カメラ用羽根駆動装置及びそのステッピングモータ
【課題】カメラ用羽根駆動装置に好適なステッピングモータを提供する。
【解決手段】露光用の開口部に臨む位置と退避する位置との間を移動する羽根30を駆動するカメラのステッピングモータとして、周方向に複数極着磁されたロータ41、励磁用のコイル42,コイルを巻回するボビン43,及びボビンを挟持して互いに接合されかつそれぞれロータの周りに交互に配列される複数の櫛歯状磁極片44b,45bをもつ一対のヨーク44,45からなるヨークユニットUを二つ積層したステータ、ステータの積層方向の端部領域に配置されてロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板46を含む。これにより、羽根の高精度な位置決め、小型化等が要求されるカメラ用羽根駆動装置に適した小型で強力な保持力をもつステッピングモータが得られる。
【解決手段】露光用の開口部に臨む位置と退避する位置との間を移動する羽根30を駆動するカメラのステッピングモータとして、周方向に複数極着磁されたロータ41、励磁用のコイル42,コイルを巻回するボビン43,及びボビンを挟持して互いに接合されかつそれぞれロータの周りに交互に配列される複数の櫛歯状磁極片44b,45bをもつ一対のヨーク44,45からなるヨークユニットUを二つ積層したステータ、ステータの積層方向の端部領域に配置されてロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板46を含む。これにより、羽根の高精度な位置決め、小型化等が要求されるカメラ用羽根駆動装置に適した小型で強力な保持力をもつステッピングモータが得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの露光量を調整する羽根を備えたカメラ用羽根駆動装置及びその羽根を駆動するステッピングモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラのシャッタ羽根等を駆動するステッピングモータとしては、端面に二つの磁極をもつ二組のU字状のヨーク、それぞれのヨークに巻回された励磁用のコイル、二組のヨークの対向する磁極間において回動自在に支持されかつ周方向に多極着磁されたマグネットロータ、マグネットロータを所定の位置に保持するためのディテントトルクを発生させるべくマグネットロータの外周領域に対向して配置された磁性材料からなる補極片等を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他のステッピングモータとしては、周方向に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第1ヨーク,第1ヨークの磁極片と周方向に交互に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第2ヨーク,複数の櫛歯状磁極片の周りに巻回された励磁用のコイルからなる第1ステータ、周方向に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第3ヨーク,第3ヨークの磁極片と周方向に交互に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第4ヨーク,複数の櫛歯状磁極片の周りに巻回された励磁用のコイルからなる第2ステータ、積層された第1ステータ及び第2ステータの軸線方向の両端に位置するヨークに設けられた軸受により回動自在に支持されたマグネットロータ、第1ヨークの上面に積層された鉄板製の外部取り付け板等を備えた円筒型のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、他のステッピングモータとしては、円周方向に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつように環状に形成されかつその軸線方向に配列された二対の内ヨーク、各々の対のヨーク間に挟持されて軸線周りに巻回された励磁用の二つのコイル、これらのヨーク及びコイルを覆うように形成された有底円筒形状の外ヨーク、外ヨークの開口を閉鎖する円板状のフタ、ヨーク及びコイルの中心軸線上に回転軸をもつように配置されて外ヨーク及びフタに設けられた軸受により回動自在に支持されたマグネットロータ、マグネットロータを一方向へ付勢するコイルバネ等を備えた円筒型のものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−32991号公報
【特許文献2】特開昭62−37051号公報
【特許文献3】実公平1−45259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に開示のステッピングモータにおいては、ディテントトルクを得るための補極片が、マグネットロータの外周領域に配置されている。したがって、ヨークの端面に位置する磁極との位置関係上、補極片を配置できる場所及び個数には制約があり、小型化が要求されかつ複数の角度位置にて確実な位置決めを要求されるようなカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。
また、上記特許文献2及び特許文献3に開示の円筒型のステッピングモータにおいては、ディテントトルクを発生させるための専用の補極片が無いため、複数の角度位置にて確実な位置決めを要求されるようなカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。仮に、この円筒型のステッピングモータに対して、特許文献1に開示されたような補極片を適用することは、構造的に困難である。さらに、マグネットロータを一方向に付勢するために、コイルバネ等を採用しているが、部品点数が増加し、又、回転軸方向の薄型化が困難になり、小型化、薄型化が要求されるカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、小型化、薄型化、構造の簡略化を図りつつ、円滑に動作し所望の位置に確実に保持される羽根を備えたカメラ用羽根駆動装置及びその駆動源として用いられるステッピングモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るカメラ用羽根駆動装置は、露光用の開口部を有する基板と、開口部に臨む位置と退避する位置との間を移動自在に支持された羽根と、羽根を駆動する駆動源と、を備えたカメラ用羽根駆動装置であって、上記駆動源は、周方向に複数極着磁されたロータと、励磁用のコイル,コイルを挟みロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、ステータの軸線方向の端部領域に配置されてロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、ロータの軸線方向において対向する端部領域(例えば、ステータを構成するヨークの上部、上部の内側面、下部の位置)にディテントトルクを発生する補極板を設けたことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータを所望の角度位置にて停止させることができる。これにより、羽根を所望の位置に高精度に位置決めでき、装置の小型化も達成できる。また、補極板によりロータがスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できる。
【0009】
上記構成の装置において、補極板は、ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータを支持する軸を補極板に一体的に保持させることにより、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、全体として構造の簡略化、小型化を達成できる。
【0010】
上記構成の装置において、補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、スリット、切り欠き、又は孔の個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。
【0011】
上記構成の装置において、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【0012】
上記構成の装置において、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記準安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【0013】
