説明

アルファ−2−デルタリガンドとアセチルコリンステラーゼ阻害物質

本発明は、療法特に疼痛の治療、特に神経因性疼痛の治療において使用するための、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質の組合せに関する。特に好ましいアルファ−デルタリガンドは、ガバペンチン及びプレガバリンである。特に好ましいAChE阻害物質はドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィゾスチグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリホナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)及びイコペジルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特に疼痛及び関連する障害の治療のための、アルファ−2−デルタ及びアセチルコリンエステラーゼ阻害物質の組合せに関する。これは同様に、アルファ−2−デルタリガンド及びアセチルコリンエステラーゼ阻害物質の組合せを有効量使用することを通して疼痛及び関連する障害を治療するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アルファ−2−デルタレセプタリガンドは、ヒトカルシウムチャンネルアルファ−2−デルタサブユニットのあらゆる亜型に結合するあらゆる分子である。カルシウムチャンネルアルファ−2−デルタサブユニットは、例えば次のような文献中に記述された一定数の亜型を含んで成る:
【0003】
− N.S.Gee, J. P. Brown, V.U. Dissanayake, J. Offord, R. Thurlow, 及びG.N. Woodruff, J-Biol-Chem271(10):5768−76,1996、(I型);Gong, J. Hang, W. Kohler. Z. Li, 及びT−Z Su, J. Membr Biol. 184(1):35−43、2001(2及び3型);
− E. Marais, N. Klugbauer, 及び F. Hofmann, Mol. Pharmacol. 59(5):1243~1248、2001.(2及び3型):そして
− N. Qin, S. Yagel, M.L.Momplaisir, E.E. Codd,及びM.R. D’Andrea, Mol. Pharmacol62(3):485−496、2002(4型)。これらはGABA類似体としても知られている。
【0004】
数多くの適応症のためにアルファ−2−デルタリガンドが記述されてきた。最もよく知られているアルファ−2−デルタリガンド、ガバペンチン(Neurontin(登録商標))、1−(アミノメチル)−シクロヘキシル酢酸は、米国特許第4024175号を含む特許群の中の特許文献の中で最初に記述された。該化合物は、てんかん及び神経因性疼痛の治療用として承認されている。
【0005】
第2のアルファ−2−デルタリガンド、プレガバリン、(S)−(+)−4−アミノ−3−(2−メチルプロピル)ブタン酸は、欧州特許出願公開第641330号の中で、てんかんの治療において有効な抗けいれん治療として、又欧州特許第0934061号の中で疼痛治療のために記述されている。
【0006】
さらに、国際特許出願公開第0128978号は、
【化1】

(なお式中、nは1〜4の整数であり、立体中心が存在する場合、各中心は独立してR又はSであり、好ましい化合物は、nを2〜4の整数とした前記構造式I−IVのものである)という構造式の一連の新規二環式アミノ酸、その薬学的に許容可能な塩及びそのプロドラグについて記述している。
【0007】
本発明の出願日において未公開であった国際特許出願第PCT/IB03/00976号は、
【化2】

という構造式Iの化合物において、
1が、水素又は任意には1〜5個のフッ素原子で置換される(C1−C6)アルキルであり;
2が、水素又は任意には1〜5個のフッ素原子で置換される(C1−C6)アルキルであり;
1及びR2が、それらが付着される炭素と共に3〜6員のシクロアルキル環を形成し;
3が(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキル、フェニル、フェニル−(C1−C3)アルキル、ピリジル、ピリジル−(C1−C3)アルキル、フェニル−N(H)−、又はピリジル−N(H)−、であり、上述のアルキル部分の各々が任意には1〜5個のフッ素原子、好ましくは、0〜3個のフッ素原子で置換され得、前記フェニル及び前記ピリジル及び前記フェニル(C1−C3)アルキル及び前記ピリジル−(C1−C3)アルキルのフェニル及びピリジル部分がそれぞれ任意には、クロロ、フルオロ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C1−C3)アルキルアミノ、任意には1〜3個のフッ素原子で置換される(C1−C3)アルキル及び任意には1〜3個のフッ素原子で任意に置換される(C1−C3)アルコキシの中から独立して選択される1〜3個の置換基、好ましくは0〜2個の置換基で置換され得;
4が水素、又は任意には1〜5個のフッ素原子で置換される(C1−C6)アルキルであり;
5が水素又は任意には1〜5個のフッ素原子で置換される(C1−C6)アルキルであり、
6が水素又は(C1−C6)アルキルである、化合物、及びかかる化合物の薬学的に許容可能な塩について記述している。
【0008】
アルツハイマー型の弱乃至中等度の痴呆といった認知障害の治療のために、アセチルコリンエステラーゼ阻害物質(「AChE阻害物質」)が指示されてきた。特に、アルツハイマー病の治療のためには、塩酸ドネペジル、(±)−2,3−ジヒドロ−5,6−ジメトキシ−2−[〔1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル〕メチル]−1H−インデン−1−オンヒドロクロリド(ARICEPT(登録商標))が市販されてきた。
【発明の開示】
【0009】
発明の要約
現在、アルファ−2−デルタリガンドとAChE阻害物質を用いた組合せ療法が疼痛治療における改善を結果としてもたらすことが発見されている。さらに、アルファ−2−デルタリガンドとAChE阻害物質は、同時、逐次的又は別々に投与された時点で相乗的に相互作用して疼痛を制御することができる。この相乗効果は、各化合物に要求される用量の減少を可能にし、副作用の低減及び化合物の臨床的有用性の増強を導く。
【0010】
従って、該発明は、第1の態様として、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質を含む組合せ生成物を提供する。好ましくは、化合物は、相乗的相互作用を提供するような比率で組合わされる。
【0011】
代替的又はさらなる一態様として、該発明は、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質の組合せを含む疼痛特に神経因性疼痛の治癒的、予防的又は緩和的治療のための薬学組成物を提供する。好ましくは、化合物は、相乗的相互作用を提供するような比で組合わされる。
【0012】
本発明で使用されるためのアルファ−2−デルタリガンドは、全て本書中に参考として内含されている米国特許第4024175号(特にガバペンチン)、欧州特許第641330号(特にプレガバリン)、米国特許第5563175号、国際公開第9733858号、国際公開第9733859号、国際公開第9931057号、国際公開第9931074号、国際公開第9729101号、国際公開第02085839号(特に〔(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ〔3,2,0〕ヘプト−6−イル〕酢酸)、国際公開第9931075号(特に3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−〔1,2,4〕オキサジアゾル−5−オン及びC−〔1−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−シクロヘプチル〕−メチルアミン)国際公開第9921824(特に(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸)、国際公開第0190052号、国際公開第0128978号(特に(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ〔3,2,0〕ヘプト−3−イル)−酢酸)、欧州特許第0641330号、国際公開第9817627号、国際公開第0076958号(特に(3S,5S)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸)PCT/IB03/00976号(特に(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸及び(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸)、欧州特許第1178034号、欧州特許第1201240号、国際公開第9931074号、国際公開第03000642号、国際公開第0222568号、国際公開第0230871号、国際公開第0230881号、国際公開第02100392号、国際公開第02100347号、国際公開第0242414号、国際公開第0232736号及び国際公開第022881号の中で一般的又は特定的に開示されている化合物、及びその薬学的に許容可能な塩及びその溶媒和物である。
【0013】
本発明の好ましいアルファ−2−デルタリガンドとしては、ガバペンチン、プレガバリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[l−(lH−テトラゾル−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(lα,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、及び(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸が含まれる。
【0014】
本発明の有用な環式アルファ−2−デルタリガンドは、
【化3】

〔なお式中、Xは、カルボン酸又はカルボン酸の生物学的等価体であり、
nは、0、1又は2であり、
1、R1a、R2、R2a、R3、R3a、R4及びR4aはH及びC1−C6アルキルの中から独立して選択されているか又は、
1及びR2又はR2及びR3は合わされて、C1−C6アルキルの中から選択された1つ又は2つの置換基で任意には置換されるC3−C7シクロアルキル環を形成する〕、
という構造式(I)で描くことができるか又はその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物である。
【0015】
構造式(I)中、適切には、R1、R1a、R2a、R3a、R4及びR4aはHであり、R2及びR3はH及びメチルの中から独立して選択されるか、そうでなければR1a、R2a、R3a及びR4aはHでありR1及びR2又はR2及びR3は合わされて、任意には1つ又は2つのメチル置換基で置換されるC3−C7シクロアルキル環を形成する。適切なカルボン酸の生物学的等価体は、テトラゾリル及びオキサジアゾロニルの中から選択される。Xは好ましくはカルボン酸である。
【0016】
構造式(I)中、好ましくは、R1、R1a、R2a、R3a、R4及びR4aはHであり、R2及びR3はH及びメチルの中から独立して選択されるか、そうでなければR1a、R2a、R3a及びR4aがHであり、R1及びR2又はR2及びR3が合わされて、C1−C5シクロアルキル環を形成するか又はnが0であるとき、R1、R1a、R2a、R3a、R4及びR4aはHでありR2及びR3はシクロペンチル環を形成し、又はnが1である場合、R1、R1a、R2a、R3a、R4及びR4aがHであり、R2及びR3が両方共メチルであるか又はR1、R1a、R2a、R3a、R4及びR4aがHであり、R2及びR3がシクロブチル環を形成するか又はnが2、R1、R1a、R2、R2a、R3、R3a、R4及びR4aがHであるか又は、nが0であり、R1、R1a、R2a、R3a、R4及びR4aがHであり、R2及びR3がシクロペンチル環を形成する。
【0017】
本発明の有用な非環式アルファ−2−デルタリガンドは、
【化4】

