説明

ウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法

本発明は、ウエハ表面の欠陥分析のためにウエハ欠陥部位にイオンデコレーションを行う際に、デコレーション作業とイオン抽出作業とを別に分離し、イオン抽出の完了した電解液を循環させることで、デコレーション作業時に面倒で長い時間がかかる過程を最小化し、全体デコレーションにかかる時間を画期的に短縮させて、終局としてウエハ欠陥分析時間の短縮と欠陥分析の効率性を向上させることができるウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法を提供する。
また、デコレーション作業のためのイオン抽出時にイオンの活動性を向上させてイオン抽出時間を画期的に短縮させることができるウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法に関するもので、特に、酸化膜の形成されているウエハの表面に生じた欠陥を肉眼のみでも確認加能にすることで、容易にウエハの欠陥を分析できるようにする、ウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体の固集積化・小型化に伴ってウエハ表面の酸化膜の厚さも薄膜化しつつあり、その分、欠陥の発生も増加してきている。そのため、ウエハ表面の欠陥分析を用いた工程改善などによってウエハの品質を向上させることが、半導体の収率及び製品信頼性などの向上に直結している。
【0003】
従来、ウエハ表面の欠陥の検査においては、SEM(Scaning Electron Microsope)やTEM(Transmission Electron Microscope)のような非常に高価の装備を用いてウエハ表面の欠陥を10万倍または100万倍程度に拡大して確認及び分析してきた。
【0004】
しかるに、SEMやTEMのような装備は、極めて高価であり、分析時間が非常に長く、高級の運用労力を多く必要とするという問題点があった。
【0005】
そこで、最近では、酸化膜の成長されているウエハに電場を加えて酸化膜欠陥部位に金属イオンを吸着(以下、"デコレーション"という。)させることで、肉眼で酸化膜欠陥の状態や位置を容易に確認加能にし、かつ、一般の電子顕微鏡やカウンティング装置などで欠陥の個数まで確認加能にするウエハ欠陥分析装置が開発された。
【0006】
しかしながら、かかるウエハ欠陥分析装置では、銅をイオン化させて銅イオンを含む電解液を用意するまで非常に時間がかかり、ウエハ表面の欠陥に銅イオンを吸着させるまでに非常に複雑で面倒な過程を行わねばならないという問題点があった。
【0007】
すなわち、ウエハを一枚ずつ処理するから、一枚のウエハへの銅イオンの吸着過程が完全に終了した後に電解液を捨ててから装置の内部をいちいち洗浄した後、次のウエハを処理するために再び所定の溶液を入れ、銅をイオン化させた後に、再び次のウエハをローディングしてデコレーションを進行させる等、面倒で長時間を要する過程を繰り返さなければならず、全体ウエハの欠陥分析に非常に時間がかかるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ウエハ表面の欠陥分析のためのウエハ欠陥部位のイオンデコレーションを行う際に、デコレーション作業とイオン抽出作業とを別に分離し、イオン抽出の完了した電解液を循環させることで、デコレーション作業時に、面倒で長時間がかかる過程を最小化させ、全体デコレーションにかかる時間を画期的に短縮させ、終局としてはウエハ欠陥分析時間の短縮及び欠陥分析の効率性を向上させることができるウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法を提供する。
【0009】
また、デコレーション作業のためのイオン抽出時に、イオンの活動性を向上させることでイオン抽出時間を画期的に短縮させることができるウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るウエハ欠陥分析装置は、
所定の電解液を収容し、第1電極部及び第2電極部を備えてこれらの間に電場を印加することによって、前記第1電極部に置かれているウエハの欠陥部位にイオンを吸着させるデコレーション装置と、
所定の電解液を収容し、第1電極及び第2電極と、該第1電極と第2電極との間に印加される電場により所定のイオンを電解液に供給するソースプレートと、を備えるイオン抽出装置と、
前記デコレーション装置の電解液が排出されて前記イオン抽出装置に供給されるようにし、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液が前記デコレーション装置に供給されるようにすることによって電解液を循環させる循環装置と、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法は、ウエハ欠陥部位のイオンデコレーションを行う際に、デコレーション作業とイオン抽出作業とを別に分離し、イオン抽出の完了した電解液を循環させることで、デコレーション作業時に面倒で長時間がかかる過程を最小化させ、全体デコレーションにかかる時間を画期的に短縮させ、終局としてはウエハ欠陥分析時間の短縮と欠陥分析の効率性を向上させることができる。
【0012】
また、デコレーション作業のためのイオン抽出時にイオンの活動性を向上させることで、イオン抽出時間を画期的に短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例によるウエハ欠陥分析装置の概略側断面図である。
【図2】図1に示すイオン抽出装置に使用されるソースプレートの様々な実施例を示す図である。
【図3】図1に示すイオン抽出装置に使用されるソースプレートの様々な実施例を示す図である。
【図4】本発明によるウエハ欠陥分析装置の実施例を概略的に示す図である。
【図5】本発明によるウエハ欠陥分析装置の実施例を概略的に示す図である。
【図6】本発明によるウエハ欠陥分析装置の実施例を概略的に示す図である。
【図7】本発明によるウエハ欠陥分析装置の実施例を概略的に示す図である。
【図8】本発明によるウエハ欠陥分析装置の実施例を概略的に示す図である。
【図9】本発明によるウエハ欠陥分析装置の実施例を概略的に示す図である。
【図10】本発明によるウエハ欠陥分析方法の実施例を示すフローチャートである。
【図11】本発明によるウエハ欠陥分析方法の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るウエハ欠陥分析装置及びこれに用いられるイオン抽出装置、並びに該ウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法の好適な実施例を、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0015】
まず、図1を参照して本発明の一実施例によるウエハ欠陥分析装置について説明する。図1は、本発明の一実施例によるウエハ欠陥分析装置の概略的な側断面図である。
【0016】
図1に示すように、本発明の一実施例によるウエハ欠陥分析装置は、デコレーション装置100、イオン抽出装置200及び循環装置を含んでなる。
【0017】
同図の実施例では、デコレーション装置100及びイオン抽出装置200が、ベース11上に設けられた一つのハウジング10において、それぞれ上部と下部に位置するように装着された例を示しているが、これに限定されず、デコレーション装置100とイオン抽出装置200が別のハウジングとされ、互いに結合された形態にすることもできる。
