説明

オフノ−トを遮断する官能有機化合物

消耗品においてオフノートを遮断する化合物、およびアスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK(アセスルファムカリウム)、スクラロースおよびチクロを含む人工甘味料により提供されるオフノートを含み;消耗品遮断ステビオシド、羅漢果抽出物、グリチルリチン、ペリラルチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モグロシドV、ルブソシド、ルブス抽出物およびレバウジオシドAを含む消耗品における、オフノート遮断方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
消耗品(consumable)における望ましくないオフノ−トを、マスクあるいは遮断することを可能とする化合物、および消耗品において該化合物を用いたオフノ−トを遮断する方法を開示する。
【0002】
概要
以下を提供する:
(1)4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸、3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸、2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタン酸、1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸;
(E)−3−(1−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)シクロプロピル)アクリル酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタ−2−エン酸、1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸、2,2−ジメチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、2−((1,4−ジメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)−1−メチルシクロプロパンカルボン酸、2−(1−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロピル)プロパン酸、2−(1−((1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、3,3−ジメチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ブタン酸、(E)−1−(2−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ビニル)シクロプロパンカルボン酸、(E)−1−(2−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ビニル)シクロプロパンカルボン酸、(E)−4−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(8−メチルスピロ[2.5]オクタ−7−エン−4−イル)ブタ−2−エン酸、1−(2−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)エチル)シクロプロパンカルボン酸、2−((6,7−ジメチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)メチル)−1−メチルシクロプロパンカルボン酸、2−(1−((1,4−ジメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)プロパン酸、2−(1−((1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、2−(1−((7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸および4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ブタン酸のうちの1種または2種以上から選択されるオフノ−ト遮断化合物。
【0003】
(2)4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸、3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸、4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸、および2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸のうちの1種または2種以上から選択される、(1)に記載のものを含む、本明細書に記載されたオフノート遮断化合物。
【0004】
(3)オフノートを付与する消耗品成分、ならびに(1)および(2)に記載のものを含む、本明細書のリストされた1種または2種以上のオフノート遮断化合物を含む香料組成。
(4)
a)オフノートを付与するための十分な濃度における、1種または2種以上の成分、ならびに
b)(1)および(2)を含む、本明細書のリストされた、1種または2種以上のオフノート遮断化合物
を含む消耗品。
(5)1種または2種以上のオフノート付与成分が、甘味料、人工甘味料、飲料、チューイングガム、栄養補助食品および医薬品のうちの1種または2種以上から選択される、(4)に記載のものを含む、本明細書に記載の消耗品。
【0005】
(6)1種または2種以上のオフノート付与成分が、アスパルテーム、アセスルファムK、サッカリン、スクラロースおよびシクラミン酸ナトリウムのうちの1種または2種以上から選択される人工甘味料である、(4)に記載のものを含む、本明細書に記載の消耗品。
(7)1種または2種以上のオフノート付与成分が、ステビオシド、羅漢果抽出物、グリチルリチン、ペリラルチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モグロシドV、ルブソシド、ルブス抽出物およびレバウジオシドAのうちの1種または2種以上から選択される甘味料を含む、(4)に記載のものを含む、本明細書記載の消耗品。
【0006】
(8)オフノート付与成分が、ココア、コーヒー、カフェイン、テオブロミン、ジケトピペラジン、ビタミン、アミノ酸、ビタミンB、カゼイン、大豆たんぱく、イブプロフェン、サリチル酸、グルコロノラクトン、アセトアミノフェノン、デキストロメトルファン、ナリンギン、タウリン、マクロライド(ビオキシンおよびエリスロマイシンを含む)、パラセタモール、アセチルサリチル酸、シメチジン、ラニチジン、アモキシシリン、アセトミノフェン(acetominophen)、セファロスポリン、カシア、プロピレングリコール、トリアセチン、カリウム塩、亜鉛塩、ロペラミド、リモニン、フラボノイド、イソフラボン(ゲニステインおよびダイゼイン(diadzein)を含む)、ポリフェノール(カテキンおよびエピカテキンを含む)、ミントオイル、D−メントール、加水分解植物性たんぱく質、苦味ペプチド、保存料(安息香酸、ソルビン酸カリウム、ポリソルベート 80、乳酸ナトリウムおよびカリウム、安息香酸ナトリウムを含む)、クエン酸、キニーネ、尿素(チューイングガム中に含まれる)、エッセンシャルオイル(タイム、セージ、バジル、ミントを含む)、メイラード反応生成物(ピロリジン/グルコース、アラニン/キシロース、プロリン/スクロースまたはアラニン/キシロースから生成された環状アミン、例えばジケトピペラジンを含む)、ビール、ホップ、フムロン、トランス−イソフムロン、ルプロンおよびフルポンのうちの1種または2種以上から選択される消耗品を含む、(4)に記載のものを含む、本明細書記載の消耗品。
【0007】
(10)(a)オフノートを付与するための十分な濃度における、1種または2種以上のオフノート付与成分、および(b)(1)および(2)に記載のものを含む、本明細書にリストされたオフノート遮断化合物のうちの1種または2種以上の化合物、を消耗品と混合することを含む、消耗品におけるオフノートを遮断する方法。
(11)1種または2種以上のオフノート付与成分が、甘味料、人工甘味料、飲料、チューイングガム、栄養補助食品および医薬品からなる群から選択される、(10)に記載のものを含む、本明細書記載の方法。
【0008】
(12)オフノート付与成分が、アスパルテーム、アセスルファムK、サッカリン、スクラロースおよびシクラミン酸ナトリウムから選択される、1種または2種以上の人工甘味料を含む、(10)および(11)に記載のものを含む、本明細書記載の方法。
(13)オフノート付与成分が、ステビオシド、羅漢果抽出物、グリチルリチン、ペリラルチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モグロシドV、ルブソシド、ルブス抽出物およびレバウジオシドAから選択される、1種または2種以上の甘味料を含む、(10)〜(12)に記載のものを含む、本明細書記載の方法。
【0009】
(14)オフノート付与成分が、ココア、コーヒー、カフェイン、テオブロミン、ジケトピペラジン類、ビタミン類、アミノ酸類、ビタミンB、カゼイン、大豆たんぱく、イブプロフェン、サリチル酸、グルコロノラクトン、アセトアミノフェノン、デキストロメトルファン、ナリンギン、タウリン、マクロライド(ビオキシンおよびエリスロマイシンを含む)、パラセタモール、アセチルサリチル酸、シメチジン、ラニチジン、アモキシシリン、アセトミノフェン、セファロスポリン、カシア、プロピレングリコール、トリアセチン、カリウム塩、亜鉛塩、ロペラミド、リモニン、フラボノイド類、イソフラボン類(ゲニステインおよびダイゼインを含む)、ポリフェノール(カテキンおよびエピカテキンを含む)、ミントオイル、D−メントール、加水分解植物性たんぱく質、苦味ペプチド、保存料(安息香酸、ソルビン酸カリウム、ポリソルベート 80、乳酸ナトリウムおよびカリウム、安息香酸ナトリウムを含む)、クエン酸、キニーネ、尿素(チューイングガム中に含まれる)、エッセンシャルオイル(タイム、セージ、バジル、ミントを含む)、メイラード反応生成物(ピロリジン/グルコース、アラニン/キシロース、プロリン/スクロースまたはアラニン/キシロースから生成された環状アミン、例えばジケトピペラジンを含む)、ビール、ホップ、フムロン、トランス−イソフムロン、ルプロンおよびフルポンから選択される、1種または2種以上の消耗品を含む、(10)〜(13)に記載のものを含む、本明細書記載の方法。
【発明の概要】
【0010】
詳細な説明
本明細書において提供されるオフノート遮断化合物は、以下のオフノート遮断化合物を含む:4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸、3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸、2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタン酸、および1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸。これらの化合物の化学構造を以下に示す:
【化1】

