説明

カメラ装置、撮影報知方法、撮影報知プログラム

【課題】画像解析技術に基く自動撮影時に撮影される側にかかる負担を軽減することを可能とする。
【解決手段】自動撮影モードにおいて制御部3は、画像認識処理部9によってフレーム内に存在する任意の人物の笑顔を検出し、それが検出できたことをトリガとして自動的に撮影動作を行う。その際、制御部3は、ストロボ回路8を制御し、撮影補助光を必要とする場合には通常の撮影補助光を発光させ、撮影補助光を必要としない場合には、露光期間の終了後に、発光量を撮影補助光の制御範囲よりも少ない光量に制御した微少発光動作を行わせ発光量が微少な報知光を発光させる。報知光により、撮影される側の者は、どのタイミングで撮影が行われたのか、さらには本当に撮影が行われたのかを知ることができ、顔の表情、さらには撮影用の姿勢やポーズを必要以上に長い間維持する必要がなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体内で人物の顔等が認識できたことをトリガとして自動的に撮影を行う自動撮影機能を備えたカメラ装置、及びその撮影報知方法、撮影報知プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラにおいては、一般的なセルフタイマー撮影とは異なる自動撮影機能として、例えば被写体となっている人物の笑顔を画像解析により検出し、笑顔が検出できたことをトリガとして自動的に撮影を行うものが知られている(例えば下記特許文献1参照)。係る自動撮影機能を用いれば、誰もがシャッターチャンスを逃すことなく人物の笑顔を簡単に撮影することができる。
【特許文献1】特開2006−237803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような自動撮影機能を用いた撮影時には、被写体となっている者にあっては、どのタイミングで撮影が行われたのか、さらには本当に撮影が行われたのかを直ちに確認することができない。そのため撮影者にとっては便利であるが、撮影される側の者にあっては、例えば顔の表情、さらには撮影用の姿勢やポーズを必要以上に長い間維持し続けなければならない。係ることから所望する内容の写真撮影を確実に行うことができる反面、撮影時には撮影される側の負担が増すという問題があった。
【0004】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、画像解析技術に基く自動撮影時に撮影される側にかかる負担を軽減することができるカメラ装置、及びその撮影報知方法、撮影報知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係るカメラ装置にあっては、撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体の画像に対して画像解析を行い画像内における所定の被写体の有無を検出する検出手段とを備え、この検出手段により所定の被写体が検出されたことをトリガとした自動撮影を行う自動撮影機能が設けられたカメラ装置において、前記被写体に向けて撮影補助光を照射する発光手段と、前記自動撮影機能による自動撮影が行われたことを知らせる報知光の発光動作を前記発光手段に行わせる報知制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2記載の発明に係るカメラ装置にあっては、前記報知制御手段は、前記自動撮影時における露光時間の終了後に、前記報知光の発光動作を発光手段に行わせることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3記載の発明に係るカメラ装置にあっては、撮影モードとして、前記発光手段による撮影補助光の照射を被写体の明るさに関係なく発光させる強制発光モードが設けられ、前記報知制御手段は、前記強制発光モードでは前記自動撮影時における前記発光手段による報知光の発光動作を中止することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4記載の発明に係るカメラ装置にあっては、撮影モードとして、前記発光手段による撮影補助光の照射の要否を被写体の明るさに基づき設定する自動発光モードが設けられ、前記報知制御手段は、前記自動発光モードで、前記撮影補助光の照射が不用として設定されている場合に前記発光手段に報知光の発光動作を行わせることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5記載の発明に係るカメラ装置にあっては、撮影モードとして、前記発光手段による撮影補助