説明

イメージ・キャプチャ・デバイスを使用するレーザ・ビームの位置および形状の較正

本発明は、高められた較正の正確さと精度のための、顕微鏡カメラなどのイメージ・キャプチャ・デバイスを使用するレーザ・ビーム位置決め、形状プロファイル、サイズ・プロファイル、ドリフト、および/または偏向の較正の改善された方法およびシステムを提供する。この方法およびシステムは、可変直径アパーチャの絞り較正およびヒステリシス測定に特に適する。イメージ・キャプチャ・デバイスを使用する、レーザ眼科手術システムからのレーザ・パルスを較正する1つの方法には、イメージ・キャプチャ・デバイスを用いて既知の物体を撮影することが含まれる。パルス・レーザ・ビームが、較正面にマークを残すために較正面に向けられる。次に、較正面のマークを、イメージ・キャプチャ・デバイスを用いて撮影する。レーザ眼科手術システムは、較正面のマークのイメージを既知の物体のイメージと比較することによって較正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にはレーザ・ビーム・デリバリ・システム、特に眼科外科手術システムを較正する方法およびシステムに関する。具体的には、本発明は、イメージ・キャプチャ・デバイスを使用して、レーザ・ビーム・デリバリ・システムからのレーザ・ビームの位置または形状など、レーザ・ビームを較正する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ・ベース・システムは、現在、視覚障害を矯正するために目の角膜組織に対する眼科外科手術で一般的に使用されている。これらのシステムは、レーザを使用して、角膜形状の所望の変化を達成し、レーザは、一般にアブレーティブ・フォトデコンポジション(ablative photodecomposition)と称する技法を使用して角膜から間質組織の顕微鏡的な層を剥離して、目の屈折特性を変更する。レーザ眼科手術技法は、PRK(photorefractive keratotomy)、PTK(phototherapeutic keratectomy)、LASIK(laser in situ keratomileusis)、その他の類似の手順で有用である。
【0003】
レーザ・剥離手順は、近視、遠視、乱視、その他の角膜表面プロファイル欠陥の矯正など、さまざまな目的で角膜の形状を再構築するか形を整えることができる。既知のシステムでは、レーザ・ビームがレーザ光エネルギの一連の別個のパルスを含み、剥離される組織の総合的な形状と量が、角膜に入射するレーザ・エネルギ・パルスのパターンの位置、形状、サイズ、および/または個数によって決定される。目の屈折誤差を訂正するために、さまざまなアルゴリズムを使用して、角膜の再構築に使用されるレーザ・パルスのパターンを計算することができる。
【0004】
レーザ・ビーム・デリバリ・システムの正確な制御は、患者の安全と成功裡の視覚矯正に非常に重要である。したがって、レーザ・ビーム・デリバリ・システムは、欠陥のある内部の機械構成要素または光学構成要素から生じるなどの望ましくないレーザ・システム・パフォーマンスを最小にするために、角膜への剥離エネルギの分配に対する制御を保証するように較正される。具体的に言うと、レーザ・システムの較正は、患者の角膜に所望の形状と屈折力の変化を与えるために、角膜組織の得ようとする形状と量の正確な剥離を保証するのを助ける。レーザ・ビームの不正確な制御は、外科手術の成功を危険にさらす可能性があり、患者の目への損傷を引き起こす。たとえば、レーザ・ビームが非対称の形状またはレーザ・ビーム直径の増減を示すなど、所望のレーザ・ビームの形状、サイズ、または位置からの逸脱は、患者の角膜の望まない位置で組織を剥離する可能性があり、この組織剥離は、理想的でない角膜整形結果につながる。したがって、レーザ・剥離を介して患者の角膜の形を正確に整えるために、レーザ・ビームの形状プロファイルとサイズ・プロファイル、さらには位置決めに対する正確な制御を提供することが有益である。
【0005】
レーザ・ビーム・デリバリ・システムの剥離の形状とサイズを較正するために、プラスチック試験材料の剥離がレーザ手術の前に実行されることが多い。たとえば、レーザ・ビームの形状、サイズ、位置を調整するのに使用できる絞りまたは他の可変直径アパーチャが、通常、異なる絞りセッティングでレーザ・パルスを透明プラスチック材料に向けることによって較正される。次に、アイ・ループ(eye loops)が、剥離されたプラスチップの手動検査のためにオペレータによって使用される。そのような較正技法は、アイ・ループによってもたらされる精度(通常は約±0.1mm)および/またはオペレータの視力など、多数の要因によって制限されている。たとえば、形状プロファイルの視覚的測定は、特に困難であり、しばしば、人的誤りを受けやすい。さらに、そのような較正技法は、可変直径絞りのヒステリシスを正確に測定することができない。さらに、レーザ眼科手術システムでカスタマイズされた剥離をもたらすための波面テクノロジの利用の高まりを、剥離するレーザ・ビームの形状、サイズ、位置決めの正確さを高めることによって最適化することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑みて、高められた精度と正確さでレーザ・ビームの位置決め、形状プロファイル、および/またはサイズ・プロファイルを較正する改善された方法およびシステムを提供することが望ましい。そのような方法およびシステムが、絞り較正とヒステリシス測定を提供するならば、特に望ましい。そのような方法およびシステムが、全体的なシステムのコストや複雑さを大きく増やさずに、較正の正確さを高めるならば、さらに望ましい。これらの目的の少なくとも一部が、下で説明する本発明の方法およびシステムによって満たされる。
【0007】
レーザを較正する方法、システム、装置が、本願の譲受人に譲渡された米国特許第6,195,164号、米国特許第6,559,934号と米国特許第6,666,855号に記載されている。PCT公開第WO 01/10322号は、レーザ・ビームの位置決めまたは調整を検証するシステム、デバイス、方法を説明し、やはり本願の譲受人に譲渡されている。さらなるレーザ較正のデバイスおよび方法が、米国特許第3,364,493号、米国特許第5,078,491号、米国特許第5,261,822号、米国特許第5,267,012号、米国特許第5,772,656号、米国特許第6,116,737号、米国特許第6,129,722号、米国特許第6,210,169号、米国特許第6,210,401号に記載されている。