【0011】
理論による拘束を希求することなく、オフノート遮断化合物の5員環または6員環部分における1〜3個のシクロプロピル基、および/または、環を酸性基に架橋するリンカーの存在は、オフノート遮断活性を増加させる傾向がある。ある態様によれば、これらの化合物は、苦味オフノート遮断活性の遮断に特に有用である。更に、5員環構造(シクロペンタン)は、同類の6員環構造(シクロヘキサン)より高い活性を有する傾向がある。
【0012】
ある態様によれば、以下の化合物群もまた消耗品におけるオフノートの遮断に有用であり得る:
(E)−3−(1−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)シクロプロピル)アクリル酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタ−2−エン酸、1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸、2,2−ジメチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、2−((1,4−ジメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)−1−メチルシクロプロパンカルボン酸、2−(1−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロピル)プロパン酸、2−(1−((1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、3,3−ジメチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、および4−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ブタン酸、から選択される1種または2種以上の化合物。
【0013】
これらの化合物の化学構造を以下に示す。
【化2】

【0014】
更なる態様によれば、以下の化合物群もまた消耗品におけるオフノートの遮断に有用であり得る:
(E)−1−(2−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ビニル)シクロプロパンカルボン酸、(E)−1−(2−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ビニル)シクロプロパンカルボン酸、(E)−4−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(8−メチルスピロ[2.5]オクタ−7−エン−4−イル)ブタ−2−エン酸、1−(2−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)エチル)シクロプロパンカルボン酸、2−((6,7−ジメチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)メチル)−1−メチルシクロプロパンカルボン酸、2−(1−((1,4−ジメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)プロパン酸、2−(1−((1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、2−(1−((7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、および4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ブタン酸。
【0015】
これらの化合物の化学構造を以下に示す。
【化3】

【化4】

【0016】
大部分の化合物は、当該技術分野においてよく知られた方法により、または以下にあるいは本明細書に記載された例に示されるように、容易に合成可能である。
【0017】
2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタン酸の合成:
2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタン酸は、一段階で、Ochiai et al. 1989, Journal of Organic Chemistry, 54(20), 4832-40に記載された合成経路に類似して、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタナールから合成することが可能である。
【化5】

2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸の合成:
2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸は、以下に示したように、水素およびプラチナ酸化物(H/PtO)を触媒として用い、Gault et al. (1958), Compt. rend., 246, 123-5に記載された合成経路に類似して、2−(3,4−ジメチルフェニル)酢酸から合成することが可能である。
【化6】

【0018】
1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸の合成:
化合物は、(1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロピル)メタノール(別名 Javanol(R))から、塩化ルテニウム(III)および過ヨウ素酸ナトリウムを用い、Hart et al. 2003, Journal of Organic Chemistry 68(1), 187-190に記載された合成経路に類似して、合成することが可能である。
Javanol(R)は、Givaudan, Vernier, Switzerlandより商業的に入手可能である。
【化7】

