説明

アーケード屋根開閉方法及び装置

【課題】停電時であって、さらにアーケード街路に面した建物に火災が起こった場合に、消火活動のためにアーケード屋根を開閉することが可能なアーケード屋根開閉方法及び装置を提供することである。
【解決手段】アーケード屋根をモーターにより開閉するアーケード屋根開閉システムが、アーケード屋根、商用電源と非常用電源装置、交流モーター又は直流モーターからの駆動力でアーケード屋根を開閉するアーケード屋根移動機構から構成され、アーケード屋根移動機構は、交流モーターと直流モーター、通常用回転軸と非常用回転軸、通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチ、通常用プーリーと非常用プーリー、通常用ベルトと非常用ベルトから構成されることを特徴とするアーケード屋根開閉システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電時であって、さらにアーケード街路に面した建物に火災が起こった場合であっても、消火活動のためにアーケード屋根を開閉することが可能なアーケード屋根開閉方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市の商店街、繁華街等の街路には雨避け等を目的としてアーケードが設置されているところが多い。アーケードは商店街等に消費者が多く集まるよう美的であるように造られる必要がある。多くは、鉄骨やアルミ柱を支柱とし、ドーム状または山状の屋根を設けている。屋根は鉄やアルミで骨組みされ、採光のためや、空を眺めたりすることができるようポリカーボネート等の透明なプラスチックでできている場合も多い。
しかし、アーケードの構造は、支柱に街路に沿って水平部材を設けて、水平部材にドーム状または山状の屋根を設けた一体構造である。
アーケード街路に面した建物に火災が起こった場合に、消火活動のために一部のアーケード屋根を排除して、アーケードより上に位置する建物の消防活動を行う必要があるが、
アーケード構造物が一体構造となっているためにアーケード屋根を排除するのが困難で、消防活動に支障をきたすことが指摘されている。
従来技術として、移動屋根の発明として以下のような発明が有る。
「特許文献1」特許第2534127号公報では、スタジアム、コンサートホール等の大規模施設の上方に架設されて好適な開閉式屋根に係り、特に構造が簡易で円滑な開閉動作を実現しうる開閉式屋根に関する発明が開示されている。
「特許文献2」特開平2−256745では、アーケード内において、各種の飾り付け、その他の書設備を容易にして商店街の美化を図る移動式アーケードに関する発明が開示されている。
【特許文献1】特許第2534127号公報
【特許文献2】特公平3−45184
【0003】
しかし、 アーケード街路に面した建物に火災が起こった場合に、消火活動のために一部のアーケード屋根を排除して、アーケードより上に位置する建物の消防活動を行う必要のためにアーケード屋根を排除(あるいは開閉)する技術の実現が待たれるが、かかる技術は、上記特許文献には何らの開示もない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、下記の本発明が解決しようとする課題に鑑み、鋭意検討を重ねて完成したものであり、
本発明が解決しようとする課題は、停電時であって、さらにアーケード街路に面した建物に火災が起こった場合に、消火活動のためにアーケード屋根を開閉することが可能なアーケード屋根開閉方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための手段は、本願請求の範囲の各請求項に記載の発明であり、具体的には以下の通りである。
ここに、請求項1に記載の発明は、第1の発明ともいい、
請求項2に記載の発明は、第2の発明ともいい、
請求項3に記載の発明は、第3の発明ともいい、
請求項4に記載の発明は、第4の発明ともいい、
請求項5に記載の発明は、第5の発明ともいい、
請求項6に記載の発明は、第6の発明ともいい、
請求項7に記載の発明は、第7の発明ともいい、
請求項8に記載の発明は、第8の発明ともいい、
請求項9に記載の発明は、第9の発明ともいい、
請求項10に記載の発明は、第10の発明ともいい、
請求項11に記載の発明は、第11の発明ともいい、
請求項12に記載の発明は、第12の発明ともいう。
請求項13に記載の発明は、第13の発明ともいう。
【0006】
本願(特に、特許請求の範囲、明細書等)において使用する用語の解釈上の疑義を解消すべく、以下説明する。
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【0007】
<用語の説明>
○アーケード屋根とは、都市の商店街、繁華街等の街路には雨避け等を目的として設置された屋根をいう。
○アーケード屋根(移動屋根)とは、通常時は、道路前方に移動させて青空の見える開放的な空間を形成し、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、非常用電源装置からの非常用電力により、直流モーターを駆動させると共に、非常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させて、道路前方に移動(開閉)させるアーケード屋根をいう。
○アーケード固定屋根とは、歩道両側に並設された建築物の入口に立設された柱によって支持された記構造体によって、構造体と固定屋根は、片持ち梁式に一体結合されてなる移動できない屋根をいう。
○モーターとは、アーケード屋根を開閉するための駆動力を与える原動機をいう。
本発明においては、通常時にアーケード屋根を開閉するための駆動力を与えるモーターには交流モーターを用い、非常時にアーケード屋根を開閉するための駆動力を与えるモーターには直流モーターを用いる。
○アーケード屋根開閉システムとは、アーケード屋根を開閉するためシステムをいう。
アーケード屋根開閉システムは、アーケード屋根、商用電源と非常用電源装置、交流モーター又は直流モーターからの駆動力でアーケード屋根を開閉するアーケード屋根移動機構から構成される。
○アーケード屋根移動機構は、交流モーター又は直流モーターからの駆動力でアーケード屋根を開閉する機構である。
