説明

カメラ

【課題】連写撮影のフレームレートを容易かつ精度よく調節でき、かつ、長時間一定に維持すること。
【解決手段】ディジタルカメラは、被写体の像を撮影する撮像素子9と、連写撮影時にカメラ本体の表面に沿う方向に操作されるシャッタ操作部7と、シャッタ操作部7の操作量または操作力を検出するセンサ13と、センサ13により検出された操作量または操作力に基づいて、撮像素子9による連写撮影のフレームレートを調節する全体コントローラ19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、連写撮影時にシャッタの押し下げ量に逆比例した時間間隔で連続撮影するカメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このカメラによれば、動きの激しい被写体を撮影する場合に、被写体の動きの激しさに応じてボタン式のシャッタの押し下げ量を増加させるだけで、より多くの画像を取得することができ、所望の画像が取得される確率を高めることができる。
【特許文献1】特開2006−162725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、1秒間に30枚以上の連写撮影が可能なカメラにおいては、ボタン式のシャッタでは、ストロークを大きく確保することができないとともに、空中に配置された自由状態の人差し指のみで調節するため、連写撮影の時間間隔、すなわち、連写撮影のフレームレートの微妙なコントロールが難しいという不都合がある。また、同様の理由から、連写撮影のフレームレートを長時間一定に維持することが難しいという不都合がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、連写撮影のフレームレートを容易かつ精度よく調節でき、かつ、長時間一定に維持することが可能なカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、被写体の像を撮影する撮像素子と、連写撮影時に筐体の表面に沿う方向に操作されるシャッタ操作部と、該シャッタ操作部の操作量または操作力を検出する検出部と、該検出部により検出された操作量または操作力に基づいて、前記撮像素子による連写撮影のフレームレートを調節する制御部とを備えるカメラを提供する。
【0006】
本発明によれば、連写撮影を行う場合に、シャッタ操作部を操作することにより、検出部の作動によってその操作量または操作力が検出され、制御部の作動によって撮像素子による連写撮影のフレームレート(1秒あたりの撮影フレーム数)が調節される。
【0007】
この場合に、シャッタ操作部を筐体の表面に沿う方向へ操作することとしたので、押し込み式のボタン等のように、シャッタ操作部を筐体の表面に直交する方向へ操作する場合に比べて、操作方向のストローク量を大きく確保することができる。これにより、フレームレートを容易かつ精度よく調節することが可能になる。
【0008】
また、シャッタ操作部を筐体の表面に沿わせることにより、操作する指の一部を筐体の表面に接触させて、その摩擦により指による操作力を補助して微妙な調節を容易にし、かつ、安定して保持することができる。
【0009】
上記発明においては、前記検出部が、前記シャッタ操作部の操作量を検出し、前記シャッタ操作部が、操作量を保持する操作量保持手段を備えることとしてもよい。
このように構成することで、操作量保持手段の作動により、検出部の作動によって検出されたシャッタ操作部の操作量が保持されるので、シャッタ操作部から手を離してもフレームレートを一定に保つことができる。したがって、シャッタ操作部を操作し続けなくても、安定した枚数設定で連写撮影を行うことができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記シャッタ操作部が、筐体表面に略直交する軸線回りに回転可能なダイヤルであることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記シャッタ操作部が、筐体表面と略平行な軸線回りに揺動可能なスティックであることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記シャッタ操作部が、スライダであることとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、連写撮影のフレームレートを容易かつ精度よく調節でき、かつ、長時間一定に維持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係るディジタルカメラ(カメラ)について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るディジタルカメラ1は、図1〜図3に示すように、略直方体形状に形成されたカメラ本体(筐体)3と、該カメラ本体3の前面に突出可能に設けられ、外部からの光を集めて被写体の像を結像させるレンズユニット5と、カメラ本体3の上端面に設けられ、前記レンズユニット5からの画像を取得する操作を行うシャッタ操作部7とを備えている。
【0013】
