説明

インプレースライン分離プロセス及びマルチビームプリンタ用の方法

【課題】マルチビーム印刷エンジン又はデュアルビーム印刷エンジン用のインプレースライン分離をすることにより、限られたメモリ環境に対する改善された画像形成装置を提供する。
【解決手段】マルチビーム印刷エンジン用の印刷画像平面をラスタライズする方法で,印刷画像平面ラスタライズは、(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算し、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動し、(c)置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させる。このプロセスは、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記画像の各ラインに関連するライン送り先に移動されるまで繰り返される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法又はプロセス、コンピュータ読取可能な媒体、及び画像形成装置に係り、特にインプレースライン分離プロセス及びマルチビーム印刷エンジン用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多機能周辺装置(MFP)は、プリンタ機能、スキャナ機能等の複数の機能を提供する(本明細書中では、時に画像形成装置と称する)。多機能周辺装置は、一般的には、プリンタ機能として、レーザ作像装置を含む。これらの装置の印刷/複写速度を高め、同時に品質を維持し、コストを削減するための努力が絶え間なくなされている。
【0003】
レーザプリンタは、デジタルラスタにより画定される仮想位置に重複するドットを載置することにより、用紙又は他の印刷材料上に画像を生成するように設計されている。ラスタグラフィック画像又はビットマップは、一般に、矩形の格子状画素、又は色の点である。これらのラスタ中の仮想位置は、「画素」として知られており、この「画素」という語は「画像要素」という語を短縮したものである。レーザプリンタにおいては、まず、一連の走査線中のレーザビームを用いて光導電体を走査することにより、帯電した光導電材料上に画像が生成される。レーザは、回転ポリゴンミラーを用いて一連の走査線中のレーザビームで光導電材料の表面を走査する。一本のラインが走査される、あるいは書き込まれるときに、画像中のドットに対応する各画素の範囲の間レーザビームが付勢される。レーザビームが付勢されると、レーザエネルギが注がれる光導電体の部分が放電され、それにより所望の画像の電荷パターンの写しが光導電体上に生成される。印刷出力は、トナーを電荷パターンに付着させ、現像された画像を用紙又は他の印刷材料上に転写することにより、得られる。
【0004】
このようなレーザ作像装置の作業速度を増大させる目的で、垂直方向に増分量だけ互いにずれているマルチ走査線(即ち、ライン分離)を同時に走査するために、マルチレーザビームを用いることができる。このような作像装置は、しばしば、マルチビーム印刷エンジン、又はデュアルビームレーザ印刷エンジン(即ち、2レーザビーム)と称される。マルチレーザビームを同時に走査することにより、光導電材料を走査するのに要する時間が減少し、露光と印刷速度とが増大することとなる。しかし、マルチビーム印刷エンジンを使用することにより、各レーザビームを駆動するために画像平面バッファが必要となる。一般的には、低コストプリンタ及び/又は多機能周辺装置のみが、デュアルビーム設計を有し、これらの低コストプリンタ及び/又は多機能周辺装置のための対応するオンボードメモリシステムも限られていることが認められる。
【0005】
従来の実施においては、ファームウェアの制御下でマイクロプロセッサにより、種々の印刷動作が行われる。装置に入力される印刷データ(又は画像)の種類、及びこの印刷データを処理するのに必要な動作に応じて、多数のファームウェアルーチンが実行され、この印刷データ処理動作を完了させる。プリンタのドット配置の密度(1インチあたりのドット数)が増大し、グレースケール機能(画素あたりの一組のビットを用いてグレースケールレベルを画定する)、及びカラー印刷機能(白黒印刷の上に画素あたりの追加のビットを必要とする)を有するようになると、画像形成装置が印刷データを処理するために必要とされる時間が増大する。例えば、カラー印刷においては、1ページを印刷するために用いるデータを格納するのに必要なメモリは、同じ解像度の白黒印刷のために必要なメモリの32倍以上に達することがある。印刷エンジンの印刷速度性能を完全に利用するために、この装置は、印刷データを充分に高速で処理し、次々と送られてくる印刷データを印刷エンジンに供給し、それにより印刷エンジンが、全印刷ジョブを通じて印刷し続けられるようにする能力を有していなければならない。
【0006】
従来の画像形成装置において、マイクロプロセッサは、受け渡されたデータの動作を行うようにプログラムされる汎用性を有しており、任意のマイクロプロセッサに関連するメモリの量は、一般に、これらの動作を行うための速度を直接増大させる。換言すれば、メモリをより多く利用すればするほど、潜在的性能の処理量がよくなる。しかし、一般的には、多くのメモリを持ったマイクロプロセッサは、小さなメモリを持ったマイクロプロセッサよりコストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、マルチビーム印刷エンジン又はデュアルビーム印刷エンジン用のインプレースライン分離をすることにより、特に、限られたメモリ環境に対する、改善された画像形成装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
