説明

アプローチ部の施工方法

【課題】工事期間中の車線規制を少なくすることができる立体交差道路のアプローチ部の施工方法を提供する。
【解決手段】上下方向に伸縮自在な伸縮脚30を、高架部の末端の橋脚10から高架部の道路の延長方向に間隔を空けて設け、伸縮脚30を橋脚10と同等の高さに伸張させた状態で、橋脚10と伸縮脚30との上端部間にアプローチ桁20を架設し、アプローチ桁20の橋脚10側の端部を橋脚10の上端部に設けたヒンジ15に固定し、その後、アプローチ桁20の下面を支持する伸縮脚30を収縮させることで、ヒンジ15を中心としてアプローチ桁20を回転させ、橋脚10と反対側の端部が下部道路1に当接するまでアプローチ桁20を下降させることでアプローチ部が構築されるので、その工程の大半が下部道路1の上方で行われ、その間に下部道路1を使用し続けることができ、工事期間中の車線規制を少なくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架部の道路と下部道路とを連続させるアプローチ部の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交通渋滞を緩和させるべく、立体交差道路の建設が各地で計画されている。立体交差道路は、橋梁が用いられる高架部の道路と、地上の道路と高架部の道路とを連続させるアプローチ部とからなる。アプローチ部は、通常は、まず擁壁を構築し、擁壁の背後に土質材料等を締め固めて計画道路高さとなるように盛土を施行することで構築される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−248554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、アプローチ部を通常の盛土により構築する従来の工法では、アプローチ部となる部分の両側部に工事占有帯を設ける必要があり、車線規制により工事中の交通渋滞が悪化するおそれがある。
【0004】
本発明の課題は、工事期間中の車線規制を少なくすることができる立体交差道路のアプローチ部の施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、高架部の道路と下部道路とを連続させるアプローチ部の施工方法であって、上下方向に伸縮自在な伸縮脚を、高架部の末端の橋脚から高架部の道路の延長方向に間隔を空けて設け、次いで、伸縮脚を橋脚と同等の高さに伸張させた状態で、橋脚と伸縮脚との上端部間にアプローチ桁を架設し、アプローチ桁の橋脚側の端部を橋脚の上端部に設けたヒンジに固定することで、ヒンジを中心としてアプローチ桁を上下方向に回転可能とし、その後、アプローチ桁の下面を支持する伸縮脚を収縮させることで、ヒンジを中心としてアプローチ桁を回転させ、橋脚と反対側の端部が下部道路に当接するまでアプローチ桁を下降させることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、高架部の道路と下部道路とを連続させるアプローチ部の施工方法であって、橋脚よりも高さが低い固定脚及び上下方向に伸縮自在な伸縮装置を、高架部の末端の橋脚から高架部の道路の延長方向に間隔を空けて設け、次いで、伸縮脚を橋脚と同等の高さに伸張させた状態で、橋脚と伸縮脚との上端部間にアプローチ桁を架設し、アプローチ桁の橋脚側の端部を橋脚の上端部に設けたヒンジに固定し、ヒンジを中心としてアプローチ桁を上下方向に回転可能とし、その後、アプローチ桁の下面を支持する伸縮脚を収縮させることで、橋脚への固定部を中心としてアプローチ桁を回転させ、橋脚と反対側の端部が下部道路に当接するまでアプローチ桁を下降させ、下降後のアプローチ桁を固定脚に支持させることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のアプローチ部の施工方法であって、アプローチ桁を下降させた後に、アプローチ桁の下端部の上面と下部道路との不陸、及びアプローチ桁の上端部の上面と高架部の道路との不陸を整形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、橋脚と同等の高さに伸張させた伸縮脚と橋脚との上端部間にアプローチ桁を架設し、アプローチ桁の橋脚側の端部を橋脚の上端部に設けたヒンジに固定し、その後、アプローチ桁の下面を支持する伸縮脚を収縮させることで、ヒンジを中心としてアプローチ桁を回転させ、橋脚と反対側の端部が下部道路に当接するまでアプローチ桁を下降させることでアプローチ部が構築されるので、その工程の大半が下部道路の上方で行われるため、その間に下部道路を使用し続けることができ、工事期間中の車線規制を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1、図2は本発明が適用される立体交差道路のアプローチ部の施工概要図であり、図1はアプローチ部の道路の側方から見た側面図、図2はアプローチ部の道路方向と垂直な断面図である。アプローチ部は、高架部の末端となる橋桁13を支持する橋脚10と、伸縮脚30と、橋脚10と伸縮脚30との間に架設されるアプローチ桁20と、伸縮脚30とアプローチ桁20とを接続するジョイント部40とから概略構成される。
