説明

イベント通知方法、携帯端末機及びサーバ

【課題】発生頻度の高いイベントの通知回数を減らすことにより、無線インターフェースにおける転送データの量を減少させ、転送効率を向上させることのできる、無線通信システムにおけるイベント通知方法を提供する。
【解決手段】無線通信システムにおけるイベント通知方法は、クライアントが特定イベントの通知周期に関する周期情報を含むイベント通知要求メッセージをサーバに転送する過程(S11)と、前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていると、前記サーバが前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知する過程(S15、S16)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベント通知方法に関し、特に、無線通信システムにおいてイベント通知を行う時間間隔(通知周期)を制御することにより、発生頻度の高いイベント等の通知を特定の時間間隔で行うように制限することのできるイベント通知方法、携帯端末機及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
SIP(Session Initiation Protocol)は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)のようなテキストベースのプロトコルであって、クライアントがセッションを形成し、修正し、終了するようにする。すなわち、SIPは、クライアントが呼び出しを開始するとサーバがその呼び出しに応答するクライアント/サーバ構造をベースとし、電子メールに類似したアドレス体系を用いて、音声通話サービス、インスタントメッセージサービス、携帯端末(電話)におけるプッシュ・トゥ・トーク(PoC;Push to talk over Cellular)などを実現することができる。
【0003】
SIPベースのクライアントは、特定イベントの発生時に、該特定イベントの発生が自分に通知されるようにサーバに予約しておくことができ、サーバは、SIPベースのクライアントが予約した特定イベントの発生時に、該SIPベースのクライアントにイベント通知を行う。
【0004】
すなわち、SIPベースのクライアントは、リソース又はリソースの呼状態などをサーバに予約し、自分の状態が変更されるとこれをサーバに通知する。また、サーバは、SIPベースのクライアントの状態が変更されるか又は予約されたイベントが発生するたびに、それが通知されるように予約した(他の)SIPベースのクライアントにイベント通知を行う。ここで、このようなイベント通知を利用して、ターミナルステートイベント(terminal state event)に基づくコールバックサービス、ユーザープレゼンスイベント(user presence event)に基づくバディリストサービス、メールボックスステート変更イベント(mailbox state modification state)に基づくメッセージ待機表示サービス、コールステートイベント(call state event)に基づくPINT(PTSNとインターネットとの相互接続)状態サービスなどの様々なSIPサービスを実現することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来のイベント通知方法においては、予約されたイベントが発生するたびに、該イベントの通知を予約したクライアントにイベント通知を行うようになっていたため、予約されたイベントが頻繁に発生したり、発生したイベントの通知を予約したクライアントが多くなったりするほど、イベント通知のためにサーバが転送しなければならないデータ量が増加する(サーバの負担が増加する)という問題があった。
【0006】
以下、ユーザープレゼンスイベントに基づくサービス(バディリストサービス)を例に挙げて説明する。
SIPベースのクライアントは、インスタントメッセージサービスやPoCサービスを利用するために、他のクライアントが登録されたバディリストを有し、該バディリストは、プレゼンス・サーバにより管理される。プレゼンス・サーバは、複数のクライアントのプレゼンス情報を集中管理しており、SIPベースのクライアントが他のクライアント(すなわち、バディリストに登録されたクライアント)のプレゼンス情報を受信することを予約すると、所定の有効時間内に、該SIPベースのクライアントに前記他のクライアントのプレゼンス情報を通知する。
【0007】
