説明

アンテナ用紙、それを用いたシート状アンテナ及びRFIDタグ

【課題】 安価でありながら十分な実用性を備える、ケーブルへの取付といった大量使用の場合でも全体コストを抑制することが可能なアンテナ素材の提供、RFID内蔵ケーブルのように複数のRFIDタグが相互に近接した状況下で使用される場合において、他のRFIDタグからの電波信号と混信しない、電波到達距離が概ね5cm以下、好ましくは1cm以下程度となるアンテナ素材の提供、及び、変形を伴う様々な使用形態に対応できる物性を有するアンテナ素材の提供。
【解決手段】 透気度が4,000秒/100ml以上の紙からなる基材と、前記基材上に蒸着された金属層とを有するアンテナ用紙。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを構成する変形自在な新素材であって、特に、安価でありながら十分な実用性を備えると共に変形に対しても安定したアンテナ性能を発揮する、受信距離の短いRFIDタグ用アンテナ素材、それを用いたアンテナ及びRFIDタグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、リーダライタに代表される外部機器と、電波によって非接触で情報のやり取りを行う種々のRFIDタグが提案されている。このRFIDタグの一種として、プラスチックや紙からなるベースシート(保持基体)上に電波通信用のアンテナとICチップ(ICモジュール)が搭載された構成のものが提案されている。このようなタイプのRFIDタグは、物品等に貼り付けられる等して使用される。そして、その物品に関する情報を外部機器とやり取りすることで物品の識別等が実行される(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
ところで、航空機、鉄道、プラントのように、多数の長い電気配線を張りめぐらせなければならない場合に、製造上の誤配線、メンテナンス上の配線の取り間違いを防ぐためには、これまで目視にて配線につけられた色や表示を確認するしかなかった。そこで、特許文献3には、このような配線の識別策として、RFIDタグを配線に取り付けて、配線を長期間にわたって確実に識別する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平5−166018号公報
【特許文献2】特開平8―216570号公報
【特許文献3】特開2007−140886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献3のようにすべてのケーブルにRFIDタグを取り付ける場合、大量のRFIDタグを要することになるため、RFIDタグ1個に要するコストがケーブル全体のコストに大きく影響する。特に、RFIDタグのアンテナとして使用する金属材はRFIDタグのコストに占める割合が大きい。従来のRFIDタグのアンテナ用金属材の代表的なものとしては、銅薄板エッチング品、アルミニウム薄板エッチング品、銀ペースト印刷品、アルミニウム箔打ち抜き品等があり、これらの場合には製造工程数が多くしかもそれぞれの製造工程の単価が高いこと、使用する金属量が大きいこと、特に銀が高価であること等に起因してRFIDタグがコスト高となるという問題がある。そこで、本発明は、安価でありながら十分な実用性を備える、ケーブルへの取付といった大量使用の場合でも全体コストを抑制することが可能なアンテナ素材を提供することを第一の目的とする。
【0005】
更に、特許文献3に係るRFID内蔵ケーブルのように複数のRFIDタグが相互に近接した状況下で使用される場合、個々のRFIDタグからの電波が強すぎると他のケーブルからの電波信号と混信してしまうために、RFIDタグからの電波到達距離は概ね5cm以下であることが望ましく、1cm以下程度であることがより望ましい。しかしながら、従来のRFIDタグのアンテナは表面電気抵抗が低く高性能であるため、前述の他のケーブルからの電波信号と混信してしまうという問題が発生する。ここで、特許文献1には、アンテナ導体の膜厚を薄くするとアンテナの感度が低くなるのでICカードの通信距離が小さくなることが記載されている。したがって、金属層を蒸着により形成して膜厚を極端に薄くすることにより通信距離を5cm以下に出来そうであるが、特許文献1に具体的に記載された材料、即ち、ガラスエポキシ樹脂、紙エポキシ樹脂又はABSといった、表面に微細構造がないような基材上に蒸着した場合、蒸着金属層が緻密な薄膜状に形成されるために金属層の膜強度が弱くなる結果、ケーブル等の物品の外形に追随させて貼付した後で物品の形状を変形させた場合に、該薄膜にクラックが入って金属層の連続性が失われるという問題がある。そこで、本発明は、RFID内蔵ケーブルのように複数のRFIDタグが相互に近接した状況下で使用される場合において、他のRFIDタグからの電波信号と混信しない、電波到達距離が概ね5cm以下、好ましくは1cm以下程度となる、変形した場合でも性能が低下しないアンテナ素材を提供することを第二の目的とする。
