説明

アリール−複素環式化合物を含んでなるナノ粒状及び制御放出の組成物

本発明は、精神分裂病と類似の精神医学系障害の治療及び予防に有用なジプラシドンを含んでなる組成物を提供する。1つの態様において、本組成物は、ジプラシドンを含んでなるナノ粒状粒子と少なくとも1つの表面安定化剤を含む。ナノ粒状粒子は、約2000nm未満の有効平均粒径を有する。別の態様において、本組成物は、患者への投与時に、ジプラシドンを二峰性、多峰性、又は連続の方式で送達する修飾放出組成物を含む。本発明はまた、そのような組成物を含有する剤形と、精神分裂病と類似の精神医学系障害の治療及び予防の方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、精神分裂病と類似の精神医学系障害の予防及び治療に有用である組成物に関する。特に、本発明は、アリール−複素環式医薬化合物、例えば、ジプラシドンを含んでなる組成物に関する。本発明の1つの側面において、組成物は、ナノ粒状形態であり、少なくとも1つの表面安定化剤も含む。別の側面において、本発明はまた、アリール−複素環式医薬化合物、例えば、ジプラシドンの制御送達のための新規剤形と、精神分裂病と類似の精神医学系障害の予防及び治療の方法に関する。
【0002】
背景技術
化学的には5−[2−[4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニル]エチル]−6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンとして知られるジプラシドンは、精神分裂病、幻覚、妄想、敵愾心、及び脂質や他の血液脂肪の増加を伴わない他の双極性障害のような精神医学系の状態を治療するための抗精神病剤として使用されているベンゾチアゾリルピペラジン誘導体である。ジプラシドンは、C2121ClNOSの一般式と412.94(遊離塩基)の分子量を有する。
【0003】
ジプラシドンの化学構造を下に示す:
【0004】
【化1】

【0005】
ジプラシドンは、米国においてファイザー社が登録した商標名Geodon(登録商標)で提供される剤形の一部として投与される場合がある。ジプラシドンは、Geodon(登録商標)カプセル剤において、ジプラシドンの塩酸塩、5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニル)エチル)−6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン一塩酸塩一水和物の形態で存在している。この塩は、白色〜ややピンク色の粉末であり、300℃の融点、C2121ClNOS・HCl・HOの一般式、及び467.42の分子量を有する。Geodon(登録商標)カプセル剤は、20mg、40mg、60mg、及び80mgのカプセル剤で経口投与に供される。Geodon(登録商標)カプセル剤内の不活性成分には、乳糖、ゼラチン化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムが含まれる。患者への一般的な投薬には、成人の精神分裂病を治療するための経口剤形(カプセル剤)が含まれ、食事とともに1日2回、20ミリグラム(mg)で投薬する。より高い投与量には、80mg、1日2回の投与量が含まれる場合がある。
【0006】
ジプラシドンは、Geodon(登録商標)注射用の商標名で、ジプラシドンメシレートの形態で筋肉内注射に利用可能である。Geodon(登録商標)注射用は、ジプラシドンメシレート三水和物(5−(2−(4−(1,2−ベンゾイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニル)エチル)−6−クロロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン、メタンスルホネート、三水和物(一般式:C2121ClNOS・CHSOH・3HO;分子量:563.09)の凍結乾燥型を含有する。Geodon(登録商標)注射用は、20mgジプラシドン/mLを含有するジプラシドンメシレートとして単回用量バイアルにおいて利用可能である。ジプラシドンは、米国食品及び医薬品管理局(FDA)により精神分裂病の治療用に承認されて、ジプラシドンの筋肉内注射型は、精神分裂病患者における急性発作用に承認されている。
【0007】
ジプラシドンの消失半減期は、約7時間である。1〜3日以内には、定常状態の血漿濃度に達する。ジプラシドンのバイオアベイラビリティは、食事とともに服用するときに、約60%である。高用量のGeodon(登録商標)(1日360mg)まで増量した20名の患者のうち約一人は認知の有意な改善を示すと報告されている。
【0008】
ジプラシドン化合物は、米国特許第4,831,031;6,110,918;6,245,765;6,150,366;6,232,304;6,399,777;及び6,245,766号に記載されている。米国特許公開公報番号2004/0138237及び2004/0146562は、活性ジプラシドン化合物がシクロデキストリンとともに可溶化して懸濁液を生成している、ジプラシドンの注射可能デポー製剤を開示する。
【0009】
ジプラシドンは、精神分裂病と類似の精神障害に罹患している患者の療法治療にきわめて有効である。しかしながら、ジプラシドンを1日2回服用する必要性と、食後にジプラシドンを服用するさらなる必要性があるために、精神分裂病と類似の精神障害の治療では、厳格な患者コンプライアンス(服薬履行性)がジプラシドンの効力の必須要因になっている。さらに、そのような頻繁の投与は、しばしば、医療ワーカーの注意を必要として、ジプラシドンを含む治療に関連した高コストへ貢献する。このように、ジプラシドン組成物についての現行技術には、精神分裂病と類似の精神病の治療におけるその使用に関連したこのような問題を克服する必要がある。
【0010】
追加的に、ジプラシドンは、水にほとんど溶けない。この乏しい水溶性は、バイオアベイラビリティの低下をもたらす。
発明の概要
本発明の1つの態様には、(A)ジプラシドンと(B)少なくとも1つの表面安定化剤を含んでなるナノ粒状組成物が含まれる。表面安定化剤は、ナノ粒状粒子の表面に吸着させても、それと結合させてもよい。ナノ粒状粒子は、約2000nm未満の有効平均粒径を有する。ナノ粒状組成物は、精神分裂病と類似の精神医学系障害の予防及び治療に有用な1以上の追加の有効成分、及び/又は1以上の医薬的に許容される賦形剤を含んでもよい。そのような態様において、ナノ粒状組成物の被検者への投与は、摂食又は絶食の状態でも生物学的に同等で、類似の薬物動態を明示することができる。
【0011】
本発明はまた、有効成分含有粒子の第一集団を含んでなる第一成分と、有効成分含有粒子の第二集団を含んでなる第二成分を少なくとも有する修飾放出組成物に関し、ここで各成分は、放出の異なる速度及び/又は持続時間を有して、ここで前記成分の少なくとも1つは、ジプラシドンを含む。少なくとも第二成分の粒子は、例えば、修飾放出コーティング剤でコートされるか、又は修飾放出マトリックス材料を含んでなるか又はそれに取り込まれるような、修飾放出(MR)形態で提供される。患者への経口投与時に、組成物は、1以上の有効成分を二峰性又は多峰性の方式で放出する。そのような修飾放出組成物は、ジプラシドンのナノ粒状型と少なくとも1つの表面安定化剤を含んでよく、精神分裂病と類似の精神医学系障害の予防及び治療に有用な1以上の追加の有効成分、及び/又は1以上の医薬的に許容される賦形剤を含んでもよい。
【0012】
修飾放出組成物の第一成分は、第一成分に含まれる有効成分の実質的にすべてが剤形の投与後速やかに放出される、速やかであるが時間遅延の後で放出される(遅延放出)、又は時間をかけて緩やかに放出されるといったプロフィールが含まれる、多様な放出プロフィールを明示してよい。1つの態様において、剤形の第一成分に含有される有効成分は、患者への投与時に速やかに放出される。本明細書に使用するように、「速やかに放出される」には、剤形の成分の有効成分の少なくとも約80%が投与後約1時間以内に放出される放出プロフィールが含まれ、用語「遅延放出」には、剤形の成分の有効成分がある時間遅延の後で(速やかに又は緩やかに)放出される放出プロフィールが含まれ、そして用語「制御放出」及び「延長放出」には、剤形の成分に含まれる有効成分の少なくとも約80%が緩やかに放出される放出プロフィールが含まれる。
【0013】
修飾放出組成物の第二成分も、即時放出プロフィール、遅延放出プロフィール、又は制御放出プロフィールが含まれる多様な放出プロフィールを明示してよい。1つの態様において、第二成分は、該成分の有効成分が時間遅延の後で放出される遅延放出プロフィールを明示する。別の態様において、第二成分は、該成分の有効成分が投与後約12〜約24時間の期間にわたり放出される制御放出プロフィールを明示する。
【0014】
成分が異なる放出プロフィールを明示する2成分の態様において、有効成分の組成物からの放出プロフィールは、二峰性である。第一成分が即時放出プロフィールを明示して、第二成分が遅延放出プロフィールを明示する態様では、有効成分の第一成分からの放出と有効成分の第二成分からの放出の間にラグタイムが存在する。ラグタイムの持続時間は、修飾放出コーティング剤の量及び/又は組成を改変することによって、又は望ましい放出プロフィールを達成するために利用する修飾放出マトリックス材料の量及び/又は組成を改変することによって変動させてよい。このように、ラグタイムの持続時間を設計して、望ましい血漿プロフィールを模倣することができる。
【0015】
第一成分が即時放出プロフィールを明示して、第二成分が制御放出プロフィールを明示する態様では、第一及び第二成分中の有効成分が異なる時間の期間にわたって放出される。そのような態様において、即時放出成分は、投与から治療上有効な血漿濃度レベルに至る時間を最少化することによって作用の発現を早めることに役立ち、1以上の後続成分は、投薬間隔を通して、血漿濃度レベルの変動を最小化する、及び/又は治療上有効な血漿濃度を維持することに役立つ。1つのそのような態様では、第一成分の有効成分が速やかに放出されて、第二成分の有効成分が投与後約12時間の期間内に放出される。別のそのような態様では、第一成分の有効成分が速やかに放出されて、第二成分の有効成分が投与後約24時間の期間内に放出される。なお別のそのような態様では、第一成分の有効成分が速やかに放出されて、第二成分の有効成分が投与後約12時間の期間にわたり放出される。さらに別のそのような態様では、第一成分の有効成分が速やかに放出されて、第二成分の有効成分が投与後約24時間の期間にわたり放出される。なお別のそのような態様では、第一成分の有効成分が速やかに放出されて、第二成分の有効成分が投与後少なくとも約12時間の期間にわたり放出される。さらに別のそのような態様では、第一成分の有効成分が速やかに放出されて、第二成分の有効成分が投与後少なくとも約24時間の期間にわたり放出される。
【0016】
即時放出成分と少なくとも1つの修飾放出成分を含む、本発明の剤形の投与によりもたらされる血漿プロフィールは、連続的に与えられる2以上のIR剤形の投与によりもたらされる血漿プロフィールに、又は別々のIR及びMR剤形の投与によりもたらされる血漿プロフィールに実質的に類似する場合がある。本発明の修飾放出組成物は、通常は1日2回で投与するジプラシドンを投与することに特に有用である。本発明の1つの態様において、組成物は、ジプラシドンを二峰性の方式で送達する。投与時に、そのような組成物は、典型的な治療方式に従ったジプラシドンの2つのIR用量の連続投与により得られる血漿プロフィールを実質的に模倣する血漿プロフィールをもたらす。
【0017】
本発明の別の側面によれば、連続的に与えられる2以上のIR剤形の投与に関連した血漿濃度レベルの変動を最小化するか又は消失させる血漿プロフィールをもたらすように組成物を設計することができる。そのような態様において、組成物は、投与から治療上有効な血漿濃度レベルに至る時間を最少化することによって作用の発現を早めるための即時放出成分と、投薬間隔を通して治療上有効な血漿濃度を維持するための少なくとも1つの修飾放出成分で提供してよい。ジプラシドンは、少なくとも1つの表面安定化剤も含むナノ粒状粒子に含めてよい。
【0018】
本明細書に開示する組成物に類似した修飾放出組成物は、Devane et al.への米国特許第6,228,398号及び6,730,325号に開示されて、特許請求されている。
本発明はまた、本発明の組成物より作製される剤形に関する。1つの態様において、剤形は、本発明の修飾放出組成物を含んでなる固体の経口剤形である。経口剤形は、例えば、侵食可能製剤、拡散制御製剤、及び浸透制御製剤を利用してよい。そのような態様において、剤形に含まれる全体用量は、パルス方式又は連続方式で放出されてよい。1つのそのような態様において、全体用量の一部は即座に放出されて効果の迅速な発現を可能にして、全体用量の残りは、ラグタイムの後で、又は約24時間までの時間の期間にわたって放出される。
【0019】
別の態様において、剤形は、ジプラシドンを含んでなるナノ粒状組成物を含んでなる注射可能デポー製剤である。デポー製剤は、ゆっくり溶解して、薬物を患者の循環中へ放出する。この製剤の単回注射は、ジプラシドンの有効な治療血漿濃度を3ヶ月にわたりもたらすことができる。
【0020】
本発明はまた、ジプラシドンを含んでなるナノ粒状組成物を作製する方法へ向けられる。そのような方法は、ジプラシドンを含んでなるナノ粒状粒子を少なくとも1つの表面安定化剤と、ジプラシドンを含んでなる安定したナノ粒状組成物をもたらすのに十分な時間の期間の間と条件の下で接触させる工程を含む。
【0021】
さらに本発明は、限定されないが、精神分裂病と類似の精神障害の予防及び治療が含まれる治療の方法に関する。そのような方法は、ジプラシドンを含んでなる組成物、例えば、ナノ粒状組成物の治療有効量を被検者へ投与する工程を含む。
【0022】
本発明の組成物及び剤形は、必要とされる投薬頻度を減らして、それにより患者の便宜を高めて患者コンプライアンスと、それ故に、限定されないが、精神分裂病と類似の精神障害の予防及び治療が含まれる、ジプラシドンを必要とするすべての治療への治療アウトカムを向上させることに有用である。このアプローチは、1日頻回投与される慣用のジプラシドン剤形に置き換わることができる。
【0023】
上述の一般的な記載と以下の詳細な説明は、ともに例示的な説明であり、特許請求する本発明のさらなる説明を提供することを企図している。当業者には、以下の本発明の詳細な説明から、他の目的、利点、及び新規の特徴が容易に明らかになろう。
【0024】
発明の詳細な記述
本発明を、以下と本出願を通して示すいくつかの定義を使用して、ここに説明する。
本明細書に使用するように、「約」は、当業者により理解されるものであり、それが使用される文脈である程度変動するものである。それが使用される文脈において当業者に明瞭でないこの用語の使用があれば、「約」は、特別な用語のプラス(+)又はマイナス(−)10%までを意味する。
【0025】
本明細書に使用するように、「ジプラシドン」には、ジプラシドン、その医薬的に許容される塩、酸、エステル、代謝産物、複合体、又は他の誘導体と、そのそれぞれの立体異性体が含まれ、2以上のそのような立体異性体の混合物、ラセミ体、他が含まれる。
【0026】
本明細書に使用するように、「ジプラシドンの治療有効量」は、関連した治療を必要とする有意数の被検者にジプラシドンを投与するときに特有の薬理学的反応をもたらす投与量を意味する。そのような投与量が当業者により治療有効量であるとみなされたとしても、特別な症例の特別な被検者へ投与するジプラシドンの治療有効量が本明細書に記載の状態を治療するのにいつでも有効であるわけではないことを特筆しておく。
【0027】
本明細書に使用するように、「粒状」は、そのサイズ、形状、又は形態に関わらず、別個の粒子、ペレット、ビーズ、又は顆粒の存在を特徴とする物質の状態を意味する。
本明細書に使用するように、「多粒状」は、そのサイズ、形状、又は形態に関わらず、複数の別個又は凝集した粒子、ペレット、ビーズ、顆粒、又はそれらの混合物を意味する。多粒状物を含んでなる組成物は、本明細書において「多粒状組成物」と記載する。
【0028】
本明細書に使用するように、「ナノ粒状」は、その中の粒子の有効平均粒径が直径約2000nm(2ミクロン)未満である多粒状物を意味する。ナノ粒状物を含んでなる組成物は、本明細書において「ナノ粒状組成物」と記載する。
【0029】
本明細書に使用するように、多粒状物(例、ナノ粒状物)を記載するための「有効平均粒径」は、その粒子の少なくとも50%が特定のサイズのものであることを意味する。従って、「直径が約2000nm未満の有効平均粒径」は、その中の粒子の少なくとも50%が直径約2000nm未満であることを意味する。
【0030】