〔なお式中、nは0又は1であり、R1は水素又は(C1−C6)アルキルであり;R2は水素又は(C1−C6)アルキルであり;R3は水素又は(C1−C6)アルキルであり;R4は水素又は(C1−C6)アルキルであり、R5は水素又は(C1−C6)アルキルであり、R2は水素又は(C1−C6)アルキルである〕
という構造式(II)によって描かれるか、又はその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物であり得る。
【0018】
構造式(II)に従うと、適切には、R1は、C1−C6アルキルであり、R2はメチルであり、R3−R6は水素であり、nは0又は1である。より適切にはR1はメチル、エチル、n−プロピル又はnブチルであり、R2はメチル、R3−R6は水素であり、nは1、R1は適切にはメチル又はn−プロピルである。構造式(II)の化合物は、適切には3S、5Rの立体配置である。
【0019】
該発明で使用するためのAChE阻害物質の例としては、ドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)、N−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)及びその薬学的に許容可能な塩がある。
【0020】
該発明で使用するための好ましいAChE阻害物質は、ドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル及びその薬学的に許容可能な塩である。
【0021】
該発明で使用するための最も好ましいAChE阻害物質はドネゼピルである。
【0022】
任意の特定のAChE阻害物質の適切性は、文献の方法を用いてその効能及び選択性を評価しそれに続いて標準的な薬学的実践に従ってその毒性、吸収、代謝、薬物動態を評価することにより、容易に判定できる。
【0023】
本発明の代替的又は好ましい動態として、ガバペンチン及びドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)、N−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)及びその薬学的に許容可能な塩の中から選択されたAChE阻害物質を含む組合せが提供されている。
【0024】
本発明の代替的又は好ましい態様として、プレガバリン及びドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)、N−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)及びその薬学的に許容可能な塩の中から選択されたAChE阻害物質を含む組合せが提供されている。特に好ましい組合せには、ガバペンチン及びドネゼピルが含まれる。
【0025】
代替的には、プレガバリン又はガバペンチン又はその薬学的に受容可能な塩の中から選択されたアルファ−2−デルタリガンド、及びドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)、N−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)及びその薬学的に許容可能な塩の中から選択されたAChE阻害物質を含む、疼痛特に神経因性疼痛の治癒的、予防的又は緩和的治療のための医薬組成物が提供されている。
【0026】
本発明のさらなる代替的又は好ましい態様としては〔(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ〔3,2,0〕ヘプト−6−イル〕酢酸又はその薬学的に許容可能な塩及びAChE阻害物質を含む組合せが提供される。適切には、〔(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ〔3,2,0〕ヘプト−6−イル〕酢酸又はその薬学的に許容可能な塩、及びドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)、N−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)又はその薬学的に許容可能な塩の中から選択されたAChE阻害物質を含む組合せが提供されている。好ましくは、該組合せは[(lR,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びドネペジル又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0027】
代替的には、〔(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ〔3,2,0〕ヘプト−6−イル〕酢酸又はその薬学的に許容可能な塩及びAChE阻害物質を含む組合せを含んで成る疼痛特に神経因性疼痛の治癒的、予防的又は緩和的治療のための医薬組成物が提供されている。
【0028】
本発明のさらなる好ましい態様として、該組合せは以下の中から選択される:
ガバペンチン及びドネペジル;
ガバペンチン及びタクリン;
ガバペンチン及びリバスチグミン;
ガバペンチン及びフィソスタグミン;
ガバペンチン及びガランタミン;
ガバペンチン及びメトリフォナート;
ガバペンチン及びネオスチグミン;
ガバペンチン及びイコペジル;
プレガバリン及びドネペジル;
プレガバリン及びタクリン;
プレガバリン及びリバスチグミン;
プレガバリン及びフィソスタグミン;
プレガバリン及びガランタミン;
プレガバリン及びメトリフォナート;
プレガバリン及びネオスチグミン;
プレガバリン及びイコペジル;
【0029】
[(lR,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びドネペジル;
[(lR,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びタクリン;
−[(1R,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びリバスチグミン;
[(lR,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びフィソスタグミン;
[(lR,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びガランタミン;
[(lR,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びメトリフォナート;
[(lR,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びネオスチグミン;
−[(lR,5R,6S)−6−(アミノ−メチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸及びイコペジル;
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びドネペジル;
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びタクリン;
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びリバスチグミン;
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びフィソスタグミン;
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びガランタミン;
【0030】
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びメトリフォナート;
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びネオスチグミン;及び
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸及びイコペジル;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、びドネペジル;
(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、及びタクリン;
(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、及びリバスチグミン;
(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、 及びフィソスタグミン;
(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、及びガランタミン;
(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、及びメトリフォナート;
(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、及びネオスチグミン;及び
(3S,4S)−(l−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、及びイコペジル;
及びそのいずれかのものの薬学的に受容可能な塩又は溶媒和物。
【0031】
単一用量形態の本発明の組合せは、あらゆる哺乳動物対象好ましくはヒトに対する投与に適している。投与は、一日一回(o.d.)、2回(b.i.d.)又は3回(t.i.d.)、適切にはb.i.d.又はt.i.d.、より適切にはb.i.d.、最も適切にはo.d.であり得る。かくして、本発明のさらなる態様としては、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質の有効な、特に相乗的な、組合せの一日1回、2回又は3回、適切には2回又は3回、より適切には2回、より適切には1回の投与を含む、哺乳動物の対象における疼痛の治癒的、予防的又は緩和的治療の方法が提供されている。
【0032】
単数又は複数の構成要素の間の相乗的相互作用を判定して、効果を得るための最適な範囲及び効果を得るための各構成要素の絶対用量範囲は、治療を必要としている患者に対して構成要素を異なるw/w比範囲及び用量にわたり投与することによって最終的に測定可能である。ヒトに関しては、患者に対し臨床的研究を実施することの複雑さ及びコストのため、相乗作用についての一次的モデルとしてこの形の試験を使用することは非実用的となっている。しかしながら1つの種における相乗作用を観察すると、その他の種における効果を予測することができ、本書で記述する通り、相乗効果を測定するための動物モデルが存在し、かかる研究の結果は、薬物動態/薬力学方法を応用してその他の種において必要とされる有効用量及び血漿濃度比範囲及び絶対用量及び血漿濃度を予測するためにも使用可能である。人間において見られる効果と動物モデルと間の立証済みの相関関係は、動物における相乗作用が、異痛症を誘発するべく外科的(例えば慢性収縮傷害)又は化学的(ストレプトゾシン)処置を受けたゲッ歯類における静的及び動的異痛症測定を用いて最も良く実証されるということを示唆している。かかるモデルにおける平坦域効果のため、それらの値は、神経因性疼痛患者においては用量節約の利点という形で現われる相乗的作用に関して査定するのが最も良い。神経因性疼痛の治療のために用いられる既存の作用物質が部分的応答しか与えないその他のモデルは、2つのCDMの最大許容用量で最大効力の増加を生み出すべく相乗的に作用する組合せの潜在的可能性を予測するのにより適している。
【0033】
かくして、本発明のさらなる態様として、主として相乗的相互作用を同定するために用いられる非ヒト動物モデル、好ましくはラットモデルにおいて見られる絶対範囲に対応するw/w組合せ範囲で、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質又はその薬学的に受容可能な塩又は溶媒和物を含むヒトへの投与向けの相乗的組合せが提供されている。適切には、ヒトにおける比率範囲は、重量部分で1:50〜50:1、1:50〜20:1、1:50〜10:1、1:50〜1:1、1:20〜50:1、1:20〜20:1、1:20〜10:1、1:20〜1:1、1:10〜50:1、1:10〜20:1、1:10〜10:1、1:10〜1:1、1:1〜50:1、1:1〜20:1及び1:1〜10:1の中から選択された非ヒト範囲に対応する。より適切には、ヒト範囲は、重量部分で1:10〜20:1の非ヒト範囲に対応する。
【0034】
ヒトについては、動物において立証済みの相乗作用をもつ作用物質は、その相乗作用と相容性ある効果を人間においても有するということを立証するため、複数の実験的疼痛モデルを使用することができる。この目的に適合し得るヒトモデルの例としては、反復的カプサイシン外傷(Witting, N., Svesson, P., Arendt-Nielsen, L. & Jensen, T.S.(2000)Somatosensory Motor Ress. 17、5−12)、及び加重又はワインドアップ応答(Curatolo, M. et al.(2000)Anesthesiology93、1517−1530)の使用を含めた、熱/カプサイシンモデル(Petersen, K.L., & Rowbotham, M.C.(1999)NeuroReport 10、1511−1516)、i.d.カプサイシンモデル(Andersen, O.L., Felsby, S., Nicolaisen, L., Bjerring, P., Jsesn, T.S. & Arendt-Nielsen, L.,(1996)Pain 66、51−62)が含まれる。これらのモデルでは、評価項目として疼痛強度又は痛覚過敏部域の主観的査定を使用することができ、そうでなければ、電気生理学的又は画像化技術(例えば磁気共鳴映像法)に依存するさらに客観的な評価項目を利用することができる(Bornhovd, K, Quante, M., Glauche, V., Bromm, B., Weiller, C.& Buchel, C.(2002)Brain 125、1326−1336)。全てのこのようなモデルには、動物研究において観察されてきた組合せの相乗的作用を裏づける人間における証拠をそれらが提供すると結論づけする以前に、客観的妥当性検査の証拠が必要とされる。
【0035】
ヒトにおいて、本発明のためには、適切なアルファ−2−デルタリガンド:AChE阻害物質比の範囲は、重量部分で1:50〜50:1,1:50〜20:1,1:50〜10:1,1:50〜1:1,1:20〜50:1,1:20〜20:1,1:20〜10:1,1:20〜1:1,1:10〜50:1,1:10〜20:1,1:10〜10:1,1:10〜1:1,1:1〜50:1,1.1〜20:1及び1:1〜10:1の間、より適切には1:10〜20:1,好ましくは1:1〜10:1の間から選択される。
【0036】
相乗効果を得るための各構成要素の最適な用量は、動物モデルにおける公示された手順に従って決定可能である。しかしながら、人間においては(実験的疼痛モデルにおいてさえ)、1つの組合せの各構成要素の全ての治療上適切な用量における全曝露−応答関係を決定するための研究コストは、きわめて高いものであり得る。少なくとも当初は、動物において最適な相乗作用を与える用量から外挿された用量での相乗作用と一貫性ある効果が観察できるか否かを推定することが必要であるかもしれない。動物から人間へと用量をスケーリングする上で、相体的体重/体表面積、各構成要素の相対的吸収、分布、代謝及び排せつ及び相対的血漿タンパク質結合といった要因を考慮に入れる必要があり、これらの理由から、人間のために(そして患者のためにも)予測される最適な用量比が動物において最適であることが示された用量比と同じである確率は低い。しかしながら、これら2つの間の関係は、動物及びヒトの薬物動態分野の当業者には理解し計算し得るものである。動物とヒトの効果の間の橋を確立する上で重要なのは、人間において効力を提供するものとして予想される各構成要素の血漿濃度と関係づけされるという理由から、動物研究で使用される各構成要素のために得られた血漿濃度である。(イソボログラム、相互作用指数及び応答表面モデリングといったような方法を含む)薬学動態/薬力学モデリング及びシミュレーションが、特にこれらの構成要素のいずれか又は両方がすでに人間において研究されている場合に、人間における相乗的用量比を予測する一助となり得る。
【0037】
動物又は人間において観察されたあらゆる完結した相乗作用が薬物動態的相互作用のみに起因するものか否かを確認することが重要である。例えば、1つの化合物の代謝がもう1つの化合物により阻害される場合、それは薬力学的相乗作用の誤った印象を与えかねない。
【0038】
かくして、本発明のさらなる態様に従うと、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質又はその薬学的に受容可能な塩又は溶媒和物を含む、ヒトに対する投与向けの相乗的組合せにおいて、各構成要素の用量範囲が、主として相乗的相互作用を同定するために使用される非ヒト動物モデル、好ましくはラットモデルにおいて観察される絶対範囲に対応する組合せが提供されている。適切には、ヒトにおけるアルファ−2−デルタリガンドの用量範囲は、ラットにおいて1〜20mg/kg、より適切には1〜10mg/kgの用量範囲に対応する。
【0039】
適切には、ヒトにおいて使用するためのアルファ−2−デルタリガンドの用量は、b.i.d.又はt.i.d.で、適切にはt.i.d.で1−1200mg、1−500mg、1−100mg、1−50mg、1−25mg、500−1200mg、100−1200mg、100−500mg、50−1200mg、50−500mg、又は50−100mg、適切には50−100mg、の中から選択された範囲内であり、AChE阻害物質の用量は、b.i.d.又はt.i.d.、適切にはt.i.d.で1−200mg、1−100mg、1−50mg、1−25mg、10−100mg、10−50mg又は10−25mg、適切には10−100mgの中から選択された範囲内である。
【0040】
当業者にとっては、治療的効果を提供するのに必要とされる本発明のアルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質の血漿濃度範囲は、治療すべき種、及び使用される構成要素によって左右される。例えば、ラットにおけるガバペンチンについては、Cmax値は0.520μg/mlから10.5μg/mlの範囲内である。
【0041】
標準的なPK/PD及び相対成長方法を用いて、異なる種、特にヒトにおける値を予測するために動物において観察された血漿濃度値を外挿することが可能である。かくして、本発明のさらなる態様として、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質を含むヒトに対する投与向けの相乗的組合せにおいて、各構成要素の血漿濃度範囲が、主として相互的相互作用を同定するために使用される非ヒト動物モデル、好ましくはラットモデルにおいて見られる絶対範囲に対応している組合せが提供されている。
【0042】
該発明の特に好ましい組合せには、その各々の変数が、各変数についての適切なパラメータの中から選択されているような組合せが含まれる。該発明のさらに一層好ましい組合せには、その各々の変数が、各変数についてのより適切な、最も適切な、好ましい又はより好ましいパラメータの中から選択されているような組合せが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
発明の詳細な説明
本組合せ発明の化合物は、溶媒和されていない形態ならびに水和された形態溶媒和されている形態で存在し得る。一般に、同位体置換(例えばD20、d6−アセトン、d6−DMSO)を含有しうる水和形態を含む溶媒和形態は、未溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲内に包含される。
【0044】
本発明の化合物のいくつかは、単数又は複数のキラル中心を有し、各中心はR(D)又はS(L)の立体構造で存在し得る。本発明は、全ての鏡像異性体及びエピマー形態ならびにその適当な混合物を含む。ジアステレオ異性体又はシス及びトランス異性体の分離は、該発明の化合物又はその適切な塩又は誘導体の例えば分別結晶、クロマトグラフィ又はH.P.L.Cなどの従来の技術によって達成可能である。
【0045】
本発明のいくつかのアルファ−2−デルタリガンドはアミノ酸である。アミノ酸は、両性であることから、薬理学的に相容性ある塩は、適当な非毒性無機又は有機酸又は塩基の塩であり得る。適切な酸性付加塩は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプタート、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩化水素塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、リン酸水素、イセチオン酸塩、D−及びL−乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、palmoate、リン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩、D−及びL−酒石酸塩及びトシル酸塩である。適切な塩基性塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成され、例としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、コリン、ジオールアミン、オーラミン、アルギニン、グリシン、トロメタミン、ベンザチン、リジン、メグルミン及びジエチルアミン塩がある。第4アンモニウムイオンを伴う塩は同様に、例えばテトラメチル−アンモニウムイオンでも調製可能である。該発明の化合物は、両性イオンとしても形成可能である。さらに、本発明のいくつかのAChE阻害物質は、アミンでありいくつかのアルファ−2−デルタリガンドは酸性官能基であることから、本発明のさらなる態様は、特に1:1の組合せで2つの構成要素を含有する塩を含む。適切な組合せ塩形態は、ガバペンチンとドネペジルの1:1の組合せにより形成された塩である。
【0046】
本発明のアミノ酸化合物の適切な塩は、塩酸塩である。適切な塩について再考するには、Stahl及びWermuth著、薬剤用塩便覧:その物性、選択及び用途。Wiley-VCH、Weinheim, ドイツ(2002年)を参照のこと。
【0047】
同じく該発明の範囲内に入るのは、上述の溶媒和物とは対照的に、薬物及び宿主が非化学量論量で存在する薬物−宿主包接錯体であるクラスレートである。かかる錯体について再考するには、HaleblianによるJ.Pharm Sci, 64(8)、1269−1288(1975年8月)を参照のこと。
【0048】
以下では、該発明の化合物に対する全ての参照指示には、その塩及び該発明の化合物及びその塩の溶媒和物及びクラスレートに対する参照指示が含まれる。
【0049】
該発明の化合物の当該範囲内には同じく、その多形体も含まれる。
【0050】
該発明の上述の化合物のプロドラッグは、本発明の範囲内に含まれている。化学的に修飾された薬物つまりプロドラッグは、親と異なる薬物動態を有し、(例えば血漿半減期の増大のために)粘膜上皮を横断したより容易な吸収、より優れた塩処方及び/又は溶解度、改善された全身的安定性を可能にするはずである。これらの化学的修飾は、以下のものであり得る:
(1)例えばエステラーゼ又はリパーゼなどによって分割され得るエステル又はアミド誘導体。エステル誘導体については、エステルは、既知の手段により薬物分子のカルボン酸部分から誘導される。アミド誘導体については、アミドは既知の手段により薬学分子のカルボン酸部分又はアミン部分から誘導され得る。
(2)特異的又は非特異的プロティナーゼによって認識され得るペプチド。既知の手段による薬物分子のアミン又はカルボン酸部分でのアミド結合形成を介して、ペプチドを薬物分子にカップリングすることができる。
(3)プロドラッグ形態又は修飾されたプロドラッグ形態の膜選択を通して作用部位で蓄積する誘導体。
(4)1〜3のあらゆる組合せ。
【0051】
アミノアシル−グリコール及び乳酸エステルがアミノ酸のプロドラッグとして知られている(Wermuth C.G., 「化学と産業」、1980;433−435)。アミノ酸のカルボニル基は、既知の手段によりエステル化できる。当該技術分野においては、プロドラッグ及びソフトドラッグは既知である(Palomino E.,「未来の薬物」、1990;15(4):361−368)。最後の2つの引用は本書に参考として内含される。
【0052】
本発明の組合せは、疼痛特に神経因性疼痛の一般的治療のために有用である。生理学的疼痛は、外部環境からの潜在的に有害な刺激について警告を発するように設計された重要な防御メカニズムである。この系は、特定の一組の一次知覚性ニューロンを通して動作し、末梢導入メカニズムを介して傷害刺激により専ら活性化させる(統合的再考のためには、Millan 1999 Prog Neurobio. 57:1−164)。これらの知覚繊維は傷害受容器として知られ、低い伝導速度をもつ直径の小さい軸索により特徴づけされる。傷害受容器は、傷害刺激の強度、持続時間及び質そして、脊髄に対する局所解剖学的に組織されたその突出部により刺激の場所を符号化する。傷害受容器は、A−デルタ繊維(有髄)及びC繊維(非有髄)という2つの主要なタイプがある障害受容性神経繊維上に発見される。障害受容体入力により生成された活動は、後角内での複雑な処理の後、直接的に又は脳幹中継核を介して、後腹側視床まで、そして次に大脳皮質まで転送され、そこで疼痛の知覚が生成される。
【0053】
強い急性疼痛及び慢性疼痛には、病態生理学的プロセスにより駆動される同じ経路が関与する可能性があり、そのため防御メカニズムを提供するのをやめ、代りに広い範囲の疾病状態に付随する消耗性症候群に寄与する。疼痛というのは数多くの外傷及び疾病状態の1つの特長である。疾病又は外傷を介して身体の組織に対する実質的な傷害が発生する場合、障害受容体活性化の特徴は改変される。末梢部で、傷害のまわりで局所的にそして障害受容体が終結する中央で鋭敏化が存在する。これは、損傷の部位で、及び近くの正常な組織内で過敏症を導く。急性疼痛においては、これらのメカニズムは有用であり、修復プロセスが起こることができるようにし、過敏症は、傷害がひとたび治った時点で正常へと戻る。しかしながら、数多くの慢性疼痛状態においては、過敏症は治癒プロセスよりもはるかに長く続き、通常神経系傷害に起因している。この傷害は往々にして求心性線維の適応不良に導く(Woolf & Salter 2000 Science 288:1765−1768)。患者の症候の中に不快感及び異常な感受性が存在する場合、臨床的疼痛が存在する。患者はかなり不均一である傾向をもち、さまざまな疼痛症候を有し得る。標準的疼痛亜型がいくつか存在する。すなわち、1)鈍痛、灼熱痛又は刺痛でありうる自発性疼痛;2)傷害刺激に対する疼痛応答は誇張される(痛覚過敏);3)疼痛が通常は無害の刺激により生成される(異痛症)(Meyer et al., 1994 Textbook of Pain 13−44)。背痛、関節炎痛、CNS外傷又は神経因性疼痛をもつ患者は類似の症候を有する可能性があるが、裏に潜むメカニズムは異なっており、従って異なる治療戦術が必要となりうる。従って、疼痛は、病態生理学の違いのためいくつかの異なる領域に分割でき、これには、障害受容性、炎症性、神経因性疼痛が含まれる。一部のタイプの疼痛は、数多くの原因論を有し、かくして例えば背痛といった複数の部域に分類でき、ガン疼痛は障害受容性及び神経因性の両方の構成要素をもつ。
【0054】
障害受容性疼痛は、組織傷害又は傷害をひき起こす潜在的可能性のある強い刺激により誘発される。疼痛求心性神経は、傷害部位における障害受容体による刺激の導入により活性化され、その終端レベルで脊髄を敏感にする。これは次に、脊髄路を上へ、疼痛が知覚される脳まで中継される(Meyer et al., 1994 Textbook of Pain 13−44)。障害受容体の活性化は、2つのタイプの求心性神経繊維を活性化させる。有髄A−デルタ繊維は急速に伝達しており、鋭痛及び刺痛の感覚の原因であるのに対し、非有髄C繊維はより低速で伝達し、鈍痛又はうずく痛みを搬送する。中乃至重度の急性障害受容性疼痛は、筋違い/ねんざ由来の疼痛、術後疼痛(あらゆるタイプの外科手術の後の疼痛)、外傷後疼痛、やけど、心筋梗塞、急性膵炎及び腎症痛の顕著な特長であるがこれらに制限されるわけではない。同様に、一般に化学療法毒性、免疫療法、ホルモン療法及び放射線療法といったような治療的相互作用に起因するガン関連の急性疼痛もある。中度乃至重度の急性NR性疼痛は、腫瘍関連疼痛(例えば骨痛、頭痛及び顔面痛、内臓痛)でも又ガン療法に付随するもの(例えば化学療法後症候群、慢性術後疼痛症候群、放射線後症候群)であり得るガン性疼痛、椎間板ヘルニア又は破裂又は腰面関節、仙腸関節、傍脊椎筋又は後縦靱帯の異常の顕著な特長であるが、これらに制限されるわけではない。
【0055】
神経因性疼痛は、神経系内の原発病変又は機能不全により開始される又はひき起こされる疼痛として定義づけされる(IASPの定義)。神経損傷は、外傷及び疾病によりひき起こされ得、かくして「神経因性」疼痛は、多様な原因論をもつ数多くの障害を包含する。これらには、糖尿病ニューロパシー、ヘルペス後神経痛、背痛、ガン性ニューロパシー、HIVニューロパシー、幻想肢痛、毛根管症候群、慢性アルコール依存症、三叉神経痛、尿毒症又はビタミン欠乏症が含まれるがこれに制限されるわけではない。神経因性疼痛は、防御的役割を全くもたないことから病的である。それは、発端となる原因が散逸したずっと後になっても存在することが多く、一般に何年も持続し、患者のクオリティ・オブ・ライフを著しく低下させる(Woolf and Mannion 1999 Lancet 353:1959−1964)。神経因性疼痛症候群は、同じ疾病を患う患者の間でも不均一であることが多いため、治療が困難である(Woolf & Decosterd 1999 Pain Supp. 6:S141−S147;Woolf and Mannion 1999 Lancet 353:1959−1964)。これらには、痛覚過敏(傷害刺激に対する感受性の増大)及び異痛症(正常な無害の刺激に対する感受性)といったような連続的、又は発作的及び異常な誘発性疼痛であり得る自発性疼痛が含まれる。
【0056】
炎症性プロセスは、組織傷害又は異物の存在に応答して活性化される一連の複雑な生化学的及び細胞的事象であり、これが膨れ及び疼痛を結果としてもたらす(Levine and Taiwo 1994:Textbook of Pain 45−56)。関節炎痛が、炎症性疼痛の集団の大部分を占める。リウマチ様疾患は、先進国における最も一般的な慢性炎症性身体条件のうちの1つであり、関節リウマチは、身体障害の一般的原因である。RAの正確な原因論は未知であるが、現在の仮定では、遺伝的及び微生物学的要因が重要であることが示唆されている(Grennan & Jayson 1994 Textbook of Pain 397−407)。ほぼ1600万人のアメリカ人が症候性骨関節炎(OA)又は変形性関節炎疾患を有し、その大部分が60才を超える人々であり、これは、人口の年令が上昇するにつれて4000万人まで増大すると予想されており、巨大な規模の公衆衛生上の問題となっている(Houge & Mersfelder 2002 Ann Pharmacother. 36:679−686;McCarthy et al., 1994 Textbook of Pain 387−395)。OAを患う大部分の患者は、疼痛のための医療を求めている。関節炎は、心理社会的及び身体的機能に著しい影響を与え、その後の人生における身体障害の主要な原因として知られている。その他のタイプの炎症性疼痛には、炎症性腸疾患(IBD)が含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0057】
その他のタイプの疼痛には以下のものが含まれるがこれに制限されるわけではない:
【0058】
筋肉痛、線維筋痛、脊椎炎、血清反応陰性(非リウマチ様)関節症、非関節リウマチ、ジストロフィン異状症、グリコゲノリシス、多発性筋炎、化膿性筋炎を含む(ただしこれに制限されるわけではない)筋骨格障害。
【0059】
中心性卒中後痛、多発性硬化症、脊髄損傷、パーキンソン氏病及びてんかんを含む(ただしこれに制限されるわけではない)神経系の病変又は機能不全によってひき起こされる疼痛により定義される中心性疼痛又は「視床痛」。
【0060】
狭心症、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、心膜炎、レイノー現象、浮腫性硬化症、浮腫性硬化症、骨格筋虚血を含む(ただしこれに制限されるわけではない)心臓及び血管の疼痛。
【0061】
内臓痛及び胃腸障害。内臓は、腹腔の器官を包含する。これらの器官は、生殖器官、脾臓、及び消化系の一部を内含する。内臓に付随する疼痛は、消化性内臓疼痛及び非消化性内臓疼痛に分割され得る。一般に遭遇する胃腸(GI)障害は、機能的腸障害(FBD)及び炎症性腸疾患(IBD)を内含する。これらのGI障害には、全てが一様に内臓痛を生み出す、FBDについては胃食道還流、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)及び機能性腹痛症候群(FAPS)そしてIBDについてはクローン病、回腸炎及び潰瘍性大腸炎を含む、現在中等度にしか制御されていない広範囲の疾病状態が含まれる。その他のタイプの内臓痛には、月経困難症に付随する疼痛、骨盤痛、及び膵炎が含まれる。
