説明

ウォームホイール、電動パワーステアリング装置およびウォームホイールの製造方法

【課題】 ボイドの歯先側への拡大を抑制できるウォームホイール、電動パワーステアリング装置およびウォームホイールの製造方法を提供する。
【解決手段】 ウォームホイール10は、射出成形により樹脂材料で形成されたウォームホイール本体部14と、ウォームホイール本体部14に設けられ、周方向に複数個配置され、ウォームシャフト11と噛み合う歯面16、外周面に形成された歯先部17および対向する一対の歯面16,16の間に形成された歯底部18を有する歯部15と、歯面16に設けられ、歯部15の歯丈の中心位置よりも径方向外側に配置され、射出成形された後にホブによる切削加工を施されていない非切削領域20と、歯面16に設けられ、射出成形後にホブにより切削加工が施された切削領域19と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォームホイール、電動パワーステアリング装置およびウォームホイールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のウォームホイールは、金属製の芯金に樹脂材料をインサート射出成形し、ホブを用いて歯面を加工している。この記載に関係する技術の一例は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−130564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来装置において、射出成形の際に発生するボイド(気泡)の歯先側への拡大を抑制して欲しいとのニーズがある。
本発明の目的は、ボイドの歯先側への拡大を抑制できるウォームホイール、電動パワーステアリング装置およびウォームホイールの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のウォームホイールは、ウォームホイールの歯部の歯面に、歯部の歯丈の中心位置よりも径方向外側に配置され、射出成形された後にホブによる切削加工を施されていない非切削領域と、射出成形後にホブにより切削加工が施された切削領域とが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ボイドの歯先側への拡大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1の電動パワーステアリング装置を示すステアリング装置の構成図である。
【図2】実施例1のウォームギア3において、ウォームホイール10に対するウォームシャフト11の配置を示す図である。
【図3】実施例1のウォームホイール10の斜視図である。
【図4】実施例1のウォームホイール10の歯部15の斜視図である。
【図5】実施例1のウォームホイール10の歯部15の側面図である。
【図6】実施例1の第1工程終了時のウォームホイール10の斜視図である。
【図7】実施例1の第2工程を示す図である。
【図8】実施例1のウォームホイール10におけるボイド発生位置を示す図である。
【図9】実施例1のウォームホイール10と射出成形時に大まかな歯の形状を形成しない場合とのボイド発生位置の比較図である。
【図10】実施例1のウォームホイール10と従来のウォームホイールとの下歯形状の比較図である。
【図11】実施例1のグリス潤滑性向上作用を示す図である。
【図12】実施例2の第2工程を示す図である。
【図13】実施例3のウォームホイール25の斜視図である。
【図14】実施例4のウォームホイール27の斜視図である。
【図15】実施例5のウォームギア3において、ウォームホイール10に対するウォームシャフト11の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のウォームホイール、電動パワーステアリング装置およびウォームホイールの製造方法を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施例は、多くのニーズに適応できるように検討されており、ボイドの歯先側への拡大を抑制できることは検討されたニーズの1つである。以下の実施例はさらに、歯の強度向上、グリス潤滑性の向上、抜き作業の容易化のニーズにも適応している。
【0009】
(実施例1)
まず、構成を説明する。
〔電動パワーステアリング装置〕
図1は、実施例1の電動パワーステアリング装置を示すステアリング装置の構成図である。
実施例1の電動パワーステアリング装置1は、ラックアンドピニオン式ステアリングギア(操舵機構)2,24と、ウォームギア(減速機)3と、電動モータ4と、トルクセンサ5と、コントロールユニット(制御回路)6とを有する。
ラックアンドピニオン式ステアリングギア2は、タイロッド7a,7bを介して左右前輪(転舵輪)8a,8bのナックルアーム9a,9bと連結されている。
