説明

エチニル誘導体

本発明は、式(I):[式中、Xは、N又はC−Rであり;Yは、N又はC−Rであり;Zは、CH又はNであり;Rは、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;Rは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;Rは、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される塩又は酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体に関する。今や驚くべきことに、一般式(I)の化合物は、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)のポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)であり、したがってこの受容体が関連する疾患の処置に有用であることが見出された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I):
【化1】


[式中、
Xは、N又はC−Rであり;
Yは、N又はC−Rであり;
Zは、CH又はNであり;
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される塩又は酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体に関する。
【0002】
今や驚くべきことに、一般式(I)の化合物は、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)のポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)であることが見出された。
【0003】
中枢神経系(CNS)において、刺激の伝達は、ニューロンより放出される神経伝達物質と神経性受容体との相互作用によって起こる。
【0004】
グルタミン酸は、脳の主要な興奮性神経伝達物質であり、様々な中枢神経系(CNS)機能において固有の役割を果たす。グルタミン酸依存性の刺激受容体は、二つの主要なグループに分類されている。第一の主要なグループ、すなわちイオンチャネル型受容体は、リガンド制御型イオンチャネルを形成する。代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)は、第二の主要なグループに属し、さらにGタンパク質共役型受容体のファミリーに属する。
【0005】
現在のところ、このようなmGluRの8種類の異なるメンバーが知られており、このうち幾つかは、サブタイプも有している。それらの配列相同性、シグナル伝達機構及びアゴニスト選択性によって、これらの8種類の受容体は、三つのサブグループに細分することができる:
【0006】
mGluR1及びmGluR5はグループIに属し、mGluR2及びmGluR3はグループIIに属し、そしてmGluR4、mGluR6、mGluR7及びmGluR8はグループIIIに属する。
【0007】
第一のグループに属する代謝型グルタミン酸受容体のリガンドは、急性及び/又は慢性の神経障害、例えば精神病、癲癇、統合失調症、アルツハイマー病、認知障害及び記憶欠損、結節硬化症ならびに慢性及び急性疼痛の治療又は予防に使用することができる。
【0008】
これと関連したその他の治療可能な適応症は、バイパス術又は移植に起因する脳機能の制限、脳への血液供給の不足、脊髄損傷、頭部損傷、妊娠に起因する低酸素症、心拍停止及び低血糖である。さらに別の治療可能な適応症は、虚血、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、眼損傷、網膜症、特発性パーキンソン症又は薬剤に起因するパーキンソン症、ならびに例えば筋痙攣、痙攣、偏頭痛、尿失禁、ニコチン中毒、アヘン中毒、不安症、嘔吐、ジスキネジア及びうつ病のようなグルタミン酸欠損機能をもたらす症状である。
【0009】
mGluR5が完全に又は部分的に介在する障害は、例えば、神経系の急性、外傷性及び慢性の変性過程、例えばアルツハイマー病、老人性認知症、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症及び多発性硬化症、精神医学的な疾患、例えば統合失調症及び不安症、うつ病、疼痛ならびに薬物依存である(Expert Opin. Ther. Patents (2002), 12(12), 1845-1852 doi:10.1517/13543776.12.12.1845)。
【0010】
選択的なモジュレーターを開発するための新しい手段は、高度に保存されたオルソステリック結合部位と異なる部位と結合することにより受容体を調節している、アロステリック機構で作用する化合物を同定することである。mGluR5のポジティブアロステリックモジュレーターが、この興味ある代替物を提供している新規な医薬物質として、最近現れた。ポジティブアロステリックモジュレーターは、例えばWO2008/151184、WO2006/048771、WO2006/129199及びWO2005/044797ならびにMolecular Pharmacology (1991), 40, 333 - 336; The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics (2005) 313(1), 199-206に記載されている。
【0011】
ポジティブアロステリックモジュレーターは、単独では受容体を直接活性化しないが、著しくアゴニスト刺激反応を強化し、作用強度及び有効性の最大値を増加する化合物である。これらの化合物の結合は、その細胞外N末端結合部位でグルタミン酸サイトアゴニストの親和性を増加させる。したがって、ポジティブアロステリックモジュレーションは、適切な生理的受容体活性化を強化するための興味ある機構である。mGluR5受容体に対する選択的なポジティブアロステリックモジュレーターが不足している。従来のmGluR5受容体モジュレーターは、通常、十分な水溶解度を欠いており、低い経口での生物学的利用能を示す。したがって、これらの欠陥を克服し、mGluR5受容体に対する選択的なポジティブアロステリックモジュレーターを効果的に提供する化合物の必要性が、継続して存在したままである。
【0012】
式(I)の化合物は、有益な治療上の特性を有することによって特徴づけられる。これらは、mGluR5受容体に対するポジティブアロステリックモジュレーターに関する障害の治療又は予防に使用することができる。
【0013】
ポジティブアロステリックモジュレーターである化合物に対する最も好適な適応症は、統合失調症及び認識である。
【0014】
本発明は、式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩、薬学的に活性な物質としてのこれらの化合物、それらの製造方法、ならびにmGluR5受容体に対するポジティブアロステリックモジュレーターに関連する障害、例えば統合失調症及び認識の治療又は予防における使用、ならびに式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0015】
本記載で使用される一般的用語の下記の定義は、当該用語が単独で現れるか又は組み合わされて現れるかにかかわらず、適用される。
【0016】
本明細書で使用する、用語「低級アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状の炭素鎖を含む、飽和、すなわち脂肪族炭化水素基を指す。「アルキル」の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びtert−ブチルである。
【0017】
用語「アルコキシ」は、R'が、上記と同義の低級アルキルである、基−O−R'を指す。
【0018】
用語「エチニル」は、基−C≡C−を指す。
【0019】
用語「低級ヒドロキシアルキル」は、少なくとも一つの水素原子がヒドロキシで置き換えられている、上記と同義の低級アルキル基を指す。
【0020】
用語「低級シクロアルキル」は、3〜7個の炭素環原子を含有する、飽和の炭素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを指す。
【0021】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、一つ以上の炭素原子が酸素又は窒素(好ましいヘテロ原子はOである)で置き換えられている、飽和の炭素環を指す。そのような環の例は、テトラヒドロピラン−2、3もしくは4−イル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルである。
【0022】
用語「0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基」は、以下の芳香族環:フェニル、2,3−もしくは4−ピリジニル又はピリミジニルを含む。
【0023】
用語「薬学的に許容される塩」又は「薬学的に許容される酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような無機及び有機酸との塩を包含する。
【0024】
本発明の実施態様は、Xが、C−Rであり、Yが、C−Rであり、Zが、Nである、式(I):
【化2】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示される化合物、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体である。
【0025】
以下の化合物が、式(IA)のそれらに関する:
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−メチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−メチル−6−ピリジン−4−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−メチル−6−p−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(4−クロロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−ピリジン−3−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−ピリジン−4−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−m−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−シクロブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−p−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(4−クロロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(6−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
5−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−ピリジン−2−イルアミン、
2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−ピリミジン−5−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3,4−ジフルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−フェニルエチニル−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
4−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン、
2−(6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−プロパン−2−オール、
2−tert−ブチル−6−(5−フルオロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、
3−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン、
2−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン、
2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン又は
2−イソプロピル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様は、Xが、C−Rであり、Yが、Nであり、Zが、CHである、式(IB):
【化3】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示される化合物、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体である。
【0027】
以下の化合物が、式(IB)に包含される:
6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン又は
2−メチル−2−(6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オール。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様は、Xが、C−Rであり、Y及びZが、Nである、式(I):
【化4】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示される化合物、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体である。
【0029】
以下の化合物が、式(IC)に包含される:
6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3,4−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−モルホリン−4−イル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−モルホリン−4−イル−6−m−トリルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(3−クロロ−フェニルエチニル)−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン又は
6−フェニルエチニル−2−ピロリジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施態様は、Xが、C−Rであり、Yが、C−Rであり、Zが、CHである、式(I):
【化5】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示される化合物、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体である。
【0031】
以下の化合物が、式(ID)に包含される:
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン又は
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン。
【0032】
本発明のさらに好ましい実施態様は、Xが、Nであり、Yが、C−Rであり、Zが、CHである、式(I):
【化6】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示される化合物、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体である。
【0033】
以下の化合物が、式(IE)に包含される:
6−フェニルエチニル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン。
【0034】
本発明の式(I)の化合物の調製は、連続型又は収斂型反応経路で実施することができる。本発明の化合物の合成は、以下のスキーム1〜6に示される。反応及び得られた生成物の精製を実施するために必要な技術は、当業者に公知である。以下の方法の記載で使用される置換基及び指数は、先に本明細書で与えられた意味を有する。
【0035】
式(I)の化合物は、下記で示される方法、実施例で示される方法又は同等の方法により調製することができる。個別の反応工程における適切な反応条件は、当業者に公知である。反応シークエンスは、スキームに示されているものに限られないが、出発物質及びそれら各々の反応性に依存して、反応工程のシークエンスは自由に変えることができる。出発材料は、市販されているか、あるいは下記に示されている方法と同様の方法、本明細書で引用されている参考文献もしくは実施例に記載されている方法、又は当該技術で公知の方法により調製できる。
【0036】
本発明の式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、当技術分野において公知の方法により、例えば、下記の変形方法により調製することができ、この方法は、下記:
a) 式2:
【化7】


