説明

イミノ糖ファミリーの新規な化合物、リソソーム病の治療のためのその使用、及び、その製造方法

本発明は、リソソームグリコシダーゼ酵素少なくとも1つの機能障害に関連するリソソーム病を治療する薬剤を製造するための、一般式(I)で表される化合物(式中、Rは、特に水素原子又はアルキル基であり、Rは、特に水素原子又はアルキル基であり、R、R及びRは、特に、互いに独立して、水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基又はアシルオキシ基である)の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明の目的は、イミノ糖ファミリーの新規な化合物、並びにそれらの製造方法である。
【0002】
本発明の目的は、特にリソソーム病(lysosomal disease)の治療の枠内で、イミノ糖ファミリーで表されるこれら新規な化合物の使用でもある。
【0003】
リソソーム病は、リソソーム内のスフィンゴ糖脂質の異化に関与する酵素における欠損により特徴付けられる遺伝性疾患である。この分解工程は、最終的にセラミド放出に導くために、スフィンゴ糖脂質内にあるグルコシド結合を加水分解する一連のグリコシダーゼ作用によるものである。1つ又は他のこれらグリコシダーゼの機能障害は、例えばゴーシェ病(Gaucher’s disease)等のリソソーム病の原因となる。
【0004】
ゴーシェ病は、世界中で50,000人のうちの1人に影響を与えるまれな遺伝性疾患であるが、アシュケナージユダヤコミュニティー(Ashkenazi Jewish community)内で非常に頻繁に起こり、ほぼ500人のうちの1人である(Futerman,A.H.; Sussman,J.L.; Horowitz,M.; Silman,I.; Zimran,A.Novel directions in the treatment of Gaucher’s disease Trends in Pharm.Sci.2004,25,147)。ゴーシェ病は、β−グルコセレブロシダーゼの触媒活性の変性から起こり、種々の組織内のグルコシルセラミドの蓄積をもたらし、そして特に、ある場合には成人となる前に死を引き起こすことがある神経病理学的な又は精神運動性の本質の深刻な機能障害を進行的にもたらす。
【0005】
たいていの使用される治療方法は、欠損型酵素、セレダーゼ(Ceredase(商標))の活性を補うために、静脈経路により組換え型酵素を注入することを伴う(ERT:“enzyme replacement therapy”: Grabowski,G.A; Hopkin,R.J. Enzyme therapy for lysosomal storage disease: principle,practice and prospect.Annu.Rev.Genomics Human Genet.2003,4,403)。治療の費用は非常に高い。さらに、後者は、神経系疾患を治療することを可能にさせず、そして骨と肺が影響を受けている患者に対する効果はほとんどない(Grabowski,G.A; Hopkin,R.J.Enzyme therapy for lysosomal storage disease: principle, practice and prospect. Annu.Rev.Genomics Human Genet.2003,4,403)。
【0006】
第2の方法は、薬剤の活性成分(ザベスカ(Zavesca(商標))として、イミノ糖、N−ブチル−1−デオキシノジリマイシンを使用する。この化合物は、スフィンゴ糖脂質の生合成を制限し、従ってグルコシルセラミド、天然のグルコセレブロシダーゼ基質を減少することにより作用する(SRT:“substrate reduction therapy”:Cox et al.,Novel oral treatment of Gaucher’s disease with N-butyldeoxynojirimycin(OGT918) to decrease substrate biosynthesis. Lancet 2000,355,1481)。経口治療は、多くの副作用をもたらし、セレダーゼを使用できない場合においてのみ提示される。従って、ザベスカは、あるカテゴリーの人々(子供、青年及び妊婦)に逆に指示(contra−indicated)され、その治療は、腸のグルコシダーゼの阻害に主に関連する種々の欠点(体重の減少、腹痛、下痢)を伴っている。この薬剤は、精子形成をブロックし(Van der Spoel et al.,Reversible infertility in male mice after oral administration of alkylated imino sugars: a nonhormonal approach to male contraception.Proc.Nat.Acad.Sci.USA2002,99,17173)、そして多くの用量(100−300mg)を毎日使用しなければならない(Zimran,A.;Elstein,D.Gaucher’s disease and the clinical experience with substrate reduction therapy.Philos.Trans.R.Soc.Lond.B Biol.Sci.2003,355,961)。
【0007】
従って、本発明の目的は、β−グルコセレブロシダーゼ酵素に対して非常に強い阻害活性を有するイミノ糖タイプの新規な化合物を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、リソソーム病、特にゴーシェ病の治療の枠内で有用である新規な化合物を提供することを含み、前記化合物は、前記疾患の治療のために現在使用されている生成物の使用の枠内よりも低い用量において、β−グルコセレブロシダーゼ酵素に対して非常に強い阻害活性を有する。
【0009】
本発明は、
一般式(I):
【化1】

(式中、
は、
水素原子、又は
炭素原子1〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子4〜12個を含み、特には炭素原子6〜12個を含む、直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合によりフェニル基により置換されており、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基により置換されている前記アルキル基、又は
3〜12員を含むオキサアルキル基であり;
は、
水素原子、又は
炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合により、ヒドロキシル基、炭素原子1〜12個を含むアルコキシ基、及びフェニル基から選択された置換基により置換されるか又は前記置換基を有している前記アルキル基、又は
4〜12員を含むn−オキサアルキル基(nは3以上の整数を表す)であり;
、R及びRは、互いに独立して、
水素原子、又は
ヒドロキシル基、又は
式OR(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又はベンジル基である)で表されるアルコキシ基、又は、
式O−CO−R(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基である)で表されるアシルオキシ基であり、
、R、R及びRの少なくとも1つの基が、炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和の前記アルキル基であるか、又は炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和の前記アルキル基を含む基である)
で表される化合物の使用であって、
前記一般式(I)で表される化合物が、純粋な立体異性体の形態であるか、又はラセミ混合物並びに薬理学的に許容可能な酸を有するそれらの付加塩を含む、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーの混合物の形態である、
リソソームグリコシダーゼ酵素少なくとも1つの機能障害と関連するリソソーム病の治療を目的とする薬剤の製造のための前記化合物の使用(但し、式(I)において、Rが水素原子又は炭素原子1〜3個を含むアルキル基であり、そしてRが水素原子である場合、R、R及びRの少なくとも1つの基がアルコキシ基、OR、又はアシルオキシ基、OCORであり、ここで、R又はRは、炭素原子少なくとも3つを含むアルキル基であり、そして、式(I)において、R、R及びRの少なくとも2つの基が水素原子ではない)に関する。
【0010】
用語「n−オキサアルキル」は、n番目の−CH−基を酸素原子で置換しているアルキル鎖を意味する。n−オキサアルキル中で、5番目のCH基を酸素原子で置換しているノニル鎖に相当する、5−オキサノニル基を挙げることができる。前記基は、式−CH−CH−CH−CH−O−CH−CH−CH−CHに相当する。
【0011】
用語「薬理学的に許容可能な酸を有するそれらの付加塩」は、酸の添加により形成される一般式(I)で表される化合物の塩を意味し、その陰イオンが、毒性のない塩、例えば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸及び糖酸で形成される塩を形成する。
【0012】
用語「リソソームグリコシダーゼ酵素少なくとも1つの機能障害と関連するリソソーム病」は、リソソーム内のスフィンゴ糖脂質の異化に関与する酵素の欠損により特徴付けられる遺伝性疾患を意味する。例えば、ゴーシェ病はβ−グルコセレブロシダーゼの機能障害に関連し、ファブリー病(Fabry’s disease)はα−ガラクトシダーゼAの機能障害に関連し、クラッベ病(Krabbe’s disease)はβ−ガラクトセレブロシダーゼの機能障害に関連し、テイ−サクス病(Tay−Sachs disease)はβ−ヘキソサミニダーゼAの機能障害に関連し、サンドホフ病(Sandhoff’s disease)はβ−ヘキソサミニダーゼBに関連する。
【0013】
本発明の枠内で実施される治療方法は、三次元構造を安定化することにより、欠損変異酵素の「化学シャペロン(chemical chaperone)」として作用する化合物を使用することを含む(Fan,J.-Q.A contradictory treatment for lysosomal storage disorders:inhibitors enhance mutant enzyme activity,Trends Pharm.Sci.2003,24,355)。非常に低濃度においてのこれら化合物の使用は、in vivoで変異酵素の残留する加水分解活性を増加させ、これによってゴーシェ病に関与するグルコシルセラミドの蓄積を減少させることが可能である。このアプローチは、非常に多くの利点(経口治療、予想される副作用はない(本発明で表される化合物は、β−グルコセレブロシダーゼに非常に特異的であり、使用される用量はとても低い:細胞試験中に10−9程度))を有する。
【0014】
本発明は、ゴーシェ病の治療を目的とする薬剤の製造のための前記使用に関する。
【0015】
ゴーシェ病は、グルコース及びセラミドへのグルコセレブロシドの転化に触媒作用を及ぼすリソソーム酵素、β−グルコセレブロシダーゼの欠損により特徴付けられている。グルコセレブロシドは、細胞膜の構成成分である複合脂質で、赤血球の分解から実質的に生じる。疾患の臨床症状は、組織内の蓄積に続くものである。グルコセレブロシドの除去は、通常、細網内皮系の細胞内で実施され、それは、疾患の経過中に、リソソーム内のグルコセレブロシドの蓄積のための特徴的形態(ゴーシェ細胞)を採用する。脾臓のヒスチオサイト(hystiocytes)、肝臓のクップファー(Kuepfer)細胞、骨髄のマクロファージ、及び脳内のフィルヒョー−ロバン腔(Virchow−Robin space)の血管外膜周囲細胞を含む。
【0016】
本発明は、クラッベ病の治療を目的とする薬剤の製造のための前記使用に関する。
【0017】
クラッベ病又は球様細胞白質萎縮症(globoid cell leukodystrophy)は、ミエリンの主な脂質成分の異化に関与するリソソーム酵素、ガラクトセレブロシダーゼの欠損の結果、劣性常染色体伝達を伴う疾患である。その頻度は、フランスにおいて、出産の1/150000程度のようである。その疾患は、中枢及び末梢神経系の髄鞘脱落をもたらす。
【0018】
本発明は、ファブリー病の治療を目的とする薬剤の製造のための前記使用に関する。
【0019】
ファブリー病は、α−ガラクトシダーゼA欠損のための、X染色体に関連する劣性伝達を伴うスフィンゴ糖脂質の代謝の遺伝性病態である。酵素欠損は、組織及び血漿内の非分解基質の蓄積をもたらす。標準的な病態においては、疾患は、半接合の男性に重篤な影響があり、その臨床的症状は、四肢の痛み及び皮膚徴候(角化血管腫)を伴い、幼児期に始まる。その後、多内臓の過負荷疾患が、心臓症状(左心室肥大)、神経症状(脳血管障害)、ORL(聴力低下)及び腎症状(タンパク尿、腎不全)を伴って発症する。
【0020】
より詳細には、本発明は、前記式(I)に相当する一般式(I−A)で表される化合物
(式中、
は、
水素原子、又は
炭素原子1〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子4〜12個を含み、特には炭素原子6〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合によりフェニル基により置換されており、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基により置換されている前記アルキル基であり;
は、
水素原子、又は
炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であり;
、R及びRは、互いに独立して、
ヒドロキシル基、又は
式OR(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又はベンジル基である)で表されるアルコキシ基である)
の前記使用に関する。
【0021】
有利な実施態様によれば、本発明は、式(I)又は式(I−A)(式中、Rは、水素原子である)で表される化合物の前記使用に関する。
【0022】
従って、本発明は、
式(I−1):
【化2】

(式中、
、R、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
に相当する化合物の前記使用に関する。
【0023】
有利な実施態様によれば、本発明は、式(I−1)(式中、Rは、炭素原子4〜16個を含み、そして好ましくは炭素原子9個を含むアルキル基である)で表される化合物の前記使用に関する。
【0024】
有利な実施態様によれば、本発明は、
式:
【化3】

