説明

アミノ−トロパン誘導体、その調製及び治療上のその使用

本発明は、一般式(I)のアミノ−トロパン誘導体に関する。式中、Ra’及びRは水素原子又はアルキル基であり、Rは水素原子及びアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル又はアリール基であり、Rは式−(CH−(CO)−Y又は−(CO)−(CH−Yの基(式中、Yは水素原子又はヒドロキシ、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール基若しくはNR1112である。)であり、Rはハロゲン原子並びにアルキル、シクロアルキル OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NR−COOR’、−NO、−CN及びCOOR基から選択される1から3個の基であり、Rは式(a)、(b)、(c)若しくは(d)の基から選択され、又は式−A−R18、−A−CH=N−R19、−A−N(R20)−A’−R19、−A−CO−N(R20)−A’−R19、−A−CH(NH)−R19、−A−N(R20)−COO−A’若しくは−(CH)r−ヘテロアリールの基から選択される。本発明は、前記誘導体を調製する方法及び治療上のその使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラノコルチン受容体作用物質である化合物、その調製及び治療上のその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
メラノコルチン受容体(MC−R)は、Gタンパク質共役7回膜貫通領域受容体スーパーファミリーに属する。その伝達経路はcAMPの産生を必要とする(Cone, R.D., Recent Prog. Horm. Res., 1996, 51, 287)。現在、5つのMC−Rサブタイプ、MC1−R、MC2−R、MC3−R、MC4−R及びMC5−Rが記述され、主要なものとして脳(MC3、4、5−R)、外分泌腺(MC5−R)、副腎(MC2−R)、皮膚(MC1−R)などの様々な組織において発現される。MC−Rの天然リガンドは、作用物質に関してはACTH並びにα−、β−及びγ−MSHであり、拮抗物質に関してはアグーチタンパク質及びアグーチ関連タンパク質である。MC3−Rに対してある選択性を有するγ−MSHを除いては、前記サブタイプのいずれかに対してきわめて選択的な天然リガンドはない。
【0003】
メラノコルチン系は、色素沈着、炎症、摂食行動及び性行動(特に勃起機能)、エネルギーバランス(体重及び脂質蓄積の調節)、外分泌機能、ニューロンの保護及び再生、免疫調節、無痛覚などを含めて、多数の生理的プロセスに関与する。
【0004】
特に、MC4−Rは性行動に関与することが示された(Van der Ploeg, L.H., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2002, 99, 11381; Martin, W.J., Eur. J. Pharmacol., 2002, 454, 71)。あるMC−Rを特異的に欠くマウスモデル(ノックアウトマウス)によって、そのMC−R(MC3及び4−R)が摂食行動、肥満、代謝及びエネルギーバランスに関与することも示された(Huszar, D., Cell, 1997, 88(1), 131; Chen, A.S., Nat. Genet., 2000, 26(1), 97; Butler, A.A., Trends Genet., 2001, 17, pp.50−54)。すなわち、MC4−Rノックアウトマウスは食欲過剰で肥満である。並行して、MC3及び/又は4R拮抗物質は食物摂取を促進するのに対して、α−MSHなどの内因性作用物質によってMC4−Rが刺激されると満腹シグナルが生じる。
【0005】
これらの観察結果は、食物摂取及び体重を減少させる中枢MC3−R及び/又はMC4−Rを刺激することが、多数の他の病態(高血圧、糖尿病など)の悪化リスクである肥満を治療する有望な手法であることを意味する。従って、幾つかの研究調査によって、MC−Rと相互作用し、かくして食物摂取を調節することができるペプチド、偽ペプチド又は環式ペプチドを初期に特定することができる。
【0006】
有効な体重減少を長期間維持し、従って共存症を抑制するために、長期間毎日の治療を想定しなければならない。これは、治療効能を得るために、医薬品が患者によって簡単に投与され得るものでなければならないことを意味する。従って、経口投与が好ましいはずである。現在、ペプチド化合物は、一般に、この要求を満たすのに最も適切なものではない。このため、小さな非ペプチド分子を開発することは重要である。
【0007】
この観点で、国際公開第02/059095号、同02/059108号、同03/009850号及び同03/061660号の国際PCT出願はピペラジン型誘導体を記載している。国際公開第03/092690号、同03/093234号などの他の出願はピペリジン型誘導体を記載している。国際公開第99/64002号及び同01/70337号はスピロピペリジン型誘導体を記載している。国際公開第01/91752号は、ピラゾリル環と縮合されたピペリジン単位を含む誘導体を記載している。国際公開第02/059107号は、二環式構造で置換された、ピペリジン型及びピペラジン型誘導体を記載している。国際公開第02/059117号、同02/068388号及び同03/009847号は、フェニル環で置換された、ピペリジン型及び/又はピペラジン型誘導体を記載している。国際公開第03/094918号に関しては、フェニル又はピリジニル環で置換されたピペラジン型誘導体を記載している。置換ピペリジン型誘導体を記載している、国際公開第00/74679号、同01/70708号、同02/15909号、同02/079146号、同03/007949号及び同04/024720号や、国際公開第04/037797号も挙げることができる。これらの特許出願に記載されている化合物は、公知ペプチド構造を模倣したアミド官能基を常に含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記病態に対する既存の療法を改善することが常に求められていることに鑑み、本発明者らは、メラノコルチン受容体作用物質である新規化合物を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一主題は、式(I)に対応する化合物である。
【0010】
【化8】

(式中、
とRa’は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル若しくはシクロアルキル基であり、
は水素原子又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル若しくはアリール基であり、
は式−(CH−(CO)−Y又は−(CO)−(CH−Yの基であり、式中、
・x=0、1、2、3又は4であり、
・y=0又は1であり、
・Yは水素原子又はヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール若しくは−NR1112基であり、x=y=0のときにはYは水素原子とは異なり、
・R11とR12は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ若しくは−NR1314であり、又はR11とR12は、これらが結合している窒素原子と一緒に、4から10個の環成分を含み1から3個の追加のヘテロ原子及び/又は1から3個のエチレン性若しくはアセチレン性不飽和を含んでいてもよい、単環式若しくは二環式構造を形成し、この環は位置のいずれかにおいてハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル及びアルコキシ基から選択される1から3個の基で置換されていてもよい。かかる環構造の例として、ピロリジニル、モルホリニル、ピロリニル、イソインドリニル基などが挙げられる。
【0011】
・R13とR14は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基若しくはアルコキシ基であり、又はR13とR14は、これらが結合している窒素原子と一緒に、上記単環式若しくは二環式構造を形成し、
は1から3個の基であり、該基は同一でも異なっていてもよく、該基が結合している環の任意の位置にあり、ハロゲン原子並びにアルキル、シクロアルキル、−OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NR−COOR’、−NO、−CN及び−COOR基から選択され、式中、R及びR’は以下に定義する通りであり、
は水素原子又はアルキル若しくはシクロアルキル基であり、
は、
(1)オキソ基で置換されていてもよい、式(a)、(b)又は(c)の基、
【0012】
【化9】

(式中、式(a)、(b)及び(c)の環の各々は、同一でも異なっていてもよい1から4個の基Rで任意の位置において置換されていてもよく、式中、
a=0、1、2又は3であり、
p=0、1、2又は3であり、
m=0、1又は2であり、
Xは酸素若しくは硫黄原子又は環構成成分−C(R)(R)−若しくは−N(R10)−であり、
は、
・水素原子、ハロゲン原子、
・基−(CH−OR、−(CH−COOR、−(CH−NR、−(CH−CO−NR又は−(CH−NR−COR(式中、x=0、1、2、3又は4であり、R及びRは以下に定義する通りである。)、
・アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−CO−アルキル、−CO−シクロアルキル、−CO−ヘテロシクロアルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−アルキルアリール又は−CO−アルキルヘテロアリール、−CS−アルキル、−CS−シクロアルキル、−CS−ヘテロシクロアルキル、−CS−アリール、−CS−ヘテロアリール、−CS−アルキルアリール、−CS−アルキルヘテロアリール、−CS−NR又は−C(=NH)−NR基、
・シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基が結合している式(a)の環上のスピロ位置にある縮合又は非縮合の該シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基、
アリール又はヘテロアリール基と縮合されたシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基
から選択され、
は水素及びハロゲン原子並びにアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−OR、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−アルキルアリール、−O−アルキルヘテロアリール、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NR−COOR’、−NO、−CN及び−COOR基(R及びR’は以下に定義する通りである。)から選択され、
及びRは、水素原子並びにアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−CO−アルキル、−CO−シクロアルキル、−CO−ヘテロシクロアルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−アルキルアリール、−CO−アルキルヘテロアリール、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−ヘテロシクロアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキルアリール、−SO−アルキルヘテロアリール、−C(=NH)−NRR’、−COOR、−CO−NRR’、−CS−NRR’及び−(CH−OR基(式中、x=0、1、2、3又は4であり、R及びR’は以下に定義する通りであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、基R、R’、−OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NO、−CN及び−COOR、OCOR、COR、OCONRR’、NRCOOR’から選択される1個以上の基で置換されていてもよい。)から互いに独立に選択され、
又はRとRは一緒にシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキルを形成し、
10は、
・水素原子、
・基−(CH−OR、−(CH−COOR、−(CH−NR、−(CH−CO−NR又は−(CH−NR−COR(式中、x=0、1、2、3又は4であり、R及びRは上で定義した通りである。)、
・アリール又はヘテロアリール基と縮合されたシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基、
・アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−CO−アルキル、−CO−シクロアルキル、−CO−ヘテロシクロアルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−アルキルアリール、−CO−アルキルヘテロアリール、−CS−アルキル、−CS−シクロアルキル、−CS−ヘテロシクロアルキル、−CS−アリール、−CS−ヘテロアリール、−CS−アルキルアリール、−CS−アルキルヘテロアリール、−CS−NR、−C(=NH)−NR、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−ヘテロシクロアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキルアリール、−SO−アルキルヘテロアリール又は−SO−NR基(式中、R及びRは上で定義した通りである。)
から選択され、
・又はR10は、R10が結合している窒素原子と式(a)の環構造の任意の位置にあるが前記窒素原子に隣接していない炭素原子と一緒に、3から5個の構成成分を含む架橋を形成し、
R及びR’は、互いに独立に、水素原子、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール若しくはアルキルヘテロアリール基であり、又はRとR’はシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキルを一緒に形成することができ、
前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、基R、R’、−OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NO、−CN及び−COOR、OCOR、COR、OCONRR’、NRCOOR’から選択される1個以上の基で置換されていてもよい。)
(2)式−A−R18、−A−CH=N−R19、−A−N(R20)−A’−R19、−A−CO−N(R20)−A’−R19、−A−CH(NH)−R19又は−A−N(R20)−COO−A’の基(式中、A及びA’は線状又は分枝アルキル基であり、R18はハロゲン原子又は−NH、ヒドロキシル若しくはフェニル基であり、R19は水素原子又はヒドロキシル、フェニル、ベンジル若しくはヘテロアリール基であり、R20は水素原子又はベンジル基である。)、
(3)同一でも異なっていてもよい1から4個の上記基Rで任意の位置において置換されていてもよい式(d)の基、又は
【0013】
【化10】

