説明

インターロイキン−2タンパク質の循環半減期の増大

本発明は、融合タンパク質を含む、インターロイキン-2タンパク質のN-末端領域における2以上のアミノ酸置換に基づく新規なインターロイキン-2タンパク質、より具体的には、これらのインターロイキン-2タンパク質によって循環半減期を増加させる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にインターロイキン-2タンパク質に関する。より具体的には、本発明はインターロイキン-2タンパク質の循環半減期を増大させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターロイキン-2(IL-2)は身体の防御機構において重要な役割を果たす重要なサイトカインである。例えば、IL-2は抗腫瘍性免疫の惹起に関与する。腫瘍抗原に応答してヘルパーT細胞はIL-2を分泌する。分泌したIL-2は腫瘍抗原刺激部位で局所的に作用して細胞傷害性T細胞(CTL)およびナチュラルキラー細胞(NK)を活性化し、それによって全身的な腫瘍細胞破壊を媒介する。
ヒトの疾患を治療するためにインターロイキン-2(IL-2)融合タンパク質を使用することがよく確立されている。しかしながら、IL-2融合タンパク質の使用に伴うひとつの制限事項はそれらがかなり短い血清半減期を有するということである。実際、IL-2のin vivoにおける初期半減期は6分から12分間である(Andersonら、Clin. Pharmacokinet. 27(1):19-31 (1994))。
融合タンパク質は化学的または遺伝子操作によってこの分野で知られた方法を用いて作製することが出来る。化学的共役については、共役過程は分子上の異なる部位で起こることがあり、一般的にはこのことは一方または両方のタンパク質の機能に影響を与えうる種々の程度の改変を有する分子が生じさせる。一方、遺伝的融合を利用するとこの共役工程はより首尾一貫したものになり、どちらの構成成分の機能も両立させて維持した最終産物が生成される。例えば、Gilliesら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1428-1532 (1992)。
【発明の開示】
【0003】
(発明の概要)
本発明は、IL-2タンパク質(例えばヒトIL-2)のN-末端領域内の2以上のアミノ酸を改変すると、そのIL-2タンパク質は延長された血清半減期を有するという驚くべき観察結果に基づいている。好ましくは、このアミノ酸改変はIL-2タンパク質のN-末端領域の最初の10アミノ酸中のリジンを、非荷電側鎖を有するアミノ酸のようなリジンでないアミノ酸に置換することを含む。
一実施態様において、IL-2タンパク質の位置8のリジン(Lys8)および位置9のリジン(Lys9)が疎水性アミノ酸のような非リジンアミノ酸に置換される。例えば、Lys8およびLys9はトリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシンおよびバリンからなる群より選ばれる疎水性アミノ酸のいずれか1つで置換することができる。一実施態様において、Lys8およびLys9は同じ疎水性アミノ酸で置換することができる。例えば、Lys8およびLys9の両方をアラニンで置換することができる。あるいはLys8およびLys9を同一でないアミノ酸で置換することができる。例えば、Lys8をグリシンで置換し、Lys9をアラニンで置換することができる。
【0004】
別の実施態様において、IL-2の位置3のスレオニン(Thr3)はO-グリコシル化されている。ある状況下では、Thr3のO-グリコシル化はIL-2タンパク質の血清半減期を増大させるように作用する。従って、ある実施態様ではIL-2タンパク質のThr3は改変されない。他の実施態様ではIL-2タンパク質のThr3はセリンのようなO-グリコシル化され得る他のアミノ酸に改変される。
一実施態様において、IL-2タンパク質は融合タンパク質の一部となり、担体タンパク質を含む。一実施態様において、この担体タンパク質はIL-2タンパク質のN-末端部分に融合している。担体タンパク質とIL-2タンパク質の間にリンカーペプチドが挿入されていてもよい。
この担体タンパク質はIL-2に融合した任意のポリペプチドであり得る。一実施態様において、この担体タンパク質はアルブミン、例えば、ヒト血清アルブミンである。別の実施態様において、この担体タンパク質は免疫グロブリン(Ig)部分、例えば、Ig重鎖の一部を含むIg部分であり得る。
【0005】
一実施態様において、Ig部分のC-末端部の1以上のアミノ酸が疎水性アミノ酸で置換される。例えば、このIg部分は、C-末端リジンが置換されたIgG配列に由来する。好ましくは、IgG配列のC-末端リジンはアラニンのような非リジンアミノ酸で置換され、この融合タンパク質の血清半減期をさらに増大させる。他の実施態様において、このIg部分は少なくともIgG2のCH2ドメインまたはIgG4の定常領域を含む。他の実施態様において、このIg部分は少なくともIgG1定常領域の一部を含み、この領域中でLeu234、Leu235、Gly236、Gly237、Asn297およびPro331からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸が変異されまたは欠失している。好ましくは、これらの1以上のアミノ酸は疎水性アミノ酸によって置換される。他の実施態様において、このIg部分は少なくともIgG3定常領域の一部を含み、この領域中でLeu281、Leu282、Gly283、Gly284、Asn344およびPro378からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸が変異または欠失している。好ましくは、これらの1以上のアミノ酸は疎水性アミノ酸によって置換される。
【0006】
他の特徴において、本発明は本発明のIL-2タンパク質をコードする核酸、前記核酸を含む発現ベクター、またはこれらの構築物によってトランスフェクションされた細胞株、例えば、ミエローマに関する。
他の特徴において、本発明は本発明のIL-2タンパク質を調製する方法に関する。本方法は、上記IL-2タンパク質の発現を誘導すること、好ましくは本発明のIL-2タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターでトランスフェクションした細胞中で発現を誘導し、組換えタンパク質を得ることを含む。
他の特徴において、本発明は上述したIL-2タンパク質および製薬的に許容できる担体を含む組成物に関する。本発明はまた本発明のIL-2タンパク質を含む医薬組成物を投与することによって哺乳動物の疾病を治療する方法に関する。好ましい実施態様において、本発明の組成物は癌、ウイルス感染、または免疫異常に関する疾病を有するヒトを治療するために有用である。本発明の組成物はまた特定の型の細胞の生長(および増殖)を増強するために使用することができる。他の実施態様において、本発明は本発明のIL-2タンパク質をコードする核酸、または前記核酸を含む細胞を患者に投与することによって患者を治療する方法に関する。
【0007】
本発明は更にポリペプチド、例えば、免疫サイトカインまたはIl-2融合タンパク質のような融合タンパク質について、それらの上に存在するO-グリコシル化の程度に関するスクリーニング方法を特徴とする。本方法はO-グリコシル化部位を有するポリペプチドを提供すること、および、O-グリコシル化の程度を測定することを含む。O-グリコシル化レベルを対照と比較することによってそのポリペプチドの薬物動態学的特性を決定することができる。対照は、O-グリコシル化され、かつ既知の薬物動態学的特性を有する対応するポリペプチド(例えば免疫サイトカイン)である。
本明細書に開示された本発明のこれら、および他の目的、並びに利点および特徴は以下の記載、図面および請求の範囲によってより明瞭にされる。
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明はIL-2タンパク質のN-末端領域の2以上のリジン残基が非リジン残基に置換されると、IL-2タンパク質は延長された半減期を示すという発見に基づく。実際、IL-2タンパク質のLys8およびLys9を非リジン残基で置換すると変異のないIL-2タンパク質または一つのリジンだけを非リジン残基で置換したIL-2タンパク質に比べて血清半減期が劇的に増加する。この発見は特に治療的に有用なIL-2の形態を提供する。
好ましい態様においてIL-2タンパク質は担体タンパク質との融合タンパク質の一部である。一実施態様において、この担体タンパク質は融合タンパク質のN-末端側に置かれ、IL-2タンパク質はC-末端側に置かれる。この実施態様において、IL-2タンパク質のN-末端(リジン残基の改変を含む)は担体タンパク質とIL-2タンパク質の間の接合部付近に存在する。一実施態様において、2以上のリジンが、IL-2タンパク質のN-末端領域の最初の10、20、30、40または50アミノ酸中で改変される。
【0009】
本明細書において「改変」または「改変アミノ酸」とは、アミノ酸を他のアミノ酸で置換することをいう。好ましい実施態様において、この改変は融合タンパク質の接合部領域の疎水性を増大させる。例えば、この変位により荷電またはイオン化可能なアミノ酸が非荷電または疎水性アミノ酸に置換される(例えば、Lys、Argまたは他のイオン化可能な残基がAla、Leu、Gly、Tyr、Phe、Met、Trp又は他の非荷電または疎水性残基に置換される)。
理論に拘泥することは意図しないが、IL-2タンパク質のN-末端領域中に存在するリジンの改変によりIL-2タンパク質がタンパク質分解的に切断される速度が減少すると考えられている。プロテアーゼ消化は身体内からの無傷のタンパク質(融合タンパク質を含む)の消失に寄与し得ると考えられている。IL-2タンパク質のN-末端領域中のリジンを改変することによりタンパク質の一般的コンフォメーションの変化が生じ、これがこのタンパク質中の切断部位へのプロテアーゼの接近を制限すると考えられている。