【0006】
更には、例えば、特許文献3では、ケーブルに内蔵されたRFIDタグからの情報を効率的に検出するため、ケーブルの外側で使用される検出器において、螺旋状に巻回させたアンテナを設けた筒形状筐体が採用されている。このように、巻回させたり丸めたり折り曲げたりするといった、アンテナを変形させて使用する新たな使用形態が提案され始めている。したがって、どのような使用形態にも対応できるよう、アンテナ素材は、形状追従性が良好であることに加え、変形によっても破損し難くかつアンテナ性能を維持し得る性質であることが望ましい。しかし、特許文献1に記載されたアンテナ材(例えば、ガラスエポキシ樹脂等の表面に金属蒸着層を設けたアンテナ材)や特許文献2に記載されたアンテナ材(アルミ−PETフィルム)の場合、ケーブル等の物品の外形に追随させて貼付した後で物品の形状を変形させたり貼付後の物品を長期保存した場合に、基材の弾性が強いので該弾性による反力により貼付した物品から剥がれる恐れがあり好ましくない。そこで、本発明は、変形を伴う様々な使用形態に対応できる物性を有するアンテナ素材を提供することを第三の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(1)は、透気度が4,000秒/100ml以上の紙からなる基材と、前記基材上に蒸着された金属層とを有するアンテナ用紙である。ここで、「紙からなる基材」は、紙のみからなる基材だけでなく、表面に紙特有の繊維の絡み合い及び空隙を含む微細構造が残るような加工紙からなる基材全般を包含する概念であり、例えば紙上にコーティング層を有するコーティング紙等も包含する概念である。他方、一般のプラスチックラミネート紙やプラスチック含浸紙は、樹脂単一の表層で表面が覆われているか、前記微細構造が樹脂で埋められて空隙がない状態となっており、もはや表面に紙特有の微細構造が残っていないので前記「紙からなる基材」から除外される。
【0008】
本発明(2)は、前記金属層がアルミニウムからなり、前記金属層の厚さが200オングストローム〜2000オングストロームである、前記発明(1)のアンテナ用紙である。
【0009】
本発明(3)は、前記金属層の表面電気抵抗が0.3Ω〜100Ωである、前記発明(1)又は(2)のアンテナ用紙である。
【0010】
本発明(4)は、前記基材の少なくとも片面が、表面処理剤によりコーティングされている、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つのアンテナ用紙である。
【0011】
本発明(5)は、前記表面処理剤が顔料を含有する、前記発明(4)のアンテナ用紙である。
【0012】
本発明(6)は、前記顔料がカオリンクレーを含む、前記発明(5)のアンテナ用紙である。
【0013】
本発明(7)は、前記表面処理剤が樹脂を含有する、前記発明(4)のアンテナ用紙である。
【0014】
本発明(8)は、前記基材が、ショッパーろ水度70度SR以上の繊維からなる高気密度紙である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つのアンテナ用紙である。
【0015】
本発明(9)は、前記紙がトレーシングペーパーである、前記発明(8)のアンテナ用紙である。
【0016】
本発明(10)は、前記基材がソフトカレンダー処理又はスーパーカレンダー処理された高密度紙である、前記発明(1)〜(9)のいずれか一つのアンテナ用紙である。
【0017】
本発明(11)は、前記発明(1)〜(10)のいずれか一つのアンテナ用紙を用いたシート状アンテナである。
【0018】
本発明(12)は、前記発明(11)のシート状アンテナにICチップが取り付けられているRFIDタグである。
【0019】
本発明(13)は、前記シート状アンテナが長尺状であり、前記ICチップが長手方向に略等間隔に複数配置されている、前記発明(12)のRFIDタグである。
【発明の効果】
【0020】
本発明(1)及び(11)及び(12)によれば、所定値以上の透気度を有する安価かつ変形容易である紙と金属蒸着技術とを組み合わせた結果、(1)基材である紙の表面近傍の繊維間又は紙上の表面処理層の微細構造内へガス状の金属が侵入して付着するため、金属層が立体網目構造的に形成され、変形追従性が良くなるので、アンテナ用紙もしくはシート状アンテナの変形に伴って蒸着層が変形したとしても(厚さ数百から数千オングストロームの金属の単純な薄膜であればクラックが入って断裂するところ)、金属層の連続性が失われないアンテナ部材を提供できると共に、(2)紙基材が所定値以上の透気度を有するため、基材内部への金属成分の過剰な拡散が抑制されるので、少量の金属材料で所望のアンテナ性能(表面電気抵抗値)を発揮することができる。
【0021】