また、SIPベースのクライアントは、自分のプレゼンス情報が変更されると、その変更されたプレゼンス情報をプレゼンス・サーバに通知し、該プレゼンス・サーバは、リアルタイムにそのクライアントの変更されたプレゼンス情報を、これを受信することを予約した他のクライアントにイベント通知する。すなわち、クライアントが有するバディリストに含まれるバディ(他のクライアント)の数が増加するほど、無線インターフェースで転送されるデータ量が増加してしまい、該無線インターフェースにおける転送効率が低下するという問題があった。
【0008】
ところで、予約されたイベントが発生するたびに該イベントを通知する上記方法の問題を解決するための方法としては、ユーザーが要求する特定時点にユーザーが要求するイベントの状態を通知する方法がある。
【0009】
この方法におけるユーザープレゼンスイベントに基づくサービス(バディリストサービス)の場合には、ユーザーが特定時点にSIPベースのクライアントを利用してバディリスト更新要求信号をプレゼンス・サーバに転送し、このバディリスト更新要求信号を受信したプレゼンス・サーバが、該当するバディリストに含まれているクライアントのプレゼンス情報を含む応答信号を前記SIPベースのクライアント(バディリスト更新要求信号を転送したクライアント)に転送するようにしている。
【0010】
しかし、このようなユーザーの要求によるプレゼンス情報の更新では、ユーザーは特定情報を確認しようとする時点毎に毎回要求しなければならず、これは、予約に基づいて所定時間内の特定イベントの発生時に自動的に行われるイベント通知方式ではない。
【0011】
また、ユーザーが要求する場合にのみバディリストのプレゼンス情報が更新されるため、サーバが一回に転送しなければならないデータ量が増加して転送効率が低下し、バディリストのプレゼンスをリアルタイムに確認することができないおそれがある。このような場合には、ユーザーはバディリストを頻繁に確認しなければならず、ユーザーに不便さを感じさせてしまう(面倒である)という問題があった。
【0012】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたもので、イベント通知を行う(最小の)時間間隔(通知周期)を制御することにより、イベント通知に際してサーバが一度に転送するデータ量を減少させることのできる、無線通信システムにおけるイベント通知方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の他の目的は、発生頻度の高いイベント通知の(最小の)時間間隔(通知周期)を制御することにより、イベント通知に際してサーバが一度に転送するデータ量を減少させることのできる、無線通信システムにおけるイベント通知方法を提供することにある。
【0014】
さらに他の目的は、イベント通知の(最小の)時間間隔(通知周期)をユーザーが調整することのできる、無線通信システムにおけるイベント通知方法を提供することにある。
【0015】
さらに他の目的は、イベントの発生に対するリアルタイム性を害さない範囲内でイベント通知の時間間隔を調整することで、イベント通知に際してサーバが一度に転送するデータ量を減少させながら、リアルタイム性を保障しつつ、自動的にイベント通知を行うことのできる、無線通信システムにおけるイベント通知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような目的を達成するために、本発明に係るイベント通知方法は、クライアントが特定イベントの通知周期に関する周期情報を含むイベント通知要求メッセージをサーバに転送する過程と、前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていると、前記サーバが前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知する過程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るイベント通知方法は、特定イベントの通知に関する周期情報を設定し、クライアントを介して、該周期情報を含むイベント通知要求メッセージをサーバに転送する過程と、前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たれていると、前記サーバから前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知する時点を決定する過程と、決定した通知時点に、前記サーバから前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知する過程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係るイベント通知方法は、特定クライアントから特定イベントの