説明

アンテナデバイス

【課題】近接して配置された第1アンテナと第2アンテナの間のデカップリングをするアンテナデバイスおよび方法を提供する。
【解決手段】アンテナデバイス1は、第1の周波数帯で動作するように構成された第1アンテナ2と、第2の周波数帯で動作し、前記第1アンテナ2から距離を置いて配置された第2アンテナ4と、少なくとも1つの寄生アンテナエレメント5を備えている。前記第1アンテナ2と前記第2アンテナ4の間を分離するように、前記少なくとも1つの寄生エレメント5は、前記第1アンテナ2および/または前記第2アンテナ4に対して実質的に直交するように配置されている。前記第1アンテナ2および前記第2アンテナ4は実質的に同一の周波数、例えば2.4GHzで動作するように構成されていてもよい。また、前記アンテナデバイス1は、補聴器と通信デバイスの間の通信を円滑にするカップリングデバイスとして使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してアンテナに関連しており、特にアンテナ間のアイソレーションを改善することに関連している。
【背景技術】
【0002】
無線通信のために使用されるデバイスは、通信する無線エンティティがより多くなるのと同時に、より小さくなってきている。例えば携帯電話は、Bluetooth(登録商標)接続性、無線LAN接続性、FMラジオ接続性、GPS機能性などを有することができる。補聴器はバイノーラル補聴器における他方の補聴器との接続性のみならず、例えば携帯電話や、無線リモコン、テレビなどの周辺機器との接続性を備えることができる。その補聴器は、これらすべてのエンティティと、直接またはアンテナドングルを介した接続性を有することができる。これらの接続性の各々は、信号の正確な送受信のためのアンテナを必要とする。しかしながら、小型デバイスに2つ以上のアンテナを統合すると、通常はアンテナ間のカップリングをもたらす。デバイスが小型化されている場合は特にそうである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に補聴器のユーザにとっては、携帯電話を介した通信は、携帯電話とデジタル補聴器の間の干渉に起因して、困難なものとなるおそれがある。従って、補聴器のユーザは、補聴器を用いることなく、例えば携帯電話の音量調節の設定を最大音量として、携帯電話を使用することが提案されている。別の解決策として、いわゆるテレコイルまたはTリンクなどを介して、携帯電話を補聴器と誘導接続することが提案されている。
【0004】
通信を容易にするための、1つの単純な解決策として、携帯電話のBluetoothエレメントとの通信のために、補聴器にBluetoothレシーバを直接搭載することができる。しかしながら、Bluetoothトランシーバは補聴器のバッテリを急速に使い果たしてしまうから、Bluetoothトランシーバを補聴器デバイスに直接搭載することは適切ではない。従って、携帯電話のBluetoothトランシーバと通信するBluetoothアンテナと補聴器との間で通信するための近接アンテナを有するBluetoothブリッジデバイスを用いることが提案されている。しかしながら、近接アンテナとBluetoothアンテナは同じ周波数、すなわち約2.4GHzで動作するから、近接アンテナとBluetoothアンテナの間の強力な干渉によって、信号品質と接続性の双方に影響を及ぼすことが報告されている。
【0005】
従って、アンテナ間のアイソレーションのための、デバイスにおけるアンテナの配置は、非常に重要な設計要素となっている。異なる周波数で動作するように構成された、互いに近接するアンテナについては、カップリングを低減するための波長フィルタの使用が提案されている。しかしながら、通常はLCフィルタである、このようなフィルタは、非常に大きな空間を占有し、かつアンテナの帯域幅と効率を低下させる傾向がある。
【0006】
また、一般的なプリント回路基板に設けられた、互いに近接するアンテナについては、プリント回路基板に1またはそれ以上のスリットを設けることで、アンテナ間のアイソレーションを提供することが提案されている。しかしながら、このようなスリットの有効性は、しばしばプリント回路基板上でスリットの両側に配置されたコンポーネント間を接続するためにスリットを横切って他の導体を設けることによって低減される。さらに、接地平面にスリットを設けることは、それぞれのアンテナに対する実効的な接地平面も低減させ、それによってアンテナのQ値を低減させてしまう。
【0007】
したがって、2つ以上のアンテナ間のアイソレーションの改善を促進するためのアンテナデバイスを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、アンテナデバイスが提供される。そのアンテナデバイスは、第1の周波数帯で動作するように構成された第1アンテナと、第2の周波数帯で動作するように構成されており、第1アンテナから距離を置いて配置された第2アンテナと、少なくとも1つの寄生アンテナエレメントを備えている。前記少なくとも1つの寄生エレメントは、前記第1アンテナと前記第2アンテナの間を実質的に分離するように、第1アンテナおよび/または第2アンテナに対して実質的に直交するように配置することができる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、第1アンテナと、第2アンテナと、少なくとも1つの寄生アンテナエレメントを備えるアンテナデバイスが提供される。前記第1アンテナは、第1の周波数帯で動作するように構成されており、かつ支持構造に設けられており、前記第2アンテナは、第2の周波数帯で動作するように構成されており、かつ前記第1アンテナから距離を置いて前記支持構造に設けられている。