オーダエントリシステム
【課題】ページャ端末を用いて注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知できるようにする。
【解決手段】オーダステーション2と注文入力端末4とキッチンプリンタ6と無線送信端末8とが、互いにデータ通信可能に接続される。顧客には調理完了通知のためのページャ端末11が渡される。オーダステーション2は、注文入力端末4から送信された注文メニュー品目のメニューコードに識別コードが付加された注文データを受信し、キッチンプリンタ6に送信する。キッチンプリンタ6から識別コードをコードシンボル化したデータコードを含む注文伝票14が印字発行される。オーダステーション2は、調理完了時に注文伝票14から読み取られデコードされて取得された識別コードを無線送信端末8に送信する。無線送信端末8は識別コードを含む報知指示信号を生成してページャ端末11に送信する。
【解決手段】オーダステーション2と注文入力端末4とキッチンプリンタ6と無線送信端末8とが、互いにデータ通信可能に接続される。顧客には調理完了通知のためのページャ端末11が渡される。オーダステーション2は、注文入力端末4から送信された注文メニュー品目のメニューコードに識別コードが付加された注文データを受信し、キッチンプリンタ6に送信する。キッチンプリンタ6から識別コードをコードシンボル化したデータコードを含む注文伝票14が印字発行される。オーダステーション2は、調理完了時に注文伝票14から読み取られデコードされて取得された識別コードを無線送信端末8に送信する。無線送信端末8は識別コードを含む報知指示信号を生成してページャ端末11に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文データを受け付ける処理からページャ端末を報知動作させる無線信号を送信する処理までの一連の処理を行うオーダエントリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セルフサービス方式の飲食店において、顧客から注文を受けた店員が、無線送信端末から送信された信号を受信すると音を鳴らし表示部にメッセージを表示するページャ端末を顧客に渡し、調理完了時に店員がページャ端末を動作させるための無線送信端末を用いて、顧客に注文商品の調理が完了した旨を通知することが行われている。注文商品の調理が完了した旨をページャ端末に通知するにあたって、店員は、顧客からの注文商品及びその数量を記載する調理指示伝票に、顧客に渡したページャ端末をコールするための番号も記載し、その調理指示伝票を調理担当者に渡す。調理担当者や店員は、調理指示票に記載された注文商品の調理が完了した段階で、無線送信端末のボタンやタッチパネルを操作し、調理指示票に記入されている番号のページャ端末に無線信号を送信する。顧客は、ページャ端末に受けた通知によって注文商品の調理が完了したことを知ると、カウンタに赴いてページャ端末と引き換えに商品を受け取る。
【0003】
例えば、特許文献1には、上記のようにページャ端末を用いて顧客に調理の完了を通知するシステムにおいて、注文商品の品揃えが完了した旨の無線信号を受信し顧客に知らせたり、注文受付時から所定時間が経過しても完了通知信号を受信しない場合には無線通信が異常である旨を警告して顧客に知らせたり、ページャ端末の回収忘れを顧客に警告したりするページャ端末が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−125979公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように調理完了を通知する際にページャ端末を用いる場合、商品の注文時から受け渡し時までの一連の流れの中で、ページャ端末の番号と注文商品とを対応づけて注文データがやりとりされる。しかし店員は、伝票作成作業と別個独立にページャ端末を報知動作させる無線送信端末の操作を行うので、注文商品と伝票の記載内容とを照合して、伝票に記載されたページャ端末を報知動作させる番号を無線送信端末の操作ボタンやタッチパネルから探し出して指定しなければならない。そのため、操作ボタン等を押し間違えて注文商品に対応しないページャ端末に報知動作をさせてしまうおそれがある。特に、商品を提供するブースが多数設けられていたり、フードコートが広大で顧客の収容人数が大きかったりすると、それに伴い顧客に渡されるページャ端末の個数も多くなり、ページャ端末を識別する番号の桁数も多くなって、番号入力の際にミスを生じやすい状況となる。
【0006】
本発明の目的は、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1およびこれに従属する請求項2、5から8のいずれか一に記載のオーダエントリシステムの発明は、情報の入力を受け付ける入力部と、印字を行うプリントエンジンと、コード情報をシンボル化したデータコードを光学的に読み取りデコードするコード読取部と、無線信号を送信出力する無線送信部と、情報処理を実行する情報処理部と、前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目と、当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードをコードシンボル化したデータコードとを含む注文伝票を前記プリントエンジンに印字発行させる第2の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記コード読取部が前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、を備える。
【0008】
請求項3およびこれに従属する請求項4から8のいずれか一に記載のオーダエントリシステムの発明は、情報の入力を受け付ける入力部と、印字を行うプリントエンジンと、RFIDチップに通信して情報を記録するRFIDライタと、RFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードするRFIDリーダと、無線信号を送信出力する無線送信部と、情報処理を実行する情報処理部と、前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記プリントエンジンを駆動して前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目をRFIDチップを有する記録紙に印字させ、前記RFIDライタを制御して当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードを当該RFIDチップに記録して、注文伝票を印字発行させる第2の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記RFIDリーダが前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
請求項1およびこれに従属する請求項2、5から8のいずれか一に記載の発明によれば、情報処理部が、コード読取部から注文伝票に含まれているシンボル化されたデータコードを光学的に読み取りデコードしてページャ端末の識別コードを取得し、当該識別コードを含む報知指示信号を生成し、無線送信部に送信させることによってページャ端末を報知動作させるので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。
【0010】
請求項3およびこれに従属する請求項4から8のいずれか一に記載の発明によれば、情報処理部が、RFIDリーダから注文伝票に含まれているRFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードしてページャ端末の識別コードを取得し、当該識別コードを含む報知指示信号を生成し、無線送信部に送信させることによってページャ端末を報知動作させるので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[システムの概要]
本発明の実施の一形態を図1ないし図20に基づいて説明する。
【0012】
図1は、オーダエントリシステムの構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施の形態のオーダエントリシステムは、情報を記憶する記憶部を備えスタッフルーム1に設置されるオーダステーション2と、情報を表示する表示部である確認用ディスプレイ16を備え同じくスタッフルーム1に設置される確認端末15と、情報の入力を受け付ける入力部を備え前払いキャッシャカウンタ3に設置される注文入力端末である複数のPOS端末4と、印字を行うプリントエンジンを備え各々のキッチンブース5にそれぞれ設置されるキッチンプリンタ6と、無線信号を送信出力するホール7に設置される無線送信端末8と、注文の際に店員10から顧客9に渡されるページャ端末11と、により構成されている。これらの機器はいずれもコンピュータ構成であり、それぞれ情報処理を実行する情報処理部を備えている。オーダステーション2と確認端末15とPOS端末4とキッチンプリンタ6と無線送信端末8とはLANネットワーク101を介して互いにデータ通信自在に接続されて構成されている。キッチンプリンタ6にはコード読取端末であるスキャナ12とRFIDリーダ12aと数字入力用キーボード13とがデータ通信自在に接続されている。スキャナ12はコンピュータ構成であり、コード情報をシンボル化したデータコードを光学的に読み取りデコードするコード読取部を備える。また、RFIDリーダ12aはコンピュータ構成であり、RFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードする。
【0014】
スタッフルーム1は、フードコート全体を一括管理したり、施設の情報処理機器を総合的にしたりする部署である。スタッフルーム1に設置されるオーダステーション2は、注文データファイル301(図7参照)やPLUファイル601(図8参照)等のオーダエントリシステム全体で取り扱われる各種のデータを、記憶部であるHDD205(図6参照)に記憶して一元的に管理している。注文データファイル301にはPOS端末4から送信される顧客9の注文データが格納されている。その詳細については図7に基づいて後述する。PLUファイル601には顧客9が前払いキャッシャカウンタ3で注文することができる注文メニュー品目およびこれに対応付けられている情報が格納されている。その詳細については図8に基づいて後述する。また、スタッフルーム1には、オーダステーション2とデータ通信可能に接続されている確認端末15も設置されている。その詳細については図5に基づいて後述する。
【0015】
前払いキャッシャカウンタ3では、顧客9が注文した注文メニュー品目のデータを店員10が入力する際に用いるPOS端末4が複数台設置されている。この前払いキャッシャカウンタ3では、会計の際、店員10から顧客9にページャ端末11が渡される。顧客9が複数のキッチンブース5に渡る多くの種類の商品を注文した場合、店員10から顧客9に、注文商品を受け取りに赴くキッチンブース5の箇所数だけページャ端末11が渡される。ページャ端末11には、複数のページャ端末11を識別するための独自の識別コードが割り振られてページャ端末11内の図示しないROMに記憶されており、無線送信端末8から発信される識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴って、報知音を鳴らしたりメッセージ表示部11bにメッセージを表示したりする報知動作を実行する。
【0016】
ページャ端末11の外観を構成するハウジングには、店員10が認識できるように数字で表記された識別コードと、その識別コードをバーコードや2次元コード等の態様にコードシンボル化した端末データコードである識別タグ11a(図2参照)とが付されている。また、ページャ端末11のハウジングには、識別コードを記録した端末RFIDチップを備えるインレット11c(図2参照)が樹脂封止等の手段によって内蔵されている。
【0017】
キッチンブース5は、例えば、和食コーナー、中華コーナー、ドリンクコーナー、…というように提供される商品のジャンル別に区分けされ、調理担当者が調理を行い、顧客9が注文した商品をページャ端末11と引き換えに受け取る場所である。キッチンブース5に設けられているキッチンプリンタ6は、バーコード印刷機能や2次元コード印刷機能等の機能を備えシンボル化されたデータコードを含む注文伝票14を印字発行することが可能である。また、各キッチンプリンタ6のROM403(図10参照)には、キッチンブース5に対応するブース番号が割り振られて記憶されており、このブース番号によってキッチンプリンタ6がどのキッチンブース5に設置されているかを識別することが可能である。また、各キッチンプリンタ6には、スキャナ12と、RFIDリーダ12aと、数字入力用キーボード13とが、外部機器インターフェイス410を介して、データ通信自在に接続されている(図10参照)。