通知周期に関する周期情報を含むイベント通知要求メッセージが転送される過程と、前記特定のイベントの発生を監視する過程と、前記特定イベントが発生すると、該特定イベントの発生時点が前記周期情報を満たすか否かを判断する過程と、前記特定イベントの発生時点が前記周期情報を満たすと、前記クライアントに前記特定イベントの発生を知らせるイベント通知メッセージを転送する過程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るイベント通知方法は、クライアント側で設定された時間間隔(通知周期)でイベント通知を行うことにより、イベントが発生するたびにイベント通知を行う従来の方法に比べて、イベント発生時に無線インターフェース等で転送されるデータ量を減少させることができる、という効果がある。
【0020】
また、本発明に係るイベント通知方法は、発生頻度の高いイベントの通知回数を減らすことができるので、無線インターフェース等における転送効率を向上させることができる、という効果がある。
【0021】
さらに、本発明に係るイベント通知方法は、イベントの発生に対するリアルタイム性を保障する範囲内でイベント通知の時間間隔(通知周期)を調整することにより、イベント通知に伴う無線インターフェース等の転送効率の低下を防止しながら、イベント通知のリアルタイム性を保障できると共に、イベントの発生時に自動的に通知されるので、ユーザーの利便性の面でも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係るイベント通知方法の好ましい実施形態(無線通信システムにおけるイベント通知方法)について説明する。
【0023】
本実施形態に係るイベント通知方法において、SIPベースのクライアントは、イベント通知要求メッセージのヘッダーに、特定イベントの通知要求と該イベントの通知周期に関する周期情報とを含め、該イベント通知要求メッセージをサーバに転送し、このイベント通知要求メッセージを受信したサーバは、前記特定イベントが発生すると、前記通知周期で前記(SIPベースの)クライアントに該特定イベントの発生を通知する。なお、以下では、前記イベント通知要求メッセージを「サブスクライブメッセージ」という。
【0024】
前記周期情報は、例えば、クライアントが前記特定イベントの通知を受ける(換言すると、サーバが前記特定イベントの発生を通知する)ための最小の時間間隔であり、前記特定イベントの発生を通知した後に該特定イベントが再び発生しても、サーバは、この最小の時間間隔が経過しないと該特定イベントの(再)発生を通知しない。すなわち、通知要求のあったイベントが前記最小の時間間隔内に発生すると、サーバは、該最小の時間間隔が経過した後に当該イベントの発生を前記クライアントに通知するようになっており、これにより、前記最小の時間間隔内には一回のイベント通知のみが行われるように制限している。
【0025】
また、前記周期情報は、最小の時間間隔だけでなく、最小の時間間隔と最大の時間間隔との両方を含むこともできる。このように、前記周期情報が最小の時間間隔と最大の時間間隔との両方を含む場合には、サーバは、最小の時間間隔と最大の時間間隔との間(の時間間隔)で任意にイベントを通知することができる。すなわち、前記周期情報としてのイベントの通知周期が、固定値ではなく、許容範囲を有する場合には、その通知時期は、周期性を有する許容範囲内でサーバによって決定されることになる。
【0026】
なお、本実施形態において、SIPベースのクライアントが転送するサブスクライブメッセージに含まれる周期情報(より具体的には、イベントの通知周期)は、ユーザーが任意に設定することができるようになっている。
【0027】
また、本実施形態において、サーバは、特定クライアントが予約したイベントが発生した場合には、該イベントの発生を、前記最小の時間間隔で、又は前記最小の時間間隔と前記最大の時間間隔との間の時間間隔で、前記特定クライアントに通知しなければならない。ここで、イベント通知の設定(特定イベントの要求、イベントの通知周期等)は、前記サブスクライブメッセージに設定された有効時間の間だけ維持される。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係るイベント通知方法を示すフローチャートである。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係るイベント通知方法においては、まず、特定クライアントが特定イベントの発生の通知を要求するサブスクライブメッセージをサーバに転送する(S11)。ここで、かかるサブスクライブメッセージのヘッダーには、前記特定クライアントにイベントの発生を通知する通知周期に関する周期情報が含まれる。
