説明

エアバッグ用ポリエステル織布

本発明はエアバッグにおいて使用するためのポリエステル織布に関する。本発明は、ポリエステルフィラメントヤーンを使用し、ポリエステルフィラメントヤーンが約65cN/テックス以上のテナシティと、約0.5%以下の100℃における瞬間サーマルクリープ(ITC)を有する織布を含む。本発明の更なる態様はポリエステル織布から作製されるエアバッグを含む。本発明の織布は、エアバッグのホットモジュール展開時にシームコーミングの程度を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジコーミングが低減されたエアバッグを提供するポリエステル織布に関する。特に、本発明は、高温で低クリープを有するポリエステルフィラメントヤーンを含む織布と、これらの織布から製造されるエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミドフィラメントヤーンから織られる布は、ヤーンのエネルギー吸収能力が高いことによりエアバッグ製造で主として使用される。このエネルギー吸収能力は、普通、荷重−伸び曲線下の面積として最も容易に定義され、ヤーン引っ張り指数(ヤーンテナシティ(cN/テックス)×破断時伸び(%)平方根として定義される)により最も普通に特性付けられる。エネルギー吸収能力は、エアバッグ展開の事象の動的な性状により特に重要であり、以前の開発は、ポリエステルヤーンのエネルギー吸収を最大化して、性質をポリアミドに近付けることを目標としてきた。
【0003】
ポリエステルエアバッグのエネルギー吸収能力を改善する問題は、エアバッグで使用される布の織りに使用されるポリエステルフィラメントヤーンの引っ張り指数を増大させることにより取り組まれてきた。高テナシティヤーンを延伸して、ヤーンの伸びと、したがって靭性を増加させた後に高緩和比を用いる、これらの強靭なヤーンの製造に使用される工程条件が開示されてきた。
【0004】
このようなポリエステルフィラメントヤーンから織られたエアバッグ布は、シミュレーションされた展開条件において破損した。ポリエステルフィラメントから織られたこのような布を含むエアバッグモジュールを約80℃以上に予備加熱し、次に展開すると、エアバッグシームは分かれて、布シームコーミングまたは布エッジコーミングとして知られる現象である、膨張剤ガスの非制御的な漏洩を引き起こした。これらの破損は、ポリアミドフィラメントヤーンから織られる布を含むエアバッグでは見られない。
【0005】
シームコーミング問題を解決しようとする試みにも拘わらず、ポリエステルエアバッグはホットモジュール展開時になお破損する可能性がある。ホットモジュール展開の他の試験においては、膨張剤と折り畳まれたエアバッグを含むエアバッグモジュールは展開の前に90℃で約4時間加熱され、展開時にエアバッグは破損した。これらの試験における破損機構の徹底的な分析によって、破損はシームコーミングによるものであるということが示された。膨張力、ホット膨張剤ガス、およびホット予備コンディショニングの合体された影響によって、布シームのポリエステルヤーンが伸び、ガスが非制御的な速度で逃げる隙間を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、エアバッグにおいてシームコーミングの程度を低減し、100℃まで予備コンディショニングされ、急速な加熱と荷重の条件下で膨張される場合に、ポリアミドヤーンと類似の特性を呈する、ポリエステル織布に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、ポリエステルフィラメントヤーンから織られる布がホットモジュール展開時のシームコーミングの程度を軽減することができるということが見出された。本発明は、ポリエステルフィラメントヤーンを含み、ポリエステルフィラメントヤーンが約65cN/テックス以上のテナシティと、約0.5%以下の100℃における瞬間サーマル
クリープ(ITC)を含んでなる織布を包含する。本発明の更なる態様は、約2以下のホットシームコーミング指数(HSCI)を含んでなる織布と、これらの織布のいずれかから製造されるエアバッグを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】HSCIの測定に使用されるシーム用の縫い合わせパターンを図示する。