アーケード屋根移動機構は、交流モーターと直流モーター、通常用回転軸と非常用回転軸、通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチ、通常用プーリーと非常用プーリー、通常用ベルトと非常用ベルトから構成される。
○電磁クラッチとは、通電することによって発生する電磁力で回転軸の連結・切り離し・保持を行う装置で、本発明においては、コイルへの通電を行うことでクラッチが入り状態(モーターから駆動力がプーリーに伝わる状態)になり、通電が切れたときにスプリング等の力でクラッチが切り状態(モーターから駆動力がプーリーに伝わらない状態)になる形式のクラッチをいう。
○非常時とは、停電時その他電動機の故障時をいう。
○通常時とは、停電時その他電動機の故障時(非常時)以外の時をいう。
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【0008】
<記号の説明>
数字若しくはアルファベット文字の後ろに付されるサフィクスが1の数字は、通常時に用いられることを表し、
数字若しくはアルファベット文字の後ろに付されるサフィクスが2の数字は、非常時に用いられることを表す。
なお、商用電源は、通常用電源と同義であり、非常用電源装置は、通常用電源と同義である。
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【0009】
「請求項1」
アーケード屋根をモーターにより開閉するアーケード屋根開閉システムが、アーケード屋根、商用電源と非常用電源装置、交流モーター又は直流モーターからの駆動力でアーケード屋根を開閉するアーケード屋根移動機構から構成され、アーケード屋根移動機構は、交流モーターと直流モーター、通常用回転軸と非常用回転軸、通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチ、通常用プーリーと非常用プーリー、通常用ベルトと非常用ベルトから構成され、アーケード屋根は、アーケード屋根の両側で通常用ベルト及び非常用ベルトと結合されてなり、交流モーターと通常用プーリーは、通常用電磁クラッチを介して通常用回転軸で接続されてなり、直流モーターと非常用プーリーは、非常用電磁クラッチを介して非常用回転軸で接続されてなり、交流用モーターと通常用電磁クラッチは、通常用電源装置と通常用電力線で接続され、直流モーターと非常用電磁クラッチは、非常用電源装置と非常用電力線で接続されることを特徴とするアーケード屋根開閉システム。
「請求項2」
通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは、共に通電時に入り状態となり、非通電時に切り状態となる電磁クラッチであることを特徴とする請求項1に記載のアーケード屋根開閉システム。
「請求項3」
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方片側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載のアーケード屋根開閉システム。
「請求項4」
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアーケード屋根開閉システム。
「請求項5」
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ワイヤー、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ワイヤーから構成され、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーは通常用回転軸と、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーは非常用回転軸及とそれぞれ結合されることを特徴とする請求項1〜4の何れかにアーケード屋根開閉システム。
「請求項6」
請求項1〜5の何れかに記載のアーケード屋根開閉システムにおいて、
通常時は、商用電源からの商用電力により、交流モーターを駆動させると共に、通常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉し、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、非常用電源装置からの非常用電力により、直流モーターを駆動させると共に、非常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉することを特徴とするアーケード屋根開閉方法。
「請求項7」
交流モーターと直流モーターを作動させない場合、定常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは共に切り状態に有り、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、直流モーターを駆動させると共に、非常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉することを特徴とする請求項6に記載のアーケード屋根開閉方法。
「請求項8」
アーケード屋根を開閉する作業が終了した場合には、非常用電源装置からの非常用電力を切断して、非常用電磁クラッチを切り状態とすることを特徴とする請求項6〜7の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法。
「請求項9」
停電復旧後には、交流モーターを駆動させると共に、通常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法。
「請求項10」
通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは、共に通電時に入り状態となり、非通電時に切り状態となる電磁クラッチであることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法。
「請求項11」