前記少なくとも1つの寄生エレメントは、前記第1アンテナと前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントの間で第1の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流し、前記第2アンテナと前記寄生アンテナエレメントの間で第2の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流すように構成することができる。ここで前記第1の方向と前記第2の方向は実質的に直交している。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、近接して配置された第1アンテナと第2アンテナの間をデカップリングする方法が提供される。前記第1アンテナは第1の周波数帯で動作するように構成されており、前記第2アンテナは第2の周波数帯で動作するように構成されている。前記方法は、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナに対して実質的に直交するように設けられた寄生アンテナエレメントを介して前記第1アンテナおよび前記第2アンテナをデカップリングする工程を備えている。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、補聴器と通信デバイスの間の通信を円滑にするカップリングデバイスが提供される。前記カップリングデバイスは、前記補聴器と通信するように構成された第1アンテナと、前記通信デバイスと通信するように構成された第2アンテナと、少なくとも1つの寄生アンテナエレメントを備えている。前記少なくとも1つの寄生エレメントは、前記第1アンテナと前記第2アンテナの間を実質的に分離するように、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナに対して実質的に直交するように配置することができる。
【0012】
前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、距離を置いて支持構造に設けることができる。前記少なくとも1つの寄生エレメントは、前記支持構造に設けることができ、前記第1アンテナおよび前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントの間で第1の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流し、前記第2アンテナおよび前記寄生アンテナエレメントの間で第2の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流すように構成されている。ここで前記第1の方向と前記第2の方向は実質的に直交している。前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、それぞれ第1の周波数帯および第2の周波数帯で動作するように構成することができる。前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、例えばそれらのアンテナの少なくとも一方についての主要な動作周波数の全波長の距離の範囲で、例えば半波長の距離の範囲で、近接して配置することができる。
【0013】
第1の周波数帯および第2の周波数帯は、例えば、前記第1アンテナがUMTS周波数範囲またはGSM(登録商標)周波数範囲、例えば2.1GHzの近辺で動作するように構成され、前記第2アンテナがBluetooth規格を用いて、従って2.4GHzの近辺の周波数範囲で通信するように構成されるように、分離された周波数帯とすることができる。前記第1の周波数帯と前記第2の周波数帯は少なくとも重複しており、従って前記第1アンテナの帯域幅が前記第2アンテナの帯域幅と少なくとも重複していてもよい。さらに、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナは、実質的に同一の周波数で動作するように構成することもできる。
【0014】
例えば、前記第1アンテナはBluetooth規格を使用して、従って2.4GHzの近辺の周波数範囲で通信するように構成されたアンテナであってもよく、前記第2アンテナはBluetooth規格とは異なるプロトコルを使用するが、実質的に同一の周波数の近辺で、例えば2.4GHzの近辺で動作するように構成されたアンテナであってもよい。2.4GHzは一般的に通信に使用される認可のない周波数であるから、1つのデバイスが多くの通信デバイスと無線通信する場合に、例えば2つの異なるWLAN規格、例えばBluetoothと他のWLAN規格を使用する場合に、このようなことが起こりえる。
【0015】
好ましい実施形態では、前記第1アンテナは、近接アンテナプロトコルを使用して、補聴器との間で通信するように構成された近接アンテナであり、前記第2アンテナはBluetooth規格を使用して通信するように構成されたアンテナである。補聴器との間で近接アンテナプロトコルを使用することの利点は、近接アンテナプロトコルは補聴器との通信のために特別に設計できるところである。通常、Bluetoothアンテナで受信された全てのデータパッケージが、補聴器に送信される訳ではなく、さらに、そのプロトコルは、例えば補聴器のトランシーバから近接アンテナのトランシーバに送信されるハンドシェークおよび制御信号を最小限に抑えて、補聴器の電力消費を低減するように設計することができる。通常、各補聴器メーカーが特製の近接アンテナプロトコルを提供しており、近接アンテナによって任意のプロトコルを使用可能であって、そのようなプロトコルは一般的に中央処理装置によって実装されていることが分かる。
【0016】
