エアゾールのセパレータおよび方法
【課題】小型で安価なオイルセパレータの提供。
【解決手段】クランク室の換気フィルタであって、湿式法で作製した第1の媒体ステージを含み、(i)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、(ii)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2次繊維材料とを有する。
【解決手段】クランク室の換気フィルタであって、湿式法で作製した第1の媒体ステージを含み、(i)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、(ii)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2次繊維材料とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス流れ(例えば、クランク室・ガス)からエアゾールとして混入した疎水性流体(油など)を分離するためのシステムと方法に関する。好ましいシステムでは、ガス流れから、例えば、炭素材料などの他の微細な汚染物質のろ過もまた提供する。分離を行うための方法もまた提供される。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国以外のすべての指定国に対する出願人である、米国内の会社ドナルドソン・カンパニー・インクの名において、ならびに、米国のみの指定国に対する出願人である、全て米国市民であるロバート・M.ロジャース、ブラッド・カルバウフ、ポールL.コジェティンおよびケーB.ジョマの名において、2006年1月31日に出願中であり、2005年2月4日に出願された米国仮特許出願第60/650,051号に対する優先権を主張する。
【0003】
本出願は本明細書中に参照として以下の米国特許第5,853,439号公報、米国特許第6,171,355号公報、米国特許第6,355,076号公報、米国特許第6,143,049号公報、米国特許第6,187,073号公報、米国特許第6,290,739号公報、米国特許第6,540,801号公報、米国特許第6,530,969号公報を合体する。本出願は、2001年7月5日に公開された国際公開第01/47618号パンフレットおよび2000年6月8日に公開された国際公開第00/32295号パンフレットを参照として合体する。本出願は2002年6月20日に出願されて共に譲渡された米国仮特許出願第10/168,906を参照として合体する。また、本出願は2004年2月23日に出願された米国仮出願第60/547,759号とエアゾール・セパレータおよび方法と題された2005年1月11日に出願された米国仮出願の一部を編集して合体する。米国仮出願第60/547,759号およびエアゾールセパレータおよび方法と題された2005年1月11日に出願された米国仮出願は、参照により本明細書中に合体される。
【0004】
ディーゼルエンジンのクランク室からの吹き抜けガス(blow-by)などのガス流れは、かなりの量の混入した油をその中にエアゾールとして運んでいる。エアゾール中の油滴の大部分は、一般に0.1〜5.0μmの大きさである。
【0005】
さらに、そのようなガス流れは、かなりの量の炭素汚染物質などの微細な汚染物質もまた運んでいる。一般に、そのような汚染物質は、約0.5〜3.0μmの平均粒子サイズを有する。これらの系において、そのような汚染物質の量を低減することは好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記種類の関心に対してさまざまな努力が払われている。改良が望まれている要素は、一般に、以下に関することである。(a)大きさ/効率への関心:すなわち、大きなセパレータシステムを用いずに同時に良い分離効率に対する要求。(b)費用/効率への関心:すなわち、かなり高価なシステムを必要としないで良いまたは高い効率に対する要求。(c)可変性:すなわち、さまざまな応用と用途のためにかなりの再構築なしで適合させることができるシステムを開発すること。(d)清掃能力(cleanability)/再生能力(regeneratability):すなわち、長期使用の後で、所望される場合、容易に清掃(または、再生)できるシステムを開発すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本開示は特に好ましいクランク室の換気(CCV)フィルタの開発に関する。特に、クランク室ガスをろ過するシステム(arrangements)における有利なフィルタ媒体の使用に関する。好ましい媒体は、湿式法で作製するプロセス(wet laid process)からシートの形態で提供される。媒体は、例えば、ラッピングまたは巻きつけ手法により、またはパネル構造での提供によりなどさまざまな方法でフィルタシステムに組み入むことができる。
【0008】
本開示によると、エンジン・クランク室からの吹き抜けガスをろ過するために使用する好ましいフィルタ構造物が提供される。実施例の構造物が提供される。好ましいタイプの媒体を含む好ましいフィルタエレメントまたはカートリッジシステムもまた提供される。さらに、方法もまた提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の原理に基づいて組み立てられたフィルタ配置構成を使用するエンジンシステムの概略図である。
【図2】本開示の原理に基づいて組み立てられたフィルタ配置構成の1つの実施例の概要を示す側面図である。
【図3】図2に図示されたフィルタ配置構成の平面図である。
【図4】図3の線4−4に沿って得られる、図2と図3で図示されたフィルタ配置構成の断面図である。
【図5】図2〜図4のフィルタ配置構成で利用されたフィルタエレメントの1つの実施例の概要の断面図であり、断面は線4−4に沿って得られるのと同じ断面であるが、ハウジング構造から除去されたフィルタエレメントを図示している図である。
【図6】ハウジング構造本体の1つの実施例の概要を示す断面図であり、図3の線4−4に沿って得られる断面積に類似しているが、ふたを取り外したハウジング構造本体だけを図示する断面図である。
【図7】ハウジング構造カバー部材の1つの実施例の概要を示す断面図であり、断面は、図3の線4−4に沿って得られる断面に類似しているが、ハウジング構造のカバー部材だけを図示した図である。
【図8】図2〜図4のフィルタ配置構成で利用できるフィルタエレメントの第1の代替の実施例の概要を示す断面図であり、図5の断面図に類似の断面図である。
【図9】図2〜図4のフィルタ配置構成で利用できるフィルタエレメントの第2の代替の実施例の概要の断面図であり、図5の断面図に類似の断面図である。
【図10】本開示の原理により構成されたフィルタ配置構成の別の実施例の概要を示す斜視図である。
【図11】図10に図示されたフィルタ配置構成の平面図である。
【図12】図10と図11に図示され、図11の線12−12に沿って得られるフィルタ配置構成の概要を示す断面図である。
【図13】図10〜図12のフィルタ配置構成で利用されるフィルタエレメントの1つの実施例の端面図である。
【図14】図13に図示されたフィルタエレメントの反対側端面図である。
【図15】図13と図14で図示されたフィルタエレメントの概要を示す断面図であり、図13の線15−15に沿って得られる断面図である。
【図15A】図15で図示されたフィルタエレメントの一部を拡大した、部分拡大断面図である。
【図16】図13〜図15で図示されたフィルタエレメント中で利用できる予備成形された挿入部品の代替の実施例の概要を示す斜視図である。
【図17】図16に図示された予備成形された挿入部品の概略の端面図である。
【図18】図16と図17に図示された予備成形された挿入部品の概略の断面図であり、図17の線18−18に沿って取られた断面図である。
【図19】図18で図示された予備成形された挿入部品の一部を拡大した、概要の部分拡大断面図である。
【図20】図18に図示された予備成形された挿入部品の別の一部を拡大した、概要の部分拡大断面図である。
【図21】本開示の原理によって組み立てられた、図16〜図20の予備成形された挿入部品を利用するフィルタエレメントの別の実施例の概要を示す断面図である。
【図22】本開示によるフィルタエレメントを組み立てるための成形技術の1つの実施例の概要を示す断面図である。
【図23】本開示によるフィルタエレメントを組み立てるための成形技術の1つの実施例の概要の断面図である。
【図24】本開示による媒体ステージを含むクランク室の換気フィルタの追加実施例の概要を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
I.通常の応用−エンジン・クランク室・ブリーザフィルタ
過給ディーゼルエンジンはしばしば「吹抜け(blow-by)」ガス、すなわち、内燃室からピストンを通り過ぎる空気−燃料混合物のガス漏れの流れを発生する。そのような「吹抜け」ガスは、一般にガス相、たとえば、(a)主に0.1〜5.0μm(主に、数で)の液滴を含む疎水性流体(例えば、燃料のエアゾールを含む油)と、(b)通常、大多数が約0.1〜10μmの大きさのカーボン粒子を含む燃焼からの炭素汚染物質とを輸送する空気または燃焼オフガスを含む。そのような「吹抜け」ガスは、一般にエンジンブロックから吹抜け排気口を通って外に向けられる。
【0011】
本明細書において、用語「疎水性」流体が、ガス流れ中に混入した液体エーロゾルに関して使用されるとき、非水系流体、特に油を意味する。一般にそのような材料は水に混和しないものである。本明細書において、キャリヤー流体に関連して使用される用語「ガス」またはその変形物は、空気、燃焼オフガス、およびエアゾールに対する他のキャリヤーガスを指す。
【0012】
ガスは他のかなりの量の成分を運び得る。そのような成分は、例えば、銅、鉛、シリコン、アルミニウム、鉄、クロム、ナトリウム、モリブデン、スズ、および他の重金属を含み得る。
【0013】
そのようなシステムで作動するエンジンは、トラック、農業機械、ボート、バスおよび一般に、ディーゼルエンジンを含む他のシステムのようなものであり、上記説明したようなかなりの汚染されたガス流れを持ち得る。例えば、2〜50cfm(0.056〜1.35m3/分)、通常は5〜10cfm(0.14〜0.28m3/分)のオーダーの流速と体積はかなり一般的である。
【0014】
図1は本発明によるコアレッサ(coalescer)/セパレータ配置構成(arrangement)が利用される通常のシステム28を示す概略図である。図1を参照すると、ブロック30はターボ過給ディーゼルエンジンを示している。空気は、エアフィルタ32を通過してエンジン3に導入される。エアフィルタまたはクリーナ32は大気から導入される空気を清浄にする。ターボ34は、エアフィルタ32から清浄空気を吸引して、エンジン30に押し込む。エンジン30において、空気は、ピストンと燃料と連動して圧縮されて燃焼する。焼却プロセスの間、エンジン30は吹き抜けガスを発生する。フィルタ配置構成36は、エンジン30とガス流れで連通し、吹き抜けガスを清浄にする。フィルタ配置構成36から、空気はチャンネル38を通りそして圧力弁40を通るように方向づけられる。そこから、空気は再びターボ34によって吸引されエンジン30中に圧入される。調整弁(regulator valve)または圧力弁40はエンジン・クランク室30中の圧力量を調整する。圧力弁40が開くにつれて、エンジン・クランク室中の圧力が増加して最適平均圧力を減少しようとする。エンジン中の圧力を増加させるのが望ましいときに、圧力弁40は少さく閉じられる。チェック弁42は、圧力がエンジン・クランク室30中である量を超えると、エンジン損傷を防ぐために大気に開かれる。
【0015】
本開示によると、ガスの流れから疎水性液相を分離するためのフィルタ配置構成36(本明細書では時々、コアレッサ/セパレータ配置構成として呼ばれる)が提供される。作動中に、汚染したガス流れは、コアレッサ(coalescer)/セパレータ配置構成36に向けられる。コアレッサ/セパレータ配置構成36中では、微細な油相またはエアゾール相(すなわち、疎水性相)は合体する(coalesce)。配置構成36は、疎水性相が合体して液滴になると、液滴がシステムから容易に集められて除去できるような液体として排出するように構成されている。本明細書で以下に記載されるような好ましいシステム(arrangements)において、特に、油相が部分的に充填されているコアレッサまたはコアレッサ/セパレータは、ガス流れ中で輸送される他の汚染物質(例えば炭素汚染物質など)のフィルタとしても作用する。実際、いくつかのシステムでは、油がシステムから排出されるときに、油中には捕集された炭素汚染物質の一部が含まれているので、コアレッサの自己洗浄が提供される。
【0016】
本開示による原理は、単一ステージ配置構成(single stage arrangement)またはマルチステージ配置構成(multistage arrangement)で実施することができる。図の多くでは、マルチステージ配置構成が図示されている。一般的な記載において、それらの配置構成は、所望であれば、単一ステージ配置構成に変更することができることを説明し得る。
【0017】
II.マルチ・ステージの油エアゾール・セパレータの実施例(図2〜9)
図2を参照すると、クランク室・ガスフィルタまたはフィルタ配置構成36の実施例は、参照番号50で示されている。示された典型的なフィルタ配置構成50はハウジング52を含んでいる。図示されたハウジング52は、ツーピースの構造物を含む。特に、ハウジング52は、基体アセンブリ54と取り外し可能なカバー部材56とを含んでいる。基体アセンブリ54は基体55とふた57を含んでいる。
【0018】
図2と図4を参照すると、示されるハウジング52は、以下の3つのポート、ガス流入ポート58、ガス流出ポート60、液体流出ポートまたは液体排出口62を含んでいる。
【0019】
一般に、フィルタ配置構成50は、本明細書では一般に、「マルチステージ」配置構成(multi-stage arrangement)として参照され得る、なぜならフィルタ配置構成50は、(a)液体が混入したガス流れから液相を除去するための予備のコアレッサ・フィルタと、(b)空気流れの更なる精製のための少なくとも1つの、しかし複数含むことができる下流のまたは第2ステージのフィルタと、を両方を含むからである。図4に、ハウジング52とその内部コンポーネントとの両方を含むフィルタ配置構成50の断面図が示される。一般に、フィルタ配置構成50は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージのフィルタ媒体66の管状構造物とを含んでいる。
【0020】
いくつかの配置構成では、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64は省かれ、フィルタ媒体部分66だけを使用することができる。そのような配置構成では、フィルタ媒体部分66は、微粒子ろ過と同様に液体の合体と排出の両方のために使用され得る。このために適切な媒体は以下に詳細に説明される。
【0021】
使用において、変更されるべき空気またはガス流れは、入口ポート58を通過し、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64を通過するように向けられる。少なくとも液相の一部は、ガス状の流れからオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64で合体して除去される。第1ステージのコアレッサ・フィルタ64中で合体した液体は、重力によって排出され、特別に図示された実施例では、液体流出口ポート62を通ってハウジング52を出る。ガス相は媒体構造物66を通るように向けられる。媒体構造物66はガス流れから微粒子の少なくとも一部を除去し、混入した液体を更に合体して排出する。清浄になったガス流れは次にハウジング52からガス流出口60を通過し外に出るように向けられる。
【0022】
図5に示されるように、図示された実施例において、(オプション)の第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と媒体66の管状構造物とは、フィルタ配置構成またはエレメント70を形成する1つにまとまった構造物である。図示された好ましい実施例において、フィルタエレメント70は、ハウジング52に対して取り外し可能であり取替え可能である。すなわち、フィルタエレメント70は、点検可能なフィルターカートリッジまたはエレメントである。この文脈「1つにまとまった(unitary)」によって、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と媒体66の管状構造物とは、組み立てられたエレメント70の一部を破壊せずには互いに分離することができないことを意味する。ある実施例では、端部キャップ202と端部キャップ254とは単一構造物の一部を形成する。
【0023】
図4を再び参照すると、示されたハウジング52に対して、入口部管構造物72、調節弁ハウジング74、キャニスター部分76、および出口部管構造物78がある。図示された実施例において、入口部管構造物72、調節弁ハウジング74、キャニスター部分76、および出口部管構造物78のそれぞれが基体55の一部を形成する。ふた57と共に、基体55とふた57は基体アセンブリ54の一部である。
【0024】
図示された実施例において、入口部管構造物72はガス流入口ポート58を定める筒状部材80である。あるアセンブリにおいて、入口部管構造物78は、クランク室から放出される吹き抜けガスを処理するためにエンジン30のクランク室と連通するガス流れ中にある。
【0025】
図示される調整弁ハウジング74は入口部管構造物72のすぐ下流にある。調整弁ハウジング74は、開口内部84を定める外側を取り囲む壁82を含んでおり、そこで処理されるべきガスがフィルタエレメント70に入る前に流れて集まることが可能となる。また、調整弁ハウジング74はネック(首:neck)88を形成する内壁86を含んでいる。また、示された実施例において、調整弁ハウジング74はふた57を保持して支えるためのシェルフ(棚:shelf)90を含んでいる。ネック88は、キャニスター部分76とふた57の間の調整弁アセンブリ92(図4)を保持し支えている。
【0026】
図4において、弁アセンブリ92は、エンジン30のクランク室からフィルタエレメント70を通過するガス流れを調整するために構成されて配置されている。さまざまな弁構造物が本明細書に想定されるが、示される特別な弁アセンブリ92はダイヤフラム構造物94とスプリング96などのかたより機構(bias mechanism)を含んでいる。図4では、ダイヤフラム構造物94は円形であり、シェルフ90に保持されてシェルフ90に載っている最外郭の縁(rim)98を持つことが銘記される。また、ダイヤフラム構造物94は、一般にU形状の断面を有し、一般に平面図において円形である溝100を含んでいる。溝100は縁98の内側である。溝100は、ダイヤフラム構造物94をネック88に適切に配置し、ネック88の中心に配置するのを助ける。ダイヤフラム構造物94を安全にしているのは、中央突起物102である。中央突起物102は、ネック88を内部部分104に延ばすための大きさに作られている。図示された実施例では、中央突起物102は溝100内側領域のダイヤフラム構造物94に取り付けられている。中央突起物102は、溝100と共にネック88上で適切にダイヤフラム構造物94を配置するのを助ける。
【0027】
更に、図4を参照して、示された特別の弁アセンブリ92において、スプリング96は、ネック88の外側の壁の周囲に載っている。スプリング96は、ダイヤフラム構造物94に力を印加してネック88とフィルタエレメント70に向かう方向にダイヤフラム構造物94を引っ張る。ダイヤフラム構造物94とネック88の間にギャップ106があることが注目される。ギャップ106は、調製弁ハウジング74の内部84からネック88の内部部分104の中へのガス流れを可能にする。
【0028】
使用時に、弁アセンブリ92は一般に、エンジン・クランク室30からフィルタエレメント70までのガス流れの速度を制限するように作動する。スプリング96は、ガス流れ入口58から内側に向かうガス流れによって加えられた圧力に対してネック88に向かってダイヤフラム構造物94を引っ張る。ダイヤフラム構造物94は、ゴムなどの可撓性材料から構成される。ダイヤフラム構造物94はそれ自体でネック88から離れる方向に、かつふた57と調整弁ハウジング74のシェルフ90との間で定められた体積108中のふた57に向かう方向に、曲がることができる。
【0029】
ここで図6を参考すると、基体55のキャニスター部分76は、一般に、フィルタエレメント70を受け入れるための開口内部112を定めるように一般に管状で構成されている外側を取り囲む壁110を含んでいる。図示された実施例において、壁110は一般に筒状であり、円形の断面を定める。キャニスター76は、キャニスター76の内側にフィルタエレメント70を保持し収容するのを助ける端部壁114を含んでいる。端部壁114は、平らな平面部分118から伸びる突起物116を含んでいる。フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に組み立てられると、突起物116は、基体55の端部壁114とエレメント70との間で2次シール120(図4)を形成するための第2のまたは補充のシール機構として作用する。第1のシール機能は、フィルタエレメント70とハウジング52の間の半径方向のシーリングシステムにあり、以下に更に詳細に記載されている。第2のシール120は、フィルタエレメント70とハウジング52の間の端部壁114に沿って通過する、想定外の量の油のしみだし(undesired amount of oil seepage)を防ぐのを助ける。代替のシステムにおいて、半径方向のシールが避けられている状態でフィルタエレメントとハウジングの間の軸方向シールを使用することができることが注目される。
【0030】
また図6を参照すると、基体55が第1の最大外径寸法を有する第1管状領域122と、第2の最大外径寸法を有する第2管状領域124とを含んでいることが注意される。図示された特別の実施例では、第1管状領域122と第2管状領域124の最大外側寸法は直径である。第1管状領域122の直径は、第2管状領域124の直径より大きく、その間にステップ状領域126を形成する。第2管状領域124は、内側の環状シール表面128を定める。以下でさらに記載されるように、シール表面は、その間で半径方向のシールを形成するためにシール部材の圧力を受け入れることができる表面を形成する。第1管状領域122はフィルタエレメント70から離れており、フィルタエレメント70が管状領域中に操作可能に組み立てられると、その間でガス流れ体積130を形成する。
【0031】
図2で示されるように、基体アセンブリ54とカバー部材56は、ラッチ配置構成134によって継ぎ目132に沿って互いに結合する。ラッチ配置構成134は、継ぎ目132に沿ってカバー部材56と基体アセンブリ54を一緒にしっかり保持するために使用される複数のラッチ136を含んでいる。ラッチ136は、整備点検の間にフィルタエレメント70などのように内部コンポーネントにアクセスするために、カバー部材56が基体アセンブリ54から選択的に取り外されるのを可能にする。多くのラッチがあり得るが、図示された特別の実施例では、3個のラッチ136がある。図2、図4、および図6で示されるように、基体55は、それぞれのラッチ136のためにラッチマウント138を含んでいる。図2で理解できるように、それぞれのラッチ136のフック部分142を受けるために、カバー部材56がスロット140のような適切なラッチ受入れ構造を含む。
【0032】
図示された実施例において、基体55は、端部壁114の反対側にある開口端部144(図6)を有する。開口端部144は、カバー部材56中の受入れスロット148(図7)と連結するための縁146と外接している。
【0033】
ここで図7に示すカバー部材56を参照すると、カバー部材56がボウルまたは漏斗形状の第2端部150を有することが注目される。ボウル150と排液口62との組み合わせは液体捕集配置152を含む。使用において、液体がハウジング52中で合体すると、液体は、下向きにボウル150に向かって排液し、排液口62に注がれる。通常、適切な排液ラインは、所望の例えば、油だめに集められた液体を方向づけるために排液口62に固定される。
【0034】
図7を参照すると、さらに、図示されたカバー部材56の詳細が示されている。図示された特別の実施例において、カバー部材56は、外側を取り囲む壁154と外壁154から離れた内壁156を含んでいる。外壁154と内壁156とは、一緒にスロット148を定める。スロット148は基体アセンブリ54、特に、縁146を受け入れるための体積158として機能する。また、外側を取り囲む壁154は構造140を受け入れるラッチを含んでいる。
【0035】
体積158は、Oリング162(図4)などのガスケット部材を保持して収容するためのシート160を提供する。示された構造物において、Oリング162は縁146とシート160の間にある。ラッチ配置構成154は、カバー部材56と基体アセンブリ54とを一緒に押し込むための軸方向の力を供給する。これは、カバー部材56と基体アセンブリ54との間でシール164(図4)を形成するためにOリング162上の縁146に力を供給する。このシール164は、ガス流れの想定外の量が基体アセンブリ54とカバー部材56の間で流れるのを防ぐ。むしろ、シール164は、ガス流れがガス流出口60を通過して出るようにさせる。
【0036】
再び、図7を参照すると、内壁156は環状シール面166を提供する。環状シール表面166は、フィルタエレメント70のシール部分とともに半径方向シールを形成するために配置される構造を提供する。これは以下の詳細に記載されている。
【0037】
カバー部材56はまた、一般に、内壁156から直角の端壁168を含んでいる。端部壁168はフィルタエレメント70の向きに対して停止部170として作用する。言い換えれば、停止部170は、フィルタエレメント70がハウジング52中で軸方向に動くのを防ぐ。突起物172は端部壁168から延びている。フィルタエレメント70がハウジング52内に操作可能に設置されると、突起物172は、フィルタエレメント70のシール部分を押して、フィルタエレメント70とともに2次シール174(図4)を形成する。2次シール174は、油が想定外の量でしみだしてフィルタエレメント70内からフィルタエレメント70の外の体積130まで移動するのを防ぐのを助ける。さらに、第1のシール機能は、半径方向のシーリングシステムによって達成されるが、以下でさらに説明する。また、さらに、本明細書で記載された技術の多くは、第1のシール機能が軸方向のシールによって提供されるシステムにも適用され得る。
【0038】
端部壁168からの延長部分は、液流出口62で終わる傾斜の壁176である。傾斜の壁176は漏斗形状の部分またはボウル150を形成する。
【0039】
液流出口62は折り込んだ部分178を含むことが注目される。折り込んだ部分178は、真鍮挿入部品、例えば、油の汚水だめに通じる連結金具が便利であり得る。
【0040】
本明細書では、「ガス流れ方向の配置構成(gas flow derection arrangement)」またはその変形は、ガス流れを向ける配置構成の部分について言及するために時々使用され得る。図4のフィルタ配置構成50に対して、この配置構成は、ガス流入口58、入口部管構造物72、ハウジング52の各種壁(壁82、壁86、壁110、壁154を含む)、ガス流出口60を含む出口部管構造物78を含んでいる。一般に、ガス流れ方向の配置構成は、適切なオーダーでフィルタエレメント70を通る適切なガス流れを確実にするために作動する。
【0041】
ここで、図4と図5を参照する。フィルタエレメント70はハウジング52中に操作可能に組み立てられて図4に示されている。用語「操作可能に組み立てられ(operably assembled)」およびその変形によって、シールが適所にあり、ガス流れが入口58から適切に流れフィルタエレメント70を通り出口60を通って外に流れるのを可能とするようにフィルタエレメント70がハウジング52中に配置されることを意味する。
【0042】
図4と図5において、フィルタエレメント70が、1つの構造物中に、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と管状構造物媒体66との両方を含んでいるのが理解できる。フィルタエレメント70が例えば、整備点検の間に取り扱われると、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と管状構造物の媒体66の両方は一緒に取り扱われる。一般に、管状構造物の媒体66は、開いているフィルタ内部192を定めるために、閉じた管状形態で配置されている媒体パック190を含んでいる。好ましい構造物では、媒体パック190は、一般に筒状形状を有し、円形の断面を定めるように配置することができる。
【0043】
媒体パック190は、所望の効率と制限を達成するために調整された、多くの異なる種類の媒体であり得る。媒体パック190で使用可能な媒体194の一例は成形された媒体(formed media)である。別の例はひだ付き媒体である。「ひだ付き媒体(pleated media)」によって、複数のひだで折り重ねられた1つの折り曲げ可能な媒体シートを意味する。本明細書の以下に、媒体パック190のための好ましい媒体が好ましい特性を有する湿式法で作製した媒体(wet laid media)として記載されている。この媒体は、媒体パック190の機能が合体/排出機能(coalescing/drainage function)と微粒子の捕集機能との両方を提供するときに好まれる。この機能は、媒体パック190がオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64なしで使用されるとき、あるいは、媒体パック190がオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と共に使用されるとき、媒体パック190によって提供され得る。媒体パック190は多層またはマルチステージの形態で提供され得ることが注目される。
【0044】
図示された実施例において、媒体194は第1端部196と、反対側の第2端部198を有する。媒体194の長さは、第1端部196と第2端部198の間に延びている。図示されたフィルタエレメント70において、第1端部キャップ配置構成200は第1端部196にある。図5に示される特別な実施例において、端部キャップ配置構成200は端部キャップ202と第1ステージのコアレッサ・フィルタ64とを含む。ある構成物において、端部キャップ配置構成200は単一のまとまった構造である。
【0045】
いくつかの実施例では、端部キャップ202は成形された高分子材料のリング204を含んでいる。リング204は、図示された好ましい実施例において、リング204の中心にある中央開口206を定めている。「中心に置かれる(centered)」によって、中央開口206はリング204の対称中心と同じ対称中心を持つことが意味される。言い換えれば、中央開口206は、リング204内に偏心的に配置されないことが好ましい。
【0046】
いくつかの配置では、中央開口206は円形であり、リング204の直径の約50%未満の直径を持つ。いくつかの配置では、中央開口206の直径はリング204の直径の40%未満であり得る。
【0047】
リング204は、また外側の輪状表面208を含んでいる。フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に組み立てられるとき、外側の輪状シール表面208はシール部分210として機能する。好ましいシステムにおいて、シール部分210はステップ状構造物212を含んでいる。
【0048】
特に、ステップ状構造物212は、ハウジング52のシール表面128と第1端部キャップ配置構成200の間の半径方向のシール214(図4)の挿入と形成を助ける。図5において、ステップ状構造物212は、第1領域216より小さい直径の第2領域218に隣接し、第2領域218の直径より小さい直径の第3領域220に隣接する、最大直径の第1領域216を含む。この直径が減少するステップ状構造物212は、基体55中にフィルタエレメント70の挿入を助ける構造物となる。
【0049】
端部キャップ202のシール部分210は、フィルタエレメント70がハウジング52に操作可能に設置されたときに、シール表面128に対してシール部分210の半径方向を圧縮するような圧縮性材料から作ることができる。シール部分210に対して有用な材料の例、および全体の端部キャップ202について以下説明する。一般に、端部キャップ202は、成形される密度として、通常22ポンド/立方フィート未満、例えば、12〜22ポンド/立方フィートを有する柔らかいポリウレタンフォームを含むことができる。もちろん、代替材料は、更に記載された原理の多くを組み込むユニットとともに本明細書に記載された実施例からの変形において使用することができる。
【0050】
また図5を参照すると、第1端部キャップ構成200はまた、リング204の中央開口206に向けられたフレーム構造物222を含んでいる。フレーム構造物222は、繊維状媒体224の領域を保持し、収容し閉じこめる。図示された構造物において、繊維状媒体224は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64として使用される。ある配置では、繊維状媒体224は、少なくとも1層、通常は、不織のひだ付きでなく開口していない、管状の合体用媒体の複数の層226を含む。図5に示される実施例において、繊維状媒体224の2つの層226、228がある。繊維状媒体224のための使用可能な材料の例について以下説明する。さらに、いくつかのシステムにおいて、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64は使用されずに、管状のフィルタ構造物66だけが存在していることが注目される。
【0051】
また図5を参照すると、図示されたフレーム構造物220において、フレーム構造物222は、マルチピースであり、特に、第1フレーム・ピース230と第2フレーム・ピース232を含むツーピースの構造物である。第1フレーム・ピース230は、繊維状媒体224の上流側面236を覆っている支持グリッド234を含む。支持グリッド234は多孔性のメッシュであり、ガス流れが繊維状媒体224を通過しておよび横切って流れることを可能にする。支持グリッド234は、繊維状媒体224に構造的な支持体を提供する。
【0052】
同様に、第2フレームピース232は、繊維状媒体224の下流側の表面240を覆いながら多孔質支持体グリッド238を含んでいる。多孔質支持体グリッド238は、また、繊維状媒体224に構造的な支持体を提供し、ガス流れが開いているフィルタ内部192を通過して中に入り込むのを可能にする。
【0053】
示された構成において、第1フレームピース230と第2フレームピース232は、支持体グリッド234と支持体グリッド238の間で、繊維状媒体224を保持するか密閉する保持ポケット242を形成するために互いに隣接して配置される。あるシステムにおいて、第1フレームピース230と第2フレームピース232は、留め金係合などによって組み合わせる。
【0054】
図5で示されるように、図示された実施例において、フレーム構造物222は、リング204の内側の環状領域244に沿って、高分子の端部キャップ202中に埋め込まれるか成形される。
【0055】
さらに図示された特別のフィルタエレメント70は、内側の支持体ライナー246と外側の支持体ライナー248を含んでいる。インナーライナ246とアウターライナー248は、媒体パック190の第1端部196と第2端部198の間で延びている。インナーライナ246とアウターライナー248は、媒体194を支持するのを助ける。通常のシステムにおいて、インナーライナ246とアウターライナー248は、ガスが通過するのを可能にするプラスチックのポーラスな構造で組み立てられている。アウターライナー248は媒体194と繊維状媒体224の領域に外接している。
【0056】
代替材料がライナーのために使用できることは注目される。また、フィルタ媒体194の構造的な信頼性に依存するが、ある場合には、アウターライナー、インナーライナまたは両方は必要ではない。