典型的実施態様によれば、マルチビーム印刷エンジン用の印刷画像平面をラスタライズする方法は、マルチビーム印刷エンジンで処理するための複数のラインの印刷データを有する画像を受信するステップと、(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算するステップと、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動するステップと、(c)前記第一のラインの印刷データの前記第一のライン送り先への移動により生じた、置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記第一のライン送り先が前記第一のラインの印刷データではない場合は、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させるステップと、を行うことにより、前記画像の前記複数のラインをそれぞれラスタライズする印刷画像平面ラスタライズステップと、まだ移動していない、その次のループの第一のラインになる次のラインへの移動により前記ステップ(a)〜(c)を繰り返し、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記第一のライン送り先か前記画像の各ラインの印刷データに関連する前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで続けるステップと、を備えたことを特徴とする方法である。
【0009】
もう一つの典型的実施態様によれば、画像形成装置は、マルチビーム印刷エンジンで処理するための複数のラインの印刷データを有する画像を受信するステップと、(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算するステップと、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動するステップと、(c)前記第一のラインの印刷データの前記第一のライン送り先への移動により生じた、置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記第一のライン送り先が前記第一のラインの印刷データではない場合は、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させるステップと、を行うことにより、前記画像の前記複数のラインをそれぞれラスタライズする印刷画像平面ラスタライズステップと、まだ移動していない、その次のループの第一のラインになる次のラインへの移動により前記ステップ(a)〜(c)を繰り返し、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記第一のライン送り先か前記画像に関連する前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで続けるステップと、を有するインプレースライン移動を行うファームウェアアプリケーションを有するメモリユニットと、前記画像の少なくとも一部を印刷するマルチビーム画像印刷エンジンとを備えたことを特徴とする。
【0010】
更に別の典型的実施態様によれば、コンピュータ読取可能な媒体は、マルチビーム印刷エンジンで処理するための複数のラインの印刷データを有する画像を受信し、(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算し、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動し、(c)前記第一のラインの印刷データの前記第一のライン送り先への移動により生じた、置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記第一のライン送り先が前記第一のラインの印刷データではない場合は、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させる、ことを行うことにより、前記画像の前記複数のラインをそれぞれラスタライズする印刷画像平面ラスタライズを行い、まだ移動していない、その次のループの第一のラインになる次のラインへの移動により前記(a)〜(c)の動作を繰り返し、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記第一のライン送り先か前記画像の各ラインの印刷データに関連する前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで続ける、ためのコンピュータで実行できる指示を有する、前記マルチビーム印刷エンジン用の印刷画像平面をラスタライズするためのコンピュータプログラムを含むことを特徴とする。
【0011】
上記一般的説明と以下の詳細な説明とは、いずれも例示的、説明的なものであって、特許請求の範囲に記載された発明にさらなる説明を提供することを意図していると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面は本発明の更なる理解を提供するために含まれ、この明細書に組み込まれてその一部を構成する。これらの図面は、本発明の実施態様を例示し、明細書と共に、本発明の原則を説明するために機能する。図において、
【図1】本発明の典型的実施態様に係るマルチビーム印刷エンジンを有する画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】デュアルビーム印刷エンジン用の作業バッファを示す図である。
【図3A】典型的実施態様に係るマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする例を示す図である。
【図3B】典型的実施態様に係るマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする例を示す図である。
【図3C】典型的実施態様に係るマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする例を示す図である。