(式中、rは1、2又は3であり、sは0又は1であり、U、V又はWの1個は窒素原子であり、U、V及びWのうちそれ以外はメチレン環構成成分である(すなわち、V及びWの場合は−CH−環構成成分であり、Uの場合は−CH−環構成成分である。)。)
(4)−(CH−ヘテロアリール基(式中、rは1、2又は3である。)
から選択される。)
【0014】
式(I)の化合物は少なくとも1個の不斉炭素原子を含む。従って、一般式(I)の化合物は、鏡像異性体又はジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらの鏡像異性体及びジアステレオ異性体並びにラセミ混合物を含めたその混合物は、本発明の一部である。
【0015】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、下式中のアステリスク*によって示される炭素原子が(R)配置である化合物が好ましい。
【0016】
【化11】

【0017】
本発明による式(I)の化合物は、配座異性体の混合物の形態で存在することもでき、この混合物も本発明の一部である。本発明による式(I)の化合物は、シス若しくはトランス異性体の形態で、又はエンド若しくはエキソ異性体の形態でも存在することができる。これらの異性体及びその混合物は本発明の一部である。
【0018】
この点で、本発明による式(I)の化合物のトロパン環は、以下に示すエンド配置を有することが有利である。
【0019】
【化12】

【0020】
式(I)の化合物は、塩基の又は酸付加塩の形態で存在することができる。かかる付加塩は本発明の一部である。
【0021】
これらの塩は、薬剤として許容される酸を用いて都合よく調製されるが、例えば、式(I)の化合物の精製又は単離に有用である他の酸の塩も本発明の一部である。
【0022】
式(I)の化合物は、水和物又は溶媒和物の形態、すなわち1個以上の水分子との又は溶媒との会合又は組み合わせの形態で存在することもできる。かかる水和物及び溶媒和物も本発明の一部である。
【0023】
本発明では、特に示さない限り、
− 「ハロゲン原子」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味するものとする。
【0024】
− 「アルキル基」という用語は、1から6個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和の(すなわち、1から3個のエチレン性又はアセチレン性の不飽和を含む)線状、環式又は分岐脂肪族基を意味するものとする。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル基など、及び下記シクロアルキル基、及びメチルシクロプロピル基などの一部のみが環化されたアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基は、(例えば、−CF基を生成する)ハロゲン原子及び基R、R’、−OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NO、−CN及び−COOR、OCOR、COR、OCONRR’、NRCOOR’から選択される1個以上の基で(例えば1から6個の基で)置換されていてもよい。ここで、RとR’は、互いに独立に、水素原子又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール若しくはアルキルヘテロアリール基であり、又はシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキルを一緒に形成することができる。
【0025】
− 「シクロアルキル基」という用語は、3から8個の炭素原子を含む環式アルキル基を意味するものとする。この炭素原子の全ては環構造中に含まれる。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが挙げられる。かかるシクロアリール基は、上述したようにアルキル基で置換することができる。
【0026】
− 「ヘテロシクロアルキル基」という用語は、窒素、酸素及び/又は硫黄などの1から4個のヘテロ原子も含む上記シクロアルキル基を意味するものとする。かかるヘテロシクロアルキル基は、上述したようにシクロアルキル基を置換することができ、1個以上、例えば1又は2個のエチレン性又はアセチレン性の不飽和を含むことができる。ヘテロシクロアルキル基の例として、ピペリジニル及びテトラヒドロピラン基が挙げられる。
【0027】
− 「アルコキシ基」という用語は−O−アルキル基を意味するものとする。式中、アルキル基は上で定義した通りである。
【0028】
− 「アリール基」という用語は、5から10個の環構成成分を含む環式芳香族基、例えばフェニル基を意味するものとする。かかるアリール基は、(例えば、−CF基を生成する)ハロゲン原子及びアルキルR、R’、−OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NO、−CN、COR及び−COORから選択される1個以上の基で(例えば1から6個の基で)置換されていてもよい。ここで、RとR’は、互いに独立に、水素原子又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール若しくはアルキルヘテロアリール基であり、又はシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキルを一緒に形成することができる。
【0029】
− 「アルキルアリール基」という用語は、それ自体が上記アリール基で置換された上記アルキル基を意味するものとする。かかるアルキルアリール基は例えばベンジル基である。
【0030】
− 「ヘテロアリール基」という用語は、5から10個の環構成成分を含み、窒素、酸素及び/又は硫黄などの1から6個のヘテロ原子を含む環式芳香族基を意味するものとする。例としてピリジニル基及びフリル(fyryl)基が挙げられる。かかるヘテロアリール基は、上述したようにアリール基で置換することができる。
【0031】
− 「アルキルヘテロアリール基」という用語は、それ自体が上記ヘテロアリール基で置換された上記アルキル基を意味するものとする。
【0032】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、R、Ra’、R、R、R及びRが上で定義した通りであり、Rがアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル又はフェニル基である化合物が挙げられる。有利には、Rはシクロヘキシル基などのシクロアルキル基である。
【0033】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、R、Ra’、R、R、R及びRが上で定義した通りであり、Rが以下の基、すなわち、−CO−R15、−CO−NR1617、−CO−NR15−NR1617、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−(CH−NR1617、−(CH−NR1617、−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−ヘテロアリール、−(CHx’−CO−R15及び−(CHx’−CO−NR1617から選択される化合物も挙げられる。式中、
・x=0、1、2、3又は4及びx’=1、2、3又は4であり、
・R15は水素原子又はアルキル、シクロアルキル若しくはアルコキシ基であり、
・R16とR17は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基若しくはアルコキシ基であり、又はR16とR17は、これらが結合している窒素原子と一緒に、4から10個の環成分を含み1から3個の追加のヘテロ原子及び/又は1から3個のエチレン性若しくはアセチレン性不飽和を含んでいてもよい、単環式若しくは二環式の構造を形成し、この環は任意の位置においてハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル及びアルコキシ基から選択される1から3個の基で置換されていてもよい。
【0034】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、Rが基−CO−NR1617である化合物がより具体的に挙げられる。式中、R16及びR17はアルキル又はアルコキシ基である。Rは有利には基−CO−NR1617であり、式中R16及びR17はアルキル基である。
【0035】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、R、Ra’、R、R、R及びRが上で定義した通りであり、Rが、ハロゲン原子から選択される同一でも異なっていてもよい1から3個の基である化合物も挙げられる。有利には、Rは単一の基、好ましくは塩素原子である。
【0036】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、R、Ra’、R、R、R及びRが上で定義した通りであり、Rが、
(1)下記式(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)又は(b−1)の基、
【0037】
【化13】

(式中、式(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)及び(b−1)の環の各々は、同一でも異なっていてもよい1から4個の上記基Rで任意の位置において置換することができ、式中、a’=0又は1であり、p=0、1、2又は3であり、p’=0又は1であり、m=0、1又は2であり、R及びR10は上で定義した通りである。)
(2)式−A−R18又は−A−CH=N−R19の基(式中、A、R18及びR19は上で定義した通りである。)、
(3)上記式(d)の基、
【0038】
【化14】

【0039】
(4)基−(CH−フリル又は−(CH−ピリジニル(式中、rは1、2又は3である。)
から選択される化合物も挙げられる。
【0040】
上記式(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)又は(b−1)の基においては、Rが−NH又はフェニル基であり、Rが水素原子又はヒドロキシル基であり、R10が水素原子、アリール基若しくはアルキルアリール基であり、又はR10が、R10が結合している窒素原子と式(a−1)の環構造の任意の位置にあるが前記窒素原子に隣接していない炭素原子と一緒に、3から5個の構成成分を含む架橋を形成している化合物が特に挙げられる。有利には、R10は、式(b−1)の基においては水素原子であり、式(a−1)の基においては水素原子、フェニル基若しくはベンジル基であり、又はR10が結合している窒素原子と式(a−1)の環構造の任意の位置にあるが前記窒素原子に隣接していない炭素原子と一緒に、4個の構成成分を含む架橋を形成している。
【0041】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、R、Ra’、R、R、R及びRが上で定義した通りであり、Rが、
(1)下記式(a−5)、(a−6)又は(b−2)の基、
【0042】
【化15】