他の実施態様において、担体タンパク質は融合タンパク質のC-末端側に置かれ、IL-2タンパク質はN-末端側に置かれる。
IL-2タンパク質は担体タンパク質に直接連結させることができる。あるいは、IL-2タンパク質はリンカーまたはスペーサを介して担体タンパク質に連結することができる。
【0010】
インターロイキン-2
本発明にはIL-2タンパク質のN-末端領域(例えば、N-末端領域の最初の10、20、30、40、50または100アミノ酸)において少なくとも2つの置換を含むIL-2タンパク質が含まれる。好ましくは、2つのN-末端リジン、Lys8およびLys9が疎水性アミノ酸のようなリジンでないアミノ酸に置換される。例示的な疎水性アミノ酸はトリプトファン、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシンおよびバリンかならなる群より選ばれる。一実施態様において、Lys8およびLys9は同一のアミノ酸によって置換することができる。例えば、Lys8およびLys9はアラニンで置換することができる。あるいは、Lys8およびLys9は同一でないアミノ酸で置換することができる。たとえば、Lys8はグリシンで置換し、Lys9はアラニンで置換することができる。
【0011】
用語「インターロイキン-2タンパク質」および「IL-2タンパク質」とは以下のもののアミノ酸配列を有する組換え及び非組換えポリペプチドのアミノ酸配列をいう:i)位置8及び9リジンを有する、野生型IL-2ポリペプチドまたは天然に存在するIL-2ポリペプチドのアレル変異体、ii)位置8および9にリジンを有する、IL-2ポリペプチドの生物学的に活性な断片、iii)位置8および9にリジンを有する、IL-2ポリペプチドの生物学的に活性な類似体、またはiv)位置8および9にリジンを有する、IL-2ポリペプチドの生物学的に活性な変異体。本発明のIL-2ポリペプチドはどの種からも得ることができ、例えば、ヒトまたはサルのような霊長類から得ることができる。例えば、ヒトIL-2配列(Genbankアクセッション番号P01585;配列番号1)が図3に示されている。Macaca mulatta(アカゲザル)IL-2配列(Genbankアクセッション番号P51498、配列番号2)が図4に示されている。Macaca fascicularis(カニクイザル) IL-2配列(Genbankアクセッション番号Q29615、配列番号3)が図5に示されている。Cercocebus torquatus atys(スーティーマンガベー)IL-2配列(Genbankアクセッション番号P46649、配列番号4)が図6に示されている。
【0012】
ヒトIL-2タンパク質の「変種」とは一以上のアミノ酸が改変されたアミノ酸配列として定義される。変種は「保存的」変化(置換されたアミノ酸が類似の構造的又は化学的特性を有する;例えばイソロイシンによるロイシンの置換)を有し得る。より稀ではあるが、変種は「非保存的」変化(例えば、トリプトファンによるグリシンの置換)を含み得る。同様に、より頻度の低い変化にはアミノ酸欠失または挿入、またはその両方が含まれ得る。生物学的活性または免疫学的活性を損なわずにどのアミノ酸およびどの程度多くのアミノ酸を置換、挿入または欠失させることができるかを決定するためのガイダンスは、この分野でよく知られたコンピュータープログラム、例えばDNAStarソフトウェアを用いて見出すことができる。本発明で考慮されるIL-2タンパク質にはIL-2タンパク質、IL-2タンパク質の断片、IL-2活性を有するIL-2の変種又は類似体が含まれる。生物学的に活性なまたは機能的に活性なIL-2タンパク質は典型的には野生型の対応する配列、すなわち天然に存在するIL-2タンパク質とかなりの類似性または同一性(例えば、少なくとも約55%、約65%、約75%、典型的には少なくとも約80%および、最も典型的には約90-95%同一性)を有し、野生型IL-2タンパク質の機能の1以上を有する。IL-2タンパク質の活性はGillisら((1978) J.Immunol. 120:2027-2032)に記載されたようなT細胞増殖アッセイまたは実施例部分に記載したような細胞に基づくアッセイを用いて測定することができる。
【0013】
担体タンパク質
担体タンパク質はIL-2タンパク質に融合する任意のポリペプチドであり得る。担体タンパク質の例には長い血漿半減期を有するタンパク質が含まれる。好ましい担体タンパク質は長さが少なくとも50アミノ酸、少なくとも100アミノ酸、または少なくとも200アミノ酸である。典型的には、延長された血清半減期を示すタンパク質は高分子量のタンパク質、例えば50,000ダルトンより大きな分子量を有するタンパク質である。好ましくは、担体タンパク質は融合タンパク質のタンパク質分解性切断を制限する。IL-2融合タンパク質の循環半減期はその融合タンパク質の血清濃度を時間の関数としてアッセイすることによって測定できる。
一実施態様において、担体タンパク質はその配列中に改変を含むこともできる。例えば、好ましくは担体タンパク質のC-末端内、例えば、担体タンパク質のC-末端から約100残基内、より好ましくは約50残基内、または約25残基内、更に好ましくは10残基内に改変を有することができる。
【0014】
一実施態様において、担体タンパク質はアルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)である。HSAをコードする遺伝子は高度に多型性で30を超える異なる遺伝的アレルが報告されている(Weitkamp L.R.ら、Ann.Hum.Genet. 37 (1973) 219-226)。あるいは、アルブミンはイヌ、ニワトリ、アヒル、マウス、またはラットのようなどのような動物由来であってもよい。
多の実施態様において、担体タンパク質は抗体である。一般に、抗体を基礎とする本発明のIL-2融合タンパク質はIL-2タンパク質に連結した免疫グロブリン(Ig)タンパク質の部分を含む。免疫グロブリンの例にはIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEが含まれる。
前記免疫グロブリンタンパク質又は免疫グロブリンタンパク質の部分は可変領域または定常領域を含み得る。前記免疫グロブリン(Ig)鎖は好ましくは免疫グロブリン重鎖、例えば、予め選択した細胞型に結合することのできる免疫グロブリン可変領域の一部を含む。好ましい実施態様において、このIgG鎖は標的抗原に特異的な可変領域および定常領域を含む。この定常領域は可変領域に通常つながる定常領域であっても、それと異なっていても(例えば、異なる種に由来する可変領域および定常領域でも)よい。より好ましい実施態様において、このIg鎖は重鎖を含む。この重鎖は1以上のCH1、CH2またはCH3ドメインのいかなる組合せを含んでもよい。好ましくは、この重鎖はCH1、CH2およびCH3ドメインを含み、より好ましくはCH2およびCH3ドメインのみを含む。一実施態様において、前記免疫グロブリンの部分は融合した重鎖及び軽鎖可変領域を有するFv領域を含む。
【0015】
一実施態様において、この担体タンパク質は免疫グロブリンタンパク質のFc部分を含む。本明細書において「Fc部分」とは免疫グロブリン、好ましくはヒト免疫グロブリンの定常領域(断片、類似体、変種、変異体または誘導体を含む)に由来するドメインを含む。適切な免疫グロブリンにはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4及び他のクラスが含まれる。免疫グロブリンの定常領域は免疫グロブリンC-末端領域に相同性を有する、天然に生じるまたは合成的に作成されたポリペプチドとして定義され、別個のまたは組み合わされたCH1ドメイン、ヒンジ、CH2ドメイン、CH3ドメインまたはCH4ドメインが含まれる。
本発明において、Fc部分は典型的には少なくともCH2ドメインを含む。例えば、Fc部分はN-末端からC-末端方向に、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインを含み得る。あるいは、Fc部分はヒンジ領域の全部または一部、CH2ドメインおよび/またはCH3ドメインを含み得る。
免疫グロブリンの定常領域はFcレセプター(FcR)結合および補体結合を含む多数の重要な抗体機能に関与する。重鎖定常領域について5つの主要なクラスが存在し、IgA、IgG、IgD、IgE、IgMに分類され、それぞれのイソ型によって表されるエフェクター機能を特徴とする。例えば、IgGは4つのγサブクラスに分けられる:γ1、γ2、γ3、およびγ4(それぞれIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4としても知られている)。
【0016】
IgG分子は抗体のIgGクラスに特異的な3つのクラスのFcγレセプター(FcγR)、すなわちFcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを含む多数のクラスの細胞性レセプターと相互作用する。IgGのFcγRレセプターへの結合に重要な配列はCH2およびCH3ドメインに位置することが報告されている。抗体の血清半減期はその抗体のFcレセプター(FcR)へ結合する能力によって影響される。同様に、免疫グロブリン融合タンパク質の血清半減期もそのようなレセプターへの結合能によって影響を受ける(Gillies SDら、(1999)Cancer Res. 59: 2159-66)。IgG1のそれと比較して、IgG2およびIgG4のCH2およびCH3ドメインはFcレセプターに対して生物学的に検出できないまたは低下した結合アフィニティーを有する。IgG2またはIgG4のCH2およびCH3ドメインを含む免疫グロブリン融合タンパク質はIgG1のCH2およびCH3ドメインを含む対応する融合タンパク質に比べて長い血清半減期を有することが報告されている(米国特許第5,541,087号;Loら、(1998)Protein Engineering, 11:495-500)。従って、本発明において好ましいCH2およびCH3ドメインは、例えば、IgG2またはIgG4のような、低下したレセプター結合アフィニティーおよびエフェクター機能を有する抗体イソ型に由来する。より好ましくはCH2およびCH3ドメインはIgG2に由来する。