【図3D】典型的実施態様に係るマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする例を示す図である。
【図4】典型的実施態様に係るコプロセッサを用いたマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする例を示す図である。
【図5】別の典型的実施形態に係るマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズするプロセスを例示する図である。
【図6】図4に示すように、典型的実施形態に係るコプロセッサを用いたマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする疑似コードを例示する図である。
【図7A】図5に示す別の典型的実施態様に係るマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする疑似コードの一部を例示する図である。
【図7B】図5に示す別の典型的実施態様に係るマルチビーム印刷エンジン用の印刷画像をラスタライズする疑似コードの残部を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、添付図に例示される本発明の望ましい実施の形態について詳細に参照する。可能な場合はどこでも、同一又は類似の部品を参照するために、図面及び説明中に同一の参照番号を用いる。
【0014】
図1は、本発明の典型的実施態様に係るマルチビーム(又はマルチプルビーム)レーザ 印刷エンジン140用の画像形成装置100の構成を示すブロック図である。典型的実施態様によれば、画像形成装置100は、多機能周辺装置(MFP)として構成され、光学的に文書を読み取るためのスキャナ部116と、読み取りにより得られた対応する画像を用紙上に形成、印刷するためのコピー部118と、外部から入力された印刷データを画像データに変換し、変換された画像を用紙上に印刷する印刷部110と、公共ラインを介して外部装置に対して画像データをファックスで送受信するファクシミリ部114と、を有する。
【0015】
典型的実施態様によれば、印刷エンジン140は、マイクロプロセッサ120により制御され、マイクロプロセッサ120は(図示しない)バスを介してシステム中の他の要素と通信する。マイクロプロセッサ120はキャッシュメモリ124を有する。印刷エンジンコントローラ(又はプリンタコントローラ)130及び関連する印刷エンジン140は、バスに接続し、印刷部110用の印刷出力機能を提供する。典型的実施態様によれば、印刷エンジン140は、レーザプリンタであり、当該技術分野で公知の電子写真ドラム作像システムを採用している。しかし、通常の当業者であれば明らかであるが、本発明は、他のタイプのレーザプリンタ及び/又は作像装置に同様に適用可能である。
【0016】
入出力(I/O)ポート150は、印刷部110及びクライアント装置(又はホスト)160間の通信を提供し、ページプリンタ内での処理のためにホスト160からページ記述(又はラスタデータ)を受信する。ランダムアクセスメモリ(RAM)170は、クライアント装置又はホストコンピュータ160から受信したプリントジョブデータストリームを格納し処理するための、印刷部110用のメインメモリを提供する。リードオンリメモリ(ROM)180は、マイクロプロセッサ120及び印刷エンジン140の動作を制御するファームウェアを保持している。ここで、このファームウェアは、画像形成装置100における種々のハードウェアの基本的制御を実行するための内蔵ソフトウェアである。メモリ(ROM)180に格納されているコード手順は、例えば、ページ変換器、ラスタライザ、圧縮コード、ページ印刷スケジューラ及び印刷エンジンマネジャを含む。ページ変換器ファームウェアは、ホストから受信したページ記述(又は画像)を、ページ上に印刷される対象をそれぞれ画定する表示コマンドのリストに変換する。ラスタライザファームウェアは、各表示コマンドを適当なビットマップ(ラスタライズストリップ又はバンド)に変換し、このビットマップをメモリ(RAM)170に配布する。圧縮ファームウェアは、ラスタライズストリップを保持するためにメモリ(RAM)170が不十分な場合にこのラスタライズストリップを圧縮する。
【0017】
典型的実施態様によれば、印刷部110の動作は、該印刷部110が、I/Oポート150を介してホスト(又はホスト装置)160から印刷ジョブデータストリームの形でページ記述を受信したときに始まる。ページ記述は、RAM170及び/又はキャッシュ124中に置かれている。マイクロプロセッサ120は、このページ記述にライン毎にアクセスし、RAM170中のページ変換器ファームウェアを用いて表示コマンドリストを作成する。表示コマンドリストが生成されているとき、表示コマンドは、ページ上の位置毎に分類され、メモリ170中のページストリップに割り当てられる。ページが処理のために閉じられたときに(即ち、全てのストリップが、印刷エンジン140による処理のために、評価され、ラスタライズされ、圧縮され、その他の処理を受けたとき)、ラスタライズストリップは、印刷エンジンコントローラ130により印刷エンジン140に渡され、それにより画像(即ち、テキスト/グラフィックス等)の生成が可能となる。ページ印刷スケジューラは、ページストリップの順番付けと印刷エンジンコントローラ130への転送とを制御する。印刷エンジンマネジャは、印刷エンジンコントローラ130の動作を制御し、同様に、印刷エンジン140を制御する。
【0018】
ROM180はまた、例えば、ほんの少し例をあげれば、カラー空間変換手順、中間調処理、クリップ処理、スケーリング、及び回転処理を含む、印刷ジョブデータストリームから画像を生成するための他の画像処理手順を含んでいる。また、これらの処理は、画像処理パイプライン又は印刷部110用の「画像プロセッサ」を構成する。各画像形成処理手順は、ここにおいて、印刷画像データ上で動作するための画像処理パイプライン中の「ステージ」として参照される。かくして、マルチステージ画像プロセッサが用いられ、それにより逐次型の画像処理が発生し得る。