【0008】
上で言及した参考文献のそれぞれの開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、患者の目の角膜を選択的に剥離するエキシマ・レーザ・システムなどのレーザ・ビーム・デリバリ・システムを較正する方法およびシステムを提供する。具体的には、改善された方法およびシステムが、顕微鏡カメラなどのイメージ・キャプチャ・デバイスを使用する、レーザ・ビームの位置決め、形状プロファイル、および/またはサイズ・プロファイルの較正を実現する。この方法およびシステムは、可変直径アパーチャの絞り較正とヒステリシス測定に特に適する。そのような方法およびシステムは、さらに、全体的なシステムのコストや複雑さを大きく増やさずに、高められた較正の正確さと精度をもたらし、さまざまなレーザ・システムに適用することができる。
【0010】
本発明の第1の態様では、イメージ・キャプチャ・デバイスを使用してレーザ眼科手術システムからのレーザ・パルスを較正する方法が、イメージ・キャプチャ・デバイスを用いて、較正面に置かれた既知のサイズの物体を撮影することを含む。較正面にマークを残すために、パルス・レーザ・ビームを較正面に向け、既知の物体を、較正面にパルス・レーザ・ビームを向ける前に剥離する。次に、イメージ・キャプチャ・デバイスを用いて較正面上のマークを撮影する。較正面上のマークのイメージを既知の物体のイメージと比較することによって、レーザ眼科手術システムを較正する。
【0011】
既知の物体の撮影と、較正面上のマークの撮影は同一位置で行われる。さらに、向けることと撮影を同一平面内で行うこともできる。たとえば、向けることと撮影を、レーザ焦点平面または目治療平面のうちの少なくとも1つの中で行うことができ、既知の物体の撮影と較正面上のマークの撮影は、レーザ光学経路と同軸の撮影光学経路に沿って実行される。しかし、向けることと撮影を異なる平面で実行することもできることを諒解されたい。たとえば、既知の物体の撮影と較正面の撮影が治療平面で実行される間に、レーザ・エネルギを、レーザ焦点平面で較正面に向けることができる。より一般的なシステムでは、レーザとイメージ・キャプチャ・デバイスの焦点を同一平面に合わせることが好ましい。
【0012】
通常、撮影される物体は、既知の直径を有する円形の形状を含む。たとえば、既知の物体は、ガラス板または水晶板の上の円形のクロム層を含む。較正面は、写真感光材料、シルクスクリーン材料、Zapitペーパー(Zapit paper)、発光材料、または写真材料を含む。好ましくは、写真感光材料が使用され、較正面上のマークは、黒い背景の上の白い点またはその逆などの永久的な色の変化、または発光する輝きを含む。代替案で、較正面は、光反応性材料、ポリメチルメタクリレート材料、または米国カリフォルニア州サンタ・クララのVISX,Incorporated社から入手できる他VISX較正材料を含む。たとえば、ポリメチルメタクリレート材料の使用は、剥離を含めるための較正面上のマークをもたらすことになる。
【0013】
較正面上のマークは、約0.65mmから約6.7mmまでの範囲の絞り直径セッティングに関連することができる。絞り較正手順中に、複数のマークを形成するために、経時的にパルス・レーザ・ビーム直径セッティングを増やす。次に、結果のマークを撮影し、既知の物体と比較する。同様に、マークの別のセットを形成するために、経時的にパルス・レーザ・ビーム直径セッティングを減らし、このマークの別のセットを撮影し、既知の物体と比較する。次に、絞り直径セッティング移動方向の変更に起因する可変アパーチャのヒステリシスと、レーザ・ビーム直径と絞りセッティングに関連するモータ・カウントとの間の関係を判定することができる。
【0014】
レーザ・ビームの形状とレーザ・ビームの中心位置を、撮影比較から判定することができる。さらに、各スキャンされ撮影されたレーザ・パルスの中心位置の変動を監視することによって、レーザ眼科手術システムのドリフトを判定することができる。さらに、レーザ・ビーム偏向を判定することができる。いくつかの実施形態で、本願の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に組み込まれている2003年1月12日出願の同時係属の米国特許出願第10/366,131号に詳細に記載されているように、レーザ・ビーム・インテグレーション(laser beam integration)を平滑化するために、光学要素をレーザ・ビーム・デリバリ経路に沿って回転することができる。本発明の較正方法は、複数のマークから、光学要素の回転に起因する、回転によって誘導されるレーザによって誘導される揺れを識別することもできる。較正の完了時に、患者の角膜を剥離して、近視、遠視、乱視、その他の角膜表面プロファイル欠陥を含むさまざまな視覚障害を矯正することができる。
【0015】
本発明のもう1つの態様では、顕微鏡カメラを使用してレーザ眼科手術システムからのレーザ・パルスを較正する方法を提供する。この方法には、全般的に、顕微鏡カメラを用いて既知のサイズの物体を撮影することが含まれる。写真感光材料上での剥離を残すために、パルス・レーザ・ビームを写真感光材料上をスキャンさせる。顕微鏡カメラを用いて写真感光材料上の剥離を撮影する。次に、写真感光材料上の剥離のイメージを既知の物体のイメージと比較することによって、レーザ眼科手術システムの絞り較正を判定する。最後に、較正されたシステムを用いて患者の角膜を剥離することができる。
【0016】
本発明のもう1つの実施形態で、レーザ・ビーム・デリバリ・システムからのレーザ・パルスを較正するシステムが、治療平面に向けられたイメージ・キャプチャ・デバイスを含む。既知の物体が、イメージ・キャプチャ・デバイスによって撮影されるために位置決めされる。パルス・レーザ・ビーム・デリバリ・システムも設けられる。較正面が、較正面上のマークをもたらすため、およびイメージ・キャプチャ・デバイスによって較正面上のマークを撮影するために、パルス・レーザ・ビームの光学経路内で支持可能である。プロセッサが、イメージ・キャプチャ・デバイスに結合される。プロセッサは、較正面上のマークのイメージを既知の物体のイメージと比較することによってレーザ・ビーム・デリバリ・システムの較正を判定する。レーザ・ビーム・デリバリ・システムは、レーザ眼科手術システムを含むことが好ましい。イメージ・キャプチャ・デバイスは、顕微鏡カメラを含むことが好ましい。任意選択として、ビデオ・カメラ、アイ・トラッキング・カメラ、またはレーザ・システムに既に設けられている他の既存のイメージ・キャプチャ・デバイスやカメラを利用することができる。