カメラ本体3は、図4に示すように、前記レンズユニット5により結像された被写体の像を撮影するCCD等の撮像素子9と、該撮像素子9により取得されたアナログ画像データを図示しないアナログゲインアンプにて増幅処理した後デジタル画像データに変換するアナログフロントエンド(以下、単に「AFE」という。)11と、前記シャッタ操作部7の操作量を検出するセンサ(検出部)13と、該センサ13により得られた操作量と前記AFE11により処理されたデジタル画像データを入力して装置全体の制御を行う全体制御部15と、該全体制御部15に入力されたデジタル画像データを撮影画像データとして記憶するメモリユニット17とを備えている。
【0014】
シャッタ操作部7は、カメラ本体3の上端面に対して垂直の回転軸を有する略円柱形状のダイヤル式のフレームレートダイヤル7Aと、該フレームレートダイヤル7Aの上端面に対して垂直方向に押し込み可能なシャッタボタン7Bとを備えている。
【0015】
フレームレートダイヤル7Aは、ユーザがディジタルカメラ1の長手方向の両端部をそれぞれ保持した場合に、右手の親指および人差し指で外周面をつまめるように、あるいは、右手の人差し指をシャッタボタン7Bに添えた状態で、親指および中指で外周面をつまめるように配置され、シャッタ操作部7を操作する指の一部がカメラ本体3の表面に接触するようになっている。
【0016】
また、フレームレートダイヤル7Aは、軸線回りに回転操作されることにより、その外周面をカメラ本体3の表面に沿う方向に移動させるようになっている。そして、フレームレートダイヤル7Aは、その回転角度に比例した割合で撮像素子9の電荷転送の速度を変更することにより、フレームレートを変更するようになっている。
【0017】
また、フレームレートダイヤル7Aは、外周面に基準位置と撮像素子9のフレームレートとを記した刻みが設けられている。また、フレームレートダイヤル7Aは、図示しない、バネにより基準位置に戻るように付勢されている。
なお、フレームレートダイヤル7Aは、そのストローク長がフレームレートの上限と下限の範囲に対応するようになっている。
【0018】
全体制御部15は、カメラ全体を調節する全体コントローラ(制御部)19と、AFE11から出力されるデジタル画像データをカラー補正やJPEG圧縮等の処理を行う映像信号処理部21と、全体コントローラ19から送られる制御信号に基づいてAFE11を制御するゲイン制御部23と、全体コントローラ19から送られる制御信号に基づいて撮像素子9およびAFE11を制御するタイミング制御部25と、全体コントローラ19から送られる制御信号に基づいてレンズユニット5を制御するレンズユニット制御部27とを備えている。
【0019】
メモリユニット17は、撮影画像データを一時的に記憶するバッファメモリ29と、レンズユニット5を介して撮影範囲を表示したり、前記バッファメモリ29に記憶された撮影画像データを表示したりする液晶ディスプレイ31(以下、単に「LCD」という。)と、バッファメモリ29に記憶された撮影画像データを保存するカードインターフェース33とを備えている。
【0020】
このように構成された本実施形態に係るディジタルカメラ1の作用について説明する。
本実施形態に係るディジタルカメラ1が起動されると、レンズユニット5を介して結像される被写体の像が、撮像素子9により撮影されてアナログ画像データとして出力され、AFE11においてデジタル画像データに変換された後、映像信号処理部21において画像処理されて、全体制御部15を介してLCD31に表示される。
【0021】
この状況で、シャッタ操作部7のシャッタボタン7Bが所定量押し込まれると、全体制御部15において、映像信号処理部21から出力されるその時点の被写体のデジタル画像データに基づいて、ゲイン制御部23、タイミング制御部25およびレンズユニット制御部27が作動する。これにより、撮影画像が適正露光になるように、レンズユニット5、撮像素子9およびAFE11がそれぞれ制御されて、撮像素子9において被写体のアナログ画像データが取得される。
【0022】
撮像素子9において取得されたアナログ画像データは、AFE11においてデジタル画像データに変換された後、全体コントローラ19を介してバッファメモリ29に出力されて一時的に記憶される。バッファメモリ29に記憶されたデジタル画像データは、全体コントローラ19の作動により、LCD31に静止画像として表示したり、カードインターフェース33に保存したりすることができる。
【0023】
次に、本実施形態に係るディジタルカメラ1の連写撮影時の動作を、図5に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。
本実施形態に係るディジタルカメラ1は、撮影動作が開始されると、センサ13によりフレームレートダイヤル7Aの操作量、すなわち、回転角が検出され(ステップSA1)、検出信号が全体コントローラ19へと出力される。
【0024】
全体コントローラ19においては、入力された検出信号に基づいて、フレームレートダイヤル7Aの外周面に記された基準位置と撮像素子9のフレームレートとを示す刻みに対応するフレームレート値が算出される。具体的には、フレームレートダイヤル7Aの回転角がゼロである場合、すなわち、フレームレートダイヤル7Aが基準位置である刻み0の位置の場合には(ステップSA2「YES」)、全体コントローラ19が設定する標準フレームレート値がタイミング制御部25に出力される(ステップSA3)。
【0025】
一方、フレームレートダイヤル7Aの回転角がゼロでない場合、すなわち、フレームレートダイヤル7Aが刻み0を除く刻み5,刻み10または刻み15等の位置の場合には(ステップSA2「NO」)、撮像素子9のフレームレートを5枚,10枚または15枚等と変更するように、刻みに記載された数値に相当するフレームレート値が算出される。
