カラオケ装置およびプログラム
【課題】カラオケ装置において、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐこと。
【解決手段】CPU24eが、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、「現在エフェクトテーブル」を参照して「音量設定値」を読み出すとともに、「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に応じた補正係数を読み出し、その読み出した補正係数を掛け合わせることで「音量設定値」を補正する。
【解決手段】CPU24eが、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、「現在エフェクトテーブル」を参照して「音量設定値」を読み出すとともに、「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に応じた補正係数を読み出し、その読み出した補正係数を掛け合わせることで「音量設定値」を補正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置において、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、違和感が生じるのを防ぐ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガイドメロディを含む演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う機能を有するカラオケ装置が知られている。ここでガイドメロディとは、カラオケ演奏に合わせて歌おうとする人が主旋律をうろ覚えの場合などに、その補助となるよう演奏されるメロディパート(トラック)を云う。このガイドメロディは、基本的には主な設置場所であるカラオケボックスにて利用されることを想定して、楽曲ごとに様々な音色にて作成されている。なお、ガイドメロディに使われる音色の種別の具体例としては、ビブラフォンやピアノ、フルート、ハーモニカなどが挙げられる。
【0003】
このようなカラオケ装置においては、ガイドメロディの音色の種別を変更することがある。このような場合、全体の音域のバランスや各音符の音長などが微妙に変化し、忠実なガイドメロディを再現することが困難なことがある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するために、上述のようなカラオケ装置の中には、ガイドメロディの音符の長さや音高を変更するものや(例えば、特許文献1参照。)、演奏音の一部としてのガイドメロディの音量を利用者の要望に応じて変化させるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
また、カラオケ装置以外でも上述のような問題を解決するために、演奏音の音量設定を記憶しておき、その記憶した音量設定を利用者の要望に応じて読み出すことが可能な車載用オーディオ機器が知られている(例えば、特許文献3参照。)。なお、このような車載用オーディオ機器においては、構成する音色の種別に関わらずにガイドメロディを含むすべての演奏音の音量を一律的に変化させている。
【特許文献1】特開2000−267652号公報(第4頁、図2,3,6)
【特許文献2】特開平9−81166号公報(第5頁、図1)
【特許文献3】実開平5−93123号公報(第5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述のようなカラオケ装置においては、例えばある予約曲の演奏データが音色変更を特定の音色に対してのみ行う動作形式を有する場合において、図3(a)に例示するように、その演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれるときには、ガイドメロディの音色の種別を変更することとなる。このようなガイドメロディの音色の種別の変更時において、例えばハーモニカなどの音色変更の対象となる音色(変更対象音色)から例えばビブラフォンなどの音色変更の対象ではない音色(変更非対象音色)へと変更するケースが生じることがある。この際、ガイドメロディに関する各種設定(エフェクトパラメータ)も、変更非対象音色に対応する設定内容に変更することとなる。このような場合において、図3(b)に例示するように、ガイドメロディの音量設定についても変更非対象音色に対応する設定内容に変更されたときには、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなり、例えば変更後のガイドメロディが変更前と比べて大きく聞こえたり小さく聞こえたりするといった具合に違和感が生じるおそれがあった。
【0007】
なお、上述のように、ガイドメロディの音符の長さや音高を変更することや、ガイドメロディの音量を利用者の要望に応じて変化させること、ガイドメロディを含むすべての演奏音を一律的に変化させることなどを行っても、上述のような演奏音の一部に関する音量設定を変更することに起因する問題を解決することはできない。
【0008】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、カラオケ装置において、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐ技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るカラオケ装置は、「変更前のガイドメロディの音色の種別と変更後のガイドメロディの音色の種別を考慮して、変更後のガイドメロディの音量設定値を補正すること」を特徴とする。
【0010】
具体的には、演奏データ記憶手段(16:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)が、音色が指定されたガイドメロディを含み、MIDIデータの形式で作成された演奏データを記憶しており、カラオケ演奏手段(30)が、演奏データ取得手段(12)によって演奏データ記憶手段から取得された演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う。
【0011】
また、変更データ取得手段(24e)が、ガイドメロディの音色の種別を変更する旨の「変更データ」を取得可能であり、音量設定値テーブル記憶手段(24i)が、ガイドメロディの音色の種別とその音色の種別に対応する音量設定値とを対応付けた音量設定値テーブルを記憶する。上述の変更データ取得手段によって変更データが取得された場合には、変更後音色種別特定手段(24e)が、その変更データが指示する変更後のガイドメロディの音色の種別を特定するとともに、有効音色種別特定手段(24e)が、有効なガイドメロディの音色の種別を特定する。そして、補正手段(24e)が、有効音色種別特定手段によって特定された「有効なガイドメロディの音色の種別」、および変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、音量設定値テーブル記憶手段が記憶する「音量設定値テーブル」を参照して変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を読み出し、その読み出した音量設定値を補正する。そして、上述のように演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において、変更データ取得手段によって変更データが取得された場合には、カラオケ演奏手段が、変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別」および補正手段による「補正後の音量設定値」に基づき、ガイドメロディをカラオケ演奏する。
【0012】
従来構成のカラオケ装置では、図3(b)に例示するように、ガイドメロディの音量設定についても変更非対象音色に対応する設定内容に変更されたときには、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなり、例えば変更後のガイドメロディが変更前と比べて大きく聞こえたり小さく聞こえたりするといった具合に違和感が生じるおそれがあった。
【0013】
これに対して本発明によれば、変更前のガイドメロディの音色の種別と変更後のガイドメロディの音色の種別を考慮して、変更後のガイドメロディの音量設定値を補正するので、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0014】
なお、演奏データについては、複数のMIDIトラックで構成されており、これら複数のMIDIトラックのうちの少なくとも一つはガイドメロディ用のトラックとして使用される。
【0015】
また、上述の音量設定値の具体例としては、(イ)MIDIコマンドにおけるボリューム設定値(請求項2)や、(ロ)MIDIコマンドにおけるエクスプレッション設定値(請求項3)、(ハ)MIDIコマンドにおけるベロシティー設定値(請求項4)などが挙げられる。
【0016】
このうち(イ)音量設定値をボリューム設定値とした場合については、音量を直接変化させるボリューム設定値を変化させるため、音量設定値をエクスプレッション設定値やベロシティー設定値とした場合に比べて、音量が決定されるまでのパラメータに関する計算量が少なくて済むために音量の変化を早くすることができ、ガイドメロディの音色の種別の変更時にその変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとを瞬時に合致させることができる。また、このボリューム設定値については、音量と直接的な関係を有するため、各トラックのボリューム設定をユーザ関数として利用者にて使用可能とすることで、利用者の好みの設定をすることができる。
【0017】
また、(ロ)音量設定値をエクスプレッション設定値とした場合については、音量設定値をボリューム設定値とした場合に比べて、以下に説明する効果がある。すなわち、カラオケ楽曲演奏時におけるガイドメロディの利用方法の一つに「プロ・アマモード」がある。このプロ・アマモードとは、ガイドメロディ音量が標準音量より大きい、又は標準音量より小さいという音量差を設けることで、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が未知の楽曲をカラオケ歌唱する場合に、アマモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より大きくして歌唱を補助し、カラオケ利用者にとって未知の歌唱への不安を解消し、十八番の楽曲をカラオケ歌唱する場合においては、プロモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より小さくして歌唱の妨げとならないようにして、利用者にとって十八番の楽曲は歌唱補助を受けていないというカラオケ歌唱の満足度を向上させる機能である。具体的に図1を例に説明すると、カラオケ利用者が未知の楽曲のカラオケ歌唱を行う場合に、カラオケ利用者がカラオケ装置(コマンダ)1の操作部18からガイドメロディ機能の標準、アマモード、プロモードからアマモードを選択すると、操作処理部22が前記選択の指示を受け取り制御部12へ通知し、制御部12は、ガイドメロディ音量が標準音量より大きくなるように、前記指示を音声制御部24へ通知し、音声制御部24がガイドメロディ音量を変更する。同様にプロモードを選択するとガイドメロディの音量が標準音量より小さくなるように、音声制御部24がガイドメロディ音量の変更を行う。通常、ガイドメロディが動作する場合のガイドメロディ音量は、標準が選択されており、標準の音量は、予め、楽曲データの作成者によって楽曲データ作成時に設定されている。
【0018】
しかし、上記のプロ・アマモードが動作した場合に、ガイドメロディ音量の変更はボリューム設定値を変更することで行われるため、プロ・アマモードが動作すると、ガイドメロディ音量をボリューム設定値で変更する本発明が実施できない問題があった。
【0019】
これに対して、エクスプレッション設定値は上記ガイドメロディ音量と直接的な関係を有しないため、プロアマモードが動作中、つまり、音量設定値をエクスプレッション設定値とすることで、ボリューム設定値が既に別の機能に使用されている場合においても、本発明が実施できるという効果がある。
【0020】
また、(ハ)音量設定値をベロシティー設定値とした場合については、音量設定値をボリューム設定値とした場合に比べて、以下に説明する効果がある。すなわち、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が、楽曲が明るく感じるよう演奏する、暗く感じるように演奏する、という演奏によって人の情感を表現する演奏方法がある。具体的には、例えばピアノの打鍵において、鍵盤を強く打つような音はメリハリがあるから明るい、弱く打つような音は弱々しいから暗い、とする演奏であり、前記演奏方法は楽曲データのベロシティー設定値を変化させることで実施している。
【0021】
つまり、音量設定値をベロシティー設定値とすれば、ボリューム設定値を利用する場合に比べて、ガイドメロディの音色の種別の変更時に、利用者に対し、カラオケ楽曲演奏を明るく感じさせる、又は暗く感じさせるような情感を与えられる効果がある。
【0022】
ところで、上述のように音色の種別が変更したのちに、音量設定値が変更するよう指示される場合がある。このような場合には、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるおそれがある。
【0023】
そこで、音色変更後に音量指定された場合にはその音量設置値も補正することが考えられる。具体的には、請求項5のように、ガイドメロディの音量設定値を指定する旨の音量指定データを取得可能な音量指定データ取得手段(24e)を備え、変更後音色種別特定手段によって特定された変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に音量指定データ取得手段によって音量指定データが取得された場合には、補正手段が、音量指定データ取得手段によって音量指定データが指定する音量設定値を補正し、カラオケ演奏手段が、変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別」および補正手段による「補正後の音量指定データが指定する音量設定値」に基づき、ガイドメロディをカラオケ演奏することが考えられる。
【0024】
このようにすれば、音色変更後に音量指定された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0025】
なお、上述のような補正手段による補正手法の具体例としては、例えば補正係数を音量設定値に掛け合わせることが考えられる。具体的には、請求項6のように、有効なガイドメロディの音色の種別および変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を記憶する補正係数記憶手段(24i)を備え、補正手段が、有効なガイドメロディの音色の種別および前記変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を補正係数記憶手段から読み出し、その読み出した補正係数を音量設定値に掛け合わせることで音量設定値を補正することが考えられる。なお、この補正係数については予め実験等によって設定されている。
【0026】
なお、上述の変更データについては、(ニ)例えば当該カラオケ装置が備える操作部(18)やリモコン端末(2)などから入力される場合や、(ホ)演奏データに含まれる場合が考えられる。このうち(ニ)の場合には、上述の変更データ取得手段が、例えば当該カラオケ装置が備える操作部やリモコン端末などから入力されたガイドメロディの音色の種別を変更する旨のデータを上述の変更データとして取得することが考えられる。また、(ホ)の場合には、上述の変更データ取得手段が、バッファが一時的に記憶する演奏データから変更データを取得することが考えられる。
【0027】
また、上述の(ホ)のようにバッファが一時的に記憶する演奏データから変更データを取得する手法としては、(ヘ)カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてを演奏データ記憶手段から取得してバッファへ一時的に記憶させ、そのバッファが記憶する演奏データから変更データを検出する手法や、(ト)カラオケ演奏を行う予定の演奏データの取得中に、そのバッファが記憶する演奏データから変更データを検出する手法が考えられる。
