アンカーボルト
【課題】コンクリート基礎の主筋と干渉することなく、コンクリート基礎の厚み方向の中央位置に埋設固定することができる上、施工作業を非常に容易に行うことができ、尚且つ簡易構造で極めて容易に設計実現可能となるアンカーボルトを提供すること。
【解決手段】アンカー部1は、螺子部2を連結可能な上側基板部1Aの二箇所以上から分岐板部1Bが垂設する二股以上の複数股形状に構成すると共に、この二股以上の前記各分岐板部1Bがコンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この複数股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置し得るように構成し、このアンカー部1の前記上側基板部1Aに連結手段5を介してボルト2を採用した螺子部2を連結したアンカーボルト。
【解決手段】アンカー部1は、螺子部2を連結可能な上側基板部1Aの二箇所以上から分岐板部1Bが垂設する二股以上の複数股形状に構成すると共に、この二股以上の前記各分岐板部1Bがコンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この複数股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置し得るように構成し、このアンカー部1の前記上側基板部1Aに連結手段5を介してボルト2を採用した螺子部2を連結したアンカーボルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート基礎に設けるアンカーボルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のアンカーボルトとしては、例えば、ボルトの下端部をJ字状やL字状に屈曲形成してコンクリート基礎に対する引き抜き抵抗を高めているものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−56062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンカーボルトは、コンクリート基礎の厚み方向(コンクリート基礎の内外方向)の中央位置に配置することが、例えばこのアンカーボルトと接合する土台やホールダウン金物等との接合強度が十分に発揮されることになるために望ましい。
【0005】
しかし、コンクリート基礎内には鉄筋が埋設されており、しかも、設計上最も効果的な強度を発揮するように、主筋がコンクリート基礎の厚み方向の中央線に沿ってあるいはこの中央線に接するようにして埋設されているものが非常に多いため、アンカーボルトをコンクリート基礎の厚み方向の中央位置に配置しようとすると、主筋と干渉してしまってアンカーボルトの位置をずらさなければならない場合が多いという現状であった。
【0006】
本発明は、このような現状に鑑み、これを解決しようとするためのもので、コンクリート基礎の主筋と干渉することなく、コンクリート基礎の厚み方向の中央位置に埋設固定することができる上、施工作業を非常に容易に行うことができ、尚且つ簡易構造で極めて容易に設計実現可能となる画期的なアンカーボルトを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
板材bで構成する二股以上の複数股形状のアンカー部1と、ボルト2を採用した螺子部2とから成り、前記アンカー部1は、前記螺子部2を連結可能な上側基板部1Aの二箇所以上から分岐板部1Bが垂設する二股以上の複数股形状に構成すると共に、この二股以上の前記各分岐板部1Bがコンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この複数股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置し得るように構成し、このアンカー部1の前記上側基板部1Aに連結手段5を介して前記螺子部2を連結して、この螺子部2をアンカー部1の上側基板部1Aから上方へ立設状態に突設した構成としたことを特徴とするアンカーボルトに係るものである。
【0009】
また、前記アンカー部1は、一枚の板材bあるいは二枚以上の板材bを折曲形成することで前記上側基板部1Aの二箇所以上から前記分岐板部1Bが垂設する複数股形状に成形したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルトに係るものである。
【0010】
また、前記アンカー部1は、一枚の帯状の板材bを、U字状あるいはコ字状に折曲形成することで前記上側基板部1Aの両側二箇所から前記分岐板部1Bが垂設する二股形状に一体成形するか、若しくは一枚の帯状の板材bをU字状やコ字状や略L字状に折曲形成した複数のアンカー構成体10から成り、この複数のアンカー構成体10の夫々の重合板部10Aを重合連結することで、この連結した各重合板部10Aを前記上側基板部1Aとしてこの上側基板部1Aの二箇所以上から前記分岐板部1Bが垂設する複数股形状に構成したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルトに係るものである。
【0011】
また、前記アンカー部1に、前記コンクリート基礎3への付着面積を増大させるか若しくはコンクリート基礎3からの引き抜き抵抗を増大させる付着性増強部6を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンカーボルトに係るものである。
【0012】
また、前記連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aにボルト挿通孔7を形成し、このボルト挿通孔7に前記螺子部2としてのボルト2を挿通固定する構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンカーボルトに係るものである。
【0013】
また、前記連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aにボルト挿通孔7を形成し、このボルト挿通孔7に挿通した前記螺子部2としてのボルト2を、前記上側基板部1Aに対しナット5A止め若しくは接着若しくは螺着する構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンカーボルトに係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、アンカー部をコンクリート基礎の主筋を跨ぐようにして配置できるので、アンカー部が主筋に干渉することなく、構造上最も良好な接合強度を発揮できるコンクリート基礎の厚み方向の中央位置にアンカーボルトを配置することができ、しかも、単に主筋にアンカー部を上方から跨らせて載置するだけでアンカーボルトは高さが維持されるので、このアンカーボルトの位置決め作業も容易に行われることになり、その上、アンカー部が二股以上の複数股形状のために、コンクリートに接する面積が増してよりコンクリートの付着性が高くなり、これにより引き抜き力に対する抵抗強度が非常に高く、前記したように、構造上最も良好な接合強度を発揮できる位置に配置できることもあって高強度の建築物を施工可能となり、更に、本発明のアンカー部は、加工性に秀れた板材で構成するため、特殊な加工を要することなく簡易に設計可能であると共に、螺子部も一般的に流通しているボルトを採用しているため量産性に秀れる上、アンカー部と螺子部とを連結手段を介して連結する構成のため、例えば分岐板部の長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部と長さの異なる数種の螺子部とを用意しておくことで、この数種のアンカー部と螺子部とを組み合わせ連結して現場に適した様々な態様のアンカーボルトを構成することも容易に可能となるなど、極めて実用性に秀れた画期的なアンカーボルトとなる。
