説明

エアージェッティング装置及び工法

【課題】安定して確実に目詰まりを解消できるエアージェッティング装置及び工法を提供する。
【解決手段】高圧水と圧縮空気を用いて井戸のスクリーン81を洗浄するエアージェッティング装置10であって、装置10の中心軸C上に配置された高圧水送管6と、高圧水送管6が上面に接続されかつ高圧水送管6と連通する内部空間31dを具備する高圧水ノズル取付部3と、高圧水ノズル取付部3の側面に取り付けられかつ高圧水ノズル取付部3の内部空間31dと連通する複数の高圧水ノズルと、圧縮空気を供給するために高圧水送管6内及び高圧水ノズル取付部3の内部空間31d内を貫通しかつ装置10の下端まで延在するエアー送管5と、エアー送管5を通して供給された圧縮空気を放出するためにエアー送管5の下端に接続されかつ中心軸Cの周りに均等に配置された複数のエアーノズル12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸のスクリーンの目詰まりを解消するために洗浄を行う装置及び工法に関する。
【背景技術】
【0002】
長年、揚水を続けた井戸は、水垢や炭酸塩等がケーシングに付着し、スクリーンの目詰まりを生じる。その結果、水位低下、水量減少等の問題が起きる。従って、適切な時期に、目詰まりの原因である付着物を除去する洗浄作業を行うことが、井戸を長期間に亘って良好に利用する上で重要である。
【0003】
井戸のスクリーンの洗浄工法としては、ブラッシング工法、スワッビング工法、ジェッティング工法等が知られている。図6(a)は、ジェッティング工法を用いたスクリーン洗浄の様子を概略的に示した図である。一般的に、井戸の壁は、鋼製のケーシング80で形成され、ケーシング80における帯水層に当たる部分が、スクリーン81となっている。スクリーン81には多数の孔やスリット等が設けられており、スクリーン81を通して帯水層から井戸内に水Wが透過する。ジェッティング工法に用いる装置は、送水管又は送水ホース111により地上から高圧水を供給し、先端のノズル112から水ジェットを噴射する(図中の黒矢印)。水ジェットによりスクリーン81を目詰まりさせている付着物に衝撃を与えて、付着物を剥離し、除去する。なお、噴射中のノズル112を適度に回転させることが望ましい。また、ガイド枠113を取り付けると、井戸の中心に沿って偏りなく装置を昇降させることができる。
【0004】
このようなジェッティング工法は、例えば特許文献1〜4に記載されている。特許文献1〜3では、ノズルから噴射される水ジェットの力を利用してノズルが回転するように構成されている。また、特許文献4では、ノズルの下方に圧縮空気を噴出させて井戸内に大きな気泡を生じさせ、大きな気泡に対して高圧水を噴射することで、高圧水を直接的に井戸管の内壁に当てる工法が記載されている。
【0005】
また、図6(b)は、土砂で埋没した井戸底部を浚渫するためのエアーリフト工法の様子を概略的に示した図である。先ず、リフト管122を井戸底部まで降下させる。次に、リフト管122の中間位置から分岐しているエアー送管121に圧縮空気を送る(白矢印で示す)。リフト管122内の水は、空気と混合されることで比重が小さくなり、上昇する。これにより、リフト管122の下端から井戸内の水が急速に流入する。このとき、堆積した土砂が巻き込まれ、水とともにリフト管122を通って地上に噴出する(灰色矢印)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−193106号公報
【特許文献2】特開2002−192094号公報
【特許文献3】特開2009−18214号公報
【特許文献4】国際公開2002/055225号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜3に示した一般的なジェッティング工法では、高圧水を水中に噴射するため、ノズル噴射口からスクリーンまでの距離が数cm程度であっても、井戸水の抵抗によって高圧水の圧力は著しく低下してしまう。距離が数cm程度以上になると、高圧水の圧力をどのように大きくしても、スクリーンに対して十分な衝撃力を及ぼすことはできない。
【0008】
また、特許文献1〜3で用いられているノズルの回転機構は、ノズルから噴射される高圧水の圧力の一部を回転力に変換してノズルを回転させている。このように洗浄用の高圧水をそのままノズル回転のために兼用する場合、洗浄のための高圧水の圧力や水量の制御と、ノズルの回転速度の制御を独立して行うことができない。例えば、低速回転させながら比較的強い高圧水を噴射したり、逆に高速回転させながら比較的弱い高圧水を噴射したりする制御はできない。
【0009】