【0057】
図5に示す特別な実施例において、インナーライナ246は、第2フレームピース232の不可欠の単一にまとまったものの一部である。すなわち、インナーライナ246とフレームピース232が1つの部材である。また、インナーライナ246は、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64から下のボウル150まで合体した液体が滴って流れるのを可能にする排液表面250を形成する。
【0058】
また、フィルタエレメント70は媒体パック190の第2端部198で端部キャップ254を含んでいる。端部キャップ254は、好ましくは、媒体194をその中に入れるか埋め込むように成形された高分子材料でできている。同様に、インナーライナ246とアウターライナー248は、ある好適な実施例において、第1端部キャップ202と第2端部キャップ254の間に延びていて、成形された高分子材料中に埋め込まれている。第2端部キャップ254は、シール部分258を形成する外側の輪状表面256を含んでいる。通常はシール部分258は圧縮可能であり、フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に設置されるとき、カバー部材56のシール表面166に対して押し込まれる。端部キャップ254は開口255を有し、示された実施例では、合体した液体が第1ステージのコアレッサ・フィルタ64から排出され、開口255を通過し、出口62を通過して出ることを可能にするように液体流出口62と一直線に配列さられている。
【0059】
ここで、図4を参照する。フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に設置されると、シール部分258は、その間で半径方向のシール260を形成するために、シール表面166と外側の支持体ライナー248の間で圧縮される。また、図4で示されるように、第1端部キャップ202のシール部分210は、シール表面128と外側の支持体ライナー248の間で圧縮され、その間で半径方向のシール214を形成する。半径方向のシール214、260は、フィルタ配置構成50中に第1シーリングシステムを提供する。半径方向シール214、260は、ガス流れの想定外の量が第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージの仕上げフィルタ66のどちらか1つまたは両方をバイパスするのを防ぐ。
【0060】
再び図5を参照する。端部キャップ254のシール部分258もまたは好ましくは、ステップ状構造物262を含んでいる。ステップ状構造物262は、端部キャップ202のステップ状構造物212に類似している。図示された特別の実施例において、ステップ264、ステップ266およびステップ268を含む減少する直径を有する3ステップがある。また、ステップ状構造物262は、ハウジング52へのフィルタエレメント70の挿入と半径方向シール260の形成を助ける。
【0061】
図示された端部キャップ254は、通常22ポンド/立方フィート未満、例えば約10〜22ポンド/立方フィートの成形時密度を有する鋳込み用のウレタンフォームなどの鋳込み用の高分子材料を含む。1つの実施例の材料が更に以下に記載される。代替材料は使用することができる。
【0062】
端部キャップ202、254が適所に鋳込まれると、端部キャップ202、254、第1と第2のプラスチックの延長部分246、248、媒体パック190、ひだ付きでない不織の繊維状媒体24は、1つにまとまった筒状のフィルタエレメント70の形態で一緒に固定される。
【0063】
フィルタエレメント70の代替の実施例は、図8で参照番号270に示される。フィルタエレメント270は、端部キャップ272、端部キャップ274、繊維状媒体のオプションの領域276、媒体278、およびアウターライナー280を含んでいる点で、図5のフィルタエレメント70に類似している。端部キャップ272は、中央のガス流れの入口開口272aを含んでいる。フィルタエレメント270は、更に、フィルタエレメント270の中に入れられ端部キャップ272と端部キャップ274との間に延びているインナー支持体ライナー282を含んでいる。この実施例において、オプションの繊維状媒体276によって合体された液体を排出するのを助けるために流れ構造物284がさら含まれている。
【0064】
図8に図示される実施例において、流れ構造物284は管286を含んでいる。通常のシステムでは、管286は、コアレッサ媒体276の下流表面288から端部キャップ274の開口290まで延びている。管286の長さは、媒体278の全長の約33%から95%の間で変えることができる。多くの場合、管286は、媒体パックの少なくとも25%の長さ、通常は、媒体パック190の長さの100%未満を有する。通常の実施例では、管286は、ガス流れが媒体パック190を通過して流れる前に、下流側の表面288から出て管内部の292を通過し管286の端部チップ294を通過し体積296の中に入るように、一般にガス不浸透性材料で作られている少なくとも1つのセクション287を持つ。体積296はインナーライナ282と管286の間の領域である。示された特別の実施例において、全体の管286は、穴があいていない部分287を含んでいる。他の実施例では、穴が開いているまたはガスが透過可能な管286の部分があり得る。
【0065】
図示された実施例では、管286は、オプションの繊維状媒体276を固定する、閉じこめる、または保持するために使用されるフレーム構造物298の一部である。通常、フレーム構造物298は、端部キャップ272中に鋳込むことができる。
【0066】
管286は、合体した液体(通常は油)の排出を助けることができる。作動中に、合体した液体は、管286の内面の壁300に沿って重力で排出され、次に、ボウル150中に滴り、次に、液体流出口62を通過して外に出る。管286は、合体した液体が媒体278中に引き込まれないように助けることができる。
【0067】
フィルタエレメント70の別の代替の実施例を図9の参照番号320で示す。フィルタエレメント320は、端部キャップ322、端部キャップ324、オプションの繊維状媒体326の領域、媒体パック327(媒体328として示されている)、アウターライナー330、インナーライナ332、および繊維状媒体326を閉じこめているフレーム構造物334を含んでいる点で、図5のフィルタエレメント70に類似している。端部キャップ322は中央のガス流の入口開口322aを含んでいる。媒体パック327は、開いている管状内部333を定める。フィルタエレメント320は、さらにアウターライナー330を覆って外接する、不浸透性の外側の覆い340を含んでいる。
【0068】
図示された実施例において、外側の覆い340は媒体パック327の長さの約25〜75%の間で、通常は、端部キャップ322(繊維状媒体326を保持する)からもう片方の端部キャップ324(端部キャップ324までに達しない)に向かって延びている。外側の覆い340は、更に説明されたように、オプションの繊維状媒体326によって合体された液体を排出するのを手伝う。特に、外側の覆い340は、覆い340によって隠された媒体328の領域342をガスが通過して流れを防ぐのを助ける。これは、ガス流れがさらに端部キャップ324および覆い340で隠されていない媒体326の領域344に向かう方向に移動するのを促進する。これはフィルタエレメント320から合体した液体を重力で排液するのを助ける。
【0069】
A.実施例の作動と外での交換
作動中、フィルタ配置構成50は以下の通り作動する。エンジン・クランク室からの吹き抜けガスは、ガス流入口ポート58を通過すると理解される。ガスは調整弁ハウジング74の内部84に入る。弁アセンブリ92は、ダイヤフラム構造物94とネック88の間のギャップ106を通過するガスの通路を可能にする。エンジン・クランク室からの圧力が増加するとギャップ106はより大きくなり、ダイヤフラム構造物94をスプリング96の反対方向にかつふた57に対して体積108の中に入るように移動させる。ガスは次にネック88の内部部分104に流れる。そこから、ガスはオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64を通過する。オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64は、使用される場合には、ガスが媒体パック190を通過する前に第1ステージのコアレッサ・フィルタ64を通過するように構造物中に固定される。
【0070】
特に、ガス流れは、支持体グリッド234を通過して繊維状媒体224の層228中を通過する。ガスは、続いて下流に流れ、層226を通過し、次に、支持体グリッド238を通過して流れる。繊維状媒体224は、ガス流れの残りの部分から混入した固体を含む液体を予備分離するのを助ける。液体は、媒体224から流れて、直接ボウル150に滴るかインナーライナ246の排出表面250に沿って排出される。集められた液体は傾斜した壁176に沿って流れ、最後に液体流出口62を通過して流れる。この液体物質は、しばしば油であり、再利用されるためにクランク室にリサイクルされ得る。
【0071】
ガス流れおよびオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64によって合体されなかった液体はフィルタ66まで続いて流れる。特に、ガス流れは開口フィルタ内部192から媒体パックを通過して流れる。半径方向シール214と260はガス流れが媒体パック190をバイパスするのを防ぐ。この媒体パック190は、ガス流れから選択された追加の液体粒子(合体/排出によって)と選択された固体を除去する。図4に示された配向において、媒体194は垂直に配向されており、さらに液体が媒体上に集まって(合体するまたは凝集して)そしてボウル150に向かって下向きに重力によって落ちて排出される。ろ過されたガスは次に、ガス流出口ポート60を通って外に出る。そこから、ガスは、例えばエンジン30のターボ34の取入口または他の場所の方向に向けられる(説明したように)。一般に、ガスは、いくつかの事例では、出口ポート60から大気に放出される。別の例では、閉鎖系のガス循環が好まれるので、ガスは空気取り入れ口または他の場所まで循環される。前のパラグラフで説明された特別の実施例では、ガスは潜在的にターボ取入口の方向に向けられると記載されている。
【0072】
2次シール120と174は、油などの集められた液体の想定外の量がフィルタエレメント70とハウジング52の間でしみ出すのを防ぐことに注目すべきである。
【0073】
フィルタ配置構成50は以下の通り修理される。カバー部材56は、ラッチ136を外すことにより基体アセンブリ54から取り外す。これは、カバー部材56を基体アセンブリ54から除去することを可能にする。カバー部材56を基体アセンブリ54から取り外すと、基体55とカバー部材56の間のシール164が開放される。さらに、フィルタエレメント70とカバー部材56の間のシール260が開放される。これはまた、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と媒体66の管状構造物を含んでいるフィルタエレメント70へのアクセスを提供する。端部キャップ254に隣接するフィルタエレメント70の端部を握り、フィルタエレメント70は基体55の内部112から軸方向に引き出す。フィルタエレメント70を内部112から引き出すと、半径方向シール214が開放される。このステップにより同時に、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージ・仕上げ66の両方を取り外す。このフィルタエレメント70は次に、焼却によるなどを処分することができる。
【0074】
第2の新しい交換フィルタエレメント70を次に提供する。交換エレメント70もまた第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージ仕上げフィルタ66とを類似の構造物中に第1フィルタエレメント70として含んでいる。第1ステージ64と第2ステージ66の両方を含む交換エレメント70は、基体55の開口端部144を通して挿入される。フィルタエレメント70は、端部キャップ202のシール部分210がシール表面128とアウターライナー248の間で圧縮されてその間で半径方向シール214を形成するように配向される。いくつかの実施例では、フィルタエレメント70もまた端部キャップ202が基体55の端部壁114に係合して隣接するように配向される。次に、カバー部材56はフィルタエレメント70の端部の上に置いて、端部キャップ254のシール部分258がアウターライナー248とカバー部材56のシール表面166の間で圧縮されるように配置する。これは半径方向シール260を形成する。また、いくつかの配置では、フィルタエレメント70もまた端部キャップ254がカバー部材56の停止170と軸方向に係合し隣接するように配向する。
【0075】
両方のシール214とシール260とを適所に配置し、次に、カバー部材56をラッチ136を係合することによって基体アセンブリ54に固定する。これは、またカバー部材56と基体55との間のシール164を形成するのを助ける。
【0076】
B.実施例の構造物とシステム
フィルタ配置構成36は、1.5リットル〜16リットルエンジンで50〜1200馬力のターボ過給、過給、または天然ガスディーゼルに有用である。1つの応用では、エンジンは250〜400馬力のV−8エンジンである。エンジンは、少なくとも3リットル、通常7〜14リットルのピストン排気量を有する。エンジンは、通常、8〜16cfm(0.224〜0.448m3/分)の発生した吹き抜けガスを有する。好ましいフィルタ配置構成36は、1〜20cfm(0.028〜0.56m3/分)の吹き抜けガスを扱うことができる。
【0077】
他のシステムでは、フィルタ配置構成36は、8kw〜450kw(11〜600馬力)、450〜900kw(600〜1200馬力)および900kwを超える(1200馬力を超える)出力を持つエンジンに有用である。一般に、エンジンの出力が増加するつれて、第2ステージ媒体194の表面積は増加する。例えば、エンジン出力8kw〜450kwに対してひだ付き媒体が使用される場合のひだの長さは約4〜5インチであり、エンジン出力450kw〜900kw(600〜1200馬力)に対するひだの長さは約6〜8インチであり、900kwを超えるエンジン出力に対しては2つ以上のフィルタ配置構成36が使用される。
【0078】
本明細書に記載された技術を使用して、さまざまな特別の構成と応用が実現可能であることが理解される。以下の寸法は通常の例である。
【0079】
【表1】
【0080】
C.実施例の材料
この章では、図2〜図7の実施例で有用な材料について説明する。本明細書に記載された材料以外のさまざまな材料を使用することができる。
【0081】
ハウジング50は炭素が充填されたナイロンなどのプラスチックであり得る。
【0082】
オプションのコアレッサ64の媒体224は、一般に、ひだ付きでなく筒状でないポリエステル繊維状媒体であり、約18μm未満、通常、約12.5μmの平均繊維径と、自由状態で約1.05%以下の%表示のソリディティ(固体性、固形分比率 solidity)とを有する。媒体224は上流側と下流側に晒された表面積として、少なくとも1平方インチで約7平方インチ未満の表面積、通常、3〜4平方インチの表面積を有する。材料は、1.5デニール(約12.5μm)の平均繊維径と、自由状態において少なくとも0.85%のソリディティとを有する。材料は、通常、約3.1オンス/平方ヤードより大きい重量を有する。通常、材料は3.8オンス/平方ヤード未満の重量を有する。通常の重量は、3.1〜3.8オンス/平方ヤード(105〜129g/平方メートル)の範囲である。通常、媒体は、0.002psiの圧縮(自由厚さ)で約0.32インチより大きい厚みを有する。通常、媒体は、0.002psiの圧縮(自由厚さ)で約0.42インチ未満の厚みを有する。通常の媒体の自由厚さは、0.32〜0.42インチ(8.1〜10.7mm)の範囲である。媒体は、通常、少なくとも約370フィート/分(113m/分)の透過率を有する。
【0083】
オプションのコアレッサ64の媒体224は、一般に、本明細書の以下のVI章で詳細に記載するように、好ましい2成分繊維を含む媒体によって提供される。
【0084】
端部キャップ202、254は高分子材料であり得る。いくつかの実施例では、端部キャップ202、254は、ウレタンであり、より好ましくは、発泡性ポリウレタンである。発泡性ポリウレタンの1つの実施例は、本明細書に参照により合体される、共に譲渡された米国特許第5,669,949号で端部キャップ3として記載されている。材料は以下の10〜22ポンド/立方フィート(lbs/ft3)の「成形されたときの」密度を持つ最終製品(柔らかいウレタンフォーム)に処理され、25%のたわみが約10psiの圧力を要求するようなポリウレタンであり得る。いくつかの実施例において、「鋳込まれたたときの(as molded)」密度は、10〜22ポンド/立方フィートの範囲で変化する。ポリウレタンは、I35453R樹脂とI305OUイソシアネートで作られた材料を含む。材料は、100部135453R樹脂対36.2部I3O5OUイソシアネート(重量で)の混合比率で混合されるべきである。樹脂の比重は1.04(8.7ポンド/ガロン)であり、イソシアナトの比重は1.20(10ポンド/ガロン)である。材料は通常は高動的せん断ミキサー(high dynamic shear mixer)によって混合される。成分温度は70〜95°F(21〜35℃)とすべきである。鋳込み(molding)温度は115〜135°F(46〜57℃)とすべきである。
【0085】
樹脂材料I35453Rは以下の記載の通りである。
(a)平均分子量
1)塩基性ポリエーテル・ポリオール=500〜15,000
2)ジオール類=60〜10,000
3)トリオール類=500〜15,000
(b)平均の官能性
1)トータルシステム=1.5〜3.2
(c)水酸基数
1)トータルシステム=100〜300
(d)触媒
1)アミン=エア・プロダクツ0.1〜3.0PPH
2)Sn=ウィトコ0.01〜0.5PPH
(e)界面活性剤
1)トータルシステム=0.1〜2.0PPH
(f)水
1)トータルシステム=0.03〜3.0PPH
(g)顔料/染料
1)トータルシステム=1〜5%カーボンブラック
(h)発泡剤
1)0.1〜6.0%HFC 134A.
I3050Uイソシアネートの記載は以下の通りである。
【0086】
(a)NCO含有量=22.4〜23.4wt%
(b)粘性=25℃で600〜800cps
(c)密度=25℃で1.21g/cm3
(d)初期の沸点=5mmHgで190℃
(e)蒸気圧=25℃で0.0002水銀柱
(f)外観=無色の液体
(g)引火点(デンスキー・マーティンズ・クローズドカップ)=200℃
材料I35453RとI3050Uは、BASF社、ワイアンドット、ミシガン 48192から利用可能である。
【0087】
フレーム構造物222、インナーライナ246、アウターライナー248、およびスクリーン234、238は、炭素を充填したナイロンなどのプラスチックによって製造され得る。
【0088】
ひだ付き媒体が使用されるとき、フィルタ66は好ましくは疎油性材料から作られる。1つの実施例は、周囲の空気−オイルのミスト状態において性能を高めるためにコーティングされて波形形状にされた合成ガラス繊維フィルタである。ひだ付きにされた場合、媒体194は、少なくとも0.1フィート/分で5フィート/分未満、通常は0.3〜0.6フィート/分の面速度を有する。ひだの深さは0.5インチ以上、3インチ以下、通常は0.75〜2インチである。ひだの長さは少なくとも1インチ以上、15インチ以下、通常は3〜6インチである。ひだ付き媒体194は少なくとも2平方フィート、好ましくは3〜5平方フィートの上流側の媒体表面積を有する。少なくとも30のひだで約150未満のひだ、通常は約60〜100のひだがある。合成ガラス繊維フィルタ媒体は、脂肪族炭化フッ素材料のように低表面エネルギー材料でコーティングされ得る。コーティングと波形成形の前に、媒体は、少なくとも80ポンド/3000フィート2で88ポンド/3000フィート2未満、通常は約80〜88ポンド/3000フィート2(136.8±6.5g/m2)の重量がある。ひだが付けられると、媒体は、0.027±0.004インチ(0.69±0.10ミリメートル)の厚さ、約41〜53μmの細孔径、約21〜27%の樹脂含有量、13〜23psi(124±34kPa)の装置から離れたときの濡れ破裂強度、37±12psi(255±83kPa)の300°Fで5分間放置後の濡れ破裂強度、約0.30〜0.60の破裂強度の比率、33±6フィート/分(10.1±1.8m/分)の透過率を有する。波形成形とコーティング後、ひだ付きされると、媒体は以下の特性を有する。約0.023〜0.027インチ(0.58〜0.69mm)の波形の深さ、約6〜10ポンド/インチ(3.6±0.91kg/インチ)の濡れた引張り強度、波形成形後、少なくとも30psi(207kPa)の乾いた破裂強度を有する。
【0089】
ひだ付き媒体がフィルタ66に使用されるとき、コアレッサ媒体224の上流側の表面積対ひだ付き媒体194の上流の表面積の比率は、25%未満、通常は10%未満、ある場合には1%未満である。コアレッサ媒体224の下流側の表面積対ひだ付き媒体194の上流表面積の率は25%未満、通常は10%未満、ある場合には1%未満である。
【0090】
本開示に基づく多くの通常の配置構成において、フィルタ66はひだ付き形態で提供されないし上記に特徴付けられた材料を含まない。本明細書の以下のVI章で記載されているようなかなり好ましい繊維状材料が使用される。
【0091】
ハウジング52はガラスで充填されたナイロンなどの成形されたプラスチックで作ることができる。ダイヤフラム構造物94は、ゴムなどの変形可能な材料で作ることができる。
【0092】
III.図10〜15の実施例
コアレッサ・フィルタとガスクリーナ配置構成の別の代替の実施例は図10〜図12に400として図示されている。ガスクリーナフィルタ配置構成400は、ハウジング402を含んでいる。図示されたハウジング402は、ツーピースの構造物を含む。特に、ハウジング402は基体アセンブリ404と取り外し可能なカバー部材406を含む。基体アセンブリ404は基体405とふた407を含んでいる。
【0093】
ハウジング402は以下の4つのポート、ガス流入口ポート408、ガス流出口ポート410、ポート412、ガス流れバイパス出口ポート414を含んでいる。次に、図12を参照すると、一般に、ガスクリーナフィルタ配置構成400は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と第2ステージフィルタ媒体418を含んでいる。図示された配置構成での使用中に、ポート412は、液体流出ポートまたは液体排出口412として作用する。図示された配置構成において、ガス流れに混入した液体は、ガス流入口ポート408を通過し、次に、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通過するように方向づけられる。液相の部分は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって合体し、ガス状の流れから除去されるであろう。オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416内で合体された液体は、液体流出ポート412を通ってハウジング402から排出される。媒体構成物418は、更に、液体粒子の合体/排出がガス流れから少なくとも固体粒子の一部を除去し、次に、清浄にされたガス流れがハウジング402からガス流出口ポート410を通過して外に向けることを規定する。
【0094】
図5で図示された実施例のように、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と媒体418は、フィルタ配置構成またはフィルタエレメント420(図13〜15)を形成するただ一つのまとまった構造物である。通常のデザインでは、フィルタエレメント420は、ハウジング402から取り外し可能で取替え可能である。図5の実施例のように、「1つにまとまった(unitary)」は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と第2のステージ媒体418とはエレメント420の一部を破壊せずには分離することができないことを意味する。通常の実施例において、第1および第2端部キャップ444、445は1つにまとまった構造物の一部である。
【0095】
また図10と図12を参照すると、図示された基体アセンブリ404は、入口部管構造物422、弁ハウジング424、キャニスター部分426、および出口部管構造物428を有する。図示された実施例において、入口部管構造物422、弁ハウジング424、キャニスター部分426、および出口部管構造物428のそれぞれは基体405の一部を含む。ふた407とともに、基体405とふた407は基体アセンブリ404の一部である。図示された実施例では、ふた407はボルト配置構成409のような選択的に取り外し可能な機械的な係合で基体405に固定されている。ボルト配置構成409は調整弁アセンブリ496への選択的なアクセスを提供する。
【0096】
フィルタエレメント420は、ハウジング402中に取り外し可能で搭載可能に構成されて配置されている。すなわち、フィルタエレメント420とハウジング402は、ハウジング402がフィルタエレメント420にアクセスするために選択的に開くことができるように設計されている。フィルタエレメント420は、ハウジング402の内部403内に選択的に搭載可能かつ取り外し可能なように設計されている。フィルタエレメント420が図12に図示されているようにシール(以下で説明する)のすべてが適所にある状態で配置されているとき、フィルタエレメント420はハウジング402中に操作可能に設置されると考えられる。
【0097】
上記説明したように、ハウジング402は、フィルタエレメント420にアクセスするために選択的に操作可能となるように設計されている。図示された特別な実施例において、カバー部材406はラッチ配置構成429を通して基体405に固定される。ラッチ配置構成429が固定状態にあるとき、ラッチ配置構成429は好ましくは、カバー部材406をしっかりきつく基体405に保持する。図示された実施例において、ラッチ配置構成429は少なくとも2つのラッチ433、本実施例においては第1と第2ワイヤラッチ433を含む。
【0098】
図12を参照すると、基体405とカバー部材406がシール配置構成421を含むことが注目される。特に、カバー406が、その間で受け入れスロット417を定める1組の相対するフランジ413、415を含むことが注目される。基体405はスロット417を適合するフランジ411を含んでいる。通常のそのような実施例はまた、スロット417中に配置されたO−リングシール部材419を含んでいる。
【0099】
図15は、フィルタエレメント420が設置されない状態、すなわち、フィルタエレメント420がハウジング402中に取り付けられないときのフィルタエレメント420を図示している。図13はフィルタエレメント420の端面図を示しており、図14は、フィルタエレメント420の反対の端面図を示している。一般に、フィルタエレメント420はフィルタ媒体の領域431,432を含んでいる。図に示されたフィルタエレメント420において、フィルタ媒体431は、管状の開いているフィルタ内部436を定める管状の延長部434を含んでいる。ある構成物において、媒体の管状延長部434は、管状(代替物は可能であるが、例えば、円形)の断面を定める筒状の形状を一般にもつように構成されている。媒体431の領域は多くのタイプの媒体438であり得る。しかしながら、好ましくは、VI章に記載されているようなひだ付きでない媒体を含んでいる。媒体431の領域は、フィルタ配置構成400に設置されると、好ましくは、ガス流れがハウジング402を出る前に、液体粒子の選択された合体/排出と固体粒子の選択された除去を提供するように作用する。
【0100】
図示された実施例において、媒体438は第1端部440と対向する第2端部441を有する。媒体438の長さは、通常の実施例において、第1端部440と第2端部441の間に延びている。図示されたフィルタエレメント420において、第1端部キャップ配置構成442が第1端部440に置かれる。特に図示された実施例において、第1端部にキャップ配置構成442は、端部キャップ444と、その中に成形で作られた、オプションの堅くて予備成形された挿入部品446とを含んでいる。そのような構成物において、第1端部キャップ配置構成442は1つのまとまった構造であり得る。以下でさらに説明されるように、予備成形された挿入部品446は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を操作可能なアセンブリに保持しているフレーム構造物450を含んでいる。
【0101】
更に、図15を参照すると、第2端部キャップ配置構成443が媒体438の第2端部441に置かれている。第2端部キャップ配置構成443は少なくとも第2端部キャップ445を含んでいる。
【0102】
上記記載したように、フィルタエレメント420は、少なくとも媒体の第2領域431および第2領域432を含んでいる。その配置構成において、媒体431の第2領域はひだ付き媒体であり得るし、および/またはそれが巻き付けられたまたは成形された媒体であり得る。好ましくは、以下のVI章で記載されるような媒体である。媒体432のオプションの第1領域は、ガス流れが開いたフィルタ内部436と連通するように媒体431の第2の領域の管状の延長部434を横切ぎる延長部に配置されている。「管状の延長部を横切る延長部に配向されている」のフレーズによって、媒体432のオプションの第1領域はそれ自体が管状の延長部を形成するために媒体431の第2領域と放射状に重ならないことを意味する。むしろ、媒体432のオプションの第1領域は、端部キャップ開口445を横切って延びて覆う。媒体432のオプションの第1領域は、それ自身が端部キャップ444内に埋め込まれているかあるいは端部キャップ444から端部キャップ445に向かう方向に離れて隣接して配置される。媒体432のオプションの第1領域は単一平面中に含まれる必要はないが、通常の実施例では、媒体432のオプションの第1領域は、管状でない、筒状でない、一般に、パネル構造物448である。「パネル構造物」によって、媒体432の第1領域は、ガス流れが一般にまっすぐに通過する経路を維持することを可能にすることが意味される。すなわち、ガス流れは、上流面452から川下面454まで流れるときに、ガス流れが角を曲がる必要はない。
【0103】
いくつかの実施例において、図15Aを参照すると、媒体432のオプションの第1領域もまた第1ステージのコアレッサ・フィルタ416に対応している。通常の実施例において、媒体432のオプションの第1領域は繊維状媒体456を含んでおり、繊維状媒体456はVI章に記載されているような好ましい媒体を含むことができる。ある実施例において、媒体456は少なくとも1つの層を含み、通常は、不織でひだ付きでない開いていない管状の合体する深さ媒体459の繊維状バンドルの複数の層458を含んでいる。図12と図15で示される実施例において、繊維状深さ媒体459の2つの層461、462がある。繊維状媒体456のために使用可能な材料は、図5の媒体224と関連して上記に説明された。
【0104】
図13に注意を向けると、第1端部キャップ444が平面図で示されている。いくつかの実施例では、端部キャップ444は成形された高分子材料のリング466を含んでいる。リング466は、図示された実施例において、リング466で中心に置かれる中央開口468を定める。言い換えれば、中央開口468は、リング466の対称中心と同じ対称中心を有する。図示された特別の実施例において、中央開口468は円形である。中央開口468はガス流れの入口開口として機能する。図示された中央開口468は、第1ステージのコアレッサ・フィルタ416の流れ通路423と一直線に(重なってまたは同軸上に)並んでいる。
【0105】
端部キャップ444は軸部分470と輪状または半径方向部分472を含んでいる。中央開口468は開いているフィルタ内部436とガス流れを連通させる。端部キャップ444の軸部分470は少なくとも1つの連続する突起物474を含んでいる。いくつかの実施例では、連続する突起物474は、フィルタエレメント420がハウジング内部403中に操作可能に設置されるときハウジング402で2次シール476(図12)を形成するのを助ける。図13に示す特別の実施例において、連続する突起物474は円形リング478を形成する。
【0106】
端部キャップ444の半径方向部分472は輪状のシール部分480を形成する。フィルタエレメント420がハウジング402中に操作可能に組み立てられるとき、輪状のシール部分480はシール部材482を形成する。図13の実施例において、シール部材482は、中央開口468を外接させるようにリング466の内側の輪状表面に沿って形成されている。
【0107】
フィルタエレメント420がハウジング402中に操作可能に設置されるとき、シール部材482はハウジング402でシール484(この場合は半径方向シール)を形成する。特に、図12で図示された配置構成において、ハウジング402の基体405は内部の管486を含んでいる。管486は、外接して、ガス流れ開口490を定める固い壁488を含んでいる。図12に図示されているように組み立てられると、壁488は、端部キャップ444の開口468を通過して開いているフィルタ内部436中に延びるように設計されているシール部分492を有する。また、壁488は、ある例では、弁アセンブリ496と相互作用するような端部部分494を有する。弁アセンブリ496、その動作、および壁488とのその相互作用について以下に詳細に議論される。
【0108】
図12において、半径方向シール484が管486のシール部分492に対して形成されるのが理解され得る。いくつかの実施例では、半径方向シール484は、端部キャップ444中に埋め込まれた予備成形された挿入部品446と管486のシール部分492の間(between and against)の第1端部キャップ材料を圧縮することによって形成される。この文脈において、「間」によって、第1端部キャップ444の材料は、管486のシール部分492と予備成形された挿入部品446の間の距離を横切って延びて、部分492と挿入部品446の剛性により、1次元で圧縮されることを意味する。
【0109】
ここで、図15Aを参照すると、特に図示された輪状のシール部分480は、ステップ状構造物498を含んでいる、但し、代替物は可能であが。ステップ状構造物498は、ハウジング402のシール部分492と端部キャップ配置構成442とシール部分の間の半径方向シール484の挿入と形成を助ける。図示された実施例において、ステップ状構造物498は、端部キャップ444の軸部分470から繊維状媒体456の上流面452まで延びている複数の直径が減少する領域を含んでいる。図15Aにおいて、ステップ状構造物498は、最大直径501の第1領域を含んでおり、第1領域より小さい直径の第2領域に隣接し、第2領域の直径より小さい直径の第3領域に隣接し、第3領域の直径より小さい直径の第4領域に隣接している。直径が減少していくステップ状構造物498は、ハウジング402へのフィルタエレメント420の挿入と半径方向シール484の形成を助けるシール部分480を結果として形成する。
【0110】
例えば、端部キャップ444のシール部分480は、ハウジング402の管486のシール部分492に対してシール部分480の半径方向の圧縮を有する圧縮性材料から作られる。いくつかの実施例では、端部キャップ444は、成形時の密度が約10〜22ポンド/立方フィートである、柔らかいポリウレタンフォームを含む。1つの使用可能な材料は、上記記載されたシール部分410と連結するものであり、別の使用可能な材料は、以下でさらに説明される。
【0111】
