説明

インフレーションフィルムの製造方法

【課題】インフレーションフィルムの巻取りロールにおける巻径のムラを低減する。
【解決手段】インフレーションフィルム2が環状ダイ1からピンチロール3に至る間においてインフレーションフィルムの厚みを計測し、この厚みデータに基づいてピンチロールを所定面内において一定速度で回転させながら、インフレーションフィルムを巻取りロールとして巻き取るインフレーションフィルム製造方法において、上記一定速度下における上記厚みデータを用いて巻取りロールの幅方向で巻径を計算し、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での上記厚みデータを用いた巻取りロールの幅方向での巻径の計算を行い、この幅方向での巻径のムラが上記一定速度下での幅方向の巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフレーション法によるフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インフレーション法は、図1に示すように、環状ダイ1より押出された円筒状の溶融樹脂を空気で膨張させてインフレーションフィルム2とし、これを空冷固化させた後に、ピンチロール3で扁平に折り畳み、最後に巻取りロール4として巻き取ろうというものである。
【0003】
このインフレーション法は、環状ダイ1から押し出した溶融樹脂を空気で膨張させ、固化させているため、インフレーションフィルム2にはその周方向で厚みにムラすなわち偏肉2aが生じやすいという問題がある。この偏肉2aが発生すると、インフレーションフィルム2を巻き取ったときに、巻取りロール4の幅方向で局所的にインフレーションフィルム2の厚肉同士又は薄肉同士が積層し、巻取りロール4にその幅方向で直径差すなわち巻径差が発生し、巻取り後のインフレーションフィルム2にシワ、たるみ等のひずみが発生しやすくなる。
【0004】
従来、このような巻取りロール4上での偏肉同士の積層を防止するため、環状ダイ1から押出された溶融樹脂をピンチロール3でシート状にする際に、ピンチロール3を円筒状のインフレーションフィルム2の軸を中心として水平面内で所定角度一定速度で回転させることで、巻取りロール4の幅方向に偏肉2aの生じた部分を一様に分散させることが試みられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、偏肉2aを巻取りロール4の幅方向に一様に分散させる他の方法として、円筒状のインフレーションフィルム2を環状ダイの外周面に押圧ロールを押し付けながら押圧ロールをインフレーションフィルムの円筒の周方向に捩ることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
その他、環状ダイ、巻取り機、押出し機等を回転機構によって水平面内で回転させたりすることも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−22459号公報
【特許文献2】特開昭54−152060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の方法は、インフレーションフィルムの製造中における偏肉の大きさや位置の変動、巻取りロールの巻取り中の形状の変化について考慮せず、ピンチロールの所定平面内での回転速度や環状ダイの回転速度は常時一定に設定される。そのため、インフレーションフィルムの製造中における偏肉の大きさや位置等の変化によって、巻取りロールに巻径差が顕著に現れるおそれがある。
【0009】
この場合、オペレータが偏肉の大きさや位置の変動を目視で確認することにより、随時手動操作で上記旋回速度や回転速度を変更して巻取りロールの巻径差を減少させる事は理論上可能であるが、人的負担が増加するという問題が新たに生じ、また、熟練者によらなければ適正な制御を行うことは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
【0011】
なお、本発明の理解を容易にするため括弧付きの符号を付すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
すなわち、請求項1に係る発明は、インフレーションフィルム(2)が環状ダイ(1)からピンチロール(3)に至る間又はピンチロール(3)から巻取りロール(4)に至る間においてインフレーションフィルム(2)の厚みを計測し、この厚みデータに基づいて上記ピンチロール(3)を所定面内において一定速度で回転させながら、上記インフレーションフィルム(2)を上記巻取りロール(4)として巻き取るインフレーションフィルム製造方法において、上記一定速度下における上記厚みデータを用いて上記巻取りロール(4)の幅方向で巻径を計算し、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での上記厚みデータを用いた上記巻取りロール(4)の幅方向での巻径の計算を行い、この幅方向での巻径のムラが上記一定速度下での幅方向の巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更することを内容とする。