説明

インターフェロン−アルファ誘導遺伝子

本発明はSEQ.ID.No.1に記述されたcDNA配列に対応するインターフェロン-投与により上方調節される遺伝子の同定に関係する。この遺伝子の発現産物の測定は1型インターフェロン受容体に作用するインターフェロン及び他のインターフェロンによる治療に対する反応性を予測するのに有用性があると提案されている。同遺伝子によりコードされるタンパク質の治療的使用も意図されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、これまでそのコード配列が不明と考えられていた、インターフェロン-α(IFN-α)投与により上方調節されるヒト遺伝子の同定に関係する。この遺伝子の発現産物の検出は、1型インターフェロン受容体に作用するIFN-α及びその他のインターフェロンに対する感受性の予測に用途が発見される可能性がある。その遺伝子にコードされた新規単離タンパク質の治療上の用途も意図されている。
【背景技術】
【0002】
IFN-αは多数の疾患の治療に広く使用されている。IFN-αを使用して治療される疾患には、白血病、リンパ腫のような新生物疾患、及び固形腫瘍、AIDS随伴カポジ肉腫及び慢性肝炎のようなウイルス感染が含まれる。IFN-αは、自己免疫、マイコバクテリア、神経変性、寄生虫及びウイルスによる疾患の治療のために口腔粘膜経由の投与も提案されている。特に、IFN-αは、例えば、多発性硬化症、癩、結核、脳炎、マラリア、頚部癌、生殖器ヘルペス、B型及びC型肝炎、HIV,HPV及びHSV-1及び-2の治療に使用することが提案されている。また関節炎、狼瘡及び糖尿病の治療も示唆されている。多発性骨髄腫、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、低度リンパ腫、T-細胞皮膚リンパ腫、カルシノイド腫瘍、頚部癌、カポジ肉腫を含む肉腫、腎腫瘍、腎細胞カルシノーマを含むカルシノーマ、肝細胞性カルシノーマ、鼻咽頭のカルシノーマ、血液の癌、結腸直腸の癌、神経膠質母細胞腫、喉頭乳頭腫、肺癌、結腸癌、悪性黒色腫及び脳腫瘍のような新生物疾患も口腔粘膜経路、すなわち、経口又は鼻腔経路によるIFN-αの投与による治療が可能であることが示唆されている。
【0003】
IFN-αは1型インターフェロンファミリーの一員であり、1型インターフェロン受容体と相互作用することによりその特徴的生物活性を発揮する。その他の1型インターフェロンにはIFN-β,IFN-ω及びIFN-τが含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
不幸にして、インターフェロン-αのような1型インターフェロンによる治療に対して可能性のある患者、特に、例えば、慢性ウイルス性肝炎、新生物疾患及び再発緩和を繰り返す多発性硬化症の患者が全て1型インターフェロン治療に好ましい反応をすることは無くて、反応する患者の一部のみが長期的利益を示す。1型インターフェロン治療の治療結果について医師が確信を持って予測できないことは、高価な生物学的治療薬の浪費及び治療時間の喪失の点のみならず、患者が暴露される重篤な副作用の点からも費用対利益の問題に関わってくる。さらに、IFN-αの異常生産が多数の自己免疫疾患に伴うことが示されてきた。これ等の理由から、1型インターフェロンは多数の遺伝子の発現を制御することによりその治療作用を発揮しているので、1型インターフェロンに応答する遺伝子を同定するとことに非常に興味がある。実際、患者が治療に対して好ましい反応をするか否かを決定する、1型インターフェロンに誘導される遺伝子発現の特定のパターンがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
口腔粘膜経路又は静脈内のIFN-αの投与により上方調節されたマウス遺伝子に対応するヒト遺伝子cDNAが今同定されそしてこれは新規DNAを示すと考えられる。したがってこの対応するヒト遺伝子は今IFN-α上方調節遺伝子とも呼ばれる。
【0006】
HuIFRG 217.1遺伝子は1,933アミノ酸のタンパク質をコードしており、そして以降HuIFRG 217.1タンパク質と呼ばれる。このタンパク質は、全て機能が不明である1298アミノ酸タンパク質(KIAA268)、419アミノ酸タンパク質(AK022542)及び556アミノ酸タンパク質(AK00177C)と相同性を示す。これ等のタンパク質の配列は公開され、例えばGenBankTMデータベースから入手可能である。HuIFRG 217.1タンパク質は、そのアミノ酸配列がSEQ ID NO:4として示されている、以前公開したHuIFRG 70 として知られているポリペプチドにも関係している。HuIFRG 217.1及びHuIFRG 70は同じ遺伝子の異なる転写物である。HuIFRG 70転写物はHuIFRG 217.1成熟タンパク質の短縮変異体であると考えられる。HuIFRG 217.1の存在は以前には認識されなかった。HuIFRG 217.1タンパク質、及びその機能的変異体は治療薬、特に抗-ウイルス、抗-腫瘍又は免疫調節薬として使用することが意図されている。例えば、それらを自己免疫、マイコバクテリア、神経変性、寄生虫及びウイルスによる疾患、関節炎、糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、癩、結核、脳炎、マラリア、頚部癌、生殖器ヘルペス、B型及びC型肝炎、HIV,HPV及びHSV-1及び-2、又は多発性骨髄腫、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、低度リンパ腫、T-細胞皮膚リンパ腫、カルシノイド腫瘍、頚部癌、カポジ肉腫を含む肉腫、腎腫瘍、腎細胞カルシノーマを含むカルシノーマ、肝細胞性カルシノーマ、鼻咽頭のカルシノーマ、血液の癌、結腸直腸の癌、神経膠質母細胞腫、喉頭乳頭腫、肺癌、結腸癌、悪性黒色腫及び脳腫瘍のような新生物疾患の治療に使用することができる。言い換えると、該タンパク質は1型インターフェロンで治療しうるどの疾患の治療にも用途を見出すであろう。
【0007】
1型インターフェロンで治療した患者、例えば、口腔粘膜経路により、例えば、IFN-αで治療した患者の細胞検体におけるHuIFRG 217.1タンパク質又は天然に存在するその変異体、又は対応するmRNAのレベルの測定は該治療に対する応答を予測するためにも使用することができる。その代わりに、そしてより好ましくは、該応答は、例えば、インビトロにおいてヒト末梢血単核細胞の検体を1型インターフェロンで処理し、そして発現産物、好ましくはHuIFRG 217.1遺伝子に対応するmRNAが上方調節されるか下方調節されるかを見て判断することができる。
【0008】
本発明の最初の態様により、下記からなる単離ポリペプチドが提供される;
(i) SEQ ID NO;2のアミノ酸配列;
(ii) (i)の配列のアレル又は種変異体;
(iii) SEQ ID NO;2の全長にわたり少なくとも60%同一性を有しそして免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性から選択された実質的に同じ機能を有する(i)の配列の変異体;又は
(iv) SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:4の配列のアレル又は種変異体又はそれらのフラグメントのいずれのアミノ酸配列を持たず;そして免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性から選択された実質的に同じ機能を保持している(i)又は(ii)のフラグメント。
【0009】