再び図12を参照すると、図示されたフィルタ配置構成400は、オプションの媒体432の第1領域から液体流出口412に向かって、合体した液体などの液体を方向づけるために配向された流れ構造物配置構成510を含んでいる。一般に、流れ構造物配置構成510は、不浸透性で、連続して、とぎれない壁514によって形成された管512を含んでおり、壁514は、開いた流体通路516を取り囲んで定めている。ある実施例では、管512は、第1ステージのコアレッサ・フィルタ416の下流側表面454から第2の端部キャップ445に向かう方向に少なくとも部分的に延びている。いくつかの実施例において、管512は下流表面454と第2端部445の間の完全な距離で延びている。図示された特別の配置構成において、管512は、第2の端部キャップ445に隣接する壁514の端521で、開口520、好ましくは流体出口開口523を形成する。この様に、この特別の配置構成において、第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって合体される液体は、管512の内部517に沿って集まって、液体流出ポート412まで重力によって滴ることが可能となる。代替の排液配置構成もまた使用可能である。図示された実施例において、全体の壁514は穴の開いていない部分513を含んでいるが、他の実施例では、壁514の部分だけが穴が開いていない。
【0112】
図8の実施例において、流れ構造物配置構成284は、一般に、まっすぐであり曲がっていないものとして図面に図示されている。図12と図15の実施例において、流れ構造物配置構成510は、傾斜状のまたは先細り(taped)の壁514を持つ円錐部515として図示されている。ある構造物では、壁514のテーパの角度はエレメント420の全長によって調整される。すなわち、いくつかの構造物では、中央開口468のサイズは一般に固定されている。媒体438の長さが大きくなるに従って、全体のエレメント420の長さは大きくり、壁514の角度またはテーパーは減少する。ある配置構成では、テーパーの角度は、長手方向軸518(図15)からエレメント420の対称中心まで測定されるように、端部519(コアレッサ・フィルタ416に隣接する)から端部531まで少なくとも1°で延びている。いくつかの配置構成では、テーパの角度は、2〜15°であり、通常は45°未満であり得る。壁514のテーパまたは角度は、流体出口開口520の方向に合体した液体を向けて最終的に液体流出ポート412通過するのを助ける。
【0113】
第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通り抜けた後に、ガスは流体通路516を通過し、出口開口520を通過して外に出て、次に、ガス流れプレナム522中に流れる。ガス流れプレナム522は、管512の壁514と媒体438の間で形成される。壁514のテーパは、第2端部キャップ445に隣接する体積524と、体積524より小さい第1端部キャップ444に隣接する体積526の間で角度を付けさせる原因となる。
【0114】
ここで図14を参照すると、図示された第2端部キャップ445は中央開口507を定めるリング507を含んでいる。開口507は、図12に図示された特別のシステムにおい、てオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって集められた液体の流路がフィルタエレメント420を出るのを可能にする。端部キャップ445はハウジング402でシール509(図12)を形成するためのシール配置構成508を支持する。図12に図示された実施例において、図示された特別なシール509は、フィルタエレメント420とカバー部材406の内側のシール表面531の間で形成された軸方向シール530である。いくつかの実施例において、シール配置構成508は、第2端部キャップ445の一般に平らで平面部分536から軸方向に延びているまたは突き出ている突起物534を含んでいる。ある実施例では、突起物534は連続したリング538を形成する。いくつかの構造物は、一つのまとまった成形された構造物540として端部キャップ445と突起物534とを含んでいる。いくつかの実施例では、端部キャップ構造物540は高分子材料、好ましくは、ポリウレタンなどの圧縮性の高分子材料から作られている。いくつかの実施例では、第2の端部キャップ445は、第1端部キャップ444と同じ材料から作られている。軸方向シール530は、入口ポート408からのガスが第1ステージのコアレッサ・フィルタ416とフィルタ媒体418の第2ステージ構造物を迂回するのを防ぐのを助ける。また、軸方向シール530は、油などの液体のしみだしが第2ステージフィルタ媒体418の下流側に通過するのを防ぐのもまた助ける。
【0115】
上記説明したように、第1端部キャップ構成442は予備成形された挿入部品446を含む。図12と図15で図示された実施例において、予備成形された挿入部品446は繊維状媒体456を保持して閉じこめるフレーム構造物450を含んでいる。ここで、さらにフレーム構造物450について説明する。図15を参照すると、図示された特別のフレーム構造物450はマルチ−ピース構造物546である。図15Aに示される実施例において、マルチーピース構造物546は少なくとも第1フレームピース550と第2フレームピースが552を含んでいる。第1フレームピース550は繊維状媒体456の上流の流れ表面452を覆う支持体グリッド554を含んでいる。ある実施例において、支持体グリッド554は、多孔質であり、液体が混入したガスを含むガスがコアレッサ媒体456を横切って通過して流れるのを可能にする、メッシュ・スクリーン555(図13)である。また、スクリーン555は繊維状媒体456に構造的な支持体を提供する。
【0116】
同様に、第2フレームピース552は繊維状媒体456の下流側の流れ表面454を支持して覆う支持体グリッド556を含んでいる。図示された支持体グリッド556は、多孔質のメッシュスクリーン557(図14)を含み、繊維状媒体456に構造的な支持体を提供し、ガスと合体した液体が流れ構造物配置構成510の流体流路516に入って通過することを可能にする。
【0117】
図示された配置構成において、第1フレームピース550と第2フレームピースは、繊維状媒体456を保持するまたは閉じこめるハウジング562を形成するために、スクリーン555とスクリーン557の間の保持ポケット560を形成するために互いに隣接して配置されている。いくつかの実施例において、第1フレームピース550と第2フレームピースとは、スナップ係合のようなインターロック構造などで機械的に係合している。
【0118】
いくつかの実施例において、フレーム構造物450を形成する予備成形された挿入部品446は、リング568の内側の環状領域566に沿って高分子の端部キャップ444中に成形されて埋め込まれている。リング568は、図12と図15に図示された実施例において、第2フレームピース552と統合されて同じピースとなっている。一般に、リング568は、突起物またはスクリーン555から媒体438の第1軸方向端部440まで延びている、取り囲む壁570を含んでいる。図15Aで理解されるように、壁570はシール部分480中の端部キャップ材料の圧縮に対する堅いバックネットを形成する。すなわち、好ましい構造物において、半径方向のシール484は、バックネット572と壁488のシール部分492の間に、シール部分480の圧縮によって形成される。
【0119】
図12、図15、図15Aをレビューすることによって理解されるように、いくつかの実施例は第2フレームピース552の統合された1つにまとまった部分として流れ構造物配置構成510の管512を含んでいる。このように、図12と15に図示された実施例において、図示された特別の第2フレームピースは、バックネット472を形成する端部440から、媒体438の長さに沿って出口開口520を形成する端部521まで延びている。
【0120】
さらに、図12と15を参照すると、いくつかのフレーム構造物は支持リングまたはフレーム574を含んでいる。支持体フレーム574は、フレーム構造物450を中心に置いて、開いているフィルタ内部436の中に均等にフレーム構造物450を保持するのを助ける。支持体フレーム574は、管512と媒体438の内側の周辺576の間で構造的な硬さを提供するさまざまな配置構成と構造物とであるかもしれない。図12、図14、および図15に図示された特別の実施例において、支持体フレーム574はリング構造物578を含んでいる。図示されたリング構造物578は、端部521に隣接する壁514に、スナップ係合582によってなどで機械的に係合している。図示されたリング構造物578は少なくとも壁514と係合する内側リング584と、フィルター媒体418の第2ステージ管状構成物の内部の周囲576に接触しているまたは隣接している外側リング586と、を含んでいる。内側リング584と外側リング586は複数のスポークまたはリブ590によって分割された、複数のガス流れ開口588をその中に定める。リブ590はリング構造物578を構造的に支持して完全にする。ガス流れ開口588は、ガスの流路が第1ステージのコアレッサ・フィルタ416から第2のステージフィルタ媒体418まで可能にする。すなわち、ガス流れが第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通過し、流体通路516を通過した後で、ガス流れが流体出口開口520を通過し、壁514の端521の周りの角(約180°)を曲がって、複数の開口588を通過してガス流れプレナム522まで流れる。そこから、ガスは媒体434の管状の延長部を通過して流れる。
【0121】
また、ある実施例において、フィルタエレメント420はライナー594のような外側の支持体592を含む。いくつかの配置構成において、支持体592は、第1と第2の端部キャップ444、445の間に延びて、媒体438に支持体を提供するまたは保持するのを助ける。いくつかの実施例では、ライナー594は拡張金網(expanded metal)を含んでいる。ある配置構成では、ライナー594は、フィルタエレメント420の他の部分と同様に、非金属であり得る(少なくとも98%が非金属であり好ましくは100%が非金属の材料)。いくつかの実施例では、ライナー594の代わりに、媒体438は支持体バンドまたはロービングを含む。さらに他の配置構成において、媒体に十分な構造的な信頼性がある場合には、媒体(内側の、および/または、外側の)の支持を避けることができる。
【0122】
上記説明したように、好ましいフィルタ配置構成400は弁アセンブリ496を含んでいる。図12に図示された実施例において、弁アセンブリ496は調整弁機能とバイパス弁機能の両方を提供する。最初に、調整弁機能について説明する。弁ハウジング424は開いている内部603を定める外側の周囲の壁601を含み、そこでは、エンジン・クランク室から入口408まで流れる、処理されるべきガスは、フィルタエレメント420に入る前に、流れて集まることが可能となる。図示された弁アセンブリ496において、ダイヤフラム602とスプリング605などのバイアス機構がある。ある実施例では、ダイヤフラム602は一般に丸く、シェルフ(棚)608によって保持されるかシェルフ608上に載っている。シェルフ608はふた407と弁ハウジング424の間で支持されている。図示された実施例において、ダイヤフラム602と管486の端部部分494の間にギャップ610があることが注目される。ギャップ610はガス流れが弁ハウジング424の内部603から管486のガス流れ開口490中に流れることを可能とする。作動の間、スプリング605とダイヤフラム602は管486中で流れを調整する。
【0123】
また、弁構造物496はバイパス弁機能を含んでいる。フィルタエレメント420中の媒体が閉塞されて、制限が容認できないほど高いレベルまで増加すると、弁ハウジング424の内部603内の圧力が増加する。これはダイヤフラム602に対しておよびスプリング604に対して圧力を印加し、ガスがふたによって定められる内部の体積612に流れ込むことを可能にする。そして、ガスはガス流れの迂回出口ポート414(図10)を通って流れる。
【0124】
実施例の作動と点検
作動において、図示されたフィルタ配置構成400は以下の通り作動する。エンジン・クランク室からの吹き抜けガスは、ガス流入口ポート408を通って入ってくる。ガスは弁ハウジング424の内部603を通過する。弁アセンブリ496は、ガスの流路を可能にし、ガス流れ開口490を可能にする。そこから、ガスは第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通り抜ける。
【0125】
ガス流れは上流側面452を通過し、オプションの繊維状媒体456を通過し、下流側表面454を通って外に出る。オプションの繊維状媒体456はガス流れの残りから液体の一部を分離する。媒体456から集められた液体は、媒体456から流れる、図示された実施例において、液流出ポート412に直接滴るまたは流れ構造物配置構成510の壁514に沿って排出される。液体流出口ポート412を通過した後で、液体は、しばしば油であるが、再利用のためにクランク室に戻される。
【0126】
オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって合体され、排液されなかった液体粒子を含むガス流れは、流体流路516を通過し、出口開口520を通過し、壁514(約180度の回転を作る)の端部521を通り、ガス流れプレナム522の中へ流れる。ガス流れプレナム522からガスはフィルタ媒体418を通過して流れるが、フィルタ媒体418は追加の液体粒子を選択的に合体して/排液することにより選択的に除去し、また、ガス流れから固体粒子を選択的に除去する。ガス流れは半径方向シール484と軸方向シール530、476により第2のステージ媒体418をバイパスすることが防止される。そして、清浄にされたガスは、第2ステージのフィルタ媒体418からガス流出ポート410を通って外の川流に流れる。そこから、ガスはエンジンのターボに向けられる。
【0127】
フィルタ配置構成400は以下のように点検修理する。カバー部材406を基体アセンブリ404からラッチ433をはずすことによって取り外す。カバー部材406が基体アセンブリ404から取り外されると、軸方向シール530が開放される。フィルタエレメント420は、基体405から外に突出して露出する。次に、基体405からフィルタエレメント420をつかんで引きだすことができる。これは半径のシール484を開放する。フィルタエレメント420の取り外しでは、もちろん、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と媒体構造物418との両方を取り外す。全体のフィルタエレメント420を配置することができる。多くの実施例において、フィルタエレメント420は、フィルタエレメント420が焼却可能なように、少なくとも99%が非金属材料で構成されている。
【0128】
次に、第2の新しいフィルタエレメント420を設置する。新しいフィルタエレメント420は、取り外されたカバー部材406によって露出した開口からエレメント420を通すことによってハウジング402中に設置する。端部キャップ444の中央開口468を入口管486の周りに配向し、半径方向シール484が適所にくるまで基体405に対して横に滑らせる。このことは、突起物474を基体内部405を軸方向に隣接させて軸方向シール476を形成するときもしばしば行われる。
【0129】
カバー406はフィルタエレメント420の露出した端部上に配置する。ラッチ433は、カバー部材406を基体405に操作可能に固定するために係合する。また、これはエレメント420に対して軸方向にカバー406を圧縮して軸方向シール530が形成される。
IV.図16〜21の実施例
予備形成された挿入部品の代替の実施例は、図16〜20において一般に650で示されている。挿入部品650は挿入部品446に代わってフィルタエレメント420中で使用可能である。挿入部品650はそれ自身に便利な製造技術を賦与する。
【0130】
図示された挿入部品650はフレーム構造物652、流れ構造物配置構成654、支持体リングまたはフレーム656を含んでいる。これらの部品は、図15で記載したフレーム構造物450、流れ構造物配置構成510、支持体フレーム574に類似的に機能する。
【0131】
流れ構造物配置構成654は、開いている流体流路664を取り囲んで定めるとぎれない壁662によって形成された管660を含んでいる。壁662は不浸透性の壁部分663を含んでいる。図示された実施例において、全体の壁662は、不浸透性の壁部分663を含んでいる。他の実施例では、壁662は流体を透過性する部分を含むことができる。壁662は、合体した液体が液体出口ポートまで滑って滴るのを可能にする内面666を有する。壁662は管660の端部670で、出口開口668を定める。多くの応用では、出口開口668は、ガスと液体の両方がそれを通過して出ることを可能にする。例えば、好ましい応用では、出口開口668は、集められた液体が管660を出て、適切な液体出口ポートの中へ流れるのを可能にする。
【0132】
図12と図15の実施例のように、いくつかの配置構成において、壁662は円錐部667であり、壁662の入口端部672から出口端部670まで傾斜となっているかテーパになっている。すなわち、そのような実施例では、管660は円形断面を有し、入口端部663の直径は出口端部670の直径より大きい。いくつかの配置構成では、入口端部672の直径は、端部670の直径よりも少なくとも0.5%大きく25%未満であり、通常は1〜10%大きい。
【0133】
更に、図16と図18を参照すると、図示されたフレーム構造物652は、オプションの合体媒体675を保持して、閉じこめるために提供される。この特別の実施例において、フレーム構造物652は上記説明したフレーム構造物450と異なっている。この特別の実施例において、第1フレームピース681と第2フレームピース682がある。第1フレームピースは、内側の体積685(図19)を定める、壁または外側の輪状縁684を有する。例えば、多孔質なメッシュ・スクリーン688の形態である支持体グリッド686は、第1フレームピース681の片端を横切って軸方向に広がりって壁684と一体化している。スクリーン688は、オプションの媒体675に構造的な支持体を提供し、ガス流れが媒体675に達するのを可能にする。
【0134】
第1フレームピース681はまた、外側縁684に隣接して離れている、内側縁690を含んでいる。内側縁690は、ポリウレタン・端部キャップ材料の流れが媒体675の上流面692をふさぐのを防ぐのを助ける。(実施例の鋳込み技術と内側縁690の機能について以下でさらに説明する。)図16と図17で理解されるように、内側縁690は複数のリブ694で外側縁684に接続している。例えば、内側縁690は、端部キャップ材料(例えば、ポリウレタン)流路691をその間に形成するために外側縁684から5mm未満で離れている。
【0135】
図示された壁または縁684は、組合せもどり止698に係合して受け入れるためにのくぼみ696(図19)を定める。もどり止698は、図示された特別の実施例において第2フレームピース682の一部である。もどり止698、くぼみ696は便利で素早いアセンブリを提供し、第1および第2フレームピース681、682がしっかりとはめられるのを可能にする。もちろん、第1と第2フレームピース681、682の間の機械的な係合は、多くの他の実施例を想定することができる。
【0136】
第2フレームピース682は、開いている体積702を定めて取り囲む輪状の壁700を含んでいる。図示された特別の実施例において、壁700は一般に円形の断面を有し、壁は一定であり(円筒を形成する)、壁662のオプションなテイパーに適合するためにいくらかテーパとなっている。第2フレームピース壁700は第1と第2の対向する端部704、706を含む。図示された実施例において、一般に、端部704は入口端部672に対応する。
【0137】
第2フレームピース682はまた、開いている体積702を広げて壁700と一体化する支持体グリッド708を含む。図示された支持体グリッド708は、スクリーン710を含む。スクリーン710は、合体媒体675に構造的な支持体を提供し、オプションの媒体675の下流面712に係合し保持する。
【0138】
第1と第2フレームピース681、682は、オプションの合体媒体675を保持し、固定して、閉じ込めるために内部体積または保持ポケット714を形成する。使用されると、媒体675は、支持体グリッド686が上流面692と係合し、支持体グリッド708が下流面712と係合するように、通常、ポケット714中に機械的に圧縮される。上記説明したように、壁700はくぼみ696と係合するまたはしっかりはめるために体積702中に内部に突き出ているまたは延びている複数の突起物またはもどり止678を含んでいる。
【0139】
第2フレームピース682はまた、管660の壁662に確実に取り付けるために機械的な係合構造を含む。特に、第2フレームピースと管660はまたもどり止/くぼみ係合718のような機械的な係合構造を含んでいる。図19に図示された特別の方法において、壁700は内部体積702中に延びるまたは突き出ている第2の複数の突起物720を含んでおり、一方、壁662はもどり止または突起物を受け取るための大きさのくぼみ722を有する。この様に、第2フレームピース682は管660に容易にしっかりはまって連結する。
【0140】
また、図16と18を参照すると、そのようなフレーム構造物652は支持体リングまたはフレーム656をも含むことができる。支持体フレーム656は、上記説明したように支持体フレーム574に類似するものである。それなりに、支持体フレーム656はフレーム構造物652を中心に置いて、開いているフィルタ内部中に均等にフレーム構造物652を保持するのを助ける。図示された実施例において、支持体フレーム656は少なくともインナー・リング728とアウターリング730を含むリング構造物725を含んでいる。インナー・リング728とアウターリングは複数のスポークまたはリブ732によって図示されるように接合している。インナー・リング728とアウターリング730の間では、リング構造物725は複数のガス流れ通路734を定める。
【0141】
次に、図20を参照する。リング構造物725と管660は、便利な製造とアセンブリとを可能にするために構成されて配置されている。特に、リング構造物725と管660は、機械的な係合配置構成736などで一緒に固定するように構成されている。機械的な係合配置構成736は、上記説明したもどり止/くぼみ配置構成に類似している。特に、インナー・リング728は、リング728の内部に半径方向に延びる複数の突起物またはもどり止738を含んでいる。壁662は、突起物738を収容するためにくぼみ740を定める。この方法において、支持体フレーム656は、管660の壁662と構造的に完全な状態で簡単に機械的に係合するかまたは適所にしっかりはめることができる。
【0142】
予備成形された挿入部品660は以下のように組み立てることができる。管660と、リング構造物725と第1および第2フレームピース681、682は、例えば、射出成形技術を通して提供される。オプションの媒体675は2層以上を含んで提供され、図18に図示されたように媒体675は深さ媒体の2つの層742、743である。
【0143】
第2フレームピース682は、管660に対して配置され、第2端部706で壁700によって定められる開口707を管660の壁662(図19)の開口端部663の上に置く。第2フレームピース682と管660は、例えば、突起物720とくぼみ722の機械的係合718によって機械的に一緒に固定される。媒体675の2つの層742、743は、第2フレームピース682のスクリーン710上に配置される。オプションの深さ媒体675を体積またはポケット714内に置いた後、第1フレームピース681が適所に置かれる。特に、外側の縁684は、第1端部704で壁700によって定められた開口端部705を通して挿入され、半径方向に配向される。第1フレームピース681は、第1と第2フレームピース681、682がもどり止698とくぼみ696配置構成を通って機械的な係合で一緒に固定されるまで壁700の内部に沿って第2フレームピースに対して移動する。
【0144】
第1および第2フレームピース681、682は、第2フレームピース682が管660に固定される前に、その間に固定された媒体675のオプションな繊維状バンドルと共に固定することができることが注目される。
【0145】
リング構造物725は、インナー・リング728の内部を通って管の端部670に滑らせて、機械的な係合配置構成736を通してこれらのピースを一緒にしっかりはめることによって、管660に固定される。もちろん、リング725と管660は、組み立てプロセスの間の任意の時点で一緒に固定することができる。
【0146】
いくつかの配置構成において、組み立てられた予備形成された挿入部品650は、例えば、以下でさらに説明する鋳込み技術を用いてフィルタエレメント420の残りの部分に固定することができる。
【0147】
図21において、その中に設置された挿入部品650を有するフィルタエレメント800の断面が示されている。フィルタエレメント800は、挿入部品650を除いて、フィルタエレメント420と同一に構成されているのが理解されるであろう。エレメント800はそれ自体にオプションの第1ステージ・コアレッサフィルタ媒体844、フィルタ媒体構造物846、第1端部キャップ856、および対向する第2の端部キャップ858を含んでいる。エレメント800が挿入部品構造物650を含んでいるので、エレメント800は、上記説明した管660、媒体675、第1フレームピース681、第2フレームピース682、リング構造物725、および深さ媒体742,743の2層を含んでいる。
【0148】
また、フィルタエレメント420に関して上記説明したように、端部キャップ856は、例えば、入口管の部分の半径方向のシールのようなシールを形成する内側の輪状のシール部分864を含んでいる。端部キャップ858は、また、図15の端部キャップ445に類似して構成されており、例えば、点検カバーを有する軸方向シールのようなシールを形成する突起物870を含んでいる。媒体構造物846は、端部キャップ856、858の間で延びている、形成された媒体(formed media)、ひだ付き媒体または他の媒体などの媒体878を含んでいる。媒体878は開いた管状の内部879を定める。媒体878は好ましくは、VI章で特徴付けられるようなものである。
V.成形技術
ここで、本明細書に記載されたフィルタエレメントを製造するのに使用可能な例示の鋳込み技術を示す図22と23を参照する。多くの配置構成において、挿入部品構造物(予備成形された挿入部品446と予備成形された挿入部品650)は、使用時に、上記説明された技術の基づいて、前もって組み立てられる。図22と図23に図示された予備成形された挿入部品は、一般に900で図示される。予備成形された挿入部品900はオプションのコアレッサ媒体904を保持するためのフレーム構造物902を含んでいる。予備成形された挿入部品900は管またはテーパ状の壁906およびリング構造物908もまた含んでいる。
【0149】
媒体910などの媒体ステージ909は、この場合、予備成形している挿入部品900の周囲で管状形態に成形されて提供される。挿入部品900を有する媒体910は型912の上に配置される。型912がプラットホームまたはマウント914を含んでいることが注目される。フレーム構造物902はマウント914に載っている。端部キャップを形成するためのポリウレタンフォームなどの溶融材料は、型912の体積916中に注ぎ込まれる。溶融した端部キャップ材料915は型912のネガ形状で成形される。端部キャップ材料915は硬化すると立ち上がり、図17に図示された配置構成において、例えば、縁690と外側の縁684の間の領域691を通過することが可能である。これは、端部キャップ材料915がオプションのコアレッサ媒体904を固定し、結果として端部キャップ918が得られる。次にまた、媒体910の端部は端部キャップ材料915中に鋳込まれるまたは成形されることによって結果として端部キャップ918に固定される。また、図22で図示されるように、フレーム構造物902のバックネット920もまた端部キャップ918中に鋳込まれる。所望であれば、外側のライナー922は、第2ステージ媒体の外側の周辺に置かれて端部キャップ材料915で鋳込まれる。
【0150】
端部キャップ918が成形された後に、アセンブリ924は、逆にされて型926中に置かれる。ポリウレタンフォームなどの端部キャップ材料928は体積930中に載せられる。端部キャップ材料928が硬化すると、媒体910の両端部は端部キャップ材料928の適所に鋳込まれて固定されて、端部キャップ932中に埋め込まれるという結果となる。リング構造物908が型926と型926に隣接する型プラグ934から離れた位置に配置され、リング構造物908が端部キャップ材料928でふさがれないことが注目される。
VI.一般的な媒体の調合と形成
本明細書に特徴付けられたタイプの好ましいクランク室の換気フィルタは、湿式法で作製した媒体を含む少なくとも1つの媒体ステージを含んでいる。湿式法で作製した媒体(wet laid media)は、湿式法で作製するプロセス(wet laid process)を使用するシート形態で形成され、そして次に、フィルターカートリッジ上/中に配置される。通常、湿式法で作製した媒体シート(wet laid media sheet)は、通常、例えば、管状形態中の複数の層中で、点検可能なカートリッジ中で、積層された、覆われた、または巻きつかれた、媒体ステージとして少なくとも使用される。使用中に、点検可能なカートリッジは、排出を容易にするために垂直に配向された媒体ステージとともに配置されるであろう。例えば、媒体が管状形態であるならば、媒体は通常、一般に垂直に延びている中央の長手軸に向きを合わせられる。
【0151】
示されたように、複数のラッピングまたは巻き付けにより得られる複数の層を使用することができる。第1タイプの湿式法で作製した媒体(wet laid media)の一個以上の層を適用し、次に、異なる第2タイプの媒体(通常は湿式法で作製した媒体)の一個以上の層を適用することによって、勾配を媒体ステージ中に提供することができる。通常、勾配が提供されるとき、勾配は効率が異なるために選択された2つの媒体タイプの使用を含んでいる。この点について以下でさらに議論する。
【0152】
本明細書では、媒体ステージを形成するのに使用される媒体シートの定義と総合的な媒体ステージ自体の定義とを区別することが重要である。本明細書では、用語「湿式法で作製したシート(wet laid sheet)」、「媒体シート」またはそれの異形は、フィルタ中の総媒体ステージの総合的な定義とは違って、フィルタ中で媒体ステージを形成するために使用するシート材料について言及するときに使用される。これは以下の記載から明らかであろう。
【0153】
第二に、媒体ステージが、主に合体/排出のために、合体/排出と微粒子のろ過の両方のために、あるいは、主に微粒子のろ過のためであることを理解することが重要である。本明細書で主に関心のあるタイプの媒体ステージは、少なくとも合体/排出のために使用されるが、媒体ステージは通常、微粒子除去機能も有するので、媒体ステージは合体/排出と所望の固体微粒子除去の効率の両方を与える総合的な媒体ステージの一部を含むことができる。
【0154】
上記で記載された実施例の配置構成において、オプションの第1ステージと第2ステージは、図示された配置構成中で記載されている。本明細書の記載に基づく湿式法で作製した媒体はどちらのステージ中でも利用することができる。しかしながら、通常の媒体は、図示された配置構成において、管状の媒体ステージを形成するステージ中で利用されるだろう。ある例では、本明細書に基づく材料が使用されるとき、本明細書で図と関連づけて上記オプションの第1ステージとして特徴付けた第1媒体ステージを完全に都合良く用いないようにすることができる。
【0155】
合体/排出のためのCCV(クランク室換気)フィルタ中でステージを形成するために使用される湿式法で作製したシートの媒体組成物は、通常、以下の通りである。
【0156】
1.媒体組成物は、計算された細孔径(X−Y方向)が少なくとも10μm、通常は少なくとも12μmをもつ形態で提供される。細孔径は通常は60μm未満、例えば、12〜50μmであり、通常は15〜45μmである。
【0157】
2.媒体組成物は、DOP%効率(0.3μm粒子に対して10.5fpmで)が3〜18%の範囲内、通常は5〜15%をもつように調整されている。
【0158】
3.媒体組成物は、本明細書で提供される一般的な記載に基づく2成分繊維材料を、シート中のろ過材料の総重量の少なくとも30%、通常は少なくとも40%、しばしば少なくとも45%、通常は45〜70%以内で含んでいる。
【0159】
4.媒体組成物は、少なくとも1μm、例えば、1〜20μm以内の平均最大断面寸法(平均直径は丸い)をもつ2次繊維材料を、シート中の繊維材料の総重量の30〜70%(通常は30〜55%)を含んでいる。ある場合には、平均最大断面寸法は8〜15μmである。平均長さは、通常1〜20mm、しばしば、1〜10mmとして定められる。2次繊維材料は繊維の混合物であり得る。代替物は可能であるが、通常はポリエステルおよび/またはガラス繊維を使用する。
【0160】
5.通常および好ましくは、繊維シート(および結果として得られる媒体ステージ)は2成分繊維中に含まれるバインダー材料以外の追加のバインダーを全く含んでいない。追加の樹脂またはバインダーが存在する場合は、好ましくは、総繊維重量の約7%、より好ましくは総繊維重量の3%未満である。
【0161】
6.通常および好ましくは、湿式法で作製した媒体は、少なくとも20ポンド/3,000平方フィート(9kg/278.7m2)、通常は120ポンド/3,000平方フィート(54.5kg/278.7m2)の坪量まで作られる。普通は、40〜100ポンド/3,000平方フィート(18kg〜45.4kg/278.7m2)範囲内で選択される。
【0162】
7.通常および好ましくは、湿式法で作製した媒体は、フレージャー透過性(フィート/分)が40〜500フィート/分(12〜153m/分)、通常は100フィート/分(30m/分)である。坪量は、約40ポンド/3,000平方フィートから100ポンド/3,000平方フィート(18〜45.4kg/278.7m2)のオーダーであり、通常の透過率は約200〜400フィート/分(60〜120m/分)であり得る。
【0163】
8.0.125psi(8.6ミリバール)のクランク室の換気フィルタ中の上記記載された媒体ステージを形成するために使用される、湿式法で作製する媒体シートの厚さは、通常は少なくとも0.01インチ(0.25mm)、しばしば約0.018インチ〜0.06インチ(0.45〜1.53mm)、通常は0.018〜0.03インチ(0.45〜0.76mm)のオーダである。
【0164】
2成分繊維と他の繊維との混合物を含む、本明細書で提供された一般的な定義に一致する媒体は、図を参照して上記に一般的に記載したクランク室の換気フィルタ中の媒体ステージとして使用することができる。通常および好ましくは、媒体は管状ステージを形成するために利用することができる。この様に使用するとき、代替物は可能であるが、媒体はフィルタ構造の芯の周りに通常は複数の層で、例えば、しばしば少なくとも20層で、通常は20〜70層で巻きつけられる。巻き付けの合計深さは、所望の総合効率に依存するが、通常は約0.25〜2インチ(6〜51mm)であり、普通は0.5〜1.5インチ(12.7〜38.1mm)である。総合効率は、層数と各層の効率に基づいて計算できる。例えば、12%の効率を有する湿式法で作製した媒体の2層を含む媒体ステージに対して0.3μmDOP微粒子の10.5フィート/分(3.2m/分)の効率は、22.6%、すなわち、12%+0.12×88である。
【0165】
このような方法で測定された少なくとも85%、通常は90%以上の総合効率を持つ媒体ステージを提供するために、最終媒体ステージにおいて、十分な複数の媒体シートが使用される。いくつかの例では、95%以上の総合効率を持つことが好ましい。文脈において、用語「最終媒体ステージ(final media stage)」は湿式法で作製した媒体シートを巻き付けまたはコイル状に巻き付けることによって得られるステージを指す。
A.好ましい計算された細孔径
本明細書に関する一般的に関心のあるタイプのクランク室の換気フィルタの多くのタイプは、通常、101〜305mm(4〜12インチ)の範囲内の高さを持つ管状(筒状または他の)の媒体ステージを有する。
【0166】
この媒体は以下の2つの重要な機能を実行する。
【0167】
1.媒体は、ろ過するクランク室換気ガス中に含まれる油粒子の合体と排出とを提供する。
【0168】
2.ガス流れ中の他の微粒子の選択されたろ過を提供する。
【0169】
一般に、細孔径が小さすぎる場合には、
