説明

オーバーコート膜形成用組成物、及びそれからなるオーバーコート膜

【課題】耐熱黄変性、基体との密着性、平坦化性及び保存安定性に優れるオーバーコート膜形成用組成物を提供する。
【解決手段】下記成分(a)〜(c)を含むオーバーコート膜形成用組成物。
(a)炭素数7以上の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル:40〜95質量部
(b)多官能(メタ)アクリル化合物:1〜30質量部
(c)アルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物:1〜30質量部
(前記各成分の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合の配合量である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーコート膜形成用組成物、及びそれからなるオーバーコート膜に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)等を用いたディスプレイ技術は飛躍的進歩を遂げたが、ユーザーニーズは年々厳しくなっており、ディスプレイに用いる材料や製造方法のさらなる改良が求められていた。
【0003】
例えば、液晶ディスプレイの構成部材として用いられるカラーフィルターや薄膜トランジスタ(TFT)では、その製造過程で生じる凹凸をオーバーコート膜で平坦化する。しかし、オーバーコート膜の平坦化度が低いと、液晶ディスプレイに表示むらが発生するおそれがあった。
また、上記オーバーコート膜上には、通常、スパッタリングで無機系酸化物(例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等)からなる透明導電層を形成するが、スパッタリング時の熱(例えば、220〜230℃数十分)で膜が黄変するおそれがあった。
【0004】
上述のようにオーバーコート膜は、優れた平坦化度及び耐熱性が求められるうえ、基体との高い密着性や透明性も要求される。
例えば、特許文献1は、グリシジル基を有する重合体を含む熱硬化性組成物を開示している。この組成物を用いて得られるオーバーコート膜は高い平坦化度、密着性を有するものの、透明性が十分でなかった。また、当該組成物は保存安定性に乏しく、数日で固化してしまうため、その取り扱いが難しかった。
【0005】
特許文献2は、硬化促進剤を改良し保存安定性を向上させた樹脂組成物を開示している。当該樹脂組成物は、保存安定性は改良されているものの、得られる膜の透明性、耐熱性は依然として不十分であった。
【0006】
特許文献3は、レンズ材料に関する発明を開示している。レンズ用組成物の一例として、アダマンチルメタクリレート(成分I)、ポリアルキレングリコール系ジメタクリレート(成分II)及びγ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる組成物が開示されている。但し、成分Iが多いと耐熱性が低下することから、5―40質量部が好ましく、成分IIが少ないとレンズの可とう性が悪くなるので、30−90質量部が好ましい、との記載があり、実施例もその範囲のものが開示されている。
しかし、文献3に記載されている組成物をそのまま単純にオーバーコート膜に適用しても、得られる膜の耐熱性は低かった。
【0007】
特許文献4は、アダマンチルメタクリレート(成分ア)及びトリエチレングリコールジメタクリレート(成分イ)からなる組成物を開示しており、180℃100時間の熱処理前後でのイエローインデックス値の変化(ΔYI)で耐熱黄変性を評価している。しかし、成分アとイの配合比を100/0〜45/55の範囲で変えても、ΔYIはほとんど変化しなかった。このように従来の知見では、配合比は耐熱黄変性に影響しないことが知られていた。
【特許文献1】特開2004−219486号公報
【特許文献2】特開平5−281753号公報
【特許文献3】特開2005−60696号公報
【特許文献4】特開2006−213851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、耐熱黄変性、基体との密着性、平坦化性及び保存安定性に優れるオーバーコート膜形成用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋭意研究を行った結果、オーバーコート膜が通常受ける熱履歴(200〜300℃程度、1時間未満)では、特定の置換基を有する(メタ)アクリル酸エステルと多官能(メタ)アクリル化合物の配合比によって耐熱黄変性が変化することを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のオーバーコート膜形成用組成物等が提供される。
1.下記成分(a)〜(c)を含むオーバーコート膜形成用組成物。
(a)炭素数7以上の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル:40〜95質量部
(b)多官能(メタ)アクリル化合物:1〜30質量部
(c)アルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物:1〜30質量部
(前記各成分の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合の配合量である)
2.前記炭素数7以上の脂環式炭化水素基が、アダマンチル基、ノルボルニル基又はジシクロペンタニル基である1に記載のオーバーコート膜形成用組成物。
3.下記成分(d)をさらに含む1又は2に記載のオーバーコート膜形成用組成物。
(d)粘度が10mPa・s以下である二重結合を有するモノマー
4.前記粘度が10mPa・s以下である二重結合を有するモノマーが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート又はスチレンである3に記載のオーバーコート膜形成用組成物。
5.下記成分(e)をさらに含む1〜4のいずれかに記載のオーバーコート膜形成用組成物。
(e)有機溶剤
6.粘度が30mPa・s以下である1〜5のいずれかに記載のオーバーコート膜形成用組成物。