【0018】
ホール7は、顧客9が注文した商品の調理の完了を待ったり、調理が完了した商品を受け取って食事をしたりする空間であり、カウンタ席やテーブル席が設けられている。
【0019】
以上のように構築されたシステム上で、本実施の形態のオーダエントリシステムの概要を、図2ないし図5に基づいて説明する。
【0020】
本実施の形態のオーダエントリシステムは、注文受付処理、調理完了時処理、ページャ端末回収処理および確認処理という四種類の処理を実行する。
【0021】
図2は、注文受付処理を実現するスキームを示す模式図である。注文受付処理は、前払いキャッシャカウンタで受け付けられた顧客からの注文をもとに、プリンタから伝票を作成する際に行われる処理である。
【0022】
店員10は、顧客9が注文した注文メニュー品目に対応するメニューコードをPOS端末4のPOS入力部503(図9参照)から入力する。POS端末4は、入力されたメニューコードをRAM509(図9参照)に記憶し、オーダステーション2に問い合わせを行い、PLUファイル601(図6参照)から、そのメニューコードによって特定される注文メニュー品目の商品の単価や商品が提供されるキッチンブース5のブース番号等その注文メニュー品目に関する情報を取得する。POS端末4はこのような問い合わせを行った後、PLUファイル601から取得した注文メニュー品目のブース番号によって、RAM509に記憶しているメニューコードを分類する。店員10は、顧客9から注文を受け付けた後の会計の際に、RAM509に記憶したメニューコードをブース番号によって分類したグループの数だけ、ページャ端末11を顧客9に渡し、その渡したページャ端末11全てについて、ページャ端末11独自の識別コードをPOS入力部503から入力する。POS端末4は、入力された識別コードを、注文メニュー品目のメニューコードに付加して注文データを構成する。商品が提供されるキッチンブース5が同一でありブース番号が同じであるために同一のグループに分類されている注文メニュー品目のメニューコードには、同一の識別コードが付加される。小計キーが押下される等によって注文の入力完了が宣言されると、POS端末4はオーダステーション2に注文データを送信する。
【0023】
オーダステーション2は、POS端末4から受信した注文データを注文データファイル301に格納してHDD205に記憶した後、注文データを各ブース番号303(図7参照)に対応するキッチンブース5に備えられたキッチンプリンタ6に送信する。
【0024】
キッチンプリンタ6は、オーダステーション2からキッチンブース5別に送信された注文データを受信すると、受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目と、当該注文データに含まれているページャ端末11の識別コードをコードシンボル化したデータコードと、店員10が認識できるように数字で表記された識別コードと、を含む注文伝票14を、プリントエンジン406(図10参照)を駆動して印字発行する。識別コードをコードシンボル化したデータコードは、例えば、バーコードや2次元コードであり、その詳細については図13に基づいて後述する。
【0025】
図3は、調理完了時処理を実現するスキームを示す模式図である。調理完了時処理は、注文商品の調理が完了した際に、その旨をページャ端末11に通知する際に行われる処理である。
【0026】
店員10は商品の調理が完了すると、スキャナ12を用いて注文伝票14に含まれているシンボル化されたデータコードを読み取る。スキャナ12はデータコードを読み取りデコードして、ページャ端末11の識別コードを取得する。スキャナ12から得られた識別コードは、キッチンプリンタ6に送信される。ここで、注文伝票14が破れたり濡れたりしてスキャナ12からバーコードを読み取ることができない場合、店員10は、数字入力用キーボード13を用いて注文伝票14に数字で表記された数字コードを入力することも可能である。キッチンプリンタ6は、スキャナ12や数字入力用キーボード13から入力された注文伝票14に含まれている識別コード(以下、この識別コードを「伝票識別コード」と表記する。)をオーダステーション2に送信して、注文商品の調理が完了した旨をオーダステーション2に通知する。
【0027】
オーダステーション2は、注文伝票14から取得した識別コードを受信すると、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、伝票識別コードと一致する識別コード302(図7参照)を含む注文データを検索し、その注文データに含まれている識別コード302を含む報知指示信号が、無線送信端末8の無線送信部から送信されたかどうかを示す送信フラグ305(図7参照)を「送信済」に設定した後に、伝票識別コード302とブース番号303(図7参照)とを無線送信端末8に送信する。
【0028】
無線送信端末8は、オーダステーション2から送信されるデータを受信すると、注文伝票14から取得したページャ端末11の識別コードを含む報知指示信号を生成し、無線送信部から無線送信する。この報知指示信号を受信したページャ端末11は、メッセージ表示部11bにメッセージを表示させたり、ページャ端末11の内蔵音源を用いてメロディを鳴らしたり、バイブレータ機能を用いてページャ端末11を振動させたりする等、信号の内容に応じて予め定められた報知動作を行う。また、生成される報知指示信号にオーダステーション2から受信したブース番号も含めて、ページャ端末11に、報知指示信号に含まれるブース番号に応じた報知動作をさせることも可能である。例えば、ブース番号が3である中華ブースで調理が行われて注文商品の調理が完了した場合、無線送信端末8は無線信号を発信して、メッセージ表示部11bに「料理が完成しました。3番中華ブースまでお越しください。」とメッセージを表示させると同時に、内蔵音源によって銅鑼の音を鳴らす報知動作をページャ端末11にさせることも可能である。顧客9はページャ端末11の報知動作によって注文した商品の調理が完成したことを知る。
【0029】
図4は、ページャ端末回収処理を実現するスキームを示す模式図である。ページャ端末回収処理は、店員から注文商品と引き換えに受け取ったページャ端末を回収した際に行われる処理である。
【0030】
注文した商品の調理が完了したことを知った顧客9はキッチンブース5に赴いて、ページャ端末11と引き換えに注文商品を受け取る。店員10は顧客9からページャ端末11を受け取ると、スキャナ12を用いて識別タグ11aを読み取ったり、RFIDリーダ12aを用いてインレット11cを読み取ったりして、返却されたページャ端末11の識別コード(以下、この識別コードを「返却識別コード」と表記する。)を入力し、キッチンプリンタ6を介してページャ端末11が返却された旨をオーダステーション2に通知する。オーダステーション2は、返却識別コードを受信すると、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、返却識別コードと一致する識別コード302(図7参照)を含む注文データを検索し、ページャ端末11が返却されたかどうかを示す返却フラグ306(図7参照)を「返却済」に設定する。
【0031】
図5は、確認処理を実現するスキームを示す模式図である。確認処理は、注文商品の調理進行状況や注文商品受け渡し状況などを、確認用ディスプレイを通じて店員がチェックできるようにする際に行われる処理である。
【0032】
確認端末15は、オーダステーション2にアクセスし、HDD205に記憶されている注文データファイル301を取得して、その中に格納されている注文データを確認用ディスプレイ16に表示する。このような確認端末15は、図5に示すように、スタッフルーム1に設置されるだけでなく、前払いキャッシャカウンタ3、キッチンブース5もしくはホール7内に設置されてもよく、また複数台設置されてもよい。
[システムの詳細]
図6は、オーダステーション2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
オーダステーション2は、オーダステーション2の各部を集中的に制御するCPU202と、固定データを格納するROM203と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM204とから構成される、情報処理を実行する情報処理部201を具備する。情報処理部201にはシステムバス207を介してHDD205およびLANインターフェイス206が接続されている。HDD205には、後述する注文データファイル301(図7参照)やPLUファイル601(図8参照)、通信記録や更新履歴などの情報を記録するジャーナルファイル、過去の注文データを記憶する売上データファイルなどの各種ファイルが記憶保存されている。LANインターフェイス206は、LANネットワーク101を介して、オーダステーション2をPOS端末4、キッチンプリンタ6、無線送信端末8および確認端末15にデータ通信自在に接続させる。
【0034】
図7は、オーダステーション2が管理する注文データファイル301のファイル構造を示す模式図である。注文データファイル301は、POS端末4から送信される注文データを構成する識別コード302、ブース番号303および注文商品304を格納し、さらにこれらに対応付けて注文メニュー品目304の調理が完了した旨をページャ端末11に通知したかどうかを示す送信フラグ305と、ページャ端末11が返却されたかどうかを示す返却フラグ306と、POS端末4で注文を受け付けた注文受付時刻307とを記憶可能なデータ構造を備えている。
【0035】
図8は、オーダステーション2が管理するPLUファイル601のファイル構造を示す模式図である。PLUファイル601は、商品ID602に対応付けて商品名603、ブース番号604および商品単価605等の各種データを記憶可能なデータ構造を備えている。
【0036】
図9は、POS端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0037】
POS端末4は、図9に示すように、システムバス510を介して互いに接続されるドロワ501、POS表示器502、POS入力部503、レシートプリンタ504、POSスキャナ4aおよびRFIDリーダ制御部516を備え、さらに、図示しないメイン基板上にマイクロコンピュータMCを備える。マイクロコンピュータMCは、POS端末4各部を集中的に制御するCPU507と、ROM508と、RAM509とから構成される、情報処理を実行するPOS情報処理部506を具備する。ROM508には、売上一時データや売上確定データ等の各種データの送信処理を実行するための処理プログラムが格納されている。このように構成されたマイクロコンピュータMCには、ドロワ制御部511を介してドロワ501が、POS表示制御部512を介してPOS表示器502が、POS入力制御部513を介してPOS入力部503が、レシートプリンタ制御部514を介してレシートプリンタ504が、POSスキャナ制御部515を介してPOSスキャナ4aが、RFIDリーダ制御部516を介してRFIDリーダ4bが、それぞれ接続されている。
【0038】
さらに、図示しないメイン基板上には、システムバス510を介してLANネットワーク101と接続するためのLANインターフェイス516が設けられている。
【0039】
図10は、キッチンプリンタ6のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0040】
キッチンプリンタ6は、キッチンプリンタ6の各部を集中的に制御するCPU402と、ROM403と、RAM404とから構成される、情報処理を実行するキッチンプリンタ情報処理部401を具備する。キッチンプリンタ情報処理部401には、システムバス411を介して、プリンタコントローラ405と外部機器インターフェイス407とLANインターフェイス410とが接続されている。プリンタコントローラ405はプリントエンジン406と接続し、プリントエンジン406を駆動してキッチンプリンタ情報処理部401から入力された印字データを図示しないロール紙に印字する。外部機器インターフェイス407はスキャナ12、RFIDリーダ12aおよび数字入力用キーボード13にそれぞれ接続し、スキャナ12が読み取りデコードしたシンボルコード化されたデータコードのデータや、RFIDリーダ12aが読み取りデコードしたRFIDチップに記憶されたデータや、数字入力用キーボード13から入力された数字コードのデータを受信してキッチンプリンタ情報処理部401に入力する。LANインターフェイス410はキッチンプリンタ6を、LANネットワーク101を介してオーダステーション2等にデータ通信自在に接続させる。