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方片側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項6〜10の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法
「請求項12」
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項6〜11の何れかに記載のーケード屋根開閉方法。
「請求項13」
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ワイヤー、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ワイヤーから構成され、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーは通常用回転軸と、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーは非常用回転軸及とそれぞれ結合されることを特徴とする請求項6〜12の何れかに記載のーケード屋根開閉方法。
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【発明の効果】
【0010】
本発明に係る、アーケード屋根開閉方法及び装置は、上記の特徴的構成により、以下のような当業者予測不可能な顕著な効果を奏する。
【0011】
○第1の発明の効果
第1の発明によれば、本発明が解決しようとする課題を達成することができた。
即ち、本発明の「アーケード屋根をモーターにより開閉するアーケード屋根開閉システムが、アーケード屋根、商用電源と非常用電源装置、交流モーター又は直流モーターからの駆動力でアーケード屋根を開閉するアーケード屋根移動機構から構成され、アーケード屋根移動機構は、交流モーターと直流モーター、通常用回転軸と非常用回転軸、通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチ、通常用プーリーと非常用プーリー、通常用ベルトと非常用ベルトから構成され、アーケード屋根は、アーケード屋根の両側で通常用ベルト及び非常用ベルトと結合されてなり、交流モーターと通常用プーリーは、通常用電磁クラッチを介して通常用回転軸で接続されてなり、直流モーターと非常用プーリーは、非常用電磁クラッチを介して非常用回転軸で接続されてなり、交流用モーターと通常用電磁クラッチは、通常用電源装置と通常用電力線で接続され、直流モーターと非常用電磁クラッチは、非常用電源装置と非常用電力線で接続されること」の構成とすることにより、停電時であっても、直流モーターの電源スイッチを入り状態にして、非常用電源装置からの非常用電力の通電によって非常用電磁クラッチを、切り状態とした後、直流モーターを駆動することによって、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するアーケード屋根開閉システムを提供することができる。
【0012】
○第2の発明の効果
さらに第2の発明によれば、通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは、共に通電時に入り状態となり、非通電時に切り状態となる電磁クラッチであるという特徴的な構成要件により、以下のような当業者予測不可能な顕著な効果を奏する。
すなわち、本発明の特徴的構成要件によれば、「停電時には、商用電源からは通常用モーター及び通常用電磁クラッチに商用電力を供給することができないが、非常用電源装置からは非常用モーター及び非常用電磁クラッチに非常用電力を供給することができる。そして、停電時であって火災発生時等の非常時には、直流モーターの電源スイッチを入り状態にして、非常用電源装置からの非常用電力の通電によって非常用電磁クラッチを、切り状態から入り状態とした後、直流モーターを駆動することによって、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するアーケード屋根開閉システムを提供することができる。
【0013】
○第3の発明の効果
第3の発明によれば、アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の一方側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の他方側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることによって、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するアーケード屋根開閉システムを提供することができるという当業者予測困難な顕著な効果を奏する。
【0014】
○第4の発明の効果
第4の発明によれば、アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることによって、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するアーケード屋根開閉システムを提供することができるという当業者予測困難な顕著な効果を奏する。
【0015】
○第5の発明の効果
第5の発明によれば、アーケード屋根移動機構が、交流モーターと直流モーター、通常用回転軸と非常用回転軸、通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチ、通常用ワイヤーと非常用プーリー、通常用ベルトと非常用ベルトから構成され、
アーケード屋根は、アーケード屋根の両側で通常用ワイヤー及び非常用ワイヤーと結合されてなることによって、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するアーケード屋根開閉システムを提供することができるという当業者予測困難な顕著な効果を奏する。
すなわち、第5の発明によれば、第1の発明〜第4の発明において、ベルトの替わりにワイヤーを用いても、第1の発明〜第4の発明と同等の当業者予測困難な顕著な効果を奏する。
【0016】
○第6の発明の効果
