説明

カチオン性ポリマー吸着粉体、薄膜被覆粉体及びそれを含む皮膚外用剤

【課題】簡単な操作で短時間に100nmを超えるような高分子薄膜及びそれを含む皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】ポリアミン化合物の窒素原子の一部又は全てが、下記一般式(I)で示される化合物で4級化されたカチオン性ポリマー。


(式中、Xはハロゲン原子、nは1〜20の整数、mは1〜20の整数である)前記カチオン性ポリマーを、ζ電位が負の値である基粉体表面に吸着させたことを特徴とするカチオン性ポリマー吸着粉体。前記カチオン性ポリマー吸着粉体の表面上で、モノマー分子を重合させ、薄膜を形成させたことを特徴とする薄膜被覆粉体。前記カチオン性ポリマー吸着粉体又は薄膜被覆粉体を含む皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカチオン性ポリマー吸着粉体、薄膜被覆粉体及びそれを含む皮膚外用剤、特に重合開始剤となるカチオン性ポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物、樹脂等の固体表面に異なる材質の薄膜を被覆する技術は、様々な工業分野において重要な技術である。
固体基板表面に、膜厚が制御された薄膜を形成する技術として、ポリカチオンとポリアニオンとを交互に積層するLayer-by-Layer法(静電交互積層法)が知られている。この方法は、液中で帯電している固体基板表面に、反対電荷を有するポリイオンが不可逆的に吸着する現象を利用したものであり、極めて簡単な操作によってナノスケールの薄膜を形成できるため、様々な分野において広く利用されている。
【特許文献1】特開平05−339387号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記方法では1回の操作での膜厚増加が数nmであるので、厚さ100nmを超えるような膜を構築するためには、何度も繰り返し操作する必要があり、長時間かかるという欠点があった。
本発明は、前記従来の課題に鑑みなされたもので、簡単な操作で短時間に100nmを超えるような高分子薄膜を構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記問題に鑑み、本発明者等が鋭意検討した結果、ポリアミン化合物の窒素原子を特定の化合物で4級化したカチオン性ポリマーを用いることにより、簡単に100nmを超える高分子薄膜が得られることを見出した。
すなわち本発明の第一の主題は、ポリアミン化合物の窒素原子の一部又は全てが、下記一般式(I)で示される化合物で4級化されたカチオン性ポリマーを、ζ電位が負の値である基粉体表面に吸着させたことを特徴とするカチオン性ポリマー吸着粉体である。
(化1)

(式中、Xはハロゲン原子であり、nは1〜20の整数、mは1〜20の整数である)
【0005】
また、ζ電位が負の値である基粉体表面にポリアミン化合物を吸着させた後、該ポリアミン化合物の窒素原子の一部又は全てを、上記一般式(I)で表される化合物で4級化したことを特徴とするカチオン性ポリマー吸着粉体である。
ζ電位の測定方法は以下の通りである。
和光純薬社製のpH7.5の1M tris・HCl緩衝液中に試料を分散・超音波処理した後、18時間放置した上澄み液を測定に用いた。ζ電位は大塚電子株式会社製の電気泳動光散乱光度計LEZA−600を用いて、温度25℃にて測定した。測定は3回行い、結果はその平均値で表した。
本発明の第二の主題は、前記カチオン性ポリマー吸着粉体の表面上で、モノマー分子を重合させ、薄膜を形成させたことを特徴とする薄膜被覆粉体である。
本発明の第三の主題は、前記カチオン性ポリマー吸着粉体を含む皮膚外用剤、及び前記薄膜被覆粉体を含む皮膚外用剤である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ポリアミン化合物の窒素原子を特定の化合物で4級化したカチオン性ポリマーを重合開始剤として用いることにより、簡単な操作で短時間に厚さ100nm以上の高分子薄膜が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[1]カチオン性ポリマー
本発明におけるカチオン性ポリマーは、ポリアミン化合物の窒素原子の一部又は全てが、下記一般式(I)で示される化合物で4級化されたカチオン性ポリマーである。
(化2)

本発明の一般式(I)で示される化合物において、nは1〜20の整数であり、好ましくは4〜14、特に好ましくは6〜11である。mは1〜20の整数であり、好ましくは2である。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子であり、塩素原子、臭素原子であることが好ましく、特に臭素原子であることが好ましい。
【0008】
本発明で用いられるポリアミン化合物の構成モノマーとしては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれでも良く、これらの混合であってもよい。また、炭化水素基が芳香族を含むポリ(4-ビニルピリジン)等のポリ芳香族アミン化合物、あるいは炭化水素基が鎖状であるポリアリルアミン等のポリ鎖状アミン化合物のどちらでも良い。好ましくは、ピリジン又はその誘導体を構成モノマーとして含むポリピリジン化合物であり、特にポリ(4-ビニルピリジン)である。また、ポリアミン化合物の分子量は、1000〜1000000であることが好ましい。また、アミン化合物とその他の化合物とのコポリマーも本発明で用いられるポリアミン化合物に含まれる。
【0009】
次に、本発明のカチオン性ポリマーの好適な製造方法を説明するが、製造方法はこれに限定されない。
(製造方法)
反応Aにより、化合物1及び化合物2から化合物3を合成し、その後、五塩化リンを用いて酸塩化物化反応(反応B)を行い、化合物4を合成した。さらに、反応Cに示すエステル化反応により化合物5を合成した。そして、得られた化合物5とポリアミン化合物との四級化反応によってカチオン性ポリマーである化合物6を合成した。

【0010】