【0017】
上で述べたように、既知の物体は、ガラス板の上の、既知の直径の円形のクロム層を含むことが好ましい。既知の物体と較正面は同一位置で撮影され、既知の物体と較正面は、レーザ焦点平面または治療平面のうちの少なくとも1つに位置決めされる。較正面は、写真感光材料、シルクスクリーン材料、Zapitペーパー、発光材料、光反応性材料、ポリメチルメタクリレート材料、または写真材料を含む。較正面上のマークは、剥離、永久的な色の変化、または発光する輝きを含み、約0.65mmから約6.7mmまでの範囲の絞りセッティングを有する。
【0018】
本発明の性質および利益のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および図面を参照することによって明白になる。
【0019】
添付図面は、詳細な説明を参照して読まれなければならない。異なる図面の類似する符号は、類似する要素を指す。図面は、必ずしも原寸通りではないが、本発明の実施形態を例示的に示すものであって、本発明の範囲を限定することを意図されたものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、患者の目の角膜を選択的に剥離するエキシマ・レーザ・システムなどのレーザ・デリバリ・システムを較正する方法およびシステムを提供する。具体的には、高められた較正の正確さと精度のための、顕微鏡カメラなどのイメージ・キャプチャ・デバイスを使用するレーザ・ビームの位置決め、形状プロファイル、サイズ・プロファイル、ドリフト、および/または偏向の較正の改善された方法およびシステムを提供する。この方法およびシステムは、可変直径アパーチャの絞り較正とヒステリシス測定に特に適する。そのような特性を判定することによって、レーザ・ビームが角膜組織の望まれない位置に入射してオフセンタ剥離を引き起こすことなく、所望の角膜剥離治療を正確に行うことができる。本発明の較正の方法およびシステムは、たとえば絞りなどの内部の機械構成要素または光学構成要素などのレーザ・デリバリ・システム構成要素の交換、システムの主要な光学再位置合わせ、または誤差生成に関する問題の際に利用することができる。
【0021】
図1を参照すると、レーザ眼科手術システムからのレーザ・パルスを較正する、本発明の原理に従って構成された例示的な較正システム10が概略的に示されている。システム10は、PRK(photorefractive keratotomy)、PTK(phototherapeutic keratectomy)、LASIK(laser in situ keratomileusis)、その他の類似の外科手術手順で角膜の領域を剥離するのに使用されるタイプのレーザ・剥離・システムを較正し、位置合せするのに特に有用である。システム10には、全般的に、レーザ12、レーザ・ビーム・デリバリ・システム14、フォトクロミック・ミラー16などの面、既知の物体30、較正面18、イメージ・キャプチャ・デバイス20、PCワークステーション22が含まれる。上の描写が、例示のみを目的とし、較正システム10の実際の形状、サイズ、または次元を必ずしも反映しないことを諒解されたい。これは、下のすべての描写にもあてはまる。
【0022】
イメージ・キャプチャ・デバイス20は、好ましくは顕微鏡カメラであるが、目治療平面に向けられている。既知の物体30は、図2に示されているように、ヒンジ付き支持腕または支持機構34を介して撮影光学経路32に沿って位置決めされ、腕34は、レーザ焦点平面または治療平面のうちの少なくとも1つでの既知の物体30と較正面18の移動を可能にする。任意選択として、既知の物体30を、腕34に結合されたブロック(図示せず)の上に置くことができる。どちらの配置でも、既知の物体30は、顕微鏡カメラ20によって撮影され、その後、取り除かれる。レーザ12は、通常、デリバリ・システム光学系14を介して未整形のレーザ・ビーム24を向け、デリバリ・システム光学系14は、整形され位置決めされたレーザ・ビーム26を、反射面を有するミラー16に向け、この反射面は、較正面18にマーク28を残すために、レーザ・ビーム26を較正面18に向ける。較正面18上のマーク28は、レーザ光学経路26と同軸の撮影光学経路32に沿って位置決めされ、その後、顕微鏡カメラ20によって撮影される。PCワークステーション22は、較正面18上のマーク28のイメージを既知の物体30のイメージと比較することによって、レーザ・ビーム・デリバリ・システム14の較正を判定する。PCワークステーション22には、一般に、プロセッサ、ランダム・アクセス・メモリ、命令を保管する有形の媒体、ディスプレイ、および/またはハード・ドライブもしくはフロッピ・ドライブなどの他の記憶媒体が含まれる。
【0023】
レーザ12に、約193nmの波長を有するレーザ・エネルギを作るフッ化アルゴン・エキシマ・レーザなどのエキシマ・レーザを含めることができるが、これに限定はされない。代替のレーザに、周波数逓倍(frequency multiplied)固体レーザ、フラッシュ・ランプ励起固体レーザ、ダイオード励起固体レーザ、その他の類似固体レーザを含めることができる。例示的固体レーザには、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第5,144,630号、米国特許第5,742,626号、およびBorsutzky他、「Tunable UV Radiation at Short Wavelengths(188−240nm)Generated by Sum−Frequency Mixing in Lithium Borate」、Appl.Phys.B 52,380−384(1991年)に開示されたものなど、約188〜240nmの波長を作る紫外線固体レーザが含まれる。赤外線レーザまたはフェムト秒レーザなど、さまざまな代替レーザを使用することもできる。たとえば、赤外線光エネルギを発するパルス固体レーザを、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第6,090,102号および米国特許第5,782,822号に記載されているように使用することができる。レーザ・エネルギに、一般に、一連の別個のレーザ・パルスとして形成されたビームが含まれ、パルスを、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第6,331,177号に記載のように複数のビームレットに分離することができる。