ウォームギア3は、互いに噛み合うウォームホイール10とウォームシャフト11とから構成されている。ウォームホイール10は、ステアリングホイール12と連結されたステアリングシャフト13を介し、ピニオンギア24に連結されている。ウォームシャフト11は、電動モータ4に連結されている。図2に示すように、実施例1では、ウォームシャフト11の回転軸11aが、ウォームホイール10の回転軸10aに対し直交する面に対して鋭角に交わるように設けられている。
電動モータ4は、コントロールユニット6により駆動制御され、ウォームギア3を介してステアリングシャフト13にドライバの操舵力を補助するアシストトルクを出力する。
トルクセンサ5は、ステアリングシャフト13において、ウォームギア3よりもステアリングホイール12側に配置され、ステアリングシャフト13の捩れをドライバの操舵トルクとして検出する。
コントロールユニット6は、トルクセンサ5からのトルクセンサ信号に基づいてアシストトルクの目標値を設定し、電動モータ4の出力トルクが目標値となるように、電動モータ4に供給する電流を制御する。なお、トルクセンサ信号に加え、車速やステアリングホイール12の操作速度等に基づいてアシストトルクの目標値を設定してもよい。
【0010】
〔ウォームホイール〕
図3は、実施例1のウォームホイール10の斜視図である。
ウォームホイール10は、円盤状の金属製の芯金21の周りに配置された環状のウォームホイール本体部14と、その外周に設けられた複数個の歯部15とを有する。芯金21の中心には、ピニオンギア24が貫通する貫通穴21aが設けられている。
ウォームホイール10は、芯金21に樹脂材料をインサート射出成形し、歯部15をホブにより切削加工して形成されている。ここで、ホブとは、カッターの一種であり、円筒の外周にねじ状に多くの切り歯を取り付けた切削工具である。ホブは、ホブ盤と呼ばれる工作機械に取り付けて回転させることで、平歯車、はす歯歯車、ウォームギアなど、様々な歯車の歯切り加工を行うことができる。
歯部15は、ウォームホイール本体部14の周方向に所定ピッチで複数個配置されている。歯部15は、ウォームシャフト11と噛み合う歯面16と、外周面に形成された歯先部17と、対向する一対の歯面16,16の間に形成された歯底部18とを有する。
図4は、実施例1のウォームホイール10の歯部15の斜視図であり、歯面16には、射出成形後にホブにより切削加工が施された切削領域19と、射出成形された後にホブによる切削加工を施されていない非切削領域20とが設けられている。
非切削領域は、第1非切削領域20aと、第2非切削領域20bと、第3非切削領域20cと、第4非切削領域20dとからなる。第1非切削領域20aは、歯面16の軸方向一端部16aであって、歯部15の歯丈の中心位置よりも径方向外側に設けられている。また、第2非切削領域20bは、歯面16の軸方向他端部16bであって、歯部15の歯丈の中心位置よりも径方向外側に設けられている。つまり、第1,第2非切削領域20a,20bは、図5に示す歯丈1/2円よりも歯先側(歯先部17側)に設けられている。さらに言うと、第1,第2非切削領域20a,20bは、ピッチ円上を含む歯面16のピッチ円よりも径方向外側の領域に設けられている。
【0011】
第3非切削領域20cは、歯底部18の軸方向一端部18aに設けられている。また、第4非切削領域20dは、歯底部18の軸方向他端部18bに設けられている。第4非切削領域20dと第2非切削領域20bとはつながっている。つまり、歯面16の軸方向他端部16b側において、非切削領域20は、歯丈の全域に亘って形成されている。
以下の説明では、特に区別する必要がある場合を除いて、4つの非切削領域20a〜20dをまとめて非切削領域20と記す。
歯底部18において、第3,第4非切削領域20c,20dが設けられた軸方向両端部18a,18bの形状は、ウォームホイール10の回転軸10aと平行となるように形成されている。
また、ウォームホイール10とウォームシャフト11との噛み合い状態において、第1,第2非切削領域20a,20bとウォームシャフト11との間には、所定間隔の隙間が形成される。ここで、「隙間」とは、非切削領域20を設けない形状、すなわち、切削領域19の形状をそのまま歯面16の軸方向両端部16a,16bまで延長した形状よりもウォームシャフト11との距離が大きくなっている状態を意味する。
【0012】
〔ウォームホイールの製造方法〕
実施例1のウォームホイール10の製造方法は、第1工程と第2工程とを有する。
まず、第1工程では、射出成形により樹脂材料で環状のウォームホイール本体部14およびその外周に複数個の下歯を形成する。図6は、第1工程終了時のウォームホイール10の斜視図である。なお、下歯22の歯部15'は第2工程前、すなわちホブによる歯切りを行う前の形状であるため、歯面16'、歯先部17'および歯底部18'は、図3に示した最終的な歯面16、歯先部17および歯底部18の形状とは異なる。
