説明

イメージセンサー及びその製造方法

【課題】フォトダイオードと読み出し回路の間にフォトチャージの円滑な移動通路を提供することで、暗電流ソースを最小化し、サチュレーション及び感度の低下を防止することができるイメージセンサー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】読み出し回路120が形成されたピクセル部及び周辺回路が形成された周辺部を含む第1基板100と、前記読み出し回路120及び周辺回路と繋がるように前記第1基板100上に形成された配線150及び層間絶縁層160と、前記ピクセル部に対応する前記層間絶縁層160上に形成された結晶型半導体層200と、前記結晶型半導体層200に形成されて素子分離トレンチによって配線とそれぞれ繋がるフォトダイオード205と、第1基板100に形成された電気接合領域140を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサー及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサーは、光学的映像を電気信号に変換させる半導体素子として、大きく電荷結合素子イメージセンサーとCMOSイメージセンサーに分けられる。
【0003】
一般的にイメージセンサーは、基板にフォトダイオードをイオン注入方式で形成させる。ところが、チップサイズ増加なしにピクセル数の増加を目的にフォトダイオードのサイズがますます減少するにつれて、受光部の面積縮小して画像特性が低下する傾向がある。
【0004】
また、受光部面積が縮小した分ほどの積層高さの減少が成されず、エアリーディスクと呼ばれる光の回折現象で、受光部に入射されるフォトンの数も減少する傾向がある。
【0005】
これを解決するための代案の一つとして、フォトダイオードを非晶質シリコンで蒸着したり、ウェハ−ウェハ接合(Wafer-to-Wafer Bonding)などの方法で読出し回路をシリコン基板に形成させて、フォトダイオードは読出し回路上部に形成させる試み(以下「3次元イメージセンサー」と称する)がなされている。フォトダイオードと読出し回路は配線を通じて繋がるようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術によれば、ピクセル間の完全な素子分離が成されない問題があった。
【0007】
また、従来技術のイメージセンサーは、配線及び温度のような周辺要素によって漏洩電流(leakage current)が発生されるが、これによって暗電流が誘発されることがある。
【0008】
また、従来技術によれば、トランスファトランジスタ(transfer transistor)両端のソース及びドレーン皆が高濃度のN型にドーピングされているので、図19に図示されているように、電荷共有(Charge Sharing)現象が発生するような問題がある。電荷共有現象が発生すると、出力画像の感度が低下し、画像エラーが発生することがある。
【0009】
また、従来技術によれば、フォトダイオードと読出し回路の間に、フォトチャージ(Photo Charge)が円滑に移動することができないため、暗電流が発生したり、サチュレーション(Saturation)及び感度の低下が発生している。
【0010】
本発明は、充てん比(Fill factor)を高め、且つフォトダイオードのピクセル間の素子分離が效果的なイメージセンサー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、フォトダイオードの素子分離をし、且つフォトダイオード及び周辺素子を保護することができるイメージセンサー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、ダミーピクセルが形成されて漏洩電流の測定がことができるイメージセンサー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、充てん比を高め、且つ電荷共有現象が発生しないイメージセンサー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、フォトダイオードと読み出し回路の間にフォトチャージの円滑な移動通路を提供することで、暗電流ソースを最小化し、サチュレーション及び感度の低下を防止することができるイメージセンサー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある態様によるイメーミジセンサーは、読み出し回路が形成されたピクセル部及び周辺回路が形成された周辺部を含む第1基板と、前記読み出し回路及び周辺回路と繋がるように前記第1基板上に形成された配線及び層間絶縁膜と、前記ピクセル部に対応する前記層間絶縁膜上に形成された結晶形半導体層と、前記結晶形半導体層に形成されて素子分離トレンチによって配線とそれぞれ繋がる第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードと、前記素子分離トレンチを含む結晶形半導体層上に形成された素子分離膜と、前記素子分離膜を貫いて前記第1フォトダイオードと部分的に繋がる上部電極層と、前記第1フォトダイオードの上部領域が選択的に露出されるように前記上部電極層に形成された露出部と、前記露出部を含む第1基板上に配置された保護膜を含む。