更なる化合物の合成は、本明細書の以下の例2aから2dに記載されている。当業者には明白であろうように、残りの化合物は同様に合成可能である。
【0019】
濃度−反応分析を伴う受容体スクリーニングを行い、その結果から、遮断濃度(IC)IC50値が、f(x)=(a−d)/(1+(x/C)nh)+dを用いた非線形回帰により計算可能である;a=最小シグナル、d=最大シグナル、nh=ヒル係数、C=IC50およびx=アンタゴニスト濃度である。IC50は、そのアンタゴニストに対する最大可能遮断応答の50%を生成するアンタゴニストのモル濃度である。より強力なアンタゴニストはより低いIC50値を有する。
【0020】
本明細書中に開示される大部分のオフノート遮断化合物は、特に、例えば、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸、3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸、2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタン酸、および1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸は、TAS2R44苦味受容体でテストされる場合、約0.1〜20マイクロモルの範囲におけるIC50値を有する。
食品用途の大部分に対しては、0.05〜10までの低IC50[マイクロモル]が望ましいが、10〜25までのIC50でもまだ好適であり、用途によっては25以上でもなお許容可能である。
【0021】
種々の食品成分(食品中に天然に含有される成分、または香料成分を含む食品に配合される添加物を含む)は、好ましくないオフノートを供する。特に好ましくないオフノートは、苦味オフノート、金属性オフノート、不快な後味(lingering)、甘草型、および渋味オフノートである。オフノートという用語は、消耗品を消費した後、徐々に広がる不快な後味を指す。
他の特定例は、アスパルテーム、AceK、サッカリン、スクラロース、およびシクラミン酸ナトリウムを含む多くの人工甘味料と関連した、苦味、および/または金属製、および/または渋味、および/または「人工的」オフノート、および/または、嫌になるほどの甘味(対語として、砂糖の「すっきりした」甘味)である。時には、これらの人工甘味料のオフノートは、苦味オフノートとして集合的に記述されることもある。
【0022】
オフノート付与成分の更なる例は、ステビオシド、羅漢果抽出物、グリチルリチン、ペリラルチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モグロシドV、ルブソシド、ルブス抽出物およびレバウジオシドAを含む、天然甘味料である。
【0023】
オフノート付与成分の更なる例は、ココア、コーヒー、カフェイン、テオブロミン、ジケトピペラジン類、ビタミン類、アミノ酸類、ビタミンB、カゼイン、大豆たんぱく、イブプロフェン、サリチル酸、グルコロノラクトン、アセトアミノフェノン、デキストロメトルファン、ナリンギン、タウリン、マクロライド(ビオキシンおよびエリスロマイシンを含む)、パラセタモール、アセチルサリチル酸、シメチジン、ラニチジン、アモキシシリン、アセトミノフェン、セファロスポリン、カシア、プロピレングリコール、トリアセチン、カリウム、亜鉛、ロペラミド、リモニン、フラボノイド類、イソフラボン類(ゲニステインおよびダイゼインを含む)、ポリフェノール(カテキンおよびエピカテキンを含む)、ミントオイル、D−メントール、加水分解植物性たんぱく質、苦味ペプチド、保存料(安息香酸、ソルビン酸カリウム、ポリソルベート 80、乳酸ナトリウムおよびカリウム、安息香酸ナトリウムを含む)、クエン酸、キニーネ、尿素(チューイングガム中に含まれる)、エッセンシャルオイル(タイム、セージ、バジル、ミントを含む)、メイラード反応生成物(ピロリジン/グルコース、アラニン/キシロース、プロリン/スクロースまたはアラニン/キシロースから生成された環状アミン、例えばジケトピペラジンを含む)、ビール、ホップ、フムロン、トランス−イソフムロン、ルプロンおよびフルポンを含む。
【0024】
オフノート遮断剤の添加はオフノートを遮断またはマスクし、それらをより目立たなく、または知覚できないようにさせる。その結果、人工甘味料は、それらの苦味/金属性味、および/または嫌になるほどの甘く後味の悪い甘味を失わせ、代わりに、より実際の砂糖(スクロース)のような風味がする。
アスパルテームは、アスパルチル−フェニルアラニン−1−メチルエステルであり、ジペプチド、の名称である。Equal(R)およびCanderel(R)を含む、種々の商標名で知られている。欧州連合においては、Eナンバー(添加物コード)E951でも知られている。
アセスルファムカリウム(AceK)は、6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4(3H)−オン2,2−ジオキシドのカリウム塩で、N−スルフォニルアミドである。アセスルファムKあるいはAceK、またはSunett(R)およびSweet One(R)を含む種々の商標名で知られている。欧州連合においては、Eナンバー(添加物コード)E950でも知られている。
【0025】
サッカリンは、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドのNa塩で、N−スルホンアミドである。Sweet'n low(R)を含む種々の商標名でも知られている。
スクラロースは、6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクト−フラノシル−4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシド、クロロデオキシ糖の名称である。商標名Splenda(R)としても知られている。欧州連合においては、Eナンバー(添加物コード)E955でも知られている。スクラロースは、苦いとも描写されることもある、後に残る甘草様オフノートであるオフノート(「アフターテイスト」とも呼ばれる)を有する。
【0026】
オフノート遮断剤は、消耗品中に存在する成分の好ましくないオフノートを遮断するために該消耗品に添加されることが可能であり、またはそのような消耗品に添加されることが可能である。
消耗品への添加のための香料組成物は、オフノート遮断剤、および消耗品への添加のためのオフノートを付与する成分、ならびに任意で食品グレードの賦形剤を提供するように形成される。二者択一的に、オフノート遮断剤を直接消耗品に添加することが可能である。
特に、オフノート遮断剤は、そのような消耗品に添加される天然および人工甘味料を含む、オフノート付与成分の好ましくないオフノートを遮断するために、香料組成物または直接消耗品に添加されることが可能である。
【0027】
消耗品は、全ての食品、食品添加物、栄養補助食品、医薬品、およびチューイングガム、オーラルケア製品およびオーラル衛生製品を含む口内に入れられる全ての製品を含み、シリアル製品、米製品、タピオカ製品、サゴヤシ製品、製パン製品(baker’s products)、ビスケット製品、ペストリー製品、パン製品(bread products)、菓子製品、デザート製品、ガム、チューイングガム、マウスウォッシュ、デンタルフロス、風味付あるいは風味コーティングストロー、風味付あるいは風味コーティング食品/飲料容器、チョコレート、氷、蜂蜜製品、糖蜜製品、イースト製品、ベーキングパウダー、塩およびスパイス製品、サボリー製品、からし製品、酢製品、ソース(調味料)、タバコ製品、シガー、シガレット、加工食品、調理果物および野菜製品、肉および肉製品、ゼリー、ジャム、フルーツソース、卵製品、牛乳および乳製品、ヨーグルト、チーズ製品、バターおよびバター代用製品、牛乳代用製品、大豆製品、食用油および脂肪製品、薬剤(medicament)、飲料、炭酸飲料、アルコール飲料、ビール、ソフトドリンク、ミネラルおよび炭酸水(aerated)ならびに他のノンアルコール飲料、フルーツ飲料、フルーツジュース、コーヒー、人工コーヒー、茶、ココア、再構成を要する形態のものを含む、食品抽出物、植物抽出物、肉抽出物、調味料、栄養補助食品、ゼラチン、医薬的および非医薬的ガム、タブレット、トローチ剤、ドロップ、エマルション、エリキシル剤、シロップおよび飲料製造のための他の調製物、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0028】
例えば、カリウムを含む消耗品において、カリウムに関係する苦味および金属性オフノートを遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
コーヒーおよびココア製品において、該製品に存在するカフェイン、テオブロミンおよび/またはジケトピペラジンに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
チーズ製品において、特に酵素で修飾されたチーズ製品において、該製品に存在する苦味ペプチドに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
【0029】
大豆製品において、該製品に存在するペプチド、ゲニステインおよびダイゼインなどのイソフラボンに関係する苦味および豆様オフノートを遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
HVP(植物タンパク質加水分解物)製品において、該製品に存在する苦味ペプチドに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
強化食品に使用される機能性成分において、該製品に存在するビタミンおよびアミノ酸に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
【0030】
医薬品において、該製品に存在する活性物質または苦味添加物に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
溶剤を含む消耗品において、該製品に存在するプロピレングリコール、トリアセチンまたはエタノールに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
かんきつ類製品において、該製品に存在するナルギニンに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
栄養補助食品および漢方薬において、該製品に存在する活性物質または添加物に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
【0031】
カテキンおよびエピカテキンなどのポリフェノールを含む消耗品において、これらの成分に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
ソルビン酸ナトリウム、ポリソルベート 80、乳酸ナトリウムおよびカリウム、安息香酸ナトリウムなどの保存料を含む消耗品において、前記保存料に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
亜鉛および他のミネラルサプリメントを含む消耗品において、前記これらのミネラルサプリメントに関係する苦味および金属性オフノートを遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
【0032】
ミントオイルまたはメントール(例えば、D−メントール)および7%以上のクエン酸を含む消耗品において、これらの成分の組み合わせに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
キニーネを含む消耗品において、キニーネに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
人工甘味料(例えば、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、シクラメート)含む消耗品、例えば飲料消耗品において、人工甘味料に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
【0033】
チューイングガム、特にデンタルタイプチューイングガムにおいて、チューイングガム中に含まれる尿素に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
エッセンシャルオイル(例えば、タイム、セージ、バジル、ミント)を含む消耗品において、これらのエッセンシャルオイルに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
植物またはハーブまたはそれらの抽出物を含む消耗品において、これらの成分に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
メイラード反応生成物(すなわち、プロリン/スクロースまたはアラニン/キシロースから生成された環状アミン、例えばジケトピペラジン)を含む消耗品において、メイラード反応生成物に関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
ビールならびにビールおよびホップを含む消耗品において、ホップに関係する苦味を遮断するために、オフノート遮断剤を添加してもよい。
【0034】

