説明

イメージングシステムの校正の調整

幾何的歪を補正するためにイメージングシステムの校正を調整する装置(10)は、記録媒体(17)を受ける回転ドラムと、複数のアドレス指定可能なイメージングチャネルを備えるイメージングヘッド(16)をそれぞれ含む複数のキャリッジ(18)と、他のイメージングヘッドの位置に基づいてあるイメージングヘッドのイメージングになされるべき補正のための調整に関連する解析的関係若しくはアルゴリズム、ルックアップテーブルを備えてプログラムされたコントローラとを含む。解析的関係若しくはアルゴリズム、ルックアップテーブルを得るための方法が開示される。本方法は、大型のイメージングシステムに関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体上に画像を形成するための複数のイメージングヘッドを備えるイメージングシステムに関する。より詳細には、本発明は、かかるイメージングシステムのアライメント及び校正に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のイメージングシステムは、記録媒体上に画像を形成するために使用される。例えば、コンピューター・トゥ・プレートシステム(CTPシステムとしても知られる)は、印刷版上に画像を形成するために使用される。複数の撮像された印刷版は、印刷機に続いて供給され、そこで、印刷版からの画像は、紙若しくは他の適切な表面に転写される。複数の画像が互いに対して正確に位置合わせされ、画像間の正確な位置合わせを保証することは重要である。各画像が幾何的に正確であり、歪がなく、仕上げられた印刷物の所望の品質特徴を保証することは重要である。画像の幾何的な特徴は、これらに限定されないが、画像部位の所望のサイズ、若しくは、一の画像部位の他の画像部位に対する所望のアライメントを含む。
【0003】
記録媒体上に形成される画像の幾何的な精度は、多くの因子に依存する。例えば、画像は、支持体に媒体を置き、媒体上に画像を形成するためにイメージングビームを媒体に向けて方向付けることにより、媒体上に形成される。複数の走査中にイメージングビームで記録媒体を走査することは、典型的には、画像を形成する。記録媒体に対するイメージングビームの位置付け精度は、形成される画像の幾何的な正確性に影響を与える。各走査中のイメージングビームの必要とされる位置付けのずれは、イメージング誤差をもたらす。
【0004】
イメージング誤差を低減するために、イメージングシステムは、典型的には、校正される。テスト画像は、典型的には、記録媒体上に形成され、ずれを判断するために解析される。テスト画像の所望の幾何的な特徴に関連するずれは、典型的には、イメージングシステムにおいて種々の調整を実行することによって補正される。調整は、本質的に電子的若しくは機械的であってもよい。テスト画像の解析は、典型的には、種々の画像センサを含むことができる特殊化された専用装置で実行される。例えば、CCDセンサは、テスト画像の種々の画像を捕捉するために使用することができ、コントローラは、捕捉された画像を解析し、そこから位置的な情報を求めるために使用されることができる。
【0005】
特殊化された専用校正システムは、コストがかさみ、自身の整合性を保証するために定期的な自身の校正を必要とする。かかるシステムは、典型的には、イメージングシステムが製造される工場で採用される。工場ベースの校正システムは、現場のイメージングシステムの校正を複雑化する。例えば、テスト画像は、現場で作成される必要があり、次いで、解析のための他の場所に搬送される必要があるだろう。これは、校正に必要な時間を像化し、イメージング誤差が生じる機械を増やす。
【0006】
米国で共に係属する特許文献1は、機械が現場で機能している間に幾何的な歪を調整するためにイメージング装置の校正を変更する方法及びシステムを開示する。特許文献1により言及される装置は、単一のイメージングヘッドを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公開2008/0299470
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複数のイメージングヘッドを備えるイメージング装置の構成が、かかる複数のイメージングヘッドのイメージング装置による形成される画像の幾何的な歪を補正することを可能とする効率的で現実的な方法及びシステムに対する要求が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数のイメージングヘッドを含むイメージングシステムの校正を変更する方法である。本方法は、複数のイメージングヘッドの少なくとも第2イメージングヘッドの位置に基づいて前記複数のイメージングヘッドの第1イメージングヘッドのイメージングを調整することを含む。第1イメージングヘッドは、アドレス指定可能な複数の第1チャネルを含む。第1イメージングヘッドのイメージングを調整することは、前記複数の第1チャネルの少なくとも1つの作動タイミングを調整すること、第1イメージングヘッドの速度を調整すること、及び、第1イメージングヘッドの位置を調整することの1つ以上を含むことができる。