本発明はまた、ヒトまたは非ヒト動物の治療に使用するために、特に抗-ウイルス、抗-腫瘍又は免疫調節薬として使用するために該タンパク質を提供する。既に示したように、該使用は1型インターフェロンで治療しうるいずれの疾患にも拡張することができる。
【0010】
本発明の他の態様により、既に定義した本発明のポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチド又はその相補体が提供される。該ポリヌクレオチドは典型的に下記からなる配列を含むであろう:
(a)SEQ ID NO.1の核酸又はそのコード配列及び/又はそれに相補的な配列;
(b)(a)に定義した配列に相補的な配列に、例えば、ストリンジェント条件下にハイブリダイズする配列;
(c)(a)又は(b)に定義した配列に対して遺伝子コードの結果として縮重している配列;
(d)(a),(b)又は(c)に定義された配列と少なくとも60%の同一性を持つ配列。
【0011】
本発明のポリヌクレオチドは典型的に上に記述されたポリヌクレオチドであるが下記から選択されたポリペプチドはコードしないであろう:
(i) SEQ ID NO:4のアミノ酸配列;
(ii) 免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性から選択された実質的に同じ機能を有するその変異体;又は
(iii) 免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性から選択された実質的に同じ機能を有する(i)又は(ii)のフラグメント。
【0012】
本発明のポリヌクレオチドは典型的に下記を含まないであろう:
(a)SEQ ID NO:3の核酸配列又はそのコード配列及び/又はそれに相補的な配列;
(b)(a)に定義した配列にハイブリダイズする配列;
(c)(a)又は(b)に定義した配列と遺伝子コードの結果として縮重している配列;又は
(d)(a)(b)又は(c)に定義した配列と少なくとも60%の同一性を持つ配列。
【0013】
本発明は下記も提供する;
-本発明のポリヌクレオチドからなりそして本発明のポリペプチドを発現することができる発現ベクター;
-本発明の発現ベクターを含む宿主細胞;
-本発明のポリペプチドに特異的な抗体;
-HuIFRG 217.1タンパク質又はその部分変異体の有効量を該患者に投与することからなる、1型インターフェロンで治療しうる疾患を持つ患者の治療方法;
-抗-ウイルス又は抗-腫瘍又は免疫調節薬として治療に使用するための、特に1型インターフェロンにより治療しうる疾患の治療に使用するための医薬品の製造における該ポリペプチドの使用;
-本発明のポリペプチド及び医薬として受容しうる担体又は希釈剤からなる医薬組成物;
-本発明の宿主細胞をポリペプチドを発現させるのに適した条件下に維持しそして該ポリペプチドを単離することからなる本発明のポリペプチドを製造する方法;
-ヒト又は非ヒト動物の治療に使用するための、特に抗-ウイルス、抗-腫瘍又は免疫調節薬として使用するための上記に定義したポリペプチドのインビボ発現を指令する、例えば発現ベクターの形の本発明のポリヌクレオチド;
-該ポリヌクレオチド及び医薬として受容しうる担体又は希釈剤からなる医薬組成物;
-該患者に該ポリヌクレオチドの有効量を投与することからなる1型インターフェロンで治療しうる疾患を持つ個体の治療方法;
-抗-ウイルス、抗-腫瘍又は免疫調節薬として治療に使用するための、特に1型インターフェロンで治療しうる疾患の治療に使用するための医薬品の製造における該ポリヌクレオチド、例えば、ベクター調製品の使用;
- HuIFRG 217.1タンパク質又は天然に存在するその変異体を発現することができる細胞を提供し、該細胞を試験する化合物とインキュベートし、そしてHuIFRG 217.1遺伝子発現の上方調節を監視することからなる免疫調節活性及び/又は抗ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性を有する化合物を同定する方法。
【0014】
さらに他の態様において、本発明は、該検体が1型インターフェロン、例えば、口腔粘膜経路又は静脈内投与によるIFN-αの投与を受けた該患者から得られたか、又は該測定の前にインビトロにおいてIFN-αのような1型インターフェロンにより処理されている、該患者の細胞検体、例えば、血液検体中のHuIFRG 217.1タンパク質又は天然に存在するその変異体、例えば、アレル変異体、又は対応するmRNAのレベルを測定することからなる1型インターフェロンによる治療、例えば、(口腔粘膜経路又は例えば、静脈内、皮下、又は筋肉内の非経口経路によるIFN-α治療のような)IFN-α治療に対する患者の反応性を予測する方法を提供する。本発明はまた該試験を実施するためのキットにも及ぶ。
【0015】
発明の詳細な説明
上記に示したように、ヒトタンパク質HuIFRG 217.1及びその機能的変異体は今治療上有用な薬物、特に抗-ウイルス、抗-腫瘍又は免疫調節薬としての使用が意図されている。
【0016】
この目的のためのHuIFRG 217.1タンパク質の変異体は天然に存在する変異体、アレル変異体か種変異体のいずれかであってよく、そしてそれらはHuIFRG 217.1タンパク質と実質的に同じ機能活性を有し、そしてIFN-αの投与に応答して上方調節もされる。そのほかには、治療に使用するためのHuIFRG 217.1タンパク質の変異体はSEQ ID No.2から変化し、そして非天然変異体である配列を含むことができる。
【0017】
用語「機能的変異体」とは、HuIFRG 217.1タンパク質と本質的に同じ性質及び基本的機能を有するポリペプチドのことである。HuIFRG 217.1タンパク質の本質的性質は免疫調節タンパク質とみなすことができる。機能的変異ポリペプチドはさらに又はそのほかに抗-ウイルス活性/抗-腫瘍活性を示すことができる。
【0018】
目的とする抗-ウイルス活性は、例えば、次のように試験することができる。試験する変異体をコードする配列を、ウイルスパッキングシグナルΨ、及び薬物耐性マーカーを含むMoloneyマウス白血病ウイルス(MoMuLV)に由来するレトロウイルスベクターのようなレトロウイルスベクター中にクローニングする。高い力価の感染不全ウイルスを作製するために、ウイルス性gag及び pol遺伝子を含む汎親和性パッキング細胞系を、組換えレトロウイルスベクター及び水泡性口内炎ウイルスエンベロープ糖タンパク質を含むプラスミド、pVSV-Gで共トランスフェクションした(Burns et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84, 5232-5236)。次いでこの組換えウイルスをインターフェロン感受性繊維芽細胞又はリンパ芽球細胞にトランスフェクションするために使用し、次いで安定的に変異タンパク質を発現する細胞系を選別し、そして標準的なインターフェロンバイオアッセイにおいてウイルス感染に対する抵抗性を試験する(Tovey et al., Nature, 271, 622-625, 1978)。標準的増殖検定を使用する増殖抑制(Mosmann, T., J.Immunol. Methods, 65, 55-63, 1983)及び標準的技術を使用するMHCクラスI及びクラスII抗原の発現も測定することができる。
【0019】
