説明

エッチング方法及びエッチング装置

【課題】圧縮空気の消費量を最小限に抑えつつ、好適なE/Fを得ることが可能なエッチング方法の提供。
【解決手段】エッチング液を1流体ノズル20から噴射してエッチング対象物1のエッチング対象面に吹き付けることによって、エッチング対象面をエッチングする第1のエッチング工程と、エッチング液と気体とを混合して2流体ノズル30から噴射し、第1のエッチング工程でエッチングされたエッチング対象面にエッチング液を吹き付けることによって、エッチング対象面をさらにエッチングする第2のエッチング工程と、を備える。第2のエッチング工程では、第1のエッチング工程よりも微小液滴のエッチング液を、第1のエッチング工程よりも強い打力でエッチング対象面に吹き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング方法及びエッチング装置に関し、特にプリント配線板を製造する工程において、基板上の被加工導電層をパターンエッチングして配線部をパターン形成するエッチング方法及びエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体等の部品が実装されるプリント配線板(基板)の表面に微細なパターンの配線部を形成するエッチング方法として、1流体ノズルから基板上にエッチング液を噴射する方法が広く用いられている。銅箔上には予めマスク層であるレジスト膜がパターン形成されており、レジスト膜で保護されていない銅箔にエッチング液が接触することによって、銅箔がパターン加工される。
【0003】
しかし、1流体ノズルを用いる方法では、エッチング液滴の粒径が大きく、例えば隣接する配線部間の間隔が50μm以下である微細化された配線パターンの加工においては、エッチング液滴が被エッチング層上のレジスト膜のパターン内をエッチングすることができず、E/F(エッチファクター)を向上させることは難しい。
【0004】
このような不都合を解消する方法として、エッチング液と圧縮空気とを混合して噴射する2流体ノズルを用いる方法が提案されている。2流体ノズルを用いることにより、1流体ノズルよりもエッチング液の微小液滴化が可能となり、噴射速度も大きくなる。例えば50μm以下に微細化されたパターンのエッチングにおいても、エッチング液の微小液滴を高速でパターン内に押し込みE/Fを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−256458号公報
【特許文献2】特開2010−287881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、2流体ノズルを用いる方法では、多量の圧縮空気を消費するため、設備の大型化やコストの上昇を招く。
【0007】
そこで、本発明は、圧縮空気の消費量を最小限に抑えつつ、好適なE/Fを得ることが可能なエッチング方法及びエッチング装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様に係るエッチング方法は、エッチング液を1流体ノズルから噴射してエッチング対象物のエッチング対象面に吹き付けることによって、エッチング対象面をエッチングする第1のエッチング工程と、エッチング液と気体とを混合して2流体ノズルから噴射し、第1のエッチング工程でエッチングされたエッチング対象面にエッチング液を吹き付けることによって、エッチング対象面をさらにエッチングする第2のエッチング工程と、を備える。第2のエッチング工程では、第1のエッチング工程よりも微小液滴のエッチング液を、第1のエッチング工程よりも強い打力でエッチング対象面に吹き付ける。
【0009】
本発明の第1の態様に係るエッチング装置は、搬送手段と1流体ノズルと2流体ノズルとを備える。搬送手段は、第1のエッチング処理部と第2のエッチング処理部とを順に通る所定の搬送経路に沿ってエッチング対象物を搬送する。1流体ノズルは、第1のエッチング処理部に配置され、搬送手段によって搬送されるエッチング対象物のエッチング対象面に、エッチング液を噴射して吹き付ける。2流体ノズルは、第2のエッチング処理部に配置され、搬送手段によって第1のエッチング処理部から搬送されるエッチング対象物のエッチング対象面に、エッチング液と気体とを混合し噴射して吹き付ける。2流体ノズルは、1流体ノズルよりも微小液滴のエッチング液を、1流体ノズルよりも強い打力でエッチング対象面に吹き付ける。
【0010】