【0010】
本発明の方法は、第1位置に前記少なくとも第2イメージングヘッドを配置し、前記第1イメージングヘッドのイメージングになされるべき第1調整を求めることを含む。これは、続いて、第2イメージングヘッドの異なる位置で繰り返される。補間は、物理的な算出がなされた位置間の第2イメージングヘッドの位置に対してなされる必要がある調整を得るために使用される。第1イメージングヘッドになされる調整は、第2イメージングヘッドの位置と共に、ルックアップテーブルに入れられ、第1イメージングヘッドのイメージングを補正するために使用されることができる。
【0011】
本方法は、2つより多いイメージングヘッドを備えるイメージング装置に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例によるイメージング装置の部分的な概略図。
【図2】本発明の一実施例による方法を示すフローチャート。
【図3】記憶媒体上に形成される目標画像の概略平面図。
【図4】媒体支持体上に設置された記憶媒体上に形成される、図3の目標画像の概略平面図。
【図5A】イメージングビームの投光ポイントの副走査ずれの考えられる原因を示す図。
【図5B】イメージングビームの投光ポイントの主走査ずれの考えられる原因を示す図。
【図6】本発明の一実施例による方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例及び適用は、添付の非限定的な図面に図示される。添付の図面は、本発明の概念を図示するのが目的であり、実寸どおりない場合がある。
【0014】
次の説明を通して、特別な詳細が、当業者により明快な理解を提供するために示される。しかし、良く知られた要素は、不必要に開示を阻害しないように詳細は図示及び説明されない。従って、説明及び図面は、限定的な意味でなく、例示的なものと看做されるべきである。
【0015】
図1は、本発明の一実施例による記憶媒体17上に画像19Aを形成するための装置10を概略的に示す。装置10は、媒体支持体12を含み、媒体支持体12は、外部のドラム構成を含む。本発明の他の実施例は、内部ドラム構成や平らな表面構成のような媒体支持体の他の形態を含むことができる。記憶媒体17は、媒体支持体12の表面13上に支持される。記憶媒体17の1つ以上の縁部は、クランプ28A,28Bにより表面13に固定される。本発明の他の実施例は、これに限定されないが、表面13と記憶媒体17の間に低圧源を設けることを含む、他の方法で媒体支持体12に記憶媒体17を固定することができる。
【0016】
装置10は、媒体支持体12に対して可動なイメージングヘッド16を含む。本発明の本実施例では、イメージングヘッド16は、可動なキャリッジ18上に搭載される。キャリッジ18は、イメージングヘッド16が媒体支持体12のドラムの軸にアラインされた経路に沿って移動されるような態様で、支持体20に対して移動される。本発明の本実施例では、イメージングヘッド16は、副走査軸24にアラインされた経路に沿って移動する。
【0017】
装置10は、センサ62及び照明装置65を備え、媒体支持体12に対して可動な少なくとも1つよりも多いイメージングヘッド46を含む。本発明の本実施例では、イメージングヘッド46は、可動なキャリッジ48上に搭載される。キャリッジ48は、イメージングヘッド46が媒体支持体12のドラムの軸にアラインされた経路に沿って移動されるような態様で、支持体20に対して移動される。本発明の本実施例では、イメージングヘッド46は、副走査軸24にアラインされた経路に沿って移動する。
【0018】
媒体支持体12は、支持体20に対して回転する。運動システム22は、イメージングヘッド16と媒体支持体12の間の相対的な動きを提供するために使用される。運動システム22(1つ以上の運動システムを含むことができる)は、必要とされる動きに対して必要とされる任意の主原動機を含むことができる。本発明の本実施例では、運動システム22は、イメージングヘッド16及びイメージングヘッド46を副走査軸24にアラインされた経路に沿って移動させつつ、主走査軸26にアラインされた経路に沿って媒体支持体12を移動させるために使用される。ガイドシステム32は、双方とも独立に移動されるキャリッジ18,48をガイドするために使用される。キャリッジ18は、伝達部材33の影響下で移動され、キャリッジ48は、伝達部材34の影響下で移動される。本発明の本実施例では、伝達部材33,34は、精密な親ねじを含む。当業者は、他の形態の動きも本発明により使用されることができることは理解されるだろう。例えば、イメージングヘッド16,46は、媒体支持体12が移動している間、固定状態であることができる。他の場合、媒体支持体12は、イメージングヘッド16,46が移動している間、固定状態であることができる。更なる他の場合、イメージングヘッド16,46と共に媒体支持体12が移動される。一方ではイメージングヘッド16,46が、他方では媒体支持体12、若しくは3者の全てが、対応する経路に沿って往復動することができる。別々の運動システムは、装置10内の異なるシステムを動作させるために使用されることができる。
