説明

ウォームギヤ油組成物およびウォームギヤユニット

【課題】本発明の目的は、高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームからなるウォームギヤユニットにおいて、従来のPAG系潤滑油よりも優れた伝達効率を有し、塗装を含め、有機材への悪影響の少ないウォームギヤ油組成物およびウォームギヤユニットを提供すること。
【解決手段】本発明のウォームギヤ油組成物は、高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームとからなるウォームギヤユニットに使用されるウォームギヤ油組成物であって、炭化水素系合成油および鉱油から選ばれる少なくとも一種の基油と、(A)水酸基含有エステルと、(B)ジチオカーバメートとを含み、組成物全量に対する(A)成分の含有量が1〜18質量%、(B)成分の含有量が0.5〜5質量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームからなるウォームギヤユニットで使用されるウォームギヤ油組成物およびウォームギヤユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ウォームギヤユニットは、ねじ状歯車であるウォームとそれにかみ合う歯を周囲にもつ円板状のウォームホイールとを組み合わせた動力伝達装置である。ウォームギヤユニットは特殊な構造および動力伝達機構を有しており、小型でありながら大きな減速比をとれるので減速装置、増力装置などに広く使用される。さらに、騒音の発生も少ないことから産業機械などにおいて広く使われている。
しかしながら、ウォームギヤユニットの伝達効率(伝達効率=出力仕事/入力仕事×100(%))は他の伝達装置の伝達効率に比べて低いため、その改善が望まれていた。伝達効率を向上させる方法として、ウォームギヤユニットの設計、材質、回転数などの改良のほか、ウォームギヤに使用される潤滑油組成物(ウォームギヤ油組成物)の高性能化などが挙げられる。
【0003】
ところで、ウォームギヤユニットにおいては、ホイール材とウォーム材の材質が異なり、すべり速度が大きい。また、接触圧力も高いため、その潤滑条件は過酷であり、通常のギヤ油組成物をそのまま適用しても、所望の性能を得られないことが多い。したがって、ウォームギヤにおける構造および摩擦条件の特殊性を考慮して、特別に潤滑油組成物を開発することが必要である。
【0004】
従来、ウォームギヤ用の高伝達効率の潤滑油組成物として、ポリアルキレングリコール(PAG)を基油とする潤滑油組成物が知られている。しかし、有機材への影響が有り、特に、機械の防錆を担う塗料を剥がすために、錆や故障の原因になるという問題があった。
そこで、PAG以外の基油を用いることで上記問題を回避したウォームギヤ油組成物が開発されている。
例えば、特許文献1には、基油としてポリαオレフィンとアルキル基置換芳香族化合物を用い、有機モリブデン化合物を配合したウォームギヤ油組成物が記載され、特定の材質(アルミニウム、珪素、マンガンを含む銅系合金)のウォームギヤユニットに適したウォームギヤ油組成物を提供している。
【0005】
【特許文献1】特開平9−316476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のウォームギヤ油組成物は、PAGを基油とする潤滑油と比較すると、高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームからなるウォームギヤユニットにおいては、依然として伝達効率の点で劣るため、このウォームギヤユニットで高い伝達効率を達成できるウォームギヤ油組成物が求められている。また、モリブデンはレアメタルであり、さらにPRTR対象物質でもあるため、その代替品の開発は重要である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームからなるウォームギヤユニットにおいて、従来のPAG系潤滑油よりも優れた伝達効率を有し、塗装を含め、有機材への悪影響の少ないウォームギヤ油組成物およびウォームギヤユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなウォームギヤ油組成物を提供するものである。
(1)高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームからなるウォームギヤユニットに使用されるウォームギヤ油組成物であって、炭化水素系合成油および鉱油から選ばれる少なくとも一種の基油と、(A)水酸基含有エステルと、(B)ジチオカーバメートとを含み、組成物全量に対する(A)成分の含有量が1〜18質量%、(B)成分の含有量が0.5〜5質量%であることを特徴とするウォームギヤ油組成物。
【0009】
(2)水酸基価が0.5〜8mgKOH/gであることを特徴とする上記(1)に記載のウォームギヤ油組成物。
【0010】
(3)前記水酸基含有エステルは、オレイン酸およびイソステアリン酸のうち少なくとも一種の有機酸から生成されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のウォームギヤ油組成物。
【0011】
(4)前記水酸基含有エステルは、グリセリン、グリセリン縮合物、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも一種の多価アルコールから生成されることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物。