更に詳細にオフノート遮断化合物を説明し、消耗品におけるオフノートを遮断、またはマスクするためにオフノート遮断化合物を用いる方法を例示するために、以下の例を示す。例は具体例であり、いかなる方法においても、限られた化合物、消耗品または方法と解釈されるべきではない。
【0035】
例1
種々の消耗品における官能評価
本明細書に記載されたオフノート遮断剤を、6〜10人の苦味に敏感なパネリストによりテストする。
パネリストは、特に明記しない限り、0.001%(wt/wt)のオフノート遮断剤を伴った製品およびオフノート遮断剤を伴わないコントロール間の、オフノートおよび苦味ノートにおける違いを描写することを求められる。
A)アルパルテーム/アセスルファム−Kを含むダイエットエネルギー飲料
タウリン、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、グルクロノラクトン、カフェイン、ビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸、B6、B12)、アロマ、スクロース、グルコース、着色料を含むダイエットエネルギー飲料。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールと比較して、より苦味が少ないことが見出される。
【0036】
B)スクロース/グルコースによる甘味エネルギー飲料
タウリン、グルクロノラクトン、カフェイン、ビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸、B6、B12)、アロマ、スクロース、グルコース、着色料を含むダイエットエネルギー飲料。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールと比較して、より少ないオフノートを有し、より苦味がなく、より渋味がないことが見出される。
C)低糖アイスコーヒー
オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールと比較して、より苦味がなく、より渋味がないことが見出される。
【0037】
D)商業用バニラ風味栄養飲料
カゼインカルシウム、大豆たんぱく分離物、カゼインナトリウム、ビタミンおよびミネラルを含むバニラ風味栄養飲料。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールと比較して、より粉っぽくなく、減少したたんぱく質/ビタミン誘起オフノートを有し、より渋味がないことが見出される。
E)サッカリンによる甘味コーラソフトドリンク
オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールと比較して、より苦味がなく、減少した後味を有することが見出される。
【0038】
F)ミント風味薬用シロップを含むロペラミド
1回分7.5ml中、1mgロペラミドHClを含むシロップ。オフノート遮断剤を0.004%(wt/wt)の濃度において使用する。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、特に長引く苦い後味が減少して、より苦味が少ないことが見出される。
G)日中咳止めシロップ
日中咳止めシロップは、1回分15ml中、325mgアセトアミノフェン、10mgデキストロメトルファンHBr、5mgフェニレフリンHClを含む。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、より苦味が少ないことが見出される。
H)ダークチョコレート
オフノート遮断剤を含むサンプルは、より苦味が少ないことが見出される。
【0039】
I)料理用チョコレート(100%ココア、無糖)
オフノート遮断剤を0.002%(wt/wt)の濃度において使用する。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、より金属性味が少なく、より苦味が少ないことが見出され、特に、率直的で(upfront)、暖かく(warm)、ウッディーな苦味が保持された一方で、アルカロイド/カフェイン様の苦味が減少する。
J)過加熱(overcooked)コーヒー
コーヒーを抽出し、バーナー上で3時間加熱する。オフノート遮断剤を0.0005%(wt/wt)の濃度において使用する。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、より苦味が少ないことが見出される。
【0040】
K)アスパルテーム/アセスルファム−Kによる甘味プレーン無脂肪ヨーグルト
0.0193%(wt/wt)およびアセスルファム−K 0.0083%(wt/wt)を含むヨーグルト。オフノート遮断剤を0.00175%(wt/wt)の濃度において使用する。
オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールと比較して、より少ないオフノートを有することが見出される。
L)アスパルテーム/アセスルファム−Kによる甘味コーラソフトドリンク
オフノート遮断剤を0.0063%(wt/wt)の濃度において使用する。
【表1】

オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールより少ないオフノートを有することが見出される。
【0041】
M)スクラロースによる甘味コーラソフトドリンク
オフノート遮断剤を0.0035%(wt/wt)の濃度において使用する。
【表2】

オフノート遮断剤を含むサンプルは、コントロールより少ないオフノートを有し、より苦味が少ないことが見出される。
【0042】
例2a〜2xy
オフノート遮断化合物の合成
例2a
4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸の合成:
4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸を3段階で合成した;第1段階は、2−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エン−1−イル)アセトアルデヒド(別名カンフォレニックアルデヒド)を、エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エノエートに反応させ、第2段階において、後者をエチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸を生成させるために水素化法にかけ、第3段階において、後者から、水酸化ナトリウム(NaOH)およびテトラヒドロフラン(THF)の存在下で、エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸を生成させた。
【化8】

【0043】
第1段階(エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エノエートの生成):
炎乾燥させた250ml丸底フラスコに、溶液を得るため、カンフォレンアルデヒド(10.0g、65.7mmol)およびメチルターシャリー−ブチルエーテル(MTBE)(100ml)を加え、フラスコを氷水浴中でゆっくりと0℃まで冷却した。(カルボエトキシメチレン)トリフェニル−ホスホラン(22.8g、66.0mmol)をゆっくりと溶液に加えた。反応混合物を、0℃で20分間撹拌し、次いで室温で24時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を真空中でその体積の半分に減らし、ヘキサン100mlを加えた。次に、反応混合物およびヘキサンを含んだフラスコを、30分間氷浴に置いた。次に、反応混合物をろ紙、セライト、シリカおよび砂のプラグを通じてろ過し、1回目はヘキサン、2回目は9:1 ヘキサン/MTBE、3回目は1:1 ヘキサン/MTBEを用いて、3回洗浄した。合わせた溶出液を真空中で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(1:8 ヘキサン/酢酸エチル(AcOEt))により精製し、エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エノエート(13.1g、89%)をオイルとして得た。NMRデータを以下に示す。
【化9】

【0044】
第2段階−水素化法
窒素が流通され、撹拌子の入った3つ口丸底フラスコに、活性炭Pd/C(1.5g、10%Pd)上のデグサ型パラジウムを触媒として加えた。触媒を蒸留水(8ml)でカバーし、酢酸エチル(AcOEt)(200ml)中のエチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エノエート/エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンテニル)ブタン酸(10.0g、44.9mmol)を反応フラスコに加えた。フラスコに水素を流通させ、必要に応じて再補給された水素バルーン下で反応を行った。室温で17時間後、ガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)により反応が終了したことが判明した。反応混合物をセライトプラグを通じてろ過した。有機層を真空中で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーAcOEt/ヘキサン(勾配0から40%)により精製し、エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタノエート/エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸を、無色オイル(7.48g、74%)として得た。NMRデータを以下に示す。
【化10】

【0045】
第3段階−鹸化反応
エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタノエート(5g、22mmol)を、丸底フラスコ中のTHF(25ml)に加えた。次いで、1N NaOH水溶液(25ml)をフラスコに加え、反応混合物を110℃で8時間還流した。反応完了後、反応混合物を1N NaOH(25ml)で希釈し、水層をMTBE(50ml×2)で2回洗浄した。水層を、約pH 3(例えば、2から4まで)に到達するまで1.0N塩酸で処理し、次いでAcOEt(50ml×3)で3回抽出した。合わせたAcOEt抽出物を真空中で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配0から40%)により精製し、エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸を無色オイル(3.82g、87%)として得た。NMRデータを以下に示す。
【化11】

【0046】
例2b
4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸の合成:
4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸を2段階で合成した;第1段階は、上記記載の通り、カンフォレニックアルデヒド)を、エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エノエートに反応させ、第2段階において、NaOHおよびTHFの存在下で、後者から4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸を生成させた(以下の反応参照)。
【化12】