【0016】
本発明のある態様によるイメージセンサーの製造方法は、第1基板に読み出し回路を含むピクセル部及び周辺回路を含む周辺部を形成する段階と、前記第1基板上に前記読み出し回路及び周辺回路と繋がる配線及び層間絶縁膜を形成する段階と、結晶形半導体層を含む第2基板を形成する段階と、前記結晶形半導体層にフォトダイオード層を形成する段階と、前記第1基板と前記フォトダイオード層含む第2基板をポンディングする段階と、前記第1基板上で前記フォトダイオード層が露出するように前記第2基板の一部を取り除く段階と、前記結晶形半導体層に素子分離トレンチを形成して配線とそれぞれ繋がる第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを形成する段階と、前記第1及び第2フォトダイオードを含む前記結晶形半導体層上に素子分離膜を形成する段階と、前記第1フォトダイオードと部分的に繋がるように前記素子分離膜上に上部電極層を形成する段階と、前記第1フォトダイオードの上部領域が選択的に露出されるように前記上部電極層の一部を取り除いて露出部を形成する段階と、前記露出部を含む前記層間絶縁層上に保護膜を形成する段階を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、充てん比を高め、且つフォトダイオードの感度を向上させることができるイメージセンサー及びその製造方法を提供することができる。
【0018】
また、本発明は、上部配線と電気的に繋がって実質的な動作を遂行するメインピクセルと、前記上部配線に繋がっていないダミーピクセルを含む。前記ダミーピクセルは、基準ピクセルとして使われて前記メインピクセルの漏洩電流を測定することができるので、素子の性能を向上させることができる。
【0019】
また、本発明によれば、トランスファトランジスタ両端のソース及びドレーンの間に電圧差があるように素子設計することにより、フォトチャージの完全なダンピングを可能にする。
【0020】
また、本発明によれば、フォトダイオードと読み出し回路の間に電荷連結領域を形成してフォトチャージの円滑な移動通路を提供することで、暗電流ソースを最小化してサチュレーション及び感度の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
実施例によるイメージセンサー及びその製造方法を添付された図面を参照して詳しく説明する。
(第1実施例)
【0022】
図16は、実施例によるイメージセンサーを図示した断面図である。
【0023】
実施例によるイメージセンサーは、読み出し回路120が形成されたピクセル部A及び周辺回路が形成された周辺部Bを含む第1基板100と、前記読み出し回路120及び周辺回路と繋がるように前記第1基板100上に形成された配線150、150a及び層間絶縁膜160と、前記ピクセル部Aに対応する前記層間絶縁膜160上に形成された結晶型半導体層200と、前記結晶型半導体層200に形成されて素子分離トレンチ235によって単位ピクセル毎に分離されて前記配線150、150aとそれぞれ繋がる第1フォトダイオード205及び第2フォトダイオード205aと、前記素子分離トレンチ235を含む結晶型半導体層200上に形成された素子分離膜250と、前記素子分離膜250を貫いて前記第1フォトダイオード205と部分的に繋がる上部電極層260と、前記第1フォトダイオード205の上部領域が選択的に露出されるように前記上部電極層260に形成された露出部265と、及び前記露出部265を含む前記層間絶縁膜160上に形成された保護膜270を含む。
【0024】
前記第1フォトダイオード205は、第1ビアホール255を通じて前記上部電極層260と電気的に繋がって実質的な動作を遂行するメインピクセルである。前記第2フォトダイオード205aは、前記上部電極層260と繋がっていないダミーピクセルである。ダミーピクセルとして使われる前記第2フォトダイオード205aは、上部電極層260の漏洩の要因を排除することができるので、正確な漏洩電流を測定するための基準ピクセルとして使うことができる。例えば、前記第2フォトダイオード205aは、チップ端領域でありうる。
【0025】
前記上部電極層260を含む第1基板100には、第1保護膜270及び第2保護膜280が配置されている。前記第1保護膜270は、前記上部電極層260の第1露出部265を通じて下部の素子分離膜250の上面に形成されうる。
【0026】
前記フォトダイオード205を単位ピクセル毎に分離するために、前記結晶型半導体層200に素子分離膜250が形成されている。
【0027】
また、フォトダイオード205及び周辺部Bの配線150を保護するために、前記結晶型半導体層200を含む層間絶縁膜160上に第1保護膜270及び第2保護膜280が形成されている。