【0012】
(5)前記水酸基含有エステルは、1分子内に平均1基以上の水酸基を有していることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物。
【0013】
(6)前記炭化水素系合成油は、ポリ−α−オレフィン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、エチレンプロピレンコポリマー、ポリブテンおよびアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物。
【0014】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物を充填したことを特徴とするウォームギヤユニット。
【発明の効果】
【0015】
本発明のウォームギヤ油組成物によれば、高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームからなるウォームギヤユニットにおいても優れた伝達効率を発揮できる。さらに、塗装を含め、有機材への悪影響の少ないウォームギヤ油組成物およびウォームギヤユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のウォームギヤ油組成物は、高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームを有するウォームギヤユニットに用いられる。
本発明のウォームギヤ油組成物は、炭化水素系合成油および鉱油から選ばれる少なくとも一種の基油と、水酸基含有エステルと、ジチオカーバメートとを含有する。
【0017】
[基油]
本発明で用いる基油は、炭化水素系合成油および鉱油から選ばれる少なくとも1種からなる。
ウォームギヤユニットは、その特殊な構造および動力伝達機構のため、その摩擦状態は境界潤滑と流体潤滑が混在した複雑な状態であり、油剤選定や負荷条件によってはその温度は180℃以上にもなる。また、塗料やシール材への影響なども考慮すると、ウォームギヤ油組成物に用いられる基油は、酸化安定性、粘度指数、アニリン点が高いことが好ましい。
【0018】
本発明で用いる基油としては、高温での運転時における油膜厚さ、すなわち油膜強度の点から、その粘度指数が90以上さらには140以上のものであることが好ましい。粘度指数が90以上の基油は、温度変化による粘度変化が小さく、温度変化の大きいウォームギヤユニットで使用しても安定した性能が得られる。また、基油の粘度は40℃における動粘度が、好ましくは20〜50000mm2/s、特に好ましくは40〜10000m
2/sである。上記粘度が20mm2/s未満の場合は油膜厚さが小さくなり過ぎ、また50000mm2/sを超える場合は組成物の粘度が高くなりすぎ、機械的あるいは熱的
剪断により粘度が低下する場合がある。基油のアニリン点は好ましくは100℃以上である。アニリン点が100℃以上であれば塗料やゴム等の有機材への悪影響が低減される。
【0019】
そして、このような基油に用いられる炭化水素系合成油としては、例えば、ポリαオレフィン(PAO)、エチレンプロピレンコポリマーなどのエチレン・α−オレフィンコポリマー、ポリブテンまたはこれらの水素化物、アルキルベンゼンなどが挙げられる。特に、粘度指数が高い点で、デセンオリゴマー等の炭素数6〜14のα−オレフィンのオリゴマ−、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレンα−オレフィン共重合体、ポリブテン又はこれらの水素化物が好ましい。なお、ポリアルキレングリコール系合成油は、一般的な機械装置の有機材、特に塗装に悪影響があるため、好ましくない。
【0020】
アルキルベンゼンとしては、スラッジの溶解性などの点からその粘度指数が100以下であるものが好ましく用いられる。また、40℃における粘度が20〜200mm2/s
であるものも好ましく使用できる。上記粘度が20mm2/s未満の場合は高温運転時の
油膜強度が不足したり、蒸発損失が大きくなり、また200mm2/sを超える場合は酸
化劣化によって生成したスラッジの溶解性が低下する場合がある。このような理由から、上記範囲は20〜100mm2/sであることが更に好ましい。
さらに、分岐アルキル基で置換されたアルキルベンゼンが好ましく使用できる。このような分岐アルキル基としては、炭素数が8〜30、好ましくは10〜20のものが使用でき、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンを重合したアルキル基などが挙げられる。炭素数が8より小さい場合は低粘度になり油膜強度が不足し、また30より大きい場合は酸化劣化により生成したスラッジの溶解性が不足することがある。
アルキルベンゼンを使用する場合は15質量%以下で配合することが好ましい。これにより、添加剤を溶解させることができるとともに、スラッジも溶解させることができる。また、他の基油と混合し、組成物全体のアニリン点を100℃以上に調整することが好ましい。
これら炭化水素系合成油は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