サイズの問題で、例えばラップトップに対しては第1アンテナおよび第2アンテナは互いに十分な距離を置いて配置することができるが、より小さなデバイスに対しては、アンテナの間のアイソレーションを提供することに利点がある。
【0017】
本発明の実施形態では、前記第1アンテナと前記第2アンテナは近接して配置され、前記第1アンテナおよび/または第2アンテナのうちの1つの主要な動作周波数の、例えば実質的に全波長の範囲で互いに配置され、例えば半波長の範囲で互いに配置され、例えば全波長だけ離れて配置され、3/4波長だけ離れて配置され、5/8波長だけ離れて配置され、あるいは半波長だけ離れて配置されている。
【0018】
前記第1アンテナと前記第2アンテナの間のアイソレーションを提供するために、前記寄生アンテナエレメントが、好ましくは前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナに対して実質的に直交するように配置される。一実施形態では、第1アンテナおよび/または第2アンテナは、寄生アンテナエレメントと同一の平面に配置され、例えば同一の平面内の1またはそれ以上の基板に配置される。寄生アンテナエレメントは、周囲の電磁場から電力を受け取るパッシブアンテナエレメントであって、アクティブに励起されるアンテナのように、例えば給電線を介してアクティブに給電されることはない。寄生エレメントは、通常、導電性材料を備えている。
【0019】
寄生アンテナエレメントは、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナの偏波に対して直交する偏波を有していてもよく、例えば少なくともそれらのアンテナが同一の平面内に配置されたときに直交する偏波を有している。直交する偏波は、水平偏波、垂直偏波、±45°傾斜偏波、左回転偏波、右回転偏波などを含んでいる。好ましい実施形態において、第1アンテナの偏波と第2アンテナの偏波は、少なくともそれらが同一平面に配置された場合、あるいは共通の接地平面を有する場合に、実質的に同一である。
【0020】
さらに、前記寄生アンテナエレメントは、励起に応じて、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方の放射パターンに対して、実質的に90°回転した放射パターンを有してもよい。
【0021】
前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方は、長軸方向を有していてもよく、前記寄生アンテナエレメントは、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの前記少なくとも一方の前記長軸方向に対して実質的に直交する長軸方向を有していてもよい。好ましい実施形態において、第1アンテナおよび第2アンテナはPIFAアンテナを備えており、寄生アンテナエレメントは、前記PIFAアンテナに対して実質的に直交するように配置される。
【0022】
好ましくは、寄生アンテナエレメントは、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方の主要な動作周波数の1/4波長の長さ、例えば2.4GHzの実質的に1/4の長さを有しており、それは約31.25mmの長さに対応している。しかしながら、寄生アンテナエレメントの長さは、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方に対して、前記主要な動作周波数の1/8波長と5/8波長の間、例えば主要な動作周波数の3/8波長と5/8波長の間であってもよい。
【0023】
第1アンテナと第2アンテナの間のアイソレーションが得られることが、近接して配置された第1アンテナと第2アンテナに対して直交するように寄生アンテナエレメントを設けることの利点である。
【0024】
前記デバイスが、より多くのアンテナを備えていてもよく、例えばアンテナダイバーシティを得るため、1つのアンテナが複数のアンテナエレメントを備えていてもよいことが分かる。また、前記アンテナデバイスは、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナおよび前記寄生アンテナエレメントに対して直交する第3アンテナ、例えば前記第1アンテナ、前記第2アンテナおよび前記寄生アンテナエレメントを備える平面に対して直交するアンテナなど、より多くのアンテナを含んでいてもよい。
【0025】
デバイスを小型化することには、アンテナの効率および帯域幅の低下をもたらす、アンテナのフットプリントの小型化も含まれる。Bluetoothアンテナなどのアンテナに近接して寄生アンテナエレメントを設けることは、アンテナ信号の帯域幅および/または電力を増加させることが見出されている。好ましくは、前記寄生アンテナエレメントは、前記アンテナに近接して配置され、例えば前記アンテナの主要な動作周波数の1/4波長の範囲内で、例えば1/8波長の範囲内で、例えば1/16波長の範囲内で、例えば1/16波長の距離で、配置される。好ましくは、前記寄生アンテナエレメントは細長い寄生エレメントであって、例えば前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの一方の放射パターンから連続するように配置された細長い寄生エレメントである。
【0026】
