説明

オーバーレイ無線ネットワーク内でのマクロセルおよびプライベート・セルの動作の調整

本願は、1つまたは複数のモバイル・ユニット、1つまたは複数の第1カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のマクロセル、および第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)とオーバーラップする1つまたは複数の第2カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のフェムトセルを用いる方法を説明する。この方法の一実施形態は、フェムトセル(1つまたは複数)で、モバイル・ユニット(1つまたは複数)が第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)内に配置されるかどうかに基づいて、マクロセル(1つまたは複数)に関連する1つまたは複数の搬送波上でフェムトセル(1つまたは複数)から1つまたは複数のビーコン信号を送信すべきかどうかを判定することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には通信システムに関し、より具体的には無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線通信システムは、1つまたは複数のモバイル・ユニットへの無線接続性を提供するために基地局のネットワークを使用する。いくつかの場合に、モバイル・ユニットは、たとえばモバイル・ユニットのユーザが音声呼またはデータ呼を開始したいときに、ネットワーク内の1つまたは複数の基地局との無線通信を開始することができる。その代わりに、ネットワークが、モバイル・ユニットとの無線通信リンクを開始する場合がある。たとえば、従来の階層無線通信では、サーバが、無線ネットワーク制御装置(RNC)などの中央要素にターゲット・モバイル・ユニット宛の音声および/またはデータを送信する。その後、RNCは、1つまたは複数の基地局またはnode−Bを介してターゲット・モバイル・ユニットにページング・メッセージを送信することができる。ターゲット・モバイル・ユニットは、無線通信システムからのページの受信に応答して、基地局のうちの1つまたは複数への無線リンクを確立することができる。RNC内の無線リソース管理機能は、音声および/またはデータを受信し、ターゲット・モバイル・ユニットに情報を送信するために基地局のセットによって使用される無線リソースおよび時間リソースを調整する。無線リソース管理機能は、基地局のセットにわたるブロードキャスト送信についてリソースを割り当て、解放するために細粒度制御を実行することができる。
【0003】
従来の基地局は、セル、マクロセル、および/またはセクタと呼ばれる地理的領域内で無線アクティビティを提供する。従来の基地局は、所定の量の使用可能な送信電力を使用して信号を送信することができ、この送信電力は、いくつかの場合に基地局について約35Wである。マクロセルの範囲は、使用可能な送信電力、使用可能な電力の角度分布、マクロセル内の障害、環境条件、および類似物を含む多数の要因によって決定される。たとえば、マクロセルの範囲は、人口密度の高い都市環境の300mもの短さから人口密度の低い田舎の環境の100kmもの長さまで変化する可能性がある。カバレージ・エリアは、これらのパラメータのいずれかが変化する場合に、経時的に変化する可能性もある。
【0004】
少なくとも部分的に展開の減らされたコストおよび複雑さのゆえに、単純化された低コスト基地局を、従来の基地局にとって非実用的である位置で展開することができる。たとえば、低コスト基地局を、住居またはビルディング内で展開して、ビルディングの占有者や住人に無線接続性を提供することができる。住居内で展開される基地局は、1つの住居を含むはるかにより小さいエリア(たとえば、フェムトセル)に無線接続性を提供することが意図されているので、通常、ホーム基地局またはフェムトセルと呼ばれる。フェムトセルは、マクロセルにカバレージを提供するのに使用される従来の基地局よりはるかに小さい電力出力を有する。たとえば、通常のフェムトセルは、10mW程度の送信電力を有する。その結果、通常のフェムトセルの範囲は、マクロセルの範囲よりはるかに小さい。たとえば、フェムトセルの通常の範囲は、約100mである。フェムトセルのクラスタを展開して、より大きいエリアおよび/またはより多くのユーザにカバレージを提供することもできる。
【0005】
フェムトセルの機能性は、通常、おおむね2〜3平方キロメートルのエリアをカバーできるマクロセルに無線接続性を提供することを意図された従来の基地局で実施される機能性に非常に似ている。したがって、フェムトセルが、無線ネットワークの一体の信頼される部分としてサービス・プロバイダによって展開される場合があり、この場合に、フェムトセルは、基本的に、相対的に狭い範囲を有する基地局として動作する。しかし、フェムトセルが、その代わりに、市販で購入でき一般人が簡単に設置できる安価なプラグアンドプレイ・デバイスになるように設計される場合がある。このタイプのフェムトセルは、しばしばホーム・フェムトセル、プライベート・セル、またはホームnode−Bと呼ばれるが、サービス・プロバイダによって展開されまたは制御されるのではなく、したがってハッキングおよび他の許可されない使用に対して脆弱なので、無線ネットワークの一体のまたは信頼される部分とは考えられない。
【0006】
ホーム・フェムトセルは、通常、既存のマクロセルラ・ネットワークに対するオーバーレイとして展開される。ホーム・フェムトセルは、マクロセルラ・ネットワークをサポートする基地局との干渉を減らすために、異なる周波数チャネルまたは搬送波で送信することができる。したがって、各ホーム・フェムトセルは、それ自体のサービング搬送波上でパイロット(1つまたは複数)を送信し、同一位置のまたは隣接するすべてのマクロセル搬送波上でビーコン信号を送信することができる。ユーザ機器は、マクロセルラ・ネットワークによってサポートされる搬送波周波数のうちの1つでホーム・フェムトセルによって送信されたビーコン信号を検索することによって、ホーム・フェムトセルの存在を検出することができる。その後、ホーム・フェムトセルは、登録されたユーザ機器がホーム・フェムトセルの範囲内に来、ビーコン信号を検出し、ホーム・フェムトセルにハンド・オフするときに、そのユーザ機器に無線接続性を提供することができる。しかし、マクロセルラ・ネットワーク、ホーム・フェムトセル、およびユーザ機器が、相互干渉を生成する可能性がある。たとえば、マクロセルラ基地局が、それと通信しつつあるユーザ機器に電力制御命令を提供しつつあるときに、そのユーザ機器が、同一の搬送波上で動作する近くのホーム・フェムトセルとの干渉を引き起こすのに十分にその送信電力を増やすように命令される可能性がある。もう1つの例として、ホーム・フェムトセルによって送信されるビーコン信号が、マクロセルと通信するのに同一搬送波を使用しつつある近くのユーザ機器と干渉する可能性がある。