求めるHuIFRG 217.1の機能的変異体は本質的にSEQ ID No.2の配列を含むことができる。SEQ ID No.2の機能的変異体は、SEQ ID No.2の少なくとも20、望ましくは少なくとも30、例えば少なくとも100連続アミノ酸又は全長にわたってSEQ ID No.2のアミノ酸配列と少なくとも60%から70%、好ましくは少なくとも80%又は少なくとも90%そして特に好ましいのは少なくとも95%、少なくとも97%又は少なくとも99%の同一性を有するポリペプチドでありうる。一態様において、求める機能的変異体はSEQ ID No.2の少なくとも20、好ましくは少なくとも30、例えば少なくとも100連続アミノ酸の領域にわたって該程度の相同性を示すが、SEQ ID No.4のアミノ酸配列に対しては該相同性を示さない。好ましくは求める機能的変異体はSEQ ID No.2の全長にわたって該程度の相同性を示す。例えば、変異体はSEQ ID No.2のアミノ酸配列の全長にわたって少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%そして好ましくは少なくとも95%、少なくとも97%又は少なくとも99%の同一性を示す。タンパク質の同一性を測定する方法は当業者によく知られている。
【0020】
アミノ酸置換は、例えば1,2又は3から10,20又は30個の置換を行うことができる。保存置換は、例えば次の表に従って行うことができる。二番目の列の同じブロックにあるアミノ酸及び望ましくは三番目の列の同じ行にあるアミノ酸は互いに置換することができる。
【表1】

【0021】
本発明に従って治療に使用する変異ポリペプチド配列は短いポリペプチド配列でありうる。例えば、少なくとも20アミノ酸又は50,60,70,80,100,150又は200アミノ酸までの長さのペプチドは、HuIFRG 217.1タンパク質の適当な生物活性を保持していることを前提として、本発明の範囲内に入ると考えられる。特に、排他的でなく、本発明のこの態様は、変異体が完全な天然に存在するタンパク質配列のフラグメントである場合も包含する。HuIFRG 217.1タンパク質の好ましいフラグメントは、SEQ ID No.4で示されているHuIFRG 70アミノ酸配列中には認められないHuIFRG 217.1アミノ酸配列の領域に由来する。該フラグメントは全くSEQ ID No.4に存在しないアミノ酸配列からなる。すなわち、該フラグメントはSEQ ID No.4のアミノ酸配列もそのフラグメントも含まないであろう。本発明の該フラグメントは、SEQ ID No.4の配列の一部を含んでおりそしてそのポリペプチドの末端を越えてさらに伸びてSEQ ID No.4でなくSEQ ID No.2に存在する追加のアミノ酸を含んでいるSEQ ID No.2のアミノ酸配列のフラグメントでありうる。
【0022】
抗-HuIFRG 217.1タンパク質抗体を作るために使用することができるHuIFRG 217.1タンパク質の修飾された形及びそのフラグメントは本発明に包含される。該変異体はHuIFRG 217.1タンパク質の抗原決定基を含むであろう。好ましくは、該変異体はHuIFRG 70タンパク質には存在しないHuIFRG 217.1タンパク質の抗原決定基を含むであろう。
【0023】
本発明のポリペプチドは化学的に修飾する、例えば、転写後に修飾することができる。例えば、それらはグリコシル化すること及び/又は修飾したアミノ酸残基を含むことができる。又それらはN-末端及び/又はC-末端に配列を追加することにより、例えば、精製を容易にするヒスチジン残基又はT7タグの供給により又は細胞膜中への侵入を促進する為のシグナル配列の追加により修飾することもできる。該修飾ポリペプチドは本発明の用語「ポリペプチド」の範囲内に入る。
【0024】
本発明のポリペプチドは明示する標識をつけることができる。明示する標識はポリペプチドが検出されることを可能にする適当な標識のいずれかでありうる。適当な標識には125I,35Sのような放射性アイソトープ又は酵素、抗体、ポリヌクレオチド及びビオチンのようなリンカーが含まれる。本発明の標識ポリペプチドは検定に使用することができる。該検定には固相基質に結合したポリペプチドを提供することが望ましい。本発明は容器に入れてキットの形に包装した該標識及び/又は固定化ポリペプチドにも関係する。このキットには任意に他の適当な試薬、対照又は説明書などを入れることができる。
【0025】
本発明のポリペプチドは合成的に又は組換えの方法により作製することができる。本発明の該ポリペプチドは修飾により天然に存在しないアミノ酸、例えば、Dアミノ酸を含むことができる。本発明の変異ポリペプチドはインビトロ及び/又はインビボにおける安定性を増加させるための修飾をすることができる。ポリペプチドが合成的方法により作製される場合には、該修飾は作製の間に導入することができる。ポリペプチドはまた合成的又は組換えによる作製のいずれかにより修飾することができる。
【0026】
多数の側鎖修飾がタンパク質修飾技術において知られておりそして本発明のポリペプチドに存在しうる。該修飾には、例えば、アルデヒドと反応して次いでNaBH4で還元することによる還元的アルキル化、メチルアセトイミデートによるアミド化又は無水酢酸によるアセチル化によるアミノ酸の修飾が含まれる。
【0027】
本発明のポリペプチドは実質的に単離された形になっているであろう。ポリペプチドはそのポリペプチドの意図する目的を妨害しない担体又は希釈剤と混合することができそしてそれでも実質的に単離されていると見なすことができることは理解されるであろう。本発明のポリペプチドは、一般的に調製品の重量の90%超、例えば、95%、98%又は99%超が本発明のポリペプチドである調製品中のポリペプチドからなる場合に実質的に精製された形とすることもできる。
【0028】
ポリヌクレオチド
本発明はHuIFRG 217.1タンパク質又はその変異体をコードする単離ヌクレオチド配列並びにそれに相補的な単離ヌクレオチド配列も含む。このヌクレオチドはゲノムDNA、合成DNA又はcDNAを含む、一本鎖又は二本鎖DNA又はRNAでありうる。望ましくはヌクレオチド配列はDNA配列、そして最も望ましいのはcDNA配列である。
【0029】
上記に示したように、該ヌクレオチドは典型的に以下からなる配列を含むであろう:
(a) SEQ ID No.1の核酸又はそのコード配列及び/又はその相補的配列;
(b) 例えば、ストリンジェント条件下に(a)に定義した配列に相補的な配列にハイブリッド形成する配列;
(c) 遺伝子コードの結果として(a)又は(b)に定義した配列に対して縮重している配列;
(d) (a)(b)又は(c)に定義した配列に少なくとも60%の同一性を持つ配列。
【0030】
適当なコード配列からなるポリペプチドはヒト細胞から単離されるか又は例としてSambrook et al.(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press に記述されているように、当業者によく知られている方法に従って合成することができる。
【0031】
本発明のポリヌクレオチドはその中に合成的又は修飾ヌクレオチドを含むことができる。多様な種類のポリペプチドの修飾は当業者に既知である。これにはメチルホスホン酸及びチオリン酸骨格、分子の3'及び/又は5'末端にアクリジン又はポリリシン鎖の付加が含まれる。該修飾は本発明のポリペプチドのインビボ活性又は寿命を改善するために行われる。
【0032】