【0015】
また、請求項2,3記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する複数股形状のアンカー部を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のアンカーボルトとなる。
【0016】
また、請求項4記載の発明においては、アンカー部がコンクリート基礎に対して極めて強固に付着固定されることになる一層実用性に秀れた構成のアンカーボルトとなる。
【0017】
また、請求項5,6記載の発明においては、アンカー部の上側基板部にボルト(螺子部)を連結する連結手段を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のアンカーボルトとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
基礎形成位置にコンクリート基礎3を打設するための型枠を設置すると共に鉄筋を配筋し、例えば、型枠内にコンクリートを打設した後、このコンクリート内にアンカーボルトAのアンカー部1を埋没させ、アンカーボルトA上端部の螺子部2がコンクリート基礎3上より突出状態となるようにコンクリートを硬化させてアンカーボルトAを固定し、螺子部2が上部から突出するコンクリート基礎2を形成する。
【0020】
この際、たとえコンクリート基礎3内のその厚み方向の中央位置に主筋4が配筋されていたとしても、複数股形状(例えば、図1に示すような二股形状)のアンカー部1はこの主筋4を跨ぐようにして配置することが可能であるので、アンカー部1が主筋4に干渉せず、よって、本発明によれば、コンクリート基礎3の厚み方向の中央位置、即ち、構造上最も良好な接合強度を発揮できる位置にアンカーボルトAを配置することができ、高強度の建築物を施工可能となる。
【0021】
尚、型枠内にコンクリートを打設する前に上方からアンカーボルトAを差込みして、複数股形状のアンカー部1を主筋4に跨らせて載置した後、型枠内にコンクリートを打設し硬化させて固定するようにしても良い。
【0022】
従って、主筋4に複数股形状のアンカー部1を跨らせて配置するだけで簡単にアンカーボルトAをコンクリート基礎3の厚み方向の略中央位置に配置できることとなるので、このアンカーボルトAの位置決め作業も極めて容易に行われる。
【0023】
また、従来は、基礎配筋にアンカーボルトAを番線にて仮止めしてからコンクリートを打設して位置決めするか、あるいはコンクリート打設の際に吊り下げ治具によってアンカーボルトAを吊り下げつつコンクリートを硬化させて位置決めするようにしていたが、本発明のアンカーボルトAは、単に主筋4にアンカー部1を上方から跨らせて載置するだけで高さが維持されるし、前記したようにコンクリート基礎3厚み方向の位置決めも簡易になされるので、このアンカーボルトAの設置作業が極めて容易に行われることになる。
【0024】
更に、アンカー部1が二股以上の複数股形状であることで、単なる一本の棒状のアンカー部1に比してコンクリートに接する面積が増すため、コンクリートの付着性が高い。そのため既存のアンカーボルトのアンカー部より長さを短くしても同等のコンクリートへの付着性を確保可能となり、部品コスト安で安価な製品を構成することが可能である。
【0025】
また、本発明のアンカー部1は、加工性に秀れた板材bで構成するため、特殊な加工を要することなく簡易に設計可能であると共に、螺子部2も一般的に流通しているボルト2を採用しているため、実現化が容易で量産性にも秀れる。
【0026】
また、アンカー部1と螺子部2とを連結手段5を介して連結する構成のため、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適した様々な態様のアンカーボルトAを構成することも可能であり、更に、連結手段5の選定(例えば、後述の実施例1のナット5A止めなど)によっては、現場で簡単に組上げることも可能となる。
【実施例1】
【0027】
本発明の具体的な実施例1について図1〜図4に基づいて説明する。
【0028】
本実施例のアンカーボルトAは、上側基板部1Aの二箇所から分岐板部1Bが垂設する二股板状のアンカー部1と、角型頭部2A付のボルト2を採用した螺子部2とから成り、アンカー部1の上側基板部1Aに連結手段5を介して螺子部2を連結している。
【0029】
また、本実施例のアンカー部1は、二股の各分岐板部1Bが前記コンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この二股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置し得るように構成している。
【0030】
具体的には、帯状の金属製板材bをコ字状に折曲形成して、中間板部(上側基板部1A)の両側から垂下板部(分岐板部1B)が垂設する二股形状のアンカー部1に構成している。
【0031】
また、本実施例の、アンカー部1と螺子部2との連結手段5は、アンカー部1の上側基板部1Aにボルト挿通孔7を貫通形成し、このボルト挿通孔7に分岐板部1B側から螺子部(ボルト2)の先端を挿通して、このボルト挿通孔7から分岐板部1Bと反対方向に突出する螺子部2の先端部にナット5Aを螺着し、このナット5Aを締付して螺子部2の角型頭部2Aとで上側基板部1Aを挟み込み固定することで、上側基板部1Aに螺子部2を固定し、この螺子部2をアンカー部1の上側基板部1Aから前記分岐板部1Bの反対方向へ向けて突設した構成としている。
【0032】
このように螺子部2をナット5A止めしてアンカー部1と連結する本実施例の構成によれば、ナット5Aを緩めて取り外すことで螺子部2とアンカー部1とを簡単に分離することができる。
【0033】
従って、例えば、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適応したアンカーボルトAを構成することが可能であると共に、この現場に適応したアンカーボルトAを現場で簡単に組上げることができる。
【0034】
また、本実施例においては、加工性に秀れた板材b(帯状金属板)に簡単な折り曲げ加工と穴あけ加工を施すことでアンカー部1を構成可能であると共に、このアンカー部1にボルト2(螺子部2)をナット5A止めすることで構成可能であるため、量産性に秀れ安価な製品を提供可能となる。
【0035】
次に、本実施例のコンクリート基礎3への具体的な施工手順を説明する。尚、施工手順は、後述の実施例2〜8においても同様である。
【0036】
先ず、基礎形成位置にコンクリート基礎3を打設するための型枠を設置すると共に鉄筋を配筋する。
【0037】
例えば、型枠内にコンクリートを打設した後、このコンクリート内にアンカーボルトAのアンカー部1を上方から差し込んで埋没させると共に、図2に示すように二股形状のアンカー部1をコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐように配置し、アンカー部1の上側基板部1Aの下方に位置している螺子部2の頭部2Aを主筋4に載置して上端部の螺子部2を所定範囲コンクリート基礎3上より突出状態とし、このままコンクリートを硬化させてアンカーボルトAを固定する。
【0038】
即ち、単にコンクリート基礎3を打設するための型枠の上方から二股形状のアンカー部1を主筋4に跨がらせて差し込み配置するだけで、アンカーボルトAが必要以上に沈み込むことなく高さが維持されると共に、螺子部2が主筋4と略同一鉛直線上に配置することになる。
【0039】
従って、主筋4がコンクリート基礎3の厚み方向の中央位置に埋設されていれば、この主筋4に二股形状のアンカー部1を跨らせて配置することで、簡単にアンカーボルトAをコンクリート基礎3の厚み方向の中央位置に配置することができるので、このアンカーボルトAの位置決め作業が極めて容易に行われる。
【0040】
