説明

カップ式自動販売機

【課題】ノズルから滴り落ちる飲料の「後垂れ」を効果的に防止できるカップ式自動販売機を提供する。
【解決手段】粉末原料キャニスタ32から粉末原料がカップCに順次投入され、飲料攪拌装置50位置では、コーヒーブリュア36で抽出されたコーヒー液がディフューザー40を介してノズル39からカップCに注入され、飲料攪拌装置50の攪拌羽根51が下降して粉末原料とコーヒー液とが攪拌されて調製されたコーヒー飲料入りカップCが販売口14へ搬送されて販売に供されるカップ式自動販売機で、攪拌羽根51の昇降動作に連動してディフューザー40のコーヒー液流出口41aを閉塞する栓43aを設け、付着残留しているコーヒー液がノズル39から滴り落ちる飲料の「後垂れ」を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌羽根で粉末原料とコーヒー液とを攪拌して調製したカップ飲料を販売口に搬送して販売に供するカップ式自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
カップ供給装置から供給されたカップを把持して搬送するカップ搬送装置を備え、カップ搬送装置が粉末原料キャニスタから飲料攪拌装置を経由させて販売口までカップを搬送し、その搬送途上で調製したカップ飲料を販売に供するカップ式自動販売機が知られている。このカップ式自動販売機では、カップ搬送装置が搬送するカップに、粉末原料キャニスタから砂糖やクリームなどの粉末原料を投入し、飲料攪拌装置の位置に搬送されると、コーヒーブリュアで抽出したコーヒー液がコーヒー液管路を流下してノズルから注入され、攪拌羽根を下降して粉末原料とコーヒー液とを攪拌してコーヒー飲料を調製し、調製されたコーヒー飲料入りカップを販売口に搬送するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−178518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このコーヒーブリュアで抽出したコーヒー液がコーヒー液管路の内部に表面張力などにより付着残留し、この付着残留しているコーヒー液が徐々にコーヒー液管路内を流下し、ノズルから滴となって滴り落ちる現象があり、このような現象を「後垂れ」と称している。
【0005】
そして、カップ搬送装置が把持しているカップを飲料攪拌装置の位置から販売口まで搬送するときに、この「後垂れ」が生じると、ノズルから滴り落ちた飲料の滴がカップの外壁面やカップ搬送装置に付着して汚してしまう不具合がおこる。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、ノズルから滴り落ちる飲料の「後垂れ」を効果的に防止できるカップ式自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るカップ式自動販売機は、カップ搬送装置が把持しているカップを、粉末原料供給装置を経由させて飲料攪拌装置位置まで搬送し、その搬送途上で、前記粉末原料供給装置から粉末原料が前記カップに順次投入され、前記飲料攪拌装置位置では、コーヒー液抽出装置で抽出されたコーヒー液がディフューザーを介してノズルから前記カップに注入され、前記飲料攪拌装置の攪拌羽根が下降して前記粉末原料と前記コーヒー液とが攪拌されて調製されたコーヒー飲料入りカップが販売口へ搬送されて販売に供されるカップ式自動販売機において、
前記攪拌羽根の昇降動作に連動して前記ディフューザーのコーヒー液通路を閉塞する栓を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係るカップ式自動販売機は、上述した請求項1において、前記栓は、前記攪拌羽根が待機位置にあるときは前記コーヒー液通路を閉塞し、前記攪拌羽根が下降すると前記コーヒー液通路を開放することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、カップ搬送装置が把持しているカップを、粉末原料供給装置を経由させて飲料攪拌装置位置まで搬送し、その搬送途上で、前記粉末原料供給装置から粉末原料が前記カップに順次投入され、前記飲料攪拌装置位置では、コーヒー液抽出装置で抽出されたコーヒー液がディフューザーを介してノズルから前記カップに注入され、前記飲料攪拌装置の攪拌羽根が下降して前記粉末原料と前記コーヒー液とが攪拌されて調製されたコーヒー飲料入りカップが販売口へ搬送されて販売に供されるカップ式自動販売機において、前記攪拌羽根の昇降動作に連動して前記ディフューザーのコーヒー液通路を閉塞する栓を設けたことにより、ノズルから滴り落ちる飲料の「後垂れ」を効果的に防止できるカップ式自動販売機を提供することが可能となる。