本発明(2)によれば、前記効果に加え、金属材料としてアルミニウムを選択すると共にその蒸着膜厚を200〜2000オングストロームとすることにより、5cm以下程度となるアンテナ性能(以下、低電波到達性能と記す。)を発揮することができるという効果を奏する。また、金属層が安価なアルミニウムより構成されるため、コストを更に抑えることもできる。
【0022】
本発明(3)によれば、前記効果に加え、金属層の表面電気抵抗が0.3〜100Ωと、アンテナとして必要な導電性を有するものの従来のRFIDの金属アンテナよりは低い導電性であるため、RFID内蔵ケーブルのように複数のRFIDタグが相互に近接した状況下で使用される場合でも、他のRFIDタグからの電波信号と混信しない、電波到達距離が5cm以下程度となるアンテナ性能(以下、低電波到達性能と記す。)を発揮することができるという効果を奏する。
【0023】
本発明(4)によれば、前記効果に加え、紙基材がいわゆるコーティング紙であるので、単体ではアンテナ用紙に不適な紙材料であっても、アンテナ用紙に適した透気度の基紙に改質できるようになるという効果があることに加え、コーティングによる複合材料化により紙の基材(以下、基紙と記す。)の保存性や耐気候性等の特性が向上できる効果も奏する。
【0024】
本発明(5)によれば、前記効果に加え、コーティング紙における表面処理剤が顔料を含有するので、顔料が紙材料の空隙を埋める作用により、単体ではアンテナ用紙に不適な透気度が低い紙材料であってもアンテナ用紙に適した透気度に改質する効果を奏し、有色の顔料によって基材の表面を着色すればアンテナを貼り付けられるケーブル等の物品に対して視覚的な識別性を付与するという別の効果も奏する。
【0025】
本発明(6)によれば、前記効果に加え、顔料がカオリンクレーを含むので、カオリンクレーの形状的特徴、すなわち扁平な粒子、によって、紙材料の空隙を埋めるという顔料の作用がより高められるため、単体ではアンテナ用紙に不適な透気度が低い紙材料であってもアンテナ用紙に適した透気度の基紙に改質する効果を更に高めることができる。
【0026】
本発明(7)によれば、前記効果に加え、コーティング紙における表面処理剤が樹脂を含有するので、紙の表面近傍の繊維に樹脂成分が結着して繊維間の空隙を狭める作用、紙表面近傍の繊維に表面処理剤が付着したのち水分蒸発して残った樹脂が紙繊維間に膜や網を形成する作用、紙材料の空隙を埋める樹脂微粒子の作用、該紙繊維に付着させる樹脂バインダーの作用により、単体ではアンテナ用紙に不適な透気度が低い紙材料であってもアンテナ用紙に適した透気度の基紙に改質する効果、更には紙基材を補強して耐久性を向上させる効果を奏する。
【0027】
本発明(8)によれば、前記効果に加え、前記基材がショッパーろ水度70度SR以上という叩解が進んだ繊維からなる高密度紙であるので、表面処理を行うかどうかにかかわらず安定して紙材料単体でアンテナ用紙に適した透気度の基紙となる効果を奏する。
【0028】
本発明(9)によれば、前記効果に加え、前記高密度紙が、トレーシングペーパー、すなわちショッパーろ水度90度SR以上、好ましくはショッパーろ水度97〜99度SRという叩解が非常に進行した繊維からなる超高気密度紙、であるので、表面処理を行うかどうかにかかわらず安定して紙材料単体でアンテナ用紙に適した透気度の基紙となる効果に加えて、アンテナ用紙を作製する場合に、上記高気密度紙を基紙として使用した場合よりも蒸着する金属量を少なくすることができる効果を奏する。
【0029】
本発明(10)によれば、前記基材がスーパーカレンダー処理又はソフトカレンダー処理された高密度紙であるので、表面処理を行わなくても紙材料単体でアンテナ用紙に適した透気度の基紙となる効果を奏する。加えて、表面処理を行った透気度の高い紙材料においてもさらにスーパーカレンダー処理又はソフトカレンダー処理により透気度を高めることができ、アンテナ用紙を作製する場合に、カレンダー処理しなかった場合よりも蒸着する金属量を少なくすることができる等の効果を奏する。
【0030】
本発明(13)によれば、ケーブル用のRFIDタグは、電波到達距離をあえて短くすることで隣接する別のケーブルの別のRFIDタグからの電波と混信しないようにしているため、1本のケーブルが長い場合には同一のID情報を持つRFID用のICチップ(以下、RFIDチップと記す。)を略等間隔に設置してそのケーブルからごく近い距離ではどこでもケーブルを特定する同一のID情報の電波が得られるようにする必要がある。このように1本のケーブルに複数の同一のRFIDチップを装着する際、本発明(13)によれば、RFIDチップが接続された長尺状のシート状アンテナを1本のケーブルに貼付することで容易に等間隔にRFIDタグが設置されたケーブルを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の最良形態を説明する。尚、本発明の技術的範囲は本最良形態には何ら限定されない。
【0032】
《アンテナ用紙》