光の照射を被写体の明るさに関係なく禁止する発光禁止モードが設けられ、前記報知制御手段は、前記発光禁止モードでは前記自動撮影時における前記発光手段による報知光の発光動作を中止することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6記載の発明に係るカメラ装置にあっては、前記検出手段は、前記撮像手段により撮像された被写体の画像に対し、少なくとも人物の顔、人物の笑顔、動体のいずれか1つを検出対象とした画像解析を行うことを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の発明に係るカメラ装置にあっては、前記自動撮影機能による自動撮影を、所定の条件を満足する間に繰り返し実行させる撮影制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項8記載の発明に係る撮影報知方法にあっては、撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体の画像に対して画像解析を行い画像内における所定の被写体の有無を検出する検出手段とを備え、この検出手段により所定の被写体が検出されたことをトリガとした自動撮影を行う自動撮影機能が設けられたカメラ装置において、前記自動撮影機能による自動撮影時が行われたとき、被写体に向けて撮影補助光を照射する発光手段に前記自動撮影が行われたことを知らせる報知光の光動作動作を行わせることを特徴とする。
【0013】
また、請求項9記載の発明に係る撮影報知プログラムにあっては、撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体の画像に対して画像解析を行い画像内における所定の被写体の有無を検出する検出手段とを備え、この検出手段により所定の被写体が検出されたことをトリガとした自動撮影を行う自動撮影機能が設けられたカメラ装置が有するコンピュータを、前記被写体に向けて撮影補助光を照射する発光手段に、前記自動撮影機能による自動撮影が行われたことを知らせる報知光の発光動作を行わせる報知制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像解析技術に基く自動撮影時に撮影される側にかかる負担を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明に係るデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。このデジタルカメラは自動撮影機能を備えたものであって、以下の各部を有している。
【0016】
すなわちデジタルカメラは、撮像手段であるCCD1と、CCD1の駆動回路やCCD1の出力信号(撮像信号)をデジタルデータに変換し、変換後のデジタルデータに種々の処理を施し、CCD1により撮像された被写体の画像データ(YUVデータ)を生成するための種々の信号処理回路を含む撮影処理部2を備えている。
【0017】
撮影処理部2で生成された画像データは制御部3へ送られ、記録モードでは最終的にファイルアクセス部4を介して画像記録部5に画像ファイルとして記録される。画像記録部5はデジタルカメラに着脱自在な各種のメモリカード等の任意の記録媒体であり、ファイルアクセス部4は、その記録媒体への画像データの入出力を行うためのインターフェース回路である。
【0018】
制御部3は、主としてCPU及びその周辺回路によって構成されており、デジタルカメラの全体を制御する。また、制御部3には、画像データの圧縮伸張を行うためのCODEC(coder-decoder)が含まれており、記録モードでの画像データの圧縮処理、及び記録画像の再生時における圧縮データの伸張処理も制御部3において行われる。
【0019】
また、デジタルカメラはLCD表示部6、キー入力部7、ストロボ回路(発光手段)8、画像認識処理部9、プログラムメモリ10、RAM11を有している。
【0020】
LCD表示部6は、再生モードにおいては画像記録部5から読み出された画像データに基づく画像を表示し、記録モードにおける撮影待機状態では、前記撮影処理部2により生成された画像データに基づき被写体のスルー画像を表示することによって電子ビューファインダとして機能する。また、LCD表示部6は、ユーザーがデジタルカメラの動作内容を設定するための種々の設定画面を必要に応じて表示する。
【0021】