7.1〜6のいずれかに記載のオーバーコート膜形成用組成物を重合してなるオーバーコート膜。
8.カラーフィルター保護膜である7に記載のオーバーコート膜。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐熱黄変性、基体との密着性、平坦化性及び保存安定性に優れるオーバーコート膜形成用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、下記成分(a)〜(c)を含む。
(a)炭素数7以上の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル:40〜95質量部
(b)多官能(メタ)アクリル化合物:1〜30質量部
(c)アルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物:1〜30質量部
(上記各成分の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合の配合量である)
【0012】
尚、本発明において「オーバーコート膜」とは、各種基体の表面に形成される薄膜のことをいう。当該オーバーコート膜を設けることにより、基体を保護及び/又は改質することができる。この基体表面は凹凸があっても、滑らかであってもよい。当該基体表面に凹凸がある場合でも、本発明のオーバーコート膜により、凹凸を滑らかにすることができる。
【0013】
成分(a)としては、例えばアダマンチルメタクリレートが挙げられる。アダマンチルメタクリレート単独で硬化したポリマーは、ガラス転移温度が約190℃であり、200℃以上の温度では、ポリマー内は激しく分子運動している。この状態では、ポリマーは劣化原因である酸素を取り込みやすく、結果として黄変すると推測される。
本発明では、成分(a)に成分(b)を少量加えることにより、系内に架橋構造が形成され、上述の分子運動を阻害し、200℃以上の温度であっても酸素が取り込まれにくく、黄変を抑制できると推測される。
【0014】
炭素数7以上の脂環式炭化水素基としては、2−デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、1−メチルアダマンチル基、2−メチルアダマンチル基、ビアダマンチル基、ジメチルアダマンチル基、ノルボルニル基、1−メチル−ノルボルニル基、5,6−ジメチル−ノルボニル基、イソボニル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、9−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、ボルニル基、ジシクロペンタニル基等が挙げられ、好ましくはアダマンチル基、ノルボルニル基又はジシクロペンタニル基であり、より好ましくはアダマンチル基であり、さらに好ましくは1−アダマンチル基である。
【0015】
成分(a)の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合に40〜95質量部であり、好ましくは50〜90質量部である。
成分(a)の配合量が、40質量部未満の場合、得られるオーバーコート膜の耐熱黄変性が低下するおそれがある。一方、成分(a)の配合量が95質量部超の場合、オーバーコート膜にクラックが入るおそれがある。
【0016】
成分(b)である多官能(メタ)アクリル化合物は、2官能(メタ)アクリレート、3官能(メタ)アクリレート及び4官能以上の(メタ)アクリレートに大別することができる。
【0017】
2官能(メタ)アクリレートとしては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジメタクリレート、エトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化(3)ビスフェノールAジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジメタクリレート、エトキシ化(4)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化(10)ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化(30)ビスフェノールAジメタクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジメタクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジメタクリレート、アルコキシ化脂肪族ジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等を挙げることができる。
【0018】
3官能(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、高プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート、エトキシ化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシ化(9)トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシ化(3)グリセリルトリメタクリレート、高プロポキシ化(5.5)グリセリルトリメタクリレート、エトキシ化(15)トリメチロールプロパントリメタクリレート等を挙げることができる。
【0019】
4官能以上の(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等を挙げることができる。
【0020】
これら多官能(メタ)アクリル化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、得られるオーバーコート膜の耐熱性向上の効果が高いことから、好ましくは3官能(メタ)アクリレート又は4官能以上の(メタ)アクリレートを用いる。
【0021】
成分(b)の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合に1〜30質量部であり、好ましくは5〜25質量部である。
