔軟化剤類；ポリエチレンオキシドのような凝集剤類；ポリビニルピロリドン、ポリ４−ビニルピリジンＮ−オキシド及び／又はビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーのような移染防止剤類；イミダゾールとエピクロルヒドリン（epichlorhydrin）との縮合により生成される疎水変性セルロース及びオリゴマー類のような布地一体性成分（fabric integrity component）類；ポリカルボキシレート類、アルコキシル化ポリアミン類及びエトキシル化エチレンイミンポリマー類のような汚れ分散剤類及び汚れ再付着防止助剤類；並びにカルボキシメチルセルロース及びポリエステル類のような再付着防止成分が挙げられる。好ましくは、該組成物は１重量％未満の塩素漂白剤及び１重量％未満の臭素漂白剤を含む。好ましくは、該組成物は意図的に加えられた臭素漂白剤及び塩素漂白剤を含まない。
【００４２】
該組成物は、粒塊、噴霧乾燥された粉末（power）、押出品、フレーク、針状、麺状、ビード又はこれらの任意の組み合わせなどの粒状の形態であり得る。好ましくは、該洗剤組成物は、自由流動性粒子形態である。自由流動性微粒子形態の該洗剤組成物は、典型的には４５０ｇ／ｌ〜１，０００ｇ／ｌのバルク密度を有し、好ましい低バルク密度の洗剤組成物は、５５０ｇ／ｌ〜６５０ｇ／ｌのバルク密度を有し、好ましい高バルク密度の洗剤組成物は、７５０ｇ／ｌ〜９００ｇ／ｌのバルク密度を有する。洗濯プロセス中、該組成物は典型的には水と接触して、７超〜１１、好ましくは８〜１０．５のｐＨを有する洗浄溶液を提供する。
【００４３】
該組成物は、アグロメレーション、噴霧乾燥、押出、混合、乾式混合、液体スプレー式、ローラー圧縮、球形化又はこれらの任意の組み合わせを含むいかなる好適な方法によって作られてもよい。
【００４４】
本発明の第２の実施形態では、粒状洗濯洗剤組成物が提供され、それは洗浄性界面活性剤及び所望により酵素を含み、その組成物が、水と接触して、９．２ｇ／ｌの濃度及び２０℃の温度で、（ｉ）比濁法濁度単位５００未満の濁度と、（ｉｉ）８〜１２の範囲内にあるｐＨとを有する透明な洗浄溶液を形成する。好ましくは、得られた該洗浄溶液は、比濁法濁度単位４００未満、又は３００未満、又は１０〜３００の濁度を有する。該洗浄溶液の濁度は、典型的にはＨ１９３７０３マイクロプロセッサ濁度計を使用して測定される。該洗浄溶液の濁度の典型的な測定方法を次に示す。組成物９．２ｇをビーカーに入った１リットルの水に加えて、溶液を形成する。該溶液を５分間、６３ｒａｄ／ｓ（６００ｒｐｍ）、２０℃にて攪拌する。次に、メーカーの説明書に従ってＨ１９３７０３マイクロプロセッサ濁度計を使用して、該溶液の濁度を測定する。
【実施例】
【００４５】
実施例１
水性スラリー組成物
【表１】
【００４６】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述したような組成物を有する水性スラリーは、２５．８９％の湿分含量を有して調製される。水性スラリーは、７２℃に加熱され、高圧（５．５×１０６Ｎｍ−２〜６．０×１０６Ｎｍ−２）下で、空気入り口温度２７０℃〜３００℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込まれる。該水性スラリーは噴霧化され、該噴霧化されたスラリーは乾燥されて固体混合物が生成され、次に冷却されて大きすぎる物質（＞１．８ｍｍ）はふるいによって取り除かれ、自由流動性の噴霧乾燥された粉末を形成する。微細物質（＜０．１５ｍｍ）は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸して、塔後（post tower）の収容システム内に集められる。噴霧乾燥された粉末は、１．０重量％の湿分含量、４２７ｇ／ｌのバルク密度、及び９５．２重量％の該噴霧乾燥された粉末が１５０〜７１０マイクロメートルの粒径を有するような粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【００４７】
噴霧乾燥された粉末組成物
【表２】
【００４８】
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子は、２５ｋｇバッチを基準にして、直径１ｍのセメントミキサーを２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）にて使用して作られる。ハム・ケミー（Hamm Chemie）よりロムバック・ライヒトザルファート（Rombach Leichtsulfat）（登録商標）の商標名で供給されるライト・グレードの硫酸ナトリウム１８．９ｋｇを該ミキサーに追加し、次に７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する液体の形態のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール６．１ｋｇを該硫酸ナトリウム上に４０℃にて噴霧する。該混合物を３分間混合して、自由流動性の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００４９】
７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する、２４．４重量％のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール
７５．６重量％の硫酸ナトリウム
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の調製