【0026】
この場合に、算出されたフレームレート値が小さい場合には、算出されたフレームレート値とともに標準のシャッタ速度がタイミング制御部25に出力される。一方、算出されたフレームレート値が極端に大きい場合には、シャッタ速度を速くする必要があるので、全体コントローラ19において、フレームレート値に基づいて必要なシャッタ速度が算出され、算出されたシャッタ速度がフレームレート値とともにタイミング制御部25に出力される。
【0027】
タイミング制御部25においては、入力されたフレームレート値およびシャッタ速度に基づいて撮像素子9の駆動タイミングが設定されるとともに(ステップSA4)、フレームレート値がAFE11にサンプリングタイミングとして出力されて、AFE11内のADコンバータの駆動周波数が設定される。
【0028】
また、全体コントローラ19においては、撮影画像が適正露光になるように、絞り値とISO感度値が算出される。算出された絞り値は、レンズユニット制御部27に送られ、レンズユニット制御部27によってレンズユニット5の絞り量が設定される。また、算出されたISO感度は、ゲイン制御部23に送られ、ゲイン制御部23によってAFE11のゲインアンプのゲイン値として設定される(ステップSA5)。
これにより、設定されたフレームレート値で、レンズユニット5、撮像素子9およびAFE11が適正露光になるように制御されて連写撮影が行われる(ステップSA6)。
【0029】
撮影動作時においては、センサ13の作動により常にフレームレートダイヤル7Aの回転角が検出され、ステップSA1〜ステップSA6の動作が繰り返される。例えば、フレームレートダイヤル7Aが、刻み0の位置から所定の刻みの数値の位置に回転させられると、全体コントローラ19により設定されたフレームレートが変更されて、任意に選択された刻みの数値に相当するフレームレートが設定される。
【0030】
また、例えば、フレームレートダイヤル7Aが、任意に選択された刻みの数値から、さらに数値が大きくなる方向に時計回り回転させられると、それに応じてフレームレートを高くするように制御される。一方、フレームレートダイヤル7Aが、刻みの数値が小さくなる方向に反時計回りに回転させられると、それに応じてフレームレートを低くするように制御される。このように、フレームレートダイヤル7Aを保持したまま軸線回りに回転操作することにより、連写撮影時に連続的にフレームレートを変更することができる。
【0031】
以上、本実施形態に係るディジタルカメラ1によれば、フレームレートの変更をフレームレートダイヤル7Aの回転操作によって行い、フレームレートダイヤル7Aの軸線回りの回転角度に比例させることとしたので、操作方向のストローク量を大きく確保することができる。
【0032】
また、シャッタ操作部7を操作する指の一部をカメラ本体3の表面に接触させながら操作することとしたので、その摩擦力により指による操作力を補助して微妙な調節を容易にし、かつ、安定して保持することができる。したがって、連写撮影時のフレームレートを容易かつ精度よく調節することが可能となる。また、フレームレートダイヤル7Aの刻みの数値から、ユーザがフレームレートを容易に知ることができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、フレームレートダイヤル7Aの回転角に基づいてフレームレートを変更することを例示して説明したが、これに代えて、例えば、フレームレートダイヤル7Aとして、バネ等により回転角に応じて操作力が変化する構造のものを採用し、フレームレートダイヤル7Aの操作力に基づいて、フレームレートを変更することとしてもよい。この場合、センサ13がフレームレートダイヤル7Aの操作力を検出することとすればよい。
【0034】
また、本実施形態においては、フレームレートダイヤル7Aの刻み0の位置においては全体コントローラ19が設定するプログラムのフレームレートが設定され、時計回りに回転させるとフレームレートが変更されることを例示して説明したが、これに代えて、刻み0の位置を基準として、時計回りに回転させると、全体コントローラ19が設定するプログラムのフレームレートが回転角に比例して高くなり、反時計回りに回転させると、全体コントローラ19が設定するプログラムのフレームレートが回転角に比例して低くなるように設定することとしてもよい。
【0035】
また、本実施形態においては、フレームレートダイヤル7Aがバネの作動により基準位置に戻るように付勢されていることとしたが、これに代えて、例えば、シャッタ操作部7が、回転軸にフリクション継手(操作量保持手段)を備え、摩擦力によってフレームレートダイヤル7Aがその回転位置で保持されることとしてもよい。このようにすることで、シャッタ操作部7の操作量が保持されるので、シャッタ操作部7から手を離してもフレームレートを一定に保つこともできる。したがって、シャッタ操作部7を操作し続けなくても、安定した枚数設定で連写撮影を行うことができる。
【0036】
また、本実施形態においては、フレームレートダイヤル7Aの刻みに応じてフレームレートを段階的に変更することとしたが、例えば、刻みと刻みの中間位置においてもその位置に応じたフレームレート値が算出されることとして、フレームレートが連続的に変更されるようにしてもよい。