【0028】
図16の図面符号の中で説明してない図面符号は、以下の製造方法で説明する。
【0029】
以下、図1ないし図16を参照して、実施例によるイメージセンサーの製造方法を説明する。
【0030】
図1を参照して、第1基板100のピクセル部Aに読み出し回路及び配線150、150aが形成される。
【0031】
前記第1基板100は、単結晶または多結晶のシリコン基板であり、p型不純物またはn型不純物がドーピングされた基板でありうる。前記第1基板100に素子分離膜110が形成されてアクティブ領域が定義される。そして前記アクティブ領域に単位画素毎にトランジスタを含む読み出し回路120が形成される。
【0032】
図2を参照して、前記読み出し回路120及び配線150を詳しく説明する。
【0033】
前記読み出し回路120は、トランスファトランジスタ121、リセットトランジスタ123、ドライブトランジスタ125、セレクトトランジスタ127を含んで形成することができる。以後、フローティングディフュージョン領域131、前記各トランジスタに対するソース及びドレーン領域133、135、137を含むイオン注入領域130を形成することができる。一方、前記読み出し回路120は、3Tr、4Trまたは5Trの中でどれかの一つでありうる。
【0034】
前記第1基板100に読み出し回路120を形成する段階は、前記第1基板100に電気接合領域140を形成する段階及び前記電気接合領域140上部に前記配線150と繋がる第1導電型連結領域147を形成する段階を含みうる。
【0035】
例えば、前記電気接合領域140は、PNジャンクション(junction)140であることがあるが、これに限定されない。例えば、前記電気接合領域140は、第2導電型ウェル141または第2導電型エピ層上に形成された第1導電型イオン注入層143、前記第1導電型イオン注入層143上に形成された第2導電型イオン注入層145を含みうる。例えば、前記PNジャンクション140は、図2のように、P0145/N-143/P-141ジャンクションであることがあるが、これに限定されない。前記第1基板100には、第2導電型の不純物がドープされうるが、これに限定されるのではない。
【0036】
実施例によれば、トランスファトランジスタ両端のソース及びドレーンの間に電圧差があるように素子設計をすることにより、フォトチャージの完全なダンピングが可能になる。これによって、フォトダイオードで発生したフォトチャージがフローティングディフュージョン領域にダンピングされることにより出力画像の感度を高めることができる。
【0037】
すなわち、実施例は図2のように、読み出し回路120が形成された第1基板100に電気接合領域140を形成させることで、トランスファトランジスタ121両端のソース及びドレーンの間に電圧差を生じさせることにより、フォトチャージの完全なダンピングを可能にする。
【0038】
以下、実施例のフォトチャージのダンピング構造について図18を参照して具体的に説明する。
【0039】
実施例で、N+ジャンクションであるフローティングディフュージョン131ノードと違い、電気接合領域140であるP/N/Pジャンクション140は、印加電圧が皆伝達されず一定の電圧でピンチオフになる。この電圧をピニング電圧(Pinning Voltage)と呼び、ピニング電圧は、P0145及びN-143のドーピング濃度に寄り掛かる。
【0040】
具体的に、フォトダイオード205で生成された電子は、PNPジャンクション140に移動するようになり、トランスファトランジスタ121のオンのとき、フローティングディフュージョン131ノードに伝達されて電圧に変換される。
【0041】
P0/N-/P-ジャンクション140の最大電圧値は、ピニング電圧になり、フローティングディフュージョン131ノードの最大電圧値は、Vdd-Rx123のVthになるので、図18に図示されているように、トランスファトランジスタ121両端間の電圧差によって電荷共有現象が発生せずに、チップ上部のフォトダイオード205で発生した電子がフローティングディフュージョン131ノードに完全にダンピングされうる。
【0042】
すなわち、実施例では、第1基板100であるシリコン基板に、N+/PウェルジャンクションではないP0/N-/Pウェルジャンクションを形成させた理由は、4-Tr APS(Active pixel sensor)リセット動作時、P0/N-/PウェルジャンクションのN-143に+電圧が印加されて、PO145及びPウェル141には接地電圧が印加されるので、所定の電圧以上ではP0/N-/Pウェル二重接合がバイポーラ接合トランジスタ(BJT)構造の場合のようにピンチオフが発生するようになることにある。これをピニング電圧と呼ぶ。したがって、トランスファトランジスタ121両端のソース及びドレーン間に電位差が発生するようなり、トランスファトランジスタのオン/オフの動作時における電荷共有現象を防止することができる。
【0043】