【0030】
なお、かかる周期情報には、前記特定イベントの発生を通知するための最小の時間間隔又は最小時間間隔と最大時間間隔との両方のいずれかを含み、これらはユーザーによって任意に設定される。
【0031】
次に、前記サーバは、前記サブスクライブメッセージにより転送されたイベント、周期情報及び有効時間などを確認し、前記特定クライアントが設定した(通知要求をした)イベントが発生するか否かを監視(を開始)すると共に、内部タイマーを起動する(S12)。
【0032】
その後、前記サーバは、前記有効時間が経過したか否かを判断し(S13)、該有効時間が経過していないと、前記特定クライアントが設定したイベントが発生したか否かを判断する(S14)。
【0033】
かかる判断の結果、前記特定イベントが発生していないと、前記サーバは、前記有効時間の間、イベントの発生を継続して監視する。
【0034】
一方、S14における判断の結果、前記特定イベントが発生していると、前記サーバは、該特定イベントが発生した時点が前記サブスクライブメッセージに含まれている周期情報を満たすか否かを判断する(S15)。より具体的には、該特定イベントの発生を前回通知してから(前回のイベント通知から)の経過時間が前記最小の時間間隔以上であるか否かを判断する。なお、周期情報が最小の時間間隔と最大の時間間隔との両方を含む場合には、前回イベント通知からの経過時間が、最小の時間間隔以上、最大の時間間隔以下であるか否かを判断することになる。
【0035】
かかる判断の結果、前記特定イベントが発生した時点が前記周期情報を満たす(満たしている)と、該特定イベントの通知を設定(要求)したクライアント(前記特定クライアント)に該特定イベントの発生を知らせるイベント通知メッセージを転送する(S16)。
【0036】
一方、S15における判断の結果、前記特定イベントが発生した時点が前記周期情報を満たさない(満たしていない)と、前記サーバは、前記周期情報を満たすまで該特定イベントの発生の通知(イベント通知メッセージの転送)を保留する(S17)。ここで、前記サーバは、前記特定イベントの通知を保留した後、前記周期情報を満たすまでの間も、該特定イベントが再び発生したか否かを判断する。
【0037】
すなわち、前記特定イベントの通知を保留したサーバは、前記有効時間が経過したか否かを確認し(S13)、該有効時間が経過していないと、該特定イベントが再び発生したか否かを判断する(S14)。かかる判断の結果、前記特定イベントが再び発生していないと、前記サーバは、該特定イベントの通知を保留した否か、すなわち、該特定イベントについての保留メッセージが存在するか否かを判断し(S18)、該保留メッセージが存在すると、現在(現時点)が前記周期情報を満たしているか否かを判断する(S15)。現時点が前記周期情報を満たしていると、前記サーバは、前記特定クライアントに(保留された)イベント通知メッセージを転送する(S16)。一方、現時点が前記周期情報を満たさないと、以上の過程(S13〜15)を、前記有効時間が経過するまで、又は前記周期情報を満たすまで繰り返し行う。これに対し、S18において保留メッセージが存在しないと、前記サーバは、前記有効時間が経過したか否かを再び確認し(S13)、前記有効時間が経過すると、前記特定イベントの発生を感知するための(特定イベントに対する)全ての動作を終了する(S19)。
【0038】
なお、前記有効時間は、イベント通知が可能な期間として設定されるものであり、この有効時間と前記周期情報とが共に存在する場合において、前記特定のイベントが発生すると、前記有効時間の間(すなわち、有効時間が経過するまで)、前記通知周期(最小の時間間隔)で該特定イベントの発生が通知され、前記有効時間が経過すると、該特定イベントに対する処理を終了する。
【0039】
本実施形態においては、ユーザーが特定イベントを通知するための最小周期、すなわち、最小の時間間隔を設定するようになっており、これにより、所定の時間(最小の時間間隔)内には一回のイベント通知のみが行われるようにイベント通知の頻度を制限している。
【0040】
図2は、上記イベント通知方法を実現するための無線通信システムの構成を示すブロック図である。ここでは、ユーザーのプレゼンス情報の変更を前記特定イベントとするサービスの例が示している。
【0041】
無線通信システムは、SIPベースのクライアント21、22、23と、プレゼンス・サーバ10と、を含んで構成される。
クライアント21、22、23のそれぞれは、他のクライアントのプレゼンス情報を所定の時間間隔(所定周期)で通知することを要求するサブスクライブメッセージをプレゼンス・サーバ10に転送するとともに、自分のプレゼンス情報が変更された場合には、その変更されたプレゼンス情報をプレゼンス・サーバ10に転送する。