(式中、式(a−5)、(a−6)及び(b−2)の環の各々は、同一でも異なっていてもよい1から4個の上記基Rで任意の位置において置換することができ、式中、a’=0又は1であり、p’=0又は1であり、m=0、1又は2であり、R及びR10は上で定義した通りである。)
(2)式−A−R18又は−A−CH=N−R19の基(式中、A、R18及びR19は上で定義した通りである。)、
(3)式(d−1)の基(式中、r=1、2又は3)、
【0043】
【化16】

【0044】
(4)基−(CH−フリル又は−(CH−ピリジニル(式中、rは1、2又は3である。)
から選択される化合物も挙げられる。
【0045】
上記式(a−5)、(a−6)及び(b−2)の基においては、Rが−NH又はフェニル基であり、Rが水素原子又はヒドロキシル基であり、R10が水素原子、アリール基若しくはアルキルアリール基であり、又はR10が、R10が結合している窒素原子と式(a−5)の環構造の任意の位置にあるが前記窒素原子に隣接していない炭素原子と一緒に、3から5個の構成成分を含む架橋を形成している化合物が特に挙げられる。有利には、R10は、式(b−2)の基においては水素原子であり、式(a−5)の基においては水素原子、フェニル基若しくはベンジル基であり、又はR10が結合している窒素原子と式(a−5)の環構造の任意の位置にあるが前記窒素原子に隣接していない炭素原子と一緒に、4個の構成成分を含む架橋を形成している。
【0046】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、R、Ra’、R、R、R及びRが上で定義した通りであり、Rが水素原子、又は1から4個の炭素原子を含むアルキル基である化合物も挙げられる。Rは好ましくは水素原子である。
【0047】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、R、R、R、R及びRが上で定義した通りであり、R及びRa’が水素原子、又は1から4個の炭素原子を含むアルキル基である化合物も挙げられる。有利には、R及びRa’は互いに独立に水素原子又はメチル基である。好ましくは、R=Ra’=Hである。
【0048】
上記基Rのうち、Rが水素原子又は−NR若しくはアリール基である化合物が特に挙げられる。式中、R及びRは水素原子又はアルキル基である。基Rが水素原子又は−NH若しくはフェニル基である化合物も挙げられる。
【0049】
上記基Rのうち、Rが水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基、(Rが水素原子である基−ORに対応する)ヒドロキシル基若しくは(Rがアルキル基である−OR基に対応する)アルコキシ基である化合物が特に挙げられる。Rは、有利には、水素原子又はヒドロキシル基である。
【0050】
上記基R及びRのうち、R及びRが水素原子又はアルキル基である化合物が特に挙げられる。
【0051】
上記基R10のうち、R10が水素原子、(フェニル基などの)アリール基若しくは(ベンジル基などの)アルキルアリール基である化合物、又はR10が、R10を有する窒素原子と、R10が結合している環構造の任意の位置にあるが前記窒素原子に隣接していない炭素原子と一緒に、3から5個の構成成分を含む架橋を形成する化合物が特に挙げられる。
【0052】
上記基R及びR’のうち、R及びR’が水素原子又はアルキル基である化合物が特に挙げられる。
【0053】
基R、Ra’、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R及びR’に対する上記定義の各々は、本発明による式(I)の化合物の様々なサブグループを得るために互いに組み合わせることができる。
【0054】
例えば、
− R及びRa’が互いに独立に水素原子又はメチル基であり、
− Rがアルキル、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基であり、
− Rが以下の基、すなわち、−CO−R15、−CO−NR1617、−CO−NR15−NR1617、−CO−アリール、CO−ヘテロアリール、−CO−(CHx’−NR1617、−(CH−NR1617、−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−ヘテロアリール、−(CHx’−CO−R15及び−(CHx’−CO−NR1617から選択され、式中、
・x=0、1、2、3又は4及びx’=1、2、3又は4であり、
・R15が水素原子又はアルキル、シクロアルキル若しくはアルコキシ基であり、
・R16とR17が、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基若しくはアルコキシ基であり、又はR16とR17が、これらが結合している窒素原子と一緒に、4から10個の環構成成分を含み1から3個の追加のヘテロ原子及び/又は1から3個のエチレン性若しくはアセチレン性不飽和を含んでいてもよい、単環式若しくは二環式の構造を形成し、この環は任意の位置においてハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル及びアルコキシ基から選択される1から3個の基で置換されていてもよく、
− Rが、ハロゲン原子から選択される同一でも異なっていてもよい1から3個の基であり、
− Rが、
(1)下記式(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)又は(b−1)の基、
【0055】
【化17】

(式中、式(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)及び(b−1)の環の各々は、同一でも異なっていてもよい1から4個の上記基Rで任意の位置において置換することができ、式中、a’=0又は1であり、p=0、1、2又は3であり、p’=0又は1であり、m=0、1又は2であり、R及びR10は上で定義した通りである。)
(2)式−A−R18又は−A−CH=N−R19の基(式中、A、R18及びR19は上で定義した通りである。)、
(3)上記式(d)の基、
【0056】
【化18】

【0057】
(4)基−(CH−フリル又は−(CH−ピリジニル(式中、rは1、2又は3である。)
から選択され、
− Rが水素原子である、
本発明による式(I)の化合物のサブグループが挙げられる。
【0058】
別の主題によれば、本発明は、以下の名称を有する好ましい化合物、特にエンド配置の化合物に関する。
【0059】
以下のリストにおいて、生成物名称の前の番号は表中の化合物例番号に対応する。
【0060】
1:N−[8−(4−クロロ−N−ピペリジン−4−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
2:N−[8−(4−クロロ−N−ピペリジン−3−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
3:N−{8−[N−(4−アミノシクロヘキシル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
4:N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
5:N−[8−(N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
6:N−{8−[4−クロロ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
7:N−{8−[4−クロロ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
8:N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−3−チエニル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
9:N−[8−(N−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
10:N−[8−(N−アゼパン−4−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
11:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
12:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
13:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
14:N−{8−[4−クロロ−N−(1−フェニルピペリジン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
15:N−(8−{N−[(1−ベンジルピロリジン−3−イル)メチル]−4−クロロ−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
16:N−[8−(4−クロロ−N−ピロリジン−3−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
17:N−(8−{4−クロロ−N−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
18:N−{8−[N−(2−アミノエチル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
19:N−{8−[N−(3−アミノプロピル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
20:N−(8−{4−クロロ−N−[(2E)−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
21:N−{8−[4−クロロ−N−(2−フルオロ−1−メチルエチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
22:N−(8−{4−クロロ−N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
23:N−{8−[4−クロロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
24:N−{8−[4−クロロ−N−(2−フリルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
25:N−(8−{4−クロロ−N−[(2R)−ピロリジン−2−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
26:N−(8−{4−クロロ−N−[(2S)−ピロリジン−2−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
27:N−[8−(N−アゼチジン−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
28:N−(8−{N−[(1−ベンジルピロリジン−3−イル)メチル]−4−クロロ−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
【0061】
以下の文において、「保護基(Pg)」という用語は、ヒドロキシル、アミンなどの反応性官能基を合成中にまず保護し、次に、合成の最後に完全な反応性官能基を再生することを可能にする基を意味するものとする。保護基の例並びに保護及び脱保護の方法は、”Protective groups in Organic Synthesis”,Green et al., 3rd Edition(John Wiley & Sons, Inc., New York)に記載されている。
【0062】
以下の文において、「脱離基(Lg)」という用語は、分子から不均一結合分解によって容易に開裂して、1対の電子を残すことができる基を意味するものとする。従って、この基は、例えば置換反応において、別の基で容易に置換することができる。かかる脱離基は、例えば、ハロゲン又はメシル、トシル、トリフラート、アセチルなどの活性化ヒドロキシル基である。脱離基の例及びその調製の参考文献は、”March’s Advanced Organic Chemistry”, J. March et al., 5th Edition, 2001, EMInter publisherに記載されている。
【0063】
「Boc基」という用語はt−ブトキシカルボニル基を意味するものとする。「Bn基」という用語はベンジル基を意味するものとする。「CBz基」という用語はベンジルオキシカルボニル基を意味するものとする。「Fmoc基」という用語は9−フルオレニルメチルカルバメート基を意味するものとする。「h」という用語は時間を意味するものとする。
【0064】
本発明によれば、一般式(I)の化合物は、スキーム1に示す方法によって調製することができる。
【0065】
【化19】

【0066】
スキーム1によれば、式(IV)の化合物は、従来のペプチドカップリング条件下で、例えば、カップリング剤として、ことによってはヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で、ジシクロカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩又はブロモトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファートを用い、塩基としてトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンを用い、ジオキサン、ジクロロメタン、アセトニトリルなどの溶媒中で、式(II)の中間体と式(III)のアミノ酸とのカップリングによって調製することができる。アミノ酸のアミン官能基は保護基Pg(例えば、Boc、CBz、Bn又はFmoc基)で保護されている。
【0067】
一般式(III)のアミノ酸は市販されているか、又は、文献(Williams, R.M., Synthesis of Optically Active α−Aminoacids, Pergamon Press, Oxford, 1989)に記載の方法によって調製することができる。
【0068】
式(V)の化合物は、当業者に公知の方法から選択される方法によって、式(IV)の化合物のアミン官能基を脱保護することによって得られる。とりわけ、この方法は、−10℃から100℃の温度で、Boc基による保護の場合には、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテル中でのトリフルオロ酢酸又は塩酸の使用、CBzの場合にはメタノール又はエタノール中での適切な金属を用いた水素化の使用、及びFmoc基の場合にはピペリジンの使用を含む。
【0069】
最終段階において、式(I)の化合物は、ことによっては(塩酸などの)ブレンステッド酸又は(チタニウムテトライソプロポキシドなどの)ルイス酸の存在下で、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて、ジクロロエタン、ジクロロメタン、酢酸、メタノールなどの溶媒中で、−10℃から30℃の温度で、式(V)の化合物を基Rのオキソ(アルデヒド又はケトン)型誘導体と接触させることによって実施される還元的アミノ化によって得られる。基Rから誘導されるアルデヒドは、市販されていないときには、対応する酸から当業者に公知の方法によって、例えば、ペプチドカップリング条件下でワインレブアミドに転化し、次いで水素化アルミニウムリチウムなどの水素化物を用いてワインレブアミドを還元することによって、調製される。
【0070】
基Rのケトン又はアルデヒド型の誘導体は市販されているか、又は当業者に公知の方法によって、例えばケトン型誘導体の遊離ヒドロキシル若しくはアミン官能基のアシル化によって、得ることができる。
【0071】
が式(a)、(b)、(c)、(d)、−A−R18、−A−N(R20)−A’−R19及び−A−CH(NH)−R19に対応する一般式(I)の化合物は、スキーム2に示す方法によって調製することもできる。
【0072】
【化20】