したがって、従来技術のように、単純にフォトダイオードがN+Jジャンクションに繋がった場合と違い、実施例によればサチュレーション及び感度の低下などの問題を防止することができる。
【0044】
つぎに、実施例によれば、フォトダイオード205と読出し回路120の間に第1導電型連結領域147を形成して、フォトチャージの円滑な移動通路を提供することで、暗電流ソースを最小化して、サチュレーション低下及び感度の低下を防止することができる。
【0045】
このために、第1実施例は、P0/N-/P-ジャンクション140の表面にオーミックコンタクトのための第1導電型連結領域147として、n+ドーピング領域を形成することができる。前記N+領域147は、前記P0145を貫いてN-143に接触するように形成することができる。
【0046】
一方、このような第1導電型連結領域147が漏出源(Leakage Source)になることを最小化するために、第1導電型連結領域147の幅を最小化することができる。このために、実施例は、第1メタルコンタクト151aのエッチングの後にプラグイムプラント(Plug Implant)を行うことができるが、これに限定されない。例えば、イオン注入パターン(図示してない)を形成して、これをイオン注入マスクにして第1導電型連結領域147を形成することもできる。
【0047】
すなわち、第1実施例のように、コンタクト形成部にだけ局所的にN+ドーピングをした理由は、暗信号を最小化しながらオーミックコンタクト形成を円滑にさせるためである。従来技術のように、トランスファトランジスタソース部全体をN+ドーピングする場合、基板表面のダングリングボンドによって暗信号が増加することがある。
【0048】
その次に、前記第1基板100上に層間絶縁膜160を形成して、配線150を形成することができる。前記配線150は、第1メタルコンタクト151a、第1メタル151、第2メタル152、第3メタル153、第4メタルコンタクト154aを含みうるが、これに限定されない。
【0049】
前記配線150は、単位ピクセル毎に形成されてフォトダイオード205と前記読み出し回路120を連結して、フォトダイオード205の光電荷を転送する役割をすることができる。前記読み出し回路120と繋がる配線150の形成の時、周辺部Bと繋がる配線170も形成されうる。前記配線150、170は、金属、合金またはシリサイドを含む多様な伝導性物質で形成されうる。
【0050】
前記ピクセル部Aに形成された配線150、150aは、単位ピクセル毎に形成されて前記フォトダイオードの光電荷を前記読み出し回路120に伝送する役割をすることができる。例えば、前記ピクセル部Aの第1配線150は実質的な動作を遂行する単位ピクセルと繋がり、前記第2配線150aはダミーピクセルと繋がりうる。前記配線150の第3メタル153形成の時、前記周辺部Bにはパッド180が形成されうる。
【0051】
図3を参照して、結晶型半導体層200を含む第2基板20を準備する。前記第2基板20は、単結晶または多結晶のシリコン基板であり、p型不純物またはn型不純物がドーピングされた基板であることがある。前記結晶型半導体層200は、第2基板20に対するエピタキシャル工程によって形成されうる。
【0052】
図4を参照して、前記結晶型半導体層200の内部にフォトダイオード層201が形成される。前記フォトダイオード層201は、N型の第1不純物領域220とP型の第2不純物領域230を結晶型半導体層200にイオン注入して形成することができる。前記第1不純物領域220上に第2不純物領域230が形成されるので、前記結晶型半導体層200内部にはPN接合を持つフォトダイオード層201が形成される。
【0053】
また、前記第1不純物領域220の下部に高濃度のN型不純物をイオン注入してオーミックコンタクト層210を形成することができる。
【0054】
実施例によって前記第1不純物領域220の厚さが前記第2不純物領域230の厚さより厚く形成されることで電荷貯蔵容量(Charge storing capacity)を増加させることができる。すなわち、N-層をもっと厚く形成して面積を拡張させることで光電子を含むことができるキャパシティー(capacity)を向上させることができる。
【0055】
図示されてはないが、前記結晶型半導体層200と第2基板20の間に水素イオン層が形成されうる。または、前記結晶型半導体層200と第2基板20の間には絶縁層が埋め立てられていることもある。前記絶縁層は、以後前記第2基板20が除去された後、湿式蝕刻工程を通じて除去されうる。前記水素イオン層と絶縁層は、第2基板20と結晶型半導体層200を分離するためのものである。
【0056】
図5を参照して、前記第1基板100と前記結晶型半導体層200を含む第2基板20がポンディングされる。前記第1基板100の表面である層間絶縁膜160上部へ前記第2基板20の下部面であるオーミックコンタクト層210の表面を設置した後ポンディングを行う。次に、前記下部配線150と前記オーミックコンタクト層210とが電気的に接続される。
【0057】
