エレベータの乗場敷居の据付具
【課題】乗場敷居に容易に取り付けることができ、しかも乗場敷居に対する取り付け位置をより正確な位置とすることができるエレベータの乗場敷居の据付具を得る。
【解決手段】エレベータの乗場敷居の据付具14は、昇降路1内に張られた乗場用ピアノ線6を基準として乗場敷居5の据え付け位置を乗場出入口3の所定の位置に調整する。また、据付具14は、乗場敷居5に取り付け可能な据付具本体17を有している。据付具本体17は、乗場敷居5に取り付けられた状態で乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定める。また、据付具本体17は、乗場敷居5に設けられた嵌合穴16に嵌る突起22を有し、突起22が嵌合穴16に嵌ることにより乗場敷居5に取り付けられる。
【解決手段】エレベータの乗場敷居の据付具14は、昇降路1内に張られた乗場用ピアノ線6を基準として乗場敷居5の据え付け位置を乗場出入口3の所定の位置に調整する。また、据付具14は、乗場敷居5に取り付け可能な据付具本体17を有している。据付具本体17は、乗場敷居5に取り付けられた状態で乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定める。また、据付具本体17は、乗場敷居5に設けられた嵌合穴16に嵌る突起22を有し、突起22が嵌合穴16に嵌ることにより乗場敷居5に取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗場敷居の据え付け位置を乗場出入口の所定の位置に調整するエレベータの乗場敷居の据付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの乗場敷居を乗場出入口に据え付ける際に、乗場敷居に定規具を取り付け、昇降路内に張られたピアノ線に対する乗場敷居の位置を定規具によって定めることにより、乗場敷居を所定の位置に据え付けるようにしたエレベータの乗場敷居の据付方法が知られている。定規具は、乗場敷居の敷居溝に挿入された固定具にボルトで固定されることにより、乗場敷居に取り付けられる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−51476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、定規具を乗場敷居に取り付けるために、乗場敷居の敷居溝に挿入された固定具に定規具をボルトで固定する必要があるので、定規具を乗場敷居に取り付ける作業に手間がかかってしまう。また、固定具を乗場敷居の敷居溝に挿入する際に乗場敷居に対する固定具の位置が乗場敷居の長さ方向へずれるおそれがあるので、乗場敷居に対する定規具の位置も乗場敷居の長さ方向へずれてしまうおそれがある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乗場敷居に容易に取り付けることができ、しかも乗場敷居に対する取り付け位置をより正確な位置とすることができるエレベータの乗場敷居の据付具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータの乗場敷居の据付具は、昇降路内に張られたピアノ線を基準として乗場敷居の据え付け位置を乗場出入口の所定の位置に調整するエレベータの乗場敷居の据付具であって、乗場敷居に取り付けられた状態でピアノ線に対する乗場敷居の位置を定める据付具本体を備え、据付具本体は、乗場敷居に設けられた嵌合穴に嵌る突起を有し、突起が嵌合穴に嵌ることにより乗場敷居に取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベータの乗場敷居の据付具では、乗場敷居に設けられた嵌合穴に据付具本体の突起が嵌ることにより据付具本体が乗場敷居に取り付けられるので、ボルト等を用いることなく乗場敷居に対して据付具本体を取り付けることができる。従って、乗場敷居に据付具を容易に取り付けることができる。また、突起を嵌合穴に差し込むだけで乗場敷居に対する据付具の位置が決まるので、乗場敷居に対する据付具の取り付け位置をより正確な位置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータが建物に据え付けられるときの昇降路を示す縦断面図である。
【図2】図1の乗場敷居の据え付け位置が乗場出入口の所定の位置に調整されるときの状態を示す斜視図である。
【図3】図2の乗場敷居を示す斜視図である。
【図4】図3のIV部を示す拡大図である。
【図5】図2の据付具を示す斜視図である。
【図6】図5のVI部を示す拡大図である。
【図7】図5の据付具本体と保持部材とが分離されている状態を示す斜視図である。
【図8】図5の据付具が乗場敷居に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】図8の据付具と乗場敷居とが分離された状態を示す斜視図である。
【図10】図2のX部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータが建物に据え付けられるときの昇降路を示す縦断面図である。図において、建物の各階には、昇降路1内と乗場2とを連通する乗場出入口3がそれぞれ設けられている。昇降路1内の上端部には、昇降路1内の機器(例えば巻上機等)を支持する揚重ビーム4が固定されている。