【0062】
片頭痛、前兆を伴う片頭痛、前兆を伴わない片頭痛、群発性頭痛、緊張型頭痛を含む(ただしこれに制限されるわけではない)頭痛。
【0063】
歯痛、側頭下顎骨顔面筋疼痛を含む(これに制限されるわけではない)口腔顔面疼痛。
【0064】
代替的な1態様として、疼痛特に神経因性疼痛の治癒的、予防的又は緩和的治療のための医薬品の製造における中から独立して選択及びAChE阻害物質の相乗的組合せの同時、逐次的又は別々の使用が提供されている。好ましい特長としては、該使用には適切には上述の組合せのうちのいずれか1つが含まれる。
【0065】
さらなる代替的態様としては、その治療を必要とする哺乳動物に対してアルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質を治療上相乗性ある量だけ同時、逐次的又は別々に投与することを含む、疼痛特に神経因性疼痛の治癒的、予防的又は緩和的治療のための方法が提供されている。好ましい特長として、該方法は適切には、上述の組合せのうちのいずれか1つを含む。
【0066】
該発明のアルファ−2−デルタリガンドの生物学的活性は、ブタの脳組織から誘導された〔3H〕ガバペンチン及びα2δサブユニットを用いた放射性リガンド結合検定において測定可能である。(Gee N.S., Brown J.P., Dissanayake V.U.K. Offord J.,Thurlow R., Woodruff G.N., J.Biol. Chem, 1996;271:5879−5776)。結果は、μM又はnMα2δ結合親和力の形で表現可能である。
【0067】
AChE阻害物質活性はEllman, GL et al., Biochem. Pharmacol. 1961,7 88−95によって記述された方法によって決定可能である。検定溶液は、100μMのテトライソプロピピロホスホラミド(iso−OMPA)、100μMの5.5′−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)、0.02単位/mLのAChE(Sigma Chemical Col,ヒト赤血球より)及び200μMのヨウ化アセチルチオコリンの添加を伴うpH8.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液から成る。最終検定体積は0.25mLであった。酵素添加に先立って検定溶液にテスト化合物を添加し、その時点で酵素との20分の予備インキュベーションを行い、その後基質を添加した。412mMにおける吸収の変化は5分間記録された。反応速度が比較され、テスト化合物の存在に起因する阻害百分率が計算された。
【0068】
ブチリルコリンエステラーゼの阻害は、iso−OM−PAの添加及びそれぞれ酵素及び基質についての0.02単位/mLのBuCuE(Sigma Chemical Co., ウマ血清より)及び200μMのブチリルチオコリンの置換を省略することにより、AChEについて以上で記述された通りに測定された。
【0069】
インビボマイクロ透析。ガイドカニューレと透析プローブ(Bioanalytical Systems, West Lafayette, IN)を用いて線条体内で雄のSpragne−Dawleyラットに移植を施し、3mL/分の速度で過融解させた。透析流体はAChEによるAchの分解を低減させるべく500mMのフィゾスチグミンを含有するリンゲル緩衝液(pH7.2)であった。薬物投与の前に2時間そして薬物の経口投与後2時間、20分に1回画分(60μl)を収集した。上述の通りAchのHPLC分析のために直接試料(50μl)を使用した。薬物投与の直前に3つの画分の中の平均Ach含有量として基礎Ach放出を定義づけした。全ての画分中のAch含有量をこれらの基礎制御値の百分率に換算した。
【0070】
本発明の組合せの要素は、別々に、同時に又は逐次的に投与可能である。本発明のさらなる態様として、アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質の相乗的組合せ及び適切なコンテナを含む包装が提供されている。
【0071】
組合せは同様に、任意には単数又は複数のその他の薬理的に活性な作用物質と共に投与可能である。適切な任意の作用物質としては次のものが含まれる:
(i) オピオイド鎮痛剤、例えばモルホリン、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン、ナロルフィン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン及びペンタゾシン;
(ii) オピオイド拮抗薬、例えばナロキソン、ナルトレキソン;
(iii) 非ステロイド系抗炎症薬(NSAChE阻害物質D)、例えばアスピリン、ジクロフェナク、ジフルインサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニザル、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、及びその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物;
(iv) バルビツール系鎮静薬、例えばアモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール、メフォバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルチタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール、チオペンタール及びその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物;
【0072】
(v) 鎮静作用をもつベンゾジアゼピン、例えば、クロルジアゼポキシド、クロラゼパート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム及びその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物;
(vi) 鎮静作用をもつH1拮抗薬、例えばジフェンヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、クロルシクリジン及びその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物;
(vii) その他の鎮静剤、例えばグルテチミド、メプロバマート、メタカロン、ジクロアルフェナゾン及びその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物;
(viii) 骨格筋弛緩薬、例えばバクロフェン、トルペリゾン、カリソプロドル、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモル、オルフェナジン及びその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物;
【0073】
(ix) NMDAレセプタ拮抗薬、例えばデキストロメトルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)及びその代謝産物デキストロファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマチン、ピロロキノリンキノン及びシス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸;及び
及びその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物;アルファアドレナリン活性化合物、例えば、ドキサゾシン、タムスロシン、クロニジン及び4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタンスルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノル−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン;
(x) 3環系抗うつ薬、例えばデシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン及びノルトリプチリン;
(xi) 抗けいれん剤、例えばカルバマゼピン、バルプロエート、ラモトリジン
(xii) セロトニン再摂取阻害剤、例えばフルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム及びセルトラリン;
【0074】
(xiii) 混合セロトニン−ノルアドレナリン再摂取阻害剤、例えばミルナシプラン、ベンラファキシン及びジュロキセチン;
(xiv) ノルアドレナリン阻害剤、例えば、レボキセチン;
(xv) タキキニン(NK)拮抗薬、特にNK−3、NK−2及びNK−1拮抗薬、例えば、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ−[2,1−g]−[1,7]ナフトリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−チアゾール−3−オン(MK−869)、ラネピタント、ダピタント及び3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミノ]−2−フェニル−ピペリジン(2S,3S);
(xvi) ムカリニン性拮抗薬、例えばオキシブチン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロプシウム(tropsium)及びダリフェナシン;
(xvii) COX−2−阻害剤、例えばセレコキシブ、ロフェコキシブ及びバルデコキシブ;
(xviii) 非選択性COX阻害剤(好ましくはGI防御を伴う)、例えばニトロフルルビプロフェン(HCT−1026);
(xix) コールタール鎮痛剤、特にパラセタモール;
【0075】
(xx) 神経安定薬、例えばドロペリドールなどの;
(xxi) バニロイドレセプタ拮抗薬、例えばレジンフェラトキシン;
(xxii) ベータ−アドレナリン化合物、例えばプロプラノロール;
(xxiii) 局所麻酔薬、例えばメキシレチン、リドカイン;
(xxiv) コルチコステロイド、例えばデキサメタゾン;
(xxv) セロトニンレセプタ作動薬及び拮抗薬;
(xxvi) コリン作用性(ニコチン性)鎮痛薬;及び
(xxvii) その他の作用物質例えばTramadol(登録商標)。
【0076】
かくして、本発明は、疼痛特に神経因性疼痛の治癒的、予防的又は緩和的治療における同時、別々又は逐次的な使用のための以上に列挙したもののようなアルファ−2−デルタリガンド、AChE阻害物質及び単数又は複数のその他の治療薬を含む製品に拡大される。
【0077】
該発明の組合せは単独で投与可能であるが、1つ又は両方の要素は一般に、意図された投与経路及び標準的な薬学的実践を考慮して選択された薬学賦形剤(単複)、希釈剤(単複)又は担体(単複)との混和物の形で投与されることになる。該当する場合には、助剤を添加することができる。助剤は、防腐剤、酸化防止剤、フレーバ又は着色剤である。該発明の化合物は、既効型、遅延放出型、修正放出型、持続放出型、パルス放出型又は制御放出型であり得る。
【0078】
本発明の組合せの要素は、例えば、錠剤、カプセル、マルチ及びナノ粒子状物質、ゲルフィルム(粘膜接着型)、粉末、胚珠、エリキシル、トローチ剤(液体充填型)、チュアブル剤、溶液、懸濁液及びスプレーの形で経口、口腔又は舌下といった経路で(ただしこれに制限されるわけではない)投与可能である。該発明の化合物は同様に、浸透圧性剤形として、又は高エネルギー分散の形で、又はLiang及びChemによって2001年Ashley Publicationsの中で記述されているような被覆粒子又は高速溶解性、高速崩壊性剤形としても投与可能である。該発明の化合物は、凍結乾燥又は噴霧乾燥された結晶性又は非結晶性製品として投与可能である。該発明の化合物の適切な処方は、望まれる通り、親水性又は疎水性マトリクス、イオン交換樹脂複合体、被覆又は未被覆形態及び米国特許第6,106,864号に記述されているようなその他のタイプの形であり得る。
【0079】
例えば錠剤といったようなこのような薬学組成物は、賦形剤例えば微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、グリシン及びデンプン(好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン)、マンニトール、崩壊剤例えばグリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロースナトリウム及び一部の複合ケイ酸塩、及び造粒結合剤例えばポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、トリグリセリド、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ベントナイトスクロース、ソルビトール、ゼラチン及びアカシアを含有し得る。付加的には、潤滑剤例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、PEG及びタルク又は湿潤剤例えばラウリル硫酸ナトリウムを固体組成物に添加することもできる。さらには、炭水化物、リン脂質及びタンパク質といった重合体を内含することもできる。
【0080】
高速分散性又は溶解性投薬処方(FDDF)は、アスパルターム、アセスルファムカリウム、クエン酸、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、二アスコルビン酸、アクリル酸エチル、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、メタクリル酸メチル、ミント着香剤、ポリエチレングリコール、ヒュームドシリカ、二酸化ケイ素、グリコール酸デンプンナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビトール又はキシリトールといった成分を含有し得る。FDDFを記述するべく本書で使用している分散性又は溶解性という用語は、使用される薬物物質の可溶性により左右される。すなわち、薬物物質が不溶性である場合、高速分散性剤形を調製でき、薬物物質が可溶性である場合、高速溶解性剤形を調製できる。
【0081】
錠剤といったような固体剤形は、例えば直接圧縮又は湿式、乾式又は融解造粒、融解凝結及び押出しプロセスにより製造される。単層又は多層であり得る錠剤コアは、当該技術分野において既知の適切な保護膜で被覆され得る。
【0082】
類似のタイプの固体組成物は、ゼラチン、デンプン、又はHPMCカプセルといったカプセル内の充填剤としても利用可能である。この点において好ましい賦形剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖、又は高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。ゼラチンカプセルといったソフト又はハードカプセル内の充填剤としては、液体組成物を利用することができる。水性及び油性懸濁液、溶液、シロップ及び/又はエリキシル剤のためには、該発明の化合物をさまざまな甘味料又は着香剤、着色材料又は染料、乳化剤及び/又は懸濁剤及び希釈剤例えば水、エタノール、プロピレングリコール、メチルセルロース、アルギン酸又はアルギン酸ナトリウム、グリセリン、油、ハイドロコロイド剤及びそれらの組合せと組合わせることができる。その上、これらの化合物及び賦形剤を含有する処方は、使用前に水又はその他の適切なビヒクルと共に構成するための乾燥製品の体裁をとりうる。
【0083】
液体形態の調製物には、溶液、懸濁液及びエマルジョン、例えば水又は水プロピレングリコール溶液が含まれる。非経口注射のためには、液体調製物を水性ポリエチレングリコール溶液の中に溶解した状態で処方することができる。経口用途に適した水溶液は、望みに応じて、水中に活性成分を溶解させ適切な着色剤、安定化剤及び増粘剤を添加することによって調製可能である。経口用途に適した水溶液は、天然又は合成ゴム、メチルセルロース、ナトリウム、カルボキシメチルセルロース及びその他の周知の懸濁剤といったような粘性材料と共に細かく分割した活性成分を分散させることによって作ることができる。
【0084】
本発明の組合せの要素は、注射によって、すなわち静脈内、筋内、皮内、十二指腸内又は腹腔内、動脈内、くも膜下内、心室内、子宮内、胸骨内、頭蓋内、髄腔内又は皮下で投与することもでき、そうでなければ輸液、無針注射器又はインプラント注入技術によっても投与可能である。かかる非経口投与のためには、例えば、溶液を血液と等張にするために充分なグルコースといった塩又は炭水化物といったような当該技術分野において既知のその他の物質を含有し得る無菌水溶液、懸濁液又はエマルジョン(ミセルを内含し得るような系)の形でこれらを使用するのが最も良い。水溶液は必要とあらば適切に緩衝されるべきである(好ましくは3〜9のpH)。非経口投与の一部の形態のためには、これらを、オレイン酸を含めた脂肪酸及びモノ又はジグリセリドを含めた固定油といった無菌の非水性系の形で使用することができる。例えば凍結乾燥といった無菌条件下での適切な非経口処方の調製は、当業者にとって周知の標準的薬学技術により容易に達成される。代替的には、活性成分は、使用の前に適切なビヒクル(例えば無菌、発熱物質無しの水)で構成するため粉末の形態をしていてよい。
【0085】
同様に、本発明の組合せの要素は、鼻腔内又は吸入によって投与可能である。これらは、乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末(単独で、例えばラクトースとの乾燥配合物などの混合物として又は例えばリン脂質との混合成分粒子として)の形で、又は、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヒドロフルオロアルケン例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134A(商標))又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA227EA(商標)、二酸化炭素、さらに過フッ化された炭化水素例えばPerflubron(商標)又はその他の適切な気体などの適切な高圧ガスを使用した又は使用しない加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、アトマイザ(好ましくは細かいミストを生成するべく電気流体力学を用いたアトマイザ)又はネブライザからのエアゾルスプレーの体裁で、適切に送達される。加圧エアゾルの場合、投薬量単位は、計量された量を送達するためのバルブを具備することで決定できる。加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、アトマイザ又はネブライザは、例えばトリオレイン酸ソルビタンといった潤滑剤をさらに含有し得る、溶剤としての高圧ガス及び放出を延長させるか又は分散、可溶化させるための適切な作用物質又はエタノール(任意には水性エタノール)の混合物を用いて、活性化合物の溶液又は懸濁液を収納することができる。吸入器又は気腹器の中で使用するための(例えばゼラチン又はHPMCから作られた)カプセル、ブリスタ及びカートリッジを、該発明の化合物、ラクトース又はデンプンといったような適切な粉末基剤、及び1−ロイシン、マンニトール−又はステアリン酸マグネシウムといった性能調整剤の粉末ミックスを収納するように処方することができる。
【0086】
吸入のための乾燥粉末処方又は懸濁液処方の中で使用する前に、該発明の組合せの要素は、吸入による送達に適したサイズ(標準的には5ミクロン未満とみなされる)に微粉末化されることになる。微粉末化は、例えばらせんジェット・ミリング、流動床ジェット・ミリング、超臨界流体結晶他の使用又は噴霧乾燥といった一定範囲の方法によって達成できると思われる。
【0087】
細かいミストを生成するために電気流体力学を使用するアトマイザの中で使用するための適切な溶液処方は、一回の起動につき該発明の化合物を1μg〜10mg含有することができ、該起動体積は1〜100μlの間で変動し得る。標準的な処方は、該発明の組合せの要素、プロピレングリコール、無菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含み得る。例えばグルセロール又はポリエチレングリコールといったような代替的溶剤をグリコールの代りに使用することができる。
【0088】
代替的には、該発明の組合せの要素は、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟こう、打粉、包帯剤、フォーム、フィルム、スキン、パッチ、ウェハース、インプラント、スポンジ、ファイバ、包帯、マイクロエマルジョン及びそれらの組合せの形で、皮膚、粘膜に対して局所的に、皮膚上又は経皮的に投与可能である。このような適用のためには、該発明の化合物は、例えば、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化用ワックス、合成モノ又はジグリセリドを含む固定油、及びオレイン酸を含む脂肪酸、水、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、液体パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、エタノールなどのアルコールのうちの単数又は複数のものとの混合物の形で懸濁又は溶解させることができる。代替的には、浸透増強剤を使用することができる。ナノ粒子(例えばニオソーム又はリポソームなど)の形又は懸濁された又は溶解された状態で、重合体、炭水化物、タンパク質、リン脂質を使用することもできる。さらに、これらを、イオントフォレーゼ、電気穿孔法、フォノフォレーシス及びソノフォレーシスを用いて送達することも可能である。
【0089】
代替的には、該発明の組合せの要素は、例えば座薬又はペッサリの形で直腸経由で投与することができる。これらは、同様に、膣経路で投与することもできる。例えば、これらの組成物は、通常の温度では固体であるが体腔内で液化及び/又は溶解して薬物を放出するココアバター、合成グリセリドエステル又はポリエチレングリコールといった適切な非刺激性の賦形剤と薬物を混合することにより調製可能である。
【0090】
該発明の組合せの要素は同様に、眼球を経由して投与することもできる。眼科用には、該化合物を、等張でpH調整された無菌生理食塩水中の微粉末化された懸濁液として、又は好ましくは等張でpH調整された無菌生理食塩水中の溶液として処方され得る。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース重合体(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース)又はヘテロ多糖類重合体(例えばゲランガム)といった重合体を添加することが可能である。代替的には、これらを、ワセリン又は鉱油といったような軟膏の形で処方するが、生物分解性(例えば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)又は非生物分解性(例えばシリコーン)インプラント、ウェハース、液滴、レンズの中に取込むか、又はニオソーム又はリポソームといった粒子状又は小胞状の系を介して送達することができる。任意には、塩化ベンズアルコニウムといった防腐剤と処方を組合わせてもよい。さらに、これらは、イオントフォレーシスを用いて送達することもできる。同様に、例えば液滴を用いて(ただしこれに制限されるわけではない)耳腔内にこれらを投与することも可能である。
【0091】
該発明の組合せの要素をシクロデキストリンと組合せて使用することもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と包接錯体非包接錯体を形成するものとして知られている。薬物−シクロデキストリン錯体の形成は、薬物分子の溶解度、溶解速度、味覚マスキング、生物学的利用能及び/又は安定性特性を修正し得る。薬物−シクロデキストリン錯体は、一般に大部分の剤形及び投与経路のために有用である。薬物との直接的錯化に対する代替案として、補助的添加剤例えば担体、希釈剤又は可溶化剤としてシクロデキストリンを使用することができる。アルファ、ベータ及びガンマ−シクロデキストリンが最も一般的に使用され、適切な例は、国際特許出願第91/11172号、国際特許出願第94/02518号及び国際特許出願第98/55148号の中で記述されている。
【0092】
「投与された」という用語は、ウイルス又は非ウイルス技術による送達を含む。ウイルス送達メカニズムには、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター及びバキュロウイルスベクターが含まれる。非ウイルス送達メカニズムには、脂質媒介トランスフェクション、リポソーム、免疫リポソーム、リポフェクチン、カチオン系顔面両親媒性物質(CFA)、及びこれらの組合せが含まれる。このような送達メカニズムのための経路には、粘膜、経鼻、経口、胃腸、局所又は舌下経路が含まれるがこれに制限されるわけではない。
【0093】
かくして、本発明のさらなる態様として、アルファ−2−デルタリガンド、AChE阻害物質及び適切な賦形剤、希釈剤又は担体を含む組合せを含む医薬組成物が提供されている。適切には、該組成物は、疼痛特に神経因性疼痛の治療における使用に適している。
【0094】
本発明の1つの代替的な態様としては、アルファ−2−デルタリガンド、AChE阻害物質及び適切な賦形剤、希釈剤又は担体を含む相乗的組合せを含んで成る医薬組成物が提供されている。適切には、該組成物は、疼痛特に神経因性疼痛の治療において使用するのに適している。
【0095】
非ヒト動物への投与のためには、本書で使用される「薬学的」という語は「獣医用」という語で置き換えることができる。
【0096】
薬学的調製物の要素は好ましくは単位剤形をしている。このような形態では、調製物は、活性成分を適切な数量含有する単位用量へと再分割される。単位剤形は、包装された調製物であり得、該包装は、個別数量の調製物例えば小包に入った錠剤、カプセル及び小びん又はアンプルに入った粉末を収納する。同様に単位剤形はカプセル、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤自体であっても又、包装された形での適切な数のこれらのいずれかであってもよい。単位用量調製物中の活性成分の数量は、特定の利用分野及び活性成分の効能に応じて0.1mg〜1gまで変動又は調整可能である。医療用途では、薬物は、例えば100又は300mgのカプセルとして一日3回投与され得る。治療用途では、本発明の薬学的方法において利用される化合物は、一日約0.01mg〜約100mg/kgの初期投薬量で投与される。約0.01mg〜約100mg/kgの日用量範囲が好まれる。しかしながら投薬量は、患者の必要条件、治療対象の身体条件の重症度及び利用されている化合物に応じて変動可能である。特定の状況についての適切な投薬量の決定は、当業者の技能範囲内に入る。一般に、治療は化合物の最適用量よりも少ない比較的少量の投薬量で開始される。その後、その状況下の最適な効果に達するまで、投薬量は小さな増分で増加させられる。便宜上、合計日用量を分割し、望ましくはその日のうちに複数の分量で投与することができる。
【0097】
獣医用では、本発明に従った組合せ又はその獣医用に受容可能な塩及び溶媒和物が、通常の獣医実践に従って適切に許容可能な処方として投与され、獣医が特定の動物について最も適当である投与計画及び投与経路を決定することになる。
【0098】
生物学実施例
方法
本発明の組合せの活性を決定するために、以下の生物学的方法を使用することが可能である。
【0099】
動物
Charles Riuer,(Margate, Kent, U.K.)から得た雄のSprague Dawleyラット(200〜250g)を6匹ずつグループにして収納する。全ての動物を、12時間の明暗サイクル(7時00分に照明をオンにする)下に保ち、食料と水は自由に取らせる。全ての実験は、薬物治療について知らされていない観察者により実施される。
【0100】
ラットにおけるCCI外科手術
動物をイソフルランで麻酔する。Benett and Xie, 1988により以前に記述されたとおり、坐骨神経を結紮する。動物を処置の持続時間中恒温毛布上に置く。外科的前処理の後、共通坐骨神経を、大腿二頭筋を通る鈍的切開により腿の中央で露出させる。座骨三叉の近くで、約7mmの神経を接着している組織から解放させ、4本の結紮糸(4−0絹糸)をそのまわりに約1mmの間隔をとってゆるく結ぶ。切開を層状に閉じ、創傷を局所用抗生物質で治療する。
【0101】
CCI誘発された静的及び動的異痛症の維持に対する組合せの効果
アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質に対する用量−応答をまず第1にCCIモデルにおいて単独で実施することができる。固定した比率設計に従って組合せを検査する。組合せの各々の定用量比に対する用量−応答を実施する。各試験日に、薬物治療に先立ちvon Frey毛髪に対する基線後肢逃避反応閾値(PWT)と綿棒刺激に対する後肢逃避反応潜時(PWL)を判定する。アルファ−2−デルタリガンドを経口で直接投与しそれに続いてAChE阻害物質を皮下投与し、PWT及びPWLを最高5時間再検査する。その時点がピークの抗異痛症効果を表わすことから、静的及び動的データの両方について、2時間の時点でデータを表現する。
【0102】
胃痛症の評価
Semmes-Weinstein von Frey毛(Stoelting, イリノイ州、U.S.A)を用いて静的異痛症を測定することができる。肢の下側へアクセスできる金網底のケージ内に動物を入れる。実験の開始に先立ちこの環境に動物を慣らす。最高6秒間、昇順の力でvon Frey毛髪を用いて動物の右後肢の足底表面に触れることにより、静的異痛症をテストする。逃避反応応答がひとたび確立された時点で、応答が全く発生しなくなるまで次の下降するvon Frey毛から始めて肢を再テストする。肢をもち上げると同時に応答を惹起する最高の力は、かくしてカットオフ点を表わす。応答を惹起するのに必要とされる力の最低量は、グラム単位のPWTとして記録される。
【0103】
綿棒で後肢の足底表面を軽く撫でることにより動的異痛症を査定する。一般的運動活性の記録を回避するため活性でない充分に慣らされたラットにおいてこの手順を実施するように注意すべきである。各時点で少なくとも3回の測定が行なわれ、それらの平均が、後肢逃避反応潜時(PWL)を表わす。15秒以内にいかなる反応も示さない場合、この手順を終結し、動物にはこの逃避反応時間が割当てられる。かくして、15秒は、事実上逃避反応が全くないことを表わす。逃避反応応答には往々にして反復的にたじろいだり肢をなめる行動が随伴する。動的異痛症は、8秒間撫でるまでに動物が綿の刺激に応答した場合に存在するとみなされる。
【0104】
組合せ研究
用量応答をまず最初にアルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質単独の両方に対し実施する。アルファ−2−デルタリガンド:AChE阻害物質の一定数の固定用量比をその後検査する。各実験についての時間的経過が各々の別々の比率の抗異痛症作用の持続時間により決定されるものとして各々の定用量比に対する用量応答を実施する。
【0105】
本発明の適切なAChE阻害物質は、参照文献において記述されている通りに調製可能であり、そうでなくともこれらの文書に基づけば当業者にとっては明白なものである。
【0106】
本発明の適切なアルファ−2−デルタリガンドは、本書で以下に又は上述の特許参考文献、特にPCT/IB02/01146号中で記述する通りに調製可能であり、これらは、以下の制限的意味のない実施例及び中間体により例示される。
【0107】
化学反応例
例1.(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸ヒドロクロリド(R)−2,6−ジメチル−ノン−2−エン。0℃でTHF(800mL)中の臭化(S)−シトロネリル(50g、0、228モル)に対して、LiCl(4.3g)そして次にCuCl2(6.8g)を添加した。30分後に塩化メチルマグネシウム(THF中の3M溶液152mL、Aldrich)を添加し、溶液を室温まで暖めた。10時間後に、溶液を0℃まで冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液を入念に添加した。結果として得られた2層を分離し、水相をエーテルで抽出した。組合さった有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮して(R)−2,6−ジメチル−ノン−2−エンを得た。32.6g:93%。これをさらなる精製無く使用した。
【化5】