【0028】
このうち、上述の(ヘ)については、変更データ取得手段が、演奏データ取得手段によって演奏データが演奏データ記憶手段から取得されてバッファへ記憶されたのちに、バッファに記憶された演奏データから変更データを検出することによって変更データを取得することが考えられる。
【0029】
このようにすれば、上述の(ト)の場合に比べて、上述の変更データ検出処理の起動頻度を少なくでき、変更データ取得手段の処理負荷を小さくできる。また、予約曲に対して上述の処理を実行すれば、その予約曲よりも以前に予約された演奏曲の演奏中に上述の処理を行うこともできる。ただし、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてをバッファへ一時的に記憶させるため、上述の(ト)の場合に比べて、バッファの記憶領域の容量を大きくする必要がある。
【0030】
また、上述の(ト)については、さらに具体的には、所定時間が経過するごとに変更データ検出処理を実行する手法が考えられる。すなわち、変更データ取得手段が、所定時間が経過するごとにその間にバッファに記憶された演奏データから変更データを検出することによって変更データを取得することが考えられる。
【0031】
このようにすれば、バッファの記憶領域の容量を小さくすることができる。ただし、上述の変更データ検出処理の実行頻度が多くなり、変更データ取得手段の処理負荷が大きくなる。
【0032】
なお、音量指定データについても変更データと同様である。
なお、請求項7に示すように、請求項1〜請求項6の何れかに記載のカラオケ装置における補正手段は、コンピュータを機能させるプログラムとして実現できる。したがって、本発明は、プログラムの発明として実現できる。また、このようなプログラムの場合、例えば、FD、MO、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として本プログラムを記録しておき、ROMあるいはバックアップRAMをコンピュータに組み込んで用いても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1は、カラオケシステムの全体構成を示すブロック図である。また、図2は、カラオケシステムの音声制御部の構成を示すブロック図である。また、図3は、MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、(a)は通常演奏時を示し、(b)はガイドメロディ変更時(パラメータを固定して置き換えた場合)を示す。また、図4は、MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、ガイドメロディ変更時(パラメータを比例して置き換えた場合)を示す。
【0034】
カラオケシステムは、図1に示すように、カラオケ装置1とリモコン端末2とがデータ通信可能に構成されたものである。
[カラオケ装置1の構成の説明]
カラオケ装置1は、カラオケ装置1全体の動作を制御する制御部12、カラオケ装置1をネットワーク100に接続するためのインタフェース部14、演奏楽曲の伴奏内容および歌詞を示す楽曲データや映像データなどを記憶するハードディスク(HDD)16、複数のキー・スイッチからなる操作部18、リモコン端末2からの赤外線信号を赤外線通信によって受信するための赤外線通信部20、操作部18からの信号を処理する操作処理部22、ハードディスク16に記憶された楽曲データから演奏楽曲のオーディオ信号(音響や音声に関する信号)を生成し、生成されたオーディオ信号およびマイクロフォン26から入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカ28へ出力する音声制御部24、制御部12によってHDD16から取得された楽曲データ(演奏データ)に基づきカラオケ演奏を行うMIDI音源30、映像情報を一時的に記憶するビデオRAM32、映像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部34、ビデオRAM32に記憶された映像情報および映像再生部34により再生される映像の表示部36での表示を制御する映像制御部38などを備えている。また、制御部12と音声制御部24とはUSB40によって接続されている。また、制御部12は、後述する入力受付処理およびメイン処理の各処理を実行する。
【0035】
なお、制御部12は、演奏データ取得手段に該当する。また、HDD16は演奏データ記憶手段に該当する。また、MIDI音源30はカラオケ演奏手段に該当する。
[音声制御部24の構成の説明]
カラオケ装置1が備える音声制御部24は、図2に示すように、I/F24b、ROM24c、RAM24d、CPU24e、I/F24f、を備えている。なお、これらI/F24b、ROM24c、RAM24d、CPU24eおよびI/F24fについては、バス24aによって互いに接続されている。また、I/F24bはUSB40を介して制御部12に接続されている。また、I/F24fはMIDI音源30に接続されている。
【0036】
なお、本実施形態におけるMIDIデータの転送に必要な時間については次のように設定されている。すなわち、REV設定については、REV設定のデータサイズが3バイト(24ビット)であり、且つデータ転送速度が31.25kbpsであることから、0.768secとなるため、本実施形態では約1msecに設定されている。また、VIB設定については、VIB設定のデータサイズが9バイト(24ビット)であり、且つデータ転送速度が31.25kbpsであることから、2.3secとなるため、本実施形態では、約3msecに設定されている。また、本実施形態の説明中および図中の記号「VOL」とは「ボリューム」を示し、また、記号「REV」とは「リバーブ」を示し、記号「VIB」とは「ビブラート」を示す。
【0037】
また、RAM24dは、制御部12によってHDD16から取得された演奏データを一時的に記憶しておき、編集作業を行うためのワークエリア24g、ワークエリア24gにて編集された演奏データを一時的に記憶しておき、「シリアル送信割込」によって演奏データを順に読み出すためのバッファエリア24h、エフェクト変更テーブル(図9(c)参照)を記憶するための設定内容記憶エリア24iを備えている。なお、演奏データについては、複数のMIDIトラックで構成されており、これら複数のMIDIトラックのうちの少なくとも一つはガイドメロディ用のトラックとして使用される。また、「ガイドメロディ」とは、カラオケ演奏に合わせて歌おうとする人が主旋律をうろ覚えの場合などに、その補助となるよう演奏されるメロディパート(トラック)を云う。
【0038】
また、設定内容記憶エリア24iは、音色変更時音量調節テーブル(図13参照)を記憶している。この音色変更時音量調節テーブルは、「有効なガイドメロディの音色の種別」(変更元音色)、「変更後のガイドメロディの音色の種別」(変更先音色)、および補正係数を対応付けて記憶したテーブルである。なお、音色変更時音量調節テーブルは、特許請求項における「補正係数テーブル」に該当する。
【0039】
CPU24eは、現在エフェクトテーブル(図9(a)参照)およびエフェクト初期値テーブルの値(図9(b)参照)を記憶している。これら現在エフェクトテーブルおよびエフェクト初期値テーブルとは、ボリュームパラメータ値やビブラートパラメータ値を記憶したテーブルを云う。
【0040】
また、CPU24eは、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてを制御部12によってHDD16から取得してワークエリア24gへ一時的に記憶させ、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出する機能を有する。なお、変更データとは、ガイドメロディの音色の種別を変更する旨のデータを云い、音量指定データとは、ガイドメロディの音量設定値を指定する旨のデータを云う。
【0041】
また、CPU24eは、後述するメイン処理、演奏処理、送信対象トラック出力処理、ノートオフテーブルデータ出力処理、および送信対象トラック出力処理の各処理を実行することにより、次のような機能を有する。すなわち、CPU24eは、変更データが取得された場合には、その変更データが指示する変更後のガイドメロディの音色の種別を特定するとともに、有効なガイドメロディの音色の種別を特定する。
【0042】
そして、CPU24eは、上述の「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、「現在エフェクトテーブル」を参照して「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を読み出すとともに、設定内容記憶エリア24iが記憶する「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に応じた補正係数を読み出し、その読み出した補正係数を掛け合わせることで「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を補正する。
【0043】
一例を挙げると、図4に例示するように、ガイドメロディの音色がオカリナからビブラフォンへ変更する場合には、CPU24eが、「現在エフェクトテーブル」を参照して音量設定値を読み出す。ここでは、仮に音量設定値を数値「100」とする。次に、設定内容記憶エリア24iが記憶する「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」であるオカリナおよび「変更後のガイドメロディの音色の種別」であるビブラフォンに応じた補正係数「80」(%)を読み出す。そして、その読み出した補正係数「80」(%)を音量設定値「100」に掛け合わせて補正する。この場合、補正後の音量設定値として数値「80」が得られる。
【0044】
また、上述のように音量設定値を補正した後にCPU24eが音量指定データを取得した場合には、CPU24eが、音量指定データが指定する音量設定値に、上述の補正係数を掛け合わせることで補正する。
【0045】
一例を挙げると、図4に例示するように、ガイドメロディの音色がオカリナからビブラフォンへ変更する場合において上述のように音量設定値を数値「100」から数値「80」へ補正した後にCPU24eが、音量を数値「125」へ変更する旨の音量指定データを取得した場合には、CPU24eが、その音量指定データが指定する音量設定値「125」に、上述の補正係数「80」(%)を掛け合わせることで補正する。この場合、補正後の音量設定値として数値「100」が得られる。
【0046】
なお、MIDI音源30は、上述のように演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において変更データが取得された場合には、CPU24eによって算出された補正後の音量設定値に基づき、ガイドメロディをカラオケ演奏する。
【0047】
なお、CPU24eは、変更データ取得手段、音量指定データ取得手段、変更後音色種別特定手段、有効音色種別特定手段、補正手段および音量設定値テーブル記憶手段に該当する。また、設定内容記憶エリア24iは補正係数記憶手段に該当する。
【0048】
[リモコン端末2の構成の説明]
リモコン端末2は、リモコン端末2全体の動作を制御する制御部52、カラオケ装置1に赤外線信号を赤外線通信によって送信する赤外線通信部54、各種情報を記憶するメモリ56、表示部58の表示領域に沿って設置されるタッチパネルおよび複数のキー・スイッチからなる操作部60、操作部60からの信号を処理する操作処理部62、映像情報を一時的に記憶するビデオRAM64、ビデオRAM64に記憶された映像情報の表示部58での表示を制御する映像制御部66、ネットワーク100に接続された無線アクセスポイント110との間で無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g規格,HomeRF規格,Bluetooth規格など)に従った無線通信を行うための無線LAN通信部68、などを備えている。
【0049】
[カラオケ装置1の制御部12の入力受付処理]
以下に、カラオケ装置1の制御部12により実行される入力受付処理の処理手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。この入力受付処理は、カラオケ装置1が起動している間に繰り返し実行される。
【0050】
まず、ステップS110では、利用者が予約したカラオケ演奏曲の選曲情報を記憶するための選曲テーブルを初期化する(図5(b)参照)。
続くS120では、利用者によって操作部18を介して選曲情報の入力があったか否かを判断する。操作部18を介して選曲情報の入力がなかった場合には(S120:No)、再び本S120を繰り返し実行することにより、利用者によって操作部18を介して選曲情報の入力があるまで待機する。一方、操作部18を介して選曲情報の入力があった場合には(S120:Yes)S130へ移行する。
【0051】
S130では、上述の選曲テーブルの記憶内容が一杯であるか否かを判断する。上述の選曲テーブルの記憶内容が一杯である場合には(S130:Yes)、演奏が終了するなどにより選曲テーブルの記憶内容に空きスペースが生じるまでは新たな選曲情報は記憶できないため、再びS120に戻ってS120以降の処理を繰り返し実行する。一方、上述の選曲テーブルの記憶内容が一杯であると判断した場合には(S130:No)、S140へ移行する。
【0052】
S140では、先のS120にて操作部18を介して入力された選曲情報を選曲テーブルに登録する。そして、S120へ移行する。
[カラオケ装置1の制御部12のメイン処理]
以下に、カラオケ装置1の制御部12により実行されるメイン処理の処理手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。このメイン処理は、カラオケ装置1が起動している間に繰り返し実行される。また、本メイン処理と上述の入力受付処理とは、制御部12においてマルチタスク処理によって並行して非同期で実行される。
【0053】
まず、ステップS210では、各種初期化処理を実行する。一例を挙げると、操作部18を入力待ちにするといった具合である。
続くS220では、選曲待ちの際にBGMとして演奏するためのBGMデータを、HDD16から読み出して音声制御部24にUSB40を介して送信する。
【0054】
続くS230では、先のS220にて音声制御部24に対して送信したBGMデータを再生する旨の指示を音声制御部24に送信する。
続くS240では、上述の入力受付処理のS140において選曲テーブルに選曲情報の入力が行われたか否かを判断する。選曲テーブルに選曲情報の入力が行われた場合には(S240:Yes)、後述するS260へ移行する。一方、選曲テーブルに選曲情報の入力が行われてはいない場合には(S240:No)、S250へ移行する。
【0055】
S250では、音声制御部24によるBGMデータの演奏が終了しているか否かを判断する。音声制御部24によるBGMデータの演奏が終了していない場合には(S250:No)、S240に戻る。一方、音声制御部24によるBGMデータの演奏が終了している場合には(S250:Yes)、選曲待ちの間に次のBGMデータを音声制御部24に送信して演奏させるため、S220へ移行する。
【0056】
さて、先のS240において選曲テーブルに選曲情報の入力が行われた場合へ移行するS260では、選曲テーブルに入力された選曲情報に基づいて楽曲の演奏を行うため、BGMデータの演奏を中止する旨の指示を音声制御部24に送信する。
【0057】
続くS270では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分が空いている状態であるか否かを判断する。選曲テーブルの記憶領域における先頭部分が空いている状態である場合には(S270:Yes)、選曲待ちであると判断し、その間BGMデータの演奏を行うためにS220へ移行する。一方、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分が空いておらず選曲情報が登録されている場合には(S270:No)、S280へ移行する。
【0058】