【図2】HSCIの測定に使用される布試験試料の断面を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一般に、本発明は、ポリエステルフィラメントヤーンを含み、ポリエステルフィラメントヤーンが約65cN/テックス以上のテナシティと、約0.5%以下の100℃における瞬間サーマルクリープ(ITC)を含んでなる織布により特徴付け可能である。本発明の更なる態様は、約2以下のホットシームコーミング指数(HSCI)を含んでなる織布と、これらの織布のいずれかから製造されるエアバッグを包含する。
【0010】
本発明の織布で使用されるポリエステルフィラメントヤーンは、約0.5%以下の、例えば約0.01%から約0.5%の100℃における瞬間サーマルクリープ(ITC)を有することができる。ポリエステルフィラメントのITCが展開時に0.5%以上であるならば、このポリエステルヤーンにより織られるエアバッグのシームにおけるヤーンのクリープは、ポリアミドフィラメントヤーンにより織られる同等のエアバッグのシームにおいて観察されるクリープよりも大きい。
【0011】
本発明の織布で使用されるポリエステルフィラメントヤーンは、約65cN/テックス以上のテナシティ、例えば約65cN/テックスから約100cN/テックスのテナシティ;約75以上のテナシティ、例えば約75cN/テックスから約100cN/テックスのテナシティ;約85cN/テックス以上のテナシティ、例えば約85cN/テックスから約100cN/テックスのテナシティを有することができる。低テナシティヤーンは、エアバッグ織布に必要とされる破裂強度を得るには高デニールを必要とし、折り畳むのが困難な厚い布を生じる。本発明の織布で使用されるポリエステルフィラメントヤーンの伸びは、約12%以上、例えば約12%から約20%もしくは約12%から約15%であることができる。このヤーンの引っ張り指数は約240以上、例えば約240から約450もしくは約240から約350であることができる。高いヤーンの伸びはエアバッグ織布のエネルギー吸収能力を改善する。しかしながら、高い伸びを持つフィラメントヤーンを与える工程は、約0.5%以下の100℃におけるITCを持つヤーンをもたらすように設計される。ポリエステルフィラメントヤーンの177℃における熱風収縮は、ポリエステルの工業用ヤーンに対しては3から20%の通常の範囲にあることができる。
【0012】
本発明の織布で使用されるポリエステルフィラメントヤーンの製造に使用されるポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は、約0.8dl/g以上であることができる。0.8dl/g未満のIVを持つポリエステルヤーンは充分な靭性を持つヤーンを与えない。
【0013】
ヤーン線密度は、どのタイプのエアバッグが必要とされるかに依って、約250デシテックスから約700デシテックスであることができる。この高デシテックスヤーンは、サイドカーテン用の低デシテックスヤーンと比較して大きな乗用車のエアバッグ用の布に織られる。この布用のヤーンのフィラメントは、非丸形のフラッタータイプフィラメントであることができる。通常、フィラメントの扁平度はアスペクト比により決められる。アスペクト比はフィラメントの幅に対する長さの比である(丸い断面積は1.0のアスペクト比を有する)。好適なアスペクト比は約1から約6の範囲にある。フラッタータイプのフィラメントによって布は低空気透過性となる。しかしながら、約6のアスペクト比を超えたフィラメントは、いかなる有意の改善ももたらさず、織るのが更に困難であるという点
で実用的な限界がある。
【0014】
個別のフィラメントのデシテックスは、通常、2から7の範囲にある。デシテックス/フィラメントが約2未満であると、製造におけるフィラメントバンドルの制御は更に困難になる。デシテックス/フィラメントが約7以上であると、エアバッグ布はごわごわし、折り畳みが困難となりかちである。
【0015】
ポリエステルマルチフィラメントヤーンの形成用のポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリ(1,4シクロヘキシレン−ジメチレンテレフタレートおよび上述のポリマーの繰り返し単位の少なくとも1つのタイプを含むコポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート/イソフタレートコポリエステル、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレートコポリエステル、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレートコポリエステル、および2つ以上の上述のポリマーとコポリマーの混合物からなる群から選択可能である。これらのなかで、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、機械的性質と繊維形成性においてバランスがとれているために本発明に特に好適である。
