説明

エア吹き付け装置

【課題】複数のエアノズルの位置調整を、簡単な操作で精度良く確実に行うことができるようにする。
【解決手段】エア吹き付け装置100は、複数のエアノズル103を有し、エアノズル103の先端が同心円上に配置される。そしてエアノズル103の先端と同心円の中心との半径方向の距離を一括して変更するエアノズル位置変更機構を有する。エアノズル位置変更機構は、回動プレート107が外力により回動することにより、エアノズル103を固定する複数のノズル固定ブロック102が同心円の半径方向に移動し、エアノズル103の先端と同心円の中心との半径方向の距離を一括して変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のエアノズルによって、長尺の成形体などに付着した水滴を吹き飛ばすために用いられるエア吹き付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の材料により長尺の成形体を連続して成形する装置において、長尺の成形体に対してエアを吹き付けるエア吹き付け装置を必要とするものがある。例えば、光ケーブルのような長尺の成形体を成形する場合に、光ファイバ心線を集合させた集合コア等に対して、シースとなる樹脂材料を被覆成形する工程が実施される。この被覆成形の工程では、押出機により溶融・混連したシース用の樹脂材料をダイス内でケーブルコアの周囲に被覆し、水槽を通して冷却することで樹脂材料を固化してシースを成形する。
【0003】
上記のようなシースの被覆成形工程において、インクジェット方式の印字装置によって、シースの表面に品番などの印字を行う場合、シース表面に付着した水滴によって印字が乱れたり、水滴の表面で跳ね返ったインクがインクジェットヘッドのインク噴出部に堆積して印字不良を誘発したりする、という問題がある。このような問題を回避するため、印字装置の前側に、水冷によってシースに付着した水滴を除去するためのエア吹き付け装置が設けられる。
【0004】
成形体の周囲にエアを吹き付ける装置に関し、例えば特許文献1には、光ファイバ心線を覆った抗張力体の外周を押出成形により被覆する光ファイバコードの製造装置において、被覆直後の光ファイバコードにエアノズルを用いてエアを吹き付ける構成が開示されている。このエアノズルは、押出成形を行うダイスの出口に発生した目ヤニを除去するためのもので、エアの吹き付け角度を適宜変更可能に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−215411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなエア吹き付け装置は、光ケーブルのような長尺の成形体の周囲の一定の位置から、その成形体に対してエアを吹き付けるようになっているが、エアを噴出するエアノズルの先端と、成形体の外周面との距離を一定に保つ必要がある。
ここで同じラインで異なる径や形状の成形体を製造する場合に、エア吹き付け装置のエアノズルの位置もその都度修正して調整しなければならず、その調整作業が面倒で煩雑である。
【0007】
例えば、図8(A)に示すように、成形体である光ケーブル1の周囲の4方向からエアノズル2を用いてエアを吹き付ける構成の場合、光ケーブル1のサイズ(径)に合わせて、個々のエアノズル2の位置を各矢印A〜Dの方向にそれぞれ調整して、エアノズル2の先端から光ケーブル1の外周面までの距離を一定に揃える必要がある。
【0008】
また、光ケーブルなどでは断面が円形のものだけでなく、図8(B)に示すように、自己支持型の光ケーブル1´で、所謂ダルマ型などと呼ばれる異型断面を有するものもある。この場合には、異型断面の外周形状に応じてエアノズル2の位置を最適に調整しなければならない。特にこのようなダルマ型の光ケーブル1´の場合、中央の括れた部分(首部)1aの周辺は水切れが悪いため、エアノズル2の位置決めの精度が重要となる。この場合、各エアノズル2の位置を光ケーブル1´の外径形状に合わせて個別に調整する必要が生じるため作業が煩雑になり、さらに作業者による調整のばらつきも生じやすく、エア吹き付けによる水切りを安定して行うことができない、という問題が生じる。
【0009】
このように、例えば光ケーブルなどの長尺の成形体の周囲に複数のエアノズルを配置してエアを吹き付ける装置においては、成形体の径や断面形状に応じて個々のエアノズルを位置調整しなければならず、その調整作業が繁雑で面倒であるとともに、精度良く位置調整を行うことが困難となっている、という課題があった。
特許文献1のエアノズルにおいても、エアノズルの角度を調整することができるものの、連続成形体の径や断面形状が変わった場合には、個々にエアノズルの位置や角度を調整する必要があり、上記と同様の問題が生じる。