キー入力部7は、デジタルカメラの動作モードを撮影用の記録モードと記録画像の表示用の再生モードとに切り替えるモード切替キーやシャッターキー等の複数のキーにより構成されており、各キーの操作状態は制御部3によって逐次検出される。なお、シャッターキーは、半押し操作(ハーフシャッター)と全押し操作との2段階操作が可能な所謂ハーフシャッター機能を備えたものであり、記録モードでは半押し操作がAE動作の開始トリガとなる。
【0022】
ストロボ回路8は、キセノン管等の発光管、及び発光用コンデンサ、その充電回路、発光管の駆動回路を含み、制御部3からの命令に従い要求に応じて発光管を駆動し撮影補助光を発光する本発明の発光手段である。
【0023】
画像認識処理部9は、CCD1により撮像され撮影処理部2によって生成された被写体の画像データ(以下、被写体画像という)に対して二値化や輪郭抽出、パターンマッチング等による画像認識処理を行うとともに被写体画像から任意の人物の笑顔を検出する笑顔検出を行い、その検出結果を制御部3へ出力する本発明の検出手段である。
【0024】
プログラムメモリ10は記憶データの書き換えが可能な不揮発性メモリであって、プログラムメモリ10には、制御部3(直接的にはCPU)に上述した各部を制御させるための各種の制御プログラムや、それに付随する各種のデータが記憶されている。
【0025】
制御プログラムとしては、撮影時における絞り値(図で省略した絞り機構の開度)やシャッタースピード、ISO感度の組み合わせによるAE(自動露出)制御を行わせるためのプログラムや、ストロボ発光の有無及び発光量の制御に関するプログラムが含まれている。特に本実施形態においては、後述する処理を行わせることによって制御部3を本発明の報知制御手段、撮影制御手段として機能させるための撮影報知プログラムが含まれている。
【0026】
さらに、プログラムメモリ10には、前記画像認識処理部9が前述したように被写体の画像データ(被写体画像)から任意の人物の笑顔を検出する際に使用されるデータであって、任意の人物の笑顔に関する輪郭や色等のモデルパターンのデータも記憶されている。なお、係るデータは、例えば前記画像記録部5(メモリカード等)に記憶されていても構わない。
【0027】
RAM11は、制御部3の作業用のメモリであって、前述したデジタルカメラの制御に際して生成されるデータが記録されるととともに、制御部3による画像データの圧縮伸張時における圧縮前のYUVデータや、伸張後のYUVデータ等も記憶される。
【0028】
次に以上の構成からなるデジタルカメラにおいて、記録モードの下位モードとして予め用意されているオートシャッターモードが設定されたときの動作を説明する。ここでオートシャッターモードの概略について先に説明する。オートシャッターモードは、デジタルカメラがフレーム内に存在する任意の人物の笑顔を検出し、それが検出できたことをトリガとして自動的に撮影を行うとともに、係る自動撮影を予め決められている最大撮影枚数に応じた回数を上限として繰り返し行う撮影モードである。
【0029】
以下、具体的な動作をオートシャッターモードが設定されたときの制御部3の処理手順を示す図2及び図3のフローチャートに従い説明する。
【0030】
図2に示したように、オートシャッターモードが設定されると、制御部3は直ちにCCD1による撮像、及びLCD表示部6におけるスルー画像の表示を開始するとともに、それ目的とする被写体の明るさに応じた撮像時の露出追従を開始する(ステップS1)。以後、ユーザーによってハーフシャッターが押されるまで(ステップS2でNO)、所定のフレームレートによるスルー画像の表示(更新)、及び露出追従を繰り返す。
【0031】
やがてハーフシャッターが押されたら(ステップS2でYES)、撮影に向けた露出設定値の演算を行い、絞り値とISO感度とシャッタースピードの各値を決定し(ステップS3)、絞りの状態を決定した絞り値に実際に制御する(ステップS4)。
【0032】
引き続き、その時点でストロボモードとして、予め用意されている「AUTO」、「ON」、「OFF」の3種類のいずれのモードが設定されているかを確認し(ステップS5)、確認したモードに応じて以下の処理を行う。ここで、AUTOモードは、被写体の明るさに応じて、必要な場合に必要な量だけストロボ光を発光するモード(自動発光モード)であり、ONモードは、被写体の明るさに関係なく撮影時にストロボ光を強制発光するモード(強制発光モード)、ストロボモードのOFFモードは、被写体の明るさに関係なく撮影時にストロボ光の発光を禁止するモード(発光禁止モード)である。
【0033】
ストロボモードがONモード、又はAUTOモードに設定されているときには(ステップS5で「ON」or「AUTO」)、直ちにストロボ充電、つまり前記ストロボ回路8における発光用コンデンサの充電を開始させる(ステップS6)。その後、発光用コンデンサのフル充電が完了したら(ステップS7でYES)、ストロボ充電を停止した後(ステップS8)、オートシャッター機能による撮影待機状態に移行する(ステップS9)。