ここで、下歯22は、第2工程において最終的な歯面16の形状を形成する際、非切削領域20が切削されない程度に、下歯全体を切削加工する従来のウォームホールの下歯よりも小さく(薄く)形成する。
次に、第2工程では、図7に示すように、ホブ23を用いて下歯22に歯切りを行う。このとき、歯面16には、ホブ23により切削加工を施された切削領域19と、切削領域以外の領域であって切削加工を施されていない非切削領域20とを形成する。ここで、ホブ23により歯面16を形成する際には、下歯22の径方向にのみ動かして切削領域19を形成する。ホブ23を下歯22の軸方向に動かして切削を行うと、非切削領域20が削られるからである。ホブ23を下歯22の径方向にのみ動かすことで非切削領域20を残しつつ所望形状の切削領域19を形成できる。
【0013】
次に、作用を説明する。
〔歯の強度向上〕
樹脂製のウォームホイールは、金属製の芯金に樹脂材料をインサート射出成形してリムを形成し、その後、ホブを用いて歯切りを行っている。ここで、リムは射出成形後の冷却時において外表面が先に冷却硬化・収縮し、内部側が遅れて冷却硬化・収縮する。よって、先に冷却硬化・収縮する外表面側の領域がまだ硬化していない内部側領域を引っ張ることによりこの内部側領域の組織が粗くなり、いわゆるボイド(気泡)が発生するおそれがある。
これに対し、実施例1のウォームホイールの製造方法では、第1工程で射出成形により大まかな歯の形状が形成された下歯22を形成し、その後の第2工程ではホブ23により最終的な歯面16の形状を形成する。第1工程では、ウォームホイール本体部14の外周にあらかじめ下歯22を形成しているため、ボイドの発生位置を図8のように各歯先部17の径方向内側の位置に限定して発生させることができる。図9は、実施例1のウォームホイール10と射出成形時に大まかな歯の形状を形成しない場合とのボイド発生位置の比較図であり、射出成形時に大まかな歯の形状を形成しないものでは、外周面から一定距離の位置に環状のボイドが形成されている。一方、実施例1のウォームホイール10では、ボイドの発生位置が各歯先部17の径方向内側に限定されるため、射出成形時に大まかな歯の形状を形成しない場合と比較して、ボイドの発生を抑制し、歯の強度を高めることができる。
【0014】
また、実施例1のウォームホイールの製造方法では、第2工程での歯切りの際に歯面16の非切削領域20がホブ23によって切削されないよう、第1工程において、下歯全体をホブにより切削するものと比較して下歯22を小さめに形成している。よって、下歯全体を切削加工するものよりも第1工程後の歯部15'の形状を薄くできるため、樹脂製の歯部15'の冷却硬化・収縮時における温度ムラを抑え、ボイドの発生を抑制できる。また、歯面16にホブ23によって切削加工されない非切削領域20を設けたため、仮に歯部15の内部にボイドが存在していたとしても、歯表面からボイドまでの距離を射出成形時点のまま維持できる。つまり、非切削領域を設けない場合と比較して、歯表面からボイド発生位置までの距離を長くできる。
図10は、実施例1のウォームホイール10と従来のウォームホイールとの下歯形状の比較図である。便宜上、ボイドの発生位置を点(ボイド発生点)としている。図10において、a1は従来の歯底部とボイド発生点までの距離、b1は実施例1の歯底部18とボイド発生点までの距離、a2は従来の歯面とボイド発生点までの距離、b2は実施例1の歯面16とボイド発生点までの距離である。図10に示すように、実施例1の場合には、歯面16に非切削領域20が残ることで、ボイド発生点は下歯全体を切削加工するものよりも径方向内側となる(b1>a1,b2>a2)。つまり、歯表面とボイド発生点との距離をより長くでき、歯の強度を高めることができる。
【0015】
実施例1では、歯部15の歯丈の中心位置よりも径方向外側の領域に第1,第2非切削領域20a,20bを設けたため、ボイドの歯先側への拡大を抑制できる。実施例1のような樹脂製のウォームホイール10は、トルク伝達の際、ウォームシャフト11から歯が撓むような力を受け、とりわけ歯先側の変位量が大きくなるため、歯先側の強度が求められる。よって、歯先側へのボイド発生の抑制は、このような樹脂製のウォームホイールに特有の要求特性を満足するものである。
また、実施例1では、第1,第2非切削領域20a,20bをピッチ円よりも径方向外側の領域に設けた。ピッチ円はウォームシャフト11と主に噛み合う部分であり、トルク伝達の際、ウォームシャフト11から歯が撓むような力を受ける。これに対し、ピッチ円よりも歯先側に第1,第2非切削領域20a,20bを設けたことで、動力伝達時の撓みに対する強度を向上させることができる。
さらに、実施例1では、第1,第2非切削領域20a,20bをピッチ円上に設けた。ピッチ円はウォームシャフト11と主に噛み合う部分であり、トルク伝達の際、ウォームシャフト11から大きな力を受ける。これに対し、ピッチ円上に第1,第2非切削領域20a,20bを設けたことで、ウォームシャフト11から受ける力に対する強度を向上させることができる。