a.媒体の通過(媒体から)下方に重力によって合体した油微粒子を排出することは難しいは遅いので、ガス流れ中に油の再混入の増加がもたらされる。
【0170】
b.媒体を通過するクランク室のガス流れに対して受け入れられないレベルの規制が提供される。
【0171】
一般に、細孔径が大きすぎる場合には、
a.油の微粒子は集まって合体しそうにない。
【0172】
b.媒体パックの許容可能な総合レベルの効率を達成するために、たくさんの数の層、従って媒体の厚さが必要である。
【0173】
クランク室の換気フィルタに対して12〜50μmの範囲内の計算された細孔径が一般的に使用可能であることを見出した。通常の細孔径は15〜45μmの範囲内である。
図面で特徴付けられた設計のための混入した液体を含むガス流れを最初に受け入れる媒体の一部分であって、少なくとも0.25インチ(6.4mm)の深さを通過する管状の媒体構造物の内部表面に隣接する部分は、少なくとも20μmの平均細孔径を有する。これは、この領域において、合体/排出の第1の多くの部分が起こるからである。合体排出がほとんど起こらない外側の層では、固体粒子をより効率的にろ過するために小さい細孔径がいくつかの例で好ましいかもしれない。
【0174】
用語「X−Y細孔径」およびその変形が本明細書で使用される場合、ろ過媒体中の繊維間の理論的な距離について言及することを意味する。X−Yは、媒体の厚さであるZ方向に対する表面方向を示す。計算では、媒体中のすべての繊維が媒体の表面に等間隔で平行に配列されかつ繊維の長さ方向に垂直の断面で見たときに正方形として配列されていると仮定する。X−Y細孔径は正方形の対向角上の繊維表面間の距離である。媒体は様々な直径の繊維で構成されるならば、繊維のd2平均は直径として使用される。d2平均は正方形の直径の平均の平方根である。
【0175】
問題の媒体ステージがクランク室の換気フィルタで7インチ(178mm)未満の総垂直高さを有する場合、好ましい範囲の高い端部で計算された細孔径、通常は30〜50μmを持つことが有効であること、および、フィルターカートリッジが大きな端部の高さで通常7〜12インチ(178〜305mm)の場合、小さい端部での細孔径約15〜30μmがときどき有用であること、が見出された。この理由は、高いろ過ステージは、合体の間に高い液頭を与えるからであり、高い液頭は、排出の間に、合体した液体が小さな細孔を通って重力で下流に流れるように強制することができる。もちろん、より小さいポアはより高い効率とより少ない層とを可能にする。
【0176】
もちろん、同じ媒体ステージがさまざまなフィルタ・サイズでの使用のために構成されている通常の作動において、初期の分離で合体/排出のために使用される湿式法で作製した媒体の少なくとも一部に対して、通常は約30〜50μmの平均細孔径が有用であろう。
B.ソリディティ
ソリディティ(固形分比率 solidity)は、繊維によって占有された媒体の容積分率である。ソリディティは媒体の単位質量あたりの体積によって分割された単位質量あたりの繊維体積の割合である。
【0177】
本明細書に基づく媒体ステージ、特に、図を参照して上記記載されたような配置構成における管状媒体ステージ、で使用するのに好ましい通常の湿式法で作製する材料は、0.125psi(8.6ミリバール)で、10%未満、通常は8%未満、例えば6〜7%のソリディティ(%表示)を有する。
C.厚さ
本明細書基づいて媒体パックを作るために利用される媒体の厚さは、1平方インチの丸い押さえを備えたエームズ#3W(BCA メルローズ マサツセッツ州)などのダイヤル・コンパレータを使用することで通常測定される。合計2オンス(56.7g)の重量が押さえを通して印加される。
【0178】
本明細書に基づいて媒体配置構成を形成するために巻き付けるまたは積層するために使用可能な通常の湿式法で作製した媒体シートは、0.125psi(8.6ミリバール)で少なくとも0.01インチ(0.25mm)、再度の0.125psi(8.6ミリバール)で約0.06インチ(1.53mm)までの厚さを持つ。通常、厚さは同様の条件で0.018〜0.03インチ(0.44〜0.76mm)である。
【0179】
圧縮性は、ダイヤル・コンパレータを使用して得られる2つの厚さの測定値の比較であり、圧縮性は2オンス(56.7g)から9オンス(255.2g)までの全重量(0.125psi〜0.563psiまたは8.6ミリバール〜38.8ミリバール)における相対的な厚さの損失である。本明細書に基づいて巻き付けで使用可能な通常の湿式法で作製した媒体(約40ポンド/3,000平方フィート(18kg/278.7m2)は、20%未満、通常は12〜16%の圧縮性(0.125psiから0.563psiまでの、または8.6ミリバールから38.8ミリバールまでの%変化)を示す。
D.10.5フィート/分(3.2m/分)で0.3μm粒子に対する好ましいDOP効率
述べられた好ましい効率は、クランク室の換気フィルタを形成するために使用される湿式法で作製した媒体の層またはシートに対して好ましい。この要件は、多くの湿式法で作製した媒体の層が、通常少なくとも85%、またはしばしば90%以上、ある場合には95%以上の媒体ステージに対して総合的に好ましい効率を発生するために通常要求されることを示している。
【0180】
かなり低い効率を特定の層に提供する理由は、その効率が合体、排出、および総合的な機能を容易にするからである。
【0181】
一般に、DOP効率は、0.3μmのDOP粒子(ジオクチルフタレート)が10fpmで媒体にチャレンジするときの分別効率である。この特性を評価するために、TSIモデル3160ベンチ(TSIインコーポレイテッド、セントポール、ミネソタ州)を使用することができる。媒体にチャレンジする前に、DOPの分散されたモデル粒子は、大きさで分けられて中性にされる。
E.湿式法で作製した媒体の物理的性質
通常の湿式法で製造したエアーフィルタ媒体は、バインダーを追加して利用することにより強度を達成する。しかしながら、このことは効率と透過性を含み、ソリディティ(固形分比率)を増加させる。したがって上記示したように、本明細書の好ましい定義に基づいて湿式法で作製した媒体シートと媒体ステージは、通常はバインダーを全く含んでいないか、またはバインダーを含む場合は全繊維重量の7%未満、通常は全繊維重量の3%未満のレベルで含む。
【0182】
4つの強度特性、すなわち剛性(stiffness)、引張(tensile)、折りたたみ後の圧縮および引張りに対する耐性(resistance to compression and tensile)は、一般に媒体の格付を定める。一般に、2成分繊維を利用して高分子結合剤を使用しないと、特定のあるいは類似の圧縮耐性と、良好な引張耐性と、折りたたみ後の良好な引張耐性と低い剛性に導く。折りたたみ後の引張強度は、多くのクランク室の換気フィルタ中で使用されるタイプのフィルターカートリッジの媒体の取り扱いおよび調整のために重要である。
【0183】
縦方向(machine direction)の引張は、縦方向(MD)で評価される媒体の薄い細長い片の破壊強さである。言及した事項はTappi494に記載されている。折りたたみ後の縦方向の引張は、縦方向に対して試料を180度で折りたたみ後に行う。引張は以下のようにテスト条件の関数である:試料幅1インチ(25.4mm)、試料長さ4インチギャップ(101.6mm)、折り目:1インチ(25.4mm)幅の試料を0.125インチ(3.2mm)直径のロッドの上で180度折りたたみ、ロッドを取り除いて、5分間、試料上に10ポンド(4.54kg)の重みを加える。引張を引張速度2インチ/分(50.8mm/分)で評価する。
F.媒体組成物
1.2成分繊維の構成成分
上記説明したように、媒体の繊維組成物は30〜70重量%の2成分繊維材料を含むことが好ましい。媒体中で2成分繊維を使用する主要な利点は、比較的低いソリディティを維持しながら繊維サイズを有効に利用するためである。これは、2成分繊維が存在するために、クランク室の換気フィルタ中に設置するために十分に高い強度媒体を実現しながら達成される。
【0184】
2成分繊維は、一般に、繊維として一緒に形成された2つの高分子成分を含んでいる。2成分繊維のための高分子の様々な組み合わせは有用であるが、第1高分子成分が第2高分子成分の溶融温度より低温度、通常205℃以下で溶けることが重要である。さらに、2成分繊維は、湿式法で作製する媒体を形成する際に、完全に混合し他の繊維とともに均等に分散する。2成分繊維の第1高分子成分の溶融は、2成分繊維がべとつく骨格構造を形成するのを可能にするために必要であり、この骨格構造は、冷却時に、他の2成分繊維と同様に、他の繊維の多くを捕らえて結合する。
【0185】
代替物は可能であるが、通常、2成分繊維は、低融点の高分子を含むさやと、高い融点を形成するコアとを有するさや・コア形態で形成される。
【0186】
さや・コア構造では、低融点(例えば、約80〜205℃)の熱可塑性プラスチックは、通常、高融点材料(例えば、120〜260℃)の繊維の周囲に押し出される。使用中に、2成分繊維は、約5〜50μm、しばしば10〜20μmの平均最大断面寸法(丸い場合は平均繊維径)と、通常、繊維形態で、一般に、少なくとも1mmで30mmを超えない、普通は20mmを超えない、通常は1〜10mmの平均長さを有する。この文脈での「最大」によって、繊維の最も厚い断面積寸法を言及することが意味される。
【0187】
そのような繊維は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、PCT)、ナイロン6、ナイロン6、6、ナイロン6、12などを含むナイロンを含むさまざまな熱可塑性プラスチック材料から作ることができる。適切な融点を持つ熱可塑性プラスチックは2成分繊維の低融点成分中で使用することができ、高融点高分子は2成分繊維の高融点「コア」部分で使用することができる。そのような繊維の断面構造は、「並列(side-by-side)」または「さや・コア」構造または同じ熱接着機能を提供する他の構造であり得る。また、先端が低融点高分子をもつ浅裂の繊維を使用することができる。2成分繊維の価値は、比較的低分子量の樹脂がシート、媒体、またはフィルタを形成する条件で溶融し、シート、媒体、またはフィルタを作成する材料中に存在する他の繊維と2成分繊維を結合して機械的に安定なシート、媒体、またはフィルタにするように作用することができるという点である。
【0188】
通常、二成分(コア/殻またはさやと並列)繊維の高分子は、例えば、ポリオレフィン系/ポリエステル(さや/コア)2成分繊維などのように、異なる熱可塑性プラスチック材料で作られ、ここで、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンさやは、コア、例えば、ポリエステルより低温度で溶融する。通常の熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、およびそれらの共重合体などのポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン;例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどのポリエステル;例えば、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリアミド、すなわち、ナイロン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、セルロース樹脂、すなわち、硝酸セルロース、酢酸セルロース、アセテート・ブチレート・セルロース、エチルセルロースなど、上記材料のいずれかの共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合体、クラトン(Kraton)ゴムなどを含む。本発明で特に好ましいものは、デュポンから利用可能な27IPとして知られている2成分繊維である。他の繊維はFIT201、クラレN720、ニチメン4080、および同様の材料を含んでいる。これらのすべては、第1溶融の完成時にさやの高分子を架橋する特性を示す。このことは、応用の温度が通常さやの融解温度より高いような液体への応用に対して重要である。さやが完全に結晶しない場合、さやの高分子は、応用中に再溶融し下流の設備と部品を被覆するまたは損傷を与える。
【0189】
CCV媒体中での使用のために湿式法で媒体シートを形成するために使用可能な2成分繊維の例は、約6mmの長さに通常切られたデュポンのポリエステル2成分27IPである。
2.2次繊維材料
2成分繊維はクランク室の換気フィルタ媒体のためのマトリクスを提供する。追加の繊維または2次繊維は、十分にマトリクスを充填し合体するための所望の特性と効率とを提供する。
【0190】
2次繊維は、高分子繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維またはこれらのいずれかの混合物であり得る。通常は、ガラス繊維、高分子繊維または混合物が使用されている。
【0191】
本発明のフィルタ媒体で使用可能なガラス繊維は、記号A、C、D、E、Zero Boron E、ECR、AR、R、S、S−2、Nなどよって知られるガラスタイプと、一般に補強繊維を作るために使用される引き抜きプロセスまたは断熱繊維を作るために使用される紡績プロセスによって繊維にされるガラスとを含んでいる。
【0192】
本発明の不織媒体は親水性、疎水性、親油性、疎油性繊維の両方から作られた2次繊維を含むことができる。これらの繊維は、ガラス繊維と2成分繊維とが協力して機械的に安定であり、強くて、透過性のフィルタ材料を形成し、このフィルタ材料は使用の間、液体材料の通過時の機械的応力に耐えることができるし微粒子の充填を維持することができる。2次繊維は、通常、平均最大断面寸法(丸いならば直径)約0.1μm以上、通常1μm以上、しばしば8〜15μmの範囲を有する単一成分繊維であり、天然に発生する綿、リネン、羊毛、様々なセルロース性および蛋白質性天然繊維、レーヨン、アクリル、アラミド、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル繊維を含む合成繊維を含むさまざまな材料から作ることができる。2次繊維の1つのタイプは、他の成分と協同して材料を結合してシートにするバインダー繊維である。2次繊維の別のタイプは、他の成分と協同して材料の乾燥および湿潤条件下での引張強度と破壊強度を増加する構造的な繊維である。さらに、バインダー繊維は、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールのような高分子から作られた繊維を含むことができる。また、2次繊維は、炭素/黒鉛繊維、金属繊維、セラミック繊維およびそれの組み合わせなどの無機繊維を含むことができる。
【0193】
2次熱可塑性繊維は、これらに限定されないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエーテルエステル共繊維、ポリエチレン・テレフタレート繊維、ポリブチレン・テレフタレート繊維、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、液晶ポリマー(LCP)繊維、およびそれらの混合物を含む。ポリアミド繊維は、これらに限定されないが、ナイロン6、66、11、12、612、およびセルロース繊維を含み、高温「ナイロン」(ナイロン46など)は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール繊維(88%加水分解、95%加水分解、98%加水分解、および99.5%加水分解高分子などの様々な加水分解のポリビニルアルコールを含む)、綿、粘性の高いレーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性プラスチック、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸、および、他の普通の繊維の種類を含む。
【0194】
繊維の混合物は、ある所望の効率と他のパラメータを得るために使用することができる。
【0195】
本発明のシート媒体は、製紙プロセスを使用して通常作られている。そのような湿式法で作製するプロセス(wet laid process)は特に有用であり、多くの繊維成分が水性の分散処理のために設計されている。しかしながら、本発明の媒体は乾式法で作製するプロセス(air laid process)のために適合させられた同様の成分を使用する乾式法で作製するプロセスによって作ることができる。湿式法で作製したシートにおいて使用される機械は、手漉き湿式装置(hand laid sheet equipment)、長網抄紙機械、筒状抄紙機械、傾斜製紙機械、製紙機械と他の機械の組み合わせを含み、こららの装置は適切に混合した紙を作り、仕上げ成分の1層または複数の層を形成し、流体の水性成分を除去して湿式のシートを形成することができる。これらの材料を含む繊維スラリーは、通常、比較的均一な繊維スラリーを形成するために混合される。そして、繊維スラリーは湿式法の製紙プロセスにかけられる。スラリーから湿式法で作製したシートが形成されると、湿式法で作製したシートは次に、乾燥され、硬化され、または別の方法で処理されて、乾燥した透過性の実際のシート、媒体、またはフィルタに形成される。工業的規模のプロセスに対して、本発明の2成分マットは、通常、市販で利用可能な長網製紙機械、ワイヤ・シリンダ、スチーブン・フォーマ,ロート・フォーマ、インヴァー・フォーマ、ヴェンチ・フォーマおよび傾斜型デルタ・フォーマ機械などの製紙型の機械を使用して処理される。好ましくは、傾斜型デルタ・フォーマ機械(inclined Delta Former machine)が使用される。本発明の二成分マットは、例えば、パルプとガラス繊維スラリーを形成し、混合タンク中でスラリーを結合することによって調製される。プロセスで使用される水量は使用される設備のサイズによって異なり得る。完成紙料は慣用のヘッドボックスに通過させて完成紙料を脱水し、移動ワイヤスクリーン上に堆積して吸引または真空によって脱水して不織の2成分織物を形成する。
【0196】
2成分繊維中のバインダーは、加熱ステップでマットを通過させることによって活性化される。必要であれば、得られる材料は、次に、大きいロール中に集められる。
3.繊維の表面処理
繊維の表面特性の変更して接触角を増加すると、フィルタ媒体およびそれにより形成されるフィルタ部品の排出能力(圧力低下と量的な効率に対して)を高めることができる。繊維の表面を変更する方法は、フッ素化学物質またはシリコーン含有材料などの表面処理剤を通常、媒体の最大5重量%まで適用することである。
【0197】
表面処理剤繊維は、繊維の製造の間に、媒体の製造の間に、または媒体の後処理の製造後に、または媒体パックの準備後に適用することができる。接触角を増加させるフッ素化学物質またはシリコーン含有材料などの多数の処理材料を使用することができる。実施例は、#8195などのデュポン・ゾニール(DuPontZonyl 商標登録)フッ素化学物質である。
【0198】
以下のセクションにおいて、材料の実施例が使用される。
4.実施例の材料
(a)実施例A
、実施例Aは例えばクランク室の換気フィルタ中の媒体相として使用可能なシート材料であり、その中で媒体相は良い合体/排出の両方を提供するために必要とされ、また、媒体相は総合的なろ過の使用可能な効率を提供するために層中で使用することができる。材料は、例えば、4インチ〜12インチ(100〜300.5mm)の高さを有する管状媒体構造物として使用する場合に、良好にかつ効率的に排液する。媒体を複数回巻き付けてそのような媒体パックを作る。
【0199】
媒体の実施例Aは、以下のような繊維混合物から作られた湿式法で作製したシートを含む。すなわち繊維混合物は、6mm長さに切断されたデュポンのポリエステルの2成分繊維271Pを50重量%と、6mm長さに切断されたデュポンのポリエステル205WSDを40重量%と、6mm長さに切断されたオーエンス・コーニングDS−9501−1IWのアドバンテックス・ガラス繊維を10重量%とからなる。
【0200】
デュポン27IP2成分繊維は約13μmの平均繊維径をもつ。デュポン・ポリエステル205WSD繊維は、約12.4μmの平均繊維径をもつ。オーエンス・コーニングDS−9501−1IWは、約11μmの平均繊維径をもつ。
【0201】
実施例Aの材料は、約40.4ポンド/3000平方フィートの坪量で作られた。材料は0.125psiで0.027インチの厚さと0.563psiで0.023インチの厚さをもつ。したがって、0.125psiから0.563psiへの全パーセント変化(圧縮性)はわずか14%であった。1.5psiで材料の厚さは0.021インチであった。
【0202】
0.125psiにおける材料のソリディティは6.7%であった。透過性(フレージャー法)は392フィート/分であった。
【0203】
縦方向(MD)折り目の引張は2.6ポンド/インチ幅であった。計算されたX−Y方向の細孔径は、43μmであった。10.5フィート/(分・0.43μm粒子)あたりのDOP効率は6%であった。
(b)実施例B
実施例Bは、6mm長さに切断されたデュポンのポリエステル2成分27IPの50重量%と、ロウシェ(Lausch)のB50Rマイクロファイバガラスの50重量%とを含む繊維混合物で作られた。このマイクロファイバガラスは約3〜6mmのオーダーの長さをもつ。また、デュポンのポリエステル2成分271Pは、13μmの平均直径をもつ。LauschのB50Rは、1.6μmの平均直径と2.6μmのd2平均をもつ。
【0204】
試料は38.3ポンド/3,000平方フィートの坪量で作られた。媒体の厚さは0.125psiで0.020インチであり、0.563psiで0.017インチであった。したがって、0.125psiから0.563psiまでに変化するパーセントは15%、すなわち、15%圧縮性であった。1.5psiでは、試料は0.016インチの厚みを有する。
【0205】
0.125psiで測定された材料のソリディティは6.9%であった。材料の透過性は約204フィート/分であった。縦方向の折り目の引張は、3.9ポンド/インチ幅で測定された。
【0206】
計算された細孔径のX−Y方向は18μmであった。0.3μm粒子に対する10.5フィート/分のDOP効率は12%であった。
【0207】
例示のB材料は、ろ過を素早く仕上げるために1層または複数の層として使用されるとき有効であるだろう。例示のB材料は高い効率のために、媒体中で高能率を生成するために単独または複数の層で使用され得る。
【0208】
しかしながら、この材料は、比較的小さな細孔径のためにコアレッサ/排液材料としてはボーダーラインの材料であるだろう。
【0209】
例示のB材料は、次に、より大きい細孔径を有する媒体を上流に含んでいる媒体パックの下流部分を形成するために使用されて合体/排出のためのステージを形成することができる。
【0210】
管状の構造物において、例えば、管の外側を形成するために使用される実施例B材料とともに実施例A材料を管の内部を形成するために使用すると、クランク室の換気フィルタ中で2つは一緒に所望の排液特性とろ過の総合効率のろ過媒体ステージを含む。
G.好ましい媒体を使用するクランク室の換気フィルタ構造物
セクションVIとセクションVIのA〜Fで上記特徴付けられてた好ましい湿式法で作製した媒体は、クランク室の換気フィルタ配置構成でさまざまな方法で利用されることができる。図示された配置構成において、媒体は、例えば、管状ステージで使用することができる。所望であれば、そのような媒体は、また、オプションの第1ステージで使用することができる。
【0211】
通常、管状ステージは、上記の記載に対応して湿式法で作製した媒体をコイル状に20〜70回巻き付けて作られる。もちろん、代替物は可能である。
【0212】
ある場合には、良い排液特性のために、管状の媒体ステージが本明細書で特徴付けられたタイプの媒体を含むとき、本明細書でオプションとして特徴付けられた第1ステージを使用しないことは可能である。この理由は、そのような媒体が初期の効率と有効な合体と排液とを提供して微粒子フィルタ・ステージの一部としておよび合体/排液ステージとしての両方で使用可能であるからである。
【0213】
その結果、本明細書で特徴づけられた媒体は、クランク室の換気フィルタのためのさまざまな代替の構成を提供することができる。実施例は、クランク室換気ガスを通過する流れに対して媒体を管状形態で配置した例である。他の例では、媒体は、パネル配置構成または他の配置構成で構成することができる。
【0214】
より一般的な用語において、私たちの混入された液体微粒子の合体/排出と微粒子のろ過の両方を成し遂げるろ過システムは、急速に集められた液体を排出するように設計すべきである。さもないと、フィルタ媒体の機能の寿命は非経済的に短くなる。媒体は、液体が媒体から急速に排液されるように配置する。いくつかの主要な性能の特性は、初期と均衡時の部分効率、圧力低下、および排出能力である。媒体のいくつかの主要な物理的性質は、厚さ、ソリディティおよび強度である。
【0215】
一般に、合体/排出のための媒体は、排液するフィルタ能力を高めるように配列する。管状の構造物に対して、これは、管が垂直に延びている中心軸を持つ媒体位置である。この向きにおいて、特定の媒体組成物は平衡の荷重の高さを示すが、それは、X−Y細孔径、繊維配向、および接触角として測定される繊維表面と液体の相互作用の関数である。媒体中における液体の捕集は、媒体からの液体の排出速度とバランスされるポイントの高さまで上昇する。もちろん排出する液体でふさがれている媒体部分はろ過に利用することができない。したがって、媒体のその部分は、圧力低下が増加して、フィルタを横切る効率は減少する。その結果、液相によってふさがれた、多孔性が残っているエレメントの部分を制御するのは有利である。排出速度を増加させることが有利であることは、代替法として述べられる。
【0216】
排出速度に影響する媒体の因子は、X−Y細孔径、繊維配向および繊維表面で排出される液体の相互作用である。所望の液流量を達成するためにこれらを減少させることは、部分的に問題である。X−Y細孔径が増加すると、上で説明したように、排出を容易にする。しかしながら、これはろ過のための繊維数を低減し、その結果フィルタの総合効率を低下させる。目標効率を達成するために、所望のX−Y細孔径を有する複数の層の材料を使用することによって、比較的厚い媒体パック構造を作ることができる。また、繊維は好ましくは、媒体の垂直方向に配向するであろうが、このアプローチは、一般に、困難さが最大になる。通常、媒体が管状形態で提供される場合には、湿式法の製造プロセスから管の表面を定めるX−Y平面に配向され、Z方向が厚さとなるであろう。
【0217】
繊維の表面で排出される液体の相互作用は上記のように議論された。これを高めるために、繊維表面に提供される処理を使用することができる。上で議論した処理は、フッ素化学物質またはシリコーン含有処理剤である。良い排出のために構成されている媒体で得られるであろうよりも高い効率を所望する場合、媒体の上流の端部で多くの効率的な媒体ステージが通常同じ媒体パックの一部として提供することができる。これは、その中でほとんどの合体/排出が起こる媒体パックの初期ステージとして実施例のA材料を提供する例および後者の実施例のB材料が高効率の仕上げを提供する例で上記で議論した。
H.一般的な観察
一般に、本明細書はクランク室換気システムのコアレッサ/排液ステージ内で、すなわち、クランク室の換気フィルタの媒体ステージとして特徴付けられるタイプの媒体の利用に関する。換気フィルタはその中に1つの媒体ステージを持つことができる。
【0218】
図面を参照して記載された配置構成のいくつかにおいて、示された配置構成は、オプションの第1ステージと管状の第2ステージとを含んでいる。形成された媒体は、いずれかまたは両方で使用することができる。
【0219】
第1ステージはオプションとして特徴付けられるので、本明細書で特徴付けらたような形成された媒体を含む媒体ステージのみを含んでいるクランク室の換気フィルタを作ることができることが理解されることに注目される。実施例は図24に示されている。
【0220】
図24の参照番号2000は、一般に、本明細書で特徴付けられた媒体2001を含むクランク室換気カートリッジを示している。媒体2001は対向する端部キャップ2002と2003の間に延びる部分に配置される。カートリッジ2000は、必要とされるとき、ハウジングのための適切なシール配置構成を提供する。カートリッジ2000のための特別なシール配置構成は、例えば、端部キャップ2002に対して2000aで示されているように、端部キャップ2002と2003のそれぞれの上の外側の半径方向シールである。代替のシールは、例えば、各端部キャップで内側の半径方向シール、軸方向シール配置構成、軸方向シール配置構成の組み合わせおよび端部キャップの1つだけを軸方向または半径方向に含むハウジングのシール配置構成を含むことが可能である。
【0221】
媒体2001は模式的に示され、本明細書の記載に基づく湿式法で作製した媒体複数の巻き付けを含む。媒体2001はまた追加のステージを含むことができる。媒体ステージ2001は管状形態で示されている。
【0222】
カートリッジ2000は、中から外への流れまたは外から中への流れに対して構成されている。中から外への流れに対して構成されている場合、他の図で記載されているような配置構成に対して通常であるようとき、媒体2001の上流側の端部は2001aであり、下流側の端部は2001bであろう。
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス流れ(例えば、クランク室・ガス)からエアゾールとして混入した疎水性流体(油など)を分離するためのシステムと方法に関する。好ましいシステムでは、ガス流れから、例えば、炭素材料などの他の微細な汚染物質のろ過もまた提供する。分離を行うための方法もまた提供される。
【背景技術】
【0002】
本出願は、米国以外のすべての指定国に対する出願人である、米国内の会社ドナルドソン・カンパニー・インクの名において、ならびに、米国のみの指定国に対する出願人である、全て米国市民であるロバート・M.ロジャース、ブラッド・カルバウフ、ポールL.コジェティンおよびケーB.ジョマの名において、2006年1月31日に出願中であり、2005年2月4日に出願された米国仮特許出願第60/650,051号に対する優先権を主張する。
【0003】
本出願は本明細書中に参照として以下の米国特許第5,853,439号公報、米国特許第6,171,355号公報、米国特許第6,355,076号公報、米国特許第6,143,049号公報、米国特許第6,187,073号公報、米国特許第6,290,739号公報、米国特許第6,540,801号公報、米国特許第6,530,969号公報を合体する。本出願は、2001年7月5日に公開された国際公開第01/47618号パンフレットおよび2000年6月8日に公開された国際公開第00/32295号パンフレットを参照として合体する。本出願は2002年6月20日に出願されて共に譲渡された米国仮特許出願第10/168,906を参照として合体する。また、本出願は2004年2月23日に出願された米国仮出願第60/547,759号とエアゾール・セパレータおよび方法と題された2005年1月11日に出願された米国仮出願の一部を編集して合体する。米国仮出願第60/547,759号およびエアゾールセパレータおよび方法と題された2005年1月11日に出願された米国仮出願は、参照により本明細書中に合体される。
【0004】
ディーゼルエンジンのクランク室からの吹き抜けガス(blow-by)などのガス流れは、かなりの量の混入した油をその中にエアゾールとして運んでいる。エアゾール中の油滴の大部分は、一般に0.1〜5.0μmの大きさである。
【0005】
さらに、そのようなガス流れは、かなりの量の炭素汚染物質などの微細な汚染物質もまた運んでいる。一般に、そのような汚染物質は、約0.5〜3.0μmの平均粒子サイズを有する。これらの系において、そのような汚染物質の量を低減することは好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記種類の関心に対してさまざまな努力が払われている。改良が望まれている要素は、一般に、以下に関することである。(a)大きさ/効率への関心:すなわち、大きなセパレータシステムを用いずに同時に良い分離効率に対する要求。(b)費用/効率への関心:すなわち、かなり高価なシステムを必要としないで良いまたは高い効率に対する要求。(c)可変性:すなわち、さまざまな応用と用途のためにかなりの再構築なしで適合させることができるシステムを開発すること。(d)清掃能力(cleanability)/再生能力(regeneratability):すなわち、長期使用の後で、所望される場合、容易に清掃(または、再生)できるシステムを開発すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本開示は特に好ましいクランク室の換気(CCV)フィルタの開発に関する。特に、クランク室ガスをろ過するシステム(arrangements)における有利なフィルタ媒体の使用に関する。好ましい媒体は、湿式法で作製するプロセス(wet laid process)からシートの形態で提供される。媒体は、例えば、ラッピングまたは巻きつけ手法により、またはパネル構造での提供によりなどさまざまな方法でフィルタシステムに組み入むことができる。
【0008】
本開示によると、エンジン・クランク室からの吹き抜けガスをろ過するために使用する好ましいフィルタ構造物が提供される。実施例の構造物が提供される。好ましいタイプの媒体を含む好ましいフィルタエレメントまたはカートリッジシステムもまた提供される。さらに、方法もまた提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の原理に基づいて組み立てられたフィルタ配置構成を使用するエンジンシステムの概略図である。
【図2】本開示の原理に基づいて組み立てられたフィルタ配置構成の1つの実施例の概要を示す側面図である。
【図3】図2に図示されたフィルタ配置構成の平面図である。
【図4】図3の線4−4に沿って得られる、図2と図3で図示されたフィルタ配置構成の断面図である。
【図5】図2〜図4のフィルタ配置構成で利用されたフィルタエレメントの1つの実施例の概要の断面図であり、断面は線4−4に沿って得られるのと同じ断面であるが、ハウジング構造から除去されたフィルタエレメントを図示している図である。
【図6】ハウジング構造本体の1つの実施例の概要を示す断面図であり、図3の線4−4に沿って得られる断面積に類似しているが、ふたを取り外したハウジング構造本体だけを図示する断面図である。
【図7】ハウジング構造カバー部材の1つの実施例の概要を示す断面図であり、断面は、図3の線4−4に沿って得られる断面に類似しているが、ハウジング構造のカバー部材だけを図示した図である。
【図8】図2〜図4のフィルタ配置構成で利用できるフィルタエレメントの第1の代替の実施例の概要を示す断面図であり、図5の断面図に類似の断面図である。
【図9】図2〜図4のフィルタ配置構成で利用できるフィルタエレメントの第2の代替の実施例の概要の断面図であり、図5の断面図に類似の断面図である。
【図10】本開示の原理により構成されたフィルタ配置構成の別の実施例の概要を示す斜視図である。
【図11】図10に図示されたフィルタ配置構成の平面図である。
【図12】図10と図11に図示され、図11の線12−12に沿って得られるフィルタ配置構成の概要を示す断面図である。
【図13】図10〜図12のフィルタ配置構成で利用されるフィルタエレメントの1つの実施例の端面図である。
【図14】図13に図示されたフィルタエレメントの反対側端面図である。
【図15】図13と図14で図示されたフィルタエレメントの概要を示す断面図であり、図13の線15−15に沿って得られる断面図である。
【図15A】図15で図示されたフィルタエレメントの一部を拡大した、部分拡大断面図である。
【図16】図13〜図15で図示されたフィルタエレメント中で利用できる予備成形された挿入部品の代替の実施例の概要を示す斜視図である。
【図17】図16に図示された予備成形された挿入部品の概略の端面図である。
【図18】図16と図17に図示された予備成形された挿入部品の概略の断面図であり、図17の線18−18に沿って取られた断面図である。
【図19】図18で図示された予備成形された挿入部品の一部を拡大した、概要の部分拡大断面図である。
【図20】図18に図示された予備成形された挿入部品の別の一部を拡大した、概要の部分拡大断面図である。