本明細書に使用するように、「D50」は、多粒状物中の粒子の50%がそれ未満になる粒径を意味する。同様に、「D90」は、多粒状物中の粒子の90%がそれ未満になる粒径を意味する。
【0031】
安定した粒子に関連して本明細書に使用するように、「安定」は、限定されないが、以下の変数の1以上を意味する:(1)粒子は、経時的に、粒子間吸引力により、認めうるほどには綿状化も塊状化もしない、又は他のやり方で粒径を増加させない;(2)粒子の物理構造は、非結晶相から結晶相への変換によるように、経時的に改変しない;(3)粒子は、化学的に安定である;及び/又は(4)本発明のナノ粒子の製造時に、有効成分が粒子の融点以上での加熱工程へ処されなかった場合。
【0032】
本明細書に使用するように、「水にほとんど溶けない薬物」は、約30mg/ml未満、約20mg/ml未満、約10mg/ml未満、又は約1mg/ml未満の水溶解度を有する薬物を意味する。
【0033】
本明細書に使用するように、「修飾放出」には、即時でない放出が含まれ、制御放出、延長放出、持続放出、及び遅延放出が含まれる。
本明細書に使用するように、「時間遅延」は、本発明の組成物を含んでなる剤形の投与とその特別な成分からの有効成分の放出の間の時間の期間に関連する。
【0034】
本明細書に使用するように、「ラグタイム」は、組成物の1つの成分からの有効成分の放出と組成物の別の成分からの有効成分の放出の間の時間を意味する。
本明細書に使用するように、「侵食可能」は、製剤本体内の物質の作用によって、摩滅、消失、又は悪化し得る製剤に関連する。
【0035】
本明細書に使用するように、「拡散制御」は、その自発的な運動の結果として、例えば、より高濃度からより低濃度の領域へ拡がる場合がある製剤に関連する。
本明細書に使用するように、「浸透制御」は、半透膜を通したその運動の結果としてより高濃度の溶液へ拡がり得て、製剤の濃度をその膜の両側で等しくさせようとする製剤に関連する。
【0036】
I.ジプラシドンを含んでなるナノ粒状組成物
本発明は、(A)ジプラシドン、又はその塩又は誘導体;及び(B)少なくとも1つの表面安定化剤を含む粒子を含んでなるナノ粒状組成物を提供する。ナノ粒状組成物については、はじめに米国特許第5,145,684号に記載された。ナノ粒状活性剤の組成物は、例えば、米国特許第5,298,262;5,302,401;5,318,767;5,326,552;5,328,404;5,336,507;5,340,564;5,346,702;5,349,957;5,352,459;5,399,363;5,494,683;5,401,492;5,429,824;5,447,710;5,451,393;5,466,440;5,470,583;5,472,683;5,500,204;5,518,738;5,521,218;5,525,328;5,543,133;5,552,160;5,565,188;5,569,448;5,571,536;5,573,749;5,573,750;5,573,783;5,580,579;5,585,108;5,587,143;5,591,456;5,593,657;5,622,938;5,628,981;5,643,552;5,718,388;5,718,919;5,747,001;5,834,025;6,045,829;6,068,858;6,153,225;6,165,506;6,221,400;6,264,922;6,267,989;6,270,806;6,316,029;6,375,986;6,428,814;6,431,478;6,432,381;6,582,285;6,592,903;6,656,504;6,742,734;6,745,962;6,811,767;6,908,626;6,969,529;6,976,647;及び6,991,191号と米国特許公開公報番号20020012675;20050276974;20050238725;20050233001;20050147664;20050063913;20050042177;20050031691;20050019412;20050004049;20040258758;20040258757;20040229038;20040208833;20040195413;20040156895;20040156872;20040141925;20040115134;20040105889;20040105778;20040101566;20040057905;20040033267;20040033202;20040018242;20040015134;20030232796;20030215502;20030185869;20030181411;20030137067;20030108616;20030095928;20030087308;20030023203;20020179758;20020012675;及び20010053664にも記載されている。非結晶性の小粒子組成物については、米国特許第4,783,484;4,826,689;4,997,454;5,741,522;5,776,496号に記載されている。
【0037】
上記に述べたように、本発明のナノ粒状組成物中の粒子の有効平均粒径は、直径が約2000nm(即ち、2ミクロン)未満である。本発明の態様において、有効平均粒径は、光散乱法、顕微鏡、又は他の適切な方法によって測定するときに、直径が、例えば、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、又は約50nm未満であってよい。
【0038】
ナノ粒状粒子は、結晶相、非結晶相、半結晶相、半非結晶相、又はこれらの混合で存在してよい。
より小さな固体剤形のサイズを可能にするだけでなく、本発明のナノ粒状組成物は、増加したバイオアベイラビリティを明示して、ジプラシドンを含む先行の慣用的な非ナノ粒状組成物に比較して、より少ない用量のジプラシドンを必要とする。本発明の1つの態様において、本発明のナノ粒状組成物は、慣用の剤形で投与されるジプラシドンより約50%大きいバイオアベイラビリティを有する。他の態様において、本発明のナノ粒状組成物は、慣用の剤形で投与されるジプラシドンより約40%大きい、約30%大きい、約20%又は約10%大きいバイオアベイラビリティを有する。
【0039】
ナノ粒状組成物はまた、哺乳動物の被検者へのその初回投与に続いて測定するときに望ましい薬物動態プロフィールを有する場合がある。組成物の望ましい薬物動態プロフィールには、限定されないが(1)投与後に哺乳動物被検者の血漿においてアッセイするときに、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのCmaxより好ましくは高い、ジプラシドンのCmax;及び/又は(2)投与後に哺乳動物被検者の血漿においてアッセイするときに、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのAUCより好ましくは大きい、ジプラシドンのAUC;及び/又は(3)投与後に哺乳動物被検者の血漿においてアッセイするときに、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのTmaxより好ましくは少ない、ジプラシドンのTmaxが含まれる。
【0040】
本発明の態様において、本発明のナノ粒状組成物は、例えば、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのTmaxの約90%以下である、その中に含まれるジプラシドンのTmaxを明示する。本発明の他の態様において、本発明のナノ粒状組成物は、例えば、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのTmaxの約80%以下、約70%以下、約60%以下、約50%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、又は約5%以下である、その中に含まれるジプラシドンのTmaxを明示することができる。本発明の1つの態様において、哺乳動物の被検者の血漿においてアッセイするときのジプラシドンのTmaxは、投与後約6〜約8時間未満である。本発明の他の態様において、ジプラシドンのTmaxは、投与後約6時間未満、約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、約2時間未満、約1時間未満、又は約30分未満である。
【0041】
本発明の態様において、本発明のナノ粒状組成物は、例えば、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのCmaxの少なくとも約50%である、その中に含まれるジプラシドンのCmaxを明示する。本発明の他の態様において、本発明のナノ粒状組成物は、例えば、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのCmaxより少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約600%、少なくとも約700%、少なくとも約800%、少なくとも約900%、少なくとも約1000%、少なくとも約1100%、少なくとも約1200%、少なくとも約1300%、少なくとも約1400%、少なくとも約1500%、少なくとも約1600%、少なくとも約1700%、少なくとも約1800%、又は少なくとも約1900%高い、その中に含まれるジプラシドンのCmaxを明示することができる。
【0042】
本発明の態様において、本発明のナノ粒状組成物は、例えば、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのAUCより少なくとも約25%大きい、その中に含まれるジプラシドンのAUCを明示する。本発明の他の態様において、本発明のナノ粒状組成物は、例えば、非ナノ粒状組成物により同じ投与量で送達される同じジプラシドンのAUCより少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約175%、少なくとも約200%、少なくとも約225%、少なくとも約250%、少なくとも約275%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約750%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、少なくとも約1000%、少なくとも約1050%、少なくとも約1100%、少なくとも約1150%、又は少なくとも約1200%大きい、その中に含まれるジプラシドンのAUCを明示することができる。
【0043】
本発明には、ジプラシドンの投与後の薬物動態プロフィールが、その組成物を摂取する被検者の摂食又は絶食状態により実質的には影響されない、ナノ粒状組成物が含まれる。このことは、ナノ粒状組成物を絶食状態に対して摂食状態で投与するときに、吸収されるジプラシドンの量や吸収の速度に実質的な差がないことを意味する。慣用のジプラシドン製剤、即ちGeodon(登録商標)において、ジプラシドンの吸収は、食事と一緒に投与するときに増加する。慣用のジプラシドン製剤で観察されるこの吸収の差は、望ましくない。本発明の組成物は、この問題を克服する。
【0044】
食事の影響を実質的に消失させる剤形の利益には、被検者が食事の有無で用量を服用することを確かめる必要がないので、被検者の便宜を高めることで被検者コンプライアンスを向上させることが含まれる。このことが重要であるのは、低い患者コンプライアンスでは、ジプラシドンが処方される医学的状態の増加が観察され得るからである。
【0045】
本発明には、絶食状態の被検者への組成物の投与が摂食状態の被検者への組成物の投与と生物学的に同等である、ジプラシドンを含んでなるナノ粒状組成物も含まれる。
絶食状態に対して摂食状態で投与するとき、本発明の組成物の吸収における差は、好ましくは、約100%未満、約95%未満、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、又は約3%未満である。
【0046】
本発明の1つの態様において、本発明には、ジプラシドンを含んでなる組成物が含まれ、ここで絶食状態の被検者への組成物の投与は、特に、米国食品及び医薬品管理局と対応の欧州規制当局(EMEA)により示されるCmax及びAUCのガイドラインにより定義されるように、摂食状態の被検者への組成物の投与と生物学的に同等である。米国FDAガイドラインでは、2つの製品又は方法は、AUCとCmaxの90%信頼区間(CI)が0.80〜1.25の間にあるならば、生物学的に同等である(Tmax測定値は、規制目的の生物学的同等性に関係しない)。ヨーロッパのEMEAガイドラインに準ずる2つの化合物又は投与条件の間の生物学的同等性を示すには、AUCの90% CIが0.80〜1.25の間にあって、Cmaxの90% CIが0.70〜1.43の間でなければならない。
【0047】
本発明のナノ粒状組成物は、予期せぬほどに劇的な溶解プロフィールを有すると提起される。ジプラシドンの迅速な溶解が好ましく、一般に、より速やかな溶解は、より速やかな作用発現とより大きなバイオアベイラビリティをもたらす。ジプラシドンの溶解プロフィールとバイオアベイラビリティを改善するには、薬物の溶解が100%に近いレベルに達することができるように、それを高めることが有用であろう。
【0048】
本発明の組成物は、好ましくは、約5分以内に少なくとも約20%のジプラシドンが溶ける溶解プロフィールを有する。本発明の他の態様では、少なくとも約30%又は少なくとも約40%のジプラシドンが約5分以内に溶ける。本発明のなお他の態様では、好ましくは、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、又は少なくとも約80%のジプラシドンが約10分以内に溶ける。最後に、本発明の別の態様では、好ましくは、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約100%のジプラシドンが約20分以内に溶ける。
【0049】
溶解は、好ましくは、明確な特徴のある媒体において測定される。そのような溶解媒体は、胃液における溶解プロフィールがきわめて異なる2つの生成物について、2つのきわめて異なる溶解曲線をもたらす、即ち、この溶解媒体は、組成物の in vivo 溶解を予測する。例示の溶解媒体は、界面活性剤のラウリル硫酸ナトリウムを0.025Mで含有する水系媒体である。
【0050】
溶解した量の定量は、分光光度法によって行うことができる。回転ブレード法(ヨーロッパ薬局方)を使用して溶解を測定してよい。
本発明のナノ粒状組成物の追加の特徴は、その粒子が直径約2000nm未満の有効平均粒径を有するように再分散することである。このことが重要であるのは、粒子が直径約2000nm未満の有効平均粒径を有するように再分散しなければ、組成物がその中のジプラシドンをナノ粒状形態へ製剤化することによって得られる利益を失う可能性があるからである。このことは、ジプラシドンを含んでなる粒子の小さなサイズよりナノ粒状組成物が利益を得るためである。粒子が投与時に小さな粒径へ再分散しなければ、ナノ粒状系のきわめて高い表面自由エネルギーと自由エネルギーの全体低下をもたらそうとする熱力学的な推進力により、「塊り」又は凝集した粒子が生成される。そのような凝集粒子の形成により、剤形のバイオアベイラビリティは、ナノ粒状組成物の液体分散型で観察されるものより十分低下する可能性がある。
【0051】
本発明の他の態様において、本発明の再分散粒子(水、生物学的に関連した媒体、又は他の好適な液体媒体に再分散する)は、光散乱法、顕微鏡、又は他の適切な方法によって測定するときに、直径が、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、又は約50nm未満の有効平均粒径を有する。有効平均粒径を測定することに適したそのような方法は、当業者に知られている。
【0052】
再分散可能性は、当該技術分野で知られたどの好適な方法を使用して検査してもよい。例えば、「ポリマーの表面安定化剤とスルホコハク酸ジオクチルナトリウムの相乗的な組合せを含んでなる固体剤形のナノ粒状組成物(Solid Dose Nanoparticulate Compositions Comprising a Synergistic Combination of a Polymeric Surface Stabilizer and Dioctyl Sodium Sulfosuccinate)」についての米国特許第6,375,986号の実施例の節を参照のこと。
【0053】
本発明のナノ粒状組成物は、再分散粒子の有効平均粒径が約2000nm未満になるような、生物学的に関連した水系媒体における再構成/再分散により実証されるように、ヒトのような哺乳動物又は動物への投与時に粒子の劇的な再分散を明示する。そのような生物学的に関連した水系の媒体は、媒体の生物学的関連性の基礎となる、望まれるイオン強度及びpHを明示するどの水系媒体であってもよい。望まれるpH及びイオン強度は、人体に見出される生理学的条件を代表するものである。そのような生物学的に関連した水系媒体は、例えば、望まれるpH及びイオン強度を明示する、電解質の水溶液、又はあらゆる塩、酸、又は塩基の水溶液、又はこれらの組合せであってよい。