【0019】
イメージングヘッド16,46は、レーザーのような、放射源(図示せず)を含む。イメージングヘッド16,46は、記憶媒体17上に画像19Aを形成できる1つ以上のイメージングビーム21(イメージングヘッド16に対して図5Aで図示)を方向付けるように制御可能である。イメージングヘッドにより生成されるイメージングビーム21は、書き込まれる画像を支持する画像データに従って画像状に変調されつつ、記憶媒体17上に走査される。1つ以上のイメージングチャネルは、画像の部位を形成するのを望まれればどこでもアクティブな強度レベルでイメージングビーム21を生成するために適切に駆動される。画像部位に対応しないイメージングチャネルは、対応する領域を画像化しないように駆動される。イメージングヘッド46は同一の方法で動作される。
【0020】
画像19Aは、異なる方法で記憶媒体17上に形成されることができる。例えば、記憶媒体17は、画像修正可能な表面を含むことができ、この場合、修正可能な表面の特性は、画像を形成するためにイメージングビームにより放射されたときに変化される。イメージングビームは、画像を形成するために記憶媒体17の表面に画像形成材料の転写を促進するために使用されることができる。イメージングヘッド16,46は、アレイ状に配列されることができる複数のチャネルを含むことができる。イメージングチャネルのアレイは、イメージングチャネルの1次元若しくは2次元のアレイを含むことができる。イメージングビームは、放射源から記憶媒体への直接経路を辿ることができ、若しくは、記憶媒体に向けて1つ以上の光学素子により偏向されることができる。
【0021】
チャネルの集合は、ある走査中の最初の画像化されたピクセルと最後の画像化されたピクセルの間の距離に関連する幅を有する画像帯を形成することができる。記憶媒体17は、典型的には、単一の画像化された帯内で画像化されるには大きすぎる。多数の画像化された帯は、典型的には、記憶媒体17上の画像を完成するために形成される。
【0022】
コントローラ30は、これらに限定されないが、媒体支持体12及びキャリッジ18,48により使用される種々の運動システム22を含む、装置10の1つ以上のシステムを制御するために使用される。コントローラ30は、また、媒体支持体12への実装及び媒体支持体12からの取り出しを始動することができる媒体ハンドリング機構を制御することができる。コントローラ30は、また、画像データ37をイメージングヘッド16,46に提供し、このデータに従ってイメージングビーム21を放出するためにイメージングヘッド16,46を制御することができる。コントローラ30は、プログラム可能であり、適切なソフトウェアを実行するように構成されることができ、これらに限定されないが、アクセス可能なメモリ、論理回路、ドライバ、増幅器、A/D及びD/Aコンバータ、入力/出力ポート等を含む、適切なハードウェアと共に、1つ以上のデータプロセッサを含むことができる。コントローラ30は、マイクロプロセッサ、コンピューター実装チップ、コンピューターのCPU若しくは他の任意の適切なマイクロコンピューターを含むことができる。コントローラ30は、材料ハンドリングシステムに関連付けられることができるが、必ずしも、イメージングシステムの動作を制御する同一のコントローラである必要はない。
【0023】
特に大型の機械では、ガイドシステム32及び伝達部材33,34は、長く、イメージングヘッド16,46の重量下で顕著に撓みうる。システムの第1イメージングヘッド16の幾何的な補正は、それ故に、第2イメージングヘッド46の位置により実行される。従って、2つのイメージングヘッド16,46の意図した動きは非常に良好に独立することができるが、第2イメージングヘッド46の位置づけにより実際の第1イメージングヘッド16の位置づけ及び向きに誘起される位置づけ及び向きの誤差は顕著であり、第1イメージングヘッド16の所与の位置に対して、第2イメージングヘッド46の全ての考えられる位置に対して補償される必要がある。
【0024】
それに関して、第2イメージングヘッド46に対して手順が繰り返され、その誤りは、第1イメージングヘッド16の位置に応じて補償されるべきである。
【0025】
イメージングヘッドのそれぞれに対する位置の代表的なセットは、選択されることができ、幾何的な補正は、2つのイメージング16,46のこれらの位置に対して実行されることができる。この際、選択された位置の間の位置に対する補正は、補間による良好な近似で得ることができる。
【0026】