プレゼンス・サーバ10は、クライアント21、22、23から転送されたプレゼンス情報を前記所定の時間間隔で他の(該プレゼンス情報を転送したクライアント以外の)クライアントに通知する。
【0042】
前記サブスクライブメッセージは、SIPメッセージであって、そのヘッダーに、他のクライアントのプレゼンス情報(イベント)の通知要求と、該イベントを該クライアントに通知する通知周期に関する周期情報とを含む。ここで、該周期情報は、クライアントが要求するイベントの発生を該クライアントに通知する最小の時間間隔、最大の時間間隔、又は許容範囲などを含む。
【0043】
以下、このように構成された無線通信システムにおけるイベント通知方法について説明する。
【0044】
まず、第1クライアント21が自分のバディリストに含まれているクライアントのプレゼンス情報を要求しており、そのバディリストに含まれているクライアントが第2クライアント22及び第3クライアント23であると仮定する。
【0045】
第1クライアント21は、他のクライアント(すなわち、第2クライアント22、第3クライアント23)のプレゼンス情報(イベント)の通知要求と、該イベントの通知周期に関する周期情報とをサブスクライブメッセージのヘッダーに含めて、プレゼンス・サーバ10に転送する。ここで、前記周期情報は、プレゼンス・サーバ10が第2クライアント22及び第3クライアント23のプレゼンス情報を第1クライアント21に通知する最小の時間間隔であるとする。
【0046】
第2クライアント22又は第3クライアント23は、自分のプレゼンス情報が変更されると、変更されたプレゼンス情報をプレゼンス・サーバ10に転送し、プレゼンス・サーバ10は、この変更されたプレゼンス情報を第1クライアント10に通知する(プレゼンス情報を含む通知メッセージを転送する)ために、第1クライアント21が設定した周期情報を確認する。
【0047】
プレゼンス・サーバ10は、現時点が、該当イベントの以前の通知時点、すなわち、プレゼンス情報の前回の通知時点から前記最小の時間間隔が経過しているか否かを確認し、該最小の時間間隔が経過していないと、第2クライアント22又は第3クライアント23のプレゼンス情報を変更されたプレゼンス情報に更新して保存する。この場合、第1クライアント21に該当イベントの通知メッセージは転送しない(変更されたプレゼンス情報を通知しない)。
【0048】
これに対し、現時点が、該当イベントの以前の通知時点(プレゼンス情報の前回の通知時点)から前記最小の時間間隔が経過していると、プレゼンス・サーバ10は、現時点が該当イベント(プレゼンス情報)の通知を行うことができる有効時間内であるか否かを確認し、該有効時間内であると、第2クライアント22又は第3クライアント23から転送されたプレゼンス情報(変更されたプレゼンス情報)を含む通知メッセージを第1クライアント21に転送する。
【0049】
一方、現時点が、該当イベントの以前の通知時点(プレゼンス情報の前回の通知時点)から前記最小の時間間隔が経過していても、前記有効時間が経過していると、プレゼンス・サーバ10は、第2クライアント22又は第3クライアント23の変更されたプレゼンス情報を含む通知メッセージを第1クライアント21に転送するイベント通知過程を終了する(転送しない)。
【0050】
図3は、本実施形態に係るサブスクライブメッセージを示す図であり、(他の)クライアントのプレゼンス情報を要求する場合の例である。
【0051】
「Event」欄は、サブスクライブメッセージを転送するクライアントが通知を要求するイベント名(ここでは、clientPS.info:クライアントのプレゼンス情報)である。「Notify−Period」欄は、本発明によって前記サブスクライブメッセージのヘッダーに追加される項目であって、「Event」欄設定したイベントが発生した場合に、前記クライアントに該イベントの発生を通知する通知周期(ここでは、最小の時間間隔)である。
【0052】
例えば、「Notify−Period」欄「300」である場合には、プレゼンス・サーバは、300秒間隔で、(サブスクライブメッセージを転送した)クライアントに他のクライアントのプレゼンス情報を通知し、「Notify−Period」欄が「0」である場合には、プレゼンス・サーバは、(通知要求のあった)イベントが発生するたびに、リアルタイムに(サブスクライブメッセージを転送した)クライアントに他のクライアントのプレゼンス情報を通知する。
【0053】