【0016】
ポリエステル樹脂は、当業者には既知の標準的な方法により製造可能である。例えば、溶融重合法が約0.6のIVを持つ非晶質ポリエステルをもたらし、それに続いて固相重合法が必要とされる樹脂のIVをもたらす。TiOのような加工助剤、例えば摩擦係数を低下させるか、もしくは例えばゴムなどの他の物質への接着性を増大させるか、もしくはUV安定性を増大させ、脆性を低下させる永続的なヤーン被覆物などの、一般にポリエステルホモポリマーの重量基準で2重量%以下の少量の他の成分も存在し得る。
【0017】
本発明のポリエステルフィラメントヤーンを作製するための製造方法は、連続的な紡糸−延伸法を含むことができる。例えば、連続的な紡糸−延伸法においては、溶融口金からの溶融フィラメントは、空気で急冷され、潤滑され、フィードロールの周りに巻き付けられる。このヤーンは、第1および第2の延伸域を通り、次に緩和ロール上に、最終的には巻き取り機上に通される。急冷域の前に紡糸口金の下で加熱域を使用することができ、400から1000メートル/分の範囲のフィードロール速度を使用することができる。次に、この低配向で、非晶質の紡糸されたヤーンを少なくとも5倍に延伸して、強度を最大化し、その後緩和させる。フィードロールと延伸ロールを加熱し、場合によっては緩和ロールを加熱することができる。第2の延伸ロールと緩和ロールの間の緩和域におけるヤーンの温度と、この領域における緩和の量が最終のポリエステルフィラメントヤーンにITCの大きな影響を及ぼすということが見出された。本発明のポリエステルフィラメントヤーンを製造するための厳密な工程の詳細は、ポリマー樹脂のIV、特定の紡糸条件、フィードロール速度、延伸比などに依存する。
【0018】
エアバッグモジュールは、通常、筐体と、筐体中に配置され、膨張剤からのガスにより膨張されるようにされた折り畳まれたエアバッグを含む。筐体はエアバッグを展開するための開口部を有する。
【0019】
織られたエアバッグの展開時の条件をシミュレーションするために、ホットシーム試験を開発した。これは、荷重下で加熱したときの織布のシームを研究するために設計された。線密度1cm当りの100Nの最大エアバッグ膨張圧力における通常の織られたエアバッグ(1cm当り20本の布打ち込み数により織られた470デシテックスヤーン)中のヤーン上の応力をほぼ10cN/テックスであると計算した。
【0020】
整列された縦糸と横糸ヤーンの織布の2片を重ね合わせ、裁ち端に沿って2つの平行な
シームを縫い合わせた(5つの縫い目/cm)。第1のシームは裁ち端から12.5mmであり、第2のシームは同一のエッジから19mmであった。図1は縫い合せパターンを図示する。ホット布変形のみを観察することができるように、ガラス縫糸(3300デシテックス)を使用した。
【0021】
縫い合わせた布が順に重なっている間に、型板を縫い合わせた布の裁ち端に対して置き、試験細片をマークし、次の寸法にしたがって切断した:裁ち端からスタートして、59mmの長さ(横糸ヤーン方向で)および75mmの幅;次に、次の10mmの長さにわたって細片の幅を75mmから50mmまでしぼり、最終的に、細片の幅を最後の150mmの長さに対して50mmとした。次に、切断した布を開いた。図2は、一緒に縫い合わせ、型板によりマークし、試験試料に切断し、次に開いた、織布の正面(200)および側面(201)の断面を図示する。
【0022】
縫い合わせた細片の上端を固定ビームに締め付け、フィラメントヤーンに相当する下端に10cN/テックスの応力の荷重を印加した。熱電対をシーム中に設置した。熱風ガンを運転温度においてシームから10cmとなるように回転した。シームを100℃まで20秒で加熱し、ここで熱風ガンを回転して、シームから遠ざけ、布を室温まで冷却した。
【0023】
試験の前後で、シームの写真をとり、分析した。これらの試験の前後の写真から、シームと第2の水平ヤーンの間の平均距離をシームの各々の側で測定した。ホットシームコーミング指数(HSCI)は、試験後のシームと第2のヤーンの間の平均距離を試験前のシームと第2のヤーンの間の平均距離で割ったものとして定義される。
【0024】
INVISTA(Wilmington,Delaware USA)T749の市販の470デシテックスのナイロン66フィラメント縦糸を用いて、2つの布を織った。一方の布は同一のT749ナイロン66ヤーンを横糸とし、他方の布はINVISTA T791 490デシテックス市販のポリエステルフィラメントヤーンを横糸ヤーンとするものであった。ナイロンおよびポリエステルの両方のフィラメントヤーンはエアバッグ用途で販売されているものである。上述の試験手順を用いて、T749ナイロンフィラメントヤーンを含む布のHSCIは1.7であり、T791ポリエステル横糸を含む布のそれは3.3であった。
