説明

エンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー

【課題】部品数を減少させコストを節減するエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーを提供する。
【解決手段】上面にコネクター300が実装された回路基板200;回路基板200に設置され、搭載されたディスクを回転させるスピンドルモーター;及びコネクター300上に搭載され、ディスクの認識マークを感知してディスクの回転速度を感知するエンコーダ500;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
スピンドルモーターは、ODD(Optical Disk Drive)の内部に設置され、直線運動する光ピックアップがディスクに記録されたデータを読み取ることができるようにディスクを回転させる機能をする。
【0003】
ODDの技術進歩につれて、CD(Compact Disk)またはDVD(Digital Versatile Disk)の表面に所望のデザインをレーザーで印刷するライトスクライブ(Light Scribe)機能が付加されたODDが開発されて使用されている。
【0004】
ところが、ディスクに記録された情報を再生するとかディスクに情報を記録するためには、ディスクを約5、400rpm程度の高速で回転させなければならないし、ディスクの表面にデザインを印刷するためには、ディスクを40rpm程度の低速で回転させなければならない。
【0005】
このため、スピンドルモーターには、ディスクの表面にデザインを印刷するとき、ディスクが適正な回転速度で回転されるかどうかを感知するエンコーダ(Encoder)が設置される。
【0006】
図1及び図2は、従来の一例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターの一部構成を示す平面図及び断面図をそれぞれ示している。これを参照して従来のエンコーダ設置構造を説明する。
【0007】
図1及び図2に示すように、エンコーダ40は、ターンテーブルに搭載されたディスク50の認識マーク52の下側のベースプレート10に付着された回路基板20に設置される。
【0008】
ここで、ベースプレート10に付着される回路基板20には、モーター駆動ICの多機能化、複合化によって徐々に複雑になり、多様な回路及びチップ部品を狭小な空間に搭載しようとする必要性によって、半導体IC(図示せず)、チップ部品(図示せず)及びコネクター60などが上面に表面実装される。
【0009】
この際、エンコーダ40は、ディスク50に所定間隔の範囲内で接近しなければ所望の仕様の正確度を得ることができないから、回路基板20の上面に付加の支持部材を設置した後、支持部材の上部に搭載される。
【0010】
このため、従来のスピンドルモーターは、ホルダー32と補助プリント基板34を積層した後、端子36をホルダー32と補助プリント基板34に貫通させてホルダー32と補助プリント基板34を一体的に結合した支持部材30aを使用した。
【0011】
しかしながら、前記のような従来のスピンドルモーターは、エンコーダ40を設置するために、ホルダー32と補助プリント基板34からなる付加の支持部材30aが回路基板20に設置されなければならないため、部品数が増加し、これによって製造コストが上昇する問題点があった。
【0012】
特許文献1には、このような問題点を解決するために、両面プリント基板を利用してエンコーダを設置する技術が開示されている。これを図3に概略的に示した。
【0013】
図3に示すように、特許文献1には、メーンプリント基板20に両面プリント基板30bを連結した後、両面プリント基板30bの上面にエンコーダ40を搭載することにより、ホルダーのような付加の部材が必要でないエンコーダ設置構造が開示されている。
【0014】
しかしながら、特許文献1に開示されたエンコーダ設置構造もエンコーダ40を搭載するための付加の支持部材、つまり両面プリント基板30bの使用が要求されるため、図1及び図2に示すエンコーダ搭載構造と同様に、部品数が増加し、これによって製造コストが上昇する問題点があった。
【0015】
更に、図1〜図3に示すように、エンコーダを搭載するために、付加の支持部材を回路基板に設置する場合には、コネクター60を含む他の部品の実装空間が減少し、その設計位置に制約がある問題点があった。
【0016】
特に、近年、モーター駆動ICの多機能化、複合化によって、回路基板20に搭載される部品数が増加してこのような問題点は一層深刻になる傾向があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第2007−0092434号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、部品数を減らしコストを節減するだけでなく、空間活用性を増大させることができるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
即ち、本発明によれば、本発明はエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーであって、上面にコネクターが実装された回路基板;前記回路基板に設置され、搭載されたディスクを回転させるスピンドルモーター;及び前記コネクター上に搭載され、前記ディスクの認識マークを感知して前記ディスクの回転速度を感知するエンコーダ;を含む、エンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーを提供する。
【0020】
このとき、コネクターは、前記ディスクの認識マークを感知するために、前記認識マークの下側の前記回路基板に設置されることが好ましく、コネクター上には、前記回路基板と電気的に接続されるコネクターピンと連結されたピン延長部が延設され、前記エンコーダは前記ピン延長部に接続されることが好ましい。
【0021】
また、エンコーダは、エンコーダピンが前記ピン延長部と半田付けで連結されていることが好ましい。
【0022】
更に、スピンドルモーターは、回転軸;内側にローターマグネットが付着され、中央部が前記回転軸に挿入されて前記回転軸と一体的に回転し、前記ディスクが搭載されるローターケース;前記回転軸を回転可能に支持するベアリングが内部に設置されるベアリングホルダー;前記ローターマグネットと向かい合うように前記ベアリングホルダーの外周面に設置され、外部電源の印加の際、前記ローターマグネットとの相互作用によって前記ローターケースを回転させる電気子;及び前記ベアリングホルダーが固定結合され、上部に前記回路基板が付着されたベースプレート;を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、回路設置されるコネクターの上部にエンコーダを設置することで、エンコーダ設置のための追加部品が不要で、部品数が減少しコストが節減され、空間活用性が増大することになる。
【0024】