で表される化合物の使用に関する。
【0025】
この化合物は、前記式(I−1)(式中、Rは、ノニル基であり、R、R及びRは、前記で定義したものである)で表される化合物に相当する。
【0026】
有利な実施態様によれば、本発明は、式(I−1)(式中、R、R及びRは、OH基である)で表される化合物の前記使用に関する。
【0027】
従って、本発明は、
式(I−2):
【化4】

(式中、
は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
に相当する化合物の前記使用に関する。
【0028】
有利な実施態様によれば、本発明は、
式:
【化5】

で表される化合物の使用に関する。
【0029】
この化合物は、前記式(I−2)(式中、Rは、ノニル基である)で表される化合物に相当する。
【0030】
本発明は、式(I)又は式(I−A)(式中、Rは、炭素原子6〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子9個を含むアルキル基である)で表される化合物の前記使用にも関する。
従って、有利には、本発明は、
式:
【化6】

で表される化合物の使用に関する。
【0031】
この化合物は、前記式(I)又は式(I−A)(式中、Rは、ノニル基であり、R、R、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)で表される化合物に相当する。
【0032】
本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、前記アルキル基であり、Rは、水素原子である)の前記使用にも関する。
【0033】
従って、本発明は、
式(I−3):
【化7】

(式中、
、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
に相当する化合物の前記使用に関する。
【0034】
有利には、本発明は、
式:
【化8】

(式中、
、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
で表される化合物の前記使用に関する。
【0035】
有利な実施態様によれば、本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、式ORで表されるアルコキシ基であり、ここで、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)の前記使用に関する。
【0036】
有利な実施態様によれば、本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、前記アルキル基であり、そしてRは、式ORで表されるアルコキシ基であり、ここで、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)の前記使用に関する。
【0037】
別の有利な実施態様によれば、本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、前記アルキル基であり、Rは、水素原子であり、そしてRは、式ORで表されるアルコキシ基であり、ここで、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)の前記使用に関する。従って、本発明は、前記式(I−3)(式中、Rは、前記式ORで表されるアルコキシ基である)で表される化合物の使用に関する。
【0038】
有利な実施態様によれば、本発明は、R及びRがOH基であることを特徴とする前記使用に関する。
【0039】
従って、本発明は、
式(I−4):
【化9】

(式中、
は、前記アルキル基であり、そしてRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものであり、そして好ましくは前記アルコキシ基、ORである)
に相当する化合物の前記使用に関する。
【0040】
本発明は、RがOH基であり、Rが、式OR(式中、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)で表されるアルコキシ基であることを特徴とする、前記使用に関する。
【0041】
従って、本発明は、
式(I−5):
【化10】

(式中、
及びRは、前記アルキル基であり、そしてRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものであり、そして好ましくは前記アルコキシ基ORである)
に相当する化合物の前記使用に関する。
【0042】
本発明は、
一般式:
【化11】

(式中、
は、前記で定義したものであり、そして特に炭素原子1〜12個を含むアルキル基、好ましくはブチル基であり、又はフェニル基により置換されている、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基、好ましくはメトキシ基により置換されている、前記アルキル基、特にメチル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0043】
本発明は、
一般式(II):
【化12】

(式中、
、R、R、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
で表される化合物の前記使用にも関する。
前記化合物は、1,5−ジデオキシ−1,5−イミノ−D−キシリトールの誘導体である。
【0044】
本発明は、
式(III):
【化13】

(式中、
は、前記アルキル基、好ましくはノニル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0045】
本発明は、
式(IV−1):
【化14】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、前記アルキル基、そして好ましくはノニル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0046】
本発明は、
式(IV):
【化15】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、前記アルキル基、そして好ましくはノニル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0047】
本発明は、
式(V−1):
【化16】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、前記アルキル基、そして好ましくはノニル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0048】
本発明は、
式(V):
【化17】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、前記アルキル基、そして好ましくはノニル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0049】
本発明は、
式(II−1):
【化18】

(式中、
は、前記で定義したものであり、特に炭素原子1〜12個を含むアルキル基、好ましくはブチル基であり、又はフェニル基により置換されている、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基、好ましくはメトキシ基により置換されている、前記アルキル基、特にメチル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0050】
本発明は、
式(II−2):
【化19】

(式中、
は、式(I)において定義したものであり、特にH、又は炭素原子1〜12個を含むアルキル基、好ましくはブチル基、オクチル基、ノニル基であり、又は、フェニル基により置換されている、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基、好ましくはメトキシ基により置換されている、アルキル基、特にメチル基であり;
は、式(I)において定義したものであり、特にH、又は炭素原子4〜16個を含むアルキル基、好ましくはノニル基であり;
R’及びR’’は、互いに独立して、H又は炭素原子1〜15個を含むアルキル基、好ましくはオクチル基又はノニル基である)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0051】
本発明は、
式(II−3):
【化20】

(式中、
、R、R’及びR’’は、式(II−2)において定義したものである)
で表される化合物の前記使用にも関する。
【0052】
本発明は、
一般式(I):
【化21】

(式中、
は、
水素原子、又は
炭素原子1〜12個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含み、特には炭素原子6〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合によりフェニル基により置換されており、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基により置換されている前記アルキル基、又は
3〜12員を含むオキサアルキル基であり;
は、
水素原子、又は
炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合によりヒドロキシル基、炭素原子1〜12個を含むアルコキシ基、及びフェニル基から選択された置換基により置換されるか又は前記置換基を有している前記アルキル基、又は
4〜12員を含むn−オキサアルキル基(nは3以上の整数を表す)を表し;
、R及びRは、互いに独立して、
水素原子、又は
ヒドロキシル基、又は
式OR(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又はベンジル基である)で表されるアルコキシ基、又は、
式O−CO−R(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基である)で表されるアシルオキシ基であり;
、R、R及びRの少なくとも1つの基が、前記炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であるか、又は前記炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基を含む基である)
で表される化合物であって、
前記一般式(I)で表される化合物が、純粋な立体異性体の形態であるか、又はラセミ混合物並びに薬理学的に許容可能な酸を有するそれらの付加塩を含む、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーの混合物の形態である、前記化合物(但し、式(I)において、Rが水素原子又は炭素原子1〜3個を含むアルキル基であり、そしてRが水素原子である場合、R、R及びRの少なくとも1つの基がアルコキシ基OR、又はアシルオキシ基OCORであり、ここでR又はRは、炭素原子少なくとも3つを含むアルキル基であり、そして、式(I)において、R、R及びRの少なくとも2つの基が水素原子ではない)に関する。
【0053】
より具体的には、本発明は、前記一般式(I)に相当する、一般式(I−A)で表される化合物
(式中、
は、
水素原子、又は
炭素原子1〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子4〜12個を含み、特には炭素原子6〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合によりフェニル基により置換されており、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基により置換されている前記アルキル基であり;
は、
水素原子、又は
炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であり;
、R及びRは、互いに独立して、
ヒドロキシル基、又は
式OR(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基である)で表されるアルコキシ基、又はベンジル基である)
で表される化合物に関する。
【0054】
本発明の好ましい化合物のクラスは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、水素原子である)により構成される。
【0055】
従って、本発明は、
式(I−1):
【化22】

(式中、
、R、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
で表される化合物に関する。
【0056】
有利な実施態様によれば、本発明は、式(I−1)(式中、Rは、炭素原子4〜16個を含み、そして好ましくは炭素原子9個を含むアルキル基である)で表される化合物に関する。
【0057】
式(I−1)で表される化合物の中で、特に有利な化合物は、
式:
【化23】

で表される化合物である。
【0058】
この化合物は、前記式(I−1)(式中、Rは、ノニル基であり、R、R及びRは、前記で定義したものである)で表される化合物に相当する。
【0059】
別の有利な実施態様によれば、本発明は、式(I−1)(式中、R、R及びRは、OH基である)で表される化合物に関する。
【0060】
従って、本発明は、
式(I−2):
【化24】

(式中、
は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したアルキル基である)
に相当する化合物に関する。
【0061】
有利な実施態様によれば、本発明は、
式:
【化25】

の使用に関する。
【0062】
この化合物は、前記式(I−2)式中、Rは、ノニル基である)で表される化合物(に相当する。
【0063】
本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、炭素原子6〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子9個を含むアルキル基である)にも関する。
【0064】
従って、有利には、本発明は、
式:
【化26】

(式中、
、R、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
で表される化合物に関する。
【0065】
本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、水素原子である)にも関する。
【0066】
従って、本発明は、
式(I−3):
【化27】

(式中、
、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
に相当する化合物の使用に関する。
【0067】
有利には、本発明は、
式:
【化28】

(式中、
、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
で表される化合物のファミリーに関する。
【0068】
この化合物は、前記式(I−3)(式中、Rは、ノニル基である)で表される化合物に相当する。
【0069】
有利な実施態様によれば、本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、式ORで表されるアルコキシ基であり、ここで、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)に関する。
【0070】
別の有利な実施態様によれば、本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、前記アルキル基であり、Rは、式ORで表されるアルコキシ基であり、ここで、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)に関する。
【0071】
別の有利な実施態様によれば、本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、前記アルキル基であり、Rは、水素原子であり、Rは、式ORで表されるアルコキシ基であり、ここで、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)に関する。従って、本発明は、前記式(I−3)(式中、Rは、前記式ORで表されるアルコキシ基である)で表される化合物に関する。
【0072】
本発明は、式(I)又は式(I−A)(式中、R及びRは、OH基である)で表される化合物にも関する。
【0073】
従って、本発明は、
式(I−4):
【化29】

(式中、
は、前記アルキル基であり、Rは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものであり、好ましくは前記アルコキシ基ORである)
に相当する化合物に関する。
【0074】
本発明は、式(I)又は式(I−A)で表される化合物(式中、Rは、OH基であり、そしてRは、式ORで表されるアルコキシ基であり、ここで、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)にも関する。
【0075】
従って、本発明は、
式(I−5):
【化30】

(式中、
及びRは、前記アルキル基であり、そしてRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものであり、そして好ましくは前記アルコキシ基ORである)
に相当する化合物に関する。
【0076】
本発明は、
一般式:
【化31】

(式中、
は、前記で定義したものであり、特に炭素原子1〜12個を含むアルキル基、好ましくはブチル基であり、又は、フェニル基により置換されている、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基、好ましくはメトキシ基により置換されている、前記アルキル基、特にメチル基である)
に相当する、前記化合物にも関する。
【0077】
本発明は、
式(II):
【化32】

(式中、
、R、R、R及びRは、式(I)又は式(I−A)で表される化合物において定義したものである)
に相当する前記化合物に関する。
【0078】
本発明は、
式(II−1):
【化33】

(式中、
は、前記で定義したものであり、特に炭素原子1〜12個を含むアルキル基、好ましくはブチル基であり、又は、フェニル基により置換されている、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基、好ましくはメトキシ基により置換されている、前記アルキル基、特にメチル基である)
に相当する前記化合物にも関する。
【0079】
本発明は、
式(II−2):
【化34】

(式中、
は、式(I)で定義したものであり、そして特にH又は炭素原子1〜12個を含むアルキル基、好ましくはブチル基、オクチル基、ノニル基であり、又はフェニル基により置換されている、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基、好ましくはメトキシ基により置換されている、アルキル基、特にメチル基であり;
は、式(I)において定義したものであり、特にH又は炭素原子4〜16個を含むアルキル基、好ましくはノニル基であり;
R’及びR’’は、互いに独立して、H又は炭素原子1〜15個を含むアルキル基、好ましくはオクチル基又はノニル基である)
に相当する前記化合物にも関する。
【0080】
本発明は、
式(II−3):
【化35】

(式中、
、R、R’及びR’’は、式(II−2)において定義したものである)
に相当する前記化合物に関する。
【0081】
本発明は、
式(III):
【化36】

(式中、
は、式(I)又は式(I−A)において定義したアルキル基であり、好ましくはノニル基である)
に相当する化合物にも関する。
【0082】
式(III)で表される化合物は、式(II)(式中、Rは、水素原子であり、Rは、アルキル基であり、R、R及びRが、OH基である)で表される化合物に相当する。
【0083】
本発明の好ましい化合物は、
式(III−2):
【化37】