本最良形態に係るアンテナ用紙の断面図を図1に示す。本最良形態に係るアンテナ用紙は、紙からなる基材1と、当該基材上に蒸着により形成された金属層2とを有する。まずは、金属層について詳細に説明し、続いて基材について詳細に説明する。
【0033】
金属層
金属層を構成する金属は、特に限定されず、アルミニウム、金、銀、銅、スズ又は亜鉛等を挙げることができる。これらの内、低コストであるという点でアルミニウムが好適である。アルミニウムを使用すると、低コストで済むことに加え、基材となる紙の成分に定着剤として硫酸アルミニウムを使用している場合、紙との親和性が良く耐久性の高い金属層が形成できる。尚、ニクロム合金等の抵抗性材料を用いると感度を低くでき、銅やアルミニウム等を用いると感度を高くすることができる。
【0034】
金属層の厚さは、金属としてアルミニウムを選択した場合、200〜2000オングストローム、特に300〜800オングストロームが好ましい。200オングストロームより薄いと積層される金属層が薄くなり金属層の連続性が阻害され、該金属層がアンテナとして機能しなくなる恐れがある。また2000オングストロームより大きい場合には、該金属層のアンテナとしての性能が損なわれることはないが、金属層の表面電気抵抗値が低くなりすぎて必要以上に電波到達距離が長くなってしまう恐れがあるとともに、使用する金属の量が多くなるためにコスト上の優位性が得られにくくなる恐れもある。300〜800オングストロームにおいては金属層の連続性が安定して得られるとともに、該金属層のアンテナ性能も十分に得ながら使用する金属の量を少なくできるのでコスト上のメリットが得られる。また、他の金属については、前述のアルミニウムの好適な厚さ範囲を基準とし、アルミニウムの抵抗率と当該金属の抵抗率との差異を踏まえ、その厚さを適宜設定すればよい。尚、「金属層の厚さ」は、下記式により算出するものとする。
[金属層の厚さ]=[基材に含まれる金属の体積]/[金属層が形成されている表面積]
ここで、「基材に含まれる金属の体積」は、当該基材に含まれる金属の重量を金属の密度で除して算出する。
[基材に含まれる金属の体積]=[基材に含まれる金属の重量]/[金属の密度]
また、「基材に含まれる金属の重量」は、
(1)金属蒸着前後の基材の重量変化から求めた実測値、
(2)アンテナ部材から金属を酸溶解等の慣用方法で分離し、質量分析等による慣用方法で定量した分析値、
或いは
(3)蒸着時間等から割り出した推定値(換算値)、
のいずれであってもよく、実施例における「金属層の厚さ」は、(3)の手法を採用している。
従って、同じ金属層の厚さで蒸着した場合でも、実際に顕微鏡で断面観察した基材上の金属層の実測厚さは基材表面の構造によって変わる。例えば紙からなる基材の場合には、表面に紙特有の繊維の絡み合い及び空隙を含む微細構造が存在しており、蒸着により金属成分は該微細構造に侵入してより内部側の繊維に付着するために、本特許請求の範囲等でいう金属層の厚さよりも前記実測厚さは大きくなる。
【0035】
金属層の表面電気抵抗は、100Ω以下が好適であり、50Ω以下がより好適であり、20〜0.3Ωが更に好適である。100Ωより大きいと金属層のアンテナ性能が十分に得られず、電波到達距離が短すぎるか全く通信できない恐れがある。逆に0.3Ωより小さいと、必要以上に電波到達距離が長くなってしまう恐れがある。尚、表面電気抵抗は、金属層の表面の2cmの距離を有する二点に電極を接触させて得られる抵抗値である。具体的には、A4サイズの基材を温度23℃、湿度50%の環境に1日放置した後、同じ環境でSOAR社製3450型デジタルマルチメータを用い、棒針状の電極2個の距離を2cmに保ち基材の金属層表面に接触させ、表面電気抵抗の測定を3回行い、その平均値が上記表面電気抵抗値である。
【0036】
基材
本最良形態に係るアンテナ用紙の基材は、紙からなる。ここで、当該紙の透気度は、4000秒/100ml以上が好適である。透気度の上限は特にない。尚、透気度の測定に際して本実施例で使用した測定器では、測定の上限が10万秒である(実施例中の「透気度」の項目の「↑」は10万秒を超えたことを意味する)。当該範囲の透気度の紙を選択することにより、形状追従性に優れた基材となるとともに、基材上に金属が蒸着され金属層が形成された場合には、該金属層において、変形によっても金属層の連続性が途絶えることなくかつ表面電気抵抗が低電波到達性能を発揮するのに適した範囲となる。尚、透気度は、コーティングする表面処理剤の種類や量、パルプの叩解度、パルプの種類、カレンダー処理の圧力等を変化させることにより、調節することが可能である。透気度は、JIS P 8117−1998の方法により測定する。
【0037】
ここで、当該性質を有する基材としては、例えば、コーティング紙、剥離紙、高気密度紙、高密度紙、が挙げられる。中でも、コーティング紙、高気密度紙及び高密度紙が好適である。以下、これら好適な基材について詳述する。
【0038】
(コーティング紙)