【図21】本開示の原理によって組み立てられた、図16〜図20の予備成形された挿入部品を利用するフィルタエレメントの別の実施例の概要を示す断面図である。
【図22】本開示によるフィルタエレメントを組み立てるための成形技術の1つの実施例の概要を示す断面図である。
【図23】本開示によるフィルタエレメントを組み立てるための成形技術の1つの実施例の概要の断面図である。
【図24】本開示による媒体ステージを含むクランク室の換気フィルタの追加実施例の概要を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
I.通常の応用−エンジン・クランク室・ブリーザフィルタ
過給ディーゼルエンジンはしばしば「吹抜け(blow-by)」ガス、すなわち、内燃室からピストンを通り過ぎる空気−燃料混合物のガス漏れの流れを発生する。そのような「吹抜け」ガスは、一般にガス相、たとえば、(a)主に0.1〜5.0μm(主に、数で)の液滴を含む疎水性流体(例えば、燃料のエアゾールを含む油)と、(b)通常、大多数が約0.1〜10μmの大きさのカーボン粒子を含む燃焼からの炭素汚染物質とを輸送する空気または燃焼オフガスを含む。そのような「吹抜け」ガスは、一般にエンジンブロックから吹抜け排気口を通って外に向けられる。
【0011】
本明細書において、用語「疎水性」流体が、ガス流れ中に混入した液体エーロゾルに関して使用されるとき、非水系流体、特に油を意味する。一般にそのような材料は水に混和しないものである。本明細書において、キャリヤー流体に関連して使用される用語「ガス」またはその変形物は、空気、燃焼オフガス、およびエアゾールに対する他のキャリヤーガスを指す。
【0012】
ガスは他のかなりの量の成分を運び得る。そのような成分は、例えば、銅、鉛、シリコン、アルミニウム、鉄、クロム、ナトリウム、モリブデン、スズ、および他の重金属を含み得る。
【0013】
そのようなシステムで作動するエンジンは、トラック、農業機械、ボート、バスおよび一般に、ディーゼルエンジンを含む他のシステムのようなものであり、上記説明したようなかなりの汚染されたガス流れを持ち得る。例えば、2〜50cfm(0.056〜1.35m3/分)、通常は5〜10cfm(0.14〜0.28m3/分)のオーダーの流速と体積はかなり一般的である。
【0014】
図1は本発明によるコアレッサ(coalescer)/セパレータ配置構成(arrangement)が利用される通常のシステム28を示す概略図である。図1を参照すると、ブロック30はターボ過給ディーゼルエンジンを示している。空気は、エアフィルタ32を通過してエンジン3に導入される。エアフィルタまたはクリーナ32は大気から導入される空気を清浄にする。ターボ34は、エアフィルタ32から清浄空気を吸引して、エンジン30に押し込む。エンジン30において、空気は、ピストンと燃料と連動して圧縮されて燃焼する。焼却プロセスの間、エンジン30は吹き抜けガスを発生する。フィルタ配置構成36は、エンジン30とガス流れで連通し、吹き抜けガスを清浄にする。フィルタ配置構成36から、空気はチャンネル38を通りそして圧力弁40を通るように方向づけられる。そこから、空気は再びターボ34によって吸引されエンジン30中に圧入される。調整弁(regulator valve)または圧力弁40はエンジン・クランク室30中の圧力量を調整する。圧力弁40が開くにつれて、エンジン・クランク室中の圧力が増加して最適平均圧力を減少しようとする。エンジン中の圧力を増加させるのが望ましいときに、圧力弁40は少さく閉じられる。チェック弁42は、圧力がエンジン・クランク室30中である量を超えると、エンジン損傷を防ぐために大気に開かれる。
【0015】
本開示によると、ガスの流れから疎水性液相を分離するためのフィルタ配置構成36(本明細書では時々、コアレッサ/セパレータ配置構成として呼ばれる)が提供される。作動中に、汚染したガス流れは、コアレッサ(coalescer)/セパレータ配置構成36に向けられる。コアレッサ/セパレータ配置構成36中では、微細な油相またはエアゾール相(すなわち、疎水性相)は合体する(coalesce)。配置構成36は、疎水性相が合体して液滴になると、液滴がシステムから容易に集められて除去できるような液体として排出するように構成されている。本明細書で以下に記載されるような好ましいシステム(arrangements)において、特に、油相が部分的に充填されているコアレッサまたはコアレッサ/セパレータは、ガス流れ中で輸送される他の汚染物質(例えば炭素汚染物質など)のフィルタとしても作用する。実際、いくつかのシステムでは、油がシステムから排出されるときに、油中には捕集された炭素汚染物質の一部が含まれているので、コアレッサの自己洗浄が提供される。
【0016】
本開示による原理は、単一ステージ配置構成(single stage arrangement)またはマルチステージ配置構成(multistage arrangement)で実施することができる。図の多くでは、マルチステージ配置構成が図示されている。一般的な記載において、それらの配置構成は、所望であれば、単一ステージ配置構成に変更することができることを説明し得る。
【0017】
II.マルチ・ステージの油エアゾール・セパレータの実施例(図2〜9)
図2を参照すると、クランク室・ガスフィルタまたはフィルタ配置構成36の実施例は、参照番号50で示されている。示された典型的なフィルタ配置構成50はハウジング52を含んでいる。図示されたハウジング52は、ツーピースの構造物を含む。特に、ハウジング52は、基体アセンブリ54と取り外し可能なカバー部材56とを含んでいる。基体アセンブリ54は基体55とふた57を含んでいる。
【0018】
図2と図4を参照すると、示されるハウジング52は、以下の3つのポート、ガス流入ポート58、ガス流出ポート60、液体流出ポートまたは液体排出口62を含んでいる。
【0019】
一般に、フィルタ配置構成50は、本明細書では一般に、「マルチステージ」配置構成(multi-stage arrangement)として参照され得る、なぜならフィルタ配置構成50は、(a)液体が混入したガス流れから液相を除去するための予備のコアレッサ・フィルタと、(b)空気流れの更なる精製のための少なくとも1つの、しかし複数含むことができる下流のまたは第2ステージのフィルタと、を両方を含むからである。図4に、ハウジング52とその内部コンポーネントとの両方を含むフィルタ配置構成50の断面図が示される。一般に、フィルタ配置構成50は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージのフィルタ媒体66の管状構造物とを含んでいる。
【0020】
いくつかの配置構成では、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64は省かれ、フィルタ媒体部分66だけを使用することができる。そのような配置構成では、フィルタ媒体部分66は、微粒子ろ過と同様に液体の合体と排出の両方のために使用され得る。このために適切な媒体は以下に詳細に説明される。
【0021】
使用において、変更されるべき空気またはガス流れは、入口ポート58を通過し、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64を通過するように向けられる。少なくとも液相の一部は、ガス状の流れからオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64で合体して除去される。第1ステージのコアレッサ・フィルタ64中で合体した液体は、重力によって排出され、特別に図示された実施例では、液体流出口ポート62を通ってハウジング52を出る。ガス相は媒体構造物66を通るように向けられる。媒体構造物66はガス流れから微粒子の少なくとも一部を除去し、混入した液体を更に合体して排出する。清浄になったガス流れは次にハウジング52からガス流出口60を通過し外に出るように向けられる。
【0022】
図5に示されるように、図示された実施例において、(オプション)の第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と媒体66の管状構造物とは、フィルタ配置構成またはエレメント70を形成する1つにまとまった構造物である。図示された好ましい実施例において、フィルタエレメント70は、ハウジング52に対して取り外し可能であり取替え可能である。すなわち、フィルタエレメント70は、点検可能なフィルターカートリッジまたはエレメントである。この文脈「1つにまとまった(unitary)」によって、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と媒体66の管状構造物とは、組み立てられたエレメント70の一部を破壊せずには互いに分離することができないことを意味する。ある実施例では、端部キャップ202と端部キャップ254とは単一構造物の一部を形成する。
【0023】
図4を再び参照すると、示されたハウジング52に対して、入口部管構造物72、調節弁ハウジング74、キャニスター部分76、および出口部管構造物78がある。図示された実施例において、入口部管構造物72、調節弁ハウジング74、キャニスター部分76、および出口部管構造物78のそれぞれが基体55の一部を形成する。ふた57と共に、基体55とふた57は基体アセンブリ54の一部である。
【0024】
図示された実施例において、入口部管構造物72はガス流入口ポート58を定める筒状部材80である。あるアセンブリにおいて、入口部管構造物78は、クランク室から放出される吹き抜けガスを処理するためにエンジン30のクランク室と連通するガス流れ中にある。
【0025】
図示される調整弁ハウジング74は入口部管構造物72のすぐ下流にある。調整弁ハウジング74は、開口内部84を定める外側を取り囲む壁82を含んでおり、そこで処理されるべきガスがフィルタエレメント70に入る前に流れて集まることが可能となる。また、調整弁ハウジング74はネック(首:neck)88を形成する内壁86を含んでいる。また、示された実施例において、調整弁ハウジング74はふた57を保持して支えるためのシェルフ(棚:shelf)90を含んでいる。ネック88は、キャニスター部分76とふた57の間の調整弁アセンブリ92(図4)を保持し支えている。
【0026】
図4において、弁アセンブリ92は、エンジン30のクランク室からフィルタエレメント70を通過するガス流れを調整するために構成されて配置されている。さまざまな弁構造物が本明細書に想定されるが、示される特別な弁アセンブリ92はダイヤフラム構造物94とスプリング96などのかたより機構(bias mechanism)を含んでいる。図4では、ダイヤフラム構造物94は円形であり、シェルフ90に保持されてシェルフ90に載っている最外郭の縁(rim)98を持つことが銘記される。また、ダイヤフラム構造物94は、一般にU形状の断面を有し、一般に平面図において円形である溝100を含んでいる。溝100は縁98の内側である。溝100は、ダイヤフラム構造物94をネック88に適切に配置し、ネック88の中心に配置するのを助ける。ダイヤフラム構造物94を安全にしているのは、中央突起物102である。中央突起物102は、ネック88を内部部分104に延ばすための大きさに作られている。図示された実施例では、中央突起物102は溝100内側領域のダイヤフラム構造物94に取り付けられている。中央突起物102は、溝100と共にネック88上で適切にダイヤフラム構造物94を配置するのを助ける。
【0027】
更に、図4を参照して、示された特別の弁アセンブリ92において、スプリング96は、ネック88の外側の壁の周囲に載っている。スプリング96は、ダイヤフラム構造物94に力を印加してネック88とフィルタエレメント70に向かう方向にダイヤフラム構造物94を引っ張る。ダイヤフラム構造物94とネック88の間にギャップ106があることが注目される。ギャップ106は、調製弁ハウジング74の内部84からネック88の内部部分104の中へのガス流れを可能にする。
【0028】
使用時に、弁アセンブリ92は一般に、エンジン・クランク室30からフィルタエレメント70までのガス流れの速度を制限するように作動する。スプリング96は、ガス流れ入口58から内側に向かうガス流れによって加えられた圧力に対してネック88に向かってダイヤフラム構造物94を引っ張る。ダイヤフラム構造物94は、ゴムなどの可撓性材料から構成される。ダイヤフラム構造物94はそれ自体でネック88から離れる方向に、かつふた57と調整弁ハウジング74のシェルフ90との間で定められた体積108中のふた57に向かう方向に、曲がることができる。
【0029】
ここで図6を参考すると、基体55のキャニスター部分76は、一般に、フィルタエレメント70を受け入れるための開口内部112を定めるように一般に管状で構成されている外側を取り囲む壁110を含んでいる。図示された実施例において、壁110は一般に筒状であり、円形の断面を定める。キャニスター76は、キャニスター76の内側にフィルタエレメント70を保持し収容するのを助ける端部壁114を含んでいる。端部壁114は、平らな平面部分118から伸びる突起物116を含んでいる。フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に組み立てられると、突起物116は、基体55の端部壁114とエレメント70との間で2次シール120(図4)を形成するための第2のまたは補充のシール機構として作用する。第1のシール機能は、フィルタエレメント70とハウジング52の間の半径方向のシーリングシステムにあり、以下に更に詳細に記載されている。第2のシール120は、フィルタエレメント70とハウジング52の間の端部壁114に沿って通過する、想定外の量の油のしみだし(undesired amount of oil seepage)を防ぐのを助ける。代替のシステムにおいて、半径方向のシールが避けられている状態でフィルタエレメントとハウジングの間の軸方向シールを使用することができることが注目される。
【0030】
また図6を参照すると、基体55が第1の最大外径寸法を有する第1管状領域122と、第2の最大外径寸法を有する第2管状領域124とを含んでいることが注意される。図示された特別の実施例では、第1管状領域122と第2管状領域124の最大外側寸法は直径である。第1管状領域122の直径は、第2管状領域124の直径より大きく、その間にステップ状領域126を形成する。第2管状領域124は、内側の環状シール表面128を定める。以下でさらに記載されるように、シール表面は、その間で半径方向のシールを形成するためにシール部材の圧力を受け入れることができる表面を形成する。第1管状領域122はフィルタエレメント70から離れており、フィルタエレメント70が管状領域中に操作可能に組み立てられると、その間でガス流れ体積130を形成する。
【0031】
図2で示されるように、基体アセンブリ54とカバー部材56は、ラッチ配置構成134によって継ぎ目132に沿って互いに結合する。ラッチ配置構成134は、継ぎ目132に沿ってカバー部材56と基体アセンブリ54を一緒にしっかり保持するために使用される複数のラッチ136を含んでいる。ラッチ136は、整備点検の間にフィルタエレメント70などのように内部コンポーネントにアクセスするために、カバー部材56が基体アセンブリ54から選択的に取り外されるのを可能にする。多くのラッチがあり得るが、図示された特別の実施例では、3個のラッチ136がある。図2、図4、および図6で示されるように、基体55は、それぞれのラッチ136のためにラッチマウント138を含んでいる。図2で理解できるように、それぞれのラッチ136のフック部分142を受けるために、カバー部材56がスロット140のような適切なラッチ受入れ構造を含む。
【0032】
図示された実施例において、基体55は、端部壁114の反対側にある開口端部144(図6)を有する。開口端部144は、カバー部材56中の受入れスロット148(図7)と連結するための縁146と外接している。
【0033】
ここで図7に示すカバー部材56を参照すると、カバー部材56がボウルまたは漏斗形状の第2端部150を有することが注目される。ボウル150と排液口62との組み合わせは液体捕集配置152を含む。使用において、液体がハウジング52中で合体すると、液体は、下向きにボウル150に向かって排液し、排液口62に注がれる。通常、適切な排液ラインは、所望の例えば、油だめに集められた液体を方向づけるために排液口62に固定される。
【0034】
図7を参照すると、さらに、図示されたカバー部材56の詳細が示されている。図示された特別の実施例において、カバー部材56は、外側を取り囲む壁154と外壁154から離れた内壁156を含んでいる。外壁154と内壁156とは、一緒にスロット148を定める。スロット148は基体アセンブリ54、特に、縁146を受け入れるための体積158として機能する。また、外側を取り囲む壁154は構造140を受け入れるラッチを含んでいる。
【0035】
体積158は、Oリング162(図4)などのガスケット部材を保持して収容するためのシート160を提供する。示された構造物において、Oリング162は縁146とシート160の間にある。ラッチ配置構成154は、カバー部材56と基体アセンブリ54とを一緒に押し込むための軸方向の力を供給する。これは、カバー部材56と基体アセンブリ54との間でシール164(図4)を形成するためにOリング162上の縁146に力を供給する。このシール164は、ガス流れの想定外の量が基体アセンブリ54とカバー部材56の間で流れるのを防ぐ。むしろ、シール164は、ガス流れがガス流出口60を通過して出るようにさせる。
【0036】
再び、図7を参照すると、内壁156は環状シール面166を提供する。環状シール表面166は、フィルタエレメント70のシール部分とともに半径方向シールを形成するために配置される構造を提供する。これは以下の詳細に記載されている。
【0037】
カバー部材56はまた、一般に、内壁156から直角の端壁168を含んでいる。端部壁168はフィルタエレメント70の向きに対して停止部170として作用する。言い換えれば、停止部170は、フィルタエレメント70がハウジング52中で軸方向に動くのを防ぐ。突起物172は端部壁168から延びている。フィルタエレメント70がハウジング52内に操作可能に設置されると、突起物172は、フィルタエレメント70のシール部分を押して、フィルタエレメント70とともに2次シール174(図4)を形成する。2次シール174は、油が想定外の量でしみだしてフィルタエレメント70内からフィルタエレメント70の外の体積130まで移動するのを防ぐのを助ける。さらに、第1のシール機能は、半径方向のシーリングシステムによって達成されるが、以下でさらに説明する。また、さらに、本明細書で記載された技術の多くは、第1のシール機能が軸方向のシールによって提供されるシステムにも適用され得る。
【0038】
端部壁168からの延長部分は、液流出口62で終わる傾斜の壁176である。傾斜の壁176は漏斗形状の部分またはボウル150を形成する。
【0039】
液流出口62は折り込んだ部分178を含むことが注目される。折り込んだ部分178は、真鍮挿入部品、例えば、油の汚水だめに通じる連結金具が便利であり得る。
【0040】
本明細書では、「ガス流れ方向の配置構成(gas flow derection arrangement)」またはその変形は、ガス流れを向ける配置構成の部分について言及するために時々使用され得る。図4のフィルタ配置構成50に対して、この配置構成は、ガス流入口58、入口部管構造物72、ハウジング52の各種壁(壁82、壁86、壁110、壁154を含む)、ガス流出口60を含む出口部管構造物78を含んでいる。一般に、ガス流れ方向の配置構成は、適切なオーダーでフィルタエレメント70を通る適切なガス流れを確実にするために作動する。
【0041】
ここで、図4と図5を参照する。フィルタエレメント70はハウジング52中に操作可能に組み立てられて図4に示されている。用語「操作可能に組み立てられ(operably assembled)」およびその変形によって、シールが適所にあり、ガス流れが入口58から適切に流れフィルタエレメント70を通り出口60を通って外に流れるのを可能とするようにフィルタエレメント70がハウジング52中に配置されることを意味する。
【0042】
図4と図5において、フィルタエレメント70が、1つの構造物中に、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と管状構造物媒体66との両方を含んでいるのが理解できる。フィルタエレメント70が例えば、整備点検の間に取り扱われると、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と管状構造物の媒体66の両方は一緒に取り扱われる。一般に、管状構造物の媒体66は、開いているフィルタ内部192を定めるために、閉じた管状形態で配置されている媒体パック190を含んでいる。好ましい構造物では、媒体パック190は、一般に筒状形状を有し、円形の断面を定めるように配置することができる。
【0043】
媒体パック190は、所望の効率と制限を達成するために調整された、多くの異なる種類の媒体であり得る。媒体パック190で使用可能な媒体194の一例は成形された媒体(formed media)である。別の例はひだ付き媒体である。「ひだ付き媒体(pleated media)」によって、複数のひだで折り重ねられた1つの折り曲げ可能な媒体シートを意味する。本明細書の以下に、媒体パック190のための好ましい媒体が好ましい特性を有する湿式法で作製した媒体(wet laid media)として記載されている。この媒体は、媒体パック190の機能が合体/排出機能(coalescing/drainage function)と微粒子の捕集機能との両方を提供するときに好まれる。この機能は、媒体パック190がオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64なしで使用されるとき、あるいは、媒体パック190がオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と共に使用されるとき、媒体パック190によって提供され得る。媒体パック190は多層またはマルチステージの形態で提供され得ることが注目される。
【0044】
図示された実施例において、媒体194は第1端部196と、反対側の第2端部198を有する。媒体194の長さは、第1端部196と第2端部198の間に延びている。図示されたフィルタエレメント70において、第1端部キャップ配置構成200は第1端部196にある。図5に示される特別な実施例において、端部キャップ配置構成200は端部キャップ202と第1ステージのコアレッサ・フィルタ64とを含む。ある構成物において、端部キャップ配置構成200は単一のまとまった構造である。
【0045】
いくつかの実施例では、端部キャップ202は成形された高分子材料のリング204を含んでいる。リング204は、図示された好ましい実施例において、リング204の中心にある中央開口206を定めている。「中心に置かれる(centered)」によって、中央開口206はリング204の対称中心と同じ対称中心を持つことが意味される。言い換えれば、中央開口206は、リング204内に偏心的に配置されないことが好ましい。
【0046】
いくつかの配置では、中央開口206は円形であり、リング204の直径の約50%未満の直径を持つ。いくつかの配置では、中央開口206の直径はリング204の直径の40%未満であり得る。
【0047】
リング204は、また外側の輪状表面208を含んでいる。フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に組み立てられるとき、外側の輪状シール表面208はシール部分210として機能する。好ましいシステムにおいて、シール部分210はステップ状構造物212を含んでいる。
【0048】
特に、ステップ状構造物212は、ハウジング52のシール表面128と第1端部キャップ配置構成200の間の半径方向のシール214(図4)の挿入と形成を助ける。図5において、ステップ状構造物212は、第1領域216より小さい直径の第2領域218に隣接し、第2領域218の直径より小さい直径の第3領域220に隣接する、最大直径の第1領域216を含む。この直径が減少するステップ状構造物212は、基体55中にフィルタエレメント70の挿入を助ける構造物となる。
【0049】
端部キャップ202のシール部分210は、フィルタエレメント70がハウジング52に操作可能に設置されたときに、シール表面128に対してシール部分210の半径方向を圧縮するような圧縮性材料から作ることができる。シール部分210に対して有用な材料の例、および全体の端部キャップ202について以下説明する。一般に、端部キャップ202は、成形される密度として、通常22ポンド/立方フィート未満、例えば、12〜22ポンド/立方フィートを有する柔らかいポリウレタンフォームを含むことができる。もちろん、代替材料は、更に記載された原理の多くを組み込むユニットとともに本明細書に記載された実施例からの変形において使用することができる。
【0050】
また図5を参照すると、第1端部キャップ構成200はまた、リング204の中央開口206に向けられたフレーム構造物222を含んでいる。フレーム構造物222は、繊維状媒体224の領域を保持し、収容し閉じこめる。図示された構造物において、繊維状媒体224は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64として使用される。ある配置では、繊維状媒体224は、少なくとも1層、通常は、不織のひだ付きでなく開口していない、管状の合体用媒体の複数の層226を含む。図5に示される実施例において、繊維状媒体224の2つの層226、228がある。繊維状媒体224のための使用可能な材料の例について以下説明する。さらに、いくつかのシステムにおいて、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64は使用されずに、管状のフィルタ構造物66だけが存在していることが注目される。
【0051】
また図5を参照すると、図示されたフレーム構造物220において、フレーム構造物222は、マルチピースであり、特に、第1フレーム・ピース230と第2フレーム・ピース232を含むツーピースの構造物である。第1フレーム・ピース230は、繊維状媒体224の上流側面236を覆っている支持グリッド234を含む。支持グリッド234は多孔性のメッシュであり、ガス流れが繊維状媒体224を通過しておよび横切って流れることを可能にする。支持グリッド234は、繊維状媒体224に構造的な支持体を提供する。
【0052】
同様に、第2フレームピース232は、繊維状媒体224の下流側の表面240を覆いながら多孔質支持体グリッド238を含んでいる。多孔質支持体グリッド238は、また、繊維状媒体224に構造的な支持体を提供し、ガス流れが開いているフィルタ内部192を通過して中に入り込むのを可能にする。
【0053】
示された構成において、第1フレームピース230と第2フレームピース232は、支持体グリッド234と支持体グリッド238の間で、繊維状媒体224を保持するか密閉する保持ポケット242を形成するために互いに隣接して配置される。あるシステムにおいて、第1フレームピース230と第2フレームピース232は、留め金係合などによって組み合わせる。
【0054】
図5で示されるように、図示された実施例において、フレーム構造物222は、リング204の内側の環状領域244に沿って、高分子の端部キャップ202中に埋め込まれるか成形される。
【0055】
さらに図示された特別のフィルタエレメント70は、内側の支持体ライナー246と外側の支持体ライナー248を含んでいる。インナーライナ246とアウターライナー248は、媒体パック190の第1端部196と第2端部198の間で延びている。インナーライナ246とアウターライナー248は、媒体194を支持するのを助ける。通常のシステムにおいて、インナーライナ246とアウターライナー248は、ガスが通過するのを可能にするプラスチックのポーラスな構造で組み立てられている。アウターライナー248は媒体194と繊維状媒体224の領域に外接している。
【0056】
代替材料がライナーのために使用できることは注目される。また、フィルタ媒体194の構造的な信頼性に依存するが、ある場合には、アウターライナー、インナーライナまたは両方は必要ではない。
【0057】
図5に示す特別な実施例において、インナーライナ246は、第2フレームピース232の不可欠の単一にまとまったものの一部である。すなわち、インナーライナ246とフレームピース232が1つの部材である。また、インナーライナ246は、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64から下のボウル150まで合体した液体が滴って流れるのを可能にする排液表面250を形成する。
【0058】
また、フィルタエレメント70は媒体パック190の第2端部198で端部キャップ254を含んでいる。端部キャップ254は、好ましくは、媒体194をその中に入れるか埋め込むように成形された高分子材料でできている。同様に、インナーライナ246とアウターライナー248は、ある好適な実施例において、第1端部キャップ202と第2端部キャップ254の間に延びていて、成形された高分子材料中に埋め込まれている。第2端部キャップ254は、シール部分258を形成する外側の輪状表面256を含んでいる。通常はシール部分258は圧縮可能であり、フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に設置されるとき、カバー部材56のシール表面166に対して押し込まれる。端部キャップ254は開口255を有し、示された実施例では、合体した液体が第1ステージのコアレッサ・フィルタ64から排出され、開口255を通過し、出口62を通過して出ることを可能にするように液体流出口62と一直線に配列さられている。
【0059】
ここで、図4を参照する。フィルタエレメント70がハウジング52中に操作可能に設置されると、シール部分258は、その間で半径方向のシール260を形成するために、シール表面166と外側の支持体ライナー248の間で圧縮される。また、図4で示されるように、第1端部キャップ202のシール部分210は、シール表面128と外側の支持体ライナー248の間で圧縮され、その間で半径方向のシール214を形成する。半径方向のシール214、260は、フィルタ配置構成50中に第1シーリングシステムを提供する。半径方向シール214、260は、ガス流れの想定外の量が第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージの仕上げフィルタ66のどちらか1つまたは両方をバイパスするのを防ぐ。
【0060】
再び図5を参照する。端部キャップ254のシール部分258もまたは好ましくは、ステップ状構造物262を含んでいる。ステップ状構造物262は、端部キャップ202のステップ状構造物212に類似している。図示された特別の実施例において、ステップ264、ステップ266およびステップ268を含む減少する直径を有する3ステップがある。また、ステップ状構造物262は、ハウジング52へのフィルタエレメント70の挿入と半径方向シール260の形成を助ける。
【0061】
図示された端部キャップ254は、通常22ポンド/立方フィート未満、例えば約10〜22ポンド/立方フィートの成形時密度を有する鋳込み用のウレタンフォームなどの鋳込み用の高分子材料を含む。1つの実施例の材料が更に以下に記載される。代替材料は使用することができる。
【0062】
端部キャップ202、254が適所に鋳込まれると、端部キャップ202、254、第1と第2のプラスチックの延長部分246、248、媒体パック190、ひだ付きでない不織の繊維状媒体24は、1つにまとまった筒状のフィルタエレメント70の形態で一緒に固定される。
【0063】
フィルタエレメント70の代替の実施例は、図8で参照番号270に示される。フィルタエレメント270は、端部キャップ272、端部キャップ274、繊維状媒体のオプションの領域276、媒体278、およびアウターライナー280を含んでいる点で、図5のフィルタエレメント70に類似している。端部キャップ272は、中央のガス流れの入口開口272aを含んでいる。フィルタエレメント270は、更に、フィルタエレメント270の中に入れられ端部キャップ272と端部キャップ274との間に延びているインナー支持体ライナー282を含んでいる。この実施例において、オプションの繊維状媒体276によって合体された液体を排出するのを助けるために流れ構造物284がさら含まれている。
【0064】
図8に図示される実施例において、流れ構造物284は管286を含んでいる。通常のシステムでは、管286は、コアレッサ媒体276の下流表面288から端部キャップ274の開口290まで延びている。管286の長さは、媒体278の全長の約33%から95%の間で変えることができる。多くの場合、管286は、媒体パックの少なくとも25%の長さ、通常は、媒体パック190の長さの100%未満を有する。通常の実施例では、管286は、ガス流れが媒体パック190を通過して流れる前に、下流側の表面288から出て管内部の292を通過し管286の端部チップ294を通過し体積296の中に入るように、一般にガス不浸透性材料で作られている少なくとも1つのセクション287を持つ。体積296はインナーライナ282と管286の間の領域である。示された特別の実施例において、全体の管286は、穴があいていない部分287を含んでいる。他の実施例では、穴が開いているまたはガスが透過可能な管286の部分があり得る。
【0065】
図示された実施例では、管286は、オプションの繊維状媒体276を固定する、閉じこめる、または保持するために使用されるフレーム構造物298の一部である。通常、フレーム構造物298は、端部キャップ272中に鋳込むことができる。
【0066】
管286は、合体した液体(通常は油)の排出を助けることができる。作動中に、合体した液体は、管286の内面の壁300に沿って重力で排出され、次に、ボウル150中に滴り、次に、液体流出口62を通過して外に出る。管286は、合体した液体が媒体278中に引き込まれないように助けることができる。
【0067】
フィルタエレメント70の別の代替の実施例を図9の参照番号320で示す。フィルタエレメント320は、端部キャップ322、端部キャップ324、オプションの繊維状媒体326の領域、媒体パック327(媒体328として示されている)、アウターライナー330、インナーライナ332、および繊維状媒体326を閉じこめているフレーム構造物334を含んでいる点で、図5のフィルタエレメント70に類似している。端部キャップ322は中央のガス流の入口開口322aを含んでいる。媒体パック327は、開いている管状内部333を定める。フィルタエレメント320は、さらにアウターライナー330を覆って外接する、不浸透性の外側の覆い340を含んでいる。
【0068】
図示された実施例において、外側の覆い340は媒体パック327の長さの約25〜75%の間で、通常は、端部キャップ322(繊維状媒体326を保持する)からもう片方の端部キャップ324(端部キャップ324までに達しない)に向かって延びている。外側の覆い340は、更に説明されたように、オプションの繊維状媒体326によって合体された液体を排出するのを手伝う。特に、外側の覆い340は、覆い340によって隠された媒体328の領域342をガスが通過して流れを防ぐのを助ける。これは、ガス流れがさらに端部キャップ324および覆い340で隠されていない媒体326の領域344に向かう方向に移動するのを促進する。これはフィルタエレメント320から合体した液体を重力で排液するのを助ける。
【0069】
A.実施例の作動と外での交換
作動中、フィルタ配置構成50は以下の通り作動する。エンジン・クランク室からの吹き抜けガスは、ガス流入口ポート58を通過すると理解される。ガスは調整弁ハウジング74の内部84に入る。弁アセンブリ92は、ダイヤフラム構造物94とネック88の間のギャップ106を通過するガスの通路を可能にする。エンジン・クランク室からの圧力が増加するとギャップ106はより大きくなり、ダイヤフラム構造物94をスプリング96の反対方向にかつふた57に対して体積108の中に入るように移動させる。ガスは次にネック88の内部部分104に流れる。そこから、ガスはオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64を通過する。オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64は、使用される場合には、ガスが媒体パック190を通過する前に第1ステージのコアレッサ・フィルタ64を通過するように構造物中に固定される。