成分(b)の配合量が、1質量部未満の場合、得られるオーバーコート膜の耐熱性が低下するおそれがある。一方、成分(b)の配合量が30質量部超の場合、オーバーコート膜の耐熱黄変性が低下するおそれがある。
【0022】
成分(c)であるアルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物とは、一分子中にアルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物であり、得られるオーバーコート膜に密着性を付与することができる。
【0023】
上記アルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物としては、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0024】
これらアルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランを用いる。
【0025】
成分(c)の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合に1〜30質量部であり、好ましくは3〜25質量部である。
成分(c)の配合量が、1質量部未満の場合、得られるオーバーコート膜が十分な密着性が得られないおそれがある。一方、成分(c)の配合量が30質量部超の場合、得られるオーバーコート膜の耐熱黄変性が低下するおそれがある。
【0026】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、好ましくは下記成分(d)をさらに含む。
(d)粘度が10mPa・s以下である二重結合を有するモノマー
【0027】
粘度が10mPa・s以下である二重結合を有するモノマーとしては、例えば単官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、t−ブチルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類(アルキル基の炭素数=1〜20)、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、β−エトキシエチル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ベンゾイルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドルフルフリル(メタ)アクリレート、フロロアルキル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0028】
上記単官能(メタ)アクリレートのほか、スチレン、ビニルトルエン、イソプロピルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン類、オクテン等のアルケン類、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニル化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素化されたビニル化合物、アクリロニトリル等も成分(d)として用いることができる。
【0029】
これら粘度が10mPa・s以下である二重結合を有するモノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、好ましくはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、スチレンを用いる。
【0030】
成分(d)の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合に、例えば0〜50質量部である。
【0031】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、好ましくは下記成分(e)をさらに含む。
(e)有機溶剤
【0032】
成分(e)としては、上記成分(a)〜(d)及び後述するその他の成分を均一に溶解させることができ、且つこれら成分と反応しない有機溶剤を用いることができる。
上記有機溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸プロピル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類が挙げられる。
【0033】
これら有機溶剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、各成分の溶解性、各成分との反応性及び塗膜の形成の容易さの観点から、好ましくはグリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、エステル類又はジエチレングリコール類を用いる。
【0034】
成分(e)の配合量は、例えば上記成分(a)〜(d)及び後述するその他の成分の濃度が5質量%以上となる範囲で適宜選択できる。
【0035】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、好ましくは粘度が30mPa・s(25℃)以下であり、より好ましくは25mPa・s(25℃)以下である。
オーバーコート膜の厚みは、通常、数μmであるが、組成物の粘度が30mPa・s(25℃)超の場合、厚みが数μmの薄膜や平坦な膜の作製が困難となるおそれがある。
【0036】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物の粘度を30mPa・sとするには、例えば粘度が比較的低い成分(a)〜(c)を選択するとよい。成分(a)〜(c)のうち、成分(a)及び(c)は、いずれも比較的粘度が低い。しかし、成分(b)においては、高い粘度を示す化合物が存在する。本発明においては、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下の成分(b)を選択するとよい。
【0037】