本発明に係るステッピングモータは、露光用の開口部上を移動する羽根を駆動するカメラのステッピングモータであって、周方向に複数極着磁されたロータと、励磁用のコイル,コイルを挟みロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、ステータの軸線方向の端部領域に配置されてロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、ロータの軸線方向において対向する端部領域(例えば、ステータを構成するヨークの上部、上部の内側面、下部の位置)にディテントトルクを発生する補極板を設けたことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータを所望の角度位置にて停止させることができる。これにより、羽根の高精度な位置決め、小型化等が要求されるカメラ用羽根駆動装置に適した小型で強力な保持力をもつステッピングモータが得られる。また、補極板によりロータがスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できステッピングモータが得られる。
【0014】
上記構成のステッピングモータにおいて、補極板は、ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータを支持する軸を補極板に一体的に保持させることにより、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、全体として構造が簡略化及び小型化されたステッピングモータが得られる。
【0015】
上記構成のステッピングモータにおいて、補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、スリット、切り欠き、又は孔の個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。
【0016】
上記構成のステッピングモータにおいて、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【0017】
上記構成のステッピングモータにおいて、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記準安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【発明の効果】
【0018】
以上の構成をなすカメラ用羽根駆動装置及びステッピングモータによれば、小型化、薄型化、構造の簡略化を図りつつ、ガタツキによる騒音等を防止でき、円滑に動作し所望の位置に確実に保持される羽根を備えたカメラ用羽根駆動装置及びその駆動源として用いられるステッピングモータを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図12は、本発明に係るステッピングモータを備えたカメラ用羽根駆動装置(ここでは、絞り兼用シャッタ装置)の一実施形態を示すものであり、図1は装置の正面図、図2は装置の側面図、図3は装置の内部を示す平面図、図4は装置の一部を示す正面図(平面図)及び側面図、図5はステッピングモータの分解斜視図、図6はステッピングモータを示す平面図及び側断面図、図7は補極板を示す図、図8は一対のヨークを示す図、図9はボビン及びコイルを示す図、図10及び図11は安定点及び準安定点を説明する図、図12は装置の動作を説明する図である。
【0020】
この装置は、図1ないし図4に示すように、露光用の開口部10a,20aを有する基板としての地板10及びカバー20、開口部10a,20aに臨む位置と退避する位置との間を移動自在に地板10に支持された羽根としての絞り兼用シャッタ羽根30、絞り兼用シャッタ羽根30を駆動する駆動源としてのステッピングモータ40等を備えている。
【0021】
地板10は、図1ないし図4に示すように、樹脂材料により形成されて、円孔をなす露光用の開口部10a、カバー20を取り付ける掛止爪10b、ステッピングモータ40を取り付ける掛止爪10c及び位置決めするピン10d、後述するロータ41をスラスト方向にて支持するスラスト受部10e、後述する駆動ピン41cを往復動自在に通す円弧状の長孔10f、絞り兼用シャッタ羽根30をガイドするガイド部(不図示)等を備えている。
【0022】
カバー20は、図1ないし図4に示すように、樹脂材料により形成されて、円孔をなす露光用の開口部20a、掛止爪10cに掛止する孔をもつ掛止片20b、後述する駆動ピン41cを往復動自在に通す円弧状の長孔20f等を備えている。
【0023】
絞り兼用シャッタ羽根30は、薄板状の板金を打ち抜いて形成されており、図3に示すように、第1羽根31及び第2羽根32により形成されている。
第1羽根31は、図3に示すように、駆動ピン41cを通す長孔31a、開口部10a,20aの開閉を行う円弧状の縁部を画定する切り欠き31bを備えている。
第2羽根32は、図3に示すように、駆動ピン41cを通す長孔32a、切り欠き31bと協働して開口部10a,20aの開閉を行う円弧状の縁部を画定する切り欠き32bを備えている。
そして、第1羽根31及び第2羽根32は、ロータ41の回動により、お互いに逆向きに移動するように地板10に支持されて、開口部10a,20aを開閉あるいは所望の口径に絞るようになっている。
【0024】
ステッピングモータ40は、図1ないし図5に示すように、周方向に複数極着磁されたロータ41、励磁用のコイル42,コイル42を巻回するボビン43,及びボビン43を挟持して互いに接合されかつそれぞれロータ41の周りに交互に配列される複数の櫛歯状磁極片44b,45bをもつ一対のヨークとしての第1ヨーク44及び第2ヨーク45からなるヨークユニットU、ヨークユニットUを二つ積層してステータとし、このステータの積層方向Vの端部領域に配置された補極板46、補極板46に一体的に保持されてロータ41を回動自在に支持する軸47、ステータを保持して地板10に固定する固定板48等を備えている。
【0025】
ロータ41は、図5及び図6(a),(b)に示すように、周方向に複数極(ここでは、N極,S極の対が5対)に着磁されたマグネット部41a、軸47を通す孔41b、絞り兼用シャッタ羽根30の長孔31a,32aに通す駆動ピン41c等を備えている。
【0026】
ボビン43は、図9に示すように、複数の櫛歯状磁極片44b,45b及びロータ41を通す円筒部43a、円筒部43aの両端に形成されたフランジ部43b、一方のフランジ部43bに埋設されてコイル42の端部を接続する2つのピン43c等を備えている。
【0027】
一対のヨークの一方をなす第1ヨーク44は、図5及び図8(c),(d)に示すように、ロータ41の軸線方向Vにおいて外側に配置され、磁性材料からなる薄板を型成形して、中央にロータ41を通す円孔44a、円孔44aの縁部に立設すると共に周方向に等間隔で配列された複数(ここでは5つ)の櫛歯状磁極片44b、コイル42を巻回したボビン43を囲繞する円筒部44c等を備えている。
【0028】
一対のヨークの他方をなす第2ヨーク45は、図5及び図8(a),(b)に示すように、ロータ41の軸線方向Vにおいて第1ヨーク44よりも内側に配置され、磁性材料からなる薄板を型成形して、中央にロータ41を通す円孔45a、円孔45aの縁部に立設すると共に周方向に等間隔で配列された複数(ここでは5つ)の櫛歯状磁極片45b、外側ヨーク44の円筒部44cに接合されてボビン43を覆う環状部45c等を備えている。
【0029】
そして、図5に示すように、コイル42、ボビン43、第1ヨーク44、及び第2ヨーク45により、一つのヨークユニットUが構成されており、二つのヨークユニットUの第2ヨーク45同士を接合して軸線方向Vに積層することで、ステータが構成されている。すなわち、一方のヨークユニットUがA相、他方のヨークユニットUがB相を構成した、二相励磁のステッピングモータを構成するものである。
【0030】
補極板46は、図5及び図7に示すように、磁性材料により薄板状に形成されて、その中央に軸47を一体的に保持する円孔46a、円孔46aの周りにおいて周方向に等間隔で配列して形成された複数個(ここでは、10個)のスリット46b等を備えている。
このように、補極板46は、ロータ41を支持する軸47を一体的に保持するため、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、ステッピングモータ40の構造を簡略化でき、又、小型化できる。
【0031】