図6を参照して、前記フォトダイオード層201が露出するように前記第2基板20が除去される。すなわち、前記第2基板20が除去されると、前記第1基板100上には薄膜結晶型半導体層200が残る。例えば、前記第2基板20は、水素イオン層(図示してない)または絶縁層(図示してない)を基準に、ブレードまたはCMP工程によって除去されうる。
【0058】
図7を参照して、前記結晶型半導体層200上に素子分離パターン240が形成される。前記素子分離パターン240は、前記フォトダイオード層201上に酸化膜のような絶縁層を形成した後パターニングして、前記結晶型半導体層200を選択的に露出させることができる。また、前記素子分離パターン240は、前記周辺部B上の前記結晶型半導体層200を露出させることができる。
【0059】
図8を参照して、前記結晶型半導体層200に素子分離トレンチ235が形成される。前記素子分離トレンチ235は、前記素子分離パターン240を蝕刻マスクとして前記結晶型半導体層200を蝕刻して形成されうる。このようにすることにより、前記ピクセル部A上のフォトダイオード層201は、前記素子分離トレンチ235によって分離されて、単位ピクセル毎に分離された前記配線150とそれぞれ繋がることができる。
【0060】
すなわち、前記配線150と繋がる第1フォトダイオード205は、実質的に動作する単位ピクセルであり、前記配線150aと繋がる第2フォトダイオード205は、ダミーピクセルであることがある。また、前記第1及び第2フォトダイオード205、205aを形成する際、前記周辺部Bの前記結晶型半導体層200は除去されて、前記周辺部Bの層間絶縁層160及び配線170が露出する。
【0061】
図9を参照して、前記素子分離トレンチ235を含む第1基板100上に素子分離膜250が形成される。前記素子分離膜250は、酸化膜のような透明な絶縁層で形成されうる。前記素子分離膜250は、前記素子分離トレンチ235の内部を満たしながら前記層間絶縁層160上に形成されるので、前記第1及び第2フォトダイオード205、205aは、それぞれ分離されうる。また、前記素子分離膜250は、前記層間絶縁膜160の上部全体面に形成されるので前記第1及び第2フォトダイオード205、205a及び周辺部Bの配線170を保護することができる。
【0062】
図10を参照して、前記素子分離膜250に第1及び第2ビアホール255、257が形成される。前記第1及び第2ビアホール255、257は、前記素子分離膜250を部分的に取り除いて、前記第1フォトダイオード205の表面及び前記配線170を露出させることができる。
【0063】
図11を参照して、前記第1及び第2ビアホール255、257を含む素子分離膜250上に上部電極層260が形成される。前記上部電極層260は、前記第1及び第2ビアホール255、257を含む素子分離膜250上に導電性物質を蒸着することで形成されうる。例えば、前記上部電極層260は、チタン、アルミニウム、あかがね、コバルト及びタングステンのような不透明な金属層で形成されうる。
【0064】
前記上部電極層260は、前記第1ビアホール255を通じて単位ピクセル毎に分離した前記第1フォトダイオード205と電気的に繋がりうる。また、前記上部電極層260は、前記第2ビアホール257を通じて前記周辺部Bの配線170と電気的に繋がりうる。前記上部電極層260は、前記第1ビアホール255から第2ビアホール257まで延長された形態に形成されて、前記第2フォトダイオード205aの上部領域を覆うことができるようになる。よって、前記上部電極層260により前記第2フォトダイオード205aでは光の遮られた状態になる。
【0065】
前記上部電極層260は、前記第1フォトダイオード205にだけ繋がり、前記第1フォトダイオード205は実質的な動作を遂行する。また、前記上部電極層260は、前記第2フォトダイオード205aとは電気的に繋がっていないので、前記第2フォトダイオードパターン205aはダミーピクセルの役割をするができる。一般的に漏洩電流測定の時に、漏洩の要因は下部配線及び上部配線によることがある。実施例では、前記配線150の漏洩電流が発生しない場合、ダミーピクセルをリセットラインである上部電極層260と連結しないことで、リセットラインの漏洩電流要因を排除することができるので正確な漏洩電流の測定が可能である。このような漏洩電流は、暗信号に直接的な影響を及ぼすものなので、前記第2フォトダイオード205aをダミーピクセルとして使うことで、暗信号に対する基準ピクセルとして使うことができるようになる。
【0066】
また、前記上部電極層260は、前記第2フォトダイオード205aの遮断膜の役割をするので、内部または外部での温度による信号差を比べてホッとピックセルなどによる出力画像を改善することができる。
【0067】
図12を参照して、単位ピクセル毎に形成された前記第1フォトダイオード205の受光領域が露出するように、前記上部電極層260に第1露出部265が形成される。前記第1露出部265は、単位ピクセル毎に形成された前記第1フォトダイオード205上部の前記上部電極層260を取り除くことで、第1フォトダイオード205の受光領域を確保することができる。