第6の発明によれば、第1〜第5の発明の何れかの発明において、通常時は、商用電源からの商用電力により、交流モーターを駆動させると共に、通常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉し、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、非常用電源装置からの非常用電力により、直流モーターを駆動させると共に、非常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するという特徴的構成要件により、第1の発明に相当する当業者が予測困難な顕著な効果を奏する。
【0017】
○第7の発明の効果
第7の発明によれば、交流モーターと直流モーターを作動させない場合、定常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは共に切り状態に有り、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、直流モーターを駆動させると共に、非常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するという特徴的構成要件により、第1の発明に相当する当業者が予測困難な顕著な効果を奏する。
【0018】
○第8の発明の効果
第8の発明によれば、アーケード屋根を開閉する作業が終了した場合には、非常用電源装置からの非常用電力を切断して、非常用電磁クラッチを切り状態とするという特徴的構成要件により、第1の発明に相当する当業者が予測困難な顕著な効果を奏する。
【0019】
○第9の発明の効果
第9の発明によれば、交流モーターを駆動させると共に、通常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉するという特徴的構成要件により、第1の発明に相当する当業者が予測困難な顕著な効果を奏する。
【0020】
○第10の発明〜第13の発明の効果
第10の発明〜第13の発明(アーケード屋根開閉方法の発明)は、第2の発明〜第5の発明(アーケード屋根開閉システムの発明)にそれぞれ対応する特徴的構成要件により、第2の発明〜第5の発明(アーケード屋根開閉システムの発明)にそれぞれ対応する当業者が予測困難な顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る、アーケード屋根開閉装置に関する最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
「図1」は、本発明に係る、アーケード屋根開閉システムの全体概略を示す正面図である。
「図2」は、本発明に係る、アーケード屋根開閉システムの全体概略を示す斜視図である。
「図3」は、本発明に係る、アーケード屋根が閉じられた状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
「図4」は、本発明に係る、アーケード屋根が閉じられた状態アーケード屋根開閉システムの側面図である。
「図5」は、本発明に係る、アーケード屋根が移動する状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
「図6」は、本発明に係る、アーケード屋根が移動する状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
「図7」は、本発明に係る、アーケード屋根が開けられた状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
「図8」は、本発明に係る、アーケード屋根が開けられた状態のアーケード屋根開閉システムの側面図である。
【0022】
アーケード屋根AR(移動屋根)は、歩道Rd上をように建築物Bの歩道側の構造体2のレール上を、アーケード屋根ARの両側に設置された車輪によって移動するように設計されている(図1、図2)。
【0023】
アーケード固定屋根ARFは、歩道Rd上をように建築物Bの歩道側の構造体2に固定されている(図1、図2)。
【0024】
前記構造体2は、歩道Rdの両側に並設された建築物Bの入口に立設された柱1によって支持され、構造体2と固定屋根Rfは、両端固定支持の梁形式で一体結合されて構成されている(図1、図2)。
【0025】
アーケード屋根開閉システム100を、図3、図4(図5、図6、図7、図8)を参照しながら、詳説することにする。
【0026】
アーケード屋根開閉システム100は、アーケード屋根ARをモーターMにより開閉するシステムである。アーケード屋根開閉システム100は、アーケード屋根AR、商用電源E1と非常用電源装置E2、交流モーターM1又は直流モーターM2からの駆動力で作動するアーケード屋根移動機構ARMから構成される。非常用電源装置E2には、災害非常用に使用されているバッテリーが使用され、バッテリー点検は毎年定期的に行うものとし異常が発見された時点で速やかに対応する。
【0027】
アーケード屋根移動機構ARMは、交流モーターM1と直流モーターM2、通常用回転軸SH1と非常用回転軸SH2、通常用電磁クラッチEM1と非常用電磁クラッチEM2、通常用プーリーP1と非常用プーリーP2、通常用ベルトB1(又は通常用ワイヤーW1)と非常用ベルトB2(又は非常用ワイヤーW2)から構成される。
【0028】
アーケード屋根ARは、アーケード屋根ARの前方両側(前方片側でも可)で通常用ベルトB1と結合されてなり、アーケード屋根ARの後方両側で非常用ベルトB2と取付具Cで結合されている。
【0029】
交流モーターM1と通常用プーリーP1は、通常用電磁クラッチEM1を介して通常用回転軸SH1で接続されてなり、直流モーターM2と非常用プーリーP2は、非常用電磁クラッチEM2を介して非常用回転軸SH2で接続されている。
【0030】
交流用モータM1と通常用電磁クラッチEMC1は、通常用電源装置E1と通常用電力線L1で接続され、直流モーターM2と非常用電磁クラッチEMC2は、非常用電源装置E2と非常用電力線L2で接続されている。
【0031】
ここに、交流モーターM1には、例えば、AC・100V減速モーターが用いられるかが、これのみに限定されるものではない。直流モーターM2には、例えば、DC12V減速モーターが用いられるかが、これのみに限定されるものではない。
【0032】