で示される化合物を、式3:
【化8】


で示される適切なアリールアセチレンと反応させて、式(I):
【化9】


[式中、置換基は、先に記載されている]で示される化合物とするか、又は、
b) 式4:
【化10】


で示される化合物を、式5:
【化11】


で示される化合物と反応させて、式(I):
【化12】


[式中、置換基は、先に記載されており、halは、Cl、Br又はIより選択されるハロゲンである]で示される化合物とするか、又は
c) 式6:
【化13】


で示される化合物を、式3:
【化14】


で示される適切なアリールアセチレンと反応させて、式(I):
【化15】


[式中、置換基は、先に記載されている]で示される化合物とすること、及び、所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容される酸付加塩へと変換することを含む。
【0037】
式(I)の化合物の調製は、スキーム1〜10及び実施例1〜51にて、さらにより詳細に記載される。
【0038】
【化16】


式(IA)の6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンは、適切に置換された2−H−ピラゾール−3−イルアミン7及びブロモマロンアルデヒド8を、パラ−トルエンスルホン酸一水和物を用いて、n−ブタノールのような溶媒中で縮合して、対応する6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体9を得ることにより、得ることができる。6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体9と適切に置換されたアリール−アセチレン3との薗頭カップリングは、所望の式(IA)の6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを与える(スキーム1)。
【0039】
【化17】


あるいは、中間体9は、トリメチルシリルアセチレン10と薗頭カップリングで反応することができ、6−トリメチルシラニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体11を与える。フッ化テトラブチルアンモニウム(シリカゲル上1.5mmol)を用いての、ジクロロメタンのような溶媒中でのシリル基の脱保護は、対応するエチニル誘導体12を与える。12の、適切に置換されたアリールハロゲニドとの薗頭カップリングは、所望の式(IA)の6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを与える(スキーム2)。この反応シークエンスは、もう一つの方法として、トリメチルシラニル誘導体11と適切に置換されたアリールハロゲニドとの、薗頭カップリング条件下での、シリル脱保護をインシチューで実現するフッ化テトラブチルアンモニウムの同時添加を用いてのカップリングにより適用することができる。
【0040】
【化18】


式(IB)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンは、アリール−アセチレン3と2−アミノ−5−ヨードピリジン13とを薗頭カップリングして、対応する5−エチニル−ピリジン−2−イルアミン誘導体14を得ることによって、得ることができる。14と(1,1−ジメトキシ−アルキル)−ジメチル−アミン15との、トリフルオロ酢酸のような酸触媒及びエタノールのような溶媒中の存在下での反応は、対応するアミジン16を与え、これをi−PrOH:THF(5:1 v/v)のような溶媒中、ヒドロキシルアミン塩酸塩で処理して、所望のN−ヒドロキシアミジン17を得る。この化合物は、トリフルオロ酢酸無水物を用いて、THFのような溶媒中で環化して、所望の式(IB)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンを与える(スキーム3)。
【0041】
【化19】


式(IC)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンは、同様に、2−アミノ−5−ブロモピリミジン18と(1,1−ジメトキシ−アルキル)−ジメチル−アミン15を、トリフルオロ酢酸のような酸触媒及びエタノールのような溶媒の存在下で反応させて対応するアミジン19を得て、これをi−PrOH:THF(5:1 v/v)のような溶媒中、ヒドロキシルアミン塩酸塩で処理して、N−ヒドロキシアミジン20を得ることによって、得ることができる。この化合物は、THFのような溶媒中でトリフルオロ酢酸無水物を用いて環化して、所望の式(IC)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンを与える(スキーム4)。
【0042】
【化20】