【0073】
スキーム2によれば、スキーム1において上述したように得られた式(V)の化合物を(アミン保護基Pgを有する)基Rのオキソ型誘導体と接触させると(スキーム1に関係して上述した還元的アミノ化反応)、式(VI)の化合物が生成する。次いで、上述したように、式(VI)の化合物のアミン官能基を当業者に公知の方法によって脱保護する。
【0074】
或いは、式(I)の化合物を生成する式(VI)の化合物は、スキーム3に示す方法によって調製することができる。
【化21】

【0075】
スキーム3によれば、式(VIII)の化合物は、上述したように、式(VII)のアミノ酸を用いて実施される還元的アミノ化によって得ることができる。R=Hのときには式(VII)のアミノ酸は市販されているか、又は文献(Williams, R.M., Synthesis of Optically Active α−Aminoacids, Pergamon Press, Oxford, 1989)に記載の方法によって調製することができる。Rがアルキル基であるときには、式(VII)のアミノ酸は、当業者に公知のアルキル化方法に従って、アミン官能基上で保護された市販アミノ酸のアルキル化によって調製することができる。
【0076】
式(IX)の化合物は、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムの存在下で、メタノール、テトラヒドロフラン、水などの溶媒又はこれらの溶媒の混合物中で、式(VIII)のエステルを鹸化することによって合成することができる。
【0077】
式(VI)の化合物は、スキーム1に記載の従来のペプチドカップリング条件下での式(II)の中間体と式(IX)のアミノ酸とのペプチドカップリングによって調製することができる。
【0078】
式(II)の化合物は、スキーム4に示す方法によって得ることができる。
【0079】
【化22】

【0080】
スキーム4によれば、式(II)の化合物は、式(X)の化合物(式中、Pgは、スキーム1で定義したアミン保護基である。)から、上述したように、当業者に公知の方法から選択される方法によってアミン官能基を脱保護した後に調製することができる。
【0081】
式(X)の化合物は、基R及びRの性質に従って適合される、文献に記載の方法又は当業者に公知の方法によって調製される。下記スキーム5から9は、基Rの様々な性質に応じた式(X)の化合物の調製例である。例えば、Rが基−CO−R15(式中、R15は上で定義した通りである。)であるときには、対応する化合物(Xa)は、スキーム5に従って調製することができる。
【0082】
【化23】

【0083】
スキーム5によれば、式(XI)の化合物は、上記条件下でのノルトロパノン(nortropanone)の還元的アミノ化によって得ることができる。ノルトロパノンのアミン官能基は保護されている(例えば、市販Boc−ノルトロパノン)。次いで、式(Xa)の化合物は、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基の存在下で、ジクロロメタン、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、式(XI)の化合物を式R15COClの酸塩化物と反応させることによって得られる。
【0084】
スキーム6に、式(Xb)及び(Xc)の化合物を調製する経路を示す。式(Xb)及び(Xc)の化合物は、Rが基−CO−NR1617及び−CO−NR15−NR1617である式(X)の化合物にそれぞれ対応する。式中、R15、R16及びR17は上で定義した通りである。
【0085】
【化24】

【0086】
スキーム6によれば、式(XII)の化合物は、トリエチルアミン又はピリジン及びアミンの存在下で、−10℃から80℃の温度で、ホスゲン、トリホスゲン又はクロロギ酸トリクロロメチルのジクロロメタン又はトルエン溶液と反応させることによって式(XI)の化合物から調製することができる。式(XII)の化合物と式HN(R16)(R17)のアミン又は式HN(R15)(NR1617)のヒドラジンとの反応によって、それぞれ式(Xb)及び(Xc)の化合物が生成する。
【0087】
スキーム7に、Rが基−(CH−NR1617である式(X)の化合物に対応する式(Xd)の化合物を調製する経路を示す。式中、x=2、3又は4であり、R16及びR17は上で定義した通りである。
【0088】
【化25】

【0089】
スキーム7によれば、式(XIII)の化合物は、式Q−CO−(CHx−2−CHO(式中、Qは−O−アルキル又は−N(O−アルキル)(アルキル)基である。)のアルデヒドの存在下で、スキーム1に関係して上述した還元剤を用いて、式(XI)の化合物に対して実施される還元的アミノ化によって得ることができる。
【0090】
次いで、一般式(XIII)の化合物は、Qが−O−アルキル基であるときには水素化ジイソブチルアルミニウム、ナトリウムアルミニウムテトラハイドライドなどの還元剤を用いて、又はQが、例えば、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンなどのアルキルヒドロキシアルキルアミンの存在下で、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの溶媒中で、−78℃から20℃の温度で、塩化ジイソプロピルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物とQ=−O−アルキルである式(XIII)の化合物との反応によって得られる、−N(O−アルキル)(アルキル)基(例えば−N(OMe)Me)であるときには水素化アルミニウムリチウムによって還元して、還元して式(XIV)のアルデヒドを生成することができる。
【0091】
次いで、式(Xd)の化合物は、式R1716NHのアミンの存在下で上記還元剤を用いて実施される還元的アミノ化によって調製することができる。
【0092】
スキーム8に、Rが基−(CH−アリール(式中、x=0、1、2、3又は4)又は−(CH−ヘテロアリール(式中、x=1、2、3又は4)である式(X)の化合物に対応する式(Xe)の化合物を調製する経路を示す。
【0093】
【化26】

【0094】
スキーム8によれば、Rが基−(CH−ヘテロアリール(式中、x=1、2又は3)である式(Xe)の化合物は、ヘテロアリール−(CHx−1−CHOの式のアルデヒドの存在下で、スキーム1に関係して上述した還元剤を用いて実施される、式(XI)iの化合物を用いた還元的アミノ化によって得ることができる。
【0095】
式(Xd)の化合物を得るために、同じ反応を式R1716N−(CHx−1−CHOのアルデヒドを用いて実施することもできる。
【0096】
が基−(CH−アリール(式中、x=0、1、2又は3)である式(XI)iiの化合物は、アリール−(CH−NHの式のアミンの存在下で、スキーム1に関係して上述した還元剤を用いて実施される、(Boc−ノルトロパノンなどの)アミン官能基上で保護されたノルトロパノンを用いた還元的アミノ化によって得ることができる。次いで、Rが基−(CH−アリールである式(Xe)の化合物は、基Rのオキソ型誘導体の存在下で実施される式(XI)iiの化合物を用いた還元的アミノ化によって得ることができる。
【0097】
スキーム9に、Rが基−(CH−ヘテロアリール(式中、xは2又は3である。)である式(Xe)の化合物を合成する代替経路の詳細を示す。
【0098】
【化27】

【0099】
スキーム9によれば、Qが−O−アルキル基である式(XIII)の化合物は、水素化アルミニウムリチウムなどの還元剤を用いて、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、−60℃から20℃の温度で、対応するアルコールに還元することができる。
【0100】
次いで、式(XV)の化合物のヒドロキシル基は、例えばジクロロメタンなどの溶媒中でテトラブロモメタン及びトリフェニルホスフィンの作用によって、又はトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で塩化メタンスルホニルの作用によって、−20℃から周囲温度で、塩化物、メシラートなどの脱離基(Lg)に転化されて、式(XVI)の化合物を生成する。
【0101】
次いで、式(Xe)の化合物は、式(XVI)の化合物とヘテロアリール(「Het」基)の陰イオンとの求核置換反応によって合成される。
【0102】
スキーム10は、Rが上記式(d)の基である(式中、r=1、2又は3であり、s=1であり、Uは窒素原子である。)式(I)の化合物を調製する経路である。
【0103】
【化28】

【0104】
式(XXII)の化合物は、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で温度−20℃から60℃で水素化ナトリウムとの反応によって、又はテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの溶媒中で温度−78℃から25℃でリチウムジイソプロピルアミドとの反応によって、形成される式(IV)の化合物の陰イオンで式(XX)の化合物の脱離基(Lg)を置換する、式(XX)のテトラヒドロイソキノリンを用いた式(IV)[式中R=H]の化合物のアルキル化によって得ることができる。
【0105】
式(XX)の化合物は、例えばジクロロメタンなどの溶媒中でテトラブロモメタン及びトリフェニルホスフィンの作用によって、又はトリエチルアミンなどの有機塩基の存在下で−20℃から周囲温度で塩化メタンスルホニルの作用によって、式(XXI)の化合物のヒドロキシル基を塩化物、メシラートなどの脱離基に転化させることによってなど従来の条件下で調製される。式(XXI)の化合物は、当業者に公知のアルキル化方法によって市販の1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから合成される。
【0106】
式(XII)の化合物のアミン官能基は、式(I)[式中、R=H及びR=2−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン]の化合物を得るために、スキーム1に記載の条件下で脱保護される。
【0107】
スキーム1の変形スキームによれば、式(I)の化合物が、基Rとして、シクロヘキシル型の式(a)の基、すなわちa=0、p=2及びX=−C(R)(R)−であり、Rが基−ORであり、R及びRが上で定義された式(a)の基を含むときには、式(I)の化合物を、スキーム11に示すように調製することができる。
【0108】
【化29】