組成物の粘度の調整方法としては、上述の成分(a)〜(c)の粘度で調整する方法のほか、粘度調節剤としての機能を有する成分(d)及び/又は(e)を添加する方法が挙げられる。成分(a)〜(c)からなる組成物に、成分(d)及び/又は(e)を少量添加するだけで、組成物の粘度を大きく低下させることができる。
【0038】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、成分(a)〜(c)並びに任意に成分(d)及び(e)から実質的になっていてもよく、また、これら成分のみからなっていてもよい。「実質的になる」とは、上記組成物が成分(a)〜(c)並びに任意に成分(d)及び(e)のみからなり、これら成分の他に下記その他の成分を含み得ることである。
【0039】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、重合開始剤を含んでもよい。用いる重合開始剤は特に限定されないが、例えばラジカル重合開始剤、光重合開始剤等を用いることができる。
【0040】
ラジカル重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジイソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキセン等のジアルキルパーオキサイド類、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチル)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオジカーボネート、α−クミルペルオキシネオジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオジカーボネート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、t−アミルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジブチルペルオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル類、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(1,1−ブチルシクロヘキサオキシジカーボネート)、ジイソプロピルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボキシ)ヘキサン等のパーオキシカーボネート類等が挙げられる。また、パーヘキサ3M−95(日本油脂(株))やアゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0041】
光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、IRGACURE754、IRGACURE500、IRGACURE1300、IRGACURE1870、DAROCURE4265、DAROCURE EHA、2−イソブトキシ−2−フェニルアセトフェノン、(+/−)カムフォルキノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2―ベンゾイルベンゾイックアシッド、2−クロロベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2―エチルアントラキノン、2−ヒドロキシ−2−メトキシプロピオフェノン、2−イソニトロソプロピオフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルフォニロキシ)アセトフェノン、2−ピリジルトリブロモメチルスルフォン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイルベンゾイックアシッド、4−クロロベンゾフェノン、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニリドニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、9−フルオレン、アセトフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルフォネート、ジベンゾスベロン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフェートオキシド、ジフェニルヨードドニウムヘキサフルオロアーセネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルフォネート、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート、N−メチル−9−アクリドン、p−アニシル、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、トリ−p−トリスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリ−p−トリスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート、トリブロモメチルフェニルスルフォン及びトリフェニルスルフォニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
【0042】
これら重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記重合開始剤の配合量は、例えば重合可能な成分(例えば成分(a)〜(d))の合計量の0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。重合開始剤の配合量が重合可能な成分の合計量の10質量%超の場合、保存安定性が低下するおそれがある。一方、重合開始剤の配合量が0.01質量%未満の場合、オーバーコート膜の製造に時間がかかるおそれがある。
【0043】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、オーバーコート膜形成用組成物中の揮発成分(例えば成分(e))の蒸発ムラをなくし、得られるオーバーコート膜の平滑性及び平坦性を向上させることができる。
【0044】