各フェムトセルが、隣接するフェムトセルによって受信されるセル間干渉に寄与する可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のマクロセルラ・システムは、従来のプライベート・マクロセルと動作を調整するように構成されてはいない。たとえば、従来のマクロセルラ・システムも従来のプライベート・フェムトセルも、動作を調整するために位置情報を収集することはしない。マクロセルラ・システムおよびプライベート・フェムトセルは、ユーザ位置または他のユーザ機器情報を交換しない。その結果、プライベート・フェムトセルは、マクロセルラ・ネットワーク内のユーザ機器状況に対して何のアクションも行うことができない。プライベート・フェムトセルがパワー・オンされた後に、そのプライベート・フェムトセルは、オーバーレイされるマクロセルおよび隣接するプライベート・フェムトセルと干渉する。プライベート・フェムトセルは、マクロセルラ・ネットワーク内のユーザ機器状況を知らないので、そのプライベート・フェムトセルを、この変化する状況を説明するために適応的に制御することはできず、より多くの干渉が、そのプライベート・フェムトセルによって生成される。さらに、マクロセルラ・ネットワークとプライベート・フェムトセルとの間のハンド・オフ遅延が増える可能性があり、ユーザ機器および/またはプライベート・フェムトセルの電力消費が増える可能性がある。たとえば、プライベート・フェムトセルが、パワー・オンされ、そのビーコンおよびパイロット(1つまたは複数)を送信し始めるときに、そのプライベート・フェムトセルは、近くのユーザ機器にそのビーコン/パイロットを獲得させ、そのプライベート・フェムトセルへのアクセスを試みさせる。そばを通りつつあるユーザ機器のほとんどは、そのプライベート・フェムトセルの所有者ではないので、ユーザ機器の繰り返される試行および失敗のアクティビティは、ユーザ機器電力を浪費している。不必要なプライベート・フェムトセル送信も、電力を浪費する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示される主題は、上で示した問題のうちの1つまたは複数の影響に対処することを対象とする。次では、開示される主題のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、開示される主題の単純化された要約を提示する。この要約は、開示される主題の網羅的な概要ではない。開示される主題の主要な要素またはクリティカルな要素を識別することも、開示される主題の範囲を区切ることも、意図されていない。その唯一の目的は、後で議論される、より詳細な説明の前置きとして、単純化された形でいくつかの概念を提示することである。
【0009】
一実施形態では、1つまたは複数のモバイル・ユニット、1つまたは複数の第1カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のマクロセル、および第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)とオーバーラップする1つまたは複数の第2カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のフェムトセルを用いる方法が提供される。この方法の一実施形態は、フェムトセル(1つまたは複数)で、モバイル・ユニット(1つまたは複数)が第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)内に配置されるかどうかに基づいて、マクロセル(1つまたは複数)に関連する1つまたは複数の搬送波上でフェムトセル(1つまたは複数)から1つまたは複数のビーコン信号を送信すべきかどうかを判定することを含む。
【0010】
もう1つの実施形態では、1つまたは複数のモバイル・ユニット、1つまたは複数の第1カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のマクロセル、および第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)とオーバーラップする1つまたは複数の第2カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のフェムトセルを用いる方法が提供される。この方法の一実施形態は、マクロセル(1つまたは複数)が、マクロセル(1つまたは複数)に関連する1つまたは複数の搬送波上でフェムトセル(1つまたは複数)から1つまたは複数のビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するために、モバイル・ユニット(1つまたは複数)が第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)内にあることを示す情報をフェムトセル(1つまたは複数)に転送できるようにするために、モバイル・ユニット(1つまたは複数)からマクロセル(1つまたは複数)に情報を送信するステップを含む。
【0011】
もう1つの実施形態では、1つまたは複数のモバイル・ユニット、1つまたは複数の第1カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のマクロセル、および第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)とオーバーラップする1つまたは複数の第2カバレージ・エリアに無線接続性を提供する1つまたは複数のフェムトセルを用いる方法が提供される。この方法の一実施形態は、モバイル・ユニット(1つまたは複数)から、マクロセル(1つまたは複数)で、モバイル・ユニット(1つまたは複数)が第1カバレージ・エリア(1つまたは複数)内にあることを示す情報を受信することを含む。この方法は、マクロセル(1つまたは複数)に関連する1つまたは複数の搬送波上でフェムトセル(1つまたは複数)から1つまたは複数のビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するために、マクロセル(1つまたは複数)からフェムトセル(1つまたは複数)へ情報を送信することをも含む。
【0012】
開示される主題を、添付図面と共に解釈される次の説明を参照することによって理解することができ、添付図面では、同様の符号が同様の要素を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】無線通信システムの第1の例示的実施形態を概念的に示す図である。
【図2】無線通信システムの第2の例示的実施形態を概念的に示す図である。
【図3】位置メッセージの1つの例示的実施形態を概念的に示す図である。
【図4】ユーザ機器がフェムトセルのカバレージ・エリアとオーバーラップするマクロセルに入るときに、フェムトセルをウェイク・アップする方法の1つの例示的実施形態を概念的に示す図である。