典型的に本発明のポリヌクレオチドは、好ましくは選択された条件下にSEQ ID No.1のコード配列又はコード配列に対する相補体にハイブリッド形成することができるヌクレオチドの連続配列でありうるヌクレオチドの配列を含むであろう。本発明のポリヌクレオチドはSEQ ID No.1のコード配列のポリヌクレオチド配列の種又はアレル変異体でありうる。該ハイブリッド形成は背景以上の有意レベルで生じるであろう。背景ハイブリッド形成は、例えば、cDNAライブラリー中に他のcDNAが存在するために生じうる。本発明のポリヌクレオチドとSEQ ID No.1のコード配列又はコード配列に対する相補体の間の相互作用により発生するシグナルレベルは、典型的に他のポリヌクレオチドとSEQ ID No.1のコード配列の間の相互作用よりも少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍強いであろう。相互作用の強度は、例えば、32Pで放射能標識したプローブにより測定することができる。選択的ハイブリッド形成は典型的に低いストリンジェンシー(0.3 M 塩化ナトリウム及び0.03 Mクエン酸ナトリウム、約40℃)、中間ストリンジェンシー(例えば、0.3 M 塩化ナトリウム及び0.03 Mクエン酸ナトリウム、約50℃)又は高いストリンジェンシー(例えば、0.03 M 塩化ナトリウム及び0.03 Mクエン酸ナトリウム、約60℃)の条件を使用して達成することができる。
【0033】
好ましくは本発明のポリヌクレオチドはSEQ ID No.3に示されたポリヌクレオチド、そのコード配列、その相補体又はそのフラグメントではない。好ましくは、ポリペプチドは該選択条件下にSEQ ID No.1のコード配列又はその相補体にハイブリッド形成できるが、該選択条件下にSEQ ID No.3のコード配列又はコード配列の相補体にハイブリッド形成できない。
【0034】
SEQ ID No.1のコード配列はヌクレオチド置換、例えば、1,2又は3から10,25,50又は100置換により修飾することができる。修飾配列が翻訳されたときに、例えば前記表に示したようなアミノ酸の保存置換を生じる縮重置換及び/又は置換を行うことができる。SEQ ID No.1のコード配列は一つ又はそれ以上の挿入及び/又は削除及び/又は末端の片側又は両側への延長によりその他の又は追加の修飾をすることができる。
【0035】
SEQ ID No.1から選択されたDNA配列、そのコード配列及びそれに相補的なDNA配列に選択的にハイブリッド形成することができる本発明のポリヌクレオチドは、一般的に標的配列に対して少なくとも60%、好ましくは少なくとも70,80又は90%そしてさらに好ましくは少なくとも95%又は97%相同であるであろう。この相同性は典型的に少なくとも20、好ましくは少なくとも30、例えば少なくとも40,60又は100又はそれ以上の連続するヌクレオチドの領域に及ぶことができる。この相同性は標的配列の全長に及ぶことができる。好ましくは本発明のポリペプチドはSEQ ID No.1の配列又はその領域に対して該相同性を示すが、SEQ ID No.3の配列には該相同性を示さない。
【0036】
上記の相同性の程度及び最小限の大きさの組合せのいずれも本発明のポリヌクレオチドを定義するために使用することができるが、より厳密な組合せ(すなわち、より長い領域にわたるより高い相同性)が望ましい。従って、例えば25超、望ましくは30超のヌクレオチドにわたって少なくとも80%相同であるポリヌクレオチドは、40ヌクレオチドにわたって少なくとも90%の相同であるポリヌクレオチドと同様に適切であることが明らかとなるであろう。
【0037】
ここに言及したポリヌクレオチド又はタンパク質の同族体は相同性計算のよく知られた方法に従って決定することができる、例えば、タンパク質相同性はアミノ酸同一性に基づいて計算することができる(しばしば「ハードホモロジー」と言われる)。例えばUWGCGパッケージは、例えばデフォルトセッティングで使用される相同性計算のために使用することができるBESTFITプログラムを提供する(Devereux et al. (1984) Nucleic Acids Research 12, 387-395)。例えばAltschul S.F. (1993) J. Mol. Evol. 36, 290-300; Altschul, S.F. et al. (1990) J. Mol. Biol. 215, 403-10に記述されているように、PILEUP及びBLASTアルゴリスムを典型的にはデフォルトセッティングで相同性を計算したり、配列を整列したり、または同一または対応配列を同定したりするために使用することができる。
【0038】
BLAST分析を実行するためのソフトウエアはNational Center for Biotechnology Information (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を経由して誰でも入手できる。このアルゴリズムは、最初にデータベースの配列中の同じ長さの文字列と整列した時にマッチするかまたはある正の閾値スコアーTを満足する問題の配列中の短い長さWの文字列を同定することにより高スコアー配列対(HSP)を同定することが必要である。Tを近隣文字列スコア閾値という(Altschul et al.,上記)。このような最初の近隣文字列発見がそれを含むHSPを発見するための調査を開始する種として作用する。この文字列発見は各配列に沿って両方向に、累積整列スコアが増加する限り、拡張される。それぞれの方向における文字列発見の拡張は次の場合に中止される:累積整列スコアが最大に達した値から数値X低下する;1以上の負スコア残基の整列の累積のために累積スコアが零かそれ以下になる;または配列の端に達する。BLASTアルゴリズムパラメータW, T及びXは整列の感度及び速度を決定する。BLASTプログラムはデフォルトとして文字列長(W)を11、BLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff and Henikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 10915-10919を参照)整列(B)を50、期待値(E)を10、M=5、N=4及び両鎖の比較を使用する。
【0039】
BLASTアルゴリズムは二つの配列間の類似性について統計解析を行なう:例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5787を参照。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の一つの尺度は最小合計確率(P(N))であり、これは二つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然に生じる確率の指標を提供する。例えば、もし第一の配列を第二の配列と比較した際の最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、そして最も好ましいのは約0.001未満であるならば、その配列はもう一つの配列と類似している。
【0040】
本発明によるポリヌクレオチドはインビトロ、インビボ又はエクスビボで行うことができる本発明のタンパク質の生産に有用性がある。該ポリヌクレオチドの中の、本発明の目的タンパク質のコード配列は、選択された宿主細胞における目的タンパク質の発現を指令することができるプロモーター配列に作動的に連結している。該ポリヌクレオチドは一般的に発現ベクターの形になっているであろう。例えば免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性を持つ本発明のポリペプチドのインビボにおける発現を指令する発現ベクターの形の本発明のポリヌクレオチドは治療薬として使用することもできる。
【0041】