【0068】
そして、前記第1露出部265の形成時、前記パッド180上部の素子分離膜250を露出させる第2露出部267が形成されうる。
【0069】
図13を参照して、前記第1及び第2露出部265、267が形成された層間絶縁膜160上に第1保護膜270及び第2保護膜280が形成される。前記第1保護膜270は、第1露出部265を通じて前記素子分離膜250と接触されうる。例えば、前記第1保護膜270は、酸化膜または窒化膜に形成されうる。前記第2保護膜280は、窒化膜または酸化膜に形成されうる。
【0070】
図14を参照して、前記周辺部B上のパッド180を露出させるパッドホール285が形成される。前記パッドホール285は、前記パッド180上部の層間絶縁膜160、素子分離膜250、第1保護膜270及び第2保護膜280を取り除くことで、前記パッド180を露出させることができる。
【0071】
図15を参照して、前記パッドホール285が形成された層間絶縁膜160上にパッド保護膜290が形成される。前記パッド保護膜290は、後で行われるカラーフィルター300及びマイクロレンズ(図示してない)の形成工程時に、前記パッド180が汚染されることを防止するためのものである。例えば、前記パッド保護膜290は、TEOS層が10〜200Åの厚さで形成されうる。
【0072】
図16を参照して、前記第1及び第2フォトダイオード205に対応する前記パッド保護膜290上に、カラーフィルター300及びマイクロレンズ(図示してない)が形成される。前記カラーフィルター300は、単位ピクセルごとに一つずつ形成されて、入射する光から色を分離し出す。
【0073】
(第2実施例)
図17は、第2実施例によるイメージセンサーの部分詳細図である。
【0074】
第2実施例によるイメージセンサーは、読み出し回路120が形成された第1基板100と、前記読み出し回路120と電気的に繋がるように前記第1基板100上に形成された配線150と、前記配線150と電気的に繋がって前記第1基板100上側の結晶型半導体層に形成されたフォトダイオード(図示してない)を含む。
【0075】
第2実施例は、前記第1実施例の技術的な特徴を採用することができる。
【0076】
例えば、第2実施例の第1フォトダイオード205は、素子分離トレンチ235及び素子分離膜250によって単位ピクセル毎に分離されうる。また、前記第1フォトダイオード205を含む層間絶縁膜160上には保護膜270が形成されて、前記フォトダイオード205及び他の素子を保護することができる。また、上部電極層260と電気的に繋がらないダミーピクセルである第2フォトダイオード205aが形成されて、漏洩電流を測定することができる。
【0077】
一方、第2実施例は、第1実施例と違い、電気接合領域140の一方の側に第1導電型連結領域148が形成された例である。
【0078】
実施例によれば、P0/N-/P-ジャンクション140にオーミックコンタクトのためのN+連結領域148を形成することができるが、この時、N+連結領域148及びM1Cコンタクト151aの形成工程は、漏出源になることがある。なぜなら、P0/N-/P-ジャンクション140に逆電圧が印加されたまま動作するので、基板表面に電場が発生することがある。このような電場内部で、コンタクト形成の工程中に発生する結晶欠陷は漏出源になる。
【0079】
また、N+連結領域148をP0/N-/P-ジャンクション140表面に形成させる場合、N+/P0ジャンクション148/145による電場が追加されるので、これもまた漏出源になることがある。
【0080】
よって、第2実施例は、P0層にドーピングされずに、N+連結領域148で構成されたアクティブ領域に第1コンタクトプラグ151aを形成して、これをN-ジャンクション143と連結させるレイアウトを提示する。
【0081】
第2実施例によれば、基板表面の電場が発生しなくなるので、これは3次元集積(3-D Integrated)CISの暗電流減少に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第1実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図2】第2実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図3】第3実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図4】第4実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図5】第5実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図6】第6実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図7】第7実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図8】第8実