【0109】
スキーム11によれば、式(XVIII)の化合物は、スキーム1に記載の条件下で、式(XVII)の市販化合物と式(V)の化合物との還元的アミノ化によって得ることができる。
【0110】
式(XVIII)の化合物のオキソ官能基をテトラヒドロフラン又はアセトン中で、塩酸、トシル酸ピリジニウムなどの酸の存在下で、0℃から80℃の温度で脱保護すると、式(XIX)の化合物が生成する。
【0111】
式(If)の化合物は、スキーム6に記載の条件下で式(XIX)の化合物を還元することによって調製される。
【0112】
が水素原子とは異なるときには、式(If)の化合物の官能基化、例えば水素化ナトリウムなどの塩基及び脱離基Lgを含む基Rの誘導体の存在下でアルキル化を実施すると、式(Ig)の化合物が生成する。
【0113】
スキーム1から11においては、出発化合物及び反応物は、その調製方法を記載しないときには、市販されているか、文献に記載されているか、又はその文献中に記載されている方法若しくは当業者に公知の方法によって調製することができる。
【0114】
その態様の別の態様によれば、本発明の一主題は、式(II)、(IV)、(V)、(VI)、(VIII)、(IX)、(X)、(XVIII)及び(XIX)の化合物でもある。これらの化合物は、式(I)の化合物の合成中間体として有用である。
【0115】
以下の実施例によって本発明によるある化合物の調製について述べる。これらの実施例は限定的なものではなく、本発明の単なる説明に過ぎない。例示する化合物の番号は、以下の表に示した番号である。この表は、本発明による幾つかの化合物の化学構造及び物性を示すものである。
【実施例1】
【0116】
N−[8−(4−クロロ−N−ピペリジン−4−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア(化合物番号1)
1.1:tert−ブチル3−(シクロヘキシルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート
シクロヘキシルアミン9.1g及びBoc−ノルトロピノン10.3gをエタノール150mlに溶解させる。チタニウムテトライソプロポキシド14.3gを周囲温度で添加する。反応媒体を16時間撹拌する。水素化ホウ素ナトリウム2.6gを0℃で分割添加し、次いで反応媒体を周囲温度で2時間撹拌する。水50ml及びアンモニア水(28%水溶液)20mlを添加後、反応媒体中に形成された白色沈殿物をセライトベッドによってろ過除去する。固体をジクロロメタンで数回洗浄する。次いで、各有機相を混合し、水で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、濃縮する。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、0%から10%メタノールのジクロロメタン溶液勾配によって溶出させる。tert−ブチル3−(シクロヘキシルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラートエンド化合物7.7g及びtert−ブチル3−(シクロヘキシルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラートエキソ化合物1.2gを得る。後続の合成はエンド化合物に関するものである。
【0117】
1.2:tert−ブチル3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート
ジホスゲン0.64mlをジクロロメタン10mlに0℃でN下で添加する。tert−ブチル3−(シクロヘキシルアミノ)−8−アザビシクロ[3.2.1]−オクタン−8−カルボキシラートエンド化合物1.0g及びトリエチルアミン2.26mlの10mlジクロロメタン溶液を滴下する。溶液を0℃で30分間、次いで周囲温度で4時間撹拌する。次いで、トリエチルアミン5ml及びジホスゲン1.0mlを添加する。周囲温度で2時間撹拌後、ジエチルアミン1.68mlを添加する。混合物を周囲温度で16時間撹拌する。濃縮後、0.5N塩酸を酸性pHまで添加する。水相が完全に消失するまでジクロロメタンで抽出する。有機相をHO、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固した後、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタンとメタノールの99/1、次いで95/5混合物によって溶出させて、tert−ブチル3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート1.60gをジエチルウレアとの混合物として得る。
【0118】
1.3:N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
ジエチルウレアと混合されたtert−ブチル3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート3.0gを2N塩酸のジエチルエーテル溶液37mlに添加する。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発乾固後、残渣を1N塩酸水溶液に採る。酢酸エチルで抽出し、次いで1N水酸化ナトリウム水溶液をpH 10まで添加する。水相が完全に消失するまで酢酸エチルで抽出する。有機相をHO、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固した後、N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア1.8gを得る。
【0119】
1.4:tert−ブチル[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]カルバメート
N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア1.8gをBoc−D−4−クロロフェニルアラニン1.75g、ヒドロキシベンゾトリアゾール0.79g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩1.12g及びジイソプロピルエチルアミン1.02mlの存在下でジクロロメタン70mlに溶解させる。混合物を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発乾固後、残渣を加水分解し、水相が完全に消失するまで酢酸エチルで抽出する。有機相をHO、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固した後、粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタンとメタノールの99/1混合物によって溶出させて、tert−ブチル[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]カルバメート1.42gを得る。
【0120】
1.5:N−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
tert−ブチル[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]カルバメート1.42gを2N塩酸のジエチルエーテル溶液12mlに添加する。反応媒体を周囲温度で3時間撹拌する。2N塩酸のジエチルエーテル溶液5mlを添加し、撹拌を16時間続ける。蒸発乾固後、得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン、メタノール及びアンモニア水の95/5/0.5混合物によって溶出させる。N−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア1.03gを得る。
【0121】
1.6:tert−ブチル4−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシラート
N−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.41gをN下でN−BOC−ピペリドン0.17g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.23gの存在下でジクロロメタン4mlに溶解させ、混合物を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発及び加水分解後、水相が完全に消失するまで酢酸エチルで抽出する。有機相をHO、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固させる。粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタンとメタノールの98/2混合物によって溶出させる。次いで、tert−ブチル4−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシラート0.37gを得る。
【0122】
1.7:N−[8−(4−クロロ−N−ピペリジン−4−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩
tert−ブチル4−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}ピペリジン−1−カルボキシラート0.37gを2N塩酸のジエチルエーテル溶液2.74mlに溶解させる。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発乾固後、粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン、メタノール及びアンモニア水の95/5/0.5混合物によって溶出させる。次いで、N−[8−(4−クロロ−N−ピペリジン−4−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩0.27gを得る。
【0123】
融点>210℃、M+H=572、[α]20=−2.0(c=1.002g/100ml、MeOH)。
【実施例2】
【0124】
N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア(化合物番号4)
2.1:N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
段階1.5で得られたN−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレアエンド化合物0.30gをN下でテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン0.061g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.17gの存在下でジクロロメタン3mlに溶解させる。反応媒体を周囲温度で3日間撹拌する。蒸発させ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を用いて加水分解した後、水相が完全に消失するまで酢酸エチルで抽出する。有機相をHO、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固させる。粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタンとメタノールの99/1、次いで98/2混合物によって溶出させる。次いで、N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.23gを得る。
【0125】
2.2:N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩
N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.23gをジエチルエーテル5mlに溶解させ、次いで2N塩酸のジエチルエーテル溶液0.20mlを添加する。すり潰し、ジエチルエーテルでリンスし、次いで得られた沈殿物をろ過乾燥させる。次いで、結晶をPを用いて減圧下で脱水する。N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.19gを得る。
【0126】
融点>210℃、M+H=573、[α]20=−5.9(c=0.553g/100ml、DMSO)。H NMR(200MHz、DMSO−d+DO):7.31(d、J=8Hz、2H)、7.19(d、J=8H:2H)、4.62(m、1H)、4.41(m、1H)、3.90(m、3H)3.25(m、5H)、2.88(m、5H)、2.10−1.05(m、23H)、0.91(t、J=4Hz、6H)。元素分析:exp %C=61.46、%H:8.10、%N:8.88;th:%61.50、%H:8.34、%N:8.96。
【実施例3】
【0127】
N−[8−(N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア(化合物番号5)
3.1:tert−ブチル3−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート
段階1.5で得られたN−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレアエンド化合物0.24gをN下でBoc−ノルトロパノン0.169g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.26gの存在下でジクロロメタン5mlに溶解させる。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。Boc−ノルトロピノン0.085g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム2.6gを添加し、撹拌を2日間続ける。蒸発乾固後、メタノール1ml及びDowex(登録商標)50X2樹脂4gを添加する。混合物を1時間30分間撹拌する。ろ過し、樹脂をテトラヒドロフラン及びメタノールで洗浄した後、メタノール中で1Nアンモニア水溶液を添加することによって予想化合物を遊離させる。メタノールを蒸発除去して、エンド及びエキソtert−ブチル3−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート0.21gを得る。後続の合成をこの混合物について実施する。
【0128】
3.2:N−[8−(N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩
tert−ブチル3−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−カルボキシラート0.21gを2N塩酸のジエチルエーテル溶液1.53mlに添加する。反応媒体を周囲温度で終夜撹拌する。すり潰し、ジエチルエーテルでリンスし、得られた沈殿物をろ過乾燥させる。次いで、結晶をPを用いて減圧下で脱水する。N−[8−(N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩0.12gを得る。
【0129】
融点=155℃;M+H=598。
【実施例4】
【0130】
N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア(化合物番号11)
4.1:tert−ブチル(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}ピロリジン−1−カルボキシラート
(4R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン1.85gをジクロロメタン80mlに0℃でN下で溶解させる。トリエチルアミン3.72ml及びクロロギ酸tert−ブチル1.97mlを添加する。反応媒体を周囲温度で1時間撹拌する。並行して、トリエチルアミン1.86mlをジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩1.56gのジクロロメタン溶液に添加し、次いでトリエチルアミン塩酸塩をろ過除去することによってジメチルヒドロキシルアミン溶液を調製する。この第2の溶液を第1の溶液に0℃で静かに添加する。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。0.5N塩酸水溶液を用いて加水分解した後、水相が完全に消失するまでジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSOで脱水し、次いで濃縮乾固させる。tert−ブチル(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}ピロリジン−1−カルボキシラート0.9gを得る。続いて、この生成物をそのまま使用する。
【0131】
4.2:tert−ブチル(2S,4R)−2−ホルミル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}ピロリジン−1−カルボキシラート0.9gをN下でジエチルエーテル31mlに溶解させる。反応媒体を0℃に置き、1N水素化アルミニウムリチウム3.41mlのテトラヒドロフラン溶液を慎重に添加する。混合物を0℃で2時間撹拌する。硫酸カリウム水溶液を用いて加水分解した後、水相が完全に消失するまでジエチルエーテルで抽出する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固させる。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタンとメタノールの9/1混合物によって溶出させる。tert−ブチル(2S,4R)−2−ホルミル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート0.45gを得る。
【0132】
4.3:tert−ブチル(2S,4R)−2−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート
段階1.5で得られたN−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレアエンド化合物0.24gをN下でtert−ブチル(2S,4R)−2−ホルミル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート0.16g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.233gの存在下でジクロロメタン3mlに溶解させる。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発乾固後、メタノール1ml及びDowex(登録商標)50X2樹脂4gを添加する。混合物を1時間30分間撹拌する。ろ過し、樹脂をテトラヒドロフラン及びメタノールで洗浄した後、メタノール中で1Nアンモニア水溶液を添加することによって予想化合物を遊離させる。メタノールを蒸発除去して、tert−ブチル(2S,4R)−2−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート0.28gを得る。
【0133】
4.4:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
tert−ブチル(2S,4R)−2−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシラート0.28gをジエチルエーテル5mlに溶解させ、次いで2N塩酸のジエチルエーテル溶液2.7mlを添加する。すり潰し、ジエチルエーテルでリンスし、得られた沈殿物をろ過乾燥させる。この沈殿物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン、メタノール及びアンモニア水の90/10/1混合物によって溶出させる。N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.18gを得る。
【0134】
4.5:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩
N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.18gを2N塩酸のジエチルエーテル溶液0.4mlに添加する。すり潰し、ジエチルエーテルでリンスし、得られた沈殿物をろ過乾燥させる。N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩0.16gを得る。
【0135】
融点>200℃、M+H=588、[α]20=−10.7°(c=0.646g/100ml、DMSO)。
【実施例5】
【0136】
N−{8−[N−(2−アミノエチル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア(化合物番号18)
5.1:tert−ブチル(2−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}エチル)カルバメート
段階1.5で得られたN−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレアエンド化合物0.24gをN下でtert−ブチルN−(2−オキソエチル)カルバメート0.10g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.22gの存在下でジクロロメタン5mlに溶解させる。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発乾固後、tert−ブチルN−(2−オキソエチル)カルバメート0.05g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.1gを添加し、撹拌を3日間続ける。メタノール1ml及びDowex(登録商標)50X2樹脂4gを添加後、混合物を1時間30分間撹拌する。ろ過し、樹脂をテトラヒドロフラン及びメタノールで洗浄した後、メタノール中で1Nアンモニア水溶液を添加することによって予想化合物を遊離させる。メタノールを蒸発除去して、tert−ブチル(2−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}エチル)カルバメート0.14gを得る。
【0137】
5.2:N−{8−[N−(2−アミノエチル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
tert−ブチル(2−{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}エチル}カルバメート0.14gを2N塩酸のジエチルエーテル溶液1.1mlに添加する。反応媒体を周囲温度で1時間撹拌する。すり潰し、ジエチルエーテルでリンスし、得られた沈殿物をろ過乾燥させる。こうして得られた塩をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタン、メタノール及びアンモニア水の98/2/0.2、次いで95/5/0.5混合物によって溶出させる。N−{8−[N−(2−アミノエチル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩0.05gを得る。
【0138】
融点=105℃、M+H=532、[α]20=−12.6°(c=0.521g/100ml、DMSO)。
【実施例6】
【0139】
N−(8−{4−クロロ−N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア(化合物番号22)
6.1:tert−ブチル(3R)−3−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート
Boc−D−Tic−OH6.95gをジクロロメタン25mlに溶解させる。ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩2.69g及びブロモトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート11.68gを添加する。溶液を0℃に冷却後、ジイソプロピルアミン9.72mlを徐々に添加する。次いで、反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。加水分解後、水相が完全に消失するまで酢酸エチルで抽出する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固させる。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタンとメタノールの99/1混合物によって溶出させる。tert−ブチル(3R)−3−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート7.4gを得る。
【0140】
6.2:tert−ブチル(3R)−3−ホルミル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート
tert−ブチル(3R)−3−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート7.4gをジエチルエーテル31mlにN下で溶解させる。反応媒体を0℃に置き、水素化アルミニウムリチウム0.98gを慎重に添加する。混合物を0℃で45分間撹拌する。硫酸カリウム水溶液を用いて加水分解した後、水相が完全に消失するまでジエチルエーテルで抽出する。有機相を3N塩酸水溶液、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、次いでHO、最後に塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固させる。tert−ブチル(3R)−3−ホルミル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート3.5gを得る。続いて、この生成物をそのまま使用する。
【0141】
6.3:tert−ブチル(3R)−3−{{[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−メトキシ−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−3,4−(ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート
tert−ブチル(3R)−3−ホルミル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート3.5gをN下でD−4−クロロフェニルアラニンメチルエステル4.02g及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム3.69gの存在下でジクロロメタン67mlに溶解させる。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。加水分解後、水相が完全に消失するまでジクロロメタンで抽出する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固させる。粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、1%から3%メタノールのジクロロメタン溶液勾配によって溶出させる。次いで、tert−ブチル(3R)−3−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−メトキシ−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート6.1gを得る。
【0142】
6.4:N−{[(3R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イル]メチル}−4−クロロ−D−フェニルアラニン
tert−ブチル(3R)−3−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−メトキシ−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート6.4gをテトラヒドロフラン/水/MeOH(1/1/1)混合物150mlに0℃で溶解させ、水酸化リチウム水和物0.99gを添加する。撹拌を0℃で3時間続ける。次いで、水酸化リチウム水和物0.5gを添加する。媒体を0℃で16時間維持する。硫酸カリウムをpH 7まで添加する。得られた沈殿物をろ過乾燥させ、ジエチルエーテルでリンスする。Pを用いて乾燥させた後、N−{[(3R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イル]メチル}−4−クロロ−D−フェニルアラニン7.2gを得る。
【0143】
6.5:tert−ブチル(3R)−3−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート
段階1.3で得られたN−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレアエンド化合物0.2gを、段階6.5で得られたN−{[(3R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イル]メチル}−4−クロロ−D−フェニルアラニン0.35g、ヒドロキシベンゾトリアゾール0.088g、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩0.125g及びジイソプロピルエチルアミン0.17mlの存在下でジクロロメタン3.25mlに溶解させる。混合物を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発乾固後、残渣を加水分解し、水相が完全に消失するまで酢酸エチルで抽出する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固した後、粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、0%から3%メタノールのジクロロメタン溶液勾配によって溶出させる。tert−ブチル(3R)−3−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート0.29gを得る。
【0144】
6.6:N−(8−{4−クロロ−N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
tert−ブチル(3R)−3−({[(1R)−1−(4−クロロベンジル)−2−(3−{シクロヘキシル[(ジエチルアミノ)カルボニル]アミノ}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−2−オキソエチル]アミノ}メチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキシラート0.29gを4N塩酸のジオキサン溶液1.1mlに添加する。反応媒体を周囲温度で1時間撹拌する。1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて加水分解した後、水相が完全に消失するまでジクロロメタンで抽出する。MgSOを用いて脱水し、濃縮乾固させる。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフにかけ、ジクロロメタンとメタノールの98/2混合物によって溶出させる。0.12gN−(8−{4−クロロ−N−[(3R]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレアを得る。
【0145】
6.7:N−(8−{4−クロロ−N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩
N−(8−{4−クロロ−N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.12gをジクロロメタン5mlに溶解させ、4N塩酸のジオキサン溶液0.4mlを添加する。蒸発後、残渣をジエチルエーテルに採り、ジエチルエーテルでリンスし、得られた沈殿物をろ過乾燥させる。N−(8−{4−クロロ−N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩0.12gを得る。
【0146】
融点=182℃、M+H=634、[α]20=−10.2°(c=0.857g/100ml、DMSO)。
【実施例7】
【0147】
N−{8−[4−クロロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア(化合物番号23)
7.1:N−{8−[4−クロロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
段階1.5で得られたN−[8−(4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.24gをN下で2−ピリジンカルボキシアルデヒド0.05ml及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.22gの存在下でジクロロメタン3mlに溶解させる。反応媒体を周囲温度で16時間撹拌する。蒸発乾固させ、メタノール1ml及びDowex(登録商標)50X2樹脂4gを添加した後、混合物を1時間30分間撹拌する。ろ過し、樹脂をテトラヒドロフラン及びメタノールで洗浄した後、メタノール中で1Nアンモニア水溶液を添加することによって予想化合物を遊離させる。メタノールを蒸発除去して、N−{8−[4−クロロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア0.054gを得る。
【0148】
7.2:N−{8−[4−クロロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩
0.054gをイソプロパノール2mlに添加し、2N塩酸のジエチルエーテル溶液0.06mlを添加する。蒸発後、残渣をジエチルエーテルに採り、ジエチルエーテルでリンスし、得られた沈殿物をろ過乾燥させる。N−{8−[4−クロロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア塩酸塩0.045gを得る。
【0149】
融点=119℃、M+H=580。
【0150】
以下の表は、R=Ra’=R=Hであり、Rが、Rが結合しているフェニル環のパラ位に位置する塩素原子である、式(I)の化合物に対応する、本発明による化合物、すなわち式(Ia)の化合物の幾つかの例の化学構造及び物性である。表中、
− 「塩」の列においては、「HCl」は塩酸塩の形の化合物であり、
− 「Mp」は測定した化合物の融点であり、
− Me及びEtはそれぞれメチル及びエチル基である。
【0151】
【表1】


