説明

カスパーゼ阻害剤プロドラッグ

本発明は、特定の条件下で生物活性化合物に、特にカスパーゼ阻害剤に変換することができるフロ[3,2−d]オキサゾリン−5−オン部分を含む、カスパーゼ阻害剤のプロドラッグに関する。本発明は、カスパーゼ阻害剤のこれらのプロドラッグを、調製するための方法にも関する。本発明はさらに、前記プロドラッグを含む医薬品組成物と、炎症性または変性状態に関する疾患を治療するためのその使用とに関する。ある実施形態では、これらのプロドラッグは、特定の条件下で生物活性化合物に、特にカスパーゼ阻害剤に変換するフロ[3,2−d]オキサゾリン−5−オン部分を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の条件下で生物活性化合物に、特にカスパーゼ阻害剤に変換するフロ[3,2−d]オキサゾリン−5−オン部分を含む、カスパーゼ阻害剤のプロドラッグであって、式Iを有し且つRおよびRが以下に定義する通りであるプロドラッグに関する。
【0002】
本発明は、カスパーゼ阻害剤のこれらのプロドラッグを調製するための方法にも関する。
【0003】
本発明はさらに、前記プロドラッグを含む医薬品組成物と、炎症性または変性状態に関する疾患を治療するためのその使用とに関する。
【背景技術】
【0004】
カスパーゼは、アポトーシスおよび細胞分解のシグナル伝達経路での重要な媒介物である、システインプロテアーゼ酵素のファミリーである。細胞アポトーシスの増加に伴う様々な哺乳類疾患状態を治療するための、カスパーゼ阻害剤の有用性は、ペプチドカスパーゼ阻害剤を使用して実証されている。これらの阻害剤は、梗塞サイズを縮小させ、心筋梗塞後の心筋細胞アポトーシスを阻害し、脳卒中から生ずる病変体積および神経障害を低減し、外傷性脳損傷における外傷後アポトーシスおよび神経障害を低減し、劇症肝臓破壊を治療し、内毒素性ショック後の生存率を改善させるのに有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロドラッグの使用によって、高い生物学的利用能や既知の薬物に対する高い部位特異性などの、所望の特性が与えられる。したがって、カスパーゼ阻害剤のプロドラッグが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の化合物、および医薬品として許容されるその組成物は、カスパーゼ阻害剤のプロドラッグとして有効である。ある実施形態では、これらのプロドラッグは、特定の条件下で生物活性化合物に、特にカスパーゼ阻害剤に変換するフロ[3,2−d]オキサゾリン−5−オン部分を含む。これらのプロドラッグは、式Iまたは医薬品として許容されるその塩を有し、但し、RおよびRは下記に定義する通りである。
【0007】
【化14】

これらの化合物、および医薬品として許容されるその組成物は、限定するものではないが心筋梗塞、脳卒中、外傷性脳損傷、劇症肝臓破壊、内毒素性ショック、敗血症、敗血症ショック、慢性肝炎、および膵炎を含めた、細胞アポトーシスに関連する様々な哺乳類疾患状態を治療するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、式Iの化合物を提供する
【0009】
【化15】