【0018】
デコレーション装置100は、ウエハ(正確にいうと、その表面に酸化膜が蒸着または形成されているウエハである。以下でいう"ウエハ"は、その表面に酸化膜が形成されているウエハとする。)に対して、その表面の欠陥部位に所定のイオンを吸着させるいわゆるデコレーション(Decoration)を行う装置である。
【0019】
ここで、イオンは、例えば、銅イオン(Cu2+)であっても良いが、銅イオンに限定されず、銅イオンに似た物理化学的性質を持つ金属イオンなどの他のイオンであっても良い。
【0020】
図1に示すように、デコレーション装置100は、内部に、デコレーション作業のための所定のイオンが含まれている電解液を収容するデコレーションハウジング101と、デコレーションハウジング101の上端を覆うトップカバー102と、を備えることが好ましい。
【0021】
デコレーション装置100は、第1電極部110、及び第1電極部110と対向する位置に設けられた第2電極部120を含み、第1電極部110と第2電極部120との間に電場がかかるようにする。
【0022】
第1電極部110は、図1に示すように、板(Plate)の形態にすることが好ましく、第2電極部120は、電極連結部材121と連結されてトップカバー102に固定されることが好ましい。
【0023】
そして、図1に示す実施例では、第2電極部120がチャッキング装置130に固定される場合について示しているが、このような構成に限らず、互いに分離して構成されることも可能である。
【0024】
チャッキング装置130は、ウエハWをチャッキング(Chucking)して第1電極部110上にローディング(Loading)する装置で、図1に示すように、真空チャック(Vacuum Chuck)の形態にすることもでき、その他のいかなる形態にすることもできる。
【0025】
したがって、チャッキング装置130がウエハWをチャッキングして第1電極部110にローディングさせると、該ウエハWは、第1電極部110と第2電極部120との間に位置するようになり、第1電極部110と第2電極部120との間に電場をかけると、電解液に含まれているイオンがウエハWの表面の欠陥部位に吸着されることで、デコレーションがなされる。
【0026】
ここで、デコレーションハウジング101の内部における電解液中のイオンが電解液内に均一に分布することが好ましいが、このようにイオンを均一に分布させるためには、イオンの活動性を高めることが必要である。
【0027】
イオンの活動性を高めるために、デコレーションハウジング101の内部の電解液に所定のエネルギーを伝達する方法を考えることができるが、この時、エネルギーが伝達されながら電解液が大きく流動すると、ウエハ欠陥部位へのイオン吸着が不均一になることがある。
【0028】
したがって、デコレーションハウジング101内の電解液に所定の熱を加えてイオンの活動性を高める方法が好ましく、このために、図1に示すように、デコレーションハウジング101にヒーター140を設置することが好ましい。
【0029】
一方、イオン抽出装置200は、デコレーション装置100に供給する電解液へイオンを抽出させる装置である。
【0030】
図1に示すように、イオン抽出装置200は、内部に所定の電解液を収容するイオン抽出ハウジング201と、イオン抽出ハウジング201の上端を覆うカバー202と、を備えることが好ましい。
【0031】
イオン抽出装置200は、第1電極210、及び該第1電極210と対向する位置に設けられる第2電極233を含み、第1電極210と第2電極233との間に電場がかかるようにする。
【0032】
第1電極210は、図1に示すように、板(Plate)の形態にすることが好ましく、第2電極233は、カバー202に一側が固定され、他側にはイオンを供給するソースプレート230が固定される電極棒(Electrode Pole)の形態とすることが好ましい。
【0033】
ソースプレート230は、イオン抽出ハウジング201内の電解液へとイオンが抽出されて供給されるような原料となる材料を含んでなる。例えば、銅イオンを抽出しようとする場合、ソースプレート230は、その全部または一部に銅材質を含む。
【0034】
そして、ソースプレート230は、一枚のプレートが第2電極233に固定されたものとすることもでき、図1に示すように、複数枚のサブプレート231,232が第2電極233に固定されたものとすることもできる。
【0035】
ソースプレート230の詳細については後述される。
【0036】
一方、第1電極210の上端には、電気を伝導しない材質からなる絶縁部材220が設けられることが好ましく、この場合、絶縁部材220は、電極板形態の第1電極210の上端の全部または一部を覆う。
【0037】
ここで、絶縁部材220が第1電極210を完全に覆うと、第1電極210と第2電極233との間に電場がかからないことがあるので、絶縁部材220は第1電極210を覆うものの、第1電極210と第2電極233との間に電場がかかるような所定部分を電解液に露出させることが好ましい。
【0038】
これは、第1電極210が完全に電解液に露出されると、第1電極210と第2電極233との間に電場がかかる場合、ソースプレート230から脱離したイオンが第1電極210側に全て集まって吸着され、電解液へと均一にイオンを抽出し難いからである。
【0039】
一方、本発明によるウエハ欠陥分析装置の循環装置は、デコレーション装置100の電解液が排出されてイオン抽出装置200に供給されるようにし、イオン抽出装置200でイオン抽出の完了した電解液がデコレーション装置100に供給されるようにし、電解液を循環させる機能を果たす。
【0040】
循環装置は、ドレンユニットと供給ユニットを含み、ドレンユニットは、デコレーション装置100とイオン抽出装置200とを連結し、デコレーション装置100の電解液が排出されてイオン抽出装置200に供給されるようにする。
【0041】
そして、供給ユニットは、イオン抽出装置200とデコレーション装置100とを連結し、イオン抽出装置200でイオン抽出の完了した電解液をデコレーション装置100に供給する。
【0042】
図1に示すように、デコレーション装置100のデコレーションハウジング101の一側、特に、デコレーションハウジング101の底の一側には、その内部に収容されている電解液がドレン(Drain)される流出口103を形成し、イオン抽出装置200の一側、特に、カバー202の一側には供給口203を形成することが好ましい。
【0043】
そして、ドレンユニットは、デコレーションハウジング101の流出口103とカバー202の供給口203とを連結して、デコレーション装置100の電解液がイオン抽出装置200へ流動するように設けられるドレン管310と、ドレン管310に設置されて、ドレン管310を流動する電解液の流れを制御するドレン弁311と、を含むことが好ましい。
【0044】
また、図1に示すように、ドレン管310には、ドレンフィルタ312が設置されることが好ましく、このドレンフィルタ312は、デコレーションハウジング101内の電解液に混入しうる異物をフィルタリングする役割を果たす。
【0045】
ドレン管310の一側には、図1に示すように、給水管320が連結され、この給水管320には給水弁321を設置することが好ましい。これにより、イオン抽出装置200の電解液が不足する場合や電解液の長時間使用によって電解液の交替が必要な場合に、給水管320を通じて新しい電解液を供給でき、この時、給水弁321により電解液の供給を制御することができる。
【0046】