また、図面では、前記各分岐板部1Bの長さ寸法が、前記コンクリート基礎3内で上下方向に間隔を置いた並設状態で横設する上側の主筋4と下側の腹筋17との並設間隔幅より長いアンカー部1を採用して、この上側の主筋4と下側の腹筋17の双方に二股形状のアンカー部1を跨らせて配置し得るように構成している。
【0041】
このように構成すると、アンカーボルトAを主筋4の長さ方向と直交する方向に倒れない状態で載置でき、そのため、このアンカーボルトA施工時にアンカーボルトAをコンクリートが硬化するまで吊り下げ治具などを用いて倒れないように位置決めしておく必要がなく、この施工作業を簡略化できることになるので作業性に秀れる。
【0042】
尚、型枠内にコンクリートを打設する前に上方からアンカーボルトAを差込みして、複数股形状のアンカー部1を主筋4に跨らせて載置した後、型枠内にコンクリートを打設し硬化させて固定するようにしても良い。
【0043】
このようにしてコンクリート基礎3に固定した本アンカーボルトAの螺子部2を利用して、例えば、図3に示すように土台8をコンクリート基礎3に固定したり、図4に示すように本アンカーボルトAの螺子部2を柱材9に固定したホールダウン金具13に連結固定してコンクリート基礎3と柱材9とを連結したりすることが可能である。図中符号11は前記土台8並びに前記ホールダウン金具13を螺子部2に固定するための固定用ナット、12は座金、14は前記柱材9に前記ホールダウン金具13を取付するための取付ボルト、15は取付ボルト14に螺着する取付ナットである。
【実施例2】
【0044】
本発明の具体的な実施例2について図5に基づいて説明する。
【0045】
本実施例は、前記実施例1において、連結手段5を異ならせた場合である。
【0046】
具体的には、本実施例の連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aのボルト挿通孔7の孔内縁に雌螺子5Bを形成し、この雌螺子5Bを具備したボルト挿通孔7に直接ボルト2(螺子部2)を螺着固定する構成とした場合を示している。
【0047】
この本実施例の連結手段5も簡易に設計実現可能である。
【0048】
従って、本実施例においても、螺子部2とアンカー部1とを簡単に分離することができるので、前記実施例1と同様に、例えば、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適応したアンカーボルトAを構成することが可能であると共に、この現場に適応したアンカーボルトAを現場で簡単に組上げることができる。
【0049】
また、本実施例で図示したコンクリート基礎3は、前記実施例1のそれより太い主筋4が埋設されたものを採用した場合を示しており、これに応じてアンカー部1の各分岐板部1Bの並設間隔がやや広くなるように板材bを折曲してアンカー部1を略U字状に構成した場合を示している。
【0050】
また、本実施例では、コンクリート基礎3の上面と土台8の下面との間に基礎パッキン16を挟み込んだ基礎構造を示しており、本実施例のアンカーボルトAは、この基礎パッキン16の厚み分土台8の設置位置が高くなることに適応して実施例1よりも長さのある螺子部2を採用して構成した場合を示している。
【0051】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例3】
【0052】
本発明の具体的な実施例3について図6に基づいて説明する。
【0053】
本実施例は、前記実施例1とも前記実施例2とも異なる連結手段5を採用した場合である。
【0054】
具体的には、本実施例の連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aのボルト挿通孔7に挿通したボルト2(螺子部2)を上側基板部1Aに溶接固定した場合を示している。図中符号5Cは溶接部である。
【0055】
この本実施例の連結手段5も簡易に設計実現可能である。
【0056】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例4】
【0057】
本発明の具体的な実施例4について図7に基づいて説明する。
【0058】
本実施例は、前記実施例1において、アンカー部1に、コンクリート基礎3への付着面積を増大する付着性増強部6を設けた場合を示している。
【0059】
具体的には、各分岐板部1Bに穴あけ加工を施して、各分岐板部1Bの長さ方向に間隔を置いて複数の貫通孔6A(穴あけ加工部6A)を形成している。
【0060】
また、各分岐板部1Bの両側縁部に切欠加工を施して、各分岐板部1Bの長さ方向に間隔を置いて複数の切欠部6B(切欠加工部6B)を形成している。
【0061】
更に、上側基板部1Aの、分岐板部1Bが存在しない位置から短い板部を連設突設すると共にこの短板部先端を垂下折曲して、各分岐板部1Bの対向方向と直交する方向の対向位置に短垂下板部6Cを形成している。
【0062】
本実施例では、この貫通孔6Aと切欠部6Bと短垂下板部6Cとで前記付着性増強部6を構成しており、この貫通孔6Aや切欠部6Bや短垂下板部6Cにコンクリートが回り込むように付着することで、コンクリート基礎3への付着面積が増大してアンカー部1(本アンカーボルトA)がコンクリート基礎3に極めて強固に固定し、大きな引き抜き抵抗を発揮することになる構成としている。
【0063】
この貫通孔6A,切欠部6B,短垂下板部6Cは、いずれも加工性に秀れた板材bに対して加工を施すものであるため、簡易に設計実現可能である。
【0064】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例5】
【0065】
本発明の具体的な実施例5について図8に基づいて説明する。
【0066】
本実施例は、前記実施例1において、アンカー部1の構成を異ならせた場合である。
【0067】
具体的には、本実施例のアンカー部1は、帯状の金属製板材bをL字状に折曲形成した一対のアンカー構成体10から成る構成としている。
【0068】
また、このアンカー構成体10は、直角折曲部を境にして一側が短く、他側が長い形状に形成しており、各アンカー構成体10の短い一側板部を重合板部10Aとしてこの重合板部10A同士を重合することで前記実施例1のアンカー部1と略同形状のコ字形をなし、夫々の重合板部10Aが上側基板部1A,夫々の他側板部が分岐板部1Bとなる二股形状のアンカー部1を構成した場合を示している。
【0069】
また、本実施例の連結手段5は、各アンカー構成体10の夫々の重合板部10Aにボルト挿通孔7を形成し、重合した各重合板部10Aのボルト挿通孔7の位置を合わせてボルト2を挿通した上、前記実施例1と同様にナット5A止めする構成としている。
【0070】
このように構成した本実施例においても、ナット5Aを緩めて取り外すことで螺子部2とアンカー部1(アンカー構成体10)とを簡単に分離することができる。
【0071】
また、例えば、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1(アンカー構成体10)と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適応したアンカーボルトAを構成することが可能であると共に、この現場に適応したアンカーボルトAを現場で簡単に組上げることができる。
【0072】
また、本実施例においても、加工性に秀れた板材b(帯状金属板)に簡単な折り曲げ加工と穴あけ加工を施すことでアンカー部1(アンカー構成体10)を構成可能であると共に、このアンカー部1にボルト2をナット5A止めすることで構成可能であるため、量産性に秀れ安価な製品を提供可能となる。
【0073】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例6】
【0074】
本発明の具体的な実施例6について図9に基づいて説明する。
【0075】