界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及びその他の界面活性剤を用いることができる。
フッ素系界面活性剤は市販品を用いることができ、具体的にはBM−1000、BM−1100(BM CHIMIE社製);メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業株式会社製);フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム株式会社製);フタージェント250、同251、同222F、FTX−218(株式会社ネオス製);サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子株式会社製)が挙げられる。
【0045】
シリコーン系界面活性剤は市販品を用いることができ、具体的にはSH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190、PAINTAD19、FZ−2101、同77、同2118、L−7001、L−7002(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製);Byk−300、同306、同310、同335、同341、同344、同370(ビックケミー・ジャパン株式会社製);KP341(信越化学工業株式会社製);エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成株式会社製)が挙げられる。
【0046】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル類が挙げられる。
その他の界面活性剤としては、(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.90(共栄社化学株式会社製)を挙げることができる。
【0047】
これら界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記界面活性剤の配合量は、例えば重合可能な成分(例えば成分(a)〜(d))の合計量の0〜10質量%、好ましくは0.001〜5質量%である。
【0048】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、公知の酸化防止剤及び光安定剤を含むことができる。
用いる酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等がある。
【0049】
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコール・ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール・ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等を挙げることができる。
【0050】
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエテル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェビン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェビン6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等を挙げることができる。
【0051】
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等を挙げることができる。
【0052】
光安定剤としてはヒンダードアミン系化合物やベンゾトリアゾール系化合物が好ましく用いられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、ヘテロサイクリックヒンダードアミン化合物が好ましい。このヘテロサイクリックヒンダードアミン化合物とは、ヒンダードアミン窒素原子及び場合により他の異原子、好ましくは窒素又は酸素原子を含む6員複素環からなる化合物である。
【0053】
ヘテロサイクリックヒンダードアミン化合物としては、例えばジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート;4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;コハク酸とN−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとの化合物、1,2,3,4−テトラ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート;1,4−ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−2,3−ブタンジオン;トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリメリテート;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−n−オクトエート;ビス−(1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリルアセテート;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等が挙げられる。
【0054】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジイソアミルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0055】
これら酸化防止剤及び光安定剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記酸化防止剤及び光安定剤の配合量は、例えば重合可能な成分(例えば成分(a)〜(d))の合計量の0〜10質量%、好ましくは0.001〜5質量%である。
【0056】