また、特許文献4に示したジェッティング工法のように圧縮空気を噴射し、それにより水中に生じた大きな気泡に対して高圧水を噴射すると、あたかも空気中で高圧水噴射した場合と同程度の衝撃力が得られる。しかしながら、特許文献4では、圧縮空気を斜め下方の一方向にのみ噴射しているため気泡が偏って生じる。また、圧縮空気を送るホースが、高圧水を送るホースの側面に沿って併設されかつ高圧水のノズルの側面に取り付けられているため、装置全体のバランスが悪く、装置の姿勢を鉛直方向に保持し難い。また、斜め下方の一方向にのみ圧縮空気を噴出することで、さらに装置の安定姿勢を確保し難くなる。その結果、スクリーンの目詰まり除去を満遍なく行うことが困難となる。
【0010】
本発明は、上述した従来技術の種々の問題点に鑑み、高圧水と圧縮空気を組み合わせて井戸のスクリーンを洗浄する装置及び工法であって、洗浄用の高圧水及びノズルの回転速度をそれぞれ最適に制御可能であり、安定して確実に目詰まりを解消できるエアージェッティング装置及び工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の数字は、後述する実施例を示した図面中の符号であり、参考のために付する。
【0012】
本発明の第1の態様は、高圧水と圧縮空気を用いて井戸のスクリーン(81)を洗浄するためのエアージェッティング装置(10)であって、
高圧水を供給するために前記装置(10)の中心軸(C)上に配置された高圧水送管(6)と、
前記高圧水送管(6)が上面に接続されかつ前記高圧水送管(6)と連通する内部空間(31d)を具備する高圧水ノズル取付部(3)と、
高圧水をスクリーン(81)に対して噴射するために前記高圧水ノズル取付部(3)の側面に取り付けられかつ前記高圧水ノズル取付部(3)の前記内部空間(31d)と連通する複数の高圧水ノズルと、
圧縮空気を供給するために中心軸(C)上に配置され、前記高圧水送管(6)内及び前記高圧水ノズル取付部(3)の前記内部空間(31d)内を貫通しかつ前記装置(10)の下端まで延在するエアー送管(5)と、
前記エアー送管(5)を通して供給された圧縮空気を放出するために前記エアー送管(5)の下端に接続されかつ中心軸(C)の周りに均等に配置された複数のエアーノズル(12)と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
上記装置(10)において、前記高圧水ノズル取付部(3)は、
前記内部空間(31d)を形成されかつ前記内部空間(31d)内を貫通する前記エアー送管(5)と互いに固定された固定軸部(31)と、
前記固定軸部(31)を囲繞して配置された円筒体であって中心軸(C)の周りで前記固定軸部(31)に対し回転自在でありかつ前記高圧水ノズルの基端部を貫通させて前記固定軸部(31)の内部空間(31d)と連通させる第1円筒部(32)と、
前記第1円筒部(32)の外周面上に固定された円筒体であって前記第1円筒部(32)の一端を超えて中心軸(C)方向に延在する第2円筒部(33)と、
前記第2円筒部(33)の内壁から突出する複数の羽根(34)と、
前記固定軸部(31)の内部空間(31d)と連通し前記固定軸部(31)から中心軸(C)方向に突出して中心軸(C)の周りに配置されかつ中心軸(C)に垂直な面内で噴射可能な複数の回転用ノズル(35)と、を備え、
前記羽根(34)と前記回転用ノズル(35)は、中心軸(C)方向においてほぼ同じ位置にあり、前記回転用ノズル(35)から高圧水が噴射されることにより、前記第2円筒部(33)、前記第1円筒部(32)及び前記高圧水ノズルが一体的に、前記固定軸部(31)に対して回転することが、好適である。
【0014】
上記装置において、前記回転用ノズル(35)の噴射方向及び前記第2円筒部(33)の前記羽根(34)の面が、前記第2円筒部(33)の径方向に対してそれぞれ所定の角度(α、β)だけ傾斜して配置されていることが、好適である。
【0015】
上記装置において、前記回転用ノズル(35)の噴射方向が前記第2円筒部(33)の径方向に対して所定の角度(α)だけ傾斜して配置される一方、前記第2円筒部(33)の前記羽根(34')の面が前記第2円筒部(33)の径方向に配置されることが、好適である。
【0016】
上記装置において、前記高圧水ノズル取付部(3)の一方の側面と、前記中心軸(C)を挟んで反対側に位置する他方の側面とに、前記高圧水ノズル(21,22)をそれぞれ一対ずつ取り付け、一対の前記高圧水ノズル(21,22)は互いに平行であってノズル径が異なることが、好適である。
【0017】
上記装置において、前記高圧水ノズル取付部(3)の1つの直径の両端位置の側面に、同じノズル径の前記高圧水ノズル(21)をそれぞれ1本ずつ取り付けたことが、好適である。
【0018】
上記装置において、前記高圧水ノズルよりも上方に配置されたエアーリフト部(7)をさらに備え、