【0108】
(R)−4−メチル−ヘプタン酸。アセトン(433mL)中の(R)−2,6−ジメチル−ノン−2−エン(20g、0.13モル)に対して、50分間にわたりH2SO4(33mL)/H2O(146mL)中のCrO3(39g、0.39モル)溶液を添加した。6時間後さらなる量のH2SO4(22mL)/H2O(100mL)中のCrO3(26g、0.26モル)を添加した。12時間後に溶液を塩水で希釈し、溶液をエーテルで抽出した。組合された有機相を乾燥させ(MgSO4)濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(6:1〜2:1のヘキサン/EtOAc勾配)により、油として(R)−4−メチル−ヘプタン酸を得た。12.1g;65%。MS、m/z(相対強度):143(M−H、100%)。
【0109】
(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン。0℃でTHF(500mL)中の(R)−4−メチル−ヘプタン酸(19g、0.132モル)及びトリエチルアミン(49.9g、0.494モル)に対し、トリメチルアセチルクロリド(20g、0.17モル)を添加した。1時間後にLiCl(7.1g、0.17モル)を添加しその後(4R,5S)−(+)−4−メチル−5−フェニル−2−オキサゾリジノン)3(30g、0.17モル)を添加した。混合物を室温まで暖め、16時間後ろ液をろ過により除去し、溶液を減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(7:1ヘキサン/EtOAc)により(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オンを油として得た。31.5g:79%。〔α〕D=+5.5(CHCl3中c1)。MS、m/z(相対強度):304〔M+H、100%〕。
【0110】
(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル。−50℃でTHF(200ml)中の(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(12.1g、0.04モル)に対して、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1M溶液48mL)を添加した。30分後にt−ブチルブロモアセテート(15.6g、0.08モル)を添加した。溶液を4時間−50℃で撹拌し、次に室温まで暖めた。16時間後に、塩化アンモニウムの飽和水溶液を添加し、2層を分離した。水相をエーテルで抽出し、組合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(9:1ヘキサン/EtOAc)により(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル。を白色固体として得た。12g;72%、〔α〕D=+30.2(CHCl3中のcl)。
【化6】