上記方法及び装置では、被エッチング層の表面側では、先ず1流体ノズルからの比較的大きい液滴のエッチング液による大まかなエッチング処理が行われる。次に、2流体ノズルからの微小液滴のエッチング液による細かなエッチング処理が行われ、微細化された配線パターンの加工であっても、エッチング液滴を被エッチング層上のレジスト膜のパターン内に押し込むことができる。このように、全てのエッチング処理に2流体ノズルを使用せず、1流体ノズルと2流体ノズルとを効果的に併用するので、圧縮空気の消費量を最小限に抑えつつ、好適なE/Fを得ることができる。なお、E/Fとは、被エッチング層の横方向のエッチ量(アンダカット量)に対するエッチング深さ(被エッチング層の厚さ)の比率であり、数値が大きいほど好適である。
【0011】
本発明の第2の態様に係るエッチング方法は、上記第1の態様のエッチング方法であって、エッチング対象面は、エッチング対象物の上面であり、第1のエッチング工程は、1流体ノズルからエッチング対象面に吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する第1の吸引工程を含む。また、第2のエッチング工程は、2流体ノズルからエッチング対象面に吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する第2の吸引工程を含む。
【0012】
本発明の第2の態様に係るエッチング装置は、上記第1の態様のエッチング装置であって、第1のエッチング処理部と第2のエッチング処理部の双方に配置される吸引手段を備える。搬送手段は、エッチング対象面が上方を向いた状態でエッチング対象物を略水平方向に搬送する。吸引手段は、1流体ノズルと2流体ノズルとからエッチング対象面にそれぞれ吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する。
【0013】
上記方法及び装置では、1流体ノズル及び2流体ノズルから吹き付けられたエッチング液がエッチング対象面から早期に除去される。従って、エッチング液の吹き付けに対して障害となり得るエッチング液の滞留の発生を未然に防止することができ、面内均一性の高いエッチングを行うことができる。
【0014】
また、上記第2の態様に係るエッチング方法やエッチング装置において、1流体ノズル及び2流体ノズルからエッチング対象面へのエッチング液の総吹き付け量に対する2流体ノズルからエッチング対象面へのエッチング液の吹き付け量の割合は、2%以上50%以下が好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、圧縮空気の消費量を最小限に抑えつつ、好適なE/Fを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るエッチング装置を模式的に示す概略構成図である。
【図2】エッチング処理を説明するためのプリント配線板の拡大断面図であり、(a)はエッチング処理前の状態を示し、(b)はエッチング処理後の理想的な状態を示す。
【図3】エッチング試験の結果を示す表である。
【図4】エッチング試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、本実施形態のエッチング方法およびエッチング装置を適用するプリント配線板の製造方法の概要について、図2の断面図を参照して説明する。
【0019】
図2(a)に示すように、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂やその他の樹脂などからなる絶縁性の基板(エッチング対象物)1の両面に、例えば銅箔などの導電層(被エッチング層)2を数〜数10μmの膜厚で形成する。導電層2を形成する方法は、張り付け、めっき、気相成長など、どのような方法でも可能であり、基板1の両面がエッチング対象面となる。
【0020】
次に、図2(b)に示すように、フォトリソグラフィー工程(ドライフィルムレジストや液状レジストなど)によって導電層2の上層にレジスト膜3を成膜し、パターン露光し、現像処理を行うことによって、導電層2の上層にレジスト膜3をパターン形成する。レジスト膜3の形成処理は、基板1の両面に対してそれぞれ行われる。
【0021】
次に、図2(c)に示すように、基板1の両面上の導電層2に対してレジスト膜3をマスクとしたエッチング処理を施す。すなわち、導電層2をレジスト膜3のパターンに沿ってエッチングし、配線部2aをパターン形成する。
【0022】
配線部2aをパターン形成した後、例えば、強アルカリ溶液または有機溶剤処理などによりレジスト膜3を剥離する。これにより、所望のプリント配線板が形成される。
【0023】
上記のレジスト膜3をマスクとした導電層2に対するエッチング処理は、本実施形態に係るエッチング装置および方法を用いて行われる。図1は、本実施形態に係るエッチング装置を模式的に示す概略構成図である。
【0024】