【0054】
生物学的に関連したpHは、当該技術分野でよく知られている。例えば、胃において、pHは、やや2未満(しかしながら、典型的には1より大きい)〜4又は5に及ぶ。小腸において、pHは4〜6に及び、結腸において、それは6〜8に及ぶ場合がある。生物学的に関連したイオン強度も、当該技術分野でよく知られている。絶食状態の胃液が約0.1Mのイオン強度を有するのに対して、絶食状態の腸液は、約0.14のイオン強度を有する。例えば、Lindahl et al.,「男性及び女性の胃液及び近位空腸液の特性決定(Characterization of Fluids from the Stomach and Proximal Jejunum in Men and Women)」Pharm. Res., 14(4): 497-502 (1997) を参照のこと。試験溶液のpH及びイオン強度は、特定の化学品の含有量より決定的であると考えられている。故に、適切なpH及びイオン強度の値は、強酸、強塩基、塩、単数又は複数の共役酸−塩基対(即ち、弱酸とその酸に対応する塩)、モノプロトン性及びポリプロトン性の電解質、等の無数の組合せにより、入手することができる。
【0055】
代表的な電解質溶液は、限定されないが、約0.001〜約0.1Nの濃度に及ぶHCl溶液、約0.001〜約0.1Mの濃度に及ぶNaCl溶液、及びこれらの組合せであり得る。例えば、電解質溶液は、限定されないが、約0.1N以下のHCl、約0.01N以下のHCl、約0.001N以下のHCl、約0.1M以下のNaCl、約0.01M以下のNaCl、約0.001M以下のNaCl、及びこれらの組合せであり得る。これらの電解質溶液の中で、近位胃腸管のpH及びイオン強度の条件により、絶食したヒトの生理学的条件を最もよく代表するのは、0.01M HCl及び/又は0.1M NaClである。
【0056】
0.001N HCl、0.01N HCl、及び0.1N HClの電解質濃度は、pH3、pH2、及びpH1にそれぞれ対応する。従って、0.01N HCl溶液は、胃に見出される典型的な酸性条件を模倣する。0.1M NaClの溶液は、胃腸液が含まれる、身体全体に見出されるイオン強度条件の妥当な近似を提供するが、ヒトGI管内での摂食条件を模倣するには、0.1Mより高い濃度を利用してよい。
【0057】
望ましいpH及びイオン強度を明示する、塩、酸、塩基、又はこれらの組合せの例示の溶液には、限定されないが、リン酸/リン酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム、及びカルシウム塩、酢酸/酢酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム、及びカルシウム塩、炭酸/重炭酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム、及びカルシウム塩、及び、クエン酸/クエン酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム、及びカルシウム塩が含まれる。
【0058】
上記に述べたように、本組成物は、少なくとも1つの表面安定化剤も含む。表面安定化剤は、ジプラシドン含有粒子の表面に吸着しても、それと結合してもよい。好ましくは、表面安定化剤は、粒子の表面に付着するか、又はそれと結合するが、粒子や他の表面安定化剤分子と化学的に反応しない。個々に吸着する表面安定化剤の分子には、分子間の架橋連結がほとんどない。
【0059】
本発明の組成物に存在するジプラシドンと表面安定化剤の相対量は、広汎に変動してよい。個々の成分の最適量は、とりわけ、選択される特別な薬物、安定化剤の親水親油バランス(HLB)、融点、及びその水溶液の表面張力に依存する場合がある。ジプラシドンの濃度は、他の賦形剤を含めない、ジプラシドンと表面安定化剤(複数)を合わせた全重量に基づいて、約99.5%〜約0.001%、約95%〜約0.1%、又は約90%〜約0.5%の重量で変動してよい。表面安定化剤(複数)の濃度は、他の賦形剤を含めない、ジプラシドン、又はその塩又は誘導体と表面安定化剤(複数)を合わせた全乾燥重量に基づいて、約0.5%〜約99.999%、約5.0%〜約99.9%、又は約10%〜約99.5%の重量で変動してよい。
【0060】
ジプラシドンに対する表面安定化剤(複数)の選択は、些細なことではなく、望みの製剤を実現するために詳細な実験を必要とする。従って、本発明は、ジプラシドンを含んでなるナノ粒状組成物を作製することができるという驚くべき発見へ向けられる。
【0061】
本発明では、1より多い表面安定化剤の組合せを使用することができる。本発明に利用し得る有用な表面安定化剤には、限定されないが、既知の有機及び無機の医薬賦形剤が含まれる。そのような賦形剤には、様々なポリマー、低分子量オリゴマー、天然産物、及び界面活性剤が含まれる。表面安定化剤には、非イオン性、アニオン性、カチオン性、イオン性、及び両性イオン性の界面活性剤が含まれる。
【0062】
表面安定化剤の代表例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロースとして今日知られる)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホスクシナート、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、アカシアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例、セトマクロゴール1000のようなマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例、例えば、Tween 20(登録商標)及びTween 80(登録商標)(ICI Speciality Chemicals)のような市販のTween(登録商標));ポリエチレングリコール(例、Carbowaxs 3550(登録商標)及び934(登録商標)(Union Carbide))、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化シリコン、リン酸エステル、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロースフタラート、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、酸化エチレン及びホルムアルデヒドを伴う4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポール、スペリオン、及びトリトンとしても知られる)、ポロキサマー(例、酸化エチレン及び酸化プロピレンのブロック共重合体であるPluronics F68(登録商標)及びF108(登録商標));ポロキサミン(例、Poloxamine 908(登録商標)としても知られるTetronic908(登録商標)(これは、エチレンジアミン(BASF Wyandotte Corporation,ニュージャージー州パルシッパニー)への酸化プロピレン及び酸化エチレンの連続付加より生じる四機能性のブロック共重合体である);Tetronic 1508(登録商標)(T−1508)(BASF Wyandotte Corporation)、アルキルアリールポリエーテルスルホネートであるTritons X−200(登録商標)(Rohm and Haas);スクロースステアレートとスクロースジステアレートの混合物であるCrodestas F−110(登録商標(Croda社);Olin−lOG(登録商標)又はSurfactant 10−G(登録商標)(Olin Chemicals,コネチカット州スタンフォード)としても知られるp−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール);Crodestas SL−40(登録商標)(Croda社);及びC1837CH(CON(CH)−CH(CHOH)(CHOH)であるSA9OHCO(イーストマン・コダック社);デカノニル−N−メチルグルカミド;n−デシルβ−D−グルコピラノシド;n−デシルβ−D−マルトピラノシド;n−ドデシルβ−D−グルコピラノシド;n−ドデシルβ−D−マルトシド;ヘプタノイル−N−メチルグルカミド;n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド;n−ヘプチルβ−D−チオグルコシド;n−ヘキシルβ−D−グルコピラノシド;ノナノニル−N−メチルグルカミド;n−ノイルβ−D−グルコピラノシド;オクタノイル−N−メチルグルカミド;n−オクチル−β−D−グルコピラノシド;オクチルβ−D−チオグルコピラノシド;PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ビニルピロリドン及び酢酸ビニルのランダム共重合体、等が含まれる。
【0063】
有用なカチオン性表面安定化剤の例には、限定されないが、ポリマー、バイオポリマー、多糖、セルロース類(cellulosics)、アルギン酸塩、リン脂質、及び非ポリマー化合物(両性イオン性安定化剤のような)、ポリ−n−メチルピリジニウム、塩化アントリウル(anthryul)ピリジニウム、カチオン性リン脂質、キトサン、ポリリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリブレン、ポリメチルメタクリレート・トリメチルアンモニウムブロミド・ブロミド(PMMTMABr)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDMAB)、及びポリビニルピロリドン−2−ジメチルアミノエチルメタクリレートジメチルスルフェートが含まれる。
【0064】
他の有用なカチオン性安定化剤には、限定されないが、カチオン性脂質、スルホニウム、ホスホニウム、及び、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココヤシのトリメチルアンモニウムクロリド若しくはブロミド、ココヤシのメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド若しくはブロミド、デシルトリエチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド若しくはブロミド、C12−15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド若しくはブロミド、ココヤシのジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド若しくはブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド若しくはブロミド、ラウリルジメチル(エテノキシ)アンモニウムクロリド若しくはブロミド、N−アルキル(C12−18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N−アルキル(C14−18)ジメチル−ベンジルアンモニウムクロリド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、N−アルキル及び(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロリド、ハロゲン化トリメチルアンモニウム、アルキル−トリメチルアンモニウム塩とジアルキル−ジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、エトキシル化アルキルアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩及び/又はエトキシル化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロリド、N−ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、クロリド一水和物、N−アルキル(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロリド及びドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、C12,C15,C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲニド(halogenides)、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド(ALIQUAT 336TM)、POLYQUAT 10TM、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミドのような四級アンモニウム化合物、コリンエステル(脂肪酸のコリンエステルのような)、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアラルコニウム化合物(塩化ステアリルトリモニウム及び塩化ジステアリルジモニウムのような)、臭化若しくは塩化セチルピリジニウム、四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン塩、MIRAPOLTM、及びALKAQUATTM(Alkaril Chemical Company)、アルキルピリジニウム塩;アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリエチレンポリアミン、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、及びビニルピリジンのようなアミン、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルピリジニウム塩、及びアルキルイミドアゾリニウム塩のようなアミン塩、及び酸化アミン;イミドアゾリニウム塩;プロトン化四級アクリルアミド、メチル化四級ポリマー(ポリ[ジアリルジメチルアンモニウムクロリド]及びポリ−[N−メチルビニルピリジニウムクロリド]のような);及びカチオン性グアーゴムが含まれる。
【0065】
このような例示のカチオン性表面安定化剤と他の有用なカチオン性表面安定化剤は、J. Cross and E. Singer,「カチオン性界面活性剤:分析及び生物学的評価(Cationic Surfactants: Analytical and Biological Evaluation)(マーセル・デッカー、1994));P. And D. Rubingh (監修),「カチオン性界面活性剤:物理化学(Cationic Surfactants: Physical Chemistry)(マーセル・デッカー、1991);及び J. Richmond,「カチオン性界面活性剤:有機化学(Cationic Surfactants: Organic Chemistry)」(マーセル・デッカー、1990)に記載されている。
【0066】
非ポリマー表面安定化剤は、塩化ベンザルコニウム、カルボニウム化合物、ホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、ハロニウム化合物、カチオン性有機金属化合物、四級リン化合物、ピリジニウム化合物、アニリニウム化合物、アンモニウム化合物、ヒドロキシルアンモニウム化合物、一級アンモニウム化合物、二級アンモニウム化合物、三級アンモニウム化合物、及び式:NR(+)の四級アンモニウム化合物のような、どの非ポリマー化合物でもよい。式:NR(+)の化合物については:
(i)R〜RのいずれもCHでない;
(ii)R〜Rの1つがCHである;
(iii)R〜Rの3つがCHである;
(iv)R〜RのすべてがCHである;
(v)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの1つがCCHであり、そしてR〜Rの1つが7以下の炭素原子のアルキル鎖である;
(vi)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの1つがCCHであり、そしてR〜Rの1つが19以上の炭素原子のアルキル鎖である;
(vii)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの1つがC(CHである(ここでn>1);
(viii)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの1つがCCHであり、そしてR〜Rの1つが少なくとも1つのヘテロ原子を含む;
