説明

エアバッグ装置付きステアリングホイール

【課題】エアバッグ装置の小型化が可能なエアバッグ装置付きステアリングホイールを提供する。
【解決手段】エアバッグ装置20は、ホーンスイッチ機構15が組み付けられるバッグホルダ21と該バッグホルダ21に対し組み付けられたパッド24との間に、折り畳まれたエアバッグ22が収容されるバッグ収容空間Xが構成されてなり、ホーンスイッチ機構15は、その一部がバッグ収容空間Xに入り込むように配置されるとともに、その入り込んだ部位を覆うカバー部材としてのキャップ部材33を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置付きステアリングホイールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアバッグ装置付きステアリングホイールにおいては、例えば特許文献1に開示されているように、ステアリングシャフトに固定されるステアリングホイール本体にホーンスイッチ機構を介在させてエアバッグ装置が組み付けられてなるものが提案されている。エアバッグ装置は、ステアリングホイール中央の意匠面を構成するパッドと該パッドに組み付けられるバッグホルダとの間に、折り畳まれたエアバッグが収容されるバッグ収容空間が構成され、バッグホルダのステアリングホイール本体側には、ステアリングホイール本体の芯金に組み付けられるホーンプレートが配置されている。そして、このホーンプレートとバッグホルダとの間には、複数のホーンスイッチ機構が設けられており、該ホーンスイッチ機構によりバッグホルダが支持されている。
【0003】
ホーンスイッチ機構は、ステアリングホイール本体側からホーンプレート及びバッグホルダに挿通されて該バッグホルダのパッド側の面でナットにて締結固定されるボルトと、バッグホルダをホーンプレートから離間するように付勢してバッグホルダを通じてエアバッグ装置全体を支持する付勢部材と、バッグホルダ側に設けられた可動側接点部と、パッド側に設けられた固定側接点部とを有している。そして、パッドがステアリングホイール本体側に押されると、ホーンスイッチ機構の可動側接点が固定側接点に接触して導通し、車両搭載のホーンが作動するようになっている。また、車両が衝撃を受けた際には、インフレータ内でガスが発生して、エアバッグがパッドを押し破り座席側に瞬時に膨張展開し、運転手が受ける衝撃を緩和するようになっている。
【特許文献1】特開2004−256078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したようなステアリングホイールでは、ホーンスイッチ機構が正面視でエアバッグ収容空間から外れた位置に配置されているため、エアバッグ装置が大型化していた。この問題を解決するために、ホーンスイッチ機構を正面視でバッグ収容空間と重なるように配置する構成が考えられるが、このような構成を特許文献1のようなステアリングホイールに単純に適用した場合、ホーンスイッチ機構のボルト先端部とナットがバッグ収容空間に大きく突出することとなり、エアバッグが膨張する際に、ボルト先端部とナットの角部分がエアバッグを損傷させてしまう虞がある。このため、従来のエアバッグ装置では、正面視でホーンスイッチ機構をバッグ収容空間から外れた位置等、ホーンスイッチ機構をエアバッグ膨張時の阻害とならない位置に配置する必要があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エアバッグ装置の小型化が可能なエアバッグ装置付きステアリングホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイール本体にホーンスイッチ機構を介在させてエアバッグ装置が組み付けられてなるエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記エアバッグ装置は、前記ホーンスイッチ機構が組み付けられるバッグホルダと該バッグホルダに対し組み付けられたパッドとの間に、折り畳まれたエアバッグが収容されるバッグ収容空間が構成されてなり、前記ホーンスイッチ機構は、その少なくとも一部が前記バッグ収容空間に入り込むように配置されるとともに、その入り込んだ部位を覆うカバー部材を有することをその要旨とする。
【0007】
上記の構成によれば、ホーンスイッチ機構のバッグ収容空間に入り込んだ部位を覆うカバー部材が設けられるため、エアバッグ膨張時にホーンスイッチ機構がエアバッグを損傷させてしまうことを抑制することができる。これにより、ホーンスイッチ機構がエアバッグの膨張を阻害してしまうという問題を解決しつつも、該ホーンスイッチ機構をその少なくとも一部がバッグ収容空間に入り込むように配置することが可能となり、その結果、エアバッグ装置の小型化が可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記パッドは、前記バッグホルダとで前記バッグ収容空間を構成する収容壁部を有してなり、前記ホーンスイッチ機構は、前記パッドの収容壁部に形成された切り欠き部を塞ぐように配置されて、該ホーンスイッチ機構の一部が前記バッグ収容空間に入り込むように配置されたことをその要旨とする。
【0009】
