説明

インサートヒータ、およびこのような種類のインサートヒータを備える排ガス浄化触媒装置のための尿素供給システム

【課題】凝固点を下回る温度の時に、内燃機関の排ガス浄化触媒装置のための尿素供給システムを短時間で動作準備の整った状態にする方法を提示する。
【解決手段】液体を融解するためのインサートヒータ8を備え、前記インサートヒータ8は、ハウジング20の中に配置された少なくとも1つの発熱体と、液体に浸けるために前記ハウジング20に取り付けられたプラスチック製の吸入パイプ21と、前記ハウジング20を起点として前記吸入パイプ21に沿って延びる少なくとも1つの電気的接続配線22、23とを備え、前記吸入パイプ21は少なくとも1つの前記接続配線22、23を支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載された構成要件を備えるインサートヒータに関する。このような種類のインサートヒータは、たとえば排ガス浄化触媒装置へ還元剤を供給するために標準装備で自動車に組み込まれている尿素供給システムのために必要とされる。さらに本発明は、請求項21のプレアンブルに記載された構成要件を備える尿素供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
尿素は、排ガス浄化触媒装置により、アンモニア供給体として必要とされるものである。厳寒時には尿素溶液が凍結する可能性があるため、尿素溶液をできるだけ迅速に融解して、触媒装置の作動に必要な尿素を提供できるようにするために、インサートヒータが必要となるが、インサートヒータを有するような尿素供給システムは知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1から知られているインサートヒータでは、吸入パイプと2つの電気的接続配線とが、PTC発熱体に配置されたハウジングのフレームに支持されている。吸入パイプはΩ形の断面をもつ溝にクリップ止めされており、この溝が、吸入パイプの長さの最大の部分でこれを支持している。公知のインサートヒータにおける利点は、吸入パイプを溝へ押し込むことによって、ハウジングに、およびインサートヒータのフレームに、少ないコストで取り付けることができ、吸入パイプの中の尿素溶液を、フレームおよび加熱されるハウジングへの良好な熱結合によって、比較的迅速に融解することができることである。しかしながら、特に尿素溶液が吸入パイプの中で凍結した場合、尿素溶液が凍結したときに生じる容積膨張が、ハウジングから吸入パイプが外れるという事態につながる可能性があることが示されている。このようなケースでは、加熱されるハウジングとの接触が減るため、吸入パイプに含まれる尿素溶液を融解することがきわめて難しくなり、そのために、長い融解時間が経過してからでないと、触媒装置の動作に必要な尿素溶液を提供することができなくなる。
【0004】
【特許文献1】国際公開第06/131201号パンフレット
【発明の開示】
【0005】
そこで本発明の課題は、凝固点を下回る温度のときに、内燃機関の排ガス浄化触媒装置のための尿素供給システムを短時間で確実に動作準備の整った状態にすることができる、低コストな方法を提示することにある。
【0006】
この課題は、請求項1に記載された構成要件を備えるインサートヒータによって解決される。本発明の好ましい発展例は、従属請求項の対象となっている。
【0007】
本発明のインサートヒータでは、吸入パイプは少なくとも1つの電気的接続配線を支持している。このようにして、尿素溶液の凍結が吸入パイプの撓曲を引き起している場合でさえ、吸入パイプに含まれている尿素溶液を融解するための抵抗発熱部として電気的接続配線を利用することができる。本発明によるインサートヒータの吸入パイプは、凍結時の尿素溶液の膨張に対して柔軟に対応し、その機能を損なうことなく撓曲することができる。
【0008】
本発明によるインサートヒータの吸入パイプは、たとえば60〜80のショアAのショア硬度をもつプラスチックを使用することによって撓曲可能に構成されていてよく、それにより、尿素タンクへインサートヒータを設置するために問題なく曲げることができ、また、尿素タンクの形状に合わせて適合化することができる。
【0009】
さらに、上述した本発明の課題は、請求項21に記載された構成要件を備える尿素供給システムによって解決される。このような種類の尿素供給システムでは、フィードバック配管は、作動時にフィードバック配管から外に出る尿素溶液が吸入パイプを伝って流れ落ちるように構成されている。このようにして、すでに加熱された尿素溶液によって吸入パイプを追加的に加熱することができ、吸入パイプとハウジングの周囲で絶縁をするエアギャップの発生に対処することができる。