コーティング紙としては、特に限定されないが、例えば、キャストコート紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工印刷用紙等が挙げられる。コーティング紙は、セルロース、ヘミセルロース等を主成分とするパルプからなる基材と、当該基材上に適用された表面処理剤とを有する。更に、必要に応じて内添用添加剤を含む場合がある。コーティング紙の表面処理剤としては、特に限定されないが、顔料+バインダー+分散媒(例えば水)からなる表面処理剤、或いは、樹脂(例えば水系樹脂)+溶媒又は分散媒(例えば水)からなる表面処理剤であることが好適である。以下、各剤について更に詳述する。
【0039】
まず、顔料タイプの表面処理剤に含有する顔料としては、カオリンクレー、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボン、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、タルク、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等を挙げることができる。また、バインダーとしてはラテックス、澱粉、プロテイン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールを挙げることができる。更に、前記ラテックスとしては、例えばスチレン・ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系、エチルビニルアセテート(EVA)がある。前記澱粉としては、例えば酸化澱粉、リン酸エステル化澱粉がある。前記プロテインとしては、例えばカゼイン、大豆がある。これらの表面処理剤は、蛍光染料、分散剤、腐食剤、消泡剤、滑剤等の添加剤を有していてもよい。表面処理剤の量は、使用する顔料やバインダーによっても異なるが、通常3〜30g/mであり、5〜20g/mが好適である。
【0040】
次に、水系樹脂タイプの表面処理剤に関しては、水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系ポリマー、アルギン酸ソーダ、キトサン、生澱粉や酸化澱粉、各種変成澱粉といった澱粉類、水溶性ポリエステル等を挙げることができ、また、水系エマルジョン樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンワックス類、シリコーン等を挙げることができる。表面処理剤の量は、特に限定されないが、通常、0.5〜10.0g/m、好ましくは1.0〜6.0g/mである。
【0041】
当該表面処理剤の塗工方法としては、一般に広く用いられているサイズプレスコーター、フィルムプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードコーター、スプレーコーター、カーテンコーター、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の各種コーターの使用、或いはスクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の印刷手段の使用を挙げることができ、特に制限はない。特に、抄紙機に付加的に設置して塗工できる各種コーターを使用すると原紙の製造からコーティング紙の加工までを1ラインで連続的に行うことができ好適である。
【0042】
内添用添加剤としては、炭酸カルシウム、カオリンクレー、二酸化チタン等の前記表面処理剤の成分から適宜選択することができ、更に紙力増強剤、サイズ剤及び定着剤等を挙げることができる。紙力増強剤としてはポリアクリルアミド、生澱粉や酸化澱粉、各種変性澱粉といった澱粉類等を挙げることができる。サイズ剤としては、ロジン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等を挙げることができる。定着剤としては硫酸バンド(硫酸アルミニウム) 等を挙げることができる。
【0043】
(高気密度紙)
高気密度紙としては、ショッパーろ水度70度SR以上の繊維からなる紙が好ましい。尚、パルプ等の繊維の叩解は、ビーター、コニカルリファイナー、ディスクリファイナー、ドラム型リファイナー等を適宜使用する。また、叩解の程度は、JIS P8121−1995「ショッパーろ水度試験方法」に基づきショッパーろ水度を測定する。ここで、より好適な高気密度紙は、更に叩解がより進んだ繊維からなるトレーシングペーパー、すなわちショッパーろ水度90度SR以上、好ましくはショッパーろ水度97〜99度SRという叩解が非常に進行した繊維からなる超高気密度紙である。
【0044】
(高密度紙)
高密度紙は、スーパーカレンダー処理又はソフトカレンダー処理された紙である。カレンダー処理を行うスーパーカレンダー装置又はソフトカレンダー装置は、これらを単独で使用する以外に組み合わせて行ってもよい。例えば、前述した表面処理剤で当該高密度紙を処理したものを使用してもよい。