【0019】
典型的実施態様によれば、多機能周辺装置の形の印刷部110はまた、好ましくは、ネットワークコントローラ112を含み、このネットワークコントローラ112は、I/Oポート150を介してローカルエリアネットワーク(LAN)等のネットワークに接続し、クライアント装置(又はホスト)及び/又は他の手段から受信した文字コードにより構成される印刷データを画像データに現像する機能を有する。ファクシミリ部114は、(図示しない)公共ラインに接続され、ファクシミリに従う圧縮モードを用いて画像データを圧縮・伸張する機能と、公共ラインを介したファクシミリ送受信用の種々の通信プロトコルを制御する機能とを有する。
【0020】
スキャナ部116は、文書を読み込んで画像データを取得する機能を実行し、文書を照射するための光源と、幅方向に1ラインずつ文書を読み取るための電荷結合素子(CCD)画像センサと、この画像センサから出力されるアナログ画像信号をデジタル画像データに変換するためのA/D変換器とを備えている。図には示していないが、スキャナ部116は、文書の縦方向に画像センサの1ライン毎に読み取り位置を移動させるための移動機構と、文書からの反射光を導き画像を画像センサ上に合焦させるためのレンズ及び鏡からなる光学部品とを備えている。ネットワークコントローラ112、ファクシミリ部114及びスキャナ部116は、画像データの入力部として機能する。
【0021】
ハードディスク装置190は、画像形成装置100の動作を制御するオペレーティングシステム(OS)と、OS等の上で動作するアプリケーションソフトウェアと、を格納する機能と、画像データを含む種々のデータを記憶し格納する機能とを実行する。ある実施の形態によれば、ハードディスク装置190に格納されたOSは、ファイルシステムに対応する組み込み型OSである。RAM170は、ハードディスク装置190に記憶すべきデータを一時的に保持する機能を実行する。
【0022】
印刷部110は、電子写真プロセスを用いて、画像データに対応する画像を記録用紙上に形成し出力する機能を実行する。印刷部110は、所謂レーザプリンタとして構成されており、(不図示の)記録用紙搬送部と、感光体ドラムと、帯電ユニットと、入力された画像データに対応した変調光を発するレーザダイオード(LD)と、このLDから感光体ドラム上に射出されたレーザ光を走査するための走査ユニットと、現像ユニットと、転写及び分離ユニットと、クリーニングユニットと、定着ユニットとを備えている。別の実施の形態によれば、印刷エンジン140は、レーザ光の代わりに発光ダイオード(LED)により感光体ドラム上に照射するLEDプリンタ又は他のタイプのプリンタであってもよい。
【0023】
図1に示すように、画像形成装置(又はプリンタ)100とクライアント装置(又はホスト)160とは、ネットワーク162(例えばLAN又はWAN)を介して互いに接続されている。典型的実施態様によれば、画像形成装置100は、クライアント装置160から印刷ジョブを受信し、この印刷ジョブは、その後少なくとも1枚の用紙及び/又は他の印刷可能な媒体上に印刷される。本発明の実施の形態に合致するネットワーク162の例は、限定はしないが、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドアリアネットワーク(WAN)を含む。画像形成装置100及びクライアント装置160は、有線により、又は無線周波(RF)及び/又は赤外線(IR)伝送を用いた無線により、互いに接続できる。本発明の典型的実施の形態に合致する画像形成装置100の例は、限定はしないが、レーザビームプリンタ(LBP)、LEDプリンタ、コピー機能を有するマルチ機能レーザビームプリンタ(MFP)を含む。典型的実施態様によれば、画像形成装置100は、カラープリンタ又は白黒(B/W)プリンタであることが好ましい。
【0024】
図2は典型的なデュアルビーム印刷エンジン用の作業バッファを示す図である。マルチビーム印刷エンジン(例えば、デュアルビーム印刷エンジン)にとって、全正規画像平面200は、画像形成装置100の各レーザビームを駆動するために少なくとも二つ(2)の画像平面バッファ(又は作業バッファ)を必要とする。従って、図2に示すように、一つの画像バッファ210が原画像平面の印刷データにおける全ての奇数ラインを含む一方で、他方の画像バッファ220が印刷データにおける全ての偶数ラインを含む。通常、印刷画像平面ラスタライズステップは単一平面画像を生成するので、奇数/偶数ライン分離ステップが必要であることが認められ得る。
【0025】
例えば、8.5インチ×11インチの用紙上の原印刷画像にとって、この原印刷画像は、5120(垂直ライン)×6600(水平ライン)のラインを含むことができ、略4メガバイトのデジタル情報領域を占め得る。従って、奇数/偶数ライン分離のために、白黒画像用として追加の4メガバイトのメモリが必要となる。一方、印刷エンジンが、処理色又は4色としても参照されるCMYKカラーモデル(シアン、マゼンタ、黄色、黒)を用いたカラー印刷エンジンである場合、原印刷画像は、追加の16メガバイトのデジタル領域(又は全部で32メガバイトのデジタル領域)を必要とし得る。かくして、必要なメモリが増大することにより、画像形成装置の性能に悪影響が及ぶ。
【0026】
図3A〜図3Dに示す典型的実施態様に従い、マルチビーム印刷エンジン用の印刷画像のラスタライズプロセスを示す。典型的実施態様によれば、この方法及びシステムは、(1)各単一ラインの印刷データはその単一の移動先位置を有し、(2)各単一ラインの印刷データは一度だけその移動先位置に移動する必要がある、という原則に基づいていることが認められる。
【0027】