【0024】
上で述べたように、光学デリバリ・システム14は、好ましくは、角膜剥離手順で紫外線レーザ・ビームを使用して、隣接組織と下にある組織の熱損傷を引き起こさない光分解で角膜組織を剥離する。照射された表面の分子は、残りの基質を実質的に加熱せずに、より小さい揮発性断片に破壊されるが、剥離の機構は、光化学的すなわち、分子間結合の直接の破壊である。剥離は、間質の層を取り除いて、近視、遠視、乱視の矯正など、さまざまな目的のために間質の輪郭を変更する。そのようなシステムおよび方法は、その開示のすべてがその全体を参照によって本明細書に組み込まれている、1987年5月19日発行の米国特許第4,665,913号、「METHOD FOR OPHTHALMOLOGICAL SURGERY」、1987年6月2日発行の米国特許第4,669,466号、「METHOD AND APPARATUS FOR ANALYSIS AND CORRECTION OF ABNORMAL REFRACTIVE ERRORS OF THE EYE」、1988年3月22日発行の米国特許第4,732,148号、「METHOD FOR PERFORMING OPHTHALMIC LASER SURGERY」、1998年9月13日発行の米国特許第4,770,172号、「METHOD OF LASER−SCULPTURE OF THE OPTICALLY USED PORTION OF THE CORNEA」、1988年9月27日発行の米国特許第4,773,414号、「METHOD OF LASER−SCULPTURE OF THE OPTICALLY USED PORTION OF THE CORNEA」、1992年11月17日発行の米国特許第5,163,934号、「PHOTOREFRACTIVE KERATECTOMY」、および1996年9月17日発行の米国特許第5,556,395号、「METHOD AND SYSTEM FOR LASER TREATMENT OF REFRACTIVE ERROR USING AN OFFSET IMAGE OF A ROTATABLE MASK」に開示されている。
【0025】
図2を参照すると、既知の物体30に、ガラス板38上の10mmの直径を有する円形クロム層36を含めることができる。既知の物体30のイメージの使用は、顕微鏡カメラの倍率を定量化することを可能にする。次に、あてはめルーチンが、比較によって、レーザ・ビームの断面形状、サイズ、中心位置を正確かつ高精度に推定する。そのようなイメージのマトリックスをさらに使用して、レーザ眼科手術システムの長期と短期の両方のドリフトを判定することができる。既知の物体30は、パルス・レーザ・ビーム26を較正面18に向ける前に撮影され、その結果、較正手順が進む時に、マーク28の直径を計算できる。いくつかの場合に、既知のイメージ30がレーザ焦点平面に置かれる場合に、カメラ20が治療平面に向けられているという事実に起因して、作られるイメージの焦点がわずかにずれる場合がある。さらに、カメラ20の応答自体が、イメージのわずかな楕円形の歪みの責任を負う場合もある。したがって、既知の物体30のイメージは、当初に、そのようなカメラの歪みを考慮に入れるために、楕円アルゴリズムにあてはめられる。クロム・ドット36の垂直方向と水平方向の直径が入手され、マーク28の後続のすべてのイメージを、既知の物体30のイメージの相対寸法に従って再スケーリングし、円アルゴリズムにあてはめることができ、その結果、レーザ・ビームの特性を高精度にすることができる。カメラ20を用いてイメージをキャプチャする前に、照明レベルを正しいレベルにセットしなければならないことに留意されたい。
【0026】
図3を参照すると、図1のレーザ・ビーム・デリバリ・システム14の実施形態が概略的に示されている。図3からわかるように、ビーム102が、約193nmの波長を有する遠紫外範囲のレーザ・ビームを生成するフッ化アルゴン(ArF)エキシマ・レーザ・ビーム源などの適当なレーザ源104から生成される。レーザ・ビーム102は、ビーム・スプリッタ106に向けられる。ビーム102の一部が、エネルギ検出器108に反射され、残りの部分は、ビーム・スプリッタ106を透過する。反射ビーム・スプリッタ106に、レーザ・ビームを減衰させるために、部分的に吸収する材料の透過板を含めることができる。透過したレーザ・ビーム102は、レーザ・ビームの経路を位置合せするのに使用される調整可能なミラー110によって反射される。代替実施形態では、レーザ・ビーム経路の向きを、調整可能なプリズムを用いて制御することができる。レーザ・ビーム102は、ミラー110から、レーザ・ビームの経路を回転させる、回転する時間ビーム・インテグレータ(temporal beam integrator)112に反射する。別のタイプの時間ビーム・インテグレータを使用して、ビームを回転させることができる。時間インテグレータ112から発する回転されたビームは、回折光学素子113を含む回折光学装置に向けられる。好ましい実施形態では、回折光学素子113が、ビーム102と共に回転させられる。回折光学素子は、回折光学素子113の回転がレーザ・ビームの経路を実質的に変更せず、レーザ・ビームの経路が回折光学素子の回転に対して安定するように設計される。ビームは、回折光学素子113と正のレンズ114を通過し、収束するビーム115として発する。
【0027】