本実施例は、前記実施例5において、アンカー部1の各分岐板部1B(各アンカー構成体10の他側板部)に、前記実施例4と同様の貫通孔6Aと切欠部6Bとを採用した付着性増強部6を設けた場合を示している。
【0076】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【実施例7】
【0077】
本発明の具体的な実施例7について図10に基づいて説明する。
【0078】
本実施例は、前記実施例5において、前記実施例6とは異なる付着性増強部6を分岐板部1Bに設けた場合である。
【0079】
具体的には、本実施例では、各分岐板部1Bに折曲加工を施して、各分岐板部1Bの長さ方向に間隔を置いて複数の折曲部6D(折曲加工部6D)を形成し、この複数の折曲部6Dを付着性増強部6としている。
【0080】
即ち、この折曲部6Dを形成することによってコンクリート基礎3への付着面積が増大してアンカー部1(本アンカーボルトA)がコンクリート基礎3に極めて強固に固定し、大きな引き抜き抵抗を発揮することになる構成としている。
【0081】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【実施例8】
【0082】
本発明の具体的な実施例8について図11に基づいて説明する。
【0083】
本実施例は、前記実施例5において、前記実施例6とも前記実施例7とも異なる付着性増強部6を分岐板部1Bに設けた場合である。
【0084】
具体的には、本実施例の二体の各アンカー構成体10は、一側板部に対して他側板部が斜設する斜設板部6Eとなる形状に構成し、この各アンカー構成体10の夫々の重合板部10Aを重合した際に各々の斜設板部6E(分岐板部1B)が互いに離反した位置に存するように構成している。
【0085】
更に、この斜設板部6Eの図示外側に位置する側縁部の下部寄りを段差形状に形成して、この段差部6Fと、互いに離反する方向に斜設する前記斜設板部6Eとによりコンクリート基礎3からの引き抜き抵抗を増大させる前記付着性増強部6を構成している。
【0086】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【実施例9】
【0087】
本発明の具体的な実施例9について図12に基づいて説明する。
【0088】
本実施例は、前記実施例6で採用したものと略同様の構成のアンカー構成体10を三体用いて、三股形状のアンカー部1を構成した場合である。
【0089】
具体的には、三体のアンカー構成体10の、夫々の一側板部である重合板部10A同士を重合することで、夫々の重合板部10Aが上側基板部1Aとなり,夫々の他側板部が分岐板部1Bとなる三股形状のアンカー部1に構成した場合を示している。
【0090】
また、本実施例の連結手段5は、前記実施例5と同様の構成を採用している。
【0091】
また、本実施例では、各アンカー構成体10の重合板部10Aの形状を円板形に形成し、これによりナット5Aを緩めれば分岐板部1Bを構成する各アンカー構成体10の他側板部の位置を螺子部2に対して回動変更可能、即ち隣接する分岐板部1Bの並設間隔を調整可能に構成している。
【0092】
従って、三股の各分岐板部1Bが前記コンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設するように調整可能で、この三股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置(載置)し得るように構成している。
【0093】
本実施例のアンカー部1は、実施例1と同様の施工方法で使用できる他、主筋4が平面視T形やL形に直交する箇所にも跨がせて安定的に配置使用できる。
【0094】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【0095】
尚、本発明は、実施例1〜9に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0096】
例えば、周囲数箇所に帯板が突設する形状の板材bを用いて、この一枚の板材bから実施例9のような三股以上の複数股形状のアンカー部1を折曲形成しても良い。
【0097】
また、例えば、実施例1で示したコ字形のアンカー部1と同形状のものを、その中間板部が重合板部10Aとなるアンカー構成体10とし、このコ字形のアンカー構成体10を複数体用いて四股以上のアンカー部1を構成しても良いし、コ字形のアンカー構成体10と実施例5で示したようなL字形のアンカー構成体10とを組み合わせて三股以上のアンカー部1を構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例1を示す説明斜視図である。
【図2】実施例1の使用状態を示す説明斜視図である。
【図3】実施例1の使用状態を示す説明正断面図である。
【図4】実施例1の他の使用状態を示す説明側断面図である。
【図5】実施例2の使用状態を示す説明正断面図である。
【図6】実施例3を示す正面図である。
【図7】実施例4を示す説明斜視図である。
【図8】実施例5を示す説明斜視図である。
【図9】実施例6を示す説明斜視図である。
【図10】実施例7を示す説明斜視図である。
【図11】実施例8を示す説明斜視図である。
【図12】実施例9を示す説明斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
1 アンカー部
1A 上側基板部
1B 分岐板部
2 螺子部(ボルト)
3 コンクリート基礎
4 主筋
5 連結手段
5A ナット
6 付着性増強部
7 ボルト挿通孔
10 アンカー構成体
10A 重合板部
b 板材
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート基礎に設けるアンカーボルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のアンカーボルトとしては、例えば、ボルトの下端部をJ字状やL字状に屈曲形成してコンクリート基礎に対する引き抜き抵抗を高めているものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−56062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンカーボルトは、コンクリート基礎の厚み方向(コンクリート基礎の内外方向)の中央位置に配置することが、例えばこのアンカーボルトと接合する土台やホールダウン金物等との接合強度が十分に発揮されることになるために望ましい。
【0005】
しかし、コンクリート基礎内には鉄筋が埋設されており、しかも、設計上最も効果的な強度を発揮するように、主筋がコンクリート基礎の厚み方向の中央線に沿ってあるいはこの中央線に接するようにして埋設されているものが非常に多いため、アンカーボルトをコンクリート基礎の厚み方向の中央位置に配置しようとすると、主筋と干渉してしまってアンカーボルトの位置をずらさなければならない場合が多いという現状であった。
【0006】
本発明は、このような現状に鑑み、これを解決しようとするためのもので、コンクリート基礎の主筋と干渉することなく、コンクリート基礎の厚み方向の中央位置に埋設固定することができる上、施工作業を非常に容易に行うことができ、尚且つ簡易構造で極めて容易に設計実現可能となる画期的なアンカーボルトを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
板材bで構成する二股以上の複数股形状のアンカー部1と、ボルト2を採用した螺子部2とから成り、前記アンカー部1は、前記螺子部2を連結可能な上側基板部1Aの二箇所以上から分岐板部1Bが垂設する二股以上の複数股形状に構成すると共に、この二股以上の前記各分岐板部1Bがコンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この複数股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置し得るように構成し、このアンカー部1の前記上側基板部1Aに連結手段5を介して前記螺子部2を連結して、この螺子部2をアンカー部1の上側基板部1Aから上方へ立設状態に突設した構成としたことを特徴とするアンカーボルトに係るものである。