S280では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報が曲番号であるのか否かを判断する。選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報が曲番号ではない場合には(S280:No)、S270へ移行する。一方、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報が曲番号であると判断された場合には(S280:Yes)、S290へ移行する。
【0059】
S290では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報である曲番号に該当する演奏データをHDD16から読み出して音声制御部24に送信する。
続くS300では、特徴情報を参照してガイドメロディの設定を変更するか否かを判断する。なお、特徴情報とは、カラオケ装置1が設置される場所に関する特徴を示す情報を云う。また、設置場所の特徴とは、客層の違いや雰囲気の違いから生じるものであり、一例を挙げると、例えばカラオケボックスでは客層が若者中心であってその雰囲気は比較的騒がしく、スナックやナイトクラブでは客層が中高年中心であってその雰囲気は比較的静かでゆったりしているといった具合である。このような特徴情報は、操作部18やリモコン端末、外部のホストコンピュータなどを介して入力される。ガイドメロディの設定を変更しないと判断した場合には(S300:No)、S310を処理せずにS320へ移行する。一方、ガイドメロディの設定を変更すると判断した場合には(S300:Yes)、そのガイドメロディ設定の変更内容を確認し(S305)、ガイドメロディを変更する旨を音声制御部24に送信する(S310)。そしてS320へ移行する。
【0060】
S320では、先のS290にて音声制御部24に送信した演奏データの演奏を開始するため、その旨を示す指示を音声制御部24に送信する。
続くS330では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分を初期化して空いている状態として他の記憶内容を順次繰り上げる。
【0061】
続くS340では、音声制御部24による演奏データの演奏が終了しているか否かを判断する。音声制御部24による演奏データの演奏が終了していない場合には(S340:No)、本S340を繰り返し実行することによりその演奏データの演奏が終了するまで待機する。一方、音声制御部24による演奏データの演奏が終了している場合には(S340:Yes)、次の演奏データを音声制御部24に送信して演奏させるため、S270へ移行する。
【0062】
[カラオケ装置1の音声制御部24のメイン処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行されるメイン処理の処理手順を図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0063】
このメイン処理は、カラオケ装置1が起動している間に繰り返し実行される。
まず、ステップS610では、制御部12から演奏データが送信されているか否かを判断する。制御部12から演奏データが送信されていると判断した場合には(S610:Yes)その演奏データを受信する。そして、複数のトラックで構成されるMIDI形式の演奏データをMIDI転送バイト列に変換してRAM24dのワークエリア24gに格納する。
【0064】
一方、制御部12から演奏データが送信されていないと判断した場合には(S610:No)、S620へ移行する。
S620では、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されているか否かを判断する。制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されていると判断した場合には(S620:Yes)、その指示を受信してRAM24dのワークエリア24gに格納する。一方、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されていないと判断した場合には(S620:No)、S630へ移行する。
【0065】
S630では、制御部12から演奏データの演奏を開始する旨の指示が送信されているか否かを判断する。制御部12から演奏データの演奏を開始する旨の指示が送信されていないと判断した場合には(S630:No)、S610へ移行する。一方、制御部12から演奏データの演奏を開始する旨の指示が送信されていると判断した場合には(S630:Yes)、S640へ移行する。
【0066】
S640では、演奏データの受信が完了しているか否かを判断する。演奏データの受信が完了していないと判断した場合には(S640:No)、S610へ移行する。一方、演奏データの受信が完了していると判断した場合には(S640:Yes)、後述する演奏処理を実行する(S650)。そして、演奏処理が終了したらその旨を示す情報を制御部12に送信し、先のS625にてRAM24dのワークエリア24gに格納したガイドメロディを変更する旨の指示を消去する。そして、S610へ移行して以下のステップを繰り返し実行する。
【0067】
[カラオケ装置1の音声制御部24の演奏処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行される演奏処理の処理手順を図8のフローチャートおよび図4に基づいて説明する。なお、図4は、MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、ガイドメロディ変更時(パラメータを比例して置き換えた場合)を示す。この演奏処理は、音声制御部24のメイン処理において、S650へ移行した際に実行される。
【0068】
まず、ステップS710では、テンポ値より1ステップ当たりの時間を算出する。
続くS715では、各トラック先頭のアドレスを、各トラック別に「ポインタ変数(現在の読み込み位置)」に格納する。なお、上述のテンポ値とは、BPM(Beat Per Minute)で表される数値である。また、上述のポインタ変数とは、全トラックにおいて、各トラック先頭のアドレスをトラック毎の読み出し位置として設定するための変数を云う。
【0069】
続くS717では、現在エフェクトテーブル(図9(a)参照)に、エフェクト初期値テーブル(図9(b)参照)の内容を設定する。つまり、現在エフェクトテーブルを初期化する。
【0070】
続くS720では、音源の設定やリバーブ値などの演奏に関するパラメータなどについて初期化処理を実行する。
続くS725では、現在のステップ値をゼロとし、後述するノートオフテーブル出力処理を実行する(S730)。続いて送信対象トラックを第1トラックに設定し(S735)、送信対象トラックの出力処理を実行する(S740)。なお、本送信対象トラックの出力処理については後述する。
【0071】
続くS745では、送信対象トラックを次のトラックに設定する。
続くS750では、全てのトラックを送信対象トラックとしたか否かを判断する。全てのトラックを送信対象トラックとはしていないと判断した場合には(S750:No)、S740へ移行して以下の処理を繰り返し実行する。一方、全てのトラックを送信対象トラックとしたと判断した場合には(S750:Yes)、S755へ移行する。
【0072】
S755では、現在のステップ値に数値「1」を加算する。
S760では、1ステップ分の時間待機する。そして、S765へ移行する。
S765では、制御部12から演奏データの演奏を中止する旨の指示が送信されているか否かを判断する。制御部12から演奏データの演奏を中止する旨の指示が送信されていると判断した場合には(S765:Yes)本処理を終了する。一方、制御部12から演奏データの演奏を中止する旨の指示が送信されていないと判断した場合には(S765:No)、S770へ移行する。
【0073】
S770では、全てのトラックについて各トラックの終端まで到達しているか否かを判断する。全てのトラックについて各トラックの終端まで到達していないと判断した場合には(S770:No)、S730へ移行して以下の処理を繰り返し実行する。一方、全てのトラックについて各トラックの終端まで到達していると判断した場合には(S770:Yes)、本処理を終了する。
【0074】
[カラオケ装置1の音声制御部24のノートオフテーブルデータ出力処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行されるノートオフテーブルデータ出力処理の処理手順を図10(b)のフローチャートおよび図10(a)に基づいて説明する。なお、図10(a)は、MIDIデータのノートオフテーブルを示す説明図である。このノートオフテーブルデータ出力処理は、音声制御部24にて実行される演奏処理のS730へ移行した際に実行される。
【0075】
まず、ステップS1110では、データを読み込む対象をノートオフテーブル(図10(a)参照)の先頭のテーブルに設定する。
続くS1120では、データを読み込む対象として設定されているテーブルの「Waitステップ値」を、数値「1」減算する。
【0076】
続くS1130では、上述の「Waitステップ値」が数値「0」であるか否かを判断する。上述の「Waitステップ値」が数値「0」ではないと判断した場合には(S1130:No)、後述するS1150へ移行する。一方、上述の「Waitステップ値」が数値「0」であると判断した場合には(S1140:Yes)、データを読み込む対象として設定されているテーブルのノートオフを出力し(S1140)、S1150へ移行する。
【0077】
S1150では、データを読み込む対象として設定されているテーブルを次のテーブルに変更する。
続くS1160では、全てのテーブルについて確認したか否かを判断する。全てのテーブルについて確認していないと判断した場合には(S1160:No)、S1120に戻って全てのテーブルについての確認が終了するまでS1120以下の処理を繰り返し実行する。一方、全てのテーブルについて確認したと判断した場合には(S1160:Yes)、本処理を終了する。
【0078】
[カラオケ装置1の音声制御部24の送信対象トラック出力処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行される送信対象トラック出力処理の処理手順を図11のフローチャートおよび図12のフローチャートに基づいて説明する。この送信対象トラック出力処理は、音声制御部24の演奏処理において、S740へ移行した際に実行される。
【0079】
まず、ステップS805では、送信対象トラックにおいて、演奏がトラックの終端まで到達しているか否かを判断する。演奏がトラックの終端まで到達していると判断した場合には(S805:Yes)本処理を終了する。一方、演奏がトラックの終端まで到達していないと判断した場合には(S805:No)、S810へ移行する。
【0080】
S810では、現在の読み込み位置のデータ(現在位置データ)のデルタタイムを数値「1」減算する。
続くS815では、現在位置データのデルタタイムが数値「0」であるか否かを判断する。現在位置データのデルタタイムが数値「0」ではないと判断した場合には(S815:No)、本処理を終了する。一方、現在位置データのデルタタイムが数値「0」であると判断した場合には(S815:Yes)、S817へ移行する。
【0081】
S817では、ガイドメロディの変更があるか否かを判断する。具体的には、先の音声制御部24のメイン処理のS620において、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されているか否かの判断結果を参照して判断する。制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されている場合には(S817:Yes)、ガイドメロディの変更があると判断してS820に移行する。一方、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されていない場合には(S817:No)、ガイドメロディの変更がないと判断してS820を実行せずにS825に移行する。
【0082】
S820では、当該トラックの属性がガイドメロディであるか否かを判断する。当該ト
ラックの属性がガイドメロディではないと判断した場合には(S820:No)、音色非変更出力処理を実行し(S825)、後述するS885へ移行する。一方、当該トラックの属性がガイドメロディであると判断した場合には(S820:Yes)、S830へ移行する。
【0083】
S830では、当該トラックにおける音色の変遷を調査する「音色先読み処理」を実行する。
続くS835では、現在の音色が変更したい音色であるか否かを判断する。現在の音色が変更したい音色ではないと判断した場合には(S835:No)、S825へ移行する。一方、現在の音色が変更したい音色であると判断した場合には(S835:Yes)、S840へ移行する。
【0084】
S840では、読み込んだデータがノートを示すデータであるか否かを判断する。読み込んだデータがノートを示すデータであると判断した場合には(S840:Yes)、後述するノート出力処理を実行し(S845)、後述するS885へ移行する。一方、読み込んだデータがノートを示すデータではないと判断した場合には(S840:No)、S850へ移行する。
【0085】
S850では、読み込んだデータが、音色MAPまたは音色BANKの何れか一方を示すデータであるか否かを判断する。読み込んだデータが音色MAPまたは音色BANKの何れか一方を示すデータであると判断した場合には(S850:Yes)、現在位置のデータのパラメータを、指定値に置換してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S855)、後述するS885へ移行する。一方、読み込んだデータが音色MAPまたは音色BANKの何れか一方を示すデータではないと判断した場合には(S850:No)、S860へ移行する。
【0086】
S860では、読み込んだデータが音色設定に関するデータであるか否かを判断する。読み込んだデータが音色設定に関するデータではないと判断した場合には(S860:No)、後述するS870へ移行する。一方、読み込んだデータが音色設定に関するデータであると判断した場合には(S860:Yes)、S861へ移行する。
【0087】
S861では、現在位置のデータのパラメータを、指定値に置換してRAM24dのワークエリア24gに記憶させる。
続く862では、先に置換したボリューム設定値を出力したか否かを判断する。先に置換したボリューム設定値を出力したと判断した場合には(S862:Yes)、後述するS864へ移行する。一方、先に置換したボリューム設定値を出力していないと判断した場合には(S862:No)、ボリューム設定値を音色変更時音量調節テーブル(図13から読み出してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S863)、S864へ移行する。
【0088】
S864では、先に置換したボリューム設定値を出力したか否かを判断する。先に置換したボリューム設定値を出力したと判断した場合には(S864:Yes)、後述するS885へ移行する。一方、先に置換したボリューム設定値を出力していないと判断した場合には(S862:No)、ボリューム設定値を新たに指定値に設定してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S865)、音色を変更した旨を内蔵するRAM等に記憶し(S866)、後述するS885へ移行する。
【0089】
さて、S870では、読み込んだデータがビブラート設定値の何れか一方であるか否かを判断する。読み込んだデータがビブラート設定値の何れか一方ではないと判断した場合には(S870:No)、ボリューム設定か否かを判断する(S876)。ボリューム設定ではない場合には(S876:NO)、現在位置のデータをそのままRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S880)、後述するS885へ移行する。一方、ボリューム設定である場合には(S876:YES)、音色変更時音量調節テーブル(図13参照)を参照してそのボリューム値に対応する補正係数を読み出す(S890)、次に、現在のボリューム設定値を、現在エフェクトテーブルのボリュームパラメータ値に設定する(S892)。さらに、先に読み出した補正係数を現在のボリューム設定値に掛け合わせてその値を内蔵RAMに記憶させ(S894)、該当する設定が置換済みである旨をRAM24dのワークエリア24gに記憶させる(S896)。そして後述するS885へ移行する。