【0045】
《アンテナ用紙の製造方法》
本最良形態に係るアンテナ用紙は、上記の紙基材に金属薄膜を蒸着することにより製造可能である。尚、蒸着は、周知の方法で実施可能である。
【0046】
《アンテナの製造方法》
本最良形態に係るアンテナは、本最良形態に係るアンテナ用紙を所望形状(例えば、長尺状、コイル状)に切断することにより製造可能である。或いは、本最良形態に係るアンテナは、本最良形態に係るアンテナ用紙の金属層を放電加工・エッチング・切削除去により基体から除去する方法によっても製造可能である。ここで、後者の製法において、放電加工の場合には、例えば、マスクを使用したりスキャニングすることにより所望形状のアンテナが構築可能である。更には、切削除去に関しては、除去したい部分を例えばエンドミルにより切削除去する方法(例えば、特開2003−162701に記載の方法)が採用可能である。
【0047】
《RFIDタグの製造方法》
本最良形態に係るRFIDタグは、所望形状に切断されたアンテナ上にICチップを導電性接着剤等により接合することで製造可能である。或いは、本最良形態に係るRFIDタグは、所望形状に切断されたアンテナを送受信アンテナとして保持基体上に貼付することでも製造可能である。この際、送受信アンテナが紙を基材とするため、紙に接着剤が浸透して優れたアンカー効果を奏する結果、保持基材にしっかりと固着可能であるというメリットがある。ここで、使用可能な接着剤は、特に限定されず、例えば、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、感圧性接着剤、より具体的には、一般的なアクリル樹脂、天然及び合成ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、デンプン、シリコーン系化合物、ニカワ、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム等の合成ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル酸エステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂等の樹脂を単独で或いは溶液、水溶液、エマルジョンの形で用いることができる。
【0048】
《アンテナの用途》
本最良形態に係るアンテナは、電波到達距離が比較的短い(好適には1cm以下)ため、電波到達距離が長いことに起因した電波信号の混信が問題となる用途、例えば、複数のRFIDタグを相互に近接して配置して使用する際の(例えば特許文献3)RFIDタグの送受信用アンテナとして有効である。
【0049】
更に、本最良形態に係るアンテナは、アンテナ基材が紙である故に形状追従性に優れているため、巻回させたり丸めたり折り曲げたりする使用形態に適している。具体例としては、ケーブル一本一本に巻き付けて使用する形態の、長尺状のアンテナ部材としての使用に好適である。より具体的には、長尺状に切断されたアンテナ上に所定間隔を隔ててICチップを配置したものを、飛行機、鉄道、プラント等の配線に巻き付けて使用する形態である。この場合、アンテナをケーブルに螺旋状に巻回させて使用するが、アンテナ基材が紙であるため、ケーブルに対する追従性が良好であり、かつ、ケーブルの曲げ変形によっても破損し難い。
【0050】
更に、本最良形態に係るアンテナは、基材が紙であることに加えて使用する金属量も蒸着なので少ない故に安価であるので、大量の使用に適している。例えば、特許文献3のように、ケーブルに内蔵されたRFIDタグからの情報を検出するための長尺状アンテナとして最適である。
【実施例】
【0051】
以下、実施例を参照しながらより具体的に本発明を説明する。尚、以下の説明中、「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0052】
実施例1<PVA塗工蒸着紙の作製>
広葉樹さらしクラフトパルプ(以下、LBKPと記す。)50部、針葉樹さらしクラフトパルプ(以下、NBKPと記す。)50部に配合したパルプをダブルディスクリファイナーによりショッパーろ水度85度SRに叩解した原料をオントップ式長網抄紙機により抄造し、固形分5.5%濃度のカルボキシ変性ポリビニルアルコール(ゴーセナールT−330、日本合成化学社製)塗料(液温60℃)をサイズプレスにて両面塗工して坪量50g/mのポリビニルアルコール塗工紙(含水率3%)を作製した。
このポリビニルアルコール塗工紙をアルミニウムが蒸発物質である高周波誘導加熱方式の真空蒸着機に掛け、片面にアルミ蒸着して、アルミニウム膜厚さ350オングストロームのポリビニルアルコール塗工蒸着紙を作製した。
【0053】
実施例2<クレー塗工蒸着紙の作製>