[2]カチオン性ポリマー吸着粉体
本発明におけるカチオン性ポリマー吸着粉体は、基粉体上にカチオン性ポリマーを吸着させることにより得られる。
基粉体上へのカチオン性ポリマーの吸着は、液中で負に帯電している固体基板表面に、正電荷を有するポリイオンが不可逆的に吸着する現象を利用したものである。一般に、固体の表面は、水溶液中では正又は負のどちらかに帯電しているので、その反対電荷を有するポリイオンの水溶液中に固体を一定時間浸漬すると、固体とポリイオンとの静電相互作用により吸着現象が生じ、多点的に作用し不可逆的な吸着が起こる。
【0011】
基粉体としては、ζ電位が負の値であるものが好ましい。
媒質中におかれた粉体は、粉体表面で特定の媒質イオンを吸着したり、媒質と電子を授受したりして正又は負に帯電する。そして、粉体と媒質との接触面に陰・陽イオンからなる電気二重層が形成されると、この二重層間に電位差が生じる。この電位差をζ電位といい、対象物の表面荷電状態の評価に好適に用いられる。
本発明におけるζ電位の測定方法は以下の通りである。
和光純薬社製のpH7.5の1M tris・HCl緩衝液中に試料を分散・超音波処理した後、18時間放置した上澄み液を測定に用いた。ζ電位は大塚電子株式会社製の電気泳動光散乱光度計LEZA−600を用いて、温度25℃にて測定した。測定は3回行い、結果はその平均値で表した。
【0012】
本発明において、「ζ電位が負の値である基粉体」とは、シリカ、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、カルバミド酸エチル、マイカ、タルク、セリサイト、カオリン、酸化チタン、又はパールマイカ等の元来ζ電位(和光純薬社製のpH7.5の1M tris・HCl緩衝液中、温度25℃下において電気泳動法により測定)が負の値である粉体に加え、元来ζ電位が0付近あるいは正の値であって、Layer-by-Layer法(静電交互積層法)等により表面を改質し、前記と同様の手法にて測定したζ電位が負の値である粉体も含まれる。
【0013】
本発明におけるカチオン性ポリマー吸着粉体の製造方法を説明するが、これらに限定されない。
(製造方法1)
予め重合開始剤を分子内に有するカチオン性ポリマーを上述のようにして合成し、これをζ電位が負の値である基粉体表面に吸着させる。
(製造方法2)
ζ電位が負の値である基粉体表面にポリアミン化合物を吸着させた後、該ポリアミン化合物の窒素原子の一部又は全てを、上記一般式(I)で表される化合物で4級化する。
【0014】
[3]薄膜被覆粉体
本発明のカチオン性ポリマー吸着粉体は、基粉体表面に重合開始剤が点在した状態である。そのため、粉体表面に高分子のモノマー溶液を接触させ、熱、光等を与えると、粉体表面で高分子重合が開始し薄膜を形成し、本発明の薄膜被覆粉体が得られる。予め加えるモノマー量、重合条件を調節することにより、容易に数十nmを超える厚みを有する高分子薄膜被覆を行なうことができる。また、続いて再びカチオン性ポリマーを表面に吸着し、別のモノマーで重合させれば、Z軸方向すなわち薄膜の膜厚方向にヘテロな成分で構成された多層膜を得ることも可能となる。
【0015】
[4]皮膚外用剤
本発明の皮膚外用剤において、上記カチオン性ポリマー吸着粉体あるいは薄膜被覆粉体の配合量は、所望の形態に応じて適宜変化させることができる。
本発明の皮膚外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することが出来る。以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、上記必須配合成分と、下記成分の任意の一種または二種以上とを配合して本発明の皮膚外用剤を調製できる。
【0016】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0017】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0018】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、 POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0019】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0020】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
【0021】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0022】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N'-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0023】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0024】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0025】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0026】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0027】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0028】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0029】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0030】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム) 、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0031】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N- アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート) 、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