式(ID)の6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、適切に置換された6−メトキシ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸エステル22の、臭化水素酸を用いての脱カルボキシル化で、対応するピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール誘導体23を得て、これをジクロロメタンのような溶媒中で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物24及びトリエチルアミンのような塩基を使用してトリフラート誘導体25へと変換することによって、得ることができる。25と式3とのアリール−アセチレンを用いての薗頭カップリングは、所望の式(ID)の6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを与える(スキーム5)。
【0043】
【化21】


式(IE)の6−エチニル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンは、適切に置換された5−ハロピリジンアルデヒド又はケトン26とヒドラジンとの、メタノールのような溶媒中でのカップリング、続いての二酸化マンガンのような酸化剤を用いる酸化により、対応する6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン誘導体27を得ることによって、得ることができる。27とアリール−アセチレン3との薗頭カップリングは、所望の式(IE)の6−エチニル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンを与える(スキーム6)。
【0044】
【化22】


式(IB)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンは、2−アミノ−5−ヨードピリジン13と適切に置換された酸クロリド28との、EtNのような塩基存在下で、ジクロロメタンのような溶媒中での反応で、対応するN−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−アミド29を得ることによって、得ることができる。29とローソン試薬との、トルエンのような溶媒中での反応は、対応するチオアミド30を与える。30を、ヒドロキシルアミン塩酸塩及びEtNのような塩基を用いて、EtOHのような溶媒中で反応させて、対応するヒドロキシアミジン31を得て、これをトルエンのような溶媒中、p−TsCl及びピリジンで処理して、所望の6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン32を得る。27と適切に置換されたアリール−アセチレン3との薗頭カップリングは、所望の式(IB)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンを与える(スキーム7)。
【0045】
【化23】


式(ID)の6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンは、3−ブロモピリジン33及びO−(2,4−ジニトロ−フェニル)−ヒドロキシルアミン34からの、アセトニトリルのような溶媒中での1−アミノ−3−ブロモ−ピリジニウム 2,4−ジニトロ−フェノラート35の形成によって、得ることができる。ピリジニウム誘導体35を、適切に置換されたプロピン酸メチルエステル36及びKCOのような塩基を用いて、DMFのような溶媒中で反応させて、対応する6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸エステル37を得て、臭化水素酸を用いてこれを脱カルボキシル化して、対応する6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン誘導体38を得る。38と適切に置換されたアリール−アセチレン3との薗頭カップリングは、所望の式(ID)の6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンを与える(スキーム8)。
【0046】
【化24】


式(IC)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンは、適切に置換された1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン39と2−ブロモマロンアルデヒド40との、AcOH中での縮合で、対応する6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン21を得ることによって、得ることができる。21と適切に置換されたアリール−アセチレン3との薗頭カップリングは、所望の式(IC)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンを与える(スキーム9)。
【0047】
【化25】


式(IC)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンはまた、適切に置換された1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン39と2−ブロモマロンアルデヒド40とのAcOH中での縮合で、対応する6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン21を得ることによって、得ることができる。21とトリメチルシリルアセチレン10との薗頭カップリングは、対応する6−トリメチルシラニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン41を与える。41及び適切に置換されたアリール−ハロゲニド5との、インシチューでの脱シリル化と同時の薗頭カップリングは、所望の式(IC)の6−エチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンを与える(スキーム10)。
【0048】
好ましくは、本明細書において記載されたとおりの式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩は、精神病、癲癇、統合失調症、アルツハイマー病、認識障害及び記憶欠損、慢性及び急性疼痛、バイパス術又は移植に起因する脳機能の制限、脳への血液供給の不足、脊髄損傷、頭部外傷、妊娠に起因する低酸素症、心拍停止及び低血糖、虚血、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、AIDSに起因する認知症、眼損傷、網膜症、特発性パーキンソン症又は医薬に起因するパーキンソン症、筋痙攣、痙攣、片頭痛、尿失禁、胃腸還流障害、薬物又は疾患が誘導する肝障害又は不全、脆弱X症候群、ダウン症候群、自閉症、ニコチン中毒、アヘン中毒、不安症、嘔吐、ジスキネジア、摂食障害(特に過食症又は拒食症)及びうつ病の治療又は予防に、特に急性及び/又は慢性神経障害、不安症の治療及び予防、慢性及び急性疼痛、尿失禁及び肥満の処置に使用される。
【0049】
好ましい適応症は、統合失調症及び認識障害である。
【0050】
本発明はさらに、医薬の製造のための、好ましくは上述した障害の治療及び予防のための、本願明細書に記載されている式(I)の化合物及び薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0051】
生物学的アッセイ及びデータ:
細胞内Ca2+動員アッセイ
ヒトmGlu5a受容体をエンコードするcDNAを用いて安定してトランスフェクトした、単クローン性HEK−293細胞系を生成した;mGlu5ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)を有する仕事について、低い受容体発現レベル及び低い構成的受容体活性を有する細胞系を、PAM活性に対するアゴニストの分化を可能にするように選択した。細胞は、1mMのグルタミン、10%(vol/vol)の熱不活化仔ウシ血清、ペニシリン/ストレプトマイシン、50μg/mlのハイグロマイシン及び15μg/mlのブラストサイジンが補充された高グルコースを有する、DulbeccoのModified Eagle Mediumの標準プロトコル(Freshney、2000)に従って培養した(全ての細胞培養試薬及び抗生物質は、Invitrogen、Basel、Switzerlandからである)。
【0052】
実験の約24時間前に、5×10細胞/ウェルを、ポリ−D−リジンで被覆した、黒/透明底の96ウェルプレートで播種した。細胞は、ローディングバッファー(1×HBSS、20mMのHEPES)中で2.5μMのFluo-4AMを用いて37℃で1時間ロードし、ローディングバッファーを用いて5回洗浄した。細胞を、Functional Drug Screening System 7000(Hamamatsu、Paris、France)に移し、37℃での、11個の半対数的に段階希釈した試験化合物を加え、そして細胞を、蛍光をオンラインで記録しながら10〜30分間インキュベートした。このプレインキュベーション工程の後、アゴニストのL−グルタミン酸を、蛍光をオンラインで記録しながらEC20に対応する濃度(通常は約80μM)で細胞に加えた;細胞の反応性における日々の変動を説明するために、グルタミン酸の全用量反応曲線を記録することによって、グルタミン酸のEC20を各実験の直前に決定した。
【0053】
反応は、基底(すなわちL−グルタミン酸を加えない蛍光)を差し引いた蛍光のピークの増加として測定し、L−グルタミン酸の飽和濃度と共に得られた最大刺激作用に標準化した。グラフは、XLfit(Levenburg Marquardtアルゴリズムを用いて反復的にデータをプロットするカーブフィッティングプログラム)を用いて%最大刺激と共にプロットした。使用する単一部位競合分析の方程式は、y=A+((B−A)/(1+((x/C)D)))[式中、yは%の最大刺激作用であり、Aは最小のyであり、Bは最大のyであり、CはEC50であり、xは競合している化合物の濃度のlog10であり、そしてDは曲線の傾き(Hill係数)である]である。これらの曲線から、EC50(最大刺激の半分が達成される濃度)、Hill係数及びL−グルタミン酸の飽和濃度と共に得られる最大刺激作用の%での最大反応を算出した。
【0054】
PAM試験化合物を用いたプレインキュベーション(すなわちL−グルタミン酸のEC20濃度の適用の前)の間に得られた陽性信号は、アゴニスト活性を示し、そのような信号の欠如は、アゴニスト活性の欠如を示していた。EC20濃度のL−グルタミン酸の添加の後観察される信号の低下は、試験化合物の抑制性活性を表す。
【0055】
下記の実施例の一覧は、化合物について対応する結果を示し、これら全ては500nM未満のEC50を有する。
【0056】
【表1】