で表される化合物である。
【0084】
式(III−2)で表される化合物は、式(III)(式中、Rは、ノニル基である)で表される化合物に相当する。
【0085】
本発明は、
式(IV):
【化38】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、前記アルキル基、そして好ましくはノニル基である)
に相当する化合物に関する。
【0086】
式(IV)で表される化合物は、式(II)(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、水素原子であり、Rは、アルコキシ基であり、そしてR及びRは、OH基である)で表される化合物に相当する。
【0087】
本発明による好ましい化合物は、
式(IV−2):
【化39】

に相当する化合物である。
【0088】
式(IV−2)で表される化合物は、式(IV)(式中、Rは、ノニル基である)で表される化合物に相当する。
【0089】
本発明による別の好ましい化合物は、
式(IV−3):
【化40】

に相当する化合物である。
【0090】
式(IV−3)で表される化合物は、式(IV−2)(式中、pは8である)で表される化合物に相当する。
【0091】
本発明は、
式(V):
【化41】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、前記アルキル基、そして好ましくはノニル基である)
に相当する化合物にも関する。
【0092】
式(V)で表される化合物は、式(II)(式中、Rは、アルキル基であり、Rは、水素原子であり、R及びRは、アルコキシ基であり、そしてRは、OH基である)で表される化合物に相当する。
【0093】
本発明による好ましい化合物は、
式(V−2):
【化42】

に相当する化合物である。
【0094】
式(V−2)で表される化合物は、式(V)(式中、Rは、ノニル基である)で表される化合物に相当する。
【0095】
本発明による別の好ましい化合物は、
式(V−3):
【化43】

に相当する化合物である。
【0096】
式(V−3)で表される化合物は、式(V−2)(式中、pは8である)で表される化合物
に相当する。
【0097】
本発明は、薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わせて、前記式(I)、式(I−A)、式(I−1)、式(I−2)、式(I−3)、式(I−4)、式(I−5)、式(II)、式(III)、式(III−2)、式(IV)、式(IV−1)、式(IV−2)、式(IV−3)、式(V)、式(V−1)、式(V−2)及び式(V−3)で表される化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0098】
本発明による化合物は、静脈経路により、経口経路により、皮下経路により、皮内経路により、又は表皮膚経路により投与することができる。
【0099】
本発明は、前記式(I)(式中、Rは、アルキル基又はn−オキサアルキル基である)で表される化合物の製造方法であって、
(a)
式(1):
【化44】

(式中、
GPは、特にアリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基、そして好ましくはベンジル基である保護基であり、
GPは、特にアリル基、ベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基であり、そして好ましくはベンジル基である保護基である)
で表されるイミンに、式R−M(式中、Rは、前記で定義したアルキル基又はn−オキサアルキル基であり、Mは、金属、好ましくはLiであるか、又は基MgXであり、ここで、Xはハロゲン原子、好ましくはBrである)で表される有機金属化合物、例えばマグネシウム有機化合物若しくはリチウム有機化合物を添加する段階であって、
式(2):
【化45】

(式中、
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための前記段階と、
(b)前記式(2)で表される化合物の酸性媒体中での加水分解、それに続く分子内(intramolecular)還元アミノ化反応の段階で、
式(3):
【化46】

(式中、
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための前記段階であって、
あてはまる場合には、式(3)で表される化合物が、前記において定義した式(III)で表される化合物を得るために、脱保護され、
次に、場合により、得られた前記式(III)で表される化合物が、遊離アミン官能基のアルキル化の段階、例えばハロゲン化アルキルRXを用いたアルキル化、又は式ROH(式中、Rは、前記式において定義したアルキル基又はオキサアルキル基である)のアルコールの酸化によって生じるアルデヒドを用いた還元アミノ化によるアルキル化の段階を受け、前記において定義した式(II)で表される化合物(式中、R、R及びRは、OH基である)を得るための前記段階と、
(c)前記化合物(3)の遊離OH官能基の保護の段階であって、
式(4):
【化47】

(式中、
GPは、特に、アセチル基、ベンゾイル基及びピバロイル基から選択される保護基、そして好ましくはベンゾイル基である保護基であり、
GPは、特には、トリアルキルシリル基から選択される保護基、好ましくはt−ブチルジメチルシリル基である保護基であり、そして
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための前記段階と、
(d)前記式(4)で表される化合物のGP、GP又はGPの1つの基の化学選択的(chemoselective)脱保護の段階であって、
式(5):
【化48】

(式中、
は、水素原子又は保護基GPであり、
は、水素原子又は保護基GPであり、
は、水素原子又は保護基GPであり、そして
、A及びAの1つの基のみが、前記で定義したH、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物
(式(5)で表される化合物は、
式:
【化49】

で表される化合物を含む)
をそれぞれ得るための段階と、
(e)前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基の反応の段階であって、
アルキル化プロセスの実施の枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば、式R−X(Xは、ハロゲン原子であり、Rは、前記で定義したものである)で表されるハロゲン化アルキルとの反応の段階であって、
式(6):
【化50】

(式中、
は、R基又は保護基GPであり、
は、R基又は保護基GPであり、
は、R基又は保護基GPであり、そして
、B及びBの1つの基のみが、前記で定義したR、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物
(式(6)で表される化合物は、
式:
【化51】

で表される化合物を含む)
を得るための段階であるか;又は
アシル化プロセスの実施の枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば式RCOCl(式中、Rは、前記において定義したものである)で表される酸塩化物との反応の段階であって、
式(7):
【化52】

(式中、
は、COR基又は保護基GPであり、
は、COR基又は保護基GPであり、
は、COR基又は保護基GPであり、そして
、C及びCの1つの基のみが、前記で定義したCOR、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物
(式(7)で表される化合物は、
式:
【化53】

で表される化合物を含む)
を得るための段階であるか;又は
酸化物の還元(deoxidation)プロセスの実施の枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応による反応の段階であって、
式(8)
【化54】

(式中、
は、水素原子又はOGP基であり、
は、水素原子又はGP基であり、
は、水素原子又はGP基であり、そして
、D及びDの1つの基のみが、前記で定義したH、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物
(式(8)で表される化合物は、
式:
【化55】

で表される化合物を含む)
の1つを得るための前記段階であるか;又は
立体配置反転(configuration inversion)の実施プロセスの枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えばスワーン(Swern)反応の実施、それに続く水素化ホウ素を用いた還元による反応の段階であって、
式(9−1)、(9−2)又は(9−3):
【化56】

(式中、
GP、GP、GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
の化合物の1つを得るための前記段階であり、
前記式(6)、(7)、(8)、(9−1)、(9−2)及び(9−3)で表される化合物は脱保護することによって、前記式(I)で表される化合物に相当する
式(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−9−1)、(I−9−2)及び(I−9−3):
【化57】

(式中、
B’は、R基又は水素原子であり、
B’は、R基又は水素原子であり、
B’は、R基又は水素原子であり、そして
B’、B’及びB’の1つの基のみが、Rであり、
C’は、COR基又は水素原子であり、
C’は、COR基又は水素原子であり、
C’は、COR基又は水素原子であり、そして
C’、C’及びC’の1つの基のみが、CORであり、
D’は、水素原子又はOH基であり、
D’は、水素原子又はOH基であり、
D’は、水素原子又はOH基であり、そして
OF、OF及びOFの1つの基のみが、Hである)
で表される化合物をそれぞれ得ることができ、
次に、このように得られた式(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−9−1)、(I−9−2)及び(I−9−3)で表される化合物は、場合により、遊離アミン官能基のアルキル化の段階、例えばハロゲン化アルキルRXを用いたアルキル化により、又は式ROH(式中、Rは、前記アルキル基又はオキサアルキル基である)のアルコールの酸化によって生じるアルデヒドを用いた還元アミノ化による遊離アミン官能基のアルキル化の段階を受けることができ、前記式(I)で表される化合物に相当する
式(I−6−a)、(I−7−a)、(I−8−a)、(I−9−1−a)、(I−9−2−a)及び(I−9−3−a):
【化58】

(式中、B’、B’、B’、C’、C’、C’、D’、D’、D’、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための前記遊離ヒドロキシル官能基の反応段階と、
(f)場合により、脱保護型遊離ヒドロキシル官能基を得るための、前記式(6)、(7)、(8)、(9−1)、(9−2)又は(9−3)で表される化合物の残留している保護基GP、GP又はGPの1つの位置選択性脱保護の段階、
そして段階(e)において記載した、アルキル化プロセスの実施の枠内の、又はアシル化プロセスの実施の枠内の、又は酸化物の還元プロセスの実施の枠内の、又は立体配置の反転の実施の枠内の、いずれかの遊離ヒドロキシル官能基の反応の段階、そして前記式(I)で表される化合物を得るための、脱保護の任意の段階、場合により、それに続く遊離アミン官能基のアルキル化、例えばハロゲン化アルキルRXを用いたアルキル化により、又は式ROH(式中、Rは、前記において定義したアルキル基又はオキサアルキル基である)のアルコールの酸化によって生じるアルデヒドを用いた還元アミノ化によって、式(I)(Rは、水素原子と異なる)で表される化合物を得るための段階、(式(I)で表される得られた化合物が遊離ヒドロキシル官能基を含んでいる場合には、段階(f)は場合により繰り返すことができる)とを含む、前記製造方法に関する。
【0100】
本発明のプロセスは、下記の反応工程式による例により表すことができる。
【化59】

【0101】
[一般操作方法]
3位において選択的に保護された1,2−O−イソプロピリデン L−キシロフラノース誘導体(Bordier, A.; Compain, P.; Martin, O. R.; Ikeda, K.; Asano, N. First Stereocontrolled Synthesis and Biological Evaluation of 1,6-Dideoxy-L-nojirimycin. Tetrahedron: Asymmetry 2003, 14, 47-51)、例えば、ベンジルから開始し、
第1級アミン、例えばベンジルアミンとの反応によって相当するイミンを形成するためのその後に使用される相当するアルデヒドを得るために、酸化反応を5位で実施する。次に、場合により、ルイス酸の存在下で、有機金属試薬、例えばマグネシウム有機化合物又はリチウム有機化合物等をこのイミンに添加し、続いて、イソプロピリデンの加水分解を酸性媒体中で実施し、それに続く、例えばNaBHCNの存在下の分子内還元アミノ化反応後、前記一般式(3)で表される置換型ピペリジンを製造する。
【0102】
次に、一般式(3)で表される化合物を脱保護し、相当するピペリジノール(R=GP=H)を製造することができる。その後、例えばNaBHCNの存在下で、これらの誘導体のアミン官能基を、ハロゲン化アルキルを用いたアルキル化により、又はアルデヒドを用いた反応による還元アミノ化により、アルキル化することができる。
【0103】
あるいは、一般式(3)で表される化合物は、例えばシリルエーテルの形態で、4位において位置選択的に保護されている。その後、残留する第2級アルコールは、垂直方式で、安息香酸塩基又はアセテート基で保護され、前記一般式(4)で表される置換型ピペリジンを製造する。
【0104】
各々のGP、GP又はGPは、化学選択的に保護され、相当するC4、C3及びC2第2ヒドロキシル基をそれぞれ製造する。このヒドロキシル基は、例えばNHの存在下でハロゲン化アルキルの使用によりアルキル化されるか、又は例えば酸塩化物の使用によりアシル化されるかのどちらか一方でアルキル化されるか、又は、例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応により脱酸素するか、又は、例えば2段階方式(ケトンの酸化、それに続くNaBH又はL−セレクトライド(L−selectride)等の水素化物との還元)により立体配置を反転する。得られた化合物内に残留する他の2つの第2ヒドロキシル基のうちの1つの位置選択的脱保護によって、遊離アルコール(例えばNHの存在下でハロゲン化アルキルの使用によりアルキル化されるか、又は例えば酸塩化物の使用によりアシル化されるかのどちらか一方でアルキル化されるか、又は、例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応により脱酸素するか、又は、例えば2段階方式(ケトンの酸化、それに続くNaBH又はL−セレクトライド等の水素化物との還元)により絶対立体配置を反転することができる)を得ることを可能にさせる。その後、前記様々な合成ルートにより得られた化合物は、標準的な方法で脱保護される。
【0105】
本発明は、
式(III):
【化60】