一方、イオン抽出装置200のイオン抽出ハウジング201の一側、特に、イオン抽出ハウジング201の底面の一側には、イオン抽出ハウジング201内の電解液が排出される排出口204を設けることが好ましい。
【0047】
また、デコレーションハウジング201の一側、特に、デコレーションハウジング201の側壁に、イオン抽出装置200の電解液が流入する流入口104を設けることが好ましい。
【0048】
ここで、図1に示すように、供給ユニットは、排出管330及び該排出管330に設置された排出弁331、供給管350及び該供給管350に設置された調節弁351、及びポンピング装置340を含んでなることが好ましい。
【0049】
排出管330は、排出口204と連結されて、イオン抽出ハウジング201内の電解液が排出口204から排出されて流動するように設けられる。排出弁331は排出管330を開閉することで電解液の排出を制御する。
【0050】
供給管350は、一端が排出管330に連結され、他端が流入口104に連結されて、排出管330を流動する電解液がポンピング装置340によりポンピングされてデコレーションハウジング102の内部に供給されるようにする。調節弁351は、供給管350を開閉して電解液の供給を制御する。
【0051】
調節弁351は、一つを設置して電解液の流動を調節することもできるが、図1に示すように、供給管350の一側と他側にそれぞれ一つずつ設置して、供給管350を流動する電解液の流れを両側で制御することがより好ましい。
【0052】
排出管330の一側または供給管350の一側にはポンピング装置340を設けて、排出口204から排出管330に流動する電解液を、供給管350と流入口104を通してデコレーションハウジング101の内部に供給することが好ましい。
【0053】
図1では、ポンピング装置340を供給管350と近い排出管330に設置する場合を示したが、これに限定されない。すなわち、ポンピング装置340を、排出管330と近い供給管350に設置することもである。
【0054】
また、図1に示すように、排出管330の一側には循環フィルタ332を装着して、イオン抽出ハウジング201から排出される電解液に混入している異物をフィルタリングすることができる。
【0055】
一方、図1に示すように、排出管330には放出管370が連結され、放出管370には放出弁371を設置し、イオン抽出装置200から電解液を外部に放出しようとする場合は、放出弁371を制御して電解液を外部に完全に放出することができる。
【0056】
次に、図1に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置の動作及び作用効果について説明する。
【0057】
まず、ウエハ欠陥分析が必要な場合、本実施例によるウエハ欠陥分析装置のイオン抽出装置200は、ソースプレート230からイオンを抽出して電解液に十分に含ませるイオン抽出過程を行う。
【0058】
すなわち、第1電極210と第2電極233との間に電場をかけると、第2電極233に連結して固定されたソースプレート230からはソースとなるイオンが脱離して電解液中へと抽出される。
【0059】
イオン抽出過程が完了すると、ポンピング装置340を駆動し、排出弁331を開いて排出管330に電解液を排出させる。この時、調節弁351を開き、排出管330を流動する電解液を、供給管350を通してデコレーションハウジング101の内部に流入させる。
【0060】
デコレーションに十分な量の電解液がデコレーションハウジング101内に流入すると、ポンピング装置340を停止させ、排出弁331及び調節弁351の両方を閉じる。
【0061】
ここで、ヒーター140を作動して電解液の温度を所定温度まで上昇させることが好ましい。
【0062】
そして、デコレーション装置100のトップカバー102を開き、チャッキング装置130でウエハWをチャッキングした後、トップカバー102を再び閉じる。この時、チャッキングされたウエハWは、第1電極部110上に置かれる。
【0063】
第1電極部110と第2電極部120との間に電場をかけると、デコレーションハウジング101内の電解液中のイオンが、ウエハWの表面に存在する欠陥部位に吸着されながらデコレーションがなされる。
【0064】
デコレーションが完了すると、ウエハWをデコレーション装置100から取り出し、ドレン弁311を開き、流出口103を通してデコレーションハウジング101内の電解液をドレン管310にドレンする。
【0065】
一方、デコレーション装置100からイオン抽出装置200への電解液の流動が終わると、再び次のウエハのデコレーションのために、イオン抽出装置200でイオン抽出過程を行うが、この場合、好ましくは、デコレーション装置100でドレン過程が行われる前にイオン抽出装置200を作動させてイオン抽出を完了し、実質的にドレン過程と同時に電解液の供給過程を行うことによって、全体デコレーションにかかる時間を大幅に短縮させることも可能である。
【0066】
一方、図2及び図3を参照して、本発明の一実施例によるウエハ欠陥分析装置のソースプレート230について具体的に説明する。
【0067】
図2及び図3では、ソースプレート230が第1サブプレート231及び第2サブプレート232を含む例を示している。
【0068】
図2に示す実施例では、ソースプレート230の第1サブプレート231には複数個の第1孔部231aが形成され、第2サブプレート232には複数個の第2孔部232aが形成されている。
【0069】
このように、複数個の孔部231a,232aを形成することによって、イオン抽出装置200(図1参照)内の電解液にソースプレート230が露出される面積をより広くすることができ、イオン抽出の効率をより高めることができる。
【0070】
一方、図3に示す実施例では、ソースプレート230の第1サブプレート231には複数個の第1しわ部231bが形成され、第2サブプレート232には複数個の第2しわ部232bが形成されている。
【0071】
このように複数個のしわ部231b,232bを形成することによって、イオン抽出装置200内の電解液にソースプレート230が露出される面積をより広くすることができ、ソースプレート230からのイオン抽出も非常に效率的に行うことができる。
【0072】
一方、図1の実施例によるウエハ欠陥分析装置は、イオン抽出過程とデコレーション過程とを分離し、ウエハのデコレーション過程の間に、次のウエハのデコレーションに使用する電解液のイオン抽出作業をあらかじめ行うことで、全体デコレーションにかかる時間を画期的に短縮させるという長所はあるが、イオン抽出過程がデコレーション過程よりも長い時間を要するから、イオン抽出過程自体をさらに短時間にさせると、全体デコレーションにかかる時間をは格段に短縮させることができる。
【0073】
図4乃至図9に示す各実施例は、図1に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置の全ての特長に加えて、イオン抽出過程自体にかかる時間を画期的に短縮させる特徴を有するウエハ欠陥分析装置を示す図である。
【0074】
図4乃至図9に示す各実施例は、基本的に、イオン抽出装置に収容されている電解液に所定のエネルギーを伝達し、イオン抽出時にイオンの活動性を高めることで、イオン抽出時間の短縮を図ったエネルギー伝達手段を備えるものである。
【0075】
まず、図4及び図5を参照して、エネルギー伝達手段を備えたウエハ欠陥分析装置の実施例について説明する。図4は、本実施例によるウエハ欠陥分析装置の側断面図であり、図5は、図4に示すイオン抽出装置の一部構成とエネルギー伝達手段であるバブル発生ユニットを示す図である。
【0076】