図2は、本発明の位置実施例による、第1イメージング16の位置付けにより生じるずれを考慮しつつ画像記録装置10の第2イメージングヘッド46を校正することが後続される、第2イメージングヘッド46の位置づけにより生じるずれを考慮しつつ、画像記録装置10の第1イメージングヘッド16を校正する方法を表すフローチャートである。図2に示される種々のステップは、図1に示す装置10を参照して説明される。これは、図示の目的のみであり、他の適切なイメージング装置は本発明で使用されることができる。
【0027】
ステップ100では、図2に示すように、本発明の方法は、既知の第1のN個の位置に第2イメージングヘッド46を位置付けることにより進められ、この場合、Nは、第2イメージングヘッド46の異なる位置の整数の数であり、これに対して、補正が、第1イメージングヘッド16により実行されるイメージングにおいて第2イメージングヘッド46の変化する位置付け(配置)により誘起されるずれに対してなされることになる。
【0028】
ステップ110では、装置10は、記憶媒体17上に目標画像を形成するために使用される。種々の目標画像は、ステップ110で使用されることができる。1つかかる画像が図3に示される。この例では、目標画像40は、所望のサイズの画像境界により画成される目標セル41からなる規則的なグリッドパターンを含む。本実施例では、目標セル41は、正方形である。目標画像40は、記憶媒体17の種々の縁部と所望のアライメントで表される。具体的には、目標画像40を縁部35から距離Xで縁部36から距離Yで形成することが望まれる。主走査軸26と副走査軸24とにアラインされた関係で目標画像40を形成することが望まれる。
【0029】
目標画像40は、画像データ37(図1参照)により表され、記憶媒体12上に画像を形成するためにコントローラ30に供給される。コントローラ30は、イメージングヘッド16,46を制御し、イメージングビーム21を方向付け、記憶媒体17上で走査しつつ画像19Aを形成する。本発明の本実施例では、コントローラ30は、イメージング中に、一方ではイメージングヘッド16,46と、他方では記憶媒体17との相対的な動きを生成する。本発明の本実施例では、イメージングヘッド16,46は、らせん状に向く画像帯を形成するために媒体支持体12の回転と協調した態様で併進移動される。
【0030】
図4は、第1イメージングヘッド16により図3の目標画像40の所望のイメージングに応答して記憶媒体17上に形成される一例の校正画像19を概略的に示す。第1イメージングヘッド16は、明瞭化の目的でここでは選出されているが、本方法は、イメージングヘッド46に対しても成り立つ。記憶媒体17は、媒体支持体12の表面13上に設置されて示される。明瞭性のため、記憶媒体17及び媒体支持体13は、“平らな”向きで示される。尚、理解されるべきことして、媒体支持体の表面は、本発明の本実施例において本質的に円筒状である。図4に示すように、校正画像19は、目標画像40と正確に一致しない。種々の画像歪が校正画像19の異なる領域に現れる。画像化されたセル42A,42B,42C,42D(全体で画像化セルと称する)は、目標セル41のパターンと正確に一致しない。例えば、画像化セル42Aは、画像化セル42Bに対して主走査方向にシフトされている。図4は、また、画像セル42Dが画像セル42Cに比べてサイズが細長くなっているのを示す。更に、画像化セル42A−Dの全ては、目標セル41に比べて副走査方向でサイズが細長くなっている。図4は、画像化セル42A−Dの全体のスケールが目標セル41の必要とされるスケールと一致していないことを示す。図4は、また、校正画像1が、それぞれ、縁部35,36から、所望の距離X,Yとは異なる距離X,Y離間していることを示す。
【0031】
位置及びサイズの歪は、幾つかの理由で生じる。例えば、全体のスケーリング問題は、温度変化から生じうる。記憶媒体17、媒体支持体12及び伝達部材33のような種々の伝達構成要素の1つ以上は、異なる熱膨張係数を有する異なる材料成分を含みうる。異なる膨張速度は、スケーリングの問題をもたらす。キャリッジ18は、形状が完全でないガイドシステム32に沿って移動する。ガイドシステム32は、種々の適切なガイドトラック、及び、摺動若しくは回転移動するベアリング要素を含むことができる被ガイド部材を含むことができる。不完全さは、高い精度の構成要素が使用されるときでも現れる。被ガイド部材とガイドトラックとの間の遊び、ガイドトラックの直線性、支持体20内の垂れのような、機械的な因子は不完全さをもたらしうる。
【0032】