上記の構成によれば、ホーンスイッチ機構がパッドの収容壁部に形成された切り欠き部を塞ぐように配置されるため、エアバッグが膨張時に切り欠き部から漏れ出てしまうことを抑制することができる。また、ホーンスイッチ機構は、その全体でなく一部がバッグ収容空間に入り込むように配置されるため、バッグ収容空間の容積の低下を少なく抑えることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記ホーンスイッチ機構は、前記パッドに設けられたスイッチ支持部と前記バッグホルダとで挟持されたことをその要旨とする。
【0011】
上記の構成によれば、ホーンスイッチ機構を安定して支持することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、前記ホーンスイッチ機構は、前記ステアリングホイール本体に組み付けられる支持部材と、前記支持部材に変位可能に装着され、前記バッグホルダに組み付けられる可動装着部材と、前記バッグホルダの前記バッグ収容空間側に配置され、前記可動装着部材に組み付けられる前記カバー部材としてのキャップ部材と、前記キャップ部材に保持された可動側接点部と、前記可動装着部材に係止され該可動装着部材と相対変位する部位との間に付勢力を付与して前記可動装着部材を介しての前記エアバッグ装置の位置保持及び前記可動側接点部と前記支持部材との間を非接触で保持する付勢部材とを備えるものであって、前記付勢部材の付勢力に抗した前記エアバッグ装置の前記ステアリングホイール本体側への移動により前記可動側接点部が前記支持部材に接触して導通することでホーンが作動するように構成されたことをその要旨とする。
【0012】
上記の構成によれば、カバー部材を含むホーンスイッチ機構を1つのユニットとして構成することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
従って、上記記載の発明によれば、エアバッグ装置を小型化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のステアリングホイール10は、運転者が車両を操舵すべく把持するステアリングホイール本体11の中央部に、エアバッグ装置(エアバッグモジュール)20が一体に組み付けられて構成されている。ステアリングホイール本体11は、図2に示すように、その芯金12のボス部12aにてステアリングシャフト(図示略)と固定されるとともに、ボス部12aの周囲にエアバッグ装置20を装着する装着部12bがそれぞれ構成されている。各装着部12bは、ボス部12aを挟む左右にそれぞれ1箇所ずつとボス部12aの下側に1箇所の合計3箇所に設けられ、各装着部12bにはクリップ13が備えられている。そして、各装着部12bには、エアバッグ装置20の支持とホーンスイッチとの機能を兼ねる図3に示す3つのホーンスイッチ機構15がそのクリップ13とで構成するスナップフィット構造にて装着され、このホーンスイッチ機構15を介してエアバッグ装置20が芯金12に対して支持される。
【0015】
エアバッグ装置20は、図3、図4及び図5に示すように、バッグホルダ21、エアバッグ22、インフレータ23及びパッド24を備えてなる。バッグホルダ21は、金属板のプレス加工よりなり、略矩形状をなしている。バッグホルダ21の周縁部は、パッド24を固定するための略四角環状の周縁固定部21aとして構成されている。
【0016】
ここで、パッド24は、樹脂成形よりなり、表面が意匠面をなす外皮部24aと、その外皮部24aの裏面側に略四角環状に立設された収容壁部24bとを有している。収容壁部24bは、該収容壁部24bにて囲まれる外皮部24aの内側面とバッグホルダ21とでエアバッグ22を主としたバッグ収容空間Xを形成している。外皮部24aのこの収容空間Xを形成する部位には、エアバッグ22の膨張展開時に押し破られる薄肉部24cが形成されている。
【0017】
収容壁部24bの端面部には、矩形板状をなす5つの係止爪24dが一体に形成されており、具体的には収容壁部24bの上側壁部、左側壁部及び右側壁部にそれぞれ1つ、下側壁部に2つ設けられている。各係止爪24dはそれぞれ所定長さの幅広に形成されており、各係止爪24dの先端部にはその外側面から外側に突出する係止突起24eが形成されている。また、収容壁部24bの各角部の端面部には、それぞれ矩形板状のかしめ片24fが一体に形成されている。
【0018】
これに対し、前記バッグホルダ21は、四角環状をなす周縁固定部21aにおいて、前記パッド24の各係止爪24dに対応する爪係止孔21bが上側辺部、左側辺部及び右側辺部にそれぞれ1つ、下側辺部に2つ形成されている。各爪係止孔21bは、幅広の各係止爪24dに対応してバッグホルダ21の辺方向に長いスリット状をなし、バッグホルダ21の表裏を貫通して形成されている。各爪係止孔21bには、各係止爪24dの先端部が挿通されて係止される。その際、各係止爪24dが係止突起24e分だけ内側に撓んで挿通され、挿通後、係止爪24dが形状復帰して係止突起24eが爪係止孔21bの周縁部に係止して係止爪24dの反挿入方向への抜け止めがなされる。
【0019】
また、バッグホルダ21の各角部には、各かしめ片24fが挿通されるスリット状のかしめ用挿通孔21cが貫通形成されている。各かしめ用挿通孔21cには、各かしめ片24fが挿通され、挿通後においてかしめ片24fの先端部が加熱により潰される所謂熱かしめが施される(図3参照)。そして、各かしめ片24fの熱かしめと各係止爪24dの係止がなされることにより、パッド24がバッグホルダ21に対して固定されるようになっている。