【0010】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、長尺の成形体等にエアを吹き付ける複数のエアノズルの位置調整を、簡単な操作で精度良く確実に行うことができるようにしたエア吹き付け装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるエア吹き付け装置は、複数のエアノズルを有し、これらのエアノズルの先端が同心円上に配置されるエア吹き付け装置であって、各エアノズルの先端と、上記の同心円の中心との半径方向の距離を一括して変更するエアノズル位置変更機構を備えることを特徴とする。
【0012】
上記エアノズル位置変更機構は、複数のエアノズルをそれぞれ取り付ける複数のノズル固定ブロックと、同心円の半径方向に伸びる複数の長穴を有する固定プレートと、同心円の中心との距離が同心円の周方向に変化する複数の長穴を有し、固定プレートに対して回動自在に取り付けられた回動プレートと、備えていることが好ましい。ノズル固定ブロックは、固定プレートに対して半径方向に移動可能に取り付けられ、ノズル固定ブロックに設けられた突起部が、固定プレートの長穴を貫通して、さらに回動プレートの長穴に係合する。そして、回動プレートが外力により回動して、全てのノズル固定ブロックの突起部が半径方向に移動することにより、エアノズルの先端と同心円の中心との半径方向の距離を一括して変更する。
【0013】
また、本発明のエア吹き付け装置は、エアノズル位置変更機構の動作をロックするロック機構を有するのが好ましい。また、それぞれのノズル固定ブロックは、同心円上に先端を配置したエアノズルの位置を、同心円上の位置から半径方向に微調整可能なスライド機構を備えているのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光ケーブルによれば、長尺の成形体等にエアを吹き付ける複数のエアノズルの位置調整を、簡単な操作で精度良く確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明によるエア吹き付け装置の一実施形態の構成を説明する図である。
【図2】本発明によるエア吹き付け装置の一実施形態の構成を説明する他の図である。
【図3】本発明によるエア吹き付け装置において、回動プレートの回動に応じたエアノズル103の位置の状態を説明するための図である。
【図4】本発明によるエア吹き付け装置において、回動プレートの回動に応じたエアノズルの位置の状態を説明するための図である。
【図5】本発明によるエア吹き付け装置において、回動プレートの回動に応じたエアノズルの位置の状態を説明するための図である。
【図6】本発明によるエア吹き付け装置のエアノズルの微調整機構を説明するための図である。
【図7】本発明のエア吹き付け装置を適用する連続成形体の製造ラインの一例を説明するための図で、
【図8】光ケーブルの周囲の4方向からエアノズルを用いてエアを吹き付ける構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図により本発明のエア吹き付け装置の実施形態を説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同じ機能を有する部分には同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1及び図2は、本発明によるエア吹き付け装置の一実施形態の構成を説明する図で、図1は、エア吹き付け装置を製造ラインの後方側(下流側)から見た斜視図(図1(A))、及び分解組立図(図1(B))であり、図2は、エア吹き付け装置を製造ラインの前側(上流側)から見た斜視図(図2(A)、及び分解組立図(図2(B))である。
【0017】
エア吹き付け装置100は、光ケーブルなどの長尺の成形体に対して、その周囲から連続的にエアを吹き付ける構成を有している。図1、図2において、長尺の成形体は軸oに沿って矢印MD方向に進行するものとする。
【0018】
複数のエアノズル(この例では4つ)103は、それぞれノズル固定ダイス104によりノズル固定ブロック102に固定される。各エアノズル103の先端(エアの噴出口)は同心円上に配置されている。エア吹き付け装置100は、エアノズル103を配置した同心円の中心位置に、軸oが一致するように配置される。また、各ノズル固定ブロック102には、突起部102aが設けられている。
【0019】
一方、円形の固定プレート105には、ノズル固定ブロック102の突起部102aが貫通する複数(この例では4つ)の長穴105aが設けられている。各長穴105aは上記同心円の半径方向に伸びている。つまり各長穴105aの長手方向が、同心円の半径方向に一致するよう設けられている。