本発明のオーバーコート膜形成用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記添加剤のほかに、必要に応じて樹脂類等の各種有機化合物及び無機化合物を含むことができる。
【0057】
本発明のオーバーコート膜は、例えば本発明のオーバーコート膜形成用組成物を基体表面に塗布し、その後、当該塗膜に熱又は光で硬化させることにより製造できる。
オーバーコート膜を形成する基体としては、例えば、ガラス、石英、シリコン、透明樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィン系重合体)等が挙げられる。
【0058】
オーバーコート組成物の塗布方法は、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、インクジェット法、バー塗布法等を適宜選択できる。
塗布後は必要に応じてプリベークを行う。プリベークの条件は、オーバーコート膜形成用組成物の種類によって異なるが、好ましくは50℃〜130℃で15分〜5時間である。プリベークでは主に溶剤等の揮発分の蒸発が起こる。
【0059】
熱硬化でオーバーコート膜を形成する場合の加熱条件としては、好ましくは130〜250℃で5分〜3時間程度である。
【0060】
光硬化でオーバーコート膜を形成する場合、照射処理に使用できる放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を挙げることができ、好ましくは高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の紫外線を用いる。
光の照射エネルギー量は、好ましくは1〜5000mJ/cm程度であり、より好ましくは10〜2000mJ/cmである。
【0061】
光硬化でオーバーコート膜を形成する場合は、必要に応じポストキュアを行ってもよい。ポストキュア条件は、オーバーコート膜形成用組成物の組成比によって異なるが、例えば、60℃〜250℃で1分〜5時間である。
【0062】
このようにして得られるオーバーコート膜は耐熱黄変性、透明性、平坦化性及び基体との密着性に優れ、例えばカラーフィルター保護膜として好適に用いることができる。
また、本発明のオーバーコート膜は、パッシベーション膜、TFT保護膜、CCDカメラ部材向け保護膜、各種基体表面の保護膜等各種薄膜用途にも好適に用いることができる。
【実施例】
【0063】
下記実施例及び比較例で使用した材料を以下に示す。
[成分(a)]
(1) 1−アダマンチルメタクリレート(アダマンテートAM、出光興産株式会社製)
(2) ジシクロペンタニルメタクリレート(ファンクリルFM−513、日立化成工業株式会社製)
(3) イソボニルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)
[成分(b)]
(1) エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート(SR415、粘度:225mPa・s、サートマー・ジャパン株式会社製)
(2) プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート(CD501、粘度:109mPa・s、サートマー・ジャパン株式会社製)
(3) トリメチロールプロパントリメタクリレート(SR350、粘度:44mPas、サートマー・ジャパン株式会社製)
(4) ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR399、粘度:13600mPas、サートマー・ジャパン株式会社製)
(5) SR350/SR399混合物(SR350/SR399=2/1(質量比)、粘度推定値:246mPas)
(6) ポリエチレングリコール(400)ジメタクリレート(SR603、粘度:85mPa・s、サートマー・ジャパン株式会社製)
[成分(c)]
(1) 3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(Z−6036、東レ・ダウコーニング株式会社製)
(2) 3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(Z−6030、東レ・ダウコーニング株式会社製)
[成分(d)]
(1) メチルメタクリレート(粘度:0.57mPa・s、和光純薬工業株式会社製)
(2) スチレンモノマー(粘度:0.75mPa・s、和光純薬工業株式会社製)
[成分(e)]
(1) プロピレングリコールモノメチルアセテート(和光純薬工業株式会社製)
[重合開始剤]
(1) パーヘキサHC(日油株式会社製)
(2) 2−イソブトキシ−2−フェニルアセトフェノン(和光純薬工業株式会社製)
[界面活性剤]
(1) SH―28PA(東レ・ダウコーニング株式会社製)
【0064】
尚、上記成分(b)のSR350/SR399混合物の粘度は、下記式に基づいて推定した。
log(SR350/SR399混合物の粘度)=(2/3)log(SR350の粘度)+(1/3)log(SR399の粘度)
【0065】
実施例1
表1に示す配合比に従って、1−アダマンチルメタクリレート(アダマンテートAM)を2.4g、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート(SR415)を0.3g、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(Z−6036)を0.3g、2−イソブトキシ−2−フェニルアセトフェノンを0.01g及びプロピレングリコールモノメチルアセテートを1g混合し、よく攪拌した。攪拌後、混合物を孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過し、オーバーコート膜形成用組成物を得た。
得られた組成物の粘度及び保存安定性について評価した。結果を表2に示す。
【0066】
得られた組成物をスライドガラス上に塗布した後、UV硬化装置UVC−408(高圧水銀灯、株式会社テクノビジョン社製)を用いて、塗布面に10分間紫外線を照射した。このとき試料に照射された光エネルギーは136mJ/cmであった。光照射後、組成物を塗布したスライドガラスを、100℃にセットしたオーブン内で1時間ポストキュアを施し、膜厚2μmのオーバーコート膜を形成した。