【0070】
特に、ガス流れは、支持体グリッド234を通過して繊維状媒体224の層228中を通過する。ガスは、続いて下流に流れ、層226を通過し、次に、支持体グリッド238を通過して流れる。繊維状媒体224は、ガス流れの残りの部分から混入した固体を含む液体を予備分離するのを助ける。液体は、媒体224から流れて、直接ボウル150に滴るかインナーライナ246の排出表面250に沿って排出される。集められた液体は傾斜した壁176に沿って流れ、最後に液体流出口62を通過して流れる。この液体物質は、しばしば油であり、再利用されるためにクランク室にリサイクルされ得る。
【0071】
ガス流れおよびオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64によって合体されなかった液体はフィルタ66まで続いて流れる。特に、ガス流れは開口フィルタ内部192から媒体パックを通過して流れる。半径方向シール214と260はガス流れが媒体パック190をバイパスするのを防ぐ。この媒体パック190は、ガス流れから選択された追加の液体粒子(合体/排出によって)と選択された固体を除去する。図4に示された配向において、媒体194は垂直に配向されており、さらに液体が媒体上に集まって(合体するまたは凝集して)そしてボウル150に向かって下向きに重力によって落ちて排出される。ろ過されたガスは次に、ガス流出口ポート60を通って外に出る。そこから、ガスは、例えばエンジン30のターボ34の取入口または他の場所の方向に向けられる(説明したように)。一般に、ガスは、いくつかの事例では、出口ポート60から大気に放出される。別の例では、閉鎖系のガス循環が好まれるので、ガスは空気取り入れ口または他の場所まで循環される。前のパラグラフで説明された特別の実施例では、ガスは潜在的にターボ取入口の方向に向けられると記載されている。
【0072】
2次シール120と174は、油などの集められた液体の想定外の量がフィルタエレメント70とハウジング52の間でしみ出すのを防ぐことに注目すべきである。
【0073】
フィルタ配置構成50は以下の通り修理される。カバー部材56は、ラッチ136を外すことにより基体アセンブリ54から取り外す。これは、カバー部材56を基体アセンブリ54から除去することを可能にする。カバー部材56を基体アセンブリ54から取り外すと、基体55とカバー部材56の間のシール164が開放される。さらに、フィルタエレメント70とカバー部材56の間のシール260が開放される。これはまた、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と媒体66の管状構造物を含んでいるフィルタエレメント70へのアクセスを提供する。端部キャップ254に隣接するフィルタエレメント70の端部を握り、フィルタエレメント70は基体55の内部112から軸方向に引き出す。フィルタエレメント70を内部112から引き出すと、半径方向シール214が開放される。このステップにより同時に、第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージ・仕上げ66の両方を取り外す。このフィルタエレメント70は次に、焼却によるなどを処分することができる。
【0074】
第2の新しい交換フィルタエレメント70を次に提供する。交換エレメント70もまた第1ステージのコアレッサ・フィルタ64と第2ステージ仕上げフィルタ66とを類似の構造物中に第1フィルタエレメント70として含んでいる。第1ステージ64と第2ステージ66の両方を含む交換エレメント70は、基体55の開口端部144を通して挿入される。フィルタエレメント70は、端部キャップ202のシール部分210がシール表面128とアウターライナー248の間で圧縮されてその間で半径方向シール214を形成するように配向される。いくつかの実施例では、フィルタエレメント70もまた端部キャップ202が基体55の端部壁114に係合して隣接するように配向される。次に、カバー部材56はフィルタエレメント70の端部の上に置いて、端部キャップ254のシール部分258がアウターライナー248とカバー部材56のシール表面166の間で圧縮されるように配置する。これは半径方向シール260を形成する。また、いくつかの配置では、フィルタエレメント70もまた端部キャップ254がカバー部材56の停止170と軸方向に係合し隣接するように配向する。
【0075】
両方のシール214とシール260とを適所に配置し、次に、カバー部材56をラッチ136を係合することによって基体アセンブリ54に固定する。これは、またカバー部材56と基体55との間のシール164を形成するのを助ける。
【0076】
B.実施例の構造物とシステム
フィルタ配置構成36は、1.5リットル〜16リットルエンジンで50〜1200馬力のターボ過給、過給、または天然ガスディーゼルに有用である。1つの応用では、エンジンは250〜400馬力のV−8エンジンである。エンジンは、少なくとも3リットル、通常7〜14リットルのピストン排気量を有する。エンジンは、通常、8〜16cfm(0.224〜0.448m3/分)の発生した吹き抜けガスを有する。好ましいフィルタ配置構成36は、1〜20cfm(0.028〜0.56m3/分)の吹き抜けガスを扱うことができる。
【0077】
他のシステムでは、フィルタ配置構成36は、8kw〜450kw(11〜600馬力)、450〜900kw(600〜1200馬力)および900kwを超える(1200馬力を超える)出力を持つエンジンに有用である。一般に、エンジンの出力が増加するつれて、第2ステージ媒体194の表面積は増加する。例えば、エンジン出力8kw〜450kwに対してひだ付き媒体が使用される場合のひだの長さは約4〜5インチであり、エンジン出力450kw〜900kw(600〜1200馬力)に対するひだの長さは約6〜8インチであり、900kwを超えるエンジン出力に対しては2つ以上のフィルタ配置構成36が使用される。
【0078】
本明細書に記載された技術を使用して、さまざまな特別の構成と応用が実現可能であることが理解される。以下の寸法は通常の例である。
【0079】
【表1】
【0080】
C.実施例の材料
この章では、図2〜図7の実施例で有用な材料について説明する。本明細書に記載された材料以外のさまざまな材料を使用することができる。
【0081】
ハウジング50は炭素が充填されたナイロンなどのプラスチックであり得る。
【0082】
オプションのコアレッサ64の媒体224は、一般に、ひだ付きでなく筒状でないポリエステル繊維状媒体であり、約18μm未満、通常、約12.5μmの平均繊維径と、自由状態で約1.05%以下の%表示のソリディティ(固体性、固形分比率 solidity)とを有する。媒体224は上流側と下流側に晒された表面積として、少なくとも1平方インチで約7平方インチ未満の表面積、通常、3〜4平方インチの表面積を有する。材料は、1.5デニール(約12.5μm)の平均繊維径と、自由状態において少なくとも0.85%のソリディティとを有する。材料は、通常、約3.1オンス/平方ヤードより大きい重量を有する。通常、材料は3.8オンス/平方ヤード未満の重量を有する。通常の重量は、3.1〜3.8オンス/平方ヤード(105〜129g/平方メートル)の範囲である。通常、媒体は、0.002psiの圧縮(自由厚さ)で約0.32インチより大きい厚みを有する。通常、媒体は、0.002psiの圧縮(自由厚さ)で約0.42インチ未満の厚みを有する。通常の媒体の自由厚さは、0.32〜0.42インチ(8.1〜10.7mm)の範囲である。媒体は、通常、少なくとも約370フィート/分(113m/分)の透過率を有する。
【0083】
オプションのコアレッサ64の媒体224は、一般に、本明細書の以下のVI章で詳細に記載するように、好ましい2成分繊維を含む媒体によって提供される。
【0084】
端部キャップ202、254は高分子材料であり得る。いくつかの実施例では、端部キャップ202、254は、ウレタンであり、より好ましくは、発泡性ポリウレタンである。発泡性ポリウレタンの1つの実施例は、本明細書に参照により合体される、共に譲渡された米国特許第5,669,949号で端部キャップ3として記載されている。材料は以下の10〜22ポンド/立方フィート(lbs/ft3)の「成形されたときの」密度を持つ最終製品(柔らかいウレタンフォーム)に処理され、25%のたわみが約10psiの圧力を要求するようなポリウレタンであり得る。いくつかの実施例において、「鋳込まれたたときの(as molded)」密度は、10〜22ポンド/立方フィートの範囲で変化する。ポリウレタンは、I35453R樹脂とI305OUイソシアネートで作られた材料を含む。材料は、100部135453R樹脂対36.2部I3O5OUイソシアネート(重量で)の混合比率で混合されるべきである。樹脂の比重は1.04(8.7ポンド/ガロン)であり、イソシアナトの比重は1.20(10ポンド/ガロン)である。材料は通常は高動的せん断ミキサー(high dynamic shear mixer)によって混合される。成分温度は70〜95°F(21〜35℃)とすべきである。鋳込み(molding)温度は115〜135°F(46〜57℃)とすべきである。
【0085】
樹脂材料I35453Rは以下の記載の通りである。
(a)平均分子量
1)塩基性ポリエーテル・ポリオール=500〜15,000
2)ジオール類=60〜10,000
3)トリオール類=500〜15,000
(b)平均の官能性
1)トータルシステム=1.5〜3.2
(c)水酸基数
1)トータルシステム=100〜300
(d)触媒
1)アミン=エア・プロダクツ0.1〜3.0PPH
2)Sn=ウィトコ0.01〜0.5PPH
(e)界面活性剤
1)トータルシステム=0.1〜2.0PPH
(f)水
1)トータルシステム=0.03〜3.0PPH
(g)顔料/染料
1)トータルシステム=1〜5%カーボンブラック
(h)発泡剤
1)0.1〜6.0%HFC 134A.
I3050Uイソシアネートの記載は以下の通りである。
【0086】
(a)NCO含有量=22.4〜23.4wt%
(b)粘性=25℃で600〜800cps
(c)密度=25℃で1.21g/cm3
(d)初期の沸点=5mmHgで190℃
(e)蒸気圧=25℃で0.0002水銀柱
(f)外観=無色の液体
(g)引火点(デンスキー・マーティンズ・クローズドカップ)=200℃
材料I35453RとI3050Uは、BASF社、ワイアンドット、ミシガン 48192から利用可能である。
【0087】
フレーム構造物222、インナーライナ246、アウターライナー248、およびスクリーン234、238は、炭素を充填したナイロンなどのプラスチックによって製造され得る。
【0088】
ひだ付き媒体が使用されるとき、フィルタ66は好ましくは疎油性材料から作られる。1つの実施例は、周囲の空気−オイルのミスト状態において性能を高めるためにコーティングされて波形形状にされた合成ガラス繊維フィルタである。ひだ付きにされた場合、媒体194は、少なくとも0.1フィート/分で5フィート/分未満、通常は0.3〜0.6フィート/分の面速度を有する。ひだの深さは0.5インチ以上、3インチ以下、通常は0.75〜2インチである。ひだの長さは少なくとも1インチ以上、15インチ以下、通常は3〜6インチである。ひだ付き媒体194は少なくとも2平方フィート、好ましくは3〜5平方フィートの上流側の媒体表面積を有する。少なくとも30のひだで約150未満のひだ、通常は約60〜100のひだがある。合成ガラス繊維フィルタ媒体は、脂肪族炭化フッ素材料のように低表面エネルギー材料でコーティングされ得る。コーティングと波形成形の前に、媒体は、少なくとも80ポンド/3000フィート2で88ポンド/3000フィート2未満、通常は約80〜88ポンド/3000フィート2(136.8±6.5g/m2)の重量がある。ひだが付けられると、媒体は、0.027±0.004インチ(0.69±0.10ミリメートル)の厚さ、約41〜53μmの細孔径、約21〜27%の樹脂含有量、13〜23psi(124±34kPa)の装置から離れたときの濡れ破裂強度、37±12psi(255±83kPa)の300°Fで5分間放置後の濡れ破裂強度、約0.30〜0.60の破裂強度の比率、33±6フィート/分(10.1±1.8m/分)の透過率を有する。波形成形とコーティング後、ひだ付きされると、媒体は以下の特性を有する。約0.023〜0.027インチ(0.58〜0.69mm)の波形の深さ、約6〜10ポンド/インチ(3.6±0.91kg/インチ)の濡れた引張り強度、波形成形後、少なくとも30psi(207kPa)の乾いた破裂強度を有する。
【0089】
ひだ付き媒体がフィルタ66に使用されるとき、コアレッサ媒体224の上流側の表面積対ひだ付き媒体194の上流の表面積の比率は、25%未満、通常は10%未満、ある場合には1%未満である。コアレッサ媒体224の下流側の表面積対ひだ付き媒体194の上流表面積の率は25%未満、通常は10%未満、ある場合には1%未満である。
【0090】
本開示に基づく多くの通常の配置構成において、フィルタ66はひだ付き形態で提供されないし上記に特徴付けられた材料を含まない。本明細書の以下のVI章で記載されているようなかなり好ましい繊維状材料が使用される。
【0091】
ハウジング52はガラスで充填されたナイロンなどの成形されたプラスチックで作ることができる。ダイヤフラム構造物94は、ゴムなどの変形可能な材料で作ることができる。
【0092】
III.図10〜15の実施例
コアレッサ・フィルタとガスクリーナ配置構成の別の代替の実施例は図10〜図12に400として図示されている。ガスクリーナフィルタ配置構成400は、ハウジング402を含んでいる。図示されたハウジング402は、ツーピースの構造物を含む。特に、ハウジング402は基体アセンブリ404と取り外し可能なカバー部材406を含む。基体アセンブリ404は基体405とふた407を含んでいる。
【0093】
ハウジング402は以下の4つのポート、ガス流入口ポート408、ガス流出口ポート410、ポート412、ガス流れバイパス出口ポート414を含んでいる。次に、図12を参照すると、一般に、ガスクリーナフィルタ配置構成400は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と第2ステージフィルタ媒体418を含んでいる。図示された配置構成での使用中に、ポート412は、液体流出ポートまたは液体排出口412として作用する。図示された配置構成において、ガス流れに混入した液体は、ガス流入口ポート408を通過し、次に、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通過するように方向づけられる。液相の部分は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって合体し、ガス状の流れから除去されるであろう。オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416内で合体された液体は、液体流出ポート412を通ってハウジング402から排出される。媒体構成物418は、更に、液体粒子の合体/排出がガス流れから少なくとも固体粒子の一部を除去し、次に、清浄にされたガス流れがハウジング402からガス流出口ポート410を通過して外に向けることを規定する。
【0094】
図5で図示された実施例のように、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と媒体418は、フィルタ配置構成またはフィルタエレメント420(図13〜15)を形成するただ一つのまとまった構造物である。通常のデザインでは、フィルタエレメント420は、ハウジング402から取り外し可能で取替え可能である。図5の実施例のように、「1つにまとまった(unitary)」は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と第2のステージ媒体418とはエレメント420の一部を破壊せずには分離することができないことを意味する。通常の実施例において、第1および第2端部キャップ444、445は1つにまとまった構造物の一部である。
【0095】
また図10と図12を参照すると、図示された基体アセンブリ404は、入口部管構造物422、弁ハウジング424、キャニスター部分426、および出口部管構造物428を有する。図示された実施例において、入口部管構造物422、弁ハウジング424、キャニスター部分426、および出口部管構造物428のそれぞれは基体405の一部を含む。ふた407とともに、基体405とふた407は基体アセンブリ404の一部である。図示された実施例では、ふた407はボルト配置構成409のような選択的に取り外し可能な機械的な係合で基体405に固定されている。ボルト配置構成409は調整弁アセンブリ496への選択的なアクセスを提供する。
【0096】
フィルタエレメント420は、ハウジング402中に取り外し可能で搭載可能に構成されて配置されている。すなわち、フィルタエレメント420とハウジング402は、ハウジング402がフィルタエレメント420にアクセスするために選択的に開くことができるように設計されている。フィルタエレメント420は、ハウジング402の内部403内に選択的に搭載可能かつ取り外し可能なように設計されている。フィルタエレメント420が図12に図示されているようにシール(以下で説明する)のすべてが適所にある状態で配置されているとき、フィルタエレメント420はハウジング402中に操作可能に設置されると考えられる。
【0097】
上記説明したように、ハウジング402は、フィルタエレメント420にアクセスするために選択的に操作可能となるように設計されている。図示された特別な実施例において、カバー部材406はラッチ配置構成429を通して基体405に固定される。ラッチ配置構成429が固定状態にあるとき、ラッチ配置構成429は好ましくは、カバー部材406をしっかりきつく基体405に保持する。図示された実施例において、ラッチ配置構成429は少なくとも2つのラッチ433、本実施例においては第1と第2ワイヤラッチ433を含む。
【0098】
図12を参照すると、基体405とカバー部材406がシール配置構成421を含むことが注目される。特に、カバー406が、その間で受け入れスロット417を定める1組の相対するフランジ413、415を含むことが注目される。基体405はスロット417を適合するフランジ411を含んでいる。通常のそのような実施例はまた、スロット417中に配置されたO−リングシール部材419を含んでいる。
【0099】
図15は、フィルタエレメント420が設置されない状態、すなわち、フィルタエレメント420がハウジング402中に取り付けられないときのフィルタエレメント420を図示している。図13はフィルタエレメント420の端面図を示しており、図14は、フィルタエレメント420の反対の端面図を示している。一般に、フィルタエレメント420はフィルタ媒体の領域431,432を含んでいる。図に示されたフィルタエレメント420において、フィルタ媒体431は、管状の開いているフィルタ内部436を定める管状の延長部434を含んでいる。ある構成物において、媒体の管状延長部434は、管状(代替物は可能であるが、例えば、円形)の断面を定める筒状の形状を一般にもつように構成されている。媒体431の領域は多くのタイプの媒体438であり得る。しかしながら、好ましくは、VI章に記載されているようなひだ付きでない媒体を含んでいる。媒体431の領域は、フィルタ配置構成400に設置されると、好ましくは、ガス流れがハウジング402を出る前に、液体粒子の選択された合体/排出と固体粒子の選択された除去を提供するように作用する。
【0100】
図示された実施例において、媒体438は第1端部440と対向する第2端部441を有する。媒体438の長さは、通常の実施例において、第1端部440と第2端部441の間に延びている。図示されたフィルタエレメント420において、第1端部キャップ配置構成442が第1端部440に置かれる。特に図示された実施例において、第1端部にキャップ配置構成442は、端部キャップ444と、その中に成形で作られた、オプションの堅くて予備成形された挿入部品446とを含んでいる。そのような構成物において、第1端部キャップ配置構成442は1つのまとまった構造であり得る。以下でさらに説明されるように、予備成形された挿入部品446は、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を操作可能なアセンブリに保持しているフレーム構造物450を含んでいる。
【0101】
更に、図15を参照すると、第2端部キャップ配置構成443が媒体438の第2端部441に置かれている。第2端部キャップ配置構成443は少なくとも第2端部キャップ445を含んでいる。
【0102】
上記記載したように、フィルタエレメント420は、少なくとも媒体の第2領域431および第2領域432を含んでいる。その配置構成において、媒体431の第2領域はひだ付き媒体であり得るし、および/またはそれが巻き付けられたまたは成形された媒体であり得る。好ましくは、以下のVI章で記載されるような媒体である。媒体432のオプションの第1領域は、ガス流れが開いたフィルタ内部436と連通するように媒体431の第2の領域の管状の延長部434を横切ぎる延長部に配置されている。「管状の延長部を横切る延長部に配向されている」のフレーズによって、媒体432のオプションの第1領域はそれ自体が管状の延長部を形成するために媒体431の第2領域と放射状に重ならないことを意味する。むしろ、媒体432のオプションの第1領域は、端部キャップ開口445を横切って延びて覆う。媒体432のオプションの第1領域は、それ自身が端部キャップ444内に埋め込まれているかあるいは端部キャップ444から端部キャップ445に向かう方向に離れて隣接して配置される。媒体432のオプションの第1領域は単一平面中に含まれる必要はないが、通常の実施例では、媒体432のオプションの第1領域は、管状でない、筒状でない、一般に、パネル構造物448である。「パネル構造物」によって、媒体432の第1領域は、ガス流れが一般にまっすぐに通過する経路を維持することを可能にすることが意味される。すなわち、ガス流れは、上流面452から川下面454まで流れるときに、ガス流れが角を曲がる必要はない。
【0103】
いくつかの実施例において、図15Aを参照すると、媒体432のオプションの第1領域もまた第1ステージのコアレッサ・フィルタ416に対応している。通常の実施例において、媒体432のオプションの第1領域は繊維状媒体456を含んでおり、繊維状媒体456はVI章に記載されているような好ましい媒体を含むことができる。ある実施例において、媒体456は少なくとも1つの層を含み、通常は、不織でひだ付きでない開いていない管状の合体する深さ媒体459の繊維状バンドルの複数の層458を含んでいる。図12と図15で示される実施例において、繊維状深さ媒体459の2つの層461、462がある。繊維状媒体456のために使用可能な材料は、図5の媒体224と関連して上記に説明された。
【0104】
図13に注意を向けると、第1端部キャップ444が平面図で示されている。いくつかの実施例では、端部キャップ444は成形された高分子材料のリング466を含んでいる。リング466は、図示された実施例において、リング466で中心に置かれる中央開口468を定める。言い換えれば、中央開口468は、リング466の対称中心と同じ対称中心を有する。図示された特別の実施例において、中央開口468は円形である。中央開口468はガス流れの入口開口として機能する。図示された中央開口468は、第1ステージのコアレッサ・フィルタ416の流れ通路423と一直線に(重なってまたは同軸上に)並んでいる。
【0105】
端部キャップ444は軸部分470と輪状または半径方向部分472を含んでいる。中央開口468は開いているフィルタ内部436とガス流れを連通させる。端部キャップ444の軸部分470は少なくとも1つの連続する突起物474を含んでいる。いくつかの実施例では、連続する突起物474は、フィルタエレメント420がハウジング内部403中に操作可能に設置されるときハウジング402で2次シール476(図12)を形成するのを助ける。図13に示す特別の実施例において、連続する突起物474は円形リング478を形成する。
【0106】
端部キャップ444の半径方向部分472は輪状のシール部分480を形成する。フィルタエレメント420がハウジング402中に操作可能に組み立てられるとき、輪状のシール部分480はシール部材482を形成する。図13の実施例において、シール部材482は、中央開口468を外接させるようにリング466の内側の輪状表面に沿って形成されている。
【0107】
フィルタエレメント420がハウジング402中に操作可能に設置されるとき、シール部材482はハウジング402でシール484(この場合は半径方向シール)を形成する。特に、図12で図示された配置構成において、ハウジング402の基体405は内部の管486を含んでいる。管486は、外接して、ガス流れ開口490を定める固い壁488を含んでいる。図12に図示されているように組み立てられると、壁488は、端部キャップ444の開口468を通過して開いているフィルタ内部436中に延びるように設計されているシール部分492を有する。また、壁488は、ある例では、弁アセンブリ496と相互作用するような端部部分494を有する。弁アセンブリ496、その動作、および壁488とのその相互作用について以下に詳細に議論される。
【0108】
図12において、半径方向シール484が管486のシール部分492に対して形成されるのが理解され得る。いくつかの実施例では、半径方向シール484は、端部キャップ444中に埋め込まれた予備成形された挿入部品446と管486のシール部分492の間(between and against)の第1端部キャップ材料を圧縮することによって形成される。この文脈において、「間」によって、第1端部キャップ444の材料は、管486のシール部分492と予備成形された挿入部品446の間の距離を横切って延びて、部分492と挿入部品446の剛性により、1次元で圧縮されることを意味する。
【0109】
ここで、図15Aを参照すると、特に図示された輪状のシール部分480は、ステップ状構造物498を含んでいる、但し、代替物は可能であが。ステップ状構造物498は、ハウジング402のシール部分492と端部キャップ配置構成442とシール部分の間の半径方向シール484の挿入と形成を助ける。図示された実施例において、ステップ状構造物498は、端部キャップ444の軸部分470から繊維状媒体456の上流面452まで延びている複数の直径が減少する領域を含んでいる。図15Aにおいて、ステップ状構造物498は、最大直径501の第1領域を含んでおり、第1領域より小さい直径の第2領域に隣接し、第2領域の直径より小さい直径の第3領域に隣接し、第3領域の直径より小さい直径の第4領域に隣接している。直径が減少していくステップ状構造物498は、ハウジング402へのフィルタエレメント420の挿入と半径方向シール484の形成を助けるシール部分480を結果として形成する。
【0110】
例えば、端部キャップ444のシール部分480は、ハウジング402の管486のシール部分492に対してシール部分480の半径方向の圧縮を有する圧縮性材料から作られる。いくつかの実施例では、端部キャップ444は、成形時の密度が約10〜22ポンド/立方フィートである、柔らかいポリウレタンフォームを含む。1つの使用可能な材料は、上記記載されたシール部分410と連結するものであり、別の使用可能な材料は、以下でさらに説明される。
【0111】
再び図12を参照すると、図示されたフィルタ配置構成400は、オプションの媒体432の第1領域から液体流出口412に向かって、合体した液体などの液体を方向づけるために配向された流れ構造物配置構成510を含んでいる。一般に、流れ構造物配置構成510は、不浸透性で、連続して、とぎれない壁514によって形成された管512を含んでおり、壁514は、開いた流体通路516を取り囲んで定めている。ある実施例では、管512は、第1ステージのコアレッサ・フィルタ416の下流側表面454から第2の端部キャップ445に向かう方向に少なくとも部分的に延びている。いくつかの実施例において、管512は下流表面454と第2端部445の間の完全な距離で延びている。図示された特別の配置構成において、管512は、第2の端部キャップ445に隣接する壁514の端521で、開口520、好ましくは流体出口開口523を形成する。この様に、この特別の配置構成において、第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって合体される液体は、管512の内部517に沿って集まって、液体流出ポート412まで重力によって滴ることが可能となる。代替の排液配置構成もまた使用可能である。図示された実施例において、全体の壁514は穴の開いていない部分513を含んでいるが、他の実施例では、壁514の部分だけが穴が開いていない。
【0112】
図8の実施例において、流れ構造物配置構成284は、一般に、まっすぐであり曲がっていないものとして図面に図示されている。図12と図15の実施例において、流れ構造物配置構成510は、傾斜状のまたは先細り(taped)の壁514を持つ円錐部515として図示されている。ある構造物では、壁514のテーパの角度はエレメント420の全長によって調整される。すなわち、いくつかの構造物では、中央開口468のサイズは一般に固定されている。媒体438の長さが大きくなるに従って、全体のエレメント420の長さは大きくり、壁514の角度またはテーパーは減少する。ある配置構成では、テーパーの角度は、長手方向軸518(図15)からエレメント420の対称中心まで測定されるように、端部519(コアレッサ・フィルタ416に隣接する)から端部531まで少なくとも1°で延びている。いくつかの配置構成では、テーパの角度は、2〜15°であり、通常は45°未満であり得る。壁514のテーパまたは角度は、流体出口開口520の方向に合体した液体を向けて最終的に液体流出ポート412通過するのを助ける。
【0113】
第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通り抜けた後に、ガスは流体通路516を通過し、出口開口520を通過して外に出て、次に、ガス流れプレナム522中に流れる。ガス流れプレナム522は、管512の壁514と媒体438の間で形成される。壁514のテーパは、第2端部キャップ445に隣接する体積524と、体積524より小さい第1端部キャップ444に隣接する体積526の間で角度を付けさせる原因となる。
【0114】
ここで図14を参照すると、図示された第2端部キャップ445は中央開口507を定めるリング507を含んでいる。開口507は、図12に図示された特別のシステムにおい、てオプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって集められた液体の流路がフィルタエレメント420を出るのを可能にする。端部キャップ445はハウジング402でシール509(図12)を形成するためのシール配置構成508を支持する。図12に図示された実施例において、図示された特別なシール509は、フィルタエレメント420とカバー部材406の内側のシール表面531の間で形成された軸方向シール530である。いくつかの実施例において、シール配置構成508は、第2端部キャップ445の一般に平らで平面部分536から軸方向に延びているまたは突き出ている突起物534を含んでいる。ある実施例では、突起物534は連続したリング538を形成する。いくつかの構造物は、一つのまとまった成形された構造物540として端部キャップ445と突起物534とを含んでいる。いくつかの実施例では、端部キャップ構造物540は高分子材料、好ましくは、ポリウレタンなどの圧縮性の高分子材料から作られている。いくつかの実施例では、第2の端部キャップ445は、第1端部キャップ444と同じ材料から作られている。軸方向シール530は、入口ポート408からのガスが第1ステージのコアレッサ・フィルタ416とフィルタ媒体418の第2ステージ構造物を迂回するのを防ぐのを助ける。また、軸方向シール530は、油などの液体のしみだしが第2ステージフィルタ媒体418の下流側に通過するのを防ぐのもまた助ける。
【0115】
上記説明したように、第1端部キャップ構成442は予備成形された挿入部品446を含む。図12と図15で図示された実施例において、予備成形された挿入部品446は繊維状媒体456を保持して閉じこめるフレーム構造物450を含んでいる。ここで、さらにフレーム構造物450について説明する。図15を参照すると、図示された特別のフレーム構造物450はマルチ−ピース構造物546である。図15Aに示される実施例において、マルチーピース構造物546は少なくとも第1フレームピース550と第2フレームピースが552を含んでいる。第1フレームピース550は繊維状媒体456の上流の流れ表面452を覆う支持体グリッド554を含んでいる。ある実施例において、支持体グリッド554は、多孔質であり、液体が混入したガスを含むガスがコアレッサ媒体456を横切って通過して流れるのを可能にする、メッシュ・スクリーン555(図13)である。また、スクリーン555は繊維状媒体456に構造的な支持体を提供する。
【0116】
同様に、第2フレームピース552は繊維状媒体456の下流側の流れ表面454を支持して覆う支持体グリッド556を含んでいる。図示された支持体グリッド556は、多孔質のメッシュスクリーン557(図14)を含み、繊維状媒体456に構造的な支持体を提供し、ガスと合体した液体が流れ構造物配置構成510の流体流路516に入って通過することを可能にする。
【0117】
図示された配置構成において、第1フレームピース550と第2フレームピースは、繊維状媒体456を保持するまたは閉じこめるハウジング562を形成するために、スクリーン555とスクリーン557の間の保持ポケット560を形成するために互いに隣接して配置されている。いくつかの実施例において、第1フレームピース550と第2フレームピースとは、スナップ係合のようなインターロック構造などで機械的に係合している。
【0118】
いくつかの実施例において、フレーム構造物450を形成する予備成形された挿入部品446は、リング568の内側の環状領域566に沿って高分子の端部キャップ444中に成形されて埋め込まれている。リング568は、図12と図15に図示された実施例において、第2フレームピース552と統合されて同じピースとなっている。一般に、リング568は、突起物またはスクリーン555から媒体438の第1軸方向端部440まで延びている、取り囲む壁570を含んでいる。図15Aで理解されるように、壁570はシール部分480中の端部キャップ材料の圧縮に対する堅いバックネットを形成する。すなわち、好ましい構造物において、半径方向のシール484は、バックネット572と壁488のシール部分492の間に、シール部分480の圧縮によって形成される。
【0119】
図12、図15、図15Aをレビューすることによって理解されるように、いくつかの実施例は第2フレームピース552の統合された1つにまとまった部分として流れ構造物配置構成510の管512を含んでいる。このように、図12と15に図示された実施例において、図示された特別の第2フレームピースは、バックネット472を形成する端部440から、媒体438の長さに沿って出口開口520を形成する端部521まで延びている。
【0120】