【0057】
式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、薬剤として、例えば医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で、経口投与することができる。しかし、投与はまた、例えば、坐剤の形態で直腸内にも、又は例えば、注射液の形態で非経口的にも実施することができる。
【0058】
式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、医薬製剤の製造ため、薬学的に不活性な無機又は有機の担体と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩等が、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤のための適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類等である。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば水、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコース等である。アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等のような佐剤は、式(I)の化合物の水溶性塩の水性注射用液剤に使用することができるが、原則として必要ではない。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオール等である。
【0059】
加えて、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香料、浸透圧を変動させるための塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。それらは、その他の治療上有用な物質も更に含有することができる。
【0060】
前述のように、式(I)の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩と、治療上不活性な賦形剤とを含有している薬剤も、本発明の目的であり、一種以上の式(I)の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩と、所望により、一種以上のその他の治療上価値のある物質とを、一種以上の治療上不活性な担体と共にガレヌス製剤の投与形態にすることを含む、そのような薬剤の製造方法も、本発明の目的である。
【0061】
先に更に述べたように、上記列挙した疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬の調製のための式(I)の化合物の使用もまた、本発明の目的である。
【0062】
投与量は、広い限度内で変化させることができ、当然、個々の症例のそれぞれの個別の必要条件に適合するであろう。一般に、経口又は非経口投与のための有効用量は、0.01〜20mg/kg/日の間であり、前述の全ての適応症に対して0.1〜10mg/kg/日の用量が好ましい。したがって、体重70kgの成人ヒトに対する一日投与量は、0.7〜1400mg/日の間、好ましくは7〜700mg/日の間である。
【0063】
本発明の化合物を含む医薬組成物の調製:
以下の組成の錠剤を常法により製造した:
mg/一錠当たり
有効成分 100
粉末乳糖 95
白色トウモロコシデンプン 35
ポリビニルピロリドン 8
Naカルボキシメチルデンプン 10
ステアリン酸マグネシウム 2
錠剤重量 250
【実施例】
【0064】
実施例1
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化26】


ビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)ジクロリド(27mg、0.04mmol)をTHF 1mlに溶解した。6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(150mg、0.76mmol)及びフェニルアセチレン(130μl、1.21mmol)を室温で加えた。トリエチルアミン(310μl、2.3mmol)、トリフェニルホスフィン(6mg、0.023mmol)及びヨウ化銅(I)(4mg、0.023mmol)を加え、そして混合物を65℃で2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、そして飽和NaHCO溶液を用いて、そして少量のジクロロメタンを用いて2回抽出した。粗生成物を、ジクロロメタン層をシリカゲルカラムに直接乗せ、ヘプタン:酢酸エチル 100:0→50:50で溶離することにより、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物を、黄色の固体として得た(150mg、収率90%)。MS: m/e = 220.3 (M+H+)。
【0065】
実施例2
2−メチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化27】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 234.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0066】
実施例3
6−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化28】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 252.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン及び1−エチニル−2−フルオロ−ベンゼンから調製することができる。
【0067】
実施例4
6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化29】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 252.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン及び1−エチニル−3−フルオロ−ベンゼンから調製することができる。
【0068】
実施例5
6−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化30】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 252.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン及び1−エチニル−4−フルオロ−ベンゼンから調製することができる。
【0069】
実施例6
2−メチル−6−ピリジン−4−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化31】


標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 235.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン及び4−エチニルピリジンから調製することができる。
【0070】
実施例7
2−メチル−6−p−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化32】


標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 248.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン及び4−エチニルトルエンから調製することができる。
【0071】
実施例8
6−(4−クロロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化33】


標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 268.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン及び1−クロロ−4−エチニルベンゼンから調製することができる。
【0072】
実施例9
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化34】


工程1:6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化35】


3−tert−ブチル−1H−ピラゾール−5−アミン(9g、64.7mmol)を、BuOH(100ml)に溶解した。2−ブロモマロンアルデヒド(9.76g、64.7mmol)及びp−TsOH・HO(615mg、3.23mmol)を室温で加えた。混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、そして残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120gr、ヘプタン中0%〜40% EtOAc)により精製し、そして少量のジイソプロピルエーテルを用いて結晶化した。結晶をジイソプロピルエーテルを用いて洗浄し、そして50℃及び<20mbarで1時間乾燥させた。所望の化合物を、明黄色の固体として得た(9.5g、収率58%)。MS: m/e = 256.1/254.1 (M+H+)。
【0073】
工程2:2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 276.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0074】
実施例10
2−tert−ブチル−6−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化36】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 294.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−2−フルオロ−ベンゼンから調製することができる。
【0075】
実施例11
2−tert−ブチル−6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化37】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 294.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−3−フルオロ−ベンゼンから調製することができる。
【0076】
実施例12
2−tert−ブチル−6−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化38】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 294.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−4−フルオロ−ベンゼンから調製することができる。
【0077】
実施例13
2−tert−ブチル−6−ピリジン−3−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化39】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 277.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び3−エチニルピリジンから調製することができる。
【0078】
実施例14
2−tert−ブチル−6−ピリジン−4−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化40】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 277.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び4−エチニルピリジンから調製することができる。
【0079】
実施例15
2−tert−ブチル−6−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化41】