該目的の発現ベクターは組換えDNA技術における通常の手段に従って構築することができる。それらは、例えば、プラスミドDNAの使用を必要とする。それらには複製の起点が提供されるであろう。該ベクターは一つ又はそれ以上の選別マーカー遺伝子、例えば細菌プラスミドの場合にはアンピシリン耐性遺伝子を含むことができる。本発明のベクターのそのほかの特徴はタンパク質発現ができるように正しい方向に配置された適当なイニシエーター、エンハンサー及び例えば必要があればポリアデニレーションシグナルのようなそのほかの配列を含むことができる。その他の非プラスミドベクターは当業者には明らかであろう。これに関するその他の例については、再度Sambrook et al., 1989 (前出)が引用される。該ベクターには、例えば、ウイルスベクターがさらに含まれる。適当なウイルスベクターには単純ヘルペスウイルスベクター、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、(HPV-16 及び HPV-18 のような)HPVウイルス及び弱毒インフルエンザウイルスを含む複製不全レトロウイルスベクターが含まれる。
【0042】
プロモーター及びその他の発現調節シグナルは、発現が計画されている宿主細胞に適合するものを選択することができる。例えば、イーストプロモーターにはS. cerevisiae GAL4及びADHプロモーター、S. pombe nmtl及び adhプロモーターが含まれる。哺乳動物プロモーターとしてはカドミウムのような重金属に反応して誘導することができるメタロチオネインプロモーター及びβ-アクチンプロモーターが含まれる。SV40ラージT抗原プロモーター又はアデノウイルスプロモーターのようなウイルスプロモーターも使用することができる。使用することができるウイルスプロモーターの他の例には、Moloneyマウス白血病ウイルス長い末端反復(MMLVLTR)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)IEプロモーター、及びHPVプロモーター、特にHPV上流調節領域(URR)が含まれる。その他の適当なプロモーターは組換えDNA技術において当業者にはよく知られているであろう。
【0043】
本発明の発現ベクターはさらに本発明の目的のポリペプチドのコード配列を挟んで真核性ゲノム配列、望ましくは哺乳動物のゲノム配列、又はウイルスゲノム配列に相同な配列を提供する配列を含むことができる。これにより本発明の該ポリヌクレオチドを相同組換えにより真核細胞又はウイルスのゲノムの中へ導入することができるであろう。特に、ウイルス配列に挟まれた発現カセットを含むプラスミドベクターを、本発明のポリヌクレオチドを哺乳動物細胞中へ輸送するのに適したウイルスベクターを調製するために使用することができる。
【0044】
本発明はインビトロ細胞、例えば、HuIFRG 217.1又はその変異体を発現するように修飾された原核又は真核細胞も含む。該細胞はその中の宿主ゲノムにHuIFRG 217.1又はその変異体をコードするポリヌクレオチドが取り込まれている安定な、例えば、真核細胞系を含む。本発明の宿主細胞は哺乳動物細胞又は昆虫細胞、イーストのような下等真核細胞又は細菌細胞のような原核細胞でありうる。本発明のポリペプチドをコードするベクターの挿入により修飾することができる細胞の特別な例には哺乳動物HEK293T, CHO, Hela及びCOS細胞が含まれる。好ましくは細胞系は安定であるのみならず、ポリペプチドのグリコシル化を十分行うことができる細胞系を選択することができる。発現は、例えば、形質転換卵母細胞細胞において行うことができる。
【0045】
本発明のポリペプチドは遺伝子導入非ヒト動物、好ましくはマウスの細胞中において発現することができる。本発明のポリペプチドを発現することができる遺伝子導入非ヒト動物は本発明の範囲内に含まれる。
【0046】
本発明のポリヌクレオチドを、アンチセンス配列を生産させるためにアンチセンス方向に上記のようにベクターに挿入することもできる。アンチセンスRNA又は他のアンチセンスポリヌクレオチドは合成的方法により生産することもできる。
【0047】
ヒト又は非ヒト動物の治療に使用するための、例えば、SEQ ID No.2により定義されるアミノ酸配列又は天然に存在するその変異体のコード配列に対するアンチセンス配列をインビボで発現できる発現ベクターの形の、ポリヌクレオチドは本発明の追加の態様を構成すると考えられる。該ポリヌクレオチドはHuIFRG 217.1タンパク質上方調節に伴う疾患の治療に用途を見出すであろう。
【0048】
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドのcDNAの中にある配列を標的にした核酸増幅のためのプライマーのセット、例えば、PCR増幅のプライマーのセットにも及ぶ。本発明は本発明のポリペプチドのcDNA又はRNAの中の配列を標的にする、明示する標識、例えば、放射能標識又は酵素又はビオチンのような非放射能標識により標識された適当なプローブも提供する。該プローブは固相基質に結合することができる。該固相基質は、他の核酸、例えば、他の1型インターフェロン上方調節遺伝子、例えば、IFN-αの口腔粘膜又は静脈内投与に応じて上方調節されることが確認されている遺伝子に対応するmRNA又はその増幅産物に対するプローブを乗せたマイクロアレイ(また一般的には核酸プローブ、またはDNAチップと呼ばれている)でありうる。該マイクロアレイの構築方法はよく知られている(例えば、Affymax Technologies N.V.のEP-B 0476014及び0619321及びNature Genetics Supplement January 1999 entitled "The Chipping Forecast" 参照)。
【0049】
該プライマー又はプローブの核酸配列は好ましくは少なくとも10、好ましくは無くとも15又は少なくとも20、例えば少なくとも25、少なくとも30又は少なくとも40ヌクレオチドの長さであろう。しかし、40,50,60,70,100又は150ヌクレオチドの長さまで又はもっと長くてもよい。好ましくはプライマー又はプローブはHuIFRG 70タンパク質のcDNAの中には存在しないHuIFRG 217.1タンパク質のcDNAの中の標的配列に対して選択される。
【0050】
本発明のそのほかの態様は、HuIFRG 217.1遺伝子の突然変異、例えば一塩基多形(SNP)を同定するために本発明のプローブ又はプライマーを使用することである。
【0051】
上記に示したように本発明のさらに他の態様は、HuIFRG 217.1タンパク質または天然に存在するその変異体を発現できる細胞を用意し、該細胞を試験する化合物とインキュベートしそしてHuIFRG 217.1遺伝子発現の上方調節を監視することからなる免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性を持つ化合物を同定する方法を提供する。該監視はHuIFRG 217.1タンパク質または天然に存在するその変異体をコードするmRNAをプローブにより検出することにより可能である。そのほかにはHuIFRG 217.1タンパク質または天然に存在するその変異体の一つ又はそれ以上に特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントを使用することができる。
【0052】
抗体