(式中、
は、H、R、ハロアルキル、CHN、CHCl、CHF、−CHOPO(R、−CHOPO(OR、または−C1〜2アルキル−R−Rであり;
は、カスパーゼ阻害剤のP−P−P、P−P、またはP部分であり;
は、−O−、−NH−、−NR−、−S−、または−O(C=O)−であり;
は、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;
但し、前記R基は、0〜5個のJおよび0〜2個のJで任意選択で置換され;
または2個のR基は、これが結合する原子と一緒になって、0〜5個のJおよび0〜2個のJで任意選択で置換された3〜8員単環式または8〜12員二環式の環を形成し;
Jは、水素、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)N(R’)、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0〜2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NR’)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
は、=NR’、=N(OR’)、=O、または=Sであり;
R’は、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;
各R’は、独立して、0〜5回出現するH、C1〜6アルキル、CF、ハロゲン、NO、OCF、CN、OH、O(C1〜6アルキル)、NH、N(C1〜6アルキル)、N(C1〜6アルキル)、C(=O)CH、またはO、N、およびSから選択されたヘテロ原子を1回任意選択で割り込ませたC1〜6アルキルで任意選択で置換され;但し、各C1〜6アルキルは、置換されておらず;
別段の記載がない限り、適切な価数を有する任意の基は、0〜5個のJおよび0〜2個のJで任意選択で置換されている)。
【0010】
本明細書で使用する、指定された原子の個数範囲には、その中の任意の整数が含まれる。例えば、1〜4個の原子を有する基は、1、2、3、または4個の原子を有することができる。
【0011】
本明細書で使用される脂肪族基は、完全飽和または1個もしくは複数の不飽和単位を有する部分飽和の直鎖状、分枝状、または環状炭化水素基である。他に特に指定しない限り、脂肪族基は、1から12個の炭素原子を有する。理解されるように、アルケニルおよび/またはアルキニル脂肪族基は、最少で2個の炭素原子を有する。好ましい脂肪族基は、アルキル基である(好ましくは、1から6個の原子を有する)。
【0012】
「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、および「脂環式」基は、3から10個の炭素原子を有し、単環式または二環式、完全飽和または部分飽和の直線状に縮合し、架橋し、またはスピロ環式のものである。
【0013】
本明細書で使用する「芳香族基」または「アリール」は、少なくとも1個の芳香(即ち、完全飽和)環を含有する6〜14員環系を指す。芳香環の例には、フェニル、ナフチル、ベンズイミダゾール、およびベンゾジオキサンが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0014】
本明細書で使用する「ヘテロアリール」は、5〜14員と、N、NR’、O、S、SO、およびSOから独立に選択された1、2、または3個のヘテロ原子とを有する環系であって、少なくとも1個の環が、複素環式(O、N、およびSから選択された4個までのヘテロ原子を含有する、完全に飽和した環;例えばピリジル、チオフェン、またはチアゾール)である環系を指す。
【0015】
本明細書で使用する「複素環」は、3〜10員と、N、NR’、O、S、SO、およびSOから独立に選択された1、2、または3個のヘテロ原子とを有する環系であって、どの環も芳香族ではない環系(例えば、ピペリジンおよびモルホリン)を指す。
【0016】
ヘテロアリール環のその他の例には、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば、5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル(例えば、2−インドリル)、ピラゾリル(例えば、2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、プリニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル(例えば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)、およびイソキノリニル(例えば、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、または4−イソキノリニル)が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0017】
複素環のその他の例には、3−1H−ベンゾイミダゾール−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンゾイミダゾール−2−オン、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン、ベンゾジチアン、および1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オンが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0018】
いくつかの実施形態では、アルキルまたは脂肪族鎖に、別の原子または基を任意選択で割り込ませることができる。これは、アルキルまたは脂肪族鎖のメチレン単位が、前記その他の原子または基で任意選択で置換されていることを意味する。そのような原子または基の例には、限定するものではないが−NR’−、−O−、−S−、−CO−、−OC(O)−、−C(O)CO−、−C(O)−、−C(O)NR’−、−C(=N−CN)、−NR’CO−、−NR’C(O)O−、−SONR’−、−NR’SO−、−NR’C(O)NR−、−OC(O)NR’−、−NR’SONR−、−SO−、または−SO−が含まれ、但し、R’は、本明細書で定義される。他に特に指定しない限り、任意選択の置換によって、科学的に安定な化合物が形成される。任意選択の割込みは、鎖の内部および鎖の端部で、即ち結合点および/または末端の両方で引き起こすことができる。2つの任意選択の置換は、化学的に安定な化合物が得られる限り、鎖の内部で互いに隣接させることもできる。別段の記載がない限り、置換または割込みが末端で生ずる場合には、置換原子が末端上のHに結合する。例えば、−CHCHCHに−O−を任意選択で割り込ませる場合、得られる化合物は、−OCHCH、−CHOCH、または−CHCHOHになる。
【0019】
本明細書で使用される「保護基」という用語は、多官能性化合物中の1つまたは複数の所望の反応部位を、一時的に遮断するのに使用される物質を指す。ある実施形態では、保護基は、下記の特徴1つもしくは複数、または好ましくは全てを有する:a)その他の反応部位の1つまたは複数で生ずる反応に対して安定な、保護された基質が得られるように、良好な収率で選択的に反応する;およびb)再生された官能基を攻撃しない試薬により、良好な収率で、選択的に除去可能である。例示的な保護基については、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、Greene,T.W.、Wuts,P.G、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons,New York:1999年に詳述されている。本明細書で使用する「窒素保護基」という用語は、多官能性化合物中の1つまたは複数の所望の窒素反応部位を、一時的に遮断するのに使用される物質を指す。好ましい窒素保護基は、上記にて例示した特徴も保有し、ある例示的な窒素保護基に関しては、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、第7章、Greene,T.W.、Wuts,P.G、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、New York:1999年にも詳述されている。
【0020】
上記脂肪族、アリール、脂環式、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、適切な置換基(好ましくは5個まで、より好ましくは3個まで、さらにより好ましくは0または1個)で、任意選択で置換されていてもよい。
【0021】
本明細書に記述される「任意選択で置換された」は、「置換され、または置換されていない」という文言と同義に使用される。一般に、「置換された」という用語は、その語頭に「任意選択の」という用語があろうとなかろうと、所与の構造内水素基が指定された置換基で置換されたことを指す。別段の記載がない限り、任意選択で置換された基は、この基の置換可能な各位置に置換基を有していてもよく、また任意の所与の構造の複数箇所を、指定された基から選択された複数の置換基で置換することができる場合、この置換基は、全ての位置で同じでも異なっていてもよい。
【0022】
本発明により考えられる置換基の組合せは、安定なまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものであることが好ましい。本明細書で使用する「安定」という用語は、その生成、検出、好ましくは回収、精製、および本明細書に開示される目的の1つまたは複数のための使用を可能にする状態に曝されたときに、実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態では、安定な化合物または化学的に実現可能な化合物は、少なくとも1週間、水分またはその他の化学的に反応し易い状態ではないときに40℃以下の温度に保たれた場合、実質的に変化しないものである。
【0023】
別段の記載がない限り、脂肪族、アリール、脂環式、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル上の好ましい置換基は、ハロゲン、−OR’、−NO、−CF、−OCF、−R’、オキソ、−OR’、−O−ベンジル、−O−フェニル、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−C(O)R’、−COOR’、および−CON(R’)から選択され、但し、R’は、本明細書で定義されている(好ましくは、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、またはC2〜6アルキニルであり、C1〜6アルキルが最も好ましい)。この定義には、過フッ素化アルキル基が含まれることを理解すべきである。
【0024】
本発明のある実施形態では、窒素原子上の好ましい置換基は、−R、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0〜2NHC(O)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−P(O)(R、−P(O)(OR、および−P(O)(H)(OR)からなる群から選択され、但し、Rは、本明細書に定義されている。
【0025】
その他の実施形態では、窒素置換基は、H、−R、COR、S(O)、またはCOである。さらに別の実施形態では、窒素置換基は、−Rまたは−C(O)Rである。
【0026】
本発明のある化合物は、互変異性形態または水和形態で存在してもよく、そのような化合物の全ての形態は本発明の範囲内にあることが、当業者に明らかにされよう。別段の記載がない限り、本明細書に示される構造は、この構造の全ての立体化学的形態、即ち各不斉中心ごとのRおよびS立体配置も含むものとする。したがって、本発明の化合物の、単一の立体化学異性体並びに鏡像異性体およびジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内である。
【0027】
別段の記載がない限り、本明細書に示される構造は、1個または複数の同位体的に富む原子の存在下でのみ異なる化合物も含むものとする。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置換、または13Cもしくは17Cに富む炭素による炭素の置換を除いて本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
【0028】
本発明の化合物は、類似化合物に関する当業者に既知の一般的な合成方法も含めた任意の方法によって、得ることができる。例示を目的として、本発明の化合物の合成に関する下記のスキームを、提供する。
【0029】
下記の略語を使用する。
TFAA− トリフルオロ酢酸無水物
EDC− 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド
DMC− ジクロロメタン
HNMR− プロトン核磁気共鳴
19FNMR− フッ素核磁気共鳴
13CNMR− 炭素核磁気共鳴
LCMS− 液体クロマトグラフィ/質量分析
【0030】
【化16】

スキームIは、式Iの化合物の形成を示す。式Iの化合物は、カルボン酸活性化剤およびDMC(ジクロロメタン)などの適切な溶媒を使用して、式IIの化合物を処理することにより調製することができる。カルボン酸活性化剤の例には、TFAA、無水酢酸、EDC、およびカルボン酸無水物が含まれるが、これらに限定するものではない。TFAAは、カルボン酸を活性化するのに使用される任意の試薬によって置換できることが、当業者に明らかにされよう。DMCは、その他の適切な有機溶媒によって置換できることも、当業者に明らかにされよう。
【0031】
当業者により理解されるように、あるプロセスステップは、個別のステップでまたは原位置で実現することができる。例えば、本発明のプロセスでアミンの脱保護およびその後の反応が行われる場合、これらのステップは、段階的にまたは1段階の手順で実現することができる。
【0032】
式IIのある化合物のようなキラルアスパラギン酸残基は、スキームIで記述される状態にかけられたときに、鏡像異性的に純粋な生成物を形成する。式IIのあるその他の化合物のようなラセミアスパラギン酸残基は、シン異性体の混合物を形成する。
【0033】
ある実施形態では、上記プロセスは、本明細書(例えば、スキーム、実施例、および添付の記述)に記述される通りである。
【0034】
一実施形態は、式Iの化合物を調製する方法であって
【0035】
【化17】