で表される化合物の製造方法であって、
(a)式(1):
【化61】

(式中、
GPは、特にアリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基、そして好ましくはベンジル基であり、
GPは、特にアリル基、ベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基であり、そして好ましくはベンジル基である保護基である)
で表されるイミンに、式R−M(式中、Rは、式(III)で定義したアルキル基又はn−オキサアルキル基であり、Mは、金属、好ましくはLiであるか、又は基MgXであり、ここで、Xはハロゲン原子、好ましくはBrである)で表される有機金属化合物、例えばマグネシウム有機化合物若しくはリチウム有機化合物を添加する段階であって、
式(2):
【化62】

(式中、
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階と、
(b)前記式(2)で表される化合物の酸性媒体中での加水分解、それに続く分子内還元アミノ化反応の段階で、
式(3):
【化63】

(式中、
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための前記段階であって、
式(3)で表される化合物は脱保護することによって、前記式(III)で表される化合物を得るための前記段階を含む、前記方法にも関する。
【0106】
本発明は、前記式(I)(式中、Rは、水素原子である)で表される化合物の製造方法であって、
(a)式(10):
【化64】

(式中、
GPは、特にアリル基、ベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基であり、そして好ましくはベンジル基である保護基である)
で表される化合物の、活性化基Yを含む試薬との反応によって、式(10)で表される化合物の5位において前記活性化基を導入し、
式(11):
【化65】

(式中、
Y−Oは、脱離基であり、Yは、メシル基、p−トルエンスルホニル基及びトリフルオロメタンスルホニル基から特に選択される活性基であり、そして好ましくはメシル基である)
で表される化合物を得るための段階と、
(b)前記式(11)(式中、Rは、前記アルキル基又はオキサアルキル基である)で表される化合物の第一級アミンRNHによる置換によって、
式(12):
【化66】

(式中、
GPは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階と、
(c)酸性媒体中での前記式(12)で表される化合物の加水分解、それに続く分子内還元アミノ化反応によって、
式(13):
【化67】

(式中、
GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための段階と、
(d)前記式(13)で表される化合物の、式RX(式中、Rは、前記定義したものであり、そしてXは、水素原子である)で表される化合物、又は酸塩化物RCOCl(式中、Rは、前記で定義したものである)との反応によって、
式(14−1)又は式(14−2):
【化68】

(式中、
は、前記COR基又はRであり、
GP及びRは、前記で定義したものである)
の1つを得て、
式(14−1)又は式(14−2)で表される化合物は、特に、シリカゲルクロマトグラフィーにより分離され、
式(14−2)で表される化合物は、あてはまる場合には、脱保護することによって、
式(I):
【化69】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階と、
(e)式(14−3)で表される化合物のOGP基の位置選択性脱保護、遊離ヒドロキシル官能基を含む
式(14−3)
【化70】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物及び式(I)で表される化合物に相当する化合物を得る段階と、
(f)アルキル化プロセスの実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば式R−X(式中、Xは、ハロゲン原子であり、Rは、前記で定義したものである)で表されるハロゲン化アルキルとの反応によって、
式(15−2)又は式(15−3):
【化71】

(式中、
GP、R、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(15−2)で表される化合物は脱保護することによって、
式(I):
【化72】

(式中、
、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るか、又は
アシル化プロセスの実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば式RCOClで表される酸塩化物(式中、Rは、前記で定義したものである)との反応によって、
式(16−2)又は式(16−3):
【化73】

(式中、
GP、R、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(16−2)で表される化合物は脱保護することによって、
式(I):
【化74】

(式中、
、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るか、又は
酸化物の還元プロセスの実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応によって、
式(17−2)又は式(17−3):
【化75】

(式中、
GP、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(17−2)で表される化合物は脱保護することによって、
式(I):
【化76】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るか、又は
立体配置の反転の実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えばスワーン反応の実施、それに続く水素化ホウ素を用いた還元によって、
式(18−2)又は式(18−3):
【化77】

(式中、
GP、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(18−2)で表される化合物は脱保護することによって、
式(I):
【化78】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階とを含む、前記方法に関する。
【0107】
本発明のプロセスは、下記の反応工程式による例により表すことができる。
【化79】

【0108】
[一般操作方法]
3位において選択的に保護された1,2−O−イソプロピリデンL−キシロフラノース誘導体(Bordier,A.;Compain,P.;Martin,O.R.;Ikeda,K.;Asano,N.First Stereocontrolled Synthesis and Biological Evaluation of 1,6-Dideoxy-L-nojirimycin.Tetrahedron:Asymmetry 2003,14,47-51)、例えばベンジルから開始し、脱離基は、例えば、トリエチルアミンの存在下で塩化メシルの作用により、メシル基を5位に導入する。次に、脱離基を、第1級アミンにより置換することによって、相当する第2級アミンを製造する。酸性媒体中のイソプロピリデンの加水分解、それに続く、例えばNaBHCNの存在下の還元アミノ化反応によって、前記一般式(13)で表される置換型ピペリジンを得ることを可能にさせる。
【0109】
次に、一般式(13)で表される化合物を、例えばNaH存在下でハロゲン化アルキルの使用によるアルキル化か、又は例えば酸塩化物の使用によるアシル化のどちらか一方によって、一般式(14−2)で表される化合物及び一般式(14−1)で表される化合物のそれぞれを製造するために、2位及び4位において相当するモノ−及び二基置換型ピペリジンを製造する。次に、2つの化合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより分離する。
【0110】
一般式(14−2)で表される化合物のC4ヒドロキシルは、例えばNH存在下でのハロゲン化アルキルの使用によりアルキル化されるか、又は例えば酸塩化物の使用によりアシル化されるか、又は例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応により脱酸素するか、又は例えば2段階方式(ケトンの酸化、それに続くNaBH若しくはL−セレクトライド(L−selectride)等の水素化物との還元、又は例えばシリルエーテルの形態で垂直方式により保護される)により絶対立体配置を反転する。
【0111】
一般式(14−1)で表される化合物のC3ヒドロキシルの位置選択的脱保護によって、例えばNHの存在下でハロゲン化アルキルの使用によりアルキル化されるか、又は例えば酸塩化物の使用によりアシル化されるかのどちらか一方でアルキル化されるか、又は、例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応により脱酸素するか、又は、例えば2段階方式(ケトンの酸化、それに続くNaBH又はL−セレクトライド等の水素化物との還元)により絶対立体配置を反転することができる遊離アルコールを得ることを可能にさせる。
【0112】
次に、前記様々な合成ルートにより得られた化合物は、標準的な方法で脱保護される。
【0113】
プロセスの部分は、下記文献において記載されている:Bordier,A.;Compain,P.;Martin,O.R.;Ikeda,K.;Asano,N.First Stereocontrolled Synthesis and Biological Evaluation of 1,6-Dideoxy-L-nojirimycin.Tetrahedron:Asymmetry 2003,14,47-51。
【0114】
本発明は、
式(IV):
【化80】

で表される化合物の製造方法において、
(a)式(10):
【化81】

(式中、
GPは、特にアリル基、ベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基であり、好ましくはベンジル基である保護基である)
で表される化合物の、活性化基Yを含む試薬との反応によって、式(10)で表される化合物の5位において前記活性化基を導入し、
式(11):
【化82】

(式中、
Y−Oは、脱離基であり、Yは、メシル基、p−トルエンスルホニル基及びトリフルオロメタンスルホニル基から特に選択される活性基であり、そして好ましくはメシル基である)
で表される化合物を得るための段階と、
(b)第一級アミンRNH(式中、Rは、前記アルキル基又はオキサアルキル基である)による、前記式(11)で表される化合物の置換によって、
式(12):
【化83】

(式中、
GPは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階と、
(c)酸性媒体中での前記式(12)で表される化合物の加水分解、それに続く分子内還元アミノ化反応によって、
式(13):
【化84】

(式中、
GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための段階と、
(d)前記式(13)で表される化合物の、式RX(式中、Rは、前記で定義したものであり、特に(CH−CH基であり、そしてXは、水素原子である)で表される化合物との反応によって、
式(14−1−1)又は式(14−2−1):
【化85】

(式中、
GP、R及びRは、前記で定義したものである)
の1つを得て、
式(14−1−1)又は式(14−2−1)で表される化合物は、シリカゲルクロマトグラフィーにより特に分離され、
式(14−2−1)で表される化合物は、あてはまる場合には、脱保護することによって、
式(I):
【化86】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階とを含む、前記方法にも関する。
【0115】
本発明は、
式(V):
【化87】

で表される化合物の製造方法において、
(a)式(10):
【化88】

(式中、
GPは、特にアリル基、ベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基であり、そして好ましくはベンジル基である保護基である)
で表される化合物の、活性化基Yを含む試薬との反応によって、式(10)で表される化合物の5位において前記活性化基を導入し、
式(11):
【化89】

(式中、
Y−Oは、脱離基であり、Yは、メシル基、p−トルエンスルホニル基及びトリフルオロメタンスルホニル基から特に選択される活性基であり、そして好ましくはメシル基である)
で表される化合物を得るための段階と、
(b)前記式(11)で表される化合物の第一級アミンRNH(式中、Rは、前記アルキル基又はオキサアルキル基である)による置換によって、
式(12):
【化90】

(式中、
GPは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階と、
(c)酸性媒体中での前記式(12)で表される化合物の加水分解、それに続く分子内還元アミノ化反応によって、
式(13):
【化91】

(式中、
GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための段階と、
(d)前記式(13)で表される化合物の、式RX(式中、Rは、前記で定義したものであり、特に(CH−CH基であり、そしてXは、水素原子である)で表される化合物との反応によって、
式(14−1−1)又は式(14−2−1)
【化92】

(式中、
GP、R及びRは、前記で定義したものである)
のうちの1つを得て、
式(14−1−1)又は式(14−2−1)で表される化合物は、シリカゲルクロマトグラフィーにより特に分離される段階と、
(e)式(14−1−1)で表される化合物のOGP基の位置選択性脱保護によって、遊離ヒドロキシル官能基を含む式(14−3−1)で表される化合物及び式(V)で表される化合物に相当する化合物を得るための段階とを含む、前記方法にも関する。
【0116】
本発明は、以降の本発明の好ましい化合物の入手及びそれらの生物学的特性の入手の詳細な説明によって、さらに説明される。
【0117】
C−グリコシル化イミノ糖合成の研究の枠内で、効果的な合成の方法論は、シュードアノマー位(pseudoanomeric position)において、ある種のグリコシドのアグリコン擬態を有するイミノ糖の誘導体を得るために開発されている。特に、置換型又は非置換型アルキル鎖の添加によって、グリコシダーゼ阻害剤としてのイミノアルジトールの選択性を顕著に増加させることを可能にさせる(Godin,G.; Compain,P; Martin,O.R.; Ikeda,K.; Asano,N.α-1-C-Alkyl-1-deoxynojirimycin derivatives as potent and selective inhibitors of intestinal isomaltase: remarkable effect of the alkyl chain length on glycosidase inhibitory profile. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004,14,5991-5995)。
構造活性相関の研究によって、ヒトβ−グルコシルセラミダーゼ(K=2nM)の最も強く、そして最も選択的な現在既知の阻害剤としてのα−1−C−ノニルイミノキシリトール1’aを証明することが可能になってきている。従って、化合物1’a(α−1−C−ノニル−XYL)は、2002年にWongのグループによって記載されたN−ノニル−1−デオキシノジリマイシン(deoxynojirimycin)2’(N−ノニル−DNJ)(Sawkar,A.R.;Cheng,W.-C.;Beutler,E.;Wong,C.-H.;Balch,W.E.;Kelly,J.W.Chemical chaperones increase the cellular activity of N370S β-glucosidase: A therapeutic strategy for Gaucher’s disease.Proc.Natl.Acad.Sci. USA2002,99,15428)よりも150倍の活性がある。タイプ1、2又は3のゴーシェ病に悩んでいる患者から生じる線維芽細胞上で実施された細胞試験は、非常に低い量の1’aの使用によって、ヒトβ−グルコシルセラミダーゼの残留酵素活性を2倍にすることを可能にすることを示している。
【0118】
化合物1’aは、前記式(III−2)で表される化合物に相当し、そして式(I)(式中、Rは、水素原子であり、そしてRは、ノニル基であり、そしてR、R及びRは、OH基である)で表される化合物である。
【実施例】
【0119】
[I−イミノ糖の合成]
α−1−C−アルキル−イミノキシリトールを得るために使用される一般的な合成方法を反応工程式1に記載する(下記参照)。出発化合物3’は、次のBordier,A.;Compain,P.;Martin,O.R.;Ikeda,K.;Asano,N.First Stereocontrolled Synthesis and Biological Evaluation of 1,6-Dideoxy-L-nojirimycin.Tetrahedron:Asymmetry 2003,14,47-51に掲載された方法論により合成される。この一般的な方法によって、L−キシロースから出発し、9段階で全収率27%〜43%のα−1−C−アルキル−イミノキシリトールを得ることを可能にする。
【0120】
第1段階は、単一ジアステレオイソマー(diastereoisomer)の形態でR立体配置のC−1アミン4’の形成をもたらすエーテル中の、イミン3’への有機マグネシウム化合物の添加に関する。濃塩酸存在下の酢酸中のアセタール4’の脱保護、それに続くNaBHCN添加による分子内還元アミノ化反応によって、予想されるC−グリコシルン化イミノ糖5’を得ることを可能にする。次に、これらの化合物は、炭素上のパラジウムの存在下、水素雰囲気下で容易に脱保護され、α−1−C−アルキル−イミノキシリトール1’を生成する。
【0121】
[プロトコル]
《概論》
オーブン(140℃)に置かれたガラス器具で無水条件を厳密に要求する反応を実施し、次に塩化カルシウムを含むデシケーター中で冷却した。3つの段階の濾過(ソーダ、塩化カルシウム、ソーダ)により乾燥されたアルゴン流は、ダブルランプ(double ramp)により運ばれる。
【0122】
窒素の圧力下、メルク40〜70μm「フラッシュ」シリカゲル(230〜400メッシュ)上で、カラムクロマトグラフィーによる精製を実施した。
1)イミノキシリトール1’a及び1’bの調製
反応工程式1:L−キシロースからの化合物1’a及び1’bの合成
【化93】