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、インフレーションフィルム(2)が環状ダイ(1)からピンチロール(3)に至る間又はピンチロール(3)から巻取りロール(4)に至る間においてインフレーションフィルム(2)の厚みを計測し、この厚みデータに基づいて上記環状ダイ(1)又は上記環状ダイ(1)を含む押出し機(5)を所定面内において一定速度で回転させながら、上記インフレーションフィルム(2)を上記巻取りロール(4)として巻き取るインフレーションフィルム製造方法において、上記一定速度下における上記厚みデータを用いて上記巻取りロール(4)の幅方向巻径を計算し、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での上記厚みデータを用いた上記巻取りロール(4)の幅方向での巻径の計算を行い、この幅方向での巻径のムラが上記一定速度下での幅方向の巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更することを内容とする。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、インフレーションフィルム(2)が環状ダイ(1)からピンチロール(3)に至る間又はピンチロール(3)から巻取りロール(4)に至る間においてインフレーションフィルム(2)の厚みを計測し、この厚みデータに基づいて上記環状ダイ(1)と上記ピンチロール(3)との間に配置された冷却リング(12)を所定面内において一定速度で回転させながら、上記インフレーションフィルム(2)を上記巻取りロール(4)として巻き取るインフレーションフィルム製造方法において、上記一定速度下における上記厚みデータを用いて上記巻取りロール(4)の幅方向での巻径を計算し、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での上記厚みデータを用いた上記巻取りロール(4)の幅方向の巻径の計算を行い、この幅方向の巻径のムラが上記一定速度下での幅方向の巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更することを内容とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、インフレーションフィルム(2)に発生する偏肉に起因してインフレーションフィルム(2)の巻取りロール(4)にその幅方向で生じ得る巻径差を低減ないし解消し、巻取り後のインフレーションフィルム(2)にシワ、たるみ等のひずみが発生しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るインフレーションフィルムの製造方法を実施するためのインフレーションフィルム製造装置の概略斜視図である。
【図2】(A)はインフレーションフィルムをその円筒の周方向に一定速度で回転させた場合のインフレーションフィルムの厚みデータのグラフ、(B)は巻取りロールの巻径のバラツキを示すグラフである。
【図3】(A)はインフレーションフィルムをその円筒の周方向に高速度で回転させた場合のインフレーションフィルムの厚みデータのグラフ、(B)は巻取りロールの巻径のバラツキを示すグラフである。
【図4】図2(B)と図3(B)とを重ねて表示した比較図である。
【図5】インフレーションフィルム製造装置の他の形態を示す概略斜視図である。
【図6】インフレーションフィルム製造装置の更に他の形態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
<実施の形態1>
図1に示すように、このインフレーションフィルム製造方法の実施に使用される装置は、環状ダイ1が上向きに装着された押出し機5を有する。
【0019】
環状ダイ1からは溶融樹脂が円筒状に押し出され、環状ダイ1の中心部からは空気が吐出され、この空気流によって、環状ダイ1から環状に押し出された溶融樹脂が円筒状のインフレーションフィルム2となって上昇する。
【0020】
環状ダイ1の上方には、円筒状のインフレーションフィルム2をスリット部へと案内する一対の案内板6と、案内板6から出るインフレーションフィルム2を扁平にプレスするピンチロール3とが設けられる。
【0021】
インフレーションフィルム2の流れ方向に見て、ピンチロール3の下流側には、扁平になったインフレーションフィルム2を案内する各種ガイドロール7が設けられ、これらガイドロール7を経てインフレーションフィルム2は巻取りロール4として巻き取られる。
【0022】
既述のごとくインフレーションフィルム2の周方向には偏肉2aが生じやすく、この偏肉2aが筋状に発生したインフレーションフィルム2をそのまま巻き取ると、巻取りロール4の幅方向で局所的にインフレーションフィルム2の厚肉同士又は薄肉同士が積層し、巻取りロール4にその幅方向で直径差すなわち巻径差が発生する。このような巻取りロール4上での偏肉同士の積層を防止するため、この実施の形態1では案内板6とピンチロール3が円筒状のインフレーションフィルム2の軸芯aを中心として水平面等所定平面内で所定方向に一定速度すなわち一定角速度で回転可能とされる。このピンチロール3等を回転させるための回転機構8は公知であるからその説明は省略する。
【0023】
図1に示すように、上記環状ダイ1から案内板6に至るインフレーションフィルム2の通路上には、インフレーションフィルム2の厚みを検出する厚み検出部9が設けられる。厚み検出部9は図示しない薄い板をインフレーションフィルム2の表面に接触させることでインフレーションフィルム2の厚みをμm単位で測定可能なセンサである。この厚み検出部9は市販品であり公知であるから説明を省略する。
【0024】
上記回転機構8は、ラインコントローラ10からの信号入力により制御され、所定の信号が送られることによって、上記ピンチロール3等を上記円筒状のインフレーションフィルム2の軸芯aを中心として一定速度で回転させる。
【0025】
従来、ラインコントローラ10はオペレータの手動によって設定操作がなされ、オペレータによって設定された所望の一定速度で上記回転機構8を介しピンチロール3等を回転させるようになっていたが、本発明では上記厚み検出部9から送られる厚みデータに基づいて各種演算を行う演算装置11からの出力によって速度設定がなされる。