「Notify−Period」欄に設定される時間(最小の時間間隔)は、ユーザーが任意に設定することができる。また、最小の時間間隔を設定する「Notify−period」欄だけではなく、最大の時間間隔を設定する「Max−Period」欄を追加すれば(ここでは、「310」としている)、イベント通知を行う時期に時間幅をもたせることができる(すなわち、イベント通知を最小時間間隔「300」以上で最大時間間隔「310」以下の任意の時間間隔で行うことができる)。
【0054】
「Expires」欄は、要求されたイベントの通知が実現される有効時間(期限)を定めており、図では「1800(秒)」としている。
【0055】
図4は、本発明の実施形態に係るクライアント(例えば、携帯端末機)の構成を示すブロック図である。
【0056】
本実施形態に係るクライアント21、22、23(図2参照)の一例である携帯端末機100は、プロセスユニット110(例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ)、RFモジュール135、電源管理モジュール105、アンテナ140、バッテリー155、ディスプレイ115、入力部120(例えば、キーパッド)、ストレージユニット130(例えば、フラッシュメモリ、ROM、SRAM)、SIM(Subscriber Identity Module)カード125(オプション)、スピーカ145、及びマイク150を含んで構成される。
【0057】
ユーザーは、入力部120の入力ボタンの押圧することにより又はマイク150を利用した音声駆動により、電話番号などの指示情報(特定イベントの通知周期に関する周期情報なども指示情報に含まれる)を入力する。プロセスユニット110は、入力された指示情報を受信して処理し、入力された電話番号に電話をかけるなどの指示情報に応じた適切な機能を実行する。なお、SIMカード125又はストレージユニット130からオペレーショナルデータが読み出されて前記機能が実行される場合もある。また、プロセスユニット110は、ユーザーの参照や便宜のために、前記指示情報及びオペレーション情報などをディスプレイ115に表示する。
【0058】
プロセスユニット110は、ユーザーにより入力された指示情報をRFモジュール135に送って、指示情報(例えば、特定イベントの通知周期に関する周期情報)を含むサブスクライブメッセージや、音声通信データを含む無線信号を生成し、RFモジュール135を介してサーバ10(図2参照)に転送する。
【0059】
RFモジュール135は、無線信号を送受信するための受信器と送信器とを含んで構成される。アンテナ140は、無線信号の送受信を容易にする。基地局から無線信号を受信すると、RFモジュール135は、プロセスユニット110による処理のために、受信した無線信号をベースバンド周波数に変換する。この変換された信号は、それが例えば前記無線信号が着信電話である場合には、プロセスユニット110の処理によってスピーカ145から出力される聴取可能な情報にも変換されたり、あるいは、読出可能な情報にも変換されたりする。
【0060】
また、プロセスユニット110は、携帯端末機10のプレゼンス情報をサーバ10に送ったり、他のユーザー又はサーバ10から送られたイベント通知メッセージのメッセージヒストリデータをストレージユニット130に保存したりするように構成される。また、プロセスユニット110は、ユーザーが入力したメッセージヒストリデータに対する条件付き要求を受信するように構成される。さらに、プロセスユニット110は、ストレージユニット130から前記条件付き要求に対応するメッセージヒストリデータを読み出し、前記条件付き要求を処理するように構成される。さらに、プロセスユニット110は、読み出したメッセージヒストリデータをディスプレイ115に出力するように構成される。
【0061】
ストレージユニット130は、送信メッセージ又は受信メッセージのメッセージヒストリデータを保存するように構成される。
【0062】
特定イベントが発生することによってサーバ10からイベント通知メッセージを受信すると、プロセスユニット110は、受信したイベント通知メッセージに基づいて、ユーザーのバディリストに含まれているクライアント(例えば、第2クライアント22、第3クライアント23)のプレゼンス情報をアップデート(更新)する。また、ユーザーが前記クライアント(例えば、第2クライアント22、第3クライアント23)のプレゼンスの変化(状態変化)が分かるように、アップデート(更新)されたプレゼンス情報をディスプレイ115に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係るイベント通知方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に係るイベント通知方法を実現するためのシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るサブスクライブメッセージの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクライアント(携帯端末機等)の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