(ix)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの1つがCCHであり、そしてR〜Rの1つが少なくとも1つのハロゲンを含む;
(x)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの1つがCCHであり、そしてR〜Rの1つが少なくとも1つの環状の断片を含む;
(xi)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの1つがフェニル環である;又は
(xii)R〜Rの2つがCHであり、R〜Rの2つが純粋に脂肪族の断片である。
【0067】
そのような化合物には、限定されないが、塩化ベヘンアルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベヘントリモニウム、塩化ラウラルコニウム、塩化セタルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、フッ化水素酸セチルアミン、塩化クロラリルメテンアミン(Quaternium−15)、塩化ジステアリルジモニウム(Quaternium−5)、ドデシルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド(Quaternium−14)、Quaternium−22、Quaternium−26、Quaternium−18ヘクトリット(hectorite)、ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩、塩酸システイン、ジエタノールアンモニウムPOE(10)オレイルエーテルホスフェート、ジエタノールアンモニウムPOE(3)オレイルホスフェート、獣脂(tallow)塩化アルコニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト、塩化ステアラルコニウム、臭化ドミフェン、安息香酸デナトニウム、塩化ミリスタルコニウム、塩化ラウトリモニウム、二塩酸エチレンジアミン、塩酸グアニジン、ピリドキシンHCl、塩酸イオフェタミン、塩酸メグルミン、塩化メチルベンゼトニウム、臭化ミルトリモニウム、塩化オレイルトリモニウム、ポリクアテルニウム−1、塩酸プロカイン、ココベタイン、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトナイト、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフルオリド、獣脂塩化トリモニウム、及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドが含まれる。
【0068】
表面安定化剤は、市販品を入手可能である、及び/又は当該技術分野で知られた技術によって製造することができる。これらの表面安定化剤のほとんどは、既知の医薬賦形剤であり、米国製薬工業協会と英国製薬協会が共同出版した「医薬賦形剤の手引き(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」(The Pharmaceutical Press, 2000)に詳しく記載されている。
【0069】
本発明の組成物は、ジプラシドンに加えて、精神分裂病又は類似の精神障害と関連状態を治療するのに有用な1以上の化合物を含んでよい。本組成物は、そのような化合物と一緒に投与してもよい。これらの他の活性化合物には、好ましくは、頭痛、発熱、苦痛のような身体状態と、概して精神分裂病と類似の精神医学系障害とともに引き起こされる他の同様の状態の治療に有用なものが含まれる。そのような活性化合物は、当業者により決定されるように、ジプラシドンの治療効果に干渉しないようなやり方で存在すべきである。
【0070】
本発明の組成物は、1以上の結合剤、充填剤、希釈剤、滑沢剤、乳化及び懸濁剤、甘味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤、湿潤剤、崩壊剤、発泡剤、発香剤、及び他の賦形剤も含んでよい。そのような賦形剤は、当該技術分野で知られている。さらに、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、等のような様々な抗菌及び抗真菌剤の添加によって微生物の増殖の予防を確実にすることができる。注射可能製剤における使用では、組成物は、糖類、塩化ナトリウム、等のような等張剤と、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンのような、注射可能な製剤形の吸収を遅延することに使用の薬剤も含んでよい。
【0071】
充填剤の例は、乳糖一水和物、乳糖無水物、及び様々なデンプンであり;結合剤の例は、様々なセルロース及び架橋連結ポリビニルピロリドン、Avicel(登録商標)PH101及びAvicel(登録商標)PH102のような微結晶性セルロース、微結晶性セルロース、及び珪化微結晶性セルロース(ProSolv SMCCTM)である。
【0072】
圧縮される粉末の流動性に作用する薬剤が含まれる、好適な滑沢剤は、Aerosil(登録商標)200のようなコロイド状二酸化シリコン、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びシリカゲルである。
【0073】
甘味剤の例は、ショ糖、キシリトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アスパルテーム、及びアセスルファムのような、あらゆる天然又は人工の甘味剤である。芳香剤の例は、Magnasweet(登録商標)(MAFCOの商標)、風船ガムフレーバー、及びフルーツフレーバー、等である。
【0074】
保存剤の例は、ソルビン酸カリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸とその塩、ブチルパラベンのような、パラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチル若しくはベンジルアルコールのようなアルコール、フェノールのようなフェノール性化合物、又は塩化ベンザルコニウムのような四級化合物である。
【0075】
好適な希釈剤には、微結晶性セルロース、乳糖、二塩基性リン酸カルシウム、サッカライド、及び/又は上記のいずれもの混合物のような、医薬的に許容される不活性充填剤が含まれる。希釈剤の例には、Avicel(登録商標)PH101及びAvicel(登録商標)PH102のような微結晶性セルロース;乳糖一水和物、乳糖無水物、及びPharmatose(登録商標)DCL21のような乳糖;Emcompress(登録商標)のような二塩基性リン酸カルシウム;マンニトール;デンプン;ソルビトール;ショ糖;及びブドウ糖が含まれる。
【0076】
好適な崩壊剤には、軽度架橋連結ポリビニルピロリドン、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、及び改良デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ナトリウムデンプングリコラート、及びこれらの混合物が含まれる。
【0077】
発泡剤の例は、有機酸と炭酸塩若しくは重炭酸塩のような発泡性の対である。好適な有機酸には、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、及びアルギン酸の酸と無水物及び酸塩が含まれる。好適な炭酸塩及び重炭酸塩には、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸グリシンナトリウム、炭酸L−リジン、及び炭酸アルギニンが含まれる。あるいは、発泡性の対の重炭酸ナトリウム成分だけが存在してよい。
【0078】
本発明の組成物は、担体、アジュバント、又は運搬体(以下、集合的に「担体」)も含めてよい。
ナノ粒状組成物は、例えば、粉砕、均質化、沈殿、凍結、又は鋳型エマルジョンの技術を使用して作製することができる。ナノ粒状組成物を作製する例示の方法は、’684特許に記載されている。ナノ粒状組成物を作製する方法は、米国特許第5,518,187;5,718,388;5,862,999;5,665,331;5,662,883;5,560,932;5,543,133;5,534,270;5,510,118;及び5,470,583号にも記載されている。
【0079】
1つの方法では、ジプラシドンを含んでなる粒子を、ジプラシドンがほとんど溶けない液体分散媒体に分散させる。次いで、機械的な手段を粉砕媒体の存在下に使用して、粒径を所望の有効平均粒径へ低下させる。分散媒体は、例えば、水、ヒマワリ油、エタノール、t−ブタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)、ヘキサン、又はグリコールであってよい。好ましい分散媒体は、水である。粒子は、少なくとも1つの表面安定化剤の存在下でサイズを低下させることができる。ジプラシドンを含んでなる粒子を摩砕後に1以上の表面安定化剤と接触させることができる。希釈剤のような他の化合物は、このサイズ低下プロセスの間に組成物へ加えてよい。分散物は、連続的に製造しても、バッチ方式で製造してもよい。当業者は、粉砕の後で、必ずしもすべての粒子が所望のサイズまで低下されない場合があることを理解されよう。そのような場合、望まれるサイズの粒子を分離して、本発明の実践に使用してよい。
【0080】
望ましいナノ粒状組成物を生成する別の方法は、ミクロ沈殿による。これは、表面安定化剤と、微量の有毒溶媒も可溶化した重金属の不純物も含まない1以上のコロイド安定性亢進界面活性剤の存在下で、ほとんど溶けないジプラシドンの安定分散液を調製する方法である。このような方法は、例えば:(1)ジプラシドンを好適な溶媒に溶かす工程;(2)工程(1)からの製剤を、少なくとも1つの表面安定化剤を含んでなる溶液へ加える工程;及び(3)適正な非溶媒を使用して、工程(2)からの製剤を沈殿させる工程を含む。この方法に続けて、生成されるあらゆる塩を、存在していれば、慣用の手段による分散液の透析又は透析濾過と濃縮により除去することができる。
【0081】
ナノ粒状組成物は、均質化によって生成してもよい。例示の均質化の方法が「ナノ粒子を含有する治療組成物を製造する方法(Process of Preparing Therapeutic Compositions Containing Nanoparticles)」についての米国特許第5,510,118号に記載されている。そのような方法は、ジプラシドンを含んでなる粒子を液体分散媒体に分散させることに続いて、その分散物を均質化へ処して粒径を所望の有効平均粒径へ低下させることを含む。粒子は、少なくとも1つの表面安定化剤の存在下でサイズを低下させることができる。粒子は、粉砕の前か後のいずれかで、1以上の表面安定化剤と接触させてよい。希釈剤のような他の化合物は、このサイズ低下プロセスの前、その間、又は後に組成物へ加えてよい。分散物は、連続的に製造しても、バッチ方式で製造してもよい。
【0082】
望まれるナノ粒状組成物を生成する別の方法は、液体へのスプレー凍結(SFL)による。この技術は、ジプラシドン及び表面安定化剤の有機若しくは有機水溶液を液体窒素のような極低温液体へ注入することを含む。薬物含有溶液の液滴は、結晶化及び粒子成長を最小化するのに十分な速度で凍結して、それによりナノ構造化粒子を製剤化する。溶媒系と処理条件の選択に依存して、粒子は、多様な粒子形態を有し得る。単離工程では、粒子の凝集又は成長(ripening)を回避する条件の下で窒素と溶媒を除去する。
【0083】
SFLへの補完技術として、表面積が大いに増える同等のナノ構造化粒子を創出するために、超高速凍結(URF)も使用してよい。URFは、ジプラシドン及び表面安定化剤の水混和性、無水、有機、又は有機水溶液を取得して、それを極低温基質上へ適用することを含む。次いで、凍結乾燥又は空気凍結−乾燥のような手段によって溶媒を除去して、生じるナノ構造化粒子を残す。
【0084】
所望のナノ粒状組成物を生成する別の方法は、鋳型エマルジョンによる。鋳型エマルジョンは、制御された粒径分布と迅速な溶解能力のあるナノ構造化粒子を創出する。この方法は、水中油型のエマルジョンを調製してから、ジプラシドン及び表面安定化剤を含んでなる非水溶液でそれを膨潤させることを含む。粒子のサイズ分布は、エマルジョンの薬物とのローディングに先行する、エマルジョン液滴のサイズの直接的な結果である。この方法で、粒径を制御して最適化することができる。さらに、溶媒及び安定化剤の選択使用により、オストワルド成長がないか又は抑制された状態でエマルジョン安定性が達成される。引き続き、溶媒と水を除去して、安定化したナノ構造化粒子を回収する。処理条件の適正な制御によって、様々な粒子形態を達成することができる。
【0085】
本発明はまた、ジプラシドンを含んでなるナノ粒状組成物の有効量の投与を含んでなる方法を提供する。
本発明の組成物は、非経口(例、静脈内、筋肉内、又は皮下)、経口(例、固体、液体、又はエアゾール形態において)、膣、経鼻、直腸、眼、局部(例、散剤、軟膏、又は液滴の形態において)、頬内、槽内、腹腔内、又は局所、等の投与用に製剤化することができる。
【0086】
ナノ粒状組成物は、液体分散液剤、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏剤、デポー剤、クリーム剤、制御放出製剤、速融解製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、カプセル剤、遅延放出製剤、延長放出製剤、パルス放出製剤、混合型即時放出及び制御放出製剤、等のような、固体又は液体の投与製剤で利用することができる。
【0087】
非経口注射に適した組成物は、生理学的に許容される無菌の水系若しくは非水系溶液剤、分散液剤、懸濁液剤、又は乳剤と、無菌の注射可能な溶液剤又は分散液剤への復元用の無菌散剤を含んでよい。好適な水系若しくは非水系の担体、希釈剤、溶媒、又は運搬体の例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレン−グリコール、グルセロール、等)、これらの好適な混合物、植物油(オリーブ油のような)、及びオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルが含まれる。例えば、レシチンのようなコーティング剤の使用により、分散液剤の場合は必要とされる粒径の維持により、そして界面活性剤の使用により、適切な流動性を維持することができる。
【0088】
経口投与用の固体剤形には、限定されないが、錠剤、カプセル剤、サシェ剤、トローチ剤、散剤、丸剤、又は顆粒剤が含まれ、固体剤形は、例えば、速融解剤形、制御放出剤形、凍結乾燥剤形、遅延放出剤形、延長放出剤形、パルス放出剤形、混合型即時放出及び制御放出剤形、又はこれらの組合せであり得る。固体用量の錠剤製剤が好ましい。そのような固体の剤形では、活性剤を以下の少なくとも1つと混合する:(a)クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムのような1以上の不活性賦形剤(又は担体);(b)デンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、及び珪酸のような充填剤又は増量剤;(c)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、及びアカシアのような結合剤;(d)グリセロールのような希釈剤;(e)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種の複合珪酸塩、及び炭酸ナトリウムのような崩壊剤;(f)パラフィンのような溶解遅延剤;(g)四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤;(h)セチルアルコール及びグリセロールモノステアレートのような湿潤剤;(i)カオリン及びベントナイトのような吸着剤;並びに(j)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物のような滑沢剤。カプセル剤、錠剤、及び丸剤では、剤形は、緩衝剤も含んでよい。
【0089】
経口投与用の液体剤形には、医薬的に許容される乳剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が含まれる。ジプラシドンに加えて、液体剤形は、当該技術分野で通常使用される、水や他の溶媒のような不活性希釈剤、可溶化剤、及び乳化剤を含んでよい。例示の乳化剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油のようなオイル、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、又はこれらの物質の混合物、等である。