また、本発明によれば、一般的に使用される多様な高さを持つコネクターを採用することで、スピンドルモーターの種類によってエンコーダとディスクの高さを調節することができる。
【0025】
本発明の特徴及び利点は添付図面に基づいた以降の詳細な説明からより明らかになるであろう。本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者がその自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来の一例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターの一部構成を示す平面図である。
【図2】従来の一例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターの一部構成を示す断面図である。
【図3】従来の他の例によるスピンドルモーターの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の好適な実施例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーの断面図である。
【図5】本発明の好適な実施例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーの部分平面図である。
【図6】本発明の好適な実施例によるコネクターとエンコーダの連結状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、利点及び特徴は添付図面を参照する以下の詳細な説明及び好適な実施例からもっと明らかになろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際して、同じ構成要素には、たとえ異なる図面に表示されていても、できるだけ同一符号を付けることにする。また、本発明の説明において、関連の公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要にあいまいにすることができると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0028】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0029】
図4は本発明の好適な実施例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーの断面図、図5は図4に示すエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーの部分平面図である。
【0030】
以下、これら図を参照して、本実施例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー100について説明する。
【0031】
図4及び図5に示すように、本実施例によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー100は、回路基板200、スピンドルモーター400、及びエンコーダ500を含んでなり、エンコーダ500が回路基板200に設置されるコネクター300の上部に搭載されることを特徴とする。
【0032】
回路基板200は、スピンドルモーター400の駆動信号を制御するためのもので、ベースプレート450の上部に結合され、その上面にコネクター300を含む多様な部品が実装される。
【0033】
本実施例において、コネクター300は、元の機能だけでなくエンコーダ搭載ホルダーの役目を同時にする。このために、エンコーダ500が、設置されるべき位置の回路基板200に実装される。すなわち、コネクター300は認識マークFの下側の回路基板200に実装される。
【0034】
この際、コネクター300は、コネクターピン320が回路基板200と電気的に接続され、その上部には、前記コネクターピン320と連結されたピン延長部340が形成される。この際、ピン延長部340は、コネクター300に搭載されるエンコーダ500のエンコーダピン520の数及び大きさを考慮して形成されることが好ましい。
【0035】
一方、コネクター300は、スピンドルモーターアセンブリーの種類(大きさ)を考慮して、エンコーダ500が認識マークFの所定間隔範囲内に配置できるように、多様な高さを持つことができる。近年、スピンドルモーターには約2mmの高さを持つコネクターと約1mmの高さを持つコネクターが多く使用されている実情である。
【0036】
一般に、12.7mm用ライトスクライブスピンドルモーターには、2.4〜2.5mmの高さを持つエンコーダホルダー(支持部材)が使用され、9.5mm用ライトスクライブスピンドルモーターには1.2〜1.4mmの高さを持つエンコーダホルダーが使用される。前者の場合には、約2mmの高さを持つコネクターを使用することでエンコーダホルダーを代替することができ、後者の場合には、約1mmの高さを持つコネクターを使用することでエンコーダホルダーを代替することができる。
【0037】
スピンドルモーター400は、回路基板200に設置されて、搭載されたディスクDを回転させるためのもので、回転軸410、ローターケース420、ベアリング434を支持するベアリングホルダー430、電気子440、及びベースプレート450を含んでなる。
【0038】
回転軸410は、ローターケース420を軸支するためのもので、ディスクDを支持するローターケース420の中央部に挿入され、所定直径を持つ円柱形状を持つ。
【0039】
ここで、回転軸410の下側部は、スラストワッシャ(図面符号なし)によって軸方向に支持され、スラストワッシャはスラストワッシャカバー(図面符号なし)に固定設置される。
【0040】
ローターケース420はディスクDを搭載するためのもので、その中央部が回転軸410に挿入され、回転軸410の回転によって一体的に回転される。
【0041】
ここで、ローターケース420は、例えば回転軸410に固定設置されて、回転軸410から垂直に伸びる円盤部422と、この円盤部422の末端から下部に垂直に伸びた環形の円周部424とを持つ。
【0042】
この際、円盤部422の上部には、ディスクDを押して固定するためのチャッキング組立体426が備えられ、円周部424の内周面には、電気子440のコイル444と電磁気力によってローターケース420を回転させる力を発生させるローターマグネット428が付着される。
【0043】
ベアリングホルダー430は、回転軸410を回転可能に支持するベアリング434を支持するためのもので、その内周面がベアリング434を支持するように設置される。
【0044】
ここで、ベアリングホルダー430は、ベースプレート450の結合孔452に挿入され、末端がコーキング(cauking)またはスピニング(spinning)処理によってベースプレート450に固定結合される。
【0045】
また、ベアリングホルダー430は、全体的に中空の円筒状を持ち、外周面に、電気子440のコア442が定着される定着面432が形成されるように段差部をなし、下側部に設置されるスラストワッシャカバーを固定支持するために、末端がスラストワッシャカバーの下側面側にコーキングまたはスピニング処理される。