前記エアーリフト部(7)は、上端が開口し、下端が閉鎖されかつ側面に吸込み口(71a)を開口したリフト管(71)と、前記吸込み口(71a)より上方側にて前記リフト管(71)から分岐したリフト用エアー送管(72)とを具備し、
前記リフト用エアー送管(72)により前記リフト管(71)内に圧縮空気を送り込むことにより、前記吸込み口(71a)から井戸内の水を吸い込み、前記リフト管(71)を通して揚水可能であることが、好適である。
【0019】
上記装置において、前記装置(10)を井戸の中心に位置させるために、前記中心軸(C)を中心として所定の径をもつガイド枠(4)を取り付けたことが、好適である。
【0020】
本発明の第2の態様は、上記いずれかのエアージェッティング装置を用いて井戸のスクリーンの洗浄を行うエアージェッティング工法において、
前記装置(10)を井戸内の所定の深さまで降下させ、同じ高さに保持したまま又は昇降させつつスクリーン(81)を洗浄する工程を有し、
前記工程において、
前記エアー送管(5)を通して複数の前記エアーノズル(12)に圧縮空気を供給して中心軸(C)の周囲に均一に圧縮空気を放出させ、
前記高圧水送管(6)を通して前記高圧水ノズル(21,22)に高圧水を供給してスクリーン(81)に対して噴射させる一方、前記回転用ノズル(35)から高圧水を噴射させて前記第2円筒部(33)の前記羽根(34)に当てることにより、前記高圧水ノズル(21,22)を回転させることを特徴とする。
【0021】
上記工法において、前記リフト用エアー送管(72)を通して圧縮空気を供給し、前記リフト管(71)の前記吸込み口(71a)から井戸内の水とともにスクリーン(81)から除去された付着物(G)を吸い込んで上昇させ、地上にて、揚水された水の色により洗浄状況を確認することが、好適である。
【0022】
上記工法において、スクリーン(81)に適用される高圧水の圧力が所定の強さとなるように、前記高圧水ノズル(21,22)の噴射口とスクリーン(81)との間の距離を所定の距離以下とするべく、井戸の径に応じて長さ(L)の異なる高圧水ノズル(21,22)に交換することが、好適である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるエアージェッティング装置又は工法では、中心軸上に配置されたエアー送管と、エアー送管の下端に接続され中心軸の周りに均等に配置された複数のエアーノズルとにより、装置下端から圧縮空気が放出されるので、中心軸の周囲にエアー(気泡)が均一に供給される。これにより、高圧水ノズルの周囲の水は、均一に分散した気泡によって一様に比重が軽くなり、高圧水に対する抵抗が一様に低くなる。この結果、高圧水ノズルから噴射される高圧水は、いずれの方向に対して噴射される場合にも強力かつ均等な衝撃力を及ぼすことができる。よって、作業中の装置の安定性が維持され、確実な付着物除去が実現される。
【0024】
本発明によるエアージェッティング装置又は工法では、高圧水ノズル取付部において、第2円筒部の複数の羽根と、固定軸部の複数の回転用ノズルとを設け、回転用ノズルから羽根に対して高圧水を噴射することにより、第2円筒部とともに第1円筒部及び高圧水ノズルを回転させる。従来技術では、高圧水ノズルから噴射される高圧水自体により高圧水ノズルの回転力を得ていたが、その場合は、噴射される高圧水の圧力及び水量と回転速度とを独立して制御することは困難であった。本発明では、例えば、高圧水ノズルから噴射される高圧水の圧力等が同じであっても、回転用ノズルのノズル径を変えることにより、回転速度を変えることが可能となる。これにより、高圧水ノズルをゆっくりと回転させつつ高い圧力及び水量で高圧水を噴射するという作業も可能となる。
【0025】
本発明によるエアージェッティング装置又は工法では、装置の上部にエアーリフト部を設けたことにより、スクリーン洗浄により除去された付着物とともに揚水された水の色により洗浄状況を確認できる。従来のエアーリフト工法は、井戸底部の埋没浚渫に用いるものであったが、本発明ではこれを、除去された付着物の回収と洗浄状況確認のために利用したものである。
また、エアージェッティング工法とエアーリフト工法を同時に実施することにより、従来発生していた、スクリーン洗浄により除去された付着物の井戸底部への埋没はほとんど発生しなくなる。
【0026】
さらに、井戸の径に応じて長さの異なる高圧水ノズルに交換することにより、スクリーンの直前で高圧水を噴射することができる。これにより、高圧水の圧力が水の抵抗により失われることなく、スクリーンに対して衝撃力を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明によるエアージェッティング装置の稼働状況を示す概略的断面図である。