通常用電磁クラッチEMC1と非常用電磁クラッチEMC2は、共に通電時に入り状態となり、非通電時に切り状態となる電磁クラッチが用いられる。
【0033】
アーケード屋根移動機構ARMが、アーケード屋根ARの前方片側に設置された通常用プーリーP1と通常用ベルトB1、アーケード屋根ARの後方片側に非常用プーリーP2と非常用ベルトB2から構成される。
【0034】
アーケード屋根移動機構ARMが、アーケード屋根ARの前方両側に設置された通常用プーリーP1と通常用ベルトB1、アーケード屋根ARの後方両側に設置された非常用プーリーP2と非常用ベルトB2から構成されている。
他の最良の形態によれば、上記の発明を実施するための最良の形態に記載されたアーケード屋根開閉システムにおいて、アーケード屋根移動機構ARMが、アーケード屋根ARの前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーP1と通常用ワイヤーW1、アーケード屋根ARの後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーP2と非常用ワイヤーW2から構成され、アーケード屋根ARの前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーP1は通常用回転軸SH1と、アーケード屋根ARの後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーP2は非常用回転軸SH2及とそれぞれ結合される。
【0035】
以下、アーケード屋根開閉システム100において、アーケード屋根が開閉する状況について、図3、図4、図5、図6、図7、図8を参照しながら、詳説することにする。
を参照しながら、以下詳説する。
【0036】
上記の発明を実施するための最良の形態に記載されたアーケード屋根開閉システム100において、
通常時は、商用電源E1からの商用電力により、交流モーターM1を駆動させると共に、通常用電磁クラッチEMC1を入り状態とし、アーケード屋根移動機構ARMを作動させてアーケード屋根ARを開閉し、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、非常用電源装置E2からの非常用電力により、直流モーターM2を駆動させると共に、非常用電磁クラッチEMC2を入り状態とし、アーケード屋根移動機構ARMを作動させてアーケード屋根ARを開閉する。
【0037】
交流モーターM1と直流モーターM2を作動させない場合、定常用電磁クラッチEMC1と非常用電磁クラッチEMC2は共に切り状態に有り、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、直流モーターM2を駆動させると共に、非常用電磁クラッチEM2を入り状態とし、アーケード屋根移動機構ARMを作動させてアーケード屋根ARを開閉する。
【0038】
アーケード屋根ARを開閉する作業が終了した場合には、非常用電源装置E2からの非常用電力を切断して、非常用電磁クラッチEMC2を切り状態とする
停電復旧後には、交流モーターM1を駆動させると共に、通常用電磁クラッチEMC1を入り状態とし、アーケード屋根移動機構ARMを作動させてアーケード屋根ARを開閉する。
【0039】
以下、アーケード屋根ARが、道路前方に移動する状況について、図3、図4、図5、図6、図7、図8を参照しながら、以下詳説することにする。
【0040】
図3、図4は、アーケード屋根ARが、道路前方に移動する前の状態である。この場合、アーケード屋根ARは、道路上を覆っていて閉じた状態に有る。
【0041】
図5、図6は、アーケード屋根ARが、道路前方に移動する途中の状態である。
【0042】
図7、図8は、アーケード屋根ARが、道路前方に移動し終わって固定屋根の上に位置した状態である。この場合、アーケード屋根ARは、道路上を覆っておらず開いた状態に有る。
【0043】
なお、モーターを逆転させれば、アーケード屋根ARが、道路上を覆っておらず開いた状態から、道路上を覆っていて閉じた状態になるまで、移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】は、本発明に係る、アーケード屋根開閉システムの全体概略を示す正面図である。
【図2】は、本発明に係る、アーケード屋根開閉システムの全体概略を示す斜視図である。
【図3】は、本発明に係る、アーケード屋根が閉じられた状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
【図4】は、本発明に係る、アーケード屋根が閉じられた状態アーケード屋根開閉システムの側面図である。
【図5】は、本発明に係る、アーケード屋根が移動する状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
【図6】は、本発明に係る、アーケード屋根が移動する状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
【図7】は、本発明に係る、アーケード屋根が開けられた状態のアーケード屋根開閉システムの平面図である。
【図8】は、本発明に係る、アーケード屋根が開けられた状態のアーケード屋根開閉システムの側面図である。
【符号の説明】
【0045】
B 建物
1 柱
2 構造体
C 取付具
AR アーケード屋根
M1 交流モーター(通常用モーター)
M2 直流モーター(非常用モーター)
E1 商用電源(通常用電源)
E2 非常用電源装置(非常用電源装置)
L1 通常用電力線
L2 非常用電力線
EMC1 通常用電磁クラッチ
EMC2 非常用電磁クラッチ
P1 通常用プーリー
P2 非常用プーリー
B1 通常用ベルト
B2 非常用ベルト
W1 通常用ワイヤー
W2 非常用ワイヤー
SH1 通常用回転軸
