説明

イオン液体を有するブロック共重合体膜の自己組織化における長距離秩序を改善する方法

自己組織化ブロック共重合体を使用して、改良された長距離秩序を有する、ポリマーマトリクスにおけるナノスケールの交互ラメラもしくは円筒のアレイを作製するための方法、ならびに、これらの方法から形成される膜およびデバイスが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は自己組織化ブロック共重合体の薄膜を作製する方法、およびその方法の結果として生じるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ナノスケールの機械的、電気的、化学的および生物学的デバイスならびにシステムの開発が進むにつれて、ナノスケールデバイスおよびコンポーネントを作製するために新規プロセスおよび材料が必要とされる。従来のリソグラフィーによっては容易に到達できないサイズへと半導体フィーチャの寸法が縮小するにつれて、導電性ラインに対する電気接点を製造することは、重大な課題となる。光学リソグラフィー処理方法は、サブ60ナノメートルレベルでの構造およびフィーチャを作製する上で困難を有する。自己組織化ジブロック共重合体の使用は、ナノスケール寸法におけるパターン化に対する別の手段を提供する。ジブロック共重合体膜は、アニーリング(例えば、ポリマーのガラス転移温度以上の熱アニーリングもしくは溶媒アニーリング)後、成分ポリマーブロックのミクロ相分離によって周期的構造へと自然と組織化して、ナノメートルスケール寸法において秩序のあるドメインを形成する。
【0003】
(ミクロ相分離ドメインのサイズおよび形状を含む)膜形態は、ジブロック共重合体のABブロックの分子量および体積分率によって制御することができ、とりわけ、ラメラ(薄板)、円筒状、もしくは球状の形態を生成する。例えば、ジブロックポリマーの二つのブロック(AB)の約80:20よりも大きい割合における体積分率に対して、ブロック共重合体膜はミクロ相分離し、ポリマーAのマトリクスによって包囲されたポリマーBの球体を有する周期的球状ドメインへと自己組織化する。約60:40から80:20の間の2ブロックの割合に対しては、ジブロック共重合体は、ポリマーAのマトリクス内のポリマーBの円筒の周期的六角形密集型もしくはハニカムアレイへと組織化する。約50:50から60:40の間の割合に対しては、ブロックのラメラドメインもしくは交互の縞模様が形成される。ドメインサイズは通常5−50nmに及ぶ。
【0004】
自己組織化ブロック共重合体材料の配向性および長距離秩序を制御するための試みがなされてきた。塩化ナトリウムおよび塩化カリウム(NaCl、KCl)などの塩は、基板上のブロック共重合体材料の長距離秩序を改善することが示されてきた。しかしながら、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)は、非常に移動しやすく、結果として処理中の他のデバイス構造の汚染が生じる可能性がある。他の研究者は、自己組織化中の長距離秩序を改善するために、ジブロック共重合体に対して有機界面活性剤を加えてきた。しかしながら、ブロック共重合体材料の高温/真空アニーリングの間、自己組織化プロセスが完了する前に有機界面活性剤は膜から蒸発し、使用できるアニーリング条件を制限してしまう。
【0005】
これらの課題を克服し、自己組織化ポリマードメインの長距離秩序を高めるような、秩序あるナノ構造の膜を作製する方法を提供することは有用である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施形態は以下に添付する図面に関連して以下に記述されるが、図面は例示の目的のみのためのものである。以下の図面を通して、参照番号は図面において使用され、同一の参照番号は、同一もしくは類似する部分を示すために、幾つかの図面にわたって、ならびに説明において使用される。
【図1】本開示の一実施形態に従う、予備処理段階における基板の一部の俯瞰図を示し、その上に中性湿潤材料を有する基板を示す。
【図1A】直線1A−1Aに沿って描かれた図1に示された基板の立面断面図である。
【図2】中性湿潤材料上に形成された材料層内のトレンチ形成を示す、その後の段階における図1の基板の俯瞰図を示す。
【図2A】直線2A−2Aに沿って描かれた、図2に示された基板の一部の立面断面図を示す。
【図3】本開示の別の実施形態に従う予備処理段階における基板の一部の立面側面図を示し、基板上に形成された材料層内のトレンチを有する基板を示す。
【図4】その後の段階における、図3の基板の立面側面図を示し、トレンチ内の中性湿潤材料の形成を示す。
【図5】ラメラ相ブロック共重合体材料を使用する、本開示の一実施形態に従う自己組織化ブロック共重合体膜の作製におけるその後の段階における、図2の基板の俯瞰図である。
【図5A】直線5A−5Aに沿って描かれた、図5に示された基板の一部の立面断面図である。
【図6】ラメラ相ブロック共重合体材料を使用する、本開示の一実施形態に従う自己組織化ブロック共重合体膜の作製におけるその後の段階における、図2の基板の俯瞰図である。
【図6A】直線6A−6Aに沿って描かれた、図6に示された基板の一部の立面断面図である。
【図7】その後の段階における図6の基板の俯瞰図であり、基板をエッチングするためのマスクとしてポリマーブロックのうちの一つを除去し、エッチングされた開口を充填した後の自己組織化ブロック共重合体膜を使用する一実施形態を示す。
【図7A】直線7A−7Aに沿って描かれた、図7に示された基板の一部の立面断面図である。
【図8】その後の段階における図6の基板の俯瞰図であり、基板をエッチングするためのマスクとしてポリマーブロックのうちの一つを除去し、エッチングされた開口を充填した後の自己組織化ブロック共重合体膜を使用する一実施形態を示す。
【図8A】直線8A−8Aに沿って描かれた、図8に示された基板の一部の立面断面図である。
【図9】基板上のマスクとしての残存無機材料を有するポリマーブロックの除去後の別の実施形態に従う、その後の段階における、図6の基板の俯瞰図である。
【図9A】直線9A−9Aに沿って描かれた、図9に示された基板の一部の立面断面図である。
【図10】本開示の別の実施形態に従う予備処理段階における基板の一部の俯瞰図であり、基板を露出する材料層におけるトレンチを示す。
【図10A】直線10A−10Aに沿って描かれた、図10に示された基板の立面断面図である。
【図10B】直線10B−10Bに沿って描かれた、図10に示された基板の立面断面図である。
【図11】本開示の一実施形態に従う、トレンチ内のポリマーマトリクスにおける垂直方向円筒の単一列で構成された自己組織化ブロック共重合体膜の作製における、その後の段階における図10の基板の俯瞰図である。
【図11A】直線11A−11Aに沿って描かれた、図11に示された基板の一部の立面断面図である。
【図11B】直線11B−11Bに沿って描かれた、図11に示された基板の断面図である。
【図12】本開示の一実施形態に従う、トレンチ内のポリマーマトリクスにおける垂直方向円筒の単一列で構成された自己組織化ブロック共重合体膜の作製における、その後の段階における図10の基板の俯瞰図である。
【図12A】直線12A−12Aに沿って描かれた、図12に示された基板の一部の立面断面図である。
【図12B】直線12B−12Bに沿って描かれた、図12に示された基板の断面図である。
【図13】その後の段階における、図12の基板の俯瞰図であり、マスクとして基板をエッチングするための円筒状ドメインのうちの一つを除去し、エッチングされた開口を充填した後に、自己組織化ブロック共重合体膜を使用する一実施形態を示す。
【図13A】直線13A−13Aに沿って描かれた、図13に示された基板の一部の立面断面図である。
【図13B】直線13B−13Bに沿って描かれた、図13に示された基板の断面図である。
【図14】その後の段階における、図12の基板の俯瞰図であり、マスクとして基板をエッチングするための円筒状ドメインのうちの一つを除去し、エッチングされた開口を充填した後に、自己組織化ブロック共重合体膜を使用する一実施形態を示す。
【図14A】直線14A−14Aに沿って描かれた、図14に示された基板の一部の立面断面図である。
【図14B】直線14B−14Bに沿って描かれた、図14に示された基板の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図面に関連する以下の記述は、本発明の実施形態に従うデバイスおよび方法の例示的実施例を提供する。このような記述は、例示的な目的のみのためであって、それを限定する目的のためのものではない。
【0008】
本出願の文脈においては、用語“半導体基板”“半導電性基板”“半導電性ウェーハフラグメント”“ウェーハフラグメント”もしくは“ウェーハ”は、半導体ウェーハ(それ自体もしくは他の材料をその上に含むアセンブリのいずれか)および半導電性材料層(それ自体もしくは他の材料をその上に含むアセンブリのいずれか)などのバルク半導電性材料を含むがそれに限定はされない半導体材料を含むあらゆる構造を意味するものとして理解されるであろう。用語“基板”は、上述された半導電性基板、ウェーハフラグメントもしくはウェーハを含むがそのいずれにも限定はされないあらゆる支持構造のことを称する。
【0009】
本明細書で使用される“L”は、自己組織化(SA)ブロック共重合体からアニーリングによって自己組織化する構造の固有の周期性もしくはピッチ値(バルク周期もしくは繰り返しユニット)である。本明細書で使用される“L”は、一つ以上の成分ホモポリマーを有するブロック共重合体のブレンドの周期性もしくはピッチ値である。“L”は、本明細書においては、ブロック共重合体もしくはブレンドの円筒の中心間のピッチ、または円筒の間隔を示すために使用され、“L”は純粋なブロック共重合体に対して、“L”は共重合体ブレンドに対して等価である。
【0010】
本発明の実施形態においては、ポリマー材料(例えば、膜、層)は、空気界面における両ポリマードメインとともに、ブロック共重合体の誘導自己組織化によって準備される。ブロック共重合体材料は、アニーリング後に成分ポリマーブロックのミクロ相分離によって、周期的構造へと自然に組織化し、ナノメートルスケール寸法における秩序ドメインを形成する。本発明の実施形態においては、トレンチ側壁に対してレジスト化された秩序線形アレイパターンは、ラメラ相ブロック共重合体材料からトレンチへと形成される。本発明の他の実施形態においては、垂直方向円筒の一次元(1−D)アレイは、円筒相ブロック共重合体材料からトレンチへと形成される。