その他の態様により、本名発明は、通常の技術により得られそして本発明のポリペプチドに対して特異的である抗体(例えばポリクロナール又は好ましくはモノクロナール抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体及び抗原結合能を保持したそのフラグメント)にも関係する。該抗体は、例えば、免疫沈降法による精製、単離又はスクリーニング法に有用でありそしてHuIFRG 217.1タンパク質またはその変異体の機能をさらに解明するための道具として使用することができる。それらは自身の権利として治療薬でありうる。該抗体は本発明のタンパク質の特異的抗原決定基に対して作ることが出来る。本発明の抗体はHuIFRG 217.1タンパク質に特異的に結合する抗体である。一態様において、該抗体はHuIFRG 217.1タンパク質の中の抗原決定基に特異的に結合するが、HuIFRG 70タンパク質には特異的に結合しない。それが特異的であるタンパク質とは高親和性で結合するが、他のタンパク質とは結合しないか又は低親和性でのみ結合する場合に、抗体はあるタンパク質に特異的に結合する。抗体の特異的結合能力を測定するための競合結合又は放射線免疫検定の多様なプロトコールはよく知られている。
【0053】
医薬組成物
本発明のポリペプチドは典型的に医薬として受容し得る担体または希釈剤と共に投与するために製剤化される。医薬用担体または希釈剤は、例えば、等張溶液であり得る。例えば、固体の経口用形態は活性化合物と共に、次の希釈剤を含むことができる、例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチ、またはジャガイモデンプン;潤滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウム、及び/またはポリエチレングリコール;結合剤、例えば、デンプン類、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニールピロリドン;分離防止剤、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギン酸塩またはデンプングリコール酸ナトリウム;発泡混合物;色素;甘味剤;レシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸のような湿潤剤;及び、一般的には、医薬製剤に使用される毒性のない薬理的に不活性の物質。該医薬製剤は既知方法、例えば、混合、顆粒化、錠剤化、糖-コーティング、またはフィルムコーティングの操作により製造することができる。
【0054】
経口投与用の液体分散体はシロップ、乳剤及び懸濁剤でありうる。シロップは担体として、例えば、サッカロースまたはサッカロースとグリセリン及び/またはマンニトール及び/またはソルビトールを含むことができる。
【0055】
懸濁剤及び乳剤は担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含むことができる。筋肉内注射用の懸濁剤または溶液は、活性化合物と共に、医薬品として受容し得る担体、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール類、例えば、プロピレングリコール、及びもし必要であれば、適当な量の塩酸リドカインを含むことができる。
【0056】
静脈内投与または点滴用の溶液は担体として、例えば、滅菌水を含むか、または好ましくは滅菌等張食塩水溶液の形態にすることができる。
【0057】
本発明に従って使用するためのHuIFRG 217.1タンパクまたはその機能的同族体の適当な用量は、種々のパラメータ、特に使用される物質;年齢、体重及び治療する患者の状態;投与経路;及び必要な治療法によって決定することができる。さらに、医師は個別の患者に必要な投与経路及び投与量を決めることができるであろう。典型的な1日用量は、特異的阻害剤の活性、年齢、体重及び治療する患者の状態、及び投与の回数及び経路により、約0.1から50 mg/kg、望ましくは0.1 mg/kgから10 mg/kg体重であり得る。好ましくは、1日用量レベルは5 mgから2 gであろう。
【0058】
治療用に適した本発明のポリヌクレオチドはまた典型的に医薬として受容し得る担体または希釈剤と共に投与するために製剤化されるであろう。該ポリヌクレオチドは、求めるポリペプチドの発現をインビボで達成することができる既知の技術のいずれかにより投与することができる。例えば、ポリヌクレオチドは、好ましくは皮内、皮下または筋肉内注射により導入することができる。その他には、核酸は粒子介在投与器を使用して皮膚を通して直接投与することができる。治療用核酸に適した本発明のポリヌクレオチドはその他に、例えば鼻腔内または経口投与より口腔粘膜表面に投与することもできる。
【0059】
治療用に適した本発明の非ウイルスベクターは、例えば、リポソーム中にまたは界面活性剤含有ベクター輸送粒子に詰め込むこともできる。本発明の核酸構築の取り込みは、例えば導入試薬の使用を含む既知の導入技術により促進することができる。これらの試薬の例としては、カチオン性試薬、例えばリン酸カルシウム及びDEAEデキストラン及びリポフェクタント、例えばリポフェクタム及びトランスフェクタムが含まれる。投与すべき核酸の投与量は変動し得る。典型的に、核酸は粒子介在遺伝子投与では1 pgから1 mg、好ましくは1 pgから10μg、そしてその他の経路では10μgから1 mgの範囲で投与されるであろう。
【0060】
1型インターフェロン反応性の予測
上記に示したように、本発明のその他の態様において、I型インターフェロンの投与後該患者から採取したかまたは該測定前にI型インターフェロンでインビトロ処理された該患者の細胞検体中のHuIFRG 217.1タンパクまたは天然に存在するその変異体、または対応するmRNAのレベルを測定することからなる、I型インターフェロンによる治療、例えば、経口腔粘膜または静脈内投与によるIFN-α治療のようなIFN-α治療に対する患者の反応性を予測する方法を提供する。
【0061】
好ましくは、反応性試験に使用するI型インターフェロンは治療のために選択されたI型インターフェロンであろう。それは提案された投与経路及び提案された治療用量で投与することができる。好ましくは、その後の分析用検体は、例えば、血液検体または血液検体から単離された末梢血単核細胞(PBMC)であろう。
【0062】
より便利で好ましいのは、患者から採取し、血液から単離したPBMCを含む検体をI型インターフェロンで、例えば、約1から10,000 IU/mlの用量範囲においてインビトロで処理することであろう。該処理は時間数で、例えば、約7から8時間であろう。該インビトロ試験の望ましい処理条件は正常提供者から採取したPBMCを試験しそして適当な発現生成物の上方調節を調べることにより決定することができる。繰り返しになるが、使用するI型インターフェロンは患者の治療に提案されているI型インターフェロン、例えば、組換えIFN-αであることが望ましい。その試験に使用するPBMCはFicoll-Hypaque密度勾配を使用して血液検体から通常の方法で単離することができる。I型インターフェロン反応性のインビトロ試験に適したプロトコールの例は下記例3に示されている。
【0063】
I型インターフェロンでのインビトロ処理後もし適するならば、検体をHuIFRG 217.1タンパクまたは天然に存在するその変異体のレベルについて分析することができる。これはHuIFRG 217.1タンパクまたは天然に存在するその変異体、例えば、その対立変異体の一つ又はそれ以上と特異的に結合することができる抗体を使用して行うことができる。しかし、HuIFRG 217.1タンパクまたは天然に存在するその変異体をコードするmRNAについて検体を分析することは好ましいであろう。該mRNA分析にはmRNAを検出する既知技術のいずれか、例えば、ノーザンブロット検出またはmRNAディフェレンシャルディスプレーを使用することができる。種々の既知核酸増幅プロトコールを、検出に先立って、検体中に存在する関心のmRNA、またはその部分の増幅に使用することができる。関心のmRNA、または対応する増幅された核酸は固相に接着した核酸プローブを使用して調べることができる。該固相支持体は上記に既に記述したようなI型インターフェロン上方調節遺伝子、例えば、IFN-αの経口腔粘膜または静脈内投与に反応して上方調節することが確認されている遺伝子に対応するその他のmRNAまたはその増幅生成物のレベルを測定するためのプローブを有するマイクロアレイであり得る。