【0090】
当業者は、ジプラシドンの治療有効量を経験的に決定することができることを理解されよう。本発明のナノ粒状組成物におけるジプラシドンの実際の投与レベルは、特定の組成物及び投与方法に望まれる治療応答を得るのに有効である薬物の量を得るために変動してよい。故に、選択される投与量レベルは、望まれる治療効果、投与経路、投与ジプラシドンの効力、望まれる治療期間、及び他の要因に依存するものである。
【0091】
投与単位の組成物は、1日用量を構成するために使用し得るようなジプラシドンの量又はその約数を含有してよい。しかしながら、どの特別な患者にも特有な用量レベルは、多様な要因(達成すべき細胞又は生理学的な応答の種類及び程度;利用する特定の薬剤又は組成物の活性;患者の年齢、体重、健康全般、性別、及び食事;ジプラシドンの投与の時間、投与の経路、及び排出の速度;ジプラシドンと組み合わせて、又は同時に使用する活性化合物;及び、医学の技術分野でよく知られた類似の要因)に依存するものであると理解されよう。
【0092】
II.ジプラシドンを含んでなる制御放出組成物
疾患状態の予防及び治療における化合物の有効性は、剤形から患者への化合物の送達の速度及び持続時間が含まれる、多様な要因に依存する。所与の剤形により患者において明示される送達の速度及び持続時間の組合せは、その in vivo 放出プロフィールとして記載することができて、投与する医薬化合物に依存して、医薬化合物の血漿中の濃度及び持続時間(血漿プロフィールと呼ばれる)と関連付けられる。医薬化合物は、バイオアベイラビリティや吸収及び消失の速度のような薬物動態特性において異なるので、放出プロフィールと生じる血漿プロフィールは、有効な治療法を設計するときに考慮すべき重要な要素になる。
【0093】
剤形の放出プロフィールは、異なる放出の速度及び持続時間を明示する場合があり、連続的でもパルス方式であってもよい。連続放出プロフィールには、1以上の医薬化合物のある量が一定又は可変速度のいずれかで、投薬間隔を通して連続的に補出される放出プロフィールが含まれる。パルス放出プロフィールには、1以上の医薬化合物の少なくとも2つの別個の量が異なる速度及び/又は異なる時間枠で放出される放出プロフィールが含まれる。どの所与の医薬化合物又はそのような化合物の組合せでも、所与の剤形の放出プロフィールは、患者において、結合(associated)血漿プロフィールを生じる。剤形の2以上の成分が異なる放出プロフィールを有するとき、剤形全体としての放出プロフィールは個々の放出プロフィールの組合せとなり、一般に「多峰性」と記載してよい。各成分が異なる放出プロフィールを有する2成分剤形の放出プロフィールは、「二峰性」と記載してよく、各成分が異なる放出プロフィールを有する3成分剤形の放出プロフィールは、「三峰性」と記載してよい。
【0094】
放出プロフィールへ適用可能な諸変数と同様に、患者における結合血漿プロフィールは、作用期間にわたる医薬化合物の一定又は可変の血漿濃度レベルを示す場合があり、連続的でもパルス方式でもよい。連続血漿プロフィールには、単一の血漿濃度最大値を明示する、すべての速度及び持続時間の血漿プロフィールが含まれる。パルス血漿プロフィールには、医薬化合物の少なくとも2つのより高い血漿濃度レベルがより低い血漿濃度レベルにより分離されて、一般に「多峰性」と記載され得る血漿プロフィールが含まれる。2つのピークを明示するパルス血漿プロフィールは、「二峰性」と記載してよく、3つのピークを明示する血漿プロフィールは、「三峰性」と記載してよい。剤形の個別成分の放出プロフィールだけでなく、剤形に含まれる医薬化合物の薬物動態に少なくとも一部は依存して、多峰性の放出プロフィールは、患者への投与時に、連続又はパルス方式のいずれの血漿プロフィールも生じてよい。
【0095】
1つの態様において、本発明は、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子をパルス方式で送達する、多粒状の修飾放出組成物を提供する。ナノ粒子は、上記に記載のタイプであり、少なくとも1つの表面安定化剤も含む。
【0096】
なお別の態様において、本発明は、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子を連続方式で送達する、多粒状の修飾放出組成物を提供する。ナノ粒子は、上記に記載のタイプであり、少なくとも1つの表面安定化剤も含む。
【0097】
なお別の態様において、本発明は、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子の第一部分を投与時に即座に放出して、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子の1以上の後続部分を最初の時間遅延後に放出する、多粒状の修飾放出組成物を提供する。
【0098】
なお別の態様において、本発明は、本発明の多粒状の修飾放出組成物を含んでなる、1日1回又は1日2回投与用の固体経口剤形を提供する。
なお別の態様において、本発明は、本発明の組成物の投与を含んでなる、精神分裂病と類似の精神医学系障害の予防及び/又は治療の方法を提供する。
【0099】
ある態様において、本発明は、多粒状物を形成する粒子が上記に記載のタイプのナノ粒状粒子である、多粒状の修飾放出組成物を提供する。ナノ粒状粒子は、望まれるように、修飾放出コーティング剤、及び/又は修飾放出マトリックス材料を含有してよい。
【0100】
本発明の1つの側面により、有効成分含有粒子を含んでなる第一成分と、有効成分含有粒子を含んでなる少なくとも1つの後続成分を有する医薬組成物を提供して、それぞれの後続成分は、第一成分とは異なる放出の速度及び/又は持続時間を有し、ここで前記成分の少なくとも1つは、ジプラシドンを含有する粒子を含む。本発明のある態様において、多粒状物を形成するジプラシドン含有粒子は、それ自身が、ジプラシドンと少なくとも1つの表面安定化剤も含む上記に記載のタイプのナノ粒状粒子を含有してよい。本発明の別の態様において、ジプラシドンと少なくとも1つの表面安定化剤も含む上記に記載のタイプのナノ粒状粒子は、それ自身が、多粒状物の薬物含有粒子である。薬物含有粒子は、修飾放出コーティング剤でコートしてよい。代替的又は追加的に、薬物含有粒子は、修飾放出マトリックス材料を含んでよい。経口送達に続いて、組成物は、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子を、パルス方式で送達する。1つの態様において、第一成分は、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子の即時放出を提供して、1以上の後続成分は、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子の修飾放出を提供する。そのような態様において、即時放出成分は、投与から治療上有効な血漿濃度レベルに至る時間を最少化することによって作用の発現を早めることに役立ち、1以上の後続成分は、投薬間隔を通して、血漿濃度レベルの変動を最小化する、及び/又は治療上有効な血漿濃度を維持することに役立つ。
【0101】
修飾放出コーティング剤、及び/又は修飾放出マトリックス材料は、有効成分含有粒子の第一集団からの有効成分の放出と有効成分含有粒子の後続集団からの有効成分の放出の間のラグタイムを引き起こす。有効成分含有粒子の1より多い集団が修飾放出を提供する場合、修飾放出コーティング剤、及び/又は修飾放出マトリックス材料は、有効成分含有粒子の異なる集団からの有効成分の放出の間のラグタイムを引き起こす。これらラグタイムの持続時間は、修飾放出コーティング剤の組成及び/又は量を改変すること、及び/又は利用する修飾放出マトリックス材料の組成及び/又は量を改変することによって変化させてよい。このように、ラグタイムの持続時間は、望ましい血漿プロフィールを模倣するように設計することができる。
【0102】
修飾放出組成物により投与時にもたらされる血漿プロフィールが2以上のIR剤形の連続投与によりもたらされる血漿プロフィールに実質的に類似しているので、本発明の修飾放出組成物は、ジプラシドンを投与することに特に有用である。
【0103】
本発明の別の側面によれば、連続的に与えられる2以上のIR剤形の投与に関連した血漿濃度レベルの変動を最小化するか又は消失させる血漿プロフィールをもたらすように本組成物を設計することができる。そのような態様において、組成物は、投与から治療上有効な血漿濃度レベルに至る時間を最少化することによって作用の発現を早めるための即時放出成分と、投薬間隔を通して治療上有効な血漿濃度を維持するための少なくとも1つの修飾放出成分とともに提供してよい。
【0104】
各成分中の有効成分は、同じでも異なってもよい。例えば、組成物は、ジプラシドンのみ、又はジプラシドンを含有するナノ粒子を有効成分として含んでなる成分を含んでよい。あるいは、組成物は、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子を含んでなる第一成分と、ジプラシドンとの同時投与に適した、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子以外の有効成分を含んでなる少なくとも1つの後続成分;又はジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子以外の有効成分を含有する第一成分と、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子を含んでなる少なくとも1つの後続成分を含んでよい。
【0105】
実際、2以上の有効成分を同じ成分へ取り込んでよく、このとき有効成分は、互いに適合性がある。組成物の1つの成分に存在する有効成分は、そのバイオアベイラビリティ又は治療効果を改善するために、例えば、組成物の別の成分中にエンハンサー化合物又は増感化合物を伴ってよい。
【0106】
本明細書に使用するように、用語「エンハンサー」は、ヒトのような動物においてGITを通過する正味輸送を促進することによって、有効成分の吸収及び/又はバイオアベイラビリティを高めることが可能である化合物を意味する。エンハンサーには、限定されないが、グリセリド及びトリグリセリドが含まれる、中鎖脂肪酸;その塩、エステル、エーテル、及び誘導体;酸化エチレンを脂肪酸、脂肪アルコール、アルキルフェノール、又はソルビタン若しくはグリセロール脂肪酸エステルと反応させることによって製造することができるような非イオン性界面活性剤;シトクロムP450阻害剤、P−糖タンパク阻害剤、等;並びに、これら薬剤の2以上の混合物が含まれる。
【0107】
1より多い薬物含有成分が存在する態様において、各成分に含有されるジプラシドンの比率は、望まれる投薬方式に依存して、同じでも異なってもよい。第一成分と後続成分に存在するジプラシドンは、治療上有効な血漿濃度レベルをもたらすのに十分などの量であってもよい。ジプラシドンは、適用可能であるとき、1つの実質的に光学的に純粋な立体異性体の形態であっても、2以上の立体異性体の(ラセミ、又は他の)混合物として存在してもよい。1つの態様において、ジプラシドンは、組成物において約0.1〜約500mgの量で存在する。別の態様において、ジプラシドンは、組成物において約1〜約100mgの量で存在する。なお別の態様において、ジプラシドンは、第一成分において約0.5〜約60mgの量で存在する。さらに別の態様において、ジプラシドンは、第一成分において約2.5〜約30mgの量で存在する。後続成分において、ジプラシドンは、第一成分についての記載に類似した範囲内の量で存在する。
【0108】
成分のそれぞれからのジプラシドンの送達の時間放出特性は、各成分の組成を変更すること(存在し得る賦形剤及び/又はコーティング剤のいずれも変更することが含まれる)によって変化させてよい。特に、ジプラシドンの放出は、修飾放出コーティング剤が存在すれば、そのようなコーティング剤の粒子上での組成及び/又は量を変化させることによって制御してよい。1より多い修飾放出成分が存在するならば、上記成分のそれぞれへの修飾放出コーティング剤は、同じでも異なってもよい。同様に、修飾放出マトリックス材料の包含によって修飾放出を促進するとき、利用する修飾放出マトリックス材料の選択及び量によって、有効成分の放出を制御してよい。修飾放出コーティング剤は、各成分において、それぞれの特別な成分に望まれる遅延時間を生じるのに十分であるどの量でも存在してよい。修飾放出コーティング剤は、各成分において、成分間の望ましいタイムラグを生じるのに十分であるどの量でも存在してよい。
【0109】
各成分からのジプラシドンの放出についてのラグタイム及び/又は時間遅延は、各成分の組成を変更すること(存在し得るどの賦形剤及び/又はコーティング剤も変更することが含まれる)によって変化させてもよい。例えば、第一成分は、ジプラシドンが投与時に即座に放出される即時放出成分であってよい。あるいは、第一成分は、例えば、ジプラシドンが時間遅延の後で即座に、実質的にその全体を放出する、時間遅延の即時放出成分であってもよい。第二及び後続成分は、例えば、上記に記載のような時間遅延の即時放出成分であっても、あるいは、ジプラシドンが延長された時間にわたって制御された形式で放出される、時間遅延の持続放出又は延長放出成分であってもよい。
【0110】
当業者に理解されるように、血漿濃度曲線の正確性は、直前に述べた上記のすべての因子の組合せによって影響されるものである。特に、ジプラシドンを含有する各成分中のジプラシドンの送達(従って、作用の発現もまた)の間のラグタイムは、各成分の組成及びコーティング剤(存在するならば)を変化させることによって制御してよい。このように、各成分の組成(有効成分の量及び性質が含まれる)の変動とラグタイムの変動によって、多数の放出及び血漿プロフィールを入手することができる。ジプラシドンの各成分からの放出の間のラグタイムの持続時間と、ジプラシドンの各成分からの放出の性質(即ち、即時放出、持続放出、等)に依存して、血漿プロフィールは、連続的(即ち、単一の最大値を有する)であるか、又は血漿プロフィール中のピークが十分に分離されて、明瞭に画定される(例えば、ラグタイムが長いとき)か又はある程度重なり合う(例えば、ラグタイムが短いとき)パルス方式であり得る。
【0111】
本発明の組成物を含んでなる単一の投与量単位の投与よりもたらされる血漿プロフィールは、2以上の投与量単位の投与を必要とせずに有効成分の2以上のパルスを送達することが望まれるときに有利である。
【0112】