【0025】
加えて、フィラメントをシームコーム領域と、加熱しなかった縫い合わせた細片の下部から引き出した。これらのフィラメントの平均直径を測定した。ナイロン布中のフィラメントの直径は、加熱されたシーム領域においてはポリエステル布中の極めて大きい減少(16.3から14.0μm)と比較して、僅かに減少した(20.1から19.7μm)。それゆえ、ポリエステルエアバッグの破損はシームにおけるポリエステルヤーンのホットストレッチ(クリープ)によるということが明白であった。
【0026】
このフィラメントヤーンは瞬間サーマルクリープ(ITC)により特徴付けられるものであった。ホットモジュール展開中に受ける加熱および応力をシミュレーションするような方法でこのヤーンのITCを求めた。サーマルメカニカルアナライザー(TA Instruments,モデル2940)を使用して、制御された加熱速度下でフィラメントの長さの寸法変化を記録した。多数のフィラメントをフィラメントヤーンからランダムに選択し、デシテックス約65のバンドルに合体した。約10mmの試料長さを用いて、フィラメントのこのバンドルをこの装置に搭載し、フィラメントのバンドル上に8.83cN/テックスの応力を与えるように装填した。このバンドルを133.3℃/分で100℃の温度まで加熱した。温度が100℃に達したときの、バンドルの長さの増加を記録し、ITCを元の長さのパーセントとしての長さの増加と定義した。
【0027】
試験方法
1.ヤーンの物理的性質
ASTM D885−02:254cmのゲージ長さおよび120%の歪み率を用いるテナシティおよび伸び。自由な収縮(デニール当り0.05グラムの荷重)を177℃で30分間測定した。
【0028】
試験方法D1907のオプションIを用いて、線密度(デシテックス)を測定した。
【0029】
2.ヤーンの固有粘度(IV)
ウベローデ粘度計を用いて、オルトクロロフェノール中のポリエステルの3%溶液の相対粘度(RV)を25℃で測定した。固有粘度(IV)を次の関係から計算した。

RV=1+IV×C+0.305×IV×C+1.83×10−5×exp(4.5*IV)×C

ここで、Cはgm/100mlでの溶液濃度である。
【0030】
3.織布の構成
特記しない限り、このフィラメントヤーンを平織で捩りを加えずに縦糸および横糸の両方向において約18.5ヤーン/cmの等しいヤーン密度で織った。このグレージュ布を80℃で40分間ジグ中で洗い上げ、185℃で2分間ヒートセットした。これによって、エアバッグ布の慣用の製造で使用される他の方法に特有の特性を持つ布が製造される。
【実施例】
【0031】
比較例1
INVISTA T749の470デシテックスのナイロンフィラメントヤーンを縦糸方向として、ならびに特定の用途に開発された種々の工業用ポリエステルフィラメントヤーンと、工業用布に設計されたナイロンヤーンを横糸方向として用いて、布を作製した。試料フィラメントヤーンのITCと、試料ヤーンを含む布のHSCIを測定した。このヤーンの一般的な応用分野(これらのヤーンはこれらの工業的な用途で現在使用されている)および物理的性質を表1に示す。対応するヤーンのITCと布のHSCIを表2に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
ナイロン布と比較してポリエステル布において許容不能な程度のシームコーミングが明白であった。
【0035】
実施例2
下記の表3に示す工程条件にしたがって、公称デシテックス550および100、およびアスペクト比1.0の一連のポリエステルフィラメントヤーンを作製した。第2の延伸ロール温度と緩和比のみをランの間で変えた。これらのヤーン(0.90のIV)の物理的性質も表3に示す。
【0036】
【表3】

【0037】
実施例2は、ポリエステルフィラメントヤーンのITCが工程条件に極めて依存的であるということを示す。ランNo.1とランNo.3に対する工程条件によって、約0.5%以下の100℃でのITCを有するポリエステルフィラメントヤーンを製造した。0.31%のITCを有するランNo.1のヤーンは、低HSCIを持つ織布を製造するタイプ725ナイロン66フィラメントヤーンに匹敵する(表2)。約0.5%未満のITCを有する本発明のヤーンの驚くべき局面は、これらが最高のエネルギー吸収能力(引っ張り指数)を持つ製品ではないということである。