【0020】
バッグホルダ21に設けた四角環状の周縁固定部21aの内側には、略正方形状の台座部21fが構成されている。台座部21fの中心部には円形状の開口部21gが形成されるとともに、該開口部21gの周縁において正方形状の台座部21fの対角線上にそれぞれ1つ合計4つのネジ挿通孔21hが形成されている。台座部21fには、その開口部21gに円柱状をなすインフレータ23の一部が挿入されて取り付けられる。
【0021】
インフレータ23は、円柱状の本体にフランジ部23aを有し、該フランジ部23aには等角度間隔に4つの取付片23bが更に径方向外側に延出されている。各取付片23bには、バッグホルダ21のネジ挿通孔21hに対応するネジ挿通孔23cを有している。インフレータ23は、フランジ部23aから一方側が膨張用ガスを噴出するガス噴出部23xとして構成されている。そして、インフレータ23は、ガス噴出部23xがバッグ収容空間X側に突出するようにその反対側からバッグホルダ21の開口部21gに挿入され、該開口部21gの周縁部にフランジ部23aが当接されて後述のリングリテーナ25とともに取り付けられる。
【0022】
リングリテーナ25は、インフレータ23のガス噴出部23xが挿入されるバッグホルダ21の開口部21gと同等の円形状の開口部25aを有し、該バッグホルダ21の各ネジ挿通孔21hに挿通する4つの取付ネジ25bを有している。リングリテーナ25には、膨張展開可能に折り畳まれたエアバッグ22の開口部が取り付けられている。エアバッグ22が取着されたリングリテーナ25は、バッグ収容空間X側からバッグホルダ21及びインフレータ23の各ネジ挿通孔21h,23cにその取付ネジ25bを挿通し、挿通後の各取付ネジ25bにナット26が螺着されて、バッグホルダ21にリングリテーナ25を介してエアバッグ22が固定され、また同時にインフレータ23もバッグホルダ21に固定される。
【0023】
バッグホルダ21の周縁固定部21aの左側辺部及び右側辺部の上側辺部寄りにおいてそれぞれ爪係止孔21bとかしめ用挿通孔21cとの間の部位と、下側辺部において対で設けられる爪係止孔21b間の中間部位には、ホーンスイッチ機構15を取り付けるための取付部21dがそれぞれ形成されている。各取付部21dには、そのホーンスイッチ機構15の取り付けのための取付孔21eが貫通形成されている。各取付孔21eは、取り付けられるホーンスイッチ機構15で塞がれる構成となっている。尚、各取付孔21eは、各ホーンスイッチ機構15に対しパッド24の軸線L方向(図5参照)に対向する位置に設けられるものである。即ち、各取付孔21eは、ホーンスイッチ機構15の配置位置に応じて、正面視で(軸線L方向から見て)バッグ収容空間Xの内側と外側のどちらの位置でも設けることが可能となっている。
【0024】
一方、パッド24には、ホーンスイッチ機構15を支持するスイッチ支持部30がバッグホルダ21の各取付部21dと対向する位置にそれぞれ形成されている。図5に示すように、スイッチ支持部30は、パッド24の外皮部24aから裏面側に延びるように形成されている。また、スイッチ支持部30は、収容壁部24bと一体をなし、正面視で(パッド24の軸線L方向から見て)収容壁部24bから外側(バッグ収容空間Xよりも外側)に突出する半円状をなしている(図6参照)。尚、スイッチ支持部30は、その半円状の開口側が収容壁部24bと繋がっている。このようなスイッチ支持部30は、収容壁部24bを補強するためのリブの役割をなし、収容壁部24bの強度の向上が図られている。
【0025】
尚、収容壁部24bにおけるスイッチ支持部30のバッグホルダ21側の位置には、収容壁部24bを端面部から外皮部24a側に切り欠いた形状をなす切り欠き部30aが形成されている(図4参照)。
【0026】
[ホーンスイッチ機構の構成]
ホーンスイッチ機構15は、本実施形態のステアリングホイール10では3つ備えられるものであり、図7及び図8に示すように、支持部材としての金属製の固定ピン31と、樹脂製の可動装着部材32と、可動装着部材32の上端部に装着される樹脂製のキャップ部材33(カバー部材)と、該キャップ部材33の内側に設けられた可動側接点部としての接点端子34と、付勢部材としての圧縮コイルスプリング35とを備えている。
【0027】
固定ピン31は、その長手方向全体に亘って断面円状をなしており、その上端部(パッド24側の端部)には、該固定ピン31の長手方向に直交して延びる鍔部31aを有している。また、固定ピン31の下端付近には係止溝31bが外周全体に亘って形成されている。固定ピン31は、前記芯金12(ステアリングホイール本体11)の装着部12bに形成された挿入孔12cに挿入され、該固定ピン31の係止溝31bには装着部12bのクリップ13が係止されている(図10参照)。即ち、固定ピン31は、挿入孔12cに所定位置まで挿入するだけで装着部12bに対し固定可能な所謂スナップフィット構造となっている。また、固定ピン31は、装着部12bへの固定状態において芯金12と導通されるようになっている。尚、スナップフィット構造とは、挿入に伴う弾性係止によって固定する固定構造であり、本実施形態のステアリングホイール10では、固定ピン31と芯金12との固定部分や、後述する可動装着部材32とバッグホルダ21との固定部分等にスナップフィット構造が採用されている。