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図9】第9実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図10】第10実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図11】第11実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図12】第12実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図13】第13実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図14】第14実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図15】第15実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図16】第16実施例によるイメージセンサーの製造工程を表した断面図である。
【図17】第2実施例によるイメージセンサーの部分詳細図である。
【図18】第1実施例による読み出し回路のフォトチャージダンピング構造を表す図面である。
【図19】従来技術による読み出し回路のフォトチャージダンピング構造を表す図面である。
【符号の説明】
【0083】
20 第2基板、100 第1基板、110 素子分離膜、120 読み出し回路、121 トランスファトランジスタ、123 リセットトランジスタ、125 ドライブトランジスタ、127 セレクトトランジスタ、130 イオン注入領域、131、135、137 ソース及びドレーン領域、140 電気接合領域、141 第2導電型ウェル、143 第1導電型イオン注入層、145 第2導電型イオン注入層、147 第1導電型連結領域、148 N+連結領域、150、150a、170 配線、151 第1メタル、151a 第1メタルコンタクト、152 第2メタル、153 第3メタル、154a 第4メタルコンタクト、160 層間絶縁膜、180 パッド、200 結晶型半導体層、201 フォトダイオード層、205 第1フォトダイオード、205a 第2フォトダイオード、210 オーミックコンタクト層、220 第1不純物領域、230 第2不純物領域、235 素子分離トレンチ、240 素子分離パターン、250 素子分離膜、255 第1ビアホール、257 第2ビアホール、260 上部電極層、265 第1露出部、267 第2露出部、270 第1保護膜、280 第2保護膜、290 パッド保護膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み出し回路が形成されたピクセル部及び周辺回路が形成された周辺部を含む第1基板と、前記読み出し回路及び周辺回路と繋がるように前記第1基板上に形成された配線及び層間絶縁膜と、
前記ピクセル部に対応する前記層間絶縁膜上に形成された結晶型半導体層と、
前記結晶型半導体層に形成されて素子分離トレンチにより配線とそれぞれ繋がる第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードと、
前記素子分離トレンチを含む結晶型半導体層上に形成された素子分離膜と、
前記素子分離膜を貫いて前記第1フォトダイオードと部分的に繋がる上部電極層と、
前記第1フォトダイオードの上部領域が選択的に露出されるように前記上部電極層に形成された露出部と、
前記露出部を含む第1基板上に配置された保護膜を含むイメージセンサー。
【請求項2】
前記素子分離膜は、前記第1フォトダイオードを露出させる第1ビアホールを含み、前記上部電極層は、前記第1ビアホールを通じて前記第1フォトダイオードと電気的に繋がる請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項3】
前記第1フォトダイオードは、前記上部電極層と繋がって実質的な動作を遂行するメインピクセルであり、前記第2フォトダイオードは、前記上部電極層と繋がらないダミーピクセルであることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項4】
前記読み出し回路は、前記第1基板に形成された電気接合領域を含み、前記電気接合領域は、前記第1基板に形成された第1導電型イオン注入領域と、
前記第1導電型イオン注入領域上に形成された第2導電型イオン注入領域と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項5】
前記電気接合領域の上部に、前記配線と電気的に繋がって形成された第1導電型連結領域を更に含むことを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサー。
【請求項6】
前記電気接合領域は、PNPジャンクションであることを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサー。