【0016】
実施例1では、歯底部18の軸方向両端部18a,18bに第3,第4非切削領域20c,20dを設けた。図8に示したように、ボイドは隣り合う歯底部18,18の間に最も大きく形成される傾向があるため、第3,第4非切削領域20c,20dを歯底部18の軸方向両端部18a,18bに設けることで、歯底部18,18の間に形成されるボイドを抑制でき、歯元側の強度を高めることができる。
実施例1では、第2非切削領域20bと第4非切削領域20dとを繋げている。つまり、歯丈の全域に亘って非切削領域を設けているため、歯丈の全域においてボイド抑制効果をえることができる。
実施例1では、第3,第4非切削領域20c,20dが設けられた軸方向両端部18a,18bの形状を、ウォームホイール10の回転軸10aと平行となるように形成した。仮に切削領域19が歯底部18の軸方向両端部18a,18bまで形成された場合、歯底部18の軸方向両端部18a,18bとウォームホイール本体部14の軸方向端面との成す角度は鋭角となる。理由は、ホブ23で切削された歯底部18は凹円弧形状だからである。これに対し、非切削領域20が設けられる歯底部18の軸方向両端部18a,18bの形状を、ウォームホイール本体部14の回転軸10aとほぼ平行とすることで、歯底部18の軸方向両端部18a,18bとウォームホイール本体部14の軸方向端面との成す角度がほぼ90度となるため、歯底部18の軸方向両端部18a,18bの強度向上または応力集中の緩和を図ることができる。
【0017】
〔グリス潤滑性の向上〕
実施例1では、ウォームホイール10の歯面16の軸方向両端部に第1,第2非切削領域20a,20bを設けたため、ウォームシャフト11と噛み合わせたとき、図11(a)のように切削領域の形状をそのまま歯部の軸方向両端部まで延長した従来のウォームギアと比較して、両者の歯面間における周方向の隙間を大きくできる(図11(b))。この隙間はグリス溜まりとして作用するため、歯面間へのグリス潤滑性が増し、ウォームギア3の耐久性を高めることができる。
〔抜き作業の容易化〕
実施例1では、ウォームシャフト11の回転軸11aがウォームホイール10の回転軸10aに対し直交する面に対して鋭角に交わるように設けた。つまり、ウォームシャフト11がウォームホイール10に対して斜めに噛み合うことにより、ウォームホイール10の歯の傾き(回転軸10aに対する歯筋方向の傾き角)を小さくできる。よって、ウォームホイール10のアンダーカットを小さくでき、ウォームホイール10の射出成形時における金型からの抜き作業を容易化できる。
【0018】
実施例1では、以下に列挙する効果を奏する。
(1) ウォームホイール10は、射出成形により樹脂材料で形成されたウォームホイール本体部14と、ウォームホイール本体部14に設けられ、周方向に複数個配置され、ウォームシャフト11と噛み合う歯面16、外周面に形成された歯先部17および対向する一対の歯面16,16の間に形成された歯底部18を有する歯部15と、歯面15に設けられ、歯部15の歯丈の中心位置よりも径方向外側に配置され、射出成形された後にホブ23による切削加工を施されていない第1,第2非切削領域20a,20bと、歯面16に設けられ、射出成形後にホブ23により切削加工が施された切削領域19と、を有する。これにより、ボイドの歯先側への拡大を抑制でき、ウォームシャフト11とのトルク伝達時、歯元側よりもより強度が要求される歯先側の強度を高めることができる。
(2) 歯底部18の軸方向両端部18a,18bに第3,第4非切削領域20c,20dを設けたため、ボイドは隣り合う歯底部18,18の間に最も大きく形成される傾向があるのに対し、歯底部18,18の間に形成されるボイドを抑制できるため、歯元側の強度を高めることができる。
(3) ウォームホイール10は、射出成形により樹脂材料で形成されたウォームホイール本体部14と、ウォームホイール本体部14に設けられ、周方向に複数個配置され、ウォームシャフト11と噛み合う歯面16、外周面に形成された歯先部17および対向する一対の歯面16,16の間に形成された歯底部18を有する歯部15と、歯面16に設けられ、歯面16の歯先部17側端部かつ軸方向端部に配置され、射出成形された後にホブ23による切削加工を施されていない第1,第2非切削領域20a,20bと、歯面16に設けられ、射出成形後にホブ23により切削加工が施された切削領域19と、を有する。これにより、ボイドの歯先側への拡大を抑制でき、ウォームシャフト11とのトルク伝達時、歯元側よりもより強度が要求される歯先側の強度を高めることができる。
【0019】