【0111】
(S)−2−((R)−2−メチル−ペンチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル。0℃でH2O(73mL)及びTHF(244mL)中の(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル。(10.8g、0.025モル)に対して、LiOH(0.8M溶液51.2mL)及びH22(30%溶液14.6mL)の予備混合溶液を添加した。4時間後、さらに12.8mLのLiOH(0.8M溶液)及び3.65mLのH22(30%溶液)を添加した。30分後に、重亜硫酸ナトリウム(7g)、亜硫酸ナトリウム(13g)及び水(60mL)を添加し、その後ヘキサン(100mL)及びエーテル(100mL)を添加した。2層を分離し、水層をエーテルで抽出した。組合せた有機相を油になるまで濃縮し、これをヘプタン(300mL)中に溶解させた。結果として得られた固体をろ過により除去し、ろ液を乾燥させ(MgSO4)、濃縮して(S)−2−((R)−2−メチル−ペンチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル(6g、93%)を得、これをさらなる精製なく直ちに使用した。MS、m/z(相対強度):257〔M+H、100%〕。
【0112】
(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステル。トルエン(200mL)中の(S)−2−((R)−2−メチル−ペンチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル。(6.0g、23.22mmol)及びトリエチルアミン(3.64mL、26.19mmol)の溶液をジフェニルホスホリルアジド(5.0mL、23.22mL)で処理し、0.5時間室温で撹拌した。反応混合物を次に3時間還流にて加熱し短時間冷却した後、ベンジルアルコールを添加し(7.2mL、69.7mmol)、さらに3時間溶液を加熱した。反応混合物を冷却させた後、それをエチルエーテル(200mL)で希釈し、組合わせた有機層を連続して飽和NaHCO3と塩水で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。濃縮有機成分を、8:1のヘキサン:酢酸エチルで溶出するクロマトグラフィ(MPLC)で精製して(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステル(6.4g、75.8%)を得た。MS:M+1:364.2、308.2。
【0113】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステル。THF(50mL)中の(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステルの溶液を2時間50psiでPd/C(0.2g)及びH2で処理した。反応混合物を次にろ過し、真空下で油になるまで濃縮し、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステルを定量的収率で得た。MS:Mtl:230.2、174.1。
【0114】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸ヒドロクロリド。6NのHCl(100mL)中の(3S、5R)−アミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステル(2.59g、11.3mmol)のスラリーを、還流下で18時間加熱し、冷却し、セライト上でろ過した。ろ液を真空下で25mLまで濃縮し、結果として得られた結晶を収集し、乾燥して(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸ヒドロクロリド、mp142.5〜142.7℃(1.2g、50.56%)を得た。第2の産物(0.91g)をろ液から得た。
分析:C919NO2HClについての計算値:C:51.55、H:9.61、N:6.68、Cl:16.91。実際値:C:51.69、H:9.72、N:6.56。
【0115】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸塩酸塩。30mLのメチルtert−ブチルエーテルの中に含まれた5.3gの2S(2R−メチル−ペンチル)−コハク酸−4−tert−ブチルエステルを室温で3.5mLのトリエチルアミンと反応させ、その後6.4gのジフェニルホスホリルアジドと反応させる。反応を45℃まで発熱させ少なくとも4時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却させ、相が分離する間放置する。下部層を廃棄し、上部層を水で洗浄しその後希HCl水で洗浄する。その後上部層を6NのHCl水10mLと組合わせ、45〜65℃で撹拌する。反応混合物を真空蒸留により約10〜14mLまで濃縮し、約5℃まで冷却しながら結晶化させる。ろ過により生成物を収集した後、生成物をトルエンで洗浄し、トルエン中で再度スラリー化させる。生成物を真空下での加熱により乾燥させ、結果として白色結晶質生成物2.9g(67%)を得る。生成物をHCl水から再結晶化させることができる。
【化7】