【0010】
また、請求項2の発明によれば、前記栓は、前記攪拌羽根が待機位置にあるときは前記コーヒー液通路を閉塞し、前記攪拌羽根が下降すると前記コーヒー液通路を開放することにより、コーヒー液通路を確実に開閉動作させることができるカップ式自動販売機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機の正面概要図
【図2】図1に示したカップ式自動販売機の前扉を開いた正面概要図
【図3】図1に示したカップ式自動販売機の飲料攪拌装置とディフューザーを示す図
【図4】図1に示したカップ式自動販売機の制御ブロック図
【図5】図1に示したカップ式自動販売機のタイミングチャート図
【図6】図3に示したディフューザーのコーヒー液通路が開放された図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るカップ式自動販売機の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機の正面概要図、図2は図1に示したカップ式自動販売機の前扉を開いた正面概要図である。
【0013】
カップ式自動販売機1は、利用者が飲料選択ボタンを操作して選択した飲料をカップに調製して販売に供する自動販売機である。機器筐体2(図2参照)に開閉可能に取り付けられた前扉3の外表面上部には、複数の飲料見本表示部4、飲料見本表示部4毎に設けられたホット飲料選択ボタン5、アイス飲料選択ボタン6、ポスターパネル7が配設されている。また、前扉3の外表面中央部には、砂糖やミルク、コーヒー原料の増減ボタン8、硬貨投入口9、硬貨返却レバー10、紙幣挿入口11、入金額、温水温度、冷却水温度などを表示する表示部12、扉ロック13、販売口14、扉板開閉モータ15m(図4参照)が駆動されると販売口14を開閉する扉板15、その右下に釣銭返却口16が配設されている。
【0014】
機器筐体2の内部には、複数の同一形状のカップC(図3参照)を縦方向に積層して収容し、最下部のカップCから順次払い出して供給するカップ供給装置21、カップ供給装置21から供給されたカップCを受けるカップ受台24(図3参照)と、カップC胴部を把持するカップ把持アーム25(図3参照)とを有し、カップCを保持するカップ保持機構23、カップCを保持したカップ保持機構23を搬送するカップ搬送装置22、アイス飲料を販売するときに使用するチップ氷を製造して収容しているオーガ式製氷機31、砂糖、クリームなどの粉末原料を収容している粉末原料キャニスタ(粉末原料供給装置)32、飲料の調製に使用する温水を貯留している温水タンク33、焙煎されたコーヒー豆を収容しているコーヒー豆キャニスタ34、コーヒー豆キャニスタ34から供給されたコーヒー豆をミル35で挽いた挽き豆に温水タンク33から供給された温水でコーヒー液を抽出するコーヒーブリュア(コーヒー液抽出装置)36、カップCに供給された砂糖、クリーム、コーヒー液などに挿入させた攪拌羽根51(図3参照)を回転させて攪拌、混合する飲料攪拌装置50などが備えられている。
【0015】
図3は、本発明のディフューザー40と飲料攪拌装置50を示している。飲料攪拌装置50は、カップC内の粉末原料とコーヒー液を攪拌混合する攪拌羽根51、攪拌羽根51を回転駆動する攪拌モータ53、攪拌モータ53の回転力を攪拌羽根51に伝える回転軸52、攪拌モータ53を取り付けた昇降ベース54、昇降ベース54に設けられたラック55から構成されている。
【0016】
これらが収容されているケース56には、昇降ベース54の昇降をガイドする複数のガイドシャフト57が、昇降ベース54に設けたガイド穴54aを貫通して設けられ、ケース56に取り付けられた、昇降モータ58の回転数を減速する減速部58aの出力軸に取り付けた平歯車59が昇降ベース54に取り付けられたラック55と噛み合っている。
【0017】
また、飲料攪拌装置50に隣接してディフューザー40が設けられている。コーヒー液を抽出するコーヒーブリュア36は、抽出容器、フィルタ、フィルタブロックおよび抽出容器の上端開口を開閉する弁機構を備えたものが一般的である。抽出容器は、所謂シリンダと称されるものであり、上下両端面がそれぞれ開口した円筒形状を成し、内部に空気を供給するための空気導入口が上下に設けられている。フィルタは、抽出容器の下端開口を閉塞する態様で配置されるもので、例えば紙製のものが適用されている。フィルタブロックは、フィルタを介して抽出容器の下端開口に嵌合させて装着される有底円筒形状の容器であり、その内底部にはコーヒー液送出通路を有している。