【0010】
各乗場出入口3の下部には、乗場敷居5がそれぞれ据え付けられる。乗場敷居5が乗場出入口3に据え付けられるときには、乗場敷居5の位置の基準となる一対の乗場用ピアノ線6が昇降路1内に鉛直方向へ張られる。一対の乗場用ピアノ線6は、各乗場出入口3の間口方向について所定の距離だけ離して張られる。
【0011】
各乗場用ピアノ線6が昇降路1内に張られるときには、上部型板7が昇降路1内の上部に配置され、下部型板8が昇降路1内の下部に配置される。この例では、上部型板7が揚重ビーム4に取り付けられ、下部型板8が昇降路1の下部の側壁に取り付けられる。上部型板7は、水平方向への距離を測定可能なゲージとされている。下部型板8には、各乗場用ピアノ線6が個別に通される一対の貫通孔9が設けられている。
【0012】
各乗場用ピアノ線6の上端部は、上部型板7に接続される。各乗場用ピアノ線6の下端部には、おもり10がそれぞれ吊り下げられる。各乗場用ピアノ線6は、貫通孔9に通された状態で、おもり10を吊り下げる。これにより、各乗場用ピアノ線6に張力が与えられ、各乗場用ピアノ線6が鉛直方向へ張られる。各乗場用ピアノ線6が昇降路1内で張られる位置は、ゲージとしての上部型板7によって決められる。
【0013】
乗場敷居5の据え付け位置は、昇降路1内に張られた各乗場用ピアノ線6を基準として乗場出入口3の所定の位置に調整される。これにより、各階の乗場出入口3に据え付けられる乗場敷居5の位置は、乗場敷居5の昇降路1側の面が鉛直方向について完全に重なる位置に調整される。
【0014】
昇降路1内には、かご(図示せず)を案内するかごガイドレール11が据え付けられる。かごガイドレール11が昇降路1内に据え付けられるときには、かごガイドレール11の位置の基準となるかごレール用ピアノ線12が乗場用ピアノ線6と平行に昇降路1内に張られる。
【0015】
がごレール用ピアノ線12の上端部は、上部型板7に接続される。かごレール用ピアノ線12の下端部は、昇降路1の底部に固定された緩衝器台13に接続される。昇降路1内でのかごレール用ピアノ線12の水平方向についての位置は、乗場用ピアノ線6を基準として定められる。乗場用ピアノ線6に対するかごレール用ピアノ線12の水平方向についての位置は、ゲージとしての上部型板7によって決められる。
【0016】
かごガイドレール11の据え付け位置は、昇降路1内に張られたかごレール用ピアノ線12を基準として昇降路1内の所定の位置に調整される。かごレール用ピアノ線12が乗場用ピアノ線6を基準として張られることから、かごガイドレール11の据え付け位置は乗場用ピアノ線6を基準として定まる。
【0017】
かごの水平方向についての位置は、かごガイドレール11の位置を基準として定められる。乗場出入口3を開閉する乗場ドア(図示せず)の水平方向についての位置は、乗場敷居5の位置を基準として定められる。従って、かご及び乗場ドアの水平方向についての位置も、共通の乗場用ピアノ線6を基準として定められることとなる。このことから、各階に配置される乗場ドアと、昇降路1内を昇降されるかごとの水平方向についての位置関係が一定となる。
【0018】
ここで、特定の階に配置された乗場敷居5の水平方向についての位置が大きくずれていると、例えばかごに設けられたかごドアの係合装置と特定の階の乗場ドアの係合装置とがかごの移動時に干渉したり、かごドアの係合装置と特定の階の乗場敷居とがかごの移動時に干渉したりする等の不具合が生じるおそれがある。各乗場敷居5の水平方向についての位置が共通の乗場用ピアノ線6を基準として調整されることにより、このような不具合が防止される。
【0019】
図2は、図1の乗場敷居5の据え付け位置が乗場出入口3の所定の位置に調整されるときの状態を示す斜視図である。図において、乗場敷居5の据え付け位置が乗場出入口3の所定の位置に調整されるときには、据付具14が乗場敷居5に取り付けられる。据付具14は、乗場敷居5に着脱可能になっている。乗場敷居5の据え付け位置は、乗場用ピアノ線6に対する据付具14の位置を調整することにより、乗場出入口3の所定の位置に調整される。
【0020】
図3は、図2の乗場敷居5を示す斜視図である。また、図4は、図3のIV部を示す拡大図である。図において、乗場敷居5には、敷居溝15が乗場敷居5の長さ方向に沿って設けられている。また、乗場敷居5には、乗場敷居5の厚さ方向(上下方向)に貫通する複数(この例では、2つ)の嵌合穴16が設けられている。各嵌合穴16は、乗場敷居5の長さ方向について互いに間隔を置いて配置されている。
【0021】
敷居溝15は、図4に示すように、乗場敷居5の幅方向について互いに対向する一対の溝側面15aと、各溝側面15aの下端部間に位置する溝底面15bとにより形成されている。各嵌合穴16の一方の開口部は敷居溝15の溝底面15bに位置し、各嵌合穴16の他方の開口部は乗場敷居5の裏面に位置している。各嵌合穴16は、乗場敷居5の長さ方向に沿った長穴とされている。各嵌合穴16の断面形状は長方形とされている。
【0022】
図5は、図2の据付具14を示す斜視図である。また、図6は、図5のVI部を示す拡大図である。図において、据付具14は、乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定める据付具本体17と、据付具本体17に着脱可能な保持部材18とを有している。
【0023】