【0010】
本発明の上記以外の具体的事項や利点について、添付の図面を参照しながら、実施例を用いて説明する。ここに記載されている構成要件は、単独でも組み合わせの形でも、請求項の対象物となることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、自動車の排ガス浄化触媒装置1と、これに付属する尿素供給システム2とを模式的に示している。排ガス浄化触媒装置1では、窒素酸化物(NO,NO2)がアンモニア(NH3)で還元されて窒素になる。そのために必要なアンモニアは、尿素供給システム2によって準備される尿素溶液から得られる。
【0012】
図1に示す尿素供給システム2は、尿素溶液を収容するための尿素タンク3と、尿素タンク3を触媒装置1と接続する接続配管6、11と、接続配管6、11を通じて尿素溶液を尿素タンク3から触媒装置1へ送り出すためのポンプ5と、尿素タンク3の中の尿素溶液を加熱するためのインサートヒータ8とを含んでいる。インサートヒータ8は、尿素溶液を吸入するために接続配管11につながれた吸入パイプを有している。接続配管11からフィードバック配管4が分岐しており、このフィードバック配管は尿素タンク3へと通じており、それにより、加熱された尿素溶液を尿素タンク3へ送り返すことができるようになっている。
【0013】
フィードバック配管4の出口部は、作動時にフィードバック配管から外に出る尿素溶液が、インサートヒータ8の吸入パイプを伝って流れ落ちるように構成されて配置されている。このようにして、インサートヒータ8と、融解されるべき尿素溶液の氷との間のエアギャップの発生に対処がなされ、吸入パイプが追加的に加熱される。さらに、タンク水位が低いときに、その場合には空中に位置することになる吸入パイプの発熱出力を、これを伝って流れ落ちる溶液によって吸収し、液体循環路へと供給することができる。
【0014】
図示した実施例では、インサートヒータ8は融解容器9の中に配置されており、融解容器はフィードバック配管4および接続配管6の両方につながれており、図示した実施例では尿素タンク3の中に配置されている。融解容器9は、インサートヒータ8の発熱出力を、当初はまず第1に融解容器9に含まれている尿素溶液の加熱に利用することができるように作用する。融解容器9はおよそ1リットルの収容能力を有しており、通常は少なくとも0.2〜0.3リットルの尿素溶液を含んでおり、それにより、排ガス浄化触媒装置1の作動にとって十分な尿素量を格別に迅速に融解することができる。残りの尿素溶液の融解は、尿素供給システム2の機能を損なうことなく、これよりも後の時点で行うことができる。融解容器9は、尿素タンク3の中の液体に接する外壁を有している。この方策は、融解容器9の中で尿素溶液が融解した後に熱が尿素タンク3へ放出され、そのようにして、融解容器9のためにも尿素タンク3のためにも、インサートヒータ8を利用することができるという利点を有している。
【0015】
接続配管6を介して、融解容器9からも尿素タンク3の残りの部分からも、尿素溶液を吸入することができる。すなわち接続配管は吸入パイプにつながれており、吸入パイプは融解容器9を貫通して尿素タンク3へ突入し、一方の吸入開口部によって融解容器から、また第2の吸入開口部によって尿素タンクから、それぞれ尿素溶液を吸入することができる。これ以上の詳細は図2および図3に示されており、あとでこれらの図面との関連で説明する。融解容器9は図示しないオーバーフロー開口部を有しており、それにより、第2の接続部7を介して尿素溶液が吸入されるときに、フィードバック配管4によって改善された熱分布を、融解容器9の外部にある残りの尿素溶液の融解にも利用することができる。
【0016】
さらに尿素供給システム2は、空気圧縮機13を備える空気備蓄部12につながれた制御弁10と、尿素溶液および空気を調量された量だけ触媒装置1へ供給することができる調量弁14とを含んでいる。ポンプ5、弁9、10、18、および調量弁14は、プローブ16から触媒装置1の酸素分圧に関するデータを供給されるとともに温度検出器から尿素タンク3内の尿素温度に関するデータを供給される制御ユニット15によって制御される。または、溶液の送出圧力を利用することによって、空気備蓄部を使用することなく、尿素溶液を触媒装置へ直接的に調量供給することもできる。
【0017】