【0018】
このコーヒーブリュア36でコーヒー液を抽出するには、先ず、抽出容器の下端開口にフィルタを介してフィルタブロックを装着した後、弁機構で抽出容器の上端開口を開放させた状態で、抽出容器の上端開口からコーヒー挽き豆を投入するとともに温水タンクに貯留してヒータで加熱している高温の温水を供給する。そして、このコーヒー挽き豆と温水との混合液に下部空気導入口から空気を供給して攪拌を行う。このコーヒー挽き豆と温水との混合液に空気を供給して攪拌した結果、コーヒー挽き豆から温水に香味や旨味が引き出される。しかる後、弁機構によって抽出容器の上端開口を閉塞し、この状態で上部空気導入口から抽出容器の内部に貯留している混合液の上部空間に空気を供給すると、抽出容器に供給された空気圧(抽出圧)により、フィルタを通過して濾過されたコーヒー液がフィルタブロックに送出され、コーヒー液送出通路からコーヒー液管路を通じてノズルからカップに供給される。
【0019】
このようにコーヒー液の抽出は、抽出容器の内部に貯留しているコーヒー挽き豆と温水との混合液の上部空間に空気を供給し、この抽出容器に供給された空気圧によりコーヒー挽き豆から温水に香味や旨味が引き出されたコーヒー液をフィルタを通過させて濾過するようにしている。
【0020】
しかしながら、コーヒー挽き豆と温水との混合液から空気圧でコーヒー液が押し出され、コーヒー液の抽出が終わるとき、コーヒー滓およびフィルタを通過した空気が勢い良くコーヒー液管路を通じてノズルから開放される。加圧されている空気が勢い良くノズルから開放されると、ノズル先端開口からコーヒー液が噴き出し、カップ内壁面にコーヒー液が飛散して見栄えが悪くなる。また、カップ外にコーヒー液が飛び出すとカップの外壁面やカップ搬送装置に付着してしまう虞があるが、空気圧(抽出圧)をディフューザー40内に開放することでこのような不具合を防止可能となるため、コーヒーブリュア36とノズル39との間にディフューザー40を設けている。
【0021】
このように、コーヒーブリュア36とディフューザー40はコーヒー液管路37を介して連通され、ディフューザー40とノズル39はコーヒー液管路38を介して連通されることで、コーヒーブリュア36がディフューザー40を介してノズル39と連通するようにしている。
【0022】
ディフューザー40は、下端にコーヒー液流出口(コーヒー液通路)41aを有するケース本体41、ケース本体41の上端開口を閉塞する態様で配置されるケース蓋42、ケース蓋42のコーヒー液流入口42a、栓シャフト43の下端に設けられ、下方向の押圧力が働くとコーヒー液流出口41aを閉塞する栓43a、栓シャフト43に設けられたばね固定片43bとばね固定片45との間に掛けられた伸張ばね44、軸47で軸支される栓駆動板46から構成されている。
【0023】
そして、昇降ベース54が攪拌羽根51とともに待機位置(最上部位置)にあるとき、栓駆動板46の一方(図3の左端)は軸47で軸支されて昇降ベース54で押し上げられ、軸47で軸支されている栓駆動板46の他方(図3の右端)は伸張ばね44を伸長させて押し下げられることで、ばね固定片43bを押し下げる。栓駆動板46が軸47を支点として時計方向に回転してばね固定片43bが押し下げられると、栓シャフト43の下端に設けられた栓43aがコーヒー液流出口41aを閉塞する。
【0024】
また、昇降ベース54が攪拌羽根51とともに下降すると、図6に示すように、栓駆動板46の一方(図6の左端)が昇降ベース54から開放されることで、軸47で軸支されている栓駆動板46の他方(図6の右端)も開放される。栓駆動板46の他方が開放されると、ばね固定片43bは伸張ばね44の引っ張り力により引き上げられる。ばね固定片43bが引き上げられると、栓シャフト43の下端に設けられた栓43aがコーヒー液流出口41aを開放する。
【0025】
図4は、カップ式自動販売機1の制御ブロック図を示し、カップ式自動販売機1での飲料の調製などを制御する制御部90は、中央処理装置としてのCPU91、CPU91の制御プログラムを格納するROM(リード・オンリー・メモリ)92、CPU91の制御に必要な各種のプログラムやデータを随時記憶するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)93、基準クロック発生部(図示せず)で発生するクロックをカウントして各種時刻を計時するタイマー94、カップ式自動販売機1に備えられている各機器に通電する電力回路を有する通電部95から構成されている。