エッチング装置10のエッチング処理室11内には、一側(図1中左側)の入口14から他側(図1中右側)の出口15に向かって水平直線状に延びる搬送経路が設定され、この搬送経路に複数の搬送ローラ(搬送手段)16が設けられている。搬送ローラ16は、レジスト膜3がパターン形成された基板1を、一面が上方を向き他面が下面を向く略水平状に保持して搬送経路に沿って搬送する。
【0025】
エッチング処理室11内の上部は、第1のエッチング工程を行う第1のエッチング処理部12と、第2のエッチング工程を行う第2のエッチング処理部13とに概ね分かれており、搬送経路は、入口14側の第1のエッチング処理部12と出口15側の第2のエッチング処理部13とを順に通る。第1のエッチング処理部12には複数個の1流体ノズル20が、第2のエッチング処理部13には複数個の2流体ノズル30がそれぞれ配列して設けられている。1流体ノズル20及び2流体ノズル30は、搬送経路に対して固定的(静置)であってもよく、揺動(オシレーション)させてもよい。
【0026】
搬送経路の下方のエッチング処理室11内の底部には、塩化第二銅、塩化第二鉄又はアルカリ性物質をベースとしたエッチング液5が貯留される。各1流体ノズル20には、エッチング処理室11内に貯留したエッチング液5を供給する第1のエッチング液供給管路21が接続されている。第1のエッチング液供給管路21には第1のポンプ22とフィルタ24と圧力計23とが設けられ、エッチング処理室11内のエッチング液5は、第1のポンプ22からフィルタ24によって濾過された後、所定圧で各1流体ノズル20に供給される。1流体ノズル20へのエッチング液の供給圧は、圧力計23によって計測される。
【0027】
各2流体ノズル30には、エッチング処理室11内に貯留したエッチング液5を供給する第2のエッチング液供給管路31が接続されている。第2のエッチング液供給管路31には第2のポンプ32とフィルタ34と圧力計33とが設けられ、エッチング処理室11内のエッチング液5は、第2のポンプ32からフィルタ34によって濾過された後、所定圧で各2流体ノズル30に供給される。2流体ノズル30へのエッチング液の供給圧は、圧力計33によって計測される。なお、2流体ノズル30への供給は、第2のポンプ32およびフィルタ34を使用せず、第1のポンプ22およびフィルタ24を共用してもよい。
【0028】
また、各2流体ノズル30には、気体供給源41が生成した圧縮空気(加圧エア)を供給するエア供給管路40が接続されている。エア供給管路40には、エアフィルタ42と流量計43と圧力計44とが設けられている。気体供給源41は、ファンやコンプレッサーやブロワ等である。2流体ノズル30へのエア供給量は流量計43によって計測され、エア供給圧は圧力計44によって計測される。
【0029】
1流体ノズル20は、エッチング液を噴射して基板1に吹き付ける。一方、2流体ノズル30は、異なる経路から別々に供給されたエッチング液と空気(加圧エア)とを混合して噴射し、1流体ノズル20よりも微小液滴のエッチング液を、1流体ノズル20よりも強い打力で基板1に吹き付ける。
【0030】
1流体ノズル20と2流体ノズル30とは、搬送経路の上方と下方とにそれぞれ配置される。上側及び下側の1流体ノズル20は、搬送ローラ16によって搬送される基板1の上面及び下面にエッチング液をそれぞれ噴射して吹き付ける。また、上側及び下側の2流体ノズル30は、搬送ローラ16によって搬送される基板1の上面及び下面に、エッチング液と空気とを混合し噴射して吹き付ける。
【0031】
第1及び第2のエッチング処理部12,13の搬送経路の上方には、上側の1流体ノズル20及び2流体ノズル30から基板1の上面にそれぞれ吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する複数個の吸引ユニット(吸引手段)50が配列して設けられている。各吸引ユニット50は、基板1の全幅を覆うように搬送経路と略直交する方向に略水平状に延びる吸引パイプ(図示省略)と、吸引パイプの外周面(本実施形態では下面)に形成され搬送経路に向かって開口する複数のスリット状の吸引ノズル(図示省略)とから構成され、吸引ノズルは、1流体ノズル20及び2流体ノズル30からそれぞれ噴射されるエッチング液の吹き付け領域の間に配置され、その配置領域で所望の吸引作用を生じさせる。
【0032】
各吸引パイプは、循環管路54の途中に設けられたエジェクタ52の吸引口52aに、吸引管路51を介して接続されている。循環管路54には、両端がエッチング処理室11内と連通し、途中に循環ポンプ53が設けられ閉回路である。循環ポンプ53は、エッチング処理室11内のエッチング液5を汲み出し、エジェクタ52で圧力を加えた状態として、再びエッチング処理室11へ戻す。循環管路54を循環するエッチング液は、エジェクタ52を通過する際に、エジェクタ52の吸引口52aを負圧とするため、基板1の上面に吹き付けられたエッチング液は、吸引ノズルから吸引管路51を通って吸引される。