【図5】無線通信システムの第3の例示的実施形態を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
開示される主題は、さまざまな修正形態および代替形態を許すが、その特定の実施形態を、図面に例として示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、特定の実施形態の本明細書での説明が、開示される主題を開示される特定の形態に限定することを意図しているのではなく、逆に、その意図が、添付の特許請求の範囲に含まれるすべての修正形態、同等物、および代替形態を含むことであることを理解されたい。
【0015】
例示的実施形態を、下で説明する。明瞭さのために、実際の実施態様のいくつかの特徴が、本明細書では説明されない。もちろん、そのような実際の実施形態の開発において、実施態様ごとに異なる、システム関連制約およびビジネス関連制約の遵守などの開発者の特定の目標を達成するために、多数の実施態様固有の判断が行われなければならないことを了解されたい。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間のかかるものである可能性があるが、それでも、本開示の利益を有する当業者の日常の仕事であることを了解されたい。
【0016】
開示される主題を、これから添付図面を参照して説明する。さまざまな構造、システム、およびデバイスが、説明のみのために、また、当業者に周知の詳細で本発明を不明瞭にしないようにするために、図面に概略的に示されている。それでも、添付図面は、開示される主題の実例となる例を記述し、説明するために含まれる。本明細書で使用される単語および句は、当業者によるこれらの単語および句の理解と一貫する意味を有するものとして理解され、解釈されなければならない。用語または句の特殊な定義すなわち、当業者によって理解される通常の慣習的な意味とは異なる定義が、本明細書での用語または句の一貫した使用によって暗示されることは、意図されていない。用語または句が特殊な意味すなわち当業者によって理解されるもの以外の意味を有することが意図される範囲で、そのような特殊な定義は、用語または句の特殊な定義を直接にあいまいでなく提供する定義の形で本明細書で特に示される。
【0017】
図1に、無線通信システム100の第1の例示的実施形態を概念的に示す。図示の実施形態では、無線通信システム100は、基地局105に関連する地理的エリア110に無線接続性を提供するのに使用される基地局105を含む。従来技術での従来の使用法によれば、用語「マクロセル」は、基地局105および/または基地局105によってサービスされる地理的エリア110を指すのに使用される。マクロセルは、図1では、明瞭さのためおよび説明を不明瞭にすることを避けるために、単一のアンテナを含む理想化された六角形として図示されている。しかし、当業者は、マクロセルが、通常は、基地局105の送信電力、基地局105の送信電力分布、物理的障害物、変化する環境条件、および類似物を含むがこれらに限定されない多数の要因によって決定される不規則で可変の形状を有することを了解するに違いない。さらに、基地局105は、特定のセクタに無線カバレージを提供するためおよび/またはビームフォーミングのために複数のアンテナを含むことができる。
【0018】
無線通信システム100は、比較的小さい地理的エリア120にわたって無線接続性を提供するのに使用される1つまたは複数のフェムトセル115を含む。図1に示されたフェムトセル115のカバレージ・エリア120の諸部分は、マクロセル110の諸部分とオーバーラップする。図示の実施形態では、フェムトセル115は、ホーム・フェムトセル115であり、これは、HeNB(home e−node−B)と呼ばれる場合もある。フェムトセル115が、ユーザが購入できユーザが任意の位置に設置できるプラグアンドプレイ・タイプのデバイスである場合がある。フェムトセル115は、公衆デバイスまたはプライベート・デバイスとすることができる。図示の実施形態では、フェムトセル115(1)は、すべてのユーザが使用可能な公衆デバイスであり、フェムトセル115(2)は、登録されたユーザの第1セットが使用可能なプライベート・デバイスであり、フェムトセル115(3)は、登録されたユーザの第2セットが使用可能なプライベート・デバイスである。ユーザを登録する技法は、当技術分野で既知であり、明瞭さのために、ユーザの登録および/またはユーザの登録の確認の、請求される主題に関連する態様だけを、本明細書で議論する。
【0019】
モバイル・ユニット125または他のユーザ機器(図1には図示せず)は、基地局105またはフェムトセル115のいずれかと通信することによって無線通信システム100にアクセスすることができる。図示の実施形態では、マクロセル105は、サービス・プロバイダによって管理され、したがって、モバイル・ユニット125は、基地局105のいずれを介しても無線通信システム100にアクセスすることができる。たとえば、基地局105は、1つまたは複数の搬送波周波数での無線通信をサポートすることができ、モバイル・ユニット125は、無線通信システム100と通信するためにこれらの搬送波周波数のうちの1つまたは複数内のアップ・リンク・チャネルおよび/またはダウンリンク・チャネルを使用することができる。フェムトセル115は、個人または人の小さいグループによって管理され、したがって、モバイル・ユニット125は、公衆サービスを提供するように構成されたフェムトセル115またはモバイル・ユニット125のユーザを登録したプライベート・フェムトセル115と通信することだけができる。図示の実施形態では、モバイル・ユニット125は、プライベート・フェムトセル115(3)に登録されており、したがって、公衆フェムトセル115(1)およびプライベート・フェムトセル115(3)から無線サービスを受信することができる。
【0020】
フェムトセル115は、ビーコン信号、パイロット信号、および/または他のオーバーヘッド信号を含むさまざまな信号を送信しまたはブロードキャストすることによってその存在をシグナリングする。図示の実施形態では、モバイル・ユニット125は、フェムトセル115によって送信されたビーコン信号および/またはパイロット信号を監視することによって、フェムトセル115の存在を検出することができる。ビーコン信号は、通常はフェムトセル115によって使用される搬送波周波数とは異なる、マクロセル105によってサポートされる搬送波周波数に対応する搬送波周波数上で送信されるので、パイロット信号とは異なる。対照的に、フェムトセル115によって送信されるパイロット信号は、他のオーバーヘッド・チャネルおよび/またはトラフィック・チャネルのためにフェムトセル115によって使用される搬送波周波数上で送信される。マクロセル105によってサポートされる搬送波周波数上でフェムトセル115からビーコン信号を送信することは、モバイル・ユニット125が、マクロセル105によってサポートされる搬送波周波数上でのマクロセル105との通信のために同調されている間にフェムトセル115の存在を検出することを可能にする。しかし、フェムトセル115によって送信されるビーコン信号は、マクロセル105への干渉に寄与する。したがって、フェムトセル115は、モバイル・ユニット125の現在の状況および/または位置に基づいてビーコン信号(または他のオーバーヘッド信号)をブロードキャストすべきかどうかを判定することができる。