【0011】
本発明の実施形態は、ブロック共重合体材料に対する適切なイオン液体の追加によって提供される改良された長距離秩序に関連する。このようなイオン液体は、ブロック共重合体ブレンドにおいて、例えば、界面活性剤/可塑剤効果および相選択的錯体形成役割などの一つ以上の機能を実施するよう選択される。
【0012】
自己組織化に続いて、その後、基板上に形成される垂直方向ラメラもしくは円筒状のパターンを使用することができ、例えば、自己組織化ブロック共重合体のあるブロックの選択的除去を介して、下部基板へとナノサイズのフィーチャをパターン化するためのエッチマスクを形成する。本方法に関連するドメインサイズおよび周期(L)は、ブロック共重合体の鎖長(MW)によって決定され、解像度は従来のフォトリソグラフィーなどの他技術を上回ることができる。本技術を使用する処理コストは、同程度の解像度を有する極紫外線(EUV)フォトリソグラフィーより大幅に小さい。
【0013】
本発明の一実施形態に従う、ナノメートルスケールの垂直方向ラメラのアレイを画定する自己組織化ブロック共重合体材料の作製方法は、図1−図6に関連して示される。
【0014】
記述された実施形態は、グラフォエピタキシー技術と組み合わせてイオン液体で形成されたラメラ相ブロック共重合体材料のアニーリングを含む。グラフォエピタキシー技術は、両ポリマーブロックに対して中性湿潤である材料で構成された底面と、あるポリマーブロックに対して優先的に湿潤である側壁および終端と、を有し、ガイドとしてリソグラフィーによって画定されたトレンチを使用して、ブロック共重合体材料の自己組織化を誘発するための制約として機能する。アニーリングによって、ブロック共重合体材料は、トレンチ底面に対して垂直に配向されたラメラの列もしくはラインへと自己組織化し、側壁に対してレジスト化される。
【0015】
図1−図1Aに示されるように、基板10が提供され、これは、例えば、とりわけ、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン酸炭化物でありうる。
【0016】
示された実施形態においては、中性湿潤材料12(例えば、ランダム共重合体)は、基板10上に形成される。材料層14(もしくは一つ以上の材料層)は、その後、中性湿潤材料上に形成され、図2−図2Aに示されるようにトレンチ16を形成するためにエッチングされる。材料層14の一部は、トレンチの外側およびトレンチの間に、メサもしくはスペーサ18を形成する。トレンチ16は、対立する側壁20、対立する終端22、底面24、幅(w)、長さ(l)、および深さ(D)で構成される。
【0017】
図3−図4に示された別の実施形態においては、材料層14’は基板10’上に形成され、トレンチ16’を形成するためにエッチングされ、中性湿潤材料12’はその後トレンチ底面24’上に形成することができる。例えば、ランダム共重合体材料は、トレンチ内に堆積することができ、中性湿潤材料層を形成するために架橋することができる。スペーサ18’などのトレンチ外側の表面上の材料(例えば、架橋されていないランダム共重合体)は、その後除去することができる。
【0018】
(示されるような)単一もしくは複数のトレンチ16は、L(例えば約10−100nm)のスケールでパターン化することが可能な暴露システムを有するリソグラフィーツールを使用して、材料層14内に形成することができる。このような暴露システムは、本技術分野で既知の、例えば、極紫外線(EUV)リソグラフィー、近接X線および電子ビーム(e−ビーム)リソグラフィーを含む。従来のフォトリソグラフィーは、(最小で)約58nmフィーチャを実現することができる。
【0019】
“ピッチダブリング”もしくは“ピッチマルチプリケーション”と呼ばれる方法は、その最小ピッチを超えてフォトリソグラフィー技術の性能を拡張するために使用することもでき、例えば、米国特許整理番号5,328,810(Lowreyら)、米国特許整理番号7,115,525(Abatchevら)、US2006/0281266(Wells)およびUS2007/0023805(Wells)に記述されている。簡潔に言うと、ラインのパターンは、基板を被覆する拡張可能材料層を被覆するフォトレジスト材料内にフォトリソグラフィーによって形成され、拡張可能材料層はエッチングされてプレースホルダもしくはマンドリルを形成し、フォトレジストは剥がされて、マンドリルの側面上にスペーサが形成され、マンドリルはその後除去されて、基板をパターン化するためのマスクとしてスペーサを残す。したがって、初期のフォトリソグラフィーが1フィーチャと1スペースを画定するパターンを形成した場合には、同一の幅が、いまや、スペーサによって画定されたスペースとともに、2フィーチャと2スペースを画定する。その結果として、フォトリソグラフィー技術で生じうる最小フィーチャサイズは、約30nm以下へと効率的に減少する。
【0020】
通常、トレンチ側壁、エッジおよび底面は、トレンチ内のナノ構造のアレイ構造に影響を与える。トレンチ内の垂直方向ラメラの単一ラインもしくは複数ラインを形成する上での要因は、トレンチの幅(w)、所望のピッチ(L)を得るためのブロック共重合体もしくはブレンドの形成、アニーリング時間におけるトレンチ内のブロック共重合体材料の厚さ(t)を含む。x軸およびy軸両方におけるトレンチ側壁の境界条件は、各トレンチがn個のラメラを包含する構造を課す。
【0021】
本実施形態においては、トレンチの幅(w)は、垂直方向ラメラの所望の列数(例えば、n本のラメラ)に従って変化する可能性がある。トレンチの幅(w)は、通常、典型的には約n*10から約n*100nmの範囲にある、n*Lに等しいかまたは約n*Lであるような(nは例えばラメラのようなフィーチャもしくは構造の数である)、ブロック共重合体材料の固有ピッチ値(L)の倍数である。
【0022】
示された実施形態においては、トレンチ16は、ブロック共重合体(もしくはブレンド)のLもしくはピッチ値よりも大きい幅(w)を有するように構成され、ラメラ相ブロック共重合体材料は、アニーリングによって自己組織化して、約Lの値で中心間ピッチ距離(p)を有する繰り返し間隔のドメイン(例えば、PMMAラメラ)とともに、トレンチの幅(w)に及び、かつ、トレンチの長さに対して側壁へとレジスト化されるラメラの複数列の単一層を形成する。トレンチ16の長さ(lt)は、ラメラのラインの所望の長さに従う。隣接するトレンチ間のメサもしくはスペーサ18の幅は、変化する可能性があり、通常約Lから約n*Lである。幾つかの実施形態においては、トレンチ寸法は約50−3500nmの幅(w)、約100−25000nmの長さ(l)、約10−500nmの深さ(D)である。
【0023】
記述された実施形態においては、トレンチ底面24は、ブロック共重合体の両ブロックに対して中性湿潤(等価親和性)であるように構成され、トレンチ底面に対して垂直に配向されたラメラポリマードメイン形成を誘発する。トレンチ側壁20および終端22は、ブロック共重合体のあるブロックに優先的に湿潤であるように構成され、ポリマーブロックが自己組織化するにつれて、側壁に対するラメラの平行配列およびレジスト化を誘発する。
【0024】
優先的に湿潤な側壁および終端を提供するため、材料層14は、少数(優先的)ポリマーブロック(例えば、PS−b−PMMA材料のPMMA)に対して本質的に優先湿潤である材料から形成することができる。または、他の実施形態においては、優先的に湿潤な材料は、トレンチ16の側壁上に選択的に適用することができる。例えば、材料層14は、他の材料の中でも、とりわけ、清浄シリコン表面(自然酸化物を有する)、酸化物(例えばシリコン酸化物SiO)シリコン窒化物、シリコン酸炭化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、シリコン酸窒化物、およびメタクリレートベースのレジスト、およびポリジメチルグルタルイミドレジストなどのレジスト材料のような、本質的に優先湿潤な材料で構成することができる。このような材料は、とりわけPMMAもしくはPVPに対して優先的に湿潤性を示す。
【0025】
PS−b−PMMAを使用する他の実施形態においては、−OH含有部分を有するよう改変されたポリメチルメタクリレート(PMMA)ポリマーなどの優先的に湿潤な材料(例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート)は、中性湿潤材料12がトレンチ底面24上に配置されるような実施形態(図2Aおよび図4)において、トレンチの側壁上に選択的に適用することができる。もしそうでない場合(図3)には、トレンチ底面24’における基板10’は、OH改変PMMAを有し非反応性である材料で構成することができる。OH改変PMMAは、例えば、スピンコーティングとその後の(例えば約170℃までの)加熱によって適用することができ、末端OH基がトレンチの酸化物側壁20および終端22をエンドグラフトするのを可能にする。グラフトされていない材料は、適切な溶媒(例えばトルエン)で洗浄することによって除去することができる。例えば、Manskyらによる、Science, 1997, 275, 1458-1460およびInらによるLangmuir, 2006, 22, 7855-7860を参照されたい。
【0026】
化学的に中性湿潤なトレンチ底面24は、ブロック共重合体材料の両ブロックが、トレンチ底面を湿らせることを可能にし、垂直方向ラメラレイアウトの形成を提供する。中性湿潤材料12は、図2−図2Aに示されるように、基板10上に中性湿潤ポリマー(例えば、中性湿潤ランダム共重合体)を適用し、その後、被覆材料層14を形成し、下部中性湿潤材料を露出するためトレンチ16をエッチングすることによって提供することができる。
【0027】
図3−図4に示された別の実施形態においては、中性湿潤材料は、例えば、図4に示されるようなトレンチ内へのキャスティング(鋳造)もしくはスピンコーティングによるブランケットコートとして、トレンチ16’を形成した後に適用することができる。例えば、ランダム共重合体材料が適用され、その後、熱的に処理されて、毛細管現象によってトレンチの底面へと材料を流入させ、その結果として、層(マット)12’は架橋された中性湿潤ランダム共重合体で構成される。別の実施形態においては、トレンチ内のランダム共重合体材料は、(例えば、マスクもしくはレチクルを介して)露光されて、トレンチ内のランダム共重合体を架橋し、中性湿潤材料12’を形成する。(例えば、スペーサ18’上の)トレンチ外側の架橋されていないランダム共重合体材料は、その後除去することができる。