さらに、図12と15を参照すると、いくつかのフレーム構造物は支持リングまたはフレーム574を含んでいる。支持体フレーム574は、フレーム構造物450を中心に置いて、開いているフィルタ内部436の中に均等にフレーム構造物450を保持するのを助ける。支持体フレーム574は、管512と媒体438の内側の周辺576の間で構造的な硬さを提供するさまざまな配置構成と構造物とであるかもしれない。図12、図14、および図15に図示された特別の実施例において、支持体フレーム574はリング構造物578を含んでいる。図示されたリング構造物578は、端部521に隣接する壁514に、スナップ係合582によってなどで機械的に係合している。図示されたリング構造物578は少なくとも壁514と係合する内側リング584と、フィルター媒体418の第2ステージ管状構成物の内部の周囲576に接触しているまたは隣接している外側リング586と、を含んでいる。内側リング584と外側リング586は複数のスポークまたはリブ590によって分割された、複数のガス流れ開口588をその中に定める。リブ590はリング構造物578を構造的に支持して完全にする。ガス流れ開口588は、ガスの流路が第1ステージのコアレッサ・フィルタ416から第2のステージフィルタ媒体418まで可能にする。すなわち、ガス流れが第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通過し、流体通路516を通過した後で、ガス流れが流体出口開口520を通過し、壁514の端521の周りの角(約180°)を曲がって、複数の開口588を通過してガス流れプレナム522まで流れる。そこから、ガスは媒体434の管状の延長部を通過して流れる。
【0121】
また、ある実施例において、フィルタエレメント420はライナー594のような外側の支持体592を含む。いくつかの配置構成において、支持体592は、第1と第2の端部キャップ444、445の間に延びて、媒体438に支持体を提供するまたは保持するのを助ける。いくつかの実施例では、ライナー594は拡張金網(expanded metal)を含んでいる。ある配置構成では、ライナー594は、フィルタエレメント420の他の部分と同様に、非金属であり得る(少なくとも98%が非金属であり好ましくは100%が非金属の材料)。いくつかの実施例では、ライナー594の代わりに、媒体438は支持体バンドまたはロービングを含む。さらに他の配置構成において、媒体に十分な構造的な信頼性がある場合には、媒体(内側の、および/または、外側の)の支持を避けることができる。
【0122】
上記説明したように、好ましいフィルタ配置構成400は弁アセンブリ496を含んでいる。図12に図示された実施例において、弁アセンブリ496は調整弁機能とバイパス弁機能の両方を提供する。最初に、調整弁機能について説明する。弁ハウジング424は開いている内部603を定める外側の周囲の壁601を含み、そこでは、エンジン・クランク室から入口408まで流れる、処理されるべきガスは、フィルタエレメント420に入る前に、流れて集まることが可能となる。図示された弁アセンブリ496において、ダイヤフラム602とスプリング605などのバイアス機構がある。ある実施例では、ダイヤフラム602は一般に丸く、シェルフ(棚)608によって保持されるかシェルフ608上に載っている。シェルフ608はふた407と弁ハウジング424の間で支持されている。図示された実施例において、ダイヤフラム602と管486の端部部分494の間にギャップ610があることが注目される。ギャップ610はガス流れが弁ハウジング424の内部603から管486のガス流れ開口490中に流れることを可能とする。作動の間、スプリング605とダイヤフラム602は管486中で流れを調整する。
【0123】
また、弁構造物496はバイパス弁機能を含んでいる。フィルタエレメント420中の媒体が閉塞されて、制限が容認できないほど高いレベルまで増加すると、弁ハウジング424の内部603内の圧力が増加する。これはダイヤフラム602に対しておよびスプリング604に対して圧力を印加し、ガスがふたによって定められる内部の体積612に流れ込むことを可能にする。そして、ガスはガス流れの迂回出口ポート414(図10)を通って流れる。
【0124】
実施例の作動と点検
作動において、図示されたフィルタ配置構成400は以下の通り作動する。エンジン・クランク室からの吹き抜けガスは、ガス流入口ポート408を通って入ってくる。ガスは弁ハウジング424の内部603を通過する。弁アセンブリ496は、ガスの流路を可能にし、ガス流れ開口490を可能にする。そこから、ガスは第1ステージのコアレッサ・フィルタ416を通り抜ける。
【0125】
ガス流れは上流側面452を通過し、オプションの繊維状媒体456を通過し、下流側表面454を通って外に出る。オプションの繊維状媒体456はガス流れの残りから液体の一部を分離する。媒体456から集められた液体は、媒体456から流れる、図示された実施例において、液流出ポート412に直接滴るまたは流れ構造物配置構成510の壁514に沿って排出される。液体流出口ポート412を通過した後で、液体は、しばしば油であるが、再利用のためにクランク室に戻される。
【0126】
オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416によって合体され、排液されなかった液体粒子を含むガス流れは、流体流路516を通過し、出口開口520を通過し、壁514(約180度の回転を作る)の端部521を通り、ガス流れプレナム522の中へ流れる。ガス流れプレナム522からガスはフィルタ媒体418を通過して流れるが、フィルタ媒体418は追加の液体粒子を選択的に合体して/排液することにより選択的に除去し、また、ガス流れから固体粒子を選択的に除去する。ガス流れは半径方向シール484と軸方向シール530、476により第2のステージ媒体418をバイパスすることが防止される。そして、清浄にされたガスは、第2ステージのフィルタ媒体418からガス流出ポート410を通って外の川流に流れる。そこから、ガスはエンジンのターボに向けられる。
【0127】
フィルタ配置構成400は以下のように点検修理する。カバー部材406を基体アセンブリ404からラッチ433をはずすことによって取り外す。カバー部材406が基体アセンブリ404から取り外されると、軸方向シール530が開放される。フィルタエレメント420は、基体405から外に突出して露出する。次に、基体405からフィルタエレメント420をつかんで引きだすことができる。これは半径のシール484を開放する。フィルタエレメント420の取り外しでは、もちろん、オプションの第1ステージのコアレッサ・フィルタ416と媒体構造物418との両方を取り外す。全体のフィルタエレメント420を配置することができる。多くの実施例において、フィルタエレメント420は、フィルタエレメント420が焼却可能なように、少なくとも99%が非金属材料で構成されている。
【0128】
次に、第2の新しいフィルタエレメント420を設置する。新しいフィルタエレメント420は、取り外されたカバー部材406によって露出した開口からエレメント420を通すことによってハウジング402中に設置する。端部キャップ444の中央開口468を入口管486の周りに配向し、半径方向シール484が適所にくるまで基体405に対して横に滑らせる。このことは、突起物474を基体内部405を軸方向に隣接させて軸方向シール476を形成するときもしばしば行われる。
【0129】
カバー406はフィルタエレメント420の露出した端部上に配置する。ラッチ433は、カバー部材406を基体405に操作可能に固定するために係合する。また、これはエレメント420に対して軸方向にカバー406を圧縮して軸方向シール530が形成される。
IV.図16〜21の実施例
予備形成された挿入部品の代替の実施例は、図16〜20において一般に650で示されている。挿入部品650は挿入部品446に代わってフィルタエレメント420中で使用可能である。挿入部品650はそれ自身に便利な製造技術を賦与する。
【0130】
図示された挿入部品650はフレーム構造物652、流れ構造物配置構成654、支持体リングまたはフレーム656を含んでいる。これらの部品は、図15で記載したフレーム構造物450、流れ構造物配置構成510、支持体フレーム574に類似的に機能する。
【0131】
流れ構造物配置構成654は、開いている流体流路664を取り囲んで定めるとぎれない壁662によって形成された管660を含んでいる。壁662は不浸透性の壁部分663を含んでいる。図示された実施例において、全体の壁662は、不浸透性の壁部分663を含んでいる。他の実施例では、壁662は流体を透過性する部分を含むことができる。壁662は、合体した液体が液体出口ポートまで滑って滴るのを可能にする内面666を有する。壁662は管660の端部670で、出口開口668を定める。多くの応用では、出口開口668は、ガスと液体の両方がそれを通過して出ることを可能にする。例えば、好ましい応用では、出口開口668は、集められた液体が管660を出て、適切な液体出口ポートの中へ流れるのを可能にする。
【0132】
図12と図15の実施例のように、いくつかの配置構成において、壁662は円錐部667であり、壁662の入口端部672から出口端部670まで傾斜となっているかテーパになっている。すなわち、そのような実施例では、管660は円形断面を有し、入口端部663の直径は出口端部670の直径より大きい。いくつかの配置構成では、入口端部672の直径は、端部670の直径よりも少なくとも0.5%大きく25%未満であり、通常は1〜10%大きい。
【0133】
更に、図16と図18を参照すると、図示されたフレーム構造物652は、オプションの合体媒体675を保持して、閉じこめるために提供される。この特別の実施例において、フレーム構造物652は上記説明したフレーム構造物450と異なっている。この特別の実施例において、第1フレームピース681と第2フレームピース682がある。第1フレームピースは、内側の体積685(図19)を定める、壁または外側の輪状縁684を有する。例えば、多孔質なメッシュ・スクリーン688の形態である支持体グリッド686は、第1フレームピース681の片端を横切って軸方向に広がりって壁684と一体化している。スクリーン688は、オプションの媒体675に構造的な支持体を提供し、ガス流れが媒体675に達するのを可能にする。
【0134】
第1フレームピース681はまた、外側縁684に隣接して離れている、内側縁690を含んでいる。内側縁690は、ポリウレタン・端部キャップ材料の流れが媒体675の上流面692をふさぐのを防ぐのを助ける。(実施例の鋳込み技術と内側縁690の機能について以下でさらに説明する。)図16と図17で理解されるように、内側縁690は複数のリブ694で外側縁684に接続している。例えば、内側縁690は、端部キャップ材料(例えば、ポリウレタン)流路691をその間に形成するために外側縁684から5mm未満で離れている。
【0135】
図示された壁または縁684は、組合せもどり止698に係合して受け入れるためにのくぼみ696(図19)を定める。もどり止698は、図示された特別の実施例において第2フレームピース682の一部である。もどり止698、くぼみ696は便利で素早いアセンブリを提供し、第1および第2フレームピース681、682がしっかりとはめられるのを可能にする。もちろん、第1と第2フレームピース681、682の間の機械的な係合は、多くの他の実施例を想定することができる。
【0136】
第2フレームピース682は、開いている体積702を定めて取り囲む輪状の壁700を含んでいる。図示された特別の実施例において、壁700は一般に円形の断面を有し、壁は一定であり(円筒を形成する)、壁662のオプションなテイパーに適合するためにいくらかテーパとなっている。第2フレームピース壁700は第1と第2の対向する端部704、706を含む。図示された実施例において、一般に、端部704は入口端部672に対応する。
【0137】
第2フレームピース682はまた、開いている体積702を広げて壁700と一体化する支持体グリッド708を含む。図示された支持体グリッド708は、スクリーン710を含む。スクリーン710は、合体媒体675に構造的な支持体を提供し、オプションの媒体675の下流面712に係合し保持する。
【0138】
第1と第2フレームピース681、682は、オプションの合体媒体675を保持し、固定して、閉じ込めるために内部体積または保持ポケット714を形成する。使用されると、媒体675は、支持体グリッド686が上流面692と係合し、支持体グリッド708が下流面712と係合するように、通常、ポケット714中に機械的に圧縮される。上記説明したように、壁700はくぼみ696と係合するまたはしっかりはめるために体積702中に内部に突き出ているまたは延びている複数の突起物またはもどり止678を含んでいる。
【0139】
第2フレームピース682はまた、管660の壁662に確実に取り付けるために機械的な係合構造を含む。特に、第2フレームピースと管660はまたもどり止/くぼみ係合718のような機械的な係合構造を含んでいる。図19に図示された特別の方法において、壁700は内部体積702中に延びるまたは突き出ている第2の複数の突起物720を含んでおり、一方、壁662はもどり止または突起物を受け取るための大きさのくぼみ722を有する。この様に、第2フレームピース682は管660に容易にしっかりはまって連結する。
【0140】
また、図16と18を参照すると、そのようなフレーム構造物652は支持体リングまたはフレーム656をも含むことができる。支持体フレーム656は、上記説明したように支持体フレーム574に類似するものである。それなりに、支持体フレーム656はフレーム構造物652を中心に置いて、開いているフィルタ内部中に均等にフレーム構造物652を保持するのを助ける。図示された実施例において、支持体フレーム656は少なくともインナー・リング728とアウターリング730を含むリング構造物725を含んでいる。インナー・リング728とアウターリングは複数のスポークまたはリブ732によって図示されるように接合している。インナー・リング728とアウターリング730の間では、リング構造物725は複数のガス流れ通路734を定める。
【0141】
次に、図20を参照する。リング構造物725と管660は、便利な製造とアセンブリとを可能にするために構成されて配置されている。特に、リング構造物725と管660は、機械的な係合配置構成736などで一緒に固定するように構成されている。機械的な係合配置構成736は、上記説明したもどり止/くぼみ配置構成に類似している。特に、インナー・リング728は、リング728の内部に半径方向に延びる複数の突起物またはもどり止738を含んでいる。壁662は、突起物738を収容するためにくぼみ740を定める。この方法において、支持体フレーム656は、管660の壁662と構造的に完全な状態で簡単に機械的に係合するかまたは適所にしっかりはめることができる。
【0142】
予備成形された挿入部品660は以下のように組み立てることができる。管660と、リング構造物725と第1および第2フレームピース681、682は、例えば、射出成形技術を通して提供される。オプションの媒体675は2層以上を含んで提供され、図18に図示されたように媒体675は深さ媒体の2つの層742、743である。
【0143】
第2フレームピース682は、管660に対して配置され、第2端部706で壁700によって定められる開口707を管660の壁662(図19)の開口端部663の上に置く。第2フレームピース682と管660は、例えば、突起物720とくぼみ722の機械的係合718によって機械的に一緒に固定される。媒体675の2つの層742、743は、第2フレームピース682のスクリーン710上に配置される。オプションの深さ媒体675を体積またはポケット714内に置いた後、第1フレームピース681が適所に置かれる。特に、外側の縁684は、第1端部704で壁700によって定められた開口端部705を通して挿入され、半径方向に配向される。第1フレームピース681は、第1と第2フレームピース681、682がもどり止698とくぼみ696配置構成を通って機械的な係合で一緒に固定されるまで壁700の内部に沿って第2フレームピースに対して移動する。
【0144】
第1および第2フレームピース681、682は、第2フレームピース682が管660に固定される前に、その間に固定された媒体675のオプションな繊維状バンドルと共に固定することができることが注目される。
【0145】
リング構造物725は、インナー・リング728の内部を通って管の端部670に滑らせて、機械的な係合配置構成736を通してこれらのピースを一緒にしっかりはめることによって、管660に固定される。もちろん、リング725と管660は、組み立てプロセスの間の任意の時点で一緒に固定することができる。
【0146】
いくつかの配置構成において、組み立てられた予備形成された挿入部品650は、例えば、以下でさらに説明する鋳込み技術を用いてフィルタエレメント420の残りの部分に固定することができる。
【0147】
図21において、その中に設置された挿入部品650を有するフィルタエレメント800の断面が示されている。フィルタエレメント800は、挿入部品650を除いて、フィルタエレメント420と同一に構成されているのが理解されるであろう。エレメント800はそれ自体にオプションの第1ステージ・コアレッサフィルタ媒体844、フィルタ媒体構造物846、第1端部キャップ856、および対向する第2の端部キャップ858を含んでいる。エレメント800が挿入部品構造物650を含んでいるので、エレメント800は、上記説明した管660、媒体675、第1フレームピース681、第2フレームピース682、リング構造物725、および深さ媒体742,743の2層を含んでいる。
【0148】
また、フィルタエレメント420に関して上記説明したように、端部キャップ856は、例えば、入口管の部分の半径方向のシールのようなシールを形成する内側の輪状のシール部分864を含んでいる。端部キャップ858は、また、図15の端部キャップ445に類似して構成されており、例えば、点検カバーを有する軸方向シールのようなシールを形成する突起物870を含んでいる。媒体構造物846は、端部キャップ856、858の間で延びている、形成された媒体(formed media)、ひだ付き媒体または他の媒体などの媒体878を含んでいる。媒体878は開いた管状の内部879を定める。媒体878は好ましくは、VI章で特徴付けられるようなものである。
V.成形技術
ここで、本明細書に記載されたフィルタエレメントを製造するのに使用可能な例示の鋳込み技術を示す図22と23を参照する。多くの配置構成において、挿入部品構造物(予備成形された挿入部品446と予備成形された挿入部品650)は、使用時に、上記説明された技術の基づいて、前もって組み立てられる。図22と図23に図示された予備成形された挿入部品は、一般に900で図示される。予備成形された挿入部品900はオプションのコアレッサ媒体904を保持するためのフレーム構造物902を含んでいる。予備成形された挿入部品900は管またはテーパ状の壁906およびリング構造物908もまた含んでいる。
【0149】
媒体910などの媒体ステージ909は、この場合、予備成形している挿入部品900の周囲で管状形態に成形されて提供される。挿入部品900を有する媒体910は型912の上に配置される。型912がプラットホームまたはマウント914を含んでいることが注目される。フレーム構造物902はマウント914に載っている。端部キャップを形成するためのポリウレタンフォームなどの溶融材料は、型912の体積916中に注ぎ込まれる。溶融した端部キャップ材料915は型912のネガ形状で成形される。端部キャップ材料915は硬化すると立ち上がり、図17に図示された配置構成において、例えば、縁690と外側の縁684の間の領域691を通過することが可能である。これは、端部キャップ材料915がオプションのコアレッサ媒体904を固定し、結果として端部キャップ918が得られる。次にまた、媒体910の端部は端部キャップ材料915中に鋳込まれるまたは成形されることによって結果として端部キャップ918に固定される。また、図22で図示されるように、フレーム構造物902のバックネット920もまた端部キャップ918中に鋳込まれる。所望であれば、外側のライナー922は、第2ステージ媒体の外側の周辺に置かれて端部キャップ材料915で鋳込まれる。
【0150】
端部キャップ918が成形された後に、アセンブリ924は、逆にされて型926中に置かれる。ポリウレタンフォームなどの端部キャップ材料928は体積930中に載せられる。端部キャップ材料928が硬化すると、媒体910の両端部は端部キャップ材料928の適所に鋳込まれて固定されて、端部キャップ932中に埋め込まれるという結果となる。リング構造物908が型926と型926に隣接する型プラグ934から離れた位置に配置され、リング構造物908が端部キャップ材料928でふさがれないことが注目される。
VI.一般的な媒体の調合と形成
本明細書に特徴付けられたタイプの好ましいクランク室の換気フィルタは、湿式法で作製した媒体を含む少なくとも1つの媒体ステージを含んでいる。湿式法で作製した媒体(wet laid media)は、湿式法で作製するプロセス(wet laid process)を使用するシート形態で形成され、そして次に、フィルターカートリッジ上/中に配置される。通常、湿式法で作製した媒体シート(wet laid media sheet)は、通常、例えば、管状形態中の複数の層中で、点検可能なカートリッジ中で、積層された、覆われた、または巻きつかれた、媒体ステージとして少なくとも使用される。使用中に、点検可能なカートリッジは、排出を容易にするために垂直に配向された媒体ステージとともに配置されるであろう。例えば、媒体が管状形態であるならば、媒体は通常、一般に垂直に延びている中央の長手軸に向きを合わせられる。
【0151】
示されたように、複数のラッピングまたは巻き付けにより得られる複数の層を使用することができる。第1タイプの湿式法で作製した媒体(wet laid media)の一個以上の層を適用し、次に、異なる第2タイプの媒体(通常は湿式法で作製した媒体)の一個以上の層を適用することによって、勾配を媒体ステージ中に提供することができる。通常、勾配が提供されるとき、勾配は効率が異なるために選択された2つの媒体タイプの使用を含んでいる。この点について以下でさらに議論する。
【0152】
本明細書では、媒体ステージを形成するのに使用される媒体シートの定義と総合的な媒体ステージ自体の定義とを区別することが重要である。本明細書では、用語「湿式法で作製したシート(wet laid sheet)」、「媒体シート」またはそれの異形は、フィルタ中の総媒体ステージの総合的な定義とは違って、フィルタ中で媒体ステージを形成するために使用するシート材料について言及するときに使用される。これは以下の記載から明らかであろう。
【0153】
第二に、媒体ステージが、主に合体/排出のために、合体/排出と微粒子のろ過の両方のために、あるいは、主に微粒子のろ過のためであることを理解することが重要である。本明細書で主に関心のあるタイプの媒体ステージは、少なくとも合体/排出のために使用されるが、媒体ステージは通常、微粒子除去機能も有するので、媒体ステージは合体/排出と所望の固体微粒子除去の効率の両方を与える総合的な媒体ステージの一部を含むことができる。
【0154】
上記で記載された実施例の配置構成において、オプションの第1ステージと第2ステージは、図示された配置構成中で記載されている。本明細書の記載に基づく湿式法で作製した媒体はどちらのステージ中でも利用することができる。しかしながら、通常の媒体は、図示された配置構成において、管状の媒体ステージを形成するステージ中で利用されるだろう。ある例では、本明細書に基づく材料が使用されるとき、本明細書で図と関連づけて上記オプションの第1ステージとして特徴付けた第1媒体ステージを完全に都合良く用いないようにすることができる。
【0155】
合体/排出のためのCCV(クランク室換気)フィルタ中でステージを形成するために使用される湿式法で作製したシートの媒体組成物は、通常、以下の通りである。
【0156】
1.媒体組成物は、計算された細孔径(X−Y方向)が少なくとも10μm、通常は少なくとも12μmをもつ形態で提供される。細孔径は通常は60μm未満、例えば、12〜50μmであり、通常は15〜45μmである。
【0157】
2.媒体組成物は、DOP%効率(0.3μm粒子に対して10.5fpmで)が3〜18%の範囲内、通常は5〜15%をもつように調整されている。
【0158】
3.媒体組成物は、本明細書で提供される一般的な記載に基づく2成分繊維材料を、シート中のろ過材料の総重量の少なくとも30%、通常は少なくとも40%、しばしば少なくとも45%、通常は45〜70%以内で含んでいる。
【0159】
4.媒体組成物は、少なくとも1μm、例えば、1〜20μm以内の平均最大断面寸法(平均直径は丸い)をもつ2次繊維材料を、シート中の繊維材料の総重量の30〜70%(通常は30〜55%)を含んでいる。ある場合には、平均最大断面寸法は8〜15μmである。平均長さは、通常1〜20mm、しばしば、1〜10mmとして定められる。2次繊維材料は繊維の混合物であり得る。代替物は可能であるが、通常はポリエステルおよび/またはガラス繊維を使用する。
【0160】
5.通常および好ましくは、繊維シート(および結果として得られる媒体ステージ)は2成分繊維中に含まれるバインダー材料以外の追加のバインダーを全く含んでいない。追加の樹脂またはバインダーが存在する場合は、好ましくは、総繊維重量の約7%、より好ましくは総繊維重量の3%未満である。
【0161】
6.通常および好ましくは、湿式法で作製した媒体は、少なくとも20ポンド/3,000平方フィート(9kg/278.7m2)、通常は120ポンド/3,000平方フィート(54.5kg/278.7m2)の坪量まで作られる。普通は、40〜100ポンド/3,000平方フィート(18kg〜45.4kg/278.7m2)範囲内で選択される。
【0162】
7.通常および好ましくは、湿式法で作製した媒体は、フレージャー透過性(フィート/分)が40〜500フィート/分(12〜153m/分)、通常は100フィート/分(30m/分)である。坪量は、約40ポンド/3,000平方フィートから100ポンド/3,000平方フィート(18〜45.4kg/278.7m2)のオーダーであり、通常の透過率は約200〜400フィート/分(60〜120m/分)であり得る。
【0163】
8.0.125psi(8.6ミリバール)のクランク室の換気フィルタ中の上記記載された媒体ステージを形成するために使用される、湿式法で作製する媒体シートの厚さは、通常は少なくとも0.01インチ(0.25mm)、しばしば約0.018インチ〜0.06インチ(0.45〜1.53mm)、通常は0.018〜0.03インチ(0.45〜0.76mm)のオーダである。
【0164】
2成分繊維と他の繊維との混合物を含む、本明細書で提供された一般的な定義に一致する媒体は、図を参照して上記に一般的に記載したクランク室の換気フィルタ中の媒体ステージとして使用することができる。通常および好ましくは、媒体は管状ステージを形成するために利用することができる。この様に使用するとき、代替物は可能であるが、媒体はフィルタ構造の芯の周りに通常は複数の層で、例えば、しばしば少なくとも20層で、通常は20〜70層で巻きつけられる。巻き付けの合計深さは、所望の総合効率に依存するが、通常は約0.25〜2インチ(6〜51mm)であり、普通は0.5〜1.5インチ(12.7〜38.1mm)である。総合効率は、層数と各層の効率に基づいて計算できる。例えば、12%の効率を有する湿式法で作製した媒体の2層を含む媒体ステージに対して0.3μmDOP微粒子の10.5フィート/分(3.2m/分)の効率は、22.6%、すなわち、12%+0.12×88である。
【0165】
このような方法で測定された少なくとも85%、通常は90%以上の総合効率を持つ媒体ステージを提供するために、最終媒体ステージにおいて、十分な複数の媒体シートが使用される。いくつかの例では、95%以上の総合効率を持つことが好ましい。文脈において、用語「最終媒体ステージ(final media stage)」は湿式法で作製した媒体シートを巻き付けまたはコイル状に巻き付けることによって得られるステージを指す。
A.好ましい計算された細孔径
本明細書に関する一般的に関心のあるタイプのクランク室の換気フィルタの多くのタイプは、通常、101〜305mm(4〜12インチ)の範囲内の高さを持つ管状(筒状または他の)の媒体ステージを有する。
【0166】
この媒体は以下の2つの重要な機能を実行する。
【0167】
1.媒体は、ろ過するクランク室換気ガス中に含まれる油粒子の合体と排出とを提供する。
【0168】
2.ガス流れ中の他の微粒子の選択されたろ過を提供する。
【0169】
一般に、細孔径が小さすぎる場合には、
a.媒体の通過(媒体から)下方に重力によって合体した油微粒子を排出することは難しいは遅いので、ガス流れ中に油の再混入の増加がもたらされる。
【0170】
b.媒体を通過するクランク室のガス流れに対して受け入れられないレベルの規制が提供される。
【0171】
一般に、細孔径が大きすぎる場合には、
a.油の微粒子は集まって合体しそうにない。
【0172】
b.媒体パックの許容可能な総合レベルの効率を達成するために、たくさんの数の層、従って媒体の厚さが必要である。
【0173】
クランク室の換気フィルタに対して12〜50μmの範囲内の計算された細孔径が一般的に使用可能であることを見出した。通常の細孔径は15〜45μmの範囲内である。
図面で特徴付けられた設計のための混入した液体を含むガス流れを最初に受け入れる媒体の一部分であって、少なくとも0.25インチ(6.4mm)の深さを通過する管状の媒体構造物の内部表面に隣接する部分は、少なくとも20μmの平均細孔径を有する。これは、この領域において、合体/排出の第1の多くの部分が起こるからである。合体排出がほとんど起こらない外側の層では、固体粒子をより効率的にろ過するために小さい細孔径がいくつかの例で好ましいかもしれない。
【0174】
用語「X−Y細孔径」およびその変形が本明細書で使用される場合、ろ過媒体中の繊維間の理論的な距離について言及することを意味する。X−Yは、媒体の厚さであるZ方向に対する表面方向を示す。計算では、媒体中のすべての繊維が媒体の表面に等間隔で平行に配列されかつ繊維の長さ方向に垂直の断面で見たときに正方形として配列されていると仮定する。X−Y細孔径は正方形の対向角上の繊維表面間の距離である。媒体は様々な直径の繊維で構成されるならば、繊維のd2平均は直径として使用される。d2平均は正方形の直径の平均の平方根である。
【0175】
問題の媒体ステージがクランク室の換気フィルタで7インチ(178mm)未満の総垂直高さを有する場合、好ましい範囲の高い端部で計算された細孔径、通常は30〜50μmを持つことが有効であること、および、フィルターカートリッジが大きな端部の高さで通常7〜12インチ(178〜305mm)の場合、小さい端部での細孔径約15〜30μmがときどき有用であること、が見出された。この理由は、高いろ過ステージは、合体の間に高い液頭を与えるからであり、高い液頭は、排出の間に、合体した液体が小さな細孔を通って重力で下流に流れるように強制することができる。もちろん、より小さいポアはより高い効率とより少ない層とを可能にする。
【0176】
もちろん、同じ媒体ステージがさまざまなフィルタ・サイズでの使用のために構成されている通常の作動において、初期の分離で合体/排出のために使用される湿式法で作製した媒体の少なくとも一部に対して、通常は約30〜50μmの平均細孔径が有用であろう。
B.ソリディティ
ソリディティ(固形分比率 solidity)は、繊維によって占有された媒体の容積分率である。ソリディティは媒体の単位質量あたりの体積によって分割された単位質量あたりの繊維体積の割合である。
【0177】
本明細書に基づく媒体ステージ、特に、図を参照して上記記載されたような配置構成における管状媒体ステージ、で使用するのに好ましい通常の湿式法で作製する材料は、0.125psi(8.6ミリバール)で、10%未満、通常は8%未満、例えば6〜7%のソリディティ(%表示)を有する。
C.厚さ
本明細書基づいて媒体パックを作るために利用される媒体の厚さは、1平方インチの丸い押さえを備えたエームズ#3W(BCA メルローズ マサツセッツ州)などのダイヤル・コンパレータを使用することで通常測定される。合計2オンス(56.7g)の重量が押さえを通して印加される。
【0178】
本明細書に基づいて媒体配置構成を形成するために巻き付けるまたは積層するために使用可能な通常の湿式法で作製した媒体シートは、0.125psi(8.6ミリバール)で少なくとも0.01インチ(0.25mm)、再度の0.125psi(8.6ミリバール)で約0.06インチ(1.53mm)までの厚さを持つ。通常、厚さは同様の条件で0.018〜0.03インチ(0.44〜0.76mm)である。
【0179】
圧縮性は、ダイヤル・コンパレータを使用して得られる2つの厚さの測定値の比較であり、圧縮性は2オンス(56.7g)から9オンス(255.2g)までの全重量(0.125psi〜0.563psiまたは8.6ミリバール〜38.8ミリバール)における相対的な厚さの損失である。本明細書に基づいて巻き付けで使用可能な通常の湿式法で作製した媒体(約40ポンド/3,000平方フィート(18kg/278.7m2)は、20%未満、通常は12〜16%の圧縮性(0.125psiから0.563psiまでの、または8.6ミリバールから38.8ミリバールまでの%変化)を示す。
D.10.5フィート/分(3.2m/分)で0.3μm粒子に対する好ましいDOP効率
述べられた好ましい効率は、クランク室の換気フィルタを形成するために使用される湿式法で作製した媒体の層またはシートに対して好ましい。この要件は、多くの湿式法で作製した媒体の層が、通常少なくとも85%、またはしばしば90%以上、ある場合には95%以上の媒体ステージに対して総合的に好ましい効率を発生するために通常要求されることを示している。
【0180】
かなり低い効率を特定の層に提供する理由は、その効率が合体、排出、および総合的な機能を容易にするからである。
【0181】
一般に、DOP効率は、0.3μmのDOP粒子(ジオクチルフタレート)が10fpmで媒体にチャレンジするときの分別効率である。この特性を評価するために、TSIモデル3160ベンチ(TSIインコーポレイテッド、セントポール、ミネソタ州)を使用することができる。媒体にチャレンジする前に、DOPの分散されたモデル粒子は、大きさで分けられて中性にされる。
E.湿式法で作製した媒体の物理的性質
通常の湿式法で製造したエアーフィルタ媒体は、バインダーを追加して利用することにより強度を達成する。しかしながら、このことは効率と透過性を含み、ソリディティ(固形分比率)を増加させる。したがって上記示したように、本明細書の好ましい定義に基づいて湿式法で作製した媒体シートと媒体ステージは、通常はバインダーを全く含んでいないか、またはバインダーを含む場合は全繊維重量の7%未満、通常は全繊維重量の3%未満のレベルで含む。
【0182】
4つの強度特性、すなわち剛性(stiffness)、引張(tensile)、折りたたみ後の圧縮および引張りに対する耐性(resistance to compression and tensile)は、一般に媒体の格付を定める。一般に、2成分繊維を利用して高分子結合剤を使用しないと、特定のあるいは類似の圧縮耐性と、良好な引張耐性と、折りたたみ後の良好な引張耐性と低い剛性に導く。折りたたみ後の引張強度は、多くのクランク室の換気フィルタ中で使用されるタイプのフィルターカートリッジの媒体の取り扱いおよび調整のために重要である。
【0183】
縦方向(machine direction)の引張は、縦方向(MD)で評価される媒体の薄い細長い片の破壊強さである。言及した事項はTappi494に記載されている。折りたたみ後の縦方向の引張は、縦方向に対して試料を180度で折りたたみ後に行う。引張は以下のようにテスト条件の関数である:試料幅1インチ(25.4mm)、試料長さ4インチギャップ(101.6mm)、折り目:1インチ(25.4mm)幅の試料を0.125インチ(3.2mm)直径のロッドの上で180度折りたたみ、ロッドを取り除いて、5分間、試料上に10ポンド(4.54kg)の重みを加える。引張を引張速度2インチ/分(50.8mm/分)で評価する。
F.媒体組成物
1.2成分繊維の構成成分
上記説明したように、媒体の繊維組成物は30〜70重量%の2成分繊維材料を含むことが好ましい。媒体中で2成分繊維を使用する主要な利点は、比較的低いソリディティを維持しながら繊維サイズを有効に利用するためである。これは、2成分繊維が存在するために、クランク室の換気フィルタ中に設置するために十分に高い強度媒体を実現しながら達成される。
【0184】