【0010】
〔橋脚〕
橋脚10は下部道路1の地盤内に打設された杭基礎11及びフーチング12を有している。橋脚10の上部には高架部の末端となる橋桁13を支持する桁支承14が設けられている。また、橋脚10の上部には、桁支承14が設けられた部分と反対側に、アプローチ桁20を取り付けるヒンジ15が設けられている。ヒンジ15には、水平方向かつアプローチ桁20の長さ方向と垂直な回転軸16が設けられ、アプローチ桁20を上下方向に回転可能とする。
【0011】
〔アプローチ桁〕
アプローチ桁20は、例えば鋼製またはプレキャストコンクリート製であり、図1(b)に示すように坂道を形成し、高架部の道路と下部道路1とを連続させる役割を果たす。
アプローチ桁20の高架部に連続される一端部は、橋脚10に設けたヒンジ15に取り付けられる。アプローチ桁20の他端部はヒンジ15を中心として上下方向に回動し、後述するように下部道路1の上に当接されることで、高架部の道路と下部道路1とを連続させる。
また、アプローチ桁20の中間部の下面には、アプローチ桁20を伸縮脚30と接続するジョイント部40が設けられている。
【0012】
〔伸縮脚〕
伸縮脚30は、橋脚10から高架部の延長方向に、アプローチ桁20の長さよりも短い距離を空けた位置に設けられている。伸縮脚30は、下部道路1の地盤内に打設された杭基礎31及びフーチング32と、フーチング32の上部にアンカー(図示せず)で固定された伸縮装置33とからなる。伸縮装置33は上部にアプローチ桁20を支持した状態で、上下方向に伸縮する。伸縮装置33としては、例えば油圧シリンダや、油圧シリンダを用いたデッキリフト等を用いることができる。
【0013】
〔ジョイント部〕
伸縮脚30の上端部には、伸縮装置33の上端部をアプローチ桁20の下面と接続するジョイント部40が設けられる。ジョイント部40は、アプローチ桁20側に設けられた連結軸41と、伸縮装置33側に設けられた連結軸42と、連結軸41,42を保持するリンク43とを有する。
連結軸41,42は、水平方向かつアプローチ桁20の長さ方向と垂直に、すなわち回転軸16と平行に設けられている。リンク43は連結軸41を中心としてアプローチ桁20に対して回転可能に設けられているとともに、連結軸42を中心として伸縮脚30に対して回転可能に設けられている。
【0014】
伸縮装置33を収縮させると、リンク43が連結軸42を中心として回転するとともに、アプローチ桁20がヒンジ15の回転軸16を中心として回転し、連結軸42と回転軸16との距離が増大する。
ここで、連結軸41,42間の距離をa(一定)、連結軸41と回転軸16との距離をb(一定)、連結軸42と回転軸16との距離をc(変動)とすると、c<b+aとなる。したがって、伸縮脚30とアプローチ桁20とがリンク43で接続されていることにより、連結軸42と回転軸16との距離の増大に対応することができる。
【0015】
<施工方法>
次に、アプローチ部の施工方法について説明する。
〔1〕伸縮脚の構築
まず、橋脚10から高架部の延長方向に距離を空けた位置に伸縮脚30を設ける。伸縮脚30を設けるには、杭基礎31、フーチング32を下部道路1の地盤内に打設し、その後、フーチング32上に伸縮装置33をアンカーで固定する。
【0016】
〔2〕アプローチ桁の架設
次に、伸縮脚30を橋脚10と同等の高さに伸張させた状態で、アプローチ桁20を橋脚10の上端部と伸縮脚30の上端部との間に架設する。アプローチ桁20の架設は、高架部の他の橋桁を橋脚10間に仮設するのと同様の工法により架設することができる。
【0017】
〔3〕ジョイント部の接続
次に、伸縮装置33の上端部に設けられた連結軸42にリンク43を接続し、次いでアプローチ桁20の橋脚10側の端部をヒンジ15で橋脚10に回転可能に固定するとともに、アプローチ桁20の下面に設けられた連結軸41にリンク43を接続する(図1(a))。
なお、この工程までは、下部道路1の上方で行われるため、アプローチ桁20の下部を道路として使用し続けることができる(図2(a))。
【0018】
〔4〕アプローチ桁の下降