【0028】
中性湿潤表面は、ブロック共重合体におけるモノマーと一致したモノマーで構成されたランダム共重合体の適用によって特別に準備され、各モノマーのモル分率が、中性湿潤表面を形成するために適切なよう調整することができる。例えば、PS−b−PMMAブロック共重合体の使用においては、中性湿潤材料12は、PSおよびPMMAに対して非優先的もしくは中性湿潤を示す光架橋可能なランダムPS−r−PMMAの薄膜から形成することができ、基板10上に(例えばスピンコーティングによって)キャスティングすることができる。ランダム共重合体材料は、(酸化物基板上の)化学的グラフト、または(あらゆる表面の)熱的もしくは、光分解による架橋によって、配置を固定することができ、PSおよびPMMAに対して中性湿潤であり、かつ、ブロック共重合体がその上にキャスティングされたとき、架橋によって不溶性であるマットを形成する。
【0029】
基板10が(自然酸化物を有する)シリコンである場合の実施形態においては、PS−b−PMMAに対して別の中性湿潤表面を、水素終端シリコンによって提供することができる。トレンチ16の底面24は、例えば水素プラズマでエッチングすることができ、酸化物材料を除去して、水素終端シリコンを形成する。それは、ブロック共重合体材料の両ブロックに対して等価親和性を有する中性湿潤である。水素終端シリコンンは、従来のプロセス、例えば、フッ化水素(HF)水溶液および緩衝化HFもしくはフッ化アンモニウム(NHF)に対する暴露、HF蒸気処理、もしくは水素プラズマ処理(例えば原子状水素)による(自然酸化物の存在する、約12−15Åの)シリコン基板のフッ化物イオンエッチングによって、準備することができる。
【0030】
水素終端シリコン基板は、さらに、基板上に選択的にPS−r−PMMA、PS−r−PVPなどのランダム共重合体をグラフトすることによって処理することができ、結果として、対応するブロック共重合体(例えば、PS−b−PMMA、PS−b−PVPなど)に対して中性湿潤表面を生じる。例えば、PS−r−PMMAランダム共重合体の中性湿潤層は、水素終端シリコン表面へとポリマーを結合する、ジビニルベンゼンなどのジオレフィンリンカーを使用する、スチレンおよびメチルメタクリレートのinsituフリーラジカル重合によって提供することができ、約10−15nmの厚さの膜を生成する。
【0031】
さらに別の実施形態においては、中性湿潤表面(例えば、PS−b−PMMAおよびPS−b−PEO)は、例えばD.H.ParkによるNanotechnology 18(2007), p.355304に記述されているように、酸化物(例えばSiO)に対してグラフトされた3−(パラメトキシフェニル)プロピルトリコロシランなどのトリクロロシランベースSAMの自己組織化単層(SAM)をグラフトすることによって提供することができる。
【0032】
PS−b−PMMAに対して中性湿潤である表面は、スチレンおよびメチルメタクリレートのベンゾシクロブテンもしくはアジドメチルスチレンによって官能化されたランダム共重合体(例えば、ポリ(スチレン−r−ベンゾシクロブテン−r−メチルメタクリレート(PS−r−PMMA−r−BCB))など、光もしくは熱的に架橋可能なランダム共重合体のブランケット層をスピンコーティングすることによって準備することもできる。例えば、このようなランダム共重合体は、約42%のPMMA、約(58−x)%のPSおよびx%(例えば約2−3%)のポリベンゾシクロブテンもしくはポリ(パラ−アジドメチルスチレン)のいずれかを含むことができる。アジドメチルスチレンによって官能化されたランダム共重合体は、UVによって光架橋される(例えば、約15秒から約30分間の1−5MW/cmの暴露)か、または(例えば、約4時間、約170℃において)熱的に架橋されて、中性湿潤層として架橋されたポリマーマットを形成する。ベンゾシクロブテンによって官能化されたランダム共重合体は、(例えば、約4時間、約200℃において、もしくは約10分間約250℃において)熱的に架橋することができる。
【0033】
別の実施形態においては、(複数の)ヒドロキシル基を有するポリスチレン(PS)およびポリメタクリレート(PMMA)の中性湿潤ランダム共重合体(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(P(S−r−MMA−r−HEMA))(例えば約58%PS)は、約48時間約160℃で加熱することによって、約5−10nm厚の中性湿潤層として、基板10(例えば酸化物)に対して選択的にグラフトすることができる。例えば、InらによるLangmuir, 2006, 22, 7855-7860を参照されたい。
【0034】
さらに別の実施形態においては、水酸基終端ホモポリマーおよび対応する低分子量ブロック共重合体のブレンドは、基板に対してグラフト(共有結合)することができ、他のブロック共重合体のなかでもとりわけ、PS−b−PMMAおよびPS−b−P2VPに対して中性湿潤界面層(例えば、約4−5nm)を形成する。ブロック共重合体は、グラフト前にホモポリマーブレンドを乳化するよう機能することができる。例えば、約20−50重量%(もしくは約30−40重量%)のOH終端ホモポリマー(例えばM=6K)と、約80−50重量%(もしくは約70−60重量%)の低分子量ブロック共重合体(例えば5K−5K)とのブレンドの(例えばトルエンにおける)約1重量%溶液は、基板10(例えばSiO)上にスピンコーティングされ、(例えば160℃で)加熱(焼付)され、例えば溶媒洗浄(例えばトルエン)によってグラフトされていない(非結合)ポリマー材料が除去される。例えば、中性湿潤材料は、約30重量%のPS−OH(M=6K)、PMMA−OH(M=6K)(重量比4:6)および70重量%のPS−b−PMMA(5K−5K)のブレンド、または、PS−OH(6K)、P2VP−OH(6K)およびPS−b−2PVP(8K−8K)の三種のブレンドから提供することができる。
【0035】
続いて、図5−図5Aに関連して、Lに等しいかまたは約Lの固有ピッチを有する自己組織化ラメラ相ブロック共重合体材料26(もしくはLに等しいかまたは約Lのピッチを有するよう混合されたブロック共重合体とホモポリマーとの3種ブレンド)は、その後、通常は膜としてトレンチ16へと堆積される。ブロック共重合体材料の薄層26aは、例えばメサ/スペーサ18上のトレンチ外側の材料層14上に堆積することができる。
【0036】
本発明の実施形態においては、ブロック共重合体材料は、イオン液体と組み合わせられる。
【0037】
ブロック共重合体もしくはブレンドは、アニーリングの間、全てのポリマーブロックがトレンチ底面上の化学的中性湿潤材料に対して同一の優先性を有するように構成される。ジブロック共重合体の実施例は、示された実施形態において使用されたPS−b−PMMAとともに、とりわけ、例えば、ポリ(スチレン)−b−ポリ(メチルメタクリレート)(PS−b−PMMA)もしくは他のPS−b−ポリ(アクリレート)もしくはPS−b−ポリ(メタクリレート)、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ビニルピリジン)(PS−b−PVP)、ポリ(スチレン)−b−ポリ(エチレンオキサイド)(PS−b−PEO)、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ラクチド)(PS−b−PLA)、ポリ(スチレン)−b−ポリ(tert−ブチルアクリレート)(PS−b−PtBA)およびポリ(スチレン)−b−ポリ(エチレン−コ−ブチレン)(PS−b−(PS−co−PB))、ポリ(イソプレン)−b−ポリ(メチルメタクリレート)(PI−b−PMMA)およびポリ(イソプレン)−b−ポリ(エチレンオキサイド)(PI−b−PEO)を含む。ブロック共重合体のポリマーブロックのうちの一つは、アニーリングされた膜からエッチングマスクもしくはテンプレートを作製するために、選択的かつ容易に除去可能であるべきである。
【0038】
使用することができるジブロック共重合体の別の実施例は、穏和な条件下でPEOドメインの選択的除去を可能にするPSとPEOブロックの間のトリフェニルメチル(トリチル)エーテル結合などの、開裂可能な接合を有するPS−b−PEOブロック共重合体である。カリウムもしくはリチウムカチオンを有する極性基の錯体形成の文献例が存在するが、これらの元素は半導体デバイスにとって、高い可動性を有する汚染物質を構成する。幾つかの実施形態においては、有効濃度における1−エチル−3−メチルイミダゾリウム−トリフルオロメタンスルフォネートなどの極性イオン液体は、カリウムもしくはリチウムなどの潜在的汚染物質の使用なしに、PMMAもしくはPEOにおける酸素などのブロック共重合体におけるドナー原子との有効な錯体形成のために使用できる。
【0039】
使用できるジブロック共重合体のさらなる実施例は、自己組織化円筒の直径よりも小さいサイズのPEOコーティングされた金ナノ粒子をドープされたPS−b−PMMAブロック共重合体である(Parkら、Macromolecules, 2007, 40(11), 8119-8124)。
【0040】
示された実施形態においてはジブロック共重合体が使用されるが、他のタイプのブロック共重合体(すなわち、トリブロックもしくはトリブロックもしくはマルチブロック共重合体)が使用される可能性がある。トリブロック共重合体の実施例は、とりわけ、ポリ(スチレン−b−メチルメタクリレート−b−エチレンオキサイド)(PS−b−PMMA−b−PEO)などのABC共重合体、ならびに、PS−PMMA−PS、PMMA−PS−PMMA、PS−b−PI−b−PSなどのABA共重合体を含む。
【0041】