【0017】
ヒンジ領域は通常重鎖定常領域のCH1ドメインのC-末端側に位置する。IgGイソ型においては、ジスルフィド結合は典型的にはこのヒンジ領域中に存在し、最終的な四量体分子の形成を可能にする。この領域はプロリン、セリンおよびスレオニンが支配的である。本発明に含まれる場合、ヒンジ領域は典型的には、2つのFc部分を連結するジスルフィド結合を形成するシステイン残基を含む天然に存在する免疫グロブリン領域に少なくとも相同である。ヒト及びマウス免疫グロブリンのヒンジ領域の代表的な配列はBorrebaeck, C.A.K.編集、(1992)ANTIBODY ENGINEERING, A PRACTICAL GUIDE, W.H. Freeman and Co. に見ることができる(この文献の開示は引用により本明細書に取り込まれるものとする)。本発明において適切なヒンジ領域はIgG1、IgG2、IgG3、IgG4および他の免疫グロブリンクラスに由来するものであり得る。IgG1ヒンジ領域は3つのシステインを有し、そのうちの2つは免疫グロブリンの2本の重鎖間のジスルフィド結合に関与する。これらの同じシステインがFc部分間の効率的でしっかりしたジスルフィド結合形成を可能にする。従って、本発明の好ましいヒンジ領域はIgG1に由来し、より好ましくはヒトIgG1に由来する。ある実施態様において、ヒトIgG1ヒンジ領域内の最初のシステインが他のアミノ酸、好ましくはセリンに変異される。IgG2イソ型ヒンジ領域は4つのジスルフィド結合を有し、これらがオリゴマー化を促進し、おそらく組換え系における分泌の際に不正確なジスルフィド結合を促進するようである。適切なヒンジ領域はIgG2ヒンジに由来し得る。最初の2つのシステインはそれぞれ好ましくは別のアミノ酸に変異される。IgG4のヒンジ領域は非効率的に鎖間ジスルフィド結合を形成することが知られている。しかしながら、本発明に適切なヒンジ領域はIgG4ヒンジ領域(好ましくは重鎖由来部分間のジスルフィド結合の正確な形成を増強する変異を含む(Angal Sら、(1993) Mol. Immunol., 30, 105-8))に由来し得る。
【0018】
本発明によれば、Fc部分は異なる抗体イソ型に由来するCH2および/またはCH3ドメインおよびヒンジ領域(例えば、ハイブリッドFc部)を含んでもよい。例えば、一実施態様において、Fc部分はIgG2およびIgG4に由来するCH2および/またはCH3ドメインおよびIgG1に由来する変異体ヒンジ領域を含む。あるいは、他のIgGサブクラスに由来する変異ヒンジ領域がハイブリッドFc部分に使用される。例えば、2本の重鎖間の効率的なジスルフィド結合を可能にするIgG4ヒンジの変異型を使用することができる。また、変異ヒンジは最初の2つのシステインがそれぞれ他のアミノ酸に変異されたIgG2ヒンジに由来してもよい。そのようなハイブリッドFc部分は高レベルの発現を容易にし、Fc融合タンパク質の正確なアッセンブリを改善する。そのようなハイブリッドFc部分のアッセンブリは米国特許出願公報第20030044423号に記載されている(この開示は引用により本明細書に取り込まれるものとする)。
【0019】
ある実施態様において、Fc部分はFc融合タンパク質の血清半減期を一般的に延長するアミノ酸改変を含む。そのようなアミノ酸改変にはFcレセプター結合または補体結合活性を実質的に減少させるまたは除去する変異が含まれる。例えば、免疫グロブリン重鎖のFc部分内のグリコシル化部位を除去することができる。IgG1においては、グリコシル化部位はAsn297である。他の免疫グロブリンイソ型では、グリコシル部位はIgG1のAsn297に対応する。例えば、IgG2およびIgG4においては、グリコシル化部位はアミノ酸配列Gln-Phe-Asn-Ser内のアスパラギンである。従って、IgG1のAsn297の変異はIgG1由来のFc部分中のグリコシル化部位を除去する。一実施態様において、Asn297はGlnに置換される。同様に、IgG2およびIgG4においては、アミノ酸配列Gln-Phe-Asn-Ser内のアスパラギンの変異はIgG2またはIgG4重鎖由来のFc部分中のグリコシル化部位を除去する。一実施態様において、このアスパラギンはグルタミンで置換される。他の態様において、アミノ酸配列Gln-Phe-Asn-Ser内のフェニルアラニンが更に変異されてアスパラギンの変異から生じ得る非自己T細胞エピトープが除去され得る。例えば、IgG2またはIgG4重鎖内のアミノ酸配列Gln-Phe-Asn-SerはGln-Ala-Gln-Serアミノ酸配列で置換することができる。
【0020】
Fc部分と非Fc部分との接合部付近のアミノ酸の改変はFc融合タンパク質の血清半減期を劇的に増加させることが報告されている(PCT公開公報WO 01/58957)(引用によりその全体が本明細書に取り込まれるものとする)。従って、本発明のFc-IL-2融合タンパク質の接合部領域は、免疫グロブリン重鎖およびIL-2タンパク質の天然に生じる配列に対して、改変を含むことができ、好ましくは前記接合点の約10アミノ酸内に存在する改変を含み得る。これらのアミノ酸変化は、例えば、Fc部分のC-末端リジンをアラニンまたはロイシンのような疎水性アミノ酸に代えることによって疎水性の増加を生じさせ得る。
他の実施態様において、Fc部分は免疫グロブリン重鎖のFc部分のC-末端付近にあるLeu-Ser-Leu-Ser部のアミノ酸改変を含む。Leu-Ser-Leu-Ser部のアミノ酸置換は潜在的な接合部T細胞エピトープを除去する。一実施態様において、Fc部分のC-末端付近にあるLeu-Ser-Leu-Serアミノ酸配列はアミノ酸配列Ala-Thr-Ala-Thrに置換される。一実施態様において、Leu-Ser-Leu-Ser部内のアミノ酸がグリシンまたはプロリンのような他のアミノ酸に置換される。IgG1、IgG2、IgG3、IgG4または他の免疫グロブリンクラス分子のC-末端付近のLeu-Ser-Leu-Ser部のアミノ酸置換を生じさせる詳細な方法は米国特許出願公報第20030166877号に記載されている(この開示は引用によりその全体が明細書に取り込まれるものとする)。
【0021】
本発明により、増大したin vivo循環半減期を有する抗体を基礎とする融合タンパク質はFc部分自体の内部改変により更に増強することができる。これらの残基には、Ile253、His310またはHis435またはタンパク質が3次元構造に折りたたまれたときにこれらの残基のイオン環境に影響を与えうる残基、またはこれらの残基に隣接する残基が含まれる。生じるタンパク質はpH6およびpH7.4-8にて最適な結合について調べられ、pH6にて最高レベルの結合性を有し、pH8にて低結合性を有するタンパク質がin vivo使用のために選択される。そのような変異は通常本発明の接合部変異と併せることができる。
本発明の他の実施態様において、FcRpに対する融合タンパク質の結合アフィニティーはFcRpと接触するFc部の相互作用表面を改変することによって最適化される。IgGのFcRpレセプターへの結合に重要な配列はCH2およびCH3ドメインに位置することが報告されている。本発明により、融合タンパク質中の融合接続部の改変はFcとEcRpとの相互作用表面の改変と併せられ相乗効果を生じさせる。ある場合には、pH6においてFc部分とFcRpとの相互作用を増加させることが重要かもしれないし、またpH8においてFc部分とFcRpとの相互作用を減少させることも重要かも知れない。そのような改変にはFcレセプターとの接触に必要な残基の改変、またはコンフォメーション変化によって誘導される他の重鎖残基とFcRpレセプターとの接触に影響する他の残基の改変が含まれる。従って、好ましい実施態様において、増強されたin vivo循環半減期を有する抗体を基礎とする融合タンパク質は、最初にIg定常領域のコード配列、次に、非免疫グロブリンタンパク質を接続し、続いて、IgG定常領域中でIle253、His310およびHis435から選ばれる1以上のアミノ酸またはその近くに(点変異、欠失、挿入または遺伝子再配列のような)変異を導入することによって得られる。その結果得られる抗体を基礎とする融合タンパク質は未改変融合タンパク質よりも長いin vivo循環半減期を有する。
【0022】
ある状況下では、Fc部のエフェクター機能を変異させることが有益である。例えば、補体結合性を除去することができる。あるいは、またはそれに加えて、別の一群の実施態様において、融合タンパク質のIg構成成分は、FcγRI、FcγRIIまたはFcγRIIIの少なくとも一つに対して結合アフィニティーが低下したIgGの定常領域の少なくとも一部を有する。例えば、IgGのγ4鎖をγ1の代わりに使用することができる。この改変は、γ4鎖はより長い血清半減期を生じさせ、融合接合部における1以上の変異と相乗的に機能するという利点を有する。同様に、IgG2をIgG1の代わりに使用することもできる。本発明の別の実施態様において、融合タンパク質は変異IgG1定常領域、例えば、Leu234、Leu235、Gly236、Gly237、Asn297またはPro331の1以上の変異、欠失を有するIgG1定常領域を含む。本発明のさらなる実施態様において、融合タンパク質は変異IgG3定常領域(例えば、Leu281、Leu282、Gly283、Gly284、Asn344又はPro378の1以上の変異又は欠失を有するIgG3定常領域)を含む。しかしながら、ある応用において、ADCCのようなFcレセプター結合を伴うエフェクター機能を維持することが重要かも知れない。
【0023】
他の好ましい実施態様において、融合タンパク質の担体タンパク質はタンパク質毒素である。好ましくは、本発明の毒素-IL-2融合タンパク質は前記タンパク質毒素の毒性活性を示す。