【図2】図1のエアージェッティング装置の部分拡大図である。
【図3】(a)は図2のX断面を概略的に示す図であり、(b)は別の実施例である。
【図4】(a)は図2のY断面を概略的に示す図であり、(b)は別の実施例である。
【図5】図1に示した図1のエアージェッティング装置におけるエアーリフト部の部分拡大図である。
【図6】(a)は、従来のジェッティング工法を用いたスクリーン洗浄の様子を、(b)は従来のエアリフト工法の様子を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施例を示した図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、高圧水と圧縮空気を用いて井戸のスクリーンを洗浄するためのエアージェッティング装置及び当該装置を用いたエアージェッティング工法を提供するものである。本明細書における「エアージェッティング工法」とは、井戸洗浄において水ジェットすなわち高圧水噴射を行う従来のジェッティング工法において、井戸水の抵抗を低減するためのエアー供給を併用した工法を意味する。「エアージェッティング装置」とは、エアージェッティング工法を行うための装置を意味する。
【0029】
図1は、本発明によるエアージェッティング装置(以下、単に「装置」と称する)10による洗浄作業の状況を示す概略的な縦断面図である。装置10の上部は地上まで延びているが、図1では主要部である下部のみを示している。井戸のこの部分は、井戸水Wで充たされている。井戸は、地層90の削孔内に砂利充填部82を介して設置された円筒状の鋼製のケーシング80を備えている。ケーシング80の管壁のうち、地下水層に相当する部分は、孔やスリット等を設けたスクリーン81となっている。スクリーン81を通して地下水が井戸内に入り込み、井戸水Wとして溜まる。
【0030】
長期間揚水を続けると、スクリーン81が種々の付着物Gにより目詰まりを生じる。スクリーン81の洗浄作業は、装置10を井戸内の所定の深さまで降下させ、同じ高さに保持したまま、又は、昇降させつつ行う。
【0031】
装置10は、高圧水(図中の黒矢印)を供給するために装置10の中心軸C上に配置された高圧水送管6を有する。高圧水は、地上の高圧水ポンプに接続された高圧水ホース61を介して高圧水送管6に供給される。高圧水ホース61と高圧水送管6の間は、適宜の中継管により接続される。
【0032】
高圧水送管6は、高圧水ノズル取付部3の上面に接続され、高圧水ノズル取付部3の内部に形成された内部空間と連通しており、この内部空間に高圧水を供給する。
【0033】
高圧水をスクリーン81に対して噴射するために高圧水ノズル部2が設けられている。高圧水ノズル部2の各高圧水ノズルは、高圧水ノズル取付部え3の側面に取り付けられている。各高圧水ノズルは、高圧水ノズル取付部3の内部空間と連通しており、この内部空間から高圧水を供給される。高圧水ノズルの噴射口からスクリーン81に対して高圧水WJが噴射される。
【0034】
圧縮空気(図中の白矢印)を供給するためのエアー送管5は、中心軸C上に配置されており、高圧水送管6内を貫通し、さらに高圧水ノズル取付部3の内部空間内を貫通し、装置10の下端まで延在する。圧縮空気は、地上のコンプレッサに接続された圧縮空気ホース51を介してエアー送管5に供給される。圧縮空気ホース51とエアー送管5の間は、適宜の中継管により接続される。
【0035】
装置10の最下部に、エアー送管5を通して供給された圧縮空気を放出するエアー放出部1が設けられる。エアー放出部1は、複数のエアーノズルを有し、中心軸Cの周りに均等に配置される。図示の例では、2つのエアーノズルが中心軸Cについて対向する位置に設けられている。エアー放出部1から放出された圧縮空気は、気泡Aとなって井戸水の中を上昇する。
【0036】
装置10を井戸の中心に位置させるために、中心軸Cを中心として所定の径をもつガイド枠4が取り付けられている。ガイド枠4の径は、最も外側の円形枠により規定される。最大の円形枠以外の部分は、任意の形状でよく、複数の線状部材により構成されている。中心軸C方向における取付け位置も、図示の例に限定されず、洗浄作業に支障のない位置であればよい。
【0037】
さらに、高圧水ノズル部2よりも上方にエアーリフト部7が設けられている。エアーリフト部7は、スクリーン81から除去された付着物Gを地上に排出するためのものであり、後に詳述する。
【0038】
図2は、図1の装置10におけるエアー放出部1、高圧水ノズル部2、高圧水ノズル取付部3、ガイド枠4、エアー送管5及び高圧水送管6を含む部分拡大図である。図2を参照して、装置10の主要部をさらに詳細に説明する。
【0039】