ミクロ相分離ドメインのドメインサイズおよび周期(L)を含む膜形態は、ブロック共重合体の鎖長(分子量、MW)と、ジブロック共重合体のABブロックの体積分率によって制御することができ、所望の形態(例えば円筒、ラメラなど)を生成する。ラメラ形成ジブロック共重合体が使用される実施形態においては、2ブロック(AB)の体積分率は、通常約50:50から60:40の間の割合であり、ジブロック共重合体はミクロ相分離し、ポリマーAおよびポリマーBの交互のラメラドメインへと自己組織化する。ラメラ形成対称ジブロック共重合体の実施例は、約50:50(PS:PMMA)の重量比と約51kg/molの全分子量(M)を有するPS−b−PMMA(L〜35nm)であり、20nm幅(例えば、約0.5*Lの幅)のラメラを形成する。ラメラが露出表面に存在するアニーリングされた膜を得るため、通常のアニーリング温度におけるポリマーブロック(例えば、PSおよびPMMA)のChi値は、通常小さく、空気界面は両ブロックに対して等しく湿潤であるか、または、非選択的に湿潤である。
【0042】
ブロック共重合体のL値は、例えば、ブロック共重合体の分子量を調整することによって改変することができる。ブロック共重合体材料は、ブロック共重合体と、そのブロック共重合体におけるポリマーブロックと同タイプのポリマーの一つ以上のホモポリマー(HP)とを含む二種もしくは三種のブレンドとして形成することもでき、ポリマードメインのサイズを増加させ、L値を増加させるブレンドを生成する。ブレンドにおけるホモポリマーの濃度は、0から約60重量%の範囲にわたる可能性がある。三種のジブロック共重合体ブレンドの実施例は、PS−b−PMMA/PS/PMMAブレンドであり、例えば、60重量%、46K/21KのPS−b−PMMA、20重量%、20Kのポリスチレンおよび20重量%、20Kのポリ(メチルメタクリレート)のブレンドである。別の実施例は、PS−b−PEO/PS/PEOの60:20:20(重量%)のブレンドであるか、または、約85−90重量%のPS−b−PEOと10−15重量%までのPEOとのブレンドである。追加されるPEOホモポリマーは、PSの表面エネルギーよりもPEOの表面エネルギーを少なくとも部分的に低下させるよう機能してもよいと考えられる。
【0043】
ブロック共重合体材料は、相溶性のあるイオン液体(もしくはイオン液体のブレンド)と組み合わせられる。
【0044】
イオン液体は、通常100℃以下で液体のままであり、極めて低い蒸気圧に対してほぼ揮発性を有しない、非水性の特性を持つ、溶解塩様化合物である。際立った特徴は、化合物の低温融点である。融点は室温以下であるかまたは、比較的低い昇温(例えば150℃)にあり、それによって(複数の)イオン液体が液体状態にある間に、ポリマー膜に対して相溶性にする。イオン液体は水、有機溶媒、もしくはその両方に溶解可能でありうる。イオン液体は、カチオンおよびアニオンで構成され、一般的公式Bで表すことができる。BはカチオンでAはアニオンである。
【0045】
本発明の実施形態は、(室温における液体状態、非常に低い揮発性、および/もしくは特定のカチオン/アニオン対合を介した調整可能な様々な範囲の溶解度特性を含む)イオン液体の固有の特性を利用し、秩序のあるナノ構造膜を作製する。それによって、幾つかの現在使用される添加材の既存の限界を克服し、改良された長距離秩序自己組織化ポリマードメインを提供する。
【0046】
本発明の実施形態においては、イオン液体が使用されて、界面活性剤効果を提供し、それ自体が、非極性成分(例えばアルキル鎖)および極性もしくは水溶性成分を含むように構成され、従来のアニオン性もしくはカチオン性界面活性剤と同様に、ブロック共重合体材料の両方の相と相互作用する。所望の効果が、ブロック共重合体の極性ブロックにおけるドナー原子の錯体形成のうちの一つであるような本発明の他の実施形態においては、イオン液体のカチオン(B)とアニオン(A)に基づき、最終化合物もしくは分子は、ブロック共重合体材料のうちのある相の反応(極性)基と選択的に錯体形成するカチオンを含有する。例えば、ポリ(エチレンオキサイド)(PEO)もしくはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のうちの酸素含有官能基、または、ポリ(ビニルピリジン)(PVP)のうちの窒素含有官能基である。幾つかの実施形態においては、有機カチオンは比較的小さくすることができ、ブロック共重合体材料との相互作用を増加させる。幾つかの実施形態においては、イオン液体は有機カチオンと、相対的により小さい有機もしくは無機アニオンで構成される。
【0047】
さらには、本方法の実施形態においては、イオン液体は、半導体処理において汚染物質になる可能性のあるナトリウム、カリウムもしくはリチウムなどの元素を含まない。
【0048】
有機カチオン(B)の種類は、とりわけ、モノ、ジおよびトリで置換されたイミダゾリウム(例えば、1−アルキル−3−メチル−イミダゾリウム)、ピリジニウム(例えば1−アルキルピリジニウム)、ピロリジニウム(例えば、N−メチル−N−アルキルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジメチルピロリジニウム)、ホスホニウム(例えば、テトラアルキルホスホニウム、第四級ホスホニウム)、アンモニウム(例えば、テトラアルキルアンモニウム、第四級アンモニウム、芳香族アンモニウム)、グアニジニウム、ウロニウム、イソウロニウム、チオウロニウムおよびスルホニウム(例えば、三元スルホニウム)を含む。
【0049】
アニオン(A)の種類は、とりわけ、ギ酸塩、硫酸塩(例えば、硫酸アルキル、硫酸オクチル)、スルホン酸塩(例えば、スルホン酸メタン、スルホン酸トリフルオロメタン、p−スルホン酸トルエン)、アミド、イミド(例えば、ビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド)メタン、ホウ酸塩(例えば、テトラフルオロホウ酸、有機ホウ酸)、リン酸塩(例えば、リン酸アルキル、ヘキサフルオロリン酸、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸もしくはFAP)、グリコール酸塩、アンチモン酸塩、テトラカルボニルコバルト、トリフルオロアセテート、およびデカン酸塩を含む。半導体プロセスにとってあまり望ましくはないが、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物)は別の種のアニオン(A)である。幾つかの実施形態においては、アニオンは、例えば、ギ酸塩、硫酸アルキル、リン酸アルキルもしくはグリコール酸塩などの非ハロゲン化有機アニオンである。
【0050】
イオン液体は、例えば、とりわけ、米国特許整理番号7,252,791(Wasserscheidら)、米国特許整理番号6,998,152(Micron Technology, Inc. Uhlenbrockら)、米国特許整理番号6,924,341(UAB Research Foundation, Maysら)、米国公開出願2006/0211871(Daiら)に記述されている。イオン液体の実施例は、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウム硫酸エチル(EmimEtOSO)、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([Emim][TFSI])、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムテトラフルオロホウ酸([Emim][BF])、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムテトラフルオロホウ酸([Bmim][BF])、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムヘキサフルオロリン酸([Bmim][PF])、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウム水酸化物([Bmim]OH)、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸([HEmim][BF])およびトリス−(2−ヒドロキシエチル)−メチルアンモニウムメチルリン酸(MTEOA MeOSO)を含むが、そのいずれにも限定はされない。
【0051】
イオン液体(塩)は、例えば水もしくは有機溶媒(例えば、メタノールもしくはアセトン)に溶解することができ、ブロック共重合体材料と組み合わせることができる。それはトルエン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、エチルアセテート、シクロヘキサノンなどの有機溶媒、もしくは半導体プロセスにとってはあまり望ましくはないが、ジクロロメタン(CHCl)、ジクロロエタン(CHCl)、クロロホルム、塩化メチレン、クロロホルム/オクタン混合物などのハロゲン化溶媒に溶解することができる。
【0052】
ブロック共重合体材料は、二つ以上の相溶性イオン液体の混合物もしくはブレンドと組み合わせることもできる。
【0053】
幾つかの実施形態においては、イオン液体/ブロック共重合体組成物もしくはブレンドは、キャスティング中の配位もしくは水素結合を改良するため、かつ、アニーリング中のポリマードメインの自己組織化におけるより迅速な、もしくは長距離の秩序を促進するために、有効な量の水を含むことができる。その場合、例えば、組成物の全重量に基づいて、水の重量は約0.1−10%である。
【0054】
ブロック共重合体およびイオン液体の両方の構造は、長さスケール、配向、用途の構成的および機能的要件を満たすよう調整することができる。ブロック共重合体材料におけるイオン液体の濃度は変化することができ、本方法の実施形態においては、重量で約0.1−50%、もしくは約20−50%でブロック共重合体との平衡がとれる。幾つかの実施形態においては、ブロック共重合体のイオン液体に対する比率(例えば、重量%による)は、イオン液体のカチオン分子(B)を伴う選択的配位もしくは錯体形成に使用可能なブロック共重合体の選択されたドメイン(例えば、PEO)のうちの反応性原子(例えば、酸素原子および/もしくは窒素原子)の数、例えば、イオン液体のカチオン(B)に対するPEOにおける酸素の分子比率、もしくはモノマーのイオン液体に対する比率([O]/[K]例えば64)に従う。他の実施形態においては、イオン液体は、比較的高濃度例えば重量で約1−50%含むことができ、アニーリング中の鎖可動性を高め、かつ、ポリマードメインの自己組織化を促進するために、十分な量の錯体形成および界面活性剤の両方を提供する。
【0055】