【0032】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1- ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0033】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0034】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0035】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0036】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0037】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0038】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0039】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル−1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0040】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0041】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0042】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0043】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類等も適宜配合することができる。
【0044】
本発明の皮膚外用剤は、外皮に適用される化粧料、医薬品、及び医薬部外品に広く適用することが可能である。その剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水-油二層系、水-油-粉末三層系、ゲル、エアゾール、ミスト、及びカプセル等、任意の形態で提供されることができる。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料;ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、サンスクリーン等のメーキャップ化粧料;ボディー化粧料;芳香化粧料;メーク落とし、洗顔料、ボディーシャンプー等の皮膚洗浄料;ヘアーリンス、シャンプー等の毛髪化粧料;軟膏;浴用剤;あぶら取り紙等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれの形で適用することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
【実施例1】
【0045】
〔カチオン性ポリマーの合成例1〕
ポリ(4−ビニルピリジン)(Mw=7.0×104、Mn=3.1×104、Mw/Mn=2.3)1.388gと、上記一般式(I)で表される化合物(m=2,n=11,X=Br) 5.03g、及び反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)44mLを混合し、遮光下、温度25℃で2週間撹拌した。
反応溶液をエーテルに滴下して再沈殿を行った。ろ過により得られた粉末を再びDMFに溶解させ、エーテルを用いて同様に再沈殿を行い、ろ過、減圧乾燥し、黄色粉末を得た。
【0046】
カチオン導入を確認するためにFT-IR測定を行った。
上記一般式(I)で表される化合物(m=2,n=11,X=Br)と、ポリ(4−ビニルピリジン)FT-IRスペクトルを図1に示す。
そして、図2に上記合成例1で得られた生成物のFT-IRスペクトルを示す。
1200cm-1、1700cm-1、2350cm-1及び2800cm-1付近に、一般式(I)で表される化合物に特徴のピークが観察された。これにより、ポリ(4−ビニルピリジン)の4級化反応によるカチオン部位の形成が確認された。
【0047】
また、図3に合成例1で得られた生成物の重DMSO中での1H-NMRを示す。
ピリジニウム基のα位とβ位に由来するプロトンが8.9ppmと7.7ppmに観察された。これより、ポリ(4−ビニルピリジン)が4級化されていることが確認された。
また6.8ppmに現れる4級化されていないピリジル基のβ位のプロトンと、8.9ppmに現れる4級化されたピリジニウム基のα位のプロトンとの積分比から、ポリ(4−ビニルピリジン)の4級化反応は、約55%進行していることが確認された(以下、これをカチオン導入率55%という)。
【実施例2】
【0048】
〔カチオン性ポリマーの合成例2〕
ポリ(4−ビニルピリジン)(Mw=7.0×104、Mn=3.1×104、Mw/Mn=2.3)0.336g、上記一般式(I)で表される化合物(m=2,n=6,X=Br)1.00g、及び反応溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)7.06mLを混合し、遮光下、温度25℃で2週間撹拌した。
反応溶液をエーテルに滴下して再沈殿を行った。ろ過により得られた粉末を再びDMFに溶解させ、エーテルでの再沈殿行い、ろ過、減圧乾燥し、黄色粉末を得た(収量0.3g、カチオン導入率55%)。
【実施例3】
【0049】
〔基板上へのカチオン性ポリマーの吸着1〕
合成例1で得られたカチオン性ポリマーをエタノールに溶解し、これを200nmのシリンジフィルターでろ過し、濃度1×10-2mol/dm3のポリマー溶液を調製した。