【0033】
上記エッチング装置1を用いてエッチング処理を行うと、基板1(導電層2)の表面側では、第1のエッチング処理部12において、1流体ノズル20からの比較的大きい液滴のエッチング液による大まかなエッチング処理が行われる。次に、第2のエッチング処理部13において、2流体ノズル30からの微小液滴のエッチング液による細かなエッチング処理が行われる。従って、微細化された配線パターンの加工であっても、エッチング液滴を導電層2上のレジスト膜3のパターン内に押し込むことができる。
【0034】
このように、全てのエッチング処理に2流体ノズル30を使用せず、1流体ノズル20と2流体ノズル30とを効果的に併用するので、圧縮空気の消費量を最小限に抑えつつ、好適なE/Fを得ることができる。
【0035】
また、1流体ノズル20及び2流体ノズル30から吹き付けられたエッチング液が基板1の上面から早期に除去されるので、エッチング液の吹き付けに対して障害となり得るエッチング液の滞留の発生を未然に防止することができ、面内均一性の高いエッチングを行うことができる。
【0036】
次に、上記エッチング装置1を用いて実施したエッチング試験について説明する。
【0037】
このエッチング試験では、1流体ノズル20及び2流体ノズル30からエッチング対象面へのエッチング液の総吹き付け量に対する2流体ノズル30からエッチング対象面へのエッチング液の吹き付け量の割合を、0%、2%、5%、11%、23%、43%、100%と変更した場合の、加圧エアの使用量(L/min)と、E/F(エッチファクター)とを測定した。E/Fとは、被エッチング層の横方向のエッチ量(アンダカット量)に対するエッチング深さ(被エッチング層の厚さ)の比率であり、数値が大きいほど好適である。
【0038】
エッチング対象面には、次の2種類のパターン形成を行った。試料1では、18μm銅箔のプリント配線板にL/S=20/20μmのパターン形成を行い、試料2では、35μm銅箔のプリント配線板にL/S=50/50μmのパターン形成を行った。図2(c)に示すように、Lはレジスト膜3の下層となる配線パターン(配線部2a)の幅であり、Sは隣接するレジスト膜3のそれぞれの下層となる配線パターン(隣接する配線パターン)間の距離である。L/S=20/20μmのパターン形成の場合、配線パターンの幅と、隣接する配線パターン間の距離とは、ともに20μmである。
【0039】
試料1及び試料2に対するエッチング条件は、1流体ノズル20におけるエッチング液圧力を0.2MPaに設定し、2流体ノズル30におけるエッチング液圧力と空気圧とをともに0.3MPaに設定した。
【0040】
1流体ノズル数と2流体ノズル数の比率を変えて実験を行った結果、E/Fは図3及び図4のようになった。パターン形成するまでにプリント配線板に噴射された総液量に対して、2流体ノズル30を使用した噴射液量が多くなるとE/Fが向上することがわかった(図3及び図4参照)。しかし、2流体ノズル30からの噴射液量が一定量以上になるとE/Fに大きな変化はなくなり、加圧エアの使用量を考慮すると、1流体ノズル20及び2流体ノズル30からの総吹き付け量に対する2流体ノズル30からの吹き付け量の割合(2流体ノズル30を使用したエッチング液量の割合)は50%以下とすることが好適であることが判った。2流体ノズル30からのエッチング液量の割合が50%を超えると、加圧エアが15,000L/min以上必要となる。一般的に使用されているオイルフリースクリューコンプレッサーを使用して、0.3MPaの加圧エアを15,000L/min以上供給するとなると、コンプレッサーが複数台必要となるため、その量以下での使用が妥当であると考える。また、E/Fの向上を考慮すると、2流体ノズル30を使用したエッチング液量の割合は2%以上とすることが好適であることが判った。以上から、1流体ノズル20及び2流体ノズル30からの総吹き付け量に対する2流体ノズル30からの吹き付け量の割合は、2%以上50%以下が好適であることが判った。
【0041】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定をされるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲では適宜の変更が可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態では、1つのエッチング処理室11でエッチング処理を行う例を示したが、連続する複数のエッチング処理室によってエッチング処理を行ってもよい。この場合、第1のエッチング処理部のみが設けられた上流側のエッチング処理室や第2のエッチング処理部のみが設けられた下流側のエッチング処理室が存在してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1:基板(エッチング対象物)