収束するビーム115は、可変直径アパーチャ116が配置された空間インテグレーション平面(spatial integration plane)に進む。空間インテグレーション平面は、正のレンズ114の焦点の近くに配置される。アパーチャード・ビーム(apertured beam)120が、可変アパーチャ116から発する。可変アパーチャ116は、望ましくは、ビーム115の形状プロファイルとサイズ・プロファイルを特定の眼科外科手術手順に合わせて調整するのに使用される可変幅スリット(図示せず)と組み合わされた可変直径絞りである。アパーチャード・ビーム120は、結像レンズ122に向けられ、結像レンズ122は、約125mmの焦点距離を有する両凸単レンズとすることができる。結像レンズ122から発するビーム126は、ミラー/ビーム・スプリッタ130によって外科手術平面132に反射される。患者の角膜の頂端は、通常、外科手術平面132に位置決めされる。外科手術平面132に関して、結像されるビームをスキャンするために、結像レンズ122をビームに対して横に移動して、結像されるビームをオフセットさせることができる。治療エネルギ検出器136が、ミラー/ビーム・スプリッタ130でのビーム・エネルギの透過した部分を感知する。ビーム・スプリッタ138、顕微鏡対物レンズ140、顕微鏡カメラ20が、観察光学系の一部を形成する。ビーム・スプリッタは、絞り較正を助け、外科手術手順を見、記録するために、顕微鏡カメラ20に結合されることが好ましい。ヘッドアップ・ディスプレイを顕微鏡対物レンズ140の光学経路134に挿入して、追加の観察能力をもたらすこともできる。非点収差モータと非点収差角モータによって駆動される可動機械構成要素などのレーザ光学系14の他の補助構成要素は、冗長にならないようにするために省略されている。
【0028】
図4A、4Bを参照すると、レーザ焦点平面内でスキャンされ、目治療平面内で撮影されたイメージの分解図が示されている。上で注記したように、既知の物体30と較正面18は、同一平面内で撮影されることが好ましいが、レーザ焦点平面または治療平面のうちの少なくとも1つに位置決めすることができる。クロム・ドット36の撮影と較正面18上のマーク28の撮影は、レーザ光学経路26と同軸の撮影光学経路32に沿って実行される。通常、パルス・レーザ・ビーム26がレーザ焦点平面に向けられ、カメラ20が治療平面に向けられ、治療平面はレーザ焦点平面の数mm下にある。図4Aに、マークの1mmイメージ40を示し、図4Bに、マークの5mmイメージ42を示す。マークの両方のイメージ40、42は、較正面18上のきれいな十二角形パターンを作成するために、レーザ・ビームをレーザ焦点平面に向けて作成された。次に、オペレータは、較正腕34またはブロック(図示せず)を介して較正面18を治療平面に移動し、その結果、マークの鮮明なイメージ40、42を較正のために得られるようにする。較正面18には、シルクスクリーン材料または発光材料が含まれることが好ましく、マーク40、42には、永久的な色の変化または発光する輝きが含まれる。たとえば、発光材料に、クロムをドーピングされるなど、光学的に活性化され、比較的長いルミネセンス寿命を有するガラス、水晶、またはポリマを含めることができる。イメージは、各レーザ・パルスの後に記録することができ、この場合に、マークのルミネセンスは、次のレーザ・パルスがルミネセンス面に向けられる前に減衰し終える。
【0029】
図5A、5Bに、同一平面すなわちレーザ焦点平面内でスキャンされ、撮影されたイメージの分解図を示す。図5Aに、マークの1mmイメージ40’を示し、図5Bに、マークの5mmイメージ42’を示す。マークの両方のイメージ40、42は、較正面18上のきれいな十二角形パターンを作成するために、レーザ・ビームをレーザ焦点平面に向けて作成された。しかし、マークのイメージ40’、42’は、レーザ焦点平面で撮影される。作られたイメージ40’、42’は、わずかに焦点がずれている可能性がある。というのは、カメラ20が、レーザ焦点平面の数mm下の治療平面に向けられているからである。しかし、そのような逸脱は、図7に関して下で詳細に説明するように、わずかである。さらに、レーザ焦点平面に向け、そこで撮影することは、オペレータ介入なしで自動的に実施することができる。図6A、6Bに、目治療平面内でスキャンされ、撮影されたイメージの分解図を示す。図5Aに、マークの1mmイメージ40”を示し、図5Bに、マークの5mmイメージ42”を示す。このイメージ・キャプチャ位置決めは、最小限のオペレータ介入も伴うが、レーザの焦点ずれが、イメージ40”、42”の変化するグレイ・ゾーン、低いコントラスト、その他の変動をもたらす可能性があり、これらが、レーザ・ビームがレーザ焦点平面でスキャンされる時に明白でないことがわかる。
【0030】
図7を参照すると、図4A、4B、5A、5Bのスキャン位置と撮影位置からのイメージ測定およびTencor Profilometerを使用することから得られた測定結果を要約した表が示されている。第1列は、絞り116を約0.65mmから約6.0mmまでのさまざまな直径セッティングにセットして測定が行われたことを示す。粗面計測定値は、基準測定値として働くが、第2列に示されているように、絞りセッティングごとにとられた。第3列は、図4A、4Bによって示される、レーザ焦点平面でスキャンされ、治療平面で撮影されたイメージ測定値を表す。第4列は、図5A、5Bによって示される、レーザ焦点でスキャンされ、撮影された測定値を表す。第5列は、第3列と第4列の間の測定値変動を表す。第6列は、第2列と第3列の間の測定値変動を表す。あてはめの最良の可能な正確さは、1画素程度になると考えられ、1画素は、約0.02mmである。一般に、表7は、上下あてはめ(図4A、4B)または上上あてはめ(図5A、B)のいずれかを使用することによって、比較的正確で高精度なイメージ測定がもたらされることを示す。第5列と第6列に示されている、測定されたイメージの間の小さい差は、主に、画素分解能程度以下である。さらに、より高品質のシルクスクリーンまたは他の較正面を選択することによるなど、改善されたイメージ・コントラストが、測定読みの変動をさらに最小化することができる。
【0031】
図8A、8Bを参照すると、レーザ・ビーム直径と絞りセッティングに関連するモータ・カウントとの間の関係を示すグラフが示されている。具体的には、10個のデータの2つのデータ・セットの形で、合計20個のレーザ・マーク・イメージが入手される。最初の10個は、絞り116のレーザ・ビーム直径セッティングを経時的に0.7mmから1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3mm、4mm、5mm、6mm、および6.5mmに増やすことによって実行される。各マークまたは各剥離は、レーザ12から較正面18へ180〜220mJの間のエネルギを有して20Hzで100個のパルスを発火させることによって作られる。1秒の休止が、カメラ20を用いてマーク28のイメージをキャプチャすることと、既知の物体30との比較によって測定された絞り直径を計算することとの前に、煙が消えることを可能にする。その後、次の100個のパルスが、較正面18を移動せずに、次の増加する直径で発火される。このルーチンは、6.5mmセッティングまで継続され、約1分を要する。マークまたは剥離28の第2セットは、新しい較正面または既存較正面上の異なる場所が利用されることと、絞り116が6.7mm直径セッティングまでサイクルされ、パルス・レーザ・ビーム直径セッティングが経時的に減らされることを除いて、類似する形で進行する。一般に、このスキャンと撮影プロセスは、一般に完了に3分未満を要するという点で、時間効率がよい。両方のデータ・セットを比較することによって、絞り直径セッティング移動方向の変更に起因するヒステリシスを、絞り116について判定し、考慮に入れることができる。さらに、データの両方のセットを使用して、測定されたレーザ・ビーム直径と絞りアパーチャに関連するモータ・カウントとの間の正確な関係を判定する補間曲線を作ることができる。