清浄なシリコンウェハー基板を、100min-1の浸とう下、上記溶液に浸漬した。基板を取り出してエタノールで洗浄し、窒素ガスにより乾燥し、カチオン性ポリマーを吸着させた(図4A)。
【0050】
処理前及び処理後の基板について、接触角、ζ電位、紫外線可視吸収スペクトルの測定を行った。
処理前の基板は、角度5°の水に対する静的接触角を示し、pH7で−70±10mVの負のζ電位を示した。
これに対し処理後の基板は、角度60±5°の水に対する静的接触角を示し、pH7で40±10mVの正のζ電位を示した。また吸収スペクトルから260nmにピリジル基とピリジニウム基に由来する吸収帯が確認された(図5)。
以上より、処理後の基板においては、カチオン性ポリマーが吸着していることが確認された。
【実施例4】
【0051】
〔基板上へのカチオン性ポリマーの吸着2〕
合成例1で得られたカチオン性ポリマーをエタノールに溶解し、これを200nmのシリンジフィルターでろ過し、濃度1×10-2mol/dm3のポリマー溶液を調製した。
清浄なシリカ基板を、100min-1の浸とう下、上記溶液に浸漬した。基板を取り出して、そのまま窒素ガスにより乾燥し、カチオン性ポリマーを吸着させた(図4B)。
【実施例5】
【0052】
〔カチオン性ポリマー溶液の濃度とカチオン性ポリマーの吸着量との関係〕
合成例1で得られたカチオン性ポリマーをエタノールに溶解させて、10-1,10-2,10-3,10-4mol/dm3の溶液を調製した。
方法1(キャスト法):清浄な表面酸化シリコンウェハー基板に各濃度の溶液を滴下し、室温で自然乾燥させた(図4C)。
方法2(ディッピング法):清浄な表面酸化シリコンウェハー基板を各濃度の溶液に浸漬し、すぐに引き上げ、室温で自然乾燥させた(図4D)。
【0053】
FT-IRの測定結果を図6に示す。
カチオン性ポリマーの濃度が高いほど、カチオン性ポリマーに観測される特徴的なピーク(3400,2900,1750cm-1付近)の強度が強く、カチオン性ポリマーの吸着量が増えることが確認された。
また、ディッピング法よりもキャスト法で作製した方が、カチオン性ポリマーの吸着量が多いことが確認された。
【実施例6】
【0054】
〔基板上でのスチレンの重合〕
次に、カチオン性ポリマーを吸着させた基板上において、スチレンの重合を行った。
ナスフラスコ中に安定剤を除去するため減圧蒸留したスチレンモノマー50mL、カチオン性ポリマーを吸着させた基板(実施例3)、及び清浄な基板を加え、窒素雰囲気下にて80〜85℃で3時間加熱した。基板を取り出し3時間真空乾燥した。
スチレンの重合反応を確認するためにFT-IR測定を行った。スチレン及びポリスチレンのFT-IRスペクトルを図7に示す。
そして、図8に上記基板のFT-IRスペクトルを示す。
その結果、カチオン性ポリマーを吸着させた基板においてはポリスチレン(2924,1600,1492,1028cm-1)のピークが確認された。すなわち、カチオン性ポリマーを吸着させた基板上で、スチレンの重合反応が進行することが確認された。これに対し、カチオン性ポリマーを吸着させていない清浄な基板ではポリスチレンのピークが確認されなかった。
ポリスチレン膜の膜厚を触針式膜厚測定にて求めたところ、700±20nmであった。このように、本発明のカチオン性ポリマーを用いることにより、簡単に短時間で高分子薄膜が形成できる。
【実施例7】
【0055】
〔カチオン性ポリマー溶液の濃度とポリスチレン膜の膜厚との関係〕
カチオン性ポリマーを吸着させた各基板上において、スチレンの重合を試みた。
安定剤を除去するため減圧蒸留したスチレンモノマー5mLをナスフラスコに入れ、20分間窒素バブリングして脱気した。その後、カチオン性ポリマーを吸着させた各基板(実施例5)、及び清浄な基板を入れ、オイルバスにて80℃で3時間重合させた。反応終了後、取り出し窒素ガスで乾燥させた。
FT-IRの測定結果を図9に示す。
カチオン性ポリマーの吸着量が多い(カチオン性ポリマー溶液の濃度が高い)ほど、ポリスチレンに観測される特徴的なピーク(2924,1600,1492,1028cm-1)の強度が強いことが確認された。
一方、清浄な基板では、スチレンモノマーのピーク(3000,1630,1575,1494cm-1)は観察されたが、ポリスチレンのピークは観測されなかった(図10)。すなわち、カチオン性ポリマーが吸着していない基板では、スチレンの重合は進行しなかった。
【0056】
膜厚測定結果を表1に示す。
(表1)
カチオン性ポリマー溶液の濃度(mol/dm3)
10-1 10-2 10-3 10-4
膜厚(nm) 方法1(キャスト法) 2170±880 950±115 -- --
方法2(ディッピング法) 105±35 885±245 -- --
カチオン性ポリマー溶液の濃度が10-1,10-2mol/dm3であった場合に、ポリスチレン膜の形成(スチレンの重合)が確認された。また、ディッピング法よりもキャスト法で作製した方が厚いポリスチレン膜が形成されることが確認された。
以上より、カチオン性ポリマーの吸着量が多いほど厚いポリスチレン膜が形成され、特にキャスト法で作製すると厚いポリスチレン膜が形成されることが確認された。
【実施例8】
【0057】
〔カチオン性ポリマー吸着粉体の作製1〕
この方法は、予め重合開始剤を分子内に有するカチオン性ポリマーを合成し、これを基粉体表面に吸着させる方法である(図11A)。
合成例1で得られたカチオン性ポリマーを溶媒(エタノール10mL+水40mL)に溶解後、200nmのシリンジフィルターでろ過し、ポリマー溶液を得た。
多孔質シリカ(洞海化学社製サンスフェアL51TM)あるいは無孔質シリカ(日本触媒社製シーホスターKEP50TM)を、100min-1の浸とう下、上記ポリマー溶液に浸漬後、取り出して、そのまま窒素ガスにより乾燥した。
(表2)
カチオン性
基粉体 (g) ポリマー(g) 反応条件 反応時間 C%
試験例1-1 多孔質シリカ 0.5 0.05 室温・遮光 1晩 2.6
試験例1-2 多孔質シリカ 0.5 0.05 冷蔵・遮光 1晩 1.56
試験例1-3 多孔質シリカ 0.5 0.05 氷冷・遮光 1時間 2.3
試験例1-4 無孔質シリカ 2.0 0.05 氷冷・遮光 1時間 5.46