【0020】
固定プレート105には、複数のスライド用ガイド101が固定され、このスライド用ガイド101に対してスライド可能に固定ブロック102を取り付ける。このとき、ノズル固定ブロック102の突起部102aは、固定プレート105の長穴105aを貫通する。この突起部102aにより固定ブロック102の動きが同心円の半径方向に規制される。
【0021】
各ノズル固定ブロック102は、上記のように固定プレート105の長穴105aの方向(半径方向)に沿ってスライド可能に取り付けられている。さらに各ノズル固定ブロック102には、エアノズル103の先端が同心円上に位置するように各エアノズル103が取り付けられているが、さらに、同心円上に配置されたエアノズル103の位置をさらに上記半径方向に微調整可能なスライド機構を有している。
【0022】
ノズル固定ブロック102を取り付けた固定プレート105には、回動プレート支持リング106が重ねられ、その回動プレート支持リング106の内周部分に、回動プレート107が回動可能に取り付けられる。そして、その上から回動プレート107の脱落を抑える抑えリング108が取り付けられる。これらの固定プレート105、回動プレート支持リング106、及び抑えリング108が重ねられた状態でビス等により固定される。
【0023】
回動プレート107には、曲線状の複数(この例では4つ)の長穴107aが設けられている。この長穴107aは、軸oに中心が一致する上記同心円の周方向に移動するに従って、同心円の中心との位置が変化するような形状の長穴である。この長穴107aには、固定プレート105の長穴105aを貫通したノズル固定ブロック102の突起部102aが係合する。つまり、ノズル固定ブロック102の突起部102aは、固定プレート105の半径方向に伸びる長穴105aを貫通し、さらに回動プレート107の曲線状の長穴107aとに係合している。
曲線状の複数の長穴107aは、回動プレート107の半径方向について同じ形状で同じ位置に形成されているため、長穴107aに係合する複数の突起部102aは、常に同心円上に位置することになる。
【0024】
このような構成により、軸oに沿って矢印MD方向に進行する光ケーブルなどの長尺の成形体に対して、複数のエアノズル103によってエアを吹き付けることができる。
そしてエアノズル103の位置決めは、回動プレート107によって調整することができる。回動プレート107を回動させると、その曲線状の長穴107aに係合しているノズル固定ブロック102の突起部102aが、同心円の半径方向に移動する。
なお、図1〜図2では、回動プレート107の位置をロックするためのロック用レバー、回動プレート107を回動させるためのプレート回動用取っ手等の図示を省略している。これらの機構はこの後説明する。
【0025】
図3〜図5は、本発明によるエア吹き付け装置において、回動プレート107の回動に応じたエアノズル103の位置の状態を説明するための図である。回動プレート107には、プレート回動用取っ手107bが設けられ、作業員等のユーザがこのプレート回動用取っ手107bを操作することで、回動プレート107を任意に回動させることができる。図3〜図5の各図において、図(A)はエア吹き付け装置の要部の上面図、図(B)はエア吹き付け装置の正面図、図(C)はエア吹き付け装置のエアノズルの位置を説明するための側面概略図である。
【0026】
図3に示す位置では、図3(B)に示すように、ノズル固定ブロック102の突起部102aは、同心円の半径方向の調整範囲内における最も外側に位置している。
また、複数の突起部102aは、同心円上に位置している。突起部102aに対するエアノズルの位置関係は微調整が可能になっているが、ここでは、全てのエアノズル103と突起部102aとの位置関係は一定であるものとし、従って、複数のエアノズル103の先端部は、同心円上に配置されている。上記の微調整の機構については後述する。
【0027】
図3(A)に示すように、回動プレート支持リング106の外周面には、回動プレート107の回動位置を確認するための位置決め確認用目盛り110が設けられている。そして回動プレート107には、目盛り指示部材111が固定されている。ユーザは、目盛り指示部材111が指示する位置決め確認用目盛り110を確認することで、回動プレート107の回動方向の位置を決定し、これによりエアノズル103の位置決めを行うことができる。例えば、エア吹き付けの対象となる成形体の径と、位置決め確認用目盛り110との関係を予め定めておく。これにより、製造する成形体の規格(径)に応じて位置決め確認用目盛り110を設定することで、常に一定のエアノズル103の位置からエアの吹き付けを行うことができるようになる。
【0028】