幾つかの実施形態においては、ポリマーブロック(例えば少数ドメイン)のうちの一つは、アニーリング中の無機成分もしくは無機種(例えば、フィラーコンポーネント)を含有するよう選択的にドープし、構造化することができ、イオン液体の官能性を阻害しない。また、ポリマーブロックのうちの一つは、他のポリマードメイン(例えば多数ドメイン)の選択的除去によって、または、幾つかの実施形態においては、多数ポリマードメインと少数ポリマードメインの両方の除去に基づいて、エッチング抵抗性材料(例えばマスク)として基板上に残存する。無機種を含有するブロック共重合体は、本技術分野で既知の技術によって、例えば、直接合成技術によって、または、無機種の原子をポリマーブロックのうちの一つの反応基と錯体形成もしくは配位することによって無機種原子を含有することによって、準備することができる。
【0056】
例えば、ブロック共重合体は、熱抵抗性無機材料もしくはその前駆体と混合することができる。熱抵抗性無機材料もしくはその前駆体は、ブロック共重合体のポリマー鎖の一つに対して高い親和性を有し、アニーリング中にポリマー相と分離し、例えば、金属塩、無機金属塩(例えば、リチウム2,4−ペンタンジオネート、ルテニウム2,4−ペンタンジオネートなど)、金属酸化物ゲル、金属アルコキシドポリマー(例えば、アルコキシシランおよびアルキルアルコキシシラン)、金属酸化物前駆体(例えば、ポリシルセキオキサン)、金属窒化物前駆体および金属微粒子である。金属の実施例は、とりわけ、シリコン(Si)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、金(Au)、プラチナ(Pt)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、バナジウム(V)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)を含む。例えば、US 2007/0222995およびUS 2007/0289943(Lu;Agilent Tecnologies Inc.)USP 6,565,763 (Asakawaら)を参照されたい。
【0057】
無機種を含有するブロック共重合体は、例えば、US 2007/0222995に記述されるような直接合成技術によって準備することもできる。例えば、無機種含有モノマー(例えば、フェロセニルエチルメチルシランモノマー)が続く、非金属含有モノマー(例えば、スチレンモノマー)の逐次リビング重合は、無機種含有ブロック共重合体(例えば、ポリ(スチレン)−b−ポリ(フェロセニルメチルエチルシラン)(PS−b−PFEMS))を合成するために使用することができる。
【0058】
無機種を含有するジブロック共重合体の実施例は、とりわけ、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)(PS−b−PDMS)、ポリ(イソプレン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)(PI−b−PDMS)、PS−b−PFEMS、ポリ(イソプレン)−b−ポリ(フェロセニルメチルエチルシラン)(PI−b−PFEMS)、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ビニルメチルシロキサン)(PS−b−PVMS)、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ブタジエン)(PS−b−PB)(ただし、ポリブタジエン(PB)は四酸化オスミウム(OSO)によって染色されている。)、ポリ(スチレン)−b−ポリ(ビニルピリジン)(PS−b−PVP)(ただし、ピリジン基は、無機種と配位結合を形成する)を含む。
【0059】
アニーリングおよびポリマーブロックの垂直方向ラメラへの自己組織化の後、酸化プロセス(例えば、紫外線(UV)オゾン処理、もしくは酸素プラズマエッチング)を実施することができ、ポリマードメインのうちの一つもしくはその両方の有機成分を除去し、不揮発性無機酸化物を形成するため無機種を変換し、不揮発性無機酸化物は基板上に残存し、その後のエッチングプロセスにおいてマスクとして使用することができる。例えば、PDMSおよびPFEMブロック共重合体の無機種は、シリコンおよび鉄であり、酸化によって不揮発性酸化物、例えばシリコン酸化物(SiO)および酸化鉄(Fe)を形成する。
【0060】
続いて、図5−図5Aに関連して、ラメラ相ブロック共重合体材料26は、ブロック共重合体材料の固有ピッチもしくはL値の厚さと等しいかまたは、ほぼその厚さ(t)まで(例えば、Lの約±20%)、トレンチ16内にキャスティングもしくは堆積することができる。ブロック共重合体材料は、例えばジクロロエタン(CHCl)もしくはトルエンなどの適切な有機溶媒における、共重合体の希薄溶液(例えば0.25−2重量%溶液)から、スピンキャスティング(スピンコーティング)によって堆積することができる。毛細管力は、ブロック共重合体材料を(例えば、単層よりも大きく)トレンチ16内へと引き込む。ブロック共重合体26の厚さは、例えば、偏光解析法技術によって測定することができる。示されるように、ブロック共重合体材料の薄層もしくは膜26aはトレンチの外側、例えばスペーサ18上の材料層14上に堆積し、残存することができる。俯瞰図からわかるように、アニーリングによって、薄膜26aは、トレンチ内へ流入して、材料層14上に無組織ブラシ層を残す。
【0061】
図6−図6Aに示されるように、その後、アニーリングプロセスが実施され(矢印、図6A)、ポリマーブロックはトレンチ表面の優先的湿潤および中性湿潤に応じて相分離し、自己組織化ポリマー材料28を形成する。
【0062】
本発明の方法の実施形態においては、ポリマー材料26は、熱アニーリングによってアニーリングされ、それは、共重合体材料の成分ブロックのうちのガラス転移温度(T)以上で実施することができる。例えば、PS−b−PMMA共重合体材料は、自己組織化形態を達成するために、約1−24時間、真空オーブン中の約180−230℃の温度でアニーリングすることができる。アニーリングされた共重合体材料28の結果として生じる形態(例えば、垂直方向ラメラ30、32)は、例えば、原子間力顕微鏡法(AFM)、透過電子顕微鏡法(TEM)、走査電子顕微鏡法(SEM)を使用して分析することができる。
【0063】
ブロック共重合体材料は、全体的に加熱することができる。または、他の実施形態においては、区画もしくは局所的熱アニーリングをブロック共重合体材料の一部もしくは一区域に対して適用することができる。例えば、基板は、基板上もしくは基板下に配置された、温から冷への温度勾配を横切って移動することができ(または、熱源は基板に対して移動することができ)、ブロック共重合体材料は、熱源を通過した後の冷却によって自己組織化する。成分ポリマーブロックのうち、ガラス転移温度以上に加熱されたブロック共重合体材料の一部だけが自己組織化し、十分に加熱されなかった材料の領域は無秩序で組織化されないままである。加熱区域を基板に対して横切るように“引くこと”によって、結果として迅速な処理と、全体的熱アニーリングに比較してより良い秩序の構造が可能となる。
【0064】
幾つかの実施形態においては、ブロック共重合体材料26(例えば、PS−b−PEO)は、溶媒アニーリングされて、自己組織化ポリマー材料28を形成する。通常、溶媒アニーリングは二段階から構成される。第一段階においては、BCP材料は、膜を可塑化して鎖可動性を増加させるよう作用する溶媒蒸気に対して暴露され、それによってドメインを混合して、ポリマー材料のキャスティング由来の固有の秩序を失わせる。使用される有機溶媒は、ブロック共重合体材料におけるその溶解性に少なくとも部分的に基づいており、十分な溶媒分子がブロック共重合体材料に入り、ポリマードメインの秩序から無秩序への遷移を促進し、必要とされる分子の最配列を可能にする。溶媒の実施例は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメソキシエタン、エチルアセテート、シクロヘキサノンなどの芳香族溶媒、ならびに、クロロホルム、メチレンクロライド、クロロホルム/オクタン混合物などの塩素化溶媒をとりわけ含む。第二段階においては、基板10は、溶媒蒸気から除去され、溶媒および溶媒蒸気は、ポリマー材料外へと徐々に拡散して蒸発できる。ブロック共重合他材料は、溶媒が材料から蒸発するにつれて、“乾燥”し始める。溶媒の蒸発は、高い指向性があり、BCP材料の“上部”(表面)からBCP材料の“底面”へと広がる溶媒濃度勾配をトレンチ底面24において形成する。これによって、空気−表面界面で開始し、垂直方向ラメラドメイン30、32の形成を伴ってトレンチ16の底面24へと向かって駆動され、トレンチ側壁20によって誘導され、空気界面からトレンチ底面24へと完全に伸長する、構造の配向および自己組織化を誘発する。
【0065】
ブロック共重合体材料上の部分的もしくは飽和近くの溶媒蒸気相の使用は、中性湿潤界面を提供する。BCP材料表面と蒸気界面周辺の空気における溶媒濃度は、維持されるか、または、BCP材料から溶媒が蒸発するにつれて飽和以下となり、中性湿潤界面を維持し、両方(もしくは全ての)ポリマーブロックは、蒸気界面を等しく湿潤にさせ、溶媒が蒸発するにつれて、相分離する。空気界面におけるBCP材料内の溶媒濃度が十分に低くなるとき、BCPは可塑性を失い、空気界面における相分離ドメインは“固定”される。溶媒濃度がBCP材料を介して下方へと向かって減少するにつれて、空気界面に形成されたドメインは“結実する”か、または、下方へと向かって自己組織化を駆動し、基板10に対して垂直方向のドメインおよびラメラフィーチャは、空気界面からトレンチ底面24に対して完全に伸長する。
【0066】
トレンチ表面20、22、24の湿潤特性に応じて、アニーリングによって、ラメラ相ブロック共重合体26は、約0.5*Lの幅(w)(例えば、5−50nmもしくは約20nm)を有する垂直方向ラメラドメイン30、32の単層から構成される自己組織化ポリマー層28を形成し、トレンチ16の長さを伸長し、幅を定める。ブロック共重合体材料のうちの優先ブロック(例えばPMMAドメイン)は、トレンチ16の側壁20および終端22に対して分離し、通常L値の約1/4である湿潤層32aの厚さを有する、薄い界面ブラシもしくは湿潤層32aを形成する。エントロピー力は、中性湿潤表面(例えば底面24)を両ブロックによって湿潤にさせ、エンタルピー力は、優先ブロック(例えば、少数ブロック)によって、優先的湿潤表面(例えば、側壁20、終端22)を湿潤にさせる。
【0067】