そして、補極板46は、図10に示すように、ロータ41の磁極中心が、ヨークユニットUの一方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとヨークユニットUの他方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとの中間及びヨークユニットUの一方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとヨークユニットUの他方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとの中間に位置する安定点にて保持力を発生するように、又、図11に示すように、ヨークユニットUの一方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとヨークユニットUの他方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとの中間及びヨークユニットUの一方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとヨークユニットUの他方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとの中間に位置する準安定点にて保持力を発生するように、複数のスリット46bが周方向に配列して形成されている。
【0032】
これにより、補極板46は、上記安定点及び準安定点において、強力なディテントトルクを発生して、ロータ41を確実に停止した状態で保持する。また、補極板46においては、スリット46bの個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。さらに、補極板46は、ロータ41のスラスト方向Vの端部領域(ここでは、外側ヨーク44の上部)に設けられているため、この補極板46によりロータ41がスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされ、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できる。
【0033】
固定板48は、図1、図2、図5に示すように、2つのヨークユニットU及び補極板46からなるステータを担持して地板10に固定するものであり、ロータ41を通す円孔48a、地板10のピン10dを嵌合させる位置決め孔48b、地板10の掛止爪10cに掛止する孔をもつ掛止片48c等を備えている。
【0034】
上記ステッピングモータ40及び装置の組み付けについて説明すると、先ず、絞り兼用シャッタ羽根30を地板10内に配置し、カバー20を取り付ける。一方、図5に示すように、ヨークユニットUを二つ積層してステータを形成し、このステータを固定板48に固定する。また、軸47を一体的に保持した補極板46をステータの上部に固定する。
続いて、ロータ41の駆動ピン41cを絞り兼用シャッタ羽根30の長孔31a,32aに通すと共にロータ41の下端面を地板10のスラスト受部10eに載置し、この状態で、ロータ41の孔41bに軸47を挿入し、位置決め孔48bとピン10dとを嵌合させて位置決めしつつ、掛止片48cを掛止爪10cに掛止させて固定板48を地板10に取り付ける。
これにより、ステッピングモータ40は地板10に対して確実に取り付けられ、ロータ41はガタツキ無く所定の角度範囲を回動自在に支持されることになる。尚、このステッピングモータ40では、最小角度で5段階のステップ動作を行うことができる。
【0035】
次に、装置の動作について、図12を参照しつつ説明する。
先ず、撮影前の初期状態においては、図12(a)に示すように、絞り兼用シャッタ羽根30は、開口部10a,20aを全開した状態にある。
そして、撮影動作を行う場合には、先ず通過する光量が計測されて最適な露光量となるように、例えば光量を絞る必要がある場合には、図12(b)に示すように、ステッピングモータ40が途中の角度位置まで駆動されて、絞り兼用シャッタ羽根30は開口部10a,20aを所定の口径に絞る。その後、さらにステッピングモータ40が回転駆動されて、絞り兼用シャッタ羽根30が、図12(c)に示すように、開口部10a,20aを全閉する位置に至り、撮影動作が完了する。
【0036】
上記装置においては、補極板46を備えたステッピングモータ40を駆動源として採用したことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータ41を所望の角度位置にて停止させることができるため、絞り兼用シャッタ羽根30を所望の絞り位置あるいは全開位置、全閉位置に高精度に位置決めでき、装置の小型化も達成できる。また、補極板46によりロータ41がスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できる。
【0037】
図13(a),(b)は、本発明に係るステッピングモータの他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、図13(a)に示すステッピングモータ40´では、軸47が専用の支持板49により保持され、補極板46´は、上部に位置する第1ヨーク44の上部内壁面に接合させるようにして配置されている。これにより、ロータ41の上端面と補極板46´との距離がさらに狭まり、より強力なディテントトルクが得られる。
また、図13(b)に示すステッピングモータ40´´では、軸47が専用の支持板49により保持され、固定板48´が磁性材料により形成されて補極板の役割を兼ねるようになっている。これにより、ロータ41は地板10のスラスト受部10eに押し付けられる方向に引き寄せられるため、より確実にガタツキを防止することができる。
【0038】
図14(a),(b)は、本発明に係るステッピングモータの一部をなす補極板の他の実施形態を示すものである。
すなわち、図14(a)に示す補極板46´´では、前述実施形態のスリット46bに替えて、略矩形ないし扇状の孔46b´´を周方向に複数配列して形成したものである。
また、図14(b)に示す補極板46´´´では、前述の孔46b´´に替えて、これら複数の孔を中央部で連通させることで切り欠き46b´´´を周方向に複数配列して形成したものである。
これらの補極板46´´、46´´´を採用したステッピングモータにおいても、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、ロータ41のガタ寄せを行うことができる。
【0039】
図15は、本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の一部をなす羽根の他の実施形態を示すものである。この実施形態における絞り兼用シャッタ羽根30´は、開口部10a,20aを最小口径に絞る近傍において濃度を調整するべく、一方の羽根31´がNDフィルタ30a´を一体的に備えている。
したがって、ステッピングモータ40が作動して最小口径近傍に絞られた状態において、NDフィルタ30a´が開口部10a,20aを覆い、通過する光の濃度を減少させるようになっている。この場合にも、絞り兼用シャッタ羽根30´は、ステッピングモータ40により円滑に駆動され、高精度に位置決めされる。
【0040】
図16は、本発明に係るカメラ用羽根駆動装置のさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態におけるカメラ用羽根駆動装置は、図16に示すように、露光用の開口部10aを有する基板としての地板10´、地板10´上に回動自在に支持されると共に弧状のラック50aを有するリング50、リング50により開閉駆動される複数の羽根からなる虹彩状の絞り羽根30´´、ピニオン41c´´´を有するロータ41´´´を含むステッピングモータ40´´´、ピニオン41c´´´に噛合する歯車60aとラック50aに噛合する歯車60bとを同軸上に一体的に備える二段歯車60等を備えている。
したがって、ステッピングモータ40´´´が作動すると、二段歯車60を介してリング50が回転し、絞り羽根30´´が所望の絞り位置に移動させられるようになっている。この場合にも、絞り羽根30´´は、ステッピングモータ40´´´により円滑に駆動され、高精度に位置決めされる。
【0041】
図17は、本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、図17に示すステッピングモータ140では、ボビンが廃止されて、予め環状に巻回して成型されたコイル42´が、直接第1ヨーク44と第2ヨーク45に挟まれて保持されるようになっている。
この実施形態によれば、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、ロータ41のガタ寄せを行うことができると共に、ボビンを廃止した分だけ、軸線方向Vの寸法を小さくでき、又、部品点数を削減でき、全体として小型化、薄型化、低コスト化できる。
【0042】
図18は、本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、図18に示すステッピングモータ240は、周方向に複数極着磁されたロータ41´、励磁用のコイル42,コイル42を巻回するボビン43´,及びボビン43´を挟持しかつそれぞれロータ41´の周りに交互に配列される複数の櫛歯状磁極片44b´,45b´をもつ一対のヨークとしての第1ヨーク44´及び第2ヨーク45´からなるヨークユニットU、ヨークユニットUを二つ軸線方向V(軸線上)に配列してステータとし、このステータの軸線方向Vの端部領域に配置された補極板146、補極板146に一体的に保持されてロータ41´を回動自在に支持する軸47、ロータ41´に結合される二股状の駆動ピン41´等を備えている。