【0123】
《アミノ化化合物4’a及び4’bを得るための一般的な操作方法》
アルゴン流下及び−78℃で、新たに蒸留したジエチルエーテル(0.06M)中で、イミン3’を可溶化する。次に、(アミン4’aを得るための)4当量のノニル臭化マグネシウム又は(アミン4’bを得るための)4当量のドデシル臭化マグネシウムのジエチルエーテル中1M溶液を、数滴添加し、反応媒体を、−78℃で3時間攪拌する。飽和塩化アンモニウム溶液を数滴添加する。その反応は、極めて発熱性である。相の分離後、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残留物を、溶離液トルエン/酢酸エチル(5/1)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物を得る。
化合物4’aの特性
収率:38%
外観:オレンジ色のオイル
Rf:0.15(トルエン/酢酸エチル4/1)
HRMS(ESI):m/z496.3423[M+H](理論値496.3427)
NMRH(CDCl)、δ(ppm)
0.88(t,3H,J=6.9Hz);1.25(m,16H);1.32(s,3H);1.48(s,3H);3.11(m,1H);3.79(s,2H);3.86(d,1H,J=2.8Hz);4.11(dd,1H,J=2.8及び9.1Hz);4.43(d,1H,J=11.6Hz);4.63(d,1H,J=4.1Hz);4.68(d,1H,J=11.6Hz);5.94(d,1H,J=3.8Hz);7,20−7.34(m,10H)
NMR13C(CDCl)、δppm)
14.3;22.8;25.4;26.4;26.8;29.4;29.7;29.8;30.1;30.3;32.1;51.3;55.7;71.7;81.9;82.0;82.8;104.8;111.5;126.8;128.1;128.2;128.4;128.5;128.6;128.7;137.3;141.1
化合物4’bの特性
収率:30%
外観:オレンジ色のオイル
Rf:0.3(トルエン/酢酸エチル4/1)
HRMS(ESI):m/z538.3897[M+H](理論値 538.3896)
NMR H(CDCl)、δ(ppm)
0.88(t,3H,J=6.8Hz);1.26(m,22H);1.32(s,3H);1.48(s,3H);3.11(m,1H);3.79(s,2H);3.86(d,1H,J=2.8Hz);4.11(dd,1H,J=2.8及び9.1Hz);4.43(d,1H,J=11.7Hz);4.63(d,1H,J=3.6Hz);4.68(d,1H,J=11.7Hz);5.94(d,1H,J=3.9Hz);7.19−7.33(m,10H)
NMR13C(CDCl)、δ(ppm)
14.2;22.8;25.4;26.4;26.8;29.5;29.7;29.8;30.1;30.3;32.0;51.3;55.7;71.7;81.87;81.94;82.8;104.7;111.5;126.8;128.06;128.1;128.36;128.5;128.55;137.3;141.1。
【0124】
《イミノ糖5’a及び5’bを得るための一般的な操作方法》
酢酸(0.2M)及び塩酸(5N)の混合物(9/1)中に、アミン4’を可溶化する。5.5時間、室内で、反応媒体を攪拌する。その後、シアノホウ化水素ナトリウム(9当量)を添加し、反応媒体を室温で4.5日間攪拌する。飽和炭酸ナトリウム溶液及びナトリウム溶液(2M)を0℃で添加し、反応媒体を中和し、次に酢酸エチルで3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残留物を、溶離液トルエン/酢酸エチル(10/1)を用いて、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物を得る。
化合物5’aの特性
収率:16%
外観:白色固体
Rf:0.2(トルエン/酢酸エチレン4/1+1%EtN)
MS:m/z440.0[M+H](理論値439.6)
[α]−17.7(c=1,CHCl
NMRH(CDCl)、δ(ppm)
0.88(t,3H,J=6.6Hz);1.20−1.40(m,14H);1.63(m,2H);2.64(m,2H);2.79(m,1H);3.48(d,1H,J=13.5Hz);3.54(d,1H,J=6.3Hz);3.78(m,1H);3.86(m,1H);3.93(d,1H,J=13.5Hz);4.69(d,1H,J=11.9Hz);4.75(d,1H,J=12.2Hz);7.23−7.36(m,10H)
NMR13C(CDCl)、δ(ppm)
14.3;22.8;26.4;27.6;29.5;29.7;30.2;32.1;52.5;57.8;61.5;69.3;70.5;73.6;80.8;127.1;127.8;128.0;128.5;128.7;138.6;139.7
化合物5’bの特性
収率:32%
外観:白色固体
Rf:0.1(トルエン/酢酸エチル10/1+1%EtN)
HRMS(ESI):m/z482.3629[M+H](理論値482.36342)
NMRH(CDCl)、δ(ppm)
0.88(t,3H,J=6.6Hz);1.20−1.40(m,20H);1.63(m,2H);2.65(m,2H);2.78(m,1H);3.48(d,1H,J=9.4Hz);3.53(d,1H,J=6.6Hz);3.77(m,1H);3.86(m,1H);3.92(d,1H,J=13.5Hz);4.68(d,1H,J=11.9Hz);4.73(d,1H,J=12.2Hz);7.22−7.33(m,10H)
NMR13C(CDCl)、δ(ppm)
14.3;22.8;26.4;27.6;29.5;29.8;30.2;32.1;52.5;57.8;61.4;69.2;70.4;73.6;80.7;127.2;127.8;128.0;128.5;128.69;128.71;138.6;139.6。
【0125】
《イミノ糖1’a及び1’bを得るための一般的な操作方法》
室温において、アルゴン流下で、メタノール(0.01M)及び塩酸(5N)の混合物(10/1)中で、イミノ糖5’を可溶化する。次に、活性炭上のパラジウム(10モル%)を反応媒体に添加する。その後、溶液を真空下に置き、次に水素下に置く。混合物を、24時間、室温で撹拌し、その後ミリポアフィルター上でろ過し、メタノールですすぎ、そして減圧下で濃縮することによって、予想した粗生成物を生成する。この化合物は、アンバーリスト(Amberlyst)15[H]イオン交換樹脂カラム(溶離液:1M水酸化アンモニウム水溶液)により、精製する。
化合物1’aの特性
収率:定量的
外観:白色固体
MS:m/z260.0[M+H](理論値259.4)
NMRH(CDOD)、δ(ppm)
0.89(t,3H,J=7.0Hz);1.29−1.38(m,14H);1.44(m,1H);1.56(m,1H);2.78(dd,1H,J=3.7及び13.5Hz);2.88(dt,1H,J=2.3及び7.3Hz);3.03(dd,1H,J=2.7及び13.5Hz);3.53(m,2H);3.76(t,1H,J=4.0Hz)
NMR13C(125MHz,CDOD)、δ(ppm)
14.5;23.8;27.2;30.5;30.75;30.84;30.93;30.98;33.1;47.5;55.6;70.7;71.4;71.9
化合物1’bの特性
収率:定量的
外観:白色固体
HRMS(FAB):m/z302.2697[M+H](理論値302.2695)
[α]−19.0(c=0.4,MeOH]
NMRH(CDOD)、δ(ppm)
0.90(t,3H,J=6.9Hz);1.27−1.35(m,20H);1.43(m,1H);1.54(m,1H);2.76(dd,1H,J=3.7及び13.5Hz);2.88(dt,1H,J=2.3及び7.3Hz);3.02(dd,1H,J=2.8及び13.5Hz);3.54(m,2H);3.76(t,1H,J=4.6Hz)
NMR13C(CDOD)、δ(ppm)
14.5;23.8;27.2;30.5;30.7;30.78;30.8(2×C);30.83(2×C);30.9;33.1;47.5;55.6;70.6;71.5;71.8。
【0126】
2)イミノキシリトール10’及び11’の調製
イミノキシリトール10’及び11’調製の第1段階は、Bordier,A.;Compain,P.;Martin,O.R.;Ikeda,K.;Asano,N.Tetrahedron:Asymmetry 2003,14,47−51により記載された合成方法を含む。オクチルアミノ基は、メシレート6’を介して、3−O−ベンジル−1,2−O−イソプロピリデン−α−L−キシロフラノースから開始する2つの段階で導入される。化合物1’の合成の枠内として、この方法の主要段階は、アセタール官能基7’の酸性媒体中の脱保護、それに続くNaBHCN添加による分子内還元アミノ化反応を含み、これによって予想されるジオール8’を生成する。非位置選択性アルキル化反応は、トリアルキル型化合物9’a及びジアルキル型化合物9’bをもたらす。これらの誘導体を、シリカゲル上で分離し、脱保護し、良好な収率の相当するイミノキシリトール10’及び11’を生成する。
【化94】