【0028】
可動装着部材32は、段付形状を有する筒状をなし、固定ピン31に対しその長手方向に移動可能に組み付けられている。可動装着部材32における固定ピン31が挿通される筒状部32aの上端には、固定ピン31の鍔部31aが嵌合される嵌合部32bが形成されている。この嵌合部32bは、固定ピン31の鍔部31aの下面及び外周面と当接している。また、嵌合部32bの上端部には、一対の当接凸部32g及び一対の保持凸部32hが、それぞれ上方に突出するように形成されている。各当接凸部32gは、キャップ部材33内面と当接しており、各保持凸部32hは、キャップ部材33とで接点端子34を挟み込んで保持するようになっている。尚、当接凸部32g及び保持凸部32hは、それぞれ周方向等間隔に設けられている。
【0029】
可動装着部材32には、ホーンスイッチ機構15(固定ピン31)を芯金12に対し組み付ける前の状態(図7及び図3参照)において圧縮コイルスプリング35を保持するためのスプリング保持部32cが周方向等間隔に4つ(図7及び図8では2つのみ図示)形成されている。スプリング保持部32cは、嵌合部32bから下方に延びるとともに、該スプリング保持部32cの下端には、筒状部32a側に突出する係止凸部32dが形成されている。このスプリング保持部32cと筒状部32aとの間には隙間が設定されており、スプリング保持部32cは径方向(ホーンスイッチ機構15の軸直交方向)に撓むことが可能となっている。
【0030】
ホーンスイッチ機構15の組み立て時において、圧縮コイルスプリング35は、その上端部が可動装着部材32の筒状部32aとスプリング保持部32cとの間に挿入される。このとき、圧縮コイルスプリング35は、スプリング保持部32cの弾性復帰により該スプリング保持部32cの係止凸部32dに係止され、これにより可動装着部材32に対し保持されるようになっている(図7参照)。このように、圧縮コイルスプリング35は、芯金12への組み付け前の状態において、その上端部がスプリング保持部32cの係止凸部32dに係止されて保持されている。即ち、圧縮コイルスプリング35の下端部側は開放状態となっているため、圧縮コイルスプリング35を圧縮状態で仮止めする必要のない構成となっている。
【0031】
また、可動装着部材32には、嵌合部32bから下方に延びるホルダ係止部32eが周方向等間隔に4つ(図7及び図8では1つのみ図示)形成されている。ホルダ係止部32eは、スプリング保持部32cから周方向に若干ずれた位置に形成されている。このホルダ係止部32eと筒状部32aとの間には隙間が設定されており、スプリング保持部32cは径方向に撓むことが可能となっている。各ホルダ係止部32eは、可動装着部材32の取付孔21eへの挿入に伴う弾性復帰によりバッグホルダ21の下面に係止されるようになっており(図9参照)、このホルダ係止部32eにより可動装着部材32のバッグホルダ21へのスナップフィット構造が実現されている。尚、図9は、ホーンスイッチ機構15のホルダ係止部32eを含む断面を示しており、図10は、接点端子34の長手方向に沿った断面を示している。
【0032】
可動装着部材32の嵌合部32bには、前記キャップ部材33が固定ピン31及び可動装着部材32を上方から覆うように組み付けられている。キャップ部材33は、円形の上底部33aと、該上底部33aの周縁から下方に延びる側壁部33bとから構成され、全体としてホーンスイッチ機構15の長手方向に対して扁平形状をなしている。キャップ部材33の側壁部33bには、弾性変形可能な一対のフック部33c(図7及び図8では1つのみ図示)が形成されている。フック部33cは可動装着部材32の嵌合部32bの下面32i(図8参照)に係止されており、また、キャップ部材33の上底部33aは、可動装着部材32の当接凸部32gと当接している。これにより、キャップ部材33は、可動装着部材32に対して上下方向に移動不能に固定されている。
【0033】
尚、上底部33aの上面には、組み付け時においてキャップ部材33の向きを揃えるための溝33dが形成されており、該溝33d内の各フック部33cと対応する位置には、該フック部33cのアンダーカット部分を成形するための成形用孔33eが形成されている。そして、各成形用孔33eは、キャップ部材33の上底部33a内面と当接する可動装着部材32の当接凸部32gにより塞がれている。これにより、成形用孔33eからキャップ部材33内部への屑等の異物の侵入が防止され、その結果、固定ピン31と接点端子34との導通の不具合の発生が抑制されるようになっている。
【0034】
キャップ部材33の内側には、前記接点端子34が設けられている。図8及び図10に示すように、接点端子34は、金属板のプレス加工により成型されるものであって、直線状をなす上部34aと、該上部34aの両端からそれぞれ下方に延びる側部34bとからなり、キャップ部材33の内面形状に対応した略断面コ字状をなしている。接点端子34は、その上部34aがホーンスイッチ機構15の中心軸と直交するように配置されている。接点端子34の各側部34bには、係合孔34eが形成されており、該各係合孔34eには、キャップ部材33の内面に突出形成された係合凸部33fが係止されている。これにより、接点端子34は、キャップ部材33の内周面に保持されている。接点端子34の上部34aには、固定ピン31側に突出する3つの接触凸部34cが形成されている。3つの接触凸部34cは、上部34aの長手方向に沿って等間隔に並んでおり、真ん中の接触凸部34cは上部34aの長手方向中心に形成されている。