得られたオーバーコート膜の透明性、耐熱黄変性、密着性及び平坦化性を評価した。結果を表2に示す。
【0067】
得られたオーバーコート膜形成用組成物及びオーバーコート膜の評価方法を以下記載する。
[組成物の粘度]
回転粘度計DV2P(Anton Paar社製)にスピンドルとしてTL5をセットし、25℃、回転数50rpmで組成物の粘度を測定した。
【0068】
[組成物の保存安定性]
5mlのスクリュー管に組成物を投入し室温に放置した。目視にて組成物の流動性を評価し、流動性がなくなるまでの日数を調べた。
【0069】
[オーバーコート膜の透明性]
オーバーコート膜自身の透明性を、自記分光光度計UV−2400PC(株式会社島津製作所製)を用い、レファレンスにスライドガラスを用いて、波長700〜300nmの範囲でオーバーコート膜の透過率を測定した。波長400nmの光に対する透過率をオーバーコート膜の透明性として評価した。
【0070】
[オーバーコート膜の耐熱黄変性]
得られたオーバーコート膜を有するスライドガラスを、250℃にセットしたオーブン内で1時間加熱した。加熱したオーバーコート膜を有するスライドガラスを、自記分光光度計UV−2400PC(株式会社島津製作所製)を用い、レファレンスにスライドガラスを用いて、波長700〜300nmの範囲でオーバーコート膜の透過率を測定した。波長400nmの光に対する透過率の加熱前後の変化をオーバーコート膜の耐熱黄変性として評価した。
【0071】
[オーバーコート膜の密着性]
JIS K5400に準拠し、得られたオーバーコート膜を有するスライドガラスにカミソリの刃で2mm間隔に縦横11本ずつ切れ目を入れて100個の碁盤目を作り、市販のセロハンテープ(CT−24(幅24mm)、ニチバン株式会社製)を指の腹でよく密着させた後、90°の角度で手前方向に急激に剥し、皮膜が剥離しないで残存した升目数(X)をX/100でオーバーコート膜の密着性を評価した。
【0072】
[オーバーコート膜の平坦化性]
スライドガラス表面の半分の領域のみに、得られた組成物を塗布し、UV硬化装置UVC−408を用いて10分間塗布面に紫外線を照射した。このとき試料に照射された光エネルギーは136mJ/cmであった。
光照射後、組成物を塗布したスライドガラスを100℃にセットしたオーブン内で1時間ポストキュアを施し、オーバーコート膜(厚み約1μm)を有するガラス試験片1を作成した。ここで、オーバーコート膜が形成する段差d1を走査型レーザー顕微鏡SLM700(レーザーテック株式会社製)を用いて測定した。
オーバーコート膜を形成したスライドガラス表面全面に、同じ組成物をさらに塗布した後、上記と同様に紫外線を照射後ポストキュアし、最大厚みが約2μmのオーバーコート膜を形成した。
得られた2重オーバーコート膜付スライドガラス(ガラス試験片2)において、ガラス試験片1の段差部位に相当するエリアで、ガラス試験片2の段差d2を測定した。R=d2/d1を以下の基準で評価した。
R≦0.2:○(平坦化性に優れている)
0.2<R<0.5:△(通常の平坦化性)
0.5≦R :×(平坦化性に劣っている)
【0073】
実施例2〜12及び比較例1〜3
表1に示す配合比に従って、実施例1と同様にしてオーバーコート膜形成用組成物を調製し、表1に記載の成膜条件でオーバーコート膜を形成した。得られた組成物及びオーバーコート膜について、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0074】
実施例13
表3に示す配合比に従って、実施例1と同様にしてオーバーコート膜形成用組成物を調製した。
得られた組成物の粘度及び保存安定性について実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0075】
得られた組成物をスライドガラス上に塗布した後、100℃にセットしたオーブン内で1時間プリベークした。プリベーク後、UV硬化装置UVC−408を用いて、塗布面に10分間紫外線を照射し、膜厚2μmのオーバーコート膜を形成した。このとき試料に照射された光エネルギーは136mJ/cmであった。
得られたオーバーコート膜の透明性、耐熱黄変性、密着性及び平坦化性を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0076】
実施例14〜16
表3に示す配合比に従って、実施例13と同様にしてオーバーコート膜形成用組成物を調製し、表3に記載の成膜条件でオーバーコート膜を形成した。得られた組成物及びオーバーコート膜について、実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0077】
実施例17
表3に示す配合比に従って、実施例1と同様にしてオーバーコート膜形成用組成物を調製した。
得られた組成物の粘度及び保存安定性について実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0078】
得られた組成物をスライドガラス上に塗布した後、80℃にセットしたオーブン内で30分間プリベークした。プリベーク後、さらに150℃で2時間加熱処理し、膜厚2μmのオーバーコート膜を形成した。
得られたオーバーコート膜の透明性、耐熱黄変性、密着性及び平坦化性を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0079】
実施例18及び19
表3に示す配合比に従って、実施例17と同様にしてオーバーコート膜形成用組成物を調製し、表3に記載の成膜条件でオーバーコート膜を形成した。得られた組成物及びオーバーコート膜について、実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0080】
比較例4
グリシジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)5.33g、メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)1.33g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、和光純薬工業株式会社製)0.133g及びドデシルメルカプタン(和光純薬工業株式会社製)0.333gをエチルセロソルブアセテート(和光純薬工業株式会社製)20gに溶解し、窒素雰囲気下95℃で3時間加熱し、溶液Aを得た。