【0034】
また、ストロボモードがOFFモードに設定されているときときには(ステップS5で「OFF」)、直ちに撮影待機状態に移行する(ステップS9)。なお、図示しないが、制御部3は撮影待機状態への移行と同時に、画像認識処理部9に、CCD1によって逐次取得される被写体画像を対象とする笑顔検出を開始させる。
【0035】
一方、撮影待機状態において制御部3は、ハーフシャッターの解除の有無を逐次確認するとともに(ステップS10)、画像認識処理部9が被写体画像からの笑顔の検出に成功した時点をキャプチャタイミングとして、それが到来したか否かを逐次確認し(ステップS11)、ハーフシャッターが解除されたら(ステップS10でYES)、その時点で処理を終了する。なお、その後は、ステップS1以降の処理を最初から実行する。
【0036】
また、撮影待機状態で上記キャプチャタイミングが到来したら(ステップS11でYES)、それを撮影開始トリガとして引き続き図3に示した以下の処理を実行する。まず、撮影待機状態への移行後においても被写体の明るさが変化する場合があるため、その時点で絞り値を除いた撮影用の露出設定値(ISO感度とシャッタースピード)を再度演算(決定)する(ステップS12)。つまり絞り値を直前の値に固定した絞り優先モードによる露出制御を実施することにより、絞りの変更に要する機構的な動作時間によって撮影タイムラグが生じることを防止する。
【0037】
なお、上記演算処理に際しては、手ぶれの心配がない既定値(1/60秒等)以上のシャッタースピードとISO感度との組み合わせを演算する一方、既定値以上のシャッタースピードが確保できない場合には、ストロボモードがAUTOモードに設定されている場合に限り、ストロボ発光によって上記シャッタースピードを確保するものとし、予め決められた規則に従ってシャッタースピードとISO感度とストロボ光の発光量(発光時間)との組み合わせを決定する。
【0038】
引き続き、その時点で設定されているストロボモードを確認するとともに(ステップS13)、モードに応じて以下の処理を行う。ここでONモードが設定されている場合には、ステップS12で決定したシャッタースピードによる露光を開始し(ステップS15)、その露光中にストロボ回路8においてストロボ光を発光させるとともに、その発光時間を制御する調光発光を行い(ステップS16)、露光時間の経過を待って露光を終了する(ステップS17)。しかる後、撮像した被写体画像の画像データの転送、及び画像記録部5への記録を行い1回の撮影動作(ストロボ撮影)を終了する(ステップS23)。
【0039】
図4(a)は、ステップS16の調光発光が行われるときのストロボ光の発光タイミング(オンオフタイミング)及び発光時間を示した図である。調光発光に際してはストロボ光の発光時間(発光パルス幅)を被写体に適した時間であって、ステップS13で決定した時間、例えば20μsec〜3msecの時間に制御する。
【0040】
また、AUTOモードが設定されている場合には、さらに発光が必要か否かを確認し、必要であれば(ステップS14でYES)、前述したONモードの場合と同様の処理を行う。
【0041】
逆に、AUTOモードで発光が不用な状態の場合には(ステップS14でNO)、まずステップS12で決定したシャッタースピードによる露光を開始し(ステップS18)、露光時間の経過を待って露光を終了する(ステップS19)。引き続き、直ちにストロボ回路8においてストロボ光を微少発光させた後(ステップS20)、撮像した被写体画像の画像データの転送、及び画像記録部5への記録を行い1回の撮影動作(非ストロボ撮影)を終了する(ステップS23)。つまりストロボ光を微少発光させることにより、被写体となっている撮影される側の者に対して撮影タイミングと、及び本当に撮影が行われたことを知らせる。
【0042】
図4(b)は、上記の微少発光が行われるときのストロボ光の発光タイミング(オンオフタイミング)及び発光時間を示した図である。このときのストロボ光が本発明の報知光である。上記微少発光に際してはストロボ光の発光時間(発光パルス幅)を予め決められている時間であって、ストロボ回路8における発光管を安定して発光させることができる最小発光時間、例えば調光発光時の制御範囲が前述した20μsec〜3msecの範囲であれば、その下限未満の時間(10μsec〜20μsec程度)に制御する。
【0043】