【0043】
ロータ41´は、6つの磁極対に着磁されたマグネット部41a´、軸47を通す孔41b、駆動ピン41c´を嵌合して結合させるピン41d´等を備えている。
ボビン43´は、軸47を通す円筒部43a´、円筒部43a´の両端に形成されたフランジ部43b´等を備え、後述する第1ヨーク44´の複数の櫛歯状磁極片44b´により画定される円筒内に収容されるように形成されている。
第1ヨーク44´は、軸47を通す円孔44a´、周方向に等間隔で配列して形成された複数(ここでは、6個)の櫛歯状磁極片44b´等を備えている。
第4ヨーク45´は、軸47を通す円孔45a´、周方向に等間隔で配列して形成された複数(ここでは、6個)の櫛歯状磁極片45b´等を備えている。
そして、コイル42を巻回したボビン43´を挟み込むようにして第1ヨーク44´と第2ヨーク45´とを組み込むことで、ヨークユニットUが形成される。このとき、第1ヨーク44´の櫛歯状磁極片44b´と第2ヨーク45´の櫛歯状磁極片45b´とは、ロータ41´の周りにおいて周方向に交互に配列された状態となる。
補極板146は、軸47を一体的に保持すると共に、周方向に配列して形成された複数スリット146b等を備えている。
この実施形態によれば、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、軸線方向Vに垂直な径方向の寸法を小さくして縮径化でき、全体として小型化できる。
【0044】
上記実施形態においては、ステッピングモータをカメラ用羽根駆動装置としての絞り兼用シャッタ装置の駆動源として適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、シャッタ機能あるいは絞り機能だけをもつ装置の駆動源として適用してもよく、又、その他の装置の駆動源として適用してもよい。
上記実施形態においては、ステッピングモータのロータ41(41´)が5つ(6つ)の磁極対に着磁され、又、第1ヨーク44(44´)及び第2ヨーク45(45´)の櫛歯状磁極片44b(44b´),45b(45b´)がそれぞれ5つ(6つ)設けられた場合を示したが、これに限定されるものではなく、それ以外の個数を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上述べたように、本発明のステッピングモータは、小型化、薄型化、構造の簡略化等が達成されつつ、安定したディテントトルク及びスラスト方向の付勢力を発生するため、円滑な動作及び高精度な位置決め、さらには小型化が要求される、カメラ用羽根駆動装置に適用できるのは勿論のこと、その他の装置の駆動源としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すカメラ用羽根駆動装置の側面図である。
【図3】図1に示すカメラ用羽根駆動装置の内部を示す平面図である。
【図4】図1に示すカメラ用羽根駆動装置に搭載されたステッピングモータを示すものであり、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図5】図1に示すカメラ用羽根駆動装置に搭載されたステッピングモータの分解斜視図である。
【図6】ステッピングモータの一部を示すものであり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
【図7】ステッピングモータの一部をなす補極板を示すものであり、(a)平面図、(b)は側面図、(c)はロータとの関係を示す平面図である。
【図8】ステッピングモータの一部をなす一対のヨークを示すものであり、(a),(b)は第2ヨークの平面図及び側面図、(c),(d)は第1ヨークの側面図及び平面図である。
【図9】ステッピングモータの一部をなすコイルを巻回したボビンを示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】補極板がディテントトルクを及ぼしてロータを停止させる安定点を説明する図である。
【図11】補極板がディテントトルクを及ぼしてロータを停止させる準安定点を説明する図である。
【図12】カメラ用羽根駆動装置の動作を説明するものであり、(a)は全開状態、(b)は絞り状態、(c)は全閉状態を示す状態図である。
【図13】(a),(b)は補極板の配置場所を変更した他の実施形態を示す側面図である。
【図14】(a),(b)は補極板の形状を変更した他の実施形態を示す側面図である。
【図15】本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の一部をなす羽根の他の実施形態を示す平面図である。
【図16】本発明に係るカメラ用羽根駆動装置のさらに他の実施形態を示す平面図である。
【図17】本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図18】本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
10,10´ 地板(基板)
20 カバー(基板)
10a,20a 開口部
10e スラスト受部
30,30´ 絞り兼用シャッタ羽根
30´´ 絞り羽根
30a´´ NDフィルタ
40,40´,40´´,40´´´,140,240 ステッピングモータ(駆動源)
41,41´,41´´´ ロータ
41a,41a´ マグネット部
41b 孔
41c,41c´ 駆動ピン
41c´´´ ピニオン
41d´ ピン
42,42´ 励磁用のコイル
43,43´ ボビン
44,44´ 第1ヨーク
44a,44a´ 円孔
44b,44b´ 櫛歯状磁極片
45,45´ 第2ヨーク
45a,45a´ 円孔
45b,45b´ 櫛歯状磁極片
46,46´,46´´,46´´´,146 補極板
46a 円孔
46b,146b スリット
46b´´ 孔
46b´´´ 切り欠き
47 軸
48,48´ 固定板
50 リング
60 二段歯車
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラの露光量を調整する羽根を備えたカメラ用羽根駆動装置及びその羽根を駆動するステッピングモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラのシャッタ羽根等を駆動するステッピングモータとしては、端面に二つの磁極をもつ二組のU字状のヨーク、それぞれのヨークに巻回された励磁用のコイル、二組のヨークの対向する磁極間において回動自在に支持されかつ周方向に多極着磁されたマグネットロータ、マグネットロータを所定の位置に保持するためのディテントトルクを発生させるべくマグネットロータの外周領域に対向して配置された磁性材料からなる補極片等を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他のステッピングモータとしては、周方向に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第1ヨーク,第1ヨークの磁極片と周方向に交互に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第2ヨーク,複数の櫛歯状磁極片の周りに巻回された励磁用のコイルからなる第1ステータ、周方向に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第3ヨーク,第3ヨークの磁極片と周方向に交互に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつ第4ヨーク,複数の櫛歯状磁極片の周りに巻回された励磁用のコイルからなる第2ステータ、積層された第1ステータ及び第2ステータの軸線方向の両端に位置するヨークに設けられた軸受により回動自在に支持されたマグネットロータ、第1ヨークの上面に積層された鉄板製の外部取り付け板等を備えた円筒型のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、他のステッピングモータとしては、円周方向に配列された複数の櫛歯状磁極片をもつように環状に形成されかつその軸線方向に配列された二対の内ヨーク、各々の対のヨーク間に挟持されて軸線周りに巻回された励磁用の二つのコイル、これらのヨーク及びコイルを覆うように形成された有底円筒形状の外ヨーク、外ヨークの開口を閉鎖する円板状のフタ、ヨーク及びコイルの中心軸線上に回転軸をもつように配置されて外ヨーク及びフタに設けられた軸受により回動自在に支持されたマグネットロータ、マグネットロータを一方向へ付勢するコイルバネ等を備えた円筒型のものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−32991号公報