【0035】
接点端子34の各側部34bは、その下端に屈曲形成された屈曲部34dを有している。屈曲部34dは、側部34bから外側に延出するように屈曲形成されており、バッグホルダ21の上面と接触している(図10参照)。これにより、バッグホルダ21と接点端子34とが導通された状態となっている。尚、屈曲部34dは、バッグホルダ21への組み付け前の状態においては、側部34bとでなす角度が90度よりも大きく設定されており(本実施形態では95度)、組み付け状態においてバッグホルダ21上面に確実に接触するようになっている。また、組み付け状態においては、屈曲部34dと側部34bとのなす角度は、略90度となっている。一方、屈曲部34dを含む各側部34bと固定ピン31との間には、前記可動装着部材32の嵌合部32bが介在されており、該各側部34bと固定ピン31との絶縁状態が確保されている。
【0036】
上記したように、本実施形態のホーンスイッチ機構15では、接点端子34が組み付けられたキャップ部材33が可動装着部材32に固定されており、可動装着部材32には固定ピン31が脱落不能に組み付けられている。また、可動装着部材32のスプリング保持部32cには、圧縮コイルスプリング35が保持されている。即ち、ホーンスイッチ機構15は、これらの複数の単体部品(固定ピン31、可動装着部材32、キャップ部材33、接点端子34及び圧縮コイルスプリング35)がユニット化されて構成されたASSY部品である(図7参照)。これにより、ホーンスイッチ機構15の組み付けや交換の際に、ユニット化されたホーンスイッチ機構15を1つの集合体として扱うことが可能となっている。尚、上記したように、可動装着部材32には固定ピン31が脱落不能に組み付けられており、固定ピン31は可動装着部材32を介してバッグホルダ21に組み付けられるため、バッグホルダ21(エアバッグ装置20)が固定ピン31から外れてしまうことが防止されている。
【0037】
このような構成のホーンスイッチ機構15は、ユニット化された後、バッグホルダ21の各取付孔21eに挿入されて固定される。バッグホルダ21の取付孔21eは、可動装着部材32の筒状部32aに対応した円形状をなしている。取付孔21eには、径方向外側に延びる4つの凹部21i(図5参照)が周方向等間隔に形成され、この各凹部21i内には可動装着部材32のスプリング保持部32cが配置される。尚、取付孔21eの凹部21iは、該取付孔21eに可動装着部材32を挿入する際の周方向の位置決めの役割をなしている。
【0038】
可動装着部材32の取付孔21eへの挿入に伴い、前記ホルダ係止部32eは、図9に示すように、バッグホルダ21の下面に係止される。また、バッグホルダ21の上面側は、キャップ部材33の側壁部33bの下端部、及びキャップ部材33のフック部33cの下端部と当接している。即ち、ホーンスイッチ機構15は、各ホルダ係止部32eとキャップ部材33とでバッグホルダ21を挟み込む構成となっている。このような構成により、ホーンスイッチ機構15の可動装着部材32、キャップ部材33及び接点端子34は、バッグホルダ21とともに移動することが可能となっている。尚、ホーンスイッチ機構15の可動装着部材32、キャップ部材33及び接点端子34は、固定ピン31に対しては相対的に移動可能となっている。また、取付孔21eの径は、固定ピン31の鍔部31aの径よりも小さく形成され、これにより、固定ピン31が取付孔21eから抜け出てしまうことが防止されている。
【0039】
エアバッグ装置20を組み立ててモジュール化した状態において、ホーンスイッチ機構15のキャップ部材33は、収容壁部24b(パッド24)の切り欠き部30aを塞ぐように該切り欠き部30a内に配置されている(図4参照)。そして、ホーンスイッチ機構15のキャップ部材33は、軸方向から見た略半分がパッド24の収容壁部24b内、即ちバッグ収容空間Xに入り込む構成となっている(図6参照)。従って、ホーンスイッチ機構15は、正面視で(パッド24の軸線L方向から見て)その略半分がバッグ収容空間Xと重なる位置に配置されるようになっている。
【0040】
このように、本実施形態のエアバッグ装置20では、ホーンスイッチ機構15の一部がバッグ収容空間Xに入り込んでいるが、その入り込んだ部位は樹脂製のキャップ部材33にて覆われている。そして、そのキャップ部材33は、シャープエッジ等の有害な突起が存在しない略円筒形をなしている。そのため、エアバッグ22の膨張時にホーンスイッチ機構15が該エアバッグ22に与える影響が抑制されるようになっている。また、本実施形態のキャップ部材33の形状は円形であるため、キャップ部材33はバッグ収容空間Xに円弧状に突出することとなる。これにより、エアバッグ22の膨張時に、キャップ部材33がエアバッグ22を損傷させてしまうことがより抑制されている。以上のように、本実施形態のエアバッグ装置20では、ホーンスイッチ機構15がエアバッグ22の膨張を阻害してしまうという問題を解決しつつも、ホーンスイッチ機構15をバッグ収容空間Xに入り込むように配置することが可能となり、その結果、エアバッグ装置20の小型化を実現することが可能となっている。