【0127】
《メシレート型化合物6’を得るための一般的な操作方法》
3−O−ベンジル−1,2−O−イソプロピリデン−α−L−キシロフラノース(1.78g;6.35mmol)を、室温において、アルゴン流下、無水ジクロロメタン(20mL)中に可溶化する。その後、トリエチルアミン(1.1mL;7.89mmol)及びメシルクロライド(0.6mL;7.75mmol)を反応媒体に添加する。一晩攪拌後、有機相を、水(1×20mL)及び飽和塩化ナトリウム溶液(1×20mL)で洗浄し、その後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物は、石油エーテル/酢酸エチルの溶離勾配(4/1→3/1→2/1)を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィーによって分離し、メシレート型化合物6’(2.26g)を生成する。
メシレート型化合物6’の特性
収率:99%
外観:白色固体
Rf:0.2(石油エーテル/酢酸エチル4/1)
MS:m/z359.5[M+H](理論値358.4)
HRMS(ESI):m/z381.0983[M+Na](理論値381.0984)
[α]+45.5(c= 1.1,CHCl
NMRH(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
1.32(s,3H);1.48(s,3H);2.99(s,3H);4.00(d,1H,J=2.5Hz);4.44(m,4H);4.66(m,2H);5.95(d,1H,J=3.8Hz);7.28−7.39(m,5H)
NMR13C(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
26.3;26.9;37.5;67.7;72.0;77.9;81.5;81.9;105.3;112.2;127.9;128.3;128.7;136.9。
【0128】
《イミノ糖8’を得るための一般的な操作方法》
化合物6’(1.56g;4.35mmol)をオクチルアミン(10mL)中に可溶化し、反応媒体を80℃で一晩加熱し、続いて減圧下でトルエンを使用して同時蒸着し、過剰のオクチルアミンを除去する。得られた残留物を、酢酸エチル(50mL)中に取り上げ、有機相を、水(2×30mL)及び飽和塩化ナトリウム溶液(1×30mL)で洗浄する。その後、この有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた粗生成物中に今もなおオクチルアミンが存在している。従って、アミノ化型化合物7’は、次の段階において、精製なしに使用された。それにもかかわらず、生成された質量スペクトル及びNMRHスペクトルは、この中間粗アミンを認識している。
MS:m/z392.5[M+H](理論値391.6)
NMRH(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
0.88(t,3H,J=6.6Hz);1.15−1.50(m,18H);2.60(m,2H);2.90(m,2H);3.90(d,1H,J=2.5Hz);4.31(m,1H);4.48(d,1H,J=12.1Hz);4.62(d,1H,J=3.8Hz);4.70(d,1H,J=12.1Hz);5.93(d,1H,J=3.6Hz);7.32(m,5H)。
【0129】
溶液9/1(v/v)を得るために、激しい攪拌下、0℃でトリフロオロ酢酸中で得られた粗アミン7’溶液に水を添加する。室温で5時間後、反応媒体を減圧下でトルエンを使用して同時蒸着し、その後、粗生成物をメタノール(176mL)中に取り上げる。その後、酢酸(0.52mL;9.1mmol)及びシアノホウ化水素ナトリウム(5.6g;89.1mmol)を、0℃、アルゴン流下で、反応媒体に添加する。溶液を、室温に戻すために放置し、40時間攪拌する。その後、溶媒を減圧下で蒸発し、残留物をジクロロメタン(400mL)中に取り上げる。有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2×200mL)及び水(200mL)で洗浄する。その後、それを硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。得られた残留物は、石油エーテル/酢酸エチルの溶離勾配(1/1→1/2)を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィーによって分離し、予想されるイミノ糖8’(1.25g)を生成する。
イミノ糖8’の特性
収率:86%
外観:白色固体
Rf:0.4(石油エーテル/酢酸エチル1/1)
MS:m/z337.0[M+H](理論値335.5)
IR(ν,cm−1,NaCl):3372;2934;2858;1666;1074;1024
NMRH(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
0.88(t,3H,J=6.9Hz);1.26(m,10H);1.46(m,2H);2.20(dd,2H,J=8.5及び11.0Hz);2.37(m,2H);2.60(m,2H);2.86(dd,2H,J=3.5及び11.3Hz);3.25(t,1H,J=6.9Hz);3.77(m,2H);4.78(s,2H);7.26−7.37(m,5H)
NMR13C(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
14.2;22.8;26.9;27.6;29.4;29.6;31.9;57.4;58.0;69.8;74.0;84.5;127.9;128.0;128.7;138.7。
【0130】
イミノ糖9’a及び9’bを得るための一般的な操作方法
0℃、アルゴン流下、新たな蒸留テトラヒドロフラン中に、ジオール8’(1.25g;3.72mmol)を可溶化する。その後、0℃で、60%水素化ナトリウム(0.76g;31.7mmol)をさらに添加する。温度を室温に上げるために、反応媒体を30分間撹拌する。ヨードオクタン(5.4mL;29.7mmol)及びテトラブチルアンモニウムヨウ化物(0.28g;0.75mmol)を導入し、28時間、反応をテトラヒドロフランの還流状態にする。メタノールをゆっくり添加することにより過剰の試薬を破壊し、混合物をジクロロメタン(2×50mL)で抽出する。その後、有機相を水(1×50mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物を、石油エーテル/酢酸エチルの溶離勾配(10/1→8/1→6/1→4/1→2/1)を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィーによって分離し、イミノ糖9’a(832.9mg)及びラセミイミノ糖9’b(586.4mg)を生成する。
イミノ糖9’aの特性
収率:42%
外観:黄色のオイル
Rf:0.7(石油エーテル/酢酸エチル10/1)
MS:m/z561.0[M+H](理論値559.9)
IR(ν,cm−1,NaCl):2930;2864;1674;1272;1099
NMRH(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
0.88(m,9H);1.20−1.58(m,36H);1.83(t,2H,J=10.7Hz);2.36(m,2H);3.05(dd,2H,J=4.1及び10.7Hz);3.21(t,1H,J=9.1Hz);3.38(m,2H);3.59(t,4H,J=6.6Hz);4.83(s,2H);7.21−7.40(m,5H)
NMR13C(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
14.2;22.8;26.3;27.1;27.6;29.4;29.6;30.5;31.9;56.6;58.2;71.3;75.3;79.2;86.4;127.4;127.9;128.3;139.5
ラセミイミノ糖9’bの特性
収率:35%
外観:黄色固体
Rf:0.15(石油エーテル/酢酸エチル10/1)
MS:m/z449.0[M+H](理論値447.7)
IR(ν,cm−1,NaCl):3418;2930;2855;1638;1376;1100
NMRH(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
0.88(m,6H);1.22−1.60(m,24H);2.15(m,2H);2.37(m,2H);2.89(m,2H);3.27(t,1H,J=7.2Hz);3,44−3.60(m,3H);3.65(m,1H);4.66(d,1H,J=11.6Hz);4.90(d,1H,J=11.6Hz);7.28−7.36(m,5H)
NMR13C(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
14.2;22.8;26.3;27.0;27.6;29.5;29.6;30.3;31.9;55.4;56.8;58.2;69.5;70.4;74.1;78.5;127.9;128.7;138.9。
【0131】
イミノ糖10’を得るための一般的な操作方法
室温において、アルゴン流下、メタノール(20mL)と5N塩酸(2mL)との混合物中に、イミノ糖9’a(397.6mg,0.71mmol)を可溶化する。その後、活性炭上のパラジウム(10mol%)を反応媒体に添加する。その後、溶液を真空下に置き、次に水素下に置く。室温において、27時間、混合物を撹拌し、その後ミリポアフィルター上でろ過し、メタノールですすぎ、そして減圧下で濃縮する。粗生成物を、石油エーテル/酢酸エチルの混合物(10/1)で、シリカゲル上でクロマトグラフィーによって分離し、所望のイミノ糖10’(306.5mg)を生成する。
イミノ糖10’の特性
収率:92%
外観:黄色オイル
Rf:0.2(石油エーテル/酢酸エチル10/1)
MS:m/z471.0[M+H](理論値469.8)
HRMS(ESI):m/z470.4585[M+H](理論値470.4573)
NMRH(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
0.88(m,9H);1.20−1.60(m,36H);1.82(t,2H,J=10.0Hz);2.39(m,2H);2.64(m,1H);3.07(dd,2H,J=3.1及び11.3Hz);3.29(m,3H);3.57(m,4H)
NMR13C(250MHz,CDCl)、δ(ppm)
14.2;22.8;26.2;27.1;27.6;29.4;29.5;29.6;30.3;31.9;55.6;58.3;70.7;77.9;78.6。
【0132】
ラセミイミノ糖11’を得るための一般的な操作方法
室温において、アルゴン流下、メタノール(15mL)と5N塩酸(1.5mL)との混合物中に、ラセミイミノ糖9’b(248.1mg,0.55mmol)を可溶化する。その後、活性炭上のパラジウム(10mol%)を反応媒体に添加する。その後、溶液を真空下に置き、次に水素下に置く。室温において、26時間、混合物を撹拌し、その後ミリポアフィルター上でろ過し、メタノールですすぎ、そして減圧下で濃縮する。粗生成物を、石油エーテル/酢酸エチルの混合物(20/1)で、シリカゲルクロマトグラフィーにより分離し、ラセミイミノ糖11’(161.2mg)を生成する。
ラセミイミノ糖11’の特性
収率:82%
外観:黄色オイル
Rf:0.5(酢酸エチル/メタノール20/1)
MS:m/z358.0[M+H](理論値357.6)
NMRH(250MHz,CDOD)、δ(ppm)
0.93(m,6H);1.22−1.45(m,20H);1.46−1.62(m,4H);1.86(t,1H,J=11.0Hz);1.90(t,1H,J=11.0Hz);2.42(m,2H);2.99(dd,1H,J=3.5及び9.8Hz);3.11(m,1H);3.16−3.31(m,2H);3.51(m,1H);3.62(t,2H,J=6.6Hz)
NMR13C(250MHz,CDOD)、δ(ppm)
14.5;23.7;27.2;27.8;28.6;30.4;30.5;30.6;31.2;32.9;33.0;57.0;59.1;59.3;71.4;71.9;79.4;79.7。
反応工程式3:化合物1’aからの化合物12’の合成
【化95】

【0133】
N−アルキル型化合物12’を得るための一般的な操作方法
室温において、アルゴン流下、メタノール−酢酸混合物(200/1,v/v)中に、イミノ糖1’aを可溶化する(0.02M)。ノナナール(nonanal)(1.2当量)及びシアノホウ化水素ナトリウム(1.2当量)を反応媒体に添加し、次に室温で一晩攪拌する。その後、溶媒を減圧下で蒸発する。得られた残留物を酢酸エチルに取り上げ、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。溶離液酢酸エチル/メタノール(5/1)及び1%トリエチルアミンを用いて、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、所望の化合物12’(収率:58%)を精製する。
化合物12’の特性
外観:白色固体
Rf:0.35(酢酸エチル/メタノール5/1+1%EtN)
[α]20+5.5(c1.1,MeOH)
HRMS(ESI):m/z[M+H] 計算値386.3634
実測値:386.3633
HRMS(FAB):m/z[M+H] 計算値:386.3634
実測値:386.3636
IR(NaCl,cm−1):1088(C−O);1150(C−N);2860−2928(C−H);3378(O−H)
NMRH(250MHz,CDOD)、d(ppm)
0.91(m,6H);1.31−1.51(m,30H);2.46−2.68(m,3H);2.75(dd,1H,J=4.7及び12.6Hz);2.85(m,1H);3.39(t,1H,J=8.5Hz);3.54(m,1H);3.64(dd,1H,J=4.7及び8.8Hz)
NMR13C(250MHz,CDOD)、d(ppm)
14.5;23.8;24.3;28.3;28.5;30.0;30.4;30.5;30.6;30.7;31.0;33.1;52.5;55.2;63.0;71.2;72.6;75.6
反応工程式4:化合物1’aからの化合物13’の合成
【化96】

【0134】
N−アルキル型化合物13’を得るための一般的な操作方法
室温において、アルゴン流下、無水N,N−ジメチルホルムアミド(3.5mL)中に粗イミノ糖1’a(26.5mg;0.102mmol)を可溶化する。炭酸カリウム(36mg;0.26mmol)及び1−ヨードブタン(14μL;0.123mmol)を反応媒体に添加する。後者を、80℃、40時間、加熱する。その後、トルエンを使用して、溶媒を同時蒸着し、得られた残留物を、酢酸エチル/メタノール混合物(15/1)を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィーにより分離し、イミノ糖13’(5mg,15%)を生成する。
化合物13’の特性
外観:無色オイル
Rf:0.35(AcOEt/MeOH15/1)
[α]20+15.5(c0.4,MeOH)
HRMS(FAB):m/z[M+H] 計算値:316.2852 実測値:316.2849
NMR H 500 MHz (CDOD)
【表a】

NMR13C(CDOD)
δ(ppm)14.4;14.5(2×CHアルキル);21.5;23.8;30.5;30.7;31.0;33.1(10×CHアルキル);49.3(C−5);52.5(CHN);55.1(C−1);63.2(C−4);71.3(C−2);72.8(C−3)
反応工程式5:化合物1’aからの化合物14’の合成
【化97】