図2には、上に説明した尿素供給システム2に適したインサートヒータ8の実施例が示されている。このインサートヒータ8はハウジング20を有しており、その中に少なくとも1つの発熱体が配置されている。ハウジング20の中に複数の、たとえば2つの、PTC発熱体が配置されているのが好ましい。ハウジング20には、プラスチック製の吸入パイプ21が取り付けられている。吸入パイプ21は液体を吸入する役目を果たすものであり、その用途に即して供給配管につながれている。吸入パイプ21は、たとえば60〜80ショアAによるショア硬度をもつEPDMからなる、熱伝導性の高い弾性的なプラスチックパイプである。吸入パイプ21は図2では短縮して図示されている。その長さは少なくとも10cmであるのが好ましいが、これより大幅に長くてもよく、たとえば30cm以上、特に50cm以上であってもよい。
【0018】
吸入パイプ21は、ハウジング20を起点として延び、その中に配置された少なくとも1つの発熱体に電流を供給する、2つの電気的接続配線22、23を支持している。別の仕方で少なくとも1つの発熱体への接続が成立しているのであれば、原則として、ただ1つの電気的接続配線22があれば足りる。接続配線22、23は、抵抗発熱材料、好ましくは特殊鋼、たとえばV2A鋼やV4A鋼などを含むプラスチック外套を有している。このようにして作動時に、オーム抵抗発熱による接続配線22、23の発熱が行われる。接続配線22、23から放出される熱は、これらを支持する接続パイプ21およびその直接の周辺へと放出され、それにより、その中に含まれている氷が迅速に融解し、液体が吸い込まれるときに圧力補償を行うことができる間隙を溶解によって空けることができる。接続配線22、23は、吸入パイプ21で支持されている区域では、1メートルあたり0.3Ω〜2.5Ωの抵抗をそれぞれ有している。接続配線22、23の抵抗は、接続配線22、23が、作動時に、吸入パイプの長さ1メートルあたり15W〜40Wの発熱出力をそれぞれ放出するように選択されているのが好ましい。
【0019】
接続配線22、23の最善の抵抗は、車両の車内電源電圧に依存して決まる。乗用車向けのインサートヒータ8の場合、接続配線22、23は1メートルあたり0.4Ω〜0.6Ωの抵抗をそれぞれ有しているのが好ましく、商用車(トラック)向けのインサートヒータ8の場合には1メートルあたり1.7Ω〜2.5Ωである。
【0020】
接続配線22、23は単純な線材として構成されていてよいが、リッツ線を使用するほうが好ましい。なぜならリッツ線は、線材と同じ断面積で、高い柔軟性を有しているからである。
【0021】
図2に示すように、吸入パイプ21は、ハウジング20を起点として吸入方向へ自立式に延びて、接続配線22、23を支持する区域を有している。吸入パイプ21の別の区域はハウジング20で支持されている。この支持される区域は、好ましくはΩ形の断面を有するハウジング20の溝に挿入されている。吸入パイプ21の自立式の区域は、支持される区域よりも少なくとも2倍長く、好ましくは少なくとも3倍長い。このようにして、吸入パイプ21が撓曲することができ、吸入方向と反対を向いているほうの吸入パイプの端部の向きを、ハウジング20に対して相対的に変えることができる。このことは、尿素タンクへのインサートヒータ8の設置を容易にするばかりでなく、液体が凍結したときに生じる氷の圧力のせいで吸入パイプ21が損傷することがなく、また、凍結した液体によって引き起こされる曲げ運動に損傷を受けることなく耐えられることにもつながる。接続配管22、23が少なくとも10cmの長さで、特に少なくとも20cmの長さで、好ましくは少なくとも30cmの長さで、吸入パイプ21に沿って延びており、吸入パイプで支持されていると特別に好ましい。
【0022】
図示した実施例では、接続配線23は吸入パイプ21の外套面に配置されている。従って、接続配線23から遊離した熱は特にこれに接する氷へと放出されるので、吸入パイプ21に沿って、溶解により格別に迅速に通路を空けることができる。吸入パイプ21およびその外套面に配置された接続配線23は、接続配線23を吸入パイプ21に押し付けるプラスチック外装24で取り囲まれている。プラスチック外装24は熱収縮チューブであるのが好ましい。そのようにして、接続配線23と吸入パイプ21との格別に優れた熱結合を実現することができるので、オーム抵抗発熱体としての接続配線23によって生成される熱を、吸入パイプ21へより良く放出することもできるからである。
【0023】
他方の接続配線22は、もっとも単純な場合には溝として構成されていてよい、吸入パイプ21の通路の中に配置されている。他方の接続配線22は通路の中で全周を取り囲まれているのが好ましく、この場合、吸入パイプ21は液体を輸送するためのさらに別の通路を有している。このようにして、接続配線22と吸入パイプ21との格別に良好な熱結合が成立する。接続配線22のための通路を構成するために、または、既存の通路を開口させて、接続配線22をより容易に通路へ挿入できるようにするために、吸入パイプ21の外套面に刻み目をつけることができ、それにより、接続配線22が中に挿入されるスリットが生じる。