【0152】
本発明による化合物は、そのメラノコルチン受容体作用物質効果、特にそのMC3及び/又はMC4受容体作用物質効果を求める薬理学的アッセイの対象であった。
【0153】
MC3及びMC4受容体に対する本発明による式(I)の化合物の親和性の評価
この親和性アッセイは、細胞膜への[125I]−[Nle−D−Phe]−α−MSHの結合を測定することによって実施される。この放射性リガンドの置換を利用して、組換えメラノコルチン受容体への特異的結合の阻害剤を特定する。
【0154】
このアッセイでは、ヒトMC4受容体を高密度で発現するCHO−K1細胞から調製された膜(Euroscreen)又は購入した、hMC3受容体を発現するHEK−293細胞の膜(Perkin Elmer Life Sciences、Receptor Biology)を使用した。hMC4受容体遺伝子を移入したCHO−K1細胞(Euroscreen)を、10%ウシ胎児血清(Biowhittaker)、1%ピルビン酸ナトリウム、1%L−グルタミン、1%非必須アミノ酸、0.4mg/mlジェネテシン(G418)及び0.5%PenStrepを含むDMEM/Nutrient Mix F12培地に播く。これらの製品は、子ウシ血清以外Gibco/BRlによって提供されている。飽和密度80%において、細胞をこすり取り、細胞ペレットを−80℃で凍結した。
【0155】
細胞(約70×10細胞)の管を氷上で解凍し、結合緩衝剤[25mM HEPES、pH 7.0、1mM MgCl、1.5mM CaCl、100mM NaCl、1mM 1,10−フェナントロリン及びComplete(商標)(Roche製プロテアーゼ阻害剤)1錠の50ml緩衝剤溶液]10mlにポリトロンを用いて20秒間再懸濁させる。懸濁液を19500rpmで4℃で20分間遠心分離する。上清を廃棄し、ペレットを結合緩衝剤5mlに再懸濁させる。試料中のタンパク質の量をBradford試験によって分析し、結合緩衝剤で希釈して濃度を3μg/25μlに調節する。[125I]−[Nle,D−Phe]−α−MSHを結合緩衝剤+0.2%BSAで希釈する。SPAビーズ(コムギ胚芽凝集素ポリビニルトルエン、Amersham Pharmacia Biotech)を結合緩衝剤+0.2%BSAで水和させ、次いで50μl中で細胞タンパク質3μg及びビーズ250μgとなるように細胞ホモジネートと混合する。最終濃度の10倍濃度の(10%DMSOで希釈した)試験生成物10μlを、底が透明な96ウェル白色プレート(CORNING 3604 Polystyrene Non−Binding Surface)に分配する。非特異的結合をNDP−αMSHによって10−7Mに規定する。全結合量を放射性リガンド単体の存在下でのカウント数/分によって測定する。膜−ビーズ懸濁液(50μl/ウェル)を分配した後、[125I]−[Nle,D−Phe]−α−MSH、40μl/ウェル(最終濃度100pM)の溶液を最終体積100μl/ウェルで分配する。周囲温度で6時間インキュベートした後、Microbeta TriLuxシンチレーションカウンターによって計数する。化合物のIC50値は、放射性リガンドの特異的結合を50%置換する濃度に対応する。
【0156】
従って、本発明による化合物は、MC3及び/又はMC4受容体に親和性があると判定される。MC3及びMC4受容体に対する本発明による化合物のIC50値は10μM未満であり、その大部分は1nMから1μMである。例として、表の化合物番号3は、MC4受容体に対するIC50が280nMである。
【0157】
MC3及びMC4受容体に対する本発明による式(I)の化合物の作用物質活性の評価
機能アッセイによって作用物質活性と拮抗物質活性を区別する。そのために、MC3受容体又はMC4受容体の活性化によって産生される環状アデノシン一リン酸(cAMP)が形成されるかどうかを分析する。
【0158】
ヒトMC4受容体を中程度の密度で発現するCHO−K1細胞(Euroscreen)を、ウシ胎児血清10%、0.5%ピルビン酸ナトリウム、1%L−グルタミン、1%非必須アミノ酸、200mg/lハイグロマイシンB及び0.5%PenStrepを含むDMEM/Nutrient Mix F12培地(Gibco/BRl)に播く。これらの製品は、子ウシ血清(Biowhittaker)及びハイグロマイシンB(Sigma)以外、Gibco/BRlによって提供されている。
【0159】
ヒトMC3受容体を発現するCHO(dhfr−)細胞を、透析された子ウシ血清10%、1%L−グルタミン、1%ピルビン酸ナトリウム、20mg/500ml L−プロリン、0.3mg/mlジェネテシン及び0.5%PenStrepを含むMEMイーグル培地(Sigma)に播く。これらの製品は、透析された子ウシ血清(Cambrex)及びL−プロリン(Sigma)以外、Gibco/BRlによって提供されている。
【0160】
最終濃度の10倍の濃度の(10%DMSOで希釈した)試験化合物10μlを細胞プレートに添加する(最終体積=100μl/ウェル)。1時間インキュベートした後(37℃、5%CO)、cAMP量をTropixキット(Appelera)を用いて供給元の文書に従って分析する。化合物によるcAMPの刺激をNDPαMSH 30nMによって引き起こされる刺激(最大100%)と比較することによってこの化合物の固有の活性を計算する。化合物のEC50値は、この化合物によって得られる最大刺激の50%を生じる濃度に対応する。
【0161】
従って、本発明による化合物は、MC3及び/又はMC4受容体作用物質であると判定される。本発明による化合物は、MC3及びMC4受容体に対するIC50値が10μM未満であり、その大部分が1nMから1μMである。例として、表の化合物番号3は、MC3受容体に対するEC50値が330nMであり、MC4受容体に対するEC50値が28nMである。
【0162】
本発明による化合物はメラノコルチン受容体作用物質活性を示すので、医薬品の製造に使用することができる。従って、その態様の別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物、又は式(I)の化合物と薬剤として許容される酸との付加塩、又は式(I)の化合物の水和物若しくは溶媒和物を含む医薬品である。
【0163】
この医薬品は治療に使用され、メラノコルチン受容体、特にMC3及び/又はMC4受容体が関与する病理(これには、特に、肥満、糖尿病及び勃起不全など男女が罹患し得る性的機能不全、心筋梗塞などの循環器疾患又は高血圧の治療及び予防が含まれる。)に使用され、抗炎症性用途又はアルコール依存症の治療にも使用される。
【0164】
その態様の別の態様によれば、本発明は、有効成分として本発明による化合物を含む薬剤組成物に関する。この薬剤組成物は、本発明による少なくとも1種類の化合物、又は薬剤として許容される前記化合物の塩、又は前記化合物の水和物若しくは溶媒和物の有効量と、薬剤として許容される少なくとも1種類の賦形剤とを含む。
【0165】
前記賦形剤は、所望の剤形及び投与方法に従って、当業者に公知である通常の賦形剤から選択される。
【0166】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮又は直腸投与用の本発明の薬剤組成物においては、上記式(I)の有効成分又はその可能な塩、溶媒和物若しくは水和物は、上記症状又は疾患の予防又は治療のために、従来の医薬品賦形剤との混合物として単位投与剤形で動物及びヒトに投与することができる。
【0167】
適切な単位投与剤形は、錠剤、軟又は硬カプセル剤、散剤、顆粒剤及び経口液剤又は懸濁液剤などの経口剤形、舌下、頬、気管内、眼内又は鼻腔内投与剤形、吸入投与剤形、局所、経皮、皮下、筋肉内又は静脈内投与剤形、直腸投与剤形並びに移植片を含む。局所適用の場合、本発明による化合物をクリーム剤、ゲル剤、軟膏剤又はローション剤に使用することができる。
【0168】
好ましい投与剤形は経口投与である。
【0169】
例として、錠剤の形の本発明による化合物の単位投与剤形は以下の成分を含むことができる。
【0170】
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
ナトリウムクロスカルメロース 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
より高い又はより低い投与量が適切である特定の場合もあり得る。かかる投与量は本発明の状況から逸脱しない。通常の治療によれば、各患者に適切な投与量は、投与方法並びに前記患者の体重及び応答に応じて医師が決定する。
【0171】
本発明は、その態様の別の態様によれば、本発明による化合物又は薬剤として許容されるその塩、水和物若しくは溶媒和物の1つの有効量を患者に投与することを含む、上記病態の治療方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、式(I)に対応する化合物。
【化1】