2成分繊維は、一般に、繊維として一緒に形成された2つの高分子成分を含んでいる。2成分繊維のための高分子の様々な組み合わせは有用であるが、第1高分子成分が第2高分子成分の溶融温度より低温度、通常205℃以下で溶けることが重要である。さらに、2成分繊維は、湿式法で作製する媒体を形成する際に、完全に混合し他の繊維とともに均等に分散する。2成分繊維の第1高分子成分の溶融は、2成分繊維がべとつく骨格構造を形成するのを可能にするために必要であり、この骨格構造は、冷却時に、他の2成分繊維と同様に、他の繊維の多くを捕らえて結合する。
【0185】
代替物は可能であるが、通常、2成分繊維は、低融点の高分子を含むさやと、高い融点を形成するコアとを有するさや・コア形態で形成される。
【0186】
さや・コア構造では、低融点(例えば、約80〜205℃)の熱可塑性プラスチックは、通常、高融点材料(例えば、120〜260℃)の繊維の周囲に押し出される。使用中に、2成分繊維は、約5〜50μm、しばしば10〜20μmの平均最大断面寸法(丸い場合は平均繊維径)と、通常、繊維形態で、一般に、少なくとも1mmで30mmを超えない、普通は20mmを超えない、通常は1〜10mmの平均長さを有する。この文脈での「最大」によって、繊維の最も厚い断面積寸法を言及することが意味される。
【0187】
そのような繊維は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタレート、PCT)、ナイロン6、ナイロン6、6、ナイロン6、12などを含むナイロンを含むさまざまな熱可塑性プラスチック材料から作ることができる。適切な融点を持つ熱可塑性プラスチックは2成分繊維の低融点成分中で使用することができ、高融点高分子は2成分繊維の高融点「コア」部分で使用することができる。そのような繊維の断面構造は、「並列(side-by-side)」または「さや・コア」構造または同じ熱接着機能を提供する他の構造であり得る。また、先端が低融点高分子をもつ浅裂の繊維を使用することができる。2成分繊維の価値は、比較的低分子量の樹脂がシート、媒体、またはフィルタを形成する条件で溶融し、シート、媒体、またはフィルタを作成する材料中に存在する他の繊維と2成分繊維を結合して機械的に安定なシート、媒体、またはフィルタにするように作用することができるという点である。
【0188】
通常、二成分(コア/殻またはさやと並列)繊維の高分子は、例えば、ポリオレフィン系/ポリエステル(さや/コア)2成分繊維などのように、異なる熱可塑性プラスチック材料で作られ、ここで、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンさやは、コア、例えば、ポリエステルより低温度で溶融する。通常の熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、およびそれらの共重合体などのポリオレフィン;ポリテトラフルオロエチレン;例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどのポリエステル;例えば、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリアミド、すなわち、ナイロン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、セルロース樹脂、すなわち、硝酸セルロース、酢酸セルロース、アセテート・ブチレート・セルロース、エチルセルロースなど、上記材料のいずれかの共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニール共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、スチレン・ブタジエン・ブロック共重合体、クラトン(Kraton)ゴムなどを含む。本発明で特に好ましいものは、デュポンから利用可能な27IPとして知られている2成分繊維である。他の繊維はFIT201、クラレN720、ニチメン4080、および同様の材料を含んでいる。これらのすべては、第1溶融の完成時にさやの高分子を架橋する特性を示す。このことは、応用の温度が通常さやの融解温度より高いような液体への応用に対して重要である。さやが完全に結晶しない場合、さやの高分子は、応用中に再溶融し下流の設備と部品を被覆するまたは損傷を与える。
【0189】
CCV媒体中での使用のために湿式法で媒体シートを形成するために使用可能な2成分繊維の例は、約6mmの長さに通常切られたデュポンのポリエステル2成分27IPである。
2.2次繊維材料
2成分繊維はクランク室の換気フィルタ媒体のためのマトリクスを提供する。追加の繊維または2次繊維は、十分にマトリクスを充填し合体するための所望の特性と効率とを提供する。
【0190】
2次繊維は、高分子繊維、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維またはこれらのいずれかの混合物であり得る。通常は、ガラス繊維、高分子繊維または混合物が使用されている。
【0191】
本発明のフィルタ媒体で使用可能なガラス繊維は、記号A、C、D、E、Zero Boron E、ECR、AR、R、S、S−2、Nなどよって知られるガラスタイプと、一般に補強繊維を作るために使用される引き抜きプロセスまたは断熱繊維を作るために使用される紡績プロセスによって繊維にされるガラスとを含んでいる。
【0192】
本発明の不織媒体は親水性、疎水性、親油性、疎油性繊維の両方から作られた2次繊維を含むことができる。これらの繊維は、ガラス繊維と2成分繊維とが協力して機械的に安定であり、強くて、透過性のフィルタ材料を形成し、このフィルタ材料は使用の間、液体材料の通過時の機械的応力に耐えることができるし微粒子の充填を維持することができる。2次繊維は、通常、平均最大断面寸法(丸いならば直径)約0.1μm以上、通常1μm以上、しばしば8〜15μmの範囲を有する単一成分繊維であり、天然に発生する綿、リネン、羊毛、様々なセルロース性および蛋白質性天然繊維、レーヨン、アクリル、アラミド、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエステル繊維を含む合成繊維を含むさまざまな材料から作ることができる。2次繊維の1つのタイプは、他の成分と協同して材料を結合してシートにするバインダー繊維である。2次繊維の別のタイプは、他の成分と協同して材料の乾燥および湿潤条件下での引張強度と破壊強度を増加する構造的な繊維である。さらに、バインダー繊維は、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールのような高分子から作られた繊維を含むことができる。また、2次繊維は、炭素/黒鉛繊維、金属繊維、セラミック繊維およびそれの組み合わせなどの無機繊維を含むことができる。
【0193】
2次熱可塑性繊維は、これらに限定されないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエーテルエステル共繊維、ポリエチレン・テレフタレート繊維、ポリブチレン・テレフタレート繊維、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、液晶ポリマー(LCP)繊維、およびそれらの混合物を含む。ポリアミド繊維は、これらに限定されないが、ナイロン6、66、11、12、612、およびセルロース繊維を含み、高温「ナイロン」(ナイロン46など)は、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール繊維(88%加水分解、95%加水分解、98%加水分解、および99.5%加水分解高分子などの様々な加水分解のポリビニルアルコールを含む)、綿、粘性の高いレーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性プラスチック、ポリ酢酸ビニル、ポリ乳酸、および、他の普通の繊維の種類を含む。
【0194】
繊維の混合物は、ある所望の効率と他のパラメータを得るために使用することができる。
【0195】
本発明のシート媒体は、製紙プロセスを使用して通常作られている。そのような湿式法で作製するプロセス(wet laid process)は特に有用であり、多くの繊維成分が水性の分散処理のために設計されている。しかしながら、本発明の媒体は乾式法で作製するプロセス(air laid process)のために適合させられた同様の成分を使用する乾式法で作製するプロセスによって作ることができる。湿式法で作製したシートにおいて使用される機械は、手漉き湿式装置(hand laid sheet equipment)、長網抄紙機械、筒状抄紙機械、傾斜製紙機械、製紙機械と他の機械の組み合わせを含み、こららの装置は適切に混合した紙を作り、仕上げ成分の1層または複数の層を形成し、流体の水性成分を除去して湿式のシートを形成することができる。これらの材料を含む繊維スラリーは、通常、比較的均一な繊維スラリーを形成するために混合される。そして、繊維スラリーは湿式法の製紙プロセスにかけられる。スラリーから湿式法で作製したシートが形成されると、湿式法で作製したシートは次に、乾燥され、硬化され、または別の方法で処理されて、乾燥した透過性の実際のシート、媒体、またはフィルタに形成される。工業的規模のプロセスに対して、本発明の2成分マットは、通常、市販で利用可能な長網製紙機械、ワイヤ・シリンダ、スチーブン・フォーマ,ロート・フォーマ、インヴァー・フォーマ、ヴェンチ・フォーマおよび傾斜型デルタ・フォーマ機械などの製紙型の機械を使用して処理される。好ましくは、傾斜型デルタ・フォーマ機械(inclined Delta Former machine)が使用される。本発明の二成分マットは、例えば、パルプとガラス繊維スラリーを形成し、混合タンク中でスラリーを結合することによって調製される。プロセスで使用される水量は使用される設備のサイズによって異なり得る。完成紙料は慣用のヘッドボックスに通過させて完成紙料を脱水し、移動ワイヤスクリーン上に堆積して吸引または真空によって脱水して不織の2成分織物を形成する。
【0196】
2成分繊維中のバインダーは、加熱ステップでマットを通過させることによって活性化される。必要であれば、得られる材料は、次に、大きいロール中に集められる。
3.繊維の表面処理
繊維の表面特性の変更して接触角を増加すると、フィルタ媒体およびそれにより形成されるフィルタ部品の排出能力(圧力低下と量的な効率に対して)を高めることができる。繊維の表面を変更する方法は、フッ素化学物質またはシリコーン含有材料などの表面処理剤を通常、媒体の最大5重量%まで適用することである。
【0197】
表面処理剤繊維は、繊維の製造の間に、媒体の製造の間に、または媒体の後処理の製造後に、または媒体パックの準備後に適用することができる。接触角を増加させるフッ素化学物質またはシリコーン含有材料などの多数の処理材料を使用することができる。実施例は、#8195などのデュポン・ゾニール(DuPontZonyl 商標登録)フッ素化学物質である。
【0198】
以下のセクションにおいて、材料の実施例が使用される。
4.実施例の材料
(a)実施例A
、実施例Aは例えばクランク室の換気フィルタ中の媒体相として使用可能なシート材料であり、その中で媒体相は良い合体/排出の両方を提供するために必要とされ、また、媒体相は総合的なろ過の使用可能な効率を提供するために層中で使用することができる。材料は、例えば、4インチ〜12インチ(100〜300.5mm)の高さを有する管状媒体構造物として使用する場合に、良好にかつ効率的に排液する。媒体を複数回巻き付けてそのような媒体パックを作る。
【0199】
媒体の実施例Aは、以下のような繊維混合物から作られた湿式法で作製したシートを含む。すなわち繊維混合物は、6mm長さに切断されたデュポンのポリエステルの2成分繊維271Pを50重量%と、6mm長さに切断されたデュポンのポリエステル205WSDを40重量%と、6mm長さに切断されたオーエンス・コーニングDS−9501−1IWのアドバンテックス・ガラス繊維を10重量%とからなる。
【0200】
デュポン27IP2成分繊維は約13μmの平均繊維径をもつ。デュポン・ポリエステル205WSD繊維は、約12.4μmの平均繊維径をもつ。オーエンス・コーニングDS−9501−1IWは、約11μmの平均繊維径をもつ。
【0201】
実施例Aの材料は、約40.4ポンド/3000平方フィートの坪量で作られた。材料は0.125psiで0.027インチの厚さと0.563psiで0.023インチの厚さをもつ。したがって、0.125psiから0.563psiへの全パーセント変化(圧縮性)はわずか14%であった。1.5psiで材料の厚さは0.021インチであった。
【0202】
0.125psiにおける材料のソリディティは6.7%であった。透過性(フレージャー法)は392フィート/分であった。
【0203】
縦方向(MD)折り目の引張は2.6ポンド/インチ幅であった。計算されたX−Y方向の細孔径は、43μmであった。10.5フィート/(分・0.43μm粒子)あたりのDOP効率は6%であった。
(b)実施例B
実施例Bは、6mm長さに切断されたデュポンのポリエステル2成分27IPの50重量%と、ロウシェ(Lausch)のB50Rマイクロファイバガラスの50重量%とを含む繊維混合物で作られた。このマイクロファイバガラスは約3〜6mmのオーダーの長さをもつ。また、デュポンのポリエステル2成分271Pは、13μmの平均直径をもつ。LauschのB50Rは、1.6μmの平均直径と2.6μmのd2平均をもつ。
【0204】
試料は38.3ポンド/3,000平方フィートの坪量で作られた。媒体の厚さは0.125psiで0.020インチであり、0.563psiで0.017インチであった。したがって、0.125psiから0.563psiまでに変化するパーセントは15%、すなわち、15%圧縮性であった。1.5psiでは、試料は0.016インチの厚みを有する。
【0205】
0.125psiで測定された材料のソリディティは6.9%であった。材料の透過性は約204フィート/分であった。縦方向の折り目の引張は、3.9ポンド/インチ幅で測定された。
【0206】
計算された細孔径のX−Y方向は18μmであった。0.3μm粒子に対する10.5フィート/分のDOP効率は12%であった。
【0207】
例示のB材料は、ろ過を素早く仕上げるために1層または複数の層として使用されるとき有効であるだろう。例示のB材料は高い効率のために、媒体中で高能率を生成するために単独または複数の層で使用され得る。
【0208】
しかしながら、この材料は、比較的小さな細孔径のためにコアレッサ/排液材料としてはボーダーラインの材料であるだろう。
【0209】
例示のB材料は、次に、より大きい細孔径を有する媒体を上流に含んでいる媒体パックの下流部分を形成するために使用されて合体/排出のためのステージを形成することができる。
【0210】
管状の構造物において、例えば、管の外側を形成するために使用される実施例B材料とともに実施例A材料を管の内部を形成するために使用すると、クランク室の換気フィルタ中で2つは一緒に所望の排液特性とろ過の総合効率のろ過媒体ステージを含む。
G.好ましい媒体を使用するクランク室の換気フィルタ構造物
セクションVIとセクションVIのA〜Fで上記特徴付けられてた好ましい湿式法で作製した媒体は、クランク室の換気フィルタ配置構成でさまざまな方法で利用されることができる。図示された配置構成において、媒体は、例えば、管状ステージで使用することができる。所望であれば、そのような媒体は、また、オプションの第1ステージで使用することができる。
【0211】
通常、管状ステージは、上記の記載に対応して湿式法で作製した媒体をコイル状に20〜70回巻き付けて作られる。もちろん、代替物は可能である。
【0212】
ある場合には、良い排液特性のために、管状の媒体ステージが本明細書で特徴付けられたタイプの媒体を含むとき、本明細書でオプションとして特徴付けられた第1ステージを使用しないことは可能である。この理由は、そのような媒体が初期の効率と有効な合体と排液とを提供して微粒子フィルタ・ステージの一部としておよび合体/排液ステージとしての両方で使用可能であるからである。
【0213】
その結果、本明細書で特徴づけられた媒体は、クランク室の換気フィルタのためのさまざまな代替の構成を提供することができる。実施例は、クランク室換気ガスを通過する流れに対して媒体を管状形態で配置した例である。他の例では、媒体は、パネル配置構成または他の配置構成で構成することができる。
【0214】
より一般的な用語において、私たちの混入された液体微粒子の合体/排出と微粒子のろ過の両方を成し遂げるろ過システムは、急速に集められた液体を排出するように設計すべきである。さもないと、フィルタ媒体の機能の寿命は非経済的に短くなる。媒体は、液体が媒体から急速に排液されるように配置する。いくつかの主要な性能の特性は、初期と均衡時の部分効率、圧力低下、および排出能力である。媒体のいくつかの主要な物理的性質は、厚さ、ソリディティおよび強度である。
【0215】
一般に、合体/排出のための媒体は、排液するフィルタ能力を高めるように配列する。管状の構造物に対して、これは、管が垂直に延びている中心軸を持つ媒体位置である。この向きにおいて、特定の媒体組成物は平衡の荷重の高さを示すが、それは、X−Y細孔径、繊維配向、および接触角として測定される繊維表面と液体の相互作用の関数である。媒体中における液体の捕集は、媒体からの液体の排出速度とバランスされるポイントの高さまで上昇する。もちろん排出する液体でふさがれている媒体部分はろ過に利用することができない。したがって、媒体のその部分は、圧力低下が増加して、フィルタを横切る効率は減少する。その結果、液相によってふさがれた、多孔性が残っているエレメントの部分を制御するのは有利である。排出速度を増加させることが有利であることは、代替法として述べられる。
【0216】
排出速度に影響する媒体の因子は、X−Y細孔径、繊維配向および繊維表面で排出される液体の相互作用である。所望の液流量を達成するためにこれらを減少させることは、部分的に問題である。X−Y細孔径が増加すると、上で説明したように、排出を容易にする。しかしながら、これはろ過のための繊維数を低減し、その結果フィルタの総合効率を低下させる。目標効率を達成するために、所望のX−Y細孔径を有する複数の層の材料を使用することによって、比較的厚い媒体パック構造を作ることができる。また、繊維は好ましくは、媒体の垂直方向に配向するであろうが、このアプローチは、一般に、困難さが最大になる。通常、媒体が管状形態で提供される場合には、湿式法の製造プロセスから管の表面を定めるX−Y平面に配向され、Z方向が厚さとなるであろう。
【0217】
繊維の表面で排出される液体の相互作用は上記のように議論された。これを高めるために、繊維表面に提供される処理を使用することができる。上で議論した処理は、フッ素化学物質またはシリコーン含有処理剤である。良い排出のために構成されている媒体で得られるであろうよりも高い効率を所望する場合、媒体の上流の端部で多くの効率的な媒体ステージが通常同じ媒体パックの一部として提供することができる。これは、その中でほとんどの合体/排出が起こる媒体パックの初期ステージとして実施例のA材料を提供する例および後者の実施例のB材料が高効率の仕上げを提供する例で上記で議論した。
H.一般的な観察
一般に、本明細書はクランク室換気システムのコアレッサ/排液ステージ内で、すなわち、クランク室の換気フィルタの媒体ステージとして特徴付けられるタイプの媒体の利用に関する。換気フィルタはその中に1つの媒体ステージを持つことができる。
【0218】
図面を参照して記載された配置構成のいくつかにおいて、示された配置構成は、オプションの第1ステージと管状の第2ステージとを含んでいる。形成された媒体は、いずれかまたは両方で使用することができる。
【0219】
第1ステージはオプションとして特徴付けられるので、本明細書で特徴付けらたような形成された媒体を含む媒体ステージのみを含んでいるクランク室の換気フィルタを作ることができることが理解されることに注目される。実施例は図24に示されている。
【0220】
図24の参照番号2000は、一般に、本明細書で特徴付けられた媒体2001を含むクランク室換気カートリッジを示している。媒体2001は対向する端部キャップ2002と2003の間に延びる部分に配置される。カートリッジ2000は、必要とされるとき、ハウジングのための適切なシール配置構成を提供する。カートリッジ2000のための特別なシール配置構成は、例えば、端部キャップ2002に対して2000aで示されているように、端部キャップ2002と2003のそれぞれの上の外側の半径方向シールである。代替のシールは、例えば、各端部キャップで内側の半径方向シール、軸方向シール配置構成、軸方向シール配置構成の組み合わせおよび端部キャップの1つだけを軸方向または半径方向に含むハウジングのシール配置構成を含むことが可能である。
【0221】
媒体2001は模式的に示され、本明細書の記載に基づく湿式法で作製した媒体複数の巻き付けを含む。媒体2001はまた追加のステージを含むことができる。媒体ステージ2001は管状形態で示されている。
【0222】
カートリッジ2000は、中から外への流れまたは外から中への流れに対して構成されている。中から外への流れに対して構成されている場合、他の図で記載されているような配置構成に対して通常であるようとき、媒体2001の上流側の端部は2001aであり、下流側の端部は2001bであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク室の換気フィルタであって、
湿式法で作製した第1の媒体ステージを含み、
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(i)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、
(ii)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2次繊維材料と、を有し、
(b)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(i)計算された細孔径がX−Y方向に対して12〜50μmであり、
(ii)バインダー樹脂がたとえ追加されとしても繊維材料の総重量の7%以下の含有量で含むことを特徴とするクランク室の換気フィルタ。
【請求項2】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、湿式法で作製した繊維シートの複数の層と、少なくとも6mmの全媒体厚さとを有する管状の媒体構造物を含むことを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項3】
(a)前記管状の媒体構造物は、第1と第2の端部キャップの間の延長部分に配置されることを特徴とする請求項2に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項4】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、シリコーンとフッ素化学的繊維処理材料とから本質的になるグループから選択された繊維の処理がなされていることを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項5】
前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(a)45〜70%の前記2成分繊維材料と、
(b)30〜55%の前記2次繊維材料と、
(c)バインダ樹脂がたとえ追加されたとしても総繊維含有量の3%未満の含有量で含むことを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項6】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージの下流側面上に配置された第2の媒体ステージを含み、前記第2の媒体ステージは、(i)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージと異なる全効率を有することを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項7】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、複数の層の湿式法で作製した繊維シートと、少なくとも12mmの全媒体厚さとを持つ、管状の媒体構造物を含み、
(b)前記第2の媒体ステージは、前記湿式法で作製した第1の媒体ステージに巻き付けられていることを特徴とする請求項6に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項8】
(a)前記第2の媒体ステージは、第2の湿式法で作製した媒体ステージであって、
(i)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第2の媒体ステージ中の全繊維重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、
(ii)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、少なくとも30%である、2次繊維材料と、を有し、
(iii)計算された細孔径がX−Y方向に対して12〜50μmであり、
(iv)バインダー樹脂がたとえ追加されたとしても繊維材料の総重量の7%以下の含有量で含むことを特徴とする請求項7に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項9】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、湿式法で作製した媒体がコイル状に20〜70回巻きつけられていることを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項10】
(a)前記2成分繊維材料は、1〜10mmの平均長さを持ち、
(b)前記2成分繊維材料は、ポリエステル2成分繊維材料を含み、
(c)前記2次繊維材料は、ガラス繊維、ポリエステル繊維、金属繊維および2以上のガラス繊維、ポリエステル繊維、および金属繊維から選択された繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項11】
(a)前記2次繊維材料はポリエステル繊維であることを特徴とする請求項10に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項12】
(a)ガス流入配置構成と、ガス流出配置構成と、液排出配置構成と、を含むハウジングと、
(b)前記ハウジング中に操作可能に配置された、点検可能なクランク室の換気フィルタと、を有し、
前記点検可能なクランク室の換気フィルタは、湿式法で作製した第1の媒体ステージを含み、
(i)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(A)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、
(B)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持ち、前記媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2次繊維材料と、を有し、
(ii)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(A)計算された細孔径がX−Y方向に対して12〜50μmであり、
(B)バインダー樹脂がたとえ追加されたとしても繊維材料の総重量の7%以下の含有量で含むことを特徴とするクランク室の換気用ろ過アセンブリ。
【請求項13】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、管状であり、内側から外側へ向かうろ過の流れのために配置されており、101〜305mmの高さを持つことを特徴とする請求項12に記載のクランク室の換気用ろ過アセンブリ。
【請求項14】
(a)前記液排出配置構成は、液体流れが前記ガス流入配置構成の一部を通るように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のクランク室の換気用ろ過アセンブリ。
【請求項1】
クランク室の換気フィルタであって、
湿式法で作製した第1の媒体ステージを含み、
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(i)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、
(ii)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第1の媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2次繊維材料と、を有し、
(b)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(i)計算された細孔径がX−Y方向に対して12〜50μmであり、
(ii)バインダー樹脂がたとえ追加されとしても繊維材料の総重量の7%以下の含有量で含むことを特徴とするクランク室の換気フィルタ。
【請求項2】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、湿式法で作製した繊維シートの複数の層と、少なくとも6mmの全媒体厚さとを有する管状の媒体構造物を含むことを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項3】
(a)前記管状の媒体構造物は、第1と第2の端部キャップの間の延長部分に配置されることを特徴とする請求項2に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項4】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、シリコーンとフッ素化学的繊維処理材料とから本質的になるグループから選択された繊維の処理がなされていることを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項5】
前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(a)45〜70%の前記2成分繊維材料と、
(b)30〜55%の前記2次繊維材料と、
(c)バインダ樹脂がたとえ追加されたとしても総繊維含有量の3%未満の含有量で含むことを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項6】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージの下流側面上に配置された第2の媒体ステージを含み、前記第2の媒体ステージは、(i)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージと異なる全効率を有することを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項7】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、複数の層の湿式法で作製した繊維シートと、少なくとも12mmの全媒体厚さとを持つ、管状の媒体構造物を含み、
(b)前記第2の媒体ステージは、前記湿式法で作製した第1の媒体ステージに巻き付けられていることを特徴とする請求項6に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項8】
(a)前記第2の媒体ステージは、第2の湿式法で作製した媒体ステージであって、
(i)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記第2の媒体ステージ中の全繊維重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、
(ii)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、少なくとも30%である、2次繊維材料と、を有し、
(iii)計算された細孔径がX−Y方向に対して12〜50μmであり、
(iv)バインダー樹脂がたとえ追加されたとしても繊維材料の総重量の7%以下の含有量で含むことを特徴とする請求項7に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項9】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、湿式法で作製した媒体がコイル状に20〜70回巻きつけられていることを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項10】
(a)前記2成分繊維材料は、1〜10mmの平均長さを持ち、
(b)前記2成分繊維材料は、ポリエステル2成分繊維材料を含み、
(c)前記2次繊維材料は、ガラス繊維、ポリエステル繊維、金属繊維および2以上のガラス繊維、ポリエステル繊維、および金属繊維から選択された繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項11】
(a)前記2次繊維材料はポリエステル繊維であることを特徴とする請求項10に記載のクランク室の換気フィルタ。
【請求項12】
(a)ガス流入配置構成と、ガス流出配置構成と、液排出配置構成と、を含むハウジングと、
(b)前記ハウジング中に操作可能に配置された、点検可能なクランク室の換気フィルタと、を有し、
前記点検可能なクランク室の換気フィルタは、湿式法で作製した第1の媒体ステージを含み、
(i)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(A)少なくとも10μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持つ、前記媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2成分繊維材料と、
(B)少なくとも1μmの平均最大繊維断面寸法と1〜20mmの平均長さとを持ち、前記媒体ステージ中の繊維材料の総重量の少なくとも30%である、2次繊維材料と、を有し、
(ii)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、
(A)計算された細孔径がX−Y方向に対して12〜50μmであり、
(B)バインダー樹脂がたとえ追加されたとしても繊維材料の総重量の7%以下の含有量で含むことを特徴とするクランク室の換気用ろ過アセンブリ。
【請求項13】
(a)前記湿式法で作製した第1の媒体ステージは、管状であり、内側から外側へ向かうろ過の流れのために配置されており、101〜305mmの高さを持つことを特徴とする請求項12に記載のクランク室の換気用ろ過アセンブリ。
【請求項14】
(a)前記液排出配置構成は、液体流れが前記ガス流入配置構成の一部を通るように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のクランク室の換気用ろ過アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15A】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−92844(P2012−92844A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−276101(P2011−276101)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【分割の表示】特願2007−554356(P2007−554356)の分割
【原出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276101(P2011−276101)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【分割の表示】特願2007−554356(P2007−554356)の分割
【原出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】
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