ある実施態様において、本融合タンパク質の担体タンパク質はホルモン、ニューロトロフィン、体重調節因子、血清タンパク質、凝固因子、プロテアーゼ、細胞外マトリックス構成成分、血管形成因子、抗-血管形成因子、他の分泌タンパク質または分泌ドメインである。例えば、CD26、IgEレセプター、重合化IgAレセプター、他の抗体レセプター、第VIII因子、第IX因子、第X因子、TrkA、PSA、PSMA、Flt-3リガンド、エンドスタチン、アンジオスタチン、およびこれらのタンパク質のドメインである。
他の実施態様において、担体タンパク質は非ヒトまたは非哺乳動物タンパク質である。例えば、HIV gp120、HIV Tat、アデノウイルス、RSVのような他のウイルスの表面タンパク質、他のHIV構成成分、マラリア抗原のような寄生虫表面タンパク質、およびバクテリア性表面タンパク質が好ましい。これらの非ヒトタンパク質は例えば、抗原として、またはそれらが有用な活性を有するので使用されるであろう。例えば、担体ポリペプチドはストレプトキナーゼ、スタフィロキナーゼ、ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、または有用な酵素活性を有する他のタンパク質であってよい。
【0024】
ある実施態様において、担体タンパク質はサイトカインである。本明細書において、用語「サイトカイン」はそのサイトカインに対してレセプターを有する細胞において特異的な生物学的応答を引き起こす、天然に存在するまたは組換えタンパク質、それらの類似体、それらの断片を記述するために用いられる。好ましくは、サイトカインは細胞によって産生され、放出されるタンパク質である。好ましいサイトカインには、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-10、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16およびIL-18のようなインターロイキン、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)およびエリスロポエチンのような造血因子、TNFαのような腫瘍壊死因子(TNF)、リンフォトキシンのようなリンフォカイン、レプチンのような代謝課程の制御因子、インターフェロン□、インターフェロン□、およびインターフェロン□のようなインターフェロン、およびケモカインが含まれる。
【0025】
スペーサー
別のさらなる実施態様において、スペーサーまたはリンカーペプチドが担体タンパク質とIL-2タンパク質との間に挿入される。スペーサーまたはリンカーペプチドは好ましくは非荷電であり、より好ましくは非極性または疎水的である。スペーサまたはリンカーペプチドの長さは好ましくは1から約100アミノ酸、より好ましくは1から約50アミノ酸、または1から約25アミノ酸、更に好ましくは1から約15アミノ酸である。本発明の他の実施態様において、担体タンパク質およびIL-2タンパク質はスペーサー又はリンカーペプチドによって接続される。本発明の別の実施態様において、担体タンパク質およびIL-2タンパク質は合成スペーサー、例えばPNAスペーサー、好ましくは非荷電、より好ましくは非極性または疎水性の合成スペーサによって分離される。
リンカーはプロテアーゼ切断部位を含まないように設計することができる。更に、リンカーはタンパク質分解を立体的に阻害するようにN-結合またはO-結合グリコシル化部位を含み得る。従って、一実施態様において、リンカーはAsn-Ala-Thrアミノ酸配列を含む。更に、適切なリンカーはRobinsonら、(1998), Proc. Natl. Acad. Sci. USA; 95, 5929および米国出願番号09/708,506に開示されている(これらの開示は引用により本明細書に含まれるものとする)。
【0026】
タンパク質のO-グリコシル化および薬物動態学特性のスクリーニング方法
アミノ酸のO-グリコシル化の程度はタンパク質の循環半減期に影響を有することが見出された。例えば、IL-2の位置3のスレオニン(Thr3)はO-グリコシル化されており、IL-2のThr3を置換することにより、得られるIg-IL-2-融合タンパク質は低下した血清半減期を有する。理論にとらわれることは意図しないが、サイトカインとその融合パートナーとの接合部は特にタンパク質分解性切断を受けやすいであろう。この接合部の近くに嵩の大きなグリカンがアミノ酸側鎖上に存在すると、この接合部に対するプロテアーゼの接近が低減されると考えられている。従って、一実施態様において、タンパク質の半減期を延長するために接合部のO-グリコシル化され得るアミノ酸を変異させないこと、あるいは、好ましくはグリコシル化され得るアミノ酸をこの接合部に導入することが好ましい。他の実施態様において、この接合部にスレオニンまたはセリンを導入することが好ましいかもしれない。
【0027】
タンパク質(例えば、免疫サイトカイン)のO-グリコシル化の程度はそのタンパク質を産生するために使用する細胞株および培養条件に依存する。O-グリコシル化の程度はタンパク質の半減期に影響を与えるので、タンパク質を生成させる場合、タンパク質集団の結成半減期を予測するためにO-グリコシル化の程度を測定することができることは好ましい。更に、本タンパク質は疾病の治療に用いられるので、生成されたタンパク質の異なるバッチが均一の特性を有することが好ましい。これは、生成されたタンパク質(「テストタンパク質」とも称される)のO-グリコシル化の程度を照合用対照と比較することによって達成される。この照合用対照はテストタンパク質と実質的に同じであって、所定量のO-グリコシル化を有し、その血清半減期が既知のタンパク質である。テストタンパク質をこの照合用対照と比較することにより、タンパク質の血清半減期を決定または見積もることができる。あるいは、テストタンパク質バッチ毎の均一性を有することを保証する手段として、対照と等しい程度のO-グリコシル化を有しないテストタンパク質のバッチを廃棄してもよい。
【0028】
本発明は更に、O-グリコシル化の程度を測定することによって、タンパク質(例えば、免疫サイトカイン、Ig-IL-2融合タンパク質)の薬物動態学的特性をスクリーニングする方法を提供する。一実施態様において、本方法は注目のタンパク質を細胞株、例えば、CHO、BHK、NIH293またはPERC6のような哺乳動物細胞株中で生成させることを含む。次に、免疫サイトカインをこの細胞株から単離し、O-グリコシル化の程度を、例えば、タンパク質をO-グリコシル化タンパク質として同定するための過ヨウ素酸酸化/SDS-PAGEのシッフ染色のような方法を用いて、または開発され種々の供給業者(Oxford GlycoSystems、Boehringer-Mannheim)から商業的に入手可能な免疫染色法によるウェスタンブロットを用いて測定する。あるいは、一例において、融合タンパク質のようなタンパク質サンプルのO-グリコシル化の程度は以下のように測定される。マイクロタイタープレートのウェルを分析すべき免疫サイトカインで被覆する。標識した(例えばビオチン化)ピーナッツレクチン(PNA、ピーナッツ凝集素、Roche Diagnostics GMBH, Mannheim Germany)を分析物-被覆ウェルに添加し、サンプルに吸着させる。過剰の未結合レクチンを洗浄により除去する。ホースラディッシュペルオキシダーゼに共役したストレプトアビジンのような二次検出分子を添加する。結合した複合体を洗浄し、結合した二次検出分子の量を標準的な手順により決定する。ある場合には、検出したO-グリカンのレベルを、タンパク質に向けられた抗体によって検出した結合分析物のレベルに対して正規化することが有用かも知れない。このレクチンを基礎とするアッセイは、ヒトに使用するための材料のバッチ-テスト用リリースアッセイとして適切である。あるいは、標識レクチンをプローブとして使用するウェスタンブロット型アッセイを使用する。
他の実施態様において、免疫サイトカインのグリコシル化状態による特徴を除去するために、O-グリコシル化され得るアミノ酸を除去することが有利かもしれない。例えば、一実施態様において、IL-2のThr3をアラニンのようなO-グリコシル化され得ないアミノ酸で置換することができる。この実施態様において、O-グリコシル化されやすいアミノ酸を欠く免疫サイトカインはより良好なバッチ毎の均一性を示す。
【0029】
投与
医薬組成物および投与経路
本発明のIL-2タンパク質はウイルス感染、免疫疾患を治療するためおよび、特定の型の細胞を生長(増殖を含む)を増強するために使用することができる。更に、IL-2タンパク質は膀胱癌、肺がん、脳腫瘍、乳がん、皮膚がん、および前立腺癌を含む(ただし、これらに限定されない)癌の治療のために抗癌物質として使用することができる。従って、本発明は本発明によって作製されたIL-2タンパク質を含む医薬組成物を提供する。
本発明によって作製されたIL-2融合タンパク質を含む治療組成物はどのような経路によっても哺乳動物に投与することができる。従って、適切であれば、投与は経口的でも非経口的でもよく、静脈投与経路及び腹膜投与経路を含む。薬剤は錠剤、カプセル、顆粒、舌下錠、糖衣錠、軟膏、坐薬、シロップおよび懸濁液の形態で調製することができる。更に、投与は治療物質のボーラスの周期的注射によってもよく、体外にあるレザーバー(例えば、i.v.バッグ)からの静脈投与または腹膜内投与により連続的に行うこともできる。ある実施態様においては、本発明の治療物質は医薬等級であり得る。すなわち、ある実施態様はヒトに投与するための純度及び品質管理の基準を満たしている。獣医学用途も本明細書中で意図した意味の範囲内である。
【0030】