据付具本体17は、板状の水平部19と、水平部19から上方へ突出する板状の取っ手部20と、水平部19から下方へ突出し、敷居溝15に挿入される板状の溝挿入部21と、溝挿入部21から下方へそれぞれ突出し、各嵌合穴16に個別に嵌る複数(この例では、2つ)の突起22とを有している。この例では、一枚の板を曲げることにより据付具本体17が形成されている。
【0024】
据付具本体17は、据付具本体17の幅方向を乗場敷居5の長さ方向に一致させて乗場敷居5に取り付けられる。据付具本体17の幅方向の寸法は、据付具本体17の奥行き方向(据付具本体17の幅方向に垂直で、かつ水平部19に沿った方向)の寸法よりも大きくなっている。据付具本体17は、突起22が嵌合穴16に嵌ることにより乗場敷居5に取り付けられる。
【0025】
据付具本体17の幅方向についての水平部19の寸法は、昇降路1内に張られる一対の乗場用ピアノ線6間の距離に基づいて設定されている。即ち、据付具本体17の幅方向についての水平部19の寸法は、一対の乗場用ピアノ線6間の距離に対して僅かに短い寸法とされている。これにより、水平部19は、一対の乗場用ピアノ線6間に所定の隙間を介して挿入可能になっている。
【0026】
水平部19には、各乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定めるときに各乗場用ピアノ線6に個別に合わせるための印である一対の切欠部23が設けられている。切欠部23は、据付具本体17の幅方向について、水平部19の一端部及び他端部にそれぞれ設けられている。水平部19における各切欠部23の位置は、据付具本体17の奥行き方向について同位置とされている。各切欠部23は、互いに交差する2つの平面によって形成されている。
【0027】
取っ手部20及び溝挿入部21は、据付具本体17の幅方向に沿って配置されている。また、取っ手部20及び溝挿入部21は、据付具本体17の奥行き方向について、互いに異なる位置に配置されている。この例では、据付具本体17の奥行き方向について、水平部19の一端部に取っ手部20が設けられ、水平部19の他端部に溝挿入部21が設けられている。また、この例では、取っ手部20及び溝挿入部21が水平部19に対して垂直になっている。溝挿入部21の水平部19からの高さ寸法は、敷居溝15の深さ寸法よりも大きくなっている。
【0028】
各突起22は、据付具本体17の幅方向について互いに間隔を置いて配置されている。各突起22間の距離は、各嵌合穴16間の距離と一致している。この例では、一方の突起22が溝挿入部21の一端部に設けられ、他方の突起22が溝挿入部21の他端部に設けられている。突起22の寸法は、嵌合穴16に隙間なく嵌る寸法とされている。この例では、各突起22の形状が板状とされている。
【0029】
図7は、図5の据付具本体17と保持部材18とが分離されている状態を示す斜視図である。図において、保持部材18には、溝挿入部21が差し込まれる差込溝24が設けられている。また、保持部材18の形状は直方体とされている。保持部材18は、差込溝24に溝挿入部21が差し込まれることにより、溝挿入部21に沿って据付具本体17に取り付けられる。
【0030】
保持部材18は、据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるときに、据付具本体17に取り付けられた状態で溝挿入部21とともに敷居溝15に挿入される。保持部材18の幅寸法は、敷居溝15の幅寸法に基づいて設定されている。これにより、保持部材18は、敷居溝15の幅方向について敷居溝15に隙間なく嵌るようになっている。
【0031】
この例では、保持部材18の幅寸法が溝側面15a間の距離よりも僅かに大きくされている。また、この例では、保持部材18が弾性素材(例えばゴム等)により構成されている。従って、保持部材18は、据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるときに、敷居溝15の溝側面15aによって弾性変形しながら敷居溝15に圧入される。これにより、乗場敷居5に対する据付具14のぐらつきの防止が図られる。
【0032】
図8は、図5の据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態を示す斜視図である。また、図9は、図8の据付具14と乗場敷居5とが分離された状態を示す斜視図である。なお、図9は乗場敷居5を下方から見たときの斜視図である。図に示すように、据付具14は、保持部材18を据付具本体17に取り付けた状態で乗場敷居5に取り付けられる。据付具14が取り付けられるときには、保持部材18が敷居溝15に挿入されながら、各突起22が各嵌合穴16に嵌る。
【0033】
据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態では、水平方向について乗場敷居5から昇降路1側に突出する位置に水平部19が保持される。従って、据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態では、各切欠部23の位置が乗場敷居5の位置よりも昇降路1に近い位置となっている。また、据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態では、水平部19が乗場敷居5の上面と平行に配置されている。
【0034】