図4及び図5に示すように、本実施例によるウエハ欠陥分析装置も同様、デコレーション装置100、イオン抽出装置200及び循環装置を含んでなる。
【0077】
ここで、デコレーション装置100、イオン抽出装置200及び循環装置は、図1に示す実施例と実質的に同一の構成及び作用効果を有するもので、重複説明は省き、エネルギー伝達手段についてのみ具体的に説明する。
【0078】
図4に示すように、本実施例によるウエハ欠陥分析装置のイオン抽出装置200にはエネルギー伝達手段としてバブル発生ユニット510が設けられる。
【0079】
バブル発生ユニット510は、イオン抽出装置200に収容されている電解液にバブル(Bubble)が発生するように所定のガス(Gas)を電解液に供給する。
【0080】
ここで、ガスには、不純物がイオン抽出装置200中に混入しないと共に電解液に余計なイオンが発生しないように、クリーンエア(Clean Air)やNガスなどを使用することが好ましい。
【0081】
図4及び図5に示すように、バブル発生ユニット510は、バブルBを発生させる注入ガスを収容するガス供給部511と、ガス供給部511と第2電極233である電極棒の内部に設けられたガス流路部234とを互いに連結させるガス管512と、を含んでなる。
【0082】
ここで、ガス管512と電極棒233とは連結部514にて結合され、ガス管512にはガスフィルタ513が設置し、ガス供給部511から供給されるガスに混入している異物などをフィルタリングすることが好ましい。
【0083】
したがって、図5に示すように、ガス供給部511から供給されたガスは、ガス管512を通って第2電極233のガス流路部234に沿って流動し、該ガス流路部234を流動するガスは、ノズル部235,236から電解液に吹き込まれながらバブルBを発生させる。
【0084】
この場合、図5に示すように、第1サブプレート231及び第2サブプレート232にそれぞれ形成された第1孔部231a及び第2孔部232aを一部のバブルBが通過できるようにすることが好ましい。
【0085】
第1サブプレート231は、第2サブプレート232よりも下方に配置し、ノズル部は、第1サブプレート231の下方に設けられた第1ノズル部235と、第1サブプレート231と第2サブプレート232との間に設けられた第2ノズル部236と、を含むことが好ましい。
【0086】
そして、第1サブプレート231の直径を第2サブプレート232の直径よりも小さくすることで、第1ノズル部235から噴射されて第1サブプレート231を通過したバブルが第2サブプレート232にも到達できるようにし、イオン抽出効率を向上させることができる。
【0087】
このように、バブル発生ユニット510により電解液中にガスを注入して多数のバブルを発生させると、それらのバブルが、第1サブプレート231及び第2サブプレート232の表面からのイオンの脱離を促進させるので、イオンの活動性をより高め、ソースプレート230からのイオン抽出をより迅速に行うことができる。
【0088】
そして、電解液中のイオンがいずれか一側に集まったり、底側に積もったりする現象を防止し、抽出されたイオンを電解液に実質的に均一に分布させることができる。
【0089】
一方、図6を参照して、エネルギー伝達手段を備えたウエハ欠陥分析装置の他の実施例を説明する。
【0090】
図6に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置も同様、デコレーション装置100、イオン抽出装置200及び循環装置を含んでなる。
【0091】
ここで、デコレーション装置100、イオン抽出装置200、及び循環装置は、図1に示す実施例と実質的に同一の構成及び作用効果を有するので、重複する説明は省略し、エネルギー伝達手段について具体的に説明する。
【0092】
図6に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置のイオン抽出装置200には、エネルギー伝達手段としてスターリング(stirring)ユニット520が設けられる。
【0093】
スターリングユニット520は、イオン抽出装置200に収容された電解液を掻き回すことで、ソースプレート230から抽出されたイオンが、いずれか一箇所に集中したり底部に積ったりすることを防止して均一性を高め、イオンの活動性を高めてイオン抽出の効率を向上させることができる。
【0094】
図6に示すように、スターリングユニット520は、回転力を提供するモーター521と、モーター521の回転軸522と、回転軸522の端部に設けられて、回転軸522と共に回転するスターラー523と、を含んでなることが好ましい。
【0095】
スターラー523は、インペラ(Impeller)とすることもでき、プロペラ(Propeller)やファン(Fan)などの形態にすることもでき、電解液を效果的にスターリング(Stirring)できるいかなる構造にしても良い。
【0096】
上記のように、スターリングユニット520により電解液を效果的に掻き回すことによって、イオンの活動性をより高め、ソースプレート230からイオンをより迅速に抽出することができる。
【0097】
そして、電解液中のイオンがいずれか一側に集まったり底側に積もったりする現象を防止し、抽出されたイオンが電解液に実質的に均一に分布することが可能になる。
【0098】
一方、図7を参照して、エネルギー伝達手段を備えたウエハ欠陥分析装置のさらに他の実施例について説明する。
【0099】
図7に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置も同様、デコレーション装置100、イオン抽出装置200及び循環装置を含んでなる。
【0100】
ここで、デコレーション装置100、イオン抽出装置200及び循環装置は、図1に示す実施例と実質的に同一の構成及び作用効果を有するので、重複する説明は省略し、エネルギー伝達手段について具体的に説明する。
【0101】
図7に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置のイオン抽出装置200には、エネルギー伝達手段として超音波ユニット530が設けられる。
【0102】
超音波ユニット530は、イオン抽出装置200に収容されている電解液に超音波(Ultrasonics Wave)を発生させ、音波の振動により多数のバブルを発生させる。
【0103】
このように電解液中で超音波により発生したバブルは、ソースプレート230の表面からのイオンの脱離を促進し、かつ、超音波のエネルギーによりイオンの活動性が高まり、結果としてイオンの抽出をより迅速にすることができる。
【0104】
そして、電解液中のイオンがいずれか一側に集まったり底側に積もったりする現象を防止し、抽出されたイオンが電解液に実質的に均一に分布することができる。
【0105】
一方、図8を参照して、エネルギー伝達手段を備えたウエハ欠陥分析装置のさらに他の実施例について説明する。
【0106】
図8に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置も同様、デコレーション装置100、イオン抽出装置200及び循環装置を含んでなる。
【0107】
ここで、デコレーション装置100、イオン抽出装置200、及び循環装置は、図1に示す実施例と実質的に同一の構成及び作用効果を有するので、重複する説明は省略し、エネルギー伝達手段について具体的に説明する。
【0108】
図8に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置のイオン抽出装置200には、エネルギー伝達手段としてヒーティングユニット540が設けられる。