【0090】
また、先にS870において、読み込んだデータがビブラート設定値の何れか一方であると判断した場合には(S870:Yes)、現在のエフェクトテーブルの該当エフェクトエリアに対してパラメータ値を設定するとともに(S871)、現在位置のデータのパラメータを、指定値に置換してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S872)、該当する設定が置換済みである旨をRAM24dのワークエリア24gに記憶させる(S874)。そしてS885へ移行する。
【0091】
また、S885では、データを読み込む位置を1ステップ分進行させる。そしてS815へ移行して以下の処理を繰り返し実行する。
[効果]
(1)このように実施形態のカラオケ装置1によれば、次のような効果を奏する。すなわち、CPU24eが、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、「現在エフェクトテーブル」を参照して「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を読み出すとともに、設定内容記憶エリア24iが記憶する「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に応じた補正係数を読み出し、その読み出した補正係数を掛け合わせることで「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を補正する。つまり、「変更前のガイドメロディの音色の種別」と「変更後のガイドメロディの音色の種別」を考慮して、変更後のガイドメロディの音量設定値を補正するので、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0092】
(2)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、上述のように音量設定値を補正した後にCPU24eが音量指定データを取得した場合には、CPU24eが、音量指定データが指定する音量設定値に、上述の補正係数を掛け合わせることで補正する。このことにより、音色変更後に音量指定された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0093】
(3)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、音量設定値をボリューム設定値としているので、音量を直接変化させるボリューム設定値を変化させるため、音量設定値をエクスプレッション設定値やベロシティー設定値とした場合に比べて、音量が決定されるまでのパラメータに関する計算量が少なくて済む効果がある。したがって、ガイドメロディの音色の種別の変更時にその変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとを瞬時に合致させることができる。また、このボリューム設定値については、音量と直接的な関係を有するため、各トラックのボリューム設定をユーザ関数として利用者にて使用可能とすることで、利用者の好みの設定をすることができる。
【0094】
(4)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、CPU24eが、特定された変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に音量指定データが取得された場合には、音量指定データが指定する音量設定値を補正する。このようにすれば、音色変更後に音量指定された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0095】
(5)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、CPU24eが、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてを制御部12によってHDD16から取得してワークエリア24gへ一時的に記憶させ、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出する。このことにより、上述の変更データ・音量指定データ検出処理の起動頻度を少なくでき、CPU24eにおける変更データ・音量指定データ取得処理に関する部分の処理負荷を小さくできる。また、予約曲に対して上述の処理を実行すれば、その予約曲よりも以前に予約された演奏曲の演奏中に上述の処理を行うこともできる。ただし、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてをワークエリア24gへ一時的に記憶させるため、ワークエリア24gの記憶領域の容量を大きくする必要がある。
【0096】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0097】
(1)上述の第一実施形態のカラオケ装置1では音量設定値をボリューム設定値としているが、これには限られず、音量設定値をエクスプレッション設定値としてもよい。すなわち、カラオケ楽曲演奏時におけるガイドメロディの利用方法の一つに「プロ・アマモード」がある。このプロ・アマモードとは、ガイドメロディ音量が標準音量より大きい、又は標準音量より小さいという音量差を設けることで、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が未知の楽曲をカラオケ歌唱する場合に、アマモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より大きくして歌唱を補助し、カラオケ利用者にとって未知の歌唱への不安を解消し、十八番の楽曲をカラオケ歌唱する場合においては、プロモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より小さくして歌唱の妨げとならないようにして、利用者にとって十八番の楽曲は歌唱補助を受けていないというカラオケ歌唱の満足度を向上させる機能である。
【0098】
具体的には、図1に例示するように、カラオケ利用者が未知の楽曲のカラオケ歌唱を行う場合に、カラオケ利用者がカラオケ装置(コマンダ)1の操作部18からガイドメロディ機能の標準、アマモード、プロモードからアマモードを選択すると、操作処理部22が前記選択の指示を受け取り制御部12へ通知し、制御部12は、ガイドメロディ音量が標準音量より大きくなるように、前記指示を音声制御部24へ通知し、音声制御部24がガイドメロディ音量を変更する。同様にプロモードを選択するとガイドメロディの音量が標準音量より小さくなるように、音声制御部24がガイドメロディ音量の変更を行う。通常、ガイドメロディが動作する場合のガイドメロディ音量は、標準が選択されており、標準の音量は、予め、楽曲データの作成者によって楽曲データ作成時に設定されている。
【0099】
しかし、上記のプロ・アマモードが動作した場合に、ガイドメロディ音量の変更はボリューム設定値を変更することで行われるため、プロ・アマモードが動作すると、ガイドメロディ音量をボリューム設定値で変更する本発明が実施できない問題があった。
【0100】
これに対して、エクスプレッション設定値は上記ガイドメロディ音量と直接的な関係を有しないため、プロアマモードが動作中、つまり、音量設定値をエクスプレッション設定値とすることで、ボリューム設定値が既に別の機能に使用されている場合においても、本発明が実施できるという効果がある。
【0101】
(2)また、上述の第一実施形態のカラオケ装置1では音量設定値をボリューム設定値としているが、これには限られず、音量設定値をベロシティー設定値としてもよい。すなわち、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が、楽曲が明るく感じるよう演奏する、暗く感じるように演奏する、という演奏によって人の情感を表現する演奏方法がある。具体的には、例えばピアノの打鍵において、鍵盤を強く打つような音はメリハリがあるから明るい、弱く打つような音は弱々しいから暗い、とする演奏であり、前記演奏方法は楽曲データのベロシティー設定値を変化させることで実施している。
【0102】
つまり、音量設定値をベロシティー設定値とすれば、ボリューム設定値を利用する場合に比べて、ガイドメロディの音色の種別の変更時に、利用者に対し、カラオケ楽曲演奏を明るく感じさせる、又は暗く感じさせるような情感を与えられる効果がある。
【0103】
(3)上記第一実施形態では、CPU24eが、カラオケ演奏を行う予定の演奏データを制御部12によってHDD16から取得してワークエリア24gへ一時的に記憶させ、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出するが、これには限られず、例えばカラオケ装置1が備える操作部18やリモコン端末2などから入力された変更データや音量指定データを取得するようにしてもよい。
【0104】
(6)上記第一実施形態において、CPU24eが、カラオケ演奏を行う予定の演奏データをHDD16から取得してRAM24dのワークエリア24gへ一時的に記憶させている途中に、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出するようにしてもよい。このようにすれば、RAM24dのワークエリア24gの記憶領域の容量を小さくすることができる。ただし、変更データ・音量指定データ検出処理の実行頻度が多くなり、上述のCPU24eにおける変更データ・音量指定データ取得処理実行領域の処理負荷が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】カラオケシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】カラオケシステムの音声制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、(a)は通常演奏時を示し、(b)はガイドメロディ変更時(パラメータを固定して置き換えた場合)を示す。
【図4】MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、ガイドメロディ変更時(パラメータを比例して置き換えた場合)を示す。
【図5】(a)はカラオケ装置の制御部が実行する入力受付処理を示すフローチャートであり、(b)は選曲テーブルを示す説明図である。
【図6】カラオケ装置の制御部が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】カラオケ装置の音声制御部が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図8】カラオケ装置の音声制御部が実行する演奏処理を示すフローチャートである。
【図9】(a)は現在エフェクトテーブルを示す説明図であり、(b)はエフェクト初期値テーブルを示す説明図であり、(c)は、エフェクト変更テーブルを示す説明図である。
【図10】(a)はMIDIデータのノートオフテーブルを示す説明図であり、(b)はカラオケ装置の音声制御部が実行するノートオフテーブルデータ出力処理を示すフローチャートである。
【図11】カラオケ装置の音声制御部が実行する送信対象トラック出力処理を示すフローチャート(1)である。
【図12】カラオケ装置の音声制御部が実行する送信対象トラック出力処理を示すフローチャート(2)である。
【図13】音色変更時音量調節テーブルを示す説明図である。
【符号の説明】
【0106】
1…カラオケ装置、2…リモコン端末、12…制御部、14…インタフェース部、16…ハードディスク(HDD)、18…操作部、20…赤外線通信部、22…操作処理部、24…音声制御部、24a…バス、24b,24f…I/F、24c…ROM、24d…RAM、24e…CPU、24g…ワークエリア、24h…バッファエリア、24i…設定内容記憶エリア、26…マイクロフォン、28…スピーカ、30…MIDI音源、32,64…ビデオRAM、34…映像再生部、36…表示部、38…映像制御部、52…制御部、54…赤外線通信部、56…メモリ、58…表示部、60…操作部、62…操作処理部、66…映像制御部、68…無線LAN通信部、100…ネットワーク、110…無線アクセスポイント
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置において、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、違和感が生じるのを防ぐ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガイドメロディを含む演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う機能を有するカラオケ装置が知られている。ここでガイドメロディとは、カラオケ演奏に合わせて歌おうとする人が主旋律をうろ覚えの場合などに、その補助となるよう演奏されるメロディパート(トラック)を云う。このガイドメロディは、基本的には主な設置場所であるカラオケボックスにて利用されることを想定して、楽曲ごとに様々な音色にて作成されている。なお、ガイドメロディに使われる音色の種別の具体例としては、ビブラフォンやピアノ、フルート、ハーモニカなどが挙げられる。
【0003】
このようなカラオケ装置においては、ガイドメロディの音色の種別を変更することがある。このような場合、全体の音域のバランスや各音符の音長などが微妙に変化し、忠実なガイドメロディを再現することが困難なことがある。
【0004】
そこで、このような問題を解決するために、上述のようなカラオケ装置の中には、ガイドメロディの音符の長さや音高を変更するものや(例えば、特許文献1参照。)、演奏音の一部としてのガイドメロディの音量を利用者の要望に応じて変化させるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
また、カラオケ装置以外でも上述のような問題を解決するために、演奏音の音量設定を記憶しておき、その記憶した音量設定を利用者の要望に応じて読み出すことが可能な車載用オーディオ機器が知られている(例えば、特許文献3参照。)。なお、このような車載用オーディオ機器においては、構成する音色の種別に関わらずにガイドメロディを含むすべての演奏音の音量を一律的に変化させている。
【特許文献1】特開2000−267652号公報(第4頁、図2,3,6)
【特許文献2】特開平9−81166号公報(第5頁、図1)
【特許文献3】実開平5−93123号公報(第5頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述のようなカラオケ装置においては、例えばある予約曲の演奏データが音色変更を特定の音色に対してのみ行う動作形式を有する場合において、図3(a)に例示するように、その演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれるときには、ガイドメロディの音色の種別を変更することとなる。このようなガイドメロディの音色の種別の変更時において、例えばハーモニカなどの音色変更の対象となる音色(変更対象音色)から例えばビブラフォンなどの音色変更の対象ではない音色(変更非対象音色)へと変更するケースが生じることがある。この際、ガイドメロディに関する各種設定(エフェクトパラメータ)も、変更非対象音色に対応する設定内容に変更することとなる。このような場合において、図3(b)に例示するように、ガイドメロディの音量設定についても変更非対象音色に対応する設定内容に変更されたときには、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなり、例えば変更後のガイドメロディが変更前と比べて大きく聞こえたり小さく聞こえたりするといった具合に違和感が生じるおそれがあった。
【0007】
なお、上述のように、ガイドメロディの音符の長さや音高を変更することや、ガイドメロディの音量を利用者の要望に応じて変化させること、ガイドメロディを含むすべての演奏音を一律的に変化させることなどを行っても、上述のような演奏音の一部に関する音量設定を変更することに起因する問題を解決することはできない。