キャリッジ18は、副走査軸24にアラインされた経路に沿って移動するので、機械的な因子は、記憶媒体16上へのイメージングビーム21の投射に悪影響を与えうる種々の追加の動きに、第1イメージングヘッド16を晒しうる。イメージングの不完全さは、図5A及び5Bを参照して可視化される。図5Aは、記憶媒体17上へのイメージングビーム21の投射における副走査ずれの考えられる原因を示す。この場合、キャリッジ18は、副走査軸24にアラインされた経路に沿って移動する際、ヨー方向27に沿って小さいよー回転(明瞭性のために大げさに図示)を受ける。これは、記憶媒体17上へのイメージングビーム21の投射における変動を引き起こし、副走査方向で形成される画像の歪を引き起こしうる。キャリッジ18のヨー運動は、ガイドシステム32内の遊びを含む多くの理由で生じる。更に、他の構成要素の不完全さが副走査のずれをもたらしうる。例えば、伝達部材33は、高精度の親ねじからなることができ、親ねじは、その長さ方向に沿って種々のポイントで僅かなピッチの不規則性を有しうる。ピッチの不規則性は、副走査方向で形成される画像の歪を引き起こしうる。
【0033】
図5Bは、記憶媒体17上へのイメージングビーム21の投射における主走査ずれの考えられる原因を示す。第1イメージングヘッド16が選出されているが、ずれ及び補正方法は、イメージングヘッド46にも当てはまる。主走査のずれは、異なる理由で生じうる。例えば、キャリッジ18は、ガイドシステム32に沿って移動する際、主走査軸26にアラインされた小さい変位を受けうる。小さい変位は、ガイドシステム32内の遊びや、トラックの重力による垂れ下がり、支持体20の重力による垂れ下がりのようなガイドトラック内のずれを含むことができる種々の因子により引き起こされうる。主走査ずれは、キャリッジ18が、ピッチ方向29に沿って小さいピッチングの回転を受ける際(明瞭性のために大げさに図示)に生じうり、また、キャリッジ18が副走査方向にアラインされた経路に沿って移動する際にも生じうる。ピッチの変位は、ガイドシステム32における遊びを含む多くの理由により生じうる。
【0034】
特に大型の機械における、第1イメージングヘッド16自身の質量は、第1イメージングヘッド16により形成される画像の主走査方向に沿った変位を起こす。第2イメージングヘッド46の位置付けの結果として第1イメージングヘッド16により生成される画像内の主要な歪は、第2イメージングヘッド46の質量に起因した、主走査方向に沿った画像の変位のものと同様である。
【0035】
当業者であれば、上述の画像の歪は本質的に例示的なものであり、他の種類の歪が起きうることは理解するだろう。図1のデュアルイメージングヘッド構成では、第1イメージングヘッド16に関連する画像歪は、第2イメージングヘッド46の異なる位置に対して異なることになる。変動の大部分は、キャリッジ48及び第2イメージングヘッド46の重量の結果として主走査方向に沿って生じるが、影響は、主走査方向に限定されず、いくらかの副走査方向の変位が生じうる。同様に、図1のデュアルイメージングヘッド構成では、第2イメージングヘッド46に関連した画像歪は、第1イメージングヘッド16の異なる位置に対して異なることになる。
【0036】
ステップ120では、装置10は、第1イメージングヘッド16により生成される校正画像内のずれを補正するように調整される。ずれは、種々の方法で補正することができる。本発明のある実施例では、画像化セル42と42Bの間のシフトのような主方向の歪は、イメージングチャネルの作動タイミングを調整することによって補正することができる。画像ピクセルを形成するため若しくは形成しないための所与のイメージングチャネルの作動は、画像データに依存するが、所与のチャネルの作動タイミングは調整することができる。種々のチャネルの作動タイミングの調整は、1つ以上の画像ピクセルを形成するため若しくは形成しないためのこれらのチャネルの作動を遅らせるか進めるために使用されることができる。種々のチャネルは、主走査方向での画像化された帯の追加の部位に対して画像化された帯の第1の部位をオフセットするように制御されることができる。所与の画像化された帯の部位は、追加の画像化された部位からオフセットされることができる。画像化された帯の部位は、画像化された帯の全体を含むことができる。第1イメージングヘッド16の種々のチャネルの作動タイミングは、第1イメージングヘッド16が副走査軸24にアラインされた経路に沿って移動される際に調整されることができる。これらの種々の位置で形成される画像の歪は、それらの位置での作動タイミングの調整により補正することができる。本発明の本実施例では、作動タイミングの変化は、画像データ37から独立してなされる。コントローラ30は、第1イメージングヘッド16に信号を供給し、そのイメージングチャネルの作動タイミングを調整するようにプログラムされることができる。運動システム22は、第1イメージングヘッド16及び/又は媒体支持体12の位置を表す種々の信号を生成することができる適切なセンサを含むことができる。本発明のある実施例では、センサ信号は、種々のチャネルの作動タイミングを調整するためにコントローラ30により使用される。作動タイミングの調整は、また、縁部36からの校正画像19の位置を調整するためになされることができる。
【0037】