本発明の治療薬処方物は、獣医用途およびヒト医療用途のいずれに関する処方物も、そのような治療薬を、製薬的に許容できる担体および場合により他の成分と共に含む。担体は、その製剤の他の成分と共存可能で受容者に有害でないという意味で「許容」できる。製薬的に許容できる担体は、この意味で、医薬投与に適合するどのような、そしてあらゆる溶媒、分散媒体、被覆剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張および吸着遅延物質、希釈剤、崩壊剤、塩基、等張物質、バインダー、バッファー、吸着剤、潤滑剤、溶媒、安定化剤、抗酸化剤、保存剤、甘味料、乳化剤、着色剤その他を含むことが意図されている。製薬的に活性な物質に対するそのような媒体および物質はこの分野で既知である。活性な化合物と共存できないものを除いて、任意の慣用的な媒体および物質の組成物中の使用が考慮される。補充的な活性化合物もこの組成物に含めることができる。処方物は簡便に用量単位形態であってもよく製薬/微生物分野の分野でよく知られたどのような方法によっても調製することができる。一般に、いくつかの処方物は治療物質を液体担体または細かく分けた固体担体またはその両方と一緒にし、次に、必要であれば、所望の剤形に成形することによって調製される。
本発明の医薬組成物は意図された投与形態に適合するように製剤化される。投与経路の例には、経口または非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、吸入、経皮投与(局所投与)、経粘膜投与、直腸投与が含まれる。非経口投与、皮内投与または皮下投与のために使用する溶液または懸濁液は、以下の成分を含み得る:注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒のような滅菌希釈剤、ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤、アスコルビンサンまたは亜硫酸水素ナトリウムのようは抗酸化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸のようなキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のようなバッファー、および塩化ナトリウムまたはデキストロースのような浸透圧調整剤。pHは塩酸または水酸化ナトリウムのような酸又は塩基で調整することができる。
【0031】
経口投与または非経口投与のために有用な溶液は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (Gennaro, A.編集)Mack Pub., 1990に記載されたような、製薬技術で知られたどのような方法によっても調整することができる。非経口投与のための製剤は、口内投与のためにグリココレート、直腸投与のためにメトキシサリチル酸塩、または腟内投与のためにクエン酸を含み得る。非経口用調製物はアンプル、使い捨てシリンジまたはガラス又はプラスチック製の多投与用バイアルに封入することができる。直腸投与用の坐薬も薬剤をココアバター、他のグリセリドまたは室温で固体だが体温では液体である他の組成物のような非侵襲性賦形剤と混合することによって調製することができる。製剤は、例えば、ポリエチレングリコール、植物起源の油、水素化ナフタレンその他のようなポリアルキレングリコールを含み得る。直接投与用製剤はグリセロールおよび他の高粘度の組成物を含み得る。これらの治療剤に有益な他の潜在的非経口投与用担体には、エチレン-ビニルアセテートコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、移植可能なインフュージョン系、およびリポソームが含まれる。吸入投与用製剤は、賦形剤として例えばラクトースを含むことができ、または例えばポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココレートおよびデオキシコレートを含む水性溶液であってよく、または点鼻薬の形態での投与用の油性溶液または鼻内塗布用のゲルであってよい。停留性浣腸液も直腸デリバリー用に使用することができる。
【0032】
注射用途に適した医薬組成物には、滅菌された水性溶液(水溶性である場合)または分散液または滅菌注射用分溶液または分散液の即時調整用の滅菌粉末を含む。静脈注射投与用として適切な担体には生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。すべての場合において、この組成物は滅菌することができ、容易に注射筒からでる程度に流動的でありえる。この組成物は製造および保存条件下で安定であることができ、バクテリアおよび真菌のような微生物の混入作用に対して保護することができる。担体は、溶媒または分散媒、たとえば水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールその他)、およびそれらの適切な組み合わせを含む溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、たとえば、レシチンのような被覆剤の使用、分散物の場合は必要な粒子サイズを維持すること、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用を避けることは種々の抗細菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールその他によって達成することができる。多くの場合、等張剤、たとえば、マンニトール、ソルビトールのような糖、および塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましいであろう。注射可能組成物の延長された吸収作用は、その組成物に吸収を遅らせる物質、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含めることによってもたらされる。
【0033】
滅菌注射用溶液は、必要な量の活性化合物を適切な溶媒中、必要に応じて上に列挙した1以上の成分またはそれらの組合せと共にフィルター滅菌して、組成物に含めることによって調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を基本分散媒および上に列挙した他の必要な成分を含む滅菌ビヒクルに含めることによって調製される。注射用滅菌溶液の調製のための滅菌粉末の場合、その調製方法は、活性成分に加えてあらかじめ滅菌フィルトレーションした追加の所望の成分を含む粉末を生じさせる真空乾燥および凍結乾燥を含む。
関節内投与に適した製剤は治療剤の滅菌水性調製物の形態であってよく、前記治療剤は微結晶形態、たとえば、水性微結晶懸濁液の形態であってよい。関節内投与および眼用投与のために、リポソーム製剤または生分解性ポリマー系も治療剤を存在させるために使用することができる。
【0034】
経粘膜投与または経皮投与による全身的投与も可能である。経粘膜または経皮投与については、透過すべき障壁に対して適切な浸透剤が製剤に使用される。そのような透過剤は、一般にこの分野で知られており、たとえば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩およびフィルシド酸(filsidic acid)誘導体が含まれる。経粘膜投与は鼻スプレーまたは坐薬を通じて達成される。経皮投与については、この技術でよく知られているように、治療剤は典型的には軟膏、膏薬、ゲルまたはクリームに製剤化される。
一実施態様において、治療剤は身体からの急速な消失から保護するであろう担体とともに、たとえば徐放性処方物(インプラントおよびミクロカプセルデリバリー系を含む)として調製される。エチレンビニルアセテート、ポリアンヒドリロ、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような生分解性、生体共存性ポリマーを使用することができる。そのような処方物を調製する方法は当業者には明らかであろう。リポソーム懸濁物も製薬的に許容できる担体として使用することができる。これらは、当業者に知られた方法に従って、たとえば、米国特許第4,522,811号に従って調製することができる。ミクロソームおよび微小粒子も使用することができる。
経口または非経口組成物は投与の容易さおよび投与量の均一性のために用量単位形態に処方することができる。用量単位形態とは、治療すべき患者に対して単位投与量として適切な物理的に分離された単位をいう。各単位は、必要な製薬担体と共に所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の用量単位形態に関する詳細は、活性成分の固有の特徴と達成すべき具体的な治療効果、および、個体の治療のための活性化合物のような化合物の混合技術に固有な制限に直接に依存し、それらによって決定される。
【0035】
IL-2タンパク質の治療上有効な量および投与頻度の決定
一般に、本発明によって製造されるIL-2タンパク質を含む治療剤は、ヒトまたは他の動物に対する非経口投与または経口投与用に、たとえば治療上有効な量(たとえば所望の効果、たとえば所望の免疫応答を誘導するために十分な時間、組織を標的化するために適切な濃度を与える量)として製剤化することができる。この量は個体ごとに変動し得るし、患者の全体的な状態、疾病の重篤度および背景となっている原因を含む多数の要因に依存するであろう。
IL-2タンパク質の治療上有効な量は当業者によれば容易に確かめることができる。本治療組成物中に送達すべき本発明のIL-2タンパク質の有効な濃度は、投与すべき薬剤の最終的に望まれる容量および投与経路を含む多数の要因に依存するであろう。投与すべき好ましい用量は治療すべき疾病または徴候のタイプおよび程度、特定の患者の全体的な健康状態、送達する治療剤の相対的な生物学的効能、治療剤の剤形、その製剤中の賦形剤の存在および型、および投与経路のような変数にも依存するであろう。ある実施態様において、本発明の治療剤は非ヒト霊長類およびげっ歯類を用いたほ乳動物試験から導かれる典型的な用量単位を用いて個体に与えることができる。上述したように、用量単位とは患者に投与できる単位用量をいい、容易に取り扱えて梱包可能で、物理的および生物学的に安定に維持できる、治療剤単体または固体もしくは液体の製薬的な希釈剤または担体との混合物を含む単位用量をいう。