(式中、RおよびRは、本明細書に定義される通りである。)、
式IIの化合物を
【0036】
【化18】

(式中、RおよびRは、本明細書に定義される通りである。)
カルボン酸活性化剤および適切な溶媒で処理して式Iの化合物を形成するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、カルボン酸活性化剤は、TFAA、無水酢酸、またはEDCから選択される。いくつかの実施形態では、カルボン酸活性化剤がTFAAである。
【0037】
本発明の組成物および方法で利用される化合物は、選択的な生物学的性質を高めるために、適切な官能性を付加することによって改質してもよい。そのような改質は、当業者に知られており、所与の生物系(例えば血液、リンパ系、中枢神経系)内への生物学的進入を増大させ、経口利用可能性を増大させ、注射による投与が可能になるように溶解度を上昇させ、代謝を変化させ、また排出速度を変化させるものが含まれる。
【0038】
例えば、本発明の化合物中のカルボン酸基は、例えばエステルとして誘導体化されていてもよい。好ましいエステルは、C1〜6直鎖状または分枝状アルキル、アルケニル、またはアルキニル(但し、アルキル、アルケニル、またはアルキニルは、C6〜10アリール、CF、Cl、F、OMe、OEt、OCF、CN、またはNMeで置換されている。)、C1〜6シクロアルキル(但し、シクロアルキル中の1〜2個の炭素原子は、−O−または−NR−で任意選択で置換されている。)から得られるものになる。
【0039】
カルボニル基を有する本発明の化合物は、例えばアセタール、ケタール、オキシム、(=NOR)、ヒドラジン(=NN(R)、チオアセタール、またはチオケタールとして同様に誘導体化されていてもよい。
【0040】
アミンの適切な誘導チアは、当技術分野で知られており、やはり本発明の範囲内に含まれる。
【0041】
上記誘導体のいくつかは、当業者に知られている保護基を含むことになる(例えば、T.W.Greene & P.G.M Wutz、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons, Inc.(1999年)参照)。当業者により認識されるように、これらの保護基は、本発明の方法で用いてもよい。
【0042】
本発明の化合物は、アポトーシス、IL−1βの放出またはカスパーゼ活性を直接阻害する能力についてアッセイすることができる。活性のそれぞれに関するアッセイは、当技術分野で知られている。しかし当業者に認識されるように、本発明のプロドラッグ化合物は、プロドラッグ部分が切断されるアッセイにおいて、典型的には生体内アッセイにおいてのみ、活性であるべきである。
【0043】
本発明の化合物は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれているWO99/47545およびWO2004/106304に記載されているような、アッセイで試験してもよい。
【0044】
の部分は、当技術分野では、P、P、またはP部分または部位と、具体的に呼ばれる。これらのPという用語は、特定のカスパーゼ基質のアスパルチル切断部位の、隣りのアミノ酸配列を指す。Pは、カスパーゼで誘導される切断が天然の基質で生じている、基質のアスパルチル残基を指す。新たな非ペピチドカスパーゼ阻害剤の設計において、Pという表現は、アミノ酸配列のどの部分が非ペプチド部分によって置換されているかを示すのに、しばしば保持される。本明細書で使用される「P−P−P」、「P−P」、または「P」部分という用語は、上述のアミノ酸配列、またはカスパーゼ基質であることを目的としてそのような配列を置換することが知られている化学部分を指す。
【0045】
非ペプチドであるP−P−P、P−P、またはP部分の例は、参照によりその全てが組み込まれている、米国特許第5919790号(Allenら)、米国特許第5874424号(Batchelorら)、米国特許第5847135号(Bemisら)、米国特許第5843904号(Bemisら)、米国特許第5756466号(Bemisら)、米国特許第5716929号(Bemisら)、米国特許第5656627号(Bemisら)、WO99/36426(Warner-Lambert)、Dolleら、J.Med.Chem.、40、1941(1997年)、WO98/10778(Idun)、WO98/11109(Idun)、WO98/11129(Idun)、およびWO98/16502(Warner Lambert)に記載されている。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、カスパーゼ阻害剤のP−P−P、P−P、またはP部分は、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、および表1に示される骨格の1つから選択される、任意選択で置換された基である
【0047】
【化19】

【0048】
【化20】

【0049】
【化21】

(式中、
nは0〜3であり;
およびPのそれぞれは、独立して、−(T)−Rであり;
Tは、−CO−、−C(O)O−、−C(O)C(O)−、−C(O)C(O)O−、C(O)NR−、C(O)NRNR−、−C(O)C(O)NR−、−SONR−、または−SO−であり;
pは、0または1であり;
Rは、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、−(C1〜6アルキル)−ベンゾ(C3〜10シクロアルキル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;
AA、AA、およびAAのそれぞれは、独立して、アミノ酸側鎖であり;
Xは、−N−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CHF−、−CF−、−C(R11−、−C=O−、または−C=NOR11−であり;
−Xは、−N(R11)−C(R11)−、−C(R11−C(R11)−、−C(R11−N−、−N=C−、−C(R11)=N−、−C(R11)=C−、−C(=O)−N−、または−C(=O)−C(R11)−であり;
は、O、S、またはHであり;
Yは、NまたはCRであり;
Arは、任意選択で置換されたC6〜10アリール、または任意選択で置換された5〜10員ヘテロアリールであり;
Lは、R、(CH、COR、CO、SO、CON(R、またはSON(Rであり;
およびGは、独立して、NまたはCから選択され;
は、原子価結合、O、S、N、またはCであり;
環Wは、0〜2個の二重結合を含有し、0〜3個のヘテロ原子を含有する飽和または不飽和5〜7員環に任意選択で縮合されており;
環Aは、飽和または不飽和であり、且つO、N、およびSから選択された1〜6個のヘテロ原子を含有する、3〜8員単環式、8〜12員二環式、または10〜14員三環式ヘテロシクリルであり;
環Bは、1〜4個の窒素原子を含有する5〜7員ヘテロシクリルであり;
環Cは、縮合C6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリール環であり;
環Dは、飽和または不飽和であり、且つO、N、およびSから選択された1〜6個のヘテロ原子を含有する、3〜8員単環式、8〜12員二環式、または10〜14員三環式ヘテロシクリルであり;
環Zは、6員アリール、5〜7員ヘテロアリール、C3〜7脂環式、または5〜7員ヘテロシクリルであり;
は、H、ハロ、CN、C1〜12アルキル、NH、−NH(C1〜12アルキル)、−NH(C1〜12アルキル)、OH、−O(C1〜12アルキル)、−O−(フェニル)、C1〜12ハロアルキル、−O(C1〜12ハロアルキル)、C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−C(O)(C1〜12アルキル)、−C(O)OH、−C(O)O(C1〜12アルキル)、−NHC(O)(C1〜12アルキル)、−N(C1〜12アルキル)C(O)(C1〜12アルキル)、SONH、−S(O)(C1〜12アルキル)、または−S(O)O(C1〜12アルキル)であり;
は、H、R、または(C1〜12アルキル)−(C=O)Rであり;
は、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、−(C1〜6アルキル)−ベンゾ(C3〜10シクロアルキル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;
あるいはRおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、飽和または不飽和であり、且つO、N、およびSから選択された0〜6個のヘテロ原子を含有する、3〜8員単環式、8〜12員二環式、または10〜14員三環式の環を形成し;
は、H、CF、ハロゲン、NO、OCF、CN、OR、またはRであり;Rは、H、CF、ハロゲン、OCF、SR11、CN、C6〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、−O−(フェニル)、または−S−(フェニル)であり;
10は、O、N、またはSから選択された2個までのヘテロ原子を任意選択で割り込ませたC1〜6アルキルであり;
11およびR12は、それぞれ独立して、HまたはC1〜6アルキルであり;
あるいはR11およびR12は、これらが結合する原子と一緒になって、O、N、またはSから選択された3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する5〜7員環を形成し;
13は、H、C1〜6脂肪族、F、CN、C6〜10アリールであり、またはR13は、Arに結合して、Arと縮合する0〜2個のヘテロ原子を有する不飽和または部分飽和5〜6員環を形成し;
14は、R、OR、またはN(Rであり;
15は、R、NR、OR、または2−t−ブチルフェニルであり;
16は、H、R、−(C1〜6アルキル)−NR、−(C1〜6アルキル)−OR、−(C1〜6アルキル)−NHCOR、−(C1〜6アルキル)−NC(=NH)NH、−(C1〜6アルキル)−NHCO、−(C1〜6アルキル)−SR、−(C1〜6アルキル)−OR、−(C1〜6アルキル)−シクロアルキルであり;または2個のR16が一緒になって、3〜6員炭素環を形成し;
17およびR18は、それぞれ独立して、H、C1〜6脂肪族、C6〜14アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり;またはR17およびR18は、これらが結合する原子と一緒になって、O、N、またはSから選択された1個のヘテロ原子を有する3〜7員ヘテロシクリルを形成し;
19は、C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、またはベンゾ縮合C3〜10シクロアルキルであり;
あるいはR19およびAAは、これらが結合する炭素原子と一緒になって、環Aを形成する)。
【0050】
本発明のその他の実施形態では、Rは、H、R、ハロアルキル、CHN、CHCl、CHF、−CHOR、−CHSR、−CHO(C=O)R、−CHOPO(R、−CHOPO(OR、CHNHR、またはCHN(Rから選択される。
【0051】
本発明のさらにその他の実施形態では、Rは、H、C1〜6アルキル、
【0052】
【化22】