【0109】
ヒーティングユニット540は、イオン抽出装置200に収容されている電解液に所定の熱を伝達することによって電解液の温度を上げ、イオンの活動性を高める役割を果たす。
【0110】
ヒーティングユニット540により電解液の温度を上げることでイオンの活動性が高まると、ソースプレート230からのイオン抽出の時間も短縮させることができる。
【0111】
そして、電解液中のイオンがいずれか一側に集まったり底側に積もったりする現象を防止し、抽出されたイオンが電解液に実質的に均一に分布することができる。
【0112】
一方、図面には示していないが、以上のエネルギー伝達手段を全てイオン抽出装置に備えることで、イオン抽出の効率を格段に高めることも可能である。
【0113】
すなわち、イオン抽出装置にバブル発生ユニット、スターリングユニット、超音波ユニット、及びヒーティングユニットのうちの2以上または全部を備えて、イオン抽出が短時間で極めて效果的に行われるようにすることができる。
【0114】
一方、図9を参照して、本発明のさらに他の実施例によるウエハ欠陥分析装置について説明する。
【0115】
図9に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置は、デコレーション装置100、イオン抽出装置200に加えて、二重循環装置を含むことに特徴がある。
【0116】
ここで、デコレーション装置100及びイオン抽出装置200は、図1に示す実施例におけるそれと実質的に同一であるので、重複する説明は省略し、二重循環装置について具体的に説明する。
【0117】
二重循環装置は、デコレーション装置100の電解液が排出されてイオン抽出装置200に供給されるようにし、イオン抽出装置200の一側と他側をそれぞれ連結してイオン抽出装置200の電解液を循環させ、イオン抽出装置200でイオン抽出の完了した電解液をデコレーション装置100に供給させることによって、電解液を二重に循環させる装置である。
【0118】
すなわち、イオン抽出装置200において電解液を循環させながら、必要によってイオン抽出装置200とデコレーション装置100間を電解液が循環するようにして、電解液を二重に循環させる役割を果たす。
【0119】
ここで、イオン抽出装置200における電解液の循環を第1循環とし、イオン抽出装置200からデコレーション装置100へ、そしてデコレーション装置100からイオン抽出装置200への循環を第2循環として説明する。
【0120】
第1循環は、イオン抽出装置200の一側から流出した電解液が他側から再び流入するようにすることによって、イオン抽出装置200自体において電解液が循環する場合である。
【0121】
第1循環によってイオン抽出装置200の電解液が循環しながら、電解液中のイオンがいずれか一側に集まったり積もったりすることなく均一に分布することができ、電解液の流動による流動エネルギーによってイオンの活動性を高めることが可能になる。
【0122】
すなわち、第1循環は、上記のようなエネルギー伝達手段の機能を果たす。
【0123】
一方、第2循環は、図1に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置の循環装置と実質的に同じ方法で電解液を循環させることである。
【0124】
この二重循環装置においてイオン抽出装置の電解液を第1循環させる部分を第1循環部とし、イオン抽出装置からデコレーション装置へ、デコレーション装置からイオン抽出装置へと電解液を第2循環させる部分を第2循環部とし、第1循環部と第2循環部とを別個として設けることも可能である。
【0125】
ただし、第1循環部と第2循環部を別個として備える場合は、第1循環部と第2循環部のそれぞれに別途にポンピング手段が用いられるので、経済的な面では多少不利である。
【0126】
したがって、図9に示すように、一つのポンピング装置によって第1循環及び第2循環の両方がなされるように二重循環装置を構成することがより好ましい。
【0127】
図9に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置において、二重循環装置はドレンユニット、供給ユニット、及び循環ユニットを含む。
【0128】
ドレンユニットは、図9に示すように、デコレーション装置100の流出口103とイオン抽出装置200の供給口203とを連結して、デコレーション装置100の電解液がイオン抽出装置200に流動するように設けられるドレン管310と、ドレン管310に設置されて、ドレン管310を流動する電解液の流れを制御するドレン弁311と、を含むことが好ましい。
【0129】
また、図9に示すように、ドレン管310にはドレンフィルタ312を設置することが好ましい。このドレンフィルタ312は、デコレーションハウジング101内の電解液に混入する異物をフィルタリングする役割を果たす。
【0130】
ドレン管310の一側には、図9に示すように、給水管320が連結され、給水管320には給水弁321が設置されることが好ましい。これにより、イオン抽出装置200の電解液が不足する場合や電解液の長時間使用によって電解液の交替が必要な場合に、給水管320を通って新しい電解液を供給でき、この時、給水弁321により電解液の供給を制御することができる。
【0131】
一方、供給ユニットは、図9に示すように、排出管330と該排出管330に設置された排出弁331、供給管350と該供給管350に設置された調節弁351、及びポンピング装置340を含んでなることが好ましい。
【0132】
排出管330は、イオン抽出装置200の排出口204と連結されて、イオン抽出装置200内の電解液が排出口204から排出されて流動するように設けられる。排出弁331は、排出管330を開閉して電解液の排出を制御する。
供給管350は、一端が排出管330に連結され、他端がデコレーション装置100の流入口104に連結されて、排出管330を流動する電解液がポンピング装置340によりポンピングされてデコレーションハウジング102内に供給されるようにする。調節弁351は、供給管350を開閉して電解液の供給を制御する。
【0133】
調節弁351は、一つを設置して電解液の流動を調節することもできるが、図9に示すように、供給管350の一側と他側にそれぞれ一つずつ設置して、供給管350を流れる電解液の流動を両側で制御することがより好ましい。
【0134】
また、図9に示すように、排出管330の一側には循環フィルタ332を装着して、イオン抽出ハウジング201から排出される電解液に混入している異物をフィルタリングすることが好ましい。
【0135】
一方、循環ユニットは、図9に示すように、一端が排出管330に連結され、他端が、イオン抽出装置200の他側に設けられる循環口205に連結されて、イオン抽出装置200の電解液を循環させる循環管360と、循環管360に設置されて、循環管360を流動する電解液の流れを制御する循環弁361と、を含んでなることが好ましい。
【0136】
ここで、循環口205は、できるだけ排出口204から遠く離れるように形成されることが好ましく、図9に示すように、イオン抽出装置200のイオン抽出ハウジング201の底に形成することもできるが、イオン抽出ハウジング201の側壁に形成することも可能である。
【0137】
そして、ポンピング装置340は、排出管330に設置されて、イオン抽出装置200内の電解液が排出管330に沿って容易に第1循環されるようにし、循環弁361の遮断時には、排出管330及び供給管350に沿って電解液が流動して容易に第2循環がなされるようにすることが好ましい。
【0138】