【0041】
また、図4に示すように、キャップ部材33の上面は、パッド24のスイッチ支持部30の端部と当接している。つまり、ホーンスイッチ機構15のキャップ部材33は、パッド24のスイッチ支持部30とバッグホルダ21とにより挟持されている。これにより、例えばエアバッグ装置20を強打したとき、その反力によりキャップ部材33が可動装着部材32から外れてしまうことが防止されている。また、本実施形態のエアバッグ装置20では、キャップ部材33が収容壁部24bの切り欠き部30a内に配置されているが、該キャップ部材33の外周面は、切り欠き部30aと当接、若しくは組み付けのためのわずかな隙間を有して近接しているため、エアバッグ22が膨張時にスイッチ支持部30とキャップ部材33との間から漏れ出てしまうことが防止され、また、切り欠き部30aからバッグ収容空間Xへの異物(インフレータ23を固定するためのナット26等)の侵入が防止されている。尚、エアバッグ装置20を芯金12に対してボルトとナットで締結固定する構成の場合には、その締結固定用のボルトやナットが切り欠き部30aからバッグ収容空間Xに侵入することも防止することができる。
【0042】
このようなエアバッグ装置20では、図3及び図4に示すように、ステアリングホイール本体11の芯金12に組み付ける前の状態において、圧縮コイルスプリング35及び該スプリング35に挿通された固定ピン31がバッグホルダ21からパッド24から離れる方向に突出している。そして、各固定ピン31を芯金12の各装着部12bの挿入孔12c(図2参照)に挿入して該各装着部12bに固定することで、エアバッグ装置20は芯金12に対し組み付けられるようになっている。つまり、芯金12に対し固定された各ホーンスイッチ機構15の固定ピン31は、可動装着部材32を介してエアバッグ装置20(バッグホルダ21)を支持している。
【0043】
尚、エアバッグ装置20の組み付け前の状態において、各固定ピン31の先端31cは、圧縮コイルスプリング35の下端部(バッグホルダ21から離れた側の端部)から突出している。これにより、エアバッグ装置20を芯金12に組み付ける際には、この各固定ピン31の先端31cを芯金12の各挿入孔12cに若干嵌め合わせることで位置決めが可能となっている。
【0044】
また、固定ピン31の挿入孔12cへの挿入に伴い、圧縮コイルスプリング35はその下端部が芯金12(装着部12b)に当接し、固定ピン31の固定により該圧縮コイルスプリング35は可動装着部材32と芯金12との間に圧縮状態で保持される。尚、この圧縮状態とは、エアバッグ装置20の芯金12側への移動を許容できる状態での圧縮を意味している。即ち、圧縮コイルスプリング35は、接点端子34を固定ピン31から離隔させた状態(ホーンスイッチ機構15のオフ状態)から、エアバッグ装置20が芯金12側に押されて接点端子34が固定ピン31に接触する状態(ホーンスイッチ機構15のオン状態)までのホーンストロークを確保した状態で圧縮されている。この組み付け状態(図10参照)において、圧縮コイルスプリング35の上端部は、可動装着部材32の筒状部32aに形成された段差部32fと当接しており、該圧縮コイルスプリング35は可動装着部材32を芯金12から遠ざける方向に付勢している。即ち、圧縮コイルスプリング35は、接点端子34と固定ピン31とが非接触となるように、可動装着部材32を通じてエアバッグ装置20全体を支持している。
【0045】
上記したようなエアバッグ装置20では、エアバッグ装置20をステアリングホイール本体11に対して傾動させる(押下する)と、少なくとも1つのホーンスイッチ機構15の可動装着部材32がバッグホルダ21を介し圧縮コイルスプリング35の付勢力に抗して押圧され、芯金12側(図10において下方)に移動する。このとき、キャップ部材33もバッグホルダ21及び可動装着部材32とともに芯金12側に移動し、接点端子34の3つの接触凸部34cのうちの少なくとも1つが固定ピン31の上端面に接触する。これにより、グランドGND(車体アース)に接続された芯金12とバッグホルダ21とが、固定ピン31及び接点端子34を介して導通され、バッグホルダ21に電気的に接続された車両のホーン装置40(ホーン)が作動するようになっている。つまり、本実施形態のホーンスイッチ機構15では、エアバッグ装置20を支持する固定ピン31が、可動側接点としての接点端子34と接触する固定側接点としての役割も兼ねている。これにより、エアバッグ装置20を支持するための部材とホーンスイッチ機構15の固定側の接点部材とが別々に存在する構成に比べて、部品点数が少なく構成されている。
【0046】
尚、ホーンスイッチ機構15の接点端子34は、3つの接触凸部34cがステアリングホイール10の径方向(放射線上)に並ぶように設けられるのが望ましく、そのような構成によれば、接点端子34と固定ピン31の上端面との導通確実性の向上に寄与できる。また、本実施形態では、ホーンスイッチ機構15が3つ設けられており、各ホーンスイッチ機構15からステアリングホイール10の中心までの距離は互いに略等しく設定されているため、接点端子34と固定ピン31の上端面との導通確実性の向上に寄与できる。
【0047】