SH2 非常用回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーケード屋根をモーターにより開閉するアーケード屋根開閉システムが、アーケード屋根、商用電源と非常用電源装置、交流モーター又は直流モーターからの駆動力でアーケード屋根を開閉するアーケード屋根移動機構から構成され、アーケード屋根移動機構は、交流モーターと直流モーター、通常用回転軸と非常用回転軸、通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチ、通常用プーリーと非常用プーリー、通常用ベルトと非常用ベルトから構成され、アーケード屋根は、アーケード屋根の両側で通常用ベルト及び非常用ベルトと結合されてなり、交流モーターと通常用プーリーは、通常用電磁クラッチを介して通常用回転軸で接続されてなり、直流モーターと非常用プーリーは、非常用電磁クラッチを介して非常用回転軸で接続されてなり、交流用モーターと通常用電磁クラッチは、通常用電源装置と通常用電力線で接続され、直流モーターと非常用電磁クラッチは、非常用電源装置と非常用電力線で接続されることを特徴とするアーケード屋根開閉システム。
【請求項2】
通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは、共に通電時に入り状態となり、非通電時に切り状態となる電磁クラッチであることを特徴とする請求項1に記載のアーケード屋根開閉システム。
【請求項3】
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方片側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載のアーケード屋根開閉システム。
【請求項4】
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のアーケード屋根開閉システム。
【請求項5】
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ワイヤー、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ワイヤーから構成され、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーは通常用回転軸と、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーは非常用回転軸及とそれぞれ結合されることを特徴とする請求項1〜4の何れかにアーケード屋根開閉システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載のアーケード屋根開閉システムにおいて、
通常時は、商用電源からの商用電力により、交流モーターを駆動させると共に、通常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉し、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、非常用電源装置からの非常用電力により、直流モーターを駆動させると共に、非常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉することを特徴とするアーケード屋根開閉方法。
【請求項7】
交流モーターと直流モーターを作動させない場合、定常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは共に切り状態に有り、停電時であって火災発生時等の非常時に際しては、直流モーターを駆動させると共に、非常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉することを特徴とする請求項6に記載のアーケード屋根開閉方法。
【請求項8】
アーケード屋根を開閉する作業が終了した場合には、非常用電源装置からの非常用電力を切断して、非常用電磁クラッチを切り状態とすることを特徴とする請求項6〜7の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法。
【請求項9】
停電復旧後には、交流モーターを駆動させると共に、通常用電磁クラッチを入り状態とし、アーケード屋根移動機構を作動させてアーケード屋根を開閉することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法。
【請求項10】
通常用電磁クラッチと非常用電磁クラッチは、共に通電時に入り状態となり、非通電時に切り状態となる電磁クラッチであることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法。
【請求項11】
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方片側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項6〜10の何れかに記載のアーケード屋根開閉方法
【請求項12】
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ベルト、アーケード屋根の後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ベルトから構成されることを特徴とする請求項6〜11の何れかに記載のーケード屋根開閉方法。
【請求項13】
アーケード屋根移動機構が、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーと通常用ワイヤー、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーと非常用ワイヤーから構成され、アーケード屋根の前方片側若しくは前方両側に設置された通常用プーリーは通常用回転軸と、アーケード屋根の後方片側若しくは後方両側に設置された非常用プーリーは非常用回転軸及とそれぞれ結合されることを特徴とする請求項6〜12の何れかに記載のーケード屋根開閉方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−185490(P2009−185490A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25277(P2008−25277)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(507340223)株式会社カミムラ (2)
【Fターム(参考)】