実施例１の噴霧乾燥された粉末１０．１５ｋｇ、実施例１の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子２．９２ｋｇ及び他の個別に計量され乾燥状態で追加される材料１１．９３ｋｇ（総量）を２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）で作動する直径１ｍのコンクリートバッチミキサーに加える。他の全ての材料を該ミキサー内に計量して加えた後、該混合物を５分間混合し、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を形成する。本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については以下に述べる。
【００５０】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物
【表３】
【００５１】
実施例２
６．００重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤粒子（以下でより詳細に述べる）を乾燥状態で追加すること、及び乾燥状態で追加される炭酸ナトリウムの濃度が１９．２９重量％から１３．２９重量％に減少すること以外は、実施例１を繰り返す。
【００５２】
カチオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
カチオン性界面活性剤粒子は、モートンＦＭ−５０レーディゲ（Morton FM-50 Loedige）で１４．６ｋｇバッチを基準にして作られる。微粉化した硫酸ナトリウム４．５ｋｇと微粉化した炭酸ナトリウム４．５ｋｇとをミキサー内で予備混合する。主駆動源及びチョッパの両方を作動させながら、４０％活性モノＣ１２〜１４アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド（カチオン性界面活性剤）水溶液４．６ｋｇをミキサー内の微粉化した硫酸ナトリウム及び微粉化した炭酸ナトリウムに追加する。約２分間混合させた後、１．０ｋｇの重量比１：１の微粉化した硫酸ナトリウムと微粉化した炭酸ナトリウムとの混合物をダスティング剤としてミキサーに追加する。その結果得られた粒塊を集めて、１００〜１４０℃で２５００ｌ／分の空気を基準にして、３０分間、流体床乾燥機を使って乾燥させる。その結果得られた粉末をふるいにかけて、１４００μｍまでの部分をカチオン性界面活性剤粒子として集める。カチオン性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００５３】
１５重量％のモノＣ１２〜１４アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロライド
４０．７６重量％の炭酸ナトリウム
４０．７６重量％の硫酸ナトリウム
３．４８重量％の湿分及びその他
実施例３
２．５０重量％のスルファミン酸（ミックスグレード−ローディア（Rhodia）より供給）を、２．５０重量％のクエン酸の代わりに乾燥状態で追加すること以外は、実施例１を繰り返す。
【００５４】
実施例４
１．２５重量％のスルファミン酸（ミックスグレード−ローディア（Rhodia）より供給）を乾燥状態で追加すること、及び乾燥状態で追加されるクエン酸の濃度が２．５重量％から１．２５重量％に減少すること以外は、実施例１を繰り返す。
【００５５】
実施例５
水性スラリー組成物
【表４】
【００５６】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述したような組成物を有する水性スラリーは、３４．００％の湿分含量を有して調製される。水性スラリーは、７２℃に加熱され、高圧（５．５×１０６Ｎｍ−２〜６．０×１０６Ｎｍ−２）下で、空気入り口温度２７０℃〜３００℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込まれる。該水性スラリーは噴霧化され、該噴霧化されたスラリーは乾燥されて固体混合物が生成され、次に冷却されて大きすぎる物質（＞１．８ｍｍ）はふるいによって取り除かれ、自由流動性の噴霧乾燥された粉末を形成する。微細物質（＜０．１５ｍｍ）は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸して、塔後（post tower）の収容システム内に集められる。噴霧乾燥された粉末は、１．０重量％の湿分含量、４４０ｇ／ｌのバルク密度、及び９５．２重量％の該噴霧乾燥された粉末が１５０〜７１０マイクロメートルの粒径を有するような粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【００５７】
噴霧乾燥された粉末組成物
【表５】
【００５８】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の調製
噴霧乾燥された粉末１０．６１ｋｇ及び他の個別に計量され乾燥状態で追加される材料１３．７４ｋｇ（総量）を２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）で作動する直径１ｍのコンクリートバッチミキサーに加える。これら乾燥材料の追加に引き続いて、７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有するＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール０．５４ｋｇを、噴霧により該混合物に塗布する。これに続いて、０．１１ｋｇの香料を噴霧により塗布する。他の全ての材料を該ミキサー内に計量して加えた後、該混合物を５分間混合し、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を形成する。本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については以下に述べる。
【００５９】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物