【請求項7】
前記読み出し回路は、トランジスタの両側のソース及びドレーンの間に電圧差があることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項8】
前記トランジスタは、トランスファトランジスタであり、前記トランジスタのソースのイオン注入濃度が、フローティングディフュージョン領域のイオン注入濃度より低いことを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサー。
【請求項9】
前記電気接合領域の一方の側に、前記配線と電気的に繋がって形成された第1導電型連結領域を更に含むことを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサー。
【請求項10】
前記第1導電型連結領域は、素子分離領域と接して前記電気接合領域と繋がったことを特徴とする請求項9に記載のイメージセンサー。
【請求項11】
第1基板に読み出し回路を含むピクセル部及び周辺回路を含む周辺部を形成する段階と、
前記第1基板上に前記読み出し回路及び周辺回路と繋がる配線及び層間絶縁膜を形成する段階と、
結晶型半導体層を含む第2基板を形成する段階と、
前記結晶型半導体層にフォトダイオード層を形成する段階と、
前記第1基板と前記フォトダイオード層を含む第2基板をポンディングする段階と、 前記第1基板上で前記フォトダイオード層が露出するように前記第2基板の一部を取り除く段階と、
前記結晶型半導体層に素子分離トレンチを形成して配線とそれぞれ繋がる第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを形成する段階と、
前記第1及び第2フォトダイオードを含む前記結晶型半導体層上に素子分離膜を形成する段階と、
前記第1フォトダイオードと部分的に繋がるように前記素子分離膜上に上部電極層を形成する段階と、
前記第1フォトダイオードの上部領域が選択的に露出されるように前記上部電極層の一部を取り除いて露出部を形成する段階と、
前記露出部を含む前記層間絶縁層の上に保護膜を形成する段階と、
を含むイメージセンサーの製造方法。
【請求項12】
前記素子分離トレンチを形成する際、前記周辺部上の結晶型半導体層が除去されて、前記周辺部の配線が露出する請求項11に記載のイメージセンサーの製造方法。
【請求項13】
前記上部電極層を形成する段階は、前記第1フォトダイオードの表面が部分的に露出するように前記素子分離膜に第1ビアホールを形成する段階と、
前記第1ビアホールを含む前記素子分離膜上に金属層を形成する段階と、
を含む請求項11に記載のイメージセンサーの製造方法。
【請求項14】
前記第1ビアホールを形成する際、前記周辺部の配線を露出させる第2ビアホールが形成される段階を更に含み、前記上部電極層は、前記第2ビアホールを通じて前記周辺部の配線と電気的に繋がることを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサーの製造方法。
【請求項15】
前記第1基板に読み出し回路を形成する段階は、前記第1基板に電気接合領域を形成する段階を含み、
前記第1基板に電気接合領域を形成する段階は、前記第1基板に第1導電型イオン注入領域を形成する段階と、
前記第1導電型イオン注入領域上に第2導電型イオン注入領域を形成する段階と、
を含むことを特徴とする請求項11に記載のイメージセンサーの製造方法。
【請求項16】
前記電気接合領域の上部に、前記配線と繋がる第1導電型連結領域を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサーの製造方法。
【請求項17】
前記第1導電型連結領域を形成する段階は、前記配線に対するコンタクトエッチングの後に進行されることを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサーの製造方法。
【請求項18】
前記電気接合領域の一方の側に、前記配線と繋がる第1導電型連結領域を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項12に記載のイメージセンサーの製造方法。
【請求項19】
前記第1導電型連結領域は、素子分離領域と接して前記電気接合領域と繋がるように形成することを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサーの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−117802(P2009−117802A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229042(P2008−229042)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(507246796)ドンブ ハイテック カンパニー リミテッド (189)
【Fターム(参考)】