【0026】
また、制御部90には、カップ式自動販売機1の各種設定データを入力するキーボード96、利用者が購入する飲料を選択するホット飲料選択ボタン5、アイス飲料選択ボタン6、昇降モータ58の回転数を検出して回転数信号を出力するエンコーダ58bなどが接続されている。
【0027】
さらに、販売口14に設けられ、扉板15を電動で開閉する扉板開閉モータ15m、攪拌羽根51を回転駆動する攪拌モータ53、攪拌モータ53を取り付けた昇降ベース54を昇降させる昇降モータ58などが接続されている。
【0028】
以上説明したカップ式自動販売機1において、利用者が硬貨投入口9に硬貨を投入し、ホット飲料選択ボタン6、例えばホットコーヒーを選択するボタンを押すと、制御部90がホットコーヒーを調製するための信号を出力する。この制御部90が出力する信号により、先ず、カップ搬送装置22が、カップ供給装置21から供給されたカップCを把持しているカップ保持機構23を粉末原料キャニスタ32の各位置に順次搬送する。カップ保持機構23に把持されているカップCには粉末原料キャニスタ32から所定量の各粉末原料(例えば、砂糖、クリーム)が順次投入される。粉末原料キャニスタ32からカップCで飲料を調製するのに必要な粉末原料が投入されるとカップ搬送装置22がカップ保持機構23に把持されているカップCを飲料攪拌装置50の直下位置まで搬送して停止する(図5A参照)。
【0029】
カップCが飲料攪拌装置50の直下位置まで搬送されて停止すると、制御部90は昇降モータ58を回転し、減速部58aで減速された平歯車59が正転すると平歯車59と噛み合っているラック55が下降する。ラック55が下降すると、ガイドシャフト57に沿って昇降ベース54とともに攪拌羽根51がカップC内へと下降する。攪拌羽根51が所定の攪拌位置(図6に示すカップCの底部)まで下降すると、制御部90はエンコーダ58bが出力する昇降モータ58の回転数信号に基づいて昇降モータ58を停止させる。昇降ベース54が攪拌羽根51とともに下降すると、栓駆動板46の一方(図6の左端)が昇降ベース54から開放されることで、軸47で軸支されている栓駆動板46の他方(図6の右端)も開放される。栓駆動板46の他方が開放されると、ばね固定片43bは伸張ばね44の引っ張り力により引き上げられる。ばね固定片43bが引き上げられると、栓シャフト43の下端に設けられた栓43aがコーヒー液流出口41aを開放する(図5Bおよび図6参照)。
【0030】
同時に、コーヒーブリュア36でコーヒー液を抽出する。コーヒーブリュア36で抽出されたコーヒー液はコーヒー液管路37を通流してコーヒー液流入口42aからディフューザー40に流入する。ディフューザー40に流入したコーヒー液は、栓43aが開放されたコーヒー液流出口41aからコーヒー液管路38を通流してノズル39からカップCに注がれる(図5Cおよび図6参照)。
【0031】
攪拌羽根51が所定の攪拌位置まで下降して昇降モータ58が停止すると、攪拌モータ53を回転させてカップCに投入された各粉末原料(例えば、コーヒー、砂糖)とコーヒー液とを攪拌羽根51で攪拌し、コーヒー液に各粉末原料を溶解させたホットコーヒーを調製する(図5Dおよび図6参照)。
【0032】
次に、昇降モータ58を先程とは逆方向に回転させて昇降ベース54と攪拌羽根51を上昇させる。昇降ベース54が攪拌羽根51とともに待機位置(最上部位置)に上昇すると、栓駆動板46の一方(図3の左端)は軸47で軸支されて昇降ベース54で押し上げられ、軸47で軸支されている栓駆動板46の他方(図3の右端)は伸張ばね44を伸長させて押し下げられることで、ばね固定片43bを押し下げる。栓駆動板46が軸47を支点として時計方向に回転してばね固定片43bが押し下げられると、栓シャフト43の下端に設けられた栓43aがコーヒー液流出口41aを閉塞する。コーヒー液流出口41aが栓43aで閉塞されることで、コーヒー液がコーヒー液管路37やディフューザー40の内部に表面張力などにより付着残留し、この付着残留しているコーヒー液が徐々にコーヒー液管路38内を流下し、ノズル39から滴り落ちる飲料の「後垂れ」が効果的に防止できる。これにより、カップ搬送装置22のカップ保持機構23が把持しているカップCを飲料攪拌装置50の位置から販売口14まで搬送するときにも、カップCの外壁面やカップ搬送装置22に飲料の「後垂れ」が付着する不具合を解消することができる。(図5Eおよび図3参照)。
【0033】