【0021】
図1に示されたフェムトセル115は、4つの異なるモードすなわち、アクティブ・モード、セミアクティブ・モード、セミスリープ・モード、およびスリープ・モードで動作することができる。アクティブ・モードのフェムトセル115は、ビーコン信号を送信し、その結果、マクロセル105内のモバイル・ユニットが、フェムトセル115の存在を検出できるようになる。アクティブのフェムトセル115は、フェムトセル115にキャンプしているモバイル・ユニットとの接続を維持するためにパイロット信号および/または他のオーバーヘッド信号をも送信する。セミアクティブ・モードでは、フェムトセル115は、パイロット信号および/または他のオーバーヘッド信号を送信するが、ビーコン信号を送信しない。セミアクティブ・モードは、ユーザがフェムトセル115にキャンプしているが、登録されたユーザが近くのマクロセル105内にいないときに使用される。セミスリープ・モードのフェムトセル115は、近くのマクロセル105内のユーザにビーコン信号を送信するが、パイロット信号および/または他のオーバーヘッド信号を送信しない。スリープしているフェムトセル115は、ビーコン信号またはパイロット/オーバーヘッド信号を送信しない。
【0022】
動作中に、各フェムトセル115は、近くのモバイル・ユニット125の位置および状況に応じて、さまざまなモードの間で遷移する。たとえば、モバイル・ユニット125は、当初に、マクロセル110およびフェムトセル115のカバレージ・エリア120の外部に配置される場合がある。フェムトセル115と通信できる他のユーザ機器は、当初に、マクロセル110内またはフェムトセル115のカバレージ・エリア120内で見つからない。したがって、公衆およびプライベートのフェムトセル115は、当初に、スリープ・モードで動作しており、したがって、ビーコン信号を全くブロードキャストしていない。スリープ・モードのフェムトセル115は、他のパイロット信号および/またはオーバーヘッド信号を送信しないことを選択することもできる。ビーコン信号および/または他のオーバーヘッド信号がフェムトセル115によって送信されていないので、マクロセル105は、フェムトセル115のすべてがスリープ・モードで動作しているときには、ビーコン信号からの干渉を経験しない。スリープ・モードでの動作は、フェムトセル115で電力を節約するのを助けることもできる。
【0023】
その後、モバイル・ユニット125が、矢印130(1)によって示されるように、マクロセル110(1)を横断する。モバイル・ユニット125は、マクロセル110(1)がフェムトセル115のカバレージ・エリア120とオーバーラップすることを認識する。たとえば、モバイル・ユニット125は、フェムトセル115とオーバーラップするマクロセル110にモバイル・ユニット125が入ったときを判定するために、マクロセル105とフェムトセル115との間のマッピングを示す格納された情報を使用することができる。モバイル・ユニット125は、モバイル・ユニット125がマクロセル110(1)に入ったことと、モバイル・ユニット125がフェムトセル115(1、3)と通信するために登録されていることとを示すメッセージをマクロセル110(1)に送信する。このメッセージは、本明細書で議論するように、他の状況情報および/または位置情報を含むこともできる。マクロセル110(1)は、この情報を適当なフェムトセル115(1、3)にルーティングし、これによって、フェムトセル115(1、3)に、アクティブ・モードに入らせ、ビーコン信号(ならびに他のパイロット信号またはオーバーヘッド信号)の送信を開始させ、その結果、モバイル・ユニット125が、これらのフェムトセル115(1、3)の存在を検出でき、潜在的にこれにアタッチできるようにする。フェムトセル115(2)は、登録されたユーザ機器がマクロセル110のうちの1つに入るまで、スリープ・モードに留まることができる。
【0024】
モバイル・ユニット125は、矢印130(2)によって示されるようにカバレージ・エリア120に入るときに、マクロセル105(1)からフェムトセル115(1、3)のうちの1つへハンド・オフすることができる。たとえば、モバイル・ユニット125は、信号強度の比較、しきい信号強度、および類似物など、ある判断基準に基づいてフェムトセル115(3)にハンド・オフすると判断することができる。モバイル・ユニット125が、フェムトセル115(3)にハンド・オフし終え、フェムトセル115(3)にキャンプしているようになった後に、フェムトセル115(3)の状況を変更することができる。たとえば、フェムトセル115(3)に登録済みのユーザ機器のすべてが、ハンド・オフの後にフェムトセル115(3)にキャンプしている場合には、フェムトセル115(3)は、セミアクティブ・モードに遷移し、ビーコン信号をオフに切り替えることができる。その代わりに、いくつかの登録されたユーザ機器がマクロセル105内にあるが、フェムトセル115(3)にキャンプしていない場合には、フェムトセル115(3)は、アクティブ・モードに留まることができる。
【0025】
モバイル・ユニット125が、矢印130(3)によって示されるように、カバレージ・エリア120を去り、別のマクロセル105(3)にハンド・オフする場合には、フェムトセル115(3)は、その動作モードを変更することができる。たとえば、他のユーザ機器が、ハンド・オフの後にフェムトセル115(3)にキャンプしていない場合には、フェムトセル115(3)は、セミスリーピング・モードに遷移することができる。モバイル・ユニット125は、マクロセル105(3)の外部のエンティティにハンド・オフするか現在のページング・ゾーンから外れるや否や、位置更新メッセージを送信することもできる。このメッセージ・タイプは、モバイル・ユニット125がその登録されたフェムトセル115(3)から離れていることを示すことができる。このメッセージは、登録されたフェムトセル115(3)を示す識別子を含むこともできる。矢印130(4)によって示されるように、モバイル・ユニット125がオーバーラップするマクロセル105を去るときに、フェムトセル115(3)の動作モードを変更することができる。たとえば、フェムトセル115(3)に登録された他のユーザ機器がオーバーラップするマクロセル105内に存在しない場合には、フェムトセル115(3)は、モバイル・ユニット125がオーバーラップするマクロセル105を去るときにスリープ・モードに戻って遷移する。
【0026】