【0036】
本発明のIL-2タンパク質を含む医薬は0.01〜100%(w/w)の濃度を有することができるが、この量は医薬の用量形態に従って変動する。
投与用量は患者の体重、疾病の重篤度、および医者の見解に依存する。しかしながら、注射の場合、一般に約0.01〜約10mg/kg体重/日、好ましくは約0.02〜約2mg/kgを投与することが望ましい。
一日の用量を疾病の重篤度および医者の見解に従って一度に投与することも数回に投与することもできる。
本発明の組成物はPCT/US99/08335(WO 99/52562)に記載されているような脈管形成阻害因子またはPCT/US99/08376(WO 99/53958)に記載されたようなプロスタグランジン阻害因子と共に投与すると有用である。本発明の方法および組成物はまたPCT/US00/21715に記載されたようなマルチサイトカインタンパク質複合体中で使用することもできる。本発明の方法および組成物はまたPCT/US99/03966(WO 99/43713)に記載された、融合タンパク質の循環半減期を増加させる他の変異と組み合わせて使用することもできる。
実際に使用する投与頻度は、異なる個体のIL-2およびその類似体に対する応答における変動のために、本明細書に開示された頻度から幾分変わり得ることは当然である。用語「約」とはそのような変動を反映することを意図したものである。
さらに、本発明の治療剤は単独で投与することも、注目している特定の疾病または徴候に有益な効果を有すると知られている他の分子と組み合わせて用いることができる。単なる例示であるが、有用な共因子には、消毒薬、抗生物質、抗ウイルス物質および抗真菌物質および鎮痛薬および麻酔薬を含む、症状軽減共因子が含まれる。
【0037】
プロドラッグ
本発明の治療剤は「プロドラッグ」誘導体を含むこともできる。用語「プロドラッグ」は、活性成分を放出するためにまたは活性成分を活性化するために生物内で自発的または酵素的生体内変換を必要とする、親分子の薬理学的に不活性な(または部分的に不活性な)誘導体をいう。プロドラッグは、代謝条件下で切断可能な基を有する、本発明の治療剤の変種または誘導体である。プロドラッグは、生理学的条件下で加溶媒分解を受けると、または酵素的分解を受けると、in vivoで製薬的に活性な本発明の治療剤になる。本発明のプロドラッグは生物内で活性薬剤成分を放出するまたは活性になるために必要な生体内変換過程の数に応じてシングル、ダブル、トリプルその他と呼ぶことができ、これらは前駆体型形態中に存在する官能基の数を示している。プロドラッグ形態はしばしば哺乳動物において溶解性、組織共存性または徐放性という利点を与える(Bundgard、(1985) Design of Prodrugs, pp.7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam; Silverman, (1992) The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, pp.352-401, Academic Press, San Diego, Calif. を参照せよ)。さらに、本発明のプロドラッグ誘導体は他の特徴と組み合わせてバイオアベイラビリティーを増強することができる。
【0038】
In vivo 発現
本発明のIL-2タンパク質はin vivo発現法によって提供することができる。たとえば、IL-2タンパク質をコードする核酸を、癌、ウイルス感染、免疫疾患、または他の疾患を有する患者に直接有利に与えることができ、または、それらの核酸をex vivoで細胞に供給し、続いて生細胞を患者に投与することができる。この技術において知られたin vivo遺伝子治療法には、精製DNAを(たとえばプラスミドとして)供給すること、DNAをウイルスベクターとして供給すること、またはDNAをリポソームまたは他の小胞中で供給することが含まれる(たとえば、遺伝子治療に使用する脂質担体を開示した米国特許第5,827,703号、および遺伝子治療に有用なアデノウイルスベクターを提供する米国特許第6,281,010号を参照せよ。)。
組換えタンパク質を発現するように改変した細胞を移植することによって疾病を治療する方法もよく知られている。たとえば、米国特許第5,399,346号(ヒトに導入するため、核酸を初代ヒト細胞に導入する方法を開示している)を参照せよ。
In vivo発現法は組織または細胞区画を直接に標的として精製せずにタンパク質を送達するために特に有用である。本発明において、IL-2融合タンパク質をコードする配列を使用する遺伝子治療は種々の疾病状態、疾患および癌状態、ウイルス感染、免疫疾患および他の細胞増殖関連疾患に用途を見いだせる。IL-2融合タンパク質をコードする核酸配列は適切な転写カセットまたは発現カセットに挿入することができ、裸のDNAとしてまたは適切な担体と複合体化して宿主哺乳動物に導入することができる。活性なIL-2融合タンパク質産生の監視は核酸ハイブリダイゼーション、ELISA、ウェスタンハイブリダイゼーションおよびこの技術の通常の熟練者に知られた他の適切な方法によって行うことができる。
【0039】
複数の組織が導入遺伝子の全身性投与により形質転換され得ることが見いだされている。哺乳動物宿主への陽イオン脂質担体/外来性DNA複合体の注射に続く外来性DNAの発現が、Tリンパ球、網膜内皮系、心臓内皮細胞、肺細胞、骨髄細胞、たとえば骨髄由来造血細胞を含む多数の組織において示されている。
米国特許第6,627,615号に記載されているようなin vivo遺伝子治療デリバリー技術(この全開示は引用により本明細書に取り込まれるものとする)は動物において非毒性であり、導入遺伝子発現は単回投与後に少なくとも60日間続いたことが示されている。サザン分析によって検出したところ、導入遺伝子はin vivoで検出可能なレベルでは宿主細胞DNAに組み込まれてはいないようであり、このことは、遺伝子治療のためのこの技術は、正常な細胞性遺伝子を変化させて発がん性オンコジーンを活性化させる、あるいは、腫瘍抑制遺伝子をオフにすることによって宿主哺乳動物に問題を生じさせないことを示唆している。
本発明の有用な実施態様を合成するための非限定的な方法は本明細書の実施例に、前臨床in vivo動物モデルにおいて薬物動態学的活性をテストするために有用なアッセイと共に記載する。キメラ鎖をコードする好ましい遺伝子構築物は5'から3方向に、少なくとも担体タンパク質の一部をコードするDNAセグメントおよび位置8および9のリジンが非リジン残基に置換されたIL-2タンパク質をコードするDNAを含む。融合遺伝子は、その遺伝子が発現される適切な受容細胞のトランスフェクションのための発現ベクターとしてアッセンブルされるかまたはそのようなベクターに挿入される。
本発明はさらに以下の非限定的な実施例によって更に説明される。
【0040】
実施例
実施例1.抗体-IL-2融合タンパク質の薬物動態学プロファイル
本実施例には、IL-2のN-末端領域のリジンの改変が抗体-IL-2融合タンパク質の血清半減期に与える影響を記載する。
以下の抗体-IL-2融合タンパク質をコードする発現プラスミドを標準的な生物学的技術によって構築した:
抗体(Ala[-1])-IL-2(Thr3 Ala8 Ala9)
抗体(Ala[-1])-IL-2(Thr3 Lys8 Lys9)
抗体(Ala[-1])-IL-2(Ala3 Lys8 Lys9)
抗体(Lys[-1])-IL-2(Ala3 Ala8 Ala9)
【0041】
これらの特定の事例において、抗体V領域は抗-EpCAM抗体KS-1/4に由来しており、ヒトにおけるV領域の免疫原性を低下させるため種々の変異が導入されている。
抗体(Ala[-1])-IL-2(Thr3 Lys8 Lys9)タンパク質をコードする発現ベクターの構築は以下のように行った(上述した他の変種の構築に用いられた一般的なストラテジーも説明する)。これらの他の変種に関する構築ストラテジーはプラスミド構築の通常の知識を有する者には容易に理解されるであろう。
例えば、プラスミドpdHL7-KS-IL-2をXmaIおよびPvuIIで消化した。このプラスミドはKS-1/4を基礎とする免疫サイトカイン用の発現ベクターであり、唯一のSmaI/XmaI部位を抗体重鎖定常領域コード配列の末端近くに含み、ヒトIL-2コード配列に天然に存在する唯一のPvuII部位を含む。pDHL7を基礎とする関連プラスミドが米国出願公開公報第20030157054号で論じられている(この開示は引用により本明細書に取り込まれるものとする)。以下の合成ヌクレオチドをハイブリダイズさせXmaI、PvuII-消化ベクターに連結した。
【0042】
配列番号9
CCGGGTGCCGCCCCAACTTCAAGTAGTACTGCCGCCACAG

配列番号10
CTGTGTGGCGGCAGTACTACTTGAAGTTGGGGCGGCAC
【0043】
軽鎖および重鎖-IL-2融合タンパク質をコードする完全長DNAを以下に配列番号11および配列番号12として示した。
【0044】
配列番号11 KS-IL-2(K8A K9A)の成熟軽鎖をコードするDNA配列。小文字はイントロンを表す。