ジプラシドンの放出を望まれる方式で修飾するどのコーティング材料も使用してよい。特に、本発明の実施における使用に適したコーティング材料には、限定されないが、セルロースアセテートフタラート、セルロースアセテートトリマレテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、ポリビニルアセテートフタラート、Eudragit(登録商標)RS及びRLの商標で販売されているようなアンモニオメタクリレート共重合体、Eudragit(登録商標)S及びLの商標で販売されているようなポリアクリル酸及びポリアクリレート及びメタクリレート共重合体、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシナート、シェラックのようなポリマーコーティング材料;カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、デンプン、及びセルロースベースの架橋連結ポリマー(ここでは、架橋連結の度合いが水の吸着とポリマーマトリックスの膨張を促進するほどに低い)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋連結デンプン、微結晶性セルロース、キチン、アミノアクリル−メタクリレート共重合体(Eudragit(登録商標)RS−PM、Rohm & Haas)、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアゴム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、(膨潤可能な親水性ポリマー)ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)(分子量:約5k〜5,000k)、ポリビニルピロリドン(分子量:約10k〜360k)、アニオン性及びカチオン性ヒドロゲル、低いアセテート残留物を有するポリビニルアルコール、寒天及びカルボキシメチルセルロースの膨潤可能な混合物、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレン、又はイソブチレンの共重合体、ペクチン(分子量:約30k〜300k)、寒天、アカシア、カラヤ、トラガカント、アルギン、及びグアールのような多糖類、ポリアクリルアミド、Polyox(登録商標)酸化ポリエチレン(分子量:約100k〜5,000k)、AquaKeep(登録商標)アクリレートポリマー、ポリグルカンのジエステル、架橋連結ポリビニルアルコール及びポリN−ビニル−2−ピロリドン、ナトリウムデンプングルコラート(例、Explotab(登録商標);Edward Mandell C社)のようなヒドロゲル及びゲル形成材料;多糖類、メチルセルロース、ナトリウム若しくはカルシウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、酸化ポリエチレン(例、Polyox(登録商標)、Union Carbide)、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースブチラート、セルロースプロピオネート、ゼラチン、コラーゲン、デンプン、マルトデキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メタクリル酸又はメタクリル酸の共重合体(例、Eudragit(登録商標)、Rohm and Haas)、他のアクリル酸誘導体、ソルビタンエステル、天然ゴム、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アルギン酸アンモニア、アルギン酸ナトリウム、カルシウム、カリウム、プロピレングリコールアルギネート、寒天、及び、アラビア、カラヤ、イナゴマメ、トラガカント、カラゲナン、グアー、キサンタン、スクレログルカンのゴムとこれらの混合物及び混和物のような親水性ポリマーが含まれる。当業者に理解されるように、可塑剤、滑沢剤、溶媒、等のような賦形剤をコーティング剤へ加えてよい。好適な可塑剤には、例えば、アセチル化モノグリセリド;ブチルフタリルブチルグリコラート;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;エチルフタリルエチルグリコラート;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;クエン酸エステル;トリプロピオニン;ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグルセリド;ポリエチレングリコール;ヒマシ油;クエン酸トリエチル;多水酸基アルコール、グリセロール、酢酸エステル、グリセロールトリアセテート、アセチルトリエチルシトレート、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジへキシル、ブチルオクチルフタラート、フタル酸ジイソノニル、ブチルオクチルフタラート、ジオクチルアゼレート、エポキシド化タラート(tallate)、トリイソオクチルトリメリタート、ジエチルヘキシルフタラート、ジn−オクチルフタラート、ジi−オクチルフタラート、ジi−デシルフタラート、ジn−ウンデシルフタラート、ジn−トリデシルフタラート、トリ2−エチルへキシルトリメリタート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケート、ジ2−エチルヘキシルアゼレート、セバク酸ジブチルが含まれる。
【0113】
修飾放出成分が修飾放出マトリックス材料を含むとき、どの好適な修飾放出マトリックス材料も、修飾放出マトリックス材料の好適な組合せも使用してよい。そのような材料は、当業者に知られている。本明細書に使用する用語「修飾放出マトリックス材料」には、そこに分散したジプラシドン又はその塩又は誘導体の in vitro 又は in vivo での放出を修飾することが可能である、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、及びこれらの混合物が含まれる。本発明の実施に適した修飾放出マトリックス材料には、限定されないが、微結晶性セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースのようなヒドロキシアルキルセルロース、酸化ポリエチレン、メチルセルロース及びエチルセルロースのようなアルキルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチラート、セルロースアセテートフタラート、セルロースアセテートトリメリタート、ポリビニルアセテートフタラート、ポリアルキルメタクリレート、ポリビニルアセテート、及びこれらの混合物が含まれる。
【0114】
本発明による修飾放出組成物は、有効成分のパルス方式での放出を促進する、どの好適な剤形へ取り込んでもよい。1つの態様において、剤形は、即時放出及び修飾放出の成分を構成する、有効成分含有粒子の異なる集団の混和物を含み、該混和物は、硬若しくは軟ゼラチンカプセルのような好適なカプセルへ充填される。あるいは、有効成分含有粒子の異なる個別集団は、ミニ錠剤へ圧縮して(任意選択的に、追加の賦形剤とともに)、引き続いて、これをカプセルへ適正な比率で充填してよい。別の好適な剤形は、多層錠剤のそれである。この例では、修飾放出組成物の第一成分を1つの層へ圧縮して、引き続き、第二成分を多層錠剤の第二層として加えてよい。本発明の組成物を構成する粒子の集団は、発泡剤形又は速融解剤形のような速溶解剤形にさらに含めてよい。
【0115】
1つの態様において、組成物は、ジプラシドンを含有する少なくとも2つの成分:第一成分と1以上の後続成分を含む。そのような態様において、組成物の第一成分は、第一成分に含まれる実質的にすべてのジプラシドンが剤形の投与時に速やかに放出される、迅速であるが時間遅延後に放出される(遅延放出)、又は経時的に緩やかに放出されるプロフィールが含まれる多様な放出プロフィールを明示してよい。1つのそのような態様において、第一成分に含まれるジプラシドンは、患者への投与時に速やかに放出される。本明細書に使用するように、「速やかに放出される」には、成分の少なくとも約80%の有効成分が投与後約1時間以内に放出される放出プロフィールが含まれ、用語「遅延放出」には、成分の有効成分が時間遅延後に(速やかに又は緩やかに)放出される放出プロフィールが含まれ、そして用語「制御放出」及び「延長放出」には、成分に含まれる少なくとも約80%の有効成分が緩やかに放出される放出プロフィールが含まれる。
【0116】
そのような態様の第二成分も、即時放出プロフィール、遅延放出プロフィール、又は制御放出プロフィールが含まれる多様な放出プロフィールを明示してよい。1つのそのような態様において、第二成分は、ジプラシドンが時間遅延後に放出される、遅延放出プロフィールを明示する。
【0117】
ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子を含んでなる即時放出成分と、ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子を含んでなる少なくとも1つの修飾放出成分を含む、本発明の剤形の投与によりもたらされる血漿プロフィールは、2以上のIR剤形の連続的な投与によりもたらされる血漿プロフィールに、又は別々のIR及び修飾放出剤形の投与によりもたらされる血漿プロフィールに実質的に類似する可能性がある。従って、本発明の剤形は、薬物動態変数の維持が望まれる場合がある一方で、それが問題となる場合にジプラシドンを投与することに特に有用であり得る。
【0118】
1つの態様において、本組成物と本組成物を含有する固体経口剤形は、第一成分に含まれる実質的にすべてのジプラシドンが少なくとも1つの後続成分からのジプラシドンの放出に先立って放出されるように、ジプラシドンを放出する。例えば、第一成分がIR成分を含むとき、少なくとも1つの後続成分からのジプラシドンの放出は、IR成分中の実質的にすべてのジプラシドンが放出されてしまうまで遅延されることが好ましい。少なくとも1つの後続成分からのジプラシドンの放出は、修飾放出コーティング剤及び/又は修飾放出マトリックス材料の使用によって、上記に詳述したように遅延させてよい。
【0119】
ジプラシドンの初回用量の患者システムからのウォッシュアウトを促進する投与方式を提供することによって患者耐性を最小化することが望まれる場合、後続成分からのジプラシドンの放出は、第一成分に含有される実質的にすべてのジプラシドンが放出されてしまうまで遅延させてよく、第一成分より放出されるジプラシドンの少なくとも一部が患者のシステムから一掃されてしまうまでさらに遅延させてよい。1つの態様において、組成物の後続成分からのジプラシドンの放出は、組成物の投与後少なくとも約2時間の期間の間、完全ではなくても実質的に遅延させる。別の態様において、組成物の後続成分からのジプラシドンの放出は、組成物の投与後少なくとも約4時間の期間の間、完全ではなくても実質的に遅延させる。
【0120】
下記に記載のように、本発明にはまた、ジプラシドンをパルス方式又は連続方式のいずれかで送達し得る、様々な種類の修飾放出系が含まれる。これらの系には、限定されないが:ポリマーマトリックスにジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子があるフィルム(モノリシックデバイス);ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子がポリマーに含有されている系(リザバーデバイス);リザバー及びマトリックスデバイスの形態中のポリマーコロイド状粒子又はミクロ被包物(microencapsulates)(ミクロ粒子、ミクロスフェア、又はナノ粒子);ジプラシドン又はジプラシドンを含有するナノ粒子が、親水性及び/又は浸出可能添加剤(例、第二ポリマー、界面活性剤、又は可塑剤、等)を含有するポリマーに含まれて、有孔デバイス、又はジプラシドン放出が浸透圧で制御され得るデバイスを与える系(リザバー及びマトリックス両用デバイス);腸溶コーティング剤(イオン化可能で、好適なpHで溶ける);(共有)結合した付帯ジプラシドン分子のある(可溶性)ポリマー、及び放出速度が動的に制御されるデバイス(例、浸透ポンプ)が含まれる。
【0121】
本発明の送達機序は、ジプラシドンの放出の速度を制御することができる。ジプラシドンを一定速度で放出する機序がある一方で、濃度勾配の変化や有孔性をもたらす追加の浸出、等のような要因に依存して、時間の関数として変動するものもある。
【0122】
持続放出コーティング剤に使用するポリマーは、必然的に生体適合性があり、理想的には生物分解性である。Aquacoat(登録商標)(FMCコーポレーション、Food & Pharmaceutical Products Division、フィラデルフィア、アメリカ)(ミクロン未満の大きさへ機械的に球状化した(spheronized)エチルセルロース、水ベースのシュードラテックス分散液)のような天然に存在するポリマーと、Eudragit(登録商標)(Rohm Pharma,Weiterstadt,広範囲のポリ(アクリレート、メタクリレート)共重合体)のような合成ポリマーのいずれの例も、当該技術分野で知られている。
【0123】
レザバーデバイス
修飾放出への典型的なアプローチは、薬物を全体的に(例えば、芯として)ポリマーフィルム又はコート(即ち、マイクロカプセル又はスプレー/パンコートされた芯)の内部に被包化又は含有することである。
【0124】
リザバーデバイスには、分散プロセスに影響を及ぼす可能性がある様々な因子(例、添加剤の影響、ポリマー機能性(即ち、シンク溶液pH)、有孔性、膜形成条件、等)を容易に適用することができるので、ポリマーの選択は、リザバーデバイスの開発において重要な考察事項でなければならない。故に、ジプラシドンの輸送が溶解−分散機序によるリザバーデバイス(及びモノリシックデバイス)の放出特性を設計することは、典型的には、関連する境界条件へのフィックの第2法則(非定常状態;濃度依存性の流出)への解に関わる。溶解した活性剤をデバイスが含有するとき、放出の速度は、デバイス内部の該剤の濃度(活性)(即ち、放出の推進力)が減少するにつれて、時間とともに指数的に減少する(即ち、一次放出)。しかしながら、活性剤が飽和懸濁液中にあれば、放出の推進力は、デバイスがもはや飽和でなくなるまで、一定に保たれる。あるいは、放出速度の速度論は、脱着(desorption)制御してよく、時間の平方根の関数となり得る。
【0125】
コート化錠剤の輸送特性は、フリーのポリマー膜に比較して、浸透圧の内部蓄積を可能にし得る錠剤芯(浸透物)の封鎖性により高められる場合があり、次いでそれが浸透物を錠剤から外へ強いるように作用する。
【0126】
ポリ(エチレングリコール)(PEG)含有シリコーンエラストマーでコートされた塩含有錠剤に対する脱イオン水の効果と、フリーフィルムに対する水の効果も検討した。錠剤から塩の放出は、コーティング剤の水和により形成される水充填孔を通した分散と浸透ポンピングとの混合であることがわかった。10% PEGのみを含有する膜を介したKCl輸送は、類似のフリーフィルムでは大量の膨潤が観察されるにもかかわらず、無視し得るものであり、KClの輸送に有孔性が必要であることを示した(従ってそれは、孔貫通拡散により生じた)。ディスク形状のコート化塩錠剤は、脱イオン水中で膨潤して、内部の静水圧の蓄積の結果として扁円スフェロイドへ形状を変化させることがわかった。この形状変化は、発生する力を測定するための手段を提供する。予測されたように、浸透力は、PEG含量のレベルの増加に伴って減少した。PEGレベルが低いほど、水和したポリマーを介して水が吸収されたのに対して、より高いレベルのPEG含量(20〜40%)で溶解するコーティング剤より生じる有孔性により、KClのフローにより浸透圧が緩和された。
【0127】
2つの異なる塩(例、KCl及びNaCl)の放出を(独立的に)モニタリングすることによって、浸透ポンピングと孔貫通拡散の両方が錠剤からの塩の放出に貢献する相対的な大きさの計算を可能にする方法及び等式を開発した。低PEGレベルでは、浸透フローは、低い孔数密度だけの発生による孔貫通拡散より大きな程度まで増加した。一方、20%のローディングでは、両方の機序がほぼ等しくこの放出に貢献した。しかしながら、静水圧の蓄積は、浸透の流入と、浸透ポンピングを低下させた。より高いPEGのローディングでは、水和した膜がより有孔になって、塩の流出に対してより抵抗でなくなった。従って、浸透ポンピングは増加した(低ローディングに比較して)が、孔貫通拡散が優勢な放出機序であった。水溶性の芯を含有するマイクロカプセルについては、浸透放出機序も報告されている。
【0128】
モノリシックデバイス(マトリックスデバイス)
薬物の放出を制御するためにモノリシック(マトリックス)デバイスを使用してよい。これは、おそらくは、それらがレザバーデバイスに比較して製作することが比較的容易であり、レザバーデバイスの膜の破裂より生じ得る偶然の高い投与量の危険が存在しないためである。そのようなデバイスにおいて、活性剤は、ポリマーマトリックス内部の分散物として存在して、それらは、典型的には、ポリマー/薬物混合物の圧縮によるか又は溶解又は融解によって形成される。モノリシックデバイスの用量放出特性は、薬物のポリマーマトリックス中の溶解度に、又は有孔マトリックスの場合は、粒子の空孔ネットワーク内のシンク溶液中の溶解度に依存する場合があり、そしてまた、ネットワークの迷路度は(膜の透過性より大きな度合いで)、薬物がポリマーに分散するか、又はポリマーに溶解するかに依存する。薬物の低ローディング(0〜5% W/V)では、薬物は、(空孔の非存在下での)溶解−拡散機序により放出される。より高いローディング(5〜10% W/V)では、放出機序は、デバイスの表面付近で形成される空洞の存在により、薬物が消失されるので、複雑なものになる。そのような空洞は、環境からの流体で充填されると、薬物の放出速度を高める。
【0129】
可塑剤(例、ポリ(エチレングリコール)、界面活性剤、又はアジュバント(即ち、有効性を高める成分)をマトリックスデバイス(及び、レザバーデバイス)へ透過性を高める手段として加えることは、一般的である(但し、対照的に、可塑剤は、一時的であって、単に膜形成を助けるのに役立つ場合もあり、この場合は透過性を低下させる。通常、ポリマー塗布コーティング剤において、より望まれる特性である)。PEGの浸出は、有孔性を高めることによってPEGローディングの関数として直線的に(エチルセルロース)膜の透過性を高めるが、膜はそのバリア特性を保持して、電解質の輸送を許容しないことが認められた。それらの透過性の亢進は、PEG浸出により引き起こされる厚さの有効な減少の結果であると帰結された。このことは、時間を関数とする単位面積あたりの累積透過流量と、50% W/WのPEGローディングでの膜厚の逆数のプロット、即ち、均質膜における(フィックの)溶解−拡散型の輸送機序で予測されるような、透過速度と膜厚の逆数との間の直線関係を示すプロットにより裏付けられた。グラフの直線領域を時間軸へ外挿すると、時間軸上に正の切片を得て、その大きさは、膜厚の減少に伴って、ゼロへ減少した。これらの変化するラグタイムは、本実験の初期段階の間の2つの拡散フロー(薬物のフローとPEGのフロー)の発生と、また、膜の透過体の濃度が蓄積される間のより通常のラグタイムによるものとされた。カフェインを透過体として使用すると、負のラグタイムを示した。このことはすぐに説明がつかなかったが、カフェインがこの系において低い分配係数を明示することと、これが類似の負のタイムラグを示す、ポリエチレン膜を介したアニリン透過の特徴でもあることが注目された。