【0024】
こうして形成されたスリットの縁部は、ゴム弾性的なプラスチックを使用していれば接続配線22の挿入後に自然に閉じるので、吸入パイプ21は長手方向に延びる継目26を有することになり、その継目の背後に接続配線22を備える通路が延びることになる。この継目は、たとえば溶接により、物質接合によって追加的に閉じることができる。接続配線22のための上述した通路を形成するために、吸入パイプ21は、液体輸送をする通路まで達する破断部が生じない程度にのみ、刻み目がつけられる。図示した実施例では、両方の接続配線22、23は巻回されずに、すなわち実質的に直線状に、吸入パイプ21の長手方向に延びている。
【0025】
吸入パイプ21の外套面に刻み目をつけることによってスリットをつくる代わりに、たとえば押出成形により、接続配線22、23を中に挿入することができる開いた外套面を備える吸入パイプを製作することもできる。
【0026】
図示した実施例では、吸入パイプ21は、接続配線22のための通路と並んで、ただ1つではなく2つの別々の通路を液体輸送のために含んでいる。すなわち吸入パイプ20はその吸入端部が、インサートヒータ8のハウジング20から外へ突出している。図1に示すように、図示したインサートヒータ8が、尿素タンク3の中に配置された融解容器9の中に設置されているとき、吸入パイプ21はその吸入端部が用途に即して融解容器9の開口部(図示せず)を貫通して、尿素タンク3の中へ突入する。図2に示すように、吸入パイプ21の外套面には吸入開口部25があり、この吸入開口部を通して、液体輸送のための両方の通路のうちの一方へ液体を吸入することができる。液体輸送をするための第2の通路は、用途に即して尿素タンク3に突入している吸入パイプ21の端部に吸入開口部25を有している。
【0027】
図3には、図2に示している吸入パイプ21の断面A−Aに沿った断面図が模式的に示されている。この図面に見られるように、吸入パイプ21は3つの別々の通路を含んでいる。これらの通路のうち吸入パイプの液体輸送通路31では、その中に配置された接続配線22と、当該通路31を閉止する継目26とが図示されている。液体輸送をするための両方の通路27、28も、図3に同じく示されている。吸入パイプ21の吸入端部では、通路28は閉止されている。この通路27、28には、図2に示す吸入開口部25を通って液体が到達することができるからである。用途に即した組付けがなされているとき、通路(吸入パイプの液体輸送通路)27の開口部を通じて液体を尿素タンク3から吸入することができる。
【0028】
吸入開口部25は、吸入パイプ21の吸入端部から少なくとも1cm、好ましくは数cm離れている。インサートヒータ8が用途に即して融解容器9の中に配置されているとき、吸入開口部25を通じて液体を融解容器から、また、第2の液体輸送通路の吸入開口部(吸入パイプの液体輸送通路)27を通じて液体を尿素タンク3から、それぞれ吸入することができる。このようにして、尿素タンク3の中で液体が凍結したときには、液体が融解容器9から自動的に輸送される。
【0029】
吸入パイプ21の両方の液体輸送通路27、28の断面積の比率を選択することにより、簡単なやり方で、液体輸送の定義された流動比率を成立させることができる。
【0030】
インサートヒータ8のハウジング20は、腐食作用のある尿素溶液からハウジングを防護するプラスチック外套を有する金属ハウジングである。ハウジング20を起点として延びる接続配線22、23は、液体がハウジング20の中へ侵入する可能性がある、潜在的な漏れ部位を形成している。従って図示した実施例では、ハウジング20は接続配線22、23を取り囲むシール材によって、液体が侵入しないように封止されている。
【0031】
図4は、ハウジング20の封止部と接続配線22、23を模式的に示している。接続配線22、23は、接続配線22、23に外嵌されたプラスチック成形品であるシール材29でそれぞれ取り囲まれている。
【0032】
