説明

インバータ制御装置およびこれを用いるインバータ制御方法

【課題】簡易な構成でインバータ制御を実現できるインバータ制御装置およびこれを用いるインバータ制御方法を提供する。
【解決手段】インバータ電源20によって駆動される誘導加熱装置100に対するインバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φを制御するインバータ制御装置10であって、前記誘導加熱装置100に流れるインバータ出力電流Iを検出する電流センサ12と、前記インバータ出力電圧Vと前記インバータ出力電流Iとの位相差φを制御するコントローラ15と、を具備し、前記コントローラ15は、前記インバータ出力電圧Vの周期Tの中間点tmを認識し、前記電流センサ12によって前記中間点tmにおける前記インバータ出力電流Iを認識し、前記インバータ出力電流Iに基づいて、前記インバータ出力電圧Vの周波数fを変更し、前記インバータ出力電圧Vと前記インバータ出力電流Iとの位相差φを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ電源によって駆動される誘導加熱装置に対するインバータ出力電圧とインバータ出力電流との位相差を制御するインバータ制御装置およびこれを用いるインバータ制御方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱装置は、電磁誘導の原理を利用して対象物を加熱する加熱装置として公知である。誘導加熱装置は、加熱効率が高い、自動化や省力化が可能、急速加熱が可能、温度制御が容易、作業環境が改善できる、といった利点を有し産業分野で広く利用されている。誘導加熱装置は、例えば、自動車工場においてギア等の金属部品の高周波焼き入れをするときに用いられている。なお、高周波焼入れとは、高周波の電磁波による電磁誘導を起こし、金属部品の表面を加熱させて焼入れを行う熱処理の手法である。
【0003】
誘導加熱装置は、加熱対象物の形状や材質または加熱条件に応じてさまざまな周波数や電力が要求されるため、インバータ電源により駆動される。誘導加熱装置では、最大の出力電流を得るため、インバータ制御によって誘導加熱回路を共振させることが望ましい。ここで、インバータ制御とは、誘導加熱装置に出力されるインバータ出力電圧と誘導加熱装置に流れるインバータ出力電流との位相差を制御することをいう。
【0004】
例えば、特許文献1は、インバータ出力電圧とインバータ出力電流との位相差に応じた信号を出力するフェーズロックドループ回路(PLL回路)を設け、PLL回路からの出力によりインバータ出力電圧とインバータ出力電流とを共振させるインバータ制御装置の構成を開示している。しかし、特許文献1に代表されるPLL回路を用いる構成のインバータ装置は、構成部品が多く、複雑な制御が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−28275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、簡易な構成でインバータ制御を実現できるインバータ制御装置およびこれを用いるインバータ制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、インバータ電源によって駆動される誘導加熱装置に対するインバータ出力電圧とインバータ出力電流との位相差を制御するインバータ制御装置であって、前記誘導加熱装置に流れるインバータ出力電流を検出する電流センサと、前記インバータ出力電圧と前記インバータ出力電流との位相差を制御するコントローラと、を具備し、前記コントローラは、前記インバータ出力電圧の周期の中間点を認識し、前記電流センサによって前記中間点における前記インバータ出力電流を認識し、前記中間点における前記インバータ出力電流に基づいて、前記インバータ出力電圧の周波数を変更して、前記インバータ出力電圧と前記インバータ出力電流との位相差を制御するものである。
【0009】
請求項2においては、インバータ電源によって駆動される誘導加熱装置に対するインバータの出力電圧と出力電流との位相差を制御するインバータ制御装置を用いるインバータ制御方法であって、前記インバータ出力電圧の周期の中間点を認識し、前記中間点における前記インバータ出力電流の電流値を認識し、前記中間点における前記インバータ出力電流の電流値に基づいて、前記インバータ出力電圧の周波数を変更して、前記インバータ出力電圧と前記インバータ出力電流との位相差を制御するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のインバータ制御装置およびこれを用いるインバータ制御方法によれば、簡易な構成でインバータ制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る誘導加熱装置を示す構成図。
【図2】同じくインバータ制御装置を示す構成図。
【図3】インバータ出力電圧およびインバータ出力電流の関係を示すグラフ図。
【図4】インバータ出力電圧とインバータ出力電流とを共振させる場合のインバータ制御の流れを示すフロー図。
【図5】インバータ出力電圧とインバータ出力電流とを任意の位相差とする場合のインバータ制御の流れを示すフロー図。
【図6】(A)本発明のインバータ制御装置を示す構成図(B)従来のインバータ制御装置を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を用いて、誘導加熱装置100について説明する。
本発明の実施形態である誘導加熱装置100は、自動車工場においてギア部品の高周波焼き入れを行う加熱装置である。高周波焼入れとは、高周波の電磁波による電磁誘導を起こし、ギア部品の表面を加熱させて焼入れを行う熱処理の手法である。なお、本発明の誘導加熱装置は高周波焼き入れを行う誘導加熱装置100に限定されるものではない。
【0013】