【0037】
また、本実施形態においては、シャッタ操作部7がフレームレートダイヤル7Aとシャッタボタン7Bとを備えることとしたが、これに代えて、シャッタ操作部7がシャッタボタン7Bを備えず、フレームレートダイヤル7Aがシャッタボタン7Bの機能を兼ね備えることとしてもよい。
この場合、フレームレートダイヤル7Aが回転させられると、そのフレームレート値に応じて撮像素子9により被写体のアナログ画像データが取得されることとすればよい。
【0038】
〔第2の実施形態〕
以下、本発明の第2の実施形態に係るディジタルカメラ101について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るディジタルカメラ101は、図6および図7に示すように、シャッタ操作部107の構成が第1の実施形態と異なる。
以下、第1の実施形態に係るディジタルカメラ1と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
ディジタルカメラ101のシャッタ操作部107は、カメラ本体3の上端面から直立するように突出するスティック式のフレームレートスティック107Aを備えている。また、シャッタボタン107Bが、前記フレームレートスティック107A近傍のLCD31側端面の凸部に垂直方向に押し込み可能に設けられている。また、フレームレートスティック107Aは、図8に示すように、カメラ本体3の上端面近傍に表面に沿って配置される軸線回りに揺動可能に設けられている。
【0040】
具体的には、シャッタボタン107Bおよびフレームレートスティック107Aは、ユーザがディジタルカメラ201の長手方向の両端部をそれぞれ保持した場合に、右手の親指をシャッタボタン207Bに添えた状態で、人差し指がフレームレートスティック107Aに引っ掛けられるように配置されている。これにより、シャッタボタン107Bを親指で押しながら、人差し指でフレームレートスティック107Aを手前側あるいは被写体側に押し倒すことができるようになっている。
【0041】
また、フレームレートスティック107Aは、直立した状態においては、全体コントローラ19が設定したフレームレートが設定され、倒し角に応じてフレームレートが変更されるようになっている。具体的には、フレームレートスティック107Aを手前側に押し倒すと、全体コントローラ19によって設定されるフレームレートが高くなり、倒し角に比例した割合でフレームレートが大きくなるようになっている。一方、フレームレートスティック107Aを被写体側に押し倒すと、全体コントローラ19によって設定されるフレームレートが低くなり、倒し角に比例した割合でフレームレートが小さくなるようになっている。
【0042】
また、フレームレートスティック107Aは、倒し角のストロークがフレームレートの上限と下限の範囲に対応するようになっている。また、フレームレートスティック107Aは、図示しないバネにより、カメラ本体3の上端面に対して直立した状態に戻るように付勢されている。なお、フレームレートスティック107Aは、操作量がユーザに分かるように、倒し角が段階的に可変するように設けることとしてもよい。また、ユーザがより具体的にフレームレートが分かるように、例えば、LCD31にフレームレート表示することとしてもよい。
【0043】
このように構成された本実施形態に係るディジタルカメラ101の作用について説明する。
本実施形態に係るディジタルカメラ101は、撮影動作が開始されると、図9に示すように、センサ13によりフレームレートスティック107Aの操作量、すなわち、倒し角が検出される(ステップSB1)。フレームレートスティック107Aの倒し角がゼロである場合には(ステップSB2「YES」)、全体コントローラ19が設定する標準フレームレート値がタイミング制御部25に出力される(ステップSB3)。
【0044】
一方、フレームレートスティック107Aの倒し角がゼロでない場合、すなわち、センサ13において倒し角が検出された場合には(ステップSB2「NO」)、全体制御部15において、検出された倒し角に基づいてフレームレート値が算出される。
これにより、設定されたフレームレート値で、レンズユニット5、撮像素子9およびAFE11が適正露光になるように制御されて連写撮影が行われる(ステップSB6)。
【0045】
撮影動作時においては、センサ13の作動により常にフレームレートスティック107Aの倒し角が検出され、ステップSB1〜ステップSB6の動作が繰り返される。例えば、フレームレートスティック107Aが手前側に押し倒されると、それに応じてフレームレートを高くするように制御され、フレームレートスティック107Aが被写体側に押し倒されると、それに応じてフレームレートを低くするように制御される。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係るディジタルカメラ101によれば、フレームレートの変更をフレームレートスティック107Aの押し倒し操作によって行い、倒し角度に比例させることとしたので、操作方向のストローク量を大きく確保することができる。
【0047】
なお、本実施形態においては、フレームレートスティック107Aを手前側に押し倒すとフレームレートが高くなり、被写体側に押し倒すとフレームレートが低くなることを例示して説明したが、これに限定されず、フレームレートスティック107Aが直立した状態から一方向に押し倒すとフレームレートが高くなり、他方向に押し倒すとフレームレートが低くなることとすればよい。