図10は、図2のX部を示す上面図である。図において、乗場敷居5の位置が乗場出入口3の所定の位置に調整されるときには、据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態で、切欠部23及び乗場用ピアノ線6のそれぞれの位置が乗場出入口3の奥行き方向について一致するように切欠部23が乗場用ピアノ線6に合わせられる。
【0035】
次に、昇降路1内に張られた乗場用ピアノ線6を基準として乗場敷居5を乗場出入口3の所定の位置に調整するときの手順について説明する。まず、各階の乗場出入口3に乗場敷居5をそれぞれ仮設する。この後、据付具本体17に保持部材18を取り付けて据付具14とし、据付具14を乗場敷居5に取り付ける。乗場敷居5に対する据付具14の取り付けは、保持部材18を敷居溝15に挿入しながら各突起22を各嵌合穴16に個別に嵌めることにより行う。据付具14が乗場敷居5に取り付けられることにより、据付具本体17の一部が各乗場用ピアノ線6間に配置される。
【0036】
この後、仮設状態の乗場敷居5とともに据付具14をずらしながら、一方の切欠部23を一方の乗場用ピアノ線6に合わせ、他方の切欠部23を他方の乗場用ピアノ線6に合わせる。これにより、乗場敷居5の位置が乗場出入口3の所定の位置に調整される。
【0037】
このようなエレベータの乗場敷居の据付具14では、乗場敷居5に設けられた嵌合穴16に据付具本体17の突起22が嵌ることにより据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるので、ボルト等を用いることなく乗場敷居5に対して据付具本体17を取り付けることができる。従って、乗場敷居5に据付具14を容易に取り付けることができる。また、突起22を嵌合穴16に差し込むだけで乗場敷居5に対する据付具14の位置が決まるので、乗場敷居5に対する据付具14の取り付け位置をより正確な位置とすることができる。
【0038】
また、敷居溝15の幅方向について敷居溝15に嵌る保持部材18が据付具本体17に取り付けられ、据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるときに、保持部材18が敷居溝15に挿入されるので、敷居溝15の幅方向についての保持部材18の変位を敷居溝15の溝側面15aによって規制することができる。従って、乗場敷居5に対する据付具本体17のぐらつきの防止を図ることができる。
【0039】
また、据付具本体17には、乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定めるときに乗場用ピアノ線6に合わせるための切欠部23が設けられているので、乗場用ピアノ線6に切欠部23を合わせるだけで乗場敷居5の位置を乗場出入口3の所定の位置に調整することができる。従って、乗場敷居5の位置の調整をさらに容易にすることができる。
【0040】
また、昇降路1内には一対の乗場用ピアノ線6が張られ、各乗場用ピアノ線6に個別に合わせられる一対の切欠部23が共通の据付具本体17に設けられているので、各乗場用ピアノ線6に各切欠部23を個別に合わせるだけで、乗場出入口3の間口方向及び奥行き方向のそれぞれについての乗場敷居5の位置を容易に調整することができる。また、各乗場用ピアノ線6を含む平面に対する水平方向についての乗場敷居5の角度も容易に調整することができる。
【0041】
なお、上記の例では、据付具本体17に取り付けられた保持部材18が敷居溝15に挿入されるようになっているが、突起22が嵌合穴16に嵌ることにより据付具本体17が乗場敷居5に安定して保持されるのであれば、保持部材18はなくてもよい。
【0042】
また、上記の例では、嵌合穴16が乗場敷居5を貫通しているが、突起22が嵌合穴16に嵌るのであれば、嵌合穴16が乗場敷居5を貫通していなくてもよい。
【0043】
また、上記の例では、嵌合穴16の開口部が溝底面15bに位置しているが、嵌合穴16の開口部を乗場敷居5の上面に設けてもよい。このようにしても、据付具本体17の突起22を嵌合穴16に嵌めるだけで乗場敷居5に据付具本体17を取り付けることができ、乗場敷居5に据付具14を容易に取り付けることができる。
【0044】
また、上記の例では、嵌合穴16が長穴とされているが、嵌合穴16は長穴に限定されない。嵌合穴16の断面形状を例えば円形や多角形等としてもよい。
【0045】
また、上記の例では、保持部材18が弾性素材により構成されているが、敷居溝15の幅方向について保持部材18が敷居溝15に嵌るようになっていればよいので、保持部材18が例えば金属素材等により構成されていてもよい。この場合、保持部材18の幅寸法は、敷居溝15の幅寸法よりも僅かに小さい寸法とされる。
【符号の説明】
【0046】