第1アンテナ、第2アンテナおよび寄生アンテナエレメントは、共通の接地電位、例えば共通の接地平面を有していてもよい。前記共通の接地平面は、導電性の接地平面、例えばプリント回路基板であってもよい。前記共通の接地平面は、さらに/あるいは反射平面であってもよい。前記第1アンテナ、前記第2アンテナおよび/または前記寄生アンテナエレメントは、前記接地平面が放射しているエレメントの一方の端部に実質的に配置されていることが好ましい。前記第1アンテナ、前記第2アンテナおよび前記寄生アンテナエレメントは、1つまたはそれ以上の支持構造、例えば1またはそれ以上のプリント回路基板に設けられていてもよい。好ましくは、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナ、例えば前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方は、それぞれの支持構造のエッジに近接した給電点を有しており、および/または、それぞれの支持構造のエッジに近接して配置されている。そのエッジからの距離は、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナの主要な動作周波数に対して、例えば1/16波長の範囲内であり、例えば1/8波長の範囲内であり、例えば1/4波長の範囲内である。
【0027】
以下の参照は支持構造について行われるものであるが、前記アンテナエレメントは分離された支持構造に配置されていてもよく、前記分離された支持構造および/または前記アンテナは、動作可能に相互に接続されている。
【0028】
支持構造は、導電性構造であってもよいし、前記第1アンテナ、前記第2アンテナおよび/または前記寄生アンテナエレメントに対する、接地平面および/または反射平面を形成してもよい。好ましい実施形態では、前記接地平面は実質的に長方形状の接地平面である。
【0029】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの寄生エレメントは、前記第1アンテナと前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントの間で第1の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流し、前記第2アンテナと前記寄生アンテナエレメントの間で第2の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流すように構成されている。ここで前記第1の方向と前記第2の方向は実質的に直交している。
【0030】
ここで、前記第1アンテナによって前記支持構造内に誘導される前記電流は、前記第2アンテナによって前記支持構造内に誘導される前記電流に対して、少なくとも実質的に直交しており、従って前記第1アンテナと前記第2アンテナは分離される。その逆もまた同様である。前記第1アンテナと前記第2アンテナの間を分離することによって、アンテナ間のカップリングは大幅に減少し、相関係数はゼロに近似することができる。従って、この構成によれば、前記アンテナは低いカップリングと高いアイソレーションを有することができる。
【0031】
前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントは、前記支持構造から突出していてもよく、好ましくは、前記寄生アンテナエレメントは、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナの平面から持ち上げられており、例えば前記寄生アンテナエレメントの導電性部分が高層構造に配置されるようになっている。前記支持構造から突出している前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントを有することにより、静電容量を低減することができ、改善された放射パターンを得ることができる。
【0032】
前記第1アンテナ、前記第2アンテナおよび前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントを備える前記アンテナデバイスは、ハウジング内に収容することができる。一実施形態では、前記アンテナデバイスを収容する前記ハウジングは、主要な動作周波数の、半波長よりも長いが全波長よりも短い長さ、例えば半波長と5/8波長の間の長さを有している。前記ハウジングの幅は、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方の主要な動作周波数の半波長よりも短くてもよく、主要な動作周波数の例えば1/4波長と半波長の間であってもよく、例えば1/4波長と5/16波長の間であってもよい。従って、前記第1アンテナと前記第2アンテナの少なくとも一方が2.4GHzの主要な動作周波数で動作するように構成されている、好ましい実施形態では、前記ハウジングは70mmと80mmの間の長さと、31mmと39mmの間の幅を有していてもよい。前記アンテナに対して接地平面を形成する前記支持構造は、対応する寸法を有していてもよい。
【0033】
本明細書でいう主要な動作周波数は、少なくとも前記第1アンテナおよび前記第2アンテナについての、主要な動作周波数、あるいはキャリア周波数に基づいて計算された周波数、例えば前記キャリア周波数の平均値などであってもよい。
【0034】
前記アンテナに対して接地平面を形成する1つまたはそれ以上の支持構造における前記アンテナの1つのレイアウトは、上述した2つの近接して配置されたアンテナを提供するために、前記第1アンテナが前記接地平面に沿って、前記接地平面に接続するように、前記支持構造の第1エッジに、または第1エッジに沿って配置されており、前記第2アンテナが前記接地平面に沿って、前記接地平面に接続するように、同一の前記第1エッジに、または同一の前記第1エッジに沿って、前記第1アンテナから距離を置いて配置されているレイアウトを備えていてもよい。
【0035】
前記寄生アンテナエレメントは、前記支持基板の第2エッジに配置することができる。ここで、前記第1エッジと前記第2エッジは同一の平面内にあって、前記第2エッジは前記第1エッジに対して実質的に直交している。
【0036】