【表６】
【００６０】
実施例６
０．９３重量％のスルファミン酸（ミックスグレード−ローディア（Rhodia）より供給）を、０．９３重量％のクエン酸の代わりに乾燥状態で追加すること以外は、実施例５を繰り返す。
【００６１】
実施例７
水性スラリー組成物
【表７】
【００６２】
噴霧乾燥された粉末の調製
上述の組成物を有する水性スラリーは、２９．８１％の湿分含量を有して調製される。水性スラリーは、温度６５℃〜８０℃に加熱され、高圧（５．５×１０６Ｎｍ−２〜６．０×１０６Ｎｍ−２）下で、空気入り口温度２７０℃〜３００℃の向流式噴霧乾燥塔内に送り込まれる。該水性スラリーは噴霧化され、該噴霧化されたスラリーは乾燥されて固体混合物が生成され、次に冷却されて大きすぎる物質（＞１．８ｍｍ）はふるいによって取り除かれ、自由流動性の噴霧乾燥された粉末を形成する。微細物質（＜０．１５ｍｍ）は、噴霧乾燥塔内の排気で水簸して、塔後（post tower）の収容システム内に集められる。その結果得られる噴霧乾燥された粉末の組成を以下に述べる。
【００６３】
噴霧乾燥された粉末組成物
【表８】
【００６４】
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
非イオン性洗浄性界面活性剤粒子は、２５ｋｇバッチを基準にして、直径１ｍのセメントミキサーを２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）にて使用して作られる。ハム・ケミー（Hamm Chemie）よりロムバック・ライヒトザルファート（Rombach Leichtsulfat）（登録商標）の商標名で供給されるライト・グレードの硫酸ナトリウム１８．９ｋｇを該ミキサーに追加し、次に７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する液体の形態のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール６．１ｋｇを該硫酸ナトリウム上に４０℃にて噴霧する。該混合物を３分間混合して、自由流動性の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。非イオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００６５】
７の平均エトキシル化度（ＡＥ７）を有する、２４．４重量％のＣ１４〜１５エトキシル化アルキルアルコール
７５．６重量％の硫酸ナトリウム
アニオン性洗浄性界面活性剤粒子の調製
直鎖アルキルベンゼンスルホネート粒子は、モートンＦＭ−５０レーディゲ（Morton FM-50 Loedige）で１４ｋｇバッチを基準にして作られる。主駆動源及びチョッパを作動させながら、微粉化した硫酸ナトリウム７．８４ｋｇ及び微粉化した炭酸ナトリウム２．７０ｋｇをまずミキサーに追加する。次に、直鎖アルキルベンゼンスルホネートペースト（７８重量％活性）３．４６ｋｇを該ミキサーに追加し、２分間混合して、混合物を生成する。その結果得られた混合物を集めて、１００〜１４０℃で２５００ｌ／分の空気を基準にして、３０分間、流動床乾燥機を使って乾燥させ、アニオン性洗浄性界面活性剤粒子を生成する。アニオン性洗浄性界面活性剤粒子の組成は、次の通りである。
【００６６】
２０重量％の直鎖アルキルベンゼンスルホネート
２０重量％の炭酸ナトリウム
５８重量％の硫酸ナトリウム
２重量％のその他及び水
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の調製
実施例９の噴霧乾燥された粉末１０．１５ｋｇ、実施例９の非イオン性洗浄性界面活性剤粒子２．２６ｋｇ、実施例９のアニオン性洗浄性界面活性剤粒子８．５ｋｇ及び他の個別に計量され乾燥状態で追加される材料４．０９ｋｇ（総量）を２．５ｒａｄ／ｓ（２４ｒｐｍ）で作動する直径１ｍのコンクリートバッチミキサーに加える。他の全ての材料を該ミキサー内に計量して加えた後、該混合物を５分間混合し、本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物を形成する。本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物の処方については以下に述べる。
【００６７】
本発明に従う粒状洗濯洗剤組成物
【表９】
【００６８】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、どの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【００６９】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
（ｉ）８重量％〜５５重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉ）２重量％〜８重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉｉ）０重量％〜４重量％のゼオライトビルダーと、
（ｉｖ）０重量％〜４重量％のリン酸塩ビルダーと、
（ｖ）所望により、酵素と
を含む、粒状洗濯洗剤組成物。
【請求項２】
（ｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼの量のプロテアーゼと、
（ｉｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも５ｍｇの活性リパーゼの量のリパーゼと
を含み、
前記プロテアーゼ対リパーゼの重量比が、少なくとも１．５：１である、請求項１に記載の組成物。
【請求項３】
前記組成物が自由流動性微粒子形態であり、
（ｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼの量のプロテアーゼと、
（ｉｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも４ｍｇの活性アミラーゼの量のアミラーゼと
を含み、
前記プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、１．５：１〜２．３：１の範囲内にある、請求項１又は２に記載の組成物。
【請求項４】
（ｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼの量のプロテアーゼと、
（ｉｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも４ｍｇの活性アミラーゼの量のアミラーゼと
を含み、
前記プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、少なくとも３．１：１である、請求項１〜３のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項５】
（ｉ）６重量％〜１２重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉ）４重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と
を含み、
該アニオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部及び該非イオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、共同微粒子混合体の形態であり、該共同微粒子混合体が、噴霧乾燥された粉末の形態である、請求項１〜４のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項６】
（ｉ）１０重量％〜１６重量％の直鎖アルキルベンゼンスルホネートと、
（ｉｉ）２重量％〜４重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉｉ）石鹸と
を含み、
該直鎖アルキルベンゼンスルホネートの少なくとも一部が、石鹸との共同微粒子混合体にあり、直鎖アルキルベンゼンスルホネートと石鹸との該共同微粒子混合体が噴霧乾燥形態であり、該非イオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、石鹸との共同微粒子混合体の形態であり、非イオン性洗浄性界面活性剤と石鹸との該共同微粒子混合体が、非噴霧乾燥形態である、請求項１〜５のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項７】
前記組成物が、０重量％〜１０重量％の炭酸塩を含む、請求項１〜６のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項８】
（ｉ）少なくとも１０重量％の炭酸塩と、
（ｉｉ）炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる酸供給源と
を含み、
前記炭酸塩対酸供給源の重量比が、１５：１未満である、請求項１〜７のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項９】
（ｉ）炭酸塩アニオン供給源と、
（ｉｉ）炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる酸供給源と
を含み、
ここで炭酸塩アニオンを基準にした場合の該組成物中の該炭酸塩アニオン供給源の総量が、炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる該組成物中に存在する該酸供給源の総量を完全に中和するために必要な該炭酸塩アニオン供給源の理論量より７重量％〜１４重量％大きい、請求項１〜８のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１０】
前記組成物が、０重量％〜５重量％のケイ酸塩を含む、請求項１〜９のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１１】
前記組成物が、少なくとも２重量％の高分子ポリカルボキシレートを含む、請求項１〜１０のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１２】
前記組成物が、ゼオライトビルダーを含まない、請求項１〜１１のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１３】
前記組成物が、リン酸塩ビルダーを含まない、請求項１〜１２のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１４】
前記組成物が、０．５重量％〜６重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤を含む、請求項１〜１３のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１５】
前記組成物が、次式を有する汚れ分散剤を含み、
ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である、請求項１〜１４のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１６】
前記組成物が、次式を有する汚れ分散剤を含み、
スルホン酸化又は硫酸化されたビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である、請求項１〜１５のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１７】