また、エア吹き付け装置100には、回動プレート107の位置をロックするためのロック用レバー109が設けられる。ここでは、回動プレート107には、ロック用レバーが109取り付けられる図示しないロッドを挿通するための長穴107cが設けられている。ロッドは固定プレート105に固定され、ロッドのネジ部に螺設されたロック用レバー109を回動させて締め付けることにより、ロック用レバー109と固定プレート105との間に挟まれた回動プレート107がロックされる。
【0029】
この状態では、図3(C)に示すように、エアノズル103は、成形体が進行する軸o(同心円の中心)から最も離れた位置に位置決めされる。この位置は、光ケーブルなどの成形体が円形断面でその径が比較的大きいものに適用される。
【0030】
図3の状態からユーザがプレート回動用取っ手107bを操作して、回動プレート107を図3(B)の時計回りに回動させると、エアノズル103の位置が軸oに近づく。図4に示す位置は、ノズル固定ブロック102の突起部102aが、同心円の半径方向の調整範囲内におけるほぼ中間位置に設定されている。この場合、図4(C)に示すように、エアノズル103は、図3の位置からさらに軸oに近づけられて、調整範囲のほぼ中間位置に位置決めされる。この位置は、光ケーブルなどの成形体が円形断面でその径が比較的中程度のものに適用される。
【0031】
ユーザがプレート回動用取っ手107bをさらに操作して、回動プレート107を図4(B)の時計回りに回動させると、エアノズル103の位置が軸oにさらに近づく。図5に示す位置は、ノズル固定ブロック102の突起部102aが、同心円の半径方向の調整範囲内における最も内側位置に設定されている。この場合、図5(C)に示すように、エアノズル103は、成形体が進行する軸oにさらに近づけられて、調整範囲で最も軸oに近い位置決めされる。この位置は、光ケーブルなどの成形体が円形断面でその径が比較的小さいものに適用される。
【0032】
図6は、エアノズルの微調整機構を説明するための図である。
エア吹き付け装置100のノズル固定ブロック102は、複数のエアノズル103の位置を、軸oを中心とする回動方向に微調整するスライド機構を有している。これにより、同心円上に配置したエアノズル103の先端を同心円の半径方向に微調整が可能となっている。この機構により、円形断面の成形体だけでなく、異型断面をもった成形体に対しても、所定距離からエアを吹き付けることができる。
【0033】
各々のノズル固定ブロック102は、突起部102aが取り付けられる台座部102bと、台座部102bに対してスライド可能に取り付けられるエアノズル取り付け部102cとからなっている。エアノズル取り付け部102cのスライド方向は、エアノズル103が配置される同心円の半径方向に設定される。これにより、任意のノズル固定ブロック102について、エアノズル取り付け部102cをスライドさせることにより、エアノズル103の位置を半径方向に微調整することができる。
【0034】
例えば、図6(A)に示す状態では、エアノズル103の先端が同心円上に配置されている。この場合、円形断面の光ケーブルなどの成形体に対して、均等な距離からエアを吹き付けることができる。
エアの吹き付けの対象となる成形体が円形断面のものではなく、例えば上記ダルマ型などの異型断面をもつものである場合、ユーザ操作によって個々のエアノズル103の位置をスライドさせて微調整を行う。例えば図6(B)の例では、上下2つのノズル固定ブロック102について、エアノズル103が取り付けられたエアノズル取り付け部102cを、台座部102bに対して半径方向外側にスライドさせている。これにより上下方向の径が大きい異型断面の成形体に対して、左右方向のエアノズルと同じ距離からエアを吹き付けることができるようになる。
【0035】
図7は、本発明のエア吹き付け装置を適用する連続成形体の製造ラインの一例を説明するための図で、図7(A)は、長尺の成形体の一例である光ケーブルの製造ラインの構成例を示す図で、図7(B)は、図7(A)の製造ラインで製造する光ケーブルの構成例を説明する図である。
【0036】
図7(B)に示す光ケーブル10は、例えば加入者用の自己支持型光ケーブルであって、所謂ダルマ型と呼ばれる異型断面形状を有する。この光ケーブル10は、鋼線やFRPなどの抗張力体11を中心に持つスペーサ12を備える。スペーサ12には、複数条の溝14が成形され、溝14の内部には、複数本の単心光ファイバ心線あるいは多心の光ファイバテープ心線13が収納される。このスペーサ12の外周に上巻テープ15を巻付けたものを集合コア17とする。そして集合コア17と鋼撚り線等の支持線18とを平行に配置し、これらの周囲にシース16を設ける。これにより、所謂ダルマ型の異型断面の光ケーブル10が得られる。
【0037】