【0064】
以下の実施例により本発明を説明する。
【0065】
実施例
実施例1
以前の実験において正常成獣マウスの鼻腔へP20エッペンドルフマイクロピペットを使用して5μlのクリスタルバイオレットを適用した結果、直ちに口腔咽頭腔の全表面への色素の分布を生じた。口腔咽頭腔の染色は色素適用後30分でもまだ明らかであった。この結果は同様に適用した125I-標識組換えヒトIFN-α1-8を使用することにより確認された。同じ投与方法は下記試験における口腔粘膜投与を行なうために使用された。
【0066】
6週齢雄DBA/2マウスをLife Technologies Incから購入した組換えマウスインターフェロンα(IFNα)100,000 IUの入ったリン酸緩衝食塩液(PBS)で、またはProtein Institute Incから購入した組換えヒトインターロイキン15(IL-15)の10μg、ウシ血清アルブミン(BSA)の100μg/mlを含むPBSのいずれかで処置するか、または無処置とした。8時間後マウスを頚椎脱臼により屠殺し、口腔咽頭腔から外科的にリンパ組織を採取し、液体窒素で急速凍結し、-80℃で保存した。RNAをChomczynski and Sacchi 1987(Anal. Biochem. 162, 156-159)の方法によりリンパ組織から抽出し、mRNAディフェレンシャルディスプレー分析(Lang, P. and Pardee, A.B., Science, 257, 967-971)を行なった。
【0067】
ディフェレンシャルディスプレー分析
ディフェレンシャルディスプレー分析はGenHunter Corporationの"Message Clean"及び"RNA image"キットを本質的にメーカーの説明に従って使用して行なった。簡単に述べると、RNAはRNA分解酵素を含まないDNA分解酵素で処理し、そして1μgを100μlの反応バッファー中で、3種の1塩基固定オリゴ-(dT)プライマーA,C,またはGの1つまたはその他を使用して、逆転写した。RNAはまた9種の2塩基固定オリゴ-(dT)プライマーAA,CC,GG,AC,CA,GA,AG,CG,GCの1つまたはその他を使用して逆転写した。比較すべき全検体を同一実験において逆転写し、分割して凍結した。増幅はわずか1μlの逆転写検体とTaq DNAポリメラーゼ及びα-33PdATP(3,000 Ci/mmole)を含む10μlの増幅混合液中において実施した。80種の5'末端(HAP)ランダム配列プライマーを(HT11)A,C,G,AA,CC,GG,AC,CA,GA,AG,CGまたはGCプライマーのそれぞれと組合わせて使用した。次いで検体を7%変性ポリアクリルアミドゲルに展開し、オートラジオグラフィーを行なった。ディフェレンシャル発現と推定されるバンドを切り出し、メーカー説明に従って再増幅を行ない、そしてINF投与、IL-15処理及び賦形剤処理動物の口腔咽頭腔から抽出したRNAのノーザンブロットとハイブリッド形成するためのプローブとして使用した。
【0068】
クローニング及び配列分析
ディフェレンシャルディスプレースクリーニングの再増幅バンドをpPCR-Script SK(+)プラスミド(Stratagene)のSfr 1部位にクローンニングし、cDNA末端の迅速増幅により増幅したcDNAをpCR3プラスミド(Invitrogen)中のTAクローニングにより単離した。DNAは自動ジデオキシシークエンサー(Perkin Elmer ABI PRISM 377)を使用して配列を分析した。
【0069】
ヒトcDNAの単離
ディフェレンシャルディスプレーにより同定されたディフェレンシャル発現したマウス3'配列を、United States National Center for Biotechnology Information (NCBI) のGenBankTMのdbESTデータベース中に存在するランダムヒト発現配列タグ(EST)と比較した。ディフェレンシャルディスプレースクリーニングから単離したマウスESTに関係する可能性のある配列をコンティグと組合せ、理論的cDNAに対応するヒト共通配列を構築するために使用した。そのcDNAの一つは4,135ヌクレオチドの長さであることが判明した。これは、組換えマウスIFN-αを経口腔粘膜投与したマウスの口腔内リンパ組織中にその発現が約5倍増強されることが判明しているマウスの遺伝子に相当するものであった。
【0070】
この理論的cDNAが真正のヒト遺伝子に対応することを確認するために、共通配列の5'及び3'末端から誘導したプライマーを使用してヒト末梢血白血球(PBL)から抽出したmRNAから特異的逆転写及びPCR増幅によりcDNAを合成した。予想したサイズの単一cDNAフラグメントが得られ、クローニングしそして配列分析した(SEQ.ID.No.3)。このヒトcDNAは、618アミノ酸のタンパク(SEQ. ID. No.4)をコードする1857 bp長のオープンリードフレーム(ORF)を36-1892の位置に含んでいる。この転写物をHuIFRG 70と命名した。
【0071】
このHuIFRG 70配列を使用して、配列相同性に基づくバイオインフォマティクスによりHuIFRG 217.1と命名された他のcDNAを単離した。HuIFRG 70をUnited States National Center for Biotechnology Information (NCBI) のGenBankのdbESTデータベース中に存在するランダムヒト発現配列タグ(EST)と比較した。HuIFRG 70に関係する可能性のある配列をコンティグに組合せて、理論的cDNAに対応するヒト共通配列を構築するために使用した。そのcDNAの一つは8,158ヌクレオチドの長さであることが判明した。
【0072】
この理論的cDNAが真正のヒト遺伝子に対応することを確認するために、共通配列の5'及び3'末端から誘導したプライマーを使用してヒト末梢血白血球(PBL)から抽出したmRNAから特異的逆転写及びPCR増幅によりcDNAを合成した。予想したサイズの単一cDNAフラグメントが得られ、クローニングしそして配列分析した(SEQ.ID.No.1)。このヒトcDNAは、1,933アミノ酸のタンパク(SEQ. ID. No.2)をコードする5,802 bp長のオープンリードフレーム(ORF)を101-5900の位置に含んでいる。この転写物をHuIFRG 217.1と命名した。
【0073】
実施例2
インビトロにおける1型インターフェロン反応性試験
ヒトDaudi細胞(確立したBリンパ芽球細胞系)をインビトロでPBSに溶解した10,000 IU/mlの組換えヒトIFN-α2(シェリング-プラウのイントロンA)、1,000 IU/mlの組換えIFN-γあるいは同容量のPBSのみで処理した。8時間後遠心分離(800 x g 10分間)し、細胞ペレットを回収した。総RNAをChomczynski and Sacchiの方法(Anal. Biochem.(1987) 162, 156-159)により細胞ペレットから抽出し、そして検体当たり総RNAの10.0μgをグリオキサールの存在下にノーザンブロット処理し、そしてDandoy-Dron et al.(J. Biol. Chem.(1998) 273, 7691-7697)により記述されているようにHuIFRG217.1 mRNAに対するcDNAプローブとハイブリッド形成させた。ブロットを最初オートラジオグラフィーに暴露し、次いでメーカー説明書に従ってPhospholmagerを使用して定量した。PBSのみで処理した検体に比較してIFN-α及びIFN-γで処理した細胞から抽出したRNA検体中にHuIFRG 217.1タンパク質の mRNAの増加(約5倍)が検出された。