一方、図9に示すように、排出管330には放出管370が連結され、放出管370には放出弁371を設置し、イオン抽出装置200から電解液を外部に放出しようとする場合、放出弁371を制御して電解液を外部に完全に放出することが可能である。
【0139】
次に、図9に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置の動作及び作用効果について説明する。
【0140】
まず、ウエハ欠陥分析が必要な場合、本実施例によるウエハ欠陥分析装置のイオン抽出装置200は、ソースプレート230からイオンを抽出して電解液に十分に含ませるイオン抽出過程を行う。
【0141】
すなわち、第1電極210と第2電極233との間に電場をかけると、第2電極233に連結固定されたソースプレート230からは、ソースとなるイオンが脱離して電解液中に抽出される。
【0142】
この時、ポンピング装置340を作動させ、排出弁331及び循環弁361を開いて、イオン抽出装置200内の電解液が第1循環されるようにする。この場合、調節弁351は閉じた状態にしなければならない。
【0143】
このような第1循環がなされながらイオン抽出過程が行われると、イオン抽出の効率が向上するので、イオン抽出時間を大幅に短縮させることができる。
【0144】
一方、イオン抽出過程が完了した後には、循環弁361を閉じて電解液の第1循環を中断し、電解液が第2循環するように調節弁351を開くと、イオン抽出装置200から排出されて排出管330に沿って流動する電解液は、供給管350を通ってデコレーション装置100に供給される。
【0145】
デコレーションに十分な量の電解液がデコレーションハウジング101内に流入すると、ポンピング装置340を停止し、排出弁331、循環弁361及び調節弁351を全て閉じる。
【0146】
ここで、ヒーター140を作動させて電解液の温度を所定温度まで上昇させることが好ましい。
【0147】
そして、デコレーション装置100のトップカバー102を開き、チャッキング装置130でウエハWをチャッキングした後、トップカバー102を再び閉じる。この時、チャッキングされたウエハWは第1電極部110上に置かれる。
【0148】
第1電極部110と第2電極部120との間に電場をかけると、デコレーションハウジング101内の電解液に含まれているイオンが、ウエハWの表面に存在する欠陥部位に吸着されながらデコレーションがなされる。
【0149】
デコレーションが完了すると、ウエハWをデコレーション装置100から取り出し、ドレン弁311を開き、流出口103からドレン管310に、デコレーションハウジング101内の電解液をドレンさせる。
【0150】
一方、デコレーション装置100からイオン抽出装置200への電解液の流動が終わった後に、再び次のウエハのデコレーションのためにイオン抽出装置200でイオン抽出過程が行われるが、より好ましくは、デコレーション装置100でドレン過程が行われる前にイオン抽出装置200を作動させてイオン抽出を完了し、実質的にドレン過程と同時に電解液の供給過程が行われるようにすることによって、全体デコレーションにかかる時間を大幅に短縮させることができる。
【0151】
この時、二重循環装置による第1循環過程によってイオン抽出の時間が大幅に短縮するから、多数のウエハをデコレーションする場合、各ウエハのデコレーションにおいて遅延される時間を大幅に短縮させることが可能である。
【0152】
一般に、デコレーション過程よりはイオン抽出過程に多くの時間がかかるが、この二重循環装置によってイオン抽出過程の時間を大幅に短縮させると、あるウエハにデコレーション過程が行われる間に、イオン抽出装置200ではイオン抽出過程を行い、デコレーション過程と略同時にイオン抽出過程も略完了すると、次のウエハのデコレーション過程を遅延なく行うことができ、全体デコレーション時間を大幅に短縮させることができる。
【0153】
一方、図4乃至図8にそれぞれ示す本発明によるウエハ欠陥分析装置のエネルギー伝達手段を、図9に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置にも同様に適用することができる。
【0154】
すなわち、図4に示すバブル発生ユニット、図6に示すスターリングユニット、図7に示す超音波ユニット、そして図8に示すヒーティングユニットのうちの少なくとも一つを、図9に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置のイオン抽出装置に適用して電解液の第1循環と共に使用することによって、イオン抽出装置におけるイオン抽出時間をより格段に短縮させることが可能である。
【0155】
一方、図10及び図11を参照して、本発明の様々な実施例によるウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法について説明する。
【0156】
図10は、図1乃至図8にそれぞれ示す実施例によるウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法を示すフローチャートである。
【0157】
図10に示すように、スタンバイ状態(S10)は準備する段階で、ドレン弁、排出弁、調節弁及びポンピング装置などがいずれもオフしている状態である。
【0158】
この状態で、ウエハをデコレーションするためにイオン抽出が必要であるか否かを判断する(S20)。
【0159】
もし、イオン抽出が必要であると、イオン抽出装置に電圧を印加して(S21)、イオンを抽出する。この場合、イオン抽出装置にエネルギー伝達手段が備えられていると、エネルギー伝達手段を作動して、イオン抽出装置に収容された電解液にエネルギーを供給する(S23)。
【0160】
次に、イオン抽出が完了したか否か判断し(S30)、イオン抽出が完了した場合は、ドレン弁が閉じた状態で排出弁及び調節弁を開き、ポンピング装置を作動させて、電解液をデコレーション装置に供給する(S31)。
【0161】
電解液の供給が完了したか否か判断し(S40)、電解液の供給が完了した場合は、ドレン弁、排出弁、調節弁及びポンピング装置を全てオフにする(S41)。
【0162】
そして、デコレーション装置に対象ウエハを装着し、電圧を印加してデコレーション過程を行う(S42)。
【0163】
デコレーションが完了したか否か判断し(S50)、デコレーションが完了した場合は、排出弁及び調節弁を閉じた状態でドレン弁を開き、デコレーション装置から電解液をイオン抽出装置にドレンする(S51)。
【0164】
一方、図10に示すフローチャートでは、上記S51のドレン過程の後に再びスタンバイ状態に戻って次のウエハのデコレーションを待つ場合を示しているが、ドレン過程S51と電解液の供給過程が実質的に同時に行われるようにすることも可能である。
【0165】
すなわち、上記S51段階で、ドレン弁を開いてドレン過程を行うと同時に、排出弁及び調節弁を開き、ポンピング装置を作動してイオン抽出装置の電解液をデコレーション装置に供給することも可能である。
【0166】
このような過程は、デコレーションが行われる間に、次のウエハのデコレーションのためのイオン抽出過程がイオン抽出装置で継続して行われているということを前提とすることが好ましい。
【0167】
一方、図11は、図9に示す実施例によるウエハ欠陥分析装置を用いるウエハ欠陥分析方法を示すフローチャートである。
【0168】
図11に示すように、スタンバイ状態(S100)は準備する段階で、ドレン弁、排出弁、調節弁及びポンピング装置などがいずれもオフになっている状態である。
【0169】
この状態で、ウエハをデコレーションするためにイオン抽出が必要であるか否か判断する(S200)。