前記支持基板は、細長く平らな基板であってもよく、前記第1アンテナは前記細長い基板の第1の長辺に沿って配置されていてもよく、前記第2アンテナは同一の前記長辺に沿って、前記第1アンテナから距離を置いて配置されていてもよく、前記第2アンテナは前記細長い基板の角部に近接しており、前記寄生アンテナエレメントは前記細長い基板の短辺に沿って、前記角部に近接して配置されている。
【0037】
前記第2アンテナは、前記接地平面内で伝搬軸に沿って主に前記第2の方向の放射パターンを有するように配置されていてもよく、前記寄生アンテナエレメントは、前記伝搬軸に沿って主に前記第2の方向に放射するように構成することができる。好ましくは、前記寄生アンテナエレメントは、その長軸方向が前記第2の方向の前記伝搬軸に沿うように配置された、1/4波長の寄生エレメントである。
【0038】
従って、前記第2アンテナと前記寄生エレメントは、前記第2アンテナの放射効率を向上させるように、および/または、前記第2アンテナについての品質係数、Q値を向上させるように、構成されている。
【0039】
一実施形態では、前記第1アンテナはモノポールアンテナ、例えばワイヤモノポールアンテナ、例えばPIFAアンテナ、例えば頭頂部が接地平面と平行になるように折り曲げられたモノポールアンテナであってもよい。そのアンテナは、プラスチック上の接地された金属薄板であってもよい。前記第1アンテナは、好ましくはλ/4エレメントであってもよい。前記第1アンテナは、好ましくは、補聴器と通信するように構成されている。前記第1アンテナは、前記接地平面の上方に配置されていてもよい。前記寄生アンテナエレメントは、任意の寄生アンテナエレメント、例えば、好ましくは1/4波長エレメント、例えばプラスチック上の接地された金属薄板である1/4波長エレメントであってもよい。前記第2アンテナは、任意のアンテナであってもよく、例えば任意の従来技術の市販されているアンテナであってもよく、例えばループアンテナであってもよく、好ましくはセラミックチップアンテナであってもよく、例えばSMDアンテナであってもよく、例えば、好ましくはBluetooth互換性のアンテナであってもよい。
【0040】
前記第1アンテナは突出しているエレメントに配置され、前記突出しているエレメント上の導体を介して接地されていてもよい。前記突出しているエレメントは、波長のおよそ1/16の、例えば1/18波長と1/8波長の間の高さを有していてもよい。前記第1アンテナは、動作時に、前記突出しているエレメント上の前記導体を介して、前記支持構造に対して実質的に直交する方向に電流を流すように構成されていてもよい。
【0041】
前記アンテナデバイスは、それぞれ前記第1アンテナおよび前記第2アンテナに接続される、第1トランシーバおよび第2トランシーバをさらに備えていてもよい。前記第1アンテナは、第1プロトコルを使用して送受信するように構成されていてもよく、前記第2アンテナは、第2プロトコルを使用して送受信するように構成されていてもよい。前記第1プロトコルおよび/または前記第2プロトコルは、アンテナアセンブリ内で実装されてもよい。あるいは前記第1プロトコルおよび/または前記第2プロトコルは、前記アンテナデバイスの中央処理装置によって制御されてもよい。前記アンテナプロトコルは、任意のアンテナプロトコルであってよく、例えば任意のWLANプロトコル、例えばTCP/IP,PPPoP,PPTP,例えばBluetooth,例えば任意の特別製のアンテナプロトコルなどであってよい。
【0042】
さらに、前記アンテナは、前記第1アンテナに電気的に結合するように構成された第1電気回路と、前記第2アンテナに電気的に結合するように構成された第2電気回路を備えていてもよい。ここで、前記第1電気回路および前記第2電気回路は、例えばBluetoothプロトコルを使用して前記通信デバイスから前記第2アンテナによって受信された情報が、前記第2電気回路に提供されて、例えば近接プロトコルを介して前記補聴器へ前記第1アンテナを介して送信するために前記第1電気回路に伝送されるように、電気的に結合するように構成されている。前記第2電気回路によって受信される前記情報は、中央制御装置を介して前記第1電気回路へ送信されてもよい。その逆もまた同様である。前記中央処理装置は、前記第2アンテナプロトコルを介して受信された前記情報を、前記第1アンテナプロトコルを介して送信可能な形式へ変換または適合させてもよい。その逆もまた同様である。さらに、前記中央処理装置は、さらなる信号、例えば通信を制御するための信号を送受信してもよい。
【0043】
以下では、本発明の例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照しながら、本発明についてより十分に説明する。しかしながら、本発明は、異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供されている。同様の参照符号は、全体を通して同様の構成要素を参照する。それゆえ、同様の構成要素については、各図の説明において詳細には説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】従来技術のアンテナデバイスでのループアンテナからの放射パターンを模式的に示す。
【図2】従来技術のアンテナデバイスでのモノポールアンテナからの放射パターンを模式的に示す。
【図3】アンテナデバイスが寄生アンテナエレメントを備える場合のループアンテナからの放射パターンを模式的に示す。
【図4】アンテナデバイスが寄生アンテナエレメントを備える場合のモノポールアンテナからの放射パターンを模式的に示す。
【図5】アンテナデバイスでのモノポールアンテナおよびループアンテナについての電流方向を模式的に示す。
【図6】アンテナデバイスに設けられたモノポールアンテナおよびループアンテナについての電流分布を模式的に示す。