(4) 左右前輪8a,8bに連結されたラックアンドピニオン式ステアリングギア2と、ラックアンドピニオン式ステアリングギア2に設けられ、ウォームホイールと該ウォームホイールと噛み合うウォームシャフト11とから構成されたウォームギア3と、ウォームギア3に接続された電動モータ4と、電動モータ4を駆動制御するコントロールユニット6と、を有する電動パワーステアリング装置1において、ウォームホイールとして、実施例1に記載のウォームホイール10を用い、ウォームシャフト11は、該ウォームシャフト11の回転軸11aが、ウォームホイール10の回転軸10aに対し直交する面に対して鋭角に交わるように設けられる。これにより、ウォームホイール10の歯の傾き(回転軸10aに対する歯筋方向の傾き角)を小さくできるため、ウォームホイール10のアンダーカットを小さくでき、ウォームホイール10の射出成形時における金型からの抜き作業を容易化できる。
(5) 実施例1のウォームホイールの製造方法は、射出成形により樹脂材料で環状のウォームホイール10の下歯22を形成する工程であって、下歯22は、ウォームシャフト11と噛み合う歯面16'、外周面に形成された歯先部17'および対向する一対の歯面16',16'の間に形成された歯底部18'を有し、周方向に複数個配置された歯部15'を有する第1工程と、第1工程により形成されたウォームホイール10の下歯22をホブ23で切削加工する工程であって、切削加工により歯面16の所定領域に切削領域19と、切削領域19以外の領域であって歯部15の歯丈の中心位置よりも径方向外側に配置され切削加工を施されていない第1,第2非切削領域20a,20bと、を形成する第2工程と、を有する。これにより、ボイドの歯先側への拡大を抑制でき、ウォームシャフト11とのトルク伝達時、歯元側よりもより強度が要求される歯先側の強度を高めることができる。
【0020】
(実施例2)
実施例2は、ウォームホイールの製造方法において、ホブによる切削加工によってウォームホイールに生じたバリを除去する工程を追加した例である。なお、実施例1と共通する部位については、同一呼称、同一の符号で表す。
実施例2のウォームホイールの製造方法では、第1工程、第2工程に加え、第2工程後、歯面16の軸方向両端部16a,16bに生じたバリを除去する第3工程を有する。図12(a)は第2工程後のウォームホイール10の形状であり、歯面16の軸方向両端部16a,16bには、ホブによる切削加工で生じたバリが発生しているため、第3工程では、軸方向両端部16a,16bにバリ取りを行う。このため、第3工程後のウォームホイール10は、図12(b),(c)に示すように、バリ取りによるバリ取り部24が形成されるため、各非切削領域20a,20b,20c,20dの一部または全部は切除される。
第2工程における歯切りによってウォームホイール10に生じたバリを除去することで、ウォームシャフト11との噛み合いを滑らかにすることができる。
なお、非切削領域20の一部または全部が切除されることで、第3工程後のウォームホイール10の形状は第2工程後のウォームホイール10の形状に対して変化するが、実施例2のウォームホイールの製造方法は、ボイド抑制による歯の強度向上、第1工程における抜き作業の容易化、トルク伝達時のグリス潤滑性の向上等、実施例1で述べた作用効果を阻害するものではない。
実施例2では、以下の効果を奏する。
(6) 実施例2のウォームホイールの製造方法は、第2工程の後、該第2工程における切削加工によって生じたウォームホイール10のバリを除去するバリ取りを行う第3工程をさらに有するため、ウォームシャフト11との噛み合いを滑らかにでき、動力伝達効率を高めることができる。
【0021】
(実施例3)
実施例3は、歯面の一端部側にのみ非切削領域を設けた例である。なお、実施例1と共通する部位については、同一呼称、同一の符号で表す。
図13は、実施例3のウォームホイール25の斜視図であり、実施例3のウォームホイール25は、歯面16の軸方向一端部16a側にのみ歯丈の全域に亘って非切削領域26が設けられている。ここで、歯面16の軸方向一端部16a側は、ウォームシャフト11との噛み合い方向における始端側となる。
また、実施例3では、歯部15の軸方向において非切削領域26が設けられていない側の下歯形状が、第1工程における射出成形の型に対してアンダーカットを有するように形成されている。
次に、実施例3の作用を説明する。
実施例3では、ウォームシャフト11との噛み合い方向における始端側となる歯面16の軸方向一端部16a側に非切削領域25を設けたため、非切削領域がグリス溜まりとして作用し、ウォームギアの潤滑性を向上させることができる。
また、歯部15の軸方向のうち非切削領域25が設けられていない側のみがアンダーカットを有するようにしたことで、歯部15の軸方向両側にアンダーカットを有するものに比べ、第1工程後にウォームホイール10を弾性変形させつつ金型から抜く作業、いわゆる「ムリ抜き」が容易となり、抜き作業を容易化できる。
実施例3では、以下に列挙する効果を奏する。
(7) 非切削領域25は、歯面16の一対の軸方向両端部16a,16bのうちウォームシャフト11との噛み合い方向における始端側(軸方向一端部16a側)のみに形成されるため、非切削領域25をグリス溜まりとして作用させ、ウォームギア3の潤滑性を向上させることができる。