図3A〜図3Dに示すような典型的実施態様によれば、大半の印刷画像平面ラスタライズステップ又はラスタライゼーションにおいて、この方法又はプロセスは、印刷データにおける第一のラインから開始され、第一のラインとして残存し、印刷データにおける当該第一のラインの移動は不必要である。しかし、印刷画像ラスタライズステップ又はラスタライゼーションにおいて印刷データにおける第一のラインを移動することが必要な場合、このプロセスは、以下に述べるように、第一のライン上で開始されることが認められる。第一のラインが印刷画像ラスタライゼーション中に移動することが必要でない場合、このプロセスは第二のライン(即ち、フロムライン)から開始され、移動先位置(ツウライン)が計算される。ここに記すように、「フロムライン」は、そこから印刷データが移動されるラインである。一方、「ツウライン」は、そこに印刷データが移動されるラインである。移動先位置(又はツウライン)が一旦計算されると、フロムラインからの印刷データがそのツウラインに移動される。ツウラインが一旦押し出されて(又は移動させられて)ローカルメモリ(即ち、DSPローカルメモリ)に保存されると、直前に押し出されたツウライン(即ち、次のフロムライン)からの印刷データはその移動先位置に移動する。各ライン上の印刷データは、所望のラスタライゼーション(又は印刷画像ラスタライズスキーム)に応じてその移動先位置に移動するまで、引き続き押し出される(又は移動させられる)。この印刷データの各ラインからの引き続く押し出し又は移動により、最後にはループが形成される。一旦ループが検出されると、この方法は、未だ移動していない次のラインを見出して、プロセスを再び開始する。このプロセスは、ありとあらゆるラインからの印刷データがその移動先位置に移動し終わるまで引き続き繰り返される。典型的実施態様によれば、移動カウントが一度全ライン数に等しくなると、プロセス全体が完了(又は終了)する。
【0028】
図3Aには、6ラインの場合又は例が示されており、印刷画像ラスタライズスキーム又はラスタライゼーションには、奇数/偶数ライン分離が必要となる。図3Aに示すように、6ラインの例では、第一のラインであるライン00(即ち、偶数)が第一のラインとして留まり(即ち、操作なし)第一のループが検出される。このプロセスは次のラインであるライン01(即ち、奇数)に移動し、このラインはライン03に移動させられ、ライン03はライン04に移動させられ、ライン04はライン02に移動させられ、ライン02はライン01に移動させられる。ここで、もう一つのループが検出される。このプロセスは次の未決のラインであるライン05に移動し、このライン05はライン05として残る(即ち、操作なし)。
【0029】
図3Bには、7ラインの例が示されており、この印刷画像ラスタライズスキーム又はラスタライゼーションもまた、奇数/偶数ライン分離を必要とする。図3Bに示すように、7ラインの例において、第一のラインであるライン00は第一のラインとして残り(即ち、操作なし)、第一のループが検出される。このプロセスは、次のラインであるライン01に移動し、このライン01はライン04に移動させられる。ライン04はライン02に移動させられ、ライン02はライン01に移動させられる。ここで、第二のループが検出される。このプロセスは次の未決のラインであるライン03に移動し、ライン03はライン05に移動させられ、ライン05はライン06に移動させられ、ライン06はライン03に移動させられる。ここで、もう一つのループが検出される。
【0030】
図3Cには、8ラインの例が示されており、この印刷画像ラスタライズスキーム又はラスタライゼーションもまた、奇数/偶数ライン分離が必要である。図3Cに示すように、8ラインの例において、第一のラインであるライン00は第一のラインとして残り(即ち、操作なし)、第一のループが検出される。そして、このプロセスは、次のラインであるライン01に移動し、このライン01はライン04に移動させられ、ライン04はライン02に移動させられ、ライン02はライン01に移動させられ、ここで、第二のループが検出される。ライン03はライン05に移動させられ、ライン05はライン06に移動させられ、ライン06はライン03に移動させられ、ここにもう一つのループが検出される。このプロセスは次の未決のラインであるライン07に移動し、ライン07はライン07として残る(即ち、操作なし)。
【0031】
図3Dには、10ラインの例が示されており、印刷画像ラスタライズスキーム又はラスタライゼーションはまた、奇数/偶数ライン分離を必要とする。図3Dに示すように、10ラインの例において、第一のラインであるライン00は第一のラインとして残り(即ち、操作なし)、第一のループが検出される。このプロセスは、次のラインであるライン01に移動し、ライン01はライン05に移動させられ、ライン05はライン07に移動させられ、ライン07はライン08に移動させられ、ライン08はライン04に移動させられ、ライン04はライン02に移動させられ、ライン02はライン01に移動させられ、ここで、ループが検出され、このプロセスは次の未決のラインに移動する。ライン03はライン06に移動させられ、ライン06はライン03に移動させられ、ここで、もう一つのループが検出される。このプロセスは、次の未決のラインであるライン09に移動し、ライン09はライン09として残る(即ち、操作なし)。
【0032】
図4に示すような典型的実施態様によれば、ライン分離インプレースを達成するために、プリンタコントローラ基板400に配置されたコプロセッサ(例えば、DSP)420を使用できる(即ち、余分な作業バッファは何ら必要ない)。図4に示すように、プリンタコントローラ基板400は、システムメモリ410及びコプロセッサ(又はDSP)420を有する。典型的実施態様によれば、コプロセッサ又はDSPプロセッサ420は、望ましくは、32K超高速内部メモリプロセッサであり、このプロセッサは、ダイレクトメモリアクセス(DMA)を用いてシステムRAM及びプロセッサの内部メモリ間のデータを交換(読み取り/書込み)する。図4に示すように、移動元ライン(移動前)412は、コプロセッサ420内の一時的な単一ラインバッファ422に一時的に移動させられ、そして移動元ライン412は移動先ライン414に移動させられる。上述したように、このプロセスは、一つのループが検出され、このプロセスが、それまで移動させられなかった次のラインを用いて再び開始するまで継続する。典型的実施態様によれば、フラグメモリバッファ430を用いて、各ラインが対応する移動先ライン414への移動を完了したか否かに関するデータを格納することができる。