[注文受付処理]
図11は、注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
図12は、POS端末4、オーダステーション2およびキッチンプリンタ6の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0042】
以下、図11に示すフローチャートおよび図12に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0043】
POS端末4のPOS入力部503から顧客9が注文した注文商品のメニューコードが入力されると(ST101のY)、POS情報処理部506はオーダステーション2に、入力されたメニューコードを送信する(ST102)。オーダステーション2の情報処理部201は、POS端末4から送信されたメニューコードを受信すると、HDD205内のPLUファイル601からそのメニューコードと一致する商品ID602の商品データを検索し、一致した商品データの商品名603、ブース番号604、商品単価605等の各種データをPOS端末4に送信する(ST102a)。このようにPOS情報処理部506がPLUファイル601から注文商品に関するデータを取得する処理は、POS入力部503からメニューコードが入力されるたびに繰り返し行われる(ST103のN)。POS情報処理部506は入力されたメニューコードをブース番号604別に分類したグループ別に管理して、RAM509に一時的に記憶する。顧客9から受け付けた注文商品のメニューコードが全て入力され、例えばPOS入力部503の小計キーが押下される等によって注文の入力完了が宣言されると(ST103のY)、POS情報処理部506は、顧客9に渡されるページャ端末11の識別コードの入力を、RAM509に記憶されブース番号によって分類されているメニューコードのグループの数と同じ回数分、受け付ける(ST104)。識別コードの入力は、POS入力部503からのキー押下操作によっても、POSスキャナ4aやRFIDリーダ4bからページャ端末11に付されている識別タグ11aやインレット11cを読み取ることによっても可能である。POS情報処理部506は識別コードが入力されると(ST104のY)、注文メニュー品目のメニューコードに入力された識別コードを付加して注文データを構成して、この注文データをオーダステーション2に送信する(ST105)。
【0044】
オーダステーション2の情報処理部201がPOS端末4から送信された注文データを受信した後に続く処理として(ST110のY)、情報処理部201は、受信した注文データを注文データファイル301に格納して記憶した後に(ST111)、注文データのブース番号303に対応するキッチンプリンタ6に注文データを送信する(ST112)。
【0045】
キッチンプリンタ情報処理部401がオーダステーション2から送信された注文データを受信した後に続く処理として(ST121のY)、オーダステーション2から受信した注文データに含まれているページャ端末11の識別コードをコードシンボル化してデータコードを生成し(ST122)、生成したデータコードと、受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目とを含む注文伝票14を印字発行する(ST123)。
【0046】
図13は、キッチンプリンタ6が印刷する注文伝票14の模式図であり、図13(a)は、データコードとして生成されたバーコードが含まれている注文伝票14の模式図であり、図13(b)はデータコードとして生成された2次元コードが含まれている注文伝票14の模式図である。
【0047】
注文伝票14は、図14(a)に示すように、用紙の中央に、キッチンプリンタ6が受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定された注文メニュー品目とその注文メニュー品目の注文点数とがリストアップされて構成される注文メニュー品目14aが印刷される。注文メニュー品目14aの下には、バーコード14bが印刷されている。このバーコード14bは、キッチンプリンタ6が生成しコードシンボル化したデータコードであり、スキャナ12で読み取ってデコードしてバーコード14bに記録されているページャ端末11独自の識別コードを取得することができる程度の解像度および大きさで印刷されている。バーコード14bの右下にはページャ端末11の識別コードが数字の態様で表記されて印刷されており、店員10や調理担当者が目視で読み取って数字入力用キーボード13を用いて識別コードを入力できるようになっている。注文メニュー品目14aの上やバーコード14bの左下などの余白部分には、注文受注時刻307やPOS端末4からデータを打ち込んだ担当者の名前などの情報により構成されている注文伝票情報14dが印刷されている。
【0048】
また、注文伝票14に含まれるキッチンプリンタ6が生成しコードシンボル化したデータコードは、図14(a)に示すようなバーコード14bに限られず、図14(b)に示すように、スキャナ12で読み取ってデコードして記録されているページャ端末11独自の識別コードを取得することができる程度の解像度および大きさで印刷されて表現されている2次元コード14eであってもよい。
[調理完了時処理]
図14は、調理完了時処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
図15は、キッチンプリンタ6、オーダステーション2および無線送信端末8の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0050】
以下、図14に示すフローチャートおよび図15に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0051】
キッチンプリンタ情報処理部401は、スキャナ12から送信された注文伝票14に含まれているバーコード14bや2次元コード14e等から得られた識別コード、もしくは、数字入力用キーボード13から入力された伝票識別コードを受信すると(ST201のY)、受信した伝票識別コードをオーダステーション2に送信する(ST202)。
【0052】
オーダステーション2の情報処理部201は、伝票識別コードを受信すると(ST211のY)、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、伝票識別コードと一致する識別コード302を含む注文データを検索し、その注文データの送信フラグ305を「送信済」に変更する(ST212)。また、オーダステーション2の情報処理部201は、伝票識別コードと、この伝票識別コードを送信したキッチンプリンタ6のブース番号と、ページャ端末11のメッセージ表示部11bに表示させる表示内容に対応したメッセージ番号とを無線送信端末8に送信する(ST213)。
【0053】
無線送信端末8は、オーダステーション2から送信された伝票識別コードとブース番号とメッセージ番号とを受信すると(ST221のY)、その伝票識別コードに対応したページャ端末11に、メッセージ番号に対応するメッセージをメッセージ表示部11bに表示させる等の命令となる報知指示信号を送信する(ST222)。
【0054】
なお、キッチンプリンタ情報処理部401は、ST201およびST202で行う処理を、スキャナ12や数字入力用キーボード13から伝票識別コードを受信する毎に何度でも行うことが可能である。つまり、店員10はスキャナ12を用いて注文伝票14に含まれるデータコードを読み取ったり、数字入力用キーボード13を用いてページャ端末11の識別コードを入力したりすることで、一旦調理が完了した旨を通知したにもかかわらず商品を受け取りに来ない顧客9に対して、何度でも調理が完了した旨を通知することができる。
[ページャ端末回収処理]
図16は、ページャ端末回収処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
図17は、キッチンプリンタ6およびオーダステーション2の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0056】
以下、図16に示すフローチャートおよび図17に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0057】
店員10は顧客9からページャ端末11が返却されると、スキャナ12やRFIDリーダ12aを用いて、ページャ端末11の識別タグ11aやインレット11cから返却識別コードを読み取る。
【0058】
キッチンプリンタ情報処理部401は、スキャナ12やRFIDリーダ12aから読み取られたページャ端末11の返却識別コードを受信して認識すると(ST301のY)、オーダステーション2に受信した返却認識コードを送信する(ST302)。
【0059】
オーダステーション2の情報処理部201は、キッチンプリンタ6から送信される返却識別コードを受信すると(ST311のY)、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、受信した返却識別コードと一致する識別コード302を含む注文データを検索し、その注文データの返却フラグ306を「返却済」に変更する(ST312)。
[確認処理]
図18は、確認処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
図19は、オーダステーション2および確認端末15の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0061】
以下、図18に示すフローチャートおよび図19に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0062】
確認端末15は、予め定められた時間間隔で確認処理を開始する。
【0063】
まず、確認端末15の図示しない情報処理部はオーダステーション2にアクセスして、注文データファイル301をダウンロードし、注文データを取得する(ST401)。
【0064】
後に続く処理として、確認端末15の図示しない情報処理部は、取得した注文データの内容を確認用ディスプレイ16に表示する(ST402)。
【0065】
図20は、確認用ディスプレイ16に表示される表示内容の模式図である。
【0066】
確認端末15の図示しない情報処理部は、注文データを注文受付時刻307順にソートして表形式に確認用ディスプレイ16に一覧表示する(図20(a)参照)。表示される注文データは、予め確認端末15で表示方法を設定することにより、例えば、送信フラグ305が「送信済」となっている場合その注文データのセルの背景を青色にハイライトしたり、現在時刻と受付時刻との差が15分以上あるにもかかわらず送信フラグ305が「送信済」となっていない場合その注文データのセルの背景を赤色にハイライトしたり、返却フラグが「返却済」である場合その注文データのセルの背景を灰色にハイライトすることも可能である(図20(b)参照)。また、返却フラグ306が「返却済」となっている注文データを表示内容から排除することも可能である。ページャ端末11が全て返却された場合、確認用ディスプレイ16に「***現在、注文は受けておりません***」などのメッセージを表示することも可能である(図20(c)参照)。
【0067】
確認端末15が行う確認処理は、上記に述べたように、所定の時間間隔で実行されるよう予め定められた一定の時間間隔(1分間隔、3分間隔など)で確認処理を行うようにスケジューリングされたり、また、確認端末15に備えられたキーボードやタッチパネル等の入力部から確認処理を行う命令を受けた際に実行されるように予め設定されたりしてもよい。また、オーダステーション2内で注文データファイル301が更新されるたびにオーダステーション2が確認端末15に注文データファイル301を送信し、確認端末15がその注文データファイル301を受信する際に確認処理が実行されるようにしてもよい。
[効果]
本実施の形態のオーダエントリシステムによれば、無線送信端末8がオーダエントリシステムに組み込まれて構成され、オーダステーション2が注文データを一元的に管理し、スキャナ12から注文伝票14に印刷されたデータコードを光学的に読み取ってページャ端末11の識別コードを取得してその識別コードを無線送信端末8に送信し、無線送信端末8は識別コードを含む報知指示信号を送信するので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。さらに、本実施の形態のオーダエントリシステムでは、注文データの管理、各キッチンブース5への注文データの配信や調理完了後のページャ端末11への報知指示、ページャ端末11の返却状況などの情報がオーダステーション2に一元的に管理され、その内容が確認端末15の確認用ディスプレイ16に表示されるので、店員10は確認用ディスプレイ16に表示された内容を見るだけで顧客9から受けた注文の処理状況を把握することができる。