表2に示すように、C%の増加により粉体上へのカチオン性ポリマーの吸着が確認された。
図12に試験例1-1の粉体のFT−IRスペクトル測定結果を示す。カチオン性ポリマーに特徴のピークが確認された。
図13にζ電位の比較を示す。基粉体(多孔質シリカ)では、pH7で−32mVであったが、試験例1-1の粉体においては−14mVであった。
以上のことから、基粉体上へのカチオン性ポリマーの吸着が確認された。
【0058】
〔アクリルアミドの重合〕
次に上記カチオン性ポリマー吸着粉体を用いて、アクリルアミドの重合を試みた。
上記試験例1-1の粉体0.1gを、アクリルアミド1.0g、水2.0gで反応させたところ、69℃において粉体表面でアクリルアミドの重合が開始し、速やかに固まった。
【0059】
上記試験例1-4の粉体を用いて、カチオン性ポリマー吸着粉体の比率と、アクリルアミドモノマー/水比率との関係を検討した。結果を図14に示す。
カチオン性ポリマー吸着粉体の濃度、及びモノマーの濃度により、重合状態が変化することがわかった。
【実施例9】
【0060】
〔カチオン性ポリマー吸着粉体の作製2−1〕
次に本発明におけるカチオン性ポリマー吸着粉体の別の製造方法を示す。この方法は、基粉体上にポリアミン化合物を吸着させてから、ポリアミン化合物の窒素原子を4級化する方法である(図11B)。
(1)基粉体上へのポリアミン化合物の吸着
50質量%のエタノールを含む水溶液39gにポリ(4-ビニルピリジン)(Mw=6.0×104)1gを溶解し、セリサイト(平均粒子径5μm)1gを加え、室温にて1日撹拌した。遠心分離(5000rpm・15分)にかけ、エタノールで3回洗浄した。窒素ガスにより乾燥した。
(2)ポリアミン化合物の窒素原子の4級化
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10gに上記一般式(I)で表される化合物(m=2,n=6,X=Br)0.2468gを加え溶解した。(1)を加え、室温暗所で2週間撹拌した。遠心分離(5000rpm・15分)にかけ、DMFで2回洗浄後、ジエチルエーテルで3〜5回洗浄した。窒素ガスにより乾燥した(カチオン導入率 15.4%)。
【0061】
〔アクリルアミドの重合〕
次に上記カチオン性ポリマー吸着セリサイトを用いて、アクリルアミドの重合を試みた。
33質量%アクリルアミド水溶液3gを窒素バブリングし、上記カチオン性ポリマー吸着セリサイトを0.1g加えた。窒素雰囲気下で撹拌・還流した(80℃)。65℃付近で急激にゲル状に重合した。
これに対し、カチオン性ポリマーが吸着していない基粉体(セリサイト)を加えて反応させた場合には重合が起こらなかった。
以上より、カチオン性ポリマーを基粉体上に固定化できていることが確認された。
【実施例10】
【0062】
〔カチオン性ポリマー吸着粉体の作製2−2〕
初めに基粉体となる球状シリカ(KEP50:平均粒子径500nm)50gを550℃で6時間、電気炉にて焼成し、室温になるまで放冷し、残存有機物の除去を行った。
C% 平均粒子径 等電点 比表面積
焼成前 5.46% 500 nm --- 45.14m2/g
焼成後 −0.0075% 500 nm 3.76 147.45m2/g
焼結等の影響もなく、有機物の除去が可能であった。
【0063】
(1)基粉体上へのポリアミン化合物の吸着
ポリ(4−ビニルピリジン)(Mw=6.0×104)を2.5質量%含む水/エタノール溶液を表3のとおり調製し、上記焼成した球状シリカ1gを加え、室温にて1日撹拌した。遠心分離(5000rpm・15分)にかけ、エタノールで3回洗浄した。窒素ガスにより乾燥した。
(表3)
試 験 例
2-1 2-2 2-3 2-4 2-5
エタノール 39.0g 26.0g 19.5g 13.0g 9.75g
水 --- 13.0g 19.5g 26.0g 29.25g
ポリ(4-ビニルピリジン) 1.0g 1.0g 1.0g 1.0g 1.0g
ポリ(4-ビニルピリジン)の溶解性 ○ ○ ○ ○ ×
C% 1.87% 1.96% 1.99% 2.03% ---
平均粒子径 880nm --- --- 880nm ---
等電点 +5〜6 --- --- +5〜6 ---
等電点が正方向にシフトし(3.76→5〜6)、ポリアミン化合物の吸着が示唆された。
また、平均粒子径が増加しているのは、凝集した粒子が部分的に形成されていることに起因すると考えられる。
【0064】
(2)ポリアミン化合物の窒素原子の4級化
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)10gに上記一般式(I)で表される化合物(m=2,n=11,X=Br)を加え溶解させた。(1)のポリアミン化合物吸着シリカを加え、室温暗所で5日間あるいは14日間撹拌した。遠心分離(5000rpm・15分間)にかけ、DMFで2回洗浄後、ジエチルエーテルで3回洗浄した。窒素ガスにより乾燥した。
(表4)
試 験 例
3-1 3-2 3-3 3-4
DMF 10g 10g 10g 10g
一般式(I)で表される化合物 0.3394g 0.3684g 0.3394g 0.3684g
試験例2-1 0.8g --- 0.8g ---
試験例2-4 --- 0.8g --- 0.8g
撹拌日数 5日間 5日間 14日間 14日間
C% 2.44% 2.19% 2.83% 2.79%
カチオン導入率(%) 11.84% 3.07% 16.59% 14.61%
※一般式(I)で表される化合物/ポリ(4-ビニルピリジン)=5(モル比)
C%の増加により、基粉体上での4級化反応の進行が確認された。また、等電点の変化は見られなかった。
また、図15に示すFT−IRスペクトルの変化からも、基粉体へのポリアミン化合物の吸着、及び4級化反応の進行が確認された。
【0065】
〔アクリルアミドの重合〕
次に上記カチオン性ポリマー吸着粉体を用いて、アクリルアミドの重合を試みた。
アクリルアミドを50質量%含む水溶液を10分間窒素バブリングし、上記試験例3−3の粉体を加え、1分間超音波分散させた。窒素雰囲気下で撹拌・還流した(80℃)。遠心分離・水洗を3回行い、60℃で1日乾燥させた。