から選択される。
【0053】
その他の実施形態では、Rは、−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、−CHO−トリフルオロフェニル、CHF、または−CHO−テトラフルオロフェニルから選択される。
【0054】
一実施形態では、Rは、
【0055】
【化23】

である。
【0056】
別の実施形態では、Rは、
【0057】
【化24】

である。
【0058】
いくつかの実施形態では、pが0である。その他の実施形態では、pが1である。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、Tは、−CO−、−CONH−、−C(O)O−、−C(O)C(O)− −SO−である。いくつかの実施形態では、Tは、−CO−または−SO−である。いくつかの実施形態では、Tは−CO−である。
【0060】
いくつかの実施形態では、Rは、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、またはC3〜10ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Rは、C6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、ナフチル、フェニル、またはイソキノリルである。
【0061】
本発明のある実施形態では、Tが−CO−であり、RがC6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリールである。
【0062】
いくつかの実施形態では、Tが−CO−であり、Rは、ハロまたはC1〜3アルキルにより3および5位で任意選択で置換され、且つNH、−NC(O)CH、OH、またはOCHにより4位で任意選択で置換されたフェニルである。
【0063】
いくつかの実施形態では、AA、AA、およびAAは、それぞれ独立して、カスパーゼのS2サブユニットに適合することが可能な基である。いくつかの実施形態では、AA、AA、およびAAはそれぞれ独立して、HまたはC1〜10脂肪族である。いくつかの実施形態では、AA、AA、およびAAはそれぞれ独立して、C1〜7アルキルである。いくつかの実施形態では、C1〜7アルキルは、ハロ、OH、SMe、−C(=O)OH、またはフェニルで任意選択で置換されている。
【0064】
いくつかの実施形態では、AがOまたはSである。いくつかの実施形態では、AがOである。その他の実施形態では、AがSである。
【0065】
別の実施形態によれば、環Aは、
【0066】
【化25】

【0067】
【化26】

から選択され、但し、nは0〜3である。
【0068】
いくつかの実施形態では、環Aは、0〜3回出現するJ、および0〜1回出現するJで置換されている。
【0069】
いくつかの実施形態では、環Aは、=O、ハロゲン、C1〜4アルキル、またはC1〜4アルコキシで置換されている。
【0070】
一実施形態によれば、RおよびRは、これらが結合する1個または複数の原子と一緒になって、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、プリン、ジヒドロピリミジン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、ピロール、ピロリドン、ピロリン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラジン、ピペラジン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、フェナントリジン、ジヒドロフェナントリジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、キノリジン、キナゾリン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、シンノリン、ジヒドロキナキサリン、フェナジン、ジヒドロフェナジン、キノキサリン、ジヒドロキノキサリン、フタラジン、1,8−ナフチリジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、プテリジン、キヌクリジン、β−カルボリン、ピリド[7,3−b]インドール、2,3,9−トリアザフルオレン、9−チア−2,10−ジアザアントラゼン、3,6,9−トリアザフルオレン、およびチエノ−[3,2−b]ピロールから選択された環を形成する。
【0071】
別の実施形態によれば、RおよびRは、これらが結合する1個または複数の炭素原子と一緒になって、
【0072】
【化27】

から選択された環を形成する。
【0073】
いくつかの実施形態では、R、R、およびこれらが結合する1個または複数の原子によって形成された環は、0〜3回出現するJおよび0から1回出現するJで置換されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、Rは、H、CF、ハロゲン、OCF、SR11、CN、C6〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、−O−(フェニル)、または−S−(フェニル)であり、但し、前記フェニル基は、1〜3個のJ基で任意選択で置換されており、Jは、ハロ、CH、CF、CN、OCH、OCF、またはN(R’)である。
【0075】
いくつかの実施形態では、ArがC6〜10アリール基である。いくつかの実施形態では、Arがフェニル環である。いくつかの実施形態では、Arは、0〜3回出現するJおよび0〜1回出現するJで任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、Arは、ハロ、CH、CF、CN、OCH、OCF、およびNR1112から選択された1〜3個の基で、任意選択で置換されている、
一実施形態によれば、Zは、
【0076】
【化28】

である。
【0077】
いくつかの実施形態では、Zは、0〜3回出現するJおよび0〜1回出現するJで任意選択で置換されている。
【0078】
いくつかの実施形態では、G、G、およびGがCである。いくつかの実施形態では、環Wは、2つの二重結合を含有し、ピリドン環を形成する。
【0079】
いくつかの実施形態では、変数は、表2の化合物で記述される通りである。
【0080】
いくつかの実施形態では、カスパーゼ阻害剤プロドラッグは、表2に示されるものから選択される。
【0081】
【化29】

上記構造は、化合物のただ1つの可能性ある立体異性体を示すが、本発明は、各化合物の、可能性あるsyn立体異性体の全てを包含する。例として、下記の左側に示される化合物I−2は、1つのsyn立体異性体を表す。右側に示される別のsyn異性体も、本発明の一部である。
【0082】
【化30】