【0130】
追加する界面活性剤の(疎水性)マトリックスデバイスに対する効果を検討した。界面活性剤は、3つの可能な機序により薬物の放出速度を高める可能性があると考えられた:(i)可溶化の増加、(ii)溶解媒体に対する「湿潤可能性(wettability)」の改善、及び(iii)界面活性剤の浸出の結果としての空孔形成。試験した系(Eudragit(登録商標)RL 100及びRS 100、ソルビトールにより可塑化、薬物としてフルルビプロフェン、多様な界面活性剤)では、錠剤の湿潤を改善してもごくわずかな薬物放出の改善しかもたらさない(この放出が、溶解ではなく拡散により制御されていることを示唆する)[但し、その効果は、Eudragit(登録商標)RLよりEudragit(登録商標)RSでより大きい]のに対し、放出に対する最大の影響は、マトリックス中での分解物の形成により、溶解媒体のマトリックス内への接近を可能にして、より溶解性になる界面活性剤によることが結論された。このことは、医薬コーティング剤に適している場合があるラテックスフィルムの研究にとって明らかに重要である。ポリマーラテックスを製造するには、界面活性剤がない場合とは対照的に、界面活性剤と一緒の場合のほうが容易だからである。2種のポリマーの間では差が見出され、Eudragit(登録商標)RSだけがアニオン/カチオン性界面活性剤と薬物の間の相互作用を示した。これは、ポリマー上の四級アンモニウムイオンの異なるレベルによるものであった。
【0131】
薬物を含有しないポリマーにおいてコートしたポリマー/薬物マトリックスからなる複合デバイスも存在する。そのようなデバイスは、水系Eudragit(登録商標)格子より構築され、芯から殻への薬物の拡散による連続放出を提供することが見出された。同様に、薬物を含有するポリマー芯を製造して、胃液により侵食される殻でコートした。薬物の放出の速度は、相対的に線形であり(殻を介した律速拡散プロセスの関数)、殻の厚さに反比例することが見出された。一方、芯単独からの放出は、時間とともに減少することが見出された。
【0132】
マイクロスフェア
中空のマイクロスフェアの製造法が記載されている。薬物及びポリマーを含有するエタノール/ジクロロメタンの溶液を調製することによって、中空のマイクロスフェアを形成した。水へ注ぐとすぐに、コアセルベート型のプロセスによって、分散したポリマー/薬物/溶媒粒子を含有するエマルジョンが形成され、それからエタノールが速やかに拡散し、液滴の表面にポリマーを沈殿させて、ジクロロメタンに溶けた薬物を被包する硬殻の粒子を得た。次いで、ジクロロメタンの気相が粒子内で発生して、殻を通過して分散した後で、水相の表面へ泡形成することが観察された。次いで、この中空の球体を減圧して水で満たした(これは、一定期間の乾燥によって除去することができる)。この水中に薬物は見出されなかった。きわめて有孔性のマトリックス型マイクロスフェアについても記載されている。マトリックス型マイクロスフェアは、薬物とポリマーをエタノールに溶かすことによって調製した。水へ加えると、エタノールがエマルジョン液滴より拡散して、きわめて有孔性の粒子を残した。ミクロスフェアの示唆される使用は、胃における使用のために薬物送達デバイスを浮遊させることであった。
【0133】
付帯(pendent)デバイス
水系エマルジョン重合化により調製したポリ(アクリレート)エステルラテックス粒子へのエステル連結の手段により、鎮痛薬及び抗うつ薬、等のような様々な薬物を着ける手段が開発されてきた。これらの格子は、ポリマー末端基をその強酸型へ変換するようにイオン交換樹脂を通過させるとき、エステル連結の加水分解により薬物の放出を自己触媒することができた。
【0134】
薬物をポリマーへ付けて、またモノマーは、付帯の薬物が付いたまま合成された。薬物が脆い化学結合により生体適合性ポリマーへ結合している剤形が製造されている。例えば、置換された無水物(それ自体は、薬物:塩化メタクリロイル及びメトキシ安息香酸のナトリウム塩と酸塩化物を反応させることによって製造する)より製造されるポリ無水物を使用して、胃酸中の加水分解時に薬物を放出する、第二ポリマー付きマトリックス(Eudragit(登録商標)RL)を生成した。医薬アミンの担体としての使用に適したポリマー性シッフ塩基の使用についても記載されている。
【0135】
腸溶フィルム
腸溶コーティング剤は、pH感受性ポリマーからなる。典型的には、ポリマーは、カルボキシル化されて、低pHではほとんど水と相互作用しないが、高pHではポリマーはイオン化して、ポリマーの膨潤又は溶解を引き起こす。故に、コーティング剤は、胃の酸性環境ではインタクトなままであり、薬物をこの環境から、又は胃を薬物から保護するが、腸のよりアルカリ性の環境では溶解するように設計することができる。
【0136】
浸透圧制御デバイス
浸透ポンプは、レザバーデバイスに類似しているが、水を周囲の媒体から半透膜を介して吸込むように作用する浸透剤(例、塩型の活性剤)を含有する。そのようなデバイスは、基本浸透ポンプと呼ばれて、記載されてきた。このデバイス内部では、溶質拡散を最小化するように設計された大きさの孔を介して活性剤をデバイスの外へ追い出す圧力が発生する一方で、浸透圧を低下させて、デバイスの寸法を変化させる効果を有し得る静水圧ヘッドの蓄積を妨げる。デバイスの内部容量が一定のままであり、デバイス中に過剰の固体又は飽和溶液が存在する間、放出速度は一定のままであり、溶媒取込みの容量に等しい容量を送達する。
【0137】
電気刺激放出デバイス
例えば、外部の電気刺激を適用してpHの変化を引き起こすときに膨潤する、ポリ電解質ゲルを使用するモノリシックデバイスが製造されている。この放出は、適用電流の変化によって、一定又はパルス方式の放出プロフィールをもたらすように変調させてよい。
【0138】
ヒドロゲル
薬物マトリックスにおけるその使用に加えて、ヒドロゲルは、例えば、ソフトコンタクトレンズ、様々な軟インプラント、等といったいくつかの生物医学応用に使用を見出す。
【0139】
III.ジプラシドンを含んでなる修飾放出組成物を使用する方法
本発明の別の側面により、本発明の組成物の治療有効量を固体経口剤形で投与する工程を含んでなる、精神分裂病又は類似の精神医学系障害に罹患している患者を治療するための方法を提供する。本発明の方法の利点には、パルス血漿プロフィールに由来する利益を依然として維持するか又は、血漿濃度レベルの変動を消失させるか又は最小化する一方で、慣用の頻回IR投与方式により要求される投薬頻度の低下が含まれる。この投薬頻度の低下は、患者コンプライアンスに関して有利であり、本発明の方法により可能になる投薬頻度の低下は、医療従事者がジプラシドンの投与に対して費やす時間の量を低下させることによる医療コストの抑制へ貢献することだろう。
【0140】
以下の実施例において、百分率は、他に述べなければ、いずれも重量対重量である。実施例を通して使用する用語「精製水」は、水濾過システムを通過させることによって精製した水を意味する。実施例は、例示の目的だけのものであり、以下に続く特許請求項の範囲により規定される本発明の精神及び広さを制限するものとして解釈してはならないと理解されたい。
【0141】
実施例
実施例1〜4は、例示のジプラシドン錠剤製剤を提供する。これらの実施例は、特許請求項をいかなる点でも制限することを企図せず、むしろ、本発明の方法において利用することができる例示のジプラシドンの錠剤製剤を提供するものである。そのような例示の錠剤は、コーティング剤を含んでもよい。
【0142】
実施例1
【0143】
【表1】

【0144】
実施例2
【0145】
【表2】

【0146】
実施例3
【0147】
【表3】

【0148】
実施例4
【0149】
【表4】

【0150】
実施例5
ジプラシドンを含有する多粒状修飾放出組成物
ジプラシドンを含有する即時放出成分及び修飾放出成分を含んでなる、本発明による多粒状修飾放出組成物を以下のように製造する。
【0151】
(a)即時放出(IR)成分
表1に示す製剤のいずれにも従って、ジプラシドンの溶液を調製する。次いで、例えば、Glatt GPCG3(Glatt,Protech社、レスター、イギリス)流動床コーティング装置を使用して、メチルフェニデート溶液をノンパレイル(nonpareil)種子上へほぼ16.9%の固体重量増加のレベルでコートして、即時放出成分のIR粒子を生成する。
【0152】
【表5】

【0153】
(b)修飾放出成分
上記実施例5(a)に従って製造した即時放出粒子を、表2に詳解する修飾放出コーティング溶液でコートすることによって、ジプラシドン含有遅延放出粒子を製造する。即時放出粒子は、例えば、流動床装置を使用して、ほぼ30%までの様々なレベルまでコートする。
【0154】
【表6】

【0155】
(c)即時及び遅延放出粒子の被包化
上記の実施例5(a)に従って製造した即時放出粒子と5(b)に従って製造した遅延放出粒子を、例えば、Bosch GKF 4000S被包化装置を使用して、サイズ2硬ゼラチンカプセルへ全量20mgの投与強度(strength)まで被包化する。全量20mgのジプラシドンの投与強度は、即時放出成分からの10mgと修飾放出成分からの10mgで構成された。
【0156】
実施例6
ジプラシドンを含有する多粒状修飾放出組成物
即時放出成分と、修飾放出マトリックス材料を有する修飾放出成分を有する、本発明による多粒状修飾放出ジプラシドン組成物を表3(a)及び(b)に示す製剤に従って製造する。
【0157】
【表7】

【0158】
【表8】

【0159】
実施例7
本実施例の目的は、ナノ粒状ジプラシドン組成物を製造する方法を記載することである。
【0160】
5%(w/w)ジプラシドンの水分散液をヒドロキシプロピルセルロース(HPC−SL)及びジオクチルスルホスクシナート(DOSS)のような1以上の表面安定化剤と組み合わせて、10mlチャンバのNanoMill(登録商標)0.01(NanoMill Systems,ペンシルヴェニア州キングオブプルージア;米国特許第6,431,478号を参照のこと)において500ミクロンPolyMill(登録商標)粉砕媒体(ダウケミカル社)とともに(例えば、89%媒体ロードで)粉砕してよい。例示の方法において、混合物は、2500rpmの速度で60分間粉砕してよい。
【0161】
粉砕に続いて、Horiba LA 910粒径分析器を使用して、粉砕したジプラシドン粒子の粒径を脱イオン蒸留水において測定することができる。成功した組成物では、粉砕したジプラシドンの初期平均及び/又はD50粒径は、2000nm未満であると予測される。
【0162】
当業者には、本発明の方法及び組成物において、本発明の精神又は範囲より逸脱することなく様々な修飾物及びバリエーションを作製し得ることが明らかであろう。従って、本発明には、本発明の修飾物及びバリエーションが付帯の特許請求項とその同等物の範囲に該当するならば、それらも含まれると企図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ジプラシドンを含んでなり、直径約2000nm未満の有効平均粒径を有する粒子;及び(B)少なくとも1つの表面安定化剤を含んでなる安定なナノ粒状組成物。
【請求項2】
前記粒子が、結晶相、非結晶相、半結晶相、半非結晶相、又はこれらの混合の状態にある、請求項1の組成物。
【請求項3】
前記粒子の有効平均粒径が、直径約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約100nm未満、約75nm未満、及び約50nm未満からなる群より選択される、請求項1の組成物。
【請求項4】
請求項1の組成物であって:
(A)非経口、経口、経膣、経鼻、直腸、経耳、眼、局部、頬内、槽内、腹腔内、又は局所からなる群より選択される投与用に;
(B)錠剤、カプセル剤、サシェ剤、溶液剤、分散剤、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏剤、クリーム剤、及びこれらの混合物からなる群より選択される剤形へ;
(C)制御放出製剤、速融解製剤、凍結乾燥製剤、遅延放出製剤、延長放出製剤、パルス放出製剤、及び即時放出及び制御放出の混合型製剤からなる群より選択される製剤へ;又は
(D)(A)、(B)、又は(C)のあらゆる組合せへ製剤化される、前記組成物。
【請求項5】
1以上の医薬的に許容される賦形剤、担体、又はこれらの組合せをさらに含んでなる、請求項1の組成物。
【請求項6】
請求項1の組成物であって:
(A)前記ジプラシドンは、他の賦形剤を含めない、組成物中のジプラシドンと表面安定化剤を合わせた全乾燥重量の約99.5%〜約0.001%、約95%〜約0.1%、又は約90%〜約0.5%の重量からなる群より選択される量で前記組成物に存在し;
(B)前記表面安定化剤又は表面安定化剤(複数)は、他の賦形剤を含めない、組成物中のジプラシドンと表面安定化剤を合わせた全乾燥重量に基づいて、約0.5%〜約99.999%、約5.0%〜約99.9%、又は約10%〜約99.5%の重量の全体量で存在する;又は
(C)(A)及び(B)の組合せである、前記組成物。
【請求項7】
表面安定化剤が、非イオン性表面安定化剤、アニオン性表面安定化剤、カチオン性表面安定化剤、両性イオン性表面安定化剤、及びイオン性表面安定化剤からなる群より選択される、請求項1の組成物。
【請求項8】
表面安定化剤が、塩化ピリジニウムセチル、ゼラチン、カゼイン、ホスファチド、デキストラン、グリセロール、アカシアゴム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グルセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド状二酸化シリコン、リン酸エステル、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロースフタラート、非結晶性セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸化エチレン及びホルムアルデヒドを伴う4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー、ポロキサマー;ポロキサミン、帯電性リン脂質、ジオクチルスルホスクシナート、スルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルアリールポリエーテルスルホネート、スクロースステアレート及びスクロースジステアレートの混合物、p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)、デカノニル−N−メチルグルカミド;n−デシルβ−D−グルコピラノシド;n−デシルβ−D−マルトピラノシド;n−ドデシルβ−D−グルコピラノシド;n−ドデシルβ−D−マルトシド;ヘプタノイル−N−メチルグルカミド;n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド;n−ヘプチルβ−D−チオグルコシド;n−ヘキシルβ−D−グルコピラノシド;ノナノニル−N−メチルグルカミド;n−ノイルβ−D−グルコピラノシド;オクタノイル−N−メチルグルカミド;n−オクチル−β−D−グルコピラノシド;オクチルβ−D−チオグルコピラノシド;リゾチーム、PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、酢酸ビニル及びビニルピロリドンのランダム共重合体、カチオン性ポリマー、カチオン性バイオポリマー、カチオン性多糖、カチオン性セルロース、カチオン性アルギン酸エステル、カチオン性非ポリマー化合物、カチオン性リン脂質、カチオン性脂質、ポリメチルメタクリレートトリメチルアンモニウムブロミド、スルホニウム化合物、ポリビニルピロリドン−2−ジメチルアミノエチルメタクリレートジメチルスルフェート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ホスホニウム化合物、四級アンモニウム化合物、ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココヤシのトリメチルアンモニウムクロリド、ココヤシのトリメチルアンモニウムブロミド、ココヤシのメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ココヤシのメチルジヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、デシルトリエチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドブロミド、C12−15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、C12−15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリドブロミド、ココヤシのジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、ココヤシのジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムブロミド、ラウリルジメチル(エテノキシ)アンモニウムクロリド、ラウリルジメチル(エテノキシ)アンモニウムブロミド、N−アルキル(C12−18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N−アルキル(C14−18)ジメチル−ベンジルアンモニウムクロリド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、N−アルキル及び(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロリド、ハロゲン化トリメチルアンモニウム、アルキル−トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル−ジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、エトキシル化アルキルアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩、エトキシル化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロリド、N−ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム、クロリド一水和物、N−アルキル(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、C12トリメチルアンモニウムブロミド、C15トリメチルアンモニウムブロミド、C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲニド(halogenides)、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、POLYQUAT10TM、臭化テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、コリンエステル、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアラルコニウム化合物、セチルピリジニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン塩、MIRAPOLTM、ALKAQUATTM、アルキルピリジニウム塩;アミン、アミン塩、酸化アミン、イミドアゾリニウム塩、プロトン化四級アクリルアミド、メチル化四級ポリマー、及びカチオン性グアーゴムからなる群より選択される、請求項1の組成物。
【請求項9】
摂食条件下に投与するときに、絶食条件に比べて有意に異なる吸収レベルをもたらさない、請求項1の組成物。
【請求項10】
絶食状態の被検者へのその投与が、摂食状態の被検者へのその投与と生物学的に同等である、請求項1の組成物。
【請求項11】
その薬物動態プロフィールが、それを摂取する被検者の摂食又は絶食状態により有意には影響されない、請求項1の組成物。
【請求項12】
哺乳動物へのその投与時に、ジプラシドンの非ナノ粒状剤形の投与量より少ない投与量で治療結果をもたらす、請求項1の組成物。
【請求項13】
(a)投与後に哺乳動物被検者の血漿においてアッセイするときに、非ナノ粒状製剤を使用して同じ用量で投与するときの同じジプラシドンのCmaxより高い、ジプラシドンのCmax
(b)投与後に哺乳動物被検者の血漿においてアッセイするときに、非ナノ粒状製剤を使用して同じ用量で投与するときの同じジプラシドンのAUCより大きい、ジプラシドンのAUC;
(c)投与後に哺乳動物被検者の血漿においてアッセイするときに、非ナノ粒状製剤を使用して同じ用量で投与するときの同じジプラシドンのTmaxより少ない、ジプラシドンのTmax;又は
(d)(a)、(b)、及び(c)のあらゆる組合せを有する、請求項1の組成物。
【請求項14】
精神分裂病と類似の精神医学系障害の予防又は治療に有用な1以上の活性化合物を追加的に含んでなる、請求項1の組成物。
【請求項15】
1以上の活性化合物が、頭痛、有痛(soreness)、発熱、及びこれらの組合せからなる群より選択される状態の治療に有用な化合物からなる群より選択される、請求項14の組成物。
【請求項16】
前記粒子がジプラシドンを含有するリザバーを含有し、前記リザバーは、水が前記粒子へ吸収されることを可能にして、それにより前記ジプラシドンを前記粒子の外へ押し出す圧力を生じる半透膜により囲まれている、請求項1の組成物。
【請求項17】
前記リザバーが浸透剤も含む、請求項1の組成物。
【請求項18】
前記ジプラシドンを含んでなる粒子を、直径約2000nm未満の有効平均粒径を有するジプラシドンを含んでなるナノ粒状組成物をもたらすのに十分な時間の間と条件の下で、少なくとも1つの表面安定化剤と接触させることを含んでなる、請求項1の組成物を製造する方法。
【請求項19】
接触させることが、粉砕、湿式粉砕、均質化、沈殿、鋳型エマルジョン、又は超臨界流体粒子産生の技術を含む、請求項18の方法。
【請求項20】
ナノ粒状粒子の有効平均粒径が、直径約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1000nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約100nm未満、約75nm未満、及び約50nm未満からなる群より選択される、請求項18の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の組成物を投与することを含んでなる、精神分裂病又は類似の精神医学系障害を予防及び/又は治療する方法。
【請求項22】
粒子の有効平均粒径が、直径約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1000nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約100nm未満、約75nm未満、及び約50nm未満からなる群より選択される、請求項21の方法。
【請求項23】
有効成分含有粒子の第一成分と、有効成分含有粒子の少なくとも1つの後続成分を含んでなる医薬組成物であって、ここで前記成分の少なくとも1つはジプラシドンを含み、そして前記成分の少なくとも1つは、修飾放出コーティング剤、修飾放出マトリックス材料、又はその両方をさらに含むことで、被検者への経口送達に続いて、有効成分を二峰性(bimodal)又は多峰性(multimodal)の方式で送達する、前記組成物。
【請求項24】
各成分がジプラシドン含有粒子を含む、請求項23の組成物。
【請求項25】
ジプラシドン含有粒子の第一成分とジプラシドン含有粒子の1つの後続成分を含む、請求項23の組成物。
【請求項26】
第一成分が即時放出成分を含み、第二成分が修飾放出成分を含む、請求項25の組成物。
【請求項27】
有効成分含有粒子が侵食可能(erodable)である、請求項23の組成物。
【請求項28】
前記成分の少なくとも1つが修飾放出コーティング剤をさらに含む、請求項23の組成物。
【請求項29】
前記成分の少なくとも1つが修飾放出マトリックス材料をさらに含む、請求項23の組成物。
【請求項30】
前記修飾放出マトリックス材料が、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、天然ポリマー、合成ポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項29の組成物。
【請求項31】
ジプラシドンが侵食により周囲環境へ放出される、請求項30の組成物。
【請求項32】
エンハンサーをさらに含む、請求項31の組成物。
【請求項33】
約0.1mg〜約1gのジプラシドンを含んでなる、請求項30の組成物。
【請求項34】
有効成分含有粒子の第一成分と、有効成分含有粒子の少なくとも1つの後続成分を含んでなる医薬組成物であって、ここで前記成分の少なくとも1つはジプラシドンを含み、そして前記成分の少なくとも1つは、修飾放出コーティング剤、修飾放出マトリックス材料、又はその両方をさらに含むことで、被検者への経口送達に続いて、有効成分を連続方式で送達する、前記組成物。
【請求項35】
各成分がジプラシドン含有粒子を含む、請求項34の組成物。
【請求項36】
ジプラシドン含有粒子の第一成分とジプラシドン含有粒子の1つの後続成分を含む、請求項34の組成物。
【請求項37】
第一成分が即時放出成分を含み、第二成分が修飾放出成分を含む、請求項36の組成物。
【請求項38】
有効成分含有粒子が侵食可能である、請求項34の組成物。
【請求項39】
前記成分の少なくとも1つが修飾放出コーティング剤をさらに含む、請求項34の組成物。
【請求項40】
前記成分の少なくとも1つが修飾放出マトリックス材料をさらに含む、請求項34の組成物。
【請求項41】
前記修飾放出マトリックス材料が、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、天然ポリマー、合成ポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項40の組成物。
【請求項42】
ジプラシドンが侵食により周囲環境へ放出される、請求項41の組成物。
【請求項43】
エンハンサーをさらに含む、請求項42の組成物。
【請求項44】
約0.1mg〜約1gのジプラシドンを含んでなる、請求項41の組成物。
【請求項45】
請求項23の組成物を含んでなる剤形。
【請求項46】
硬ゼラチン又は軟ゼラチンカプセル内に含まれる、有効成分含有粒子の混和物を含んでなる、請求項45の剤形。
【請求項47】
有効成分含有粒子がミニ錠剤の形態であり、カプセルが前記ミニ錠剤の混合物を含有する、請求項46の剤形。
【請求項48】
錠剤の形態である、請求項47の剤形。
【請求項49】
ジプラシドン含有粒子を迅速溶解剤形で提供する、請求項48の剤形。
【請求項50】
錠剤が速融解錠剤である、請求項48の剤形。
【請求項51】
請求項34の組成物を含んでなる剤形。
【請求項52】
硬ゼラチン又は軟ゼラチンカプセル内に含まれる、有効成分含有粒子の混和物を含んでなる、請求項51の剤形。
【請求項53】
有効成分含有粒子がミニ錠剤の形態であり、カプセルが前記ミニ錠剤の混合物を含有する、請求項52の剤形。
【請求項54】
錠剤の形態である、請求項53の剤形。
【請求項55】
ジプラシドン含有粒子を迅速溶解剤形で提供する、請求項54の剤形。
【請求項56】
錠剤が速融解錠剤である、請求項54の剤形。
【請求項57】
請求項23の組成物の治療有効量を投与する工程を含んでなる、精神分裂病又は類似の精神医学系障害を予防及び/又は治療するための方法。
【請求項58】
請求項34の組成物の治療有効量を投与する工程を含んでなる、精神分裂病又は類似の精神医学系障害を予防及び/又は治療するための方法。
【請求項59】
請求項28の組成物であって、ここで修飾放出コーティング剤は、前記患者において有効成分のパルスを前記組成物の前記患者への投与後約6〜約12時間の時間遅延の後で放出するためのpH依存性ポリマーコーティング剤を含む、前記組成物。
【請求項60】
前記ポリマーコーティング剤がメタクリレート共重合体を含む、請求項59の組成物。
【請求項61】
ポリマーコーティング剤が、メタクリレート及びアンモニオメタクリレート共重合体の混合物を、有効成分のパルスを少なくとも約6時間の時間遅延の後で達成するのに十分な比で含む、請求項59の組成物。
【請求項62】
メタクリレートのアンモニオメタクリレート共重合体に対する比がほぼ1:1である、請求項61の組成物。
【請求項63】
請求項39の組成物であって、ここで修飾放出コーティング剤は、前記患者において有効成分のパルスを前記組成物の前記患者への投与後約6〜約12時間の時間遅延の後で放出するためのpH依存性ポリマーコーティング剤を含む、前記組成物。
【請求項64】
前記ポリマーコーティング剤がメタクリレート共重合体を含む、請求項63の組成物。
【請求項65】
ポリマーコーティング剤が、メタクリレート及びアンモニオメタクリレート共重合体の混合物を、有効成分のパルスを少なくとも約6時間の時間遅延の後で達成するのに十分な比で含む、請求項64の組成物。
【請求項66】
メタクリレートのアンモニオメタクリレート共重合体に対する比がほぼ1:1である、請求項65の組成物。
【請求項67】
(A)ジプラシドン;及び(B)修飾放出コーティング剤、又は代替的又は追加的に、修飾放出マトリックス材料を含むナノ粒状粒子の集団を含んでなる制御放出組成物であって、被検者への経口送達に続いて、ジプラシドンをパルス方式又は連続方式で送達する、前記組成物。
【請求項68】
摂食条件下に投与するときに、絶食条件に比べて有意に異なる吸収レベルをもたらさない、請求項67の組成物。
【請求項69】
その薬物動態プロフィールが、それを摂取する被検者の摂食又は絶食状態により有意には影響されない、請求項67の組成物。
【請求項70】
絶食状態の被検者へのその投与が、摂食状態の被検者へのその投与と生物学的に同等である、請求項67の組成物。
【請求項71】
集団が修飾放出粒子を含む、請求項67の組成物。
【請求項72】
集団が侵食可能な組成物である、請求項67の組成物。
【請求項73】
前記粒子がそれぞれ浸透デバイスの形態である、請求項67の組成物。
【請求項74】
修飾放出粒子が修飾放出コーティング剤を含む、請求項71の組成物。
【請求項75】
修飾放出粒子が修飾放出マトリックス材料を含む、請求項71の組成物。
【請求項76】
前記修飾放出粒子が、前記ジプラシドンを侵食により周囲環境へ放出する製剤において組み合わされる、請求項71の組成物。
【請求項77】
エンハンサーをさらに含んでなる、請求項71の組成物。
【請求項78】
その中に含まれる有効成分の量が約0.1mg〜約1gである、請求項71の組成物。
【請求項79】
請求項67の組成物を含んでなる剤形。
【請求項80】
硬ゼラチン又は軟ゼラチンカプセル内に含まれる、有効成分含有粒子の混和物を含んでなる、請求項79の剤形。
【請求項81】
有効成分含有粒子がミニ錠剤の形態であり、カプセルが前記ミニ錠剤の混合物を含有する、請求項80の剤形。
【請求項82】
錠剤の形態である、請求項81の剤形。
【請求項83】
ジプラシドン含有粒子を迅速溶解剤形で提供する、請求項82の剤形。
【請求項84】
錠剤が速融解錠剤である、請求項82の剤形。
【請求項85】
請求項67の組成物の治療有効量を投与することを含んでなる、精神分裂病又は類似の精神医学系障害の予防及び/又は治療のための方法。
【請求項86】
修飾放出粒子が、有効成分のパルス放出を6〜12時間の時間遅延の後で放出するのに有効であるpH依存性ポリマーコーティング剤を含む、請求項71の組成物。
【請求項87】
ポリマーコーティング剤がメタクリレート共重合体を含む、請求項86の組成物。
【請求項88】
ポリマーコーティング剤が、メタクリレート及びアンモニオメタクリレート共重合体の混合物を、有効成分のパルスを時間遅延の後で達成するのに十分な比で含む、請求項86の組成物。
【請求項89】
メタクリレートのアンモニオメタクリレート共重合体に対する比がほぼ1:1である、請求項88の組成物。
【請求項90】
前記粒子がそれぞれ浸透デバイスの形態である、請求項67の組成物。
【請求項91】
デポー剤形として製剤化される、請求項1の組成物。

【公表番号】特表2008−546781(P2008−546781A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518266(P2008−518266)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/023695
【国際公開番号】WO2007/027273
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(507250508)エラン・ファルマ・インターナショナル・リミテッド (23)
【Fターム(参考)】