【0081】
溶液A 4g、トリメリト酸無水物(和光純薬工業株式会社製)0.3g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)0.2g、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(和光純薬工業株式会社製)0.003g、フッ素系界面活性剤BM−1000(BM Chemie社製)0.001g及びエチルセロソルブアセテート1gを混合し、十分に攪拌した。攪拌した混合物を、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過し、熱硬化性組成物を得た。
得られた熱硬化性組成物について、実施例1と同様にして粘度、保存安定性を評価した。評価結果を表4に示す。
【0082】
得られた組成物をスライドガラス上に塗布した後、80℃にセットしたオーブン内で30分間プリベークした。プリベーク後、さらに200℃で1時間加熱処理し、膜厚2μmのオーバーコート膜を形成した。
得られたオーバーコート膜の透明性、耐熱黄変性、密着性及び平坦化性を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0083】
比較例5
グリシジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)7.00g、スチレン(和光純薬工業株式会社製)3.00g及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、和光純薬工業株式会社製)0.50gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(和光純薬工業株式会社製)20gに溶解し、窒素雰囲気下、70℃で5時間加熱し、溶液Bを得た。
【0084】
溶液B 3g、ヘキサヒドロ無水フタル酸(株式会社トーメンケミカル製)0.4g、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)0.001g、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(和光純薬工業株式会社製)0.05g、フッ素系界面活性剤SH−28PA(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)0.001g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート4g、及びジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東邦化学工業株式会社製)1gを混合し、十分に攪拌した。攪拌した混合物を、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過し、熱硬化性組成物を得た。
得られた熱硬化性組成物について、実施例1と同様にして粘度、保存安定性を評価した。評価結果を表4に示す。
【0085】
得られた組成物をスライドガラス上に塗布した後、80℃にセットしたオーブン内で30分間プリベークした。プリベーク後、さらに230℃で1時間加熱処理し、膜厚2μmのオーバーコート膜を形成した。
得られたオーバーコート膜の透明性、耐熱黄変性、密着性及び平坦化性を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

【0088】
【表3】

【0089】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明のオーバーコート膜は、例えば液晶ディスプレイの構成部材であるカラーフィルター、薄膜トランジスタ等の平坦化膜として好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(a)〜(c)を含むオーバーコート膜形成用組成物。
(a)炭素数7以上の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル:40〜95質量部
(b)多官能(メタ)アクリル化合物:1〜30質量部
(c)アルコキシシラノ基及び(メタ)アクリル基を有する化合物:1〜30質量部
(前記各成分の配合量は、成分(a)〜(c)の合計量を100質量部とした場合の配合量である)
【請求項2】
前記炭素数7以上の脂環式炭化水素基が、アダマンチル基、ノルボルニル基又はジシクロペンタニル基である請求項1に記載のオーバーコート膜形成用組成物。
【請求項3】
下記成分(d)をさらに含む請求項1又は2に記載のオーバーコート膜形成用組成物。
(d)粘度が10mPa・s以下である二重結合を有するモノマー
【請求項4】
前記粘度が10mPa・s以下である二重結合を有するモノマーが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート又はスチレンである請求項3に記載のオーバーコート膜形成用組成物。
【請求項5】
下記成分(e)をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載のオーバーコート膜形成用組成物。
(e)有機溶剤
【請求項6】
粘度が30mPa・s以下である請求項1〜5のいずれかに記載のオーバーコート膜形成用組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のオーバーコート膜形成用組成物を重合してなるオーバーコート膜。
【請求項8】
カラーフィルター保護膜である請求項7に記載のオーバーコート膜。

【公開番号】特開2009−126909(P2009−126909A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301838(P2007−301838)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】