説明

インテリジェンスビル地下における光ケーブルを使った貸金庫システム

【課題】 インテリジェンスビル地下室を利用することによって、十分なセキュリティを実現できる貸金庫システムを提供する。
【解決手段】 光ケーブルが敷設されたインテリジェンスビルの地下室を貸金庫室として利用する貸金庫システムにおいて、第1の認証手段である指紋若しくは指色の読み取り装置と、第2の認証手段であるカード読み取り装置と、第3の認証手段であるパスワード入力装置と、前記第1から第3の認証手段と前記光ケーブルを介して接続され、これら認証手段から送られてきた情報が予め登録された情報と一致するか否かを判定するユーザ認証サーバと、前記貸金庫室の扉に設けられた施錠装置とを有する貸金庫システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェンスビル地下における光ケーブルを使った貸金庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金銭や証券など価値のある物の保管は、自前の金庫や金融機関などが提供する貸金庫を用いて行っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、最近の犯罪状況を見るに、自前の金庫では金庫ごと運び出されてしまい、金庫に保管しても盗難を免れないという心配が生じている。また、金融機関などの提供する貸金庫も天災、テロ、人災などによる不測の事態に万全に対処するには難しいという点があり、かつセキュリティを高めるためには周囲の壁を厚く強固にするなど、改造回収にかかる費用が大きく、ユーザが安価に利用できる環境になかった。
【0004】
本発明の目的は、インテリジェンスビル地下室を利用することによって、十分なセキュリティを実現できる貸金庫システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有している。
本発明の第1の態様は、光ケーブルが敷設されたインテリジェンスビルの地下室を貸金庫室として利用する貸金庫システムとして提案される。
この貸金庫システムは、第1の認証手段である指紋若しくは指色の読み取り手段(例えば、指紋リーダ装置など)と、第2の認証手段であるカード読み取り手段(例えば、時機カードリーダ、ICカードリーダなど)と、第3の認証手段であるパスワード入力手段(例えば、テンキー入力装置など)と、第1から第3の認証手段と光ケーブルを介して接続され、これら認証手段から送られてきた情報が予め登録された情報と一致するか否かを判定するユーザ認証サーバと、貸金庫室の扉に設けられた施錠装置とを有することを特徴としている。
【0006】
上記の貸金庫システムにおいて、第1から第3の認証手段のそれぞれは、貸し金庫室に入出するための通路の途中に設けられた扉の近傍に設けられており、ユーザ認証サーバ装置はこれら各認証手段から送られた情報が登録されている情報と一致した場合に、各扉の解錠を許可する構成としてもよい。
【0007】
かかる構成の貸金庫システムによれば、4段階のセキュリティチェックが行われるため、十分な安全性が図れるとともに、インテリジェンスビルに既に敷設された光ケーブルを利用して、認証手段及びユーザ認証サーバとの間の通信を行うため、高速な通信が可能であるとともに新たに通信回線を敷設する必要がなく、新たな費用が必要となることもない。また、インテリジェンスビル地下室を金庫室として利用するため、物理的な強行侵入に対する防御も十分に図られている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、貸金庫室のセキュリティを高めるために改修・改造費をかけることなく、十分な安全性を確保できる貸金庫システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる貸金庫システムの概念図である。
【0010】
本貸金庫システムは、インテリジェントビル1を利用する。インテリジェントビル1は、地下室を有する。図に示す例では、地下一階に相当する地下室2と、地下二階に相当する地下室4とを有する。地下室2には、後述するユーザ認証サーバ3が設置されており、また地下室3は金庫5が設置されており、貸金庫室として機能する。
【0011】
この実施の形態では、貸金庫室である地下室3にはインテリジェントビル1の地下構造物である通路6を通り入室できるようになっている。通路6には、エレベータEによって地上から入れるようになっている。
【0012】
通路6には、貸金庫室4への違法な入室を防止するための4重のセキュリティシステムが設けられている。
第1のセキュリティシステムは、指紋若しくは指色の読み取り手段である指紋若しくは指色読み取り装置8と、電子錠が設けられた第1ゲート7で構成される。
【0013】
第2のセキュリティシステムは、カード読み取り手段であるカード読み取り装置10と、電子錠が設けられた第2ゲート9で構成される。
【0014】