【0116】
例2.〔3S,5R〕−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸
メタンスルホン酸(S)−3,7−ジメチル−オクト−6−エニルエステル。0℃でCH2Cl2(800mL)中のS−(−)−シトロネロール(42.8g、0.274モル)及びトリエチルアミン(91mL、0.657モル)に対して、CH2Cl2(200mL)中の塩化メタンスルホニル(26mL、0.329モル)を添加した。0℃で2時間の後、溶液を1NのHCl、そして次に塩水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)濃縮して、油として表題化合物を得(60.5g、94%)、これをさらなる精製無く使用した。MS、m/z(相対強度):139〔100%〕、143〔100%〕。
【0117】
(R)−2,6−ジメチル−オクト−2−エン。0℃でTHF(1L)中のメタンスルホン酸(S)−3,7−ジメチル−オクト−6−エニルエステル(60g、0.265モル)に対して水素化アルミニウムリチウム(3.8g、0.128モル)を添加した。7時間後にさらに3.8gの水素化アルミニウムリチウムを添加し、溶液を室温まで暖めた。18時間後に、さらに3.8gの水素化アルミニウムリチウムを添加した。さらに21時間後、1Nのクエン酸で反応を注意深く急冷し、さらに塩水で溶液を希釈した。結果として得られた2相を分離させ、有機層を乾燥させ、(MgSO4)、油として表題化合物を得、これをさらなる精製無く使用した。MS、m/z(相対強度):139〔M+H、100%〕。
【0118】
(R)−4−メチル−ヘキサン酸。(R)−4−メチル−ヘプタン酸の合成と類似した手順を利用し、油として酸を得た(9.3%、56%)。IR(フィルム)2963、2931、2877、2675、1107、1461、1414cm-1;MS、m/z(相対強度):129〔M−H、100%〕。
【0119】
(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘキサノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン。(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オンの合成と類似した手順を利用し、油として表題化合物を得た(35.7g、95%)。MS、m/z(相対強度):290〔M+H、100〕。
【0120】
(3S,5R)−5−メチル−3−[1−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−メタノイル]−ヘプタン酸tert−ブチルエステル。(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステルの合成と類似した手順に従い、油として表題化合物を得た(7.48g;31%)。MS、m/z(相対強度):178〔100〕、169〔100%〕;〔α〕D=+21.6(CHCl3中のc1)。
【0121】
(S)−2−((R)−2−メチル−ブチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル。0℃でH2O(53mL)及びTHF(176mL)中の(3S,5R)−5−メチル−3−[1((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−イル)−メタノイル]−ヘプタン酸tert−ブチルエステル(7.2g、0.018モル)に対し、LiOH〔0.8Mの溶液37mL〕及びH22(30%の溶液10.57mL)の予め混合した溶液を添加し、溶液を室温まで暖めた。2時間後、重亜硫酸ナトリウム(7g)、亜硫酸ナトリウム(13g)及び水(60mL)を添加し、2層を分離し、エーテルで水層を抽出した。組合せた有機相を、ヘプタン(200mL)中に溶解した油まで濃縮した。結果として得られた固体をろ過により除去し、ろ液を乾燥させ(MgSO4)、濃縮させて表題化合物を油として得(4.4g)、これを更なる精製無く使用した。
MS、m/z(相対強度):243〔100%〕。
【0122】
(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ヘプタン酸、tert−ブチルエステル。この化合物を、(S)−2−((R)−2−メチル−ブチル)コハク酸、4−tert−ブチルエステルで出発して上述の通りに調製し、油として(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ヘプタン酸、tert−ブチルエステルを得た(73.3%の収量)。
【化8】

【0123】
(3S,5R)−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、tert−ブチルエステル。(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステルの代りに(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ヘプタン酸、tert−ブチルエステルで出発してこの化合物を上述の通りに調製し、表題化合物を得た。
【化9】


【0124】
(3S,5R)−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸ヒドロクロリド。−3NのHCl中の(3S,5R)−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、tert−ブチルエステル(1.44g、6.69mmol)のスラリを3時間還流にて加熱し、セライト上で高温状態でろ過し、乾燥するまで濃縮させた。結果として得られた固体をエチルエーテル内で粉砕すると、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸ヒドロクロリドが得られた。(0.95g、85%)mp(融点)126.3〜128.3℃。分析:C817NO2・HCl・0.1H2Oについての計算値:C:48.65、H:9.29、N:7.09、Cl:17.95。実際値:C;48.61、H:9.10、N:7.27、C1:17.87MS:M+1:160.2。
【0125】
例3.(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸
(R)−4−メチル−オクタン酸。周囲温度で45mlのTHF中で塩化リチウム(0.39g、9.12mmol)及び塩化第一銅(0.61g、4.56mmol)を組合せ、15分撹拌し、次に0℃で冷却してこの時点で臭化エチルマグネシウム(THF中のIM溶液、45mL、45mmol)を添加した。臭化(S)−シトロネリル(5.0g、22.8mmol)を滴下にて添加し、溶液を一晩撹拌しながら周囲濃度までゆっくりと暖めた。飽和NH4Cl(水)を慎重に添加することにより反応を急冷し、30分間Et2O及び飽和NH4Cl(水)と共に撹拌した。相を分離させ、有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮させた。粗製(R)−2.6−ジメチル−デク−2−エンを更なる精製無しで使用した。0℃で50mLのアセトン中の(R)−2,6−ジメチル−デク−2−エン(3.8g、22.8mmol)の溶液に対して、ジョーンズ試薬(H2SO4(水)中2.7M、40mL、108mmol)を添加し、溶液を一晩撹拌しながら周囲温度までゆっくりと暖めた。混合物をEt2OとH2Oの間で分割し、相を分離し、塩水で有機相を洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc8:1)により精製して無色の油として2.14g(59%)の表題化合物を得た:LRMS:m/z 156.9(M+)。26.7gのCrO3、23mLのH2SO4を組合せ、H2Oで100mLまで希釈することにより2.7Mの溶液としてジョーンズ試薬を調製した。
【0126】
(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−オクタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン。0℃で25mLのCH2Cl2中の(R)−4−メチル−オクタン酸(2.14g、13.5mmol)に対して、3滴のDMFを添加し、その後、塩化オキサリル(1.42mL、16.2mmol)を添加し、その結果気体が活発に発生した。溶液を直接周囲温度まで暖め、30分間撹拌し、濃縮した。その間、−78℃で40mLのTHF中のオキサゾリジノン(2.64g、14.9mmol)の溶液に対してn−ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6Mの溶液、9.3mL、14.9mmol)を滴下にて添加した。混合物を10分間撹拌し、その時点で10mLのTHF中の酸塩化物を滴下にて添加した。反応を−78℃で30分撹拌し、その後直接周囲温度まで暖め、飽和NH4Clで急冷した。混合物をEt2Oと飽和NH4Cl(水)の間で分割し、相を分離し、有機相を乾燥させた(MgSO4)、濃縮して3.2gの表題化合物を無色の油として得た。LRMS;m/z318.2(Mt)。
【0127】
(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノナン酸tert−ブチルエステル。−78℃で30mLのTHF中のジイソプロピルアミン(1.8mL、12.6mmol)の溶液に対して、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6Mの溶液7.6mL、12.1mmol)を添加し、混合物を10分間撹拌し、この時点で10mLのTHF中の(4R,5S)−4−メチル−3−((R)−4−メチル−オクタノイル)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン。(3.2g、10.1mmol)を滴下にて添加した。溶液を30分間撹拌し、t−ブチルブロモアセタート(1.8mL、12.1mmol)を−50℃で迅速に滴下にて添加し、混合物を3時間にわたって10℃までゆっくりと暖めた。混合物をEt2Oと飽和NH4Cl(水)の間で分割し、有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc、16:1〜8:1)により精製して、無色の結晶質固体として2.65g(61%)の表題化合物を得た(mp=84〜86℃)。〔δ〕D23+17.1(c=1.00、CHCl3)。
【0128】
(S)−2−((R)−2−メチル−ヘキシル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル。0℃で20mLのTHF中の(3S,5R)−5−メチル−3−((4R,5S)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノナン酸tert−ブチルエステル(2.65g、6.14mmol)の溶液に対し、10mLのH2O中のLiOH−水和物(1.0g、23.8mmol)と過酸化水素(30重量%の水溶液、50mL)の予備冷却された(0℃)溶液を加えた。混合物を90分間活発に撹拌し、次に周囲温度まで暖め、90分撹拌した。10%のNaHSO3(水)を添加することにより0℃で反応を急冷させ、次にEt2Oで抽出した。相を分離し、有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮させた。表題化合物を更なる精製無く使用した。
【0129】
(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチルノナン酸、tert−ブチルエステル。(S)−2−((R)−2−メチルペンチル)コハク酸、4−tert−ブチルエステルの代りに(S)−2−((R)−2−メチルヘキシル)コハク酸、4−tert−ブチルエステルで出発して上述のものと類似の要領でこの化合物を調製し、油として表題化合物を得た(71.6%の収量)。
【化10】