(式中、
とRa’は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル若しくはシクロアルキル基であり、
は水素原子又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル若しくはアリール基であり、
は式−(CH−(CO)−Y又は−(CO)−(CH−Yの基であり、式中、
・x=0、1、2、3又は4であり、
・y=0又は1であり、
・Yは水素原子又はヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール若しくは−NR1112基であり、x=y=0のときにはYは水素原子とは異なり、
・R11とR12は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基若しくは−NR1314基であり、又はR11とR12は、これらが結合している窒素原子と一緒に、4から10個の環成分を含み1から3個の追加のヘテロ原子及び/又は1から3個のエチレン性若しくはアセチレン性不飽和を含んでいてもよい、単環式若しくは二環式構造を形成し、この環は位置のいずれかにおいてハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル及びアルコキシ基から選択される1から3個の基で置換されていてもよく、
・R13とR14は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基若しくはアルコキシ基であり、又はR13とR14は、これらが結合している窒素原子と一緒に、上記に定義した単環式若しくは二環式構造を形成し、
は同一でも異なっていてもよい、1から3個の基であり、これらが結合している環の任意の位置にあり、ハロゲン原子並びにアルキル、シクロアルキル、−OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NR−COOR’、−NO、−CN及び−COOR基から選択され、
は水素原子又はアルキルであり、
は、
(1)オキソ基で置換されていてもよい、式(a)、(b)又は(c)の基、
【化2】