【図7】異なる支持基板に配置された第1アンテナ、第2アンテナおよび寄生アンテナエレメントを示す。
【図8】アンテナデバイスが寄生アンテナエレメントを備える場合と備えない場合についての、2つのアンテナの間でのアイソレーションを周波数の関数として示す図である。
【図9】補聴器と通信デバイスの間でのカップリングのためのカップリングデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、支持基板3、例えばプリント回路基板の上に、近接して配置されたモノポールアンテナ2とループアンテナ4を備える、従来技術のアンテナデバイス30を示す。図1では、ループアンテナ4のみがアクティブに励起されており、その放射パターンがドットを用いて示されている。ドットが近接して配置されているほど、放射場の電力は高くなっている。ループアンテナのみがアクティブに励起されている場合であっても、モノポールアンテナ2の周囲にも電磁場が形成されていることが、明らかに見て取れる。図2は、同じモノポールアンテナ2とループアンテナ4を備える、同じ従来技術のアンテナデバイス30を示す。図2では、モノポールアンテナ2のみがアクティブに励起されており、その放射パターンがドットを用いて示されている。ドットが近接して配置されているほど、放射場の電力が高くなっている。モノポールアンテナ2のみがアクティブに励起されている場合であっても、ループアンテナ4の周囲にも電磁場が形成されていることが、明らかに見て取れる。
【0046】
図3は第1アンテナ2、第2アンテナ4および寄生アンテナエレメント5を備える本発明のアンテナデバイス1を示す。第1アンテナ2、第2アンテナ4および寄生アンテナエレメント5は、支持基板3上に配置されている。図3では、第1アンテナ2はモノポールアンテナとして示されており、第2アンテナ4はループアンテナとして示されている。しかしながら、第1アンテナおよび第2アンテナは、任意のアンテナエレメントであってもよい。任意のアンテナエレメントには、パッチアンテナ、モノポールアンテナ、例えばPIFAアンテナ、ダイポールアンテナなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。第1アンテナは、第1の周波数帯域内で動作するように構成されており、第2アンテナは、第2の周波数帯域内で動作するように構成されている。好ましい実施形態においては、第1アンテナおよび第2アンテナの少なくとも一方は約2.4GHzのキャリア周波数を有しているが、キャリア周波数、あるいは主要な動作周波数は、周波数帯の全体の中から選択することができる。第1アンテナと第2アンテナは、(中心から中心まで)距離17だけ離れている。第1アンテナおよび第2アンテナは、例えば半波長の距離内といった、少なくとも一方のアンテナの主要な動作周波数の全波長の距離17内で配置することができる。本実施例では、その距離は約62.5ミリメートルである。
【0047】
第1アンテナ2と第2アンテナ4は同じ軸に沿って、例えば支持基板3の第1エッジ18に沿って配置することができる。あるいは、第1アンテナ2と第2アンテナ4は、互いに対して0°や180°ではない角度で、例えば0°と45°の間の角度で、例えば180°±45°の角度で、あるいはこれらの任意の倍数の角度で、配置することができる。好ましくは、その角度は実質的に0°、あるいは実質的に180°である。従って、第1アンテナ2および第2アンテナ4の偏波は、実質的に同一とすることができる、あるいは第1アンテナの偏波と第2アンテナの偏波の間の角度を0°および±45°の間にすることができる。少なくとも1つの寄生エレメント5は、第1アンテナ2および/または第2アンテナ4に対して実質的に直交するように設けることができ、それによって第1アンテナ2と第2アンテナ4の間を実質的に分離することができる。寄生アンテナエレメント5は、どのような寄生アンテナエレメントでもよく、好ましくは長軸方向を有する寄生アンテナエレメントなどであってもよく、より好ましくはλ/4の寄生アンテナエレメントなどであってもよい。図3では、寄生アンテナエレメント5が、長方形状の支持基板3の第2エッジ19に実質的に沿うように配置されている。第2エッジ19は第1エッジ18に対して実質的に直交している。しかしながら、支持基板3は、任意の他の形状、例えば平行四辺形、台形、あるいはアンテナ2,4または寄生アンテナエレメント5のうちの1つまたはそれ以上に対して接地平面を形成するのに適した任意の他の形状とすることができる。アンテナおよび寄生アンテナエレメントが支持基板3、例えばプリント回路基板(PCB)との最適なカップリングを実現するために、アンテナおよび寄生アンテナエレメントは支持基板のエッジに近接して配置することが好ましい。しかしながら、図面には具体的に示されていないが、アンテナと寄生アンテナエレメントは任意の場所、例えば支持基板上の任意の場所に配置されていてもよい。
【0048】
図3では、第2アンテナ4のみがアクティブに励起されており、第2アンテナが寄生アンテナエレメント5での電磁場を誘導していることが分かる。しかしながら、第1アンテナ2とのカップリングも大幅に低減されていることが分かる。
【0049】
図4には図3に示すものと同一のアンテナデバイスが示されているが、図4では第1アンテナ2のみがアクティブに励起されている。電磁場は第1アンテナ2の周囲に誘導されて、さらに寄生アンテナエレメント5で誘導されていることが、他方では第2アンテナ4とのカップリングが弱いことが分かる。
【0050】