GAGATCGTGCTGACCCAGTCCCCCGCCACCCTGTCCCTGTCCCCCGGCGAGCGCGTGACCCTGACCTGCTCCGCCTCCTCCTCCGTGTCCTACATGCTGTGGTACCAGCAGAAGCCAGGATCCTCGCCCAAACCCTGGATTTTTGACACATCCAACCTGGCTTCTGGATTCCCTGCTCGCTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACCTCTTACTCTCTCATAATCAGCAGCATGGAGGCTGAAGATGCTGCCACTTATTACTGCCATCAGCGGAGTGGTTACCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAACgtaagatcccgcaattctaaactctgagggggtcggatgacgtggccattctttgcctaaagcattgagtttactgcaaggtcagaaaagcatgcaaagccctcagaatggctgcaaagagctccaacaaaacaatttagaactttattaaggaatagggggaagctaggaagaaactcaaaacatcaagattttaaatacgcttcttggtctccttgctataattatctgggataagcatgctgttttctgtctgtccctaacatgccctgtgattatccgcaaacaacacacccaagggcagaactttgttacttaaacaccatcctgtttgcttctttcctcagGAACTGTGGCTGCACCATCTGTCTTCATCTTCCCGCCATCTGATGAGCAGTTGAAATCTGGAACTGCCTCTGTTGTGTGCCTGCTGAATAACTTCTATCCCAGAGAGGCCAAAGTACAGTGGAAGGTGGATAACGCCCTCCAATCGGGTAACTCCCAGGAGAGTGTCACAGAGCAGGACAGCAAGGACAGCACCTACAGCCTCAGCAGCACCCTGACGCTGAGCAAAGCAGACTACGAGAAACACAAAGTCTACGCCTGCGAAGTCACCCATCAGGGCCTGAGCTCGCCCGTCACAAAGAGCTTCAACAGGGGAGAGTGTTAG
【0045】
配列番号12 KS-IL2(K8A K9A)の成熟重鎖-IL-2融合部分をコードするDNA配列。小文字はイントロン、および都合の良いXhoI部位を含む3'非コード領域を示す。下線部はXmaIおよびPvuII部位であり、この間に本発明の変異が導入されている。
【0046】
CAGATCCAGTTGGTGCAGTCTGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCTGGAGAGACAGTCAAGATCTCCTGCAAGGCTTCTGGGTATACCTTCACAAACTATGGAATGAACTGGGTGAAGCAGACTCCAGGAAAGGGTTTAAAGTGGATGGGCTGGATAAACACCTACACTGGAGAACCAACATATGCTGATGACTTCAAGGGACGGTTTGCCTTCTCTTTGGAAACCTCTACCAGCACTGCCTTTTTGCAGATCAACAATCTCAGAAGTGAGGACACGGCTACATATTTCTGTGTAAGATTTATTTCTAAGGGGGACTACTGGGGTCAAGGAACGTCAGTCACCGTCTCCTCAGgtaagctttctggggcaggccaggcctgaccttggctttggggcagggagggggctaaggtgaggcaggtggcgccagccaggtgcacacccaatgcccatgagcccagacactggacgctgaacctcgcggacagttaagaacccaggggcctctgcgccctgggcccagctctgtcccacaccgcggtcacatggcaccacctctcttgcagCCTCCACCAAGGGCCCATCGGTCTTCCCCCTGGCACCCTCCTCCAAGAGCACCTCTGGGGGCACAGCGGCCCTGGGCTGCCTGGTCAAGGACTACTTCCCCGAACCGGTGACGGTGTCGTGGAACTCAGGCGCCCTGACCAGCGGCGTGCACACCTTCCCGGCTGTCCTACAGTCCTCAGGACTCTACTCCCTCAGCAGCGTGGTGACCGTGCCCTCCAGCAGCTTGGGCACCCAGACCTACATCTGCAACGTGAATCACAAGCCCAGCAACACCAAGGTGGACAAGAGAGTTGgtgagaggccagcacagggagggagggtgtctgctggaagccaggctcagcgctcctgcctggacgcatcccggctatgcagtcccagtccagggcagcaaggcaggccccgtctgcctcttcacccggaggcctctgcccgccccactcatgctcagggagagggtcttctggctttttccccaggctctgggcaggcacaggctaggtgcccctaacccaggccctgcacacaaaggggcaggtgctgggctcagacctgccaagagccatatccgggaggaccctgcccctgacctaagcccaccccaaaggccaaactctccactccctcagctcggacaccttctctcctcccagattccagtaactcccaatcttctctctgcagAGCCCAAATCTTGTGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGgtaagccagcccaggcctcgccctccagctcaaggcgggacaggtgccctagagtagcctgcatccagggacaggccccagccgggtgctgacacgtccacctccatctcttcctcagCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGgtgggacccgtggggtgcgagggccacatggacagaggccggctcggcccaccctctgccctgagagtgaccgctgtaccaacctctgtccctacagGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCACGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCCCCGGGTAAAGCCCCAACTTCAAGTAGTACTGCCGCCACACAGCTGCAACTGGAGCATCTCCTGCTGGATCTCCAGATGATTCTGAATGGAATTAACAACTACAAGAATCCCAAACTCACCAGGATGCTCACATTCAAGTTCTACATGCCCAAGAAGGCCACAGAGCTCAAACATCTCCAGTGTCTAGAGGAGGAACTCAAACCTCTGGAGGAAGTGCTAAACCTCGCTCAGAGCAAAAACTTCCACTTAAGACCTAGGGACTTAATCAGCAATATCAACGTAATAGTTCTGGAACTAAAGGGATCCGAAACAACATTCATGTGTGAATATGCTGATGAGACAGCAACCATTGTAGAATTCCTAAACAGATGGATTACCTTTTGTCAAAGCATCATCTCAACACTAACTTGAtaattaagtgctcgag
【0047】
タンパク質を組織培養上清から精製し、それらの薬物動態学的特性を調べた。結果を図1に示した。これらの結果は、IL-2のリジン8および9の両方に変異を含む抗体-IL-2融合タンパク質が血清半減期において顕著な改善を示すことを明らかにしている。さらに、IL-2のスレオニン3もこのタンパク質の半減期に影響を与えることが認められた。
特定の接合部改変が抗体-IL-2融合タンパク質の薬物動態に与える効果を調べた。マウスに25マイクログラムの(i)変異を含まない抗体-IL-2融合タンパク質(Lys(-1)Thr3、円)、(ii)抗体重鎖中のC-末端リジンおよびIL-2のスレオニン3のアラニンへの置換を含む融合タンパク質(Lys(-1)Ala Thr3 Ala、菱形)、Lys(-1)Alaを有する酵素的に脱グリコシルしたもの(小さな四角)、抗体重鎖中のC-末端リジンのみに変異のあるもの(大きな四角および点線)、を注射した。血液サンプルを注射後の種々の時点で取り出し、無傷の融合タンパク質の濃度を測定した。結果を図2に示す。
【0048】
実施例2.IL-2融合タンパク質のO-グリコシル化の程度の測定
この実施例では、O-グリコシル化の程度がIL-2融合タンパク質の血清半減期に与える影響を調べた。
IL-2融合タンパク質中のO-グリコシル化の程度は以下のように調べた。抗体-IL-2融合タンパク質を遺伝的に操作した哺乳動物NS/0細胞から標準的な手順を用いて発現させた。このタンパク質をStaph Aプロテインを用いて標準的な技術に従って精製した。得られた精製抗体-IL-2融合タンパク質をイオン交換クロマトグラフィによって分析し、ピークの分布をUV吸収を用いて観察した。同時に、抗体-IL-2融合タンパク質のサンプルをシアリダーゼ(Roche Diagnostics GMBH, Mannheim Germany)で処理し、次に同じイオン交換クロマトグラフィーシステム(Agilent 1100 HPLC, Dionex ProPac WCX-10 4.6mm x 250mmカラムを用いる)を用いて解析した。
【0049】
この手順の背景にある理論は以下のとおりである。シアリダーゼはO-結合およびN-結合グリカンの末端のシアル酸を除去する。抗体-IL-2融合タンパク質において、シアル酸の可能性な唯一の供給源はIL-2の位置3にあるスレオニンのO-グリコシル化を介したものである。この抗体またはIL-2には他の既知のO-結合グリコシル化部位は存在しない。
2つのイオン交換プロファイルを比較することによって、未処理の抗体-IL-2融合タンパク質サンプルは5つまでの(0、1、2、3または4個のシアル酸残基に対応する)ピーク中に分布することが示された。シアリダーゼで処理後、同じ材料は本質的に単一のピークとして移動した。溶出パターンの比較により、精製タンパク質サンプル中のO-グリコシル化の程度の指標が提供される。
特定の一例において、KS-Lys(-1)-IL-2、KS-Lys(-1)Ala-IL-2およびKS-Lys(-1)Ala-IL-2(Thr3Ala)におけるO-グリコシル化の程度を上述の方法によって比較した。その結果は、KS-Lys(-1)-IL-2のグリコシル化は5%未満であり、KS-Lys(-1)Ala-IL-2のO-グリコシル化は少なくとも90%であり、KS-Lys(-1)Ala-IL-2(Thr3Ala)は全くグリコシル化されていないことが示された。これらの結果はペプチドマッピングによって、タンパク質のトリプシン消化および質量分光分析による生じたペプチドの分析に基づいて確認された。