(式中、式(a)、(b)及び(c)の環の各々は、同一でも異なっていてもよい1から4個の基Rで任意の位置において置換されていてもよく、式中、
a=0、1、2又は3であり、
p=0、1、2又は3であり、
m=0、1又は2であり、
Xは酸素若しくは硫黄原子又は環構成成分−C(R)(R)−若しくは−N(R10)−であり、
は、
・水素原子、ハロゲン原子、
・基−(CH−OR、−(CH−COOR、−(CH−NR、−(CH−CO−NR又は−(CH−NR−COR(式中、x=0、1、2、3又は4である)、
・アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−CO−アルキル、−CO−シクロアルキル、−CO−ヘテロシクロアルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−アルキルアリール又は−CO−アルキルヘテロアリール、−CS−アルキル、−CS−シクロアルキル、−CS−ヘテロシクロアルキル、−CS−アリール、−CS−ヘテロアリール、−CS−アルキルアリール、−CS−アルキルヘテロアリール、−CS−NR又は−C(=NH)−NR基、
・縮合又は非縮合のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基(結合している式(a)の環上のスピロ位置にある)、
・アリール又はヘテロアリール基と縮合されたシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基
から選択され、
は水素及びハロゲン原子並びにアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−OR、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−アルキルアリール、−O−アルキルヘテロアリール、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NR−COOR’、−NO、−CN及び−COOR基から選択され、
及びRは、水素原子並びにアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−CO−アルキル、−CO−シクロアルキル、−CO−ヘテロシクロアルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−アルキルアリール、−CO−アルキルヘテロアリール、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−ヘテロシクロアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキルアリール、−SO−アルキルヘテロアリール、−C(=NH)−NRR’、−COOR、−CO−NRR’、−CS−NRR’及び−(CH−OR基(x=0、1、2、3又は4である)から互いに独立に選択され、
又はRとRは一緒にシクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキルを形成し、
10は、
・水素原子、
・基−(CH−OR、−(CH−COOR、−(CH−NR、−(CH−CO−NR、−(CH−NR−COR又は−(CH−COR(x=0、1、2、3又は4である)、
・アリール又はヘテロアリール基と縮合されたシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基、
・アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、−CO−アルキル、−CO−シクロアルキル、−CO−ヘテロシクロアルキル、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−アルキルアリール、−CO−アルキルヘテロアリール、−CS−アルキル、−CS−シクロアルキル、−CS−ヘテロシクロアルキル、−CS−アリール、−CS−ヘテロアリール、−CS−アルキルアリール、−CS−アルキルヘテロアリール、−CS−NR、−C(=NH)−NR、−SO−アルキル、−SO−シクロアルキル、−SO−ヘテロシクロアルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−アルキルアリール、−SO−アルキルヘテロアリール又は−SO−NR
から選択され、
・又はR10は、結合している窒素原子と式(a)の環構造の任意の位置にあるが前記窒素原子に隣接していない炭素原子と一緒に、3から5個の構成成分を含む架橋を形成し、
R及びR’は、互いに独立に、水素原子又はアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール若しくはアルキルヘテロアリール基であり、
前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、基R、R’、−OR、−NRR’、−CO−NRR’、−NR−CO−R’、−NR−CO−NRR’、−NO、−CN及び−COOR、OCOR、COR、OCONRR’、NRCOOR’から選択される1個以上の基で置換されていてもよい。)
(2)式−A−R18、−A−CH=N−R19、−A−N(R20)−A’−R19、−A−CO−N(R20)−A’−R19、−A−CH(NH)−R19又は−A−N(R20)−COO−A’の基(A及びA’は線状又は分枝アルキル基であり、R18はハロゲン原子又は−NH、ヒドロキシル若しくはフェニル基であり、R19は水素原子又はヒドロキシル、フェニル、ベンジル若しくはヘテロアリール基であり、及びR20は水素原子又はベンジル基である。)、
(3)同一でも異なっていてもよい1から4個の上記定義の基Rで任意の位置において置換されていてもよい式(d)
【化3】

(式中、rは1、2又は3であり、sは0又は1であり、及びU、V又はWの1個は窒素原子であり、U、V及びWのうちそれ以外はメチレン環構成成分である。)
の基、又は
(4)−(CH−ヘテロアリール基(式中、rは1、2又は3である。)
から選択される。)
【請求項2】
がシクロアルキル基であることを特徴とする、塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
が以下の基、−CO−R15、−CO−NR1617、−CO−NR15−NR1617、−CO−アリール、−CO−ヘテロアリール、−CO−(CH−NR1617、−(CH−NR1617、−(CH−OH、−(CH−アリール、−(CH−ヘテロアリール、−(CHx’−CO−R15及び−(CHx’−CO−NR1617
(式中、
・x=0、1、2、3又は4及びx’=1、2、3又は4であり、
・R15は水素原子又はアルキル、シクロアルキル若しくはアルコキシ基であり、及び
16とR17は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、又はアルキル基、シクロアルキル基若しくはアルコキシ基であり、又はR16とR17は、これらが結合している窒素原子と一緒に、4から10個の環構成成分を含み1から3個の追加のヘテロ原子及び/又は1から3個のエチレン性若しくはアセチレン性不飽和を含んでいてもよい、単環式若しくは二環式の構造を形成し、この環は任意の位置においてハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル及びアルコキシ基から選択される1から3個の基で置換されていてもよい。)
から選択されることを特徴とする、塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が基−CO−NR1617(R16及びR17はアルキル又はアルコキシ基である。)であることを特徴とする、塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が、ハロゲン原子から選択される同一でも異なっていてもよい1から3個の基であることを特徴とする、塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、
(1)下記式(a−5)、(a−6)又は(b−2)の基、
【化4】

(式(a−5)、(a−6)及び(b−2)の環の各々は、請求項1に定義される同一でも異なっていてもよい1から4個の基Rで任意の位置において置換することができ、および、a’=0又は1であり、p’=0又は1であり、R、R及びR10は請求項1に定義された通りである。)
(2)式−A−R18又は−A−CH=N−R19の基(A、R18及びR19は請求項1に定義された通りである。)、
(3)式(d−1)の基(r=1、2又は3)、
【化5】

(4)基−(CH−フリル又は−(CH−ピリジニル(rは1、2又は3である。)
から選択されることを特徴とする、塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
が水素原子であることを特徴とする、塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
=Ra’=Hであることを特徴とする、塩基の又は酸付加塩の形態及び水和物の又は溶媒和物の形態である、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
式(V)の化合物の還元的アミノ化が、基Rのケトン型誘導体の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法(R、R、R、R、R、R及びRa’は、請求項1から8のいずれか一項に定義された通りである。)。
【化6】

【請求項10】
式(IV)及び(V)の化合物
【化7】

(式中、R、R、R、R、R及びRa’は請求項1、2、3、4、5、7及び8のいずれか一項に定義された通りであり、Pgは保護基である。)。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はこの化合物と薬剤として許容される酸との付加塩、又は式(I)の化合物の水和物若しくは溶媒和物を含むことを特徴とする、医薬品。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又は薬剤として許容されるこの化合物の塩、この化合物の水和物若しくは溶媒和物と、ならびに薬剤として許容される少なくとも1種類の賦形剤とを含むことを特徴とする、薬剤組成物。
【請求項13】
肥満、糖尿病及び男女が罹患し得る性的機能不全の治療及び予防に、循環器疾患の治療に、並びに抗炎症用途に、又はアルコール依存症の治療に、使用される医薬品の製造における、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項14】
前記性的機能不全が勃起不全からなることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
以下の名称
1:N−[8−(4−クロロ−N−ピペリジン−4−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
2:N−[8−(4−クロロ−N−ピペリジン−3−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
3:N−{8−[N−(4−アミノシクロヘキシル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
4:N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
5:N−[8−(N−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
6:N−{8−[4−クロロ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
7:N−{8−[4−クロロ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
8:N−{8−[4−クロロ−N−(テトラヒドロ−3−チエニル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
9:N−[8−(N−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
10:N−[8−(N−アゼパン−4−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
11:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
12:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
13:N−[8−(4−クロロ−N−{[(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−イル]メチル}−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
14:N−{8−[4−クロロ−N−(1−フェニルピペリジン−4−イル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
15:N−(8−{N−[(1−ベンジルピロリジン−3−イル)メチル]−4−クロロ−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
16:N−[8−(4−クロロ−N−ピロリジン−3−イル−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
17:N−(8−{4−クロロ−N−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
18:N−{8−[N−(2−アミノエチル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
19:N−{8−[N−(3−アミノプロピル)−4−クロロ−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
20:N−(8−{4−クロロ−N−[(2E)−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
21:N−{8−[4−クロロ−N−(2−フルオロ−1−メチルエチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
22:N−(8−{4−クロロ−N−[(3R)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
23:N−{8−[4−クロロ−N−(ピリジン−2−イルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
24:N−{8−[4−クロロ−N−(2−フリルメチル)−D−フェニルアラニル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル}−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
25:N−(8−{4−クロロ−N−[(2R)−ピロリジン−2−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
26:N−(8−{4−クロロ−N−[(2S)−ピロリジン−2−イルメチル]−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
27:N−[8−(N−アゼチジン−3−イル−4−クロロ−D−フェニルアラニル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
28:N−(8−{N−[(1−ベンジルピロリジン−3−イル)メチル]−4−クロロ−D−フェニルアラニル}−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−N−シクロヘキシル−N’,N’−ジエチルウレア
を有する化合物。

【公表番号】特表2008−508242(P2008−508242A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523110(P2007−523110)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001856
【国際公開番号】WO2006/021657
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】