【0135】
室温において、アルゴン流下、無水N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中に、粗イミノ糖1’a(28.3mg;0.11mmol)を可溶化する。炭酸カリウム(36.2mg;0.26mmol)及びp−メトキシ塩化ベンジル(18μL;0.13mmol)を反応媒体に添加する。後者を、一晩、80℃に加熱する。その後、トルエンを使用して、溶媒を同時蒸着し、得られた残留物を、酢酸エチル/メタノール混合物(5/1)を用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィーにより分離し、イミノ糖14’(29mg,70%)を生成する。
化合物14’の特性
外観:オレンジ色オイル
Rf:0.7(AcOEt/MeOH5/1)
[α]20+17.0(c0.9,MeOH)
HRMS(FAB):m/z[M+H] 計算値:380.280
実測値:380.2801
NMRH(CDOD)
【表b】

NMR13C(CDOD)
δ(ppm)14.5(CHノニル);23.7;24.3;29.8;30.5;30.7;30.8;30.9;33.1(8×CHノニル);51.5(C−5);55.7(OCH);59.0(CHN);62.7(C−1);71.3(C−4);72.7(C−2);76.4(C−3);114.6;130.9(4×CH芳香族);132.7;160.3(Cq芳香族)
【0136】
《II−ヒトβ−グルコセレブロシダーゼ及び他のグリコシダーゼに関する抑制試験》
ヒトβ−グルコセレブロシダーゼに関する阻害試験を、N.Asano教授と共同で実施した。最も関連した結果を表1に示す。α−1−C−ノニル−XYL1’aは、現在、阻害定数(K)が2nMであるヒトβ−グルコセレブロシダーゼの最も強力な公知の阻害剤である。この化合物は、試験された種々のα−グルコシダーゼに対して活性が無いなので、極めて特異的でもある。この選択性は、1つには、グルコースの特徴を示すC−5ヒドロキシメチル官能基が無いためである。CからC12へのアルキル鎖長さの伸びは、阻害活性の減少をもたらす。同様に、ノニル基の位置は、非常に重要である。従って、N−ノニルイミノキシリトール6’は、C−アルキル型類似体1’aの220分の1の活性である。
【表1】

化合物6’は、対照化合物である。
化合物1’aは、式(I)(式中、Rは、水素原子であり、Rは、ドデシル基であり、R、R及びRは、OH基である)で表される化合物に相当する。
化合物1’bは、式(I)(式中、Rは、水素原子であり、Rは、ドデシル基であり、R、R及びRは、OH基である)で表される化合物に相当する。
【0137】
ライス及び酵母のα−グルコシダーゼ、並びにスイートアーモンド及びカルトドセラム サッカロリチカム(Caldocellum saccharolyticum)のβ−グルコシダーゼは、シグマ化学(Sigma Chemical Co.)から購入する。ケスラー(Kessler)方法(Kessler,M.;Acuto,O.;Strelli,C.;Murer,H.;Semenza,G.A.Biochem.Biophys.Acta 1978,506,136)によるラット小腸から調製された「刷子縁(Brush border)」細胞膜を、腸マルターゼ、スクラーゼ及びイソマルターゼのソースとして使用した。ライスα−グルコシダーゼ並びに腸グルコシターゼの活性を、基質としての適切な二糖類を使用して測定した。従って、放出されたD−グルコースは、ワコー(Wako)グルコースB−試験(和光純化学工業、日本)を使用する比色法により分析した。各々の酵素の最適なpHで、基質としての適切なp−ニトロフェニルグリコシドを使用して、他のグルコシターゼに関する活性を測定した。400mM NaCOを添加することにより、反応を停止する。従って、分光測定法により、400nmにおいて、放出されたp−ニトロフェノールを分析した。β−グルコセレブロシダーゼについて、使用される手法は、Kato,A.;Kato,N.;Kano,E.;Adachi,I.;Ikeda,K.;Yu,L.;Okamoto,T.;Banba,Y.;Ouchi,H.;Takahata,H.;Asano,N.Biological properties of D- and L-1-deoxyazasugars.J.Med.Chem.2005,48,2036-2044において記載されたものである。
生物学的評価:化合物12’、13’及び14’によるヒトβ−グルコセレブロシダーゼの阻害
【化98】

【0138】
III−α−1−C−ノニル−イミノキシリトール1’aのゴーシェ病に悩んでいる患者の線維芽細胞内の細胞内リソソームグリコシダーゼに対する効果(タイプ1、2及び3)
研究は、細胞内β−グルコセレブロシダーゼ(タイプ1、2又は3のゴーシェ病に悩んでいる患者から生じる線維芽細胞)活性に対する阻害剤の効果を調査するために実施された。一般に、残留酵素活性の1.1〜1.9倍の増加は、2.5〜10nM濃度のα−1−C−ノニル−XYL1’aで有名である(主な結果を表2に示す)。
【0139】
顕著な方式では、非常に低濃度(10nM)でのα−1−C−ノニル−XYL(1’a)の使用によって、他のリソソームグリコシダーゼの作用を阻害することなしに、タイプ1及び3の欠損β−グルコセレブロシダーゼの効果(それぞれ、1.8及び1.9)をほぼ2倍にすることを可能にさせる。タイプ1のゴーシェ病が最も広がっていることに注意されたい。N−ノニルDNJ2’で実施された比較試験は、酵素活性の増加がほぼ2倍であるが、1000倍高い濃度(10μM)で、そして他のグリコシダーゼ(α−グリコシダーゼ及びα−マンノシダーゼ)に対する不十分な選択性をもつことを示した。
【表2】

【0140】
詳細な生物実験
Sawkar,A.R.;Cheng,W.-C.;Beutler,E.;Wong,C.-H.;Balch,W.E.;Kelly,J.W.Chemical chaperones increase the cellular activity of N370S beta-glucosidase:a therapeutic strategy for Gaucher’s disease.Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2002,99,15428-15433中に記載された条件下で、試験を実施した。
タイプ1 ゴーシェ線維芽細胞
N−ノニル−DNJ2’
β−グルコセレブロシダーゼ:2.4〜10μM倍増加した残留活性
α−グルコシダーゼ:50μMにおいて70%阻害
α−マンノシダーゼ:わずかに阻害

タイプ2 ゴーシェ線維芽細胞
N−ノニル−DNJ2’
β−グルコセレブロシダーゼ:1.1〜2.5μM倍増加した残留活性
α−グルコシダーゼ:50μMにおいて著しく阻害
α−マンノシダーゼ:50μMにおいてわずかに阻害

タイプ3 ゴーシェ線維芽細胞
N−ノニル−DNJ2’
β−グルコセレブロシダーゼ:1.6〜10μM倍増加した残留活性
α−グルコシダーゼ:著しく阻害
α−マンノシダーゼ:阻害無し

タイプ1〜3 ゴーシェ線維芽細胞
α−1−C−ノニル−XYL1’a
タイプ1 β−グルコセレブロシダーゼ:1.8〜10nM倍増加した残留活性
タイプ2 β−グルコセレブロシダーゼ:1.1〜2.5nM倍増加した残留活性
タイプ3 β−グルコセレブロシダーゼ:1.9〜10nM倍増加した残留活性
タイプ1〜3 α−グルコシダーゼ:阻害無し
タイプ1〜3 α−マンノシダーゼ:阻害無し
【0141】
《結論》
α−1−C−ノニル−イミノキシリトール1’aで得られた結果は、非常に少量で副作用がないゴーシェ病に対して使用することができる未来の治療薬の手段を切り開く。これらの化合物によって、タイプ1及びタイプ3患者中のβ−グルコセレブロシダーゼの残留酵素活性を著しく増加することを可能にさせる。含有スフィンゴ糖脂質の形成を阻害するためのザベスカ(Zavesca)(商標)を組み合わせた2つの治療、及びこの糖脂質の残留酵素加水分解活性を活性化する「化学シャペロン」も実現可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

(式中、
は、
水素原子、又は
炭素原子1〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子4〜12個を含み、特には炭素原子6〜12個を含む、直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合によりフェニル基により置換されており、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基により置換されている前記アルキル基、又は
3〜12員を含むオキサアルキル基であり;
は、
水素原子、又は
炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合により、ヒドロキシル基、炭素原子1〜12個を含むアルコキシ基、及びフェニル基から選択された置換基により置換されるか又は前記置換基を有している前記アルキル基、又は
4〜12員を含むn−オキサアルキル基(nは3以上の整数を表す)であり;
、R及びRは、互いに独立して、
水素原子、又は
ヒドロキシル基、又は
式OR(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又はベンジル基である)で表されるアルコキシ基、又は、
式O−CO−R(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基である)で表されるアシルオキシ基であり、
、R、R及びRの少なくとも1つの基が、炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和の前記アルキル基であるか、又は炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和の前記アルキル基を含む基である)
で表される化合物の使用であって、
前記一般式(I)で表される化合物が、純粋な立体異性体の形態であるか、又はラセミ混合物並びに薬理学的に許容可能な酸を有するそれらの付加塩を含む、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーの混合物の形態である、
リソソームグリコシダーゼ酵素少なくとも1つの機能障害と関連するリソソーム病の治療を目的とする薬剤の製造のための前記化合物の使用
(但し、式(I)において、Rが水素原子又は炭素原子1〜3個を含むアルキル基であり、そしてRが水素原子である場合、R、R及びRの少なくとも1つの基がアルコキシ基、OR、又はアシルオキシ基、OCORであり、ここで、R又はRは、炭素原子少なくとも3つを含むアルキル基であり、そして、
式(I)において、R、R及びRの少なくとも2つの基が水素原子ではない)。
【請求項2】
ゴーシェ病の治療を目的とする薬剤の製造のための、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
クラッベ病の治療を目的とする薬剤の製造のための、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
ファブリー病の治療を目的とする薬剤の製造のための、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
が、水素原子であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
が、炭素原子4〜16個を含み、そして好ましくは炭素原子9個を含むアルキル基であることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
、R及びRが、OH基であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の使用。
【請求項8】
が、炭素原子6〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子9個を含むアルキル基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
が水素原子であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
が、式OR(式中、Rは、炭素原子3〜15個を含み、そして好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)で表されるアルコキシ基であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の使用。
【請求項11】
及びRが、OH基であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
が、OH基であり、そしてRが、式OR(式中、Rは、炭素原子3〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含むアルキル基である)で表されるアルコキシ基であることを特徴とする、請求項4〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
一般式(II):
【化2】

(式中、
、R、R、R及びRは、請求項1〜12のいずれか一項において定義したものである)
で表される化合物の、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
式(III):
【化3】

(式中、
は、請求項1において定義したアルキル基、好ましくはノニル基である)
で表される化合物の、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
式(IV):
【化4】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、請求項1において定義したアルキル基、そして好ましくはノニル基である)
で表される化合物である、請求項13に記載の使用。
【請求項16】
式(V):
【化5】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、請求項1において定義したアルキル基、そして好ましくはノニル基である)
で表される化合物の、請求項13に記載の使用。
【請求項17】
一般式(I):
【化6】

(式中、
は、
水素原子、又は
炭素原子1〜12個を含み、そして好ましくは炭素原子4〜12個を含み、特には炭素原子6〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合によりフェニル基により置換されており、あてはまる場合には炭素原子1〜15個を含むアルコキシ基により置換されている前記アルキル基、又は
3〜12員を含むオキサアルキル基であり;
は、
水素原子、又は
炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であって、場合により、ヒドロキシル基、炭素原子1〜12個を含むアルコキシ基、及びフェニル基から選択された置換基により置換されるか又は前記置換基を有している前記アルキル基、又は
4〜12員を含むn−オキサアルキル基(nは3以上の整数を表す)であり;
、R及びRは、互いに独立して、
水素原子、又は
ヒドロキシル基、又は
式OR(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含み、好ましくは炭素原子4〜12個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基、又はベンジル基である)で表されるアルコキシ基、又は
式O−CO−R(式中、Rは、炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基である)で表されるアシルオキシ基であり、
、R、R及びRの少なくとも1つの基が、前記炭素原子4〜16個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基であるか、又は前記炭素原子1〜15個を含む直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基を含む基である)
で表される化合物であって、
前記一般式(I)で表される化合物が、純粋な立体異性体の形態であるか、又はラセミ混合物並びに薬理学的に許容可能な酸を有するそれらの付加塩を含む、鏡像異性体及び/又はジアステレオマーの混合物である、前記化合物
(但し、式(I)において、Rが水素原子又は炭素原子1〜3個を含むアルキル基であり、そしてRが水素原子である場合、R、R及びRの少なくとも1つの基がアルコキシ基、OR、又はアシルオキシ基、OCORであり、ここで、R又はRは、炭素原子少なくとも3つを含むアルキル基であり、そして
式(I)において、R、R及びRの少なくとも2つの基が水素原子ではない)。
【請求項18】
式(II):
【化7】