細長い画像化セル42Dのような副走査歪は、種々の方法で補正することができる。本発明のある実施例では、キャリッジ18の移動が調整される。本発明のある実施例では、伝達部材33の移動が調整される。キャリッジ18若しくは伝達部材33の移動を調整することは、キャリッジ18若しくは伝達部材33の速度を調整することを含むことができる。例えば、ドラムベースのイメージングシステム(例えば装置10)では、らせん状ないしつるまき状の画像帯は、媒体支持体12が回転される間、キャリッジ18が併進移動される際に形成される。伝達部材33若しくはキャリッジ18の速度を調整することによって、らせん状の帯のピッチは、所望のサイズに画像を倍率変更するために調整することができる。本発明のある実施例では、均一な速度調整は、形成される画像の全体サイズを調整するために使用することができる。本発明のある実施例では、不均一な速度調整は、形成される画像の部分のサイズを調整するために使用することができる。例えば、キャリッジ18の運動経路に沿った種々のポイントで伝達部材33の速度を調整することは、これらのポイントに対応する画像のずれを補正するために使用することができる。キャリッジ18の運動経路に沿った種々のポイントでキャリッジ18の速度を調整することは、ヘッドのヨー方向の変位を補正するために使用することができる。調整は、副走査方向で画像の部位を調整するためになされてもよい。例えば、調整は、縁部35からの校正画像19の位置を調整するために使用することができる。
【0038】
コントローラ30は、キャリッジ18若しくは伝達部材33の移動を調整するために運動システム22に信号を供給するようにプログラムされることができる。本発明のある実施例では、センサ信号は、キャリッジ18若しくは伝達部材33の移動を調整するためにコントローラ30により使用されることができる。
【0039】
ステップ130では、第1イメージングヘッド16によるイメージングのずれが、第2イメージングヘッド46のN個の全ての位置に対して補正されたか否かが確認される。相でない場合は、ステップ140でカウンタnがn+1に増加され、ステップ120による上述のような補正校正プロセスが、第2イメージングヘッド46のこの新しい位置に対して実行される。処理は、第1イメージングヘッド16によるイメージングが全ての選ばれた第2イメージングヘッド46の位置に対して補正されるまで、即ちステップ130がn=Nの結果を登録する時点まで繰り返される。
【0040】
ステップ150では、nとn+1の間の第2イメージングヘッド46の位置での第1イメージングヘッド16によるイメージングへの補正は、補間により求められる。補正は、ルックアップテーブルとして保存されてもよいし、若しくは、補正のためのアルゴリズム若しくは関数として保存されてもよい。本方法は、第1イメージングヘッド16の異なる位置に対して繰り返されてよく、従って、第1イメージングヘッド16の各位置に対して、イメージング補正は、第2イメージングヘッド46の全ての考えられる位置に対して既知となる。
【0041】
本発明の方法は、2つより多いイメージングヘッドを有するイメージングシステムに拡張することができ、この場合、あるイメージングヘッドに対するイメージングは、1つより多い他のイメージングヘッドの位置に対して調整される必要がある。
【0042】
動作の複雑性の低減は、2つのイメージングヘッド16,46を、常に副走査軸24に沿った既知の相互の位置関係となるように動作させることによって、考え出すことができる。この際、2つのイメージングヘッド16,46に対する補正は、校正されている特定のイメージングヘッドの位置の関数として必要とされるだけであり、第1イメージングヘッドからの固定距離でない場合でも他のイメージングヘッドの位置は関数的に既知である。これは、使用されるルックアップテーブルへのアクセスを低減する。
【0043】
本発明の一実施例では、キャリッジ18,48は、イメージングヘッド16,46にらせん状の経路を書かせるために副走査方向に連続的に前進されず、その代わりに、離散的な副走査位置に移動され、媒体支持体12が回転され、イメージングヘッド16,46に円形の経路を書かせる。これらは、“ステップアンドリピート”システムと称される。“ステップアンドリピート”システムに対するイメージングヘッド16,46のイメージングへの調整は、キャリッジ18,48の副走査速度を調整することではなく、それらが自身を再配置するように指示される位置を調整することによって、実行される。
【0044】