1 昇降路、3 乗場出入口、5 乗場敷居、6 乗場用ピアノ線(ピアノ線)、14 据付具、15 敷居溝、16 嵌合穴、17 据付具本体、18 保持部材、22 突起、23 切欠部(印)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗場敷居の据え付け位置を乗場出入口の所定の位置に調整するエレベータの乗場敷居の据付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの乗場敷居を乗場出入口に据え付ける際に、乗場敷居に定規具を取り付け、昇降路内に張られたピアノ線に対する乗場敷居の位置を定規具によって定めることにより、乗場敷居を所定の位置に据え付けるようにしたエレベータの乗場敷居の据付方法が知られている。定規具は、乗場敷居の敷居溝に挿入された固定具にボルトで固定されることにより、乗場敷居に取り付けられる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−51476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、定規具を乗場敷居に取り付けるために、乗場敷居の敷居溝に挿入された固定具に定規具をボルトで固定する必要があるので、定規具を乗場敷居に取り付ける作業に手間がかかってしまう。また、固定具を乗場敷居の敷居溝に挿入する際に乗場敷居に対する固定具の位置が乗場敷居の長さ方向へずれるおそれがあるので、乗場敷居に対する定規具の位置も乗場敷居の長さ方向へずれてしまうおそれがある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、乗場敷居に容易に取り付けることができ、しかも乗場敷居に対する取り付け位置をより正確な位置とすることができるエレベータの乗場敷居の据付具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベータの乗場敷居の据付具は、昇降路内に張られたピアノ線を基準として乗場敷居の据え付け位置を乗場出入口の所定の位置に調整するエレベータの乗場敷居の据付具であって、乗場敷居に取り付けられた状態でピアノ線に対する乗場敷居の位置を定める据付具本体を備え、据付具本体は、乗場敷居に設けられた嵌合穴に嵌る突起を有し、突起が嵌合穴に嵌ることにより乗場敷居に取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るエレベータの乗場敷居の据付具では、乗場敷居に設けられた嵌合穴に据付具本体の突起が嵌ることにより据付具本体が乗場敷居に取り付けられるので、ボルト等を用いることなく乗場敷居に対して据付具本体を取り付けることができる。従って、乗場敷居に据付具を容易に取り付けることができる。また、突起を嵌合穴に差し込むだけで乗場敷居に対する据付具の位置が決まるので、乗場敷居に対する据付具の取り付け位置をより正確な位置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1によるエレベータが建物に据え付けられるときの昇降路を示す縦断面図である。
【図2】図1の乗場敷居の据え付け位置が乗場出入口の所定の位置に調整されるときの状態を示す斜視図である。
【図3】図2の乗場敷居を示す斜視図である。
【図4】図3のIV部を示す拡大図である。
【図5】図2の据付具を示す斜視図である。
【図6】図5のVI部を示す拡大図である。
【図7】図5の据付具本体と保持部材とが分離されている状態を示す斜視図である。
【図8】図5の据付具が乗場敷居に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図9】図8の据付具と乗場敷居とが分離された状態を示す斜視図である。
【図10】図2のX部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータが建物に据え付けられるときの昇降路を示す縦断面図である。図において、建物の各階には、昇降路1内と乗場2とを連通する乗場出入口3がそれぞれ設けられている。昇降路1内の上端部には、昇降路1内の機器(例えば巻上機等)を支持する揚重ビーム4が固定されている。
【0010】
各乗場出入口3の下部には、乗場敷居5がそれぞれ据え付けられる。乗場敷居5が乗場出入口3に据え付けられるときには、乗場敷居5の位置の基準となる一対の乗場用ピアノ線6が昇降路1内に鉛直方向へ張られる。一対の乗場用ピアノ線6は、各乗場出入口3の間口方向について所定の距離だけ離して張られる。
【0011】
各乗場用ピアノ線6が昇降路1内に張られるときには、上部型板7が昇降路1内の上部に配置され、下部型板8が昇降路1内の下部に配置される。この例では、上部型板7が揚重ビーム4に取り付けられ、下部型板8が昇降路1の下部の側壁に取り付けられる。上部型板7は、水平方向への距離を測定可能なゲージとされている。下部型板8には、各乗場用ピアノ線6が個別に通される一対の貫通孔9が設けられている。
【0012】
各乗場用ピアノ線6の上端部は、上部型板7に接続される。各乗場用ピアノ線6の下端部には、おもり10がそれぞれ吊り下げられる。各乗場用ピアノ線6は、貫通孔9に通された状態で、おもり10を吊り下げる。これにより、各乗場用ピアノ線6に張力が与えられ、各乗場用ピアノ線6が鉛直方向へ張られる。各乗場用ピアノ線6が昇降路1内で張られる位置は、ゲージとしての上部型板7によって決められる。
【0013】
乗場敷居5の据え付け位置は、昇降路1内に張られた各乗場用ピアノ線6を基準として乗場出入口3の所定の位置に調整される。これにより、各階の乗場出入口3に据え付けられる乗場敷居5の位置は、乗場敷居5の昇降路1側の面が鉛直方向について完全に重なる位置に調整される。
【0014】
昇降路1内には、かご(図示せず)を案内するかごガイドレール11が据え付けられる。かごガイドレール11が昇降路1内に据え付けられるときには、かごガイドレール11の位置の基準となるかごレール用ピアノ線12が乗場用ピアノ線6と平行に昇降路1内に張られる。