また、ストロボモードとしてOFFモードが設定されている場合には、ステップS12で決定したシャッタースピードによる露光を開始し(ステップS21)、露光時間の経過を待って露光を終了する(ステップS22)。しかる後、撮像した被写体画像の画像データの転送、及び画像記録部5への記録を行い1回の撮影動作(非ストロボ撮影)を終了する(ステップS23)。
【0044】
そして、上述したストロボ撮影または非ストロボ撮影によって1回の撮影動作を終了した後には、最大撮影枚数(予め決められている撮影回数)の撮影が終了したか否かを確認し、未だ終了していなければ(ステップS24でNO)、図2のステップS5へ戻り、それ以降の前述した全ての処理を繰り返す。その後、最大撮影枚数の撮影が終了したら(ステップS24でYES)、その時点でオートシャッターモードによる処理を終了する。
【0045】
以上のようにオートシャッターモードでは、ストロボモードがAUTOモードであった場合の非ストロボ撮影時には、前述した微少発光動作(ステップS20)によって、通常の撮影補助光とは異なるストロボ光(報知光)が発光されることにより、撮影される側の者は、どのタイミングで撮影が行われたのか、さらには本当に撮影が行われたのかを知ることができる。したがって、撮影される側の者は、顔の表情、さらには撮影用の姿勢やポーズを必要以上に長い間維持する必要がなく、撮影時の負担を軽減されることとなる。
【0046】
また、本実施形態では、非ストロボ撮影時であってもストロボモードがAUTOモードでない場合、つまりOFFモードに設定されている場合には、上記報知光を発光させない(発光を中止する)ようにしたことから、前述したように報知光の光量が微少であってもそれが周囲に迷惑となるような状況下や場所では、ユーザーがストロボモードをOFFモードに設定しておけば、支障なくオートシャッターモードによる自動撮影を行うことができ、使い勝手もよい。
【0047】
ここで、本実施形態では、非ストロボ撮影時であってもストロボモードがAUTOモードでない場合には報知光を発光させないようにしたが、非ストロボ撮影時には常に報知光を発光させるようにしても構わない。その場合、報知光の発光量を、調光発光時の制御範囲よりも少ない範囲で、ストロボモードがAUTOモードである場合には「大」に設定し、OFFモードである場合には「小」に設定し、発光量の異なる2種類の報知光で撮影が行われたことを知らせるようにしてもよい。いずれの場合においても非ストロボ撮影時には常に報知光を発光させる場合については、本実施形態のようにハーフシャッターが押されている間に複数回の自動撮影を行うものでは、自動撮影が行われた回数も知らせることができる。
【0048】
また、本実施形態では、報知光の発光を非ストロボ撮影時における露光期間の終了後に行うものについて説明したが、報知光の光量を露出に影響を及ぼさない範囲内の発光量に制御できる構成であれば、報知光の発光を露光期間内に行うようにしても構わない。また、報知光の発光を非ストロボ撮影時における露光期間の終了後に行う場合であれば、報知光の光量は任意に設定できるが、本実施形態のように報知光の光量を微少とすれば、ストロボ撮影時のストロボ光との差別化を図ることにより、撮影される側の者に対して自動撮影が行われたとの印象をより強く与えることができる。
【0049】
また、本実施形態においては、オートシャッターモードでは、ハーフシャッターが押されている間に、被写体内に笑顔が検出できる毎に(笑顔が検出されている間)、繰り返し自動撮影を行うものについて説明したが、本発明は、例えば自動撮影を1回だけ行うオートシャッターモードを有するものにも適用することができる。
【0050】
また、本実施形態では、自動撮影機能として、フレーム内に存在する任意の人物の笑顔を検出し、それが検出できたことをトリガとして自動的に撮影動作を行うものについて説明したが、本発明は、例えば単にフレーム内に存在する任意の人物の顔や、予め登録してある人物の顔、さらにはフレーム内に存在する動体を検出し、それが検出できたことをトリガとして自動的に撮影動作を行うものにも適用することができる。
【0051】
また、本発明の発光手段としてキセノン管等の発光管を含むストロボ回路8を有するデジタルカメラについて説明したが、本発明は、LEDを発光源とするLEDストロボを有するデジタルカメラに適用することができる。また、本発明は、通常のデジタルカメラに限らず、例えばカメラ付きの携帯電話端末等の静止画撮影機能を有する他のカメラ装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図2】オートシャッターモードでの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図2に続くフローチャートである。