【0026】
ここで、上記演算装置11を用いて上記回転機構8を制御しつつインフレーションフィルム2を製造する方法の一例について説明する。
【0027】
図1に示すように、環状ダイ1より環状に押出された溶融樹脂を空気で膨張させて円筒状のインフレーションフィルム2を形成し、これを空冷固化させた後に、ピンチロール3で扁平に折り畳み、巻取りロール4として巻き取る。
【0028】
この作業が開始されて間もなく、オペレータがインフレーションフィルム2上での偏肉2aの発生を認めると、ラインコントローラ10を操作し、回転機構8によってピンチロール3等に上記軸芯aを中心にした一定速度の回転を行わせる。あるいは、偏肉2aの発生を認めなくとも、いずれ発生するものとして予め回転機構8によってピンチロール3等に過去の経験に基づいた一定の速度で回転を行わせる。
【0029】
上記ピンチロール3の上記軸芯aを中心とした一定速度の回転運動によって円筒状のインフレーションフィルム2は捩じられつつ上昇し、偏肉2aはインフレーションフィルム上に螺旋形の筋になって現れる。これにより、インフレーションフィルム2の巻取りロール4における幅方向での巻径の偏りはある程度緩和される。
【0030】
しかし、巻取りロール4の巻径の偏りは上記回転速度を増速又は減速することによって更に低減する可能性があり、また、偏肉2aの大きさがインフレーションフィルム2の製造中に変化し現在の回転速度では巻取りロール4の巻径の偏りを低減し難くなる場合もある。
【0031】
そこで、本発明は、定期的に図2(A)に示すようなインフレーションフィルム2の厚みデータを厚み検出部9から検出し、同図(B)に示すような巻取りロール4の巻径を演算装置11によって演算する。
【0032】
図2(A)の厚みデータは、捩じられつつ上昇する円筒状インフレーションフィルム2の半周分の厚さを厚み検出部9で測定して得られたものである。これは扁平に折り畳まれるインフレーションフィルム2の上層又は下層における巻取りロール4の幅方向における厚さに対応する。また、同図(B)の巻径のデータは、図2(A)の厚みデータを一層ごとに3.5mmだけ同図横軸の右方向に移動させることで、210回積層した場合の計算結果を示す。この移動速度は上記一定の回転速度に対応している。
【0033】
次に、上記図2(A)の厚みデータをもとにして図3(A)の厚みデータを演算装置11によって得る。図3(A)の厚みデータは、上記回転速度を三倍に増速したものとして計算した結果であり、図2(A)の厚みデータと比べると横軸方向で位相がずれている。この図3(A)の厚みデータを一層ごとに200mmだけ横軸の右方向に移動させることで、210回積層した場合の計算結果は図3(B)の通りである。この移動速度は上記三倍に増速した回転速度に対応している。
【0034】
図2(B)の計算結果と図3(B)の計算結果を比較すると図4の通りである。図4から明らかなように、回転速度を三倍に増速すると、巻取りロール4の幅方向における巻径の最大差が1/2に改善されている。
【0035】
演算装置11は、この図4が示す比較データに基づいて巻径のムラが改善されていることを認識し、ラインコントローラ10に回転速度を三倍の増速する旨の信号を発し、ラインコントローラ10は回転機構8を介してピンチロール3等の軸芯aを中心にした回転速度を以前よりも三倍の速さで回転させる。
【0036】
その結果、インフレーションフィルム2の巻取りロール4において偏肉2aの部分が更に一様に分散され、巻取りロール4の幅方向における巻径の均一化が改善される。
【0037】
<実施の形態2>
この実施の形態2では、図5に示すように、環状ダイ1が、回転機構8によって水平面内で回転可能とされる。
【0038】
なお、環状ダイ1を含む押出し機5が一体で回転可能とされる場合もある。
【0039】
図5に示すように、環状ダイ1又は押出し機5がインフレーションフィルム2の軸芯aの周りで回転すると、インフレーションフィルム2は上昇しつつ捩じり運動を行い、その結果偏肉2aが生じた箇所もインフレーションフィルム2に螺旋形の筋となって現れる。
【0040】
この実施の形態2においては、実施の形態1と同様に、環状ダイ1を所定の一定速度で回転させた際に厚み検出部9から厚みデータ(図2(A))を得、演算装置11によって、この厚みデータを用いて巻取りロール4の幅方向で巻径を計算し(図2(B))、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での厚みデータ(図3(A))を計算し、この厚みデータを用いた巻取りロール4の幅方向巻径の計算を行い(図3(B))、この幅方向巻径のムラが上記一定速度下での幅方向巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更する旨の信号をラインコントローラ10に発し、ラインコントローラ10によって環状ダイ1又は環状ダイ1を含む押出し機5の矢印方向への回転速度を増減する。
【0041】
これにより、実施の形態1の場合と同様に、インフレーションフィルム2の巻取りロール4において偏肉2aの部分が更に一様に分散され、巻取りロール4の幅方向における巻径の均一化が行われる。
【0042】
なお、実施の形態2において、実施の形態1の場合と同じ部分には同じ符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
【0043】
<実施の形態3>
この実施の形態3では、図6に示すように、冷却リング12が回転機構8によって水平面内でインフレーションフィルム2の軸芯aを中心にして回転可能とされる。
【0044】