誘導加熱装置100は、インバータ制御装置10と、インバータ電源20と、誘導加熱回路30と、を具備している。誘導加熱装置100は、インバータ電源20によって駆動されるものである。インバータ制御装置10は、誘導加熱装置100に出力されるインバータ出力電圧Vと誘導加熱装置100に流れるインバータ出力電流Iとの位相差φを制御するものである。
【0014】
インバータ電源20は、三相交流電源21と、整流器22と、インバータ回路23と、を具備している。三相交流電源21は、自動車工場に供給される商用電源であって、200Vまたは400Vの三相交流電源を供給するものである。整流器22は、200Vまたは400Vの三相交流電源を整流して直流を作り出すものである。インバータ回路23は、4つの絶縁ゲート型両極性トランジスタ(IGBTまたはMOSFET)からなるブリッジ回路を用いて、電流のОN/ОFFを繰り返し擬似的に単相交流を作り出すものである。なお、本発明の誘導加熱装置は、三相交流のインバータによって駆動される構成であっても良く、単相交流のインバータによって駆動される誘導加熱装置100に限定されるものではない。
【0015】
誘導加熱回路30は、抵抗31と、コイル32と、コンデンサ33と、を具備している。誘導加熱回路30では、抵抗31、コイル32およびコンデンサ33が直列に接続されている。このように構成される誘導加熱回路30では、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させることで誘導加熱回路30の出力電流が最大となる。
【0016】
インバータ制御装置10は、インバータ制御回路11と、電流センサ12と、を具備している。電流センサ12は、誘導加熱装置30に流れるインバータ出力電流Iの電流値を検出するものである。電流センサ12は、誘導加熱装置30に設けられ、インバータ制御回路11に接続されている。
【0017】
図2を用いて、インバータ制御回路11について説明する。
インバータ制御回路11は、コントローラ15と、インバータ駆動ユニット16と、A/D変換器17と、バス18と、を具備している。コントローラ15は、誘導加熱装置100に出力されるインバータ出力電圧Vと誘導加熱装置100に流れるインバータ出力電流Iとの位相差φを制御するものである。インバータ駆動ユニット16は、インバータ回路23の絶縁ゲート型両極性トランジスタへの電圧のОN/ОFFを繰り返し、擬似的に交流波形を生成するものである。A/D変換器17は、電流センサ12より検出したアナログ電気信号としての電流値をデジタル電気信号に変換するものである。バス18は、インバータ制御回路11内部において、コントローラ15、インバータ駆動ユニット16およびA/D変換器17を含めた各回路がデータをやり取りするための伝送路である。
【0018】
図3を用いて、インバータ制御の対象となるインバータ出力電圧Vについて説明する。
図3は、上段から下段に向かって、インバータ回路23の絶縁ゲート型両極性トランジスタに対するゲート出力信号w(出力w)、同じくゲート出力信号v(出力v)、インバータ電源20のインバータ出力電圧V、コントローラ15のカウント値、電流センサ12によって検出される誘導加熱回路30のインバータ出力電流Iを示している。なお、Voはインバータ出力電圧Vの波高値を、Ioはインバータ出力電流Iの波高値を示している。
【0019】
コントローラ15は、インバータ駆動ユニット16を介して、インバータ回路23のIGBTに対して、ゲート出力信号w(出力w)と、ゲート出力信号v(出力v)と、を出力し、誘導加熱回路13にインバータ出力電圧Vを供給している。このとき、カウント値は、インバータ出力電圧Vの周期Tに対応させ、周期Tが0の地点でカウント0として表されている。また、図3では、後述するインバータ制御を行う前提の状態として、インバータ出力電流Iは、インバータ出力電圧Vに対して、位相差φ1だけ進角している状態として表されている。
【0020】
インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φ(インバータ出力電圧Vに対するインバータ出力電流Iの位相差)は、以下の数式(S―1)で表される。なお、Rは抵抗31の抵抗値を、Lはコイル32のインダクタンスを、Cはコンデンサ33の容量を表している。
【数1】

ここで、数式(S―1)は、周波数fを大きくした場合には、位相差φが大きくなり(インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iが遅角する)、周波数fを小さくした場合には、位相差φが小さくなる(インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iが進角する)ことを示している。
【0021】
図4を用いて、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させる場合のインバータ制御の流れについて説明する。なお、インバータ制御を行う前提として、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとは、図3に表されている状態、すなわちインバータ出力電流Iはインバータ出力電圧Vに対して位相差φ1だけ進角しているものとする。
【0022】
コントローラ15は、ステップS110において、インバータ出力電圧Vの周期Tにおける中間点tmを認識する。具体的には、コントローラ15は、出力vから出力wまでに中間点tmとして認識する(図3参照)。次に、コントローラ15は、ステップS120において、電流センサ12によって中間点tmにおける誘導加熱回路30のインバータ出力電流Iとして電流値Imを認識する(図3参照)。
【0023】