【0170】
もし、イオン抽出が必要であると、イオン抽出装置に電圧を印加して(S210)、イオンを抽出する。この時、ドレン弁及び調節弁をオフにした状態で排出弁及び循環弁を開き、ポンピング装置を作動して電解液を循環(第1循環)させる(S220)。
【0171】
そして、上記の第1循環とは別に、エネルギー伝達手段が備えられた場合にはエネルギー伝達手段を作動して、イオン抽出装置に収容されている電解液にエネルギーを供給する(S230)。
【0172】
一方、イオン抽出が完了したか否か判断し(S300)、イオン抽出が完了すると、ドレン弁が閉じ、排出弁が開いた状態で、循環弁を閉じ、調節弁を開いて、電解液がデコレーション装置に供給されるようにする(S310)。
【0173】
電解液の供給が完了したか否か判断し(S400)、電解液の供給が完了した場合は、ドレン弁、排出弁、調節弁及びポンピング装置をいずれもオフにする(S410)。
【0174】
そして、デコレーション装置に対象ウエハを装着し、電圧を印加してデコレーション過程を行う(S420)。
【0175】
デコレーションが完了したか否か判断し(S500)、もし、デコレーションが完了した場合は、ドレン弁を開き、デコレーション装置から電解液をイオン抽出装置にドレンする(S510)。
【0176】
一方、図11に示すフローチャートでは、上記S510のドレン過程の後に再びスタンバイ状態に戻って次のウエハのデコレーションを待つ場合を示しているが、ドレン過程S510と電解液の供給過程とが実質的に同時に行われるようにすることも可能である。
【0177】
このような過程のためには、デコレーション過程が行われる間に、イオン抽出装置でイオン抽出過程が継続して行われなければならない他、第1循環も継続して行われるようにすることが好ましい。この時、排出弁及び循環弁は開き、調節弁は閉じる。
【0178】
ドレン弁を開いてドレン過程を行うと同時に、循環弁を閉じ、調節弁を開いて、イオン抽出装置の電解液をデコレーション装置に供給することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電解液を収容し、第1電極部及び第2電極部を備えてこれらの間に電場を印加することによって、前記第1電極部に置かれているウエハの欠陥部位にイオン吸着がなされるようにするデコレーション装置と、
所定の電解液を収容し、第1電極及び第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に印加される電場により所定のイオンを電解液に供給するソースプレートと、を備えるイオン抽出装置と、
前記デコレーション装置の電解液が排出されて前記イオン抽出装置に供給されるようにし、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液が前記デコレーション装置に供給されるようにすることによって電解液を循環させる循環装置と、
を含むウエハ欠陥分析装置。
【請求項2】
所定の電解液を収容し、第1電極部及び第2電極部を備えてそれらの間に電場を印加することによって、前記第1電極部に置かれているウエハの欠陥部位にイオン吸着がなされるようにするデコレーション装置と、
所定の電解液を収容し、第1電極及び第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に印加される電場により所定のイオンを電解液に供給するソースプレートと、を備えるイオン抽出装置と、
前記デコレーション装置の電解液が排出されて前記イオン抽出装置に供給されるようにし、前記イオン抽出装置の一側と他側をそれぞれ連結して前記イオン抽出装置の電解液が循環されるようにし、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液が前記デコレーション装置に供給されるようにすることによって電解液を二重に循環させる二重循環装置と、
を含むウエハ欠陥分析装置。
【請求項3】
前記デコレーション装置は、
電解液に含まれているイオンの活動性を高めるように前記電解液に熱を加える少なくとも一つのヒーターを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項4】
前記イオン抽出装置は、
前記第1電極の上端の全部または一部を覆うように設けられる絶縁部材を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項5】
前記ソースプレートは、
前記第2電極をなす電極棒に、互いに所定の間隔離れて固定され、互いに異なる大きさを有する複数個のサブプレートを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項6】
前記複数個のサブプレートのうち少なくとも一つのサブプレートに形成されて、前記サブプレートが前記電解液に露出される表面積を増大させる複数個の孔部を含むことを特徴とする、請求項5に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項7】
前記複数個のサブプレートのうちの少なくとも一つのサブプレートに形成されて、前記サブプレートが前記電解液に露出される表面積を増大させる複数個のしわ部を含むことを特徴とする、請求項5に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項8】
前記循環装置は、
前記デコレーション装置と前記イオン抽出装置とを連結し、前記デコレーション装置の電解液が排出されて前記イオン抽出装置に供給されるようにするドレンユニットと、
前記イオン抽出装置と前記デコレーション装置とを連結し、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液を前記デコレーション装置に供給する供給ユニットと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項9】
前記二重循環装置は、
前記デコレーション装置と前記イオン抽出装置とを連結し、前記デコレーション装置の電解液が排出されて前記イオン抽出装置に供給されるようにするドレンユニットと、
前記イオン抽出装置の一側と前記デコレーション装置とを連結し、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液を前記デコレーション装置に供給する供給ユニットと、
前記供給ユニットと前記イオン抽出装置の他側とを連結し、電解液が前記イオン抽出装置の一側から排出されて前記イオン抽出装置の他側に供給されるようにする循環ユニットと、
を含むことを特徴とする、請求項2に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項10】
前記ドレンユニットは、
前記デコレーション装置の一側に設けられる流出口と前記イオン抽出装置の一側に設けられる供給口とを連結して、前記デコレーション装置の電解液が前記イオン抽出装置に流動するように設けられたドレン管と、
前記ドレン管に設置されて、前記ドレン管を流動する電解液の流れを制御するドレン弁と、
を含むことを特徴とする、請求項8または9に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項11】
前記ドレンユニットは、
前記ドレン管に設けられて、前記ドレン管を流動する電解液の異物をフィルタリングするドレンフィルタをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項12】
前記供給ユニットは、