また、鉱油としては、例えば、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製などの1つ以上の処理を行って精製した鉱油、あるいはワックス、GTL WAXを異性化することによって製造される鉱油などが挙げられる。これら鉱油は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
[水酸基含有エステル]
本発明で用いる水酸基含有エステルは、有機酸と多価アルコールとの反応により得られるエステルである。
【0023】
有機酸が有する炭化水素基は、炭素数6〜30であることが好ましく、より好ましくは8〜28、さらに好ましくは16〜24である。炭化水素基には直鎖状または分岐状の炭化水素基が含まれ、たとえば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ペンタイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基およびトリアコンチル基などのアルキル基や、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基およびトリアコンテニル基などのアルケニル基や、二重結合を2つ以上有する炭化水素基などを挙げることができる。なお、上記アルキル基、アルケニル基および二重結合を2つ以上有する炭化水素基には、考えられるすべての直鎖状構造および分岐状構造が含まれ、また、アルケニル基および二重結合を2つ以上有する炭化水素基における二重結合の位置は任意である。
【0024】
上記の炭化水素基を有する有機酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、およびリグノセリン酸などの飽和脂肪酸や、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、およびリノレン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
これらのうち、伝達効率の点で、オレイン酸やイソステアリン酸などの炭素数18の有機酸を使用することが好ましい。さらに、酸化安定性の点では、イソステアリン酸を単独で使用することが好ましい。
これら有機酸は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
多価アルコールは、具体的には、エチレングリコール、グリセリン、グリセリン縮合物(グリセリンの2〜6量体、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなど)、トリメチロールアルカン(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタンなど)およびこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトラオール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドトニール、アラビトール、キシリトール、ズルシトール、アリトールなどの多価アルコール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロースなどの糖類を挙げることができる。これらの中でも、グリセリン、グリセリン縮合物、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
【0026】
これらの有機酸および多価アルコールをエステル化した化合物としては、グリセリンイソステアレート、グリセリンジイソステアレートなどや、トリメチロールプロパンとイソステアリン酸の部分エステル、トリメチロールプロパンとオレイン酸の部分エステル、トリメチロールプロパンとイソステアリン酸およびオレイン酸の部分エステル、ペンタエリスリトールとオレイン酸の部分エステルなどが挙げられる。これらのエステル化合物は、平均して1分子内に1基以上の水酸基を有していることが好ましい。
【0027】
このようなエステル化合物は、組成物全量基準で1〜18質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは5〜15質量%である。エステルの含有量が1質量%未満または18質量%を越えると、伝達効率が悪くなり好ましくない。
【0028】
[ジチオカーバメート]
本発明で用いるジチオカーバメートとして、無灰ジチオカーバメート化合物を好適に用いることができる。無灰ジチオカーバメート化合物は、金属原子を含有しないジチオカーバメート化合物であって、好ましくは一般式(1)で表される。
【0029】
【化1】

【0030】
一般式(1)において、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を示す。炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜30のアルキル基(具体的には、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチ
ル基,n−アミル基,イソアミル基,n−ヘキシル基,1−メチルペンチル基,4−メチルペンチル基,1,3−ジメチルブチル基,n−オクチル基,2−エチルヘキシル基,2,2,4−トリメチルペンチル基,2−オクチル基,n−デシル基,イソデシル基,ラウリル基,トリデシル基,パルミリスチル基,パルミチル基,ステアリル基,イソステアリル基など)、炭素数6〜30のシクロアルキル基(具体的には、シクロヘキシル基など)、あるいはフェニル基や炭素数7〜30のアルキルアリール基(具体的には、p−アミルフェニル基,p−オクチルフェニル基,p−ノニルフェニル基,p−ドデシルフェニル基,p−ペンタデシルフェニル基など)が挙げられる。