【0048】
また、本実施形態においては、フレームレートスティック107Aの倒し角に基づいてフレームレートを変更することを例示して説明したが、これに代えて、例えば、フレームレートスティック107Aの倒し角の操作力、すなわち、押し倒し時の操作圧力に基づいて、フレームレートを変更することとしてもよい。例えば、フレームレートスティック107Aを右に倒すような圧力が大きくなるにつれてフレームレートが高くなり、左に倒すような圧力が大きくなるにつれてフレームレートが低くなることとしてもよい。この場合、センサ13がフレームレートスティック107Aの操作圧力を検出することとすればよい。
【0049】
また、本実施形態においては、フレームレートスティック107Aがバネの作動によりカメラ本体3の上端面に対して直立した状態に付勢されていることとしたが、これに代えて、フレームレートスティック107Aが押し倒された位置で保持されることとしてもよい。
【0050】
また、本実施形態のおいては、シャッタ操作部107が、フレームレートスティック107Aとシャッタボタン107Bとを備えることとしたが、シャッタ操作部107がシャッタボタン107Bを備えず、フレームレートスティック107Aがシャッタ操作部106の機能を兼ね備えることとしてもよい。
この場合、フレームレートスティック107Aがカメラ本体3の上端面に対して直立した状態から押し倒されると、その倒し角に応じて撮像素子9により被写体のアナログ画像データが取得されることとすればよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、第2の実施形態に係るディジタルカメラ101が、シャッタ操作部107のフレームレートスティック107Aに代えて、カメラ本体3の表面に沿う方向に移動可能なスライダ状のフレームレートスライダを備えていることとしてもよい。この場合、例えば、フレームレートスライダを一方向にスライド可能に設け、一方にスライドさせるとそのスライド距離が長くなるにつれてフレームレートが高くなり、他方にスライドさせるとそのスライド距離が長くなるにつれてフレームレートが低くなることとすればよい。また、フレームレートスライダのスライダ位置を保持して、シャッタ操作部107の操作量を保持するボールプランジャ等を備えることとしてもよい。
【0052】
また、上記各実施形態においては、設定されたフレームレート値で、レンズユニット5、撮像素子9およびAFE11が適正露光になるように制御されることとしたが、必ずしもシャッタ速度、絞り値およびISO感度の全てを変更する必要はなく、適正露光が得られるようにシャッタ速度、絞り値またはISO感度のいずれかを変更することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るディジタルカメラの上面図である。
【図2】図1のディジタルカメラの背面図である。
【図3】図1のディジタルカメラのフレームレートダイヤルの拡大図である。
【図4】図1のディジタルカメラのカメラ本体内部のブロック図である。
【図5】図1のディジタルカメラの連写撮影時の動作を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るディジタルカメラの上面図である。
【図7】図6のディジタルカメラの背面図である。
【図8】図6のディジタルカメラのフレームレートスティックの拡大図である。
【図9】図6のディジタルカメラの連写撮影時の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ディジタルカメラ(カメラ)
7 シャッタ操作部
9 撮像素子
13 センサ(検出部)
19 全体コントローラ(制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の像を撮影する撮像素子と、
連写撮影時に筐体の表面に沿う方向に操作されるシャッタ操作部と、
該シャッタ操作部の操作量または操作力を検出する検出部と、
該検出部により検出された操作量または操作力に基づいて、前記撮像素子による連写撮影のフレームレートを調節する制御部と
を備えるカメラ。
【請求項2】
前記検出部が、前記シャッタ操作部の操作量を検出し、
前記シャッタ操作部が、操作量を保持する操作量保持手段を備える請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記シャッタ操作部が、筐体表面に略直交する軸線回りに回転可能なダイヤルである請求項1または請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記シャッタ操作部が、筐体表面と略平行な軸線回りに揺動可能なスティックである請求項1または請求項2に記載のカメラ。
【請求項5】
前記シャッタ操作部が、スライダである請求項1または請求項2に記載のカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−25643(P2009−25643A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189862(P2007−189862)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】