(8) 非切削領域25は、ウォームホイール本体部14の回転軸を基準として軸方向一方側のみに設けられ、歯部15の軸方向他方側は、第1工程における射出成形の型に対しアンダーカットを有するように形成される。これにより、ウォームホイール10の射出成形時における金型からの抜き作業を容易化できる。
【0022】
(実施例4)
実施例4は、対向する一対の歯面の一方側にのみ非切削領域を設けた例である。なお、実施例1と共通する部位については、同一呼称、同一の符号で示す。
図14は、実施例4のウォームホイール27の斜視図であり、実施例4のウォームホイール27は、対向する一対の歯面16,16の一方側にのみ、歯丈の全域に亘って非切削領域28が設けられている。また、非切削領域28は、歯面16の軸方向一方側にのみ設けられている。つまり、軸方向一端部16a側に非切削領域28が設けられた歯面16には、軸方向他端部16b側に非切削領域28が設けられていない。一方、軸方向他端部16b側に非切削領域28が設けられた歯面16には、軸方向一端部16a側に非切削領域28が設けられていない。
実施例4のウォームホイール27のように歯面16の軸方向一方側にのみ非切削領域28を設けた場合であっても、非切削領域28の分だけ下歯22を小さく形成できるため、実施例1と同様、ボイド抑制による歯の強度向上を図ることができる。
【0023】
(実施例5)
実施例5は、ウォームシャフトの回転軸をウォームホイールの回転軸に対し直交する面に対して平行に設けた例である。なお、実施例1と共通する部位については、同一呼称、同一の符号でしめす。
図15に示すように、実施例5では、ウォームシャフト11の回転軸11aが、ウォームホイール10の回転軸10aに対し直交する面に対して平行に設けられている。
このため、ウォームギア3のステアリングシャフト13軸方向寸法を小さくでき、電動パワーステアリング装置1の外形をコンパクトに収めることができる。
実施例5では、以下の効果を奏する。
(9) ウォームシャフト11は、該ウォームシャフト11の回転軸11aが、ウォームホイール10の回転軸10aに対し直交する面に対して平行に設けられるため、電動パワーステアリング装置1の外形をコンパクトに収めることができる。
【0024】
実施例から把握される特許請求の範囲に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
(a) 請求項2に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯底部の軸方向両端部にも設けられることを特徴とするウォームホイール。
ボイドは隣り合う歯底部の間に最も大きく形成される傾向があるため、非切削領域を歯底部の軸方向両端部に設けることで、歯底部の間に形成されるボイドを抑制でき、歯元側の強度を高めることができる。
(b) 請求項2に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域が設けられる前記歯底部の軸方向端部の形状は、前記ウォームホイール本体部の回転軸とほぼ平行となるように形成されることを特徴とするウォームホイール。
切削領域が歯底部の軸方向端部まで形成された場合、歯底部の軸方向端部とウォームホイール本体部の軸方向端面との成す角度は鋭角となる。理由は、ホブで切削された歯底部は凹円弧形状だからである。これに対し、非切削領域が設けられる歯底部の軸方向端部の形状を、ウォームホイール本体部の回転軸とほぼ平行とすることで、歯底部の軸方向端部とウォームホイール本体部の軸方向端面との成す角度がほぼ90度となるため、歯底部の軸方向端部の強度向上または応力集中の緩和を図ることができる。
(c) 請求項1に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、ピッチ円よりも径方向外側に形成されることを特徴とするウォームホイール。
ピッチ円はウォームシャフトと噛み合う部分であり、トルク伝達の際、ウォームシャフトから歯が撓むような力を受ける。このため、ピッチ円から歯先側の変位量が大きくなる。これに対し、非切削領域をピッチ円よりも径方向外側に形成することで、動力伝達時の撓みに対する強度を向上させることができる。
【0025】
(d) 請求項1に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、ピッチ円上に形成されることを特徴とするウォームホイール。
ピッチ円はウォームシャフトと主に噛み合う部分であり、トルク伝達の際、ウォームシャフトから大きな力を受ける。これに対し、非切削領域をピッチ円上に形成することで、ウォームシャフトから受ける力に対する強度を向上させることができる。
(e) 請求項1に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯面の軸方向端部に形成され、
前記ウォームシャフトとの噛み合い状態において、前記歯面の軸方向端部における非切削領域とウォームシャフトとの間に所定距離の隙間が形成されることを特徴とするウォームホイール。