LBKP70部、NBKP30部に配合したパルプをダブルディスクリファイナーによりショッパーろ水度45度SRに叩解した原料に軽質炭酸カルシウム10部、紙力増強剤としてカチオン化デンプン1.0部、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(サイズパインK−915、荒川化学工業社製)0.15部を添加して長網抄紙機により抄造し、下記の塗料(液温40℃)をブレードコーターにて塗工して(表面塗工量10g/m、裏面塗工量2g/m)坪量60g/mのクレー塗工紙(含水率3%)を作製した。
このクレー塗工紙をアルミニウムが蒸発物質である高周波誘導加熱方式の真空蒸着機に掛け、表面にアルミ蒸着して、アルミニウム膜厚さ350オングストロームのクレー塗工蒸着紙を作製した。

表面塗料
1級カオリン(ラストラ、エンゲルハード社製)100部
SBRラテックス(JSR0623A、JSR社製)35部
酸化デンプン(MS#3800、日本食品化工社製)13部
ステアリン酸カルシウム(ノプコートC−104、サンノプコ社製)0.8部
ポリアクリル酸系分散剤(シャロールAN−103、第一工業製薬社製)0.3部
アンモニアと水酸化ナトリウムによりpH9.0に調整し固形分濃度52%の水系塗料を作製した。
裏面塗料
酸化デンプン(MS#3800、日本食品化工社製)100部
固形分濃度15%の水系塗料を作製した。
【0054】
実施例3<高密度・高気密度紙を基材とした蒸着紙の作製>
NBKP80部、LBKP20部に配合したパルプをダブルディスクリファイナーによりショッパーろ水度70度SRに叩解した原料をサイズ剤としてロジン(サイズパインE−50、荒川化学工業社製)0.2部、定着剤として硫酸アルミニウム3部を添加してソフトカレンダーを有する長網抄紙機により抄造し、温度120℃のソフトカレンダーで3000N/cmの線圧で処理することにより密度1.10、坪量50g/mの高気密度紙(含水率3%)を作製した。
この高密度・高気密度紙をアルミニウムが蒸発物質である高周波誘導加熱方式の真空蒸着機に掛け、片面にアルミ蒸着して、アルミニウム膜厚さ350オングストロームの高密度・高気密度紙を基材とした蒸着紙を作製した。
【0055】
実施例4<トレーシングペーパー蒸着紙の作製>
NBKP80部、LBKP20部に配合したパルプをダブルディスクリファイナーによりショッパーろ水度98度SRに叩解した原料をサイズ剤としてロジン(サイズパインE−50、荒川化学工業社製)0.2部、定着剤として硫酸アルミニウム3部を添加してオントップ式長網抄紙機により抄造し坪量40g/m2のトレーシングペーパー(含水率3%)を作製した。
このトレーシングペーパーをアルミニウムが蒸発物質である高周波誘導加熱方式の真空蒸着機に掛け、片面にアルミ蒸着(蒸着厚さを蒸着時間で制御)して、アルミニウム膜厚さ300オングストロームのトレーシングペーパー蒸着紙を作製した。
【0056】
比較例1<市販上質紙に蒸着した紙の作製>
市販の上質紙(NPi上質紙、日本製紙株式会社製)をアルミニウムが蒸発物質である高周波誘導加熱方式の真空蒸着機に掛け、片面にアルミ蒸着(蒸着厚さを蒸着時間で制御)して、アルミニウム膜厚さ350オングストロームの上質紙ベース蒸着紙を作製した。
【0057】
各種の紙に対して、蒸着前の透気度及び蒸着後の電気抵抗値を測定した。
その結果を表1に示す。尚、表1中、「抵抗値」の項目の「測定不能」は電気導通がなく抵抗値が無限大に大きいことを意味する。
【0058】
【表1】

【0059】
これらの蒸着紙をアンテナの形状に切削加工し、RFIDタグのアンテナとして用いた。図2は実施例5〜8及び比較例2で用いたアンテナの正面図である。図3は実施例5〜8及び比較例2で用いたRFIDチップを接続したアンテナの正面図である。
【0060】
実施例5
実施例1のアンテナ用紙を、カッターナイフで幅2mm、長さ6cmの長方形に成形し、更にこの長方形の短辺の片方に幅0.6mm長さ20mmのスリットを設けた形状、すなわち図2に示すような形状の双極アンテナ3を作製した。
このアンテナ3と、2.45GHz帯のRFIDチップ4とをワイヤボンド接続し、図3に示すようなRFIDチップを接続したアンテナを作製した。
実施例5ではこのアンテナの送受信性能を確認するため、アンテナを常温常圧の実験室の水平な台上に静置し、アンテナの中心部から1cm、5cm及び10cmの距離で非接触リーダライタ6によるリードライト試験を行った。図4は試験の様子を説明する概略図である。
【0061】
実施例6〜8、比較例2
実施例2〜4及び比較例1のアンテナ用紙についても、前記実施例5と同様に、それぞれアンテナ形状を整え、RFIDチップを接続し、それぞれ実施例6〜8及び比較例2としてリードライト試験を行った。
【0062】
非接触リーダライタ6によるリードライト試験の結果を表2に示す。
○:動作した。
△:動作する場合と動作しない場合とがあった。
×:動作しなかった。