第3のセキュリティシステムは、パスワード入力手段であるパスワード入力装置12と、電子錠が設けられた第3ゲート11で構成される。
【0015】
第4のセキュリティシステムは、貸金庫室5の扉13に設けられた施錠装置である。
【0016】
なお、指紋若しくは指色読み取り装置8、カード読み取り装置10、パスワード入力装置12は、予めインテリジェントビル1に敷設された光ケーブル15によって、ユーザ認証サーバ3と通信可能に接続されている。また、第1ゲート7、第2ゲート9、第3ゲート11のそれぞれに設けられた電子錠(図略)は、同じく光ケーブル15によってユーザ認証サーバ3に接続されており、ユーザ認証サーバ3により施解錠動作を制御されるようになっている。
【0017】
ユーザ認証サーバ3は、貸金庫システムの利用者に関する、指紋または指色に関するデータ、ユーザ識別情報(ユーザID)、そのユーザ固有のパスワードなどを記憶している。
【0018】
貸金庫室4に入室したいユーザは、エレベータEにより通路6に降りると、まず、指紋若しくは指色読み取り装置8に指などを当てて、ユーザ認証をユーザ認証サーバ3に求める。ユーザ認証サーバ3は、読み取られた指紋等に関するデータと、予め登録されているデータを照合し、データが一致する場合には、第1ゲートの電子錠を解錠し、ユーザの通過を許可する。
【0019】
第1ゲート7を通過したユーザは、つぎに、カード読み取り装置10に本貸金庫システムの運営者などから発行を受けたユーザカード(図略)を読み取らせ、ユーザ認証をユーザ認証サーバ3に求める。ユーザカードには、そのユーザのユーザ識別情報が書き込まれている。ユーザ認証サーバ3は、読み取られたユーザ識別情報と、予め登録されているユーザ識別情報を照合し、両者が一致する場合には、第2ゲート9の電子錠を解錠し、ユーザの通過を許可する。
【0020】
第2ゲート9を通過したユーザは、つぎに、パスワード読み取り装置12に、予め本貸金庫システムの運営者などとの間で定めたパスワードを入力し、ユーザ認証をユーザ認証サーバ3に求める。ユーザ認証サーバ3は、入力されたパスワードと、予め登録されているそのユーザのパスワードを照合し、両者が一致する場合には、第3ゲート11の電子錠を解錠し、ユーザの通過を許可する。
【0021】
第3ゲート9を通過したユーザは、最後に貸金庫室4の扉13に設けられた施錠機構に、本貸金庫システムの運営者などから渡された鍵を差して解錠し、貸金庫室4に入出する。
【0022】
かかる貸金庫システムによれば、4重のセキュリティチェックがなされるため十分な安全性が期待できるとともに、予め光ケーブルが敷設されたインテリジェントビル1の地下室を利用するため、既存の設備を利用して安価に、強固な貸金庫システムを構築することが可能となる。
【0023】
[その他]
本実施の形態では、貸金庫室を地下2階、ユーザ認証サーバ3を地下1階に設けたが、本発明はこの構成に限定されず、貸金庫室は地下であればどの階であっても構わない。また、ユーザ認証サーバ3は、光ケーブル15に接続可能なロケーションであればどのような場所に設置されてもよく、インテリジェントビル1以外の場所であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】 本貸金庫システムの一例を示す概念図
【符号の説明】
【0025】
1 … インテリジェントビル
3 … ユーザ認証サーバ
4 … 地下室(貸金庫室)
5 … 金庫
6 … 通路
7、9,11 … ゲート
8,10,12 … 認証手段
15 … 光ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ケーブルが敷設されたインテリジェンスビルの地下室を貸金庫室として利用する貸金庫システムにおいて、
第1の認証手段である指紋若しくは指色の読み取り手段と、
第2の認証手段であるカード読み取り手段と、
第3の認証手段であるパスワード入力手段と、
前記第1から第3の認証手段と前記光ケーブルを介して接続され、これら認証手段から送られてきた情報が予め登録された情報と一致するか否かを判定するユーザ認証サーバと、
前記貸金庫室の扉に設けられた施錠装置と
を有することを特徴とする貸金庫システム。
【請求項2】
前記第1から第3の認証手段のそれぞれは、貸し金庫室に入出するための通路の途中に設けられた扉の近傍に設けられており、ユーザ認証サーバ装置はこれら各認証手段から送られた情報が登録されている情報と一致した場合に、各扉の解錠を許可することを特徴とする貸金庫システム。

【図1】
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【公開番号】特開2006−214247(P2006−214247A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56555(P2005−56555)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(505056409)
【Fターム(参考)】