その後、伸縮装置33を収縮させると、リンク43が連結軸42を中心として回転するとともに、アプローチ桁20がヒンジ15を中心として回転し、アプローチ桁20のヒンジ15と反対側の端部が下降する(図1(b)、図2(b))。
なお、伸縮装置33を収縮させるときはアプローチ桁20の下部を道路として使用することができないので、以後、下部道路1の車線規制を行う。
【0019】
〔5〕不陸整形
アプローチ桁20のヒンジ15と反対側の端部を下部道路1と当接するまで下降させたら、アプローチ桁20の下端部の上面と下部道路1との不陸、アプローチ桁20の上端部の上面と高架部の道路との不陸を、アスファルト等の材料で整形する。
以上により、下部道路1と高架部の道路とが連続した道路となる(図1(b))。
【0020】
上記アプローチ部の施工方法によれば、その工程の大半が下部道路1の上方で行われるため、その間に下部道路1を使用し続けることができ、工事期間中の車線規制を少なくすることができる。さらに、アプローチ桁20の下降後、上部道路を早期に完成させて使用可能とすることで、工事期間中の車線規制を最低限ですませることができる。
【0021】
<変形例1>
なお、ジョイント部40を以下に説明するような構造のジョイント部40Bとしてもよい。
図3に示すように、ジョイント部40Bは、伸縮装置33側に設けられた連結軸42と、アプローチ桁20側に設けられた長穴部44とを有する。
連結軸42は、水平方向かつアプローチ桁20の長さ方向と垂直に、すなわち回転軸16と平行に設けられている。
長穴部44には、連結軸42が挿通される長穴45が設けられている。長穴45はアプローチ桁20の長さ方向に延設されており、長穴45に挿通された連結軸42はアプローチ桁20の長さ方向にスライド可能とされている。したがって、ジョイント部40Bは、伸縮脚30の上端部に対して、アプローチ桁20を長さ方向にスライド可能に接続する。
【0022】
変形例1の施工方法では、〔3〕ジョイント部の接続、〔4〕アプローチ桁の下降、の各工程が異なるので、以下に説明する。
まず、〔1〕伸縮脚の構築、〔2〕アプローチ桁の架設、を第1実施形態と同様に行う。
【0023】
〔3B〕ジョイント部の接続
アプローチ桁20の一端をヒンジ15で橋脚10に回転可能に固定するとともに、アプローチ桁20の下面に設けられた長穴部44に、伸縮装置33の上端部に設けられた連結軸42を挿通させて伸縮脚30とアプローチ桁20とを接続する(図3(a))。
なお、この工程までは、下部道路1の上方で行われ、アプローチ桁20の下部を道路として使用し続けることができることは第1実施形態と同様である。
【0024】
〔4B〕アプローチ桁の下降
伸縮装置33を収縮させると、連結軸42が長穴部44に対してアプローチ桁20の長さ方向にスライドしながら、アプローチ桁20がヒンジ15を中心として回転し、アプローチ桁20のヒンジ15と反対側の端部が下降する(図3(b))。
なお、伸縮装置33を収縮させるときはアプローチ桁20の下部を道路として使用することができないので、以後、下部道路1の車線規制を行うことは第1実施形態と同様である。
【0025】
その後、〔5〕不陸整形、を第1実施形態と同様に行う。以上により、下部道路1と高架部の道路とが連続した道路となる。
【0026】
<変形例2>
また、ジョイント部40を以下に説明するような構造のジョイント部40Cとしてもよい。
ジョイント部40Cは、伸縮装置33側に設けられた連結軸42と、リンク43と、連結軸41と、アプローチ桁20側に設けられた長穴部44とを有する。
連結軸42は、水平方向かつアプローチ桁20の長さ方向と垂直に、すなわち回転軸16と平行に設けられている。リンク43は一方の端部で連結軸42に取り付けられており、リンク43の他方の端部には連結軸と平行な連結軸41が設けられている。リンク43及び連結軸41は連結軸42を中心として伸縮脚30に対して回転可能に設けられている。
長穴部44には、連結軸41が挿通される長穴45が設けられている。長穴45はアプローチ桁20の長さ方向に延設されており、長穴45に挿通された連結軸41はアプローチ桁20の長さ方向にスライド可能とされている。
したがって、ジョイント部40Cは、伸縮脚30の上端部に対して、アプローチ桁20を長さ方向にスライド可能に接続する。
【0027】
変形例2の施工方法では、〔3〕ジョイント部の接続、〔4〕アプローチ桁の下降、の各工程が異なるので、以下に説明する。
まず、〔1〕伸縮脚の構築、〔2〕アプローチ桁の架設、を第1実施形態と同様に行う。
【0028】
〔3C〕ジョイント部の接続
伸縮装置33の上端部に設けられた連結軸42にリンク43の一端部を接続する。次いで、アプローチ桁20の一端をヒンジ15で橋脚10に回転可能に固定するとともに、アプローチ桁20の下面に設けられた長穴部44に、リンク43の他端部に設けられた連結軸41を挿通させて伸縮脚30とアプローチ桁20とを接続する(図4(a))。