高圧水ノズル取付部3は、固定軸部31と、第1円筒部32と、第2円筒部33と、第2円筒部33に設けられた羽根34と、固定軸部31に設けられた回転用ノズル35とを、主要な要素として備えている。
【0040】
固定軸部31は、中心軸C上に配置され、軸方向中央の管状部分31aと、管状部分31aよりも大径の上端部分31b及び下端部分31cとを具備し、これらの内部は空洞となっており、内部空間31dを形成している。高圧水送管6は、上端部分31bの上面に接続され、内部空間31dと連通している。内部空間31d内には高圧水(図中の黒矢印)が供給される。高圧水送管6及び内部空間31dの内部の中心軸C上を、エアー送管5が貫通している。高圧水送管6とエアー送管5は二重管を形成している。圧縮空気(図中の白矢印)を供給するエアー送管5は、下端部分31cを突き抜けてさらに下方に延びている。下端部分31cの底部すなわち内部空間31dの底部は、固定具37により閉鎖される。同時に、固定具37は、エアー送管5と固定軸部31とを互いに固定する。
【0041】
第1円筒部32は、固定軸部31の管状部分31aを囲繞して配置された所定の厚さの筒壁をもつ円筒体である。第1円筒部32は、中心軸Cの周りで固定軸部31に対し回転自在である。第1円筒部32を回転自在とするために、例えば、管状部分31aと第1円筒部32の間にベアリング36が設けられているが、ベアリング以外の機構でもよい。
【0042】
第1円筒部32の内周面の中央近傍には、環状の切欠部分32aが形成されている。この切欠部分32aは、固定軸部31の管状部分31aに穿設された孔31eを介して内部空間31dと連通している。高圧水ノズル部2の高圧水ノズル21、22の各々の基端部は、第1円筒部32の側面すなわち外周面に取付けられ、第1円筒部32の筒壁を径方向に貫通し、内周面側の切欠部分32aまで延びている。これにより、高圧水ノズル21、22は、内部空間31dと連通し、高圧水を供給される。
【0043】
高圧水ノズル21、22は、第1円筒部32の筒壁により基端部が支持され、水平方向に取り付けられている。高圧水ノズル21、22の長さLは、高圧水ノズルの噴射口とスクリーン81との間の距離d1が所定の値以下となるように設定される。すなわち、様々な径の井戸に装置10を適用する場合、高圧水ノズル21、22を適切な長さLのものに交換する。これは、スクリーン81に適用される高圧水による衝撃力が所定の強さとなることを確保するためである。装置10に供給する高圧水は、通常、水量70〜100リットル/分、吐出圧10〜13MPa程度である。この程度の高圧水は、空気中であれば数十cm離れた対象物に対しても噴射時の圧力をほぼ維持したまま適用できるが、水中では数cm離れただけで圧力がほとんど失われてしまう。従って、できるだけ高圧水ノズル21、22の噴射口を対象物に近づけることが重要である。例えば、距離d1は、常に1cm程度となるようにする。なお、ガイド枠4とスクリーン81との間の距離d2は、距離d1よりも短くする。
【0044】
高圧水の圧力の維持は、装置10の最下部から圧縮空気を放出することによっても実現される。エアー送管5の下端には、分岐管11が取り付けられ、分岐管11に2本のエアーノズル12が接続されている。2本のエアーノズル12から周囲に均一に放出された圧縮空気は、気泡Aとなって上昇する。これにより、高圧水ノズル21、22の近傍の井戸水に、多数の気泡Aが混在することにより、この領域の井戸水の比重が軽くなる。すなわち、井戸水による抵抗が低減され、空気中で高圧水を噴射する状態に近くなる。これにより、高圧水の噴射後の圧力の損失が低減され、高圧水の圧力を有効に利用することが可能となる。
【0045】
第2円筒部33は、第1円筒部32の外周面上に固定された円筒体である。第2円筒部33の筒壁の厚さは、第1円筒部32のそれに比べて薄い。第2円筒部33の一端(図示の例では下端)が第1円筒部32の外周面の一端(図示の例では上端)の近傍に固定されている。第2円筒部33の筒壁は、第1円筒部32の一端を超えて中心軸Cの方向に延在している。さらに、円筒部分の内壁から複数の羽根34が突出している。
【0046】
一方、固定軸部31の上端部分31bの上面からは、複数の回転用ノズル35が中心軸C方向に突出している。これらの回転用ノズル35は、第2円筒部33の筒壁により囲まれている。よって、複数の回転用ノズル35の噴射口は、第2円筒部33に設けられた複数の羽根34と、中心軸C方向においてほぼ同じ位置にある。
【0047】