【0033】
ある場合又はアプリケーションにおいては、コプロセッサ(又はDSPプロセスサ)をプリンタコントローラ基板に対して利用できないことが認められる。従って、図5に示すような典型的実施態様においては、CPUベースの手法を用いることができる。ここで、プリンタ回路基板500内のプロセスは、各単一ライン502がその位置510から押し出されてしまう前に、その内容を一時的なラインバッファ530に保存し、そしてその(問題としているラインを含む)一時的なラインバッファをその(次のライン押し出す)移動先位置520に移動させることを必要とする。コプロセッサ又はDSPを用いることなく、一時的なラインバッファ530をシステムメモリ内に配置し、図5に示すメモリトラッフィクを生じさせることを認めることができる。
【0034】
図5に示すプロセス又は方法は、図2〜図4に示したデュアルビーム又はマルチビームプリンタのためのインプレースDSPライン分離プロセス又は方法に関して説明したものと同じであるが、メモリトラッフィクが最小化されるように修正してある。ツウライン(又は置き換えられたライン)が一時バッファに保存される理由の一つは、プロセス又は方法が、元のプロセス又は方法においてはツウライン(又は置き換えられたライン)をどこに移動させるかが分からないからであると認められる。しかし、次の繰り返しの直後に、このツウライン(又は置き換えられたライン)が知れる。従って、典型的実施態様によれば、このプロセス又は方法は、各ツウライン(置き換えられたライン送り先)の移動(又はステップ)を予め構成し、一つのライン移動ループが検出されるまでその順序情報(又は履歴)が保存されるように修正されることが認められる。一旦ライン移動ループが検出されると、このプロセス又は方法は、対応するループ中の全てのラインがどのように移動するかを正確に知り、その結果、このプロセス又は方法は、ラインをどれもこれも一時バッファ中に移動することなく、各ループ内の移動を再生できる。典型的実施態様によれば、再生中、ループ中の第一のラインのみが一時バッファに保存され、ループの再生は、逆の順序でなされ、その結果、ループ中のありとあらゆるライン(即ち、置き換えられたライン送り先)がその移動先位置(又は移動先)に移動させられ、そして、次の移動がライン位置の間に直接的に生じる。
【0035】
もう一つの典型的実施態様によれば、各ループ内の各移動(又は移動の順序)が一旦決定されると、各ラインの移動先位置への再生又は移動が、ループ内のラインを選択し、ありとあらゆるラインの一つを逆の順序で移動することにより、なし得、その結果、前回の移動がループ内で選択されたラインの置き換えられたライン中にあり、一時バッファ中に一時的に格納されることが認められる。上述したように、ループの再生は逆の順序でなされ、その結果、ループ中のありとあらゆるラインがその移動先位置に移動済みであり、次の移動は一時バッファを用いずに直接ライン位置間に生じることが認められる。
【0036】
図6、図7A及び図7Bは、図4に示す修正された典型的実施態様に係るコプロセッサ(又はDSP)を用いたマルチビームレーザ印刷エンジン用の印刷画像平面ラスタライズを行う疑似コード又は方法と、図5に示すもう一つの修正された典型的実施態様に係るマルチビームレーザ印刷エンジン用の印刷画像平面ラスタライズを行う方法と、をそれぞれ示す図である。図6、図7A及び図7Bに示すように、疑似コードは、図3A〜図3Dに示すように偶数ラインの初めから及び奇数ラインの中程から始めるのではなく、格納された奇数ラインの最初から及び格納された偶数ラインの中程から開始される。
【0037】
もう一つの典型的実施態様によれば、コンピュータ読取可能な媒体は、マルチビーム印刷エンジン用の印刷画像平面をラスタライズするためのコンピュータプログラムを含んで開示されている。ここで、このコンピュータプログラムは、マルチビーム印刷エンジンで処理するための複数のラインの印刷データを有する画像を受信し、(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算し、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動し、(c)前記第一のラインの印刷データの前記第一のライン送り先への移動により生じた、置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記第一のライン送り先が前記第一のラインの印刷データではない場合は、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させることを行うことにより、前記画像の前記複数のラインをそれぞれラスタライズする印刷画像平面ラスタライズを行い、まだ移動していない、その次のループの第一のラインになる次のラインへの移動により前記(a)〜(c)の動作を繰り返し、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記第一のライン送り先か前記画像の各ラインの印刷データに関連する前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで続けるためのコンピュータで実行できる指示を有する。
【0038】
このプロセス及び方法は、画像形成装置中の不揮発性メモリ中のファームウェアを更新することにより装置中に導入できることが認められる。その際、上記方法は、インストールソフトウェアがファームウェアを有効にインストールするように、分割及び/又は圧縮されている場合のあるインストールソフトウェアとファームウェアとのパッケージの形で装置中に持ち込まれ得る。このパッケージは、コンパクトディスク等のコンピュータ読取可能なディスケット中にしっかりと格納されていてもよいし、有線/無線の通信ラインを介して送信されてもよい。
【0039】