この冷却リング12は、環状ダイ1とピンチロール3との間に、インフレーションフィルム2を囲むように配置され、内周に穿設された多数の小孔から冷却風をインフレーションフィルム2に吹き付けるようになっている。この冷却リング12が回転機構8によって軸芯aの周りで回転すると、まだ熱く柔らかいインフレーションフィルム2は冷却されつつ、かつ捩じられつつ上昇し、その結果図6に示すように偏肉2aが生じた箇所もインフレーションフィルム2に螺旋形の筋となってに出現する。
【0045】
この実施の形態3においては、実施の形態1と同様に、冷却リング12を所定の一定速度で回転させた際に厚み検出部9から厚みデータ(図2(A))を得、演算装置11によって、この厚みデータを用いて巻取りロール4の幅方向で巻径を計算し(図2(B))、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での厚みデータ(図3(A))を計算し、この厚みデータを用いた巻取りロール4の幅方向での巻径の計算を行い(図3(B))、この幅方向巻径のムラが上記一定速度下での幅方向巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更する旨の信号をラインコントローラ10に発し、ラインコントローラ10によって冷却リング12の矢印方向への回転速度を増減する。
【0046】
これにより、実施の形態1の場合と同様に、インフレーションフィルム2の巻取りロール4において偏肉2aの部分が更に一様に分散され、巻取りロール4の幅方向における巻径の均一化が行われる。
【0047】
その他、実施の形態3において、実施の形態1の場合と同じ部分には同じ符号を用いて示し、重複した説明を省略する。
【0048】
なお、本発明は、上記実施の形態1〜3に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態1〜3では、インフレーションフィルムが環状ダイからピンチロールに至る間においてインフレーションフィルムの厚みを計測したが、ピンチロールから巻取りロールに至る間においてインフレーションフィルムの厚みを計測することも可能である。また、回転速度の変更に際しピンチロール等の回転を増速するものとして演算したが、減速するものとして演算し、その演算結果によってピンチロール等の回転を減速することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…環状ダイ
2…インフレーションフィルム
3…ピンチロール
4…巻取りロール
5…押出し機
12…冷却リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフレーションフィルムが環状ダイからピンチロールに至る間又はピンチロールから巻取りロールに至る間においてインフレーションフィルムの厚みを計測し、この厚みデータに基づいて上記ピンチロールを所定面内において一定速度で回転させながら、上記インフレーションフィルムを上記巻取りロールとして巻き取るインフレーションフィルム製造方法において、上記一定速度下における上記厚みデータを用いて上記巻取りロールの幅方向での巻径を計算し、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での上記厚みデータを用いた上記巻取りロールの幅方向の巻径の計算を行い、この幅方向の巻径のムラが上記一定速度下での幅方向の巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更することを特徴とするインフレーションフィルム製造方法。
【請求項2】
インフレーションフィルムが環状ダイからピンチロールに至る間又はピンチロールから巻取りロールに至る間においてインフレーションフィルムの厚みを計測し、この厚みデータに基づいて上記環状ダイ又は上記環状ダイを含む押出し機を所定面内において一定速度で回転させながら、上記インフレーションフィルムを上記巻取りロールとして巻き取るインフレーションフィルム製造方法において、上記一定速度下における上記厚みデータを用いて上記巻取りロールの幅方向での巻径を計算し、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での上記厚みデータを用いた上記巻取りロールの幅方向の巻径の計算を行い、この幅方向の巻径のムラが上記一定速度下での幅方向の巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更することを特徴とするインフレーションフィルム製造方法。
【請求項3】
インフレーションフィルムが環状ダイからピンチロールに至る間又はピンチロールから巻取りロールに至る間においてインフレーションフィルムの厚みを計測し、この厚みデータに基づいて上記環状ダイと上記ピンチロールとの間に配置された冷却リングを所定面内において一定速度で回転させながら、上記インフレーションフィルムを上記巻取りロールとして巻き取るインフレーションフィルム製造方法において、上記一定速度下における上記厚みデータを用いて上記巻取りロールの幅方向での巻径を計算し、次に上記一定速度を増速又は減速した変更速度下での上記厚みデータを用いた上記巻取りロールの幅方向の巻径の計算を行い、この幅方向の巻径のムラが上記一定速度下での幅方向の巻径のムラよりも低減していれば、上記一定速度を上記変更速度に変更することを特徴とするインフレーションフィルム製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−162026(P2012−162026A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25142(P2011−25142)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】