ここでの参照により本明細書に全体が組み込まれる特許文献1は、幾何的な歪を考慮するためにイメージング補正を調整することによって装置10の校正を適合する方法を開示する。この目的のため、永久的な基準特徴50は、媒体支持体12の表面13に設けられる。図6に示す本発明の一実施例では、ある副走査位置に配置された第1イメージングヘッド16に対するイメージング補正は、特定の副走査位置にある第2イメージングヘッド46がことに起因して、第1イメージングヘッド16の位置の若しくはその近傍の参照特徴50を照明装置55及びセンサ52を用いて検出することにより求められる。コントローラ30は、参照特徴50の新たに求められた位置を、以前に求めた位置と比較する。この比較中、検出された基準特徴50の予測位置の変化が見られる場合、コントローラ30は、この変化に応じてイメージング補正を調整する。基準特徴50の求められた位置は、これにより得られる。基準特徴50の求められた位置は、次いで、同一の基準特徴に対する予測位置と比較される。イメージングヘッド16のイメージング補正は、後者は所与の副走査位置に位置するが、求められた位置と予測位置との間の差異から導出される。本方法は、第1イメージングヘッド16を所与の副走査位置に維持しつつ、第2イメージングヘッド46の異なる位置に対して繰り返される。本処理は、他の副走査位置に配置された第1イメージングヘッド16に対して繰り返される。同方法によって、第1イメージングヘッド16が考えられる異なる位置にあることに起因した第2イメージングヘッド46に対するイメージング補正は、第2イメージングヘッド46の全ての考えられる位置に対してなされてもよい。
【0045】
本方法は、第1イメージングヘッド16及び第2イメージングヘッド46の役割を交換して同一の処理を適用することを含み、これにより、各場合における第1イメージングヘッド16の異なる位置に対する副走査位置のセットにてイメージングヘッド46に対するイメージング補正を提供する。
【0046】
図6は、本発明の方法の実施例のフロー図である。ステップ200では、第2イメージングヘッド46は、n番目の位置には位置され、ここで、n=1,2,...Nである。予測位置からの基準特徴50のずれは、センサ52を用いてステップ210で算出される。イメージングヘッド16へのイメージング補正は、第1イメージングヘッド46の位置付けに起因した基準特徴50のずれを補正するために、ステップ220においてなされる。
【0047】
ステップ230では、第1イメージングヘッド16によるイメージングのずれが第2イメージングヘッド46の全てのN個の位置に対して補正されたか否かが判定される。肯定判定の場合は、本方法はステップ250に進む。否定判定の場合は、カウンタnがステップ240でn+1に増加され、ステップ210,220により上述されたような補正のための校正が第2イメージングヘッド46の新たな位置に対して実行される。本処理は、第1イメージングヘッド16によるイメージングが全ての選ばれた第2イメージングヘッド46の位置に対して補正されるまで、即ちステップ230がn=Nの結果を登録する時点まで繰り返される。
【0048】
ステップ250では、nとn+1の間の第2イメージングヘッド46の位置での第1イメージングヘッド16によるイメージングへの補正は、補間により求められる。補正は、ルックアップテーブルとして保存されてもよいし、若しくは、補正のためのアルゴリズム若しくは関数として保存されてもよい。本方法は、第1イメージングヘッド16の異なる位置に対して繰り返されてよく、従って、第1イメージングヘッド16の各位置に対して、イメージング補正は、第2イメージングヘッド46の全ての考えられる位置に対して既知となる。同方法によって、第1イメージングヘッド16が考えられる異なる位置にあることに起因した第2イメージングヘッド46に対するイメージング補正は、第2イメージングヘッド46の全ての考えられる位置に対してなされてもよい。
【0049】
本発明の種々の実施例では、センサ52,62は、基準特徴50を検出する任意の適切なセンサを含むことができる。本発明のある実施例では、照明装置55,65は、基準特徴50が検出される間、基準特徴50を照明するために使用される。本発明のある実施例では、イメージングヘッド16により放出される1つ以上のイメージングビーム21は、基準特徴50を検出するために使用される。イメージングヘッド46からのイメージングビームは、また、基準特徴50を検出するために採用されてもよい。基準特徴50は、センサ52,62による検出に適した種々の形状及び形態を含むことができる。限定無しで、基準特徴50は、種々の位置決めマークや基準マークを含むことができる。基準特徴50は、十字線、ダイヤモンド形、円形等を含むことができる。
【符号の説明】
【0050】
10 装置
12 媒体支持体
13 表面
16 イメージングヘッド
17 記憶媒体
18 キャリッジ
19A 画像
19 校正画像
20 支持体
22 運動システム
24 副走査軸
26 主走査軸
27 ヨー方向
28A クランプ
28B クランプ
29 ピッチ方向
30 コントローラ
32 ガイドシステム
33 (キャリッジ18用)伝達部材
34 (キャリッジ48用)伝達部材
35 縁部
36 縁部
37 画像データ
40 目標画像
41 目標セル
42A 画像化セル
42B 画像化セル
42C 画像化セル
42D 画像化セル
46 イメージングヘッド
48 キャリッジ
50 参照特徴
52 センサ
55 照明装置
62 センサ
65 照明装置
100 ステップ