C%は、3.65%であった。C%の増加(2.83%→3.65%)により、基粉体上での重合が確認された。
また、図16に示すように、粉体の粒径は、アクリルアミドの重合前後で約40nm大きくなっていることからも、粉体表面でのアクリルアミドの重合が確認された。
【実施例11】
【0066】
〔カチオン性ポリマー吸着粉体の作製2−3〕
基粉体の表面改質(PSS/PDDA/合成フッ素金雲母積層粉体)
負に荷電している平均粒子径30μmの合成フッ素金雲母(トピー工業社製)を、カチオン性の高分子電解質であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)(Aldrich製 MW:<200000)を1質量%含む水溶液中に浸漬させることにより、PDDAをフッ素金雲母上に吸着させた(PDDA吸着後、水で十分に洗浄した)。
さらに、アニオン性の高分子電解質であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS)(Aldrich製 MW:70000)を1質量%含む水溶液に浸漬させることによって、粉体表面にPSSを吸着させ、さらに水洗することによって、PSS/PDDA/合成フッ素金雲母積層粉体を調製した。
【0067】
(1)基粉体上へのポリアミン化合物の吸着
ポリ(4−ビニルピリジン)(Mw=6.0×104)1gを50%エタノール溶液39gに溶解し、上記PSS/PDDA/合成フッ素金雲母積層粉体1gを加え、室温にて1日撹拌した。遠心分離(5000rpm・15分)にかけ、エタノールで3回洗浄した。窒素ガスにより乾燥した。
(2)ポリアミン化合物の窒素原子の4級化
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10gに上記一般式(I)で表される化合物(m=2,n=11,X=Br)0.2468gを加え溶解させた。(1)を加え、室温暗所で2週間撹拌した。遠心分離(5000rpm・15分)にかけ、DMFで2回洗浄後、ジエチルエーテルで3〜5回洗浄した。窒素ガスにより乾燥した。
【0068】
(表5)
C%
合成フッ素金雲母 0%
PDDA/合成フッ素金雲母 0.40%
PSS/PDDA/合成フッ素金雲母 0.78%
(1)ポリ(4ビニルピリジン)吸着後 2.2%
(2)4級化反応後 3.1%
表5に示すように、基粉体上でのカチオン性ポリマーの形成が確認された。
【0069】
〔アクリルアミドの重合〕
次に上記粉体を用いて、アクリルアミドの重合を試みた。
33質量%アクリルアミド水溶液3gを窒素バブリングし、上記カチオン性ポリマー吸着粉体を0.1g加えた。窒素雰囲気化で撹拌・還流した(80℃)。65℃付近で急激にゲル状に重合した。
これに対し、カチオン性ポリマーが吸着していない基粉体(PSS/PDDA/合成フッ素金雲母積層粉体)を加えて反応させた場合には重合が起こらなかった。
以上より、カチオン性ポリマーを基粉体上に固定化できていることが確認された。
本発明においては、基粉体としては、ζ電位(和光純薬社製のpH7.5の1M Tris・HCl緩衝液中、温度25℃下において電気泳動法により測定)が負の値であるものを用いることが好ましいが、酸化亜鉛、硫酸バリウム等のζ電位が0に近いもの、あるいは正の値のものでも、Layer-by-Layer法による高分子電解質により、負電荷増強を行うことにより、用いることができることが確認された。
【実施例12】
【0070】
〔カチオン性ポリマー吸着粉体の作製3〕
この方法は、予め重合開始剤を分子内に有するカチオン性ポリマーを合成し、これを基粉体表面に吸着させる方法である(図11A)。
合成例1で得られたカチオン性ポリマーを溶媒のエタノールに溶解させ、10-2mol/Lに調製後、200nmのシリンジフィルターでろ過し、ポリマー溶液を得た。
無孔質シリカ(日本触媒社製シーホスターKEP30TM)を、上記ポリマー溶液中で、24時間振とう後、2000rpmの回転数で遠心分離を行い、沈殿物を取り出した。その後、得られた沈殿物を脱イオン水にて3回洗浄を行い、次いで遠心分離を行い、沈殿物を取り出し、窒素ガスにより乾燥し、カチオン性ポリマー吸着無孔質シリカを得た。
(表6)
カチオン性
基粉体 (g) ポリマー溶液(ml) 反応条件 ζ電位(mV) C%
試験例4-1 無孔質シリカ --- --- --- −43.48 4.29
試験例4-2 無孔質シリカ 0.35 35 室温・遮光 +37.38 7.30
表6に示すように、カチオン性ポリマー吸着後にC%が増加しており、粉体上へのカチオン性ポリマーの吸着が確認された。さらに、ζ電位測定より吸着前は−43.48 mVであったものが、吸着後には+37.38mVに変化していた。
以上のことから、基粉体上へのカチオン性ポリマーの吸着が確認された。
【0071】
〔スチレンモノマーの重合〕
次に上記カチオン性ポリマー吸着粉体(試験例4-2)を用いて、スチレンモノマーの重合を試みた。
10gのスチレンモノマーを、45分間アルゴンガスを用いたバブリングにより脱気を行い、上記試験例4−2の粉体(0.05g)を加え、再度5分間アルゴンガスによるバブリングを行った後、アルゴンガス雰囲気下で撹拌・還流(60℃、16時間)を行った。得られた残存物をクロロホルムにより洗浄し、ろ過を行い、固形物を得た。この一連の洗浄・ろ過工程を五回行った。そして、得られた固形物を再度クロロホルムに分散させ、得られた分散液1mlに対して1mlの割合でエタノールを徐添し、得られた分散液をサンプル台にキャストし、窒素ガスにて乾燥(温度 25℃)し、TEM観察を行った。得られたTEM観察像を図17に示す。図17より、100nmのポリスチレンの膜が基板である無孔質シリカ上に被服されていることが確認された。
【実施例13】
【0072】
〔両用ファンデーション〕
(処方) (質量%)
(1)シリコーン処理タルク To 100
(2)シリコーン処理セリサイト 20
(3)シリコーン処理マイカ 10
(4)シリコーン処理酸化チタン 10
(5)シリコーン処理ベンガラ 0.8
(6)シリコーン処理黄酸化鉄 3
(7)シリコーン処理黒酸化鉄 0.2
(8)表面アクリルアミド重合粉末(実施例10で得られた粉体) 10