標記化合物(黄色の固体、MS: m/e = 306.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−4−メトキシベンゼンから調製することができる。
【0080】
実施例16
2−tert−ブチル−6−m−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化42】


標記化合物(黄色の固体、MS: m/e = 290.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−3−メチルベンゼンから調製することができる。
【0081】
実施例17
2−tert−ブチル−6−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化43】


標記化合物(黄色の固体、MS: m/e = 306.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−3−メトキシベンゼンから調製することができる。
【0082】
実施例18
2−シクロブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化44】


工程1:6−ブロモ−2−シクロブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化45】


標記化合物(黄色の固体、MS: m/e = 254.0/252.1 (M+H+))は、実施例9、工程1の一般的方法に従って、5−シクロブチル−1H−ピラゾール−3−イルアミン及び2−ブロモマロンアルデヒドから調製することができる。
【0083】
工程2:2−シクロブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 274.3 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−シクロブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例18、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0084】
実施例19
2−tert−ブチル−6−p−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化46】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 290.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−4−メチルベンゼンから調製することができる。
【0085】
実施例20
2−tert−ブチル−6−(4−クロロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化47】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 310.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び1−エチニル−4−クロロベンゼンから調製することができる。
【0086】
実施例21
2−tert−ブチル−6−(6−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化48】


工程1:2−tert−ブチル−6−トリメチルシラニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化49】


標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 272.3 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及びトリメチルシリルアセチレンから調製することができる。
【0087】
工程2:2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化50】


2−tert−ブチル−6−トリメチルシラニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程1)(2.4g、8.85mmol)を、ジクロロメタン(10ml)に溶解し、そしてシリカゲル上のテトラブチルアンモニウムフルオリド(7.1g、10.6mmol、1.5mmol/g)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、そして、混合物をシリカゲルカラム70g上に直接乗せ、そしてヘプタン:酢酸エチル 100:0→40:60で溶離することによる、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。所望の化合物を、明黄色の固体として得た(1.45g、収率83%)。MS: m/e = 200.2 (M+H+)。
【0088】
工程3:2−tert−ブチル−6−(6−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 311.3 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程2)及び2−クロロ−5−ヨードピリジンから調製することができる。
【0089】
実施例22
5−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−ピリジン−2−イルアミン
【化51】


標記化合物(オフホワイトの固体、MS: m/e = 292.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程2)及び5−ヨードピリジン−2−アミンから調製することができる。
【0090】
実施例23
2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化52】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 311.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程2)及び3−ブロモ−5−クロロピリジンから調製することができる。
【0091】
実施例24
2−tert−ブチル−6−ピリミジン−5−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化53】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 278.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程2)及び3−ブロモピリミジンから調製することができる。
【0092】
実施例25
2−tert−ブチル−6−(3,4−ジフルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化54】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 312.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程2)及び1,2−ジフルオロ−4−ヨードベンゼンから調製することができる。
【0093】
実施例26
6−フェニルエチニル−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化55】


工程1:5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン
【化56】


標記化合物は、特許出願WO2008001070(実施例114)に記載されている一般的方法に従って調製することができる。
【0094】
工程2:6−ブロモ−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化57】


標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 284.0 (M+H+))は、実施例9、工程1の一般的方法に従って、5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2H−ピラゾール−3−イルアミン(実施例26、工程1)及び2−ブロモマロンアルデヒドから調製することができる。
【0095】
工程3:6−フェニルエチニル−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
標記化合物(灰色の固体、MS: m/e = 304.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例26、工程2)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0096】
実施例27
4−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン
【化58】


標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 291.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び4−エチニルアニリンから調製することができる。
【0097】
実施例28
2−(6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−プロパン−2−オール
【化59】


工程1:6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化60】


標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 256.0/254.1 (M+H+))は、実施例9、工程1の一般的方法に従って、5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル及び2−ブロモマロンアルデヒドから調製することができる。
【0098】
工程2:6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル
【化61】


標記化合物(灰色の固体、MS: m/e = 278.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例28、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0099】
工程3:2−(6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−プロパン−2−オール
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例28、工程2)(60mg、0.22mmol)を、THF 5mlに溶解し、そして0〜5℃に冷却した。メチルマグネシウムクロリド溶液(150μl、0.45mmol、THF中3N )を、0〜5℃で滴下した。反応混合物を0〜5℃で30分間撹拌した。水を加え、そして混合物を酢酸エチルで2回抽出した。有機抽出物を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 100:0→70:30)によって精製し、そしてEtO中で懸濁させた。所望の化合物を、明褐色の固体として得た(7mg、収率12%)。MS: m/e = 278.1 (M+H+)。
【0100】
実施例29
2−tert−ブチル−6−(5−フルオロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化62】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 295.3 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程2)及び3−ブロモ−5−フルオロベンゼンから調製することができる。
【0101】
実施例30
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル
【化63】


標記化合物(黄色の固体、MS: m/e = 245.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−ピラゾロ(1,5−a)ピリミジン−3−カルボニトリル及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0102】
実施例31
6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【化64】


工程1:5−フェニルエチニル−ピリジン−2−イルアミン
【化65】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 195.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−アミノ−5−ヨードピリジン及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0103】
工程2:6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 220.3 (M+H+))は、特許出願WO2007059257(第109頁、工程A、B及びC)に記載されている一般的方法に従って、5−フェニルエチニル−ピリジン−2−イルアミン(実施例31、工程1)から出発して調製することができる。
【0104】
実施例32
6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化66】


工程1:6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化67】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 201.0/199.2 (M+H+))は、特許出願WO2007059257(第109頁、工程A、B及びC)に記載されている一般的方法に従って、2−アミノ−5−ブロモピリミジンから出発して調製することができる。
【0105】
工程2:6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 221.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例32、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0106】
実施例33
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン
【化68】


工程1:ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール
【化69】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 135.1 (M+H+))は、EP1972628に記載されている一般的方法に従って、調製することができる。
【0107】
工程2:トリフルオロ−メタンスルホン酸ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イルエステル
【化70】


ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−オール(実施例22、工程1)(200mg、1.49mmol)を、ジクロロメタン(10ml)に溶解し、そしてトリエチルアミン(200μl、1.49mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(250μl、1.49mmol)を0〜5℃で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、そして次に飽和NaHCO溶液を用いて、そして2回ジクロロメタンを用いて抽出した。有機層をブラインで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、そして蒸発乾固した。所望の化合物を、白色の固体として得た(400mg、定量的)。MS: m/e = 267.0 (M+H+)。
【0108】
工程3:6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン
標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 219.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、トリフルオロメタンスルホン酸ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イルエステル(実施例33、工程2)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0109】
実施例34
6−フェニルエチニル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【化71】