【0074】
1型インターフェロンで治療することが提案されている患者から採取した末梢血単核細胞(PBMC)を使用して、1型インターフェロン反応性を予測するために同じ方法を使用することができる。
【0075】
配列の簡単な説明
SEQ.ID.No.1はヒトタンパク質HuIFRG 217.1のアミノ酸配列及びそれをコードするcDNA。
SEQ.ID.No.2はHuIFRG 217.1タンパク質のアミノ酸配列のみ。
SEQ.ID.No.3はヒトタンパク質HuIFRG 70のアミノ酸配列及びそれをコードするcDNA。
SE.ID.No.4はHuIFRG 70タンパク質のアミノ酸配列のみ。
【配列表】


























【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i) SEQ ID NO:2のアミノ酸配列;
(ii) (i)の配列のアレル又は種変異体;
(iii) SEQ ID NO:2の全長にわたって少なくとも60%の同一性を持ちそして免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性から選択された実質的に同じ機能を持つ(i)の配列の変異体;又は
(iv) SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:4の配列のアレル又は種変異体又はそのフラグメントのアミノ酸配列を持たずそして免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性から選択された実質的に同じ機能を保持している(i)又は(ii)のフラグメント、
から選択された配列からなる単離ポリペプチド。
【請求項2】
該ポリペプチド及び/又はそのアレル又は種変異体に対する特異的抗体を作るのに適したSEQ ID NO:2に記述されたアミノ酸配列により定義されたポリペプチドの変異体又はフラグメント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項4】
cDNAである請求項3に記載のポリヌクレオチド。
【請求項5】
ポリヌクレオチドは、
(a) SEQ ID NO:1の核酸配列又はそのコード配列及び/又はそれに相補的な配列;
(b) (a)に定義された配列にハイブリッド形成する配列;
(c) (a)又は(b)に定義された配列に対して遺伝子コードの結果として縮重している配列;又は
(d) (a)(b)又は(c)に定義された配列に少なくとも60%同一性を持つ配列、
からなる請求項1に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のポリペプチドを発現することができる請求項3から5のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列からなる発現ベクター。
【請求項7】
請求項6に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載のポリペプチドに対して特異的な抗体。
【請求項9】
請求項1に記載のポリペプチドのインビボ発現を指令する単離ポリヌクレオチド。
【請求項10】
ヒト又は非ヒト動物の治療に使用するための請求項1に記載のポリペプチド又は請求項9に記載のポリヌクレオチド。
【請求項11】
請求項1に記載のポリペプチド又は請求項9に記載のポリヌクレオチド及び医薬として受容しうる担体又は希釈剤からなる医薬組成物。
【請求項12】
抗-ウイルス、抗-腫瘍又は免疫調節薬として治療に使用するための医薬品の調製に請求項1に記載のポリペプチド又は請求項9に記載のポリヌクレオチドの使用。
【請求項13】
請求項1に記載のポリペプチド又は請求項9に記載のポリヌクレオチドの有効量を該患者に投与することからなる1型インターフェロンで治療しうる疾患を有する患者の治療方法。
【請求項14】
ポリペプチドの発現に適した条件下に請求項7に記載の宿主細胞を培養してポリペプチドを単離することからなる請求項1又は2に記載のポリペプチドを生産する方法。
【請求項15】
SEQ ID NO:2のポリペプチド又はSEQ ID NO:2の全長にわたり少なくとも60%同一性を持つその天然に存在する変異体を発現することができる細胞を用意し、該細胞を試験化合物とインキュベートして該ポリペプチド又は変異体をコードする遺伝子の上方調節を監視することからなる免疫調節活性及び/又は抗-ウイルス活性及び/又は抗-腫瘍活性を持つ化合物を同定する方法。
【請求項16】
ヒト又は非ヒト動物の治療に使用するためのSEQ ID NO:2で定義されるアミノ酸配列のコード配列又は該コード配列の全長にわたって少なくとも60%同一性を持つ該コード配列の天然に存在する変異体に対するアンチセンス配列をインビボで発現することができるポリヌクレオチド。
【請求項17】
治療に使用するための請求項8に記載の抗体。
【請求項18】
請求項4に記載のcDNAの中の配列を標的とする核酸増幅のためのプライマーのセット。
【請求項19】
請求項3から5のいずれか一つに記載のポリヌクレオチドに由来する核酸プローブ。
【請求項20】
固相基質に結合した請求項19に記載のプローブ。
【請求項21】
該検体が1型インターフェロンの投与を受けた該患者から得られたか又は検査に先立って1型インターフェロンでインビトロ処理され、該患者の細胞検体中のSEQ ID NO:2で記述されるアミノ酸配列によって定義されるタンパク質又はSEQ ID NO:2の全長にわたって少なくとも60%同一性を持つその天然に存在する変異体又は対応するmRNAのレベルを決定することからなる1型インターフェロンで治療する患者の反応性を予測する方法。
【請求項22】
該検体を得る前に投与されるか又は該検体をインビトロ処理するために使用されるインターフェロンが該患者を治療するために提案されているインターフェロンである請求項21に記載の方法。
【請求項23】
患者の血液検体から単離された末梢血単核細胞からなる検体を1型インターフェロンでインビトロ処理する請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
該測定がSEQ ID NO:2に記述された配列により定義されるタンパク質又はSEQ ID NO:2の全長にわたり少なくとも60%同一性を持つ該タンパク質の天然に存在する変異体をコードするmRNAのレベルを測定することからなる請求項21から23のいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載のポリペプチドを発現することができる遺伝子導入非ヒト動物。

【公表番号】特表2006−515505(P2006−515505A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−527056(P2004−527056)
【出願日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003502
【国際公開番号】WO2004/014950
【国際公開日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(502210552)ファーマ パシフィック プロプライエタリー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】