さらには、ポリマーブロックのうちの一つの反応基(例えば、PMMAもしくはPEOなどのO含有基)と、イオン液体(塩)のカチオン(B)との選択的相互作用および錯体形成は、アニーリングによるポリマードメインの垂直配向を高める、ならびに/または誘発する。また、トレンチ内のポリマー材料(例えば、PS−b−PMMA)のラメラドメイン30、32(例えば、PS、PMMA)の長距離秩序の制御および改善に役立つ。ならびに/または、自己組織化パターンにおけるパターンエラー(例えば、回位など)数を減少させる。
【0068】
ブロック共重合体材料26が金属(例えば、Si、Feなど)などの無機種を含む実施形態においては、アニーリングによって無機種は、あるポリマー層に対して分離する。
【0069】
通常、トレンチ外側(例えば、メサ/スペーサ18上)のブロック共重合体薄膜26aは、結果として自己組織化するほど十分な厚さではない。任意で、例えば、エッチング技術もしくは平坦化プロセスによって非組織化薄膜26aは除去することができる。
【0070】
任意で、共重合体材料は、ポリマードメインのうちの一つを架橋するために処理することができ、ポリマーブロックの強度を固定し、かつ高める。例えば、ポリマーブロックのうちの一つ(例えば、PSドメイン)は、(例えば、深紫外線(DUV)放射を含む紫外線(UV)放射に対する暴露によって)本質的に架橋するように構成することができるか、または、ポリマーブロックは、架橋剤を含有するように形成することができる。例えば、トレンチ領域は、(示されていない)レチクルを介して選択的に露出することができ、トレンチ16内の自己組織化ポリマー材料28のみを架橋し、その後、洗浄が適切な溶媒(例えば、トルエン)で適用されて、ブロック共重合体材料26aのうちの架橋されていない部分を除去し、トレンチ内にレジスト化された自己組織化ポリマー材料28を残し、トレンチ上/外側の材料層14表面を露出する。別の実施形態においては、アニーリングされたポリマー材料28は、全体的に架橋することができ、フォトレジスト材料が適用されて、トレンチ領域外側のポリマー材料26aの領域をパターン化かつ露出して、ポリマー材料26aの露出部分は、例えば、酸素(O)プラズマ処理によって除去することができる。
【0071】
エッチングマスクとして自己組織化ポリマー材料28を使用する一実施形態は、図7−図7Aに示されている。示されるように、ラメラドメイン32のうちの一つは、選択的に除去することができ、残存するラメラドメイン30によって分離されたライン開口(スリット)36で構成される構造34を形成し、その後、下部基板10をエッチングするためのマスクとして使用することができる。
【0072】
例えば、PS−b−PMMAブロック共重合体の使用においては、PMMAドメイン32は、例えば、UV暴露/酢酸現像によって選択的に除去することができる。
【0073】
水溶性PEO相ドメイン32の除去は、例えば、(任意で架橋された)自己組織化共重合体材料28を水性ヨウ化水素酸に暴露、もしくは水のみに暴露することによって実施することができ、PSドメインに対する結合を開裂することなく、表面に対してPEOを除去する。PS−b−PEOブロック共重合体がポリマーブロック間に配置された酸によって開裂可能なリンカー(例えば、トリチルアルコールリンカー)を含む実施形態においては、PEOおよびPSフラグメントへとポリマーを開裂するために、(架橋された)自己組織化ポリマー材料28の酸性水溶液(例えば、トリフルオロ酢酸)に対する暴露、もしくは酸蒸気に対する暴露を実施することができる。(S.Yurtら、”Scission of Diblock Copolymers into Their Constituent Blocks”, Macromolecules 2006, 39, 1670-1672)その後、水による洗浄を実施することができ、開裂されたPEOドメイン32を除去する。他の実施形態においては、PEOドメインを除去するために、表面に対するPEOドメインを除去するための水に対する暴露の後、簡単な酸素(O)プラズマエッチングも実施することもできる。
【0074】
幾つかの実施形態においては、結果として生じる膜は、約5−50nm幅で数ミクロンの長さ(例えば、約10−4000μm)の、微細なナノメートルスケールの平行スリット(開口)36の線形パターンを画定する波形表面を有する。個々のスリットは、約5−50nm幅のポリマーマトリクス30によって分離される。例えば、PMMAドメインの除去は、例えば、約35nmのピッチ(17.5nmPSドメイン)のサブリソグラフィー寸法のPSマスクを提供する。より低い分子量のジブロック共重合体を使用することによって、より小さいピッチを示すことができる。
【0075】
残存するポリマードメイン30(例えばPS)は、その後、トレンチ底面24における下部基板10をエッチングする(矢印)ためのリソグラフィーテンプレートもしくはマスクとして使用することができ、例えば、選択的反応性イオンエッチング(RIE)もしくは他のプロセスを使用して、一連のチャネルもしくはトレンチ38(幻像として示される)を形成する。
【0076】
図8−図8Aに示されるように、残存ポリマーマトリクス30は、例えば、有機材料を除去するためのUVオゾン化もしくは酸素プラズマエッチングによって除去することができ、基板10におけるライン開口38は、とりわけ、Cu、Al、W、SiおよびTiなどの金属もしくは金属合金などの材料40で充填することができ、導電性ラインのアレイを形成するか、または、SiO、Al、HfO、ZrO、SrTiOなどの絶縁性(誘電体)材料で充填することができる。その後、所望の場合には、更なる処理を実施することができる。
【0077】
ポリマードメインのうちの一つが無機種(例えば、Si、Feなど)を含む本発明の実施形態においては、UVオゾン化もしくは酸素プラズマエッチングなどの酸化処理を実施することができ、有機材料(すなわちポリマードメイン)を除去し、無機種を不揮発性無機酸化物(例えば、シリコン酸化物(SiO)、酸化鉄(Fe)など)へと変換し、それを基板上に残して、その後のエッチングプロセスにおけるマスクとして使用することができる。例えば、Siおよび/もしくはFe含有添加物と組み合わせられた(例えばドープされた)PS−b−PMMAなどのブロック共重合体材料26と、Siおよび/もしくはFe種は、PMMAドメイン32と湿潤層32aとに分離される(図6−図6A)。図9−図9Aを関連して、酸化プロセス(矢印)を実施することができ、PSとPMMAラメラ(30、32)の両方を除去し、PMMAラメラ内のSiおよび/もしくはFe種を無機酸化物(例えば、SiOおよび/もしくはFe)へと変換し、結果として、基板10’上の不揮発性無機酸化物ライン32b’を生じる。酸化物ライン32b’はその後、例えば、選択的反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、基板10’内のライン開口38’(例えばトレンチ、幻像として示される)をエッチングするためのマスクとして使用することができる。例えば、フッ化物ベースのエッチャントを使用して、その後、残存酸化物ライン32b’は除去することができ、基板開口38’は、図8−図8Aと同様に、所望の材料(40)で充填することができる。
【0078】
膜は、基板のテンプレートとして広範囲に対して、長距離秩序およびレジスト化を有する線形アレイを提供する。また、ナノスケール近くのピッチのチャネルを生成するためのエッチングマスクとして有用であり、ナノスケール寸法を有するNANDフラッシュのための浮遊ゲートなどのフィーチャを生成するための、長さ数ミクロンの溝を彫る。ちなみに、比較すると、フォトリソグラフィー技術は、高コストなしに、60nmより大幅に小さい幅のチャネルを生成することは不可能である。解像度は、従来のフォトリソグラフィーなどの他の技術を上回るが、本開示の方法を使用する作製コストは、同程度の解像度を有する電子ビーム(E−ビーム)もしくはEUVフォトリソグラフィーよりも大幅に小さい。
【0079】
図10−図12には、本発明の一実施形態に従うナノメートルスケール、かつ垂直方向円筒の一次元(1−D)アレイを画定する自己組織化ブロック共重合体材料を作製するための方法が示される。本方法は、ポリマーマトリクス内の列における垂直方向円筒の1−Dアレイを形成するために、グラフォエピタキシーと組み合わせてイオン液体と形成される円筒相ブロック共重合体材料のアニーリングを含む。
【0080】
図10−図10Bに示されるように、基板10”が提供され、これは他の材料の中でもとりわけ、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン酸炭化物でありうる。さらに示されるように、導電性ライン42”のアレイ(もしくは、例えば半導電性領域などの他のアクティブ領域)が基板10”内に配置され、これは、示される実施形態においては、ブロック共重合体材料のL値に等しいかまたはほぼL値の中心間距離(もしくはピッチp)を有する。
【0081】
示された実施形態においては、中性湿潤材料12”(例えばランダム共重合体)は、前述されたように基板10”上に形成され、中性湿潤材料上に材料層14”が形成され、エッチングされて、トレンチ外およびトレンチ間のメサ/スペーサ18”とともにトレンチ16”を形成する。
【0082】
単一のトレンチもしくは(示されるような)複数のトレンチを材料層内に形成することができ、それは、ラインのアレイ(もしくは他のアクティブ領域)の全幅に及ぶ。本実施形態においては、トレンチ16”がアクティブ領域42”(例えばライン)上に形成され、トレンチ内の円筒相ブロック共重合体材料がアニーリングされるとき、各円筒は、単一のアクティブ領域42”(例えば導電性ライン)上に配置され、それとともに配列される。幾つかの実施形態においては、複数のトレンチが各隣接するトレンチ16”の終端22”で形成され、お互いからLの5%以下で配列されるか、またはわずかにオフセットされ、隣接するトレンチの円筒が同一ライン42”上に配列されかつ配置される。
【0083】
ラメラ相ブロック共重合体材料を使用する実施形態に関連して前述されたように、トレンチ側壁20”および終端22”は、ブロック共重合体材料の優先的ブロック(例えばPMMA)に対して優先的に湿潤であり、トレンチ底面24”は中性湿潤である。例えば、材料層14”は、PMMAブロックに対して本質的に優先的湿潤である材料(例えば、酸化物(シリコン酸化物(SiO))、(自然酸化物を有する)シリコン、シリコン窒化物など)で形成することができ、中性湿潤材料12”は、基板10”上の中性湿潤ランダム共重合体(例えば、PS−r−PMMA)によって提供することができ、トレンチ底面24”で露出される。