図2に、無線通信システム200の第2の例示的実施形態を概念的に示す。第2の例示的実施形態では、無線通信システム200は、モバイル・ユニット205、マクロセルに無線カバレージを提供する基地局210、およびフェムトセルに無線カバレージを提供するHeNB 215を含む。モバイル・ユニット205は、エア・インターフェース220を介して基地局210と通信することができ、基地局210は、HeNB 215に通信的に(たとえば、コア・ネットワークを介して)結合される。モバイル・ユニット205は、別のエア・インターフェース(図2には図示せず)を介してHeNB 215と直接に通信することもできる。したがって、モバイル・ユニット205に関係する位置情報および/または他の状況情報を、マクロセルラ・ネットワーク内およびフェムトセル・ネットワーク内の要素に通信することができる。
【0027】
モバイル・ユニット205は、モバイル・ユニット205から使用可能なフェムトセルとオーバーラップするマクロセルのアイデンティティを含むリストまたはデータベース225を維持する。モバイル・ユニット205は、モバイル・ユニット205に登録されたプライベートHeNBのアイデンティティを含むリストまたはデータベース230をも含む。データベース225、230内の情報を、お互いにマッピングすることができ(両方向の矢印235によって示されるように)、その結果、モバイル・ユニット205は、どのマクロセルがフェムトセルとオーバーラップするのかおよびその逆を判定できるようになる。モバイル・ユニット205は、モバイル・ユニット205がそのプライベートHeNB 215のうちの1つまたは複数をカバーするマクロセルに入りつつあることを示す、基地局210によってブロードキャストされたオーバーヘッド・メッセージを読み取るときに、エア・インターフェース220を介して位置更新メッセージを送信する。位置更新メッセージは、HeNB 215がウェイク・アップしなければならないことを示すためにセットされたタイプ・フィールドを有することができる。オプションで、HeNB 215は、位置更新メッセージが成功して受信されるか再試行の回数の上限に達するまでモバイル・ユニット205が位置更新メッセージを再送信することを可能にする肯定応答機構を実施することができる。モバイル・ユニット205は、HeNB 215から別のマクロセルにハンド・オフするときに、位置更新メッセージを送信することもできる。
【0028】
図3に、位置メッセージ300の1つの例示的実施形態を概念的に示す。図示の実施形態では、位置メッセージ300は、位置メッセージ300の更新タイプを示すのに使用されるフィールド305を含む。例示的な更新タイプは、「wake up HeNB(HeNBをウェイク・アップせよ)」、「away from HeNB(HeNBから離れた)」、「away from overlapping macrocell(オーバーラップするマクロセルから離れた)」、および類似物を含む。位置メッセージ300は、位置メッセージを送信するモバイル・ユニットの登録されたHeNBの1つまたは複数のセル識別子を示すのに使用されるフィールド310をも含む。フィールド315は、モバイル・ユニットによって使用されつつある搬送波(1つまたは複数)の帯域クラスおよび周波数を含めて1つまたは複数の搬送波を示すのに使用することができる。フェムトセルは、モバイル・ユニットによって使用されつつある1つまたは複数の搬送波上でのみビーコン信号を選択的に送信するのにこの情報を使用することができる。このオプションは、モバイル・ユニットによって監視されない可能性がある搬送波上でビーコン信号を送信することによって干渉を生成するのを回避するのを助けることができる。位置メッセージ300内のフィールド320は、緯度、経度、高度、またはたとえばモバイル・ユニット内で実施される全地球測位システム(GPS)機能性を使用して判定できる他の座標など、モバイル・ユニットの位置情報を送信するのに使用することができる。フィールド320を報告することは、モバイル・ユニットの位置追跡機構の一部である。GPS機能性を実施するモバイル・ユニットは、訪問した位置の報告を作成し、アクセス・ネットワークに送信することができる。これらの報告を、周期的にまたはネットワークからの要求に従って送信することができる。この報告は、モバイル・ユニットが報告される位置またはその近くにどれほど長くいたのかを示す情報を含むこともできる。モバイル・ユニットに関連する優先順位を、フィールド325内で送信することができる。
【0029】
戻って図2を参照すると、モバイル・ユニット205は、モバイル・ユニット205の位置情報を収集するのに使用されるGPS要素240を含む。一実施形態では、位置情報を、周期的に、たとえば5秒おきに1回記録し、ネットワークに戻って報告されるまでモバイル・ユニット205内に格納することができる。報告を、要求時にまたは周期的に、たとえば毎日1回、生成し、送信することができる。モバイル・ユニット205の位置の報告は、モバイル・ユニット205がその位置またはその近くにどれほど長くいたのかを示す情報を含むこともできる。この情報は、測定された時間間隔またはその代わりに測定された位置が現在位置またはその近くで実質的に一定のままであった回数を示すカウントの数を含むことができる。GPS 240を使用することは、モバイル・ユニット205が特定のマクロセルまたはフェムトセル内にあることを単純に知ることと比較して、位置情報の分解能を改善することができる。モバイル・ユニット位置情報を使用して、基地局210および/またはHeNB 215によって提供される無線リソースを構成することができる。いくつかの実施形態では、この方法を使用して、ページングおよび/またはメッセージングのためのパーソナライズされたページング・ゾーンを作成する、アクティブおよび/またはアイドルのユーザ機器に基づくユーザ機器密度マップを作成するなどを行うことができる。
【0030】
モバイル・ユニット205によって送信されるメッセージまたは報告(またはその中に含まれる情報)を、モバイル・ユニット205から適当な登録されたHeNB 215にルーティングすることができる。図示の実施形態では、基地局210は、ルータ245を含む無線ネットワーク制御装置242と通信する。しかし、代替実施形態では、ルータ245を、他のエンティティ内で実施することができ、あるいは、独立型デバイスとすることができる。ルータ245は、モバイル・ユニット205によって送信されたメッセージを検出し、それらをHeNB 215に転送すべきかどうかを判定することができる。たとえば、ルーティング機能245は、メッセージ内のHeNB識別子情報を読み取り、この識別子を使用して、メッセージを識別子によって示されるターゲットHeNB 215にルーティングすることができる。その後、ルータ245は、メッセージをHeNB 215に伝えることができる経路250を提供することができる。当業者は、経路250を、メッセージを実質的に逐語的に渡す接続とすることができ、あるいは、メッセージに含まれる情報の実質をHeNB 215に伝える仮想経路とすることができることを了解するに違いない。無線ネットワーク制御装置242および/または基地局210は、モバイル・ユニット205から位置更新メッセージを受信するときに、HeNB 215に関するすべての要求される準備および/または登録を実行することができる。無線ネットワーク制御装置242および/または基地局210は、HeNB 215からモバイル・ユニット205に戻って肯定応答をルーティングするためにユーザ機器識別子を使用することもできる。