【0130】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、tert−ブチルエステル。(3S,5R)−3−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−オクタン酸、tert−ブチルエステルの代りに(3S,5R)−ベンジオキシカルボニルアミノ−5−メチル−ノナン酸、tert−ブチルエステルで出発して上述の通りにこの化合物を調製した。収率=97%。
【化11】

【0131】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸ヒドロクロリド−3NのHCl(100mL)中の(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、tert−ブチルエステルの混合物を3時間還流で加熱し、セライト上で高温でろ過し、真空下で30mLまで濃縮した。結果として得られた結晶を収集し、さらなる3NのHClで洗浄し乾燥させて、表題化合物(mp142.5〜143.3℃)を得た。ろ液から付加的な産物を獲得し、1.03g(70.4%)を得た。分析:C1021NO2・HClについての計算値:C:53.68、H:9.91、N:6.26、Cl:15.85。実際値:C:53、89、H:10、11、N:6.13。MS:M+1;188.1。
【0132】
例4.(2R,4R)−2−アミノメチル−4−メチル−ヘプタン酸
5R−メチル−3R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)オクタン酸。ジクロロメタン(150mL)中の(3R,5R)−5−メチル−3−((4S,5R)−4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル(3.9g、9.34mmol)の溶液をトリフルオロ酢酸(7.21mL、93.4mL)で処理し、周囲温度で18時間撹拌した。真空下で溶剤及び試薬を除去した後、結果として得られた残渣を100mLのヘキサン中で粉砕して、3.38gの表題化合物(100%)(mp142〜143℃)を得た。
【0133】
[4R−メチル−2R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)ヘプチル]カルバミン酸ベンジルエステル。5R−メチル−3R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)オクタン酸(1.98g:5.48mmol)とトリエチルアミン(0.92mL、6.57mmol)の溶液をジフェニルホスホリルアジド(1.2mL、5.48mmol)で処理し、周囲温度で30分間撹拌し、3時間還流して加熱した。短時間冷却した後、反応混合物をベンジルアルコール(2.8mL、27.4mmol)で処理し、さらに3時間還流にて加熱した。反応混合物を冷却し、エチルエーテル(150mL)で希釈し、飽和NaHCO3及び塩水で連続して洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、油になるまで真空下で濃縮した。クロマトグラフィ(MPLC、ヘキサン:酢酸エチル4:1での希釈)により、油として表題化合物(2.0g、78.3%)を得た。MS M+1=467.1。
【0134】
2R−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)−4R−メチルヘプタン酸。3:1のTHF:水(100mL)中の4R−メチル−2R−(4S−メチル−2−オキソ−5R−フェニルオキサゾリジン−3−カルボニル)ヘプチル]カルバミン酸ベンジルエステル(4.12g、8.83mmol)の溶液を0℃まで冷却し、0.8NのLiOH(17.5mL、14mmol)と30%のH22(4.94mL、44mmol)の混合物で処理した。反応混合物に低温で3時間撹拌した後、水(30mL)中のNaHSO3(2.37g)及びNa2SO3(4.53g)のスラリーでそれらを急冷し、1時間撹拌した。反応混合物をエチルエーテル(200mL)で希釈し、分割し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)させた。濃縮した有機抽出物を、酢酸エチルで溶出するクロマトグラフィ(MPLC)に付して1.25gの2R−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)−4R−メチルヘプタン酸(46%)を得た。MS・M+1=308.1。
【0135】
(2R,4R)−2−アミノ−4−メチル−ヘプタン酸ヒドロクロリド。メタノール(50mL)中の2R−(ベンジルオキシカルボニルアミノメチル)−4R−メチル−ヘプタン酸(1.25g、4.07mmol)とPd/c(20%、0.11g)の混合物を18時間50psiで水素化した。触媒をろ過により除去した後、溶剤を真空下で除去し、結果として得られた固体をエーテル中で粉砕して(2S,4R)−2−アミノ−4−メチル−ヘプタン酸ヒドロクロリド(0.28g、40%)(mp226.3〜228.0℃)を得た。MS M+1=174.0。C919NO2・0.1H2Oについての計算値:C:61.75H:11.06、N;8.00。実際値C;61.85、H:10.83、N:8.01。
【0136】
例5.2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸ヒドロクロリド
2−シアノ−4,4−ジメチル−ヘプタ−2,6−ジエン酸エチルエステル。170mLのトルエン中の2,2−ジメチル−ペント−4−エノール(5.0g、44mmol)、シアノ−酢酸エチルエステル(5.12mL、48mmol)、ピペリジン(1.3mL、14mmol)及び酢酸(4.52mL、80mmol)の溶液を、DeanStark分離器の備わったスラスコの中で18時間還流にて加熱した。トラップ内で数mLの水を収集した。反応を冷却し、1NのNCl、NaHCO3及び塩水で連続的に洗浄した。Na2SO4上で有機相を乾燥させ、油になるまで濃縮した。この油を、ヘキサン中の20%のEtOAcで溶出するクロマトグラフィに付して合計8.3g(91%)の2ロットの組合せを得た。
【化12】

【0137】
2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸ヒドロクロリド。91mLのエタノールと6mLのHClの混合物中に2−シアノ−4,4−ジメチル−ヘプタ−2,6−ジエン酸エチルエステル(5.88g、28mmol)を溶解させ、0.4gのPtO2で処理した。15時間室温で100psiの水素圧下で反応を実施した。触媒をろ過し、ろ液を濃縮させて、3.8gの所望の生成物2−アミノメチル−4,4−ジメチル−ヘプタン酸エチルエステルを油として得た。MS(APCI);216.2(M+1)+。この油を18時間6NのHCl75mL中で還流させた。反応を冷却する間に沈殿物が形成した。固体をろ過し、さらなるHCl溶液で洗浄し、エーテルで粉砕して清浄な表題化合物を得た。
【化13】

分析:C1021NO2・HClについての計算値:C:53.68、H:9.91、N:6.26、Cl:15.85、実際値;C:53.83、H;10.15、N:6.22、Cl:15.40。MP:229.5〜231.0℃。
【0138】
例6.(S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸
3−(4,4−ジメチル−ヘプタノイル)−(R)−4−メチル−(S)−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン:50mLのTHF中の4.4−ジメチル−ヘプタン酸(1.58g、10mmol)及びトリエチルアミン(4.6mL)を0℃まで冷却し、2,2−ジメチル−プロピオニルクロリド(1.36mL)で処理した。1時間後、4R−メチル−5S−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(1.95g、11mmol)及び塩化リチウム(0.47g、11mmol)を添加し、18時間混合物を撹拌した。沈殿物をろ過し、付加的なTHFで徹底的に洗浄した。ろ過物を真空下で濃縮させて油性固体を得た。この固体を200mLのEt2O中で溶解させ、飽和NaHCO3、0.5NのHCl及び飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮して油性固体を得た。この固体を200mLのEt2O中で溶解させ、飽和NaHCO3;0.5のNCl及び飽和NaClで連続的に洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮させて、表題化合物を油として得た(3.0g、95%)。
【化14】


【0139】
5,5−ジメチル−(S)−3−((R)−4−メチル−2−オキソ−(S)−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル:例1に従って、5.07g(16mmol)の3−(4,4−ジメチル−ヘプタノイル)−4−メチル−5−フェニル−オキサゾリジン−2−オン、18mL(1N、18mmol)のNaHMDS溶液及び4.72mL(32mmol)のブロモー酢酸tert−ブチルエステルから、結晶質固体として3.40g(49.3%)の表題化合物を得た(m.p.:83〜85℃)。
【0140】
(S)−2−(2,2−ジメチル−ペンチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル:例1に従って、3.4g(7.9mmol)の5,5−ジメチル−3−(4−メチル−2−オキソ−5−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−オクタン酸tert−ブチルエステル、0.8NのLiOH16mL(12.8mmol)及び30%のH224.5mLから2.42g(>100%)の表題化合物を油として得た。
【化15】


【0141】
(S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステル:例1に従って、2.14g(7.9mmol)の2−(2,2−ジメチル−ペンチル)−コハク酸4−tert−ブチルエステル、1.7mLのDPPA、1.1mLのEt3N及び2.44mLのBnOHから、1.63g(2段階で54.8%)の表題化合物を油として得た。
【化16】

【0142】
(S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステル:例1に従って、3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステル1.63g及び20%のPd/C 0.2gから表題化合物を得た。MS、m/z、244.2(M+1)+
【0143】
(S)−3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸ヒドロクロリド:例1に従って、3NのNClで3−アミノ−5,5−ジメチル−オクタン酸tert−ブチルエステルを処理して286mgの表題化合物を固体として得た。M(APCI)、m/z:188.1(M+1)+、186.1(M−1)+
分析:C1021NO2・HClについての計算値:C:53.17、H:9.92、N:6.20、Cl:15.69;実際値;C;53.19、H:10.00、N:6.08、Cl:15.25。α=+20°(MeOH)。MP:194.2〜195.2℃。
【0144】
例7.2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸
2−シアノ−3−(1−メチル−シクロプロピル)−アクリル酸エチルエステル。50mLのCH2Cl2中の1−メチルシクロプロパン−メタノール(Aldrich、1.13mL、11.6mmol)に対して中性アルミナ(2.5g)を添加しその後P濃縮(2.5g、11.6mmol)を添加し、混合物を周囲温度で3時間撹拌した。混合物を真空下で1cmのシリカゲルプラグを通してろ過し、Et2Oですすいだ。ろ液を合計体約5mLになるまで濃縮させた。残渣に対してTHF(10mL)、シアノ酢酸エチル(1.2mL、11.3mmol)、ピペリジン(5滴)そして最後に酢酸(5滴)を添加した。一晩周囲温度で全体を撹拌し、次にEt2Oと飽和NaHCO3水の間で分割した。相を分離し、有機相を塩水で洗浄し乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン10→15%)により、無色の油として0.53g(25%)を得、これは放置した時点で結晶化した。分析。C1013NO2についての計算値:C、67.02;H、7.31;N、7.82。実際値;C、66.86;H、7.47;N、7.70。
【0145】
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸エチルエステル。16mLのEtOH:THF(1:1)中の2−シアノ−3−(1−メチル−シクロプロピル)−アクリル酸エチルエステル(0.45g、2.51mmol)に対して、RaNi(0.4g)を添加し、混合物を15.5時間48psiでParr振とう機の中で水素化した。次にPearlman触媒(0.5g)を添加し、さらに15時間水素化を連続した。混合物をろ過し、濃縮させた。残渣の2→3→4→5→6→8%のMeOH/CH2Cl2のフラッシュクロマトグラフィにより無色の油としてアミノエステル0.25g(54%)を得た。LRMS:m/z186.1(M+1)。
【0146】
2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸。0℃で10mLのメタノール中の2−アミノメチル−3−(1−メチル−シクロプロピル)−プロピオン酸エチルエステル(0.25g、1.35mmol)の溶液に対し、10%のNaOH水(10mL)を添加した。一晩周囲温度で混合物を撹拌し、次に濃縮してメタノールを除去した。0℃まで残渣を冷却し、濃HClでpH2を酸性化した。周囲温度まで暖めた後、混合物をDOWEX−50WX8−100イオン交換樹脂上に投入し、リトマスで中性になるまでH2Oで溶出した。溶出を5%のNH4OH水(100mL)で継続させ、アルカリ性画分を濃縮して0.15g(71%)のアミノ酸を無色の固体として得た。LRMS;m/z 158.0(M+1)。
【0147】
例8.(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸
(5S)−5−メチル−オクタ−2,6−ジエン酸tert−ブチルエステル。−78℃で30mLのトルエン中の(S)−3−メチル−ヘキ−4−セン酸エチルエステル*(1.0g、6.4mmol)の溶液に対し5分間にわたりDIBAH(THF中の1.0M、6.4mL)を滴下にて添加した。混合物を−78℃で45分撹拌し、その時点で5滴のメタノールを添加し、結果としてH2が活発に発生した。もはや気体の発生が見られなくなるまでメタノールを添加した(5mL)。この時点で、低温浴を取り除き、約5mLの飽和酒石酸Na++水溶液を添加した。混合物が室温に達した時点で、付加的な飽和酒石酸Na++水溶液及びEt2Oを添加し、相がほぼ透明になるまで(約1時間)撹拌を続行した。相を分離し、有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、揮発度の関係により合計体積約10mLまで濃縮した。粗製混合物を、上述の方法により10mmolのエステルから調製されたアルデヒドの付加的なバッチと組合せ、全体を精製無しで使用した。25mLのTHF中の水素化ナトリウム懸濁液(鉱油中の60%の分散)に対して、H2の発生を制御できるような形で1時間にわたりt−ブチル−P,P−ジメチルホスホノアセタート(3.0mL、15mmol)を滴下にて添加した。添加が完了した後、トルエン中の粗製アルデヒド(合計体積約20mL)をすばやく滴下にて添加し、混合物を一晩周囲温度で撹拌した。混合物をEt2Oと飽和NH4Cl水の間で分割し、相を分離し、有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン0→3→5%)は、1.0g(29%、2段階)の未飽和エステルを薄黄色の油として提供した;1H NMR(CDCl3)δ6.75(m、1H)、5.66(m、1H)、5.30(m、2H)、2.03−2.29(m、3H)、1.58(d、J=6.1Hz、3H)、1.41(s、9H)、0.91(d、J=6.6Hz、3H)。
【0148】
*(S)−3−メチル−ヘキ−4−セン酸エチルエステル
は、文献中のプロトコル[Hill, R. K.;Soman, R;Sawada, S., J.Org. Chem, 1972、37、3737]に従ってトリエチルオルトアセタートでのJohnson-Claisen再配置を介して(S)−トランス−3−ペンテン−2−オールから調製された[Liang, J.;Hoard, D. W.;Van Khau, V;Martinelli, M.J.;Moher, E.D.;Moore, R. E.;Tius, M. A. J. Org. Chem, 1999、64、1459]。
【0149】
(3R,5S)−3−[ベンジル−(1−フェニル−エチル)−アミノ]−5−メチル−オク−6−テン酸tert−ブチルエステル。−78℃で9.0mLのTHF中の(S)−(−)−N−ベンジル−α−メチルベンジルアミン(0.60mL、2.85mmol)の溶液に対し、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、1.6mL)をすばやく滴下にて添加し、深いピンク色を結果としてもたらした。混合物を−78℃で30分間撹拌し、その時点で、1.0mLのTHF中の(5S)−5−メチル−オクタ−2,6−ジエン酸tert−ブチルエステル(0.5g、2.38mmol)をゆっくりと滴下にて添加し、その結果薄小麦色が得られ、この色は3時間にわたり濃くなっていった。混合物を−78℃で3時間撹拌し、次に飽和NH4Cl水で急冷した。混合物を室温まで暖まらせ、一晩撹拌し、その後EtOAcと飽和NH4Cl水の間で分割した。相を濃縮させ、有機相を乾燥させ(MgSO4)濃縮させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィに付すと(EtOAc/ヘキサン3→5%)、黄色油として0.52g(52%)のアミノエステルが得られた。
【化17】