工程1:6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【化72】


標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 200.1/198.0 (M+H+))は、B. Abarca et al. / Tetrahedron 64 (2008) 3794-3801に記載されている一般的方法に従って、調製することができる。
【0110】
工程2:6−フェニルエチニル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 220.3 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(実施例34、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0111】
実施例35
3−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン
【化73】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 291.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び3−エチニルアニリンから調製することができる。
【0112】
実施例36
2−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン
【化74】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 291.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例9、工程1)及び2−エチニルアニリンから調製することができる。
【0113】
実施例37
2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化75】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 312.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−エチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例21、工程2)及び1,4−ジフルオロ−2−ヨードベンゼンから調製することができる。
【0114】
実施例38
2−イソプロピル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化76】


工程1:6−ブロモ−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化77】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 240.2/242.2 (M+H+))は、実施例1、工程1の一般的方法に従って、5−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イルアミンから調製することができる。
【0115】
工程2:2−イソプロピル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン
標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 245.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−イソプロピル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例38、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0116】
実施例39
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【化78】


工程1:N−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド
【化79】


5−ヨードピリジン−2−アミン(5g、22.7mmol)をジクロロメタン50mlに溶解し、そしてEtN(6.3ml、45.5mmol、2当量)を室温で加えた。混合物を0〜5℃に冷却し、そして塩化ピバロイル(3.4ml、27.3mmol、1.2当量)を滴下した。反応混合物を、0〜5℃で1時間撹拌した。飽和NaHCO溶液を加え、そして混合物をジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、濾過し、そして蒸発乾固した。所望のN−(5−ヨードピリジン−2−イル)ピバルアミド(7.34g、収率99.8%)を、褐色の油状物として得た。MS: m/e = 305.0 (M+H+)。
【0117】
工程2:N−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−チオプロピオンアミド
【化80】


N−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミド(実施例39、工程1)(5.8g、19.1mmol)をトルエン30mlに溶解し、そしてローソン試薬(7.7g、19.1mmol、1当量)を室温で加えた。反応混合物を110℃で48時間撹拌した。粗生成物を、冷却したトルエンの反応混合物をシリカゲルカラム300gに直接乗せ、ヘプタン:酢酸エチル 100:0→80:20で溶離することにより、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。所望のN−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−チオプロピオンアミドを、黄色の油状物として得た(5.1g、収率75%)。MS: m/e = 321.0 (M+H+)。
【0118】
工程3:N−ヒドロキシ−N'−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミジン
【化81】


N−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−チオプロピオンアミド(実施例39、工程2)(5.1g、15.9mmol)をEtOH 50mlに溶解し、そしてEtN(2.9ml、20.7mmol、1.3当量)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(1.3g、19.1mmol、1.2当量)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。懸濁液を水100mlで希釈し、そして濾過した。結晶を水で洗浄し、そして50℃及び<10mbarで2時間乾燥させた。所望のN−ヒドロキシ−N'−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミジン(4.35g、収率86%)を、白色の固体として得た。MS: m/e = 319.9 (M+H+)。
【0119】
工程4:2−tert−ブチル−6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【化82】


N−ヒドロキシ−N'−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミジン(実施例39、工程3)(2.8g、8.77mmol)を、トルエン15ml及びピリジン(2.8ml、35.1mmol、4当量)に懸濁した。混合物を0〜5℃に冷却し、そしてp−トルエンスルホニルクロリド(6.7g、35.1mmol、4当量)を加えた。反応混合物を0〜5℃で1時間、そして室温で4時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO溶液を用いて抽出し、そして少量のジクロロメタンを用いて2回抽出した。粗生成物を、ジクロロメタン層をシリカゲルカラム20gに直接乗せ、ヘプタン:酢酸エチル 100:0→0:100で溶離することによるフラッシュクロマトグラフィーで精製した。所望の2−tert−ブチル−6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(2g、収率76%)を、明黄色の油状物として得た。MS: m/e = 302.1 (M+H+)。
【0120】
工程5:2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン
【化83】


標記化合物(黄色の固体、MS: m/e = 276.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン(実施例39、工程4)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0121】
実施例40
2−メチル−2−(6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オール
【化84】


工程1:3−アセトキシ−2,2−ジメチル−プロピオン酸
【化85】


アセチルクロリド5ml中の3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピオン酸(1.5g、12.69mmol)の溶液を、80℃、窒素下で2時間加熱した。過剰量の塩化アセチルを減圧下で蒸発させた。得られた残留物をジクロロメタンに溶解し、そして水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ、そして蒸発させて、所望の3−アセトキシ−2,2−ジメチル−プロピオン酸(1.65g、収率81%)を、無色の液体として得た。
【0122】
工程2:酢酸 2−クロロカルボニル−2−メチル−プロピルエステル
【化86】


CHCl(25ml)中のアセトキシ−2,2−ジメチル−プロピオン酸(実施例40、工程1)(2.2g、13.75mmol)の溶液に、塩化オキサリル(2.62ml、27.50mmol)及び2〜4滴のDMFを加え、そして25℃で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、そして得られた酢酸 2−クロロカルボニル−2−メチル−プロピルエステル(2.4g)を、精製せずに次の工程に直接用いた。
【0123】
工程3:酢酸 2−(5−ヨード−ピリジン−2−イルカルバモイル)−2−メチル−プロピルエステル
【化87】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 363.2 (M+H+))は、実施例39、工程1の一般的方法に従って、2−アミノ−5−ヨードピリジン及び酢酸2−クロロカルボニル−2−メチル−プロピルエステル(実施例40、工程2)から調製することができる。
【0124】
工程4:酢酸 2−(5−ヨード−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−2−メチル−プロピルエステル
【化88】


標記化合物(MS: m/e = 379.4 (M+H+))は、実施例39、工程2の一般的方法に従って、酢酸 2−(5−ヨード−ピリジン−2−イルカルバモイル)−2−メチル−プロピルエステル(実施例40、工程3)から調製することができる。
【0125】
工程5:酢酸 2−[N−ヒドロキシ−N'−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−カルバムイミドイル]−2−メチル−プロピルエステル
【化89】