【0031】
HeNB 215は、4つのモードすなわち、アクティブ・モード、セミアクティブ・モード、セミスリーピング・モード、およびフル・スリーピング・モードで動作するように構成される。しかし、本開示の利益を有する当業者は、より多数またはより少数のモードをHeNB 215内で実施でき、HeNB 215が、異なる判断基準に基づいて異なるモードの間で遷移できることを了解するに違いない。図示の実施形態では、HeNB 215は、モバイル・ユニット205などの登録されたユーザ機器からウェイクアップ・メッセージを受信するときに、1つまたは複数の搬送波周波数上でビーコン信号をオンに切り替える。搬送波周波数を、モバイル・ユニット205によって使用される、位置更新メッセージ内で示された搬送波に対応するように選択することができる。モバイル・ユニット205が、HeNB 215から基地局210にハンド・オフする場合には、オリジナルHeNB 215は、モバイル・ユニット205および基地局210によって使用されるターゲット搬送波についてそのビーコン信号をオンに切り替えることができる。HeNB 215は、モバイル・ユニット205が、それがHeNB 215から離れて移動したことを示す位置更新メッセージを送信するときに、アタッチされ登録されたユーザ機器を有しないすべての搬送波についてそのビーコン信号をオフに切り替えることもできる。HeNB 215は、すべての登録されたユーザ機器がHeNB 215にアタッチされるときにすべてのビーコン信号をオフに切り替えることができる。というのは、この状態では、ビーコン信号を使用する必要があるユーザ機器があってはならないからである。登録されたユーザ機器がHeNB 215にアタッチしておらず、登録されたユーザ機器がオーバーラップするマクロセル内に配置されていないときには、HeNB 215は、スリーピング・モードに遷移し、ビーコン信号、パイロット信号、オーバーヘッド信号、および類似物の送信を停止することができる。スリープしているHeNB 215は、アクセス・チャネルの監視を停止することもできる。
【0032】
いくつかの実施形態では、HeNB 215は、マクロセルに送信され、その後にHeNB 215に転送された位置登録メッセージに含まれる情報に基づいて、送信電力および/または電力分布を変更することもできる。たとえば、HeNBは、より高い優先順位のユーザ機器が増やされた送信電力を得るようにするために、位置登録メッセージ内で示されたユーザ機器優先順位に基づいて、ビーコン信号、パイロット信号、オーバーヘッド信号、および/またはトラフィック・チャネルの送信電力を増やし、または減らすことができる。HeNB 215が複数のアンテナを含む場合には、より高い優先順位を有するユーザ機器にビーム・パターン優先的に向けるために、ビームフォーミングを使用することができる(ユーザ機器によって送信されるかネットワーク内で判定される位置情報に関連して)。一実施形態では、マクロセルが、ユーザ機器からHeNB 215へのラウンドトリップ遅延を判定できる場合があり、この場合には、この情報を使用して、HeNB 215によるユーザ機器の獲得を加速することができる。
【0033】
無線通信システム200は、公衆および/またはプライベートのHeNB 215の動作モードをオーバーライドできる場合もある。一実施形態では、無線通信システム200は、すべてのHeNB 215がすべてのモバイル・ユニット205に無線接続性を提供することを要求する能力を有することができる。たとえば、緊急状況では、無線通信システム200を、できる限り多くの無線接続性を提供するように構成することができ、この状況では、無線通信システム200は、すべての使用可能な基地局210およびHeNB 215の制御を引き受けることができる。したがって、無線通信システム200は、緊急状況で最大のカバレージおよび/またはスループットを提供するためにこれらのデバイスのすべての無線リソースを管理することができる。リソースの管理は、プライベート・フェムトセルを公衆フェムトセルに変更するなどのアクションを実行すること、プライベート・フェムトセルをイネーブルするまたはディスエーブルすること、フェムトセルのビーコン電力を調整すること、フェムトセルのカバレージ・エリアのカバレージ範囲および/または形状を調整すること、および類似物を含むことができる。無線通信システム200は、システムの負荷の分布などの要因に基づいて公衆HeNBをオンまたはオフに切り替えることができる。たとえば、無線通信システム200は、ユーザ密度マップを構成するために、すべてのユーザによって報告された正確な位置情報を使用することができる。その後、ユーザ密度マップを使用して、オーバーレイされたフェムトセルをオン/オフに切り替えること、追加の搬送波をオン/オフに切り替えること、ビームフォーミング、送信電力調整を行うこと、および類似物を含む、ネットワークからのリソース割当を案内することができる。もう1つの例として、セクタごとの基礎での負荷分布を、判断の基礎として使用することができ、かつ/または、アイドル・トラフィックを、ユーザ機器によって送信された位置更新を使用して推定することができる。
【0034】
図4に、ユーザ機器(UE)がフェムトセルのカバレージ・エリアとオーバーラップするマクロセル(マクロ)に入るときに、フェムトセル(HeNB)をウェイク・アップする方法400の1つの例示的実施形態を概念的に示す。図示の実施形態では、ユーザ機器は、無線通信システム内でマクロセルによってブロードキャストされ得るオーバーヘッド情報を監視する。ユーザ機器が、登録されたフェムトセルにマッピングされるマクロセルの識別子を検出する(405で)場合には、ユーザ機器は、位置更新/登録メッセージなどのメッセージをそのマクロセルに送信する(410で)。メッセージ(またはメッセージによって伝えられる情報)は、その後、マクロセルからコア・ネットワーク(CN)に転送され(415で)、CNは、そのメッセージをフェムトセル通信システムへのゲートウェイ(H−GW)に伝える(420で)。ゲートウェイは、メッセージ内に埋め込まれたフェムトセルの識別子を使用して、情報をターゲット・フェムトセルにルーティングすることができる(425で)。メッセージの受信時に、フェムトセルは、登録されたユーザとしてユーザ機器を識別し、ウェイク・アップする(430で)。肯定応答プロトコルを実施する実施形態では、フェムトセルは、肯定応答をユーザ機器に返すことができる(435で)。
【0035】