ある実施形態では、化合物I−1およびI−2を含む本発明の化合物は、2つのsyn異性体の混合物である。
【0083】
その他の実施形態では、化合物I−3、I−4、およびI−5を含む本発明の化合物は、上記表に示される構造の立体配座を有する鏡像異性的に純粋なsyn異性体である。
【0084】
別の実施形態によれば、本発明は、
a)本明細書で定義される本発明の化合物、または医薬品として許容されるその塩;および
b)医薬品として許容される担体、アジュバント、またはビヒクル
を含む医薬品組成物を提供する。
【0085】
本発明の化合物の、医薬品として許容される塩が、これらの組成物で利用される場合、これらの塩は、無機または有機酸および塩基から得られることが好ましい。そのような酸塩には、下記の物質、即ち酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデンカン酸塩が含まれる。塩基塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、有機塩基との塩、例えばジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアルギニンやリジンなどのアミノ酸との塩が含まれる。
【0086】
塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などの低級アルキルハロゲン化物;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルなどの硫酸ジアルキル、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などの長鎖ハロゲン化物、ベンジルおよびフェネチルの臭化物などのアルキルハロゲン化物などの薬剤で、4級化することもできる。それによって、水もしくは油に溶解性がありまたは分散性がある生成物が得られる。
【0087】
これらの組成物中に使用することができる、医薬品として許容される担体には、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンーブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0088】
好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、哺乳類、好ましくは人間に医薬品を投与するために配合される。
【0089】
そのような本発明の医薬品組成物は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸から、鼻から、頬側から、膣から、または埋め込まれたリザーバを介して投与することができる。本明細書で使用される「非経口」という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、骨液内、胸骨内、クモ膜下、肝内、病変内、および頭蓋内注射または輸液技法が含まれる。組成物は、経口または静脈内投与されることが好ましい。
【0090】
本発明の組成物の滅菌注射形態は、水性または油性懸濁液でよい。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当技術分野で知られている技法に従い配合することができる。滅菌注射製剤は、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒に溶かした、滅菌注射溶液または懸濁液でもよく、例えば1,3−ブタノールに溶かした溶液である。用いることができる許容可能なビヒクルおよび溶媒として、水、リンガー液、および等張食塩液を挙げることができる。さらに、滅菌固定油が、溶媒または懸濁媒体として従来通り用いられる。この目的で、合成モノまたはジグリセリドを含めた任意の無菌の固定油を、用いることができる。オレイン酸やそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、オリーブ油やヒマシ油など、特にそのポリオキシエチル化された種類の場合に天然の医薬品として許容される油なので、注射可能物質を調製するのに有用である。これらの油の溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えばカルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤であって、エマルジョンおよび懸濁液を含めた医薬品として許容される剤形の配合に一般に使用されるようなものを含有してもよい。その他の一般に使用される、TweenやSpanなどの界面活性剤、および医薬品として許容される固体、液体、またはその他の剤形の製造に一般に使用される、その他の乳化剤または生物利用能増強剤を、配合の目的で使用してもよい。
【0091】
本発明の医薬品組成物は、限定するものではないがカプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含めた任意の経口的に許容される剤形として、経口投与してもよい。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用される担体には、ラクトースおよびコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も、典型的に添加される。カプセル形態で経口投与する場合、有用な希釈剤には、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液が経口使用に必要とされる場合、活性成分を、乳化剤および懸濁剤と組み合わせる。必要に応じて、ある甘味剤、香料、着色剤を添加してもよい。
【0092】
あるいは、本発明の医薬品組成物は、直腸投与用に坐薬の形で投与することができる。これらの組成物は、薬剤と、室温では固体であるが直腸温度では液体でありしたがって直腸内で融解して薬物が放出されことになる、適切な非刺激性賦形剤とを混合することによって、調製することができる。そのような材料には、ココアバター、蜜蝋、およびポリエチレングリコールが含まれる。
【0093】
本発明の医薬品組成物は、特に治療の対象が、眼、皮膚、または下部腸管の疾患も含めた、局所施用によってより容易に接触可能な領域または器官を含む場合に、局所的に投与してもよい。適切な局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれに対して容易に調製される。
【0094】
下部腸管に対する局所施用は、直腸坐薬製剤(上記参照)または適切な浣腸製剤で、行うことができる。局所経皮パッチを使用してもよい。
【0095】
局所施用では、医薬品組成物を、1種または複数の担体中に懸濁させまたは溶解させた活性成分を含有する適切な軟膏に、配合することができる。本発明の化合物を局所投与するための担体には、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、および水が含まれるが、これらに限定するものではない。あるいは医薬品組成物は、1種または複数の医薬品として許容される担体に懸濁しまたは溶解した活性成分を含有する適切なローションまたはクリームに、配合することができる。適切な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0096】
眼科的使用の場合、医薬品組成物は、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を含みまたは含まずに、等張性を有するpH調節済みの滅菌生理食塩液に懸濁させた微粉化懸濁液として、または好ましくは、等張性を有するpH調節済みの滅菌生理食塩液に溶かした溶液として、配合することができる。あるいは眼科使用の場合、医薬品組成物は、ワセリンなどの軟膏に配合することができる。
【0097】
本発明の医薬品組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与してもよい。そのような組成物は、医薬品製剤の技術分野で周知の技法に従って調製され、ベンジルアルコールまたはその他の適切な保存剤、生物学的利用能を増強させる吸収促進剤、フルオロカーボン、および/またはその他の従来の可溶化剤または分散剤を用いて、生理食塩液に溶かした溶液として調製することができる。
【0098】
上述の化合物および組成物は、IL−1媒介性疾患、アポトーシス媒介性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、破壊性骨障害、増殖性障害、感染性疾患(例えば細菌感染、好ましくは眼の感染)、変性疾患、細胞死に関連した疾患、過剰栄養アルコール摂取疾患、ウイルス媒介性疾患、網膜障害、ブドウ膜炎、炎症性腹膜炎、変形性関節症、膵炎、喘息、成人呼吸困難症候群、糸球体腎炎、リウマチ様関節炎、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少、血小板減少症、慢性活性肝炎、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕化、移植片対宿主疾患、臓器移植拒絶、熱傷後の器官アポトーシス、骨粗しょう症、白血病および関連した障害、骨髄形成異常症候群、多発性骨髄腫関連の骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性メラノーマ、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、出血性ショック、敗血症、敗血性ショック、火傷、細菌性赤痢、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ケネディー病、プリオン疾患、脳虚血、癲癇、癲癇発作、心筋虚血、急性および慢性心疾患、心筋梗塞、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠動脈バイパス移植、脊髄筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、HIV関連の脳炎、加齢、脱毛、脳卒中に起因した神経損傷、潰瘍性大腸炎、外傷性脳損傷、脊髄損傷、B型肝炎、C型肝炎、G型肝炎、黄熱、デング熱、日本脳炎、様々な形の肝臓疾患、腎疾患、腎嚢胞、H.ピロリ関連の胃および十二指腸潰瘍疾患、HIV感染、結核、髄膜炎、中毒性表皮壊死症、天疱瘡、および自己炎症性疾患(ときどき、自己炎症性熱症候群とも呼ぶ)と、関連する症候群、例えばマックル−ウェルズ症候群(MWS)、家族性寒冷蕁麻疹(FCU)、家族性地中海熱(FMF)、慢性乳児性神経皮膚関節症候群(CINCAS)、別名、新生児発症全身炎症疾患(NOMID)、TNFR1関連周期性症候群(TRAPS)、および高IgD周期性熱症候群(HIDS)に関する治療的施用に、特に有用である。化合物および組成物は、冠動脈バイパス移植に関連した合併症を治療するのにも有用である。化合物および組成物は、IGIFまたはIFN−γの生成を低下させるのにも有用である。化合物および組成物は、癌治療として、免疫療法においても有用である。疾患の治療には、疾患の重症度を下げること、疾患を治癒させること、および疾患を安定に保ちまたは制御下に置くことが含まれることを、理解すべきである。
【0099】
化合物および組成物は、細胞を保存するための方法で使用してもよい。これらの方法は、器官、特に移植を目的とした器官、または血液製剤を保存するのに役立てることができる。
【0100】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、別の治療薬(即ち、1種または複数の追加の薬剤)をさらに含むことができる。そのような薬剤には、組織プラスミノーゲン活性剤やストレプトキナーゼなどの血栓溶解剤が含まれるが、これらに限定するものではない。追加の薬剤を使用する場合、この追加の薬剤は、個別の剤形として、または単一剤形の一部として、本発明の化合物または組成物と共に投与することができる。
【0101】
本発明の組成物中に存在する化合物の量は、当技術分野で知られているアッセイのいずれかにより測定したときに、疾患の重症度またはカスパーゼ活性および/または細胞アポトーシスにおいて検出可能な低下を誘発させるのに、十分であるべきである。
【0102】
活性成分化合物は、1日当たり約0.01から約50または約100mg/kg体重の間、好ましくは1日当たり0.5から約75mg/kg体重の間、最も好ましくは1日当たり約1から約25または約50mg/kg体重の間の投薬レベルであることが、単独両方では有用である。
【0103】
典型的な場合、本発明の化合物または組成物は、1日当たり約1から約5回投与され、あるいは連続輸液として投与されることになる。そのような投与は、慢性または急性療法として使用することができる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせてもよい活性成分の量は、治療がなされる宿主および特定の投与形態に応じて変わることになる。典型的な製剤は、約5%から約95%の活性化合物(w/w)を含有することになる。そのような製剤は、約20%から約80%の活性化合物を含有することが好ましい。
【0104】
本発明の組成物が、本発明の化合物と1種または複数の追加の治療薬または予防薬との組合せを含む場合、この化合物と追加の薬剤との両方は、単独療法計画で通常投与される投薬量の、約10%から約100%の間、より好ましくは約10%から約80%の間の投薬レベルで存在すべきである。
【0105】
患者の状態が改善したら、必要に応じて、維持用量の発明の化合物、組成物、または組合せを投与することができる。その後、症状が所望のレベルにまで緩和された場合には、投薬量および投与頻度またはその両方を、改善した状態が維持されるレベルにまで症状に合わせて低下させ、治療を停止すべきである。しかし患者は、疾患症状が少しでも再発した場合には、長期間にわたって断続的な治療を必要とすることもある。
【0106】
当業者に理解されるように、上記にて列挙されたものよりも高くまたは低い用量が、必要となることもある。任意の特定の患者に対する特定の投薬および治療計画は、用いられる特定化合物の活性、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与時間、排出率、薬物の組合せ、特定疾患の重症度および経過、治療がなされる疾患に対する患者の素因、および治療する医師の判断を含めた、様々な要因に左右されることを理解すべきである。活性成分の量も、存在する場合には組成物中の特定の化合物およびその他の治療薬に応じて、異なることになる。
【0107】
好ましい実施形態では、本発明は、前述の疾患の1つを有する患者、好ましくは哺乳類を治療する方法であって、上述の化合物または医薬品として許容される組成物を前記患者に投与するステップを含む方法を提供する。この実施形態では、患者に別の治療薬またはカスパーゼ阻害剤も投与する場合、本発明の化合物と一緒に単一剤形で、または個別の剤形として送達することができる。個別の剤形として投与する場合、他のカスパーゼ阻害剤または薬剤は、本発明の化合物を含む医薬品として許容される組成物の投与の前、投与と同時、または投与の後に、投与することができる。
【0108】
本発明の化合物は、プロテーゼや人口弁、血管移植片、ステント、カテーテルなどの移植可能な医療用具をコーティングするための組成物に組み込んでもよい。したがって本発明は、別の態様において、本発明の化合物および前記移植可能な用具をコーティングするのに適切な担体を含む、移植可能な器具をコーティングする組成物を含む。さらに別の態様では、本発明は、本発明の化合物および前記移植可能な用具をコーティングするのに適切な担体を含む組成物でコーティングされた、移植可能な用具を含む。
【0109】
本発明の別の態様は、生体試料におけるカスパーゼ活性の阻害に関し、この方法は、前記生体試料と、式Iの化合物または前記化合物を含む組成物とを接触させるステップを含む。本明細書で使用される「生体試料」という用語には、細胞培養物またはその抽出物;哺乳類から得られた生検材料またはその抽出物;血液、唾液、尿、便、精液、涙、またはその他の体液、またはこれらの抽出物が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0110】
生体試料におけるカスパーゼ活性の阻害は、当業者に知られている様々な目的で有用である。そのような目的の例には、輸血、臓器移植、生体標本保存、および生物学的アッセイが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0111】
本発明の化合物は、臓器移植や血液製剤の保存に必要とされるような、細胞を保存するための方法において有用である。カスパーゼ阻害剤に関する同様の使用が、[Schierleら、Nature Medicine、5、97(1999年)]に報告されている。この方法では、保存される細胞または組織を、カスパーゼ阻害剤を含む溶液で治療する。必要とされるカスパーゼ阻害剤の量は、所与の細胞型に対する阻害剤の有効性と、アポトーシス細胞死から細胞を保護するのに必要とされる時間の長さとに左右されることになる。
【0112】
理論に拘泥するものではないが、出願人の環状アセタール化合物は、プロドラグであると考えられる。即ち、フロ[3,2−d]オキサゾリン−5−オンは、生体内または適切な条件下(例えば血漿中)で切断され、それによって、活性化合物であるアスパラギン酸誘導体が提供される。
【0113】
本発明をより完全に理解するために、下記の保存剤および試験例について記述する。これらの例は、単なる例示を目的とし、本発明の範囲をどのようにも限定するものではないと解釈すべきである。
【実施例】
【0114】
(実施例1)
(S)−カルバゾール−9−カルボン酸1−(3a−フルオロメチル−5−オキソ−3a,5,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,2−d]オキサゾール−2−イル)−2−メチル−プロピルエステル(I−1)
方法A:
トリフルオロ酢酸無水物(128μL、0.907mmol、2.0当量)を、(S)−カルバゾール−9−カルボン酸1−(1−カルボキシメチル−2−フルオロ−2−オキソ−プロピルカルバモイル)−2−メチル−プロピルエステル(200mg、0.752mmol、1.0当量)を無水ジクロロメタン(2mL)に溶かした溶液に、周囲温度の窒素雰囲気中で添加した。1時間後、反応を、無水ジクロロメタン(10mL)で希釈し、トリス−(2−アミノエチル)アミンポリスチレン樹脂(0.907g、3.07mmol、6.8当量)を添加し、反応をさらに1時間撹拌した。この樹脂を、濾過によって除去し、濾液を真空濃縮し、ジクロロメタンおよび石油で粉砕することによって、標題の化合物が白色固体として得られた(170mg、73%)。1H NMR (700 MHz, CDCl3) d 1.16-1.27 (6H, m), 2.79-2.55 (1H, m), 2.90 (1H, dd), 3.07 (1H, dd), 7.67-7.92 (3H, m), 5.61 (1H, dd), 7.72 (1H, t), 7.52 (1H, t), 8.02 (1H, d), 8.37 (1H, d); M+H 725.5。
【0115】
(実施例2)
3a−フルオロメチル−2−ナフタレン−1−イル−6,6a−ジヒドロ−3aH−フロ[3,2−d]オキサゾール−5−オン(I−2)
方法Aにより5−フルオロ−3−[(ナフタレン−1−カルボニル)−アミノ]−7−オキソ−ペンタン酸から調製した(270mg、93%);白色固体。1H NMR (700 MHz, CDCl3) d 3.10 (1H, d), 3.20 (1H, dd), 7.85 (1H, dd), 7.97 (1H, dd), 5.18 (1H, d), 7.53-7.60 (2H, m), 7.67 (1H, t), 7.93 (1H, d), 8.06 (1H, d), 8.17 (1H, d), 9.17 (1H, d); 13C NMR (101 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d 35.7, 69.9, 80.7, 82.2, 125.0, 126.3, 126.9, 128.7, 129.2, 130.7, 131.3, 137.0, 137.1, 173.0; 19F NMR (376 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d -232.5; M+H 286.7。
【0116】
(実施例3)
(S,S,S)−7−クロロ−2−{1−[5−オキソ−3a−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシメチル)−3a,5,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,2−d]オキサゾール−2−イル]−プロピル}−2H−イソキノリン−1−オン(I−3)
方法Aにより(S)−3−[2−(7−クロロ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)−ブチリルアミノ]−7−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸から調製した(122mg、63%);白色固体;IR(固体)1795、1659、1616、1586、1509、1785、1093、939、827cm−11H NMR (700 MHz, CDCl3) d 0.98 (3H, t), 1.99-2.05 (1H, m), 2.25-2.30 (1H, m), 2.92 (1H, d), 3.15 (1H, dd), 7.59 (2H, dd), 7.99 (1H, d), 5.92-5.95 (1H, m), 6.66 (1H, d), 6.87-6.89 (1H, m), 7.01-7.03 (1H, m), 7.78 (1H, d), 7.62 (1H, dd), 8.72 (1H, brd d); 13C NMR (101 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d 9.3, 23.6, 33.6, 51.8, 67.7, 72.0, 100.0 (t), 105.7, 111.7, 126.0, 126.7, 126.8, 127.0, 132.28, 132.7, 139.5 (dd), 175.3 (dd), 160.2, 163.9, 171.1; 19F NMR (376 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d -170.21 (q), -170.37 (q), -158.10 (q), -158.60 (q); M+H 525.2, M-H 523.2。
【0117】
(実施例4)
(S,S,S)−(2−オキソ−1−{1−[5−オキソ−3a−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシメチル)−3a,5,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,2−d]オキサゾール−2−イル]−プロピル}−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸メチルエステル(I−4)
方法Aにより、(S,S)−3−[2−(3−メトキシカルボニルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−ブチリルアミノ]−7−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸から調製した(38mg、80%);白色固体;IR(固体)1803、1726、1677、1603、1516、1790、1209、1091、937cm−11H NMR (700 MHz, CDCl3) d 0.96 (3H, t), 1.97-2.03 (1H, m), 2.22-2.03 (1H, m), 2.90 (1H, dd), 3.17 (1H, dd), 3.80 (3H, s), 7.59 (2H, dd), 7.97 (1H, d), 5.79-5.82 (1H, m), 6.31 (1H, t), 6.83-6.91 (2H, m), 7.79 (1H, brd s), 8.02 (1H, brd d); 13C NMR (101 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d 10.7, 27.9, 37.7, 52.8, 57.3, 68.6, 73.3, 101.3 (t), 107.7, 112.6, 120.1, 125.7, 129.9, 157.7, 157.5, 167.7, 172.2; 19F NMR (376 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d -138.95 (q), -157.33 (a); MHz 517.7, M-H 512.3。
【0118】
(実施例5)
(S,S,S)−N−(2−tert−ブチル−フェニル)−N’−{1−[5−オキソ−3a−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシメチル)−3a,5,6,6a−テトラヒドロ−フロ[3,2−d]−オキサゾール−2−イル]−エチル}−オキサラミド(I−5)
方法Aによって、(S,S)−3−{2−[(2−tert−ブチル−フェニルアミノオキサリル)−アミノ]−プロピオニルアミノ}−7−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸から調製した(159mg、65%);白色固体;IR(固体)1808、1675、1518、1793、1779、1100、971、760cm−11H NMR (700 MHz, CDCl3) d 1.77 (9H, s), 1.58 (3H, d), 2.90 (1H, brd dd), 3.12-3.19 (1H, m), 7.58-7.69 (2H, m), 7.80-7.86 (1H, m), 7.98 (1H, t), 6.87-6.93 (1H, m), 7.20 (1H, t), 7.28-7.32 (1H, m), 7.75 (1H, d), 8.03 (1H, d), 8.06 (1H, brd s), 9.57 (1H, brd d); 13C NMR (101 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d 18.6, 18.7, 31.0, 37.7, 37.8, 77.7, 77.5, 68.3, 68.5, 73.2, 73.7, 101.3, 101.6, 113.1, 127.3, 126.5, 127.1, 127.7, 137.7, 160.3; 19F NMR (376 MHz, CDCl3, プロトンをデカップル) d -138.90 (dq), -157.22 (dq); M+H 552.5, M-H 550.7。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって、
【化1】