【0009】
また、前記アンカー部1は、一枚の板材bあるいは二枚以上の板材bを折曲形成することで前記上側基板部1Aの二箇所以上から前記分岐板部1Bが垂設する複数股形状に成形したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルトに係るものである。
【0010】
また、前記アンカー部1は、一枚の帯状の板材bを、U字状あるいはコ字状に折曲形成することで前記上側基板部1Aの両側二箇所から前記分岐板部1Bが垂設する二股形状に一体成形するか、若しくは一枚の帯状の板材bをU字状やコ字状や略L字状に折曲形成した複数のアンカー構成体10から成り、この複数のアンカー構成体10の夫々の重合板部10Aを重合連結することで、この連結した各重合板部10Aを前記上側基板部1Aとしてこの上側基板部1Aの二箇所以上から前記分岐板部1Bが垂設する複数股形状に構成したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルトに係るものである。
【0011】
また、前記アンカー部1に、前記コンクリート基礎3への付着面積を増大させるか若しくはコンクリート基礎3からの引き抜き抵抗を増大させる付着性増強部6を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンカーボルトに係るものである。
【0012】
また、前記連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aにボルト挿通孔7を形成し、このボルト挿通孔7に前記螺子部2としてのボルト2を挿通固定する構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンカーボルトに係るものである。
【0013】
また、前記連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aにボルト挿通孔7を形成し、このボルト挿通孔7に挿通した前記螺子部2としてのボルト2を、前記上側基板部1Aに対しナット5A止め若しくは接着若しくは螺着する構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンカーボルトに係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、アンカー部をコンクリート基礎の主筋を跨ぐようにして配置できるので、アンカー部が主筋に干渉することなく、構造上最も良好な接合強度を発揮できるコンクリート基礎の厚み方向の中央位置にアンカーボルトを配置することができ、しかも、単に主筋にアンカー部を上方から跨らせて載置するだけでアンカーボルトは高さが維持されるので、このアンカーボルトの位置決め作業も容易に行われることになり、その上、アンカー部が二股以上の複数股形状のために、コンクリートに接する面積が増してよりコンクリートの付着性が高くなり、これにより引き抜き力に対する抵抗強度が非常に高く、前記したように、構造上最も良好な接合強度を発揮できる位置に配置できることもあって高強度の建築物を施工可能となり、更に、本発明のアンカー部は、加工性に秀れた板材で構成するため、特殊な加工を要することなく簡易に設計可能であると共に、螺子部も一般的に流通しているボルトを採用しているため量産性に秀れる上、アンカー部と螺子部とを連結手段を介して連結する構成のため、例えば分岐板部の長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部と長さの異なる数種の螺子部とを用意しておくことで、この数種のアンカー部と螺子部とを組み合わせ連結して現場に適した様々な態様のアンカーボルトを構成することも容易に可能となるなど、極めて実用性に秀れた画期的なアンカーボルトとなる。
【0015】
また、請求項2,3記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する複数股形状のアンカー部を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のアンカーボルトとなる。
【0016】
また、請求項4記載の発明においては、アンカー部がコンクリート基礎に対して極めて強固に付着固定されることになる一層実用性に秀れた構成のアンカーボルトとなる。
【0017】
また、請求項5,6記載の発明においては、アンカー部の上側基板部にボルト(螺子部)を連結する連結手段を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成のアンカーボルトとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
基礎形成位置にコンクリート基礎3を打設するための型枠を設置すると共に鉄筋を配筋し、例えば、型枠内にコンクリートを打設した後、このコンクリート内にアンカーボルトAのアンカー部1を埋没させ、アンカーボルトA上端部の螺子部2がコンクリート基礎3上より突出状態となるようにコンクリートを硬化させてアンカーボルトAを固定し、螺子部2が上部から突出するコンクリート基礎2を形成する。
【0020】
この際、たとえコンクリート基礎3内のその厚み方向の中央位置に主筋4が配筋されていたとしても、複数股形状(例えば、図1に示すような二股形状)のアンカー部1はこの主筋4を跨ぐようにして配置することが可能であるので、アンカー部1が主筋4に干渉せず、よって、本発明によれば、コンクリート基礎3の厚み方向の中央位置、即ち、構造上最も良好な接合強度を発揮できる位置にアンカーボルトAを配置することができ、高強度の建築物を施工可能となる。
【0021】
尚、型枠内にコンクリートを打設する前に上方からアンカーボルトAを差込みして、複数股形状のアンカー部1を主筋4に跨らせて載置した後、型枠内にコンクリートを打設し硬化させて固定するようにしても良い。
【0022】
従って、主筋4に複数股形状のアンカー部1を跨らせて配置するだけで簡単にアンカーボルトAをコンクリート基礎3の厚み方向の略中央位置に配置できることとなるので、このアンカーボルトAの位置決め作業も極めて容易に行われる。
【0023】
また、従来は、基礎配筋にアンカーボルトAを番線にて仮止めしてからコンクリートを打設して位置決めするか、あるいはコンクリート打設の際に吊り下げ治具によってアンカーボルトAを吊り下げつつコンクリートを硬化させて位置決めするようにしていたが、本発明のアンカーボルトAは、単に主筋4にアンカー部1を上方から跨らせて載置するだけで高さが維持されるし、前記したようにコンクリート基礎3厚み方向の位置決めも簡易になされるので、このアンカーボルトAの設置作業が極めて容易に行われることになる。
【0024】
更に、アンカー部1が二股以上の複数股形状であることで、単なる一本の棒状のアンカー部1に比してコンクリートに接する面積が増すため、コンクリートの付着性が高い。そのため既存のアンカーボルトのアンカー部より長さを短くしても同等のコンクリートへの付着性を確保可能となり、部品コスト安で安価な製品を構成することが可能である。
【0025】
また、本発明のアンカー部1は、加工性に秀れた板材bで構成するため、特殊な加工を要することなく簡易に設計可能であると共に、螺子部2も一般的に流通しているボルト2を採用しているため、実現化が容易で量産性にも秀れる。
【0026】