【0150】
(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸。50mLのMeOH中の(3R,5S)−3−[ベンジル−(1−フェニル−エチル)−アミノ]−5−メチル−オク−6−テン酸tert−ブチルエステル(0.92g、2.18mmol)の溶液に対して20%のPd/C(0.20g)を添加し、混合物を23時間48psiでParr振とう機の中で水素化させた。混合物をろ過し、濃縮した。10mLのCH2Cl2中の粗製アミノエステルに対し、1.0mLのトリフルオロ酢酸を添加し、溶液を一晩周囲温度で撹拌した。混合物を濃縮させ、残渣を最小量のH2O中で溶解させ、DOWEX−50WX8−100イオン交換樹脂上に投入した。リトマスで中性になるまでH2Oでカラムを溶出させ、次に5%のNH4OH水(100mL)で続行した。アルカリ性画分を濃縮してオフホワイトの固体として0.25g(66%、2段階)のアミノ酸を得た。
【化18】

【0151】
例9.2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸のものと類似の手順を利用して2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸を6−メチル−1−ヘプタノールから調製した(m/z 202.1(M+))。
【0152】
2−アミノメチル−4,8−ジメチル−ノナノン酸
(R)−2,6−ジメチルヘプタン−1−オール:1−ブロモ−3−メチルブタン(0.3mL、ニート)を添加するため、5mLのTHF中にマグネシウムの削りくず(2.04g、84mmol)とヨウ素の結晶を懸濁させた。グリニャール形成を開始するため、混合物を加熱した。残りの1−ブロモ−3−メチルブタン(8.63mL、72mmol)をTHF(60mL)中に希釈させ、滴下にて添加した。混合物を2時間周囲温度で撹拌し、−5℃まで冷却させた。温度を0℃未満に保ちながら、THF(50mL)中の塩化銅(1.21g、9mmol)及びLiCl(0.76g、18mmol)の溶液を滴下にて添加した。結果として得られた混合物を20分間撹拌し、温度を0℃未満に保ちながら、THF(20mL)中の(R)−3−ブロモ−2−メチルプロパノールを滴下にて添加した。混合物を一晩ゆっくりと周囲温度まで到達させた。反応混合物を水酸化アンモニウムと水で急冷した。EtOAcで混合物を希釈し、3×20mLのEtOAcで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮させた。残留油をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc90/10)を介して精製して2.67gの(R)−2,6−ジメチルヘプタノ−1−オールを得た。
【0153】
(R)−1−ヨード−2,6−ジメチルヘプタン:0℃でCH2Cl2中の支持されたトリフェニルホスフィン(6.55g、19.67mmol)の混合物に対して、ヨウ素(4.99g、19.67mmol)及びイミダゾール(1.33g、19.67mmol)を添加した。混合物を周囲温度まで暖め、1時間撹拌し、CH2Cl2(5mL)中の(R)−2,6−ジメチルヘプタン−1−オールの滴下による添加のため0℃まで冷却した。混合物を周囲温度まで到達するようにし、1時間撹拌し、この時点でそれをセライトパッドを通してろ過し、固体をCH2Cl2で洗浄した。ろ過物を濃縮し、精製生成物をシリカゲルクロマトグラフィを介して精製し、(R)−1−ヨード−2,6−ジメチルヘプタン(2.44g)を得た。
【0154】
(4R)−4,8−ジメチルノナン酸t−ブチルエステル:−78℃でTHF(8mL)中のジイソプロピルアミン(0.827mL、5.9mmol)に対しnBuLi(ペンタン中の2.6Mの溶液、2.65mL)を添加した。溶液を−78℃で30分間撹拌し、その後t−ブチルアセタート(0.8mL、5.9mmol)を添加した。混合物を2時間−78℃で撹拌し、その後THF(1mL)中のHMPA(1.5mL)及び(R)−1−ヨード−2,6−ジメチルヘプタン(0.3g、1.18mmol)を添加した。−78℃で反応を撹拌し、一晩ゆっくりと周囲温度に到達させ、次に35℃に加熱して反応を完成させた。塩化アンモニウム(飽和水溶液)を添加することにより反応を急冷し、混合物をEtOAc(2×10mL)で抽出した。有機相を組合せ、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc98/2)により、(4R)−4,8−ジメチルノナン酸t−ブチルエステルが得られた。
【0155】
(4R)−4,8−ジメチルノナン酸:0℃で25mLのCH2Cl2中の(4R)−4,8−ジメチルノナン酸t−ブチルエステルをTFA(6mL)で処理した。混合物を周囲温度に到達させ、一晩撹拌した。溶剤を回転蒸発により除去し、混合物をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc95/5)により精製して(4R)−4,8−ジメチルノナン酸を得た。m/z 185(M−)。
【0156】
3−(4R,8−ジメチル−ノナノイル)−4(S)−メチル−5(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン:(4R,5S)−4−メチル−3−(R)−4−メチル−ヘプタノイル)−5−オキサゾリジン−2−オンと類似の手順を利用して3−(4R,8−ジメチル−ノナノイル)−4(S)−メチル−5(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(1.35g)を得た。m/z 346、5(M+)。
【0157】
[4R,8−ジメチル−2R−(4R−メチル−2−オキソ−5R−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノニル]−カルバミン酸ベンジルエステル:CH2Cl2(12mL)及びTiCl4(CH22中の1Mの溶液3.04mL)中の3−(4R,8−ジメチル−ノナノイル)−4(S)−メチル−5(R)−フェニル−オキサゾリジン−2−オン(1.05g、3.04mmol)の溶液に対し、−20℃でジイソプロピルエチルアミン(0.55mL、3.19mmol)を添加した。結果として得られた暗赤色溶液を−20℃で30分間撹拌してから、CH2Cl2(3.5mL)及びTiCl4(3.34mL)中のN−メトキシメチルベンジルカルバマート(0.652g、3.34mmol)の溶液を添加した。混合物を4時間0℃で撹拌した。反応を飽和塩化アンモニア水溶液で急冷させた。混合物をCH2Cl2(3×15mL)で抽出させた。有機相を組合せ、1NのHClで洗浄し、NaOHで中和させ、その後塩水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc、95/5)で精製して0.555gの[4R,8−ジメチル−2R−(4R−メチル−2−オキソ−5R−フェニル−オキサゾリジン−3−カルボニル)−ノニル]−カルバミン酸ベンジルエステルを得た。
【0158】
2(R)−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−メチル)−4(R),8−ジメチル−ノナン酸:(S)−2−((R)−2−メチル=ペンチル)コハク酸t−ブチルエステルのものと類似の手順を利用して0.198gの2(R)−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−メチル)−4(R),8−ジメチル−ノナン酸を得た。
【0159】
2−アミノメチル−4,8−ジメチルノナン酸:20%のpd/Cの存在下で2(R)−(ベンジルオキシカルボニルアミノ−メチル)−4(R),8−ジメチル−ノナン酸(0.148g、0.566mmol)を水素で処理し、ろ過とシリカゲルクロマトグラフィ(CH2Cl2/MeOH、85/15)を介した精製の後、0.082gの2−アミノメチル−4,8−ジメチルノナン酸:を得た。m/z 216.3(M+)。
【0160】
例10.2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸
2,2,6−トリメチル−ヘプタン酸メチルエステル。−78℃でTHF(22mL)中のジイソプロピルアミン(1.54mL、11.03mmol)に対して、nBuLi(ヘキサン中の1.6Mの溶液6.89mL)を添加した。−78℃で30分間溶液を撹拌し、その後メチルイソブチラート(0.97mL、8.48mmol)を添加した。混合物を2時間−78℃で撹拌し、次にTHF(6mL)中のDMPU(0.55mL、4.24mmol)及び1−ヨード−4−メチルペンタン(1.8g、8.48mmol)を添加した。反応を−78℃で撹拌した。反応を−78℃で撹拌し、16時間にわたりゆっくりと周囲温度に到達させた。塩化アンモニウム(飽和水溶液)を添加することにより反応を急冷させ、混合物を、EtOAc(2×10mL)で抽出した。有機相を組合せ、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc、99/1)により、2,2,6−トリメチル−ヘプタン酸メチルエステル1.57gを得た。
【0161】
2,2,6−トリメチル−ヘプタン−1−オール:トルエン(65mL)中に2,2,6−トリメチル−ヘプタン酸メチルエステル(1.97g、10.6mmol)を取り上げ、−78℃まで急冷した。DiBALH(トルエン中の1N溶液12.7mL)を滴下にて添加した。45分後、DiBALH 1.5mLを添加した。2時間後に、−78℃で15mLのMeOHを添加することにより反応を急冷した。混合物を周囲温度まで暖め、次に1NのHCl10mLを添加するため−78℃まで再び冷却した。混合物をEtOAc(3×15mL)で抽出した。組合わせた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮させた。残留油をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc95/5)を介して精製し、2,2,6−トリメチル−ヘプタン−1−オール(0.88g)を得た。m/z159(M+)。
【0162】
2,2,6−トリメチル−ヘプタノール:クロロクロム酸ピリジニウム(PCC、4.17g、19.4mmol)をCH2Cl2中の中性アルミナ(14.6g)と組合せ、15分間周囲温度で撹拌した。CH2Cl2の中でアルコールを希釈し、混合物を2時間周囲温度で撹拌した。シリカパッドを通して溶液をろ過し、固体をCH2Cl2で洗浄した。ろ液を蒸発させて1.05gのm/z157(M+)2,2,6−トリメチル−ヘプタノールを得、これをさらなる精製無く維持した。
【0163】
2−シアノ−4,4,8−トリメチル−ノン−2−エン酸ベンジルエステル:トルエン(50mL)中の2,2,6−トリメチル−ヘプタノール(1.05g、6.73mmol)、ピペリジン(0.19mL、2.01mmol)及びシアノ酢酸ベンジル(1.29g、7.4mmol)の混合物に対して、氷酢酸(0.72g、12.1mmol)を添加した。フラスコにDean-Starkトラップをとり付け、混合物を18時間還流にて加熱した。混合物を冷却し、希HClで処理し、層を分離させた。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液そしてそれに続いて塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、ろ過し、濃縮した。残留油をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc98/2)により精製して1.3gの2−シアノ−4,4,8−トリメチル−ノン−2−エン酸ベンジルエステルを得た。m/z 314(M+)。
【0164】
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸:THF(50mL)中の2−シアノ−4,4,8−トリメチル−ノン−2−エン酸ベンジルエステル(1.3g、4.14mmol)を20%のPd/Cの存在下で水素により処理して、シアノ酸とシアノメチルエステルの混合物を得る。混合物をシリカゲルクロマトグラフィで精製して278mgの80105×41−1−2を得た。その後、MeOH/NH4OH中のラネーニッケルの存在下で水素で酸を処理して2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸:を0.16g得た。m/z 230.3(M+)。
【0165】
例11.2−アミノメチル−4−エチル−オクタン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸のものと類似の手順を利用して2−エチルヘキサメルから2−アミノメチル−4−エチル−オクタン酸を調製した。m/z 202.1(M+)。
【0166】
例12.2−アミノメチル−4−エチル−8−メチル−ノナン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸のものと類似した手順を用いて、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルシクロプロピルカルボキシラートから2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸を調製した。m/z 230.2(M+)。
【0167】
例13.3−アミノ−2−[1−(4−メチル−ペンチル)−シクロプロピルメチル]−プロピオン酸
2−アミノメチル−4,4,8−トリメチル−ノナン酸のものと類似した手順を用いて2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルシクロプロピルカルボキシラートから2−アミノメチル−8−メチル−ノナン酸を調製した。m/z228.2(M+)。
【0168】
例14.2−アミノメチル−4−エチル−ヘキサン酸
2−アミノメチル−4,8−ジメチル−ノナン酸と類似の手順を用いて、4−エチルヘキサン酸から2−アミノメチル−4−エチル−ヘキサン酸を調製した。m/z 174.1。
【0169】
例15.3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸
2−メチル−プロパン−2(S)−スルホン酸(1,3−ジメチル−ペンチリデン)−アミド:(S)−(−)−2−メチル−2−プロパンスルホンアミド(500mg、4.1mmol)、4−メチル−2−ヘキサノン(470mg、4.1mmol)及びチタン(IV)エトキシド(1.7mL、8.3mmol)の溶液を18時間還流にて加熱した。反応混合物を急速に撹拌しながら20mLの塩水中に注ぎ込んだ。結果として得られた溶液をセライトを通してろ過し、有機層を分離した。水性層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。組合さった有機相を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。結果として得られた油をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中25%のEtOAc)で精製して575mgの2−メチル−プロパン−2(S)−スルホン酸(1,3−ジメチル−ペンチリデン)−アミドを黄色油として得た。
【0170】
3,5−ジメチル−3−(2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィニルアミノ)−ヘプタン酸メチルエステル:THF(6mL)中の−78℃のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(THF中の1M溶液5.1ml)に対して、酢酸メチル(0.41mL、5.1mmol)を滴下にて添加した。20分間撹拌した後、THF(3mL)中のクロロチタニウム・トリイソプロポキシド(2.5ml、10mmol)の溶液を滴下にて添加した。1時間後、THF(3mL)中の2−メチル−プロパン−2(S)−スルホン酸(1,3−ジメチル−ペンチリデン)−アミド(560mg、2.6mmol)を−78℃で滴下にて添加した。5時間−78℃で反応を撹拌し、次に10mLの塩化アンモニウムの添加により急冷し、室温まで暖めた。混合物を10mLの水で希釈し、ろ過した。酢酸エチル(2×20mL)で水性層を抽出した。組合わされた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。結果として得られた油をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中30%のEtOAc)により精製して360mgの3,5−ジメチル−3−(2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィニルアミノ)−ヘプタン酸メチルエステル:を得た。
【0171】
3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸:6NのHCl(2mL)及びジオキサン(2mL)の中に3,5−ジメチル−3−(2−メチル−プロパン−2(S)−スルフィニルアミノ)−ヘプタン酸メチルエステル:(360mg、1.2mmol)を溶解させ、6時間100℃で加熱した。混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、EtOAc(15mL)で抽出した。イオン交換クロマトグラフィにより有機相を精製して、3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸(270mg)を得、シリカゲルクロマトグラフィ(CH2Cl2/MeOH/NH4OH、70:25:5)により再度精製して白色固体として203mgの3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸を得た。
【0172】
例16.3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ノナン酸
3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ヘプタン酸のものに類似した手順を用いて3(S)−アミノ−3,5−ジメチル−ノナン酸を調製した。m/z 202.1(C1123NO2+H)。
【0173】
医薬組成物例
以下の例では、「活性化合物」又は「活性成分」という用語は、本発明に従ったアルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質の適切な組合せ又は個々の要素及び/又は薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物を意味する。
【0174】
(i)錠剤組成物
以下の組成物A及びBは、ポビドン溶液を用いて成分(a)〜(c)及び(a)〜(d)を湿式造粒し続いてステアリン酸マグネシウムを添加し圧縮することによって調製可能である。
【0175】
組成物A
mg/錠 mg/錠
(a)活性成分 250 250
(b)ラクトースB.P. 210 26
(c)グリコール酸ナトリウムデンプン 20 12
(d)ポビドンB.P. 15 9
(e)ステアリン酸マグネシウム
500 300
【0176】
組成物B
mg/錠 mg/錠
(a)活性成分 250 250
(b)ラクトース150. 150 −
(c)Avicel PH 101 60 26
(d)グリコール酸ナトリウムデンプン 20 12
(e)ポビドンB.P. 15 9
(f)ステアリン酸マグネシウム
500 300
【0177】
組成物C
mg/錠
活性成分 100
ラクトース 200
デンプン 50
ポビドン 5
ステアリン酸マグネシウム
359
【0178】
以下の組成物D及びEは、混和された成分の直接的圧縮により調製可能である。処方Eで使用されるラクトースは、直接圧縮タイプのものである。
【0179】
組成物D
mg/錠
活性成分 250
ステアリン酸マグネシウム 4
アルファー化デンプンNF15 146
400
組成物E
mg/錠
活性成分 250
ステアリン酸マグネシウム 5
ラクトース 145
Avicel 100
500
【0180】
組成物F(制御放出型組成物)
mg/錠
(a)活性成分 500
(b)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 112
(Methocel K4M Premium)
(c)ラクトースB.P. 53
(d)ポビドンB.P.C. 28
(e)ステアリン酸マグネシウム
700
【0181】
該組成物は、ポビドンの溶液を用いた成分(a)〜(c)の湿式造粒によって調製可能である。
【0182】
組成物G(腸溶性錠剤)
フタル酸酢酸セルロース、フタル酸ポリ酢酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメタクリル酸とメタクリル酸メチルエステルのアニオン重合体(EudragitL)といったような腸溶性重合体を一錠あたり25mg用いて錠剤を被覆することにより、組成物Cの腸溶性錠剤を調製することができる。EudragitLを除いて、これらの重合体は同様に、適用中又は貯蔵時点での膜のひびわれを防止するため10%(使用される重合体の数量の重量%)の可塑化剤を内含するべきである。適切な可塑化剤としては、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル及びトリアセチンが含まれる。
【0183】
組成物H(腸溶性制御放出型錠剤)
フタル酸酢酸セルロース、フタル酸ポリ酢酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチル−セルロース又はメタクリル酸とメタクリル酸メチルエステルのアニオン重合体(EudragitL)といったような腸溶性重合体を一錠あたり50mg用いて錠剤を被覆することにより、組成物Fの腸溶性錠剤を調製することができる。EudragitLを除いて、これらの重合体は同様に、適用中又は貯蔵時点での膜のひびわれを防止するため10%(使用される重合体の数量の重量%)の可塑化剤を内含しているべきである。適切な可塑化剤としては、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル及びトリアセトンが含まれる。
【0184】
(ii)カプセル組成物
化合物A
上述の組成物Dの成物を混和し、結果として得られた混合物を2部式ハードゼラチンカプセルに充填することによってカプセルを調製することができる。類似の要領で組成物B(以下参照)を調製することができる。
【0185】
組成物B
mg/カプセル
(a)活性成分 250
(b)ラクトースB.P. 143
(c)グリコール酸デンプンナトリウム 25
(d)ステアリン酸マグネシウム
420
【0186】
組成物C
mg/カプセル
(a)活性成分 250
(b)マクロゲル4000BP 350
600
【0187】
マクロゲル4000BPを融解させ、融液中に活性成分を分散させ2部式ハードゼラチンカプセルにそれを充填することにより、カプセルを調製することができる。
【0188】
組成物D
mg/カプセル
活性成分 250
レチチン 100
ラッカセイ油 100
450
【0189】
レシチン及びラッカセイ油の中に活性成分を分散させ、ソフト可塑性ゼラチンカプセルに該分散を充填することにより、カプセルを調製できる。
【0190】
組成物E(制御放出型カプセル)
mg/カプセル
(a)活性成分 250
(b)微結晶質セルロース 125
(c)ラクトースBP 125
(d)エチルセルロース 13
513
【0191】
押出し成形機を用いて混合した成分(a)〜(c)を押出し成形し、押出し成形物を球状化し乾燥させることにより、制御放出型カプセル製剤を調製することができる。乾燥したペレットを放出制御膜(d)で被覆し、2部式ハードゼラチンカプセル内に充填する。
【0192】
組成物F(腸溶性カプセル)
mg/カプセル
(a)活性成分 250
(b)微結晶質セルロース 125
(c)ラクトースBP 125
(d)フタル酸酢酸セルロース 50
(e)フタル酸ジエチル
555
【0193】
押出し成形機を用いて混合した成分(a)〜(c)を押出し成形し、押出し成形物を球状化し乾燥させることにより、腸溶性カプセル組成物を調製することができる。可溶化剤(e)を含有する腸溶性膜(d)で乾燥したペレットを被覆し、2部式ハードゼラチンカプセル内に充填する。
【0194】
組成物G(腸溶性カプセル)
フタル酸酢酸セルロース、フタル酸ポリ酢酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチル−セルロース又はメタクリル酸とメタクリル酸メチルエステルのアニオン重合体(EudragitL)といったような腸溶性重合体を一カプセルあたり50mg用いて制御放出型ペレットを被覆することにより、組成物Eの腸溶性カプセルを調製することができる。EudragitLを除いて、これらの重合体は同様に、適用中又は貯蔵時点での膜のひびわれを防止するため10%(使用される重合体の数量の重量%)の可塑化剤を内含すべきである。適切な可塑化剤としては、フタル酸ジエチル、クエン酸トリブチル及びトリアセチンが含まれる。
【0195】
(iii)静脈内注射組成物
活性成分 0.002g
無菌、発熱物質無しのリン酸緩衝液(pH9.0) 10mlまで
【0196】
活性成分を35〜40℃で大部分のリン酸緩衝液中に溶解させ、次に所定の体積に調整し、無菌の10ml入りガラスびん(I型)の中に無菌の微小孔フィルターを通してろ過し、この小びんを無菌の閉鎖具で密封する。
【0197】
(iv)筋内注射組成物
活性成分 0.20g
ベンジルアルコール 0.10g
グリコフロール75 1.45g
注射用水 3.0ml充分量
【0198】
活性成分をグリコクロル内に溶解させる。その後ベンジルアルコールを添加し溶解させ、3mlまで水を添加する。その後混合物を無菌の微小孔フィルターを通してろ過し、無菌の3ml入りガラスびん(I型)内に密封する。
【0199】
(v)シロップ組成物
活性成分 0.25g
ソルビトール溶液 1.50g
グリセロール 1.00g
安息香酸ナトリウム 0.005g
フレーバ 0.0125ml
精製水 5.0ml充分量
【0200】
安息香酸ナトリウムを一分量の精製水中に溶解させ、ソルビトール溶液を添加する。活性成分を添加し、溶解させる。結果として得られた溶液をグリセロールと混合し、次に精製水で所要体積に調整する。
【0201】
(iv)座薬組成物
mg/座薬
活性成分 250
硬質脂肪、BP(Witepsol H15 - Dynamit NoBel) 1770
2020
【0202】
Witepsol H15の5分の1を最高45℃で蒸気ジャケット付きの鍋の中で融解させる。活性成物を200mlのふるいを通してふるい分けし、平滑な分散が達成されるまで、カットヘッド付きSilversonを用いて混合しながら溶融基剤に添加する。混合物を45℃に維持し、残りのWitepsolH15を懸濁液に添加し、この懸濁液を撹拌して均質な混合物を確保する。懸濁液全体を次に250mlのステンレス鋼スクリーンに通し、連続的に撹拌しながら40℃まで冷却させる。38〜40℃の温度で、2.02gアリコートの混合物を適切なプラスチック製金型の中に充填し、座薬を室温まで冷却させる。
【0203】
(vii)ペッサリ組成物
mg/ペッサリ
活性成分(631ml) 250
無水デキストロース 380
ジャガイモデンプン 363
ステアリン酸マグネシウム
1000
【0204】
上述の成分を直接混合し、結果として得られたを圧縮することによりペッサリを調製する。
【0205】
(viii)経皮組成物
活性成分 200mg
アルコールUSP 0.12ml
ヒドロキエチルセルロース
【0206】
活性成分とアルコールUSPをヒドロキシエチルセルロースでゲル化し、10cm2の表面積をもつ経皮装置内に詰める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ−2−デルタリガンド及びAChE阻害物質又はその薬学的に許容可能な塩又は溶媒和物を含む併合薬。
【請求項2】
成分が相乗的比率で存在する、請求項1に記載の併合薬。
【請求項3】
アルファ−2−デルタリガンドが、ガバペンチン、ブレガバリン、[(IR,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール5−オン、C−[1−(1H−テトラゾル−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(lα,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸及び(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、又はその薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1又は2に記載の併合薬。
【請求項4】
AChE阻害物質が、ドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)及びN−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)又はその薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の併合薬。
【請求項5】
AChE阻害物質が、
ドネペジル;
タクリン;
リバスチグミン;
フィソスチグミン;
ガランタミン
メトリフォナート;
ネオスチグミン及び
イコペジル;
又はその薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の併合薬。
【請求項6】
AChE阻害物質がドネペジル又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の併合薬。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の併合薬を治療上有効な量含む医薬組成物。
【請求項8】
疼痛の治癒、予防又は緩和的治療用の医薬の製造における、請求項1〜6のいずれか1項に記載の併合薬の使用。
【請求項9】
疼痛が神経因性疼痛である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
ガバペンチン又はその薬学的に許容可能な塩及びドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)及びN−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)又はその薬学的に許容可能な塩から選択されるAChE阻害物質を含む併合薬。
【請求項11】
ガバペンチン及びドネペジル又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項10に記載の併合薬。
【請求項12】
プレガバリン及びドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)及びN−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)又はその薬学的に許容可能な塩から選択されるAChE阻害物質を含む併合薬。
【請求項13】
プレガバリン及びドネペジル又はその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項12に記載の併合薬。
【請求項14】
プレガバリン又はガバペンチン又はドネペジル(Aricept(登録商標))、タクリン(Cognex(登録商標))、リバスチグミン(Exelon(登録商標))、フィソスツグミン(Synapton(登録商標))、ガランタミン(Reminyl)、メトリフォナート(Promem)、ネオスチグミン(Prostigmin)、イコペジル、フーパジンA、ザナペジル(TAK147)、スタコフィリン、フェンセリン、(5R,9R)−5−(r−クロロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデン−アミノ)−11−エチリデン−7−メチル−1,2,5,6,9,10−ヘキサヒドロ−5,9−メタノシクロオクタ[b]ピリジン−2−オン(ZT1)、ガランタミン誘導体SPH1371、SPH1373及びSPH1375、トルセリン、1−(3−フルオロベンジル)−4−[(2−フルオロ−5,6−ジメトキシ−1−インダノン−2−イル)−メチル]ピペリジンヒドロクロリド(ER127528)、チアトルセリン、(−)−12−アミノ−3−クロロ−9−エチル−6,7,10,11−テトラヒドロ−7,11−メタノシクロオクタ[b]キノリンヒドロクロリド(フペリンX)、N,N−ジメチルカルバミン酸4−[1(S)−(メチルアミノ)−3−(4ニトロフェノキシ)プロピル]フェニルエステルヘミフマラート(RS1259)、イピダクリン(Amiridin)、ベルナクリン(Mentane(登録商標))、エプタスチグミン(ヘプチルフィソスチグミン)、ジフロシロン(2,2,2−トリフルオロ−1−[3−(トリメチルシリル)フェニル]エタノン)、2−[2−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)エチル]−2,3−ジヒドロ−9−メトキシ−1H−ピロロ−[3,4−b]キノリン−1−オンヘミフメラート(T82)、1,3−ジクロロ−6,7,8,9,10,12−ヘキサヒドロアゼピノ−[2,1−b]−キナゾリン(CI1002)、N−ヘプチルカルバミン酸2,4a,9−トリメチル−2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1,2−オキサジノ−[6,5−b]インドール−6−イルエステル−L−タルトラート(CHF2060)、3−(2−[1−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]エチル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,3−ベンゾキサジン−2,4−ジオンヒドロクロリド(E2030)、N−[10−(ジエチルアミノ)デシル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステル(MF247)、5−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−lH−チオピラノ−[3,4−b]キノリン(MF8615)、N−[8−(シス−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)オクチル]カルバミン酸(3aS,8aR)−1,3a,8−トリメチル−1,2,3,3a,8,8a−ヘキサヒドロピロロ−[2,3−b]インドール−5−イルエステルL−ビタルトラート水和物(MF268)、(−)N−(3−ピペリジノプロピル)−N−デメチルガランタミン(SPH1286)及びN−プロパルギル−3R−アミノインダン−5−イル−エチル−メチルカルバマート(TV3326)又はその薬学的に許容可能な塩から選択されるAChE阻害物質を含む、疼痛の治癒、予防又は緩和的治療用の医薬組成物。

【公表番号】特表2007−505889(P2007−505889A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526722(P2006−526722)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002981
【国際公開番号】WO2005/027975
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】