【0032】
通常の結果が、図8A、8Bで、2つの異なるレーザ・システムについて示されている。この較正手順から得られるデータが、2つの2次曲線にあてはめられ、この2次曲線の一方は、増加するレーザ・ビーム直径セッティング(閉から開へ)用であり、他方は、減少するレーザ・ビーム直径セッティング(開から閉へ)用である。図からわかるように、両方の絞り116が、類似する特性を有する。少量のヒステリシスがあり、二重の曲線を保持しなければならないことが正当化されることの証拠である。最適あてはめ2次式は、考慮に入れなければならない少量の非線形性があることを示唆する。したがって、レーザ・ビーム直径と絞りに関連するモータ・カウントとの間の関係を判定する最適あてはめは、絞り較正目的について、線形あてはめ関係ではなく、2次あてはめである。その後、所望のレーザ・ビームの形状と位置を、較正手順中に得られたそのような関係の使用を介して作ることができる。図8C、8Dに、さらに、それぞれ絞りのヒステリシスをキャプチャするための「閉から開へ」および「開から閉へ」の絞り測定値を示す。ドットは、中央を表す。
【0033】
レーザ眼科手術システム14のドリフトを、各スキャンされ撮影されたレーザ・パルスの中心位置の変動を監視することによって判定することができる。ドリフトが、レーザが測定の間で使用される形、システム・パラメータの特定のセット、および/または温度などの環境条件の変化など、複数の要因に依存しることを諒解されたい。さらに、レーザ・ビーム偏向を判定することができる。絞り116の直径が変更される時に、アパーチャの中心がわずかにシフトする場合がある。既に実行された計算の結果として、較正面上の十二角形パターンの形状への最適あてはめの中心が、絞りサイズごとに判定されている。その後、形状中心のx位置とy位置のプロットを、絞り直径の関数として計算することができる。最適あてはめ曲線を、絞り直径の関数としてのx位置とy位置を介して独立にあてはめることができる。したがって、特定の直径が治療に必要な場合に、レーザ・ビームのシフトに関する必要な訂正を、これらの曲線から計算することができ、レーザ・ビーム・ターゲット位置を、それ相応に調整することができる。
【0034】
本発明の技法は、レーザ・デリバリ・システム14の安定性を判断するために適用することもできる。較正面18を支持する較正腕34に、発光板を含めることができる。各レーザ・パルスの後に、板がまだ光を発している間にイメージをキャプチャする。次に、上で説明したように、イメージを分析する。中心位置を計算し、x軸とy軸にプロットすることができ、その結果、このプロットが、レーザ・パルスが達した場所の地図をもたらす。次に、このプロットを使用して、時間に伴うレーザ・ビームの系統的な移動のすべてを判定することができる。代替案では、生データを使用して、x位置とy位置の統計的変動などのパラメータを判定することができる。
【0035】
図3に戻って、同時係属の米国特許出願第10/366,131号で詳細に説明されているように、光学系14内の複数の光学要素を、レーザ・デリバリ経路に沿って回転させて、光学要素の不完全によって引き起こされる歪みを分散させることができる。好ましい実施形態では、レンズ114が、その軸の回りに回転させられる。他の実施形態では、ビーム・スプリッタ106を、その平面に沿って移動させることができ、ミラー110を、その平面に沿って移動させることができ、回折光学素子113を、その平面内で移動させることができ、ミラー/ビーム・スプリッタ130を、その平面に沿って移動させることができる。光ビームの経路は、光学要素の移動に関して安定しているが、回転の軸の回りの光学中心の位置のわずかな逸脱が発生する可能性があり、そのような逸脱が、その光学要素が回転する時にレーザ・ビームの経路のわずかな揺れを誘導する場合がある。有利なことに、本発明を利用して、複数のマークから、回転によって誘導されるレーザによって誘導される揺れを識別することもできる。マークのイメージの分析は、光学要素の回転に起因するこれらの小さい逸脱を考慮に入れるのを助けることができる。
【0036】
図9A、9Bを参照すると、単純化された流れ図に、図1のシステムを使用してレーザ・パルスを較正する方法が示されている。図9Aに示されているように、オペレータは、リング照明セッティングを最大にし、他のすべての照明セッティング(たとえば、レチクル・ライト、斜めライト、および固定ライト)の電源を切ることによって、顕微鏡カメラ20の照明を調整することによって開始する。クロム・ドット36を、較正腕34に結合されたブロックに置く。顕微鏡の絞りと倍率もセットする。次に、クロム・ドット36のイメージをキャプチャし、楕円アルゴリズムを使用して、ドット・イメージ36の垂直画素数と水平画素数を計算する。両方の方向の画素の許容可能な範囲は、420〜460であり、これらの値は、お互いの5%以内でなければならない。この許容範囲が満足されない場合には、失敗メッセージを画面に示し、クロム・ドット36のイメージが範囲外であるか平らに置かれていないこと、あるいはカメラが誤って位置合せされていることを示し、この手順をもう一度開始するように示す。画素許容範囲が満足される場合には、画素対mm比を、ドット・イメージ36の垂直画素対水平画素比を使用して判定する。次に、オペレータが、クロム・ドット36をシルクスクリーンなどの較正プラスチック18に交換し、較正手順用のレーザ・エネルギに180〜220mJの間、好ましくは200〜220mJを、スピン・インテグレータ(spin integrator)に78580カウントを、絞りセッティングに0.65mmをセットする。すべてのシャッタおよびスリットを開き、x位置とy位置に0をセットし、順方向/逆方向パラメータにFをセットする。