また、アンカー部1と螺子部2とを連結手段5を介して連結する構成のため、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適した様々な態様のアンカーボルトAを構成することも可能であり、更に、連結手段5の選定(例えば、後述の実施例1のナット5A止めなど)によっては、現場で簡単に組上げることも可能となる。
【実施例1】
【0027】
本発明の具体的な実施例1について図1〜図4に基づいて説明する。
【0028】
本実施例のアンカーボルトAは、上側基板部1Aの二箇所から分岐板部1Bが垂設する二股板状のアンカー部1と、角型頭部2A付のボルト2を採用した螺子部2とから成り、アンカー部1の上側基板部1Aに連結手段5を介して螺子部2を連結している。
【0029】
また、本実施例のアンカー部1は、二股の各分岐板部1Bが前記コンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この二股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置し得るように構成している。
【0030】
具体的には、帯状の金属製板材bをコ字状に折曲形成して、中間板部(上側基板部1A)の両側から垂下板部(分岐板部1B)が垂設する二股形状のアンカー部1に構成している。
【0031】
また、本実施例の、アンカー部1と螺子部2との連結手段5は、アンカー部1の上側基板部1Aにボルト挿通孔7を貫通形成し、このボルト挿通孔7に分岐板部1B側から螺子部(ボルト2)の先端を挿通して、このボルト挿通孔7から分岐板部1Bと反対方向に突出する螺子部2の先端部にナット5Aを螺着し、このナット5Aを締付して螺子部2の角型頭部2Aとで上側基板部1Aを挟み込み固定することで、上側基板部1Aに螺子部2を固定し、この螺子部2をアンカー部1の上側基板部1Aから前記分岐板部1Bの反対方向へ向けて突設した構成としている。
【0032】
このように螺子部2をナット5A止めしてアンカー部1と連結する本実施例の構成によれば、ナット5Aを緩めて取り外すことで螺子部2とアンカー部1とを簡単に分離することができる。
【0033】
従って、例えば、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適応したアンカーボルトAを構成することが可能であると共に、この現場に適応したアンカーボルトAを現場で簡単に組上げることができる。
【0034】
また、本実施例においては、加工性に秀れた板材b(帯状金属板)に簡単な折り曲げ加工と穴あけ加工を施すことでアンカー部1を構成可能であると共に、このアンカー部1にボルト2(螺子部2)をナット5A止めすることで構成可能であるため、量産性に秀れ安価な製品を提供可能となる。
【0035】
次に、本実施例のコンクリート基礎3への具体的な施工手順を説明する。尚、施工手順は、後述の実施例2〜8においても同様である。
【0036】
先ず、基礎形成位置にコンクリート基礎3を打設するための型枠を設置すると共に鉄筋を配筋する。
【0037】
例えば、型枠内にコンクリートを打設した後、このコンクリート内にアンカーボルトAのアンカー部1を上方から差し込んで埋没させると共に、図2に示すように二股形状のアンカー部1をコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐように配置し、アンカー部1の上側基板部1Aの下方に位置している螺子部2の頭部2Aを主筋4に載置して上端部の螺子部2を所定範囲コンクリート基礎3上より突出状態とし、このままコンクリートを硬化させてアンカーボルトAを固定する。
【0038】
即ち、単にコンクリート基礎3を打設するための型枠の上方から二股形状のアンカー部1を主筋4に跨がらせて差し込み配置するだけで、アンカーボルトAが必要以上に沈み込むことなく高さが維持されると共に、螺子部2が主筋4と略同一鉛直線上に配置することになる。
【0039】
従って、主筋4がコンクリート基礎3の厚み方向の中央位置に埋設されていれば、この主筋4に二股形状のアンカー部1を跨らせて配置することで、簡単にアンカーボルトAをコンクリート基礎3の厚み方向の中央位置に配置することができるので、このアンカーボルトAの位置決め作業が極めて容易に行われる。
【0040】
また、図面では、前記各分岐板部1Bの長さ寸法が、前記コンクリート基礎3内で上下方向に間隔を置いた並設状態で横設する上側の主筋4と下側の腹筋17との並設間隔幅より長いアンカー部1を採用して、この上側の主筋4と下側の腹筋17の双方に二股形状のアンカー部1を跨らせて配置し得るように構成している。
【0041】
このように構成すると、アンカーボルトAを主筋4の長さ方向と直交する方向に倒れない状態で載置でき、そのため、このアンカーボルトA施工時にアンカーボルトAをコンクリートが硬化するまで吊り下げ治具などを用いて倒れないように位置決めしておく必要がなく、この施工作業を簡略化できることになるので作業性に秀れる。
【0042】
尚、型枠内にコンクリートを打設する前に上方からアンカーボルトAを差込みして、複数股形状のアンカー部1を主筋4に跨らせて載置した後、型枠内にコンクリートを打設し硬化させて固定するようにしても良い。
【0043】
このようにしてコンクリート基礎3に固定した本アンカーボルトAの螺子部2を利用して、例えば、図3に示すように土台8をコンクリート基礎3に固定したり、図4に示すように本アンカーボルトAの螺子部2を柱材9に固定したホールダウン金具13に連結固定してコンクリート基礎3と柱材9とを連結したりすることが可能である。図中符号11は前記土台8並びに前記ホールダウン金具13を螺子部2に固定するための固定用ナット、12は座金、14は前記柱材9に前記ホールダウン金具13を取付するための取付ボルト、15は取付ボルト14に螺着する取付ナットである。
【実施例2】
【0044】
本発明の具体的な実施例2について図5に基づいて説明する。
【0045】
本実施例は、前記実施例1において、連結手段5を異ならせた場合である。
【0046】
具体的には、本実施例の連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aのボルト挿通孔7の孔内縁に雌螺子5Bを形成し、この雌螺子5Bを具備したボルト挿通孔7に直接ボルト2(螺子部2)を螺着固定する構成とした場合を示している。
【0047】
この本実施例の連結手段5も簡易に設計実現可能である。
【0048】
従って、本実施例においても、螺子部2とアンカー部1とを簡単に分離することができるので、前記実施例1と同様に、例えば、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適応したアンカーボルトAを構成することが可能であると共に、この現場に適応したアンカーボルトAを現場で簡単に組上げることができる。
【0049】
また、本実施例で図示したコンクリート基礎3は、前記実施例1のそれより太い主筋4が埋設されたものを採用した場合を示しており、これに応じてアンカー部1の各分岐板部1Bの並設間隔がやや広くなるように板材bを折曲してアンカー部1を略U字状に構成した場合を示している。
【0050】
また、本実施例では、コンクリート基礎3の上面と土台8の下面との間に基礎パッキン16を挟み込んだ基礎構造を示しており、本実施例のアンカーボルトAは、この基礎パッキン16の厚み分土台8の設置位置が高くなることに適応して実施例1よりも長さのある螺子部2を採用して構成した場合を示している。
【0051】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例3】
【0052】
本発明の具体的な実施例3について図6に基づいて説明する。
【0053】
本実施例は、前記実施例1とも前記実施例2とも異なる連結手段5を採用した場合である。
【0054】
具体的には、本実施例の連結手段5は、前記アンカー部1の上側基板部1Aのボルト挿通孔7に挿通したボルト2(螺子部2)を上側基板部1Aに溶接固定した場合を示している。図中符号5Cは溶接部である。