図5はアンテナデバイスにおける励起に対する主要な電流の方向を示している。第1アンテナ2および第2アンテナ4は、第1アンテナと第2アンテナが励起されると、少なくとも1つの寄生エレメント5が、第1アンテナ2とその少なくとも1つの寄生アンテナエレメント5の間で第1の方向6に沿って支持基板3内で電磁誘導電流を流し、第2アンテナ4とその寄生アンテナエレメント5の間で第2の方向7に沿って支持基板3内に電磁誘導電流を流すように、構成されている。ここで、第1の方向と第2の方向は、実質的に直交している。従って、少なくとも第1アンテナ2に対して実質的に直交して配置された寄生アンテナエレメント5は、第1アンテナ2からその寄生アンテナエレメント5に向けて電流を流す。さらに、その寄生アンテナエレメントは、第1の方向6に対して実質的に直交する方向7に沿って、第2アンテナエレメント4から電流を流す。これにより、第1アンテナ2と第2アンテナ4の間のカップリングは、大幅に低減される。
【0051】
図6は、第1アンテナ2および第2アンテナ4の励起に応じて支持基板3内で誘導される電流の、第1アンテナ2、第2アンテナ4および寄生アンテナエレメント5の内部および周囲での、おおよその電流分布を模式的に示す。図6からは、図5に示すように、主要な電流成分が、方向6および方向7に沿って流れることが分かる。
【0052】
図7は、アンテナデバイス1において、各アンテナエレメント2,4,5が分離された支持基板3を有する場合を示している。第1アンテナ2、第2アンテナ4および寄生アンテナエレメント5は、異なる支持基板構造3,3’、3’’、3’’’に配置されていてもよく、互いに着脱可能としてもよいことが分かる。支持基板3,3’、3’’、3’’’は、好ましくは共通の接地電位を有していてもよいが、支持基板3,3’、3’’、3’’’は、相対的に異なる接地電位を有していてもよい。
【0053】
アンテナデバイス1は、さらに、第1アンテナ2に電気的に結合されるように構成された第1電気回路と、第2アンテナ4に電気的に結合されるように構成された第2電気回路とを備えていてもよい。ここで、第1電気回路と第2電気回路は、第2アンテナ4によって受信した情報が第2電気回路へ提供されて、第1アンテナ2を介した送信のために第1電気回路へ伝送されるように、電気的に結合されるように構成されている。第2電気回路によって受信した情報は、中央処理装置(CPU)10を介して、第1電気回路に伝送されてもよい。その逆もまた同様である。図7では、CPU10とやり取りする導体のみが示されている。中央処理装置10は、第2アンテナプロトコルを介して受信された情報を、第1アンテナプロトコルを介して送信可能な形式に変換または適合させることができる。その逆もまた同様である。さらに、中央処理装置10は、さらなる信号、例えば通信を制御するための信号を送受信することができる。図7のアンテナデバイス7は、ハウジング20内に収容されている。
【0054】
図8は寄生アンテナエレメント5が有る場合と無い場合の、第1アンテナ2と第2アンテナ4の間のアイソレーションを、周波数の関数として示している。本実施例では、第1アンテナおよび第2アンテナは約2.4GHzの電磁場を放射するように構成されており、寄生アンテナエレメント5は、低カップリング効率を得られるように、すなわち2.4GHzで良好なアイソレーションを得られるように、調整されている。曲線12は、寄生アンテナエレメントが存在しないアンテナデバイスにおけるアイソレーションを、周波数の関数として示している。2.4GHzの周囲でアイソレーションが改善されていないことが分かる。曲線11は、寄生アンテナエレメント5が存在しており、好ましくは第1アンテナ2と第2アンテナ4の間を実質的に分離するように、寄生アンテナエレメント5が第1アンテナ2および/または第2アンテナ4に対して実質的に直交して配置されているアンテナデバイス1におけるアイソレーションを、周波数の関数として示している。曲線11から分かるように、2.4GHzの周囲でアイソレーションが大幅に改善されており、従って第1アンテナと第2アンテナの間の低いカップリングが実現される。
【0055】
図9では、本発明の実施形態に係るカップリングデバイス21が示されている。カップリングデバイス21は、通信デバイス13、例えば携帯電話と、補聴器15の間のカップリングを提供する。カップリングデバイス21は、補聴器15と通信するように構成された第1アンテナ2と、通信デバイス13と通信するように構成された第2アンテナ4と、少なくとも1つの寄生アンテナエレメント5を備えている。少なくとも1つの寄生エレメントは、第1アンテナと第2アンテナの間を実質的に分離するように、第1アンテナおよび/または第2アンテナに対して実質的に直交するように配置されている。
【0056】
カップリングデバイスを設けることの利点は、補聴器とその補聴器と最適なカップリングが保証されたカップリングデバイスを介して接続可能な外部デバイスとの間の接続を制御可能とすることである。これは、任意の外部デバイス、例えば通信デバイス、コンピュータ、例えばラップトップ、テレビ、補聴器フィッティング装置などとの接続とすることができる。補聴器のユーザにとっては、携帯電話を用いて実行される電気通信がより多くなるけれども、携帯電話を介した通信が困難で信頼性が低いという問題があった。それゆえ、補聴器のユーザが本発明に係るカップリングデバイスと標準的なBluetoothインターフェースを介して携帯電話を使用できるようにすることは、そのカップリングデバイスの大きな利点である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナデバイスであって、
第1の周波数帯で動作するように構成された第1アンテナと、
第2の周波数帯で動作するように構成されており、前記第1アンテナと距離を置いて配置されている第2アンテナと、
少なくとも1つの寄生アンテナエレメントを備えており、
前記第1アンテナと前記第2アンテナを実質的に分離するように、前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントが、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナに対して実質的に直交するように設けられているアンテナデバイス。