[別の実施の形態]
次いで、別の実施の形態を図21ないし図22に基づいて説明する。この場合、図1ないし図20に基づいて説明した実施の一形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0068】
本発明の別の実施の一形態のオーダエントリシステムは、注文伝票14にページャ端末11の識別コードをコードシンボル化してバーコード等のデータコードの態様に印刷して、スキャナ12を用いて印刷されたデータコードを光学的に読み取る代わりに、RFIDチップを有する記録紙に注文内容を印刷して、RFIDチップにページャ端末11の識別コードを記録し、RFIDリーダを用いてRFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードしてページャ端末11の識別コードを取得する点が、前述した実施の形態と相違する。
【0069】
図21は、キッチンプリンタ6のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0070】
本実施の形態におけるキッチンプリンタ6は、キッチンプリンタ情報処理部401に接続されてRFIDライタコントローラ412を備えている。RFIDライタコントローラ412はRFIDライタ413と接続し、RFIDライタ413を制御して、記録紙17(図22参照)に埋設されているRFIDチップ18(図22参照)との間でRFID通信を実行して、キッチンプリンタ情報処理部401から入力された情報をRFIDチップ18に記録する。
【0071】
本実施の形態におけるオーダエントリシステムの注文受付処理において、キッチンプリンタ6が注文伝票を印字発行する処理(図11のST123)では、キッチンプリンタ情報処理部401は、プリントエンジン406を駆動して、オーダステーション2から受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目を記録紙17に印字し、さらに、RFIDリーダ413を制御してRFIDチップ18との間でRFID通信を実行し、受信した注文データに含まれているページャ端末11の識別コードをRFIDチップ18に記録し、注文伝票14を印字発行する(ST123)。
【0072】
図22は、キッチンプリンタ6が印刷する注文伝票14の模式図である。
【0073】
本実施の形態においてキッチンプリンタ6が印刷する注文伝票14は、RFIDチップ18を印字位置に重ならない位置に配置した記録紙17に注文メニュー品目を記載して印字発行されたものである。
【0074】
本実施の形態におけるオーダエントリシステムの注文受付処理において、キッチンプリンタ6は、キッチンプリンタ6に接続されたRFIDリーダ12aから送信された、注文伝票14のRFIDチップ18に記録された識別コード(伝票識別コード)を受信して(図14のST201のY)、受信した識別コードをオーダステーション2に送信する(図14のST202)。
[効果]
本実施の形態のオーダエントリシステムによれば、無線送信端末8がオーダエントリシステムに組み込まれて構成され、オーダステーション2が注文データを一元的に管理し、RFIDリーダ12aから注文伝票14のRFIDチップ18に記録された情報を読み取ってページャ端末11の識別コードを取得してその識別コードを無線送信端末8に送信し、無線送信端末8は識別コードを含む報知指示信号を送信するので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。また、前述した実施の形態と同様に、本実施の形態のオーダエントリシステムによっても、店員10は確認用ディスプレイ16に表示された内容を見るだけで顧客9から受けた注文の処理状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】オーダエントリシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】注文受付処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図3】調理完了時処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図4】ページャ端末回収処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図5】確認処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図6】オーダステーションのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】オーダステーションが管理する注文データファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図8】オーダステーションが管理するPLUファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図9】POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図10】キッチンプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】POS端末、オーダステーションおよびキッチンプリンタの間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図13】キッチンプリンタが印刷する注文伝票の模式図である。
【図14】調理完了時処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】キッチンプリンタ、オーダステーションおよび無線送信端末の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図16】ページャ端末回収処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】キッチンプリンタおよびオーダステーションの間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図18】確認処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】オーダステーションおよび確認端末の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図20】確認用ディスプレイに表示される表示内容の模式図である。
【図21】キッチンプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図22】キッチンプリンタが印刷する注文伝票の模式図である。
【符号の説明】
【0076】
2…オーダステーション、4…POS端末(注文入力端末)、6…キッチンプリンタ、8…無線送信端末、11…ページャ端末、11a…識別タグ(端末データコード)、11c…インレット(端末RFIDチップ)、12…スキャナ(コード読取端末、第2のコード読取端末)、12a…RFIDリーダ(第2のRFIDリーダ)、14…注文伝票、14b…バーコード(データコード)、14e…2次元コード(データコード)、15…確認端末、16…確認用ディスプレイ(表示部)、17…記録紙、18…RFIDチップ、205…HDD(記憶部)、401…キッチンプリンタ情報処理部(第2の情報処理部)、406…プリントエンジン、413…RFIDライタ、506…POS情報処理部(第1の情報処理部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文データを受け付ける処理からページャ端末を報知動作させる無線信号を送信する処理までの一連の処理を行うオーダエントリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セルフサービス方式の飲食店において、顧客から注文を受けた店員が、無線送信端末から送信された信号を受信すると音を鳴らし表示部にメッセージを表示するページャ端末を顧客に渡し、調理完了時に店員がページャ端末を動作させるための無線送信端末を用いて、顧客に注文商品の調理が完了した旨を通知することが行われている。注文商品の調理が完了した旨をページャ端末に通知するにあたって、店員は、顧客からの注文商品及びその数量を記載する調理指示伝票に、顧客に渡したページャ端末をコールするための番号も記載し、その調理指示伝票を調理担当者に渡す。調理担当者や店員は、調理指示票に記載された注文商品の調理が完了した段階で、無線送信端末のボタンやタッチパネルを操作し、調理指示票に記入されている番号のページャ端末に無線信号を送信する。顧客は、ページャ端末に受けた通知によって注文商品の調理が完了したことを知ると、カウンタに赴いてページャ端末と引き換えに商品を受け取る。
【0003】
例えば、特許文献1には、上記のようにページャ端末を用いて顧客に調理の完了を通知するシステムにおいて、注文商品の品揃えが完了した旨の無線信号を受信し顧客に知らせたり、注文受付時から所定時間が経過しても完了通知信号を受信しない場合には無線通信が異常である旨を警告して顧客に知らせたり、ページャ端末の回収忘れを顧客に警告したりするページャ端末が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−125979公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように調理完了を通知する際にページャ端末を用いる場合、商品の注文時から受け渡し時までの一連の流れの中で、ページャ端末の番号と注文商品とを対応づけて注文データがやりとりされる。しかし店員は、伝票作成作業と別個独立にページャ端末を報知動作させる無線送信端末の操作を行うので、注文商品と伝票の記載内容とを照合して、伝票に記載されたページャ端末を報知動作させる番号を無線送信端末の操作ボタンやタッチパネルから探し出して指定しなければならない。そのため、操作ボタン等を押し間違えて注文商品に対応しないページャ端末に報知動作をさせてしまうおそれがある。特に、商品を提供するブースが多数設けられていたり、フードコートが広大で顧客の収容人数が大きかったりすると、それに伴い顧客に渡されるページャ端末の個数も多くなり、ページャ端末を識別する番号の桁数も多くなって、番号入力の際にミスを生じやすい状況となる。
【0006】
本発明の目的は、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1およびこれに従属する請求項2、5から8のいずれか一に記載のオーダエントリシステムの発明は、情報の入力を受け付ける入力部と、印字を行うプリントエンジンと、コード情報をシンボル化したデータコードを光学的に読み取りデコードするコード読取部と、無線信号を送信出力する無線送信部と、情報処理を実行する情報処理部と、前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目と、当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードをコードシンボル化したデータコードとを含む注文伝票を前記プリントエンジンに印字発行させる第2の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記コード読取部が前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、を備える。
【0008】
請求項3およびこれに従属する請求項4から8のいずれか一に記載のオーダエントリシステムの発明は、情報の入力を受け付ける入力部と、印字を行うプリントエンジンと、RFIDチップに通信して情報を記録するRFIDライタと、RFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードするRFIDリーダと、無線信号を送信出力する無線送信部と、情報処理を実行する情報処理部と、前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記プリントエンジンを駆動して前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目をRFIDチップを有する記録紙に印字させ、前記RFIDライタを制御して当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードを当該RFIDチップに記録して、注文伝票を印字発行させる第2の処理を実行する手段と、前記情報処理部が、前記RFIDリーダが前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