実施例5〜8については1cmの距離で正常に動作することが確認できたが、比較例2については動作が確認できなかった。また5cmの距離では実施例7が動作しなかったが、他の実施例では動作が不確実を含むが動作する結果となった。更に10cmの距離ではすべての実施例及び比較例において動作が認められなかった。
【0063】
【表2】

【0064】
実施例9
実施例1のアンテナ用紙を、カッターナイフで幅2mmの長尺状に成形し、更にこの長尺形状の中心部に幅0.6mm長さ20mmのスリットを6cm間隔で設けた形状、すなわち図5に示すような形状の長尺状アンテナ7を作製した。
この長尺状アンテナ7に複数の2.4GHz帯のRFIDチップ4を6cm間隔で絶縁性接着剤(エポキシ系)により固定した後、ワイヤボンド接続し、図6に示すようなRFIDチップを6cm間隔に接続した長尺状のRFIDタグを作製した。
更に、この長尺状RFIDタグを両面テープ(アクリル系)を適宜使用して4CFV同軸ケーブルに螺旋状に巻付けし、図7に示すような長尺状RFIDタグ巻きつけケーブル8を作製した。常温常圧の実験室の水平な台上に静置し、アンテナから1cmの距離で非接触リーダライタ6によるリードライト試験を行い、アンテナから1cmの距離であればどの場所でも動作することを確認した。
【0065】
実施例10<変形追従耐久性試験>
実施例1〜4のアルミニウム蒸着基材から幅2mm長さ4cmの試験片を切り出し、蒸着面を山側として長さ2cmになるように中心付近で二つ折りにし、折り目を指で軽く押さえた後再び元の状態に展開する。これを5回繰り返したのち、折り目の両側の導通があるかどうかをテスターで確認した。その結果、いずれの実施例についても、5回180度折り曲げ復元後の金属連続性(電気導通)について問題を生じないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本最良形態に係るアンテナ用紙の断面図である。
【図2】図2は、実施例に係るアンテナの上面図である。
【図3】図3は、実施例に係るRFIDチップを接続したアンテナの上面図である。
【図4】図4は、実施例に係るRFIDチップを接続したアンテナの性能の測定状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施例に係る長尺状アンテナの上面図である。
【図6】図6は、実施例に係る長尺状RFIDタグの上面図である。
【図7】図7は、実施例に係る長尺状RFIDタグ巻きつけケーブルの正面図である。
【符号の説明】
【0067】
1基材 2アルミ蒸着層 3双極アンテナ 4RFIDチップ 5ワイヤボンド 6非接触リーダライタ 7長尺状アンテナ 8ケーブル 9長尺状RFIDタグ巻きつけケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透気度が4,000秒/100ml以上の紙からなる基材と、
前記基材上に蒸着された金属層と
を有するアンテナ用紙。
【請求項2】
前記金属層がアルミニウムからなり、前記金属層の厚さが200オングストローム〜2000オングストロームである、請求項1記載のアンテナ用紙。
【請求項3】
前記金属層の表面電気抵抗が0.3Ω〜100Ωである、請求項1又は2記載のアンテナ用紙。
【請求項4】
前記基材の少なくとも片面が、表面処理剤によりコーティングされている、請求項1〜3のいずれか一項記載のアンテナ用紙。
【請求項5】
前記表面処理剤が顔料を含有する、請求項4記載のアンテナ用紙。
【請求項6】
前記顔料がカオリンクレーを含む、請求項5記載のアンテナ用紙。
【請求項7】
前記表面処理剤が樹脂を含有する、請求項4記載のアンテナ用紙。
【請求項8】
前記基材が、ショッパーろ水度70度SR以上の繊維からなる高気密度紙である、請求項1〜3のいずれか一項記載のアンテナ用紙。
【請求項9】
前記紙がトレーシングペーパーである、請求項8記載のアンテナ用紙。
【請求項10】
前記基材がソフトカレンダー処理又はスーパーカレンダー処理された高密度紙である、請求項1〜9のいずれか一項記載のアンテナ用紙。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項記載のアンテナ用紙を用いたシート状アンテナ。
【請求項12】
請求項11記載のシート状アンテナにICチップが取り付けられているRFIDタグ。
【請求項13】
前記シート状アンテナが長尺状であり、前記ICチップが長手方向に略等間隔に複数配置されている、請求項12記載のRFIDタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−239817(P2009−239817A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85896(P2008−85896)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000153591)株式会社巴川製紙所 (457)
【Fターム(参考)】