図4に示すように、シール材を形成するプラスチック成形品29は、同じく接続配線22、23に外嵌されたプラスチックキャップ30を支持している。プラスチック成形品29は、接続配線22、23を取り囲むテーパ状の区域と、これよりも幅広の底面リングとを有している。テーパ状の区域は、ハウジング20から離れていくほうを向く、プラスチックキャップ30で取り囲まれた先細の端部を有している。プラスチックキャップ30は組立時にプラスチック成形品29に上から押し嵌められ、それにより、プラスチック成形品はテーパ状の区域があることで、接続配線22、23のプラスチック外套に対して封止をするように押圧される。このようにして、プラスチック成形品29はそれぞれの接続配線22、23を、プラスチックキャップ30で取り囲まれた区域で取り囲み、このとき、プラスチックキャップ30から及ぼされる圧着力は、接続配線22、23に沿ってハウジング20に向かうにつれて増大していく。このことは、プラスチックキャップ30が円錐台状に狭くなる内部空間を有しており、この内部空間に、円筒状の区域またはそれほど強く先細になっていない区域を備えるプラスチック成形品29が押し込まれることによっても実現することができる。
【0033】
底面リングはハウジング20に対して封止をする。プラスチックキャップ30が組立時に図4に示す位置に達すると、プラスチックキャップ30はハウジング20のプラスチック外套と物質接合により結合され、好ましくは溶接される。特にプラスチック外套20とプラスチックキャップ30との溶接により、信頼度の高い封止を惹起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】自動車の排ガス浄化触媒装置のための本発明による尿素供給システムを示す模式図である。
【図2】図1に示す尿素供給システムのインサートヒータの一実施例を示す模式図である。
【図3】図2のA−A断面に沿った吸入パイプの断面図である。
【図4】加熱ハウジングにおける電気的接続配線の封止部を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
1 排ガス浄化触媒装置
2 尿素供給システム
3 尿素タンク
4 フィードバック配管
5 ポンプ
6、11 接続配管
7 接続配管6の接続部
8 インサートヒータ
9 融解容器
10 制御弁
12 空気備蓄部
13 空気圧縮機
14 調量弁
15 制御ユニット
16 プローブ
18 弁
20 ハウジング
21 吸入パイプ
22 電気的接続配線
23 電気的接続配線
24 プラスチック外装
25 吸入開口部
26 継目
27、28、31 吸入パイプの液体輸送通路
29 プラスチック成形品(シール材)
30 プラスチックキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を融解するためのインサートヒータであって、
ハウジング(20)の中に配置された少なくとも1つの発熱体と、
液体に浸けるために前記ハウジング(20)に取り付けられたプラスチック製の吸入パイプ(21)と、
前記ハウジング(20)を起点として前記吸入パイプ(21)に沿って延びる少なくとも1つの電気的接続配線(22、23)とを備えてなる、インサートヒータにおいて、
前記吸入パイプ(21)は少なくとも1つの前記接続配線(22、23)を支持していることを特徴とするインサートヒータ。
【請求項2】
前記吸入パイプ(21)は、前記ハウジング(20)を起点として吸入方向に自立式に延びて少なくとも1つの前記接続配線(22、23)を支持する区域を有していることを特徴とする請求項1記載のインサートヒータ。
【請求項3】
前記吸入パイプ(21)は前記ハウジング(20)で支持される別の区域を有しており、自立式の前記区域は支持される前記区域より少なくとも2倍長く、好ましくは少なくとも3倍長いことを特徴とする請求項2記載のインサートヒータ。
【請求項4】
前記吸入パイプ(21)は、液体を輸送するための通路(27、28)と、少なくとも1つの前記接続配線(22)が中に配置された別の通路(31)とを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項5】
前記吸入パイプ(21)は継目(26)を有しており、該継目の背後に前記別の通路(31)が少なくとも1つの前記接続配線(22)とともに延びていることを特徴とする請求項4記載のインサートヒータ。
【請求項6】
少なくとも1つの前記接続配線(22、23)は前記吸入パイプ(21)の外套面に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項7】
第1の接続配線(22)は前記別の通路(31)に配置されており、第2の接続配線(23)は前記吸入パイプ(21)の外套面に配置されていることを特徴とする請求項4および6記載のインサートヒータ。
【請求項8】
前記吸入パイプ(21)はプラスチック外装(24)で取り囲まれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項9】