(式中、
、R、R、R及びRは、請求項17において定義したものである)
に相当する、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
式(III):
【化8】

(式中、
は、請求項1において定義したアルキル基、そして好ましくはノニル基である)
に相当する、請求項17に記載の化合物。
【請求項20】
式(IV):
【化9】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、請求項1において定義したアルキル基、そして好ましくはノニル基である)
に相当する、請求項17に記載の化合物。
【請求項21】
式(V):
【化10】

(式中、
pは、0〜11に変化する整数、そして好ましくは8の整数を表し、
は、請求項1において定義したアルキル基、そして好ましくはノニル基である)
に相当する、請求項17に記載の化合物。
【請求項22】
請求項17〜21のいずれか一項に記載の化合物を、薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項23】
請求項17〜21のいずれか一項に記載の式(I)(式中、Rは、アルキル基、又はn−オキサアルキル基である)で表される化合物の製造方法であって、
(a)
式(1):
【化11】

(式中、
GPは、特にアリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基、そして好ましくはベンジル基である保護基であり、
GPは、特にアリル基、ベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基であり、そして好ましくはベンジル基である保護基である)
で表されるイミンに、式R−M(式中、Rは、請求項17で定義したアルキル基又はn−オキサアルキル基であり、Mは、金属、好ましくはLiであるか、又は基MgXであり、ここで、Xはハロゲン原子、好ましくはBrである)で表される有機金属化合物、例えばマグネシウム有機化合物若しくはリチウム有機化合物を添加する段階であって、
式(2):
【化12】

(式中、
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための前記段階と、
(b)前記式(2)で表される化合物の酸性媒体中での加水分解、それに続く分子内還元アミノ化反応の段階で、
式(3):
【化13】

(式中、
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための前記段階であって、
あてはまる場合には、式(3)で表される化合物が、請求項19において定義した式(III)で表される化合物を得るために、脱保護され、
次に、場合により、得られた前記式(III)で表される化合物が、遊離アミン官能基のアルキル化の段階、例えばハロゲン化アルキルRXを用いたアルキル化、又は式ROH(式中、Rは、請求項17において定義したアルキル基又はオキサアルキル基である)のアルコールの酸化によって生じるアルデヒドを用いた還元アミノ化によるアルキル化の段階を受け、請求項18において定義した式(II)で表される化合物(式中、R、R及びRは、OH基である)を得るための前記段階と、
(c)前記化合物(3)の遊離OH官能基の保護の段階であって、
式(4):
【化14】

(式中、
GPは、特に、アセチル基、ベンゾイル基及びピバロイル基から選択される保護基、そして好ましくはベンゾイル基である保護基であり、
GPは、特には、トリアルキルシリル基から選択される保護基、好ましくはt−ブチルジメチルシリル基である保護基であり、そして
GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための前記段階と、
(d)前記式(4)で表される化合物のGP、GP又はGPの1つの基の化学選択的脱保護の段階であって、
式(5):
【化15】

(式中、
は、水素原子、又は保護基GPであり、
は、水素原子、又は保護基GPであり、
は、水素原子、又は保護基GPであり、そして
、A及びAの1つの基のみが、前記で定義した、H、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物をそれぞれ得るための段階と、
(e)前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基の反応の段階であって;
アルキル化プロセスの実施の枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば、式R−X(Xは、ハロゲン原子であり、Rは、請求項17で定義したものである)で表されるハロゲン化アルキルとの反応の段階であって、
式(6):
【化16】

(式中、
は、R基、又は保護基GPであり、
は、R基、又は保護基GPであり、
は、R基、又は保護基GPであり、そして
、B及びBの1つの基のみが、前記で定義したR、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物を得るための段階であるか;又は
アシル化プロセスの実施の枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば式RCOCl(式中、Rは、請求項17において定義したものである)で表される酸塩化物との反応の段階であって、
式(7):
【化17】

(式中、
は、COR基、又は保護基GPであり、
は、COR基、又は保護基GPであり、
は、COR基、又は保護基GPであり、そして
、C及びCの1つの基のみが、COR、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物を得るための段階であるか;又は
酸化物の還元プロセスの実施の枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応による反応の段階であって、
式(8):
【化18】

(式中、
は、水素原子、又はOGP基であり、
は、水素原子、又はGP基であり、
は、水素原子、又はGP基であり、そして
、D及びDの1つの基のみが、前記で定義した、H、GP、GP、GP、GP及びRである)
で表される化合物の1つを得るための前記段階であるか;又は
立体配置反転プロセスの実施の枠内で、前記式(5)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基の、例えばスワーン反応の実施、それに続く水素化ホウ素を用いた還元による反応の段階であって、
式(9−1)、(9−2)又は(9−3):
【化19】

(式中、
GP、GP、GP、GP及びRは、前記で定義したものである)
の化合物の1つを得るための前記段階であり;
前記式(6)、(7)、(8)、(9−1)、(9−2)及び(9−3)で表される化合物は脱保護することによって、請求項17において定義した式(I)で表される化合物に相当する
式(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−9−1)、(I−9−2)及び(I−9−3):
【化20】

(式中、
B’は、R基、又は水素原子であり、
B’は、R基、又は水素原子であり、
B’は、R基、又は水素原子であり、そして
B’、B’及びB’の1つの基のみが、Rであり、
C’は、COR基、又は水素原子であり、
C’は、COR基、又は水素原子であり、
C’は、COR基、又は水素原子であり、そして
C’、C’及びC’の1つの基のみが、CORであり、
D’は、水素原子、又はOH基であり、
D’は、水素原子、又はOH基であり、
D’は、水素原子、又はOH基であり、そして
D’、D’及びD’の1つの基のみが、Hである)
で表される化合物をそれぞれ得ることができ、
次に、このように得られた式(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−9−1)、(I−9−2)及び(I−9−3)で表される化合物は、場合により、遊離アミン官能基のアルキル化の段階、例えばハロゲン化アルキルRXを用いたアルキル化、又は式ROH(式中、Rは、請求項17において定義したアルキル基又はオキサアルキル基である)のアルコールの酸化によって生じるアルデヒドを用いた還元アミノ化による遊離アミン官能基のアルキル化の段階を受けることができ、請求項17において定義した式(I)で表される化合物に相当する
式(I−6−a)、(I−7−a)、(I−8−a)、(I−9−1−a)、(I−9−2−a)及び(I−9−3−a):
【化21】

(式中、B’、B’、B’、C’、C’、C’、D’、D’、D’、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための前記遊離ヒドロキシル官能基の反応段階と、
(f)場合により、脱保護型遊離ヒドロキシル官能基を得るための、前記式(6)、(7)、(8)、(9−1)、(9−2)又は(9−3)で表される化合物の残留している保護基GP、GP又はGPの1つの位置選択性脱保護の段階、
そして段階(e)において記載した、アルキル化プロセスの実施の枠内の、又はアシル化プロセスの実施の枠内の、又は酸化物の還元プロセスの実施の枠内の、又は立体配置の反転の実施の枠内の、いずれかの遊離ヒドロキシル官能基の反応の段階、
そして前記式(I)で表される化合物を得るための、脱保護の任意の段階、場合により、それに続く遊離アミン官能基のアルキル化、例えばハロゲン化アルキルRXを用いたアルキル化により、又は式ROH(式中、Rは、請求項17において定義したアルキル基又はオキサアルキル基である)のアルコールの酸化によって生じるアルデヒドを用いた還元アミノ化によって、式(I)(Rは、水素原子と異なる)で表される化合物を得るための段階、(式(I)で表される得られた化合物が遊離ヒドロキシル官能基を含んでいる場合には、段階(f)は場合により繰り返すことができる)とを含む、前記製造方法。
【請求項24】
請求項17〜21のいずれか一項に記載の式(I)(式中、Rは水素原子である)で表される化合物の製造方法であって、
(a)
式(10):
【化22】

(式中、
GPは、特にアリル基、ベンジル基及び2−ナフタレンメチル基から選択される保護基であり、そして好ましくはベンジル基である保護基である)
で表される化合物の活性化基Yを含む試薬との反応の段階であって、
式(11):
【化23】

(式中、
Y−Oは、脱離基であり、Yは、特に、メシル基、p−トルエンスルホニル基及びトリフルオロメタンスルホニル基から選択される活性基であり、そして好ましくはメシル基である)
で表される化合物を得るための段階と、
(b)第一級アミンRNH(式中、Rは、請求項17において定義したアルキル基又はオキサアルキル基である)による、前記式(11)で表される化合物の置換の段階であって、
式(12):
【化24】

(式中、
GPは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階と、
(c)前記式(12)で表される化合物の酸性媒体中での加水分解、それに続く分子内還元アミノ化反応の段階であって、
式(13):
【化25】

(式中、
GP及びRは、前記で定義したものである)
で表される置換型ピペリジンを得るための段階と、
(d)前記式(13)で表される化合物の、式RX(式中、Rは、請求項17において定義したものであり、そしてXは、水素原子である)で表される化合物、又は酸塩化物RCOCl(式中、Rは、請求項17において定義したものである)との反応の段階であって、
式(14−1)又は式(14−2):
【化26】

(式中、
は、COR基又は前記Rであり、
GP及びRは、前記で定義したものである)
を得て、
式(14−1)及び式(14−2)で表される化合物は、特に、シリカゲルクロマトグラフィーにより分離され、
式(14−2)で表される化合物は、あてはまる場合には、脱保護によって、
式(I):
【化27】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階と、
(e)式(14−1)で表される化合物のOGP基の位置選択性脱保護の段階であって、遊離ヒドロキシル官能基を含む
式(14−3):
【化28】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物(式(I)で表される化合物に相当する)を得るための前記段階と、
(f)前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基の反応の段階であって、
アルキル化プロセスの実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば式R−X(式中、Xは、ハロゲン原子であり、Rは、請求項17で定義したものである)で表されるハロゲン化アルキルとの反応によって、
式(15−2)又は式(15−3):
【化29】

(式中、
GP、R、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(15−2)で表される化合物は脱保護され、
式(I):
【化30】

(式中、
、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための前記段階であるか;又は
アシル化プロセスの実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えば式RCOCl(式中、Rは、請求項17において定義したものである)で表される酸塩化物との反応の段階であって、
式(16−2)又は式(16−3):
【化31】

(式中、
GP、R、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(16−2)で表される化合物を脱保護することによって、
式(I):
【化32】

(式中、
、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得る前記段階であるか;又は
酸化物の還元プロセスの実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基と、例えばImCS、それに続くBuSnHとの反応による反応の段階であって、
式(17−2)又は式(17−3):
【化33】

(式中、
GP、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(17−2)で表される化合物を脱保護することによって、
式(I):
【化34】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得る段階であるか;又は
立体配置反転の実施の枠内で、前記式(14−2)及び式(14−3)で表される化合物の遊離ヒドロキシル官能基の、例えばスワーン反応の実施、それに続く水素化ホウ素を用いた還元の段階であって、
式(18−2)又は式(18−3):
【化35】

(式中、
GP、R及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物をそれぞれ得て、
次に、式(18−2)で表される化合物を脱保護することによって、
式(I):
【化36】

(式中、
及びRは、前記で定義したものである)
で表される化合物を得るための段階とを含む、前記製造方法。

【公表番号】特表2008−546744(P2008−546744A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517539(P2008−517539)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001425
【国際公開番号】WO2006/136714
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(505409247)サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク (16)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【出願人】(507421290)ユニヴェルシテ ドルレアン (1)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE D’ORLEANS
【Fターム(参考)】