説明

エレベータの電力蓄積装置

【課題】蓄電池の寿命進行度を精度良く予測し報知することで信頼性の高いエレベータの電力蓄積装置を得る。
【解決手段】蓄電池4又はその周辺の温度を測定する温度検出器7、温度検出器7で測定する温度を所定温度刻みで区切った温度区分を設定し、蓄電池4が被った温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各上記温度区分(T1,T2,T3,---)の蓄電池期待寿命比率を算出して得た各値の総和より、蓄電池4の寿命進行度を求める蓄電池監視装置8を備え、蓄電池4の寿命進行度を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベータの蓄電池の寿命進行度を予測し、これを報知する機能を備えたエレベータの電力蓄積装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術を示す特許文献1には、エレベータの停電時救出運転装置において、蓄電池の放電電気量と蓄電池出力電圧の関係から、蓄電池の劣化状態を診断するものが開示されている。また、蓄電池の温度を観測して、上記劣化診断に温度補正を加えて、蓄電池の寿命を判定し、その判定結果を表示するものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−199152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、蓄電池を所定の負荷で放電させて、蓄電池の端子電圧を観測することにより、蓄電池の劣化状態を診断するものである。従って、定期的にこのチェック動作を実施しないと、いざ停電が起きた場合に、救出運転ができないという状態に陥る可能性がある。蓄電池は化学反応を用いるものであり、温度等の設置環境により、ある時急に劣化が進行することも考えられる。さらに温度補正を加えることが記載されているが、温度は日々刻々と変化するものであり、その変化に対し、具体的にどう補正を加えるのか定かでない。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、蓄電池の寿命進行度を精度良く予測し報知することで信頼性の高いエレベータの電力蓄積装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わるエレベータの電力蓄積装置は、エレベータの駆動回路に接続された蓄電池充放電回路、上記充放電回路によって充電され、エレベータへの電力供給を担う時又は停電時に電源として動作する蓄電池を備えたエレベータの電力蓄積装置において、上記蓄電池又はその周辺の温度を測定する温度検出器、上記温度検出器で測定する温度を所定温度刻みで区切った温度区分を設定し、上記蓄電池が被った上記温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、上記温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各上記温度区分(T1,T2,T3,---)の蓄電池期待寿命比率を算出して得た各値の総和より上記蓄電池の寿命進行度を求める蓄電池監視装置を備え、上記蓄電池の寿命進行度を報知するようにしたものである。
【0007】
また、エレベータの駆動回路に接続された蓄電池充放電回路、上記充放電回路によって充電され、停電時に電源として動作する蓄電池を備えたエレベータの電力蓄積装置において、上記蓄電池の充電電流を測定する電流検出器、上記蓄電池又はその周辺の温度を測定する温度検出器、上記温度検出器で測定する温度を所定温度刻みで区切った温度区分を設定し、上記蓄電池が被った上記温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、上記温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各上記温度区分(T1,T2,T3,---)の蓄電池期待寿命比率を算出して得た各値の総和より上記蓄電池の寿命進行度を求める蓄電池監視装置を備え、上記蓄電池の寿命進行度を報知すると共に、上記蓄電池が充電完了された後の充電電流を上記電流検出器で観測し、上記充電電流が所定値以上に上昇した場合に、上記蓄電池の異常と判定し、上記蓄電池充放電回路の充電動作を停止するか又は上記蓄電池充放電回路の充電出力電圧を下げて、上記蓄電池の充電電流を抑えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明のエレベータの電力蓄積装置によれば、蓄電池又はその周辺の温度を測定する温度検出器、上記温度検出器で測定する温度を所定温度刻みで区切った温度区分を設定し、上記蓄電池が被った上記温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、上記温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各上記温度区分(T1,T2,T3,---)の蓄電池期待寿命比率を算出して得た各値の総和より上記蓄電池の寿命進行度を求める蓄電池監視装置を備え、上記蓄電池の寿命進行度を報知するようにしたので、エレベータ毎に異なる設置環境において、蓄電池の寿命進行度を精度良く予測することができ、信頼性の高いエレベータの電力蓄積装置が実現できる。