【0055】
この本実施例の連結手段5も簡易に設計実現可能である。
【0056】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例4】
【0057】
本発明の具体的な実施例4について図7に基づいて説明する。
【0058】
本実施例は、前記実施例1において、アンカー部1に、コンクリート基礎3への付着面積を増大する付着性増強部6を設けた場合を示している。
【0059】
具体的には、各分岐板部1Bに穴あけ加工を施して、各分岐板部1Bの長さ方向に間隔を置いて複数の貫通孔6A(穴あけ加工部6A)を形成している。
【0060】
また、各分岐板部1Bの両側縁部に切欠加工を施して、各分岐板部1Bの長さ方向に間隔を置いて複数の切欠部6B(切欠加工部6B)を形成している。
【0061】
更に、上側基板部1Aの、分岐板部1Bが存在しない位置から短い板部を連設突設すると共にこの短板部先端を垂下折曲して、各分岐板部1Bの対向方向と直交する方向の対向位置に短垂下板部6Cを形成している。
【0062】
本実施例では、この貫通孔6Aと切欠部6Bと短垂下板部6Cとで前記付着性増強部6を構成しており、この貫通孔6Aや切欠部6Bや短垂下板部6Cにコンクリートが回り込むように付着することで、コンクリート基礎3への付着面積が増大してアンカー部1(本アンカーボルトA)がコンクリート基礎3に極めて強固に固定し、大きな引き抜き抵抗を発揮することになる構成としている。
【0063】
この貫通孔6A,切欠部6B,短垂下板部6Cは、いずれも加工性に秀れた板材bに対して加工を施すものであるため、簡易に設計実現可能である。
【0064】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例5】
【0065】
本発明の具体的な実施例5について図8に基づいて説明する。
【0066】
本実施例は、前記実施例1において、アンカー部1の構成を異ならせた場合である。
【0067】
具体的には、本実施例のアンカー部1は、帯状の金属製板材bをL字状に折曲形成した一対のアンカー構成体10から成る構成としている。
【0068】
また、このアンカー構成体10は、直角折曲部を境にして一側が短く、他側が長い形状に形成しており、各アンカー構成体10の短い一側板部を重合板部10Aとしてこの重合板部10A同士を重合することで前記実施例1のアンカー部1と略同形状のコ字形をなし、夫々の重合板部10Aが上側基板部1A,夫々の他側板部が分岐板部1Bとなる二股形状のアンカー部1を構成した場合を示している。
【0069】
また、本実施例の連結手段5は、各アンカー構成体10の夫々の重合板部10Aにボルト挿通孔7を形成し、重合した各重合板部10Aのボルト挿通孔7の位置を合わせてボルト2を挿通した上、前記実施例1と同様にナット5A止めする構成としている。
【0070】
このように構成した本実施例においても、ナット5Aを緩めて取り外すことで螺子部2とアンカー部1(アンカー構成体10)とを簡単に分離することができる。
【0071】
また、例えば、分岐板部1Bの長さや並設間隔の異なる数種のアンカー部1(アンカー構成体10)と、長さの異なる数種の螺子部2とを用意しておくことで、この数種のアンカー部1と螺子部2とを組み合わせ連結して現場に適応したアンカーボルトAを構成することが可能であると共に、この現場に適応したアンカーボルトAを現場で簡単に組上げることができる。
【0072】
また、本実施例においても、加工性に秀れた板材b(帯状金属板)に簡単な折り曲げ加工と穴あけ加工を施すことでアンカー部1(アンカー構成体10)を構成可能であると共に、このアンカー部1にボルト2をナット5A止めすることで構成可能であるため、量産性に秀れ安価な製品を提供可能となる。
【0073】
他の構成は、前記実施例1と同様である。
【実施例6】
【0074】
本発明の具体的な実施例6について図9に基づいて説明する。
【0075】
本実施例は、前記実施例5において、アンカー部1の各分岐板部1B(各アンカー構成体10の他側板部)に、前記実施例4と同様の貫通孔6Aと切欠部6Bとを採用した付着性増強部6を設けた場合を示している。
【0076】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【実施例7】
【0077】
本発明の具体的な実施例7について図10に基づいて説明する。
【0078】
本実施例は、前記実施例5において、前記実施例6とは異なる付着性増強部6を分岐板部1Bに設けた場合である。
【0079】
具体的には、本実施例では、各分岐板部1Bに折曲加工を施して、各分岐板部1Bの長さ方向に間隔を置いて複数の折曲部6D(折曲加工部6D)を形成し、この複数の折曲部6Dを付着性増強部6としている。
【0080】
即ち、この折曲部6Dを形成することによってコンクリート基礎3への付着面積が増大してアンカー部1(本アンカーボルトA)がコンクリート基礎3に極めて強固に固定し、大きな引き抜き抵抗を発揮することになる構成としている。
【0081】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【実施例8】
【0082】
本発明の具体的な実施例8について図11に基づいて説明する。
【0083】
本実施例は、前記実施例5において、前記実施例6とも前記実施例7とも異なる付着性増強部6を分岐板部1Bに設けた場合である。
【0084】
具体的には、本実施例の二体の各アンカー構成体10は、一側板部に対して他側板部が斜設する斜設板部6Eとなる形状に構成し、この各アンカー構成体10の夫々の重合板部10Aを重合した際に各々の斜設板部6E(分岐板部1B)が互いに離反した位置に存するように構成している。
【0085】
更に、この斜設板部6Eの図示外側に位置する側縁部の下部寄りを段差形状に形成して、この段差部6Fと、互いに離反する方向に斜設する前記斜設板部6Eとによりコンクリート基礎3からの引き抜き抵抗を増大させる前記付着性増強部6を構成している。
【0086】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【実施例9】
【0087】
本発明の具体的な実施例9について図12に基づいて説明する。
【0088】
本実施例は、前記実施例6で採用したものと略同様の構成のアンカー構成体10を三体用いて、三股形状のアンカー部1を構成した場合である。
【0089】
具体的には、三体のアンカー構成体10の、夫々の一側板部である重合板部10A同士を重合することで、夫々の重合板部10Aが上側基板部1Aとなり,夫々の他側板部が分岐板部1Bとなる三股形状のアンカー部1に構成した場合を示している。
【0090】
また、本実施例の連結手段5は、前記実施例5と同様の構成を採用している。
【0091】
また、本実施例では、各アンカー構成体10の重合板部10Aの形状を円板形に形成し、これによりナット5Aを緩めれば分岐板部1Bを構成する各アンカー構成体10の他側板部の位置を螺子部2に対して回動変更可能、即ち隣接する分岐板部1Bの並設間隔を調整可能に構成している。
【0092】
従って、三股の各分岐板部1Bが前記コンクリート基礎3内に横設する主筋4の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設するように調整可能で、この三股形状のアンカー部1がコンクリート基礎3内の主筋4を跨ぐようにして配置(載置)し得るように構成している。
【0093】
本実施例のアンカー部1は、実施例1と同様の施工方法で使用できる他、主筋4が平面視T形やL形に直交する箇所にも跨がせて安定的に配置使用できる。
【0094】
他の構成は、前記実施例5と同様である。
【0095】
尚、本発明は、実施例1〜9に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0096】