【0037】
図9Bに示されているように、絞りセッティングを0.7mmに変更し、その結果、絞りを開く(レーザ・ビーム直径セッティングを増やす)。各マークまたは各剥離を、20Hzで100個のパルスを発火させることによって作り、1秒の休止によって、カメラ20によるマーク28のイメージのキャプチャの前に煙が消えるようにする。キャプチャ・イメージを、既知の物体30のイメージの相対寸法に従って再スケーリングし、円アルゴリズムにあてはめ、その結果、レーザ・ビームの直径を高精度に得られるようにする。測定された値が、セットされた/期待される値の10%以内である場合には、絞りサイズを、前の剥離より大きい次の値に変更し、6.5mmの絞りセッティングに達するまで、上で述べた手順を繰り返す。測定された値が、セットされた値の10%以内でない場合には、剥離イメージ測定に誤差があることの警告メッセージを画面に示す。この手順を継続することができるが、完了時にこの手順を繰り返さなければならない。6.5mmの絞りセッティングに達した後に、同一の手順を、減少するレーザ・ビーム直径セッティングについて同様に繰り返すが、ここで、絞りセッティングに6.7mmをセットし、その結果、絞りが閉じられることになる。オペレータは、減る直径のセッティング・モードでの撮影の前に、較正面を交換するか、それを剥離する画面上のメッセージも受け取る。任意選択として、新しいシルクスクリーンがブロックに置かれていることを保証するために、オペレータによる肯定応答を要求することができる。完了時に、回転しているインテグレータを停止し、シャッタを閉じる。次に、図8A、8Bを参照して前に述べたように、レーザ・ビーム直径と絞りセッティングに関連するモータ・カウントとの間の関係を、この2つのデータ・セットから判定することができる。
【0038】
本発明の較正システム10を、スキャニング・レーザ・システムと大面積レーザ・剥離・システムを含む異なるレーザ・システムに適用できることを諒解されたい。例に、VISX社のSTAR、STAR S2、STAR S3、STAR S4 Excimer Laser Systemsや、波面テクノロジを使用するレーザ・システムが含まれ、これらのすべてが、米国カリフォルニアシ州サンタ・クララのVISX,Incorporatedから市販されている。他のレーザ・システムには、Alcon Summit社、Bausch&Lomb社、LaserSight社、Zeiss Meditec社、Schwind社、Wavelight Technologies社などから入手できるレーザ・システムが含まれる。
【0039】
理解を明瞭にするために、例として、ある種の例示的な実施形態と方法を多少詳細に説明したが、前述の開示から、本発明の真の趣旨と範囲から逸脱せずに、そのような実施形態や方法の変形形態、修正形態、変更、適合を作ることができることは、当業者に明白であろう。したがって、上の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の原理に従って構成されたレーザ・ビーム・デリバリ・システムからのレーザ・パルスを較正するシステムの概略を示す図である。
【図2】図1のシステムで使用できる既知の物体を示す分解図である。
【図3】図1に示されたレーザ・ビーム・デリバリ・システムの実施形態を示す概略図である。
【図4】レーザ焦点平面内で剥離され、目治療平面内で撮影された、剥離される材料のイメージを示す分解図である。
【図5】レーザ焦点平面内で剥離され、撮影された、剥離される材料のイメージを示す分解図である。
【図6】目治療平面内で剥離され、撮影された、剥離される材料のイメージを示す分解図である。
【図7】さまざまな剥離平面と撮影平面からのイメージ測定を要約した表である。
【図8A】レーザ・ビーム直径と絞りセッティングに関連するモータ・カウントとの間の関係を示すグラフである。
【図8B】レーザ・ビーム直径と絞りセッティングに関連するモータ・カウントとの間の関係を示すグラフである。
【図8C】ヒステリシス関係を示すグラフである。
【図8D】ヒステリシス関係を示すグラフである。
【図9A】図1のシステムを使用してレーザ・パルスを較正する方法を示す単純化された流れ図である。
【図9B】図1のシステムを使用してレーザ・パルスを較正する方法を示す単純化された流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージ・キャプチャ・デバイスを用いて既知の物体を撮影するステップと、
較正面にマークを残すためにパルス・レーザ・ビームを前記較正面に向けるステップと、
前記イメージ・キャプチャ・デバイスを用いて前記較正面上の前記マークを撮影するステップと、
前記較正面上の前記マークのイメージを前記既知の物体のイメージと比較することによってレーザ眼科手術システムを較正するステップと
を含む、イメージ・キャプチャ・デバイスを使用して前記レーザ眼科手術システムからのレーザ・パルスを較正する方法。
【請求項2】
前記撮影される物体が既知の直径を有する円形の形状である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既知の物体がガラス板の上の円形のクロム層を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記パルス・レーザ・ビームを前記較正面に向ける前に前記既知の物体を取り除くステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記既知の物体の前記撮影と前記較正面上の前記マークの前記撮影が、同一位置で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記向けるステップと撮影が同一平面内で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記向けるステップと撮影が、レーザ焦点平面または治療平面のうちの少なくとも1つの中で行われ、前記既知の物体の撮影と前記較正面上の前記マークの撮影が、レーザ光学経路と同軸の撮影光学経路に沿って実行される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記較正面が、写真感光材料、シルクスクリーン材料、Zapitペーパー、発光材料、または写真材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記較正面上の前記マークが、永久的な色の変化または発光する輝きを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記較正面が、光反応性材料またはポリメチルメタクリレート材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記較正面上の前記マークが剥離を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記較正面上の前記マークが、約0.65mmから約6.7mmまでの範囲の直径セッティングを有する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