(9)流動パラフィン 4
(10)ワセリン 4
(11)ソルビタンセスキイソステアレート 0.8
(12)防腐剤 適量
(13)酸化防止剤 適量
(14)香料 適量
(製法)
通常の製法で製造した。すなわち上記各成分をヘンシェルミキサーにて混合し、パルペライザーで2回粉砕した後、容器(樹脂製中皿)内に充填し、公知の方法で乾式プレス成型した。
【実施例14】
【0073】
〔両用ファンデーション〕
(処方) (質量%)
(1)シリコーン処理タルク To 100
(2)シリコーン処理セリサイト 20
(3)シリコーン処理マイカ 10
(4)シリコーン処理酸化チタン 10
(5)シリコーン処理ベンガラ 0.8
(6)シリコーン処理黄酸化鉄 3
(7)シリコーン処理黒酸化鉄 0.2
(8)表面アクリルアミド重合粉末(実施例11で得られた粉体) 10
(9)流動パラフィン 4
(10)ワセリン 4
(11)ソルビタンセスキイソステアレート 0.8
(12)防腐剤 適量
(13)酸化防止剤 適量
(14)香料 適量
(製法)
通常の製法で製造した。すなわち上記各成分をヘンシェルミキサーにて混合し、パルペライザーで2回粉砕した後、容器(樹脂製中皿)内に充填し、公知の方法で乾式プレス成型した。
【実施例15】
【0074】
〔おしろい〕
(処方) (質量%)
(1)マイカ 10
(2)タルク to100
(3)酸化亜鉛 5
(4)微粒子酸化チタン 3
(5)表面ポリスチレン重合粉末 (実施例12で得られた粉体) 15
(6)フッ素金雲母 10
(7)ワセリン 1
(8)スクワラン 2
(9)エステル油 1
(10)防腐剤 適量
(11)酸化防止剤 適量
(12)香料 適量
(製法)
通常の製法で製造した。すなわち上記各成分をヘンシェルミキサーにて混合し、パルペライザーで2回粉砕した後、容器(樹脂製中皿)内に充填し、公知の方法で乾式プレス成型した。
【実施例16】
【0075】
〔おしろい〕
(処方) (質量%)
(1)マイカ 10
(2)タルク to100
(3)酸化亜鉛 5
(4)微粒子酸化チタン 3
(5)表面アクリルアミド重合粉末(実施例10で得られた粉体) 10
(6)ワセリン 1
(7)スクワラン 2
(8)エステル油 1
(9)防腐剤 適量
(10)酸化防止剤 適量
(11)香料 適量
(製法)
通常の製法で製造した。すなわち処方中の粉末成分と油相成分をヘンシェルミキサーにて混合し、パルペライザーで2回粉砕した後、容器(樹脂製中皿)内に充填し、公知の方法で乾式プレス成型した。
【実施例17】
【0076】
〔プレメークローション〕
(処方) (質量%)
油相部
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン To100
(2)ポリエーテル変性シリコーン 3
(3)表面アクリルアミド重合粉末(実施例11で得られた粉体) 10
(4)トリメチルシロキシケイ酸 2
水相部
(5)1.3−ブチレングリコール 5
(6)ダイナマイトグリセリン 2
(7)防腐剤 0.5
(8)精製水 30
(製法)
70℃に加熱した油相部に水相部を添加し、乳化機により十分に乳化後、撹拌しながら冷却し、35℃以下になったところで容器に流し込み放冷して、目的とするプレメークローションを得た。
【実施例18】
【0077】
〔アイシャドー〕
(処方) (質量%)
(1)タルク 残余
(2)セリサイト 7
(3)マイカ 15
(4)球状PMMA粉末 3
(5)表面アクリルアミド重合粉末(実施例11で得られた粉体) 10
(6)硫酸バリウム 4
(7)黒酸化鉄 5
(8)スクワラン 2
(9)ジメチルポリシロキサン 2
(10)モノオレイン酸ソルビタン 0.5
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
(製法)
通常の製法で製造した。すなわち上記各成分をヘンシェルミキサーにて混合し、パルペライザーで2回粉砕した後、容器(樹脂製中皿)内に充填し、公知の方法で乾式プレス成型した。
【実施例19】
【0078】
〔油性スティック〕
(処方) (質量%)
(1)カルナバロウ 1
(2)キャンデリラロウ 2
(3)セレシン 10
(4)スクワラン 残余
(5)トリイソオクタン酸グリセリン 9
(6)ジイソステアリン酸グリセリン 13
(7)ジメチルポリシロキサン 5
(粘度:90,000mPa・s at 25℃)
(8)ジメチルポリシロキサン 5
(粘度:1,000mPa・s at 25℃)
(9)シリコーン樹脂 8
(10)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 1
(11)マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 3.5
(12)合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム 0.5
(13)疎水性シリカ 0.5
(14)精製水 2
(15)球状シリコーン樹脂粉末被覆マイカ 3
(16)表面アクリルアミド重合粉末(実施例10で得られた粉体) 5
(17)硫酸バリウム 3
(18)色剤 適量
(19)防腐剤 適量
(20)香料 適量
(製法)
60℃に加熱した11に12〜13を分散させ、これに均一溶解した10と14を加えて十分に攪拌する。別に加熱溶解させておいた1〜9に、これを加えて十分撹伴し、さらに15〜20を加えて分散攪拌し、その後容器に充填して油性スティックを得た。
【実施例20】
【0079】
〔クリーム〕
(処方) (質量%)
油相部
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.5
(2)ジメチルポリシロキサン(6CS/25℃) 4.0
(3)ステアリルアルコール 1.5
(4)ワセリン 5.0
(5)スクワラン 1.0
(6)ビタミンEアセテート 0.01
(7)表面アクリルアミド重合粉末(実施例10で得られた粉体) 5.0
(8)ポリエーテル変性シリコーン 2.0
水相部
(9)防腐剤 0.2
(10)1,3−ブチレングリコール 17.0