図5に、無線通信システム500の第3の例示的実施形態を概念的に示す。図示の実施形態では、無線通信システム500は、HPLMN(home public land mobile network)と1つまたは複数のVPLMN(visited public land mobile network)との両方を含む。本開示の利益を有する当業者は、public land mobile networkを、公衆交換電話網などの他のネットワークと相互接続できることを了解するに違いないが、これは、この説明を不明瞭にすることを避けるために図5には図示されていない。無線通信システム500は、1つまたは複数のモバイル・ユニット505に無線接続性を提供するのに使用される。図示の実施形態では、モバイル・ユニット505は、VPLMNにローミングしつつあり、VPLMN内のフェムトセルまたはHeNB 510へのエア・インターフェースを使用して無線通信システム500にアクセスする。たとえば、エア・インターフェースを、Long Term Evolution(LTE)標準規格および/またはプロトコルに従って確立されるLTE−Unインターフェースとすることができる。
【0036】
HeNB 510は、LTE標準規格によって定義されたS1−MMEインターフェースなどのインターフェースを介してゲートウェイ(HeNB GW)515と通信することができる。HeNB 510は、LTE標準規格によって定義されたS1−Uインターフェースなどのインターフェースを介してサービング・ゲートウェイ(S−GW)520と通信することもできる。ゲートウェイ515、520は、LTE標準規格によって定義されたS1−MMEインターフェースおよびS11インターフェースなどの対応するインターフェースを介してMME(mobility management entity)525と通信する。VPLMN内のmobility management entity 525は、HPLMN内のHSS(home subscription server)530と通信することができる。モバイル・ユニット505は、C1インターフェースを介してHPLMN内のCSG(closed subscriber group)535と通信することもできる。このアーキテクチャ内の説明されたインターフェースおよびエンティティを使用して、本明細書で説明されるマルチモード・フェムトセル動作を実施するのに使用される情報を伝えることができる。
【0037】
開示される主題の諸部分および対応する詳細な説明は、ソフトウェアまたは、コンピュータ・メモリ内のデータ・ビットに対する動作のアルゴリズム表現および記号表現に関して提示される。これらの説明および表現は、当業者が彼らの作業の実質をそれによって他の当業者に効率的に伝える説明および表現である。アルゴリズムは、この用語が本明細書で使用されるときに、および一般に使用されるときに、所望の結果につながるステップの自己完結的シーケンスと考えられる。ステップは、物理的量の物理的操作を必要とするステップである。必ずではないが通常、これらの量は、格納され、転送され、組み合わされ、比較され、かつ他の形で操作され得る、光信号、電気信号、または磁気信号の形をとる。時々、主に一般的な使用の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、項、数、または類似物と称することが便利であることがわかっている。
【0038】
しかし、これらおよび類似する用語のすべてが、適切な物理量に関連付けられなければならず、単にこれらの量に適用される便利なラベルであることに留意されたい。そうではないと特に述べられない限り、または議論から明白であるように、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「判定」、「表示」、または類似物などの用語は、コンピュータ・システムのレジスタおよびメモリ内の物理的電子的量として表されたデータを操作し、コンピュータ・システム・メモリもしくはレジスタまたは他のそのような情報ストレージ・デバイス、情報伝送デバイス、もしくは情報表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータ・システムまたは類似する電子コンピューティング・デバイスのアクションおよびプロセスを指す。
【0039】
また、開示される主題のソフトウェア実施される諸態様が、通常は、ある形のプログラム記憶媒体上で符号化され、またはあるタイプの伝送媒体を介して実施されることに留意されたい。プログラム記憶媒体は、磁気(たとえば、フロッピ・ディスクまたはハード・ドライブ)または光学(たとえば、コンパクト・ディスク読取り専用メモリすなわち「CD ROM」)とすることができ、読取り専用またはランダム・アクセスとすることができる。同様に、伝送媒体は、より対線、同軸ケーブル、光ファイバ、または当技術分野で既知のある他の適切な伝送媒体とすることができる。開示される主題は、任意の所与の実施態様のこれらの態様によって限定はされない。
【0040】
上で開示された特定の実施形態は、例示にすぎない。というのは、開示される主題を、本明細書の教示の利益を有する当業者に明白な、異なるが同等の形で変更し、実施することができるからである。さらに、下の特許請求の範囲に記載されたものと異なる、本明細書で示された構成または設計の詳細への限定は、意図されていない。したがって、上で開示された特定の実施形態を、変更しまたは修正することができ、すべてのそのような変形形態が、開示される主題の範囲内と考えられることは、明白である。したがって、本明細書で求められる保護は、下の特許請求の範囲に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのモバイル・ユニット、少なくとも1つの第1カバレージ・エリアに無線接続性を提供する少なくとも1つのマクロセル、および前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリアとオーバーラップする第2カバレージ・エリアに無線接続性を提供するフェムトセルを用いる方法であって、
前記フェムトセルで、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットが前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリア内に配置されるかどうかを示す前記少なくとも1つのマクロセルからの情報の受信に応答して、前記少なくとも1つのマクロセルに関連する少なくとも1つの搬送波上で前記フェムトセルから少なくとも1つのビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するステップは、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットが前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリア内に配置されていないときに前記フェムトセルから前記少なくとも1つのビーコン信号を送信しないと判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するステップは、
前記少なくとも1つのモバイル・ユニットが前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリア内に配置されているときに前記少なくとも1つのビーコン信号を送信すると判定するステップと、