図3(a)は、図2のX断面を概略的に示す図であり、装置10の回転機構を示している。高圧水ノズル取付部の固定軸部(図2の符号31)の上端部分31bの上面中心(中心軸C)の周りに3個の回転用ノズル35が120°毎に均等に配置されている。回転用ノズル35の噴射方向は、中心軸Cに垂直な面内であって、径方向外方に対して、第2円筒部33の回転方向(矢印で示す)側に所定の角度αで傾斜している。一方、第2円筒部33の内壁から突出する8枚の羽根34は、中心軸Cの周りに45°毎に均等に配置されている。羽根34の面は、径方向内方に対して、第2円筒部33の回転方向の反対側に所定の角度βで傾斜している。角度α、βはいずれも鋭角である。
【0048】
回転用ノズル35から高圧水(図中の黒矢印)が噴射されると、噴射された高圧水が、第2円筒部33の筒壁内面と、傾斜した羽根34に衝突する。これにより、第2円筒部33が回転する。特に、高圧水が、羽根34と第2円筒部33の筒壁内面が鋭角をなす部分に当たることにより、第2円筒部33が効率的に回転方向に押される。第2円筒部33が回転することにより、第2円筒部33と固定された第1円筒部(図2の符号32)、及び、第1円筒部に取り付けられた高圧水ノズル(図2の符号21、22)が一体的に、固定軸部(図2の符号31)に対して回転することとなる。
【0049】
図3(b)は、回転機構の別の実施例である。図3(a)と異なる点は、第2円筒部33の内壁から突出する8枚の羽根34’が径方向内方を向いていることである。図3(a)に比べて回転力は小さくなるので、低速回転に向いている。
【0050】
なお、図3(a)(b)に示した回転機構における羽根34及び回転用ノズル35の数は、図示した実施例に限定されず、必要な回転力すなわち回転速度に応じて設定される。また、回転用ノズル35の噴射口の口径、羽根34の大きさ及び角度によっても回転力を調整可能である。このように、本発明の装置10では、スクリーン洗浄用の高圧水ノズルからの高圧水を利用しない、独立した回転機構を備えている。回転速度は、例えば、30rpmである。
【0051】
図4(a)は、図2のY断面を概略的に示す図である。二対の、合計4本の高圧水ノズルが取り付けられている。一対の高圧水ノズルは、互いに平行であってノズル径が異なる2本の高圧水ノズル21、22からなる。第1の対は、高圧水ノズル取付部の第1円筒部32の一方の側面に取り付けられ、第2の対は、中心軸Cを挟んで反対側に位置する他方の側面にそれぞれ取り付けられている。この場合、各高圧水ノズルは、径方向に沿っておらず、中心軸Cから偏心して配置されている。ノズル径22aの大きい高圧水ノズル22は、ノズル径21aの小さい高圧水ノズル21よりも同圧下で多量に噴射できるので、隣り合う2つのノズル21、22の水量の差が回転力となる。よって、この実施例では、高圧水ノズル自体も回転力を備えている。但し、高圧水ノズル自体の回転力は、洗浄のための高圧水の圧力及び水量と独立して自在に調整することは難しい。従って、回転力の調整は、主として図3に示した回転機構により行うことが好ましい。
【0052】
図4(b)は、高圧水ノズルの別の実施例を示す。同じノズル径21aをもつ2本の高圧水ノズル21が、中心軸Cを挟んで対向する位置(1つの直径の両端の位置)に取り付けられている。この場合、高圧水ノズル21は、径方向に噴射するので回転力を生じない。よって、高圧水ノズル21の回転は、図3に示した回転機構のみにより行われる。
【0053】
図5は、図1に示した図1の装置10におけるエアーリフト部7の部分拡大図である。エアーリフト部7は、リフト管71と、リフト用エアー送管72とを具備する。
【0054】
中心軸C上に配置されたリフト管71は、地上まで延在して上端が地上に開口し(図示せず)、下端は閉鎖された底面71bとなっている。さらに、リフト管71の下端近傍の側面には吸込み口71aが開口している。
【0055】
リフト用エアー送管72は、吸込み口71aより上方側において、リフト管71の側面の分岐口72aから分岐して上方に延在する。リフト用エアー送管72は、地上のコンプレッサに接続され、圧縮空気を送り込まれる。リフト用エアー送管72用のコンプレッサは、上述したエアー送管5用のコンプレッサとは目的が異なるので、基本的には別のものであるが、共用できる場合は1つのコンプレッサでもよい。
【0056】
装置10が井戸内に降下され、スクリーン洗浄を開始する前には、リフト管71及びリフト用エアー送管72内は井戸水で充たされている。スクリーン洗浄中は、リフト用エアー送管72を通してリフト管71内に圧縮空気を送り込む。リフト管71内に送り込まれた圧縮空気は、リフト管71内の水とともに上昇する。これにより、吸込み口71aから井戸水が吸い込まれ、リフト管71を通して揚水される。このとき、井戸水とともに、スクリーンから除去された付着物Gも吸い込まれ、井戸水とともに上昇する。付着物Gが混在することにより、地上の揚水された水の色が変化するので、水の色に基づいて地上において洗浄状況を確認することができる。
【0057】