上述した方法は、用紙又は薄いプラスチックシート等の他の適切な印刷媒体上の印刷に用いることができる。コンピュータで読み取り可能な媒体は、勿論、磁気記録媒体、磁気光学記録媒体、又は他の将来開発されるであろう他の記録媒体であってよい。これらの全ては全て同じ方法で本発明に適用可能であると考えられる。このような媒体の、一時、二次複写製品他を含む複写は、疑いもなく上記媒体と等価であると考えられる。更に、本発明の実施の形態がソフトウェアとハードウェアの組み合わせであったとしても、本発明の概念から何らずれるものではない。本発明は、そのソフトウェア部分を記録媒体に事前に書き込み、動作時に必要に応じて読み取るように実施することができる。
【0040】
当業者には、本発明の趣旨から逸脱することなく、本発明の構造に種々の修正と変形とをなすことができるのは明らかである。上述の観点から、本発明の修正と変更とが、以下のクレームとその均等物の範囲に入るものであるならば、本発明はこれらの修正と変更とを含むように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビーム印刷エンジン用の印刷画像平面をラスタライズする方法であって、
前記マルチビーム印刷エンジンで処理するための複数のラインの印刷データを有する画像を受信するステップと、
(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算するステップと、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動するステップと、(c)前記第一のラインの印刷データの前記第一のライン送り先への移動により生じた、置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記第一のライン送り先が前記第一のラインの印刷データではない場合は、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させるステップと、を行うことにより、前記画像の前記複数のラインをそれぞれラスタライズする印刷画像平面ラスタライズステップと、
まだ移動していない、その次のループの第一のラインになる次のラインへの移動により前記ステップ(a)〜(c)を繰り返し、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記第一のライン送り先か前記画像の各ラインの印刷データに関連する前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで続けるステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記置き換えられたラインの印刷データが前記置き換えられたライン送り先に移動するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを一時的なラインバッファに保存するステップを更に有することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、フラグメモリバッファを用いて前記ラインにそれぞれフラグを付けるステップを更に有し、前記フラグメモリバッファは、前記画像の各ラインに関するデータ及び各ラインが対応する置き換えられたライン送り先に移動したか否かを格納することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記複数のラインの中で前記印刷データの移動されないラインに対して前記フラグメモリバッファを走査するステップを更に有することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記画像における各ラインが、単一の移動先を有し、各ラインが一度だけ移動されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動する前に、前記置き換えられたラインの印刷データの内容を保存するステップを更に有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前の置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に移動する前に、次の置き換えられたラインの印刷データの内容を保存するステップを更に有することを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数のラインを一つも移動しないで前記ステップ(a)〜(c)に従って移動順序を生成するステップと、
各ループのための一時バッファ中の前記移動順序中の置き換えられたラインの印刷データを置き換えて保存するステップと、置き換えられた移動先位置に既に移動した前記ループ中の各及び全てのラインを移動することにより各ループを逆の順序に整理することにより、前記一時バッファを必要としないで次の移動がライン位置間に直接生じるようにするステップと、前記置き換えられたラインの印刷データを前記一時バッファから前記置き換えられたライン送り先まで移動するステップと、を実行することにより前記移動順序を再生するステップと、
を更に有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記印刷画像平面ラスタライズステップは、前記複数のラインの印刷データの奇数ライン及び偶数ラインの分離を行うステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記マルチビーム印刷エンジンを用いて前記画像の少なくとも1ページを印刷するステップを更に有する方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記マルチビーム印刷エンジンは、マルチ機能プリンタの一部であることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記元のライン送り先を占める置き換えられたラインの印刷データを保存するステップは、前記置き換えられたラインの印刷データが前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで、各置き換えられたラインの印刷データを一時的なラインバッファに保存するステップを更に含み、前記一時的なラインバッファは、コプロセッサであることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記画像はホスト装置から受信されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記マルチビーム印刷エンジンは、マルチビームレーザ 印刷エンジンであることを特徴とする方法。