【0015】
がごレール用ピアノ線12の上端部は、上部型板7に接続される。かごレール用ピアノ線12の下端部は、昇降路1の底部に固定された緩衝器台13に接続される。昇降路1内でのかごレール用ピアノ線12の水平方向についての位置は、乗場用ピアノ線6を基準として定められる。乗場用ピアノ線6に対するかごレール用ピアノ線12の水平方向についての位置は、ゲージとしての上部型板7によって決められる。
【0016】
かごガイドレール11の据え付け位置は、昇降路1内に張られたかごレール用ピアノ線12を基準として昇降路1内の所定の位置に調整される。かごレール用ピアノ線12が乗場用ピアノ線6を基準として張られることから、かごガイドレール11の据え付け位置は乗場用ピアノ線6を基準として定まる。
【0017】
かごの水平方向についての位置は、かごガイドレール11の位置を基準として定められる。乗場出入口3を開閉する乗場ドア(図示せず)の水平方向についての位置は、乗場敷居5の位置を基準として定められる。従って、かご及び乗場ドアの水平方向についての位置も、共通の乗場用ピアノ線6を基準として定められることとなる。このことから、各階に配置される乗場ドアと、昇降路1内を昇降されるかごとの水平方向についての位置関係が一定となる。
【0018】
ここで、特定の階に配置された乗場敷居5の水平方向についての位置が大きくずれていると、例えばかごに設けられたかごドアの係合装置と特定の階の乗場ドアの係合装置とがかごの移動時に干渉したり、かごドアの係合装置と特定の階の乗場敷居とがかごの移動時に干渉したりする等の不具合が生じるおそれがある。各乗場敷居5の水平方向についての位置が共通の乗場用ピアノ線6を基準として調整されることにより、このような不具合が防止される。
【0019】
図2は、図1の乗場敷居5の据え付け位置が乗場出入口3の所定の位置に調整されるときの状態を示す斜視図である。図において、乗場敷居5の据え付け位置が乗場出入口3の所定の位置に調整されるときには、据付具14が乗場敷居5に取り付けられる。据付具14は、乗場敷居5に着脱可能になっている。乗場敷居5の据え付け位置は、乗場用ピアノ線6に対する据付具14の位置を調整することにより、乗場出入口3の所定の位置に調整される。
【0020】
図3は、図2の乗場敷居5を示す斜視図である。また、図4は、図3のIV部を示す拡大図である。図において、乗場敷居5には、敷居溝15が乗場敷居5の長さ方向に沿って設けられている。また、乗場敷居5には、乗場敷居5の厚さ方向(上下方向)に貫通する複数(この例では、2つ)の嵌合穴16が設けられている。各嵌合穴16は、乗場敷居5の長さ方向について互いに間隔を置いて配置されている。
【0021】
敷居溝15は、図4に示すように、乗場敷居5の幅方向について互いに対向する一対の溝側面15aと、各溝側面15aの下端部間に位置する溝底面15bとにより形成されている。各嵌合穴16の一方の開口部は敷居溝15の溝底面15bに位置し、各嵌合穴16の他方の開口部は乗場敷居5の裏面に位置している。各嵌合穴16は、乗場敷居5の長さ方向に沿った長穴とされている。各嵌合穴16の断面形状は長方形とされている。
【0022】
図5は、図2の据付具14を示す斜視図である。また、図6は、図5のVI部を示す拡大図である。図において、据付具14は、乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定める据付具本体17と、据付具本体17に着脱可能な保持部材18とを有している。
【0023】
据付具本体17は、板状の水平部19と、水平部19から上方へ突出する板状の取っ手部20と、水平部19から下方へ突出し、敷居溝15に挿入される板状の溝挿入部21と、溝挿入部21から下方へそれぞれ突出し、各嵌合穴16に個別に嵌る複数(この例では、2つ)の突起22とを有している。この例では、一枚の板を曲げることにより据付具本体17が形成されている。
【0024】
据付具本体17は、据付具本体17の幅方向を乗場敷居5の長さ方向に一致させて乗場敷居5に取り付けられる。据付具本体17の幅方向の寸法は、据付具本体17の奥行き方向(据付具本体17の幅方向に垂直で、かつ水平部19に沿った方向)の寸法よりも大きくなっている。据付具本体17は、突起22が嵌合穴16に嵌ることにより乗場敷居5に取り付けられる。
【0025】
据付具本体17の幅方向についての水平部19の寸法は、昇降路1内に張られる一対の乗場用ピアノ線6間の距離に基づいて設定されている。即ち、据付具本体17の幅方向についての水平部19の寸法は、一対の乗場用ピアノ線6間の距離に対して僅かに短い寸法とされている。これにより、水平部19は、一対の乗場用ピアノ線6間に所定の隙間を介して挿入可能になっている。
【0026】
水平部19には、各乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定めるときに各乗場用ピアノ線6に個別に合わせるための印である一対の切欠部23が設けられている。切欠部23は、据付具本体17の幅方向について、水平部19の一端部及び他端部にそれぞれ設けられている。水平部19における各切欠部23の位置は、据付具本体17の奥行き方向について同位置とされている。各切欠部23は、互いに交差する2つの平面によって形成されている。
【0027】