ここで、「隙間」とは、切削領域の形状をそのまま延長した形状よりもウォームシャフトとの距離が大きくなっている状態を意味する。動力伝達時、この隙間がグリス溜まりとして作用することにより、ウォームギアの潤滑性が向上する。
(f) 請求項1に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯部の歯丈の全域に亘って形成されることを特徴とするウォームホイール。
この発明によれば、歯丈の全域においてボイド抑制効果を得ることができる。
【0026】
(g) 請求項1に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯面の一対の軸方向端部のうちウォームシャフトとの噛み合い方向における始端側のみに形成されることを特徴とするウォームホイール。
非切削領域を歯面の軸方向一方側のみにしか形成されない場合、その形成される側をウォームシャフトとの噛み合い方向における始端側とすることにより、非切削領域がグリス溜まりとして作用し、ウォームギアの潤滑性を向上させることができる。
(h) 転舵輪に連結された操舵機構と、
前記操舵機構に設けられ、ウォームホイールと該ウォームホイールと噛み合うウォームシャフトとから構成された減速機と、
前記減速機に接続された電動モータと、
前記電動モータを駆動制御する制御回路と、
を有する電動パワーステアリング装置において、
前記ウォームホイール、請求項1に記載のウォームホイールを用い、
前記ウォームシャフトは、該ウォームシャフトの回転軸が、前記ウォームホイールの回転軸に対し直交する面に対して平行に設けられることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
ウォームシャフトをウォームホイールに対して平行に噛み合うように配置することにより、減速機のステアリングシャフト軸方向寸法を小さくでき、パワーステアリング装置の外形をコンパクトに収めることができる。
(i) 請求項3に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯底部の軸方向端部にも設けられることを特徴とするウォームホイール。
ボイドは隣り合う歯底部の間に最も大きく形成される傾向があるため、非切削領域を歯底部の軸方向端部に設けることで、ボイドを抑制できる。
【0027】
(j) (i)に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯底部の軸方向両端部にも設けられることを特徴とするウォームホイール。
ボイドは隣り合う歯底部の間に最も大きく形成される傾向があるため、非切削領域を歯底部の軸方向両端部に設けることで、ボイドをより抑制できる。
(k) 請求項3に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯面の軸方向端部に形成され、
前記ウォームシャフトとの噛み合い状態において、前記歯面の軸方向端部における非切削領域とウォームシャフトとの間に所定距離の隙間が形成されることを特徴とするウォームホイール。
ここで、「隙間」とは、切削領域の形状をそのまま延長した形状よりもウォームシャフトとの距離が大きくなっている状態を意味する。この隙間がグリス溜まりとして作用することにより、ウォームギアの潤滑性が向上する。
(l) 請求項5に記載のウォームホイールの製造方法において、
前記第2工程の後、該第2工程における切削加工によって生じた前記ウォームホイールのバリを除去するバリ取りを行う第3工程をさらに有することを特徴とするウォームホイールの製造方法。
バリ取りを行うことにより、ウォームシャフトとの噛み合いを滑らかにでき、動力伝達効率を高めることができる。なお、バリ取りによってバリ取り前に存在した非切削領域の表面が切除される場合があるが、本願の作用効果が得られる限り、本願の権利範囲に含まれる。
【0028】
(m) 請求項5に記載のウォームホイールの製造方法において、
前記非切削領域は、前記歯底部の軸方向端部にも設けられることを特徴とするウォームホイールの製造方法。
ボイドは隣り合う歯底部の間に最も大きく形成される傾向があるため、非切削領域を歯底部の軸方向端部に設けることで、ボイドを抑制できる。
(n) (m)に記載のウォームホイールの製造方法において、
前記非切削領域が設けられる前記歯底部の軸方向端部の形状は、前記ウォームホイール本体部の回転軸とほぼ平行となるように形成されることを特徴とするウォームホイールの製造方法。
切削領域が歯底部の軸方向端部まで形成された場合、歯底部の軸方向端部とウォームホイール本体部の軸方向端面との成す角度は鋭角となる。理由は、ホブで切削された歯底部は凹円弧形状だからである。これに対し、非切削領域が設けられる歯底部の軸方向端部の形状を、ウォームホイール本体部の回転軸とほぼ平行とすることで、歯底部の軸方向端部とウォームホイール本体部の軸方向端面との成す角度がほぼ90度となるため、歯底部の軸方向端部の強度向上または応力集中の緩和を図ることができる。