【図4】調光発光時(a)と微少発光時(b)とにおけるストロボ光の発光タイミング及び発光時間の違いを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0053】
1 CCD
2 撮影処理部
3 制御部
4 ファイルアクセス部
5 画像記録部
6 LCD表示部
7 キー入力部
8 ストロボ回路
9 画像認識処理部
10 プログラムメモリ
11 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体の画像に対して画像解析を行い画像内における所定の被写体の有無を検出する検出手段とを備え、この検出手段により所定の被写体が検出されたことをトリガとした自動撮影を行う自動撮影機能が設けられたカメラ装置において、
前記被写体に向けて撮影補助光を照射する発光手段と、
前記自動撮影機能による自動撮影が行われたことを知らせる報知光の発光動作を前記発光手段に行わせる報知制御手段と
を備えたことを特徴とするカメラ装置。
【請求項2】
前記報知制御手段は、前記自動撮影時における露光時間の終了後に、前記報知光の発光動作を発光手段に行わせることを特徴とする請求項1記載のカメラ装置。
【請求項3】
撮影モードとして、前記発光手段による撮影補助光の照射を被写体の明るさに関係なく発光させる強制発光モードが設けられ、
前記報知制御手段は、前記強制発光モードでは前記自動撮影時における前記発光手段による報知光の発光動作を中止する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のカメラ装置。
【請求項4】
撮影モードとして、前記発光手段による撮影補助光の照射の要否を被写体の明るさに基づき設定する自動発光モードが設けられ、
前記報知制御手段は、前記自動発光モードで、前記撮影補助光の照射が不用として設定されている場合に前記発光手段に報知光の発光動作を行わせる
ことを特徴とする請求項1又は2,3記載のカメラ装置。
【請求項5】
撮影モードとして、前記発光手段による撮影補助光の照射を被写体の明るさに関係なく禁止する発光禁止モードが設けられ、
前記報知制御手段は、前記発光禁止モードでは前記自動撮影時における前記発光手段による報知光の発光動作を中止する
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のカメラ装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記撮像手段により撮像された被写体の画像に対し、少なくとも人物の顔、人物の笑顔、動体のいずれか1つを検出対象とした画像解析を行うことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のカメラ装置。
【請求項7】
前記自動撮影機能による自動撮影を、所定の条件を満足する間に繰り返し実行させる撮影制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のカメラ装置。
【請求項8】
撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体の画像に対して画像解析を行い画像内における所定の被写体の有無を検出する検出手段とを備え、この検出手段により所定の被写体が検出されたことをトリガとした自動撮影を行う自動撮影機能が設けられたカメラ装置において、
前記自動撮影機能による自動撮影時が行われたとき、被写体に向けて撮影補助光を照射する発光手段に前記自動撮影が行われたことを知らせる報知光の光動作動作を行わせることを特徴とする撮影報知方法。
【請求項9】
撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体の画像に対して画像解析を行い画像内における所定の被写体の有無を検出する検出手段とを備え、この検出手段により所定の被写体が検出されたことをトリガとした自動撮影を行う自動撮影機能が設けられたカメラ装置が有するコンピュータを、
前記被写体に向けて撮影補助光を照射する発光手段に、前記自動撮影機能による自動撮影が行われたことを知らせる報知光の発光動作を行わせる報知制御手段として機能させることを特徴とする撮影報知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−16686(P2010−16686A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175775(P2008−175775)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】