【0084】
例えば、両方の成分ホモポリマーの追加による三種ブレンドの形成によって、トレンチの幅(w)が減少する、ならびに/または、ブロック共重合体の周期性(L値)が増加するにつれて、トレンチの中心内の垂直円筒の、二列からの一列へのシフトが生じる。例えば、中性湿潤底面を有する75nm幅のトレンチへと堆積された、35nmのピッチもしくはL値を有するブロック共重合体もしくはブレンドは、アニーリングによって、結果として、約17.5nm直径(0.5*L)の垂直円筒を生じる。その垂直円筒は、トレンチの中心に向かう単一ライン列における側壁と配列された垂直円筒というよりはむしろ、トレンチの長さ(l)に対してジグザグパターンで、1/2のピッチ距離(もしくは約0.5*L)の分だけオフセットされる。
【0085】
本実施形態においては、トレンチ16”は、ブロック共重合体の約1.5−2*Lの幅(w)(もしくは、1.5−2Xピッチ値)で構成され、ブロック共重合体材料のほぼ固有L値の厚さまでトレンチ内へとキャスティングされた約Lの円筒相ブロック共重合体(もしくはブレンド)は、0.5*Lに等しいかまたは約0.5*Lの直径、ならびに、Lに等しいかまたは約Lの隣接円筒の中心間距離(p)を有する垂直方向円筒の単一列へと自己組織化する。約50nmピッチ値もしくはLの円筒相ブロック共重合体を使用する上で、例えば、トレンチ16の幅(w)は、約1.5−2*50nmか約75−100nmであり、結果として、トレンチの中心へと向かって側壁に沿って配列された垂直方向円筒(直径=0.5*Lもしくは約25nm)の単一列を生じる。トレンチの長さ(l)は、nLに等しいかまたは約nL、またはLの整数倍であり、通常約n*10から約n*100nmの範囲内にある(ただし、nは円筒数である)。
【0086】
二つのブロックが通常約60:40から80:20の割合の体積分率を有するジブロック共重合体(すなわち、多数ブロックポリマーAの体積分率は、0.6から0.8の割合である)は、ミクロ相分離し、ポリマーAのマトリクス内のポリマーBの周期性円筒状ドメインへと自己組織化する。PSのマトリクスにおける直径約20nmの円筒状PMMAドメインを形成するための円筒形成PS−b−PMMA共重合体材料(L〜35nm)の実施例は、67kg/molの全分子量(M)を有し、約70重量%のPSと30重量%のPMMAで構成される。PSのマトリクスにおける幅約20nmの半円筒状PVPドメインを形成するための円筒形成PS−b−PVP共重合体材料(L〜28nm)の実施例は、44.5kg/molの全分子量(M)を有し、約70重量%のPSと30重量%のPVPで構成される。別の実施例として、PS−b−PLA共重合体材料(L=49nm)は、約60.5kg/molの全分子量(M)を有し、約71重量%のPSと29重量%のPLAで構成することができ、PSマトリクスにおいて直径約27nmの円筒状PLAドメインを形成する。
【0087】
続いて、図11−図11Bに関連し、Lに等しいかまたは約Lの固有ピッチを有する円筒相ブロック共重合体材料(もしくはブレンド)26”は、トレンチ16”内にLに等しいかまたは約Lの厚さ(t)(例えば、L値の約±20%)まで堆積され(通常約10−100nm)、アニーリング(例えば熱アニーリング)される。ブロック共重合体材料26”は、前述されたように、イオン液体と組み合わせられたあらゆるブロック共重合体(例えば、PS−b−PMMA、PS−b−PEO、PS−b−PLAなど)で構成される可能性がある。その後、ブロック共重合体材料26”は、前述されたように熱アニーリングもしくは溶媒アニーリングすることができる。
【0088】
図12−図12Bに示されるように、アニーリングによって、トレンチ表面の湿潤特性に応じて、円筒相ブロック共重合体材料26”は、多数ポリマーブロック(例えばPS)のポリマーマトリクス30”内の、少数(優先的)ポリマーブロック(例えばPMMA)の垂直方向円筒状ドメイン32”で構成されるポリマー材料28(例えば膜)へと自己組織化する。
【0089】
トレンチ16”の幅(w)ならびに、両方のポリマーブロック(例えばランダムグラフト共重合体)に対して中性かまたは非優先的湿潤を示すトレンチ底面24”および優先(少数)ポリマーブロックによる優先湿潤を示す側壁20”と組み合わせられたブロック共重合体組成物のLに等しいかまたは約Lの固有ピッチを有する(例えば、PS−b−PMMA)特性によって提供される制約によって、結果として、多数ポリマーブロック(例えばPS)のマトリクス30”内の少数ポリマーブロック(例えばPMMA)の円筒状 ドメイン30”の1−Dアレイを生じ、円筒状ドメイン32”は、トレンチの長さの間、側壁20”に対して平行に配列された単一列におけるトレンチ底面24”に対して垂直に配向される。円筒32”の直径は、通常円筒間の中心間距離の約1/2か、または約0.5*L(例えば、5−50nmか、約20nm)である。優先的(少数)ブロック(例えばPMMA)は、トレンチの側壁20”および終端22”に対して分離し、薄いブラシ界面もしくは通常、隣接する円筒34間の中心間距離の約1/4の厚さを有する湿潤層32a”を形成する。例えば、PMMAドメインの層は、酸化物界面を優先的に湿潤にし、酸化物材料から結果として遠くに方向づけられたPSドメインを取り付けられる。幾つかの実施形態においては、自己組織化ブロック共重合体材料28”は円筒状ドメイン(円筒)32”のアレイによって画定され、その各々は0.5*Lに等しいか約0.5*Lの直径で、トレンチの長さに従う列において、円筒の数(n)で、各円筒間の中心間距離(ピッチ距離p)はLに等しいかまたは約Lである。
【0090】
図11−図11Bに示されるように、アニーリングされたポリマー材料28”のポリマーセグメント(例えば、PSマトリクス30”)は、任意で架橋することができ、トレンチ外側の表面上のあらゆる非組織化ポリマー材料26a”は、その後、任意で除去することができる。
【0091】
自己組織化ポリマー材料28”は、その後、処理されて、例えば、基板10”における円筒状開口を形成するためのエッチングマスク34”を形成する。例えば、図13−図13Bに示されるように、自己組織化ポリマー材料28”の円筒状ポリマードメイン32”(例えば、PMMA)は、選択的に除去することができ、結果として、トレンチ底面24”を露出する開口36”を有する(例えば、PSの)孔ポリマーマトリクス30”を生じる。残存するポリマーマトリクス36”(例えばPS)は、マスクとして使用することができ、一連の開口もしくは接触穴38”(幻像として示される)を、例えば、選択的反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、下部基板10”(もしくは下層)における導電性ライン42”もしくは他のアクティブ領域(例えば、半導電性領域など)に対してエッチング(矢印)する。
【0092】
図14−図14Bに示されるように、エッチングマスク34”の残部(例えばマトリクス30”)は、その後除去することができ、円筒状開口38”は、とりわけ、Cu、Al、W、Si、およびTiなどの金属か金属合金などの所望の材料40”で充填することができ、導電性ライン42”に対して円筒状接点のアレイを形成する。基板内の円筒状開口38”は、金属−絶縁体−金属積層でも充填することができ、SiO、Al、HfO、ZrO、SrTiOなどの絶縁性材料でキャパシタを形成する。
【0093】
本開示の方法は、ポリマーマトリクスにおける垂直方向円筒で構成される自己組織化ジブロック共重合体膜を生成する方法を提供する。本方法は、電子ビームリソグラフィー、EUVフォトリソグラフィーもしくは従来のフォトリソグラフィーによって提供されるものよりもより低コストで提供することのできる、ナノメートルスケールの、秩序化されたレジスト化素子を提供する。本発明によって生成され、到達可能なフィーチャサイズは、従来のフォトリソグラフィーによって容易に提供することはできない。記述された方法およびシステムは容易に使用することができ、既存の半導体製造プロセスフローへと組み込み、微細構造を作製するための低コスト、高スループット技術を提供することが可能である。
【0094】
具体的には、本発明の実施形態に従う、一つ以上のイオン液体とブロック共重合体との混合および組み合わせによって、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)もしくはカリウム(K)などの高い可働性を有する汚染物質の導入なしに、ブロック共重合体のある相との配位もしくは他の相互作用を介して、ポリマードメイン(例えば、ラメラおよび円筒)の長距離秩序を高めるか改善することができる。
【0095】
本明細書では、具体的実施形態が示され説明されてきたが、同一の目的を達成すると予測されるあらゆる配置が、示された具体的実施形態に対して置換されてもよいことを当業者には理解されたい。本出願は、記述された本発明の原則に従って動作するあらゆる適合もしくは変形を包含するよう意図されるものである。したがって、本発明は、請求項とその均等物によってのみ限定されることを意図される。本出願において参照された特許、参照および刊行物の開示は、本明細書に参照によって組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にナノ構造のポリマー材料を形成する方法であって、
前記基板上の材料層内のトレンチ内に自己組織化ラメラ相ブロック共重合体組成物を形成するステップであって、前記トレンチは、長さ、中性湿潤底面、および前記ブロック共重合体の第一のブロックに対して優先的に湿潤である、対立する複数の側壁および複数の終端を有し、前記ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体とイオン液体とのブレンドを含む、ステップと、