【0008】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、カラオケ装置において、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐ技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るカラオケ装置は、「変更前のガイドメロディの音色の種別と変更後のガイドメロディの音色の種別を考慮して、変更後のガイドメロディの音量設定値を補正すること」を特徴とする。
【0010】
具体的には、演奏データ記憶手段(16:この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄で用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。)が、音色が指定されたガイドメロディを含み、MIDIデータの形式で作成された演奏データを記憶しており、カラオケ演奏手段(30)が、演奏データ取得手段(12)によって演奏データ記憶手段から取得された演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う。
【0011】
また、変更データ取得手段(24e)が、ガイドメロディの音色の種別を変更する旨の「変更データ」を取得可能であり、音量設定値テーブル記憶手段(24i)が、ガイドメロディの音色の種別とその音色の種別に対応する音量設定値とを対応付けた音量設定値テーブルを記憶する。上述の変更データ取得手段によって変更データが取得された場合には、変更後音色種別特定手段(24e)が、その変更データが指示する変更後のガイドメロディの音色の種別を特定するとともに、有効音色種別特定手段(24e)が、有効なガイドメロディの音色の種別を特定する。そして、補正手段(24e)が、有効音色種別特定手段によって特定された「有効なガイドメロディの音色の種別」、および変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、音量設定値テーブル記憶手段が記憶する「音量設定値テーブル」を参照して変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を読み出し、その読み出した音量設定値を補正する。そして、上述のように演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において、変更データ取得手段によって変更データが取得された場合には、カラオケ演奏手段が、変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別」および補正手段による「補正後の音量設定値」に基づき、ガイドメロディをカラオケ演奏する。
【0012】
従来構成のカラオケ装置では、図3(b)に例示するように、ガイドメロディの音量設定についても変更非対象音色に対応する設定内容に変更されたときには、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなり、例えば変更後のガイドメロディが変更前と比べて大きく聞こえたり小さく聞こえたりするといった具合に違和感が生じるおそれがあった。
【0013】
これに対して本発明によれば、変更前のガイドメロディの音色の種別と変更後のガイドメロディの音色の種別を考慮して、変更後のガイドメロディの音量設定値を補正するので、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0014】
なお、演奏データについては、複数のMIDIトラックで構成されており、これら複数のMIDIトラックのうちの少なくとも一つはガイドメロディ用のトラックとして使用される。
【0015】
また、上述の音量設定値の具体例としては、(イ)MIDIコマンドにおけるボリューム設定値(請求項2)や、(ロ)MIDIコマンドにおけるエクスプレッション設定値(請求項3)、(ハ)MIDIコマンドにおけるベロシティー設定値(請求項4)などが挙げられる。
【0016】
このうち(イ)音量設定値をボリューム設定値とした場合については、音量を直接変化させるボリューム設定値を変化させるため、音量設定値をエクスプレッション設定値やベロシティー設定値とした場合に比べて、音量が決定されるまでのパラメータに関する計算量が少なくて済むために音量の変化を早くすることができ、ガイドメロディの音色の種別の変更時にその変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとを瞬時に合致させることができる。また、このボリューム設定値については、音量と直接的な関係を有するため、各トラックのボリューム設定をユーザ関数として利用者にて使用可能とすることで、利用者の好みの設定をすることができる。
【0017】
また、(ロ)音量設定値をエクスプレッション設定値とした場合については、音量設定値をボリューム設定値とした場合に比べて、以下に説明する効果がある。すなわち、カラオケ楽曲演奏時におけるガイドメロディの利用方法の一つに「プロ・アマモード」がある。このプロ・アマモードとは、ガイドメロディ音量が標準音量より大きい、又は標準音量より小さいという音量差を設けることで、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が未知の楽曲をカラオケ歌唱する場合に、アマモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より大きくして歌唱を補助し、カラオケ利用者にとって未知の歌唱への不安を解消し、十八番の楽曲をカラオケ歌唱する場合においては、プロモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より小さくして歌唱の妨げとならないようにして、利用者にとって十八番の楽曲は歌唱補助を受けていないというカラオケ歌唱の満足度を向上させる機能である。具体的に図1を例に説明すると、カラオケ利用者が未知の楽曲のカラオケ歌唱を行う場合に、カラオケ利用者がカラオケ装置(コマンダ)1の操作部18からガイドメロディ機能の標準、アマモード、プロモードからアマモードを選択すると、操作処理部22が前記選択の指示を受け取り制御部12へ通知し、制御部12は、ガイドメロディ音量が標準音量より大きくなるように、前記指示を音声制御部24へ通知し、音声制御部24がガイドメロディ音量を変更する。同様にプロモードを選択するとガイドメロディの音量が標準音量より小さくなるように、音声制御部24がガイドメロディ音量の変更を行う。通常、ガイドメロディが動作する場合のガイドメロディ音量は、標準が選択されており、標準の音量は、予め、楽曲データの作成者によって楽曲データ作成時に設定されている。
【0018】
しかし、上記のプロ・アマモードが動作した場合に、ガイドメロディ音量の変更はボリューム設定値を変更することで行われるため、プロ・アマモードが動作すると、ガイドメロディ音量をボリューム設定値で変更する本発明が実施できない問題があった。
【0019】
これに対して、エクスプレッション設定値は上記ガイドメロディ音量と直接的な関係を有しないため、プロアマモードが動作中、つまり、音量設定値をエクスプレッション設定値とすることで、ボリューム設定値が既に別の機能に使用されている場合においても、本発明が実施できるという効果がある。
【0020】
また、(ハ)音量設定値をベロシティー設定値とした場合については、音量設定値をボリューム設定値とした場合に比べて、以下に説明する効果がある。すなわち、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が、楽曲が明るく感じるよう演奏する、暗く感じるように演奏する、という演奏によって人の情感を表現する演奏方法がある。具体的には、例えばピアノの打鍵において、鍵盤を強く打つような音はメリハリがあるから明るい、弱く打つような音は弱々しいから暗い、とする演奏であり、前記演奏方法は楽曲データのベロシティー設定値を変化させることで実施している。
【0021】
つまり、音量設定値をベロシティー設定値とすれば、ボリューム設定値を利用する場合に比べて、ガイドメロディの音色の種別の変更時に、利用者に対し、カラオケ楽曲演奏を明るく感じさせる、又は暗く感じさせるような情感を与えられる効果がある。
【0022】
ところで、上述のように音色の種別が変更したのちに、音量設定値が変更するよう指示される場合がある。このような場合には、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるおそれがある。
【0023】
そこで、音色変更後に音量指定された場合にはその音量設置値も補正することが考えられる。具体的には、請求項5のように、ガイドメロディの音量設定値を指定する旨の音量指定データを取得可能な音量指定データ取得手段(24e)を備え、変更後音色種別特定手段によって特定された変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に音量指定データ取得手段によって音量指定データが取得された場合には、補正手段が、音量指定データ取得手段によって音量指定データが指定する音量設定値を補正し、カラオケ演奏手段が、変更後音色種別特定手段によって特定された「変更後のガイドメロディの音色の種別」および補正手段による「補正後の音量指定データが指定する音量設定値」に基づき、ガイドメロディをカラオケ演奏することが考えられる。
【0024】
このようにすれば、音色変更後に音量指定された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0025】
なお、上述のような補正手段による補正手法の具体例としては、例えば補正係数を音量設定値に掛け合わせることが考えられる。具体的には、請求項6のように、有効なガイドメロディの音色の種別および変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を記憶する補正係数記憶手段(24i)を備え、補正手段が、有効なガイドメロディの音色の種別および前記変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を補正係数記憶手段から読み出し、その読み出した補正係数を音量設定値に掛け合わせることで音量設定値を補正することが考えられる。なお、この補正係数については予め実験等によって設定されている。
【0026】
なお、上述の変更データについては、(ニ)例えば当該カラオケ装置が備える操作部(18)やリモコン端末(2)などから入力される場合や、(ホ)演奏データに含まれる場合が考えられる。このうち(ニ)の場合には、上述の変更データ取得手段が、例えば当該カラオケ装置が備える操作部やリモコン端末などから入力されたガイドメロディの音色の種別を変更する旨のデータを上述の変更データとして取得することが考えられる。また、(ホ)の場合には、上述の変更データ取得手段が、バッファが一時的に記憶する演奏データから変更データを取得することが考えられる。
【0027】
また、上述の(ホ)のようにバッファが一時的に記憶する演奏データから変更データを取得する手法としては、(ヘ)カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてを演奏データ記憶手段から取得してバッファへ一時的に記憶させ、そのバッファが記憶する演奏データから変更データを検出する手法や、(ト)カラオケ演奏を行う予定の演奏データの取得中に、そのバッファが記憶する演奏データから変更データを検出する手法が考えられる。
【0028】
このうち、上述の(ヘ)については、変更データ取得手段が、演奏データ取得手段によって演奏データが演奏データ記憶手段から取得されてバッファへ記憶されたのちに、バッファに記憶された演奏データから変更データを検出することによって変更データを取得することが考えられる。
【0029】
このようにすれば、上述の(ト)の場合に比べて、上述の変更データ検出処理の起動頻度を少なくでき、変更データ取得手段の処理負荷を小さくできる。また、予約曲に対して上述の処理を実行すれば、その予約曲よりも以前に予約された演奏曲の演奏中に上述の処理を行うこともできる。ただし、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてをバッファへ一時的に記憶させるため、上述の(ト)の場合に比べて、バッファの記憶領域の容量を大きくする必要がある。
【0030】
また、上述の(ト)については、さらに具体的には、所定時間が経過するごとに変更データ検出処理を実行する手法が考えられる。すなわち、変更データ取得手段が、所定時間が経過するごとにその間にバッファに記憶された演奏データから変更データを検出することによって変更データを取得することが考えられる。
【0031】
このようにすれば、バッファの記憶領域の容量を小さくすることができる。ただし、上述の変更データ検出処理の実行頻度が多くなり、変更データ取得手段の処理負荷が大きくなる。
【0032】
なお、音量指定データについても変更データと同様である。
なお、請求項7に示すように、請求項1〜請求項6の何れかに記載のカラオケ装置における補正手段は、コンピュータを機能させるプログラムとして実現できる。したがって、本発明は、プログラムの発明として実現できる。また、このようなプログラムの場合、例えば、FD、MO、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として本プログラムを記録しておき、ROMあるいはバックアップRAMをコンピュータに組み込んで用いても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1は、カラオケシステムの全体構成を示すブロック図である。また、図2は、カラオケシステムの音声制御部の構成を示すブロック図である。また、図3は、MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、(a)は通常演奏時を示し、(b)はガイドメロディ変更時(パラメータを固定して置き換えた場合)を示す。また、図4は、MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、ガイドメロディ変更時(パラメータを比例して置き換えた場合)を示す。
【0034】
カラオケシステムは、図1に示すように、カラオケ装置1とリモコン端末2とがデータ通信可能に構成されたものである。
[カラオケ装置1の構成の説明]
カラオケ装置1は、カラオケ装置1全体の動作を制御する制御部12、カラオケ装置1をネットワーク100に接続するためのインタフェース部14、演奏楽曲の伴奏内容および歌詞を示す楽曲データや映像データなどを記憶するハードディスク(HDD)16、複数のキー・スイッチからなる操作部18、リモコン端末2からの赤外線信号を赤外線通信によって受信するための赤外線通信部20、操作部18からの信号を処理する操作処理部22、ハードディスク16に記憶された楽曲データから演奏楽曲のオーディオ信号(音響や音声に関する信号)を生成し、生成されたオーディオ信号およびマイクロフォン26から入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカ28へ出力する音声制御部24、制御部12によってHDD16から取得された楽曲データ(演奏データ)に基づきカラオケ演奏を行うMIDI音源30、映像情報を一時的に記憶するビデオRAM32、映像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部34、ビデオRAM32に記憶された映像情報および映像再生部34により再生される映像の表示部36での表示を制御する映像制御部38などを備えている。また、制御部12と音声制御部24とはUSB40によって接続されている。また、制御部12は、後述する入力受付処理およびメイン処理の各処理を実行する。
【0035】
なお、制御部12は、演奏データ取得手段に該当する。また、HDD16は演奏データ記憶手段に該当する。また、MIDI音源30はカラオケ演奏手段に該当する。
[音声制御部24の構成の説明]
カラオケ装置1が備える音声制御部24は、図2に示すように、I/F24b、ROM24c、RAM24d、CPU24e、I/F24f、を備えている。なお、これらI/F24b、ROM24c、RAM24d、CPU24eおよびI/F24fについては、バス24aによって互いに接続されている。また、I/F24bはUSB40を介して制御部12に接続されている。また、I/F24fはMIDI音源30に接続されている。
【0036】