取っ手部20及び溝挿入部21は、据付具本体17の幅方向に沿って配置されている。また、取っ手部20及び溝挿入部21は、据付具本体17の奥行き方向について、互いに異なる位置に配置されている。この例では、据付具本体17の奥行き方向について、水平部19の一端部に取っ手部20が設けられ、水平部19の他端部に溝挿入部21が設けられている。また、この例では、取っ手部20及び溝挿入部21が水平部19に対して垂直になっている。溝挿入部21の水平部19からの高さ寸法は、敷居溝15の深さ寸法よりも大きくなっている。
【0028】
各突起22は、据付具本体17の幅方向について互いに間隔を置いて配置されている。各突起22間の距離は、各嵌合穴16間の距離と一致している。この例では、一方の突起22が溝挿入部21の一端部に設けられ、他方の突起22が溝挿入部21の他端部に設けられている。突起22の寸法は、嵌合穴16に隙間なく嵌る寸法とされている。この例では、各突起22の形状が板状とされている。
【0029】
図7は、図5の据付具本体17と保持部材18とが分離されている状態を示す斜視図である。図において、保持部材18には、溝挿入部21が差し込まれる差込溝24が設けられている。また、保持部材18の形状は直方体とされている。保持部材18は、差込溝24に溝挿入部21が差し込まれることにより、溝挿入部21に沿って据付具本体17に取り付けられる。
【0030】
保持部材18は、据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるときに、据付具本体17に取り付けられた状態で溝挿入部21とともに敷居溝15に挿入される。保持部材18の幅寸法は、敷居溝15の幅寸法に基づいて設定されている。これにより、保持部材18は、敷居溝15の幅方向について敷居溝15に隙間なく嵌るようになっている。
【0031】
この例では、保持部材18の幅寸法が溝側面15a間の距離よりも僅かに大きくされている。また、この例では、保持部材18が弾性素材(例えばゴム等)により構成されている。従って、保持部材18は、据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるときに、敷居溝15の溝側面15aによって弾性変形しながら敷居溝15に圧入される。これにより、乗場敷居5に対する据付具14のぐらつきの防止が図られる。
【0032】
図8は、図5の据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態を示す斜視図である。また、図9は、図8の据付具14と乗場敷居5とが分離された状態を示す斜視図である。なお、図9は乗場敷居5を下方から見たときの斜視図である。図に示すように、据付具14は、保持部材18を据付具本体17に取り付けた状態で乗場敷居5に取り付けられる。据付具14が取り付けられるときには、保持部材18が敷居溝15に挿入されながら、各突起22が各嵌合穴16に嵌る。
【0033】
据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態では、水平方向について乗場敷居5から昇降路1側に突出する位置に水平部19が保持される。従って、据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態では、各切欠部23の位置が乗場敷居5の位置よりも昇降路1に近い位置となっている。また、据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態では、水平部19が乗場敷居5の上面と平行に配置されている。
【0034】
図10は、図2のX部を示す上面図である。図において、乗場敷居5の位置が乗場出入口3の所定の位置に調整されるときには、据付具14が乗場敷居5に取り付けられた状態で、切欠部23及び乗場用ピアノ線6のそれぞれの位置が乗場出入口3の奥行き方向について一致するように切欠部23が乗場用ピアノ線6に合わせられる。
【0035】
次に、昇降路1内に張られた乗場用ピアノ線6を基準として乗場敷居5を乗場出入口3の所定の位置に調整するときの手順について説明する。まず、各階の乗場出入口3に乗場敷居5をそれぞれ仮設する。この後、据付具本体17に保持部材18を取り付けて据付具14とし、据付具14を乗場敷居5に取り付ける。乗場敷居5に対する据付具14の取り付けは、保持部材18を敷居溝15に挿入しながら各突起22を各嵌合穴16に個別に嵌めることにより行う。据付具14が乗場敷居5に取り付けられることにより、据付具本体17の一部が各乗場用ピアノ線6間に配置される。
【0036】
この後、仮設状態の乗場敷居5とともに据付具14をずらしながら、一方の切欠部23を一方の乗場用ピアノ線6に合わせ、他方の切欠部23を他方の乗場用ピアノ線6に合わせる。これにより、乗場敷居5の位置が乗場出入口3の所定の位置に調整される。
【0037】
このようなエレベータの乗場敷居の据付具14では、乗場敷居5に設けられた嵌合穴16に据付具本体17の突起22が嵌ることにより据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるので、ボルト等を用いることなく乗場敷居5に対して据付具本体17を取り付けることができる。従って、乗場敷居5に据付具14を容易に取り付けることができる。また、突起22を嵌合穴16に差し込むだけで乗場敷居5に対する据付具14の位置が決まるので、乗場敷居5に対する据付具14の取り付け位置をより正確な位置とすることができる。