上述したエアージェッティング装置10を用いた本発明によるエアージェッティング工法の一実施例を、図1〜図5中の符号を参照しつつ説明する。
先ず、所望する高圧水圧力及び水量に応じて高圧水ノズル21、22の長さ及びノズル径を選択して取り付けるとともに、所望する回転速度に応じて回転用ノズル35のノズル径を選択して取り付ける。
次に、高圧水送管6と地上に設置した高圧水ポンプとを高圧水ホースを介して接続するとともに、エアー送管5と地上に設置した第1のコンプレッサとを第1のエアーホースを介して接続する。さらに、リフト用エアー送管72と地上に設置した第2のコンプレッサとを第2のエアーホースを介して接続する。
続いて、装置10を井戸内の所定の深さまで降下させ、同じ高さに保持したまま又は昇降させつつスクリーン(81)を洗浄する。洗浄工程においては、高圧水送管6を通して高圧水ノズル21、22及び回転用ノズル35に高圧水を供給するとともに、エアー送管5を通してエアーノズル12に圧縮空気を供給する。同時に、リフト用エアー送管72を通してリフト管71に圧縮空気を供給する。
【0058】
洗浄工程において、高圧水ノズル21、22から噴射される高圧水がスクリーンから付着物Gを除去する。また、エアーノズル12から放出される圧縮空気は、高圧水ノズル21、22の周囲の井戸水中に気泡として混在することにより、井戸水の抵抗を低減する。さらに、回転用ノズル35から噴射される高圧水が第2円筒部33の羽根34に当たることにより、高圧水ノズル21、22を回転させる。
【0059】
リフト用エアー送管72からリフト管71に供給された圧縮空気により、吸込み口71aから、除去された付着物Gを井戸水とともにリフト管71内に吸い込み揚水し、地上にて、揚水された水の色により洗浄状況を確認する。
【符号の説明】
【0060】
10 エアージェッティング装置
1 エアー放出部
11 分岐管
12 エアーノズル
2 高圧水ノズル部
21、22 高圧水ノズル
21a、22a 噴射口
3 高圧水ノズル取付部
31 固定軸部
31a 管状部分
31b 上端部分
31c 下端部分
31d 切欠部分
31d 内部空間
32 第1円筒部
33 第2円筒部
34 羽根
35 回転用ノズル
36 ベアリング
37 固定具
4 ガイド枠
5 エアー送管
51 エアーホース
6 高圧水送管
61 高圧水ホース
7 エアーリフト部
71 リフト管
72 リフト用エアー送管
72a 吸込み口
72b リフト管下壁
80 ケーシング
81 スクリーン
82 砂利充填部
90 地層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧水と圧縮空気を用いて井戸のスクリーン(81)を洗浄するためのエアージェッティング装置(10)であって、
高圧水を供給するために前記装置(10)の中心軸(C)上に配置された高圧水送管(6)と、
前記高圧水送管(6)が上面に接続されかつ前記高圧水送管(6)と連通する内部空間(31d)を具備する高圧水ノズル取付部(3)と、
高圧水をスクリーン(81)に対して噴射するために前記高圧水ノズル取付部(3)の側面に取り付けられかつ前記高圧水ノズル取付部(3)の前記内部空間(31d)と連通する複数の高圧水ノズルと、
圧縮空気を供給するために中心軸(C)上に配置され、前記高圧水送管(6)内及び前記高圧水ノズル取付部(3)の前記内部空間(31d)内を貫通しかつ前記装置(10)の下端まで延在するエアー送管(5)と、
前記エアー送管(5)を通して供給された圧縮空気を放出するために前記エアー送管(5)の下端に接続されかつ中心軸(C)の周りに均等に配置された複数のエアーノズル(12)と、を備えたことを特徴とする
エアージェッティング装置。
【請求項2】
前記高圧水ノズル取付部(3)は、
前記内部空間(31d)を形成されかつ前記内部空間(31d)内を貫通する前記エアー送管(5)と互いに固定された固定軸部(31)と、
前記固定軸部(31)を囲繞して配置された円筒体であって中心軸(C)の周りで前記固定軸部(31)に対し回転自在でありかつ前記高圧水ノズルの基端部を貫通させて前記固定軸部(31)の内部空間(31d)と連通させる第1円筒部(32)と、
前記第1円筒部(32)の外周面上に固定された円筒体であって前記第1円筒部(32)の一端を超えて中心軸(C)方向に延在する第2円筒部(33)と、
前記第2円筒部(33)の内壁から突出する複数の羽根(34)と、
前記固定軸部(31)の内部空間(31d)と連通し前記固定軸部(31)から中心軸(C)方向に突出して中心軸(C)の周りに配置されかつ中心軸(C)に垂直な面内で噴射可能な複数の回転用ノズル(35)と、を備え、