式中、
は、H、R、ハロアルキル、CHN、CHCl、CHF、−CHOPO(R、−CHOPO(OR、または−C1〜2アルキル−R−Rであり;
は、カスパーゼ阻害剤のP−P−P、P−P、またはP部分であり;
は、−O−、−NH−、−NR−、−S−、または−O(C=O)−であり;
は、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;但し、該R基は、0〜5個のJおよび0〜2個のJで任意選択で置換されており;
または2個のR基は、これが結合する原子と一緒になって、0〜5個のJおよび0〜2個のJで任意選択で置換された3〜8員単環式または8〜12員二環式の環を形成し;
Jは、水素、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)N(R’)、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0〜2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−CN、−C(=NR’)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
は、=NR’、=N(OR’)、=O、または=Sであり;
R’は、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;
各R’は、独立して、0〜5回出現するH、C1〜6アルキル、CF、ハロゲン、NO、OCF、CN、OH、O(C1〜6アルキル)、NH、N(C1〜6アルキル)、N(C1〜6アルキル)、C(=O)CH、またはO、N、およびSから選択されたヘテロ原子を1回任意選択で割り込ませたC1〜6アルキルで任意選択で置換され;但し、各C1〜6アルキルは、置換されておらず;
別段の記載がない限り、適切な価数を有する任意の基は、0〜5個のJおよび0〜2個のJで任意選択で置換されている、
化合物。
【請求項2】
カスパーゼ阻害剤のP−P−P、P−P、またはP部分が、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、または下記の骨格の1つから選択される、任意選択で置換された基である、請求項1に記載の化合物であって:
【化2】