【請求項2】
前記第1の周波数帯および前記第2の周波数帯が少なくとも重複しており、例えば前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが実質的に同一の周波数で動作するように構成されている請求項1のアンテナデバイス。
【請求項3】
前記寄生アンテナエレメントが、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナの少なくとも一方の主要な動作周波数の1/4波長の長さを有する請求項1または2のアンテナデバイス。
【請求項4】
前記第1アンテナが補聴器と通信するように構成された近接アンテナであって、前記第2アンテナがBluetoothアンテナまたは無線LANアンテナである請求項1から3の何れか一項のアンテナデバイス。
【請求項5】
前記第1アンテナと前記第2アンテナの間の前記距離が、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナの主要な動作周波数の半波長と全波長の間にある請求項1から4の何れか一項のアンテナデバイス。
【請求項6】
前記第1アンテナ、前記第2アンテナおよび前記寄生アンテナエレメントが、1つまたはそれ以上の支持構造、例えばプリント回路基板を備える支持構造に設けられている請求項1から5の何れか一項のアンテナデバイス。
【請求項7】
前記支持構造が、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナに対する接地平面および/または反射平面を形成する導電性構造である請求項6のアンテナデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの寄生エレメントが、前記第1アンテナと前記少なくとも1つの寄生アンテナエレメントの間で第1の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流し、前記第2アンテナと前記寄生アンテナエレメントの間で第2の方向に沿って前記支持構造内に電磁誘導電流を流すように構成されており、前記第1の方向と前記第2の方向が実質的に直交している請求項6または7のアンテナデバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの寄生エレメントが、前記支持構造から突出している請求項6から8の何れか一項のアンテナデバイス。
【請求項10】
前記第1アンテナが、突出しているエレメント上に配置されており、前記突出しているエレメント上の導体を介して接地されているPIFAアンテナである請求項6から9の何れか一項のアンテナデバイス。
【請求項11】
前記1つまたはそれ以上の支持構造が、前記アンテナに対する接地平面を形成しており、前記第1アンテナが、前記接地平面に沿って、前記接地平面に接続するように、前記支持構造の第1エッジに配置されており、前記第2アンテナが、前記接地平面に沿って、前記接地平面に接続するように、同一の前記第1エッジに、前記第1アンテナから距離を置いて配置されている、請求項6から10の何れか一項のアンテナデバイス。
【請求項12】
前記寄生アンテナエレメントが、前記支持基板の第2エッジに沿って配置されており、前記第1エッジと前記第2エッジは同一平面内にあり、前記第2エッジが前記第1エッジに実質的に直交している、請求項11のアンテナデバイス。
【請求項13】
前記支持基板が細長い平らな基板であって、前記第1アンテナが前記細長い基板の第1の長辺に沿って配置されており、前記第2アンテナが同一の前記長辺に沿って、前記第1アンテナから距離を置いて、前記細長い基板の角部に近接して配置されており、前記寄生アンテナエレメントが、前記細長い基板の短辺に沿って、前記角部に近接して配置されている、請求項6から12の何れか一項のアンテナデバイス。
【請求項14】
近接して配置された第1アンテナと第2アンテナの間のデカップリングをする方法であって、前記第1アンテナは第1の周波数帯で動作するように構成されており、前記第2アンテナは第2の周波数帯で動作するように構成されており、
前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナに対して実質的に直交するように配置された寄生アンテナエレメントを介して前記第1アンテナと前記第2アンテナをデカップリングする工程を備える方法。
【請求項15】
補聴器と通信デバイスの間の通信を円滑にするカップリングデバイスであって、
前記補聴器と通信するように構成された第1アンテナと、
前記通信デバイスと通信するように構成された第2アンテナと、
少なくとも1つの寄生アンテナエレメントを備えており、
前記第1アンテナと前記第2アンテナの間を実質的に分離するように、前記少なくとも1つの寄生エレメントが、前記第1アンテナおよび/または前記第2アンテナに対して実質的に直交するように配置されている、カップリングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−42483(P2013−42483A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−153679(P2012−153679)
【出願日】平成24年7月9日(2012.7.9)
【出願人】(503021401)ジーエヌ リザウンド エー/エス (31)
【氏名又は名称原語表記】GN RESOUND A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, DK−2750 Ballerup Denmark
【Fターム(参考)】