【0038】
また、敷居溝15の幅方向について敷居溝15に嵌る保持部材18が据付具本体17に取り付けられ、据付具本体17が乗場敷居5に取り付けられるときに、保持部材18が敷居溝15に挿入されるので、敷居溝15の幅方向についての保持部材18の変位を敷居溝15の溝側面15aによって規制することができる。従って、乗場敷居5に対する据付具本体17のぐらつきの防止を図ることができる。
【0039】
また、据付具本体17には、乗場用ピアノ線6に対する乗場敷居5の位置を定めるときに乗場用ピアノ線6に合わせるための切欠部23が設けられているので、乗場用ピアノ線6に切欠部23を合わせるだけで乗場敷居5の位置を乗場出入口3の所定の位置に調整することができる。従って、乗場敷居5の位置の調整をさらに容易にすることができる。
【0040】
また、昇降路1内には一対の乗場用ピアノ線6が張られ、各乗場用ピアノ線6に個別に合わせられる一対の切欠部23が共通の据付具本体17に設けられているので、各乗場用ピアノ線6に各切欠部23を個別に合わせるだけで、乗場出入口3の間口方向及び奥行き方向のそれぞれについての乗場敷居5の位置を容易に調整することができる。また、各乗場用ピアノ線6を含む平面に対する水平方向についての乗場敷居5の角度も容易に調整することができる。
【0041】
なお、上記の例では、据付具本体17に取り付けられた保持部材18が敷居溝15に挿入されるようになっているが、突起22が嵌合穴16に嵌ることにより据付具本体17が乗場敷居5に安定して保持されるのであれば、保持部材18はなくてもよい。
【0042】
また、上記の例では、嵌合穴16が乗場敷居5を貫通しているが、突起22が嵌合穴16に嵌るのであれば、嵌合穴16が乗場敷居5を貫通していなくてもよい。
【0043】
また、上記の例では、嵌合穴16の開口部が溝底面15bに位置しているが、嵌合穴16の開口部を乗場敷居5の上面に設けてもよい。このようにしても、据付具本体17の突起22を嵌合穴16に嵌めるだけで乗場敷居5に据付具本体17を取り付けることができ、乗場敷居5に据付具14を容易に取り付けることができる。
【0044】
また、上記の例では、嵌合穴16が長穴とされているが、嵌合穴16は長穴に限定されない。嵌合穴16の断面形状を例えば円形や多角形等としてもよい。
【0045】
また、上記の例では、保持部材18が弾性素材により構成されているが、敷居溝15の幅方向について保持部材18が敷居溝15に嵌るようになっていればよいので、保持部材18が例えば金属素材等により構成されていてもよい。この場合、保持部材18の幅寸法は、敷居溝15の幅寸法よりも僅かに小さい寸法とされる。
【符号の説明】
【0046】
1 昇降路、3 乗場出入口、5 乗場敷居、6 乗場用ピアノ線(ピアノ線)、14 据付具、15 敷居溝、16 嵌合穴、17 据付具本体、18 保持部材、22 突起、23 切欠部(印)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内に張られたピアノ線を基準として乗場敷居の据え付け位置を乗場出入口の所定の位置に調整するエレベータの乗場敷居の据付具であって、
上記乗場敷居に取り付けられた状態で上記ピアノ線に対する上記乗場敷居の位置を定める据付具本体
を備え、
上記据付具本体は、上記乗場敷居に設けられた嵌合穴に嵌る突起を有し、上記突起が上記嵌合穴に嵌ることにより上記乗場敷居に取り付けられることを特徴とするエレベータの乗場敷居の据付具。
【請求項2】
上記据付具本体には、上記ピアノ線に対する上記乗場敷居の位置を定めるときに上記ピアノ線に合わせるための印が設けられており、
上記据付具本体に取り付けられた状態で、上記乗場敷居の敷居溝の幅方向について上記敷居溝に嵌る保持部材
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの乗場敷居の据付具。
【請求項1】
昇降路内に張られたピアノ線を基準として乗場敷居の据え付け位置を乗場出入口の所定の位置に調整するエレベータの乗場敷居の据付具であって、
上記乗場敷居に取り付けられた状態で上記ピアノ線に対する上記乗場敷居の位置を定める据付具本体
を備え、
上記据付具本体は、上記乗場敷居に設けられた嵌合穴に嵌る突起を有し、上記突起が上記嵌合穴に嵌ることにより上記乗場敷居に取り付けられることを特徴とするエレベータの乗場敷居の据付具。
【請求項2】
上記据付具本体には、上記ピアノ線に対する上記乗場敷居の位置を定めるときに上記ピアノ線に合わせるための印が設けられており、
上記据付具本体に取り付けられた状態で、上記乗場敷居の敷居溝の幅方向について上記敷居溝に嵌る保持部材
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの乗場敷居の据付具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−157149(P2011−157149A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18306(P2010−18306)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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