請求項1およびこれに従属する請求項2、5から8のいずれか一に記載の発明によれば、情報処理部が、コード読取部から注文伝票に含まれているシンボル化されたデータコードを光学的に読み取りデコードしてページャ端末の識別コードを取得し、当該識別コードを含む報知指示信号を生成し、無線送信部に送信させることによってページャ端末を報知動作させるので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。
【0010】
請求項3およびこれに従属する請求項4から8のいずれか一に記載の発明によれば、情報処理部が、RFIDリーダから注文伝票に含まれているRFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードしてページャ端末の識別コードを取得し、当該識別コードを含む報知指示信号を生成し、無線送信部に送信させることによってページャ端末を報知動作させるので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[システムの概要]
本発明の実施の一形態を図1ないし図20に基づいて説明する。
【0012】
図1は、オーダエントリシステムの構成を示すブロック図である。
【0013】
本実施の形態のオーダエントリシステムは、情報を記憶する記憶部を備えスタッフルーム1に設置されるオーダステーション2と、情報を表示する表示部である確認用ディスプレイ16を備え同じくスタッフルーム1に設置される確認端末15と、情報の入力を受け付ける入力部を備え前払いキャッシャカウンタ3に設置される注文入力端末である複数のPOS端末4と、印字を行うプリントエンジンを備え各々のキッチンブース5にそれぞれ設置されるキッチンプリンタ6と、無線信号を送信出力するホール7に設置される無線送信端末8と、注文の際に店員10から顧客9に渡されるページャ端末11と、により構成されている。これらの機器はいずれもコンピュータ構成であり、それぞれ情報処理を実行する情報処理部を備えている。オーダステーション2と確認端末15とPOS端末4とキッチンプリンタ6と無線送信端末8とはLANネットワーク101を介して互いにデータ通信自在に接続されて構成されている。キッチンプリンタ6にはコード読取端末であるスキャナ12とRFIDリーダ12aと数字入力用キーボード13とがデータ通信自在に接続されている。スキャナ12はコンピュータ構成であり、コード情報をシンボル化したデータコードを光学的に読み取りデコードするコード読取部を備える。また、RFIDリーダ12aはコンピュータ構成であり、RFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードする。
【0014】
スタッフルーム1は、フードコート全体を一括管理したり、施設の情報処理機器を総合的にしたりする部署である。スタッフルーム1に設置されるオーダステーション2は、注文データファイル301(図7参照)やPLUファイル601(図8参照)等のオーダエントリシステム全体で取り扱われる各種のデータを、記憶部であるHDD205(図6参照)に記憶して一元的に管理している。注文データファイル301にはPOS端末4から送信される顧客9の注文データが格納されている。その詳細については図7に基づいて後述する。PLUファイル601には顧客9が前払いキャッシャカウンタ3で注文することができる注文メニュー品目およびこれに対応付けられている情報が格納されている。その詳細については図8に基づいて後述する。また、スタッフルーム1には、オーダステーション2とデータ通信可能に接続されている確認端末15も設置されている。その詳細については図5に基づいて後述する。
【0015】
前払いキャッシャカウンタ3では、顧客9が注文した注文メニュー品目のデータを店員10が入力する際に用いるPOS端末4が複数台設置されている。この前払いキャッシャカウンタ3では、会計の際、店員10から顧客9にページャ端末11が渡される。顧客9が複数のキッチンブース5に渡る多くの種類の商品を注文した場合、店員10から顧客9に、注文商品を受け取りに赴くキッチンブース5の箇所数だけページャ端末11が渡される。ページャ端末11には、複数のページャ端末11を識別するための独自の識別コードが割り振られてページャ端末11内の図示しないROMに記憶されており、無線送信端末8から発信される識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴って、報知音を鳴らしたりメッセージ表示部11bにメッセージを表示したりする報知動作を実行する。
【0016】
ページャ端末11の外観を構成するハウジングには、店員10が認識できるように数字で表記された識別コードと、その識別コードをバーコードや2次元コード等の態様にコードシンボル化した端末データコードである識別タグ11a(図2参照)とが付されている。また、ページャ端末11のハウジングには、識別コードを記録した端末RFIDチップを備えるインレット11c(図2参照)が樹脂封止等の手段によって内蔵されている。
【0017】
キッチンブース5は、例えば、和食コーナー、中華コーナー、ドリンクコーナー、…というように提供される商品のジャンル別に区分けされ、調理担当者が調理を行い、顧客9が注文した商品をページャ端末11と引き換えに受け取る場所である。キッチンブース5に設けられているキッチンプリンタ6は、バーコード印刷機能や2次元コード印刷機能等の機能を備えシンボル化されたデータコードを含む注文伝票14を印字発行することが可能である。また、各キッチンプリンタ6のROM403(図10参照)には、キッチンブース5に対応するブース番号が割り振られて記憶されており、このブース番号によってキッチンプリンタ6がどのキッチンブース5に設置されているかを識別することが可能である。また、各キッチンプリンタ6には、スキャナ12と、RFIDリーダ12aと、数字入力用キーボード13とが、外部機器インターフェイス410を介して、データ通信自在に接続されている(図10参照)。
【0018】
ホール7は、顧客9が注文した商品の調理の完了を待ったり、調理が完了した商品を受け取って食事をしたりする空間であり、カウンタ席やテーブル席が設けられている。
【0019】
以上のように構築されたシステム上で、本実施の形態のオーダエントリシステムの概要を、図2ないし図5に基づいて説明する。
【0020】
本実施の形態のオーダエントリシステムは、注文受付処理、調理完了時処理、ページャ端末回収処理および確認処理という四種類の処理を実行する。
【0021】
図2は、注文受付処理を実現するスキームを示す模式図である。注文受付処理は、前払いキャッシャカウンタで受け付けられた顧客からの注文をもとに、プリンタから伝票を作成する際に行われる処理である。
【0022】
店員10は、顧客9が注文した注文メニュー品目に対応するメニューコードをPOS端末4のPOS入力部503(図9参照)から入力する。POS端末4は、入力されたメニューコードをRAM509(図9参照)に記憶し、オーダステーション2に問い合わせを行い、PLUファイル601(図6参照)から、そのメニューコードによって特定される注文メニュー品目の商品の単価や商品が提供されるキッチンブース5のブース番号等その注文メニュー品目に関する情報を取得する。POS端末4はこのような問い合わせを行った後、PLUファイル601から取得した注文メニュー品目のブース番号によって、RAM509に記憶しているメニューコードを分類する。店員10は、顧客9から注文を受け付けた後の会計の際に、RAM509に記憶したメニューコードをブース番号によって分類したグループの数だけ、ページャ端末11を顧客9に渡し、その渡したページャ端末11全てについて、ページャ端末11独自の識別コードをPOS入力部503から入力する。POS端末4は、入力された識別コードを、注文メニュー品目のメニューコードに付加して注文データを構成する。商品が提供されるキッチンブース5が同一でありブース番号が同じであるために同一のグループに分類されている注文メニュー品目のメニューコードには、同一の識別コードが付加される。小計キーが押下される等によって注文の入力完了が宣言されると、POS端末4はオーダステーション2に注文データを送信する。
【0023】
オーダステーション2は、POS端末4から受信した注文データを注文データファイル301に格納してHDD205に記憶した後、注文データを各ブース番号303(図7参照)に対応するキッチンブース5に備えられたキッチンプリンタ6に送信する。
【0024】
キッチンプリンタ6は、オーダステーション2からキッチンブース5別に送信された注文データを受信すると、受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目と、当該注文データに含まれているページャ端末11の識別コードをコードシンボル化したデータコードと、店員10が認識できるように数字で表記された識別コードと、を含む注文伝票14を、プリントエンジン406(図10参照)を駆動して印字発行する。識別コードをコードシンボル化したデータコードは、例えば、バーコードや2次元コードであり、その詳細については図13に基づいて後述する。
【0025】
図3は、調理完了時処理を実現するスキームを示す模式図である。調理完了時処理は、注文商品の調理が完了した際に、その旨をページャ端末11に通知する際に行われる処理である。
【0026】
店員10は商品の調理が完了すると、スキャナ12を用いて注文伝票14に含まれているシンボル化されたデータコードを読み取る。スキャナ12はデータコードを読み取りデコードして、ページャ端末11の識別コードを取得する。スキャナ12から得られた識別コードは、キッチンプリンタ6に送信される。ここで、注文伝票14が破れたり濡れたりしてスキャナ12からバーコードを読み取ることができない場合、店員10は、数字入力用キーボード13を用いて注文伝票14に数字で表記された数字コードを入力することも可能である。キッチンプリンタ6は、スキャナ12や数字入力用キーボード13から入力された注文伝票14に含まれている識別コード(以下、この識別コードを「伝票識別コード」と表記する。)をオーダステーション2に送信して、注文商品の調理が完了した旨をオーダステーション2に通知する。
【0027】
オーダステーション2は、注文伝票14から取得した識別コードを受信すると、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、伝票識別コードと一致する識別コード302(図7参照)を含む注文データを検索し、その注文データに含まれている識別コード302を含む報知指示信号が、無線送信端末8の無線送信部から送信されたかどうかを示す送信フラグ305(図7参照)を「送信済」に設定した後に、伝票識別コード302とブース番号303(図7参照)とを無線送信端末8に送信する。
【0028】
無線送信端末8は、オーダステーション2から送信されるデータを受信すると、注文伝票14から取得したページャ端末11の識別コードを含む報知指示信号を生成し、無線送信部から無線送信する。この報知指示信号を受信したページャ端末11は、メッセージ表示部11bにメッセージを表示させたり、ページャ端末11の内蔵音源を用いてメロディを鳴らしたり、バイブレータ機能を用いてページャ端末11を振動させたりする等、信号の内容に応じて予め定められた報知動作を行う。また、生成される報知指示信号にオーダステーション2から受信したブース番号も含めて、ページャ端末11に、報知指示信号に含まれるブース番号に応じた報知動作をさせることも可能である。例えば、ブース番号が3である中華ブースで調理が行われて注文商品の調理が完了した場合、無線送信端末8は無線信号を発信して、メッセージ表示部11bに「料理が完成しました。3番中華ブースまでお越しください。」とメッセージを表示させると同時に、内蔵音源によって銅鑼の音を鳴らす報知動作をページャ端末11にさせることも可能である。顧客9はページャ端末11の報知動作によって注文した商品の調理が完成したことを知る。
【0029】
図4は、ページャ端末回収処理を実現するスキームを示す模式図である。ページャ端末回収処理は、店員から注文商品と引き換えに受け取ったページャ端末を回収した際に行われる処理である。
【0030】