例えば、周囲数箇所に帯板が突設する形状の板材bを用いて、この一枚の板材bから実施例9のような三股以上の複数股形状のアンカー部1を折曲形成しても良い。
【0097】
また、例えば、実施例1で示したコ字形のアンカー部1と同形状のものを、その中間板部が重合板部10Aとなるアンカー構成体10とし、このコ字形のアンカー構成体10を複数体用いて四股以上のアンカー部1を構成しても良いし、コ字形のアンカー構成体10と実施例5で示したようなL字形のアンカー構成体10とを組み合わせて三股以上のアンカー部1を構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例1を示す説明斜視図である。
【図2】実施例1の使用状態を示す説明斜視図である。
【図3】実施例1の使用状態を示す説明正断面図である。
【図4】実施例1の他の使用状態を示す説明側断面図である。
【図5】実施例2の使用状態を示す説明正断面図である。
【図6】実施例3を示す正面図である。
【図7】実施例4を示す説明斜視図である。
【図8】実施例5を示す説明斜視図である。
【図9】実施例6を示す説明斜視図である。
【図10】実施例7を示す説明斜視図である。
【図11】実施例8を示す説明斜視図である。
【図12】実施例9を示す説明斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
1 アンカー部
1A 上側基板部
1B 分岐板部
2 螺子部(ボルト)
3 コンクリート基礎
4 主筋
5 連結手段
5A ナット
6 付着性増強部
7 ボルト挿通孔
10 アンカー構成体
10A 重合板部
b 板材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材で構成する二股以上の複数股形状のアンカー部と、ボルトを採用した螺子部とから成り、前記アンカー部は、前記螺子部を連結可能な上側基板部の二箇所以上から分岐板部が垂設する二股以上の複数股形状に構成すると共に、この二股以上の前記各分岐板部がコンクリート基礎内に横設する主筋の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この複数股形状のアンカー部がコンクリート基礎内の主筋を跨ぐようにして配置し得るように構成し、このアンカー部の前記上側基板部に連結手段を介して前記螺子部を連結して、この螺子部をアンカー部の上側基板部から上方へ立設状態に突設した構成としたことを特徴とするアンカーボルト。
【請求項2】
前記アンカー部は、一枚の板材あるいは二枚以上の板材を折曲形成することで前記上側基板部の二箇所以上から前記分岐板部が垂設する複数股形状に成形したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルト。
【請求項3】
前記アンカー部は、一枚の帯状の板材を、U字状あるいはコ字状に折曲形成することで前記上側基板部の両側二箇所から前記分岐板部が垂設する二股形状に一体成形するか、若しくは一枚の帯状の板材をU字状やコ字状や略L字状に折曲形成した複数のアンカー構成体から成り、この複数のアンカー構成体の夫々の重合板部を重合連結することで、この連結した各重合板部を前記上側基板部としてこの上側基板部の二箇所以上から前記分岐板部が垂設する複数股形状に構成したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルト。
【請求項4】
前記アンカー部に、前記コンクリート基礎への付着面積を増大させるか若しくはコンクリート基礎からの引き抜き抵抗を増大させる付着性増強部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンカーボルト。
【請求項5】
前記連結手段は、前記アンカー部の上側基板部にボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔に前記螺子部としてのボルトを挿通固定する構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンカーボルト。
【請求項6】
前記連結手段は、前記アンカー部の上側基板部にボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔に挿通した前記螺子部としてのボルトを、前記上側基板部に対しナット止め若しくは接着若しくは螺着する構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンカーボルト。
【請求項1】
板材で構成する二股以上の複数股形状のアンカー部と、ボルトを採用した螺子部とから成り、前記アンカー部は、前記螺子部を連結可能な上側基板部の二箇所以上から分岐板部が垂設する二股以上の複数股形状に構成すると共に、この二股以上の前記各分岐板部がコンクリート基礎内に横設する主筋の直径幅より幅広な間隔を置いて略平行に並設する形状に形成して、この複数股形状のアンカー部がコンクリート基礎内の主筋を跨ぐようにして配置し得るように構成し、このアンカー部の前記上側基板部に連結手段を介して前記螺子部を連結して、この螺子部をアンカー部の上側基板部から上方へ立設状態に突設した構成としたことを特徴とするアンカーボルト。
【請求項2】
前記アンカー部は、一枚の板材あるいは二枚以上の板材を折曲形成することで前記上側基板部の二箇所以上から前記分岐板部が垂設する複数股形状に成形したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルト。
【請求項3】
前記アンカー部は、一枚の帯状の板材を、U字状あるいはコ字状に折曲形成することで前記上側基板部の両側二箇所から前記分岐板部が垂設する二股形状に一体成形するか、若しくは一枚の帯状の板材をU字状やコ字状や略L字状に折曲形成した複数のアンカー構成体から成り、この複数のアンカー構成体の夫々の重合板部を重合連結することで、この連結した各重合板部を前記上側基板部としてこの上側基板部の二箇所以上から前記分岐板部が垂設する複数股形状に構成したことを特徴とする請求項1記載のアンカーボルト。
【請求項4】
前記アンカー部に、前記コンクリート基礎への付着面積を増大させるか若しくはコンクリート基礎からの引き抜き抵抗を増大させる付着性増強部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンカーボルト。
【請求項5】
前記連結手段は、前記アンカー部の上側基板部にボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔に前記螺子部としてのボルトを挿通固定する構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンカーボルト。
【請求項6】
前記連結手段は、前記アンカー部の上側基板部にボルト挿通孔を形成し、このボルト挿通孔に挿通した前記螺子部としてのボルトを、前記上側基板部に対しナット止め若しくは接着若しくは螺着する構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンカーボルト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−144430(P2009−144430A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−323364(P2007−323364)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(596036692)株式会社タツミ (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(596036692)株式会社タツミ (16)
【Fターム(参考)】
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