10 プレゼンス・サーバ
21,22,23 クライアント
22 第2クライアント
23 第3クライアント
100 携帯端末機
110 プロセスユニット
115 ディスプレイ
120 入力部(キーパッド等)
130 ストレージユニット
135 RFモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントが特定イベントの通知周期に関する周期情報を含むイベント通知要求メッセージをサーバに転送する過程と、
前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていると、前記サーバが前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知する過程と、
を含むことを特徴とするイベント通知方法。
【請求項2】
前記特定イベントの発生を通知する過程は、前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていないと、該周期情報が満たされるまでの間、前記特定イベントの発生の通知を保留することを特徴とする請求項1に記載のイベント通知方法。
【請求項3】
前記周期情報は、前記イベント通知要求メッセージのヘッダーに含まれることを特徴とする請求項1に記載のイベント通知方法。
【請求項4】
前記周期情報は、前記クライアントのユーザが任意に設定できることを特徴とする請求項1に記載のイベント通知方法。
【請求項5】
特定イベントの通知に関する周期情報を設定し、クライアントを介して、該周期情報を含むイベント通知要求メッセージをサーバに転送する過程と、
前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていると、前記サーバから前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知する通知時点を決定する過程と、
決定した通知時点に、前記サーバから前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知する過程と、
を含むことを特徴とするイベント通知方法。
【請求項6】
前記特定イベントの発生を通知する過程は、前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされておらず前記通知時点が決定されないと、前記特定イベントの発生の通知を保留することを特徴とする請求項5に記載のイベント通知方法。
【請求項7】
前記周期情報は、前記イベント通知要求メッセージのヘッダーに追加されることを特徴とする請求項5に記載のイベント通知方法。
【請求項8】
前記周期情報は、前記クライアントに前記特定イベントの発生を通知するための最小の時間間隔又は前記特定イベントの発生を通知できる許容時間範囲であることを特徴とする請求項5に記載のイベント通知方法。
【請求項9】
特定クライアントから特定イベントの通知周期に関する周期情報を含むイベント通知要求メッセージが転送される過程と、
前記特定イベントの発生を監視する過程と、
前記特定イベントが発生すると、該特定イベントの発生時点が前記周期情報を満たすか否かを判断する過程と、
前記特定イベントの発生時点が前記周期情報を満たすと、前記特定クライアントに前記特定イベントの発生を知らせるイベント通知メッセージを転送する過程と、
を含むことを特徴とするイベント通知方法。
【請求項10】
前記特定イベントが、前記特定クライアントのバディリストに含まれている他のクライアントのプレゼンス情報であることを特徴とする請求項9に記載のイベント通知方法。
【請求項11】
前記サーバは、複数のクライアントのプレゼンス情報を集中管理するプレゼンス・サーバであることを特徴とする請求項9に記載のイベント通知方法。
【請求項12】
前記周期情報は、前記イベント通知要求メッセージのヘッダーに追加されることを特徴とする請求項9に記載のイベント通知方法。
【請求項13】
前記イベント通知メッセージを転送する過程は、前記特定イベントの発生時点が前記周期情報を満たさないと、前記イベント通知メッセージの転送を保留することを特徴とする請求項9に記載のイベント通知方法。
【請求項14】
前記特定イベントの通知を行うことのできる有効時間が経過したか否かを判断する過程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のイベント通知方法。