(11)精製水 残 余
(製法)
70℃に加熱した油相部に水相部を添加し、乳化機により十分に乳化後、撹拌しながら冷却し、35℃以下になったところで容器に流し込み放冷して、目的とするクリームを得た。
【実施例21】
【0080】
〔日焼け止めローション〕
(処方) (質量%)
油相部
(1)ジメチルポリシロキサン(6CS/25℃) 5.0
(2)ジメチルポリシロキサン(1.5CS/25℃) 13.0
(3)フェニル変性メチルフェニルポリシロキサン 3.0
(4)表面アクリルアミド重合粉末(実施例10で得られた粉体) 5.0
(5)ポリエーテル変性シリコーン 2.0
水相部
(6)塩化ナトリウム 9.0
(7)香料 0.2
(8)防腐剤 0.2
(9)エタノール 5.0
(10)精製水 残 余
(製法)
70℃に加熱した油相部に水相部を添加し、乳化機により十分に乳化後、撹拌しながら冷却し、35℃以下になったところで容器に流し込み放冷して、目的とする日焼け止めローションを得た。
【実施例22】
【0081】
〔液状乳化ファンデーション〕
(処方) (質量%)
油相部
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 残 余
(2)トリメチルシロキシケイ酸 3.0
(3)ジメチルポリシロキサン 5.0
(4)ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体 2.5
(5)セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.0
粉末部
(6)シリコーン処理タルク 5.0
(7)シリコーン処理二酸化チタン 5.0
(8)表面アクリルアミド重合粉末(実施例10で得られた粉体) 5.5
(9)シリコーン処理ナイロンパウダー 4.0
(10)シリコーン処理着色顔料 2.0
水相部
(11)1、3-ブチレングリコール 3.0
(12)エタノール 13.0
(13)精製水 10.0
(製法)
油相部を70℃に加熱攪拌後、粉末部を添加して、70℃にてホモミキサーで攪拌分散した。室温まで冷却して、水相添加後、ホモミキサーで乳化して、液状ファンデーションを調製した。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】一般式(I)で表される化合物と、ポリ(4-ビニルピリジン)のFT-IRスペクトルを示す図である。
【図2】合成例1で得られたカチオン性ポリマーのFT-IRスペクトルを示す図である。
【図3】合成例1で得られたカチオン性ポリマーの重DMSO中での1H-NMRを示す図である。
【図4】基板上へのカチオン性ポリマーの吸着方法を示した図である。
【図5】カチオン性ポリマーを吸着した基板の紫外線可視吸収スペクトルを示す図である。
【図6】各濃度のカチオン性ポリマーを用いて、基板上に吸着させた場合のFT-IRを示す図である。
【図7】スチレン及びポリスチレンのFT−IRスペクトルを示す図である。
【図8】カチオン性ポリマー吸着基板上で、スチレンを重合させた場合のFT-IRを示す図である。
【図9】各濃度のカチオン性ポリマーを用いて製造したカチオン性ポリマー吸着基板上で、スチレンを重合させた場合のFT-IRを示す図である。
【図10】清浄な基板上で、スチレンの重合を試みた場合のFT-IRを示す図である。
【図11】本発明のカチオン性ポリマー吸着粉体の製造方法を示した図である。
【図12】基粉体とカチオン性ポリマー吸着粉体のFT−IRスペクトルを示す図である。
【図13】基粉体とカチオン性ポリマー吸着粉体のζ電位を示す図である。
【図14】アクリルモノマーの重合条件と状態を示す図である。
【図15】本発明の実施例10におけるFT−IRスペクトルを示す図である。
【図16】本発明の実施例10における、アクリルアミド重合前後の粉体を観察した透過型電子顕微鏡像である。
【図17】本発明の実施例17における、スチレン重合後の粉体を観察した透過型電子顕微鏡像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミン化合物の窒素原子の一部又は全てが、下記一般式(I)で示される化合物で4級化されたカチオン性ポリマーを、ζ電位が負の値である基粉体表面に吸着させたことを特徴とするカチオン性ポリマー吸着粉体。
(化1)

(式中、Xはハロゲン原子であり、nは1〜20の整数、mは1〜20の整数である)
ζ電位の測定方法は以下の通りである。
和光純薬社製のpH7.5の1M tris・HCl緩衝液中に試料を分散・超音波処理した後、18時間放置した上澄み液を測定に用いた。ζ電位は大塚電子株式会社製の電気泳動光散乱光度計LEZ−600を用いて、温度25℃にて測定した。測定は3回行い、結果はその平均値で表した。
【請求項2】
ζ電位が負の値である気粉体表面にポリアミン化合物を吸着させた後、該ポリアミン化合物の窒素原子の一部又は全てを、上記一般式(I)で表される化合物で4級化したことを特徴とするカチオン性ポリマー吸着粉体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカチオン性ポリマー吸着粉体の表面上で、モノマー分子を重合させ、薄膜を形成させたことを特徴とする薄膜被覆粉体。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のカチオン性ポリマー吸着粉体を含む皮膚外用剤。
【請求項5】
請求項3に記載の薄膜被覆粉体を含む皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−342322(P2006−342322A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−36216(P2006−36216)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【分割の表示】特願2005−165863(P2005−165863)の分割
【原出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】