【0031】
〜Rは、好ましくはブチル基であり、Rは、好ましくはメチレン基である。また好ましい無灰ジチオカーバメート化合物としては、メチレンビスジブチルジチオカーバメートが挙げられる。
ジチオカーバメートは、組成物全量基準で、0.5〜5質量%含まれていることが好ましい。より好ましくは1〜4質量%である。ジチオカーバメートの含有量が0.5質量%未満であると伝達効率が悪化するため好ましくない。また、ジチオカーバメートの含有量が5質量%を超えると酸化安定性が悪化するため好ましくない。
【0032】
以上の材料を配合したウォームギヤ油組成物は、その水酸基価が0.5〜8mgKOH/gであることが好ましい。より好ましくは4〜7mgKOH/gである。水酸基価が0.5mgKOH/g未満または8mgKOH/gを超えると伝達効率が悪くなり好ましくない。
【0033】
さらに、本発明のウォームギヤ油組成物には、必要に応じて各種添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、耐摩耗剤または極圧剤、他の摩擦低減剤、金属不活性化剤、防錆剤、抗乳化剤、消泡剤、着色剤などが挙げられる。
【0034】
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン−ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体など)などが挙げられる。
これら粘度指数向上剤の配合量は、配合効果の点から、ウォームギヤ油組成物全量基準で、通常0.1〜15質量%程度であり、好ましくは1〜10質量%である。
【0035】
流動点降下剤としては、例えば重量平均分子量が5000〜50,000程度のポリメタクリレートなどが挙げられる。
【0036】
清浄剤としては、潤滑油に用いられる任意のアルカリ土類金属系清浄剤が使用可能であり、例えば、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレート及びこれらの中から選ばれる2種類以上の混合物等が挙げられる。アルカリ土類金属スルフォネートとしては、分子量300〜1,500、好ましくは400〜700のアルキル芳香族化合物をスルフォン化することによって得られるアルキル芳香族スルフォン酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。アルカリ土類金属フェネートとしては、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が特に好ましく用いられる。アルカリ土類金属サリシレートとしては、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、特にマグネシウム塩及び/又はカルシウム塩等が挙げられ、中でもカルシウム塩が好ましく用いられる。前記アルカリ土類金属系清浄剤を構成するアルキル基としては、炭素数4〜30のものが好ましく、より好ましくは6〜18の直鎖又は分枝アルキル基であり、これらは直鎖でも分枝でもよい。これらはまた1級アルキル基、2級アルキル基又は3級アルキル基でもよい。また、アルカリ土類金属スルフォネート、アルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートとしては、前記のアルキル芳香族スルフォン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応物、アルキルサリチル酸等を直接、マグネシウム及び/又はカルシウムのアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等のアルカリ土類金属塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性アルカリ土類金属スルフォネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートだけでなく、中性アルカリ土類金属スルフォネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートと過剰のアルカリ土類金属塩やアルカリ土類金属塩基を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性アルカリ土類金属スルフォネート、塩基性アルカリ土類金属フェネート及び塩基性アルカリ土類金属サリシレートや、炭酸ガスの存在下で中性アルカリ土類金属スルフォネート、中性アルカリ土類金属フェネート及び中性アルカリ土類金属サリシレートをアルカリ土類金属の炭酸塩又はホウ酸塩を反応させることにより得られる過塩基性アルカリ土類金属スルフォネート、過塩基性アルカリ土類金属フェネート及び過塩基性アルカリ土類金属サリシレートも含まれる。
【0037】
本発明において、清浄剤の含有量は、通常金属元素換算量で1質量%以下であり、0.5質量%以下であることが好ましく、さらに組成物の硫酸灰分を1.0質量%以下に低減するためには、0.3質量%以下とするのが好ましい。また、清浄剤の含有量は、金属元素換算量で0.005質量%以上であり、好ましくは0.01質量%以上であり、酸化安定性や塩基価維持性、高温清浄性をより高めるためには、より好ましくは0.05質量%以上であり、特に0.1質量%以上とすることでより長期間塩基価及び高温清浄性を維持できる組成物を得ることができるため、特に好ましい。なお、ここでいう硫酸灰分とは、JIS K 2272の「5.硫酸灰分試験方法」に規定される方法により測定される値を示し、主として金属含有添加剤に起因するものである。