【特許文献2】特開昭62−37051号公報
【特許文献3】実公平1−45259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に開示のステッピングモータにおいては、ディテントトルクを得るための補極片が、マグネットロータの外周領域に配置されている。したがって、ヨークの端面に位置する磁極との位置関係上、補極片を配置できる場所及び個数には制約があり、小型化が要求されかつ複数の角度位置にて確実な位置決めを要求されるようなカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。
また、上記特許文献2及び特許文献3に開示の円筒型のステッピングモータにおいては、ディテントトルクを発生させるための専用の補極片が無いため、複数の角度位置にて確実な位置決めを要求されるようなカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。仮に、この円筒型のステッピングモータに対して、特許文献1に開示されたような補極片を適用することは、構造的に困難である。さらに、マグネットロータを一方向に付勢するために、コイルバネ等を採用しているが、部品点数が増加し、又、回転軸方向の薄型化が困難になり、小型化、薄型化が要求されるカメラの羽根を駆動する駆動源として適用するのは困難である。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、小型化、薄型化、構造の簡略化を図りつつ、円滑に動作し所望の位置に確実に保持される羽根を備えたカメラ用羽根駆動装置及びその駆動源として用いられるステッピングモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るカメラ用羽根駆動装置は、露光用の開口部を有する基板と、開口部に臨む位置と退避する位置との間を移動自在に支持された羽根と、羽根を駆動する駆動源と、を備えたカメラ用羽根駆動装置であって、上記駆動源は、周方向に複数極着磁されたロータと、励磁用のコイル,コイルを挟みロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、ステータの軸線方向の端部領域に配置されてロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、ロータの軸線方向において対向する端部領域(例えば、ステータを構成するヨークの上部、上部の内側面、下部の位置)にディテントトルクを発生する補極板を設けたことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータを所望の角度位置にて停止させることができる。これにより、羽根を所望の位置に高精度に位置決めでき、装置の小型化も達成できる。また、補極板によりロータがスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できる。
【0009】
上記構成の装置において、補極板は、ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータを支持する軸を補極板に一体的に保持させることにより、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、全体として構造の簡略化、小型化を達成できる。
【0010】
上記構成の装置において、補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、スリット、切り欠き、又は孔の個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。
【0011】
上記構成の装置において、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【0012】
上記構成の装置において、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記準安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【0013】
本発明に係るステッピングモータは、露光用の開口部上を移動する羽根を駆動するカメラのステッピングモータであって、周方向に複数極着磁されたロータと、励磁用のコイル,コイルを挟みロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、ステータの軸線方向の端部領域に配置されてロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含むことを特徴としている。
この構成によれば、ロータの軸線方向において対向する端部領域(例えば、ステータを構成するヨークの上部、上部の内側面、下部の位置)にディテントトルクを発生する補極板を設けたことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータを所望の角度位置にて停止させることができる。これにより、羽根の高精度な位置決め、小型化等が要求されるカメラ用羽根駆動装置に適した小型で強力な保持力をもつステッピングモータが得られる。また、補極板によりロータがスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できステッピングモータが得られる。
【0014】
上記構成のステッピングモータにおいて、補極板は、ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータを支持する軸を補極板に一体的に保持させることにより、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、全体として構造が簡略化及び小型化されたステッピングモータが得られる。
【0015】
上記構成のステッピングモータにおいて、補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、スリット、切り欠き、又は孔の個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。
【0016】
上記構成のステッピングモータにおいて、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【0017】
上記構成のステッピングモータにおいて、ヨークユニットは、ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる一対のヨークを含み、ステータは、ロータの軸線方向において配置された二つのヨークユニットを含み、補極板は、ロータの磁極中心が、ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及びヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片とヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータは、補極板が作用するディテントトルクにより、非通電の状態で、上記準安定点の角度位置において確実に停止して保持される。
【発明の効果】
【0018】
以上の構成をなすカメラ用羽根駆動装置及びステッピングモータによれば、小型化、薄型化、構造の簡略化を図りつつ、ガタツキによる騒音等を防止でき、円滑に動作し所望の位置に確実に保持される羽根を備えたカメラ用羽根駆動装置及びその駆動源として用いられるステッピングモータを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図12は、本発明に係るステッピングモータを備えたカメラ用羽根駆動装置(ここでは、絞り兼用シャッタ装置)の一実施形態を示すものであり、図1は装置の正面図、図2は装置の側面図、図3は装置の内部を示す平面図、図4は装置の一部を示す正面図(平面図)及び側面図、図5はステッピングモータの分解斜視図、図6はステッピングモータを示す平面図及び側断面図、図7は補極板を示す図、図8は一対のヨークを示す図、図9はボビン及びコイルを示す図、図10及び図11は安定点及び準安定点を説明する図、図12は装置の動作を説明する図である。
【0020】
この装置は、図1ないし図4に示すように、露光用の開口部10a,20aを有する基板としての地板10及びカバー20、開口部10a,20aに臨む位置と退避する位置との間を移動自在に地板10に支持された羽根としての絞り兼用シャッタ羽根30、絞り兼用シャッタ羽根30を駆動する駆動源としてのステッピングモータ40等を備えている。