【0046】
電気子440は、外部電源の印加を受けて電場を形成するためのもので、コア442とこのコア442に巻線されるコイル444とからなる。
【0047】
コア442は、ベアリングホルダー430の定着面432に定着された後、固定設置される。
【0048】
コイル444は、外部から印加される電源によって電場を形成することにより、ローターケース420のローターマグネット428との間に形成される力でローターケース420を回転させるためのもので、コア442に多数回巻線される。
【0049】
一方、電気子440の上部には、ローターケース420との磁気引力によって、ディスク回転によるローターケース420の浮上を防止するために、環状の吸引マグネット436が設置される。
【0050】
例えば、図4には、吸引マグネット436が電気子440の上部に設置されるものとして示されているが、ベアリングホルダー430の上部に設置されることも可能である。
【0051】
ベースプレート450は、スピンドルモーター400を全体的に固定支持するためのもので、スピンドルモーター400が設置されるハードディスクドライブなどの装置に固定設置され、その上部には、スピンドルモーター400を回転させるために電気が流れる回路(図示せず)が形成された回路基板200が結合される。この際、ベースプレート450の一側にはベアリングホルダー430が結合される。
【0052】
エンコーダ500は、ディスクDの認識マークFに光ビームを走査することで、ディスクDが装着されたローターケース420の回転速度を感知し、これを制御するためのもので、ディスクDに結ぶ光ビームの焦点を考慮して、ディスク(D)に対しておよそ1〜2mm程度の間隔を置いて設置される。
【0053】
本実施例においては、エンコーダ500が回路基板200に設置されたコネクター300の上部に搭載され、これにより別の支持部材が不要になる。
【0054】
一方、エンコーダ500は、コネクター300と電気的に連結され、その具体的な連結構造については図6を参照する説明部分で詳細に説明する。
【0055】
図6は、本発明の好適な実施例によるコネクターとエンコーダの連結状態を説明する図である。
【0056】
図6に示すように、エンコーダ500のエンコーダピン520は、回路基板200と電気的に接続されるコネクター300のコネクターピン320と連結された状態で、コネクター300の上部に延設されたピン延長部340と電気的に連結される。
【0057】
この際、連結の信頼性を保障するために、エンコーダピン520はコネクター300のピン延長部340と半田付けまたは熔接(超音波)によって連結されることが好ましい。
【0058】
一方、図6には、コネクター300の上部にピン延長部340を形成することでエンコーダ500がコネクター300と連結される構造が示されているが、これは例示的なもので、二つの構成要素を連結するために多様な構造が適用可能であることは自明である。例えば、ワイヤ、半田、またはメッキなどの多様な連結構造が適用可能である。
【0059】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのもので、本発明によるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーはこれに限定されなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を持った者によって多様な変形及び改良が可能であろう。本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の範疇内に属するもので、本発明の具体的な保護範囲は特許請求範囲によって明らかに決まるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、部品数を減らしコストを節減するだけでなく、空間活用性を増大させるエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリーに適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
100 スピンドルモーターアセンブリー
200 回路基板
300 コネクター
320 コネクターピン
340 ピン延長部
400 スピンドルモーター
500 エンコーダ
520 エンコーダピン
D ディスク
F 認識マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にコネクターが実装された回路基板;
前記回路基板に設置され、搭載されたディスクを回転させるスピンドルモーター;及び
前記コネクター上に搭載され、前記ディスクの認識マークを感知して前記ディスクの回転速度を感知するエンコーダ;
を含むことを特徴とする、エンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー。
【請求項2】
前記コネクターが、前記ディスクの認識マークを感知するために、前記認識マークの下側の前記回路基板に設置されることを特徴とする、請求項1に記載のエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー。
【請求項3】
前記コネクター上には、前記回路基板と電気的に接続されるコネクターピンと連結されたピン延長部が延設され、前記エンコーダは前記ピン延長部に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー。
【請求項4】
前記エンコーダが、エンコーダピンが前記ピン延長部と半田付けで連結されていることを特徴とする、請求項3に記載のエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー。
【請求項5】
前記スピンドルモーターが、
回転軸;
内側にローターマグネットが付着され、中央部が前記回転軸に挿入されて前記回転軸と一体的に回転し、前記ディスクが搭載されるローターケース;
前記回転軸を回転可能に支持するベアリングが内部に設置されるベアリングホルダー;
前記ローターマグネットと向かい合うように前記ベアリングホルダーの外周面に設置され、外部電源の印加の際、前記ローターマグネットとの相互作用によって前記ローターケースを回転させる電気子;及び
前記ベアリングホルダーが固定結合され、上部に前記回路基板が付着されたベースプレート;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のエンコーダが搭載されたスピンドルモーターアセンブリー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−288434(P2010−288434A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187339(P2009−187339)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】