【0047】
エチル4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エノエート(2.0g、9.0mmol)を、50ml丸底フラスコ中のTHF(10ml)に加えた。次いで、1N NaOH水溶液(10ml)をフラスコに加え、反応混合物を83℃で19時間還流した。反応完了後、反応混合物を1N NaOH(10ml)で希釈し、水層をMTBE(10ml×2)で2回洗浄した。水層を、約pH 3(例えば、2から4まで)に到達するまで1.0N塩酸で処理し、次いでAcOEt(10ml×3)で3回抽出した。合わせたAcOEt抽出物を真空中で濃縮し、MTBE/ヘキサン(勾配5から20%)のフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸(1.58g)を粘性オイル(1.58g、90%)として得た。NMRデータを以下に示す。
【化13】

【0048】
例2c
4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸の合成:
4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸を、以下に示すように、第2段階においてAcOEtをメタノール(MeOH)に置き換えたことを除き、上記の4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸に対して記載された3段階の方法に類似して、2−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エニル)アセトアルデヒドから出発して、3段階で合成した。
第1段階で(E)−エチル4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エニル)ブタ−2−エノエートを生成させ、第2段階でエチル4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタノエートを生成させ、第3段階で4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸を生成させる。生成物の大部分は、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸を含み、(Z)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸は、異性体混合物中に10%(w/w)までの濃度で存在する。
【化14】

【0049】
例2d
3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸の合成:
3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸を、以下に示すように、上記の4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸および4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸に対して記載された3段階の方法に類似して、2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エンカルバルデヒドから出発して、合成した。
第1段階で(E)−エチル3−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エニル)アクリレートを生成させ、第2段階でエチル3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパノエートを生成させ、第3段階で生成物の3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸を生成させた。
【化15】