注文した商品の調理が完了したことを知った顧客9はキッチンブース5に赴いて、ページャ端末11と引き換えに注文商品を受け取る。店員10は顧客9からページャ端末11を受け取ると、スキャナ12を用いて識別タグ11aを読み取ったり、RFIDリーダ12aを用いてインレット11cを読み取ったりして、返却されたページャ端末11の識別コード(以下、この識別コードを「返却識別コード」と表記する。)を入力し、キッチンプリンタ6を介してページャ端末11が返却された旨をオーダステーション2に通知する。オーダステーション2は、返却識別コードを受信すると、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、返却識別コードと一致する識別コード302(図7参照)を含む注文データを検索し、ページャ端末11が返却されたかどうかを示す返却フラグ306(図7参照)を「返却済」に設定する。
【0031】
図5は、確認処理を実現するスキームを示す模式図である。確認処理は、注文商品の調理進行状況や注文商品受け渡し状況などを、確認用ディスプレイを通じて店員がチェックできるようにする際に行われる処理である。
【0032】
確認端末15は、オーダステーション2にアクセスし、HDD205に記憶されている注文データファイル301を取得して、その中に格納されている注文データを確認用ディスプレイ16に表示する。このような確認端末15は、図5に示すように、スタッフルーム1に設置されるだけでなく、前払いキャッシャカウンタ3、キッチンブース5もしくはホール7内に設置されてもよく、また複数台設置されてもよい。
[システムの詳細]
図6は、オーダステーション2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
オーダステーション2は、オーダステーション2の各部を集中的に制御するCPU202と、固定データを格納するROM203と、可変データを書き換え自在に記憶するRAM204とから構成される、情報処理を実行する情報処理部201を具備する。情報処理部201にはシステムバス207を介してHDD205およびLANインターフェイス206が接続されている。HDD205には、後述する注文データファイル301(図7参照)やPLUファイル601(図8参照)、通信記録や更新履歴などの情報を記録するジャーナルファイル、過去の注文データを記憶する売上データファイルなどの各種ファイルが記憶保存されている。LANインターフェイス206は、LANネットワーク101を介して、オーダステーション2をPOS端末4、キッチンプリンタ6、無線送信端末8および確認端末15にデータ通信自在に接続させる。
【0034】
図7は、オーダステーション2が管理する注文データファイル301のファイル構造を示す模式図である。注文データファイル301は、POS端末4から送信される注文データを構成する識別コード302、ブース番号303および注文商品304を格納し、さらにこれらに対応付けて注文メニュー品目304の調理が完了した旨をページャ端末11に通知したかどうかを示す送信フラグ305と、ページャ端末11が返却されたかどうかを示す返却フラグ306と、POS端末4で注文を受け付けた注文受付時刻307とを記憶可能なデータ構造を備えている。
【0035】
図8は、オーダステーション2が管理するPLUファイル601のファイル構造を示す模式図である。PLUファイル601は、商品ID602に対応付けて商品名603、ブース番号604および商品単価605等の各種データを記憶可能なデータ構造を備えている。
【0036】
図9は、POS端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0037】
POS端末4は、図9に示すように、システムバス510を介して互いに接続されるドロワ501、POS表示器502、POS入力部503、レシートプリンタ504、POSスキャナ4aおよびRFIDリーダ制御部516を備え、さらに、図示しないメイン基板上にマイクロコンピュータMCを備える。マイクロコンピュータMCは、POS端末4各部を集中的に制御するCPU507と、ROM508と、RAM509とから構成される、情報処理を実行するPOS情報処理部506を具備する。ROM508には、売上一時データや売上確定データ等の各種データの送信処理を実行するための処理プログラムが格納されている。このように構成されたマイクロコンピュータMCには、ドロワ制御部511を介してドロワ501が、POS表示制御部512を介してPOS表示器502が、POS入力制御部513を介してPOS入力部503が、レシートプリンタ制御部514を介してレシートプリンタ504が、POSスキャナ制御部515を介してPOSスキャナ4aが、RFIDリーダ制御部516を介してRFIDリーダ4bが、それぞれ接続されている。
【0038】
さらに、図示しないメイン基板上には、システムバス510を介してLANネットワーク101と接続するためのLANインターフェイス516が設けられている。
【0039】
図10は、キッチンプリンタ6のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0040】
キッチンプリンタ6は、キッチンプリンタ6の各部を集中的に制御するCPU402と、ROM403と、RAM404とから構成される、情報処理を実行するキッチンプリンタ情報処理部401を具備する。キッチンプリンタ情報処理部401には、システムバス411を介して、プリンタコントローラ405と外部機器インターフェイス407とLANインターフェイス410とが接続されている。プリンタコントローラ405はプリントエンジン406と接続し、プリントエンジン406を駆動してキッチンプリンタ情報処理部401から入力された印字データを図示しないロール紙に印字する。外部機器インターフェイス407はスキャナ12、RFIDリーダ12aおよび数字入力用キーボード13にそれぞれ接続し、スキャナ12が読み取りデコードしたシンボルコード化されたデータコードのデータや、RFIDリーダ12aが読み取りデコードしたRFIDチップに記憶されたデータや、数字入力用キーボード13から入力された数字コードのデータを受信してキッチンプリンタ情報処理部401に入力する。LANインターフェイス410はキッチンプリンタ6を、LANネットワーク101を介してオーダステーション2等にデータ通信自在に接続させる。
[注文受付処理]
図11は、注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
図12は、POS端末4、オーダステーション2およびキッチンプリンタ6の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0042】
以下、図11に示すフローチャートおよび図12に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0043】
POS端末4のPOS入力部503から顧客9が注文した注文商品のメニューコードが入力されると(ST101のY)、POS情報処理部506はオーダステーション2に、入力されたメニューコードを送信する(ST102)。オーダステーション2の情報処理部201は、POS端末4から送信されたメニューコードを受信すると、HDD205内のPLUファイル601からそのメニューコードと一致する商品ID602の商品データを検索し、一致した商品データの商品名603、ブース番号604、商品単価605等の各種データをPOS端末4に送信する(ST102a)。このようにPOS情報処理部506がPLUファイル601から注文商品に関するデータを取得する処理は、POS入力部503からメニューコードが入力されるたびに繰り返し行われる(ST103のN)。POS情報処理部506は入力されたメニューコードをブース番号604別に分類したグループ別に管理して、RAM509に一時的に記憶する。顧客9から受け付けた注文商品のメニューコードが全て入力され、例えばPOS入力部503の小計キーが押下される等によって注文の入力完了が宣言されると(ST103のY)、POS情報処理部506は、顧客9に渡されるページャ端末11の識別コードの入力を、RAM509に記憶されブース番号によって分類されているメニューコードのグループの数と同じ回数分、受け付ける(ST104)。識別コードの入力は、POS入力部503からのキー押下操作によっても、POSスキャナ4aやRFIDリーダ4bからページャ端末11に付されている識別タグ11aやインレット11cを読み取ることによっても可能である。POS情報処理部506は識別コードが入力されると(ST104のY)、注文メニュー品目のメニューコードに入力された識別コードを付加して注文データを構成して、この注文データをオーダステーション2に送信する(ST105)。
【0044】
オーダステーション2の情報処理部201がPOS端末4から送信された注文データを受信した後に続く処理として(ST110のY)、情報処理部201は、受信した注文データを注文データファイル301に格納して記憶した後に(ST111)、注文データのブース番号303に対応するキッチンプリンタ6に注文データを送信する(ST112)。
【0045】
キッチンプリンタ情報処理部401がオーダステーション2から送信された注文データを受信した後に続く処理として(ST121のY)、オーダステーション2から受信した注文データに含まれているページャ端末11の識別コードをコードシンボル化してデータコードを生成し(ST122)、生成したデータコードと、受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目とを含む注文伝票14を印字発行する(ST123)。
【0046】
図13は、キッチンプリンタ6が印刷する注文伝票14の模式図であり、図13(a)は、データコードとして生成されたバーコードが含まれている注文伝票14の模式図であり、図13(b)はデータコードとして生成された2次元コードが含まれている注文伝票14の模式図である。
【0047】
注文伝票14は、図14(a)に示すように、用紙の中央に、キッチンプリンタ6が受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定された注文メニュー品目とその注文メニュー品目の注文点数とがリストアップされて構成される注文メニュー品目14aが印刷される。注文メニュー品目14aの下には、バーコード14bが印刷されている。このバーコード14bは、キッチンプリンタ6が生成しコードシンボル化したデータコードであり、スキャナ12で読み取ってデコードしてバーコード14bに記録されているページャ端末11独自の識別コードを取得することができる程度の解像度および大きさで印刷されている。バーコード14bの右下にはページャ端末11の識別コードが数字の態様で表記されて印刷されており、店員10や調理担当者が目視で読み取って数字入力用キーボード13を用いて識別コードを入力できるようになっている。注文メニュー品目14aの上やバーコード14bの左下などの余白部分には、注文受注時刻307やPOS端末4からデータを打ち込んだ担当者の名前などの情報により構成されている注文伝票情報14dが印刷されている。
【0048】
また、注文伝票14に含まれるキッチンプリンタ6が生成しコードシンボル化したデータコードは、図14(a)に示すようなバーコード14bに限られず、図14(b)に示すように、スキャナ12で読み取ってデコードして記録されているページャ端末11独自の識別コードを取得することができる程度の解像度および大きさで印刷されて表現されている2次元コード14eであってもよい。
[調理完了時処理]
図14は、調理完了時処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
図15は、キッチンプリンタ6、オーダステーション2および無線送信端末8の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0050】
以下、図14に示すフローチャートおよび図15に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0051】
キッチンプリンタ情報処理部401は、スキャナ12から送信された注文伝票14に含まれているバーコード14bや2次元コード14e等から得られた識別コード、もしくは、数字入力用キーボード13から入力された伝票識別コードを受信すると(ST201のY)、受信した伝票識別コードをオーダステーション2に送信する(ST202)。
【0052】
オーダステーション2の情報処理部201は、伝票識別コードを受信すると(ST211のY)、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、伝票識別コードと一致する識別コード302を含む注文データを検索し、その注文データの送信フラグ305を「送信済」に変更する(ST212)。また、オーダステーション2の情報処理部201は、伝票識別コードと、この伝票識別コードを送信したキッチンプリンタ6のブース番号と、ページャ端末11のメッセージ表示部11bに表示させる表示内容に対応したメッセージ番号とを無線送信端末8に送信する(ST213)。
【0053】