【請求項15】
前記イベントの発生を監視する過程は、前記有効時間が経過していない場合に、前記特定イベントの発生を監視することを特徴とする請求項14に記載のイベント通知方法。
【請求項16】
前記有効時間が経過すると、前記特定イベントに対する全ての処理を終了することを特徴とする請求項14に記載のイベント通知方法。
【請求項17】
前記周期情報は、前記特定クライアントに前記特定イベントの発生を通知するための最小の時間間隔であることを特徴とする請求項9に記載のイベント通知方法。
【請求項18】
前記周期情報は、前記特定クライアントに前記特定イベントの発生を通知できる周期的な許容時間範囲であることを特徴とする請求項9に記載のイベント通知方法。
【請求項19】
前記イベント通知メッセージを転送する過程は、前記許容時間範囲内で前記イベント通知メッセージを転送する時点を決定することを特徴とする請求項18に記載のイベント通知方法。
【請求項20】
特定イベントの通知周期に関する周期情報を含む所定のイベント通知要求メッセージを生成してサーバに転送する過程と、
前記特定イベントが発生すると、前記周期情報に基づいて前記サーバから転送されるイベント通知メッセージを受信する過程と、
を含むことを特徴とするイベント通知方法。
【請求項21】
前記サーバは、前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていないと、該周期情報を満たすまでの間、前記イベント通知メッセージの転送を保留することを特徴とする請求項20に記載のイベント通知方法。
【請求項22】
前記周期情報が、前記イベント通知要求メッセージのヘッダーに含まれることを特徴とする請求項20に記載のイベント通知方法。
【請求項23】
前記周期情報は、前記クライアントのユーザが任意に設定できることを特徴とする請求項20に記載のイベント通知方法。
【請求項24】
特定イベントの通知周期に関する周期情報が入力される入力部と、
前記周期情報を含むイベント通知要求メッセージを生成してサーバに転送するプロセスユニットと、
前記特定イベントが発生し、前記周期情報に基づいて前記サーバから転送される該特定イベントの発生を知らせるイベント通知メッセージを受信すると、この受信したイベント通知メッセージを表示するディスプレイと、
を含むことを特徴とする携帯端末機。
【請求項25】
前記サーバは、前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていないと、該周期情報を満たすまでの間、前記イベント通知メッセージの転送を保留することを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。
【請求項26】
前記プロセスユニットは、前記周期情報を前記イベント通知要求メッセージのヘッダーに含めることを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。
【請求項27】
前記周期情報は、前記イベント通知メッセージを受信するための最小の時間間隔又は前記イベント通知メッセージを受信する許容時間範囲であることを特徴とする請求項24に記載の携帯端末機。
【請求項28】
特定イベントの通知周期に関する周期情報を含むイベント通知要求メッセージをクライアントから受信し、
前記特定イベントが発生すると、該特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされているか否かを判断し、
前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満されていると、前記クライアントに前記特定イベントの発生を知らせるイベント通知メッセージを転送することを特徴とするサーバ。
【請求項29】
前記特定イベントの発生時に前記周期情報が満たされていないときは、該周期情報が満されるまでの間、前記イベント通知メッセージの転送を保留することを特徴とする請求項28に記載のサーバ。
【請求項30】
前記周期情報は、前記イベント通知メッセージを転送するための最小の時間間隔又は前記イベント通知メッセージを転送できる許容時間範囲であることを特徴とする請求項28又は請求項29に記載のサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−236346(P2006−236346A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40828(P2006−40828)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】