【0021】
地板10は、図1ないし図4に示すように、樹脂材料により形成されて、円孔をなす露光用の開口部10a、カバー20を取り付ける掛止爪10b、ステッピングモータ40を取り付ける掛止爪10c及び位置決めするピン10d、後述するロータ41をスラスト方向にて支持するスラスト受部10e、後述する駆動ピン41cを往復動自在に通す円弧状の長孔10f、絞り兼用シャッタ羽根30をガイドするガイド部(不図示)等を備えている。
【0022】
カバー20は、図1ないし図4に示すように、樹脂材料により形成されて、円孔をなす露光用の開口部20a、掛止爪10cに掛止する孔をもつ掛止片20b、後述する駆動ピン41cを往復動自在に通す円弧状の長孔20f等を備えている。
【0023】
絞り兼用シャッタ羽根30は、薄板状の板金を打ち抜いて形成されており、図3に示すように、第1羽根31及び第2羽根32により形成されている。
第1羽根31は、図3に示すように、駆動ピン41cを通す長孔31a、開口部10a,20aの開閉を行う円弧状の縁部を画定する切り欠き31bを備えている。
第2羽根32は、図3に示すように、駆動ピン41cを通す長孔32a、切り欠き31bと協働して開口部10a,20aの開閉を行う円弧状の縁部を画定する切り欠き32bを備えている。
そして、第1羽根31及び第2羽根32は、ロータ41の回動により、お互いに逆向きに移動するように地板10に支持されて、開口部10a,20aを開閉あるいは所望の口径に絞るようになっている。
【0024】
ステッピングモータ40は、図1ないし図5に示すように、周方向に複数極着磁されたロータ41、励磁用のコイル42,コイル42を巻回するボビン43,及びボビン43を挟持して互いに接合されかつそれぞれロータ41の周りに交互に配列される複数の櫛歯状磁極片44b,45bをもつ一対のヨークとしての第1ヨーク44及び第2ヨーク45からなるヨークユニットU、ヨークユニットUを二つ積層してステータとし、このステータの積層方向Vの端部領域に配置された補極板46、補極板46に一体的に保持されてロータ41を回動自在に支持する軸47、ステータを保持して地板10に固定する固定板48等を備えている。
【0025】
ロータ41は、図5及び図6(a),(b)に示すように、周方向に複数極(ここでは、N極,S極の対が5対)に着磁されたマグネット部41a、軸47を通す孔41b、絞り兼用シャッタ羽根30の長孔31a,32aに通す駆動ピン41c等を備えている。
【0026】
ボビン43は、図9に示すように、複数の櫛歯状磁極片44b,45b及びロータ41を通す円筒部43a、円筒部43aの両端に形成されたフランジ部43b、一方のフランジ部43bに埋設されてコイル42の端部を接続する2つのピン43c等を備えている。
【0027】
一対のヨークの一方をなす第1ヨーク44は、図5及び図8(c),(d)に示すように、ロータ41の軸線方向Vにおいて外側に配置され、磁性材料からなる薄板を型成形して、中央にロータ41を通す円孔44a、円孔44aの縁部に立設すると共に周方向に等間隔で配列された複数(ここでは5つ)の櫛歯状磁極片44b、コイル42を巻回したボビン43を囲繞する円筒部44c等を備えている。
【0028】
一対のヨークの他方をなす第2ヨーク45は、図5及び図8(a),(b)に示すように、ロータ41の軸線方向Vにおいて第1ヨーク44よりも内側に配置され、磁性材料からなる薄板を型成形して、中央にロータ41を通す円孔45a、円孔45aの縁部に立設すると共に周方向に等間隔で配列された複数(ここでは5つ)の櫛歯状磁極片45b、外側ヨーク44の円筒部44cに接合されてボビン43を覆う環状部45c等を備えている。
【0029】
そして、図5に示すように、コイル42、ボビン43、第1ヨーク44、及び第2ヨーク45により、一つのヨークユニットUが構成されており、二つのヨークユニットUの第2ヨーク45同士を接合して軸線方向Vに積層することで、ステータが構成されている。すなわち、一方のヨークユニットUがA相、他方のヨークユニットUがB相を構成した、二相励磁のステッピングモータを構成するものである。
【0030】
補極板46は、図5及び図7に示すように、磁性材料により薄板状に形成されて、その中央に軸47を一体的に保持する円孔46a、円孔46aの周りにおいて周方向に等間隔で配列して形成された複数個(ここでは、10個)のスリット46b等を備えている。
このように、補極板46は、ロータ41を支持する軸47を一体的に保持するため、専用の支持部材が不要になり、又、軸線方向の薄型化にも寄与し、ステッピングモータ40の構造を簡略化でき、又、小型化できる。
【0031】
そして、補極板46は、図10に示すように、ロータ41の磁極中心が、ヨークユニットUの一方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとヨークユニットUの他方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとの中間及びヨークユニットUの一方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとヨークユニットUの他方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとの中間に位置する安定点にて保持力を発生するように、又、図11に示すように、ヨークユニットUの一方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとヨークユニットUの他方に含まれる第1ヨーク44の櫛歯状磁極片44bとの中間及びヨークユニットUの一方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとヨークユニットUの他方に含まれる第2ヨーク45の櫛歯状磁極片45bとの中間に位置する準安定点にて保持力を発生するように、複数のスリット46bが周方向に配列して形成されている。
【0032】
これにより、補極板46は、上記安定点及び準安定点において、強力なディテントトルクを発生して、ロータ41を確実に停止した状態で保持する。また、補極板46においては、スリット46bの個数あるいは形状を適宜選定することにより、簡単な構造にて、所望のディテントトルクを発生させることができる。さらに、補極板46は、ロータ41のスラスト方向Vの端部領域(ここでは、外側ヨーク44の上部)に設けられているため、この補極板46によりロータ41がスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされ、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できる。
【0033】
固定板48は、図1、図2、図5に示すように、2つのヨークユニットU及び補極板46からなるステータを担持して地板10に固定するものであり、ロータ41を通す円孔48a、地板10のピン10dを嵌合させる位置決め孔48b、地板10の掛止爪10cに掛止する孔をもつ掛止片48c等を備えている。
【0034】
上記ステッピングモータ40及び装置の組み付けについて説明すると、先ず、絞り兼用シャッタ羽根30を地板10内に配置し、カバー20を取り付ける。一方、図5に示すように、ヨークユニットUを二つ積層してステータを形成し、このステータを固定板48に固定する。また、軸47を一体的に保持した補極板46をステータの上部に固定する。
続いて、ロータ41の駆動ピン41cを絞り兼用シャッタ羽根30の長孔31a,32aに通すと共にロータ41の下端面を地板10のスラスト受部10eに載置し、この状態で、ロータ41の孔41bに軸47を挿入し、位置決め孔48bとピン10dとを嵌合させて位置決めしつつ、掛止片48cを掛止爪10cに掛止させて固定板48を地板10に取り付ける。
これにより、ステッピングモータ40は地板10に対して確実に取り付けられ、ロータ41はガタツキ無く所定の角度範囲を回動自在に支持されることになる。尚、このステッピングモータ40では、最小角度で5段階のステップ動作を行うことができる。
【0035】
次に、装置の動作について、図12を参照しつつ説明する。
先ず、撮影前の初期状態においては、図12(a)に示すように、絞り兼用シャッタ羽根30は、開口部10a,20aを全開した状態にある。
そして、撮影動作を行う場合には、先ず通過する光量が計測されて最適な露光量となるように、例えば光量を絞る必要がある場合には、図12(b)に示すように、ステッピングモータ40が途中の角度位置まで駆動されて、絞り兼用シャッタ羽根30は開口部10a,20aを所定の口径に絞る。その後、さらにステッピングモータ40が回転駆動されて、絞り兼用シャッタ羽根30が、図12(c)に示すように、開口部10a,20aを全閉する位置に至り、撮影動作が完了する。
【0036】