【0009】
また、蓄電池の充電電流を測定する電流検出器、上記蓄電池又はその周辺の温度を測定する温度検出器、上記温度検出器で測定する温度を所定温度刻みで区切った温度区分を設定し、上記蓄電池が被った上記温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、上記温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各上記温度区分(T1,T2,T3,---)の蓄電池期待寿命比率を算出して得た各値の総和より上記蓄電池の寿命進行度を求める蓄電池監視装置を備え、上記蓄電池の寿命進行度を報知すると共に、上記蓄電池が充電完了された後の充電電流を上記電流検出器で観測し、上記充電電流が所定値以上に上昇した場合に、上記蓄電池の異常と判定し、上記蓄電池充放電回路の充電動作を停止するか又は上記蓄電池充放電回路の充電出力電圧を下げて、上記蓄電池の充電電流を抑えるようにしたので、エレベータ毎に異なる設置環境において、蓄電池の寿命予測を精度良く予測することができ、信頼性の高いエレベータの電力蓄積装置が実現できる。また、蓄電池の充電電流を観測することにより、精度良く蓄電池の異常状態を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1であるエレベータの電力蓄積装置を有するエレベータ制御装置を示す構成図である。図において、商用電源1は、通常時にエレベータの動力源となる。エレベータ駆動回路2は、電源より供給された電力を可変電圧可変周波数の電力に調整制御してエレベータ駆動用モータ3に供給する。蓄電池4は通常時に電源1からの電力又はエレベータの回生電力が一時蓄えられ、停電の非常時等に電源として利用される。蓄電池充放電回路5はエレベータ駆動回路2に接続されて、直流電力で蓄電池4を充電し、停電時又は力行運転時等に蓄電池4の直流電力をエレベータ駆動回路2に供給する。
【0011】
電圧検出回路6は蓄電池4の端子電圧を検出する。温度検出器7は蓄電池の温度(表面温度)又はその周辺の温度を検出する。蓄電池監視装置8は、電圧検出回路6の出力と温度検出器7の出力を取り込み、蓄電池4の状態を監視すると共にその結果を表示する。エレベータ制御装置は、エレベータの運転を制御すると共に、蓄電池監視装置8の出力結果を受けて蓄電池充放電回路5とエレベータ駆動回路2を制御する。
【0012】
次に動作について説明する。エレベータ制御においては、最近、省エネルギーの観点から、回生電力を電力蓄積装置に一時的に蓄えると共に、電力使用量の大きい時に蓄積電力を放出させて、使用電力量の平準化を行うようになった。一方従来より、停電等発生時に救出運転ができるよう電力蓄積装置に電力を蓄えるものがある。この場合の蓄電池は、現在、経済性メリットから安価な鉛蓄電池が一般的に使用されている。
【0013】
鉛蓄電池の寿命について説明する。図3は鉛蓄電池の温度(℃)と期待寿命(年)の関係を示す特性図である。ここで曲線が2本あるのは、期待寿命の上限値と下限値を示すものである。例えば、電池温度が常時25℃以下の環境であれば、下限値3年、上限値5年の期待寿命であることを示し、温度が上昇する毎に期待寿命が短くなっていく関係を示している。
【0014】
蓄電池の寿命判定について説明する。図2は蓄電池監視装置を示す構成図である。蓄電池監視装置8には、制御用CPU81,時計82,電池監視装置8のプログラムが保存されるROM83,データが保存されるRAM84,表示器85、及び、インターフェイス80,及び入出力端86を有している。蓄電池監視装置8は、温度検出器7で測定する蓄電池4の温度を、所定温度(例えば5℃)刻みで区切った温度区分(T1,T2,T3,---)を設定し、RAM84に保存している。蓄電池監視装置8は、日々刻々と変化する蓄電池4の温度を、上記温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)として計測し、RAM84に累積している。図4は蓄電池4の温度区分(℃)毎の累積時間(t1,t2,t3,---時間)を示す図である。
【0015】
例えば、0〜5℃をT1区分、6〜10℃をT2区分、11〜15℃をT3区分、16〜20℃をT4区分、21〜25℃をT5区分、26〜30℃をT6区分、31〜35℃をT7区分、36〜40℃をT8区分、41〜45℃をT9区分、46〜50℃をT10区分、51〜55℃をT11区分、56〜60℃をT12区分とする。図4では、対象とする蓄電池4について、計測開始より、各温度区分T1〜T12であったときの累積時間が、ある時刻において、それぞれt1〜t12時間であったことを示している。このとき、寿命進行度は次の式により算出することができる。
【0016】
【数1】

【0017】