標記化合物(MS: m/e = 378.0 (M+H+))は、実施例39、工程3の一般的方法に従って、酢酸 2−(5−ヨード−ピリジン−2−イルチオカルバモイル)−2−メチル−プロピルエステル(実施例40、工程4)から調製することができる。
【0126】
工程6:酢酸 2−(6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−2−メチル−プロピルエステル
【化90】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 360.0 (M+H+))は、実施例39、工程4の一般的方法に従って、酢酸 2−[N−ヒドロキシ−N'−(5−ヨード−ピリジン−2−イル)−カルバムイミドイル]−2−メチル−プロピルエステル(実施例40、工程5)から調製することができる。
【0127】
工程7:2−(6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール
【化91】


MeOH(8ml)中の酢酸 2−(6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−2−メチル−プロピルエステル(実施例40、工程6)(750mg、2.09mmol)及びKCO(576mg、4.18mmol、2当量)の溶液を、25℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、そして得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の2−(6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(662mg、収率91%)を、白色の固体として得た。MS: m/e = 318.0 (M+H+)。
【0128】
工程8:2−メチル−2−(6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オール
【化92】


標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 292.0 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、2−(6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(実施例40、工程7)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0129】
実施例41
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン
【化93】


工程1:1−アミノ−3−ブロモ−ピリジニウム 2,4−ジニトロ−フェノラート
【化94】


アセトニトリル(4ml)中の3−ブロモピリジン(2.3g、15.0mmol)の溶液に、O−(2,4−ジニトロ−フェニル)−ヒドロキシルアミン(3.0g、15.0mmol、1当量)を加え、そして反応混合物を40℃で16時間撹拌した。次に溶媒を蒸発させ、得られた残留物をエーテルでトリチュレートし、そして乾燥させて、所望の1−アミノ−3−ブロモ−ピリジニウム 2,4−ジニトロ−フェノラート(4.5g、収率85%)を、褐色の固体として得た。
【0130】
工程2:6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化95】


DMF(20ml)中の1−アミノ−3−ブロモ−ピリジニウム 2,4−ジニトロ−フェノラート(実施例41、工程1)(1.98g、14.16mmol)の溶液に、4,4−ジメチル−ペンタ−2−イン酸メチルエステル(CAS 20607-85-6)(5g、14.16mmol、1当量)及びKCO(3.9g、28.3mmol、2当量)を加え、そして25℃で空気をパージしながら撹拌した。DMFを完全に蒸発させ、残留物を酢酸エチルに溶解し、そして水(100ml)で洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発乾固した。望まれない位置異性体、4−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステルを伴う、得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。所望の6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル(1.04g、収率24%)を、白色の固体として得た。MS: m/e = 312.2 (M+H+)。
【0131】
工程3:6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン
【化96】


SO(5ml)及びHO(5ml)中の6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル(実施例41、工程2)(1.1g、3.53mmol)の溶液を、80℃で36時間加熱した。反応混合物を2N 水酸化ナトリウムを用いて中和し、そして酢酸エチルで抽出した(4×60ml)。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発乾固した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 95:5→90:10)により精製した。所望の6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(370mg、収率38%)を、白色の固体として得た。MS: m/e = 254.2 (M+H+)。
【0132】
工程4:2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン
【化97】


標記化合物(白色の固体、MS: m/e = 275.4 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(実施例41、工程3)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0133】
実施例42
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化98】


工程1:6−ブロモ−2−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化99】


3−tert−ブチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−アミン(CAS 202403-45-0)(35%、13g、32.5mmol)を、酢酸(50ml)に溶解し、そして2−ブロモマロンアルデヒド(7.35g、48.7mmol、1.5当量)を加えた。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、2N 飽和NaHCO溶液で中和し、そしてジクロロメタンで2回抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして蒸発乾固した。粗生成物を、シリカゲル70gでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:EtOAc 100:0→50:50)で精製した。所望の6−ブロモ−2−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(6.83g、収率83%)を、白色の固体として得た。MS: m/e = 255.0/257.1 (M+H+)。
【0134】
工程2:2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化100】


標記化合物(黄色の固体、MS: m/e = 277.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例42、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0135】
実施例43
2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化101】


工程1:2−tert−ブチル−6−トリメチルシラニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化102】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 273.3 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例42、工程1)及びエチニル−トリメチル−シランから調製することができる。
【0136】
工程2:2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化103】


2−tert−ブチル−6−トリメチルシラニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例43、工程1)(100mg、0.37mmol)を、DMF(1ml)に溶解した。1,4−ジフルオロ−2−ヨードベンゼン(176mg、0.73mmol、2当量)、EtN(150μl、1.1mmol、3当量)、ビス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)ジクロリド(13mg、0.02mmol、0.05当量)、トリフェニルホスフィン(3mg、0.011mmol、0.03当量)及びヨウ化銅(I)(2mg、0.011、0.03当量)を窒素下で加え、そして混合物を80℃に加熱した。THF中1M TBAF(440μl、0.44mmol、1.2当量)を、80℃で20分間滴下した。反応混合物を80℃で5分間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、次に飽和NaHCO溶液を用いて抽出し、そして少量のジクロロメタンを用いて2回抽出した。粗生成物を、ジクロロメタン層をシリカゲルカラム20gに直接乗せ、ヘプタン:酢酸エチル 100:0→50:50で溶離することにより、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。所望の2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(73mg、収率64%)を、明黄色の固体として得た。MS: m/e = 313.1 (M+H+)。
【0137】
実施例44
2−tert−ブチル−6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化104】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 295.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−tert−ブチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例42、工程1)及びエチニル−3−フルオロベンゼンから調製することができる。
【0138】
実施例45
2−tert−ブチル−6−(3,4−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化105】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 313.1 (M+H+))は、実施例43、工程2の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−トリメチルシラニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例43、工程1)及び3,4−ジフルオロ−4−ヨードベンゼンから調製することができる。
【0139】
実施例46
2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化106】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 312.2/314.1 (M+H+))は、実施例43、工程2の一般的方法に従って、2−tert−ブチル−6−トリメチルシラニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例43、工程1)及び3−クロロ−5−ヨードピリジンから調製することができる。
【0140】
実施例47
2−モルホリン−4−イル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化107】


工程1:6−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化108】


標記化合物(明黄色の固体、MS: m/e = 284.2/286.1 (M+H+))は、実施例42、工程1の一般的方法に従って、5−モルホリン−4−イル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミン(CAS 51420-46-3)及び2−ブロモマロンアルデヒドから調製することができる。
【0141】
工程2:2−モルホリン−4−イル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化109】