【0038】
分散剤としては、無灰系イミド分散剤等が挙げられる。分散剤の配合量は、配合効果の点からウォームギヤ油組成物全量基準で0.5質量%以下であることが好ましい。
【0039】
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール);2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール;2,6−ジ−t−アミル−p−クレゾール;2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド;n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート;2,2’−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。これらの中で、特にビスフェノール系及びエステル基含有フェノール系のものが好適である。
【0040】
また、アミン系酸化防止剤としては、例えばモノオクチルジフェニルアミン;モノノニルジフェニルアミンなどのモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン;4,4’−ジペンチルジフェニルアミン;4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン;4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン;4,4’−ジオクチルジフェニルアミン;4,4’−ジノニルジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン;テトラヘキシルジフェニルアミン;テトラオクチルジフェニルアミン;テトラノニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジフェニルアミン系、及びナフチルアミン系のもの、具体的にはα−ナフチルアミン;フェニル−α−ナフチルアミン;さらにはブチルフェニル−α−ナフチルアミン;ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン;ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン;オクチルフェニル−α−ナフチルアミン;ノニルフェニル−α−ナフチルアミンなどのアルキル置換フェニル−α−ナフチルアミンなどが挙げられる。これらの中でジアルキルジフェニルアミン系及びナフチルアミン系のものが好適である。
【0041】
耐摩耗剤又は極圧剤としては、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛、モリブデンジチオリン酸エステル等の有機モリブデン化合物、ジスルフィド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類、硫化エステル類、チオカーボネート類、チオカーバメート類等の硫黄含有化合物;亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、ホスホン酸エステル類、およびこれらのアミン塩または金属塩等のリン含有化合物;チオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、チオホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩または金属塩等の硫黄及びリン含有摩耗防止剤が挙げられる。
【0042】
水酸基含有エステル以外の摩擦低減剤としては、潤滑油用の摩擦低減剤として通常用いられている任意の化合物が使用可能であり、例えば、水酸基含有エステル以外のエステル化合物や、炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、脂肪族アミン等の無灰系摩擦低減剤が挙げられる。
【0043】
金属不活性剤としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、N−アルキル化ベンゾトリアゾール、1−〔N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕メチルベンゾトリアゾール、N,N‘−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン等が挙げられる。
【0044】
防錆剤としては、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、バリウムスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、リン酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。これら防錆剤の配合量は、配合効果の点から、ウォームギヤ油組成物全量基準で、通常0.01〜1質量%程度であり、好ましくは0.02〜0.5質量%である。
【0045】
抗乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0046】