なお、本実施形態におけるMIDIデータの転送に必要な時間については次のように設定されている。すなわち、REV設定については、REV設定のデータサイズが3バイト(24ビット)であり、且つデータ転送速度が31.25kbpsであることから、0.768secとなるため、本実施形態では約1msecに設定されている。また、VIB設定については、VIB設定のデータサイズが9バイト(24ビット)であり、且つデータ転送速度が31.25kbpsであることから、2.3secとなるため、本実施形態では、約3msecに設定されている。また、本実施形態の説明中および図中の記号「VOL」とは「ボリューム」を示し、また、記号「REV」とは「リバーブ」を示し、記号「VIB」とは「ビブラート」を示す。
【0037】
また、RAM24dは、制御部12によってHDD16から取得された演奏データを一時的に記憶しておき、編集作業を行うためのワークエリア24g、ワークエリア24gにて編集された演奏データを一時的に記憶しておき、「シリアル送信割込」によって演奏データを順に読み出すためのバッファエリア24h、エフェクト変更テーブル(図9(c)参照)を記憶するための設定内容記憶エリア24iを備えている。なお、演奏データについては、複数のMIDIトラックで構成されており、これら複数のMIDIトラックのうちの少なくとも一つはガイドメロディ用のトラックとして使用される。また、「ガイドメロディ」とは、カラオケ演奏に合わせて歌おうとする人が主旋律をうろ覚えの場合などに、その補助となるよう演奏されるメロディパート(トラック)を云う。
【0038】
また、設定内容記憶エリア24iは、音色変更時音量調節テーブル(図13参照)を記憶している。この音色変更時音量調節テーブルは、「有効なガイドメロディの音色の種別」(変更元音色)、「変更後のガイドメロディの音色の種別」(変更先音色)、および補正係数を対応付けて記憶したテーブルである。なお、音色変更時音量調節テーブルは、特許請求項における「補正係数テーブル」に該当する。
【0039】
CPU24eは、現在エフェクトテーブル(図9(a)参照)およびエフェクト初期値テーブルの値(図9(b)参照)を記憶している。これら現在エフェクトテーブルおよびエフェクト初期値テーブルとは、ボリュームパラメータ値やビブラートパラメータ値を記憶したテーブルを云う。
【0040】
また、CPU24eは、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてを制御部12によってHDD16から取得してワークエリア24gへ一時的に記憶させ、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出する機能を有する。なお、変更データとは、ガイドメロディの音色の種別を変更する旨のデータを云い、音量指定データとは、ガイドメロディの音量設定値を指定する旨のデータを云う。
【0041】
また、CPU24eは、後述するメイン処理、演奏処理、送信対象トラック出力処理、ノートオフテーブルデータ出力処理、および送信対象トラック出力処理の各処理を実行することにより、次のような機能を有する。すなわち、CPU24eは、変更データが取得された場合には、その変更データが指示する変更後のガイドメロディの音色の種別を特定するとともに、有効なガイドメロディの音色の種別を特定する。
【0042】
そして、CPU24eは、上述の「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、「現在エフェクトテーブル」を参照して「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を読み出すとともに、設定内容記憶エリア24iが記憶する「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に応じた補正係数を読み出し、その読み出した補正係数を掛け合わせることで「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を補正する。
【0043】
一例を挙げると、図4に例示するように、ガイドメロディの音色がオカリナからビブラフォンへ変更する場合には、CPU24eが、「現在エフェクトテーブル」を参照して音量設定値を読み出す。ここでは、仮に音量設定値を数値「100」とする。次に、設定内容記憶エリア24iが記憶する「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」であるオカリナおよび「変更後のガイドメロディの音色の種別」であるビブラフォンに応じた補正係数「80」(%)を読み出す。そして、その読み出した補正係数「80」(%)を音量設定値「100」に掛け合わせて補正する。この場合、補正後の音量設定値として数値「80」が得られる。
【0044】
また、上述のように音量設定値を補正した後にCPU24eが音量指定データを取得した場合には、CPU24eが、音量指定データが指定する音量設定値に、上述の補正係数を掛け合わせることで補正する。
【0045】
一例を挙げると、図4に例示するように、ガイドメロディの音色がオカリナからビブラフォンへ変更する場合において上述のように音量設定値を数値「100」から数値「80」へ補正した後にCPU24eが、音量を数値「125」へ変更する旨の音量指定データを取得した場合には、CPU24eが、その音量指定データが指定する音量設定値「125」に、上述の補正係数「80」(%)を掛け合わせることで補正する。この場合、補正後の音量設定値として数値「100」が得られる。
【0046】
なお、MIDI音源30は、上述のように演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において変更データが取得された場合には、CPU24eによって算出された補正後の音量設定値に基づき、ガイドメロディをカラオケ演奏する。
【0047】
なお、CPU24eは、変更データ取得手段、音量指定データ取得手段、変更後音色種別特定手段、有効音色種別特定手段、補正手段および音量設定値テーブル記憶手段に該当する。また、設定内容記憶エリア24iは補正係数記憶手段に該当する。
【0048】
[リモコン端末2の構成の説明]
リモコン端末2は、リモコン端末2全体の動作を制御する制御部52、カラオケ装置1に赤外線信号を赤外線通信によって送信する赤外線通信部54、各種情報を記憶するメモリ56、表示部58の表示領域に沿って設置されるタッチパネルおよび複数のキー・スイッチからなる操作部60、操作部60からの信号を処理する操作処理部62、映像情報を一時的に記憶するビデオRAM64、ビデオRAM64に記憶された映像情報の表示部58での表示を制御する映像制御部66、ネットワーク100に接続された無線アクセスポイント110との間で無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g規格,HomeRF規格,Bluetooth規格など)に従った無線通信を行うための無線LAN通信部68、などを備えている。
【0049】
[カラオケ装置1の制御部12の入力受付処理]
以下に、カラオケ装置1の制御部12により実行される入力受付処理の処理手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。この入力受付処理は、カラオケ装置1が起動している間に繰り返し実行される。
【0050】
まず、ステップS110では、利用者が予約したカラオケ演奏曲の選曲情報を記憶するための選曲テーブルを初期化する(図5(b)参照)。
続くS120では、利用者によって操作部18を介して選曲情報の入力があったか否かを判断する。操作部18を介して選曲情報の入力がなかった場合には(S120:No)、再び本S120を繰り返し実行することにより、利用者によって操作部18を介して選曲情報の入力があるまで待機する。一方、操作部18を介して選曲情報の入力があった場合には(S120:Yes)S130へ移行する。
【0051】
S130では、上述の選曲テーブルの記憶内容が一杯であるか否かを判断する。上述の選曲テーブルの記憶内容が一杯である場合には(S130:Yes)、演奏が終了するなどにより選曲テーブルの記憶内容に空きスペースが生じるまでは新たな選曲情報は記憶できないため、再びS120に戻ってS120以降の処理を繰り返し実行する。一方、上述の選曲テーブルの記憶内容が一杯であると判断した場合には(S130:No)、S140へ移行する。
【0052】
S140では、先のS120にて操作部18を介して入力された選曲情報を選曲テーブルに登録する。そして、S120へ移行する。
[カラオケ装置1の制御部12のメイン処理]
以下に、カラオケ装置1の制御部12により実行されるメイン処理の処理手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。このメイン処理は、カラオケ装置1が起動している間に繰り返し実行される。また、本メイン処理と上述の入力受付処理とは、制御部12においてマルチタスク処理によって並行して非同期で実行される。
【0053】
まず、ステップS210では、各種初期化処理を実行する。一例を挙げると、操作部18を入力待ちにするといった具合である。
続くS220では、選曲待ちの際にBGMとして演奏するためのBGMデータを、HDD16から読み出して音声制御部24にUSB40を介して送信する。
【0054】
続くS230では、先のS220にて音声制御部24に対して送信したBGMデータを再生する旨の指示を音声制御部24に送信する。
続くS240では、上述の入力受付処理のS140において選曲テーブルに選曲情報の入力が行われたか否かを判断する。選曲テーブルに選曲情報の入力が行われた場合には(S240:Yes)、後述するS260へ移行する。一方、選曲テーブルに選曲情報の入力が行われてはいない場合には(S240:No)、S250へ移行する。
【0055】
S250では、音声制御部24によるBGMデータの演奏が終了しているか否かを判断する。音声制御部24によるBGMデータの演奏が終了していない場合には(S250:No)、S240に戻る。一方、音声制御部24によるBGMデータの演奏が終了している場合には(S250:Yes)、選曲待ちの間に次のBGMデータを音声制御部24に送信して演奏させるため、S220へ移行する。
【0056】
さて、先のS240において選曲テーブルに選曲情報の入力が行われた場合へ移行するS260では、選曲テーブルに入力された選曲情報に基づいて楽曲の演奏を行うため、BGMデータの演奏を中止する旨の指示を音声制御部24に送信する。
【0057】
続くS270では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分が空いている状態であるか否かを判断する。選曲テーブルの記憶領域における先頭部分が空いている状態である場合には(S270:Yes)、選曲待ちであると判断し、その間BGMデータの演奏を行うためにS220へ移行する。一方、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分が空いておらず選曲情報が登録されている場合には(S270:No)、S280へ移行する。
【0058】
S280では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報が曲番号であるのか否かを判断する。選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報が曲番号ではない場合には(S280:No)、S270へ移行する。一方、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報が曲番号であると判断された場合には(S280:Yes)、S290へ移行する。
【0059】
S290では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分に登録された選曲情報である曲番号に該当する演奏データをHDD16から読み出して音声制御部24に送信する。
続くS300では、特徴情報を参照してガイドメロディの設定を変更するか否かを判断する。なお、特徴情報とは、カラオケ装置1が設置される場所に関する特徴を示す情報を云う。また、設置場所の特徴とは、客層の違いや雰囲気の違いから生じるものであり、一例を挙げると、例えばカラオケボックスでは客層が若者中心であってその雰囲気は比較的騒がしく、スナックやナイトクラブでは客層が中高年中心であってその雰囲気は比較的静かでゆったりしているといった具合である。このような特徴情報は、操作部18やリモコン端末、外部のホストコンピュータなどを介して入力される。ガイドメロディの設定を変更しないと判断した場合には(S300:No)、S310を処理せずにS320へ移行する。一方、ガイドメロディの設定を変更すると判断した場合には(S300:Yes)、そのガイドメロディ設定の変更内容を確認し(S305)、ガイドメロディを変更する旨を音声制御部24に送信する(S310)。そしてS320へ移行する。
【0060】
S320では、先のS290にて音声制御部24に送信した演奏データの演奏を開始するため、その旨を示す指示を音声制御部24に送信する。
続くS330では、選曲テーブルの記憶領域における先頭部分を初期化して空いている状態として他の記憶内容を順次繰り上げる。
【0061】
続くS340では、音声制御部24による演奏データの演奏が終了しているか否かを判断する。音声制御部24による演奏データの演奏が終了していない場合には(S340:No)、本S340を繰り返し実行することによりその演奏データの演奏が終了するまで待機する。一方、音声制御部24による演奏データの演奏が終了している場合には(S340:Yes)、次の演奏データを音声制御部24に送信して演奏させるため、S270へ移行する。
【0062】
[カラオケ装置1の音声制御部24のメイン処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行されるメイン処理の処理手順を図7のフローチャートに基づいて説明する。
【0063】
このメイン処理は、カラオケ装置1が起動している間に繰り返し実行される。
まず、ステップS610では、制御部12から演奏データが送信されているか否かを判断する。制御部12から演奏データが送信されていると判断した場合には(S610:Yes)その演奏データを受信する。そして、複数のトラックで構成されるMIDI形式の演奏データをMIDI転送バイト列に変換してRAM24dのワークエリア24gに格納する。
【0064】
一方、制御部12から演奏データが送信されていないと判断した場合には(S610:No)、S620へ移行する。
S620では、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されているか否かを判断する。制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されていると判断した場合には(S620:Yes)、その指示を受信してRAM24dのワークエリア24gに格納する。一方、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されていないと判断した場合には(S620:No)、S630へ移行する。
【0065】
S630では、制御部12から演奏データの演奏を開始する旨の指示が送信されているか否かを判断する。制御部12から演奏データの演奏を開始する旨の指示が送信されていないと判断した場合には(S630:No)、S610へ移行する。一方、制御部12から演奏データの演奏を開始する旨の指示が送信されていると判断した場合には(S630:Yes)、S640へ移行する。
【0066】
S640では、演奏データの受信が完了しているか否かを判断する。演奏データの受信が完了していないと判断した場合には(S640:No)、S610へ移行する。一方、演奏データの受信が完了していると判断した場合には(S640:Yes)、後述する演奏処理を実行する(S650)。そして、演奏処理が終了したらその旨を示す情報を制御部12に送信し、先のS625にてRAM24dのワークエリア24gに格納したガイドメロディを変更する旨の指示を消去する。そして、S610へ移行して以下のステップを繰り返し実行する。
【0067】
[カラオケ装置1の音声制御部24の演奏処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行される演奏処理の処理手順を図8のフローチャートおよび図4に基づいて説明する。なお、図4は、MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、ガイドメロディ変更時(パラメータを比例して置き換えた場合)を示す。この演奏処理は、音声制御部24のメイン処理において、S650へ移行した際に実行される。