【0038】
実施例3
実施例2の方法にしたがって490デシテックスポリエステルヤーンを作製した。工程条件とヤーンの物理的性質を表4に示す。
【0039】
【表4】

【0040】
これらのフィラメントヤーンを平織で捩りを加えずに縦糸および横糸の両方向において20ヤーン/cmのヤーン密度で織った。このグレージュ布をジグ中80℃で40分間洗い上げ、185℃で2分間ヒートセットした。ポリエステル布と市販のナイロン66(INVISTAタイプ725、467デシテックス)布に対する性質を表5に示す。
【0041】
【表5】

【0042】
ポリエステル布の両側に1平方メートル当り40グラムのベースコートと1平方メートル当り20グラムのシリコーンエラストマーを被覆した。ベースコートはGeneral
Electric SLE5401であり、トップコートはDow Corning3714であった。被膜をほぼ190℃で硬化した。被覆後、布試料を切断し、ホットシームコーミング指数を測定し、1.1の値を得た。このシームはガス漏洩に至る可能性のある歪みの兆候を示さなかった。
【0043】
本発明をこれらの特定の態様と同時に説明したが、前出の説明にてらせば当業者には多数の代替物、改変物、および変形物が明らかであるということは確かである。したがって、本発明は、特許請求の範囲の精神および範囲内に入るようなすべてのこのような代替物、改変物、および変形物を包含するように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルフィラメントヤーンが約65cN/テックス以上のテナシティと、約0.5%以下の100℃における瞬間サーマルクリープ(ITC)を含んでなる、ポリエステルフィラメントヤーンを含む織布。
【請求項2】
請求項1に記載の織布を含むエアバッグ。
【請求項3】
約2以下のホットシームコーミング指数を含んでなるポリエステル織布。
【請求項4】
請求項3に記載の織布を含むエアバッグ。
【請求項5】
前記ポリエステルフィラメントヤーンが約12%以上の伸びを更に含んでなる、請求項1に記載の織布。
【請求項6】
前記ポリエステルフィラメントヤーンが約240以上の引っ張り指数を更に含んでなる、請求項1に記載の織布。
【請求項7】
前記ポリエステルフィラメントヤーンが約250デシテックスから約700デシテックスの線密度を更に含んでなる、請求項1に記載の織布。
【請求項8】
前記ポリエステルフィラメントヤーンが約1から約6のアスペクト比を更に含んでなる、請求項1に記載の織布。
【請求項9】
前記織布が約2以下のホットシームコーミング指数を更に含んでなる請求項1に記載の織布。
【請求項10】
前記織布が縦糸および横糸の両方の方向において約18ヤーン/cm以上のヤーン密度を含んでなる平織である、請求項9に記載の織布。
【請求項11】
前記織布が約20g/平方mから約40g/平方mで塗布されていエラストマーの硬化被膜を更に含んでなる請求項9に記載の織布。
【請求項12】
前記織布が2列の縫い合わせと1cm当り少なくとも約5つの縫い目により一緒に縫い合わされている、請求項2に記載のエアバッグ。
【請求項13】
筐体、前記筐体内に置かれた膨張剤、およびエアバッグを含んでなり、前記エアバッグが請求項1に記載の織布を含むエアバッグモジュール。
【請求項14】
前記織布がシリコーンエラストマーの硬化被膜を更に含んでなる、請求項13に記載のエアバッグモジュール。
【請求項15】
前記織布が約2以下のホットシームコーミング指数を更に含んでなる、請求項8に記載の織布。
【請求項16】
前記織布が約2以下のホットシームコーミング指数を更に含んでなり、前記ポリエステルフィラメントヤーンが約1から約6のアスペクト比を更に含んでなる、請求項2に記載のエアバッグ。
【請求項17】
前記織布が約2以下のホットシームコーミング指数を更に含んでなり、前記ポリエステ
ルフィラメントヤーンが約1から約6のアスペクト比を更に含んでなる、請求項13に記載のエアバッグモジュール。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−518263(P2010−518263A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548238(P2009−548238)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/079871
【国際公開番号】WO2008/094317
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】