【請求項15】
マルチビーム印刷エンジンで処理するための複数のラインの印刷データを有する画像を受信するステップと、
(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算するステップと、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動するステップと、(c)前記第一のラインの印刷データの前記第一のライン送り先への移動により生じた、置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記第一のライン送り先が前記第一のラインの印刷データではない場合は、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させるステップと、を行うことにより、前記画像の前記複数のラインをそれぞれラスタライズする印刷画像平面ラスタライズステップと、
まだ移動していない、その次のループの第一のラインになる次のラインへの移動により前記ステップ(a)〜(c)を繰り返し、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記第一のライン送り先か前記画像に関連する前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで続けるステップと、
を有するインプレースライン移動を行うファームウェアアプリケーションを有するメモリユニットと、
前記画像の少なくとも一部を印刷するマルチビーム画像印刷エンジンと
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像形成装置において、前記置き換えられたラインの印刷データが前記置き換えられたライン送り先に移動するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを保持するコプロセッサを更に有することを特徴とする画像形成層。
【請求項17】
請求項16に記載の画像形成装置であって、
前記複数のラインを一つも移動しないで前記ステップ(a)〜(c)に従って移動順序を生成するステップと、
各ループのための一時バッファ中の前記移動順序中の置き換えられたラインの印刷データを置き換えて保存するステップと、置き換えられた移動先位置に既に移動した前記ループ中の各及び全てのラインを移動することにより各ループを逆の順序に整理することにより、前記一時バッファを必要としないで次の移動がライン位置間に直接生じるようにするステップと、前記置き換えられたラインの印刷データを前記一時バッファから前記置き換えられたライン送り先まで移動するステップと、を実行することにより前記移動順序を再生するステップと、
を実行するコンピュータ処理ユニット(CPU)を更に有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項15に記載の画像形成装置であって、前記マルチビーム印刷エンジンは、レーザ印刷エンジンであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項15に記載の画像形成装置であって、前記マルチビーム印刷エンジンは、カラーレーザ印刷エンジンであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
マルチビーム印刷エンジンで処理するための複数のラインの印刷データを有する画像を受信し、
(a)第一のラインの印刷データに対して第一のライン送り先を計算し、(b)前記第一のラインの印刷データを前記第一のライン送り先に移動し、(c)前記第一のラインの印刷データの前記第一のライン送り先への移動により生じた、置き換えられたラインの印刷データに対して置き換えられたライン送り先を計算し、前記第一のライン送り先が前記第一のラインの印刷データではない場合は、前記置き換えられたラインの印刷データが前記第一のラインに移動してループを形成するまで、前記置き換えられたラインの印刷データを前記置き換えられたライン送り先に引き続き移動させることを行うことにより、前記画像の前記複数のラインをそれぞれラスタライズする印刷画像平面ラスタライズを行い、
まだ移動していない、その次のループの第一のラインになる次のラインへの移動により前記(a)〜(c)の動作を繰り返し、前記複数のラインの印刷データの各ラインが前記第一のライン送り先か前記画像の各ラインの印刷データに関連する前記置き換えられたライン送り先に移動されるまで続ける、
ためのコンピュータで実行できる指示を有する、前記マルチビーム印刷エンジン用の印刷画像平面をラスタライズするためのコンピュータプログラムを含むことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2011−98568(P2011−98568A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−218541(P2010−218541)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(507031918)コニカ ミノルタ ラボラトリー ユー.エス.エー.,インコーポレイテッド (157)
【Fターム(参考)】