前記ブロック共重合体材料が、前記トレンチ底面に対して垂直に配向され、前記トレンチの前記長さを伸長する前記ブロック共重合体の前記第一のブロックおよび第二のブロックの複数の交互ラメラドメインへと自己組織化するように、前記ブロック共重合体材料をアニーリングするステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ブロック共重合体組成物は、前記ブロック共重合体との前記平衡を伴って、約0.1−50%の重量の前記イオン液体を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記イオン液体は、置換イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、アンモニウム、グアニジニウム、ウロニウム、イソウロニウム、チオウロニウムおよびスルホニウムから成る群から選択された有機カチオンを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イオン液体は、ハロゲン、ギ酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、アミド、イミド、メタン、ホウ酸塩、リン酸塩、グリコール酸塩、アンチモン酸塩、テトラカルボニルコバルト、トリフルオロアセテート、デカン酸塩、硫酸アルキル、リン酸アルキルおよびグリコール酸塩から成る群から選択されるアニオンを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ブロック共重合体組成物は、約0.1−10%の重量の水をさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ブロック共重合体は、ポリスチレンおよび、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(ビニルピリジン)のうちの少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
基板上にナノ構造のポリマー材料を形成する方法であって、
前記基板上の材料層内のトレンチ内に自己組織化円筒相ブロック共重合体組成物を形成するステップであって、前記ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体とイオン液体とのブレンドを含み、前記トレンチは、長さ、中性湿潤底面、および前記ブロック共重合体の少数ブロックに対して優先的に湿潤である対立する複数の側壁および複数の終端を有する、ステップと、
前記ブロック共重合体が、前記ブロック共重合体の第二のブロックのマトリクスにおける、第一のブロックの複数の円筒状ドメインへと自己組織化するように、前記ブロック共重合体組成物をアニーリングするステップであって、前記自己組織化ブロック共重合体材料は厚さを有し、前記複数の円筒状ポリマードメインは、前記トレンチ底面に対して垂直に配向され、かつ、前記トレンチの前記長さに対して単一列における前記自己組織化ブロック共重合体材料の前記厚さを通して伸長する、ステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記トレンチは、約1.5−2XLの幅を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
基板をエッチングする方法であって、
前記基板を被覆する材料層におけるトレンチ内に配置されたラメラ相ブロック共重合体材料をアニーリングするステップであって、前記トレンチは、前記ブロック共重合体のうちのあるブロックに対して優先的に湿潤である複数の対立する側壁および複数の終端、中性湿潤である底面、ならびに幅および長さを有し、前記ブロック共重合体材料はイオン液体と混合され、前記ブロック共重合体材料は、前記幅に及び、前記トレンチの前記長さを伸長する垂直方向ラメラを形成するステップと、
前記基板を露出する複数の開口を形成するために、前記複数のポリマーブロックのうちの一つを選択的に除去するステップと、
そこに複数の開口を形成するために前記基板の複数の露出部分をエッチングするステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記複数のポリマーブロックを除去するステップの前に、前記複数のポリマーブロックのうちの別のブロックを選択的に架橋するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
エッチングする前記ステップは、前記トレンチ内の複数の平行トレンチのパターンを形成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記基板における前記複数のトレンチを充填材料で充填するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブロック共重合体組成物のうちの一ブロックは、シリコン、クロム、チタン、アルミニウム、モリブデン、金、プラチナ、ルテニウム、ジルコニウム、タングステン、バナジウム、鉛、亜鉛から成る群から選択される金属を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ブロック共重合体のうちの前記少数ブロックは、金属成分を含み、前記複数のポリマーブロックを選択的に除去するステップは、無機金属材料が複数のラインを前記基板上に形成するように前記無機金属材料へと前記金属成分を形成するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項15】
基板をエッチングする方法であって、
前記基板を被覆する材料層内のトレンチ内に配置された円筒相ブロック共重合体材料をアニーリングするステップであって、前記トレンチは、前記ブロック共重合体の少数ブロックに対して優先的に湿潤である対立する複数の側壁および複数の終端、中性湿潤である底面、ならびに幅と長さを有し、前記ブロック共重合体材料はイオン液体と混合され、前記ブロック共重合体材料は、多数ポリマーブロックのマトリクス内に少数ポリマーブロックの複数の垂直方向円筒の単一のアレイを形成し、前記アニーリングされたブロック共重合体材料は、厚さと、前記アニーリングされたブロック共重合体材料の前記厚さを介して伸長する前記複数の円筒と、を有する、ステップと、
前記基板を露出する複数の開口を形成するために前記少数ポリマーブロックを選択的に除去するステップと、
そこに複数の円筒状開口を形成するために前記基板の複数の露出部分をエッチングするステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記少数ポリマーブロックを除去するステップの前に、前記多数ポリマーブロックを選択的に架橋するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基板における前記複数の開口を充填材料で充填するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記充填材料は、金属、金属合金、および金属/絶縁体/金属積層を含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
基板をエッチングする方法であって、
前記基板を被覆する材料層内のトレンチ内にブロック共重合体材料を形成するステップであって、前記トレンチは、前記ブロック共重合体のうちのあるポリマーブロックに対して優先的に湿潤である、対立する複数の側壁および複数の終端、中性湿潤底面、幅および長さを有し、前記ブロック共重合体材料はイオン液体と混合される、ステップと、
前記トレンチの前記底面に対して垂直に配向され、かつ、前記トレンチの前記長さに対して前記複数の側壁に平行に配列された複数の自己組織化ポリマードメインを含むポリマー層を形成するために、前記ブロック共重合体材料におけるミクロ相分離を引き起こすステップと、
前記複数のポリマードメインのうちの一つを選択的に架橋するステップと、
前記ポリマー層を介して複数の開口を形成するため、架橋されていない複数のポリマードメインを選択的に除去するステップと、
前記ポリマー層における前記複数の開口を介して、前記基板をエッチングするステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記ブロック共重合体材料は、垂直方向ラメラの複数の交互ポリマードメインへとミクロ相分離するラメラ相ブロック共重合体材料を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ブロック共重合体材料は、多数ポリマーブロックのマトリクス内の少数ポリマーブロックの複数の垂直方向円筒状ドメインへとミクロ相分離する、円筒相ブロック共重合体材料を含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
基板を被覆する材料層内のトレンチ内に配置されたポリマー材料であって、前記トレンチは、複数の側壁、複数の終端、底面、幅および長さを有し、前記ポリマー材料は、イオン液体と選択的に配位する第一のポリマーブロックおよび第二のポリマーブロックの交互ラメラを含む自己組織化ブロック共重合体材料を含み、前記ラメラは、前記トレンチ底面に垂直に配向され、前記トレンチの前記長さを伸長する、
ことを特徴とするポリマー材料。
【請求項23】
基板を被覆する材料層内のトレンチ内に配置されたポリマー材料であって、前記トレンチは、複数の側壁、複数の終端、底面、幅および長さを有し、前記ポリマー材料は、多数ポリマーブロックのマトリクスにおけるイオン液体と選択的に配位する少数ポリマーブロックの複数の円筒状ポリマードメインを含み、前記複数の円筒状ポリマードメインは、前記トレンチ底面に垂直に配向され、前記トレンチの前記長さを伸長する単一アレイ中に存在する、
ことを特徴とするポリマー材料。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図14A】
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【図14B】
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【公表番号】特表2011−518652(P2011−518652A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500847(P2011−500847)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/035804
【国際公開番号】WO2009/117238
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(595168543)マイクロン テクノロジー, インク. (444)
【Fターム(参考)】