上記装置においては、補極板46を備えたステッピングモータ40を駆動源として採用したことにより、全体の集約化を図りつつ、ロータ41を所望の角度位置にて停止させることができるため、絞り兼用シャッタ羽根30を所望の絞り位置あるいは全開位置、全閉位置に高精度に位置決めでき、装置の小型化も達成できる。また、補極板46によりロータ41がスラスト方向の一方側に引き寄せられてガタ寄せされるため、部品点数を削減しつつもガタツキによる騒音等を防止できる。
【0037】
図13(a),(b)は、本発明に係るステッピングモータの他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、図13(a)に示すステッピングモータ40´では、軸47が専用の支持板49により保持され、補極板46´は、上部に位置する第1ヨーク44の上部内壁面に接合させるようにして配置されている。これにより、ロータ41の上端面と補極板46´との距離がさらに狭まり、より強力なディテントトルクが得られる。
また、図13(b)に示すステッピングモータ40´´では、軸47が専用の支持板49により保持され、固定板48´が磁性材料により形成されて補極板の役割を兼ねるようになっている。これにより、ロータ41は地板10のスラスト受部10eに押し付けられる方向に引き寄せられるため、より確実にガタツキを防止することができる。
【0038】
図14(a),(b)は、本発明に係るステッピングモータの一部をなす補極板の他の実施形態を示すものである。
すなわち、図14(a)に示す補極板46´´では、前述実施形態のスリット46bに替えて、略矩形ないし扇状の孔46b´´を周方向に複数配列して形成したものである。
また、図14(b)に示す補極板46´´´では、前述の孔46b´´に替えて、これら複数の孔を中央部で連通させることで切り欠き46b´´´を周方向に複数配列して形成したものである。
これらの補極板46´´、46´´´を採用したステッピングモータにおいても、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、ロータ41のガタ寄せを行うことができる。
【0039】
図15は、本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の一部をなす羽根の他の実施形態を示すものである。この実施形態における絞り兼用シャッタ羽根30´は、開口部10a,20aを最小口径に絞る近傍において濃度を調整するべく、一方の羽根31´がNDフィルタ30a´を一体的に備えている。
したがって、ステッピングモータ40が作動して最小口径近傍に絞られた状態において、NDフィルタ30a´が開口部10a,20aを覆い、通過する光の濃度を減少させるようになっている。この場合にも、絞り兼用シャッタ羽根30´は、ステッピングモータ40により円滑に駆動され、高精度に位置決めされる。
【0040】
図16は、本発明に係るカメラ用羽根駆動装置のさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態におけるカメラ用羽根駆動装置は、図16に示すように、露光用の開口部10aを有する基板としての地板10´、地板10´上に回動自在に支持されると共に弧状のラック50aを有するリング50、リング50により開閉駆動される複数の羽根からなる虹彩状の絞り羽根30´´、ピニオン41c´´´を有するロータ41´´´を含むステッピングモータ40´´´、ピニオン41c´´´に噛合する歯車60aとラック50aに噛合する歯車60bとを同軸上に一体的に備える二段歯車60等を備えている。
したがって、ステッピングモータ40´´´が作動すると、二段歯車60を介してリング50が回転し、絞り羽根30´´が所望の絞り位置に移動させられるようになっている。この場合にも、絞り羽根30´´は、ステッピングモータ40´´´により円滑に駆動され、高精度に位置決めされる。
【0041】
図17は、本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、図17に示すステッピングモータ140では、ボビンが廃止されて、予め環状に巻回して成型されたコイル42´が、直接第1ヨーク44と第2ヨーク45に挟まれて保持されるようになっている。
この実施形態によれば、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、ロータ41のガタ寄せを行うことができると共に、ボビンを廃止した分だけ、軸線方向Vの寸法を小さくでき、又、部品点数を削減でき、全体として小型化、薄型化、低コスト化できる。
【0042】
図18は、本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
すなわち、図18に示すステッピングモータ240は、周方向に複数極着磁されたロータ41´、励磁用のコイル42,コイル42を巻回するボビン43´,及びボビン43´を挟持しかつそれぞれロータ41´の周りに交互に配列される複数の櫛歯状磁極片44b´,45b´をもつ一対のヨークとしての第1ヨーク44´及び第2ヨーク45´からなるヨークユニットU、ヨークユニットUを二つ軸線方向V(軸線上)に配列してステータとし、このステータの軸線方向Vの端部領域に配置された補極板146、補極板146に一体的に保持されてロータ41´を回動自在に支持する軸47、ロータ41´に結合される二股状の駆動ピン41´等を備えている。
【0043】
ロータ41´は、6つの磁極対に着磁されたマグネット部41a´、軸47を通す孔41b、駆動ピン41c´を嵌合して結合させるピン41d´等を備えている。
ボビン43´は、軸47を通す円筒部43a´、円筒部43a´の両端に形成されたフランジ部43b´等を備え、後述する第1ヨーク44´の複数の櫛歯状磁極片44b´により画定される円筒内に収容されるように形成されている。
第1ヨーク44´は、軸47を通す円孔44a´、周方向に等間隔で配列して形成された複数(ここでは、6個)の櫛歯状磁極片44b´等を備えている。
第4ヨーク45´は、軸47を通す円孔45a´、周方向に等間隔で配列して形成された複数(ここでは、6個)の櫛歯状磁極片45b´等を備えている。
そして、コイル42を巻回したボビン43´を挟み込むようにして第1ヨーク44´と第2ヨーク45´とを組み込むことで、ヨークユニットUが形成される。このとき、第1ヨーク44´の櫛歯状磁極片44b´と第2ヨーク45´の櫛歯状磁極片45b´とは、ロータ41´の周りにおいて周方向に交互に配列された状態となる。
補極板146は、軸47を一体的に保持すると共に、周方向に配列して形成された複数スリット146b等を備えている。
この実施形態によれば、前述同様に、所望のディテントトルクが得られ、又、軸線方向Vに垂直な径方向の寸法を小さくして縮径化でき、全体として小型化できる。
【0044】
上記実施形態においては、ステッピングモータをカメラ用羽根駆動装置としての絞り兼用シャッタ装置の駆動源として適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、シャッタ機能あるいは絞り機能だけをもつ装置の駆動源として適用してもよく、又、その他の装置の駆動源として適用してもよい。
上記実施形態においては、ステッピングモータのロータ41(41´)が5つ(6つ)の磁極対に着磁され、又、第1ヨーク44(44´)及び第2ヨーク45(45´)の櫛歯状磁極片44b(44b´),45b(45b´)がそれぞれ5つ(6つ)設けられた場合を示したが、これに限定されるものではなく、それ以外の個数を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上述べたように、本発明のステッピングモータは、小型化、薄型化、構造の簡略化等が達成されつつ、安定したディテントトルク及びスラスト方向の付勢力を発生するため、円滑な動作及び高精度な位置決め、さらには小型化が要求される、カメラ用羽根駆動装置に適用できるのは勿論のこと、その他の装置の駆動源としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1に示すカメラ用羽根駆動装置の側面図である。
【図3】図1に示すカメラ用羽根駆動装置の内部を示す平面図である。
【図4】図1に示すカメラ用羽根駆動装置に搭載されたステッピングモータを示すものであり、(a)は正面図、(b)は側断面図である。
【図5】図1に示すカメラ用羽根駆動装置に搭載されたステッピングモータの分解斜視図である。
【図6】ステッピングモータの一部を示すものであり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
【図7】ステッピングモータの一部をなす補極板を示すものであり、(a)平面図、(b)は側面図、(c)はロータとの関係を示す平面図である。
【図8】ステッピングモータの一部をなす一対のヨークを示すものであり、(a),(b)は第2ヨークの平面図及び側面図、(c),(d)は第1ヨークの側面図及び平面図である。