(o) 請求項5に記載のウォームホイールの製造方法において、
前記非切削領域は、前記ウォームホイール本体部の回転軸を基準として軸方向一方側のみに設けられ、
前記歯部の前記軸方向他方側は、前記第1工程における射出成形の型に対しアンダーカットを有するように形成されることを特徴とするウォームホイールの製造方法。
歯部の軸方向他方側のみがアンダーカットを有するようにすることで、軸方向両側にアンダーカットを有するものに比べ、いわゆる「ムリ抜き」が容易となる。このアンダーカットを有する軸方向他方側は歯部の幅(回転方向における幅)が相対的に大きくなるため、切削領域となるが、少なくとも軸方向一方側において非切削領域が形成されるものであって、請求項5の作用効果が得られる限り、本願の権利範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 電動パワーステアリング装置
2,24 ラックアンドピニオン式ステアリングギア(操舵機構)
3 ウォームギア(減速機)
4 電動モータ
6 コントロールユニット(制御回路)
8a,8b 左右前輪(転舵輪)
10,25,27 ウォームホイール
10a ウォームホイール回転軸
11 ウォームシャフト
11a ウォームシャフト回転軸
14 ウォームホイール本体部
15 歯部
16 歯面
17 歯先部
18 歯底部
19 切削領域
20、25,26,28 非切削領域
20a 第1非切削領域
20b 第2非切削領域
22 下歯
23 ホブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形により樹脂材料で形成されたウォームホイール本体部と、
前記ウォームホイール本体部に設けられ、周方向に複数個配置され、ウォームシャフトと噛み合う歯面、外周面に形成された歯先部および対向する一対の前記歯面の間に形成された歯底部を有する歯部と、
前記歯面に設けられ、前記歯部の歯丈の中心位置よりも径方向外側に配置され、前記射出成形された後にホブによる切削加工を施されていない非切削領域と、
前記歯面に設けられ、前記射出成形後にホブにより切削加工が施された切削領域と、
を有することを特徴とするウォームホイール。
【請求項2】
請求項1に記載のウォームホイールにおいて、
前記非切削領域は、前記歯底部の軸方向端部にも設けられることを特徴とするウォームホイール。
【請求項3】
射出成形により樹脂材料で形成されたウォームホイール本体部と、
前記ウォームホイール本体部に設けられ、周方向に複数個配置され、ウォームシャフトと噛み合う歯面、外周面に形成された歯先部および対向する一対の前記歯面の間に形成された歯底部を有する歯部と、
前記歯面に設けられ、前記歯面の前記歯先部側端部かつ軸方向端部に配置され、前記射出成形された後にホブによる切削加工を施されていない非切削領域と、
前記歯面に設けられ、前記射出成形後にホブにより切削加工が施された切削領域と、
を有することを特徴とするウォームホイール。
【請求項4】
転舵輪に連結された操舵機構と、
前記操舵機構に設けられ、ウォームホイールと該ウォームホイールと噛み合うウォームシャフトとから構成された減速機と、
前記減速機に接続された電動モータと、
前記電動モータを駆動制御する制御回路と、
を有する電動パワーステアリング装置において、
前記ウォームホイールとして、請求項1に記載のウォームホイールを用い、
前記ウォームシャフトは、該ウォームシャフトの回転軸が、前記ウォームホイールの回転軸に対し直交する面に対して鋭角に交わるように設けられることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
【請求項5】
射出成形により樹脂材料で環状のウォームホイールの下歯を形成する工程であって、前記下歯は、ウォームシャフトと噛み合う歯面、外周面に形成された歯先部および対向する一対の前記歯面の間に形成された歯底部を有し、周方向に複数個配置された歯部を有する第1工程と、
前記第1工程により形成されたウォームホイールの下歯をホブで切削加工する工程であって、前記切削加工により前記歯面の所定領域に切削領域と、前記切削領域以外の領域であって前記歯部の歯丈の中心位置よりも径方向外側に配置され前記切削加工を施されていない非切削領域と、を形成する第2工程と、
を有することを特徴とするウォームホイールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−127730(P2011−127730A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288927(P2009−288927)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】