110 ステップ
120 ステップ
130 ステップ
140 ステップ
150 ステップ
200 ステップ
210 ステップ
220 ステップ
230 ステップ
240 ステップ
250 ステップ
X 距離
距離
Y 距離
距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のイメージングヘッドを含むイメージングシステムの校正を変更する方法であって、
前記複数のイメージングヘッドの少なくとも第2イメージングヘッドの位置に基づいて前記複数のイメージングヘッドの第1イメージングヘッドのイメージングを調整することを含む、方法。
【請求項2】
前記第1イメージングヘッドは、アドレス指定可能な複数の第1チャネルを含み、前記第1イメージングヘッドのイメージングを調整することは、前記複数の第1チャネルの少なくとも1つの作動タイミングを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1イメージングヘッドのイメージングを調整することは、前記第1イメージングヘッドの速度及び位置の少なくとも一方を調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のイメージングヘッドの少なくとも第1イメージングヘッドの位置に基づいて前記複数のイメージングヘッドの第2イメージングヘッドのイメージングを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1イメージングヘッドになされる調整及び前記少なくとも第2イメージングヘッドの位置は、ルックアップテーブル入れられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1位置に前記少なくとも第2イメージングヘッドを配置し、前記第1イメージングヘッドのイメージングになされるべき第1調整を求め、
第2位置に前記少なくとも第2イメージングヘッドを配置し、前記第1イメージングヘッドのイメージングになされるべき第2調整を求め、
前記第1調整と前記第2調整の間を補間することによって、前記第1イメージングヘッドのイメージングになされるべき第3調整を求めることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも第2イメージングヘッドの位置に前記第1イメージングヘッドになされる調整を解析的関係及びアルゴリズムの少なくとも一方によって関係させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1イメージングヘッドになされる調整は、検出される参照特徴の予測位置の変化に応じるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1イメージングヘッドになされる調整は、前記第1イメージングヘッドにより書き込まれる特徴の予測位置の変化に応じるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
幾何的歪を補正するためにイメージングシステムの校正を調整する装置であって、
支持体と、
前記支持体に回転可能に搭載され、記録媒体を受けるドラムと、
複数のキャリッジ及びイメージングヘッドであって、各キャリッジが、1つの対応するイメージングヘッドを有すると共に、前記支持体に搭載され、前記記録媒体上に画像を形成するために、対応するイメージングヘッドの複数のアドレス指定可能なチャネルからイメージングビームを方向付けつつ、前記ドラムの軸に平行な経路に沿って、対応するイメージングヘッドを移動させるように動作可能である、複数のキャリッジ及びイメージングヘッドと、
ルックアップテーブルを含むコントローラであって、前記ルックアップテーブルが、前記複数のイメージングヘッドの少なくとも第2イメージングヘッドの位置と前記複数のイメージングヘッドの第1イメージングヘッドのイメージングになされるべき調整との関係を表す情報を含む、装置。
【請求項11】
前記調整は、前記第1イメージングヘッドに関連するキャリッジの速度の調整、前記第1イメージングヘッドの複数のアドレス指定可能なチャネルの少なくとも1つの作動タイミングの調整、及び、前記第1イメージングヘッドの位置の調整のうちの少なくとも1つである、請求項10に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−528355(P2012−528355A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513034(P2012−513034)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/001371
【国際公開番号】WO2010/138153
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】