消泡剤としては、シリコーン油、フルオロシリコーン油、フルオロアルキルエーテルおよびポリアクリレート等が挙げられ、消泡効果および経済性のバランスなどの点から、ウォームギヤ油組成物全量に基づき、0.0001〜0.2質量%程度含有させることが好ましい。
【0047】
着色剤としては、例えばアゾベンゼル−4−アゾ−2−ナフトール、1,4−ジ(イソプロピルアミノ)アントラキノン、2,5ビス(5‘−t−ブチルベンゾオキサリル−2‘)チオフェン等が挙げられる。
【実施例】
【0048】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制約されるものではない。
以下の実施例1〜7および比較例1〜7に示す組成でウォームギヤ油組成物のサンプルを調整した。各実施例および各比較例で使用した基油および添加剤は以下の通りである。
【0049】
[基油]
基油1:エチレンプロピレンオリゴマーとして、エチレン・α−オレフィンコポリマーである「ルーカントHC−600」(三井石油化学製、40℃動粘度9850mm/s)を用いた。
基油2:ポリαオレフィンとして、「デセン−1重合体水添物」(出光興産(株)製、40℃動粘度が46mm/s)を用いた。
【0050】
[水酸基含有エステル]
・エステル1:トリメチロールプロパンと、オレイン酸およびイソステアリン酸の混合物とのエステル(ケン化価:176mgKOH/g、水酸基価:40、ヨウ素化(ウイス法):53、40℃動粘度:60mm/s)
・エステル2:トリメチロールプロパンと、イソステアリン酸とのエステル(酸価:0.1mgKOH/g、ケン化価:176mgKOH/g、水酸基価42.8、40℃動粘度:104.5mm/s)
・エステル3:オレイン酸モノグリセライドとして、「レオドールMO−50」(花王株式会社製、水酸基価222mgKOH/g、酸価0.07mgKOH/g、ケン化価170mgKOH/g)を使用した。
【0051】
なお、上記性状は以下の規格を用いて測定した。
・酸価:指示薬法 JIS K2501
・ケン化価:JIS K2503
・水酸基価:JIS K0070(中和滴定法)
・ヨウ素価:JIS K0070
・40℃動粘度:JIS K2283
【0052】
[ジチオカーバメート]
メチレンビス(ジブチルジチオカーバメート)を使用した。
【0053】
[その他の添加剤]
・極圧剤:チオフォスフェートとして、トリス[(2または4)−C9〜C10イソアル
キルフェノール]チオフォスフェートを使用した。
・耐摩耗剤:トリクレジルホスフェート(TCP)
・酸化防止剤1:オクチル化ジフェニルアミン
・酸化防止剤2:2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール
・金属不活性化剤:N−アルキル化ベンゾトリアゾール
・分散剤:ポリブテニルコハク酸イミド
・防錆剤:オキシアルキルカルボン酸エステル
・消泡剤:ジメチルポリシロキサン
【0054】
また、比較例1〜3については、以下の市販油を使用した。
・市販油1:NOKクリューバー製「SYNTHESO HT320」(グリコール基油)
・市販油2:モービル製「SHC632」(合成炭化水素系基油)
・市販油3:出光興産製「ダフニー アルファーウォームMA260」(アルファオレフィン基油+アルキルベンゼン基油+有機モリブデン(Mo1900ppm))
【0055】
本実施例で使用する伝達効率測定装置は以下のとおりである。
[伝達効率測定装置の構成]
伝達効率測定装置のウォームギヤとして、ツバキエマソン製EW100B30R(高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームを有する)を使用した。伝達効率測定装置は、このウォームギヤの一方側に入力トルクメータ、モータを順に接続し、他方側には、出力トルクメータ、増速機、油圧ユニットを順に接続した。また、ウォーギヤに冷風を送るための扇風機を設置した。
【0056】
各実施例および各比較例で調整した組成物の伝達効率、摩擦係数、ゴム適合性および塗装適合性を以下に示す方法で評価した。
[伝達効率の測定]
室温25℃に調整した屋内に前述の伝達効率測定装置を設置し、十分になじみ運転を行ったあと、油を抜き取り、サンプルのウォームギヤ油組成物1.7Lで2回フラッシング運転後、同じサンプル1.7Lを充填し、本試験運転条件で6〜12時間運転し、安定した伝達効率値を測定した。
【0057】
なお、なじみ運転は、レコメンド油(モービル製「SHC632」)を用い、扇風機でギヤユニットに冷却風を送りながら、無負荷の状態から本試験の負荷出力トルク条件まで段階的に負荷を加えて行った。その際、各負荷出力トルクで、油温度が最大160℃を超えないように負荷を調整し、油温と伝達効率が安定した時点で次の段階の負荷出力トルクを加えた。
また、フラッシング運転は、負荷出力トルク15.0kgf/m以下で一回につき5分間実施した。
【0058】
本試験運転条件は、負荷出力トルク63.1kgf/m(定格×115%)、入力回転数1740rpmであった。ウォームギヤユニットの冷却は、無風下で行い、特別な冷却装置は使用しなかった。また、本試験での負荷出力トルクの段階負荷は、15.0kgf/m以下で10分行った後、20.0kgf/m以下で10分行い、さらに、50.0kgf/m以下で10分行った後に、63.1kgf/mまで上げて段階的に行った。
【0059】
[摩擦係数]