【0050】
実施例3.IL-2活性の測定
この実施例は、IL-2融合タンパク質の活性を決定するために行った。抗体-IL-2融合タンパク質の活性は4種の異なる細胞ベースのアッセイでテストした。
細胞ベースのバイオアッセイのため、増殖に関してIL-2依存性の細胞株(たとえばhuKS-IL2およびhuKS-IL2変種)を用い、Ig-融合タンパク質の活性をこれらの細胞の増殖によって評価した。たとえば、CTLL-2(ATCC#TIB-214;Matesanz and Alcina, 1996)およびTF-1β(Farnerら、[1995]Blood 86: 4568-4578)を使用し、それぞれT細胞応答およびNK細胞様応答を行わせるために使用した。CTLL-2は高アフィニティーIL-2Rαβγを発現するげっ歯類Tリンパ芽球細胞株であり、TF-1βは中程度アフィニティーIL-2Rβyを発現する未熟赤芽球前駆体細胞に由来するヒト細胞株である。これらのアッセイのために有用な他の細胞株はヒト成人T白血病に由来する細胞株Kit-255(K6)である(Uhcidaら、[1987] Blood 70: 1069-1072)。これらのアッセイはヒトPBMC(末梢血単球細胞;Peripheral Blood Mononuclear Cell)に由来する細胞集団で標準的手順に従って行った。
以下の表1に示すように、抗体(Ala[-1])-IL-2(Thr3 Ala8 Ala9)融合体のIL-2活性は他の抗体-IL-2分子についての活性と実質的に同じであった。
【0051】
表1

【0052】
実施例4.アルブミン-IL-2融合タンパク質の特徴
この実施例は、IL-2のスレオニン3がアラニン(すなわち、O-グリコシル化され得ないアミノ酸)で置換されたアルブミン-IL-2融合タンパク質(配列番号5)の血清半減期を調べるために行った。
アルブミン-IL-2融合タンパク質はインターロイキン-2単独よりもいくぶん長い血清半減期を有する。哺乳動物細胞または酵母のような真核細胞で産生されたアルブミン-IL-2融合タンパク質はIL-2のスレオニン3で不完全にグリコシル化されている。IL-2のスレオニン3がアラニンで置換されたアルブミン-IL-2融合タンパク質は、IL-2のスレオニン3が変更されていないアルブミン-IL-2融合タンパク質よりも低いバッチ間変動を示す。
【0053】
等価物
本発明は、本発明の精神または本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態として具体化することができるであろう。従って、上述した実施態様は本明細書に記載の発明に対する制限ではなく、あらゆる点で例示的であると解すべきである。従って、本発明の範囲は上述の記載ではなく、請求の範囲によって示され、その請求の範囲と等価な意味および範囲内にあるすべての変更は請求の範囲に包含されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施例に示した種々のKS-IL-2融合タンパク質変異体の薬物動態学的挙動を示す。
【図2】Balb/Cマウスに注射した場合の種々のKS-IL-2融合タンパク質変異体の薬物動態学的効果を示す。
【図3】リーダーペプチド配列(下線部)を含むヒトIL-2配列のアミノ酸配列を表す(配列番号1)。
【図4】リーダーペプチド配列(下線部)を含むMacaca mulatta(アカゲザル)IL-2配列を表す(配列番号2)。
【図5】リーダーペプチド配列(下線部)を含むMacaca fascicularis(カニクイザル)IL-2配列を表す(配列番号3)。
【図6】リーダーペプチド配列(下線部)を含むCercocebus torquatus atys(スーティーマンガベー)IL-2配列を表す(配列番号4)。
【図7】ヒトアルブミン-IL-2融合タンパク質のアミノ酸配列を表し、IL-2タンパク質中の改変は太字で示してある(配列番号5)。
【図8】ヒトのIgGのγ4定常領域のアミノ酸配列を表す(配列番号6)。
【図9】ヒトのIgGのγ1定常領域のアミノ酸配列を表す(配列番号7)。
【図10】ヒトのIgGのγ2定常領域のアミノ酸配列を表す(配列番号8)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターロイキン-2タンパク質のLys8およびLys9がリジンでないアミノ酸に置換されている、インターロイキン-2タンパク質を含むタンパク質。
【請求項2】
請求項1記載のタンパク質および担体タンパク質を含む融合タンパク質。
【請求項3】
担体タンパク質がインターロイキン-2タンパク質のN-末端に融合している、請求項2記載の融合タンパク質。
【請求項4】
リジンでないアミノ酸が疎水性アミノ酸である、請求項1〜3のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項5】
疎水性アミノ酸が、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニン、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシンおよびバリンからなる群より選ばれる、請求項4記載のタンパク質。
【請求項6】
リジンでないアミノ酸がアラニンである、請求項1〜5のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項7】
インターロイキン-2タンパク質が哺乳動物インターロイキン-2由来である、請求項1〜6のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項8】
インターロイキン-2タンパク質がヒトインターロイキン-2由来である、請求項7記載のタンパク質。
【請求項9】
インターロイキン-2タンパク質のN-末端部分がO-グリコシル化部位を含む、請求項3記載のタンパク質。
【請求項10】
担体タンパク質がアルブミンを含む、請求項2記載の融合タンパク質。
【請求項11】
担体タンパク質が免疫グロブリン(Ig)部分を含む、請求項2記載の融合タンパク質。
【請求項12】
Ig部分が少なくともIg重鎖の一部を含む、請求項11記載の融合タンパク質。
【請求項13】
Ig部分のC-末端部分の少なくとも1つのアミノ酸が疎水性アミノ酸で置換されている、請求項12記載の融合タンパク質。
【請求項14】
Ig部分のC-末端リジン残基がアラニンで置換されている、請求項13記載の融合タンパク質。
【請求項15】
Ig部分が少なくともIgG2またはIgG4定常領域のCH2領域を含む、請求項11記載の融合タンパク質。
【請求項16】
Ig部分がLeu234、Leu235、Gly236、Gly237、Asn297およびPro331からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸が変異または欠失したIgG1定常領域の一部を少なくとも含む、請求項11記載の融合タンパク質。
【請求項17】
Ig部分がLeu281、Leu282、Gly283、Gly284、Asn344およびPro378からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸が変異または欠失したIgG3定常領域の一部を少なくとも含む、請求項11記載の融合タンパク質。
【請求項18】
更に担体タンパク質およびインターロイキン-2タンパク質の間にリンカーペプチドを含む、請求項2記載の融合タンパク質。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項記載のタンパク質をコードする核酸分子。
【請求項20】
請求項19記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項21】
請求項19記載の核酸分子を含む細胞。
【請求項22】
請求項21記載の細胞をタンパク質の発現を許容する条件下で維持すること、および、発現した前記タンパク質を回収すること、を含むタンパク質の調製方法。
【請求項23】
請求項1〜18のいずれか1項記載のタンパク質および製薬的に許容できる単体を含む医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜18のいずれか1項記載のタンパク質、請求項19記載の核酸、または請求項23記載の医薬組成物の、哺乳動物の疾病を治療するための医薬の製造のための使用であって、前記疾病が癌、ウイルス感染、および免疫疾患かなる群より選ばれる、前記使用。
【請求項25】
哺乳動物がヒトである、請求項24記載の使用。
【請求項26】
免疫サイトカインのO-グリコシル化の程度を決定する方法であって、
O-グリコシル化部位を有する免疫サイトカインを提供すること;
O-グリコシル化の程度を測定すること;および、
前記O-グリコシル化の程度を対照と比較すること、
を含む、前記方法。
【請求項27】
免疫サイトカインが免疫グロブリン(Ig)およびインターロイキン-2融合タンパク質を含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
インターロイキン-2のThr3におけるO-グリコシル化部の程度を測定することを含む、請求項27記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2007−533294(P2007−533294A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524346(P2006−524346)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009642
【国際公開番号】WO2005/021592
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】