【図9】ステッピングモータの一部をなすコイルを巻回したボビンを示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】補極板がディテントトルクを及ぼしてロータを停止させる安定点を説明する図である。
【図11】補極板がディテントトルクを及ぼしてロータを停止させる準安定点を説明する図である。
【図12】カメラ用羽根駆動装置の動作を説明するものであり、(a)は全開状態、(b)は絞り状態、(c)は全閉状態を示す状態図である。
【図13】(a),(b)は補極板の配置場所を変更した他の実施形態を示す側面図である。
【図14】(a),(b)は補極板の形状を変更した他の実施形態を示す側面図である。
【図15】本発明に係るカメラ用羽根駆動装置の一部をなす羽根の他の実施形態を示す平面図である。
【図16】本発明に係るカメラ用羽根駆動装置のさらに他の実施形態を示す平面図である。
【図17】本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図18】本発明に係るステッピングモータのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
10,10´ 地板(基板)
20 カバー(基板)
10a,20a 開口部
10e スラスト受部
30,30´ 絞り兼用シャッタ羽根
30´´ 絞り羽根
30a´´ NDフィルタ
40,40´,40´´,40´´´,140,240 ステッピングモータ(駆動源)
41,41´,41´´´ ロータ
41a,41a´ マグネット部
41b 孔
41c,41c´ 駆動ピン
41c´´´ ピニオン
41d´ ピン
42,42´ 励磁用のコイル
43,43´ ボビン
44,44´ 第1ヨーク
44a,44a´ 円孔
44b,44b´ 櫛歯状磁極片
45,45´ 第2ヨーク
45a,45a´ 円孔
45b,45b´ 櫛歯状磁極片
46,46´,46´´,46´´´,146 補極板
46a 円孔
46b,146b スリット
46b´´ 孔
46b´´´ 切り欠き
47 軸
48,48´ 固定板
50 リング
60 二段歯車
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光用の開口部を有する基板と、前記開口部に臨む位置と退避する位置との間を移動自在に支持された羽根と、前記羽根を駆動する駆動源と、を備えたカメラ用羽根駆動装置であって、
前記駆動源は、周方向に複数極着磁されたロータと、励磁用のコイル,前記コイルを挟み前記ロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、前記ステータの軸線方向の端部領域に配置されて前記ロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含む、
ことを特徴とするカメラ用羽根駆動装置。
【請求項2】
前記補極板は、前記ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、
ことを特徴とする請求項1記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項3】
前記補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項4】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項5】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項6】
露光用の開口部上を移動する羽根を駆動するステッピングモータであって、
周方向に複数極着磁されたロータと、
励磁用のコイル,前記コイルを挟み前記ロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、
前記ステータの軸線方向の端部領域に配置されて前記ロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含む、
ことを特徴とするステッピングモータ。
【請求項7】
前記補極板は、前記ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、
ことを特徴とする請求項6記載のステッピングモータ。
【請求項8】
前記補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のステッピングモータ。
【請求項9】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項6ないし8いずれかに記載のステッピングモータ。
【請求項10】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項6ないし8いずれかに記載のステッピングモータ。
【請求項1】
露光用の開口部を有する基板と、前記開口部に臨む位置と退避する位置との間を移動自在に支持された羽根と、前記羽根を駆動する駆動源と、を備えたカメラ用羽根駆動装置であって、
前記駆動源は、周方向に複数極着磁されたロータと、励磁用のコイル,前記コイルを挟み前記ロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、前記ステータの軸線方向の端部領域に配置されて前記ロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含む、
ことを特徴とするカメラ用羽根駆動装置。
【請求項2】
前記補極板は、前記ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、
ことを特徴とする請求項1記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項3】
前記補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項4】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項5】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のカメラ用羽根駆動装置。
【請求項6】
露光用の開口部上を移動する羽根を駆動するステッピングモータであって、
周方向に複数極着磁されたロータと、
励磁用のコイル,前記コイルを挟み前記ロータの周りに交互に配列されるように複数の櫛歯状磁極片をもつ一対のヨークからなるヨークユニットを軸線上に配したステータと、
前記ステータの軸線方向の端部領域に配置されて前記ロータを所定の角度位置に保持するための磁性材料からなる補極板と、を含む、
ことを特徴とするステッピングモータ。
【請求項7】
前記補極板は、前記ロータを回動自在に支持する軸を一体的に保持している、
ことを特徴とする請求項6記載のステッピングモータ。
【請求項8】
前記補極板は、周方向に所定の間隔で配列して形成された複数のスリット、切り欠き、又は孔を有する、
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のステッピングモータ。
【請求項9】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項6ないし8いずれかに記載のステッピングモータ。
【請求項10】
前記ヨークユニットは、前記ロータの軸線方向に配置される第1ヨークと第2ヨークからなる前記一対のヨークを含み、
前記ステータは、前記ロータの軸線方向において配置された二つの前記ヨークユニットを含み、
前記補極板は、前記ロータの磁極中心が、前記ヨークユニットの一方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第1ヨークの櫛歯状磁極片との中間及び前記ヨークユニットの一方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片と前記ヨークユニットの他方に含まれる第2ヨークの櫛歯状磁極片との中間に位置する準安定点にて、保持力を発生するように形成されている、
ことを特徴とする請求項6ないし8いずれかに記載のステッピングモータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−174528(P2006−174528A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−359455(P2004−359455)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】
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