【0068】
まず、ステップS710では、テンポ値より1ステップ当たりの時間を算出する。
続くS715では、各トラック先頭のアドレスを、各トラック別に「ポインタ変数(現在の読み込み位置)」に格納する。なお、上述のテンポ値とは、BPM(Beat Per Minute)で表される数値である。また、上述のポインタ変数とは、全トラックにおいて、各トラック先頭のアドレスをトラック毎の読み出し位置として設定するための変数を云う。
【0069】
続くS717では、現在エフェクトテーブル(図9(a)参照)に、エフェクト初期値テーブル(図9(b)参照)の内容を設定する。つまり、現在エフェクトテーブルを初期化する。
【0070】
続くS720では、音源の設定やリバーブ値などの演奏に関するパラメータなどについて初期化処理を実行する。
続くS725では、現在のステップ値をゼロとし、後述するノートオフテーブル出力処理を実行する(S730)。続いて送信対象トラックを第1トラックに設定し(S735)、送信対象トラックの出力処理を実行する(S740)。なお、本送信対象トラックの出力処理については後述する。
【0071】
続くS745では、送信対象トラックを次のトラックに設定する。
続くS750では、全てのトラックを送信対象トラックとしたか否かを判断する。全てのトラックを送信対象トラックとはしていないと判断した場合には(S750:No)、S740へ移行して以下の処理を繰り返し実行する。一方、全てのトラックを送信対象トラックとしたと判断した場合には(S750:Yes)、S755へ移行する。
【0072】
S755では、現在のステップ値に数値「1」を加算する。
S760では、1ステップ分の時間待機する。そして、S765へ移行する。
S765では、制御部12から演奏データの演奏を中止する旨の指示が送信されているか否かを判断する。制御部12から演奏データの演奏を中止する旨の指示が送信されていると判断した場合には(S765:Yes)本処理を終了する。一方、制御部12から演奏データの演奏を中止する旨の指示が送信されていないと判断した場合には(S765:No)、S770へ移行する。
【0073】
S770では、全てのトラックについて各トラックの終端まで到達しているか否かを判断する。全てのトラックについて各トラックの終端まで到達していないと判断した場合には(S770:No)、S730へ移行して以下の処理を繰り返し実行する。一方、全てのトラックについて各トラックの終端まで到達していると判断した場合には(S770:Yes)、本処理を終了する。
【0074】
[カラオケ装置1の音声制御部24のノートオフテーブルデータ出力処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行されるノートオフテーブルデータ出力処理の処理手順を図10(b)のフローチャートおよび図10(a)に基づいて説明する。なお、図10(a)は、MIDIデータのノートオフテーブルを示す説明図である。このノートオフテーブルデータ出力処理は、音声制御部24にて実行される演奏処理のS730へ移行した際に実行される。
【0075】
まず、ステップS1110では、データを読み込む対象をノートオフテーブル(図10(a)参照)の先頭のテーブルに設定する。
続くS1120では、データを読み込む対象として設定されているテーブルの「Waitステップ値」を、数値「1」減算する。
【0076】
続くS1130では、上述の「Waitステップ値」が数値「0」であるか否かを判断する。上述の「Waitステップ値」が数値「0」ではないと判断した場合には(S1130:No)、後述するS1150へ移行する。一方、上述の「Waitステップ値」が数値「0」であると判断した場合には(S1140:Yes)、データを読み込む対象として設定されているテーブルのノートオフを出力し(S1140)、S1150へ移行する。
【0077】
S1150では、データを読み込む対象として設定されているテーブルを次のテーブルに変更する。
続くS1160では、全てのテーブルについて確認したか否かを判断する。全てのテーブルについて確認していないと判断した場合には(S1160:No)、S1120に戻って全てのテーブルについての確認が終了するまでS1120以下の処理を繰り返し実行する。一方、全てのテーブルについて確認したと判断した場合には(S1160:Yes)、本処理を終了する。
【0078】
[カラオケ装置1の音声制御部24の送信対象トラック出力処理]
以下に、カラオケ装置1の音声制御部24により実行される送信対象トラック出力処理の処理手順を図11のフローチャートおよび図12のフローチャートに基づいて説明する。この送信対象トラック出力処理は、音声制御部24の演奏処理において、S740へ移行した際に実行される。
【0079】
まず、ステップS805では、送信対象トラックにおいて、演奏がトラックの終端まで到達しているか否かを判断する。演奏がトラックの終端まで到達していると判断した場合には(S805:Yes)本処理を終了する。一方、演奏がトラックの終端まで到達していないと判断した場合には(S805:No)、S810へ移行する。
【0080】
S810では、現在の読み込み位置のデータ(現在位置データ)のデルタタイムを数値「1」減算する。
続くS815では、現在位置データのデルタタイムが数値「0」であるか否かを判断する。現在位置データのデルタタイムが数値「0」ではないと判断した場合には(S815:No)、本処理を終了する。一方、現在位置データのデルタタイムが数値「0」であると判断した場合には(S815:Yes)、S817へ移行する。
【0081】
S817では、ガイドメロディの変更があるか否かを判断する。具体的には、先の音声制御部24のメイン処理のS620において、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されているか否かの判断結果を参照して判断する。制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されている場合には(S817:Yes)、ガイドメロディの変更があると判断してS820に移行する。一方、制御部12からガイドメロディを変更する旨の指示が送信されていない場合には(S817:No)、ガイドメロディの変更がないと判断してS820を実行せずにS825に移行する。
【0082】
S820では、当該トラックの属性がガイドメロディであるか否かを判断する。当該ト
ラックの属性がガイドメロディではないと判断した場合には(S820:No)、音色非変更出力処理を実行し(S825)、後述するS885へ移行する。一方、当該トラックの属性がガイドメロディであると判断した場合には(S820:Yes)、S830へ移行する。
【0083】
S830では、当該トラックにおける音色の変遷を調査する「音色先読み処理」を実行する。
続くS835では、現在の音色が変更したい音色であるか否かを判断する。現在の音色が変更したい音色ではないと判断した場合には(S835:No)、S825へ移行する。一方、現在の音色が変更したい音色であると判断した場合には(S835:Yes)、S840へ移行する。
【0084】
S840では、読み込んだデータがノートを示すデータであるか否かを判断する。読み込んだデータがノートを示すデータであると判断した場合には(S840:Yes)、後述するノート出力処理を実行し(S845)、後述するS885へ移行する。一方、読み込んだデータがノートを示すデータではないと判断した場合には(S840:No)、S850へ移行する。
【0085】
S850では、読み込んだデータが、音色MAPまたは音色BANKの何れか一方を示すデータであるか否かを判断する。読み込んだデータが音色MAPまたは音色BANKの何れか一方を示すデータであると判断した場合には(S850:Yes)、現在位置のデータのパラメータを、指定値に置換してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S855)、後述するS885へ移行する。一方、読み込んだデータが音色MAPまたは音色BANKの何れか一方を示すデータではないと判断した場合には(S850:No)、S860へ移行する。
【0086】
S860では、読み込んだデータが音色設定に関するデータであるか否かを判断する。読み込んだデータが音色設定に関するデータではないと判断した場合には(S860:No)、後述するS870へ移行する。一方、読み込んだデータが音色設定に関するデータであると判断した場合には(S860:Yes)、S861へ移行する。
【0087】
S861では、現在位置のデータのパラメータを、指定値に置換してRAM24dのワークエリア24gに記憶させる。
続く862では、先に置換したボリューム設定値を出力したか否かを判断する。先に置換したボリューム設定値を出力したと判断した場合には(S862:Yes)、後述するS864へ移行する。一方、先に置換したボリューム設定値を出力していないと判断した場合には(S862:No)、ボリューム設定値を音色変更時音量調節テーブル(図13から読み出してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S863)、S864へ移行する。
【0088】
S864では、先に置換したボリューム設定値を出力したか否かを判断する。先に置換したボリューム設定値を出力したと判断した場合には(S864:Yes)、後述するS885へ移行する。一方、先に置換したボリューム設定値を出力していないと判断した場合には(S862:No)、ボリューム設定値を新たに指定値に設定してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S865)、音色を変更した旨を内蔵するRAM等に記憶し(S866)、後述するS885へ移行する。
【0089】
さて、S870では、読み込んだデータがビブラート設定値の何れか一方であるか否かを判断する。読み込んだデータがビブラート設定値の何れか一方ではないと判断した場合には(S870:No)、ボリューム設定か否かを判断する(S876)。ボリューム設定ではない場合には(S876:NO)、現在位置のデータをそのままRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S880)、後述するS885へ移行する。一方、ボリューム設定である場合には(S876:YES)、音色変更時音量調節テーブル(図13参照)を参照してそのボリューム値に対応する補正係数を読み出す(S890)、次に、現在のボリューム設定値を、現在エフェクトテーブルのボリュームパラメータ値に設定する(S892)。さらに、先に読み出した補正係数を現在のボリューム設定値に掛け合わせてその値を内蔵RAMに記憶させ(S894)、該当する設定が置換済みである旨をRAM24dのワークエリア24gに記憶させる(S896)。そして後述するS885へ移行する。
【0090】
また、先にS870において、読み込んだデータがビブラート設定値の何れか一方であると判断した場合には(S870:Yes)、現在のエフェクトテーブルの該当エフェクトエリアに対してパラメータ値を設定するとともに(S871)、現在位置のデータのパラメータを、指定値に置換してRAM24dのワークエリア24gに記憶させ(S872)、該当する設定が置換済みである旨をRAM24dのワークエリア24gに記憶させる(S874)。そしてS885へ移行する。
【0091】
また、S885では、データを読み込む位置を1ステップ分進行させる。そしてS815へ移行して以下の処理を繰り返し実行する。
[効果]
(1)このように実施形態のカラオケ装置1によれば、次のような効果を奏する。すなわち、CPU24eが、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に基づき、「現在エフェクトテーブル」を参照して「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を読み出すとともに、設定内容記憶エリア24iが記憶する「音色変更時音量調節テーブル」を参照して、「有効なガイドメロディの音色の種別」および「変更後のガイドメロディの音色の種別」に応じた補正係数を読み出し、その読み出した補正係数を掛け合わせることで「変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値」を補正する。つまり、「変更前のガイドメロディの音色の種別」と「変更後のガイドメロディの音色の種別」を考慮して、変更後のガイドメロディの音量設定値を補正するので、演奏データ中に複数回のガイドメロディの音色設定を示すデータが含まれ、変更対象音色から変更非対象音色へとガイドメロディの音色の種別が変更された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0092】
(2)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、上述のように音量設定値を補正した後にCPU24eが音量指定データを取得した場合には、CPU24eが、音量指定データが指定する音量設定値に、上述の補正係数を掛け合わせることで補正する。このことにより、音色変更後に音量指定された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0093】
(3)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、音量設定値をボリューム設定値としているので、音量を直接変化させるボリューム設定値を変化させるため、音量設定値をエクスプレッション設定値やベロシティー設定値とした場合に比べて、音量が決定されるまでのパラメータに関する計算量が少なくて済む効果がある。したがって、ガイドメロディの音色の種別の変更時にその変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとを瞬時に合致させることができる。また、このボリューム設定値については、音量と直接的な関係を有するため、各トラックのボリューム設定をユーザ関数として利用者にて使用可能とすることで、利用者の好みの設定をすることができる。
【0094】
(4)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、CPU24eが、特定された変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に音量指定データが取得された場合には、音量指定データが指定する音量設定値を補正する。このようにすれば、音色変更後に音量指定された場合でも、その変更後のガイドメロディの音量レベルとガイドメロディ以外の演奏の音量レベルとの間でバランスが合わなくなって違和感が生じるのを防ぐことができる。
【0095】
(5)また、第一実施形態のカラオケ装置1によれば、CPU24eが、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてを制御部12によってHDD16から取得してワークエリア24gへ一時的に記憶させ、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出する。このことにより、上述の変更データ・音量指定データ検出処理の起動頻度を少なくでき、CPU24eにおける変更データ・音量指定データ取得処理に関する部分の処理負荷を小さくできる。また、予約曲に対して上述の処理を実行すれば、その予約曲よりも以前に予約された演奏曲の演奏中に上述の処理を行うこともできる。ただし、カラオケ演奏を行う予定の演奏データすべてをワークエリア24gへ一時的に記憶させるため、ワークエリア24gの記憶領域の容量を大きくする必要がある。
【0096】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0097】