コントローラ15は、ステップS130において、中間点tmの電流値Imが0であるかどうかを判定する。コントローラ15は、中間点tmの電流値Imが0の場合は、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとが共振していると判断してインバータ制御を終了する。一方、コントローラ15は、中間点tmの電流値Imが0ではない場合は、インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iが遅角または進角していると判断する。
【0024】
コントローラ15は、ステップS140において、中間点tmの電流値Imが0より大きいかどうかを判定する。コントローラ15は、中間点tmの電流値Imが0より大きいと判定した場合は、インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iが進角していると判断し、ステップS150において、数式S−1より、インバータ出力電圧Vの周波数fを大きくすることで、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φを大きくして、インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iを遅角させる。コントローラ15は、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとが共振する、すなわち中間点tmの電流値Imが0となるまで、ステップS140およびステップS150を繰り返す。
【0025】
一方、コントローラ15は、ステップS140において、中間点tmの電流値Imが0より小さいと判定した場合は、インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iが遅角していると判断し、ステップS160において、数式S1より、インバータ出力電圧Vの周波数fを小さくすることで、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φを小さくして、インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iを進角させる。コントローラ15は、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとが共振する、すなわち中間点tmの電流値Imが0となるまで、ステップS140およびステップS160を繰り返す。
【0026】
このような構成とすることで、インバータ出力電圧Vの周期Tの中間点tmにおける電流値Imが0となるように、インバータ出力電圧Vの周波数fを変化させることで、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させることができる。
【0027】
図5を用いて、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φ1を任意の位相差φsとして制御する場合のインバータ制御の流れについて説明する。なお、インバータ制御を行う前提として、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとは、図3に表されている状態、すなわちインバータ出力電流Iはインバータ出力電圧Vに対して、位相差φ1だけ進角しているものとする。
【0028】
ここで、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φ1を任意の位相差φsとして制御する場合のインバータ制御は、電流センサ12が位相差φs分の検出タイミング(以下検出タイミングtsとする)だけずらして上述した中間点tmの電流値Imを検出し、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させる制御を行うものとする。
【0029】
コントローラ15は、ステップS210において、インバータ出力電圧Vの周期Tにおける中間点tmを認識する。具体的には、コントローラ15は、出力wと出力vとを出力する中間のタイミングをインバータ出力電圧Vの周期Tにおける中間点tmとして認識する。次に、コントローラ15は、ステップS220において、検出タイミングtsだけずらして、電流センサ12によって中間点tmにおける誘導加熱回路30のインバータ出力電流Iとして電流値Imを認識する。
なお、ステップS230〜ステップS260までは、ステップS130〜ステップS160までと同様であるため、説明を省略する。すなわち中間点tmの電流値Imが0となるまで、ステップS230およびステップS260を繰り返す。
【0030】
このような構成とすることで、電流センサ12による電流値Imの検出タイミングをtsだけずらして、インバータ出力電圧Vの周期Tの中間点tmにおける電流値Imが0となるように、インバータ出力電圧Vの周波数fを変化させることで、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φ1を任意の位相差φsとして制御することができる。
【0031】
図6を用いて、インバータ制御装置10によるインバータ制御の効果について説明する。
図6では、(A)は本発明の実施形態の誘導加熱装置100を示し、(B)は従来の誘導加熱装置200を示している。
従来の誘導加熱装置200のインバータ制御装置210では、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させる場合には、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φ1に応じた信号を出力するPLL回路(図示略)を設け、PLL回路からの出力によりインバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させる構成であって、電圧センサ213が必要とされていた(図6(B)参照)。
【0032】