なお、この工程までは、下部道路1の上方で行われ、アプローチ桁20の下部を道路として使用し続けることができることは第1実施形態、変形例1と同様である。
【0029】
〔4C〕アプローチ桁の下降
伸縮装置33を収縮させると、リンク43が連結軸42を中心として回転するとともに、連結軸41が長穴部44に対してアプローチ桁20の長さ方向にスライドし、アプローチ桁20がヒンジ15を中心として回転して、アプローチ桁20のヒンジ15と反対側の端部が下降する(図4(b))。
なお、伸縮装置33を収縮させるときはアプローチ桁20の下部を道路として使用することができないので、以後、下部道路1の車線規制を行うことは第1実施形態、変形例1と同様である。
【0030】
その後、〔5〕不陸整形、を第1実施形態、変形例1と同様に行う。
以上により、下部道路1と高架部の道路とが連続した道路となる。
【0031】
変形例1や変形例2の施工方法においても、その工程の大半が下部道路1の上方で行われるため、その間に下部道路1を使用し続けることができ、工事期間中の車線規制を少なくすることができる。さらに、アプローチ桁20の下降後、上部道路を早期に完成させて使用可能とすることで、工事期間中の車線規制を最低限ですませることができる。
【0032】
<第2実施形態>
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図5は本発明が適用される立体交差道路のアプローチ部の施工概要図である。アプローチ部は、高架部の末端となる橋桁13を支持する橋脚10と、伸縮装置34と、固定脚50と、橋脚10と固定脚50との間に架設されるアプローチ桁20とから概略構成される。なお、橋脚10、アプローチ桁20については第1実施形態と同様であるので説明を割愛する。
【0033】
〔伸縮装置〕
第2実施形態の伸縮装置34は、第1実施形態の伸縮脚30の伸縮装置33と同様に、例えば油圧シリンダや、油圧シリンダを用いたデッキリフト等を用いることができるが、下部道路1上に直接固定される。伸縮装置33の上部には、第1実施形態と同様にジョイント部40が設けられる。
【0034】
〔固定脚〕
固定脚50は、図5に示すように、下部道路1の地盤内に打設された杭基礎51及びフーチング52と、フーチング52上に構築された本体部53とを有している。本体部53の上部には、図示しないが、アプローチ桁20と接続される支承または金具が取り付けられる。
【0035】
第2実施形態の施工方法では、〔1〕伸縮脚の構築、の工程の代わりに、固定脚50の構築と伸縮装置34の設置を行う工程が加わる。また、〔4〕アプローチ桁の下降、の後に伸縮装置34を撤去する工程が加わるので、以下に説明する。
【0036】
〔1B〕固定脚の構築及び伸縮装置の設置
まず、橋脚10から高架部の延長方向に距離を空けた位置地盤内に、杭基礎51、フーチング52を打設し、その上部に固定脚50の本体部53を構築する。その後、固定脚50の近傍の下部道路1上に直接、伸縮装置34を固定する。
なお、図では橋脚10、固定脚50、伸縮装置34がアプローチ桁20の長さ方向に並んでおり、橋脚10と固定脚50との間に伸縮装置34が設けられているが、橋脚10と伸縮装置34との間に固定脚50を設けてもよい。
【0037】
次に、〔2〕アプローチ桁の架設、〔3〕ジョイント部の接続(図5(a))、〔4〕アプローチ桁の下降(図5(b))、を第1実施形態と同様に行う。
【0038】
〔4−2〕伸縮装置の撤去
アプローチ桁20のヒンジ15と反対側の端部を下部道路1と当接するまで下降させたら、本体部53の上部に設けられた金具をアプローチ桁20と接続し、さらにアプローチ桁20と本体部53との間にコンクリートを打設する等により固定脚50に固定する。
アプローチ桁20を固定脚50に固定したら、ジョイント部40によるアプローチ桁20と伸縮装置34との接続を解除し、伸縮装置34を下部道路1上から撤去する。
【0039】
その後、〔5〕不陸整形、を行うことにより、下部道路1と高架部の道路とが連続した道路となる。
第2実施形態の施工方法においても、その工程の大半が下部道路1の上方で行われるため、その間に下部道路1を使用し続けることができ、工事期間中の車線規制を少なくすることができる。さらに、アプローチ桁20の下降後、上部道路を早期に完成させて使用可能とすることで、工事期間中の車線規制を最低限ですませることができる。
また、伸縮装置34を取り外し、より耐用年数の長い固定脚50によりアプローチ桁20を支持させることができる。
【0040】
<変形例3>