複数のマークを形成するために経時的に前記パルス・レーザ・ビーム直径セッティングを増やすステップと、前記マークを撮影するステップと、前記マークを前記既知の物体と比較するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
経時的に前記パルス・レーザ・ビーム直径セッティングを減らすステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
可変アパーチャのヒステリシスを判定するステップをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
レーザ・ビーム直径と絞りセッティングに関連するモータ・カウントとの間の関係を判定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記レーザ・ビームの形状を判定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記レーザ・ビームの中心位置を判定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
各スキャンされ撮影されたレーザ・パルスの中心位置の変動を監視することによって、前記レーザ眼科手術システムのドリフトを判定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
レーザ・ビーム偏向を判定するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項21】
光学要素をレーザ・デリバリ経路に沿って回転するステップと、複数のマークから、回転によって誘導されるレーザによって誘導される揺れを識別するステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記較正されたシステムを用いて患者の角膜を剥離するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
顕微鏡カメラを用いて既知の物体を撮影するステップと、
写真感光材料上の剥離を残すために、パルス・レーザ・ビームを前記写真感光材料上でスキャンするステップと、
前記顕微鏡カメラを用いて前記写真感光材料上の前記剥離を撮影するステップと、
前記写真感光材料上の前記剥離のイメージを前記既知の物体のイメージと比較することによって、レーザ眼科手術システムの絞り較正を判定するステップと、
前記較正されたシステムを用いて患者の角膜を剥離するステップと
を含む、顕微鏡カメラを使用してレーザ眼科手術システムからのレーザ・パルスを較正する方法。
【請求項24】
治療平面に向けられたイメージ・キャプチャ・デバイスと、
前記イメージ・キャプチャ・デバイスによって撮影されるために位置決め可能な既知の物体と、
パルス・レーザ・ビーム・デリバリ・システムと、
較正面上のマークをもたらし、前記イメージ・キャプチャ・デバイスによって前記較正面上の前記マークを撮影するための、パルス・レーザ・ビームの光学経路内で支持可能な較正面と、
前記較正面上の前記マークのイメージを前記既知の物体のイメージと比較することによってレーザ・ビーム・デリバリ・システムの較正を判定する、前記イメージ・キャプチャ・デバイスに結合されたプロセッサと
を含む、前記レーザ・ビーム・デリバリ・システムからのレーザ・パルスを較正するシステム。
【請求項25】
前記イメージ・キャプチャ・デバイスが顕微鏡カメラを含む請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記既知の物体が、ガラス板の上の、既知の直径の円形のクロム層を含む請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記既知の物体と前記較正面が同一位置で撮影される請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記既知の物体と前記較正面が、レーザ焦点平面または前記治療平面のうちの少なくとも1つの中で位置決めされる請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
前記レーザ・ビーム・デリバリ・システムがレーザ眼科手術システムを含む請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
前記較正面が、写真感光材料、シルクスクリーン材料、Zapitペーパー、発光材料、光反応性材料、ポリメチルメタクリレート材料、または写真材料を含む請求項24に記載のシステム。
【請求項31】
前記較正面上の前記マークが、剥離、永久的な色の変化、または発光する輝きを含む請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記較正面上の前記マークが、約0.65mmから約6.7mmまでの範囲の絞りセッティングを有する請求項24に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2007−530156(P2007−530156A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505109(P2007−505109)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/009540
【国際公開番号】WO2005/094468
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(592075367)ヴィズイクス・インコーポレーテッド (14)
【Fターム(参考)】