【化3】

【化4】

式中、
nは0〜3であり;
およびPのそれぞれは、独立して、−(T)−Rであり;
Tは、−CO−、−C(O)O−、−C(O)C(O)−、−C(O)C(O)O−、C(O)NR−、C(O)NRNR−、−C(O)C(O)NR−、−SONR−、または−SO−であり;
pは、0または1であり;
Rは、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、−(C1〜6アルキル)−ベンゾ(C3〜10シクロアルキル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;
AA、AA、およびAAのそれぞれは、独立して、アミノ酸側鎖であり;
Xは、−N−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CHF−、−CF−、−C(R11−、−C=O−、または−C=NOR11−であり;
−Xは、−N(R11)−C(R11)−、−C(R11−C(R11)−、−C(R11−N−、−N=C−、−C(R11)=N−、−C(R11)=C−、−C(=O)−N−、または−C(=O)−C(R11)−であり;
は、O、S、またはHであり;
Yは、NまたはCRであり;
Arは、任意選択で置換されたC6〜10アリール、または任意選択で置換された5〜10員ヘテロアリールであり;
Lは、R、(CH、COR、CO、SO、CON(R、またはSON(Rであり;
およびGは、独立して、NまたはCから選択され;
は、原子価結合、O、S、N、またはCであり;
環Wは、0〜2個の二重結合を含有し、0〜3個のヘテロ原子を含有する飽和または不飽和5〜7員環に任意選択で縮合されており;
環Aは、飽和または不飽和であり、且つO、N、およびSから選択された1〜6個のヘテロ原子を含有する、3〜8員単環式、8〜12員二環式、または10〜14員三環式ヘテロシクリルであり;
環Bは、1〜4個の窒素原子を含有する5〜7員ヘテロシクリルであり;
環Cは、縮合C6〜10アリールまたは5〜10員ヘテロアリール環であり;
環Dは、飽和または不飽和であり、且つO、N、およびSから選択された1〜6個のヘテロ原子を含有する、3〜8員単環式、8〜12員二環式、または10〜14員三環式ヘテロシクリルであり;
環Zは、6員アリール、5〜7員ヘテロアリール、C3〜7脂環式、または5〜7員ヘテロシクリルであり;
は、H、ハロ、CN、C1〜12アルキル、NH、−NH(C1〜12アルキル)、−NH(C1〜12アルキル)、OH、−O(C1〜12アルキル)、−O−(フェニル)、C1〜12ハロアルキル、−O(C1〜12ハロアルキル)、C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−C(O)(C1〜12アルキル)、−C(O)OH、−C(O)O(C1〜12アルキル)、−NHC(O)(C1〜12アルキル)、−N(C1〜12アルキル)C(O)(C1〜12アルキル)、SONH、−S(O)(C1〜12アルキル)、または−S(O)O(C1〜12アルキル)であり;
は、H、R、または(C1〜12アルキル)−(C=O)Rであり;
は、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリール、C3〜10脂環式、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロアリール)、−(C1〜6アルキル)−(5〜10員ヘテロシクリル)、−(C1〜6アルキル)−ベンゾ(C3〜10シクロアルキル)、または−(C1〜6アルキル)−C3〜10脂環式であり;
あるいはRおよびRは、これらが結合する原子と一緒になって、飽和または不飽和であり、且つO、N、およびSから選択された0〜6個のヘテロ原子を含有する、3〜8員単環式、8〜12員二環式、または10〜14員三環式の環を形成し;
は、H、CF、ハロゲン、NO、OCF、CN、OR、またはRであり;
は、H、CF、ハロゲン、OCF、SR11、CN、C6〜10アリール、C5〜10ヘテロアリール、−O−(フェニル)、または−S−(フェニル)であり;
10は、O、N、またはSから選択された2個までのヘテロ原子を任意選択で割り込ませたC1〜6アルキルであり;
11およびR12は、それぞれ独立して、HまたはC1〜6アルキルであり;
あるいはR11およびR12は、これらが結合する原子と一緒になって、O、N、またはSから選択された3個までのヘテロ原子を任意選択で含有する5〜7員環を形成し;
13は、H、C1〜6脂肪族、F、CN、C6〜10アリールであり、またはR13は、Arに結合して、Arと縮合する0〜2個のヘテロ原子を有する不飽和または部分飽和5〜6員環を形成し;
14は、R、OR、またはN(Rであり;
15は、R、NR、OR、または2−t−ブチルフェニルであり;
16は、H、R、−(C1〜6アルキル)−NR、−(C1〜6アルキル)−OR、−(C1〜6アルキル)−NHCOR、−(C1〜6アルキル)−NC(=NH)NH、−(C1〜6アルキル)−NHCO、−(C1〜6アルキル)−SR、−(C1〜6アルキル)−OR、−(C1〜6アルキル)−シクロアルキルであり;または2個のR16が一緒になって、3〜6員炭素環を形成し;
17およびR18は、それぞれ独立して、H、C1〜6脂肪族、C6〜14アリール、または5〜14員ヘテロアリールであり;またはR17およびR18は、これらが結合する原子と一緒になって、O、N、またはSから選択された1個のヘテロ原子を有する3〜7員ヘテロシクリルを形成し;
19は、C6〜10アリール、−(C1〜6アルキル)−C6〜10アリール、C3〜10シクロアルキル、またはベンゾ縮合C3〜10シクロアルキルであり;
あるいはR19およびAAは、これらが結合する炭素原子と一緒になって、環Aを形成する、
化合物。
【請求項3】
が、H、R、ハロアルキル、CHN、CHCl、CHF、−CHOR、−CHSR、−CHO(C=O)R、−CHOPO(R、−CHOPO(OR、CHNHR、またはCHN(Rから選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、H、C1〜6アルキル、
【化5】