前記羽根(34)と前記回転用ノズル(35)は、中心軸(C)方向においてほぼ同じ位置にあり、前記回転用ノズル(35)から高圧水が噴射されることにより、前記第2円筒部(33)、前記第1円筒部(32)及び前記高圧水ノズルが一体的に、前記固定軸部(31)に対して回転することを特徴とする
請求項1に記載のエアージェッティング装置。
【請求項3】
前記回転用ノズル(35)の噴射方向及び前記第2円筒部(33)の前記羽根(34)の面が、前記第2円筒部(33)の径方向に対してそれぞれ所定の角度(α、β)だけ傾斜して配置されていることを特徴とする請求項2に記載のエアージェッティング装置。
【請求項4】
前記回転用ノズル(35)の噴射方向が前記第2円筒部(33)の径方向に対して所定の角度(α)だけ傾斜して配置される一方、前記第2円筒部(33)の前記羽根(34')の面が前記第2円筒部(33)の径方向に配置されることを特徴とする請求項2に記載のエアージェッティング装置。
【請求項5】
前記高圧水ノズル取付部(3)の一方の側面と、前記中心軸(C)を挟んで反対側に位置する他方の側面とに、前記高圧水ノズル(21,22)をそれぞれ一対ずつ取り付け、一対の前記高圧水ノズル(21,22)は互いに平行であってノズル径が異なることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のエアージェッティング装置。
【請求項6】
前記高圧水ノズル取付部(3)の1つの直径の両端位置の側面に、同じノズル径の前記高圧水ノズル(21)をそれぞれ1本ずつ取り付けたことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のエアージェッティング装置。
【請求項7】
前記高圧水ノズルよりも上方に配置されたエアーリフト部(7)をさらに備え、
前記エアーリフト部(7)は、上端が開口し、下端が閉鎖されかつ側面に吸込み口(71a)を開口したリフト管(71)と、前記吸込み口(71a)より上方側にて前記リフト管(71)から分岐したリフト用エアー送管(72)とを具備し、
前記リフト用エアー送管(72)により前記リフト管(71)内に圧縮空気を送り込むことにより、前記吸込み口(71a)から井戸内の水を吸い込み、前記リフト管(71)を通して揚水可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエアージェッティング装置。
【請求項8】
前記装置(10)を井戸の中心に位置させるために、前記中心軸(C)を中心として所定の径をもつガイド枠(4)を取り付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のエアージェッティング装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のエアージェッティング装置を用いて井戸のスクリーンの洗浄を行うエアージェッティング工法において、
前記装置(10)を井戸内の所定の深さまで降下させ、同じ高さに保持したまま又は昇降させつつスクリーン(81)を洗浄する工程を有し、
前記工程において、
前記エアー送管(5)を通して複数の前記エアーノズル(12)に圧縮空気を供給し、中心軸(C)の周囲に均一に圧縮空気を放出させ、
前記高圧水送管(6)を通して前記高圧水ノズル(21,22)に高圧水を供給し、スクリーン(81)に対して噴射させて付着物(G)を除去する一方、前記回転用ノズル(35)から高圧水を噴射させて前記第2円筒部(33)の前記羽根(34)に当てることにより、前記高圧水ノズル(21,22)を回転させることを特徴とする
エアージェッティング工法。
【請求項10】
前記リフト用エアー送管(72)を通して圧縮空気を前記リフト管(71)に供給し、前記吸込み口(71a)から、除去された付着物(G)を井戸水とともに吸い込み揚水し、地上にて、揚水された水の色により洗浄状況を確認することを特徴とする請求項9に記載のエアージェッティング工法。
【請求項11】
スクリーン(81)に適用される高圧水の圧力が所定の強さとなるように、前記高圧水ノズル(21,22)の噴射口とスクリーン(81)との間の距離(d1)を所定の距離以下とするべく、井戸の径に応じて長さ(L)の異なる高圧水ノズル(21,22)に交換することを特徴とする請求項9又は10に記載のエアージェッティング工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−22578(P2013−22578A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162950(P2011−162950)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(509044095)アーストラストエンジニアリング株式会社 (4)
【Fターム(参考)】