第2実施形態において、変形例1と同様のジョイント部40Bを用いてもよい。
変形例3の施工方法では、〔1B〕固定脚の構築及び伸縮装置の設置、〔2〕アプローチ桁の架設、を行った後、〔3B〕ジョイント部の接続(図6(a))、〔4B〕アプローチ桁の下降(図6(b))、〔4−2〕伸縮装置の撤去、〔5〕不陸整形、を順に行う。
【0041】
<変形例4>
第2実施形態において、変形例2と同様のジョイント部40Cを用いてもよい。
変形例3の施工方法では、〔1B〕固定脚の構築及び伸縮装置の設置、〔2〕アプローチ桁の架設、を行った後、〔3C〕ジョイント部の接続(図7(a))、〔4C〕アプローチ桁の下降(図7(b))、〔4−2〕伸縮装置の撤去、〔5〕不陸整形、を順に行う。
【0042】
変形例3や変形例4の施工方法においても、その工程の大半が下部道路1の上方で行われるため、その間に下部道路1を使用し続けることができ、工事期間中の車線規制を少なくすることができる。さらに、アプローチ桁20の下降後、上部道路を早期に完成させて使用可能とすることで、工事期間中の車線規制を最低限ですませることができる。
また、伸縮装置34を取り外し、より耐用年数の長い固定脚50によりアプローチ桁20を支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a),(b)ともに本発明の第1実施形態のアプローチ部の施工方法を示す側面図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明のアプローチ部の施工方法を示す垂直断面図である。
【図3】(a),(b)ともに変形例1のアプローチ部の施工方法を示す側面図である。
【図4】(a),(b)ともに変形例2のアプローチ部の施工方法を示す側面図である。
【図5】(a),(b)ともに本発明の第2実施形態のアプローチ部の施工方法を示す側面図である。
【図6】(a),(b)ともに変形例3のアプローチ部の施工方法を示す側面図である。
【図7】(a),(b)ともに変形例4のアプローチ部の施工方法を示す側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 下部道路
10 橋脚
20 アプローチ桁
30 伸縮脚
33,34 伸縮装置
50 固定脚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架部の道路と下部道路とを連続させるアプローチ部の施工方法であって、
上下方向に伸縮自在な伸縮脚を、高架部の末端の橋脚から高架部の道路の延長方向に間隔を空けて設け、
次いで、伸縮脚を橋脚と同等の高さに伸張させた状態で、橋脚と伸縮脚との上端部間にアプローチ桁を架設し、
アプローチ桁の橋脚側の端部を橋脚の上端部に設けたヒンジに固定することで、ヒンジを中心としてアプローチ桁を上下方向に回転可能とし、
その後、アプローチ桁の下面を支持する伸縮脚を収縮させることで、ヒンジを中心としてアプローチ桁を回転させ、橋脚と反対側の端部が下部道路に当接するまでアプローチ桁を下降させることを特徴とするアプローチ部の施工方法。
【請求項2】
高架部の道路と下部道路とを連続させるアプローチ部の施工方法であって、
橋脚よりも高さが低い固定脚及び上下方向に伸縮自在な伸縮装置を、高架部の末端の橋脚から高架部の道路の延長方向に間隔を空けて設け、
次いで、伸縮脚を橋脚と同等の高さに伸張させた状態で、橋脚と伸縮脚との上端部間にアプローチ桁を架設し、
アプローチ桁の橋脚側の端部を橋脚の上端部に設けたヒンジに固定することで、ヒンジを中心としてアプローチ桁を上下方向に回転可能とし、
その後、アプローチ桁の下面を支持する伸縮脚を収縮させることで、橋脚への固定部を中心としてアプローチ桁を回転させ、橋脚と反対側の端部が下部道路に当接するまでアプローチ桁を下降させ、
下降後のアプローチ桁を固定脚に支持させることを特徴とするアプローチ部の施工方法。
【請求項3】
アプローチ桁を下降させた後に、アプローチ桁の下端部の上面と下部道路との不陸、及びアプローチ桁の上端部の上面と高架部の道路との不陸を整形することを特徴とする請求項1または2に記載のアプローチ部の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−247266(P2007−247266A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72222(P2006−72222)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【出願人】(303029007)川鉄橋梁鉄構株式会社 (5)
【Fターム(参考)】