【0050】
例3
IC50決定のためのTAS2R44苦味受容体アッセイ
1)ヒトTAS2R44発現ベクターの発生
ヒトTAS2R44のフルレングス遺伝子を、WO 2004/029087に記載された全コード領域にわたる遺伝子特有プライマーを用い、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。
TAS2R44 cDNAを、次のいずれかのプラスミド/発現ベクターに基づいた発現カセットにサブクローンした:pcDNA3.1Zeo(Invitrogen)。これらのベクターは、それらの多重クローニング部位に、トランス遺伝子細胞表面標的を促進するために、ラットのソマトスタチン受容体サブタイプ(RSSタグ)の最初の45種のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列(配列番号4)、および免疫細胞化学的検出を促進するための単純ヘルペスウィルス(HSV)糖たんぱく質Dエピトープ(カルボキシ末端方向のアミノ末端基におけるHSVエピトープ、HSVタグ)をコードするヌクレオチド配列(配列番号3)を含む。
【0051】
TAS2R44構築物は、受容体たんぱく質および結果として生じる受容体cDNAへの翻訳を可能にするため、フレームにおいて融合するRSSタグ、TAS2R44およびHSVタグを含む。
このトランスフェクトされた発現ベクターはpcDNA3.1Zeo−TAS2R44(配列番号1)と呼ばれ、TAS2R44たんぱく質(配列番号2)の発現を可能にする。
2)Gα16−ガストデューシン(gustducin)44およびTAS2R44を安定して発現する細胞株の発生
pcDNA3.1Zeo−TAS2R44を上記HEK293/Gα16−ガストデューシン44細胞(共に、1記載のように生成させた)にトランスフェクトすることにより、ヒト苦味受容体(TAS2R44)を安定して発現する細胞株を発生させた。宿主細胞株HEK−293Tは、American Tissue Culture Collection(カタログ #CRL−1573)より商業的に入手可能である。
【0052】
トランスフェクションは次の通り行われた:
0日目に、HEK−293T Gα16−ガストデューシン44細胞を、1ウェル当たり900,000細胞密度で、6ウェルプレートに播種し、一晩選択的増殖培地中で増殖させた(加熱不活性化した10%(v/v)ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、100ユニット/mlペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、200μg/ml G418および200μg/mlゼオシン(zeocin)を添加したDMEM)。
1日目に、培地を抗生物質フリーおよび血清フリーの増殖培地2mlに交換した。リポフェクトアミン2000 10μlをDMEM250μlに溶解させ、室温で5分間培養した。並行して、TAS2R44ベクターDNA4μgをDMEM250μlに溶解させた。これら2種の得られた溶液を混合し、それらが細胞株培地の細胞に加えられる前に、室温で20分間培養する。4時間後、培地を抗生物質フリーの血清含有増殖培地に置き換える。
細胞を湿潤雰囲気中で培養した(37℃、CO 5%)。
24時間後、細胞を選択的増殖培地で再播種し、湿潤雰囲気中で更に培養した(37℃、CO 5%)。
培養2〜4週間後(必要に応じて培地交換)、ゼオシン耐性コロニーを選択し、拡大させた。
選択されたクローンは、TAS2R44機能発現のためのテストに成功した。
【0053】
3)Fluo−4カルシウムアッセイ
Fluo−4 AM(Invitrogen)は細胞内カルシウム動態(濃度の変化)の蛍光指標であり、カルシウム濃度の変化、特に、アゴニスト汚染後に起こる受容体活性化応答の増加を観察することを可能とする。
0日目に、Gα16−ガストデューシン44およびTAS2R44(2記載のように生成させた)を安定して発現するHEK−293T細胞株に、抗生物質フリーの増殖培地(加熱不活性化した10%(v/v)ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、100ユニット/mlペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシンを添加した標準DMEM)を黒色壁/透明底の96ウェルプレートに接種し、1ウェル当たり15,000細胞濃度でポリ(エチレンイミン)(0.005% v/v)で被膜し、湿潤雰囲気中で48時間培養した(37℃、CO 5%)。
【0054】
アッセイ時、増殖培地を廃棄し、細胞を湿潤雰囲気中で(37℃、CO 5%)1時間、DMEM中の1.5μM Fluo−4 AMおよび2.5μMプロベネシド(Sigma-Aldrich)からなるローディングバッファー50μlで更に培養した。
その後、自動プレート洗浄機(Bio Tek)を使用して、1ウェル毎にアッセイ緩衝液(130mM NaCl、5mM KCl、10mM HEPES、2mM CaClおよび5mM デキストロース、pH 7.4)200μlで、96ウェルプレートを5回洗浄した。プレートを、暗中、室温で30分間、Fluo−4の脱エステル化を完了させるために更に培養した。その後、プレートを1ウェル毎にアッセイ緩衝液200μlで5回洗浄し、1ウェル毎にアッセイ緩衝液180μlで再構成した。
【0055】
アッセイ読み取りのため、プレートを蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)(FLIPR-TETRATM、Molecular Devices)に設置し、アッセイバッファー中に調製された10倍濃縮アゴニスト原液20μlを(180マイクロリットルのアッセイバッファー体積に加えられる場合に、所望のアゴニスト最終濃度を得るために)加えることにより、受容体活性化を初期化した。
アゴニスト添加に先立ち、継続的に20秒間、(Fを得るために平均化された)シグナルベースラインを得るために蛍光を観測し、アゴニスト添加後に120秒間観察した。シグナルの変化をFで割ることにより、表に示されたΔF/Fを与え、ΔFはアゴニスト添加後、120秒以内に生じた最大シグナルから120秒以内に生じた最小シグナルを引いたものである。
全てのデータを、各々3連で行われた、少なくとも2回の独立した実験から収集した。
【0056】
濃度−反応分析を行い、IC50値を、f(x)=(a−d)/(1+(x/C)nh)+dを用いた非線形回帰により計算した;a=最小シグナル、d=最大シグナル、nh=ヒル係数、C=IC50およびx=アンタゴニスト濃度である。IC50は、そのアンタゴニストに対して最大可能効果/遮断応答の50%を生成するアンタゴニストのモル濃度である。より強力なアンタゴニストはより低いIC50値を有するであろう。
得られたカルシウムシグナルは、Gたんぱく質αサブユニット(Gα16−ガストデューシン44)のみを発現する細胞応答を補正し、ΔF/F(Fmax−Fmin/F)を用いて、刺激に先立ち、細胞の蛍光に対して標準化した。
【0057】
例4
オフノート遮断剤のIC50決定、サッカリン
以下のオフノート遮断剤をテストした:4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸、3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸、2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタン酸、および1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸。
アゴニストとしてサッカリンを用い、例3記載の方法を実施した。細胞を一定濃度のサッカリン(0.5mM)およびオフノート遮断剤の異なる濃度群に曝す。Fluo−4カルシウムアッセイを、上記例3に記載されたように行い、0.05〜25の範囲内のIC50[マイクロモル]を得た。
これは、オフノート遮断剤が、苦味受容体であるTAS2R44の応答を遮断したこと、および苦味遮断に有用であろうことを意味する。
【0058】
例5
オフノート遮断剤のIC50決定、アセスルファムK
アゴニストとしてのサッカリンをアセスルファムK(0.8mM)に交換し、例4に記載された方法を実施した。同一の範囲内のIC50が決定された。これは、オフノート遮断剤が苦味受容体であるTAS2R44の応答を遮断したこと、および苦味遮断に有用であろうことを意味する。
例6
オフノート遮断剤のIC50決定、スクラロース
アゴニストとしてのサッカリンをスクラロース(50mM)に交換し、例4に記載されたように、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸をテストする方法を実施した。同一の範囲内のIC50が決定された。これは、オフノート遮断剤が苦味受容体であるTAS2R44の応答を遮断したこと、および苦味遮断に有用であろうことを意味する。
【0059】
例7
4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸の官能評価
各濃度当たり2つの複製において、苦味高感度パネリストら(15)により、水中で1mM、3mM、および7mMの濃度のスクラロースで、苦味遮断剤(13ppm)をテストした。サンプルを苦味遮断剤なしの陰性対照と比較し、パネリストらは強制選択テストにおいて、より苦味の少ないサンプルを選択することを指示された。
苦味遮断剤は、苦味を大幅に減少させることが見出された(22/30のパネリストが、より苦味が少ないとして、苦味遮断剤を伴ったサンプルを選択した)。
本願明細書に記載された構成および方法において用いられた配列は、以下の配列表に記載される。
【0060】
化合物、消耗品および方法を、実施例の態様に関連して上記に記述したが、他の類似の態様が使用されてもよく、またはそこから逸脱することなく、同一の作用を実施するため、記載された態様に対して、改変および添加されてもよいと理解される。更に、発明の種々の態様は、所望の特徴を付与するために組み合わせられてもよいため、選択的に全ての態様を必ずしも開示する必要はない。発明の精神および範囲から逸脱することなく、当該技術分野における通常の技術を有する者により変更されることが可能である。それゆえ、化合物、消耗品および方法はいずれか1種の態様に限定されるべきではなく、むしろ添付される請求の範囲の記述に従った広がりおよび範囲において、解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸、3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸、2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸、2−メチル−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エニル)ブタン酸、1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸;