前記組成物が、少なくとも２重量％の汚れ分散剤を含む、請求項１〜１６のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１８】
前記組成物が、スルファミン酸及び／又はその水溶性塩類を含む、請求項１〜１７のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１９】
前記アニオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、押出品の形態である、請求項１〜１８のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２０】
前記アニオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、凝集体の形態である、請求項１〜１９のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２１】
前記非イオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、噴霧乾燥された粉末の形態である、請求項１〜２０のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２２】
前記組成物が、自由流動性微粒子形態である、請求項１〜２１のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２３】
組成物が、水と接触して、９．２ｇ／ｌの濃度及び２０℃の温度で、
（ｉ）比濁法濁度単位５００未満の濁度と、
（ｉｉ）８〜１２の範囲内にあるｐＨと
を有する透明な洗浄溶液を形成する、洗浄性界面活性剤及び所望により酵素を含む粒状洗濯組成物。
【請求項１】
（ｉ）８重量％〜５５重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉ）２重量％〜８重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉｉ）０重量％〜４重量％のゼオライトビルダーと、
（ｉｖ）０重量％〜４重量％のリン酸塩ビルダーと、
（ｖ）所望により、酵素と
を含む、粒状洗濯洗剤組成物。
【請求項２】
（ｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼの量のプロテアーゼと、
（ｉｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも５ｍｇの活性リパーゼの量のリパーゼと
を含み、
前記プロテアーゼ対リパーゼの重量比が、少なくとも１．５：１である、請求項１に記載の組成物。
【請求項３】
前記組成物が自由流動性微粒子形態であり、
（ｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼの量のプロテアーゼと、
（ｉｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも４ｍｇの活性アミラーゼの量のアミラーゼと
を含み、
前記プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、１．５：１〜２．３：１の範囲内にある、請求項１又は２に記載の組成物。
【請求項４】
（ｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも１１ｍｇの活性プロテアーゼの量のプロテアーゼと、
（ｉｉ）該組成物１００ｇにつき、少なくとも４ｍｇの活性アミラーゼの量のアミラーゼと
を含み、
前記プロテアーゼ対アミラーゼの重量比が、少なくとも３．１：１である、請求項１〜３のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項５】
（ｉ）６重量％〜１２重量％のアニオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉ）４重量％〜６重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と
を含み、
該アニオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部及び該非イオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、共同微粒子混合体の形態であり、該共同微粒子混合体が、噴霧乾燥された粉末の形態である、請求項１〜４のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項６】
（ｉ）１０重量％〜１６重量％の直鎖アルキルベンゼンスルホネートと、
（ｉｉ）２重量％〜４重量％の非イオン性洗浄性界面活性剤と、
（ｉｉｉ）石鹸と
を含み、
該直鎖アルキルベンゼンスルホネートの少なくとも一部が、石鹸との共同微粒子混合体にあり、直鎖アルキルベンゼンスルホネートと石鹸との該共同微粒子混合体が噴霧乾燥形態であり、該非イオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、石鹸との共同微粒子混合体の形態であり、非イオン性洗浄性界面活性剤と石鹸との該共同微粒子混合体が、非噴霧乾燥形態である、請求項１〜５のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項７】
前記組成物が、０重量％〜１０重量％の炭酸塩を含む、請求項１〜６のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項８】
（ｉ）少なくとも１０重量％の炭酸塩と、
（ｉｉ）炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる酸供給源と
を含み、