前記プラスチック外装(24)は熱収縮チューブであることを特徴とする請求項8記載のインサートヒータ。
【請求項10】
少なくとも1つの前記接続配線(22、23)はリッツ線であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項11】
少なくとも1つの前記接続配線(22、23)は抵抗発熱材料でできており、好ましくは特殊鋼でできていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項12】
少なくとも1つの前記接続配線(22、23)は1メートルあたり0.3Ω〜2.5Ωの電気抵抗を有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項13】
少なくとも1つの前記接続配線(22、23)はプラスチック外套で取り囲まれていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項14】
前記ハウジング(20)はプラスチック外套を備える金属ハウジングであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項15】
前記ハウジング(20)は少なくとも1つの前記接続配線(22、23)を取り囲むシール材(29)によって液体の侵入に対して封止されており、前記シール材(29)は前記接続配線(22、23)に外嵌されたプラスチック成形品であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項16】
前記プラスチック成形品(29)はプラスチックキャップ(30)を支持していることを特徴とする請求項15記載のインサートヒータ。
【請求項17】
前記プラスチックキャップ(30)は前記ハウジング(20)のプラスチック外套と溶接されていることを特徴とする請求項14および16記載のインサートヒータ。
【請求項18】
前記プラスチック成形品(29)は、前記プラスチックキャップ(30)で取り囲まれた区域で少なくとも1つの前記接続配線(22、23)を取り囲んでおり、前記プラスチックキャップ(30)から及ぼされる圧着力は前記接続配線(22、23)に沿って前記ハウジング(20)に向かうにつれて増大することを特徴とする請求項16または17記載のインサートヒータ。
【請求項19】
前記プラスチック成形品(29)は、前記ハウジング(20)から離れるほうを向いていて前記プラスチックキャップ(30)で取り囲まれている先細になった端部を有するテーパ状の区域によって、少なくとも1つの前記接続配線(22、23)を取り囲んでいることを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項20】
少なくとも1つの前記接続配線(22、23)は巻回されずに前記吸入パイプ(21)の長手方向に延びていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のインサートヒータ。
【請求項21】
特に自動車の内燃機関の排ガス浄化触媒装置(1)のための尿素供給システムであって、
尿素溶液を収容するための尿素タンク(3)と、
凍結した尿素溶液を融解するための請求項1〜20のいずれか1項に記載のインサートヒータ(8)と、
前記インサートヒータ(8)の吸入パイプ(21)を前記排ガス浄化触媒装置(1)と接続する接続配管(6、11)と、
前記接続配管(6、11)を通じて尿素溶液を前記尿素タンク(3)から前記触媒装置(1)へ送り出すためのポンプ(5)と、
前記接続配管(22、23)から分岐して前記尿素タンク(3)へと通じるフィードバック配管(4)とを備えている、そのような尿素供給システムにおいて、
前記フィードバック配管(4)は、作動時に前記フィードバック配管(4)から外に出る尿素溶液が前記吸入パイプ(21)を伝って流れ落ちるように構成されて配置されていることを特徴とする尿素供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−293978(P2008−293978A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135919(P2008−135919)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(508155284)アイヘナウアー ハイゼレメンテ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】