図7(A)に示す製造ラインでは、巻き取られている集合コア17を集合コアサプライ22から巻き出すとともに、別途巻き取られている支持線18を支持線サプライ21から巻き出す。巻き出された集合コア17及び支持線18は、押出機23に取り付けられているクロスヘッドダイ24に導入され、押出機23で溶融・混練された樹脂材料がクロスヘッドダイ24内で被覆される。クロスヘッドダイ24では、図7(B)に示すような異型断面形状の光ケーブル10が成形される。
【0038】
クロスヘッドダイ24を出た光ケーブル10は、第1冷却水槽25に通されて冷却される。この後、インクジェット方式などによる印字装置26によって品番などの印字が行われるが、印字時に光ケーブル10に水滴が付着していると印字不良を生じるおそれがある。従って本発明に係るエア吹き付け装置100を印字装置26の手前(ラインの上流側)に配置し、第1冷却水槽25で光ケーブル10に付着した水滴を飛ばして水切りを行う。そして印字が行われた光ケーブル10は、第2冷却水槽27で十分に冷却され、外径・外観測定器28で仕上がり径や外観を検査した後、巻取機29で巻き取られる。
【0039】
上記の製造ラインでは、クロスヘッドダイ24を交換することで異なる形状の光ケーブル10を製造することができる。また、支持線18を用いずに、集合コア17の周囲にシースとなる樹脂を被覆成形することで、円形断面の光ケーブル10を製造することができる。このような、形状や径の変化に対応するために、エア吹き付け装置100では、上記のように回動プレート107の回動に連動させてエアノズル103の位置を簡単に設定し、さらに光ケーブル10の形状に応じて個々のエアノズル103の位置を微調整することができる。
【符号の説明】
【0040】
1…光ケーブル、2…エアノズル、10…光ケーブル、11…抗張力体、12…スペーサ、13…光ファイバテープ心線、14…溝、15…上巻テープ、16…シース、17…集合コア、18…支持線、21…支持線サプライ、22…集合コアサプライ、23…押出機、24…クロスヘッドダイ、25…冷却水槽、26…印字装置、27…冷却水槽、28…外径・外観測定器、29…巻取機、100…エア吹き付け装置、101…スライド用ガイド、102…ノズル固定ブロック、102a…突起部、102b…台座部、102c…エアノズル取り付け部、103…エアノズル、104…ノズル固定ダイス、105…固定プレート、105a…長穴、106…回動プレート支持リング、107…回動プレート、107a…長穴、107b…プレート回動用取っ手、107c…長穴、108…リング、109…ロック用レバー、111…目盛り指示部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエアノズルを有し、前記エアノズルの先端が同心円上に配置されるエア吹き付け装置であって、
各前記エアノズルの先端と、前記同心円の中心との半径方向の距離を一括して変更するエアノズル位置変更機構を備えることを特徴とするエア吹き付け装置。
【請求項2】
前記エアノズル位置変更機構は、
前記複数のエアノズルをそれぞれ取り付ける複数のノズル固定ブロックと、
前記同心円の半径方向に伸びる複数の長穴を有する固定プレートと、
前記同心円の中心との距離が前記同心円の周方向に変化する複数の長穴を有し、前記固定プレートに対して回動自在に取り付けられた回動プレートと、備え、
前記ノズル固定ブロックは、前記固定プレートに対して前記半径方向に移動可能に取り付けられ、前記ノズル固定ブロックに設けられた突起部が、前記固定プレートの長穴を貫通して、さらに前記回動プレートの長穴に係合し、
前記回動プレートが外力により回動して、全ての前記ノズル固定ブロックの前記突起部が前記半径方向に移動することにより、前記エアノズルの先端と前記同心円の中心との半径方向の距離を一括して変更することを特徴とする請求項1に記載のエア吹き付け装置。
【請求項3】
前記エアノズル位置変更機構の動作をロックするロック機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載のエア吹き付け装置。
【請求項4】
それぞれの前記ノズル固定ブロックは、前記同心円上に先端が配置されたエアノズルの位置を、前記同心円上の位置から前記半径方向に微調整可能なスライド機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のエア吹き付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−6316(P2013−6316A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139460(P2011−139460)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】