無線送信端末8は、オーダステーション2から送信された伝票識別コードとブース番号とメッセージ番号とを受信すると(ST221のY)、その伝票識別コードに対応したページャ端末11に、メッセージ番号に対応するメッセージをメッセージ表示部11bに表示させる等の命令となる報知指示信号を送信する(ST222)。
【0054】
なお、キッチンプリンタ情報処理部401は、ST201およびST202で行う処理を、スキャナ12や数字入力用キーボード13から伝票識別コードを受信する毎に何度でも行うことが可能である。つまり、店員10はスキャナ12を用いて注文伝票14に含まれるデータコードを読み取ったり、数字入力用キーボード13を用いてページャ端末11の識別コードを入力したりすることで、一旦調理が完了した旨を通知したにもかかわらず商品を受け取りに来ない顧客9に対して、何度でも調理が完了した旨を通知することができる。
[ページャ端末回収処理]
図16は、ページャ端末回収処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
図17は、キッチンプリンタ6およびオーダステーション2の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0056】
以下、図16に示すフローチャートおよび図17に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0057】
店員10は顧客9からページャ端末11が返却されると、スキャナ12やRFIDリーダ12aを用いて、ページャ端末11の識別タグ11aやインレット11cから返却識別コードを読み取る。
【0058】
キッチンプリンタ情報処理部401は、スキャナ12やRFIDリーダ12aから読み取られたページャ端末11の返却識別コードを受信して認識すると(ST301のY)、オーダステーション2に受信した返却認識コードを送信する(ST302)。
【0059】
オーダステーション2の情報処理部201は、キッチンプリンタ6から送信される返却識別コードを受信すると(ST311のY)、注文データファイル301に格納されている注文データの中から、受信した返却識別コードと一致する識別コード302を含む注文データを検索し、その注文データの返却フラグ306を「返却済」に変更する(ST312)。
[確認処理]
図18は、確認処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
図19は、オーダステーション2および確認端末15の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【0061】
以下、図18に示すフローチャートおよび図19に示すタイミングチャートに従って説明する。
【0062】
確認端末15は、予め定められた時間間隔で確認処理を開始する。
【0063】
まず、確認端末15の図示しない情報処理部はオーダステーション2にアクセスして、注文データファイル301をダウンロードし、注文データを取得する(ST401)。
【0064】
後に続く処理として、確認端末15の図示しない情報処理部は、取得した注文データの内容を確認用ディスプレイ16に表示する(ST402)。
【0065】
図20は、確認用ディスプレイ16に表示される表示内容の模式図である。
【0066】
確認端末15の図示しない情報処理部は、注文データを注文受付時刻307順にソートして表形式に確認用ディスプレイ16に一覧表示する(図20(a)参照)。表示される注文データは、予め確認端末15で表示方法を設定することにより、例えば、送信フラグ305が「送信済」となっている場合その注文データのセルの背景を青色にハイライトしたり、現在時刻と受付時刻との差が15分以上あるにもかかわらず送信フラグ305が「送信済」となっていない場合その注文データのセルの背景を赤色にハイライトしたり、返却フラグが「返却済」である場合その注文データのセルの背景を灰色にハイライトすることも可能である(図20(b)参照)。また、返却フラグ306が「返却済」となっている注文データを表示内容から排除することも可能である。ページャ端末11が全て返却された場合、確認用ディスプレイ16に「***現在、注文は受けておりません***」などのメッセージを表示することも可能である(図20(c)参照)。
【0067】
確認端末15が行う確認処理は、上記に述べたように、所定の時間間隔で実行されるよう予め定められた一定の時間間隔(1分間隔、3分間隔など)で確認処理を行うようにスケジューリングされたり、また、確認端末15に備えられたキーボードやタッチパネル等の入力部から確認処理を行う命令を受けた際に実行されるように予め設定されたりしてもよい。また、オーダステーション2内で注文データファイル301が更新されるたびにオーダステーション2が確認端末15に注文データファイル301を送信し、確認端末15がその注文データファイル301を受信する際に確認処理が実行されるようにしてもよい。
[効果]
本実施の形態のオーダエントリシステムによれば、無線送信端末8がオーダエントリシステムに組み込まれて構成され、オーダステーション2が注文データを一元的に管理し、スキャナ12から注文伝票14に印刷されたデータコードを光学的に読み取ってページャ端末11の識別コードを取得してその識別コードを無線送信端末8に送信し、無線送信端末8は識別コードを含む報知指示信号を送信するので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。さらに、本実施の形態のオーダエントリシステムでは、注文データの管理、各キッチンブース5への注文データの配信や調理完了後のページャ端末11への報知指示、ページャ端末11の返却状況などの情報がオーダステーション2に一元的に管理され、その内容が確認端末15の確認用ディスプレイ16に表示されるので、店員10は確認用ディスプレイ16に表示された内容を見るだけで顧客9から受けた注文の処理状況を把握することができる。
[別の実施の形態]
次いで、別の実施の形態を図21ないし図22に基づいて説明する。この場合、図1ないし図20に基づいて説明した実施の一形態と同一の部分は同一符号で示し、説明も省略する。
【0068】
本発明の別の実施の一形態のオーダエントリシステムは、注文伝票14にページャ端末11の識別コードをコードシンボル化してバーコード等のデータコードの態様に印刷して、スキャナ12を用いて印刷されたデータコードを光学的に読み取る代わりに、RFIDチップを有する記録紙に注文内容を印刷して、RFIDチップにページャ端末11の識別コードを記録し、RFIDリーダを用いてRFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードしてページャ端末11の識別コードを取得する点が、前述した実施の形態と相違する。
【0069】
図21は、キッチンプリンタ6のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0070】
本実施の形態におけるキッチンプリンタ6は、キッチンプリンタ情報処理部401に接続されてRFIDライタコントローラ412を備えている。RFIDライタコントローラ412はRFIDライタ413と接続し、RFIDライタ413を制御して、記録紙17(図22参照)に埋設されているRFIDチップ18(図22参照)との間でRFID通信を実行して、キッチンプリンタ情報処理部401から入力された情報をRFIDチップ18に記録する。
【0071】
本実施の形態におけるオーダエントリシステムの注文受付処理において、キッチンプリンタ6が注文伝票を印字発行する処理(図11のST123)では、キッチンプリンタ情報処理部401は、プリントエンジン406を駆動して、オーダステーション2から受信した注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目を記録紙17に印字し、さらに、RFIDリーダ413を制御してRFIDチップ18との間でRFID通信を実行し、受信した注文データに含まれているページャ端末11の識別コードをRFIDチップ18に記録し、注文伝票14を印字発行する(ST123)。
【0072】
図22は、キッチンプリンタ6が印刷する注文伝票14の模式図である。
【0073】
本実施の形態においてキッチンプリンタ6が印刷する注文伝票14は、RFIDチップ18を印字位置に重ならない位置に配置した記録紙17に注文メニュー品目を記載して印字発行されたものである。
【0074】
本実施の形態におけるオーダエントリシステムの注文受付処理において、キッチンプリンタ6は、キッチンプリンタ6に接続されたRFIDリーダ12aから送信された、注文伝票14のRFIDチップ18に記録された識別コード(伝票識別コード)を受信して(図14のST201のY)、受信した識別コードをオーダステーション2に送信する(図14のST202)。
[効果]
本実施の形態のオーダエントリシステムによれば、無線送信端末8がオーダエントリシステムに組み込まれて構成され、オーダステーション2が注文データを一元的に管理し、RFIDリーダ12aから注文伝票14のRFIDチップ18に記録された情報を読み取ってページャ端末11の識別コードを取得してその識別コードを無線送信端末8に送信し、無線送信端末8は識別コードを含む報知指示信号を送信するので、店員は伝票作成作業と別個独立に無線送信端末の操作を行う必要がなく、注文商品の調理が完了した旨を効率よく顧客に通知することができる。また、前述した実施の形態と同様に、本実施の形態のオーダエントリシステムによっても、店員10は確認用ディスプレイ16に表示された内容を見るだけで顧客9から受けた注文の処理状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】オーダエントリシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】注文受付処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図3】調理完了時処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図4】ページャ端末回収処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図5】確認処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図6】オーダステーションのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】オーダステーションが管理する注文データファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図8】オーダステーションが管理するPLUファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図9】POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図10】キッチンプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図11】注文受付処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】POS端末、オーダステーションおよびキッチンプリンタの間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図13】キッチンプリンタが印刷する注文伝票の模式図である。
【図14】調理完了時処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】キッチンプリンタ、オーダステーションおよび無線送信端末の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図16】ページャ端末回収処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】キッチンプリンタおよびオーダステーションの間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図18】確認処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】オーダステーションおよび確認端末の間で行われるデータの送受信処理を示すタイミングチャートである。
【図20】確認用ディスプレイに表示される表示内容の模式図である。
【図21】キッチンプリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図22】キッチンプリンタが印刷する注文伝票の模式図である。
【符号の説明】
【0076】