昇降モータ58を逆転させて昇降ベース54と攪拌羽根51を待機位置に上昇させると、カップ搬送装置22を運転してホットコーヒーが調製されたカップCを把持しているカップ保持機構23を販売口14まで搬送する(図5F参照)。
【0034】
そして、昇降モータ58を正転、逆転させ、昇降ベース54と攪拌羽根51を下降、上昇させてコーヒー液流出口41aを開放、閉塞させ、コーヒー液管路37やディフューザー40の内部に付着残留しているコーヒー液をノズル39から廃液部(図示せず)へ流出させる(図5G参照)。
【0035】
ホットコーヒーが調製されたカップCを把持しているカップ保持機構23が販売口14まで搬送されると、扉板開閉モータ15mが駆動されて扉板15が移動し、販売口14が開口すると、利用者によりホットコーヒーが調製されたカップCが取り出され、扉板開閉モータ15mが駆動されて扉板15が移動すると販売口14の開口が閉ざされる。
【0036】
以上のように、本実施形態のカップ式自動販売機1によれば、カップ搬送装置22のカップ保持機構23が把持しているカップCを、粉末原料キャニスタ32を経由させて飲料攪拌装置50の位置まで搬送し、その搬送途上で、粉末原料キャニスタ32から粉末原料がカップCに順次投入され、飲料攪拌装置50の位置では、コーヒーブリュア36で抽出されたコーヒー液がディフューザー40を介してノズル39からカップCに注入され、飲料攪拌装置50の攪拌羽根51が下降して粉末原料とコーヒー液とが攪拌されて調製されたコーヒー飲料入りカップCが販売口14へ搬送されて販売に供されるカップ式自動販売機1において、攪拌羽根51の昇降動作に連動してディフューザー40のコーヒー液流出口41aを閉塞する栓43aを設けたことにより、コーヒー液がコーヒー液管路37やディフューザー40の内部に表面張力などにより付着残留し、この付着残留しているコーヒー液が徐々にコーヒー液管路38内を流下し、ノズル39から滴り落ちる飲料の「後垂れ」を効果的に防止できる。これにより、カップ搬送装置22のカップ保持機構23が把持しているカップCを飲料攪拌装置50の位置から販売口14まで搬送するときにも、カップCの外壁面やカップ搬送装置22に飲料の「後垂れ」が付着する不具合を解消することができる。
【0037】
また、栓43aは、攪拌羽根51が待機位置にあるときはコーヒー液流出口41aを閉塞し、攪拌羽根51が下降するとコーヒー液流出口41aを開放することにより、コーヒー液流出口41aを確実に開閉動作させることができるカップ式自動販売機1を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 カップ式自動販売機
2 機器筐体
5 ホット飲料選択ボタン
6 アイス飲料選択ボタン
14 販売口
21 カップ供給装置
22 カップ搬送装置
23 カップ保持機構
32 粉末原料キャニスタ(粉末原料供給装置)
36 コーヒーブリュア(コーヒー液抽出装置)
39 ノズル
40 ディフューザー
41 ケース本体
41a コーヒー液流出口(コーヒー液通路)
43 栓シャフト
43a 栓
50 飲料攪拌装置
51 攪拌羽根
53 攪拌モータ
54 昇降ベース
58 昇降モータ
C カップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ搬送装置が把持しているカップを、粉末原料供給装置を経由させて飲料攪拌装置位置まで搬送し、その搬送途上で、前記粉末原料供給装置から粉末原料が前記カップに順次投入され、前記飲料攪拌装置位置では、コーヒー液抽出装置で抽出されたコーヒー液がディフューザーを介してノズルから前記カップに注入され、前記飲料攪拌装置の攪拌羽根が下降して前記粉末原料と前記コーヒー液とが攪拌されて調製されたコーヒー飲料入りカップが販売口へ搬送されて販売に供されるカップ式自動販売機において、
前記攪拌羽根の昇降動作に連動して前記ディフューザーのコーヒー液通路を閉塞する栓を設けたことを特徴とするカップ式自動販売機。
【請求項2】
前記栓は、前記攪拌羽根が待機位置にあるときは前記コーヒー液通路を閉塞し、前記攪拌羽根が下降すると前記コーヒー液通路を開放することを特徴とする請求項1に記載のカップ式自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−59095(P2012−59095A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202667(P2010−202667)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】