前記フェムトセルから、前記少なくとも1つのマクロセルに関連する前記少なくとも1つの搬送波上で前記少なくとも1つのビーコン信号を送信するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの搬送波は、複数の搬送波を含み、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットは、前記複数の搬送波のうちの1つを使用して前記少なくとも1つのマクロセルにアタッチされ、前記少なくとも1つのビーコン信号を送信するステップは、前記複数の搬送波のうちの前記1つの上で前記少なくとも1つのビーコン信号を送信するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのモバイル・ユニットは、前記フェムトセルに登録された複数のモバイル・ユニットを含み、前記フェムトセルから前記少なくとも1つのビーコンを送信すべきかどうかを判定するステップは、前記複数の登録されたモバイル・ユニットが前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリア内にあるかどうかに基づいて、前記少なくとも1つのビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するステップは、所定の緊急条件または前記少なくとも1つのマクロセルのオペレータと前記少なくとも1つのフェムトセルのオペレータとの間の折衝された合意に示された条件のうちの少なくとも1つの下で、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットが前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリア内にあるかどうかとは独立に、前記少なくとも1つのビーコン信号および1つまたは複数のオーバーヘッド信号を送信すると判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのモバイル・ユニットが前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリア内にあるので、前記フェムトセルが前記少なくとも1つのビーコン信号および少なくとも1つのオーバーヘッド信号を送信すると判定するときに、前記少なくとも1つのビーコン信号および前記少なくとも1つのオーバーヘッド信号を送信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
モバイル・ユニット、少なくとも1つの第1カバレージ・エリアに無線接続性を提供する少なくとも1つのマクロセル、および前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリアとオーバーラップする少なくとも1つの第2カバレージ・エリアに無線接続性を提供する少なくとも1つのフェムトセルを用いる方法であって、
前記少なくとも1つのマクロセルが、前記少なくとも1つのマクロセルに関連する少なくとも1つの搬送波上で前記少なくとも1つのフェムトセルから少なくとも1つのビーコン信号を送信すべきかどうかを前記少なくとも1つのフェムトセルで判定するために、前記モバイル・ユニットが前記少なくとも1つの第1カバレージ・エリア内にあることを示す情報を前記少なくとも1つのフェムトセルに転送できるようにするために、前記モバイル・ユニットから前記少なくとも1つのマクロセルに前記情報を送信するステップ
を含む方法。
【請求項9】
前記情報を送信するステップは、前記少なくとも1つのフェムトセルの識別子、前記モバイル・ユニットによって使用される少なくとも1つの搬送波、前記モバイル・ユニットの優先順位、または前記モバイル・ユニットの位置のうちの少なくとも1つを示す情報を含む位置更新メッセージを送信するステップを含み、前記少なくとも1つのフェムトセルは、複数のフェムトセルを含み、前記少なくとも1つのマクロセルは、複数のマクロセルを含み、前記モバイル・ユニットで、前記モバイル・ユニットが前記複数のフェムトセルのサブセットに登録されていることを示すリストと、前記複数のフェムトセルの前記サブセット内の各フェムトセルの、前記フェムトセルを含む各マクロセルへのマッピングを示す情報とを維持するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのモバイル・ユニット、第1カバレージ・エリアに無線接続性を提供するマクロセル、および前記第1カバレージ・エリアとオーバーラップする少なくとも1つの第2カバレージ・エリアに無線接続性を提供する少なくとも1つのフェムトセルを用いる方法であって、
前記モバイル・ユニットから、前記マクロセルで、前記モバイル・ユニットが前記第1カバレージ・エリア内にあることを示す情報を受信するステップと、
前記少なくとも1つのフェムトセルで、前記マクロセルに関連する少なくとも1つの搬送波上で前記少なくとも1つのフェムトセルから少なくとも1つのビーコン信号を送信すべきかどうかを判定するために、前記マクロセルから前記少なくとも1つのフェムトセルへ前記情報を送信するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記情報を受信するステップは、前記少なくとも1つのフェムトセルの識別子、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットによって使用される少なくとも1つの搬送波、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットの優先順位、または前記少なくとも1つのモバイル・ユニットの位置のうちの少なくとも1つを示す情報を含む位置更新メッセージを受信するステップを含み、前記情報を送信するステップは、前記少なくとも1つのフェムトセルの前記識別子、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットによって使用される前記少なくとも1つの搬送波、前記少なくとも1つのモバイル・ユニットの前記優先順位、または前記少なくとも1つのモバイル・ユニットの前記位置のうちの少なくとも1つを示す前記情報を送信するステップを含む、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−510508(P2013−510508A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537932(P2012−537932)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/055058
【国際公開番号】WO2011/056770
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】