上式において、蓄電池温度Ti区分における期待寿命は、図3において、期待寿命としては下限値に着目し、例えば、温度区分T6(26〜30℃)では、温度中心値27.5℃の期待寿命2.4年を採用している。同様にして採用した各温度区分(T1,T2,T3,---)毎の期待寿命(年)は、蓄電池監視装置8のROM83に保存している。蓄電池4の予測される寿命進行度は、上式に基づき、時々刻々と、例えば、蓄電池監視装置8のCPU81の空時間を利用して算出し、これを表示器85に表示し報知している。例えば、予測される寿命進行度が1を超えたとき、寿命と判定し、これを警告表示又は警告報知する。寿命と判定したときは、蓄電池監視装置8は、判定結果をエレベータ制御装置9に送信し、保守会社(保守マン)やビルオーナーに異常を警告する。
【0018】
なお、上述では、5℃の温度刻みの例を説明したが、温度刻み幅を細かくすることにより、より精度の高い寿命進行度予測ができる。また、温度区分毎の期待寿命の選択によって、マージンの取り方を種々選択できる。鉛蓄電池で説明したが、同様な技術思想が適用できる蓄電池(温度―寿命曲線のあるもの)であれば、鉛蓄電池に限ることはない。さらに、蓄電池は、停電時に電源として動作する蓄電池、又は、それに加えて回生電力を蓄積してエレベータへの電力供給を担う蓄電池に対しても、この発明の寿命進行度予測の技術思想は適用可能である。
【0019】
上式においては、蓄電池の予測される寿命進行度は、計測開始より、蓄電池4が被った温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各温度区分(T1,T2,T3,---)の期待寿命比率を算出(乗算又は割算して出力)して得た各値[t1/(3×365×24),t2/(3×365×24),---,t7/(1.8×365×24),---]の総和より求めている。なお、期待寿命比率の乗算と、期待寿命比率の逆数の割算は、等価であることは言うまでもない。
【0020】
蓄電池監視装置8で求めた蓄電池の予測される寿命進行度は、蓄電池監視装置8の表示器85に表示して観測できるようにすると共に、蓄電池の寿命進行度が1又は適宜設定した所定値に達した時は、判定結果をエレベータ制御装置9に送信し、保守会社(保守マン)やビルオーナーに異常を警告報知する。このように構成することにより、エレベータ毎に異なる設置環境において、蓄電池の寿命予測を精度良く予測することができ、信頼性の高いエレベータの電力蓄積装置が実現できる。また、予防保全として充分なマージンをとって短めに設定した定期交換周期に対して、この発明では、設置環境に応じた適切な交換時期に交換が実現できるため、ライフサイクルコストを抑制できる。
【0021】
実施の形態2.
図1の構成において、エレベータの設置環境が標準環境にあって、蓄電池4の放熱が適切に実現されていれば、温度検出器7で測定される蓄電池4の温度は想定される温度変化内にあるはずである。特に適切な定電圧でトリクル充電されている状態においては、自己発熱が小さいため、安定した温度にあるはずである。そのため、実施の形態2では、蓄電池4の温度が所定の温度(例えば、70℃)以上に上昇したときに、蓄電池監視装置8が蓄電池4を異常と判定し、これを表示器に表示し報知する。また、必要に応じて、蓄電池監視装置8は、異常判定結果をエレベータ制御装置9に送信し、保守会社(保守マン)やビルオーナーに異常を警告する。
【0022】
蓄電池4が異常と判定されたときは、蓄電池監視装置8の出力信号により蓄電池充放電回路5の動作を停止させたり、その出力電圧を低下させたりして、蓄電池4の異常発熱の源となっている充電電流を抑えるように制御する。上記制御により、蓄電池4が熱逸走状態となって劣化が著しく進行するのを抑制できる。また、異常判定結果を報知することにより、蓄電池4が劣化し短絡事故に至る場合の異常過熱等を未然に防ぐことができ、異常状態の蓄電池4の継続使用による危険な状態を早期に発見して防ぐことができる。
【0023】
実施の形態3.
図5は実施の形態3であるエレベータの電力蓄積装置を有するエレベータ制御装置を示す構成図である。実施の形態1と同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を省略する。実施の形態1に対して、蓄電池4の充電電流を検出する電流検出器10を備え、計測した電流出力を蓄電池監視装置8に入力している。
【0024】
エレベータの蓄電池4は、停電等の非常時にのみ電源として用いるスタンバイユースの使用方法となっているタイプのものもある。この場合は、不時の使用に備えて、トリクル充電(trickle charge)又はフロー充電によって、常に充電状態に保っておく必要がある。通常、エレベータが商用電源1で動作している間は、蓄電池充放電回路5の動作により蓄電池4は所要量の充電状態に保たれている。
【0025】
蓄電池充放電回路5は,充電電流を制限した定電圧充電方式が推奨されている。図6は鉛蓄電池の充電特性を示す特性図である。図6においては、0.25CAに電流値が制限され、2.275V/セルに定電圧化された充放電回路の充電特性である(なお、単位のCAのCは蓄電池定格容量の数値、Aはアンペアを示す。例えば、C=7Ahアンペア・アワーの蓄電池であれば、0.25CA=0.25×7A=1.75Aとなる。)。ここでは、10時間も経過すれば、蓄電池4は充電完了(満充電)となり、自己放電分を補うトリクル電流のみが蓄電池4に流れる状態となる。蓄電池4が正常状態であれば、トリクル電流は安定した電流値を保つことになるが、周囲温度が高くなった場合には,熱逸走(サーマルラン)現象に至り、トリクル電流が増加することがある。また、劣化した蓄電池4を使用し続けた場合には、蓄電池4の内部短絡が発生し、トリクル電流が増加することがある。