(1)上述の第一実施形態のカラオケ装置1では音量設定値をボリューム設定値としているが、これには限られず、音量設定値をエクスプレッション設定値としてもよい。すなわち、カラオケ楽曲演奏時におけるガイドメロディの利用方法の一つに「プロ・アマモード」がある。このプロ・アマモードとは、ガイドメロディ音量が標準音量より大きい、又は標準音量より小さいという音量差を設けることで、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が未知の楽曲をカラオケ歌唱する場合に、アマモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より大きくして歌唱を補助し、カラオケ利用者にとって未知の歌唱への不安を解消し、十八番の楽曲をカラオケ歌唱する場合においては、プロモードによって、ガイドメロディの音量を標準音量より小さくして歌唱の妨げとならないようにして、利用者にとって十八番の楽曲は歌唱補助を受けていないというカラオケ歌唱の満足度を向上させる機能である。
【0098】
具体的には、図1に例示するように、カラオケ利用者が未知の楽曲のカラオケ歌唱を行う場合に、カラオケ利用者がカラオケ装置(コマンダ)1の操作部18からガイドメロディ機能の標準、アマモード、プロモードからアマモードを選択すると、操作処理部22が前記選択の指示を受け取り制御部12へ通知し、制御部12は、ガイドメロディ音量が標準音量より大きくなるように、前記指示を音声制御部24へ通知し、音声制御部24がガイドメロディ音量を変更する。同様にプロモードを選択するとガイドメロディの音量が標準音量より小さくなるように、音声制御部24がガイドメロディ音量の変更を行う。通常、ガイドメロディが動作する場合のガイドメロディ音量は、標準が選択されており、標準の音量は、予め、楽曲データの作成者によって楽曲データ作成時に設定されている。
【0099】
しかし、上記のプロ・アマモードが動作した場合に、ガイドメロディ音量の変更はボリューム設定値を変更することで行われるため、プロ・アマモードが動作すると、ガイドメロディ音量をボリューム設定値で変更する本発明が実施できない問題があった。
【0100】
これに対して、エクスプレッション設定値は上記ガイドメロディ音量と直接的な関係を有しないため、プロアマモードが動作中、つまり、音量設定値をエクスプレッション設定値とすることで、ボリューム設定値が既に別の機能に使用されている場合においても、本発明が実施できるという効果がある。
【0101】
(2)また、上述の第一実施形態のカラオケ装置1では音量設定値をボリューム設定値としているが、これには限られず、音量設定値をベロシティー設定値としてもよい。すなわち、カラオケ楽曲演奏時において、カラオケ利用者が、楽曲が明るく感じるよう演奏する、暗く感じるように演奏する、という演奏によって人の情感を表現する演奏方法がある。具体的には、例えばピアノの打鍵において、鍵盤を強く打つような音はメリハリがあるから明るい、弱く打つような音は弱々しいから暗い、とする演奏であり、前記演奏方法は楽曲データのベロシティー設定値を変化させることで実施している。
【0102】
つまり、音量設定値をベロシティー設定値とすれば、ボリューム設定値を利用する場合に比べて、ガイドメロディの音色の種別の変更時に、利用者に対し、カラオケ楽曲演奏を明るく感じさせる、又は暗く感じさせるような情感を与えられる効果がある。
【0103】
(3)上記第一実施形態では、CPU24eが、カラオケ演奏を行う予定の演奏データを制御部12によってHDD16から取得してワークエリア24gへ一時的に記憶させ、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出するが、これには限られず、例えばカラオケ装置1が備える操作部18やリモコン端末2などから入力された変更データや音量指定データを取得するようにしてもよい。
【0104】
(6)上記第一実施形態において、CPU24eが、カラオケ演奏を行う予定の演奏データをHDD16から取得してRAM24dのワークエリア24gへ一時的に記憶させている途中に、そのワークエリア24gが記憶する演奏データから変更データや音量指定データを検出するようにしてもよい。このようにすれば、RAM24dのワークエリア24gの記憶領域の容量を小さくすることができる。ただし、変更データ・音量指定データ検出処理の実行頻度が多くなり、上述のCPU24eにおける変更データ・音量指定データ取得処理実行領域の処理負荷が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】カラオケシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】カラオケシステムの音声制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、(a)は通常演奏時を示し、(b)はガイドメロディ変更時(パラメータを固定して置き換えた場合)を示す。
【図4】MIDIデータを構成する各トラックおよびMIDIデータ列を示す説明図であり、ガイドメロディ変更時(パラメータを比例して置き換えた場合)を示す。
【図5】(a)はカラオケ装置の制御部が実行する入力受付処理を示すフローチャートであり、(b)は選曲テーブルを示す説明図である。
【図6】カラオケ装置の制御部が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図7】カラオケ装置の音声制御部が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図8】カラオケ装置の音声制御部が実行する演奏処理を示すフローチャートである。
【図9】(a)は現在エフェクトテーブルを示す説明図であり、(b)はエフェクト初期値テーブルを示す説明図であり、(c)は、エフェクト変更テーブルを示す説明図である。
【図10】(a)はMIDIデータのノートオフテーブルを示す説明図であり、(b)はカラオケ装置の音声制御部が実行するノートオフテーブルデータ出力処理を示すフローチャートである。
【図11】カラオケ装置の音声制御部が実行する送信対象トラック出力処理を示すフローチャート(1)である。
【図12】カラオケ装置の音声制御部が実行する送信対象トラック出力処理を示すフローチャート(2)である。
【図13】音色変更時音量調節テーブルを示す説明図である。
【符号の説明】
【0106】
1…カラオケ装置、2…リモコン端末、12…制御部、14…インタフェース部、16…ハードディスク(HDD)、18…操作部、20…赤外線通信部、22…操作処理部、24…音声制御部、24a…バス、24b,24f…I/F、24c…ROM、24d…RAM、24e…CPU、24g…ワークエリア、24h…バッファエリア、24i…設定内容記憶エリア、26…マイクロフォン、28…スピーカ、30…MIDI音源、32,64…ビデオRAM、34…映像再生部、36…表示部、38…映像制御部、52…制御部、54…赤外線通信部、56…メモリ、58…表示部、60…操作部、62…操作処理部、66…映像制御部、68…無線LAN通信部、100…ネットワーク、110…無線アクセスポイント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音色が指定されたガイドメロディを含み、MIDIデータの形式で作成された演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、
前記演奏データを前記演奏データ記憶手段から取得可能な演奏データ取得手段と、
前記演奏データ取得手段によって取得された演奏データに基づいてカラオケ演奏を行うカラオケ演奏手段と、
を備えるカラオケ装置であって、
前記ガイドメロディの音色の種別を変更する旨の変更データを取得可能な変更データ取得手段と、
前記変更データ取得手段によって変更データが取得された場合に、その変更データが指示する変更後のガイドメロディの音色の種別を特定する変更後音色種別特定手段と、
前記変更データ取得手段によって変更データが取得された場合に、有効なガイドメロディの音色の種別を特定する有効音色種別特定手段と、
前記ガイドメロディの音色の種別とその音色の種別に対応する音量設定値とを対応付けた音量設定値テーブルを記憶する音量設定値テーブル記憶手段と、
前記有効音色種別特定手段によって特定された有効なガイドメロディの音色の種別、および前記変更後音色種別特定手段によって特定された変更後のガイドメロディの音色の種別に基づき、前記音量設定値テーブル記憶手段が記憶する前記音量設定値テーブルを参照して前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を読み出し、その読み出した音量設定値を補正する補正手段と、を備え、
前記カラオケ演奏手段は、前記演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において前記変更データ取得手段によって変更データが取得された場合には、前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別および前記補正手段による補正後の音量設定値に基づき、前記ガイドメロディをカラオケ演奏すること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカラオケ装置において、
前記音量設定値とはMIDIコマンドにおけるボリューム設定値であることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカラオケ装置において、
前記音量設定値とはMIDIコマンドにおけるエクスプレッション設定値であることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のカラオケ装置において、
前記音量設定値とはMIDIコマンドにおけるベロシティー設定値であることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のカラオケ装置において、
前記ガイドメロディの音量設定値を指定する旨の音量指定データを取得可能な音量指定データ取得手段を備え、
前記補正手段は、前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に前記音量指定データ取得手段によって前記音量指定データが取得された場合には、前記音量指定データ取得手段によって前記音量指定データが指定する音量設定値を補正し、
前記カラオケ演奏手段は、前記演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に前記音量指定データ取得手段によって前記音量指定データが取得された場合には、前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別および前記補正手段による補正後の前記音量指定データが指定する音量設定値に基づき、前記ガイドメロディをカラオケ演奏すること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載のカラオケ装置において、
前記有効なガイドメロディの音色の種別および前記変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を記憶する補正係数記憶手段を備え、
前記補正手段は、前記有効なガイドメロディの音色の種別および前記変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を前記補正係数記憶手段から読み出し、その読み出した補正係数を前記音量設定値に掛け合わせることで前記音量設定値を補正すること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れかに記載のカラオケ装置における補正手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項1】
音色が指定されたガイドメロディを含み、MIDIデータの形式で作成された演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、
前記演奏データを前記演奏データ記憶手段から取得可能な演奏データ取得手段と、
前記演奏データ取得手段によって取得された演奏データに基づいてカラオケ演奏を行うカラオケ演奏手段と、
を備えるカラオケ装置であって、
前記ガイドメロディの音色の種別を変更する旨の変更データを取得可能な変更データ取得手段と、
前記変更データ取得手段によって変更データが取得された場合に、その変更データが指示する変更後のガイドメロディの音色の種別を特定する変更後音色種別特定手段と、
前記変更データ取得手段によって変更データが取得された場合に、有効なガイドメロディの音色の種別を特定する有効音色種別特定手段と、
前記ガイドメロディの音色の種別とその音色の種別に対応する音量設定値とを対応付けた音量設定値テーブルを記憶する音量設定値テーブル記憶手段と、
前記有効音色種別特定手段によって特定された有効なガイドメロディの音色の種別、および前記変更後音色種別特定手段によって特定された変更後のガイドメロディの音色の種別に基づき、前記音量設定値テーブル記憶手段が記憶する前記音量設定値テーブルを参照して前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を読み出し、その読み出した音量設定値を補正する補正手段と、を備え、
前記カラオケ演奏手段は、前記演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において前記変更データ取得手段によって変更データが取得された場合には、前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別および前記補正手段による補正後の音量設定値に基づき、前記ガイドメロディをカラオケ演奏すること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカラオケ装置において、
前記音量設定値とはMIDIコマンドにおけるボリューム設定値であることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のカラオケ装置において、
前記音量設定値とはMIDIコマンドにおけるエクスプレッション設定値であることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のカラオケ装置において、
前記音量設定値とはMIDIコマンドにおけるベロシティー設定値であることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れかに記載のカラオケ装置において、
前記ガイドメロディの音量設定値を指定する旨の音量指定データを取得可能な音量指定データ取得手段を備え、
前記補正手段は、前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に前記音量指定データ取得手段によって前記音量指定データが取得された場合には、前記音量指定データ取得手段によって前記音量指定データが指定する音量設定値を補正し、
前記カラオケ演奏手段は、前記演奏データに基づいてカラオケ演奏を行う場合において前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別に対応する音量設定値を補正した後に前記音量指定データ取得手段によって前記音量指定データが取得された場合には、前記変更後音色種別特定手段によって特定された前記変更後のガイドメロディの音色の種別および前記補正手段による補正後の前記音量指定データが指定する音量設定値に基づき、前記ガイドメロディをカラオケ演奏すること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載のカラオケ装置において、
前記有効なガイドメロディの音色の種別および前記変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を記憶する補正係数記憶手段を備え、
前記補正手段は、前記有効なガイドメロディの音色の種別および前記変更後のガイドメロディの音色の種別に応じた補正係数を前記補正係数記憶手段から読み出し、その読み出した補正係数を前記音量設定値に掛け合わせることで前記音量設定値を補正すること
を特徴とするカラオケ装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れかに記載のカラオケ装置における補正手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2006−337553(P2006−337553A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159967(P2005−159967)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]