から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、
【化6】

である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、
【化7】

である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
Tが、−CO−または−SO−であり;
Rが、H、C1〜12脂肪族、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリール、またはC3〜10ヘテロシクリルである、請求項2から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Tが−CO−であり、Rが任意選択で置換されたフェニルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
AA、AA、およびAAが、それぞれ独立にC1〜7アルキルである、請求項2から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
1〜7アルキルが、ハロ、OH、SMe、−C(=O)OH、またはフェニルで任意選択で置換されている、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
がOである、請求項2から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
、G、およびGがCであり、環Wがピリドン環である、請求項2から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
環Aが、
【化8】

【化9】

であり;nが0〜3である、請求項2から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
Zが、
【化10】

から選択された、任意選択で置換された基である、請求項2から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
およびRが、これらが結合する1個または複数の原子と一緒になって、インドール、イソインドール、インドリン、インダゾール、プリン、ジヒドロピリミジン、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、ピロール、ピロリドン、ピロリン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラジン、ピペラジン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、フェナントリジン、ジヒドロフェナントリジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、キノリジン、キナゾリン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、シンノリン、ジヒドロシンノリン、フェナジン、ジヒドロフェナジン、キノキサリン、ジヒドロキノキサリン、フタラジン、1,8−ナフチリジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、プテリジン、キヌクリジン、β−カルボリン、ピリド[7,3−b]インドール、2,3,9−トリアザフルオレン、9−チア−2,10−ジアザアントラセン、3,6,9−トリアザフルオレン、およびチエノ−[3,2−b]ピロールから選択された環を形成する、請求項2から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
およびRが、これらが結合する1個または複数の炭素原子と一緒になって、
【化11】

から選択された環を形成する、請求項2から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
Arが、ハロ、CH、CF、CN、OCH、OCF、およびNR1112から選択された1〜3個の基で任意選択で置換されたフェニル環である、請求項2から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
表2に示されるものから選択された、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
a)請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物;および
b)医薬品として許容される担体、アジュバント、またはビヒクル
を含む、医薬品組成物。
【請求項20】
患者の疾患を治療するための方法であって、該疾患が、IL−1媒介性疾患、アポトーシス媒介性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、自己炎症性疾患、破壊性骨障害、増殖性障害、感染性疾患、変性疾患、細胞死に関連した疾患、過剰栄養アルコール摂取疾患、ウイルス媒介性疾患、網膜障害、ブドウ膜炎、炎症性腹膜炎、変形性関節症、膵炎、喘息、成人呼吸困難症候群、糸球体腎炎、リウマチ様関節炎、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーブス病、自己免疫性胃炎、糖尿病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少、血小板減少症、慢性活性肝炎、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕化、移植片対宿主疾患、臓器移植拒絶、熱傷後の器官アポトーシス、骨粗しょう症、白血病および関連した障害、骨髄形成異常症候群、多発性骨髄腫関連の骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性メラノーマ、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、出血性ショック、敗血症、敗血性ショック、火傷、細菌性赤痢、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ケネディー病、プリオン疾患、脳虚血、癲癇、癲癇発作、心筋虚血、急性および慢性心疾患、心筋梗塞、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠動脈バイパス移植、脊髄筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、HIV関連の脳炎、加齢、脱毛、脳卒中に起因した神経損傷、潰瘍性大腸炎、外傷性脳損傷、脊髄損傷、B型肝炎、C型肝炎、G型肝炎、黄熱、デング熱、日本脳炎、様々な形の肝臓疾患、腎疾患、腎嚢胞、H.ピロリ関連の胃および十二指腸潰瘍疾患、HIV感染、結核、髄膜炎、中毒性表皮壊死症、天疱瘡、マックル−ウェルズ症候群、家族性寒冷蕁麻疹、家族性地中海熱、慢性乳児性神経皮膚関節症候群、新生児発症全身炎症疾患、TNFR1関連周期性症候群、または高IgD周期性熱症候群であり;
請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物、または請求項19に記載の医薬品組成物を、該患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項21】
患者におけるカスパーゼ媒介性機能を阻害するための方法であって、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物、または請求項19に記載の医薬品組成物を、該患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項22】
患者におけるIGIFまたはIFN−γの生成を低下させるための方法であって、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物、または請求項19に記載の医薬品組成物を、該患者に投与するステップを含む、方法。
【請求項23】
細胞を保存する方法であって、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物または医薬品として許容されるその誘導体の組成物中に該細胞を浸すステップを含む、方法。
【請求項24】
前記細胞が、
a)移植が意図される器官;または
b)血液製剤
にある、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
免疫療法を使用して癌を治療する方法であって、該免疫療法が、その構成要素として請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物を含む方法。
【請求項26】
前記組成物が追加の治療薬を含む、請求項20から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
式Iの化合物を調製する方法であって
【化12】

式中、RおよびRは、請求項1から18のいずれか一項により定義された通りであり;
該方法は、式IIの化合物を
【化13】

(式中、RおよびRは、請求項1から18のいずれか一項により定義された通りである)、
カルボン酸活性化剤および適切な溶媒で処理し、式Iの化合物を形成するステップを含む、方法。
【請求項28】
前記カルボン酸活性化剤がトリフルオロ酢酸無水物(TFAA)である、請求項27に記載の方法。

【公表番号】特表2009−502922(P2009−502922A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523976(P2008−523976)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/028174
【国際公開番号】WO2007/015931
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】