【0026】
この実施の形態3では、蓄電池4が充電完了(満充電)となった後のトリクル電流の増加現象を観測し、トリクル電流が所定値(例えば、通常のトリクル電流の10倍)を超えて増加したとき、これが、例えば、所定時間(例えば、1時間)以上継続した場合には、蓄電池4が異常状態と判定し、これを表示器に表示し報知する。また、必要に応じて、蓄電池監視装置8は、異常判定結果をエレベータ制御装置9に送信し、保守会社(保守マン)やビルオーナーに異常を警告する。
【0027】
蓄電池4が異常と判定されたときは、蓄電池監視装置8の出力信号により蓄電池充放電回路5の充電動作を停止させたり、その充電出力電圧を低下させたりして、蓄電池4の異常発熱の源となっている充電電流を抑えるように制御する。上記制御により、蓄電池4が熱逸走状態となって劣化が著しく進行するのを抑制できる。また、異常判定結果を報知することにより、蓄電池4が劣化し短絡事故に至る場合の異常過熱等を未然に防ぐことができ、異常状態の蓄電池4の継続使用による危険な状態を早期に発見して防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施の形態1であるエレベータの電力蓄積装置を有するエレベータ制御装置を示す構成図である。
【図2】図1の蓄電池監視装置を示す構成図である。
【図3】鉛蓄電池の温度(℃)と期待寿命(年)の関係を示す特性図である。
【図4】蓄電池の温度区分(℃)毎の累積時間(時間)を示す図である。
【図5】実施の形態3であるエレベータの電力蓄積装置を有するエレベータ制御装置を示す構成図である。
【図6】図5の充放電回路の充電特性を示す特性図である。
【符号の説明】
【0029】
1 商用電源 2 エレベータ駆動回路
3 エレベータ駆動用モータ 4 蓄電池
5 蓄電池充放電回路 6 電圧検出回路
7 温度検出器 8 蓄電池監視装置
9 エレベータ制御装置 10
80 インターフェイス 81 制御用CPU
82 時計 83 ROM
84 RAM 85 表示器
86 入出力端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの駆動回路に接続された蓄電池充放電回路、上記充放電回路によって充電され、エレベータへの電力供給を担う時又は停電時に電源として動作する蓄電池を備えたエレベータの電力蓄積装置において、上記蓄電池又はその周辺の温度を測定する温度検出器、上記温度検出器で測定する温度を所定温度刻みで区切った温度区分を設定し、上記蓄電池が被った上記温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、上記温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各上記温度区分(T1,T2,T3,---)の蓄電池期待寿命比率を算出して得た各値の総和より上記蓄電池の寿命進行度を求める蓄電池監視装置を備え、上記蓄電池の寿命進行度を報知するようにしたエレベータの電力蓄積装置。
【請求項2】
上記蓄電池監視装置は、求めた上記蓄電池の寿命進行度より、上記蓄電池が寿命と判断されたときこれを報知するようにした請求項1記載のエレベータの電力蓄積装置。
【請求項3】
上記温度検出器で測定した温度が所定の温度を超えたときは、上記蓄電池を異常と判定し、上記蓄電池充放電回路の動作を停止するか又は上記蓄電池充放電回路の出力電圧を下げて、上記蓄電池の充電電流を抑えるようにした請求項1記載のエレベータの電力蓄積装置。
【請求項4】
エレベータの駆動回路に接続された蓄電池充放電回路、上記充放電回路によって充電され、停電時に電源として動作する蓄電池を備えたエレベータの電力蓄積装置において、上記蓄電池の充電電流を測定する電流検出器、上記蓄電池又はその周辺の温度を測定する温度検出器、上記温度検出器で測定する温度を所定温度刻みで区切った温度区分を設定し、上記蓄電池が被った上記温度区分(T1,T2,T3,---)毎の累積時間(t1,t2,t3,---)を計測し、上記温度区分毎の累積時間(t1,t2,t3,---)に、各上記温度区分(T1,T2,T3,---)の蓄電池期待寿命比率を算出して得た各値の総和より上記蓄電池の寿命進行度を求める蓄電池監視装置を備え、上記蓄電池の寿命進行度を報知すると共に、上記蓄電池が充電完了された後の充電電流を上記電流検出器で観測し、上記充電電流が所定値以上に上昇した場合に、上記蓄電池の異常と判定し、上記蓄電池充放電回路の充電動作を停止するか又は上記蓄電池充放電回路の充電出力電圧を下げて、上記蓄電池の充電電流を抑えるようにしたエレベータの電力蓄積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−312528(P2006−312528A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−135940(P2005−135940)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】