しかし、本実施形態のインバータ制御装置10では、インバータ出力電圧Vの周期Tの中間点tmにおける誘導加熱回路30のインバータ出力電流Iの電流値Imのみに基づいて、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させるため、インバータ制御装置10において電圧センサ213を省略することできる。すなわち、インバータ回路11と電流センサ12のみでインバータ制御装置10を構成できる。
【0033】
また、従来の誘導加熱装置200のインバータ制御装置210では、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとを共振させるのみであって、例えばインバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φを任意の位相差φsとして制御することができなかった。
【0034】
しかし、本実施形態のインバータ制御装置10では、インバータ出力電圧Vの周期Tの中間点tmにおける電流値Imを検出するタイミングをずらすことで、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φを任意の位相差φsとして制御することができる。
【0035】
ここで、インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iが若干遅角している場合には、絶縁ゲート型両極性トランジスタへの電流のОN/ОFF時にサージ電圧が発生しないことが分かっている。サージ電圧とは、電気回路などに瞬間的に定常状態を超えて発生する大波電圧のことをいう。従来、誘導加熱装置200のインバータ制御装置210では、サージ電圧を吸収するために各インバータ回路223にスナバ回路223Aを設ける必要があった(図6(B)参照)。
【0036】
しかし、本実施形態のインバータ制御装置10では、インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iとの位相差φを任意の位相差φsとして制御することができるため、インバータ出力電圧Vに対してインバータ出力電流Iが若干遅角するように制御することで、サージ電圧の発生を防止できる。そのため、インバータ電源20においてサージ電圧を吸収するスナバ回路223Aをそれぞれのインバータ回路223から省略することができる。すなわち、スナバ回路223Aのないインバータ回路223によってインバータ電源20を構成できる。
【0037】
このようにして、インバータ制御装置10およびこれを用いるインバータ制御によれば、簡易な構成でインバータ制御装置10およびインバータ電源20を構成でき、インバータ制御を実現できる。
【0038】
さらに、インバータ出力電流Iの実効値Io(誘導加熱装置100の出力電流Io、図3参照)とインバータ出力電圧Vの実効値Voとの関係は下記の数式(S−2)で表されることが分かっている。
【数2】

ここで、数式(S―2)は、共振点で電流Ioが最大となり、共振周波数から周波数をずらすことにより、電流Ioを小さくコントロールできることを示している。そのため、インバータ制御装置10は、インバータ出力電圧Vの周波数fを制御することで、誘導加熱装置100の出力電流Ioを制御することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 インバータ制御装置
11 コントローラ
12 電流センサ
20 インバータ電源
30 誘導加熱回路
100 誘導加熱装置
V インバータ出力電圧
I インバータ出力電流
φ インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iの位相差
φ1 インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iの位相差(インバータ制御前)
φs インバータ出力電圧Vとインバータ出力電流Iの任意の位相差(インバータ制御による任意の目標)
T インバータ出力電圧Vの周期
tm インバータ出力電圧Vの周期Tの中間点
ts 検出タイミング(位相差φs分のタイミング)
Im インバータ出力電圧Vの周期Tの中間点tmのインバータ出力電流
f インバータ出力電圧Vの周波数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ電源によって駆動される誘導加熱装置に対するインバータ出力電圧とインバータ出力電流との位相差を制御するインバータ制御装置であって、
前記誘導加熱装置に流れるインバータ出力電流を検出する電流センサと、
前記インバータ出力電圧と前記インバータ出力電流との位相差を制御するコントローラと、
を具備し、
前記コントローラは、
前記インバータ出力電圧の周期の中間点を認識し、
前記電流センサによって前記中間点における前記インバータ出力電流を認識し、
前記中間点における前記インバータ出力電流に基づいて、前記インバータ出力電圧の周波数を変更して、
前記インバータ出力電圧と前記インバータ出力電流との位相差を制御する、
インバータ制御装置。
【請求項2】
インバータ電源によって駆動される誘導加熱装置に対するインバータの出力電圧と出力電流との位相差を制御するインバータ制御装置を用いるインバータ制御方法であって、
前記インバータ出力電圧の周期の中間点を認識し、
前記中間点における前記インバータ出力電流の電流値を認識し、
前記中間点における前記インバータ出力電流の電流値に基づいて、前記インバータ出力電圧の周波数を変更して、
前記インバータ出力電圧と前記インバータ出力電流との位相差を制御する、
インバータ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−80613(P2012−80613A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220963(P2010−220963)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【出願人】(392035352)株式会社豊電子工業 (21)
【Fターム(参考)】