また、このような構成のエアバッグ装置20の組み立ての際には、バッグホルダ21をそのパッド24側の面が上方を向くように配置し、そのバッグホルダ21に対して上方から各部材(各ホーンスイッチ機構15、リングリテーナ25、エアバッグ22及びパッド24)を組み付ける。その後、その一体部品を裏返し、インフレータ23をバッグホルダ21に組み付けるようになっている。
【0048】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態のエアバッグ装置20では、ホーンスイッチ機構15は、バッグ収容空間Xに入り込むように配置されるとともに、その入り込んだ部位を覆うカバー部材としてのキャップ部材33を備える。そのため、エアバッグ22が膨張時にホーンスイッチ機構15により損傷してしまうことを抑制することができる。これにより、ホーンスイッチ機構15がエアバッグ22の膨張を阻害してしまうという問題を解決しつつも、該ホーンスイッチ機構15をバッグ収容空間Xに入り込むように配置することが可能となり、その結果、エアバッグ装置20の小型化が可能となる。
【0049】
(2)パッド24はバッグホルダ21とでバッグ収容空間Xを構成する収容壁部24bを有してなり、ホーンスイッチ機構15は、パッド24の収容壁部24bに形成された切り欠き部30aを塞ぐように配置されて、該ホーンスイッチ機構15の一部がバッグ収容空間Xに入り込むように配置される。そのため、エアバッグ22が膨張時に切り欠き部30aから漏れ出てしまうことを抑制することができる。また、ホーンスイッチ機構15は、その全体でなく一部がバッグ収容空間Xに入り込むように配置されるため、バッグ収容空間Xの容積の低下を少なく抑えることが可能となる。
【0050】
(3)ホーンスイッチ機構15のキャップ部材33は、パッド24に設けられたスイッチ支持部30とバッグホルダ21とで挟持されるため、ホーンスイッチ機構15を安定して支持することが可能となる。
【0051】
(4)ホーンスイッチ機構15は、ステアリングホイール本体11に組み付けられる支持部材としての固定ピン31と、固定ピン31に変位可能に装着され、バッグホルダ21に組み付けられる可動装着部材32と、バッグホルダ21のバッグ収容空間X側に配置され、可動装着部材32に組み付けられるキャップ部材33と、キャップ部材33に保持された可動側接点部としての接点端子34と、可動装着部材32に係止され該可動装着部材32と相対変位する部位との間に付勢力を付与して可動装着部材32を介してのエアバッグ装置20の位置保持及び可動側接点部と固定ピン31との間を非接触で保持する付勢部材としての圧縮コイルスプリング35とを備える。そして、圧縮コイルスプリング35の付勢力に抗したエアバッグ装置20のステアリングホイール本体11側への移動により接点端子34が固定ピン31に接触して導通することでホーン装置40が作動するように構成される。これにより、カバー部材としてのキャップ部材33を含むホーンスイッチ機構15を1つのユニットとして構成することが可能となる。
【0052】
(5)キャップ部材33がホーンスイッチ機構15の長手方向に対して扁平形状をなすため、バッグ収容空間Xに入り込むキャップ部材33による該収容空間Xの容積の低下を少なく抑えることが可能となる。また、ホーンスイッチ機構15がエアバッグ22の膨張を阻害してしまうことがより抑制される。
【0053】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、ホーンスイッチ機構15のキャップ部材33は、軸方向から見た略半分がバッグ収容空間Xに入り込むように構成されたが、特にこれに限定されるものではなく、軸方向から見た全体がバッグ収容空間X内に入り込むように構成してもよい。また、例えば、図11(a)に示すように、キャップ部材33が収容壁部24bの外側面24gよりもバッグ収容空間X側に僅かに入り込む構成としてもよい。尚、この構成のように、キャップ部材33の少なくとも一部が収容壁部24bの外側面24gよりもバッグ収容空間X側に位置すれば、キャップ部材33がバッグ収容空間X内に入り込んでいる構成とみなす。
【0054】
・スイッチ支持部30の形状は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば図11(b)に示すように、スイッチ支持部30の湾曲部分のバッグ収容空間X側に収容壁部24bが無い構成とし、その湾曲部分からバッグ収容空間X側に延びる延出部51を有する構成としてもよい。また、図11(c)に示すように、収容壁部24bからバッグ収容空間Xとは反対側に延びる延出部52を有する構成としてもよい。また、スイッチ支持部30の湾曲部分のバッグ収容空間X側に位置する収容壁部24bを、該スイッチ支持部30の湾曲部分よりもホーンスイッチ機構15側に延出させてキャップ部材33の溝33dに嵌る構成としてもよい。この構成によれば、スイッチ支持部30(収容壁部24b)によってホーンスイッチ機構15の位置決めが可能となる。
【0055】
・上記実施形態では、ホーンスイッチ機構15を3つ用いる構成であったが、数はこれに限らず、1つ、2つ又は4つ以上で構成してもよい。