標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 306.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例47、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。
【0142】
実施例48
2−モルホリン−4−イル−6−m−トリルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化110】


標記化合物(褐色の固体、MS: m/e = 320.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例47、工程1)及びエチニル−3−メチルベンゼンから調製することができる。
【0143】
実施例49
6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化111】


標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 324.3 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例47、工程1)及びエチニル−3−フルオロベンゼンから調製することができる。
【0144】
実施例50
6−(3−クロロ−フェニルエチニル)−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化112】


標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 340.0/342.1 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例47、工程1)及びエチニル−3−クロロベンゼンから調製することができる。
【0145】
実施例51
6−フェニルエチニル−2−ピロリジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化113】


工程1:6−ブロモ−2−ピロリジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化114】


標記化合物(明赤色の固体、MS: m/e = 268.1/270.1 (M+H+))は、実施例42、工程1の一般的方法に従って、5−ピロリジン−1−イル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルアミン(CAS 154956-89-5)及び2−ブロモマロンアルデヒドから調製することができる。
【0146】
工程2:6−フェニルエチニル−2−ピロリジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン
【化115】


標記化合物(明褐色の固体、MS: m/e = 290.2 (M+H+))は、実施例1の一般的方法に従って、6−ブロモ−2−ピロリジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン(実施例51、工程1)及びフェニルアセチレンから調製することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化116】


[式中、
Xは、N又はC−Rであり;
Yは、N又はC−Rであり;
Zは、CH又はNであり;
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される塩又は酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体。
【請求項2】
Xが、C−Rであり、Yが、C−Rであり、Zが、Nである、式(I)の化合物にかかる、請求項1に記載の式(IA):
【化117】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体。
【請求項3】
化合物が、下記:
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−メチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−メチル−6−ピリジン−4−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−メチル−6−p−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(4−クロロ−フェニルエチニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−ピリジン−3−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−ピリジン−4−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(4−メトキシ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−m−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−シクロブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−p−トリルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(4−クロロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(6−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
5−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−ピリジン−2−イルアミン、
2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−ピリミジン−5−イルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3,4−ジフルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−フェニルエチニル−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
4−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン、
2−(6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−プロパン−2−オール、
2−tert−ブチル−6−(5−フルオロ−ピリジン−3−イルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、
3−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン、
2−(2−tert−ブチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イルエチニル)−フェニルアミン、
2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン又は
2−イソプロピル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンである、請求項2に記載の式(IA)のエチニル誘導体。
【請求項4】
Xが、C−Rであり、Yが、Nであり、Zが、CHである、式(I)の化合物にかかる、請求項1に記載の式(IB):
【化118】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体。
【請求項5】
化合物が、下記:
6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン、
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン又は
2−メチル−2−(6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)−プロパン−1−オールである、請求項4に記載の式(IB)のエチニル誘導体。
【請求項6】
Xが、C−Rであり、Y及びZが、Nである、式(I)の化合物にかかる、請求項1に記載の式(IC):
【化119】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体。
【請求項7】
化合物が、下記:
6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(2,5−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(3,4−ジフルオロ−フェニルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−tert−ブチル−6−(5−クロロ−ピリジン−3−イルエチニル)−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−モルホリン−4−イル−6−フェニルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
2−モルホリン−4−イル−6−m−トリルエチニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、
6−(3−クロロ−フェニルエチニル)−2−モルホリン−4−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン又は
6−フェニルエチニル−2−ピロリジン−1−イル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンである、請求項6に記載の式(IC)のエチニル誘導体。
【請求項8】
Xが、C−Rであり、Yが、C−Rであり、Zが、CHである、式(I)の化合物にかかる、請求項1に記載の式(ID):
【化120】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級ヒドロキシアルキル、低級シクロアルキルであるか、又は場合によりヒドロキシもしくはアルコキシで置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体。
【請求項9】
化合物が、下記:
6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン又は
2−tert−ブチル−6−フェニルエチニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジンである、請求項8に記載の式(ID)のエチニル誘導体。
【請求項10】
Xが、Nであり、Yが、C−Rであり、Zが、CHである、式(I)の化合物にかかる、請求項1に記載の式(IE):
【化121】


[式中、
は、0、1又は2個の窒素原子を含有する6員の芳香族置換基であり、場合により、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ又はNRR'より選択される1〜3個の基により置換されており;
は、水素、CN、低級アルキル又はヘテロシクロアルキルであり;
R及びR'は、各々独立して、水素又は低級アルキルである]で示されるエチニル誘導体、あるいはその薬学的に許容される酸付加塩、ラセミ混合物又はその対応する鏡像異性体及び/もしくは光学異性体及び/もしくは立体異性体。
【請求項11】
化合物が、6−フェニルエチニル−[1,2,3]トリアゾロ[1,5−a]ピリジンである、請求項10に記載の式(IE)のエチニル誘導体。
【請求項12】
請求項1に記載の式(I)の化合物を調製する方法であって、変法:
a) 式2:
【化122】


で示される化合物を、式3:
【化123】


で示される適切なアリールアセチレンと反応させて、式(I):
【化124】


[式中、置換基は、請求項1に記載されている]で示される化合物とするか、又は、
b) 式4:
【化125】


で示される化合物を、式5:
【化126】


で示される化合物と反応させて、式(I):
【化127】


[式中、置換基は、請求項1に記載されており、halは、Cl、Br又はIより選択されるハロゲンである]で示される化合物とするか、又は
c) 式6:
【化128】


で示される化合物を、式3:
【化129】


で示される適切なアリールアセチレンと反応させて、式(I):
【化130】


[式中、置換基は、請求項1に記載のとおりである]で示される化合物とすること、及び、所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容される酸付加塩へと変換することを含む方法。
【請求項13】
請求項12の方法に従って製造された場合の、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項の化合物の少なくとも一種及びその薬学的に許容される塩ならびに治療上不活性な担体を含む、医薬組成物。
【請求項16】
統合失調症又は認知疾患の治療又は予防のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
mGluR5受容体のポジティブアロステリックモジュレーターに関連する疾患の治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物及びその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項18】
統合失調症又は認知疾患の治療又は予防のための医薬の製造のための、請求項17に記載の化合物の使用。
【請求項19】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物の有効量を投与することを含む、統合失調症又は認知疾患を治療又は予防するための方法。
【請求項20】
本明細書において先に記載された発明。

【公表番号】特表2013−514305(P2013−514305A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543676(P2012−543676)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069593
【国際公開番号】WO2011/073172
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】