2:導電層(被エッチング層)
3:レジスト膜3
10:エッチング装置
12:第1のエッチング処理部
13:第2のエッチング処理部
16:搬送ローラ(搬送手段)
20:1流体ノズル
30:2流体ノズル
50:吸引ユニット(吸引手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング液を1流体ノズルから噴射してエッチング対象物のエッチング対象面に吹き付けることによって、前記エッチング対象面をエッチングする第1のエッチング工程と、
エッチング液と気体とを混合して2流体ノズルから噴射し、前記第1のエッチング工程でエッチングされた前記エッチング対象面にエッチング液を吹き付けることによって、前記エッチング対象面をさらにエッチングする第2のエッチング工程と、を備え、
前記第2のエッチング工程では、前記第1のエッチング工程よりも微小液滴のエッチング液を、前記第1のエッチング工程よりも強い打力で前記エッチング対象面に吹き付ける
ことを特徴とするエッチング方法。
【請求項2】
請求項1に記載のエッチング方法であって、
前記エッチング対象面は、前記エッチング対象物の上面であり、
前記第1のエッチング工程は、前記1流体ノズルから前記エッチング対象面に吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する第1の吸引工程を含み、
前記第2のエッチング工程は、前記2流体ノズルから前記エッチング対象面に吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する第2の吸引工程を含む
ことを特徴とするエッチング方法。
【請求項3】
請求項2に記載のエッチング方法であって、
前記1流体ノズル及び前記2流体ノズルから前記エッチング対象面へのエッチング液の総吹き付け量に対する前記2流体ノズルから前記エッチング対象面へのエッチング液の吹き付け量の割合は、2%以上50%以下である
ことを特徴とするエッチング方法。
【請求項4】
第1のエッチング処理部と第2のエッチング処理部とを順に通る所定の搬送経路に沿ってエッチング対象物を搬送する搬送手段と、
前記第1のエッチング処理部に配置され、前記搬送手段によって搬送されるエッチング対象物のエッチング対象面に、エッチング液を噴射して吹き付ける1流体ノズルと、
前記第2のエッチング処理部に配置され、前記搬送手段によって前記第1のエッチング処理部から搬送されるエッチング対象物の前記エッチング対象面に、エッチング液と気体とを混合し噴射して吹き付ける2流体ノズルと、を備え、
前記2流体ノズルは、前記1流体ノズルよりも微小液滴のエッチング液を、前記1流体ノズルよりも強い打力で前記エッチング対象面に吹き付ける
ことを特徴とするエッチング装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエッチング装置であって、
前記第1のエッチング処理部と前記第2のエッチング処理部の双方に配置される吸引手段を備え、
前記搬送手段は、前記エッチング対象面が上方を向いた状態で前記エッチング対象物を略水平方向に搬送し、
前記吸引手段は、前記1流体ノズルと前記2流体ノズルとから前記エッチング対象面にそれぞれ吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する
ことを特徴とするエッチング装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエッチング装置であって、
前記1流体ノズル及び前記2流体ノズルから前記エッチング対象面へのエッチング液の総吹き付け量に対する前記2流体ノズルから前記エッチング対象面へのエッチング液の吹き付け量の割合は、2%以上50%以下である
ことを特徴とするエッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−82975(P2013−82975A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224093(P2011−224093)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成23年6月1日〜3日 社団法人日本電子回路工業会主催の「JPCA Show 2011 2011プリント配線板技術展」に出品
【出願人】(598164418)株式会社ケミトロン (3)
【Fターム(参考)】