・ホーンスイッチ機構15の構成は、上記実施形態のものに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、ホーンスイッチ機構15の固定ピン31は、ステアリングホイール本体11の芯金12に固定され、エアバッグ装置20側とは相対変位可能に構成されたが、反対にエアバッグ装置20側に固定され、芯金12と相対変位可能な構成としてもよい。また、上記実施形態ではホーンスイッチ機構15の固定ピン31が固定側接点を兼ねる構成としたが、固定ピン31とは別に固定側接点を設ける構成としてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、キャップ部材33の形状をシャープエッジ等の有害な突起が存在しない略円筒形としたが、シャープエッジ等の有害な突起がなければ円筒形以外の形状であってもよい。
【0057】
・上記実施形態のバッグホルダ21の構成を適宜変更してもよい。例えば、パッド24やホーンスイッチ機構15が組み付けられる組付部として爪係止孔21bや取付孔21eといった孔形状で構成したが、突部等、孔以外の組付部の構成としてもよい。また、爪係止孔21bや取付孔21e等の配置を適宜変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態におけるステアリングホイールの正面図である。
【図2】ステアリングホイール本体の一部を示す正面図である。
【図3】エアバッグ装置の背面側からの斜視図である。
【図4】エアバッグ装置の側面図である。
【図5】エアバッグ装置の背面側からの分解斜視図である。
【図6】パッドを裏面側から見た平面図である。
【図7】ホーンスイッチ機構の斜視図である。
【図8】ホーンスイッチ機構の分解斜視図である。
【図9】組み付け状態のホーンスイッチ機構を説明するための概略構成図である。
【図10】組み付け状態のホーンスイッチ機構を説明するための概略構成図である。
【図11】(a)(b)(c)別例におけるホーンスイッチ機構とバッグ収容空間との関係を示すための平面図である。
【符号の説明】
【0059】
10…ステアリングホイール、11…ステアリングホイール本体、12…芯金、15…ホーンスイッチ機構、20…エアバッグ装置、21…バッグホルダ、22…エアバッグ、24…パッド、24b…収容壁部、30…スイッチ支持部、30a…切り欠き部、31…支持部材としての固定ピン、32…可動装着部材、33…カバー部材としてのキャップ部材、34…可動側接点部としての接点端子、35…付勢部材としての圧縮コイルスプリング、40…ホーン装置(ホーン)、X…バッグ収容空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイール本体にホーンスイッチ機構を介在させてエアバッグ装置が組み付けられてなるエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記エアバッグ装置は、前記ホーンスイッチ機構が組み付けられるバッグホルダと該バッグホルダに対し組み付けられたパッドとの間に、折り畳まれたエアバッグが収容されるバッグ収容空間が構成されてなり、
前記ホーンスイッチ機構は、その少なくとも一部が前記バッグ収容空間に入り込むように配置されるとともに、その入り込んだ部位を覆うカバー部材を有することを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記パッドは、前記バッグホルダとで前記バッグ収容空間を構成する収容壁部を有してなり、
前記ホーンスイッチ機構は、前記パッドの収容壁部に形成された切り欠き部を塞ぐように配置されて、該ホーンスイッチ機構の一部が前記バッグ収容空間に入り込むように配置されたことを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記ホーンスイッチ機構は、前記パッドに設けられたスイッチ支持部と前記バッグホルダとで挟持されたことを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置付きステアリングホイールにおいて、
前記ホーンスイッチ機構は、
前記ステアリングホイール本体に組み付けられる支持部材と、
前記支持部材に変位可能に装着され、前記バッグホルダに組み付けられる可動装着部材と、
前記バッグホルダの前記バッグ収容空間側に配置され、前記可動装着部材に組み付けられる前記カバー部材としてのキャップ部材と、
前記キャップ部材に保持された可動側接点部と、
前記可動装着部材に係止され該可動装着部材と相対変位する部位との間に付勢力を付与して前記可動装着部材を介しての前記エアバッグ装置の位置保持及び前記可動側接点部と前記支持部材との間を非接触で保持する付勢部材と
を備えるものであって、
前記付勢部材の付勢力に抗した前記エアバッグ装置の前記ステアリングホイール本体側への移動により前記可動側接点部が前記支持部材に接触して導通することでホーンが作動するように構成されたことを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−69933(P2010−69933A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236808(P2008−236808)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】