リング・オン・ブロック摩擦試験を実施した。試験機としては、Faville-Levally corporation製 MODEL FRICTION & BLOCK 試験機を使用した。CGM−3ケイ素化マンガン高力黄銅製のブロックとFalex F-S10のリングを用い、荷重50kgf、油温90℃、回転数200rpm、時間14分後の摩擦係数を測定した。
【0060】
[ゴム適合性]
NOK製のA727(NBR)およびT303(アクリル)のシートより3号ダンベル試験片をとり、各々のダンベルの硬さを測定後、サンプルに720時間浸漬した(A727は100℃、T303は130℃)。浸漬後のダンベルの硬さの変化を測定し、硬さの変化が±10以内を○とし、それ以外を×とした。
【0061】
[塗装適合性]
厚さ1cm×縦10cm×横5cmの鉄板を紙ヤスリで表面を磨き、ヘキサンで脱脂後、関西ペイント(株)製「カンペ下地111ラッカープライマー赤さび色」(硝化綿塗料)で塗装し、次に関西ペイント(株)製「アクリック1000 2.5G6/3」(硝化綿塗料)で塗装する。塗装を十分に乾燥させた後、塗装された鉄板にサンプルを塗り、室温で24時間放置後、90℃で100時間放置というサイクルを20回繰り返した。なお、室温に冷えるごとにサンプルを塗装した。
20回終了後に、塗装が剥がれていないかどうかを確認した。剥がれていないものを、良好な塗装適合性とした。
上記の方法により評価した実施例の結果を表1に、比較例の結果を表2に示す。なお、表1および表2に記載されている粘度グレードのうち「VG260」は、旧JISの「工業用潤滑油補助粘度分類」にある補助粘度グレードであり、その他の粘度グレードは、「ISO粘度分類」にあるISO粘度グレードである。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
表1に示すように、実施例1〜実施例7では、従来の一般的なウォームギヤ油組成物であるPAGを含むウォームギヤ油組成物(表2の比較例1)よりも良好な伝達効率を示すことがわかる。さらに、実施例1〜実施例7では、ゴム適合性および塗装適合性も良好であった。
【0065】
一方、表2に示すように、比較例2の市販油2、比較例3の市販油3ではゴム適合性および塗装適合性は良好であるが、高い伝達効率は得られなかった。
また、比較例4〜6には、ジチオカーバメートが含まれていないため、高い伝達効率が得られなかった。
さらに、比較例7は、水酸基含有エステルの含有量が多いために、伝達効率が十分ではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のウォームギヤ油組成物は、各種産業機械、エスカレータ、動く歩道、荷揚げ用クレーン、帆駆動装置などで用いられるウォームギヤユニットなどにおいて好適に用いられ、省エネルギー化を達成することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高力黄銅製ホイールと鋼鉄製ウォームからなるウォームギヤユニットに使用されるウォームギヤ油組成物であって、
炭化水素系合成油および鉱油から選ばれる少なくとも一種の基油と、
(A)水酸基含有エステルと、
(B)ジチオカーバメートとを含み、
組成物全量に対する(A)成分の含有量が1〜18質量%、(B)成分の含有量が0.5〜5質量%である
ことを特徴とするウォームギヤ油組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のウォームギヤ油組成物において、
水酸基価が0.5〜8mgKOH/gである
ことを特徴とするウォームギヤ油組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のウォームギヤ油組成物において、
前記水酸基含有エステルは、オレイン酸およびイソステアリン酸のうち少なくとも一種の有機酸から生成される
ことを特徴とするウォームギヤ油組成物。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物において、
前記水酸基含有エステルは、グリセリン、グリセリン縮合物、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも一種の多価アルコールから生成される
ことを特徴とするウォームギヤ油組成物。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物において、
前記水酸基含有エステルは、1分子内に平均1基以上の水酸基を有している
ことを特徴とするウォームギヤ油組成物。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物において、
前記炭化水素系合成油は、ポリ−α−オレフィン、エチレン・α−オレフィンコポリマー、エチレンプロピレンコポリマー、ポリブテンおよびアルキルベンゼンから選ばれる少なくとも一種である
ことを特徴とするウォームギヤ油組成物。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載のウォームギヤ油組成物を充填したことを特徴とするウォームギヤユニット。

【公開番号】特開2008−285672(P2008−285672A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109405(P2008−109405)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】