(E)−3−(1−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)シクロプロピル)アクリル酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロヘキサ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタ−2−エン酸、1−メチル−2−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロパンカルボン酸、2,2−ジメチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、2−((1,4−ジメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)−1−メチルシクロプロパンカルボン酸、2−(1−((1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イル)メチル)シクロプロピル)プロパン酸、2−(1−((1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、3,3−ジメチル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ブタン酸、(E)−1−(2−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ビニル)シクロプロパンカルボン酸、(E)−1−(2−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタン−4−イル)ビニル)シクロプロパンカルボン酸、(E)−4−(1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−ン−4−イル)ブタ−3−エン酸、(E)−4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−ン−4−イル)ブタ−2−エン酸、(E)−4−(8−メチルスピロ[2.5]オクタ−7−エン−4−イル)ブタ−2−エン酸、1−(2−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−ン−4−イル)エチル)シクロプロパンカルボン酸、2−((6,7−ジメチルスピロ[2.4]ヘプタ−ン−4−イル)メチル)−1−メチルシクロプロパンカルボン酸、2−(1−((1,4−ジメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)プロパン酸、2−(1−((1−メチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、2−(1−((7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−ン−4−イル)メチル)シクロプロピル)酢酸、および4−(7−メチルスピロ[2.4]ヘプタ−ン−4−イル)ブタン酸のうち、1種または2種以上から選択されるオフノ−ト遮断化合物。
【請求項2】
4−(2,2,3−トリメチルシクロペンチル)ブタン酸、4−(2,2,3−トリメチルシクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン酸、4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ブタン酸、3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロパン酸、4−プロピルシクロヘキサンカルボン酸、2−(3,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のオフノート遮断化合物。
【請求項3】
オフノート付与消耗品成分および請求項1または2に記載の1種または2種以上のオフノート遮断化合物を含む香料組成物。
【請求項4】
a)オフノートを付与するために十分な濃度における、1種または2種以上の成分、および
b)請求項1または2に記載の、1種または2種以上のオフノート遮断化合物
を含む消耗品。
【請求項5】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、甘味料、人工甘味料、飲料、チューイングガム、栄養補助食品および医薬品からなる群から選択される、請求項4に記載の消耗品。
【請求項6】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、アスパルテーム、アセスルファムK、サッカリン、スクラロース、シクラミン酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される人工甘味料を含む、請求項4に記載の消耗品。
【請求項7】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、ステビオシド、羅漢果抽出物、グリチルリチン、ペリラルチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モグロシドV、ルブソシド、ルブス抽出物、レバウジオシドA、およびこれらの混合物を含むものからなる群から選択される甘味料を含む、請求項4に記載の消耗品。
【請求項8】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、ココア、コーヒー、カフェイン、テオブロミン、ジケトピペラジン、ビタミン、アミノ酸、ビタミンB、カゼイン、大豆たんぱく、イブプロフェン、サリチル酸、グルコロノラクトン、アセトアミノフェノン、デキストロメトルファン、ナリンギン、タウリン、マクロライド(ビオキシンおよびエリスロマイシンを含む)、パラセタモール、アセチルサリチル酸、シメチジン、ラニチジン、アモキシシリン、アセトミノフェン、セファロスポリン、カシア、プロピレングリコール、トリアセチン、カリウム、亜鉛、ロペラミド、リモニン、フラボノイド、イソフラボン(ゲニステインおよびダイゼインを含む)、ポリフェノール(カテキンおよびエピカテキンを含む)、ミントオイル、D−メントール、加水分解植物性たんぱく質、苦味ペプチド、保存料(安息香酸、ソルビン酸カリウム、ポリソルベート 80、乳酸ナトリウムおよびカリウム、安息香酸ナトリウムを含む)、クエン酸、キニーネ、尿素(チューイングガム中に含まれる)、エッセンシャルオイル(タイム、セージ、バジル、ミントを含む)、メイラード反応生成物(ピロリジン/グルコース、アラニン/キシロース、プロリン/スクロースまたはアラニン/キシロースから生成された環状アミン、例えばジケトピペラジンを含む)、ビール、ホップ、フムロン、トランス−イソフムロン、ルプロン、フルポンおよびこれらの混合物からなる群から選択される消耗品を含む、請求項4に記載の消耗品。
【請求項9】
(a)オフノートを付与するために十分な濃度における1種または2種以上のオフノート付与成分、および(b)請求項1および2に記載された1種または2種以上のオフノート遮断化合物、を混合することを含む、消耗品におけるオフノート遮断する方法。
【請求項10】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、甘味料、人工甘味料、飲料、チューイングガム、栄養補助食品および医薬品からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、アスパルテーム、アセスルファムK、サッカリン、スクラロース、シクラミン酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される人工甘味料を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、ステビオシド、羅漢果抽出物、グリチルリチン、ペリラルチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、モグロシドV、ルブソシド、ルブス抽出物、レバウジオシドAおよびこれらの混合物を含むものからなる群から選択される甘味料を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
1種または2種以上のオフノート付与成分が、ココア、コーヒー、カフェイン、テオブロミン、ジケトピペラジン、ビタミン、アミノ酸、ビタミンB、カゼイン、大豆たんぱく、イブプロフェン、サリチル酸、グルコロノラクトン、アセトアミノフェノン、デキストロメトルファン、ナリンギン、タウリン、マクロライド(ビオキシンおよびエリスロマイシンを含む)、パラセタモール、アセチルサリチル酸、シメチジン、ラニチジン、アモキシシリン、アセトミノフェン、セファロスポリン、カシア、プロピレングリコール、トリアセチン、カリウム、亜鉛、ロペラミド、リモニン、フラボノイド、イソフラボン(ゲニステインおよびダイゼインを含む)、ポリフェノール(カテキンおよびエピカテキンを含む)、ミントオイル、D−メントール、加水分解植物性たんぱく質、苦味ペプチド、保存料(安息香酸、ソルビン酸カリウム、ポリソルベート 80、乳酸ナトリウムおよびカリウム、安息香酸ナトリウムを含む)、クエン酸、キニーネ、尿素(チューイングガム中に含まれる)、エッセンシャルオイル(タイム、セージ、バジル、ミントを含む)、メイラード反応生成物(ピロリジン/グルコース、アラニン/キシロース、プロリン/スクロースまたはアラニン/キシロースから生成された環状アミン、例えばジケトピペラジンを含む)、ビール、ホップ、フムロン、トランス−イソフムロン、ルプロン、フルポンおよびその混合物からなる群から選択される消耗品を含む、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2010−522700(P2010−522700A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500048(P2010−500048)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000135
【国際公開番号】WO2008/119196
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】