前記炭酸塩対酸供給源の重量比が、１５：１未満である、請求項１〜７のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項９】
（ｉ）炭酸塩アニオン供給源と、
（ｉｉ）炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる酸供給源と
を含み、
ここで炭酸塩アニオンを基準にした場合の該組成物中の該炭酸塩アニオン供給源の総量が、炭酸塩アニオンとの酸／塩基反応に耐えることができる該組成物中に存在する該酸供給源の総量を完全に中和するために必要な該炭酸塩アニオン供給源の理論量より７重量％〜１４重量％大きい、請求項１〜８のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１０】
前記組成物が、０重量％〜５重量％のケイ酸塩を含む、請求項１〜９のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１１】
前記組成物が、少なくとも２重量％の高分子ポリカルボキシレートを含む、請求項１〜１０のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１２】
前記組成物が、ゼオライトビルダーを含まない、請求項１〜１１のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１３】
前記組成物が、リン酸塩ビルダーを含まない、請求項１〜１２のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１４】
前記組成物が、０．５重量％〜６重量％のカチオン性洗浄性界面活性剤を含む、請求項１〜１３のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１５】
前記組成物が、次式を有する汚れ分散剤を含み、
ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である、請求項１〜１４のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１６】
前記組成物が、次式を有する汚れ分散剤を含み、
スルホン酸化又は硫酸化されたビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）（ＣＨ３）−Ｎ＋−ＣｘＨ２ｘ−Ｎ＋−（ＣＨ３）−ビス（（Ｃ２Ｈ５Ｏ）（Ｃ２Ｈ４Ｏ）ｎ）
式中、ｎは２０〜３０であり、ｘは３〜８である、請求項１〜１５のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１７】
前記組成物が、少なくとも２重量％の汚れ分散剤を含む、請求項１〜１６のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１８】
前記組成物が、スルファミン酸及び／又はその水溶性塩類を含む、請求項１〜１７のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項１９】
前記アニオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、押出品の形態である、請求項１〜１８のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２０】
前記アニオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、凝集体の形態である、請求項１〜１９のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２１】
前記非イオン性洗浄性界面活性剤の少なくとも一部が、噴霧乾燥された粉末の形態である、請求項１〜２０のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２２】
前記組成物が、自由流動性微粒子形態である、請求項１〜２１のいずれか１項に記載の組成物。
【請求項２３】
組成物が、水と接触して、９．２ｇ／ｌの濃度及び２０℃の温度で、
（ｉ）比濁法濁度単位５００未満の濁度と、
（ｉｉ）８〜１２の範囲内にあるｐＨと
を有する透明な洗浄溶液を形成する、洗浄性界面活性剤及び所望により酵素を含む粒状洗濯組成物。
【公表番号】特表２００７−５２２３３１（Ｐ２００７−５２２３３１Ａ）
【公表日】平成１９年８月９日（２００７．８．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−５５３３７７（Ｐ２００６−５５３３７７）
【出願日】平成１７年２月２３日（２００５．２．２３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００５／００５８６２
【国際公開番号】ＷＯ２００５／０８３０４６
【国際公開日】平成１７年９月９日（２００５．９．９）
【出願人】（５９０００５０５８）ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成１９年８月９日（２００７．８．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年２月２３日（２００５．２．２３）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２００５／００５８６２
【国際公開番号】ＷＯ２００５／０８３０４６
【国際公開日】平成１７年９月９日（２００５．９．９）
【出願人】（５９０００５０５８）ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Ｆターム（参考）】
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