前記イオン抽出装置の一側に設けられる排出口に連結されて、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液が排出されて流動するように設けられた排出管と、

前記排出管に設置されて、前記排出管を流動する電解液の流動を制御する排出弁と、
一端が前記排出管に連結され、他端が、前記デコレーション装置の一側に設けられる流入口に連結されて、前記排出管を流動する電解液が前記デコレーション装置に流動するように設けられる供給管と、
前記供給管に設置されて、前記供給管を流動する電解液の流動を制御する調節弁と、
前記排出管及び前記供給管のうちのいずれか一方に設置されて、前記イオン抽出装置から排出された電解液が前記デコレーション装置に供給されるようにするポンピング装置と、
含むことを特徴とする、請求項8に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項13】
前記供給ユニットは、
前記イオン抽出装置に設けられる排出口に連結されて、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液が排出されて流動するように設けられる排出管と、
前記排出管に設置されて、前記排出管を流動する電解液の流動を制御する排出弁と、
一端が前記排出管に連結され、他端が、前記デコレーション装置の一側に設けられる流入口に連結されて、前記排出管を流動する電解液が前記デコレーション装置へ流動するように設けられる供給管と、
前記供給管に設置されて、前記供給管を流動する電解液の流れを制御する調節弁と、
前記排出管及び前記供給管のうちのいずれか一方に設置されて、前記イオン抽出装置から排出された電解液が前記デコレーション装置に供給されるようにするポンピング装置と、
を含み、
前記循環ユニットは、
一端が前記排出管に連結され、他端が、前記イオン抽出装置の他側に設けられる循環口に連結されて、前記イオン抽出装置の電解液が循環されるようにする循環管と、
前記循環管に設置されて、前記循環管を流動する電解液の流動を制御する循環弁と、
を含むことを特徴とする、請求項9に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項14】
前記供給ユニットは、
前記排出管及び前記供給管のうちの少なくとも一つに設置されて、流動する電解液の異物をフィルタリングする循環フィルタをさらに含むことを特徴とする、請求項12または13に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項15】
前記イオン抽出装置は、
前記ソースプレートから電解液に供給されるイオンの活動性を高めるように、前記電解液に所定のエネルギーを伝達するエネルギー伝達手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項16】
前記ソースプレートは、複数個の孔部を持つ少なくとも一つのサブプレートを含み、
前記エネルギー伝達手段は、前記イオン抽出装置に収容されている電解液にバブルが発生するように所定のガスを前記電解液に供給するバブル発生ユニットを含むことを特徴とする、請求項15に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項17】
前記バブル発生ユニットは、
ガス供給部と、
前記第2電極をなす電極棒の内部に設けられるガス流路部と、
前記ガス供給部と前記ガス流路部とを連結するガス管と、
前記電極棒に形成されて、前記ガス流路部を流動するガスが電解液に噴射されるようにするノズル部と、
を含むことを特徴とする、請求項16に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項18】
前記エネルギー伝達手段は、
前記イオン抽出装置に収容されている電解液を掻き回すことによってイオンの活動性を高めるスターリングユニットを含むことを特徴とする、請求項15に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項19】
前記エネルギー伝達手段は、
前記イオン抽出装置に少なくとも一つが設けられて、該イオン抽出装置の内部の電解液に超音波を伝達することでイオンの活動性を高める超音波ユニットを含むことを特徴とする、請求項15に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項20】
前記エネルギー伝達手段は、
前記イオン抽出装置に少なくとも一つが設けられて、該イオン抽出装置の内部の電解液に熱を伝達して温度を高めることによってイオンの活動性を高めるヒーティングユニットを含むことを特徴とする、請求項15に記載のウエハ欠陥分析装置。
【請求項21】
所定の電解液を収容し、第1電極部及び第2電極部を備えてそれらの間に電場を印加することによって、前記第1電極部に置かれているウエハの欠陥部位にイオン吸着がなされるようにするデコレーション装置に電解液を供給するイオン抽出装置であって、
所定の電解液を収容するハウジングと、
前記ハウジングの底に設けられる電極板と、
前記電極板の上端の全部または一部を覆う絶縁部材と、
前記ハウジングの上端に固定され、前記電極板と対向するように設けられる電極棒と、
前記電極棒に固定され、前記電極板と前記電極棒との間に印加される電場により所定のイオンを電解液に供給するソースプレートと、
前記ソースプレートから電解液に供給されるイオンの活動性を高めるように前記電解液に所定のエネルギーを伝達するエネルギー伝達手段と、
を含むイオン抽出装置。
【請求項22】
イオン抽出装置に電圧を印加して、ソースプレートから電解液にイオンが抽出されるようにする段階と、
デコレーション装置に電圧を印加してウエハの欠陥部位にイオンが吸着されるようにする段階と、
前記デコレーション装置から前記イオン抽出装置に電解液を排出し、前記イオン抽出装置の電解液が前記デコレーション装置に供給されるようにして、電解液が循環されるようにする段階と、
を含むウエハ欠陥分析方法。
【請求項23】
イオン抽出装置に電圧を印加して、ソースプレートから電解液へとイオンを抽出する段階と、
デコレーション装置に電圧を印加して、ウエハの欠陥部位にイオンを吸着させる段階と、
前記デコレーション装置から前記イオン抽出装置に電解液が排出されるようにし、前記イオン抽出装置の一側から排出された電解液が、前記イオン抽出装置の他側に供給されるようにして電解液を循環させ、前記イオン抽出装置でイオン抽出の完了した電解液が前記デコレーション装置に供給されるようにして電解液を二重に循環させる段階と、
を含むウエハ欠陥分析方法。
【請求項24】
前記イオン抽出段階は、
前記ソースプレートから電解液に供給されるイオンの活動性を高めるように前記電解液に所定のエネルギーを伝達する段階を含むことを特徴とする、請求項22または23に記載のウエハ欠陥分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−517714(P2012−517714A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550068(P2011−550068)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【国際出願番号】PCT/KR2010/000973
【国際公開番号】WO2010/095847
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(511188794)ハンスマシン インク (1)
【Fターム(参考)】