2…オーダステーション、4…POS端末(注文入力端末)、6…キッチンプリンタ、8…無線送信端末、11…ページャ端末、11a…識別タグ(端末データコード)、11c…インレット(端末RFIDチップ)、12…スキャナ(コード読取端末、第2のコード読取端末)、12a…RFIDリーダ(第2のRFIDリーダ)、14…注文伝票、14b…バーコード(データコード)、14e…2次元コード(データコード)、15…確認端末、16…確認用ディスプレイ(表示部)、17…記録紙、18…RFIDチップ、205…HDD(記憶部)、401…キッチンプリンタ情報処理部(第2の情報処理部)、406…プリントエンジン、413…RFIDライタ、506…POS情報処理部(第1の情報処理部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の入力を受け付ける入力部と、
印字を行うプリントエンジンと、
コード情報をシンボル化したデータコードを光学的に読み取りデコードするコード読取部と、
無線信号を送信出力する無線送信部と、
情報処理を実行する情報処理部と、
前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目と、当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードをコードシンボル化したデータコードとを含む注文伝票を前記プリントエンジンに印字発行させる第2の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記コード読取部が前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、
を備えるオーダエントリシステム。
【請求項2】
前記情報処理部の一部であり前記第1の処理を実行する第1の情報処理部と前記入力部とを独立ユニットとして備える注文入力端末と、
前記情報処理部の一部であり前記第2の処理を実行する第2の情報処理部と前記プリントエンジンとを独立ユニットとして備えるキッチンプリンタと、
前記コード読取部を独立ユニットとして備えるコード読取端末と、
前記情報処理部の一部であり前記第3の処理を実行する第3の情報処理部と前記無線送信部とを独立ユニットとして備える無線送信端末と、
を含んでいる請求項1記載のオーダエントリシステム。
【請求項3】
情報の入力を受け付ける入力部と、
印字を行うプリントエンジンと、
RFIDチップに通信して情報を記録するRFIDライタと、
RFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードするRFIDリーダと、
無線信号を送信出力する無線送信部と、
情報処理を実行する情報処理部と、
前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記プリントエンジンを駆動して前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目をRFIDチップを有する記録紙に印字させ、前記RFIDライタを制御して当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードを当該RFIDチップに記録して、注文伝票を印字発行させる第2の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記RFIDリーダが前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、
を備えるオーダエントリシステム。
【請求項4】
前記情報処理部の一部であり前記第1の処理を実行する第1の情報処理部と前記入力部とを独立ユニットとして備える注文入力端末と、
前記情報処理部の一部であり前記第2の処理を実行する第2の情報処理部と前記プリントエンジンと前記RFIDライタとを独立ユニットとして備えるキッチンプリンタと、
前記情報処理部の一部であり前記第3の処理を実行する第3の情報処理部と前記無線送信部とを独立ユニットとして備える無線送信端末とを含み、
前記RFIDリーダは独立ユニットである、
請求項3記載のオーダエントリシステム。
【請求項5】
情報を記憶する記憶部を備え前記入力部から入力された注文データを当該記憶部に記憶する独立ユニットとしてのオーダステーションを更に備える、請求項1から4のいずれか一に記載のオーダエントリシステム。
【請求項6】
情報を表示する表示部を備え前記記憶部に記憶されている注文データを当該表示部に表示する独立ユニットとしての確認端末を更に備える、請求項5記載のオーダエントリシステム。
【請求項7】
前記入力部から入力され前記記憶部に記憶されている注文データには当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号が前記無線送信部から無線送信されたかどうかを表す情報も含む、請求項5または6記載のオーダエントリシステム。
【請求項8】
顧客から返却されたページャ端末の識別コードの入力を受け付ける独立ユニットとしてのページャ端末認識部を更に備え、
前記入力部から入力され前記記憶部に記憶されている注文データには顧客からページャ端末が返却されたかどうかを表す情報も含む、請求項5から7のいずれか一に記載のオーダエントリシステム。
【請求項9】
独自の識別コードを記憶保存し、当該識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行し、当該識別コードをコードシンボル化した端末データコードが付されているページャ端末を更に備え、
前記ページャ端末認識部は前記端末データコードを読み取りデコードして前記ページャ端末の識別コードを取得する第2のコード読取端末を有する、
請求項8記載のオーダエントリシステム。
【請求項10】
独自の識別コードを記憶保存し、当該識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行し、当該識別コードを記録した端末RFIDチップを備えているページャ端末を更に備え、
前記ページャ端末認識部は前記端末RFIDチップを読み取りデコードして前記ページャ端末の識別コードを取得する第2のRFIDリーダを有する、
請求項8記載のオーダエントリシステム。
【請求項1】
情報の入力を受け付ける入力部と、
印字を行うプリントエンジンと、
コード情報をシンボル化したデータコードを光学的に読み取りデコードするコード読取部と、
無線信号を送信出力する無線送信部と、
情報処理を実行する情報処理部と、
前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目と、当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードをコードシンボル化したデータコードとを含む注文伝票を前記プリントエンジンに印字発行させる第2の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記コード読取部が前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、
を備えるオーダエントリシステム。
【請求項2】
前記情報処理部の一部であり前記第1の処理を実行する第1の情報処理部と前記入力部とを独立ユニットとして備える注文入力端末と、
前記情報処理部の一部であり前記第2の処理を実行する第2の情報処理部と前記プリントエンジンとを独立ユニットとして備えるキッチンプリンタと、
前記コード読取部を独立ユニットとして備えるコード読取端末と、
前記情報処理部の一部であり前記第3の処理を実行する第3の情報処理部と前記無線送信部とを独立ユニットとして備える無線送信端末と、
を含んでいる請求項1記載のオーダエントリシステム。
【請求項3】
情報の入力を受け付ける入力部と、
印字を行うプリントエンジンと、
RFIDチップに通信して情報を記録するRFIDライタと、
RFIDチップに記録されたデータコードを読み取りデコードするRFIDリーダと、
無線信号を送信出力する無線送信部と、
情報処理を実行する情報処理部と、
前記情報処理部が、前記入力部から入力された注文メニュー品目のメニューコードに、当該注文メニュー品目を注文した顧客に渡される独自の識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行するページャ端末の識別コードを付加した注文データの入力を受け付ける第1の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記プリントエンジンを駆動して前記入力された注文データに含まれているメニューコードによって特定される注文メニュー品目をRFIDチップを有する記録紙に印字させ、前記RFIDライタを制御して当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードを当該RFIDチップに記録して、注文伝票を印字発行させる第2の処理を実行する手段と、
前記情報処理部が、前記RFIDリーダが前記注文伝票に含まれているデータコードを読み取りデコードして取得した前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号を生成し、前記無線送信部に無線送信させる第3の処理を実行する手段と、
を備えるオーダエントリシステム。
【請求項4】
前記情報処理部の一部であり前記第1の処理を実行する第1の情報処理部と前記入力部とを独立ユニットとして備える注文入力端末と、
前記情報処理部の一部であり前記第2の処理を実行する第2の情報処理部と前記プリントエンジンと前記RFIDライタとを独立ユニットとして備えるキッチンプリンタと、
前記情報処理部の一部であり前記第3の処理を実行する第3の情報処理部と前記無線送信部とを独立ユニットとして備える無線送信端末とを含み、
前記RFIDリーダは独立ユニットである、
請求項3記載のオーダエントリシステム。
【請求項5】
情報を記憶する記憶部を備え前記入力部から入力された注文データを当該記憶部に記憶する独立ユニットとしてのオーダステーションを更に備える、請求項1から4のいずれか一に記載のオーダエントリシステム。
【請求項6】
情報を表示する表示部を備え前記記憶部に記憶されている注文データを当該表示部に表示する独立ユニットとしての確認端末を更に備える、請求項5記載のオーダエントリシステム。
【請求項7】
前記入力部から入力され前記記憶部に記憶されている注文データには当該注文データに含まれている前記ページャ端末の識別コードを含む報知指示信号が前記無線送信部から無線送信されたかどうかを表す情報も含む、請求項5または6記載のオーダエントリシステム。
【請求項8】
顧客から返却されたページャ端末の識別コードの入力を受け付ける独立ユニットとしてのページャ端末認識部を更に備え、
前記入力部から入力され前記記憶部に記憶されている注文データには顧客からページャ端末が返却されたかどうかを表す情報も含む、請求項5から7のいずれか一に記載のオーダエントリシステム。
【請求項9】
独自の識別コードを記憶保存し、当該識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行し、当該識別コードをコードシンボル化した端末データコードが付されているページャ端末を更に備え、
前記ページャ端末認識部は前記端末データコードを読み取りデコードして前記ページャ端末の識別コードを取得する第2のコード読取端末を有する、
請求項8記載のオーダエントリシステム。
【請求項10】
独自の識別コードを記憶保存し、当該識別コードを含む報知指示信号を無線受信することに伴い報知動作を実行し、当該識別コードを記録した端末RFIDチップを備えているページャ端末を更に備え、
前記ページャ端末認識部は前記端末RFIDチップを読み取りデコードして前記ページャ端末の識別コードを取得する第2のRFIDリーダを有する、
請求項8記載のオーダエントリシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
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【図19】
【図20】
【図21】
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【公開番号】特開2008−146505(P2008−146505A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335146(P2006−335146)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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